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2017年12月27日 第4回がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(議事録)

健康局がん・疾病対策課

○日時

平成29年12月27日(水)13:00~16:00


○場所

厚生労働省 18階 専用第22会議室


○議題

1)がん診療連携拠点病院等の指定要件について(各論2)
(1)相談支援センターについて(※前回からの継続事項)
(2)チーム医療について
  (高齢者のがんや治療を要する生活習慣病患者への診療支援、キャンサーボードを含む)
(3)地域連携及び社会連携について
(4)緩和ケア及び支持療法について
(5)AYA世代のがん患者について

○議事

○事務局(丸野) それでは、定刻となりましたので、ただいまより第4回「がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」を開催いたします。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は、12月1日に設置されました「小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会」の座長である堀部敬三参考人にも御参加いただいております。

 以後の進行は西田座長にお願いいたします。

○西田座長 西田でございます。今日もよろしくお願いします。

 前回、相談支援センターの話に入りましたけれども、きょうは相談支援センターのところからチーム医療、地域連携、緩和あるいは支持療法のところが入ってまいります。3時間の長丁場になりますので、どうぞよろしくお願いします。

 最初のところで、事務局から資料の確認をお願いできますでしょうか。

○事務局(丸野) それでは資料の確認をお願いいたします。

 まず、座席表、議事次第。

 資料1 今後のがん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループの主な論点

 資料2 第3期がん対策推進基本計画を踏まえたがん診療連携拠点病院に求められる機能に関する提案(都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会提出資料)

 資料3 がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループへの意見(早坂構成員提出資料)

 資料4 がん診療連携拠点病院等における相談支援について

 資料5 がん診療連携拠点病院等におけるチーム医療について

 資料6 がん診療連携拠点病院等における地域連携及び社会連携について

 資料7 がん診療連携拠点病院等の指定要件の提案(日本緩和医療学会提出資料)

 資料8 がん診療連携拠点病院等における緩和ケア及び支持療法について

 資料9 がん診療連携拠点病院等におけるAYA世代のがん患者の診療体制について

 資料10 がん診療連携拠点病院における診療提供体制について

 また、参考資料としまして。

 参考資料1 がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ開催要綱

 参考資料2 「歯科医師の資質向上等に関する検討会」中間報告書(平成291225日 医政局歯科保健課)

を添付しております。また、構成員の皆様には机上資料としまして、

 がん診療連携拠点病院等の整備について(平成26年1月10日付健発0110第7号厚生労働省健康局長通知)

 がん対策推進基本計画中間評価報告書(平成27年6月19日)

 がん対策推進基本計画(平成291024日)、こちらを御準備しております。

 資料に不足、落丁等ございましたら、事務局までお申し出ください。

 それでは、以上をもちまして撮影を終了し、カメラをおさめていただきますよう御協力をお願いいたします。

○西田座長 まず、最初のところからやっていきましょう。

 最初に、全体のたてつけの中でこの会がどの位置に属しているかというのをもう一度復習したいと思いますので、事務局のほうから資料1を用いて、現在どういうところにあるかというのを簡単に御説明お願いできますでしょうか。

○事務局(丸野) 事務局より丸野でございます。

 資料1をご覧ください。「今後のがん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループの主な論点」でございます。

 今回、議論する部分としては「1.診療に関する事項」のマル1の支持療法についてとチーム医療についての部分。

 マル3の「手術療法、放射線治療、化学療法、緩和ケア、病理診断について、現行の指定要件をもとに再検討してはどうか」についは、高齢者のがんや治療を要する生活習慣病患者への診療支援体制についてとAYA世代のがん患者の診療体制について。

 緩和ケアに関しましても、今回議論させていただきたいと思っております。

 今回、キャンサーボードのあり方についても論点に入れております。

 また「2.相談支援・地域連携に関する事項」としまして、マル5、相談支援センターについては前回に引き続き議論させていただきたいと思っております。

 また、マル6の地域連携、社会連携につきましても、今回議論させていただこうと思っております。

 2枚目としまして、スケジュール案をつけております。前回が1129日、今回は1227日でございますけれども、前回が各論1、今回が各論2ということでテーマをつけさせていただいております。

 年が明けまして、1月~2月ごろに第5回をさせていただきたいと考えておりますが、その中では医療安全や質の評価などの議論をさせていただきたいと思っております。

 2月~3月ごろに第6回を行いまして、取りまとめの議論をさせていただければと思っておりますが、これに関しては引き続き議論をする中で検討させていただきたいと思っております。

 また、1225日、先日ですけれども、皆様に夏ごろ御議論いただいたがんゲノム医療中核拠点病院の整備に関する指針が発出されました。こちらにつきましては、来年の2月~3月ごろにがんゲノム医療中核拠点病院等の指定に関する検討会を立ち上げまして、実際にがんゲノム医療中核拠点病院の指定を検討会の場で行いたいと思っております。

 来年の2月~3月に、現在、議論はしておりますが、現行の指針でのがん診療連携拠点病院等の指定要件の検討会を開かせていただきたいと思います。今、議論いただいている指定要件に関しては、親会である「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」に年度が明けてから4月~5月ごろにお諮りして、6月~7月ごろに改定した指定要件について通知をさせていただきたいと考えております。実際に改定した指定要件での拠点病院の指定に関しましては、2019年の1月~2月ごろをめどに指定の検討会を開かせていただきたいと考えています。

 今後のスケジュール感につきましては、以上になります。

○西田座長 ありがとうございます。

 スライドの2アップのところの1ページ目に書いてあるように、今回は前回1129日にやりました議論、相談支援センターの部分が積み残しになっていますので、そこからディスカッションを始めたいと思います。それ以下、支持療法からがん教育に関して、今日は議論を進めていきたいと思います。

 資料1、先ほど御説明がありましたけれども、2、3は前回のところで出していただいていますので、先ほどありましたように、相談支援センターのところから入りたいと思います。資料4について、これも事務局からもう一回サマライズで説明をお願いできますでしょうか。

○事務局(丸野) 事務局から丸野でございます。

 それでは、資料4「がん診療連携拠点病院等における相談支援について」という資料をごらんください。こちらの資料に関しましては、第3回で提示した資料にさらに修正を加えたものになっております。

 右下にページ番号がついておりますので、そちらを参照しながらご覧ください。

 3ページ目。全ての拠点病院にがん相談支援センターを設置していることにつきましては、前回もご提示したとおりでございます。業務の内容や体制につきましては、4~5ページに示しているとおりでございます。

 6ページにお示ししておりますように、がん相談支援センターにつきましては、院内、院外を問わず、患者及び家族に対しまして、信頼できる情報を提供するとともに、医療者などへの橋渡しを行う場所として設置を行っているところでございます。

 7~8ページ。こちらにつきましては、前回もお示ししたとおりでございますけれども、現在、相談支援センターの相談件数も増えておりまして、8ページにお示ししているように、相談の内容について、どういった内容が多いかを示しています。治療に関する部分ですとか、転院、在宅医療に関する部分、また、社会生活に関する部分等が相談支援センターに多く相談されているところです。

 今回、就労支援の部分を例示として9ページ以降に提示させていただいております。現在、相談支援センターを中心に、厚生労働省としては、健康局、職業安定局、労働基準局の3局が一丸となり相談支援体制を構築しています。例えば相談支援センターにハローワークの相談員の方を出張していただいたり、あるいは相談支援センターを通して主治医や企業とのやりとりを橋渡ししていただくような役割を果たしていただいたりしております。

10ページに関しましては、就労支援に関する部分で、厚労科研費の研究班におきまして、どういった相談内容を患者・家族が希望されているのかを提示したものです。こちらにありますように、上段に治療スケジュールや副作用について事前に知りたいといった希望があり、治療開始前、早期の段階から患者の皆様は制度や治療に関する情報の提供と支援を希望しているという結果が出ております。

11ページ、就労支援に関しましては、患者である方は同時に労働者である場合もあるということについて、どういった機関との橋渡しが必要なのか。医療機関であったり、職域であったり、地域であったり、あるいは学校であったり、そういった橋渡しが必要であるものに関して相談支援センターを活用できればと考えております。

12ページに相談支援センターの活用に関して役割を図として提示させていただいております。患者さんを中心としまして、相談支援センターが医療機関であったり、企業であったり、そういった部分を橋渡しして、連携をしていく。こういった連携を相談支援センターではしていきたいと考えております。

 しかしながら、13ページにございますように、前回も提示しましたが、なかなか相談支援センターの利用率が上がっていないという現状がございます。今後、相談支援センターについて周知をしていく必要があり、今回の論点にも挙げております。。

14ページの資料につきましては前回も提示しましたけれども、スクリーニングをして相談支援センターにつないでいく。そして、相談支援センターを周知していくことが必要ではないかと考えております。

15ページ。こちらも前回示した資料になります。現状・課題として、相談支援センターに規定されている部分に関して、今後どういったものが必要になるのか。そして、相談支援センターを周知するためにはどうすればいいのかということで、論点としては、人的配置や業務内容についての検討や、実績に関する評価指標、指定要件を定めてはどうか。そして、相談支援センターの周知を病院全体として取り組むようにしてはどうかということを挙げさせていただいています。

1618ページにかけては、現状の整備指針での記載と、どういったものを追加、修正すべきか、ということを事務局からの提案させていただいております。こちらにありますように、相談支援センターに関しては、人的配置あるいは地域の住民に対する情報提供といったものが現在規定されております。さらに、病院一体としてがん相談支援センターの周知を取り組むといった趣旨の文言を入れるべきではないか。現在の業務内容の項目としてア~シがございますけれども、コとして「相談支援センターの広報・周知」が相談支援センターの業務としてあります。これを相談支援センターとしてではなく、病院全体として取り組むように変えていくべきではないかということです。

 また、現在のがん対策に関する議論の中で、相談支援センターにおいても新しく対応していく必要があると思われる事項がございます。例えばがんゲノム医療に関する相談ですとか、生殖機能の温存に関する相談、小児・AYA性のフォローアップに関する相談、また、希少がん・難治性がんを適正な医療機関につなげるような体制、こういったものを相談支援センターに求めてはどうかということで事務局より提案をしております。

 事務局からは以上になります。

○西田座長 うまくまとめていただいていると思います。

 論点が、先ほどありましたように、15ページの下段のところにありますけれども、その3つの問題が大きくあると思います。

 これから約20分、この件に関してディスカッションをしていきたいと思います。主にスライド15の課題に関してそれぞれスライド161718があると御理解いただいて、まず、人的な要件、つまりスライド16のところから議論をいただきたいと思います。下線が引いてあるところがつけ加えたところ、あるいは重要なところと理解してよろしいですね。

○事務局(丸野) 黒字の下線の部分につきましては、特に議論いただければと考えているところでございます。

○西田座長 構成員の皆様方の意見を伺いたいのですけれども、若尾構成員、いかがでしょうか。

○若尾構成員 ありがとうございます。

 前回と重なる部分もありますが、資料2の8ページ以降をごらんになっていただきながら、資料416ページ以降についてコメントしたいと思います。

 まず、16ページ、情報の収集提供体制ということで、(1)で相談支援センターと出てきており、その後ろに研修を受けた方の配置について書いてあるところです。資料2の8ページのように、これも前回御報告させていただきましたが、情報の収集提供体制ということであれば、相談支援センターだけではなく、後でもありましたが、病院一体として情報提供を行う必要がある。その中で、まず患者さんにお話をするのが主治医チーム。

 前回、主治医は忙しくてできないという御指摘がありましたが、主治医を含めたチームで患者さんにしっかりとインフォームドコンセントあるいは説明を行うということを、今の整備指針にはありませんので、それを書く必要があるということと、セカンドオピニオンの提供についても御説明し、アドバンス・ケア・プランニング等についても説明していただくというのが前提としてあります。

 相談支援センターの役割については、資料2の8~9ページに書いてあります。まず、周知などについても、相談支援センターだけではなく、病院一体あるいは都道府県、自治体等の連携も必要ということです。

 さらに、9ページのマル1、資料4の6こま目にある相談支援センターのコアバリューのようなものなのですが、これも今の整備指針に欠けているところで、相談支援センターはどのような情報提供、相談支援を行うかということで、マル1のところに科学的根拠に基づいた情報提供を行うということと、患者さんあるいは家族、国民の方の治療選択ができるよう支援する。さらに、個別ニーズ、価値観を尊重するということと、秘密保持も非常に大事なことと考えます。秘密保持に留意し、匿名での相談にも応じるというところがございます。

 その下、マル2で人的要件のところに入ります。前回もコメントさせていただきましたが、今ですと特に看護師の方あるいは社会福祉士、精神保健福祉士の方を相談員として主に配置されているのですが、さまざまな相談の内容、ニーズが多様化していく中で、その両者を配置することが望ましいと考えて、看護師及び社会福祉士・精神保健福祉士の両職種を配置することを書かせていただいております。

 マル3のところでは、今では研修を受けるということで終わってしまうのですが、研修を受けただけではどんどん新しい情報をアップデートすることに追いつけていけませんので、相談支援部会やがん対策情報センター、あるいは関連学会等が行う研修会等を相談員に年2回以上受講させて、しっかりと知識のアップデートを行うということを書かせていただいております。

10ページに行きまして、マル4の部分。これも拠点病院というところで、拠点病院は院内の医療従事者、緩和ケアチームなどの協力を得て、院内外のがん患者さんと家族に対して、地域の住民あるいは医療機関からの相談に応じる体制を整備する。相談支援センターだけでやるのではなく、病院として対応する。

 マル5では、行政の連携として書かせていただいております。

 マル6も、主治医のチームとの連携について書かせていただいているところです。

 マル7では、相談支援の質の担保を行って、しっかりと評価をして、相談者にフィードバックをしてPDCAを回すというところがございます。

 マル8では、これも今、なかなか明文化されていないところで、地域診療病院とグループ指定、ここはそのままとなります。

11ページの相談支援センターの業務というところが資料4の18枚目のスライドに相当するところです。18枚目のスライドは10年前のもので、まだ相談支援センターが何をやるというのも余り明確でないときにつくられたもので、さらにその後の各年に話題となったHTLVとかどんどん継ぎ足しされているような形なので、このタイミングで整理すればいいのではないかと考えております。

 イのところです。医療従事者の専門とする分野、経歴などを情報提供とありますが、これは人のことではなく、医療機関の情報のほうが実用的だと思いまして、そこを変更しております。

 ウもそうです。医師の紹介ではなく、医療機関の紹介である。

 エの療養上の相談は生活に関する相談。

 就労に関しては、産業保健分野とありますが、先ほども御説明がありましたとおり、産業保健分野だけではなく、ハローワーク等とも連携していますので、この括弧部分をを削除する。

 さらにカでは、この部分は事例に関する情報収集、提供しても、実際に相談に役立つものではないので、カの部分は削除するということです。

12ページに行っていただきまして、アスベストあるいはHTLVなどは一体化して一つにくくるということです。

 ケの患者会等のサポートグループについては、相談支援センターだけの業務ではございませんので、外出しして、12ページの一番下にありますが、(3)として「がん患者、患者会、ピア・サポーター活動への支援」ということで13ページにございますが、拠点病院としてピア・サポートグループ活動などに対して支援を行うと書かせていただいております。

 コの広報・周知につきましても、相談支援センターだけの業務ではございませんので、こちらも削除したというところが今の整備指針に関する変更案、意見という形になります。

 以上となります。

○西田座長 前回の復習をありがとうございました。

 ほかに御意見はございますか。

 どうぞ。

○三好構成員 資料4をもとに4点ございます。

 まず1点目なのですけれども、若尾構成員のお話の中にもピア・サポーターという言葉が出てきたのですが、今回の議題の一つに挙がっておりますが、ピア・サポーターのみの資料がないということだったので、あえてここでお話をしておきたいのです。

 今回、予算案の中にもピア・サポーターの研修事業というものがまた新たに入ってくるということを聞いておりますので、ぜひ、ピア・サポーターの設置、配置についてどこかに一文入れていただきたいというのがあります。前回から申しておりますように、患者や家族が集える場所について必須要件にしてくださいということを重ねて申しておりますが、例えば、そちらにピア・サポーターを置くことが望ましい。ただし、国の研修を受けていることということを書いていただきたいのが1点目です。

 2点目が資料4の7ページになりますが、少し前回に戻ってしまって恐縮なのですけれども、相談件数が100件に満たない拠点病院数ということであえて書き出してありますが、恐らくいろいろな理由が考えられると思います。地域性であったり、前回お話も出ていた前向きな理由というものもあって、主治医のサポートがしっかりしているから相談支援センターまでいかなくても済んだということもあるとは思うのです。数値だけが評価指標になり得るというのは少し難しい分野だと思うのですが、何かしら一定程度の実績評価というのは、この部分に対しては行っていただきたいというのが2点目です。

 3点目が資料4の16ページの論点。積極的に周知という部分なのですけれども、論点の3にもあります相談支援センターの周知を病院全体として取り組むという意見が前回から若尾構成員のほうからも出ているのですけれども、こちらはできればもう少し具体的に、病院全体として周知することであれば、恐らくどこがまたやるのだという話になると思いますので、例えば、患者が告知後すぐに相談支援センターを必ず訪れることができるようなシステムや体制づくりを明確に書いていただきたいというのが3点目になります。

 最後ですけれども、18ページ、現行の整備指針での記載ということで、相談支援センターの業務がたくさん書いてあるのですが、このうち、ケのところなのですけれども、ここに「サポートグループ活動や患者サロンの定期開催等の患者活動に対する支援」というものがございますが、意外と患者会の周知というのが抜けているような気がしておりますので、ぜひ各地域の患者団体の情報提供も一つ入れていただきたいと思います。

 もう一点ですが、アピアランス研修というものが今、いろいろなところで行われているというのを聞いております。ぜひ、アピアランスの情報提供とか、研修を受けている方の設置が望ましいというような文言も入れていただけたらと思います。

 以上です。

○西田座長 いろいろな要望、ありがとうございます。

 ほか、御意見はございますか。

 どうぞ。

○梅内構成員 日本看護協会の梅内です。

 人的配置のところで、先ほど若尾構成員から資料2を使って御説明いただいたのですが、がん相談支援センターに看護師及び社会福祉士・精神保健福祉士の両職種を配置することという御意見をいただきました。

 患者さんと御家族の相談に乗っていくのは、私たちの重要な業務だとは思っているのですけれども、緩和ケアセンターの活動の中で、がん看護カウンセリングを実施することやがん看護外来を行うことが含まれています。特にがん看護外来に関しては、今、幾つかの病院で看護師が努力をして整備を進めている途中でして、カウンセリングというのが広義のカウンセリングという意味で、恐らく相談援助の要素が強く含まれているものになっています。ですので、看護師が行う相談支援に関しては、少し幅を持たせていただきたいといいますか、相談支援センターに看護師が必ず1人というような形ではなく、活動の幅を持たせていただいて、相談支援をやっていきたいと思っておりますので、お願いいたします。

○西田座長 それは緩和ケアの部分も含めて介入できるようにという意味ですか。

○木澤構成員 木澤でございます。

 多分、同じことを考えていらっしゃるのではないかと思うのですけれども、職種でストラクチャーを規定してしまうと、かなり自由性がなくなって、相談の質のアウトカムがよければいいと考えるので、職種を配置すると決めてしまうとかなり病院に過剰な負担をかけることになると思うのです。

 1人ずつ配置するということになってしまうのですけれども、そうしないほうが各地方の病院の事情を考えるといいのではと思うのです。逆に相談の内容で何らかの評価をしたほうがいいのではないかと思います。

○西田座長 非常に重要な御意見かと思います。

 どうぞ。

○若尾構成員 今、御指摘いただいた点なのですが、恐らく緩和ケアセンター等には看護師がいらっしゃると思います。ただ、もう一度資料4の6こま目をごらんになっていただくと、相談支援センターと緩和ケアの大きな違いがおわかりだと思います。院外の方も対応しております。カルテのない方、診療券のない方にも、地域の方に対して不安をとるというのが相談支援センターの大きなミッションとなっております。

 それと、匿名でも対応する。中立な立場で対応する。それが相談支援センター、がん患者さんを救うためのよりどころになっています。そこに看護師がいないということはあり得ないことですし、もしそこで緩和ケアの看護師に院外の患者さんをやってくださいといってもやっていただけないのが現状だと思います。それはストラクチャーをしっかりと守る、患者さんを守るためには相談支援センターをしっかりしないといけないというのが、私ども都道府県拠点病院連絡協議会情報提供・相談支援部会の意見です。

○西田座長 いろいろな意見がございます。多分、一番大切なのは、アウトカムとしてどうなるかというのが大事ではないか。実際、そういったアウトカムがエビデンスとしてあるならば入れるべきでしょうし、エビデンスがないのであれば、余り強くは言えないと私自身は思うのです。

○若尾構成員 エビデンスというより、実際にカルテのない人に看護師が相談しないというのがおかしいのではないですか。エビデンス以前の問題だと思います。

○西田座長 おかしいかどうかは、看護師が介入することで患者さんのQOLがよくなる、予後がよくなるというエビデンスを実は我々医療者はちゃんと出さないといけないのではないかと思うのですけれども、先生は余り賛成ではないと。

○若尾構成員 エビデンスを出すことは賛成ですけれども、相談支援センターは病院にかかっていない方にも対応しないといけない。そこに看護師が対応できない状況を生むというのはおかしいのではないかと思います。

○西田座長 木澤構成員、どうぞ。

○木澤構成員 それはおっしゃるとおりだと思いますし、看護師の介入によってQOLがよくなるというアウトカムは既に出ているので、それはやるべきだというのは理解しています。

 ただ、専従の人を配置するかどうかというのは別のことです。相談に対応するようにするということを明記すればいいだけであって、専従の人を両職種置くことの根拠にはならないと思います。

○西田座長 適切な意見。

 早坂構成員、どうぞ。

○早坂構成員 おっしゃるように、患者さんからすれば、医療的な相談もでき、社会的、福祉的な相談もできるという体制が私も大切だと思います。専従、専任でそれぞれに対応する職種がいればベストだと私は思うのですけれども、体制的にとれない病院が400の中にはあると思います。必ず連携して、患者さんのニーズには対応できる。あるいは兼務、兼任という形でもいいので、所属として名前を挙げておくとか、そういう体制をきちんととるということまでは少なくとも私も明記していただきたいと思います。

○西田座長 いい御意見をありがとうございます。

 どうぞ。

○若尾構成員 この10年その形でやってきて、結局うまく連携できないという事実がございます。それと、病院によりましては看護師しかいない相談支援センターもあり、ソーシャルワーカーしかいない相談支援センターもあり、そこで連携がとれないまま兼任という形でいろいろな業務が付加されて、結局相談支援ができない状況だというのが今の拠点病院の相談支援センターの状況です。それで、患者さんに対して十分なサービスが提供できない中で、病院の事情でそこには人が置けないから置かないのだというのは本末転倒で、患者さんのためにがん対策を進めるのですから、患者さんの相談窓口をしっかりと整備することが重要なことだと考えます。

○西田座長 どうぞ。

○三好構成員 患者の立場から一言。

 私たち患者が相談支援センターに訪ねていっても、幾ら体制を整えていますといっても、窓口におられないこともあるし、今、病棟に行って電話に出られませんということが実際にたくさんあります。なので、体制を整えていただければ、私たちは御相談を受けさせていただけるので、書くのであればしっかりやっていただきたいというのが私たちの願いです。

○西田座長 どうぞ。

○井本構成員 杏林大学の井本です。

 杏林では相談支援センターをどのように使っているかというと、まず、担当医との会話の中で理解ができなかったり、不安を抱えていたりとかという方は、看護師がどうですかというような進め方をしている感じなのです。その上で、逆に担当医のほうが不十分だったりすると、相談支援センターの看護師さんに対応してくださいとフィードバックを受けて対応しているような感じです。

 それが現実なのですけれども、コメントなのですが、若尾先生の先ほどの9ページです。例えば、エビデンス、科学的根拠に基づいた信頼できる情報提供というのは、相談支援センターにスーパードクターを超えているような印象を受けます。それから、2回の講習会は、がんに関連する学会は2030もありますから、一体何をもってそのような学会と言うのか。確かにわかるのですけれども、まず、施設によっても利用の仕方が違うというところから考えて、マストにしてしまうと難しいですし、2分の1の方ががんになる時代において、多分、ここだけで全て解決できませんから、かなり連携を密にしてやるべきだと思います。

○若尾構成員 書き方が言葉足らずかもしれませんが、もちろんここで全てのエビデンスを熟知して全部解決するわけではございません。少なくとも現状のアップデートされた知識をもって適切なところにつなぐための知識を持つということで、学会等も相談員のための研修会などを今後整備して、勉強会もありますし、そういうものを意識しているもので、別に医師の学会に全部出ろとかそういうことではございません。

 ただ、そのためにはもう一つの前提がありまして、先生のところのように、主治医がしっかりとバックアップしてくださる、それも全ての拠点病院でできていないところで、

員が孤立して自分たちで処理しないといけないという状況もある中で、拠点病院として病院のあらゆる職種が相談支援センターと連携して患者さんにいい相談を提供する。その体制も必要だと考えております。

○西田座長 どうぞ。

○安藤構成員 名古屋大学の安藤です。

 先ほどの職種要件のところなのですが、職種を決めて要件として求める以上は、それなりに人的な給料とか、そういった補助が前提であるということがまず1点。

 支援とか相談の内容を列挙されていますけれども、これはそういう機能がある、そういうことができるということであって、それをやっているということではないという理解でよろしいでしょうか。

○西田座長 相談支援を多分どこの病院もやりたいのだと思うのです。エコノミカルな理由その他で、人的な理由もあると思うのですけれども、現状は雇えないというのを私はあちこちから聞いています。今のコストでいくと1~2人しか雇えない。それを全部に当たれと言われて、とてもではないけれどもスタックしてしまって現実は動いていないというところもあるのは事実なので、現実を見つめないと拠点病院が動かなくなるというのも、若尾構成員、おわかりになると思います。木澤構成員、追加で御意見があるようだったら、その辺をどうぞ。

○木澤構成員 そこではないのですが、よろしいでしょうか。

 1点。8ページのアドバンス・ケア・プランニングのところなのですが、この理解が多分誤っていると思います。マル3の「主治医(チーム)は、原則として全ての患者にアドバンス・ケア・プランニング」と書いてあるのですけれども、まずアドバンス・ケア・プランニングは原則として、御本人が意向表明できなくなったことに備えてするというのが原則なので、そういうものが果たして病初期から全員ができるとは到底思えないです。

 例えば、イギリスの介入研究でも70%の人が拒否しているという現実を考えると、全ての患者さんにアドバンス・ケア・プランニングをやってしまったら、かなりの患者さんに害を与える可能性があるのです。この記述は直したほうがよい。アドバンス・ケア・プランニングという言葉を使わないほうがいいと思います。意思決定支援を行うのは良いと思いますけれども、用語の使い方の誤りが存在すると思います。

○若尾構成員 私も先生のスライドをネットで調べて勉強させていただいたのですけれども、健康成人に対するアドバンス・ケア・プランニングという言葉で使われていて、健康ではないですが、エンドステージではない方ということでそれを考えたのです。

○木澤構成員 まず、健康成人には介入しても効果がないことがわかっていて、アドバンス・ケア・プランニングはそのときに何をするかというと、代理決定者を指名しておくとか、価値を話し合うということなので、恐らくそれと皆さんが考えている意思決定支援とは質が違うものだと思うので、書き方を変えたほうがいいのではと思います。

○若尾構成員 意思決定支援という言葉がいいということですね。

○西田座長 本論に戻しましょう。

 今、資料4の15以降のところをやっていますので、もう一回そこを見てもらって。人的要件をどうするかということで、医療職が入ることは相談支援の中には医療的なこともありますので、多分、これはある程度必要で、そこのところに専従あるいは専任まで求めるかというと、先ほど議論がありましたように、医療者自体は多分、務められる範囲で現状では務めていると思うのです。そこを無理やり組織的にやってしまうことが本当にがん拠点病院をよくするのかということをよく考えていただいて、ここの専従、専任を入れるか入れないか決めましょう。もちろん、人として相談があれば乗るというのは、医療者としての当然の話だと思うので、わざわざ当然の話をここに書く必要は、私自身はないと思っています。

 御意見、ありますでしょうか。

○若尾構成員 当然の話ができていないのが今の問題だと思います。一部の病院ですと、相談支援センターは先ほどから御指摘があるように収益がありません。診療報酬がとれません。そこに医療者を配置させない、働かせないということが一部で起きている中、拠点病院という使命をいただいて、自治体及び厚労省から補助金、機能強化事業費をいただいている中で診療報酬だけで回そうというところでは無理があるのです。

 そこを計画あるいは整備指針に書くことで、しっかりとサポートをふやすということも考えていかないといけないのではないか。それは、患者さんのためです。患者さんにいい相談を提供するためで、病院の収益を守るためではないです。

○西田座長 どうぞ。

○佐々木構成員 基本的なことになるかもしれません。東大の佐々木です。

 現状で、9ページのマル2のような人的要件を常勤かつ専従にして雇用という条件にした場合、これは現状のがん診療連携拠点病院で全て用意できるものなのでしょうか。それとも、これができない病院は拠点病院の看板をおろしなさいというような、そこまで強いことを求めるものなのでしょうか。

○若尾構成員 病院が努力すればできることだと考えております。人が足らないというわけではなく、そこにしっかりと人を配置するということで可能だと考えます。

○佐々木構成員 そういう実態調査みたいなものとか、そういうものはあるのでしょうか。

○若尾構成員 相談員の研修を修了した人数は把握しています。

○佐々木構成員 分布も把握されていて、現在のがん診療連携拠点病院に十分それを配置することは可能である。

○若尾構成員 はい。

○西田座長 ほか、意見はございませんか。

 どうぞ。

○がん・疾病対策課長 さまざまな御指摘をいただき、ありがとうございました。

 私ども厚生労働省としては、相談支援が極めて重要であるから、スライド17にありますとおり、これはがん相談支援センターの周知という書き方にはなっておりますが、病院全体として相談支援のより充実を図るということを考えております。その中で、相談支援センターに何を求めるのか、それの評価をどうするのかという視点で、きょうさまざまいただいた御意見をまとめて、また改めて提示をしたいと思っております。

 例えば8ページ、先ほどもこれが結果と結びつくかという意味では、例えば若尾先生というか、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会、中釜会長のところからいただいた資料の8ページで申し上げますと、複数回のインフォームドコンセントは、1回で足りなければ複数回行う必要があるのでしょうけれども、1回で足りているのに複数回する必要があるのかだとか、恐らくこれはちゃんと納得、同意に足りる理解をしているかというところこそが本来の役割でしょうし、また、セカンドオピニオンも主治医というかその医療機関と信頼関係ができている中で、あえて全てにセカンドオピニオンを勧めるのか。ここも恐らくセカンドオピニオンを求めたいときに全く対応しないというのではなくてという趣旨だと思いますので、その意味では資料2でいただいた御意見、きょう御議論でさまざまいただいた御指摘を踏まえ、改めて整理したいと思います。

 あと、西田座長のそれを追加するなら、人に役務を付加するわけですから、それに至る根拠があるのか。そこの視点も含めて改めて提示したいと思います。

○西田座長 もう一つは、ここで書いた以上は説明責任が要りますので、これを満たさないところは当然としてがん拠点病院から切らざるを得ないということになります。当然、病院としてはコストパフォーマンスが合わなければ入れません。当たり前ですけれどもね。

ですから、その辺のことをよく考えて文面はきっちり考えないといけないと思います。

○若尾構成員 今のセカンドオピニオンにつきまして、机上資料2の後ろのほう、51ページ以降にある4ページのところにございますが、前回の患者体験調査で、セカンドオピニオンを受けることができるという説明を受けた患者が40%しかいないのです。セカンドオピニオンそのものについて勧めるということではなく、受けられますという情報提供も今、半分の患者さんにもされていないという状況の中で、そういうことはあるのだということは伝えていく必要があるのではないかと思います。

 ここの書き方で、もちろんリクエストがあれば応じますけれども、セカンドオピニオンという方法があるということは、今、患者さんの情報が少ない中で、医療機関として伝えないといけないことだと考えております。

○西田座長 その点はそのとおりだと思います。ただ、セカンドオピニオンを受けるのが病院か医師かと言われれば、多分医師になるのではないかと思います。病院に放り込んでも、専門医がいなければセカンドオピニオンを受けてくれませんからね。

 ほか、ございませんですか。

○若尾構成員 整備指針の本文のところのコメントだけで終わったのですが、実は、前回終わった後に、評価の部分での資料を提出させていただいたのですが、今回資料として入っていなかったので口頭で御説明します。

 1つは相談支援センターのカウントということで、同じく相談支援部会のほうで相談記入シートというものをつくって、さまざまな相談支援センターの体制を吸収する形で、全国統一のカウントがとれる形のカウント方法をつくっております。それを採用していただくことになれば、しっかりとしたカウントができるようになるということと、もう一つ、相談以外のアクティビティーとしてチェックシートというものをつくっていまして、そちらを活用することで、相談支援センターの活動評価にも使えると考えていますので、そちらもぜひ前回提出しました資料を御検討していただければと考えております。

○西田座長 ありがとうございます。

 確かに、カウントするときの相談の件数というのは標準化しないといけないと思います。

 もう一回戻ります。手際が悪くて申しわけありません。16のところの人的要件で、先ほどからいろいろな議論がありますけれども、がんセンターのような病院だけを考えるとできるところはあると思うのですけれども、必ずしもそうではない病院もあるということを考えながら、先ほどの医療者の文言を入れるかどうかというのを少し考えていただければいいですが、何かありますか。

○早坂構成員 病院なので医療職は必ずいると思うので、文言として相談支援センターの相談員に社会福祉の背景を持つ者を置く、あるいはそれと連携できる体制をつくるとかという形で、背景のことをここで言っていただくことができればありがたいと思うのです。社会福祉士とか精神保健福祉士のことを言っています。

○西田座長 言わんとされることはよくわかります。

 ほかはありませんか。

 どうぞ。

○若尾構成員 今の指針がこちらの16こま目にございますが、今は全く背景がない中で、実際には事務員を相談員として配置されている病院もかつてありました。事務員ですと、医療のことがわかりませんので、非常に相談の質が厳しいというか、スタートラインが非常に後ろになってしまう。もし、完全に限定することが難しいのであれば、せめて看護師またはメディカルソーシャルワーカーなどを配置するというようなことを書いていただくのが、今よりは半歩前進という形にはなるのではないかと思います。

○西田座長 職種を限定しますか。

○若尾構成員 などなので、実際には心理士の方とか薬剤師。

○西田座長 「医療者と共同して」というぐらいの文言かという気がします。余り限定してしまうと、病院によっては困るところも出てくると思うのです。看護師も医療者ですし、医師も医療者ですし、やはりそこと一緒に共同してというぐらいの文言をどこかに入れていただくというぐらいでいかがでしょうか。

 それと、17ページのところ。相談支援センターの周知。病院一体として具体的にというのはなかなか難しいところがございますけれども、病院として取り組んでいただくことは先ほどあったように非常に重要なことです。本当を言うと、病院だけでものが進むかと言われると実は非常に難しくて、都道府県にも頑張ってもらわないといけないというところがございます。ただ、ここには書くわけにはいかないので、ここは書かないでおきます。

 だから、病院として来た患者さんに関しては十分周知するということでよろしいのではないでしょうか。

18枚目のところに行きます。いろいろなことがありますけれども、上に書いてあることはこちらのほうにもありますので、ここは入れておく。追加の中で相談支援センターの業務に入れますと、その研修教育の中に入れないといけなくなります。そこも考えながら何を入れたら良いか考えましょう。先の会からゲノムが入っています。ゲノムはぜひ入れなければいけないと私自身は思っています。ゲノム中核ができ、患者さんの要望があると思います。

 それから、生殖のことは如何でしょう。本当にこれが教育して伝授できるか。小児・AYA世代、きょうは堀部先生に来ていただいていますけれども、そういった情報を相談員が提供できるか。希少がん・難治がんの情報提供はどうか。ここまで書き込んでいいかというのを御意見を伺えればと思います。

 どうぞ。

○若尾構成員 前回の時間のないところでコメントしたことの繰り返しになるのですが、こちらにあるゲノムとか生殖等につきましては非常に高度の医療的な判断も必要なところで、それこそ相談員のところで完結するものではございません。さらに言うと、妊孕性の相談というのは非常にこれまでも数が少ない中で、全ての400の相談支援センターにその機能を持たせるというのは効果的、効率的ではないと考えます。なので、対案としましては、専門的な情報を持つ院内あるいは院外のしかるべき組織と連携して、ネットワークを構築してそちらにつなぐということが相談支援センターの義務というかタスクだと考えます。

○西田座長 という若尾構成員の御意見ですが。

 安藤先生。

○安藤構成員 私も同感なのです。

 相談支援センターの業務の中が、大きく分けて紹介の部分と、相談に実際に乗る部分と、つなぐ部分と3つあると思うのです。その内容が例えば医療のディシジョンメーキングにかかわるような内容には余り踏み込むことではないと思いますので、そういった高度な場合には、ただ単につなぐ、紹介という形で整理をして、そのほかのところは相談。実際、相談員が相談に乗って答える部分と、ただ紹介、つなぐ部分をしっかり明記して分けたほうがいいと思います。

○西田座長 御指摘のように、きょう堀部先生が来られていますけれども、確かに小児・AYA世代というのは全てのところが診ているわけではないと思いますし、また、逆に言ったら全てのところが診るのが理想的な医療ではないと思います。希少がんもそうです。生殖も多分そうですね。全てができるわけではない。この3つに関してはつなぐということが重要かなと。

 一方で、がんゲノム医療というのはこれからつくっていくところではあるものの、今後は全てのがんが関係する可能性がある。これは相談に乗って、なおかつゲノムの医療センターにつなぐという立場になると思います。若尾構成員、そういう形でよろしいですか。

○若尾構成員 ゲノムについては、恐らく相談支援センターだけではなく、拠点病院の医療者が最低限の知識を持っておく必要があると考えます。相談支援センターだけでつなぐというわけではなく、外来とかあらゆるところでの対応が必要ではないかと考えます。

○西田座長 いろいろな意見が飛び交って、座長がうまくまとめられなかったのですけれども、おおむねの意見は出していただいたし、先ほどの16のことに関しては、医療者が関与するという言葉を入れさせていただくという形にします。

17番のところはもちろん病院として取り組むのですけれども、具体的にはそれぞれの病院で考えていただくにしても、病院だけで解決する問題ではないので、そこは厚労省のほうから都道府県のほうに十分に周知していただく。

18のところは、先ほど若尾構成員が述べられたような形でまとめたいと思います。

 以上でよろしいでしょうか。

 大変熱心な議論、ありがとうございました。

 引き続いて、少しおくれましたけれども、チーム医療に関して資料5を用いて事務局から簡単に御説明をお願いします。

○事務局(丸野) 資料5「がん診療連携拠点病院等におけるチーム医療について」をごらんください。

 3ページになります。第3期計画におきましては、チーム医療について、キャンサーボードへの多職種の参加を促すということと、専門チームに依頼するという部分を記載しております。また、リハビリテーションに関しましても、もちろん機能回復という意味のリハビリテーションもございますが、社会復帰や社会協働といった観点も踏まえるということを第3期計画では記載しているところでございます。

 5ページには現行の整備指針の内容を書いております。キャンサーボードに関しましては、医師の要件を記載してありまして、設置して月1回以上開催することとしております。また、医科歯科連携に関しましても、病病連携・病診連携の協力体制というところで記載をしているような状況です。

 6ページ以降につきましては、実際に拠点病院ではどのような専門チームが配置されているのかを現況報告書で拾っているものについて記載しております。

 糖尿病のチーム、感染制御のチーム、おめくりいただきまして栄養チーム、歯科・口腔ケアチーム、褥瘡のチームといった形で、拠点病院ではどの程度なのかということを記載しています。過半数の病院におきましては多くは90%を超える部分もありますけれども、専門チームを配備している状況にございます。

 また、9ページに関しましては、がん患者リハビリテーションの算定をしているかどうかということにつきまして、こちらについても現況報告書のほうで算定をしております。この中でがんリハビリテーションの算定要件としまして、がんのリハビリテーションに従事する者は積極的にキャンサーボードに参加することが望ましいと保険点数上も記載しているところであることからも、キャンサーボードへの多職種の参加も検討すべきではないかと考えております。

 また、10ページ以降に関しましては、医科歯科連携の部分でございます。10ページの部分につきましては、現在、拠点病院において、歯科診療科がどれぐらいあるのか、常勤の歯科医師がどれぐらいいるのかということで、歯科診療科があるものは259病院、常勤の歯科医師がいるものにつきましては334病院が現在、現況報告書から確認できるような状況です。

 歯科連携に関しましては一体どのような状況で必要になるのかということを1112ページに記載しております。手術療法の術前の口腔ケアももちろんですけれども、例えば化学療法における口腔・粘膜炎や口腔乾燥症、放射線治療における放射線性の粘膜炎、また、緩和領域になどに関しましてどういった状況で口腔管理が必要なのかということを記載しております。

13ページに論点を記載しております拠点病院の集学的治療の提供においてはチーム医療が必要であると考えます。キャンサーボードを現在の整備指針でも求めていますが、医師以外の診療従事者に関する記載については具体的にはない状況です。また、社会復帰などの観点においてもチーム医療の推進について検討が必要だと思います。また、医科歯科連携につきましても、引き続き行っていくことが望ましいと考えております。

 そこで論点としましては、キャンサーボードに関して多職種の参加を促すようにしてはどうか。

 キャンサーボードの開催に当たっては、治療方針だけではなく、一定のスクリーニングを行った上で患者の抱える社会的な問題についても検討する場としてはどうか。

 医科歯科連携については、引き続き拠点病院における医療体制として求めてはどうかということを論点として挙げさせていただいております。

1415ページが実際の修文案になっております。キャンサーボードに関しては、現在の記載に加え、キャンサーボードの開催に当たっては、治療法となり得る治療を実施する診療科の医師の参加を求めるということと、医学的のみならず社会的問題についてもスクリーニングもした上で、歯科医師や薬剤師、看護師、管理栄養士、歯科衛生士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、医療ソーシャルワーカー等の専門的多職種の参加を必要に応じて求める。また、キャンサーボードにおいて議論された内容に関しては、記載・保存をする。そして、院内の緩和ケアチーム、口腔ケアチーム、栄養サポートチーム、感染防止対策チームなどの専門チームへ適切に依頼できる体制を整備することという提案をさせていただいております。

 また、15ページでは医科歯科連携について記載しいています。現在は「必要に応じて院内または地域の歯科医師と連携し、がん患者に対して口腔ケアを実施することが望ましい」と記載していますけが、先ほど申し上げたように、医科歯科連携の必要な内容は多岐にわたっていることから、「がん患者に対して周術期の口腔健康管理や治療中の副作用・合併用対策、口腔リハビリテーションなど、必要に応じて院内または地域の歯科医師と連携し、実施することが望ましい」という修文案を提案させていただきます。

 事務局からは以上です。

○西田座長 ありがとうございました。

 ポイントの中で、特にキャンサーボードという以上は、医師だけではなく多職種であるべきであろうという意見が出ています。

 安藤構成員、先生の専門領域を含めてここに関してはいかがですか。

○安藤構成員 多職種のキャンサーボードはもちろん必要なのですけれども、ここで問題となるのは、私たち医師の働き方。普通、カンファレンス、キャンサーボードというのは時間外、夕方とか朝早くにやるわけです。一方、薬剤師とか看護師になってくると、そういった仕事の仕方はしないので、当然そういった時間にカンファレンスの出席を求めれば、超勤とか時間外手当という問題が実際に起こってくるわけです。働き方が違う職種において、今、働き方もかなり問題になっておりますけれども、余り過剰な負担にならないように。極論を言えば、外来診療と同じようなレベルでカンファレンスを認めてもらえれば、時間内にやって、それを業務の一環として認めるぐらいの覚悟があれば、多職種の参加を求めることはできると思います。そういった担保がない限りは厳しいのではないかと思います。

○西田座長 現状の御指摘、ありがとうございました。

 ちょうど、医師の働き方改革の検討会も進んでいますし、今後、そういうことは考えていかなければいけない。勤務時間内にカンファレンスをするという方向で、私自身、管理者の立場ですので、そういう方向でできるだけ考えるようにはしています。100%するのは難しゅうございますけれどもね。

 木澤構成員、何か御意見はございますか。ないですか。

 看護師の立場からいかがですか。

○梅内構成員 少し話がずれるのかもしれないのですが、キャンサーボードに参加するということは、ただその場にいればいいということではなく、当然議論に参加するのがキャンサーボードに参加するという理解でよろしいですか。

○西田座長 一般的に日本人は出席すれば参加と考える人が多いのですけれども、海外では参加して発言しない人は参加とはされませんので、当然発言して当たり前と考えていただいていいと思います。

 おっしゃった中でもう一つは、医師が言ってしまうと多職種が言いにくい文化を日本はまだ持っていると思うのです。これは変えていかなければいけない。逆に言えば、こういう機会をつくって、私自身は変えていくのもいいと思います。

 三好構成員、どうぞ。

○三好構成員 チーム医療にしてもキャンサーボードにしても、今の参加の話もありましたけれども、患者さんにフィードバックされて初めてチーム医療が完成すると思っているので、キャンサーボードをやればいいということではなく、キャンサーボードをされた後にどう患者に返して、患者のケアやサポートにどれだけの影響があったのかまで含めて指定要件に書いていただきたいと思います。私たち患者の目に見えるチーム医療でないと、やっているとは言えないのではないかと思います。

○西田座長 御指摘ありがとうございました。的確な指摘でした。

 どうぞ。

○井本構成員 キャンサーボードは施設によっても違うのかもしれませんけれども、うちは臓器横断的で、例えば様々な疾患を有する症例であったり、拡大手術で他科領域的に手術が必要であったりとか、次の治療をどうしたらという具合に、担当医が提言してキャンサーボードがあれば開催しているパターンだと思うのです。ですから、多職種ということも大変重要で、口腔ケア等もありますけれども、書くことは構いませんが、それを全ての要件にしなければいけないということは多分ない。間口を広げておくのは大事ですけれども、実際は各担当医がそれぞれの患者さんに対応しているというのが現状で、それこそ短い時間では全部決められないと思います。

○西田座長 多分、全ての症例を多職種でやれという意味ではなく、必要に応じてだと私は考えています。実際に、私はアメリカにいたときにキャンサーボードに参加しましたけれども、必要な症例に関してしかやっていません。ソーシャルワーカーが参加しなければいけない症例には参加していましたし、そういうことは今後も考えていかなければいけないと思います。

 早坂構成員。

○早坂構成員 キャンサーボードの中に多診療科が明記されたほうがいいと思うのは、心臓疾患の方とか、高齢者で併存疾患のある方が多いからです。これだとがんを診ている科の医師は参加しなければならないと書いてあるのですが、それ以外の認知症の方とか心臓疾患の方とかの診療科のことが書かれてないです。治療をする上で結構問題になるので、あえて一文入れていただくといいと思います。

○西田座長 若尾構成員。

○若尾構成員 キャンサーボードといったときに、施設によってイメージが違っていて、中には治療後の患者さんを振り返りの勉強会をキャンサーボードと言っているような施設もある中で、先ほど三好構成員がおっしゃったように、キャンサーボードが何のためにやるかというと患者さんのためにやるのです。患者さんの治療方針を最適化するのがキャンサーボードなので、患者さんの治療方針決定のために行う。必要に応じて多職種が集まってしっかりと患者さんの治療方針を最適化するということを書いたほうがいいのではないかと考えます。定義をしっかりするということです。

○西田座長 確かにそのとおりです。治療方針を決めるのがキャンサーボードですから、そういう方向で考えればいい。

 皆さんの意見を聞いていると、基本的には多診療科、患者さんの持つ病気がかかわる領域の医師がかかわり、必要であればほかの職種もかかわるという形で、必要に応じてという言葉を入れながらここに入れさせていただくというのはいかがでしょうか。

 キャンサーボードの前に、先ほどありました治療方針を決めるキャンサーボードという理解ですね。

 大西構成員、どうぞ。

○大西構成員 山梨大学の大西です。

 確認なのですけれども、「以下を記載してはどうか」というのは、上の黒いところを書きかえるのか、それともつけ加えるという意味ですか。

○がん・疾病対策課長 追記です。

○大西構成員 わかりました。私としては、先ほども触れられていましたように、まずはどのようなメンバーが参加しているかという参加の義務づけと、議論した内容の記載、この2つは明確に文章化していただいたほうがいいと思っているのです。

 参加の中で、さまざまな構成メンバーが重要なのですけれども、医師については少なくとも手術と放射線治療と化学療法の3者はいないと成り立ちません。また、治療法となり得る治療の「なり得る」というのは誰が判断するのかというときに、外科は外科だろうと思っているときに、例えば放射線治療もあるという意見を出すのがキャンサーボードなので、この辺は明確に3者は必ず参加するというのをある程度、原則必須とか、そういう書きぶりにしていただいたほうがいいと思っております。

○佐々木構成員 今の御意見に関してなのですが、がん診療連携拠点病院等の整備についてという机上資料1の3ページにキャンサーボードの定義が書かれているのです。エのところです。我々の病院では、キャンサーボードには手術、放射線診断、放射線治療、化学療法、病理診断及び緩和ケアに関する専門的な知識及び技能を有する医師の出席は必須と考えて、それをキャンサーボードと呼んでいるのですけれども、そのような理解とはこれは違うのでしょうか。その後にもさらに患者の症状、状態及び治療方針等を意見交換するということが書かれているので、この定義どおりでいいような気もいたしますが、いかがなのでしょうか。

○西田座長 こちらのほうのあれですね。

○事務局(丸野) 今、佐々木構成員が述べられた部分につきましては、資料5の14ページの部分の抜き出しと全く同じ部分ですので、そちらを参照いただければと思います。

○西田座長 上のほうの黒いところですね。ですから、プラス、必要に応じて多職種も加わっていただくというのがキャンサーボード。しかも、治療方針を決めるものである。

 どうぞ。

○三好構成員 13ページの論点2のところなのですけれども、今、話の中で治療方針をという言葉が何度か出てきているのですが、私たち患者というのは治療と同時に家庭があったり、育児をしながらであったり、仕事のことも考えながら治療方針は決定していくので、論点2の「社会的な問題についても」というところは外さずに、ここもきちんとキャンサーボードで話していくという方向性でお願いしたいと思います。

○がん・疾病対策課長 そこが赤字の「また」以降です。

○西田座長 安藤構成員。

○安藤構成員 これは参考意見ぐらいに聞いていただければと思うのです。月1回以上というのが以前から気になっていたのですが、キャンサーボードというのは基本的には問題のある患者さんはもちろんですけれども、問題がないと思っていても、ほかの専門領域から見ると問題がある場合もあるわけで、患者さんにとってみれば、自分の治療が複数の専門家の目を通して決められているというところが信頼につながると思うのです。したがって、できるだけたくさん、言ってみれば私たちは全ての患者さんの治療方針に複数の専門領域の医者がかかわるように努力しているのですけれども、そもそもキャンサーボードの月1回というのが何となく気になるので、コメントです。

○西田座長 気持ちだけ聞かせていただきます。

 多分、これはもっとほかのいろいろな病院の背景を含めてここに書き込んであるのだと思います。

 では、おおむね下の赤の追記で基本的にはいい。先ほど言いました社会的な問題に関しても、ソーシャルワーカーとかいう言葉が入っているので十分カバーしていると思いますので、ここはよろしいかなと思います。

 最後のそれぞれのチームにちゃんとつなぐというのも必要なことだと思いますので、これでいいと思います。

 あと、その次のページをめくっていただいて、15ページの歯科との連携は非常に重要なことで、多分、口腔ケアに関しては、院内で連携できる病院というのは必ずしも100%ではないので、多くの病院は地域の歯科医院と連携していると思います。こういう文言で書いていただくと非常にいいと思いました。よろしいでしょうか。

 何も言葉がないようなので、皆さん御了解という形で次に進みたいと思います。

 どうぞ。

○若尾構成員 リハビリテーションのことについて事務局に確認なのですが、きょうの机上資料3、第3期計画の28ページの個別目標に、「拠点病院等におけるリハビリテーションのあり方について、3年以内に検討し、その結果について、拠点病院等での普及に努める」とあるのですが、この検討はこの場ですか。どこで行われることを想定されていますか。

○がん対策推進官 先ほどの件につきましては、研究事業のほうでも対応するように準備を進めておりますので、そういったことも含めてまた御検討いただきたいと思っています。

○若尾構成員 そうすると、今回の整備指針、指定要件の改定には間に合わないので、記載はないままで、次の改定のときに研究成果を3年以内に反映するようなイメージですか。

○がん対策推進官 そのようなことも考えられます。

○西田座長 今、リハビリのほうにずれてしまいましたけれども、たまたま口腔リハビリが出たからだと思うのですが、よろしいですか。

 チーム医療のところはこれでほぼ皆さん同意いただいたという形で進みます。

 次は資料6、地域連携、社会連携ですけれども、また事務局からかいつまんでお話をお願いできますでしょうか。

○事務局(丸野) 事務局より丸野でございます。

 資料6「がん診療連携拠点病院等における地域連携及び社会連携について」という資料をごらんください。

 3~5ページにかけては、第3期計画の記載内容となっております。

 4ページの取り組むべき施策として、下線部を引いている部分ですけれども、こちらの記載においても拠点病院においては多職種の連携を推進するということと、地域の在宅医療を担う医療機関等との連携を記載しております。また、緩和ケアにつきましても、地域への支援、連携ということを書いております。

 また、がん教育に関して5ページに第3期基本計画での記載を示しております。その中で取り組むべき施策として、「学校医やがん医療に携わる医師、がん患者・経験者等の外部講師を活用しながら、がん教育が実施されるよう、国は必要な支援を行う」としています。

 6ページ、地域の医療機関と拠点病院が連携する必要があるということと、拠点病院として国民に対するがんの知識の普及啓発に取り組んでいってはどうかということで論点を挙げています。

 論点としては、拠点病院等と地域の医療・介護従事者等が連携できるように情報を共有する場を整備してはどうか。

 外来診療を中心に、拠点病院が地域の医療機関等と役割分担や診療支援を行うことで質の担保ができるようにしてはどうか。

 また、拠点病院の取り組みとして、拠点病院における医療従事者が、がんに関する普及啓発を行ってはどうかということを挙げております。

 7~10ページが修文案となっております。まず、現在拠点病院の整備指針の中では、診療体制の中に「病病連携・病診連携の協力体制」という項目で連携体制を記載しております。この項目目については「地域連携の推進体制」に変更することを事務局から提案させていただきます。

 また、情報の共有の場として、これは地域がん診療病院と連携していることも想定して記載しておりますが、当該2次医療圏や隣接する2次医療圏において、地域の医療機関や在宅診療所等の医療介護従事者とがんに関する医療提供体制や社会的支援のあり方について情報を共有し、役割分担や支援等について議論する場を年1回以上設けることを提案させていただきます。

 また、がん教育に関しては、普及啓発の部分について、当該2次医療圏における学校や職域より依頼があった際には、外部講師として医療従事者を派遣し、がんに関する知識について普及啓発に努めることが望ましいといった記載を追加することを事務局から提案させていただきます。

 以上です。

○西田座長 地域包括ケアが進む中で、病診、病病だけではだめであろうということで、こういう議論になったかと思います。

 スライドでいきますと2アップの6ページのところから順番に。ここに挙げていただいた3つの議論は、皆さん、確かにそのとおりだと思われると思いますので、順番に7~8のところからいきたいと思うのです。

 まず、先ほど言いました病病、病診ではだめだというのは皆さん御了解だと思うのですけれども、それをどう表現するかということだと思うのです。御意見、木澤構成員から何かありますか。緩和ケア領域は特に重要ではないかと思っているのです。

○木澤構成員 8ページの診療体制マル6の「病病連携・病診連携の協力体制」のカのところなのですけれども、資料7をあわせて見ていただきたいのです。これは緩和医療学会か出している、マル6と書いてあるところ。「病病連携・病診連携の協力体制、カ、キについてに関する提案」というものです。「地域連携時にはがん疼痛等の症状が十分に緩和された状態での退院に努め、症状緩和に係る院内クリティカルパスに準じた地域連携クリティカルパスやマニュアルを整備」と書いてあるのですが、現実に症状緩和についてはバリアンスが多いので、クリティカルパスをつくるのはかなり困難です。ここは文案をつくったのですけれども、「症状緩和等に関するマニュアル等を整備し」と書き下していただければと考えています。

 もう一点なのですけれども、ここは議論があると思うのですが、「がん診療拠点病院は退院後、地域の医療福祉従事者が症状緩和等についていつでも相談できるような窓口を設ける」。です。そういうふうに役割を記述したら良いのではないかと思っています。

 ここは議論があるところだと思うのですが、もうひとつ追記の提案で、「がん診療拠点病院は退院後、地域の医療福祉従事者が入院が必要であると判断した場合にいつでも入院できる施設を確保しておく」。本当に困ったときに入院できない状況を回避したいと思って、こういう記述をしました。困られる方がなくなるように努力しなければいけないという内容を追記したほうがいいのでないかと感じています。

○西田座長 最初の指摘は、私も実はそう感じていて、クリティカルパスはここの領域にはなじまないのではないところがあるのです。確かにマニュアル的には、懇談会ではないけれども会議のようなものは定期的に開催していただきたいと思うのですけれども、患者さんの状況は確かにそれぞれ個人毎に違いますね。

 どうぞ。

○木澤構成員 1番はこれから地域包括ケアの中で、たくさんの先生方が在宅のケアを提供するようになると、症状緩和などで困られるケースが出てくるので、相談を受けられるような体制を緩和ケアチームが提供していくというのが本来の形だと思うのです。そういう機能を果たすということをここに明記したらどうかと思います。

○西田座長 何かほかに御意見はございませんでしょうか。

 安藤構成員。

○安藤構成員 地域クリティカルパスがなじまないという意見は私も賛成なのですけれども、資料6の4ページにもクリティカルパスのあり方の見直しについて検討するとありますし、その上の3ページのところにも運用の状況に差があるという指摘があるということで、実際私たち、正直なところ、かなり患者さんを選んで連携パスに乗っけて実績をつくっているような部分もあります。そんなことをするぐらいであれば、もういっそのことパスをやめてしまって、木澤構成員がおっしゃったようにマニュアルに準じてやるとか、そのほうが患者さんにとっても医療者にとってもいいことだと思います。

○西田座長 患者さん側からその辺に関して御意見はありますか。ぜひクリティカルパスをつくってほしいとか。

○三好構成員 たしか、最初にクリティカルパスをつくろうと言ったのが患者の意見で、入ったと記憶しているのですけれども、そのとき、がん難民をつくらないようにということが一番の目標だったと思います。なので、緩和がなじまないということだったのですが、パスの一つのよさは、私たちが自分自身のいろいろなことをメモや管理ができるということではないかと思います。そのあたりのエビデンスを私は持ち合わせておりませんが、そのことも含めて、必要かどうかをきちんと協議していただけたらと思います。

○西田座長 ほか、御意見はございますか。

 緩和のところは確かに非常に難しいと思います。患者さんの状況によってすごく変わります。化学療法のところはまだ比較的できると思って、私自身、トライしたことがあるのですけれども、これもまたそれぞれ個人差があって難しいのです。だから、ある程度こうやるというマニュアルをつくっておいて、その上で患者さんの状況に応じてそれを応用するという形のほうが現実的には非常にやりやすい。

 地域クリティカルパスの普及率を見ても、ごく一部は高いのですけれども、それ以外の都道府県は非常に低いのが現状だったと思います。ぜひにというよりは、むしろ患者さんの動線がよくなるように考えていくほうがいいと思います。ほか、御意見はございませんか。

 どうぞ。

○若尾構成員 1点確認なのですけれども、緩和のパスの場合、計画策定料の算定対象にはなるのですか。今、なっているのですか。ならない。

○西田座長 なるかな。なったのではないかな。

 それは調べていただきましょう。化学療法はなります。

○若尾構成員 もし、なっている場合は、それをやめることでインセンティブを外してしまうことのデメリットも考慮しないといけない。例えば、マニュアルによることもそれの算定対象にするなど、改善策はあると思いますが、そこを考慮する必要がある。

○西田座長 あえてやめる理由はないのですけれども、マニュアルの運用も認めるというぐらいのニュアンスでいいと思います。

○若尾構成員 別件で、先ほど木澤構成員がおっしゃった資料7のところで、いつでも相談できる窓口と、いつでも入院できる施設というのは、地域の実際に患者さんを受け入れる在宅の診療所等については非常にありがたいことで、これがないと患者さん受け入れ体制も整うことが難しいのではないかと思います。

 ただ、資料7で1点気になったのは、地域の医療福祉従事者が入院の必要と判断した場合、いつでも入院できる。そこの判断は少しぶれる可能性があるので、そこの判断は病院側の判断にしたほうがいいと思います。

○西田座長 それは医療者の判断にしたほうが多分、いいと思います。

 あと、部屋を絶対確保しろというと、救急病院のように1床あけなければいけませんので、部屋を確保できるようなネットワークをつくっていただくというのが本当はいいと思います。うちの病院がだめであれば、ほかの病院を紹介できるようにするというのが一番大事なのではないかと思います。

 確かに、在宅に戻した後、容態が変わったときには病院に入れることを担保しておくことは、地域との連携をやる上では非常に重要なことですので、そういった文言を少し入れられるようであれば、入れるようにしましょうか。よろしいですか。

○がん・疾病対策課長 先ほどのカのところは、カからは落とす。でも、三好構成員の懸念の部分は、スライドでいうと7のウで担保できているという整理でよろしいでしょうか。

○西田座長 これは「や」を「あるいは」という形にしておけばいいという気がします。ほか、よろしいですか。

 では、9番目の年に1回以上というのは、さっきも言ったようにミニマムリクワイアメントという理解だとは思うのですけれども、かならず開いてくださいという趣旨だと理解して、月に1回ぐらいできれば一番いいのですけれども、こういった条件でよろしいでしょうか。

 どうぞ。

○早坂構成員 多分、また会議が多くなると大変になるということがあると思うので、既存の会議を利用してということにした方が良いと思います。今、2次医療圏ごとに地域医療構想会議が結構な頻度で開かれています。2次医療圏にどのぐらいがん患者さんがいるのか、というのを伝えるため拠点の先生ががん登録している方の数を言うだけでも規模感が把握できるということもあるかと思うので、「既存の会議を利用して」とつけ加えることで活性化できないかなと思います。

○西田座長 いい御意見をいただきました。ぜひその文言は入れていただくように、よろしくお願いします。

 先ほど、木澤構成員がおっしゃっていた救急のところは、もし入れるとすれば、どこに入れればいいですか。考えておいていただけますか。

 考えておいていただいている間に、教育のところに行こうと思います。きょうは文科省のほうからも来ていただいていますけれども、がん教育というのは非常に重要ですし、がん教育に拠点病院の先生がぜひかかわっていただくことは望ましいことだと思います。ただ、先ほどありましたように、ワークロードをふやさない程度でかかわっていただくということなので、こういう文言であれば非常にいいと思います。

 どうぞ。

○三好構成員 三好です。

 先日もお話ししたと思うのですけれども、今、がん教育、年間60校ほどかかわって現場に行っておりますが、学校の先生方がまず医療を知らないという現実と、医療者の方は学校を知らないという現実が多々あるのだろうと思って見ています。なので、こういった指定要件を入れていただくのは大変ありがたいことで、人材をいつでもリスト化して出していただくというのは大変ありがたいのですけれども、1点お願いがあります。大人向けでも子供向けでもそうなのですが、子供たちへの配慮と患者への配慮をしながらの普及啓発をお願いしたいと思っています。

 あと、医療者の研修というのががん教育に関してはまだ始まっていないような気がするのです。たしか、癌治療学会のほうで、がん教育に関しては横浜宣言というのをされていたような気がしております。井本構成員にそのあたりの現状がどうなっているかをお聞きしたいのです。

○西田座長 どうぞ。

○井本構成員 癌治療学会の役員をしております。

 私、直接それにコミットはしていないのですけれども、三好先生がおっしゃったように、昨年、横浜で「 小学生 からのがん教育支援 宣言 」がありまして、教育者の方を集めて、三好先生にも御登壇いただいたのですけれども、癌治療学会としても今後取り組んでいくことになりました。

 現在、社会連携・PAL委員会のほうで、委員長は帝京大学の有賀先生ですが、癌治療学会からがん教育をどのように支援していくか、検討が始まったところです。次回の会議のときに多分御報告できると思います。宿題にさせていただければと思います。

○西田座長 ありがとうございます。

 ぜひ、次回もし何かありましたら、御報告よろしくお願いします。

 若尾構成員。

○若尾構成員 今、三好構成員から外部講師の話があったのですが、きょうの机上資料3、基本計画の74ページのところにしっかりと書かれていて、外部講師には学校でのがん教育を実施する上での留意点や指導方法を周知するために研修会を実施するとありますので、研修会を受講して、留意点などを理解した医療者を派遣しないと、そのまま医療者が行っても子供たちを傷つけたりしますので、ただの医療者ではなく、しっかりと留意点をわかった人を派遣することが大事だと思います。

○西田座長 ありがとうございました。

 そのとおりで、実は医者になっている人は、教育の方法を一度も大学では勉強していないはずなのです。

 私自身は1年間だけ教育の講義をとったかな。それなどをとったのは例外的だと思います。ほとんどの医師はとっていないと思うのです。ですから、教育のこともちゃんとわかった上で行くべきというのはそのとおりだと思います。これは厚労省あるいは文科省とよく相談してやっていかなければいけないと思います。

 私も前回申しましたように、中学校に講義に行きました。そのときに、文科省のホームページや厚労省のホームページを見て勉強してから行ったのですけれども、文科省のほうからこれに関して何か御意見がもしあれば、どうぞ遠慮なく。

○文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 皆様の御高配いただき、大変ありがとうございます。

 文科省といたしましても、今まで学習指導要領の中に喫煙とがんの関係など盛り込まれていたところではございますが、平成24年の第2期基本計画の中でがん教育は不十分であるということで、がん教育のあり方について有識者会議を立ち上げ、外部講師によるがん教育のガイドラインなども作成いたしまして、今、まさに取り組みを行っているところでございます。

 三好先生のほうからも御指摘をいただきました留意事項が必要というところにつきましては、外部講師のガイドラインを策定する中でも議論に上がりました。本当に御指摘いただきましたように、教育現場、そして外部講師で来てくださる先生方の中で十分にがん教育、まだこれから理解を深めていただく余地があるところということで、予算事業の中でも研修会等を行っているところでございます。また、皆様の御理解をいただきながら取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○西田座長 ありがとうございます。

 我々も講習を受けなければいけないと思います。

 あと、ここには書く必要はないのですけれども、医師会によっては結構熱心に取り組んでいるところがございます。書きませんけれども、その辺とも協働してやっていくというのは必要かと思います。

 大西構成員、どうぞ。

○大西構成員 総論的には賛成ですし、積極的にがん教育はかわらないといけないと思っているのですけれども、例えば外部講師が依頼されたときの交通費とか、若干のコストがかかるときの予算的措置ががん診療連携拠点病院の補助金の範疇ではないような気もします。謝礼は不要かと思いますけれども。これは文科省的なものではないかもしれませんけれども、若干インセンティブがないと、忙しい中、特に地域の遠くまで行かないといけない、遠くから呼ばれることもありますので、その辺も御検討いただく必要があるのではないかと思います。

○西田座長 聞いておいてください。ここで議論することではないのです。

 大体いいのですけれども、最後にさっきの木澤構成員がおっしゃっていた救急のところを入れるか入れないかを考えたい。

 佐々木課長、どうぞ。

○がん・疾病対策課長 救急のほうはバックベッドのイメージですね。バックベッド的なものを持つ資料7の1ページ、案1の事実上一番下の行のところの「いつでも入院できる施設を確保しておく」。この「施設」は医療機関以外も想定していらっしゃいますか。というのも、基本的に今の在宅医療の推進の中で、御案内のとおり、いざというときにはちゃんと再度入院できるということを前提とした在宅医療というか、入院外での体制を構築しているところでもありますので、そうなると「施設」が医療機関かそれ以外も入るかでまた書きぶりも工夫したいと思うのですけれども、そこを御教示いただけますか。

○木澤構成員 現実には、この文脈ですので、地域にいらっしゃる患者さんがおうちでの療養が症状等によって困難になったときに、入院して適切な医療が受けられることを想定しているので、病院から施設までどんな場合もあり得ると思うのです。でも、主として病院かと思います。

○西田座長 病院でしょうけれども、施設も入ってくると思うのです。手に負えないけれども、病院に入るほどではないというものもございます。

○木澤構成員 現実には、施設に入院して、そこに訪問診療、往診も実際には可能だと思うので、そういうことも含めてということだと思います。

○がん・疾病対策課長 ニュアンスがわかりました。工夫したいと思います。

○西田座長 次回までに文言を考えていただいて、入れるという方向で考えていただければ。丹藤推進官、何かありますか。よろしいですか。

 入れるという方向で検討していただければありがたい。確かに大事なことだと思います。信頼関係をつくり、患者さんに不安を与えない、あるいはデメリットを与えないという意味では、何か悪くなったらすぐに病院なり施設なりに行けるというのをある程度我々は勧めているというのを出すのがいいと思います。よろしいでしょうか。

 御協力ありがとうございました。資料6はほぼ御了解いただいたということになります。

 本来はここで10分休憩をとるのですけれども、とりますか。

○がん・疾病対策課長 5分でいいですか。

○西田座長 5分とりましょうということなので、5分とりましょう。

○がん・疾病対策課長 35分から再開でお願いいたします。

 

(休  憩)

 

○西田座長 ドアが閉まりましたので、再開します。

 既にさっきのところで木澤構成員から緩和ケアの話にも少し触れていただきましたけれども、まずは資料7を用いて日本緩和医療学会からの御意見をまとめていただいていますので、木澤構成員、お願いします。

○木澤構成員 よろしくお願いいたします。

 資料7と一部資料8を参考にしていただきながら見ていただければと思います。

 まず、これは日本緩和医療学会で意見をまとめてきたわけですが、1つ目、緩和ケアの提供体制に関する提案というところなのですが、あわせて資料8の17ページ、現行の整備指針での記載の緩和ケア提供体制のイ、iのところです。今のところでは、がん患者の身体的苦痛や精神的苦痛云々、スクリーニング手法を活用することとなっているのですけれども、この文だと専門緩和ケア、つまり緩和ケアチームの活動の一環として苦痛のスクリーニングをすると書いているのですが、訂正案はこれをマル1の「集学的治療等の提供体制及び標準的治療等の提供」のところに移動するのはどうかと提案しています。というのは、スクリーニング自体は専門的な緩和ケアの一環ではなく、日常のケア、スタンダードのケアの一環として行われるべきだと考えていますので、そちらに移動していただけないかというのが1つ。

 もう一つ、そこのところに化学療法室等で有害事象を含めた苦痛のスクリーニングが実施されていますので、内容が重複する場合は実施しなくてもいいというような文章をつけられないかと考えています。これを両方やらなければいけないということになって混乱を生まないために、何らかの書き方を工夫していただければという意味であります。

 マル6のところは先ほど申し上げた病病連携・病診連携のところなので飛ばせていただきます。

 続いて(2)の診療従事者のところです。20ページ。専門的知識及び技術を有する医師の配置に関する提案というもので、案1~案6まで書いてあるのですけれども、以下のように御提案させていただきます。

 1つ目は緩和ケアチームに所属する医師は少なくとも1名が専従であるというものです。兼任の医師ばかりが緩和ケアチームの運営をしていて、質が担保できない等の意見がありますので、それらの意見に対応して室の担保のための提案です。

 次の案2は(2)のマル1、オに定める専任の身体症状の緩和に携わる医師の要件に緩和医療学会が認定を行う専門医もしくは認定医であることが望ましいと加えていただければと思います。これは十分な人数が確保されつつあります。

 案3、精神症状の緩和に携わる専門的な医師についてですが、「常勤の精神科医、心療内科医でなければならない」としていただけないかと思います。

 案4ですが、緩和ケアチームの構成員のところです。以下の文言を追加していただければと思います。「管理栄養士を1名以上配置することが望ましい。当該管理栄養士は、がん病態栄養専門管理栄養士であることが望ましい」とするものであります。

 案5は心理士についての記述です。今のところ医療心理に携わる者というのが要件として入っているのですけれども、そこに「日本臨床心理士資格認定協会が認定する臨床心理士」と書いてあるのですが、「もしくは公認心理師」を加えていただければと思います。

 3番目の緩和ケア研修については、対応するページが資料8の22ページになると思うのです。提案はどういうものかというと、プログラムに準拠した当該2次医療圏においてがん診療に携わる医師等を対象とした緩和ケア研修を毎年定期的に実施することとなっていて、初期臨床研修2年目から終了後3年目までの全ての医師が修了する体制を整備することとなっていて、これは毎年定期的に開催するとなっているのですが、既にほとんどの医療従事者が修了してしまっている県というのがかなり存在しまして、それで毎年拠点病院が開催するのは非常なオーバーワークというか、ワークロードだけが加わってしまうのではないかと思っていまして、以下とするのはどうかと思います。

 医療ケアの緩和ケア研修会受講率を毎年都道府県に報告する。都道府県の拠点病院全体の受講率が高まるように、県内の研修会開催回数を調整し、施設は都道府県の推奨に従って研修会を開催する。必ずしも毎年開かなくてもいいということにできないかという提案です。

 次のところが都道府県のがん診療拠点病院の指定要件になります。必ずしも記述はないのですが、2324ページのところになるのですけれども、ここが今、どうなっているかといいますと、都道府県の診療機能強化に向けた要件ということで、当該都道府県においてがん医療に携わる専門的な知識、技能を有する医師、薬剤師、看護師等を対象とした研修を実施することとなっているのですが、以下の文言を加えていただければと思っています。「特にがん診療に携わる医師が患者との重要な話し合いのコミュニケーション技術を向上できるよう、当該都道府県内で最低年1回はファシリテーターと模擬患者を用いたロールプレイからなるコミュニケーション技術研修会を開催しなければならない」という追加をできればお願いしたいと思っています。理由等はそこに書かれています。

 もう一つ、3番の緩和ケアセンターの整備のマル10のところであります。24ページにあるものです。構成員に対する提案なのですけれども、現在のものに作業療法士、社会福祉士、専従もしくは専任のデータ管理等を行う事務職員を追加していただけないかと考えています。

 マル11を整備指針に追加していただいて、以下の文言「都道府県および市町村の教育委員会および衛生主幹部局等、また医師会、患者団体等と連携して行われるがん教育に共に取り組むよう努める。また、都道府県等と協力して緩和ケアの普及啓発活動を推進するとともに、民間団体や患者団体によって実施されている普及啓発活動を都道府県と共に支援する」とすることを提案したいと思います。

 もう一つ、全体的な提案なのですが、指定要件を確実に履行し、質を高めるためにお互いに監査するなどの質を向上させるような指定要件も設けていただければと思っています。

 以上です。

○西田座長 ありがとうございます。

 一部は緩和だけのところではなく、全体をカバーする部分があったと思います。

 引き続いて資料8を事務局のほうから、緩和ケア、支持療法について御説明をお願いできますでしょうか。

○事務局(丸野) 事務局より丸野でございます。

 資料8「がん診療連携拠点病院等における緩和ケア及び支持療法について」という資料をご覧ください。

 3ページ目。こちらはがん等における緩和ケアのさらなる推進に関する検討会におきまして、これまで議論してきた内容を整理したものでございます。今後の方向性という部分に、拠点病院の指定要件見直しの議論の中で何か議論ができないかと、これまでも検討されておりました。その中では、専門的な人材の適正配置及び緩和ケアチームの育成、都道府県拠点病院に整備されている緩和ケアセンターの機能強化、また、地域での定期的な意見交換をする機会を設けてはどうかといった意見が出されておりました。

 また、緩和ケア研修会に関しても、緩和ケア研修会の受講状況の把握と積極的な受講勧奨を行っていく。また、その到達目標を明確化する。拠点病院においては、卒後2年目までの医師が緩和ケア研修会を全て受講すべきであるということが御意見として出ておりました。

 4ページ以降に関してはバックデータになります。現在、緩和ケアのスクリーニング、先ほど木澤構成員から発言いただきましたが、苦痛のスクリーニングの実施率としては現在88%という数字がありますが、その後どうなったかをフォローアップしているかということに関してはフォローアップするルールになっている回答した施設は40%となっております。

 また、スクリーニングを実施するに当たって何が問題とされているかを5ページにまとめております。その中では、人員の不足、実施上のノウハウ、スクリーニング対象患者を選ぶのは難しいなどといった御意見が出ているところです。

 6ページに関しては現行の整備指針で緩和ケアチームの人員配置がどのようになっているのかを記載してあります。左の緑色のカラムになりますけれども、専任の身体症状担当医師、精神症状担当医師、専従の看護師。看護師の要件として、がん看護専門看護師、緩和ケア認定看護師、がん性疼痛看護認定看護師のいずれかの配置を義務化しております。また、緩和ケアチームに協力する薬剤師や臨床心理に携わる者の配置について規定としています。

 7ページには、都道府県拠点病院に整備されている緩和ケアセンターの要件を記載しています。まず、人員構成としては常勤の医師をセンター長として置くこと。また、先ほど緩和ケアチームにあった医師の条件に加え、緊急緩和ケア病床を担当する医師も要件として求めております。

また、ジェネラルマネジャーとして組織管理経験を有する専従の常勤看護師を配置することも緩和ケアセンターの整備の要件として求めております。また、専従の常勤看護師に関しましては2名以上としております。そして、薬剤師と専任の相談支援に携わる者という形で、緩和ケアセンターには人員配置を求めております。

 また、9~13の歯科医師や医療心理に携わる者、理学療法士、管理栄養士、歯科衛生士に関しましては望ましいという条件となっております。

 8~9ページに関しては、都道府県における緩和ケアセンターに関するアンケートになっております。機能向上に対する課題としては、マンパワーの充実や役割の明確化、緩和ケア病床の円滑な運用などといった意見が出ております。

 9ページに関してはジェネラルマネジャーに関する部分の御意見としまして、ジェネラルマネジャーの権限の強化が意見として出ています。

10ページに関しては、現在、拠点病院の現況報告書で確認している緩和ケアの実績の平成27年1月1日~1231日のデータについて示しています。緩和ケアチームに関しては全ての拠点病院で整備を求めているところですが、緩和ケアチームの新規依頼件数については、50件以下である施設が65施設、また、外来の新規症例数についても10名以下である施設が110施設ほどあるという状況になっております。

1113ページに関しましては緩和ケア研修会の内容になります。11ページに関しましては現在、平成29年6月30日時点の緩和ケア研修会の受講率となっております。全体では85%を超える水準となっています。以前は都道府県によっては7割を切るようなところもありましたが、現在は全ての都道府県で7割は超えている状況です。

 緩和ケア研修会について、今までは座学とロールプレイによる2日間の研修でしたが、今後、e-learning化を進めていこうと考えております。e-learningに関しては来年度から移行期間、再来年度から完全移行となっています。座学部分については今後e-learningを受講していただくという形になります。また、e-learning受講後に全体研修を受けていただく必要がありますが、先ほど木澤構成員がおっしゃっていたように緩和ケア研修の受講率をどうやって高めていくか、が今後の課題になってくると考えております。

e-learningの内容としましては13ページにまとめております。この中で例えばアドバンス・ケア・プランニングでありますとか緩和的放射線治療といった部分についても研修の内容として含まれており、我々としても研修を通して緩和ケアに関する知識をさらに広めていくことを検討しております。

 また、1415ページに関しては支持療法に関する3期計画の内容になります。がん治療に伴う副作用・合併症・後遺症の軽減を目指した支持療法が3期計画に記載していますが、15ページにありますように、現在、支持療法に関するガイドラインを各学会より出していただいておりますので、こういったガイドラインの活用についても、検討していただければと思います。

 論点としては16ページにまとめています。現状・課題として迅速かつ適切なケアの提供を求められていることと、研修会の受講。そして、拠点病院と地域医療機関との連携についてまとめております。

 論点としては、苦痛のスクリーニングやがん患者の苦痛を迅速かつ適切に緩和する体制について整備することとしてはどうか。

 緩和ケアチームの人員配置について検討してはどうか。

 地域拠点病院における緩和ケアセンターのあり方、設置の要否について検討してはどうか。

 緩和ケア研修会の開催や受講の目標設定について検討してはどうか。

 緩和ケアの実績について検討してはどうか。

 アドバンス・ケア・プランニングについて検討してはどうか。

 緩和的放射線治療について検討してはどうか。

 都道府県拠点病院における緩和ケアセンターの機能強化についても、人員配置やジェネラルマネジャーの役割の明確化、院内周知について検討してはどうかということで論点を挙げさせていただいております。

17ページ以降に関しては現在の拠点病院の整備指針記載内容になっております。

1722ページに関しては現行の地域がん診療病院の内容になります。

 細かくは説明を省かせていただきますけれども、19ページをご覧ください。事務局としての追加の提案としましては、先ほど木澤構成員からも発言がありましたけれども、スクリーニングを行い、がん患者の苦痛を迅速かつ適切に緩和する整備体制、緩和ケアに関する情報提供の体制については病院一体として取り組むという記載を検討してはどうか。また、アドバンス・ケア・プランニングに関するニーズに対応できるように、緩和ケアチームが準備を進めるべきではないかということを提案させていただいております。

 人的配置に関しては、21ページに記載しています。その中で、現行の整備指針のうち、都道府県拠点に整備を求める緩和ケアセンターの人員配置に関しては、相談支援に携わる者の配置の記載がありますが、地域拠点病院の緩和ケアチームの要件には無いことから、緩和ケアチームの人員配置についても社会福祉士、医療ソーシャルワーカー等の生活相談に携わる者を加えるべきではないかということを提案させていただいております。

22ページに関しては、緩和ケア研修会についての記載です。現在、緩和ケア研修会の受講に関しては、3の(1)にありますように、「所属する初期臨床研修2年目から初期臨床研修修了3年目までの全ての医師が当該研修を修了する体制を整備すること」という記載がございます。こちらに関しては、現在、研修2年目から修了後3年目までの記載はありますけれども、それより上級医の記載はない状況になっております。今後も、臨床研修医の受講については引き続き求めるということに加え、拠点病院に一定期間以上勤めておられる先生に関しましては受講を求めていくとしてはどうかということで提案いたします。また、医師だけではなく、その他の医療従事者への受講勧奨ということで、当該2次医療圏においてがん診療に携わる医師及び緩和ケアに携わる医療従事者に研修会に関する積極的な受講勧奨を行うべきではないかという提案をさせていただいております。

2324ページに関しましては、都道府県拠点病院に設置されております緩和ケアセンターの要件になります。こちらの要件に関しまして、先ほどありましたジェネラルマネジャーの権限ということで、現在、ジェネラルマネジャーに関しましては常勤の組織管理経験を有する看護師であることという記載をしております。こちらについてさらに緩和ケアの質の向上と病院全体の医療に貢献し得るために、院内の指揮監督、管理としての立場を有する者としてはどうかという形で提案させていただいております。

 事務局からは以上になります。

○西田座長 資料7と資料8をまとめて御説明いただきました。緩和ケアと支持療法のところを少し議論していきたいと思います。

 資料8の16ページのところに論点をまとめていただきました。最初のところで木澤構成員から御指摘があったスクリーニングというのは、最初に来たときにすることで、緩和ケアのところで必ずしもやるわけではないという御指摘に関して、何か御意見はございますでしょうか。妥当な意見のような気がしていたりして。患者会のほうから何かありますか。

○三好構成員 病院と全体としてというとことはもちろんそうだと思います。これも先ほどと同じ意見なのですけれども、スクリーニングもしたから終わりではないということをぜひ追加で書いていただきたいと思います。

○西田座長 書き込む場所は必ずしもさっきのところに移す必要はないと思うのですけれども、多分、患者さんを診た時で、緩和のところでスクリーニングをするのではないというニュアンスが伝わればいいと思ったのです。そうですね。

○木澤構成員 おっしゃるとおりです。

○西田座長 安藤構成員、どうぞ。

○安藤構成員 昨今では海外ではがん患者以外にも、例えば糖尿とか血圧とか、全ての患者さんに最初に痛みのスクリーニングをするとなってきておりますので、私も賛成です。

○西田座長 ありがとうございます。

 がん拠点病院といっても、それ以外の患者さんがいらっしゃるのも事実ですから、もちろんそういったフロントラインでやっていくのが一番いいと思います。

 先ほど、木澤構成員から御提案いただいた最初のところはそういったところで、場所はここに置くにしても、文言を少し変えさせていただくという形にさせていただけたらありがたいです。マル5の緩和ケアの提供体制の下にあるので、気になると言うことです。

 それから、木澤構成員が言われていた2番目のところは、先ほど議論しましたのでよろしいですね。

1718ページのところで、特に追加、修正があれば構成員の皆さん方から御意見を伺いたいのですが、ありますでしょうか。多分ここは余りないのではないかと思っているのですけれども、よろしいですか。

19ページ、事務局のほうから赤字で提案いただいていることを中心に御意見をいただきたいと思います。これはさっきのところと関係しますね。スクリーニング、がん患者の苦痛を迅速かつ適切に緩和する体制ということですけれども、これは先ほど言いましたように最初に来られたところでスクリーニングをしていく。必要があればもう一回スクリーニングをするという形でいいと思います。

 アドバンス・ケア・プランニングの話が先ほども出ていましたけれども、木澤構成員、何か御意見があれば。

○木澤構成員 この書きぶりで悪くはないというか、ニーズがある場合は緩和ケアチームも対応できるように。主治医が対応するのが一番だと思うのですけれども、緩和ケアチームも必要に応じて対応するというのはリーズナブルだと思います。

○西田座長 ありがとうございます。

 ほか、提供体制のところで意見はありますか。

 三好構成員、どうぞ。

○三好構成員 先ほど若尾構成員からACPの説明があった後に、木澤先生のほうから最初にしてしまうと70%の患者が拒否したというお話があったのですけれども、それでも3割の方が必要とされたという逆の見方ができると思いました。最初に告知後からすぐというのがもちろん嫌な方もおられるし、難しい方もおられると思うので、私自身も全ての患者にとは思わないのですけれども、必要とする患者に対しては早い時期からのACPも必要と思ったのですが、そのあたりは木澤先生、いかがでしょうか。

○木澤構成員 早すぎるACPを患者は希望しないという研究結果がでており、基本的には適切な時期にやるということで、ニーズに応じてという書き方が一番適切だと思います。早目からではなく、ニーズに応じて。

○三好構成員 個々のニーズにあわせてACPを提供するべきだ。それもぜひ書いていただきたい。

○木澤構成員 提供するというか話し合いを。

○三好構成員 意思決定支援をする。

○西田座長 多分、患者さんのニーズがないところに情報を提供すると、患者さんのメンタルを痛めつけるのではないかと思います。ですから、必ずしも全て提供すればいいというわけではない。

○三好構成員 私もそれはそう思います。必要なときに応じていただければ、一緒に考えられたらと思います。

○西田座長 課長、どうぞ。

○がん・疾病対策課長 西田座長、もしよろしければ、早坂構成員が厚生労働省の人生の最終段階における検討会でまさにACPが今、議論がされているので、情報提供いただけるものがあれば御発言をお願いしたいのです。

○西田座長 早坂構成員、どうぞ。

○早坂構成員 「人生の最終段階の医療の普及・啓発のあり方に関する検討会」では、木澤先生もメンバーで、国民への普及のこととか、ACPの時期のこととか内容のこととかを進めていらっしゃるので、木澤先生のほうがいいかと思うのですが、どのような普及をしていくかということとかを検討していて、今年度で方向性が出ると思います。これをもとにここで実施をしていけたらということです。

 この前、先生が一つ提案されたのは、代理決定者を決めることだったかと思います。それと健康な方、国民へのACPの普及の仕方の段階を明快に提示されていたので、あの形が実際に病気になる前の方への普及の仕方と、病気になってからの、実際に三好さんがおっしゃったニーズに応じるACPの実施の仕方と分けて今後考えていくような形になると理解しております。木澤先生、足していただければと思うのですが。

○西田座長 よろしいですか。

 安藤構成員、どうぞ。

○安藤構成員 ACPについてはいいことだともちろん思うのですけれども、まだ学会あるいはいろいろな研究会で今後の方向性を探っている段階で、拠点病院の指定要件に加えるというのは、もちろんメッセージにはなると思うのですが、具体的に何を要求されているのか、病院にはわからないと思うのですけれども、そこはいかがですか。

○早坂構成員 そこはまだ固まっている感じはないのです。まだ意見がたくさん出ている段階でした。

○西田座長 言葉は認知されるようになるでしょうけれども、実際に何をしろと言われたときに、確かに困るかもわかりません。

 どうしましょう。木澤先生、入れたほうがいいですか。

○木澤構成員 意見としては、恐らく医政局で進めている事業で今後の方向性が今年度固まるので、入れても問題はないと思いますが、何をやるかということは本当に個々で違うので、書きぶりが難しいだろうと思います。ただ、内容は医政局の事業を参照とすれば記述はできるかと思います。

○西田座長 課長、どうぞ。

○がん・疾病対策課長 であれば、資料1のスケジュール表、今後のワーキンググループの議論の進め方(案)にございますとおり、最終的に取りまとめの議論を行う第6回のワーキンググループの際に、恐らくここの部分はほかの項目とも関連するので、ほかの項目との関連性を見ながら今のACPをどうするかというのは最終的に整理していただければと思います。先ほどおっしゃったように、この検討会が年度内ですので、時期的にうまくあわせられるかと思いますので、そのような整理をさせていただければと思います。

○西田座長 承知しました。年度内に出るのであれば、それを見てからでいいですね。

 アドバンス・ケア・プランニングに関しては、先ほどのとおりです。

20に関しても特段の意見はないと思いますので、21の地域がん診療拠点病院の指定要件について御意見をいただけますでしょうか。事務局の追加意見としては、社会福祉士等を相談支援に加えるべきではないかという意見が出ています。

 早坂構成員、どうぞ。

○早坂構成員 ぜひこれは加えていただけたらと思います。

○西田座長 若尾構成員、何かありますか。

○若尾構成員 実際は今でもチームに入っていなくても連携していると思いますので、あえてチームに加えなくても、実態は変わらないという気はいたします。

○西田座長 どうぞ。

○早坂構成員 緩和ケアの段階になると、どうしてもどこで生活をするのか、療養の場の選定ということは非常に大きな要素として出てきます。そこのところを入院だけではなく、外来でもかなり担ってきている職種として、実際には望ましい職種の範囲かと思いますので、明記していただくほうがその意図が伝わりやすいかと思うので、入れていただけたらと思います。

○西田座長 三好構成員。

○三好構成員 私も入れてほしいという意見です。

○西田座長 わかりました。

 安藤構成員、医療者、医師の立場からいかがですか。ソーシャルワーカーが入っておいたほうがやりやすいかどうか。

○安藤構成員 必須要件でなければ、書いていただいたほうがメッセージとしては伝わると思います。

○西田座長 ソーシャルワーカーの仕事はある意味、重要な部分があるのです。患者さんは決して医療だけで困っているわけではなく、生活のところでも困っている方がいらっしゃいますので、そういう意味で必須要件でないならば入れてもいいと思います。よろしいですね。

 安藤構成員、どうぞ。

○安藤構成員 ここのところも以前から気になっていたのですが、看護師、薬剤師の望ましい要件にいろいろな資格が列挙されているのですけれども、これはどういう経緯でここに入ったか私は存じませんけれども、具体的にこういう団体の資格名を書くよりは、どういう能力があって、どういう研修を受けた方がふさわしいかを書いたほうがいいかと思います。

 特に医師に関しては、今、第三者機構によってきちんと認定専門医とか保証されている時代になってきますけれども、そういった担保がそもそもされているかどうかの確認がとれないと思います。

○西田座長 多分、ここで微妙なところが入ってくるのですけれども、ゲノム中核の話の中では、特定のものは入れませんでした。それは、国の指定のものであればいいのですけれども、そうでないものをここに入れるのはどうなのかということで入れなかったと思います。

 既に入っているものを削ると、それはそれで結構大変なことが起こる気がするので、そうはしません。が、新たに追加するにはそれなりの根拠がなければいけないと思うのです。安藤構成員の言うところだと思うのです。

 佐々木課長、どうぞ。

○がん・疾病対策課長 今、西田座長に御紹介いただきましたとおり、がんゲノム中核拠点病院の要件では2つのペーパーを出すことによって、安藤構成員御指摘の事態が起こることをある意味で事前に回避いたしました。方法論は、私ども厚生労働省の健康局長通知の形で指定要件をお示しします。がんゲノム中核拠点病院もそうでした。

 そこでは一般的な表記の仕方をもって対応し、それとは別にワーキンググループ、サブワーキンググループで御検討いただいた報告書の中で、いわば通知の解釈を行う形でこのような団体が望ましいという形で行いましたので、同様にここのワーキンググループ、場合によっては親検討会の報告書としてまとまった段階では、団体名が入っている形のものをいただき、最終的に厚生労働省からの通知を示す段階では、そこの表記は一般的な表記の仕方に工夫するというのは今、西田座長から御紹介いただいたように先例はございます。

○西田座長 ということで、木澤構成員、緩和医療学会からのリクエストに関して追加があればどうぞ。

○木澤構成員 一つだけ。公認心理師の件は議員立法ででき上がったものなので、入れておいたほうがいいと思います。

○西田座長 御指摘ありがとうございます。

 ソーシャルワーカーの役割は、必須とはしない。

○がん・疾病対策課長 座長、大西構成員が。

○西田座長 どうぞ。

○大西構成員 ソーシャルワーカーのこと以外でよろしいでしょうか。どの段階でコメントすればよかったか、通り過ぎてしまったかもしれないのですけれども、16番目のスライドの論点に入れていただいている下から2番目で、緩和的放射線治療について検討してはどうかという件なのですが、これは用語として、放射線治療というのは根治的にもやっていますし、4割ぐらいは緩和になっています。その部分に関して、言葉としてこのような形でどこかに入れていただくということはすごく重要であり、研修プログラムの中にも入れていただくことが大切です。その前の13番目のスライドにも入れていただいているのですが、緩和的放射線治療という言葉をぜひ評価していただきたいというのが1つ。

 もし、可能であれば放射線領域に緩和的IVRというすごく役に立つ技術がありますので、ここで切り取っていただけるのであれば、その言葉も一緒に並べていただければと強く提案させていただければと思います。

○西田座長 もうちょっと後で取り上げようと思っていたのです。

 順番に行きます。ソーシャルワーカーは必須ではないけれども、入れていただくという形になります。

 人的な要件の続きになりますので、この後、今、大西構成員が言われましたラディエーション、緩和ケア病棟の問題もあって、保険的な問題もありますね。だからどこまでというのがあるかと思うのですけれども、確かに苦痛をとる方法として薬物療法もありますし、放射線治療もあります。最近ではIVRもあります。いろいろな方法がありますけれども、そういう文言をどこかに入れるという御意見ですけれども、大西構成員、例えば具体的にどこにいれるのがいいと思われますでしょうか。

○大西構成員 具体的に今、一番適切なところがどこか探してみたのですけれども、提供体制の中に入れるか、指定要件の中に入れるかのどちらかになるのだろうと思います。よく検討して、提案させていただければと思います。

○西田座長 どこかに入れられるといいですね。

○がん・疾病対策課長 構成員の先生方が入れるという方向性を合意いただければ、また大西構成員と相談いたします。

○西田座長 医療的に、安藤構成員いかがですか。今の大西先生からの御意見です。

○安藤構成員 どこに記載するかですか。

○西田座長 入れたほうがいいかどうかです。放射線治療とかIVRを緩和的な領域でも積極的に考えるべきではないかということです。

○安藤構成員 先ほど御指摘があったように、化学療法も緩和的なことが多いのですけれども、放射線が緩和の一手段としてちゃんとしたものがあるのだというメッセージを伝えるということであれば、緩和のところに入れる意味はあると思います。

○大西構成員 そのメッセージ性、特にIVRはまだ十分認知されていない部分があるので、これはすごく効果的に使えますので、患者さんに役立たせたいという意味も含め、ぜひ入れていただきたい。両方の意味なのです。

○西田座長 どうぞ。

○木澤構成員 意図は非常によくわかりますし、実際非常に重要だと思うのです。

 ただ、専門的緩和ケアのところに書き込むのはやめていただいたほうがいいと思います。というのは、今、安藤構成員もおっしゃいましたけれども、化学療法も症状緩和のために行われていたり、QOLを上げるためにするというのが現実なので、そうしたら化学療法も書かなくてはいけないみたいな矛盾が生じてしまって、かえって読む者に混乱を招くことになりますので、書き方を考えていただければいいと思います。

○西田座長 後で総合的に考えたいと思いますけれども、外科治療、放射線治療のところに書くかどうかですね。緩和的な領域でも効果があるという書き方をするかです。多分、その辺に入れ込むほうがむしろフィットするかもわかりません。

 化学療法もそうなのです。化学療法は現実はほとんどが緩和的化学療法なのです。治るものがほとんどないのです。今、免疫療法が出始めていますが。

○大西構成員 化学療法の緩和とIVRや放射線治療が行っている緩和は、少し患者さんに対する意味合いが異なると勝手ながら感じております。

○西田座長 どこに入れるかは考えましょうか。場所が非常に難しいかと思います。

○佐々木構成員 これは告示で入れなければだめなものですか。通知の中に細かいことは書き込むことなのではないかと思うのです。この中に入れてしまって大丈夫なのですか。検討会で入れるべきであると言えば、この中に入るということになるのですか。

○がん・疾病対策課長 今、お示ししております新旧対照表そのものが局長通知レベルです。

○佐々木構成員 通知レベルになるのですか。わかりました。ありがとうございます。

○西田座長 緩和的な放射線治療、IVRを含むというのをどこかに入れる方向で、最後、6回目ぐらいのところで検討したいと思います。

 次が、拠点病院の要件のところです。22のところで御意見はございますでしょうか。

○大西構成員 コメントなのですけれども、研修についてはいろいろな方から土日ぶち抜きの研修プログラムを強制するのは、すごく勉強にもなるのですが、働き方改革にももとるのではないかという意見もあったりしていました。今回、e-learningでプログラムを構築していただけるのはすごくすばらしいことだと思います。あとは参加していることの確認と内容等、その辺をどう構築していくかはこれからすごく重要な課題だと思われますから、期待しております。

○西田座長 どうぞ。

○安藤構成員 資料7に木澤構成員から提案があってなるほどと感心したのですけれども、受講率を基準にしたほうが、開催数で縛るよりも非常に合理的で、むしろ受講者がたくさんいる病院は受講者の少ない拠点病院に支援をするべきです。一定以上在籍すると受講を勧めるというよりも、受講者の割合を高くしようと思ったら一定以上いる方には必然的に受講を勧めることになります。

○西田座長 ありがとうございます。

 もう一つ、木澤構成員が言われた中で大事なのは、病院にとって講習会が負担になっているのは確かに事実なのです。集めるために大変努力されている。私が前任にいた大阪とかあのあたりはほとんどが受講しているので、来ていただくというようなパフォーマンスになりつつありますので、地域性を配慮したほうがいいと思います。

 どうぞ。

○三好構成員 今、緩和ケア研修会を先生方が受けてくださっていて大変ありがたいと思うのですけれども、企画段階で患者と家族の意見を入れてくださいという通知が行っていたように記憶しているのですが、例えば、そういった文言を要件の中にきちんと入れるとか、あとは研修会自体に患者団体の意見を取り入れて、一緒に参加ができるような体制をつくっていただくというような方向性というのは可能かどうかお聞きしたいのです。

○西田座長 佐々木課長、いかがでしょうか。

○がん・疾病対策課長 今の三好構成員のご意見については、今月入ってから最終的に固めたのですけれども、緩和ケア研修会に関する指針が変わったということを、そもそも認識してもらう必要がありますので、その観点からこちらの要件にどう書くかを整理したいと思います。

○西田座長 どうぞ。

○事務局(久保田) がん・疾病対策課の久保田です。

 先日の12月1日に発出されましたがん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針の通知で、集合研修の中にがん体験者やケア提供者等からの講演という形で、集合研修のプログラムの中の一つに患者団体や御家族様からの講演が含まれていますので、その中で徐々に広がっていくものと認識しております。

○三好構成員 ありがとうございます。

○西田座長 そこに入っていれば十分ですね。

 私自身が思っているのは、むしろみんなが受けるということよりも、受けた人がちゃんとクオリティーを保つことのほうが最近は重要なのではないかと思います。以前ファシリテーターをしていたときの経験からいくと、始めたころの参加者のクオリティーというか熱心さと、今、強制されて何となく行っている人たちとは微妙に温度感が違う。多分、皆さん何となくおわかりになると思います。ぜひ、研修の質を担保していただくということが大事なので、開催回数よりはもう少しそっち側に重点を置いていきたい。

 都道府県に届け出るほうがいいのですか。都道府県がデータを集めているのですか。木澤構成員はそういった案を出されていますけれどもね。

○事務局(久保田) 実際の申請ですとか取りまとめに関しては都道府県にお願いしておりまして、都道府県のほうからまた厚生労働省に報告をいただいて、受講者等を把握しております。

○西田座長 ということは、都道府県が把握しようと思えば、十分できるという状況であるということですね。

 木澤構成員、もし追加意見があればどうぞ。

○木澤構成員 申し上げたとおりで、追加はありません。

○西田座長 ほかに全体を通して御意見はありますでしょうか。

○若尾構成員 確認なのですけれども、飛ばしてしまったのですが、木澤構成員の資料7、医師の資格等については今回特に変更しない。スライドでいうと20のところです。緩和医療学会の専門医、認定医あるいは精神科、心療内科医。特に後半は数的にカバーできるかわからないところがあるのですが、こういう方がいればそれなりにクオリティーの高い緩和ケアが提供できるとは思うのですが、これは今回についてはどのようになりますか。

○西田座長 今回、先ほどの話でいきますと、公認心理師は入れる。それ以外に関して追加は今のところ考えていない。

○木澤構成員 1点だけ。私たち自分たちながら非常に悩んでいますのは、緩和ケアチームの診療の質なのです。全部そうなのですけれども、特に案2、案3は医師の要件を厳しくしようとするもので、ここを御検討いただいたほうがいいと思っています。というのは、信頼できる方でないと、実際にコンサルテーションや地域の皆さんの御相談を受けることは不可能なので、ぜひこのような配置を、望ましいでも構わないのでしていただければと思います。

○西田座長 案3は厳しいものがあるかと思います。精神科でこれだけできる人がたくさんいるかといえば、非常に厳しい。

 そこは置いておいて、もし先生がこだわられるとしたら案2ですね。これに関しては誰に聞くのがいいかな。井本構成員か安藤構成員、御意見ございますか。

○井本構成員 またうちの大学の例ですけれども、多分、麻酔科の先生がいつも兼任されていらっしゃっていて、非常に緩和に熱心でいらっしゃるのですが、果たしてここまで資格を持たれるかどうかはわからないです。その先生が異動したりすると、また次の麻酔科の先生を探したりみたいなのが現状ではありますので、専従というのは難しいのではないか。資格もなかなか。聞いてみないとわからないのですけれども、私の知っている範囲はそういうところです。

○安藤構成員 公的なもので求めるのであれば、専門医であれば専門医機構の認める専門医であることが最低限必要かと思います。

○西田座長 どうぞ。

○佐々木構成員 専門医に関して事務局に聞きたいのですけれども、前回の要件にも専門医という言葉が出てこないのです。いろいろなものにも今、通知のレベルで専門医が入っているかということを伺いたいのですが、ここで何とか専門医というのは使っても大丈夫なのですか。

○がん・疾病対策課長 佐々木先生からのご質問のさまざまな通知の事例がどこまでカバーできているかというのは手元ではわからないのですが、いずれにせよ、今回の最終的な整理では、先ほど西田座長をはじめとしたやり取りからも、特定の学会や団体については公的な者を記載するという整理をしようと思っております。現在手元の資料では専門医や認定医、また、認定資格のある職種というものについて、全ての通知での記載の有無についてはわかりません。いずれにせよ、佐々木先生の御指摘は非常に重要なことになるかと思いますので、そこの整理をした上で、最終的な言葉の使い方を行いたいと思います。

○西田座長 ということを考えますと、木澤構成員には非常に申しわけないのですけれども、今回これを入れ込むのは非常に厳しい状況かと思います。

 先ほどありました専門医制度がどうなるかわかりませんけれども、公的な立場として認められるようなものになった場合にはぜひ入れていきたいと思います。

 ほか、全体を通して。

○若尾構成員 緩和ケアで確認なのですが、これも机上資料3の基本計画の49ページで、地域がん診療連携拠点病院における緩和ケアセンターのあり方について、設置の要否を含めて検討するということがありますが、これもこの場でないところで検討されるのでしょうか。

○がん・疾病対策課長 ここについては、地域がん診療連携拠点病院における、ですので、ここでということになります。

○若尾構成員 そうするとこの場で地域拠点にも緩和ケアセンターを置く、置かない、あるいはどういう機能を持たせるということを、きょうこの緩和ケアの検討のタイミングで検討するということでしょうか。

○がん・疾病対策課長 ということになります。それを踏まえて、例えばスライド2021でも拠点病院、さらには地域がん診療病院の場合も含めて資料を提出しているということになります。

○若尾構成員 いや、緩和ケアセンターですね。今は都道府県だけに設置が義務づけられていて。

○がん・疾病対策課長 だから、何が言いたかったというと、そういうふうに拠点病院、地域がん診療病院で、これにさらに追加が必要なもの、すべきものがあるかということの投げかけをしております。

○西田座長 今、都道府県のみに要望しているものを全ての拠点病院に要求するかどうか。あれば確かにいいのですけれども、それを必須としてしまうかどうかということです。

○若尾構成員 それで、きょうの資料2、5ページの【個別10】のところにも書かせていただいたのですけれども、緩和ケアセンターの整備を地域がん診療拠点病院にも拡充する場合は、人員配置などを適切に。今のまま適用するのは非常に難しい状況なので。ただ、緩和ケアセンターという形で機能を3つ持っていますね。その機能を地域拠点の緩和ケアの部門にも持たせることは、地域の緩和ケアを充実させるには必要なことだと思います。その辺はもう少しちゃんと議論したほうがいいのではないかと思います。

 もともと緩和ケアセンターは2次医療圏の緩和ケアを充実させるためにつくろうとしていて、それが前回、これはまだ無理ですねということで都道府県拠点に置きましたが、都道府県拠点は本当に都道府県のことを見るだけで、実際に地域に対しては何も機能できていない。本当に動かすには、2次医療圏単位にしっかりと地域の緩和ケアを見るような司令塔、ヘッドクオーターがある必要があると思います。ただ、人的要件などは厳し過ぎるので、そこは緩和したほうがいいのではないか。

○西田座長 木澤構成員、どうぞ。

○木澤構成員 緩和ケアセンターの重要性はわかるのですけれども、さっきにまた戻るのですが、ちゃんとした緩和ケアチームがあることが前提なので、それよりはまず、ちゃんとした医師がいることが大前提なので、何らかの形で。

 こんなことを言うと学会から後ろから刺されそうですけれども、専門医である必要はないかもしれないですが、少なくとも能力を何らかの形で担保しないと、国民の皆さんに申しわけが立たないと思うのです。これが私たちが考えた最低限の線だったのですけれども、何らかの形でそこを考えていたくほうがまず先と理解しています。

○西田座長 木澤構成員がおっしゃる意味は非常によくわかります。ただ名前だけつけているというのは非常にまずいというのは確かにそのとおりで、まずは実を伴うべきかというので、学会の認定というのは外して、むしろある程度の質なのか、資格なのか。

○木澤構成員 先生、実は認定医制度はこのためにつくったようなものなのです。ある程度努力すれば通れる認定制度をつくったので、何らかの形で質を担保できるような仕組みを考えていただかないとまずいと思っています。

○若尾構成員 確認なのですけれども、私が見たページが古いのかもしれませんが、専門医は176人で、認定医はまだゼロではないですか。

○木澤構成員 認定医制度は試験が終わって、3月31日付で多数輩出される予定になっています。公表はできないのです。

○若尾構成員 現時点ではゼロで、3月31日に何人。

○木澤構成員 はっきり実数はわからないです。公表ができないのです。

○若尾構成員 現実が厳しいということがわかるのですが、そういう話になると何のために拠点病院をつくっているのかという、本当に根本が崩れる話かなと。緩和ケアチームが機能していない、相談支援センターも強化できない。何のための拠点病院なのでしょうというのが非常に見えなくなってしまうという素朴な疑問が発生してしまいますね。

 もし、本当にそれができていないのだったら、拠点病院を取り消すということも考えないと、申しわけないけれども、なんちゃって拠点病院、なんちゃって緩和ケアチームをやるのだったら、もう拠点ではありません、拠点として機能できませんということをしなくて、もう拠点病院を一から見直さないといけないということではないでしょうか。

○西田座長 どうぞ。

○がん・疾病対策課長 そこは先ほど西田座長も、まず、質を一定水準の線を引いて、そこに満たないところは、ある意味で積極的にという言い方が適切なのか、遠慮せずに、妥協せずにという言い方が適切なのかはわかりませんが、そこに達していないところは、例えば既に拠点病院の指定を受けていても取り消すということは当然あり得るべき話ですし、次回御議論いただくのは、まさに指定の取り消しについての手続をこれまで書いてこなかったので、それを御議論いただくということが大前提になりました。

 となると、線の引き方として現実的に今の時点で、また、恐らく先例によると一定年数ここで議論されている基準での指定が行われるわけですから、今の時点でどの水準を求めていくのか。

 さらにもう一つ大事なのは、次回やはり議論していただく現況報告が、例えば膨大な現況報告の中でもっとめり張りのついたような形での報告を求め、質を評価する。見える化を図るということに資する形をつくっていく中で、ちゃんと事後的に検証可能な形にする。それによって若尾構成員御指摘の、果たしてこれは拠点病院をつくったけれども、意味があるのかということに耐え得るような仕組みをつくっていきたいと思っています。

○若尾構成員 あともう一点、これも私見なのですが、今は医療者の質の担保、確保が第一だと、それもわかるのですが、幾ら質のいい方がいても、ストラクチャーがないと動けないということもあると思うのです。ストラクチャーがあって、ここはこういう役割を持っているのだということがないと、優秀な医師の方が動けない。動こうとしても、今度は病院側からそれはあなたの仕事ではないということで動けない。拠点病院はこういう役割を持つということを明確にしないといけないような気もしております。今後の話かもしれないですけれどもね。

○西田座長 ありがとうございます。

 その中で、学会の専門医という名前を書くかどうかというのは置いておいても、きちんとした講習を受けた人というような文言をちゃんと入れてやっていくというのでいいのではないかと思いますけれども、どうですか。

○木澤構成員 研修ですか。

○西田座長 文言は研修ですね。

○佐々木構成員 参考になるかわかりませんが、がんゲノム医療中核拠点病院の通知の中に書かれた言葉として紹介したいと思うのです。「その領域で高い専門性を認知された常勤の医師」というような書き方をされていますので、同じような表現で使えると思ったのです。

○若尾構成員 今もあります。

○佐々木構成員 その表現だとまだ不足ですか。

○西田座長 それをさっきの現況報告書の中できちんと評価していくことのほうが大事なのかなという気がします。まずそこから固めていくほうがいい。今、あることが多分ちゃんと評価できていないというのが。

 どうぞ。

○大西構成員 追加の情報提供です。専門医という言葉は、例えば診療報酬制度にも書き込めないというのが現状です。今、新しい専門医制度が始まって、そこの評価をどう厚労省でしていただくかというのがあると思うのです。

 実は今、画像診断管理加算ということがあって、そこの算定要件の中に、読み上げますと、当該療養について関係学会から示されている2年以上の所定の研修を修了し、それが登録されている医師と。これは明らかに専門医を意味している。そういう遠回しな言い方では書いてあるという状況を御紹介だけいたします。

○西田座長 書き方は考えましょうか。書き方と評価ですね。評価するところで多分、病院の行動は変わると思いますので、まず、そこから変えていく。ストラクチャーも大事ですけれども、まず、実質を上げておかないとだめだと思います。評価の方法を変えるということと、ちょっとだけ書き方は変えるという形で対応したいと思います。

 最後のところ、ジェネラルマネジャーの記載です。

 どうぞ。

○梅内構成員 日本看護協会の梅内です。

 ジェネラルマネジャーについて、赤で書いていただいている追記の部分なのですが、院内の指揮監督を行う立場を有するものとしてはどうかとあるのですが、指揮監督という言葉自体が強いと思います。読みようによっては、看護部長ですとか副看護部長相当をイメージさせるような懸念もあるのです。病院全体の医療に貢献し得るために緩和ケアセンターを機能させるとなると、やはり組織管理能力、調整力といったことが大事になるので、そういった能力を有する者というような書き方で御検討をお願いできないかと思います。

○西田座長 そのほうがいいと思います。

 例えば、今、看護師長レベルを想定しているならば、それがどこかの外科部長に、おまえ、こうしろというわけにはいかないと思うので、コーディネートするのが多分この人の役割だと思いますので、そういう表現にしていただいたらありがたいと思います。

 木澤構成員、ここで事務職を追加したらどうだという意見があったのですけれども、そこまで書き込むのは私自身は非常に難しいと思っているのですけれども、ぜひにという意見はありますでしょうか。

 少しもめて、正確でない部分も決まっていないところもありますけれども、1つは放射線のところは最終的なところでもう一回議論をさせていただきます。緩和だけではないと思いますので、全体像の中で考えましょう。

 それから、緩和ケアチームに関しては、若尾構成員がおっしゃったように、たしかにそうなれば一番いいとは思いますけれども、まずはちゃんと質を上げていくために、今、規定されていることを各病院にきっちり守っていただくような評価方法をとるという形にさせていただければとありがたい。ほかのところは多分、大きな問題はないと思います。

 どうぞ。

○木澤構成員 もう一点だけ。緩和ケアチームの件数の件なのです。さっきの専門医の件もそうなのですけれども、質をちゃんと見ていったほうがいいと思っています。例えば、年間50件以下とか外来を毎週1回以上開いているのに10人以下とか、真っ当な医師がいるとは思えないと思うのです。例えば、少なくとも外来入院を足して50件以下はだめとか、数的な要件をつけるべきだと私は思います。

○西田座長 確かにほかのところでもそうなのですけれども、何となく入れておきながら切っていない。要件を満たしていないのに切っていないということはおかしいのですけれども、本当にここで切りますというようなことをやっていないというのは事実なのです。

○木澤構成員 真っ当だとは思えないです。

○西田座長 これに関して何か御意見はありますか。報告書の書き方にも、多分、この前のところでもそうだったと思うのですけれども、報告書に本当にその件数をちゃんと全部反映してカウントして出しているのかという部分もございますので、ここはきちんと報告してもらわないと、要件を満たさないと判断すると切りますということをある程度国のほうから言っていただくというのがいいと思っています。

 どこでカットするかというのは微妙な問題がある。51件はよくて49件はだめなのかと言われると微妙なところがありますので。ちゃんと実質やったものに関してはきちんと報告していただく。なおかつ、件数が本当に数件しかないようなところに関しては我々としては考えるというのでいかがでしょうか。

○若尾構成員 件数ではなく、目的は患者さんの痛み、苦痛をとることであって、どこかに書いてあるかもしれないのですが、これも主治医チームの責務で、主治医チームが患者さんの痛みをとるように努力して、それでも専門的な緩和ケアが必要な場合は、必ず緩和ケアチームにつなぐ。そういうことを書けば、別に件数が多くても、少なくても、主治医の対応がしっかりととれていれば少なくてもいいですし、しっかりと主治医が自分で完結させようとするのではなく、専門的緩和ケアにつなぐという、そこを徹底するような書きぶりができればいいと思います。

○西田座長 課長、どうぞ。

○がん・疾病対策課長 そこは多分、一定の目安となる数字というのがある程度必要で、その上でそれを満たしていない場合どういうことなのか。それこそ次回御議論いただきます指定要件を満たしていない可能性のある拠点病院等に対する指導方針についてのところで解釈を行うというステップを踏むのが現実的かと思います。

○西田座長 これは緩和ケアだけではなく、患者数も入っているのです。ですから、そこのところで考えさせてください。

 では次、資料9、今度はAYAのところでございます。事務局から御説明いただいて、堀部参考人からも御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○事務局(丸野) 事務局より丸野でございます。

 資料9「がん診療連携拠点病院等におけるAYA世代のがんへの診療体制について」をごらんください。

 3ページ目、第3期がん対策基本計画における記載を抜粋しております。この中で、AYA世代に関しては多様なニーズがあることということで、多様なニーズに応じた情報提供や相談支援・就労支援を実施できる体制の整備について、また、対応できる医療機関等の一定の集約化に関する検討を行う。また、治療に伴う生殖機能等への影響など、世代に応じた問題について、医療従事者は患者に対して治療前に正確な情報提供を行い、必要に応じて適切な生殖医療を専門とする施設に紹介できるための体制を構築するとしています。

 4ページ目、がんの共生の部分に関しては、長期フォローアップについて晩期合併症への対応、保育・教育・就労・自立・心理的課題に関する支援を含め、ライフステージ応じて成人診療科と連携した切れ目のない相談等の支援体制整備を推進するとしております。それに関連して、12月1日に第1回目の会議が開催された「小児・AYA世代のがん医療支援のあり方に関する検討会」においても現在議論していただいている状況です。

 6~9ページにかけて、第1回の同検討会の資料を抜粋しております。

 6~7ページに関しては情報提供に関する項目のうち、情報が欲しかったけれどもなかったという部分が赤色のバーで示されております。これで見ますと、赤いバーが多い項目は、例えば今後の自分の将来のことですとか、遺伝の可能性について、年齢に適した治療環境、こういった項目は情報が欲しい部分として挙げられております。

 また8~9ページに関しては、小児、思春期・若年がん患者の妊孕性温存診療に関するガイドラインという、日本癌治療学会から出していただいているガイドラインについて紹介しております。こちらにおいて、9ページにありますように、がん治療を最優先とするということですが、挙児希望がある場合に、可能な限り早期に生殖医療を専門とする医師を紹介する。つまり、情報提供を行うということが重要視されています。

 現在、小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会におきましては、10ページにまとめていますような論点で議論をしていただいておりますけれども、本日はこちらの検討会においも、AYA世代のがんに対する相談支援のあり方について御検討いただければと思っております。

11ページに現状・課題と論点を載せております。AYA世代のがん患者に関しましては、年齢や状況に応じた支援が必要であり、小児がん患者の長期フォローアップ患者などにつきましては、小児がん拠点病院との連携、生殖機能の温存に関しましては情報提供であり、また、対応可能な医療機関への紹介が必要であるというところで、論点としましては、AYA世代のがん患者に対するニーズに対して相談や情報提供ができる体制を求めてはどうか。生殖機能の温存について、適切な相談、情報提供ができる体制を整備してはどうかという論点を挙げさせていただきます。

12ページに修文案を載せております。この内容は今回、新しく追加される事項です。AYA世代のがん患者については、就学、就労、生殖機能等の状況について確認し、必要に応じて対応できる医療機関やがん相談支援センターに紹介すること。また、生殖機能の温存に関しては、患者の希望を確認し、院内または地域の生殖医療に関する診療科について情報を提供するとともに、当該診療科と治療に関する情報を共有する体制を整備すること。

 また、小児がん患者で長期フォローアップ中の患者については、小児がん拠点病院や連携する医療機関と情報を共有する体制を整備することを提案させていただいています。

 事務局からは以上です。

○西田座長 ありがとうございました。

AYAAYAなりと言ったらおかしいのですけれども、隠れていたところで、大人にはない問題を抱えられているということで、今回、堀部参考人に来ていただいております。堀部参考人のほうから追加で御意見がございましたらお願いします。

○堀部参考人 名古屋医療センターの堀部敬三と申します。

 発言の機会をお与えいただきまして、ありがとうございます。

 私は小児・AYA世代のがん医療支援のあり方に関する検討会の構成員を代表してお招きいただいたものと思っておりますが、同時に厚労科研で総合的AYA世代のがん対策のあり方に関する研究班の班長もさせていただいておりまして、そこで全国の実態調査等を行いました。その結果を踏まえて発言させていただきたいと思います。

 その前に少し自己紹介をしたいのですが、私は小児科医です。私の医療センターにおきましては、血液内科と相談をして、20歳未満の血液腫瘍の患者さんは全て初診時から小児科で診ます。それから、名古屋大学の整形外科と連携いたしまして、25歳以下の骨軟部腫瘍に関しては、初発時から化学療法を中心に、私どもの小児科で診療しています。

 言いたいことは、AYAを診療する上で小児診療科と成人診療科間の話し合い、連携が極めて重要だということです。それに向けたいろいろな対策が必要だと思います。

 第1回の検討会では、AYA世代がん対策の研究班の実態調査の結果をはじめ各種資料を提供いただいて、AYA世代がん医療に関して情報共有をしたところです。

 その中で行われた論点整理として、AYA世代の問題を考える上でまずは年代を意識することが重要です。AYA世代は特有のライフステージですが、AYA世代といっても思春期と若年成人の年代では抱える問題に共通の部分もあるが相違もあるという認識が必要です。次に、がん種です。いわゆる成人がんの裾野にあたる希少フラクションと、小児がんの延長の部分、さらにこの世代独特の希少がんもある。骨肉腫とか卵巣の胚細胞性腫瘍は、まさに15から20歳前後にピークのあるがん種です。このようにAYA世代のがん種の特徴を踏まえることが大切です。

 また、診療における地域性の考慮が必要です。希少がんについては大都市圏での集約化の視点が必要ですし、ローカル地域では地域全体でも数が少ないので、どのような医療提供が望ましいか地域の特性を考慮した検討が必要です。それから、医療と支援に分けた観点の必要性が指摘されました。これらの観点を踏まえて次の検討会で指定要件について検討整理することになりました。

 皆さんに認識していただきたいポイントとしては、AYAの診療実態として、若年成人のがん患者は当然ながら成人診療科で診ているのですが、10代後半の患者においても、多くは成人診療科で診療されており、小児の診療科で診ている割合は全体の2割に留まるということです。

 すなわち、AYAの問題は、がん診療連携拠点病院の検討の場でしっかり討議していただきたいというのが要望です。AYAの中でも10代後半は、小児がん医療の強みを生かすことが可能です。小児がんは小児がん拠点病院を中心に小児がん医療施設が連携して治療されていますが、その強みは、成長過程で求められる教育に対する支援体制があることです。10代後半は、その延長線上の高等教育に対する支援が必要であり、それを認識した医療が求められます。また、小児がん診療施設では、小児・思春期の心理社会支援を含むトータルケアを医師等スタッフが認識して診療していますので、そういった小児の強みをAYAの診療に生かしていくことが大切であると思います。

 一方、小児の場合は、親との関わりが強く、医療者も子供を守る、子供を保護するという感覚で医療を提供していますが、AYA世代は自立過程にある、もしくは自立した世代であり、大人への階段の途中にあるAYA世代独特の心理的社会的状況に配慮した支援が求められます。また、成人としての視点、対応も必要です。教育も高等教育であり、就労に関しても新規就労であって成人の復職とは異なった問題があります。このようにAYA特有の支援が必要であることから、現状のがん診療連携拠点病院の機能と小児がん拠点病の強みの連携だけでなく、AYA世代に対して強みを持った支援チームや支援体制が必要でないかと思います。

 研究班が行ったがん診療連携拠点病院の実態調査では、1525歳未満のがん患者の診療実績は平均で年間2~3例でした。そのような状況では、がん診療連携拠点病院全てにAYAの診療体制整備という均てん化の考え方はとても求められません。AYA世代のがん治療の実績の多い施設にきちんとAYA支援体制を構築して、少数施設はそこと連携する体制が望まれます。単に小児がん拠点病院とがん診療連携拠点病院が別々にこの問題を検討するのでなく、AYA世代の診療に強みのあるがん診療連携拠点病院とそうでない病院との連携を図ることが重要であり、そのためにはAYA世代の診療に強みのある病院を明確にすることが大切であると思います。

AYA世代の診療拠点の指定は難しいと聞いておりますが、例えば、1525歳未満の患者数などの診療実績をきちんと公表することは可能です。患者数の上位2030施設が明らかにされれば、そこにはすでに様々な支援体制が既に存在しているか、なければ支援チームを育成することで、AYAに強みがあるがん診療連携拠点病院がどこかわかるような体制をぜひ構築していただきたいと強く思います。

 資料2をみますと、都道府県のがん診療連携拠点病院連絡協議会からの要望の【個別7】のところに、「ライフステージやニーズに応じて集約化すべきものと均てん化すべきものについて検討し、必要に応じて小児・AYA世代のがんを包括的に診療・対応できる専門的な医療機関の整備を進めること」という要望が出されています。単に相談支援体制だけでなく、がんの医療提供体制についても、要望に応えられる文言を入れて整備を進めていただければありがたく思います。

 以上です。

○西田座長 AYAのことに関して的確な御指摘ありがとうございました。

 例えば今、希少がんワーキンググループというのですか、あれがやっておりまして、今は軟部肉腫でやっています。骨肉腫で言えば、先ほど御指摘があったように、専門施設といえども1施設年間平均2です。それが本当に専門かという意見がございますので、御指摘があったように、がん拠点病院という組織の中にハブ・アンド・スポークをつくっていって、ある程度集約的に希少がんと同じようにやっていくということを考えなければいけないので、ここに赤字で12のところに書いてある、要するにつなぐという医療が必要なのではないか。特に、拠点病院の多くはつなぐファンクションをAYA世代のがん患者さんに関してはしていただきたいというのがここの要望かと思います。

 誰か御意見のある方、いらっしゃいますか。

 どうぞ。

○三好構成員 AYA世代の件なのですけれども、堀部先生に質問なのですが、AYA世代といっても幅広い年代層があるということで、育児と治療の両立という視点が今まで余りどこでも出てきていなかったように思うのですが、検討会やいろいろな場所でそういった視点というのはどこかで話し合われた経緯があるのでしょうか。

○堀部参考人 検討会ではまだそこまで突っ込んだ話し合いはございません。資料9の6~7ページのスライドのところに、情報のアンメットニーズと相談のアンメットニーズがあります。基本的にはほとんど共通しています。

 情報が欲しかったニーズがランキングされていますので、50%以上に目を向けてください。それらの赤色バーのアンメットニーズに着目し、右にあるパーセントでおよそ3分の2、60%以上のところに注目してください。欲しい情報の順で見てみますと、今後の自分の将来、年齢に適した治療環境、他のAYA発症のがん患者さんとの交流、生き方・死に方、そして次に家族の将来のことが続きます。この「家族の将来のこと」というのは、A世代の問題でなくて、YAの子育てだとか親の介護が該当するということがわかっており、これが非常にアンメットニーズな情報や相談したいことだということです。

 そういう意味でここに家族が浮かび上がっています。また、治療環境、とりわけAの世代に関しては療養環境に関してもきちんとアンメットニーズとして挙がっています。これは相談や情報提供だけでは解決しない問題ですので、先ほど述べた集約化等医療体制の整備の中で検討していただきたいと思います。

○西田座長 若尾構成員、追加でどうぞ。

○若尾構成員 堀部参考人の御意見を聞いてそのとおりだと思ったところです。まず、全ての拠点病院でAYAの体制を整備するというのは難しい話で、それぞれの施設でどのがん種、どの世代に対してどういう医療が提供できるということを施設内である程度決めていただいて、それを都道府県のがん診療連携協議会などで、都道府県拠点で取りまとめていただいて、その情報を各相談支援センターなどで提供する。今まではなかったのですが、都道府県のがん診療連携協議会に関連するブロックの小児拠点も入っていただいて、しっかりと小児・AYAの、どこでどういう医療が受けられるという情報をまずつくっていく。そのために病院が宣言していくということが大事かと思います。

 関連するところとしましては、机上資料の整備指針、その1の13ページのあたりに今の標準的治療等を提供している場合は情報提供することとありますが、それをAYAの部分についてもしっかりと情報提供していただくということがスタートかと思います。

○西田座長 ありがとうございます。

 そういうやり方も一つのやり方。どっちかというと私は時々イギリス型の集約化とフランス型の集約化があって、今のはフランス型の集約化だと思うのです。イギリス型みたいに強制的にやる方法もあるのですけれども、フランスのほうが日本には向いているかと思います。

 それ以外に御意見は。ここに書いてある文言は適正かと私自身は思っているので、ともかくある程度専門的にやっている病院のほうにできるだけ早くつないでいただくというのがAYAの患者さんにはいい医療が提供できる、ある程度集約化していかなければいけないところだと、堀部先生、考えてもよろしいですね。

○堀部参考人 文言のところで、つなぐという意味では、新しい追加の記載の3行目の内容に対応できる医療機関へ紹介するというのがつなぎだと思います。特に診療という面でつなぎの対象になっているのが就学、就労、生殖機能等を把握することにとどまっています。つまり、がん治療そのものに関してつなぐ部分が何もありません。是非、そこを見える化していただいて、先ほど述べたように、各地域のどこでどのがんを診ているかがわかる形を見える化していただくことで、そこに紹介の流れをつくるというような動きをお願いしたい。

○西田座長 就学、就労の前に確かに医療があります。「医療」という言葉を入れておいてください。

 では、そういう言葉を入れていただいて、むしろ拠点病院を均てん化するのではなく、ここは集約化していく。希少がんと同じであると理解して進めたいと思います。よろしいでしょうか。

 御賛同いただいたということで、最後の資料10は前回議論したところで少し適応外使用について少し議論があったので追加で出していただいたのですけれども、ポイントだけ事務局のほうからお願いできますでしょうか。

○事務局(丸野) 資料10「がん診療連携拠点病院等における診療提供体制について」という資料をごらんください。これは前回御指摘いただいた部分の修文になります。前回、保険適応外の治療につきまして御議論いただいたかと思います。前回の提案が4ページになります。

 この提案に関しましていただいた内容として5ページ。不適切な医療行為から患者を守ることというのが本項目の趣旨であり、研究を対象とした倫理審査に限らず、一般診療としての適応外使用の適否を検討するための委員会、倫理審査委員会という言葉に限らず、そういった委員会の設置を求めてはどうかという御意見をいただいたこと。また、議論するだけではなく、承認されたというプロセスが必要であろうという御意見もいただきましたので、6ページにございますように修文をしております。

 下線部を引いた部分が修文の内容になります。保険適用外の治療の提供体制に関しましては「ア 当該施設ががんに関する一般的治療かつ標準的治療以外の保険適応外の治療をがん患者に実施する場合は、その適応の安全性や妥当性、倫理性について検討するための組織(倫理審査委員会、薬事委員会等)を設置し、病院として検討並びに事後評価をすること」。

 「イ 検討し、承認された保険適応外治療については、がん患者へ適切に説明を行い、同意を得た上で行う体制を整備すること」

 「ウ 保険適応外の免疫療法を行う場合については、科学的根拠の集積を目的に、原則として治験や先進医療を含めた臨床研究の枠組みで行うこと」

 このように修文をしております。

 以上になります。

○西田座長 前回、安藤構成員、三好構成員あるいは若尾構成員から御意見をいただいて、少し齟齬が残っていたので、あえてここでもう一回取り上げていただきました。

 多分、若尾構成員も御存じのように、患者さんに害が及ぶようなことをやってもらったら困る。かといって、今、患者さんが受けている利益を奪ってしまっても困る。私は希少がんをやっているので正直に申し上げますと、希少がんでは適応になっているお薬がほとんどないのです。適応外使用で安藤構成員は使って治療されている患者さんが非常に多いと思いますけれども、これは適応外使用を全部とめてしまうと治療が成り立たない領域が結構でてきて、患者さんが困るのではないかということでこういう文言にしました。

 それで、全て倫理委員会を通せということになると、臨床研究を全部やらなければいけませんし、現実にそれができるかといったらできません。ですから、薬事委員会とか、要するに、病院が責任を持って管理をしますという体制にしたらどうでしょうか。その上で、患者さんのICをとって適正にやっていただくという形で。これに関しては皆さんよろしいかと思うのですけれどもね。

 どうぞ。

○若尾構成員 前回のときに議論の中で出てきた言葉で、確かにガイドラインに載っていないものでも、コミュニティー・スタンダードのような治療法があって、それは認めるべきだという、その辺のニュアンスがもう少し入ればいいとうのが1点。

 あと、組織を設置しとありますが、これも文言のつまらないことなのですけれども、今後セントラルIRBなどで、必ずしも施設内になくても外の委員会も利用するので、設置という言葉を少し変えたほうがいい。さらに、事後評価をすることとありますが、事後評価をした結果を公表したほうがいいのではないか。審査の状況と事後評価を公表することということです。

 最後に、こういう形にすれば、ウについて、別に免疫療法に限らなくてもいいのではないかというのが、前回はいろいろなことがありましたけれども、アとイを整備していただいた上で、免疫療法に限る必要はないのではないかと改めて感じているところです。

○西田座長 ありがとうございます。

 認定IRBに関しては、現実はまず無理だと思います。侵襲のある臨床研究を受け入れるだけで精いっぱいになると思いますので、こういう細かいものを出されると、とてもじゃないけれども受け入れられないと思います。院内の中である程度、もしかしたらここで倫理委員会を設置しなさいという意味ではなく、適応外使用を評価するようなシステムをつくりなさいということですので、そこは問題ないと思いますし、むしろちゃんと手続していただいたほうがいい。

 公表に関してはいろいろな問題がございます。これを強制すると、逆に病院側は適応外使用を避ける可能性があります。なぜならば、査定を受ける可能性が非常に高い。もしかしたら、申請してしまっているところもあるかもわからない。そこは余りぎりぎりにやらないほうがいい。こんな公共の場で言っていいかどうかは別にして、よくないとは思いました。

 ほか、御意見はありますでしょうか。

 安藤構成員、何か追加でありますか。

○安藤構成員 非常にわかりやすくなったと思います。

○若尾構成員 免疫療法に限るということですか。

○西田座長 下の免疫療法は、今回こういった調査をやっていますので、ちゃんと書いておいたほうがいいと思いますし、これはある意味、国民に対して十分にこういう問題が出ましたので、説明する責任があるので、今回は入れておいてもいいのではないか。次回、また更新する場合には必ずしも要らないような気がします。

○若尾構成員 あるいは免疫療法「等」を行うとすることで少し広げてはいかがか。

○西田座長 「等」になるとまた漠然としてしまうので、ここは免疫療法でどうでしょうか。

 以上で大体のストーリーの議論が終わりました。全体を通して御意見がございましたら。

 三好構成員、どうぞ。

○三好構成員 最後にどうしても1つ言いたいのです。

 2時間ぐらい前の協議に戻るのですけれども、相談支援センターの件なのです。人員配置と人数の件で、なかなか双方向の意見が合わなかったという点があるのですけれども、私たち患者や家族にしてみれば、相談支援センターというのは本当に駆け込み寺で、本当に救いの場所なのです。そこが潰れてしまったら本当に困るというのがありまして、できれば体制を、人数にしても職種にしても置いていただいて、先生方や病院が大変なのは重々わかっているのですけれども、そこはぜひ、そもそものがん対策基本法が何のためにできたかというところに立ち戻っていただいて、事務局にも頑張っていただいて、相談支援センターに関してはもう一度議論、検討をしていただくお願いをして、私からは何も言うことはありません。

○西田座長 おっしゃる意味は非常によくわかります。実際に非常に疲弊している相談支援センターのメンバーをあちこちで見、聞いています。ですから、人的な要件はできるだけ病院のほうも満たそうと思っていると思うのです。黒字の病院がほとんどないというのが御存じのような状況でございますので、三好構成員のおっしゃることは大変正しゅうございますけれども、ここで強制するのはなかなか厳しいというのを御了解いただければ幸いです。

 井本構成員、どうぞ。

○井本構成員 コメントで追加なのですけれども、癌治療学会で、まだ養成中ですけれども、認定がんナビゲーター制度というシステムがございまして、まだ200300人というレベルでありますけれども、結局、内部のがん拠点病院だけでは対応できないので、地域でがんを支えていくシステムをつくろうと。実際に活動されている方はまだ少ないのですが、例えば薬局、薬剤師で薬のところで説明ができるとか、それなりの講習のコースをつくって取り組んでおりますので、まだまだ先の話でございますけれども、そのような働きをしております。

○西田座長 相談支援センターのMSWを中心としたサポートだけではなく、多職種全体で患者さんを支えていくというのが今回の本来の趣旨と思います。今回、相談支援センターの中であえて看護師とかいう名前は入れませんでしたけれども、全体で支えていただくような文言をちょっとだけ追加するということになりましたので、そこで解釈をしていただければありがたいと思います。

 どうぞ。

○若尾構成員 先ほど言い忘れたことで、資料6なのですが、地域連携のところで、地域のカンファレンス、検討の場を開くというところなのですが、通常であれば問題ないと思うのですが、今、2次医療圏に複数の拠点病院がある場合は、複数がばらばらにやると意味がないので、うまく行政とも連携して共同で開催するようなことを要件に記載するのが現実的ではないかと考えますので、御検討いただければと思います。

○西田座長 ありがとうございます。

 承りました。

 司会の不手際で7分ほど過ぎてしまいました。申しわけありません。

 ある意味、非常に関心度の高いところで、熱心に議論いただきました。私のほうがてきぱきと処理できなくて、少し超えてしまいましたけれども、また事務局のほうには幾つか仕事を残してしまいましたが、来年また議論して、もう少しきちんとまとめていきたいと思います。本日はまことにありがとうございました。

○事務局(丸野) ありがとうございました。

 机上ファイルに関しては次回以降も使用させていただきますので、お持ち帰らないようにお願いします。

 また、追加意見等がありましたら、メールでいただければと思います。1月11日ごろまでをめどに、また後ほどお知らせさせていただこうとは思いますけれども、御意見をいただければと思っております。本日はどうもありがとうございました。


(了)

健康局がん・疾病対策課

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