ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会)> 中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会第84回議事録(2017年8月23日)




2017年8月23日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第84回議事録

○日時

平成29年8月23日(水)9:52~11:11


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

関ふ佐子部会長 松原由美部会長代理 中村洋委員 荒井耕委員
幸野庄司委員 間宮清委員 宮近清文委員
松本吉郎委員 万代恭嗣委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
五嶋規夫専門委員 昌子久仁子専門委員 日色保専門委員
<事務局>
鈴木保険局長 渡辺審議官 伊原審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器業界からの意見聴取について

○議事

 

 

 

○関部会長

 それでは、ただいまより第84回「保険医療材料専門部会」を開催いたします。

 まず、委員の出欠状況について報告します。

 本日は、平川委員、榊原委員が御欠席です。平川委員の代理といたしまして、間宮委員に御出席いただいております。よろしくお願いします。

 次に、厚生労働省におきまして異動がございましたので、事務局より紹介をお願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 前回、総会等で既に御紹介しておりますけれども、改めまして、この部会でございますので、保険局の古元重和医療課企画官でございます。

○古元医療課企画官

 よろしくお願いいたします。

○関部会長

 ありがとうございました。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 今回は、関係業界からの意見聴取を行いたいと思います。

 関係団体として「日本医療機器産業連合会」「日本医療機器テクノロジー協会」「先進医療技術工業会」「米国医療機器・IVD工業会」「欧州ビジネス協会 医療機器・IVD委員会」「日本医療機器販売業協会」「臨床検査薬協会」より、意見を聴取したいと考えております。

 順番に自己紹介をお願いいたします。

○日本医療機器産業連合会(渡部)

 医機連会長の渡部でございます。

○日本医療機器産業連合会(笹)

 同じく副会長の笹でございます。私は日本医療機器テクノロジー協会の会長も兼ねてございます。

○日本医療機器産業連合会(鎌田)

 医機連の機器保険委員会の委員長をやっております、鎌田と申します。よろしくお願いいたします。

○日本医療機器販売業協会(浅若)

 医機販協の副会長をしております、浅若でございます。よろしくお願いします。

○日本医療機器販売業協会(阿部)

 同じく医機販協の常任理事をしております、阿部と申します。よろしくお願いいたします。

○米国医療機器・IVD工業会(加藤)

AMDD(米国医療機器・IVD工業会)会長の加藤でございます。よろしくお願いいたします。

○米国医療機器・IVD工業会(林)

 同じくAMDD保険委員会の委員長をさせていただいております、林でございます。よろしくお願いします。

○欧州ビジネス協会 医療機器・IVD委員会(ダニー・リズバーグ)

 欧州ビジネス協会のリズバーグと申します。

○欧州ビジネス協会 医療機器・IVD委員会(田中)

 同じくEBC診療報酬部会長の田中でございます。よろしくお願いします。

○臨床検査薬協会(寺本)

 日本臨床検査薬協会の会長をしております、寺本です。よろしくお願いいたします。

○臨床検査薬協会(坂本)

 同じく臨薬協の理事をしております坂本と申します。よろしくお願いします。

○関部会長

 ありがとうございました。

 それでは早速、意見陳述に移りたいと思います。

 なお、7つの団体より、全体で35分程度でまとめてプレゼンテーションをしていただき、その後に質疑とフリーディスカッションを行いたいと思います。

 それでは、35分以内ということで、よろしくお願いします。

○日本医療機器産業連合会(渡部)

 本日は、改めまして、業界としての御意見を表明する機会をいただきまして、ありがとうございます。

 今、健康寿命の延伸に向けて、さまざまな取り組みがございますけれども、医療機器産業についても、産業としての健全な成長を目指してございます。そういった中で、我が国の保険医療制度の健全な維持、拡充が必須であると理解してございますので、これに貢献すべく、産業界の立場から本日は意見を述べさせていただきたいと考えております。

 本日は材料、機器、流通、体診と、4つの分野についてそれぞれ御説明をさせていただきます。

 それでは早速、材料から御説明をさせていただきます。

○米国医療機器・IVD工業会(加藤)

 よろしくお願いいたします。

 お手元の資料1の「特定保険医療材料」に関しまして、私、AMDD会長の加藤が、医機連、MTJAPANAdvaMedAMDD及びEBCを代表して意見を述べさせていただきます。

 右下の番号でいきます。スライド1をごらんください。本日の提案項目です。前半の1番と2番は、本年2月8日と7月26日の本部会で討議された議論に沿っております。1番はイノベーションの評価、2番が外国価格調整、そして、3番が価格算定に係る手続の適正化、4番が毎年改定、5番に「その他」となっております。

 なお、補足的スライドは、スライド13以降に参考資料として添付しております。

 スライド2をごらんください。医療材料専門組織からの論点である、使用実績を踏まえた評価及び改良の評価についてです。これについては、業界もイノベーションを評価する上で極めて重要であると考えています。

 新たな仕組みの検討に際しては、医療材料の特徴である臨床現場からのニーズを反映した継続的な改良・改善、さらにその積み重ねから生まれるイノベーションを損なうことのないようお願いいたします。

 多くの医療材料において、保険収載時に示すことができるのは、動物試験、非臨床試験、短期間の臨床データなどの薬事申請に関するデータが中心です。特に患者の生涯にわたって体内にインプラントされる医療材料のように、長期にわたる臨床データによる評価については、保険収載前のデータ収集は現実的ではありません。製品導入後に臨床使用実績を踏まえたデータの蓄積が可能になる場合もあることから、保険収載後に再度、保険申請ができる、あるいは保険収載時に将来のデータ提出を条件にした評価制度等の検討をお願いしたいと考えます。

 もう一つの論点である、置きかわり製品に対する改良の評価につきましては、極めて慎重に検討する必要があります。スライド一番下のポツにございますように、保険医療材料は機能区分制度のため、メーカーごとにいろいろな特徴を持った製品が同一区分内に混在します。結果、上市時に一つの新製品が既存製品を置きかえるケースはまれと思われるからです。

 次のスライド3は、単純化した製品への対応についてです。いわゆる「単純化」は、付加機能の削除もありますが、医療現場での負担を軽減できるように、より使いやすく、より安全に手技ができる改良もあることから、一律に減算ではなく、個々の改良点を考慮する必要があると考えます。

 スライド4をごらんください。先駆け指定された医療機器についての評価の検討ですが、これは全く同感です。世界に先駆けて日本での早期実用化を目指し、優先相談、優先審査等の制度がある中、保険償還に関しましても、開発促進のためにインセンティブなどの設計をお願いいたします。

 スライド5に移ります。ニーズ品に関しては、総数127品目のうち、承認済み、審査中を合わせますと67品目が対応済みです。開発要請中、公募中は37品目でございます。これは、スライド13の参考資料1にデータをお示ししております。

 企業は、医療現場からの声を真摯に受けとめて、前向きに取り組んでまいりました。しかし、中には開発を進めることができないケース、一から長期にわたる開発や生産体制構築をやり直すことになるケースがあることも御理解いただきたいと思います。代表的な例は、このスライドの青い四角をごらんください。

 ニーズの高い医療機器を患者様に届けるために、これからも関係学会とも協力して進めていきたいと考えており、企業の開発意欲を支援する保険上の配慮をお願いいたします。

 スライド6をお願いいたします。このスライドは、平成24年度改定で導入された「迅速加算」と、平成26年度改定で導入された「機能区分特例」についての意見です。

 1番目の「迅速加算」は、薬事制度が日本に類似している米国との比較において、米国に先行して日本に上市した製品が対象であり、デバイスラグの解消のみならず、日本市場の活性化に寄与していると考えます。結果、米国に先行した製品の比率が37.5%から44.2%へと大きく上昇しております。継続をお願いしたい次第です。

 2番目の「機能区分特例」は先発企業の2番手以下への不公平感が解消され、さらに新製品の開発競争が企業間で加速され、患者アクセスのスピードアップにつながっております。よって、継続と期間の延長、対象の拡大などの改善をお願いいたします。

 以上が、提案1のイノベーションの評価についてでございます。

 続いて、提案2「外国価格調整等の見直しについて」に入ります。

 スライド7をごらんください。いわゆる内外価格差の是正については、本制度の導入以来、内外価格差が大幅に減少したことから、業界としては廃止を望んでおります。しかし、廃止がかなわない場合でも、変更したばかりの上限を再度変更しないこと、為替の影響を配慮していただきたいこと、イノベーションを促進するためのめり張りのきいたルールへの改善を検討すること、そして、機能区分制度に配慮して、外れ値ルールを改良することを、要望としてこのスライドと次のスライドに示しております。

 まず、直近2回の改定においても、倍率上限が引き下げられました。連続した引き下げは、事業予見性を著しく損なうことから、現状の1.3倍を維持していただくようお願いいたします。

 また、医療機器の特性を踏まえた必要な配慮として、以下の点について検討をお願いします。

 外国価格との比較においては、為替の影響も大きな要因となります。円高の影響で一度引き下げられた価格は、円安時に引き上げがされないため、制度として公平性に問題があると考えております。

 倍率の分布を見ると、ほとんどの区分が1倍以下に収束してきている中、さらなる引き下げには慎重な検討が必要だと考えます。

 次のスライドをお願いします。

 1つ目のポツです。イノベーションの推進に配慮しためり張りという観点は、前回改定時に希少疾病用機器や10%以上の加算がついた製品などの例外品目については、倍率の上限が1.5倍と設定されました。したがいまして、これらの区分の再算定については、収載後一定期間、収載時の上限を維持していただくようお願いいたします。

 2つ目のポツですけれども、イノベーションの評価に加え、安定供給の観点からの配慮として、製品の改良・改善が進んでいる区分、1企業あるいは1銘柄のみの区分などを、多銘柄が導入されて成熟している区分と区別して、異なる倍率の上限を設定してはどうでしょうか。

 3つ目のポツです。外れ値制度は、新規収載時と同じルールが再算定時にも適用されることになりました。ただ、新規収載の場合には「一つの製品」について「異なる国」の価格のばらつきが比較されるのに対し、既存区分では、区分内にある「複数の製品」について「異なる国」の価格を比較することとなり、国同士の価格のばらつきだけでなく、複数の製品間の価格のばらつきを比較することになってしまうため、再算定時の外れ値の取り扱いを変えることについても、検討をお願いできればと思います。

 続きまして、スライド9の提案3「価格算定に係る手続きの適正化について」です。「類似機能区分比較方式では価格が低過ぎ、安定供給が困難な場合の対応」についての提案です。

 既存の制度では、類似機能区分比較方式で計算した結果、外国平均価格に比べて0.5倍以下の場合には、原価計算方式で再計算が可能です。しかし、外国平均価格がない場合には、この制度の対象にはなりません。安定供給の観点から、既存制度と同様のルール設定を要望いたします。

 また、償還価格が設定されてから年月がたち、償還価格が低くなった機能区分であっても製品改良が進むよう、機能区分が設定されてから一定期間、例えば10年などが経過している場合にも、原価計算方式の適用をお願いします。

 次のスライドは、提案4の毎年価格調査についてです。

 特定保険医療材料の価格調査は、20万品目に及ぶ市場の実勢をより適正に反映するため、5カ月間のデータについて調査を行っており、毎年改定を実施するとなると、医療機関との価格交渉と市場実勢価格調査の時期が重なり、結果の信頼性に問題が生じることを懸念いたします。

 また、毎年改定が医療機器へ波及した場合には、イノベーション推進の体力をそぎ、デバイスラグの再燃やデバイスギャップの拡大につながることが懸念されるため、医療機器の毎年改定には反対申し上げます。

 スライド11をお願いします。ここからは、その他の御提案です。

 「適応追加等による市場の変化」に対してですが、医療機器は適用部位別に開発されるため、薬事承認の適用が拡大されることはまれです。適用が拡大された場合には、再度、区分Cの保険適用希望書の提出を求められ、専門組織への議論を経て償還されることとなっています。

 さらに、保険は算定に必要な条件が留意事項として設定されているため、対象患者数の急激な増加は考えにくいのが現状であり、これらを踏まえた議論が必要と考えます。

 続きまして、スライド12です。

 「■基礎的な汎用医療材料の取り扱いについて」は、安定供給等の観点を踏まえて、今後の取り扱いを検討してはどうでしょうか。例えば、機能区分制度が導入されたときからあった機能区分の中には、価格の下落により取り扱い社数も少なくなり、価格が下げどまってきている区分もあると聞いています。このような製品には、償還価格を固定化するなど、新たな取り扱いを検討してはいかがでしょうか。

 「■単回使用医療機器(SUD)の再製造について」は、再製造品の承認について、関係制度の整備がなされていますが、24ページの参考資料11に示していますように、オリジナル品と再製造品では置かれている条件が異なります。特にオリジナル品には改良・改善が求められますが、再製造品にはその役割がありません。再製造品メーカーにオリジナル品メーカーと同様の安定共有責任を課すことは困難です。

 また、適正使用のための医療者へのトレーニングや医療情報提供などは、オリジナル品メーカーが行い、済ませていた状況であります。

 こうした状況を鑑み、SUD再製造品の保険償還上の取り扱いについて、オリジナル品とは異なる取り扱いとしていただくようお願いいたします。

 お手元の資料の説明は以上ですけれども、業界は日本の医療現場と患者さんに効能・効果の高い最先端の医療機器を届けるよう努力しております。医療機器の特性を踏まえたイノベーションの評価の仕組みの構築が推進されることを願っております。

 あわせて、内外価格差が縮小していく中で、今後、導入が予定されている費用対効果評価なども含め、諸外国との制度の違いや為替の変動に影響されない価値と価格の新たな物差しの構築も推進されるよう願っております。

 私からは以上です。ありがとうございます。

○日本医療機器産業連合会(鎌田)

 続きまして、機器のほうから御提案させていただきます。医機連機器保険委員会の鎌田でございます。

 本日は、医療機器の医療技術に関する提案として、医機連、AMDDEBCの合同提案につき、以下の資料に従い御説明させていただきます。

 提案内容は「1.迅速な保険適用に資するC2申請」と「2.安全確保の推進」の2項目でございます。「2.安全確保の推進」につきましては「(1)特定保守管理医療機器全体の安全性向上のために」と「(2)感染防止対策の推進」について御提案させていただきます。

 スライド2をごらんください。

 まず最初は「1.迅速な保険適用に資するC2申請」でございます。C2区分につきましては、表にございますように、これまでの保険適用の迅速化を類似の改定において進めていただきました。

 そして、平成28年改定におきましては、保険医療材料専門組織から中医協総会に対する提案が可能となったこと。また、保険適用までの期間短縮といった、迅速化に関する御対応をいただきました。ありがとうございました。

 そこで、さらなる審査の迅速化に資するために、C2申請に係る諸項目に関する企業提出資料内容の明確化について提案させていただきます。

 例といたしましては「・複合技術や機器・構造設備を伴う大型の医療機器のシステムや構成品の項目詳細」「・繰り返し使用する医療機器の保守に関する諸費用の項目等」を考えております。

 スライド3をごらんください。

 次に「2.安全確保の推進」における「(1)特定保守管理医療機器全体の安全性向上のために」に関する提案でございます。

 医療法での機器の保守管理が義務化され、10年目を迎えております。平成24年の「保守管理計画等の届出要件化」により、保守点検実施率が上がり、安全・安心確保の効果が向上している事例もありますが、依然不十分な機器もございます。そこで、患者の安全・安心のさらなる確保に向け、2点提案させていただきます。

 まず、図にあります「造影剤注入装置」のように、保守点検実施率が改善されている事例もございますので、今後、その対象機器の拡大も必要ではないかということでございます。

 もう一点は、その対象機器の選別におきまして「特定保守管理医療機器」を対象に、段階的に検討していただいてはどうかということでございます。

 スライド4をごらんください。

 「2.安全確保を推進するために」の(2)としまして「感染防止対策の推進」に関する提案でございます。

 感染防止は、基本的に全ての医療機器に共通して言えることですが、具体例として、データがまとまっております内視鏡についてお示しさせていただきます。

 平成28年度診療報酬改定におきまして、通知状の消化器内視鏡検査項目に「関連する学会のガイドラインを参考に洗浄消毒を実施することが望ましい」という文言を追加していただきました。ありがとうございました。

 我々企業、業界としては、医学会と協力し、適切な洗浄消毒の啓発活動を実施してきましたが、当該ガイドラインで推奨する高水準消毒の実施率は、平成28年度改定後、わずかな増加にとどまっているのが現状で、さらなる環境整備が必要と考えております。

 患者の安心・安全を確保する上で、【提案】にありますように「エビデンスに基づく具体的な洗浄消毒内容をより明確に追記してはどうか」と考えております。御検討のほどよろしくお願いいたします。

 以上、医療機器・医療技術に関する提案をさせていただきました。ありがとうございました。

○日本医療機器販売業協会(浅若)

 日本医療機器販売業協会の浅若でございます。

 医療機器の流通に関しまして、意見陳述をさせていただきます。

 スライド1番をお願いします。

 「医療機器販売業の役割と現状」でございますけれども、医療機器販売業としましては、大別しまして、まず「1 医療を支えるインフラ機能」、また「2 適正使用支援」を通しまして、日本の医療体制の下支えを行っていると考えております。医薬品とは異なる、医療機器販売業の役割と現状を踏まえた制度設計をお願いしたいと思います。

 2ページをお願いします。

 「医療機器の基本的な流通の構造」でございます。これは、病院さんの例を挙げた図でございますけれども、医薬品販売業さんの場合を見ますと、病院の中に「薬剤部」という、医薬品を一元的に管理する部門がございます。

 一方、医療機器は複雑多岐にわたり、広範な品物があるものですから、一般の消耗品的なものは、用度課さんから販売業に注文が来る形になっておりますけれども、その他適正使用支援業務、あるいは情報の提供に関しましては、例えば、各現場にドクターやら看護師さんやら技師さんから直接、いろいろな提案がございます。それに対して直接、我々が個別に対応せざるを得ないということで、現状はそのようになっております。ここが大きな違いでございます。

 「医療機器流通の効率化」を促進するためには「医療機関による医療機器に関する窓口の集約」及び「医療機関と医療機器販売業間での受発注のEDI化推進」が有効と考えております。その際「医療機関による医療機器の標準統一コードの利活用が推進されること」が必要と考えております。

 次をお願いします。「適正使用支援業務」でございます。

 まず「適正使用支援業務」ということでございますけれども、説明した資料がございますので、ごらんいただきたいと思います。

12ページの参考資料5をごらんいただければと思います。

 適正使用支援業務とは「医療機器の特性を踏まえて医療機関における医療機器の適正な使用を総合的に支援する業務」でございます。「預託在庫管理業務」あるいは「短期貸出し・持込み業務」は、手術や手技ごとに使用する医療機器が異なるために、その都度必要となる医療機器を手配・納品し、使用後に引き上げ、そして回収する。そういった一連の業務でございます。

 「立会い業務」は、手術や検査時におきまして、医療機器の説明あるいは情報の提供が求められている。そのことによって、医療の安全の体制をサポートするといった業務でございます。

 「保守・メンテナンス業務」は、機器に関しましては、当然のように保守・メンテナンス業務の一次コールを販売業は対応している。売りっ放しにできないというわけで、この辺も十分大事な業務である。

 それから「緊急対応」ということで、緊急の症例がしょっちゅうございます。今、こうしている間も、救急車で患者さんが病院さんに担ぎ込まれている状況があるわけでございますけれども、そのような緊急対応にいかにスピーディーに対応できるかが大事だということで、休日深夜に至る24時間の対応を行ってございます。

 適正使用支援業務をもう少し目で見てわかるために、わかりやすい写真を用意しました。参考資料の7番でございます。

14ページをごらんいただければと思います。これは、整形外科の人工関節置換術の一例でございます。一番左の「手術オーダー」から始まりまして、最終的に「メーカー返却」、それから使用品のインプラントの売り上げを病院さんに計上するといった一連の業務がございます。

 このように、多くのインプラント並びに手術器械を事前に用意して、スタッフ等への説明等を行っておりまして、終わった後はコンテナに収納して、またメーカーに返品する形になります。

15ページの参考資料8を見ていただきますと、このように貸し出しをして、最終的に手術を行いますと、インプラントを売り上げ計上する形になります。一つの例としまして、この場合、34,268,000円と書いてありますけれども、このぐらいの概算の金額を用意してお届けする。実際に、体の中にインプラントする材料としましては、4点で大体80万ぐらいになっております。

 このようなことが、整形外科のみならず、脳外科、心臓外科あるいは血管外科等を含めまして、各診療科の専門化がどんどん進んでおりますので、それに合わせて我々が対応しているのが実情でございます。

 3ページにお戻りください。この「適正使用支援業務に関わるコスト」でございますけれども、私どもの協会のアンケートをとりまして、平成25年度と27年度でその中身を分析、比較してみました。

 まず、コストの削減でございますけれども、物流センター等の流通拠点の集約・効率化、在庫管理や入出荷業務のICT化を促進し、「受注以前」の販売管理費を減少させております。これは、下の図を見ていただきますと、15%ぐらいダウンしているということでございます。

 一方、医療機関の在庫圧縮によりまして、病院も在庫をなるべく減らす方向がございますけれども、それと裏腹の関係で、緊急配送とか頻回配送あるいは預託在庫が増加しております。配送や預託在庫管理にかかる費用の増大が顕著でございます。

 こちらのほうは、黄色の枠で色づけされておりますけれども、大きく言いますと、この黄色の部分が適正使用支援にかかわるコストでございますが、22%アップしているということでございます。

 在庫管理のICT化等によりまして、効率化が図れ、受注以前の費用の抑制も図れておりますけれども、適正使用支援業務のコストはこのように増加しておりまして、販売管理費に占める割合も増加しております。25年度は33%でありましたものが、37%にふえております。

 このように、適正使用支援業務は、医療機器販売業の主たる業務になっていると思っております。

 4ページの「緊急対応の頻度とコスト」でございます。

 これも私どものアンケート調査によって数字を把握しましたけれども、平成27年度におきましては、7割強の病院さんが週1回以上の呼び出しを行っておりまして、その理由としましては、右の棒グラフに書いてございますように「急な手術支援」とか「機器などの不具合」、調子が悪いから見ていってくれといったことが多く、医療機器販売業にとりましては、予定をしていない適正使用支援業務が多いことがわかります。

 また、循環器分野など、手術時の対応を必要とする医療機器が増加しております。このことが、このような緊急対応を求められていると考えております。

 緊急対応は、休日昼夜問わず行われておりまして、勤務時間外の呼び出しにも医療機器販売業側はその都度対応しております。そのことが、コストアップの要因になっています。

 これらの対応は、医療機器を患者に届ける上で非常に重要なものであると考えておりまして、こういった医療機器の特徴を踏まえた丁寧な議論をお願いしたいと考えております。

 5ページは「販売管理費の比較」でございますけれども、医療機器販売業と医薬品販売業の販売管理費の推移でございます。

 医薬品販売業と、我々の医療機器販売業の差は、主として「適正使用支援業務」に起因していると考えられております。また、医療機器販売業の販売管理費が高いのは、今、申し上げたとおり、主に「適正使用支援業務」が起因していると思っておりますけれども、これがやめることのできない、非常に大切な業務であると考えておりますので、丁寧な議論をお願いしたいと思っております。

 6ページは毎年の価格改定でございますけれども、医療機器販売業としましては、1番の「材料価格調査の実施」から、4番の最終的な妥結後の事務作業といった、一連の業務を行う必要がございます。その際、医療機器販売業の立場としましては、交渉する医療機関さんの数及び品目数が非常に多い。さらに、特定保険医療材料だけではございませんので、今、通年を通して一般医療消耗品の価格交渉も行われているのが現状でございます。品目数やメーカーの数が膨大となっている点について、実は憂慮しております。

 したがいまして、価格改定時に行われる一連の業務等を考えますと、医療機器販売業にとりましては、最重要責務であります「安定供給」と「適正使用支援業務」の安定的継続が弊害が出てくるおそれを考えますと、毎年価格改定については慎重な議論をお願いしたいと考えております。

 7ページはまとめです。「適正使用支援業務」はフリーアクセス、国民皆保険といった、すばらしい日本特有の医療体制から発生しました、日本独自の流通構造でありまして、医療機器販売業は主に「安定供給」と「適正使用支援業務」を通して、日本の医療体制の下支えをしております。適正使用支援業務にかかわるコストは年々増加しておりまして、販売管理費に占める割合もふえております。

 したがいまして、「医療体制の異なる諸外国と医療機器の価格を比較する際には、日本の医療体制を下支えしている医療機器販売業による『安定供給』及び『適正使用支援業務』等の日本独自の医療機器の流通構造を十分に考慮した上で丁寧な議論をお願いしたい」と思います。

 物流センター等の流通拠点の集約化や効率化によりまして、販売管理費は減少傾向にあります。医療機器販売業とメーカーの間の受発注においては、EDI化がかなり進んできております。そのことによりまして、流通の効率化を図られてきていると考えております。さらに、医療機関さんにも協力をしていただくことによりまして、一層の効率化が可能になるのではないかと考えております。

 最後ですけれども「医療機関内に医療機器の保守管理や技術支援、製品発注・受け入れ等を一元管理する専門窓口(例えば『医療機器管理室』など)の設置を推進するような施策と、医療機関と医療機器販売業間の受発注のEDI化を促進するような施策の検討をお願いしたい」と思います。

 以上でございます。ありがとうございました。

○臨床検査薬協会(寺本)

 では、続きまして、体外診断薬につきまして意見を述べさせていただきます。日本臨床検査薬協会の寺本でございます。

 まず、平成28年改定において、体外診断用医薬品に関しても、業界からの意見陳述ができるように改革していただきましたことに厚くお礼を申し上げます。また、本日はこのような機会をいただきましてありがとうございます。

 本提案は、弊協会、AMDDEBCの3団体によるものです。

 2ページは「本日の提案内容」でございます。

 「1.近年の改定について」「2.体外診断用医薬品の最近の動向」及び7月26日の本専門部会への保険医療材料等専門組織からの体外診断用医薬品に関しての御意見を受けての「a.保険適用希望のあり方について」と「b.悪性腫瘍関連遺伝子検査について」の2項目について御提案させていただきます。

 3ページ目をごらんください。平成26年、28年改定において、保険適用希望方法について、表のような改革が実施されました。26年は「新項目でなくても、技術改良等のイノベーションにより臨床的意義、利便性の向上等がある場合は、E3(改良項目)として保険適用希望が可能」となりました。

28年は「保険医療材料等専門組織で保険適用の可否、準用項目が議論され、企業は同組織に対して意見表明の機会が得られる」こととなりました。

 これらによりまして、製造販売承認を得た新製品をいち早く臨床現場に届ける仕組みの透明性が高まり、製品安定供給義務を負っている企業にとりまして、従前よりも予見性が得られるようになったと思っております。また、医療、患者への貢献が高まるものとも考えております。これらの改革を行っていただきましたことに、深く感謝申し上げます。

 4ページ目は体外診断用医薬品の最近の開発動向です。

 体外診断用医薬品は「疾病診断とその補助、治療の選択及び治療のモニタリング等」に大変有用であります、臨床現場で広く活用されていますが、昨今、技術革新や製品開発が進み、今後の医療にさらに貢献できると考えております。企業も技術イノベーションに努めております。

 表に一例を示しますが、最下段の「シークエンシング等によるがん関連遺伝子の変異や発現プロファイリング検査」は、がんの個別化医療等にも有用であり、医療経済効果も高まるものと考えております。

 5ページ目は、7月26日の本専門部会への専門組織からの御意見を受けて、新たな仕組みをより有効・効率的に機能させるために、次の3点の検討をお願いしたいと存じます。

 1点目は、臨床的意義・利便性等の向上がある場合は、E3(改良項目)で申請されるため、E2希望品目で試薬の価格計算資料を提出して、費用勘案すべきケースはないとみられますので、E2希望品目では、保険適用希望書に添付する試薬の価格を省略していただきたいと考えております。

 2点目は、E3希望品目において、既存技術との類似性だけでなく、臨床検査現場において当該技術の実施に必要な費用も踏まえて、適切な準用点数を決定していただきたいと存じます。

 3点目は、E3希望品目の準用先を選定する際の臨床検査に特有の着眼点に関しては、業界内でも議論し、意見の集約を図ることとしております。今後の議論に結びつけていきたいと考えております。

 6ページ目は、7月26日の専門組織からの御意見を受けてです。

 がん遺伝子検査においては、同一がん腫でも複数の原因がん遺伝子が発見されており、それに対応して複数の検査が出てきております。このようなケースは、今後もますますふえるものと思われます。

 また、同日の御意見では触れられていませんが、今後、実用化が期待されている検査では、複数のがんドライバー遺伝子が網羅的に測定できる試薬デザインとなりますし、新薬の開発あるいは既存薬の他臓器がんでの適用拡大等によって、検査の臨床的有用性が順次追加されることが考えられます。このようなことから、複数遺伝子検査の適切な運用と必要な検査が抑制されないよう御配慮をお願いいたします。

 私ども体外診断薬業界は、今後とも技術イノベーションにより、新しい検査法、新しい体外診断用医薬品を開発し、臨床検査の臨床的有用性、利便性を高め、医療、患者のために努力してまいりたいと考えておりますので、保険適用制度の適切な運用をお願い申し上げたいと思います。

 以上でございます。ありがとうございました。

○関部会長

 ありがとうございました。

 一通りの御説明をいただきましたので、これより質疑及びフリーディスカッションに移りたいと思います。

 なお、時間が限られておりますので、恐縮ですが、発言の冒頭で御質問なのか御意見なのかをおっしゃってください。また、医療機器の業界団体の方からの御発言につきましても、各団体で原則お一人の方にお願いしたいと思います。

 発言は簡潔に、御質問に御回答いただきますようお願いします。先ほども4分程度オーバーしてしまいましたので、御協力をよろしくお願いします。

 では、松本委員、どうぞ。

○松本吉郎委員

 1のところですけれども、毎年の調査も改定も非常に難しいことは一定の理解をいたしますが、例えば、1の7~8ページの「外国価格調整等の見直しについて」でございますけれども、医薬品の外国平均価格調整は1.25倍になっています。

 それから、11ページにありますように、適応追加等による市場拡大再算定の仕組みは、医薬品のみで材料にはないことがありますので、医薬品と医療機関の違いがあることは理解していますけれども、この相違点を踏まえた上で何か考えることがあるか、厚労省に御質問いたします。

○関部会長

 では、厚労省、お願いします。

○古元医療課企画官

 企画官でございます。

 医薬品と医療機器との1.3倍、1.25倍というお話だと思いますが、その点を含めまして、本部会において御検討をお願いしたいと考えてございます。

○関部会長

 万代委員、どうぞ。

○万代委員

 業界団体の皆様におかれましては、意見をいただき大変ありがとうございました。ご主張はよくわかりました。それにつきまして、意見と質問とを取りまぜて申し上げたいと思います。対象は「1 特定保険医療材料」と「2 医療機器・医療技術」でございます。

 まず「1 特定保険医療材料」につきまして、2ページの下に御主張がございますが、ポツの1つ目は特に、医薬品と医療材料の差には特徴がありますので、これはこのとおりと理解いたします。したがいまして、一番下にありますように、丁寧な議論はする必要があると思っております。

 次のスライド3で質問がございます。「単純化」についてでございますが、7月26日に審議された機器での例示とて

振戦軽減用の機器が例示されました。これにつきましては、ほぼ「単純化」に該当すると思いますが、ここの文章の2行目にありますように「具体事例をもとに慎重な検討を望む」ということでございます。

 ここで質問でございますが、後でまとめてお答えいただければよろしいかと思いますけれども、個々の事例について多数の品目がある中で「具体事例をもとに」ということで、団体側として、あるいは企業として例示ができるのか。そのようなことでお答えいただければと思います。

 さらに意見でございますが、2ポツ目に「有効性、安全性への影響を慎重に検討しつつ」と書いてございますけれども、これは当然のことでございまして、既に単純化した製品については、こういったものは確保されているということなので、今さらながらではないかと感じております。

 次に、今ありましたスライド7の「外国価格調整等の見直しについて」でございます。これはやはり、大分内外価格差は縮んでまいりましたけれども、為替等々の影響が大きいという御意見もございましたが、それはそれといたしまして、ぜひここについては今後も見直していくべきと考えております。

 それから、スライド8でございます。続いての外国価格調整の見直しということで、一番下の「➢」でございまして、その一番下の行に、既収載品の場合については複雑だということで、取り扱いを変えるべきだという御主張でございますが、確かにそのとおりと私は思いまして、検討に値すると思います。

 次の9ページで、これは質問でございますが、黒ポツのところの、例えば10年以上経過している場合にも原価計算方式の適用を認めよという御主張でございますが、日々革新がなされている医療材料につきましては、当然、その中に含まれるべきと考えておりまして、このような長期間にわたった以降も原価計算方式を適用せよとの御主張について、もう少し詳しく教えていただければと考えます。

 以上が1の特定保険医療材料についてでございます。順番にお願いしたほうがよろしいですか。

○関部会長

 まず、ここまでのところでお答えいただく形にしたいと思います。

 それでは、今、2点御質問があったかと思いますが、この点についてお願いします。

○米国医療機器・IVD工業会(林)

 今、2点の御質問をいただきました。1つは「単純化」といった議論の中で、具体的な例が示せるかどうか。もう一つは、原価で示す必要がどこにあるのかという御質問だったかと思います。

 まず1点目ですが、この「単純化」のところにつきまして、具体的な例は今は手持ちにはないですが、業界の中で少し探してお示しすることも可能だと思います。我々は概念的ではございますけれども、例えば、複数の製品を組み合わせて使うような場合、これを一体化させることによって感染のリスクを低減できるとか、そういう安全性の向上などに資する「単純化」というイノベーションもあると考えております。当然、付加的な機能を外すことによる「単純化」と、医療の効率を改善する、もしくは安全性、有効性を向上させるに資するイノベーションの「単純化」もあるかと思いますので、一律的に単純化することによる減算という考え方ではなく、それぞれの個々の事情を勘案していただいた上での「単純化」の評価をお願いできればというのが趣旨でございます。

 2点目ですけれども、長い間収載されている製品で、償還価格は結構下げどまってきてしまって、かなり底をついているものは確かにございます。そういった中で、長く使われる必要があるものについて、新しく開発をしたいときに、期待できる償還価格について、下がり切ってしまっているときには、類似機能区分比較方式だけではなく、原価計算という形の中で、どうやって開発のコストを見ていただけるかという道筋をいただきたいというのがこの趣旨でございます。物によって、原価の中で試みていただくことで、より開発が進められるという機能区分があると我々は考えております。

○関部会長

 よろしいでしょうか。では、万代委員、どうぞ。

○万代委員

 詳細は保材専のほうで具体的にやっていただけるということでございますので、一応、反論はしないことにいたします。どうもありがとうございました。

 そうしましたら、次は「2 医療機器・医療技術」に関しまして、特にスライドの3と4でございます。「2.安全確保の推進」ということで、2点御提示いただきました。保守と感染防止対策でございます。いずれも極めて重要だと思いますし、私自身につきましてもこの観点からの使用を推進しているところでございますので、この御主張については十分理解いたします。

 ただ、御主張の例示で申し上げますと、スライドの4番の【提案】のところの「患者の安心」云々で、「通知文にエビデンスに基づく具体的な洗浄消毒内容をより明確に追記」ということで、義務化せよという御主張にも聞こえます。それはそれで必要だという認識は先ほど申し上げたとおりではございます一方で、この安全確保の推進につきましては、企業の責任もあるだろうと考えております。

 ちょっと強い言葉で申し上げて申しわけありませんけれども、ここの書きぶりですと、現場へ責任を押しつけるようにも聞こえますが、それにつきまして質問でございます。企業側の責任として、安全に使用するための保守管理、あるいは感染対策につきまして、企業の責任的な立場から何か御意見があれば伺いたいと思います。

 以上でございます。

○関部会長

 どなたがお答えいただけますか。

○日本医療機器産業連合会(笹)

 ただいまの御質問に対して、御回答を申し上げたいと思います。

 私はオリンパスという会社に勤めてございまして、洗浄消毒、特に内視鏡の問題点については重々承知している立場で御意見を申し上げたいと思います。

 御存じのように、内視鏡ですけれども、大変複雑な構造をしてございます。これは、医療現場でその機能をきっちり果たすためでございます。ただ、その複雑さが高じて、大変入念な洗浄消毒が必要だということでございます。

 これは、機器メーカーだけで解決できる問題ではございません。実際の現場で洗浄消毒をさせていただく技師さんであり、あるいは看護師さんの御協力が非常に重要であると認識してございます。その上で、企業としてその責任をどう果たしていくのかということで申し上げると、機器特有の使っていい洗剤であったり、消毒剤であったり、あるいは機器特有の洗浄方法であったりといったことを、きっちりと現場にお伝えしていく。そのトレーニングをサポートしていく。かつルーチンにそういった教育の場を設けて、その場に参加していただく。あるいは技師会と協力をして、その注意事項について広く認識していただく。こういった活動を一緒にさせていただいているということでございます。

○関部会長

 ありがとうございました。

 あと、次回より御発言の前にお名前をお願いします。

 松本委員、どうぞ。

○松本吉郎委員

 関連してでございますけれども、適正使用支援業務については非常に重要だと思いますし、一定の理解はいたしましたけれども、この中に書いてある「保守・メンテナンス」に関してでございますが、保守・メンテナンス料に関しましては、購入側の医療機関が一定のメンテナンス料を別に負担しております。この中に「繰り返し使用する医療機器の保守に関する諸費用の項目等」と書いてございますけれども、これは販売価格にも保守に関する諸費用が入り、別立てとして医療機関からも保守・メンテナンス料を徴収して、両方でそれを切り分けているということなのでしょうか。その辺について御質問いたします。

○関部会長

 どなたかお答えいただけますか。では、鎌田委員、どうぞ。

○日本医療機器産業連合会(鎌田)

 医機連の鎌田でございます。

 今回の御提案に関しましては、切り分けといった形では御提案させていただいていないので、その件につきましては別途、御相談させていただきたいと思います。今、この場で明確に、このようにという形で御回答できるものを持ち合わせておりません。

○松本吉郎委員

 メーカーとして、あるいは技術会社として、保守点検料が費用としてかかっていることを御説明いただいたのみということでよろしいのでしょうか。それをどこが負担するかということではないということでしょうか。

○日本医療機器産業連合会(鎌田)

 これは結局、負担がどうのこうのではなくて、実は今回、ここで御提案させていただいているのは、以前通知でいただいています、主にCTMRのころから出てきているのですけれども、そこで届け出のときに必ずこれをやらなければいけないのです。ただ、やったことの内容に関しまして、ここにありますように、通知をいただいてからは、保守点検実施率は改善はされているのですけれども、対象外になった物は下がったものもあったりしております。そういったこともありまして、こういったものを暫時、国民にとっての医療安全に非常に重要なものというか、そういったものを検討し、御相談させていただいた上で、今、明確になっている保守点検の対象に関しまして、より対象製品を拡大していってはどうかというのが今回の提案でございます。

○関部会長

 松本委員、どうぞ。

○松本吉郎委員

 よく理解できませんけれども、購入した医療機関がメンテナンス料、保守料を購入価格とは別に、毎月なり契約をして負担していることは事実でございますので、それに関しても今後、明確なお答えをいただきたいと思います。

 以上でございます。よろしくお願いします。

○関部会長

 では、安部委員、どうぞ。

○安部委員

 3の「医療機器流通」のことで質問させていただきます。

 適正使用支援業務等の販売管理費が、医療機器の場合には医薬品と比べてコストがかかるというのが、スライドの5に示されて、現在は2%程度の差があるという資料をお示しいただきました。その内容についてもわかりやすい資料をつけていただいたので、理解をいたしますが、この2%の差は、恐らく原価計算方式でいえば、流通経費が医療機器と医薬品とで違っていると思うのです。これは厚労省にお答えいただいたほうがいいのかもしれませんが、つまり、この2%の差が流通経費としてそもそも組み込まれているのではないかと思うのですが、そこはどういうお考えでしょうか。

○日本医療機器販売業協会(浅若)

 私どもとしましては、適正使用支援業務が非常に重要な業務だと考えてやっておりまして、こちらの関連するコストがふえる傾向にある一方で、受発注等にかかわるコストに関しては削減はしているのですけれども、何せこちらのほうの適正使用支援業務の比率が高くなっているということで、その分が医薬品販売業と比べると、単純な比較ですけれども、一般に高いと言われている原因は、こちらの業務にかかるコストが上乗せになっているのかなと思っております。個別的な内容を全部精査しているわけではなくて、平均値的な話なのですけれども、そのように考えております。

○関部会長

 浅若委員、ありがとうございました。

 関係団体の皆さんはお名前をよろしくお願いします。

○日本医療機器販売業協会(浅若)

 済みません。

○安部委員

 きょうの医療機器の保険適用資料で一例を挙げれば、カテーテルペーシングシステムのところの原価計算では、流通経費が消費税を除く価格の9.3%。医薬品はたしか7.2%とうろ覚えではありますが記憶していますので、その差がある気がしているのです。これは私の記憶違いであれば申しわけないのですが、もし事務局のほうでお教えいただければと思います。

○関部会長

 では、事務局、お願いします。

○三宅医政局医療機器政策室長

 医療機器政策室長でございます。

 今の5コマ目の資料でございますけれども、ここで挙がっている27年度の「8.3%」「6.3%」という数字でございますが、これはあくまでも医療機器産業実態調査報告書で上がってきておる販売管理費の比率を挙げたものでございまして、これは必ずしもダイレクトに流通の経営実態を反映したものではないということでございます。

○関部会長

 よろしいでしょうか。万代委員、どうぞ。

○万代委員

 先ほどの私の意見というか、質問に対する笹会長の御意見について、少し申し上げたかったのに指名いただけませんでしたので、議事進行についてはよろしくお願いしたいと思います。笹会長がおっしゃるとおり、企業の責任としても応分の費用負担をして、安全確保に向けて努力していただいていることにつきましては、特に内視鏡で例示いただきましたけれども、それについては了解いたしました。

 ただし、この場は皆様の意見陳述の場でございますので、こちらの主張を強く申し上げる場ではないと認識しておりますが、それでも費用負担とかそういうことにつきましても、応分の費用負担を今後、ぜひ考えていくべきとは思っております。

 あと、全体を通じまして、イノベーションにつきましては従来から主張しておりますように、これはぜひ推進するための構造を、私自身の立場としてもとっていきたいと思っていることは間違いございません。

 一方で、収益構造、例えば、医薬品でいけば新薬の開発等、長期収載品との費用構造あるいは収益構造をどうするかという議論もございますので、そういった形の観点からの議論も今後、必要ではないかと考えておりますので、以上を意見として申し上げます。

 以上でございます。

○関部会長

 ほかはいかがでしょうか。幸野委員、お願いします。

○幸野委員

 時間がないので、気になったことについて質問させていただきます。

 まず、〇1特定保険医療材料の資料の12ページでは、SUDについて触れられています。まさに厚労省から7月31日に、SUDに係る制度の導入に関する施行規則等の改正及び通知の発出が行われ、日本においてもSUDの再製造が可能になったということですが、保険償還上のルールなどがまだないので、これから決めていかなければいけないと思います。また、我々支払側としては、SUD再製造品の安全性が担保されるのであれば、医療費の適正化や資源の有効活用という視点から進めていくべき事項だと思っています。そこで質問ですが、現在、どのような再製造品が開発されようとしていて、保険財政上のインパクトはどれくらいなのかをお聞かせいただきたいと思います。

○米国医療機器・IVD工業会(加藤)

AMDDの加藤でございます。

 具体的な市場規模などは現時点で把握しておらず、特定保険医療材料になるものもあれば、そうでないものもある中で、SUD再製造の話は進んでいる状況でございます。資料がまた必要であれば後日、出せると思います。

○関部会長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野委員

 今回の診療報酬改定時に、後発医薬品と同じように再製造品についてもルールが必要だと思うのですが、再製造品が次期診療報酬改定までに出てくる可能性はあるのでしょうか。

○米国医療機器・IVD工業会(加藤)

 加藤でございますけれども、それは今は知識を持ち合わせておりません。

○幸野委員

 では、事務局にお尋ねします。再製造品が出てくる可能性があるのであれば、今回の診療報酬改定時にある程度の保険償還上のルールを設定することが必要ではないかと思うのですが、ルールについての検討は様子を見るということなのでしょうか。

○関部会長

 では、企画官、どうぞ。

○古元医療課企画官

SUDにつきましては、現場の利用状況などを踏まえまして、必要な対応を検討していきたいと考えてございます。

○関部会長

 よろしいでしょうか。幸野委員、どうぞ。

○幸野委員

 わかりました。

 時間がなくて恐縮ですが、もう一点、医機販協の資料〇3医療機器流通について、質問があります。実態として、本当に複雑で苦労されていることはよくわかりました。しかし、この中医協で何を決めてほしいのか、どういった方向性で検討を進めてほしいのかがわからず、はっきりと具体的な要望を聞かせていただきたいと思います。例えば、医療機関で医療機器を一元管理する専門窓口の設置や、受発注のEDI化などのルールを検討してほしいというのが要望なのか、中医協に対して何を要望したいのかをはっきり示していただければ、今後、議論できると思います。

○日本医療機器販売業協会(阿部)

 医機販協の阿部でございます。

 まず、適正使用支援の話を持ち出したのは、その裏にある、こういった適正使用支援の必要性、安定供給も含めてなのですけれども、安易に値段を下げられることなく丁寧な議論をしていただきたいというのが、最初の質問のお答えでございます。

 2番目のEDIに関してなのですけれども、先ほどの説明の中でもありましたように、流通側と製造メーカー側ではある程度進んでおります。病院側のEDI化がなかなか進んでいなくて、各ディーラーが独自に病院とやりとりしているのが今の状況で、何とかそこの効率を上げる。病院さんにEDI化を進めて、サプライチェーンのようなものをつくってもらうと、医薬品のように効率がよくなるというお話で、それは我々からはなかなか言えない話なので、何とかこの場で御議論していただいて、病院側に推進していただきたいというか、促進していただきたい思いがあって御提示差し上げました。

○関部会長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野委員

 では、中医協でルール化に向けて検討してほしいということではなくて、事情を考慮してほしいということでしょうか。

○日本医療機器販売業協会(阿部)

 はい。とりあえず事情を聞いていただいて、少しでも進めばいいという思いで記載させていただきました。特別に中医協の場でどうしてくれとか、こうしてくれという話ではございません。

○関部会長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野委員

 もうこれで私からの質問や意見は最後にします。

 〇1特定保険医療材料の5ページの「ニーズ選定されたが開発に至らない品目」について、様々な事情があって開発に至らないということで、「保険上の配慮を願いたい」との要望が書かれています。「保険上の配慮」とは、例えば、医療機器業界も公的医療保険のプレーヤーでありますので、利益が上がらないから利益が上がるようにしてほしいという考えであれば、それは違うと思っています。開発に至らない課題を挙げていただき、要件の緩和を要望するなど具体的な意見を述べていただいた方がよろしいかと思います。

 また10ページ以降の毎年の価格調査やそれを踏まえた改定と適応拡大について、医薬品と事情が違うことを理由に反対されておりますが、医療機器の全てに対する毎年の価格調査は対応できないということであれば、50億円以上の高額な区分についてのみ、毎年調査とそれを踏まえた改定を行うなどの方法もあろうかと思います。適用拡大については、適応拡大の可能性が低いからルールは必要ないというのではなく、医薬品と平仄を合わせて、市場が大きく変動した場合を想定して、医薬品と同じようにルールをつくっておくべきだと思います。以上です。

○関部会長

 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。間宮委員、どうぞ。

○間宮委員

 2の「2.安全確保の推進」についてなのですけれども、これは機器の消毒について、高水準の消毒の実施率がなかなか上がらないというお話だったと思うのですが、28年度の改正で「ガイドラインを参考に」ということで文言を追加したところ、少ししか増加しなかった。

 提案としては「『消化器内視鏡の感染制御に関するマルチソサエティ実践ガイド』を参考に」というふうに書いてほしいということですけれども、実際、これは高水準の消毒の実施率が上がらない原因は一体どこにあるのかは、どのように捉えていらっしゃるのでしょうか。

○関部会長

 鎌田委員、どうぞ。

○日本医療機器産業連合会(鎌田)

 鎌田のほうからお答えさせていただきます。

 このように書いていただいているのですが、いろいろ問い合わせがあったりして、実際はどのように何に従っていけばいいのかといったことも含めて、まだ周知できていないということがありまして、この辺を明確にしていただくことによって、より進められないかということで提案させていただいています。

○関部会長

 よろしいでしょうか。

○間宮委員

 いろいろなガイドラインがあるのだと思いますけれども、ガイドラインやガイドを参考にしてほしいと書けば、それで実施率が上がると考えているだけなのか、前のように、ガイドラインを参考にしてほしいと書いても、わずかな増加だったということなのであれば、違う対策を打たなければいけないのではないかと思いますし、患者にとっては本当に健康被害につながるわけですから、具体的にどういう対策を打っていけばいいのかを提案していただきたいと思いました。

○日本医療機器産業連合会(笹)

 おっしゃるとおり、確かに具体的なガイドラインを示して、それに従っていただくという方法は、ワン・オブ・ゼムと捉えられていいかと思います。

 ただ、それだけやれば全てがうまくいくという話ではないです。もう一つ重要なポイントは、消毒・洗浄に関する正しい知識をしっかり持っていただくことです。「高度作用消毒」という言葉の持つ意味はどういうことなのかもしっかり認識していただいて、それに適した消毒液を使っていただく。中には、高度作用消毒に適合していない消毒薬で消毒されているというお話も聞いております。したがって、正しい知識でそれが書いてあるガイドラインを広めていくのが一つの解決策ではあると考えています。

○関部会長

 笹委員、ありがとうございました。

 間宮委員、どうぞ。

○間宮委員

 その高度水準の消毒に適した洗剤を使わない理由は、コストなどにかかわってくることなのですか。

○関部会長

 笹委員、どうぞ。

○日本医療機器産業連合会(笹)

 決してそういうことではないと理解しています。消毒薬には、大変多くの種類が実はございまして、作用機序もいろいろございます。ただ、その効果として、高度作用であったり、低度であったり、中度であったりということで分類されているのです。そういったところを読み違えて、要は医療行為に対して適合すべき消毒のレベルをしっかり認識していただく。そういう意味で「正しい知識」と私は申し上げました。

○関部会長

 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。

 ほかに御意見などもないようですので、関係業界からの意見陳述についてはここまでとさせていただきます。

○日本医療機器産業連合会(笹)

 済みません、一つだけ。

○関部会長

 笹委員、どうぞ。

○日本医療機器産業連合会(笹)

 時間が押している中、大変申しわけないのですけれども、私どもの資料1の3ページ目で「使用実績と改良の評価について」ということで御提案を申し上げてございます。このポイントを採用していただいたことには大変感謝してございます。ただ、大変重要なポイントだと我々は捉えてございまして、そういう意味でコメントさせてください。

 まず、イノベーティブな新製品においては、ぜひ長期の評価をお願いしたいこと。

 2つ目に、医療機器においては、臨床現場の使用権限に基づいた、継続的な改良あるいは改善が基本となってございます。これらの積み上げによって大きなイノベーションにつながっているのは、多くの医療機器の歴史を振り返ってみると明白であると思っています。

 したがいまして、より安全で効果的、効率的な医療機器をいち早く医療現場、患者さんに届けるために、ぜひ改良・改善を促すインセンティブは重要でございます。改良加算によるイノベーションの評価をお願いしたいと思います。

 以上でございます。

関部会長

 笹委員、ありがとうございました。

 ほかはよろしいでしょうか。

 それでは、本日の予定されていた議題は以上です。

 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますのでよろしくお願いします。

 それでは、本日の保険医療材料専門部会はこれにて閉会といたします。

 

 


(了)
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