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2018年2月14日 第1回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定に関する検討会(議事録)

健康局がん・疾病対策課

○日時

平成30年2月14日(水)17:00~18:00


○場所

厚生労働省 12階 専用第15会議室


○議題

(1)がんゲノム医療中核拠点病院の選定について
(2)その他

○議事

○がん・疾病対策課長 大変お待たせいたしました。

 ただいまより、第1回「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定に関する検討会」を開催いたします。

 構成員の先生方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただき、また、私ども事務局の先生方に評価いただいた内容の集計等に時間がかかり開会がおくれましたことをおわび申し上げるとともに、改めまして、お集まりいただいたことに御礼を申し上げたいと思います。

 本検討会の開会に当たり、大臣官房審議官の佐原より御挨拶申し上げます。

○大臣官房審議官(がん対策担当) 改めまして、大臣官房審議官の佐原でございます。

 委員の先生方には、大変お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 また、傍聴の皆様には、大変お待たせをいたしまして、大変申しわけありません。

 本年6月にがんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会の報告書が取りまとめられまして、10月には新しいがん対策推進基本計画が閣議決定されたところでございます。その中で、がん医療を進めるということが大きな位置づけになっております。

 厚生労働省としましては、がんゲノム医療中核拠点病院を全国に整備すべく、検討を進めてまいりました。先日、締め切りをさせていただきましたのですが、23の医療機関から申請がございまして、委員の先生方には、大変お忙しい中、事前に申請書を確認いただきまして、どうもありがとうございます。

 本日は、最終的な審査ということで、御議論いただきたいと思っております。

 どうぞよろしくお願いいたします。

○がん・疾病対策課長 初めに、構成員を御紹介させていただきます。

 天野構成員です。

 井本構成員です。

 加藤構成員です。

 中釜構成員です。

 増田構成員です。

 三谷構成員です。

 道永構成員です。

 矢野構成員です。

 山口構成員です。

 なお、座長に関しましては、構成員御了承のもと、中釜先生にお引き受けいただいております。中釜先生、どうぞよろしくお願いいたします。

 次に資料の確認をいたします。

 席上に配付させていただいております資料は、

 資料1「『がんゲノム中核拠点病院等の指定に関する検討会』開催要綱」

 資料2「がんゲノム医療中核拠点病院のこれまでの経緯」

 資料3「がんゲノム医療中核拠点病院の選定について」

 参考資料1「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件案に関する報告書(平成2910月)」

 参考資料2「がんゲノム医療中核拠点病院等の整備について(平成291225日研発1225第3号)」

 追って、資料4「評価対象機関の採点結果まとめ」を配付したいと思います。

 現段階で、資料の不足等がございましたらお申し出ください。よろしいですか。

 まず、資料1をお手元に御用意ください。本検討会の開催要項について御説明いたします。

 がんゲノム医療提供体制の構築につきましては、先ほど審議官の佐原より申し上げたとおり、平成29年6月に取りまとめられました「がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会報告書」において、「がんゲノム医療の提供に必要な機能を有し、がんゲノム医療の中核を担う『がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)』を整備し、当該医療機関においてがんゲノム医療を提供することが適切である」旨を報告いただいております。

 また、がんゲノム医療中核拠点病院等の整備については、「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」のもとで開催されたワーキンググループ、がんゲノム医療に特化したサブワーキンググループにおいて、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件などが検討され、参考資料2にありますとおり「がんゲノム医療中核拠点病院等の整備指針」に指定要件を含む必要な事項が報告、発出したところでございます。

 本検討会は、当該指定要件を踏まえ、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定のために開催するものでございます。

 それでは、資料2、あわせて資料3について担当補佐の上野より御説明いたします。

○事務局(上野) その前に、カメラはここまででおさめていただくようお願いいたします。

(報道関係者退室)

○事務局(上野) それでは、お手元に資料2を御用意ください。がんゲノム医療中核拠点病院のこれまでの経緯について、事務局より説明させていただきます。資料2の右下にスライド番号を記載しておりますので、それらを参照しながらお聞きくださいますようお願いいたします。

 スライド2に、昨年10月に策定された第3期がん対策推進基本計画の概要を示します。分野別施策の「2.がん医療の充実」において、がんゲノム医療は取り組むべき施策の一つに位置づけられています。

 スライド3、4、5ですが、昨年6月にまとめられましたがんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会の報告書からの抜粋になります。スライド3に関しましては、コンソーシアムの全体像を示しております。図の中には、がんゲノムに必要かつ高度な機能を有する医療機関をがんゲノム医療中核拠点病院として指定し、がん診療連携拠点病院等と協力しながらがんゲノム医療を提供することや、これらの医療機関で得られた臨床情報やゲノム情報をがんゲノム情報管理センターに集約する体制を構築することなどが示されています。

 スライド4は、がんゲノム医療実用化に向けた工程表です。がんゲノム医療中核拠点病院におきましては、上段にありますように、平成29年度中に要件を定め、選定を行うこととされており、本日がこの選定を行う検討会になります。なお、スライド中段にありますように、平成30年度以降は指定された中核拠点病院等で遺伝子パネル検査等の先進医療などが実施されることを想定しております。

 スライド5をごらんください。がんゲノム医療中核拠点病院に必要な要件に関しましては、コンソーシアム懇談会で8つの要件が示されました。パネル検査結果の医学的解釈可能な専門家集団を有していること、専門的な遺伝カウンセリングが可能であること、臨床試験・治験等の実施について適切な体制が備えられていることなどが挙げられております。

 スライド6をごらんください。昨年8月にがん診療提供体制のあり方に関する検討会のもとに、ワーキンググループ、サブワーキンググループを設置し、がんゲノム医療中核拠点病院の要件に関する検討が行われました。

 サブワーキンググループでは、コンソーシアム懇談会で示された8つの要件を具体化するための検討や、ほかに必要な要件、機能の検討が行われ、昨年10月に報告書が取りまとめられております。報告書は、参考資料1を御参照ください。

 これらの検討会で提案されましたがんゲノム医療提供体制の将来像をスライド7に示します。左の図にありますように、平成29年度中に厚生労働省ががんゲノム医療中核拠点病院を指定し、さらに中核病院に協力して、遺伝子パネル検査等の医療を行うがんゲノム医療連携病院を中核病院が申請し、まずはこれらの体制でがんゲノム医療の提供を進めていくことが示されています。

 スライド右にありますように、中核拠点病院は、人材育成、診療支援、治験・先進医療主導、研究開発などさまざまな機能が必要とされています。

 がんゲノム医療を提供する際に求められる中核拠点と連携病院の機能をスライド8に示します。連携病院は、レポート作成や専門家会議は中核拠点病院に依頼しながら診療を行うこととされています。

 最後に、がんゲノム医療中核拠点病院の指定に関するスケジュールをスライド9に示します。昨年末に中核拠点の整備指針が発出され、それに基づき公募を開始いたしました。ことし1月22日に公募は締め切らせていただき、23医療機関から申請がありました。その結果を踏まえ、本日、本検討会を開催しております。

 資料2の説明は以上のとおりです。

 続けて、資料3の説明をさせていただきます。お手元に資料3を御準備ください。

 本検討会に先立ち、構成員の皆様方には、がんゲノム医療中核拠点病院の評価方法、選定方法を御検討いただき、その内容を資料3に取りまとめましたので、事務局から報告させていただきます。

 資料3の「I.これまでの経緯」につきましては、先ほど御説明しましたので割愛させていただきます。

 「II.がんゲノム医療中核拠点病院の選定方法について」をごらんください。がんゲノム医療中核拠点においては、申請書の内容等に基づく事前評価とがんゲノム医療中核拠点病院の選定の2段階で評価・選定を行うこととしております。

 第1段階の申請書の内容等に基づく事前評価におきましては、マル1からマル3の観点から評価を行うこととしております。

 マル1をごらんください。まず、必須要件を満たしているか申請書に基づき確認を行うこととしております。必須要件につきましては、がんゲノム中核拠点病院の整備指針に記載されている指定要件を指すこととしております。ただし、「望ましい」とされている要件は必須要件としないこと、また、「第三者認定を受けた病理検査室を有すること」に関しては、報告書を踏まえ、申請時は必須とせず、2年以内に取得することを要件としております。

 マル2をごらんください。必須要件のうち、申請書類から客観的に人材や実績等を把握できる項目につきましては、それらを評価の対象としております。具体的には、病理学に関する専門的な知識及び技能を有する常勤の医師が複数名配置されていることなどに関する人数や、資料をめくっていただき、マル2の最後に記載のある新規の医師主導治験または先進医療Bを、過去3年間に、主導的に複数件実施した実績があるなどの件数を評価いただくこととしております。

 マル3は具体的な評価の項目、内容を示しています。評価においては、がんゲノム医療領域での総合力を重視し、多角的な視点でここに記載されている13項目を評価することとしております。それぞれの評価項目には、評価する際のポイントを挙げております。

 さらに、評価項目のうち重視すべき項目については、報告書等を踏まえ、評価点を高くすることとしております。具体的には太字で示しました「2.遺伝子パネル検査の検体処理、シークエンスの体制」「3.エキスパートパネルの体制・実績」「4.遺伝カウンセリングの体制・実績」「8.臨床研究中核に準拠した体制」「9.治験・先進医療等の体制・実績」が重視すべき項目として挙げられております。

 第1段階の申請書の内容に基づく事前評価におきましては、本検討会の前に各構成員が資料3に基づく評価を既に実施しております。申請した23医療機関中、必須要件を満たした17医療機関が評価の対象となっておりまして、それが今、配付しました資料4の評価対象医療機関の採点結果まとめになります。

 資料3の4ページ、最後の「第2段階 拠点病院の選定」をごらんください。本検討会では、評価結果を踏まえ、がんゲノム医療中核拠点病院の選定をこれから行っていただきます。選定に当たっては、申請のあった医療機関から評価の高い10医療機関を目安に選定することを原則とし、順位づけを行うこと、さらに地域性を考慮し、最終的にがんゲノム医療中核拠点病院として指定される病院を決定することとしております。

 なお、地域性につきましては、地方厚生局の地域ブロックを参考とすることとしております。

 資料3の説明は以上です。

○がん・疾病対策課長 今、御説明申し上げたように、本検討会までに申請書の内容等に基づく評価を資料4にいただいております。

 ここからは、資料4をごらんいただきながら、がんゲノム医療中核拠点病院のこの検討会の候補となる医療機関の選定をお願いしたいと思います。

 以降の進行は、中釜座長、よろしくお願いいたします。

○中釜座長 本検討会の座長を担当しました中釜です。

 この検討会では、がんゲノム医療中核拠点病院という日本におけるゲノム医療の推進のために非常に重要な役割を果たす、その病院の指定に関する非常に重要な検討会です。担当の先生方、構成員の先生方、よろしくお願いいたします。

 それでは、がんゲノム医療中核拠点病院の選定に移りたいと思います。

 先ほど、事務局から御説明がありましたが、まず、申請のあった医療機関から評価の高い10機関を目安に選定するということを原則としたいと思います。順位づけを行い、さらに必要であれば地域性を考慮するという形で検討したいと思います。

 この選定方法について、構成員の先生方には事前に御了承いただいておりますが、もう一度確認させていただきます。選定方法に関して、何か御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、事前の説明のとおりの進行で進めさせていただきたいと思います。

 まず、点数順に評価の高いところから選定するわけですが、資料4は点数順には並んでいないですけれども、ざっと見ますと、84点台から60を切るところまで並んでいます。この順位について、まず、どのあたりを区切りとするか、そのあたりの御議論をいただきたいと思います。何か御意見はございますか。

 ざっと見たところ、70点以上というところで、少し区切りがあるのかなという印象はありますが、御意見ございますでしょうか。

 どうぞ。

○山口構成員 私も、70点以上をまず一区切りにして、あとは地域性とかを考慮したほうがよろしいのではないかと思います。

○中釜座長 ほかに御意見はございますか。よろしいですか。

70点以上となりますと、点数がランダムで恐縮なのですが、上からA、C、E、F、I、J、K、O、Pの9機関が70点以上ということになりますけれども、間違いないでしょうか。

 そうしますと、それ以降に関しては、地域性を考慮するということになってくると思います。この点数からは地域性がわからないのですけれども、そこについて説明いただけますか。

○がん・疾病対策課長 事務局でございます。

 これ以降となりますと、現在、ブロックで申しますと2ブロックがないという状況になります。その2ブロックの中の上位の点数となりますと、Hの医療機関とNの医療機関が今の段階ではブロックからどこも選ばれていない状況になります。

○中釜座長 ありがとうございました。

 今、説明がありましたように、地域性を考慮すると、ブロックごとの上位となるとHとNです。そうしますと、この2機関よりも点数的に上位にあるものとして幾つかあるわけですが、例えばG、Qが、点数的には、Gに関してはHよりも若干点数が上になる。Nに関しては、今言ったG、Qに比べて点数的には若干落ちるというところでありますが、その点数を考慮しても、地域性を考慮する妥当性に見合うような点数の差かというところの評価になるかと思いますけれども、そのあたりについて、御意見はございますでしょうか。

 お願いします。

○山口構成員 地域性というのは、患者サイドから見たら非常に重要だと思います。

 こういう新しい技術が普及するためには、余り空白の地域があるとよくないということが一つ。それから、これはいろいろ点数がついていますけれども、極めて重視しなければいけないのは8番と9番の項目で、Nは総点数がこの中で低いのですけれども、8と9に関しては16.37とかなりきっちりした臨床実績、治験に関する実績を持っているというぐあいに評価したら、地域性、それからこういう重要なポイントから考えたら、今の座長の御提案のとおりでよろしいかと思います。

○中釜座長 ほかに御意見はございますか。

 どうぞ。

○天野構成員 ありがとうございます。

 今の地域性に基づいて選ぶということになった場合、HとNが選ばれる可能性があるという御指摘だったと思いますが、Hの施設について、10番の項目を見ていただきますと、患者・家族への情報提供体制という部分でございます。私たち患者や家族にとりましては、がんゲノム医療は非常に期待の大きいものではございますが、一方で、まだまだ限界もある研究段階の治療でございますので、患者の情報提供や説明、相談支援体制等はしっかりしていただきたいというのが私からの意見でございまして、そうしますと、Hの施設は3点台ということで、比較的低い点数になっているかと思います。

 仮に地域性によってHの施設も選ばれるということであれば、患者、家族等の立場から、患者・家族への情報提供体制については選定された後にしっかりとした体制充実を求めることを条件としていただきたいと思います。

○中釜座長 ありがとうございます。重要な御指摘かと思います。

 そのほか、御意見はございますか。

 どうぞ。

○加藤構成員 今の天野構成員の話と同じような話になってしまうのですけれども、N医療機関に関しましては、地域性を重視して採用されることが今、検討されているわけであります。その一方で、N医療機関の連携体制という12ポツの項目を見ますと3.37点と、どちらかというとやや低目になっておりますので、今回に関しては、中核拠点に応募している施設がまだ複数ございますので、このような点数になったのかなとは理解しますので、ぜひ、実際に選ばれた中核拠点の分布などを考えまして、先ほど山口構成員がおっしゃられたとおり、なるべく空白地帯ができにくいような連携体制を構築していただけたらと思います。そのあたりを考えて病院を選定していただければと思いますし、そのような点が、今後の再評価の際に重要視されるのではないかと思います。

○中釜座長 ありがとうございます。これも非常に重要な御指摘かと思います。

 同時に、連携に関しては中核拠点と指定された後に追加でできるということがありましたので、そのあたりが十分に配慮されていなかった可能性もありますが、そこは重要なポイントとして付記しておくべきかと思いました。

 ほかに御意見はございますか。よろしいですか。

 単純に点数でみますとHはほぼ上位に位置づけられているので、さほど問題はないかと思うのですけれども、N機関に関しては、点数は若干低目ですが、先ほど山口構成員から御指摘があったように、8、9の項目、治験・先進医療を進めながらパネル検査とともに開発を進めていくことは非常に重要な要素であり、それが期待されているが中核拠点の機能かと思います。そのところでかなり高い点数を得られているというところは、高い評価を与えてもいいのかなという思いもあります。

 ほかに御意見はございますか。

 そうしますと、点数からの上位9機関、それから地域性を考慮したH、Nの2機関、合わせて11機関が当初予定されていた指定の機関としたいと思いますが、その方向でよろしいでしょうか。

 それでは、最終的にはこの順番で、これらの病院をがんゲノム医療中核拠点病院の候補として選定することとしたいと思います。事務局から、選定された病院の広報の準備をお願いしたいと思います。

○がん・疾病対策課長 中釜先生、ありがとうございます。

 それでは、11医療機関の病院名の一覧を準備させていただきます。

 それまでの間に議事(2)その他の形になりますが、今、天野構成員、加藤構成員からいただいた御指摘も含め、がんゲノム医療中核拠点病院やがんゲノム医療中核拠点病院があわせて議論する連絡協議会といったところでの求めるべき事項、またがんゲノム医療中核拠点病院の課題等につきまして、議論をいただければと思います。

 中釜先生、よろしくお願いいたします。

○中釜座長 今の御指摘の点について、議論いただければと思います。

○がん・疾病対策課長 もしよろしければ、少し参考情報をと思います。

 参考資料1に、先ほど御紹介いたしました昨年1018日にがん診療提供体制のあり方に関する検討会の報告書を用意させていただいております。

 昨年10月の段階では、この報告書に加え2点、1点目は人材育成に関して、関連学会と連携して行う必要があること。2点目、中核拠点病院には、それぞれのブロックの統括的な立場とともに、日本のゲノム医療を推進している一員であるという高いレベルの認識を持つ必要がある。このため、がんゲノム医療中核拠点病院連絡協議会の開催に当たっては、連絡協議会に出てくるさまざまな問題に対して、その一つずつの施設に、例えばこれはこの医療機関が代表して取りまとめを行うだとか、こちらはまた別の医療機関だとか、それぞれの11の医療機関の中である程度、役割分担を行うことも重要ではないか。この2点の指摘をいただいております。

 このような2点、さらには加藤構成員の御指摘、天野構成員の御指摘にあったように、もともと今回、地域性を考慮するということがありますので、ブロックの中での地域性への配慮、さらには患者さん、御家族への情報提供をどう充実していくべきなのか。こういったことを個々の病院、あわせて連絡協議会に求めたいということに加えて、さらに御指摘、御意見があれば、どうぞよろしくお願いいたします。

○中釜座長 ありがとうございました。

 今の説明に加え、何か議論すべき点がありましたらお願いいたします。

 加藤構成員、どうぞ。

○加藤構成員 ありがとうございます。

 まず、中核拠点病院の先生方におかれましては、ぜひ施設間の連携をかなりよくしていただいて、いろいろな検査の品質とか情報交換とかをかなり充実させていただきたいと思います。

 その上で、今、課長がおっしゃったように、それぞれの施設の特色があってもいいと思います。一方で、全部の施設が全部オールマイティーというのは現実的に難しいと思いますので、パネルの対象が、例えば特定の病気、造血器腫瘍であったりとか小児がんであったりとか、かなり特殊なものがありますので、そのようなものが必要な検査を受けられないことがないように、ぜひそれぞれの中核拠点が何をやっているのかということを情報共有していただいて進めてくださるとうれしいなと思います。

 よろしくお願いします。

○中釜座長 ありがとうございます。非常に重要な御指摘だと思います。

 ほかにございますか。

 天野構成員、どうぞ。

○天野構成員 ありがとうございます。

 先ほど指摘申し上げたことと重なりますが、今回、申請内容等を拝見いたしまして、それぞれの機関ごとに患者・家族への情報提供体制、臨床試験等の情報提供に関する相談体制がしっかりできているところもあれば、いまだ不十分ではないかと思えるような施設もあったと承知しております。

 がんゲノム医療は、特に難治がんや希少がんの患者にとっては期待の大きいものでございますが、一方で、患者さんが過剰な期待を抱いてしまって、こんなはずではなかったという思いを持たれてしまうとことなってしまっては、研究においても医療においても本末転倒であると考えますので、今後、そういった今回の指定された施設が参加する検討の場、話し合いの場などがもしあるならば、その場において患者、家族等の視点を生かすべく、患者、家族の参画を経ることとして、さまざまな診療体制、研究体制を構築していただきたいと考えております。

 以上でございます。

○中釜座長 ありがとうございました。

 ほかにございますか。よろしいですか。

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 先ほどの加藤構成員の話とつながるのですけれども、協議会をつくって、ぜひやってほしいことの一つは、どの施設も大変すばらしいのですけれども、比較的差があったのはエキスパートパネルの内容だったと思います。一応、人数とか形は整っているのですけれども、実際、エキスパートパネルとして機能しているかどうか、なかなか難しいところもございました。

 ただ、中にはきちんと講習会を開いたり、現地を視察したりという努力をしているところもありますので、ぜひ協議会ではそういうことがスムーズに行えるようにして、エキスパートパネルが高い質を維持して運営できるようにしていただきたいと思います。

○中釜座長 ありがとうございました。重要な御指摘です。

 井本構成員、どうぞ。

○井本構成員 今の山口構成員の御意見は、非常にいいことだと思います。

 できれば、ジョブ・トレーニングがこの領域は非常に重要ですので、中核であってもお互いに施設を訪問し合って、質を高めていく仕組みをつくっていただきたい。

 その中で欠けているところを見つけていくこともできるでしょうし、施設間の均てん化。がんの診療に関しては、今まで全国の均てん化というのをやってきましたけれども、このがんゲノムに関しては、中核をつくるという形で、また違った視点で行われているわけですが、その中でも均てん化が行われるようにしていっていただきたい。特に人材が非常に不足する中でのスタートになりますので、進めていただきたいと思います。

○中釜座長 ほかにございますでしょうか。

 お願いいたします。

○三谷構成員 ありがとうございます。

 私のほうは、今回、審査をさせていただきまして、生体材料の保存の体制について、施設間の差があるなと思いました。既に何千例も保存をされている施設もおありでしたけれども、一方、横断的な生体材料の保存の実績が乏しいという施設もあったように思います。

 ぜひ、医学と医療の進歩のために必須のことですので、体制の整備をお願いしたいと思います。

 以上です。

○中釜座長 ありがとうございます。重要な御指摘だと思います。

 ほかにございますでしょうか。

 矢野構成員、何かございますか。

○矢野構成員 今回のパネル検査をする最終的な目的は、患者さんに医療を届けるということだと思います。そういう意味で、なかなかそれが実現しないところが、確率が低いところが問題ですけれども、その中でも、治療候補に当たるような遺伝子異常が見つかったような患者さんが確実に治験、先進医療、保険診療で治療を受けられるような体制を、この中核にはより確実に構築していただくように依頼をしていただきたいと思います。

○中釜座長 ありがとうございました。

 増田構成員、どうぞ。

○増田構成員 先ほどお話がありましたバイオバンクの件なのですけれども、検体数ももちろんなのですが、正確なゲノム医療の根本をなすためには、試料のクオリティーも非常に重要だと思いますので、クオリティーアシュアランスなどの品質保証などについても体制を整えていただければと思いました。

 以上です。

○中釜座長 ありがとうございます。

 最後、道永構成員、どうぞ。

○道永構成員 ちょっと外れるかもしれませんが、今回、23医療機関から申請が出て、6機関が必須要件に合わなかったということ。あと、今回17から11が残ったわけですけれども、残った医療機関と言うと言葉が悪いですが、ぜひ連携病院として同じような機能を果たしていただければと思います。

 申請で通らなかったところは、必須要件が入るように、また努力をしていただければと思っています。

○中釜座長 ありがとうございました。

 構成員の先生方から、非常に重要な御指摘をいただいたかと思います。

 ゲノム情報に基づいた最適な医療を国民に届けるといういわゆるゲノム医療というのは、がんにおいて最適な医療が可能となる、そういう非常に力強い方向性だと思いますので、それを日本全国で協力しながら、機能的な連携も図りながら進めていくことが非常に重要であろうと考えます。

 本日、指定をされた11機関が、お互いの強みや特色を発揮しながら、全体で足並みをそろえて、お互いを補完するような形で、まずゲノムの情報と診療情報がリンクした、そういう情報を蓄積していく。それに基づいて、次の医療を新たに展開していく。そういった意味では、日本において初めて全国の機関が連携をしてやっていく仕組みができるのだと思います。開発が困難で、新しい薬・適切な薬が患者さんに届きにくいような希少がんや難治性のがんに対しても、こういう仕組みを使いながら更にがん医療を発展させていく可能性もあるだろうと思います。

 今日ご指摘いただいたような課題については、それをさらにポリッシュし、候補として選定された11機関及びそれと連携する機関が、力を合わせていく努力を続けながら、日本全体としてより良いゲノム医療の体制を構築できればと感じた次第です。

 ほかはよろしいでしょうか。

 それでは、以上の議論を踏まえて、本検討会の提言としたいと思います。評価結果が出たようですので、事務局より結果の公表をお願いいたします。

○がん・疾病対策課長 お手元に「『がんゲノム医療中核拠点病院等の指定に関する検討会』(平成30年2月14日)」と題した資料を御用意させていただいております。

 先ほど選定いただいた医療機関を北から順に並べますと、この11病院、北海道大学病院、東北大学病院、国立がん研究センター東病院、慶應義塾大学病院、東京大学医学部附属病院、国立がん研究センター中央病院、名古屋大学医学部附属病院、京都大学医学部附属病院、大阪大学医学部附属病院、岡山大学病院、九州大学病院となります。

 また、本日の本検討会での候補病院の選定を踏まえ、後日、厚生労働大臣が指定をするという段取りで考えております。

 合わせまして、今後1カ月をめどに、連携病院の届け出を各中核拠点病院にはお願いし、年度内には連携病院も含めたがんゲノム医療の体制を固める、また公表という段取りで考えております。

 事務局からは以上です。

○中釜座長 ありがとうございます。

 今、公表いただいた11病院を、本検討会はがんゲノム医療中核拠点病院の候補として選定することとします。

 何か御意見はございますでしょうか。

 どうぞ。

○山口構成員 先ほど申し上げましたけれども、今回、応募した施設は極めてすぐれた施設が多くて、単純に点数をつけて決まったわけではなくて、いろいろな議論がございました。それぞれがすばらしい病院で、先ほど道永先生がおっしゃいましたけれども、今回外れた施設もぜひ、がんゲノム医療の普及のために、引き続き御努力いただきたいということを最後につけ加えさせていただきます。

 ありがとうございました。

○中釜座長 ありがとうございました。

 ほかはよろしいでしょうか。

 それでは、事務局より連絡事項等をお願いいたします。

○がん・疾病対策課長 特段ございません。

○中釜座長 それでは、事務局にお返しします。

○がん・疾病対策課長 中釜先生、構成員の先生方、お忙しい中、どうもありがとうございました。

 また、開会が事務局の集計作業等のためにおくれたことを、改めておわび申し上げます。

 検討会は以上になりますが、今後も我が国のがんゲノム医療の発展に大所高所から御指導いただきますようお願い申し上げまして、本検討会を終了といたします。

 どうもありがとうございました。


(了)

健康局がん・疾病対策課

代表 03-5253-1111(内線3826)

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