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2021年2月12日 臨床工学技士学校養成所カリキュラム等改善検討会(第4回)議事録

医政局医事課

○日時

令和3年2月12日(金)14:00~

 

○場所

主婦会館プラザエフ コスモス
東京都千代田区六番町15 3F
 

○出席者

泉田 洋志 (京都保健衛生専門学校臨床工学技士専攻科 教務主任(日本臨床工学技士教育施設協議会副代表理事))
磨田 裕 (横須賀共済病院 集中治療科 部長)
江頭 正人 (東京大学医学部附属病院  総合研修センター センター長)
神村 裕子 (公益社団法人日本医師会 常任理事)
北村 聖 (東京大学 名誉教授)
工藤 元嗣 (吉田学園医療歯科専門学校臨床工学科 学科長(日本臨床工学技士教育施設協議会 理事))
中島 章夫 (杏林大学保健学部臨床工学科 教授(日本臨床工学技士教育施設協議会 副代表理事))
南学 正臣 (東京大学大学院医学系研究科腎臓内科学・内分泌病態学 教授)
馬場 秀夫 (熊本大学大学院消化器外科学 教授)
本間 崇(善仁会グループ 安全管理本部 本部長(日本臨床工学技士会 理事長))
百瀬 直樹(自治医科大学附属さいたま医療センター臨床工学部 技師長)

○議事

○太田医事専門官 それでは、定刻でございますので、ただいまから第4回「臨床工学技士学校養成所カリキュラム等改善検討会」を開催いたします。
本日は、先生方には御多忙のところ、御出席を賜り、誠にありがとうございます。
構成員の出欠についてですが、全員御出席となっております。北村座長以外の構成員の先生方には、オンラインでの参加をいただいているところでございます。
それでは、資料の確認をお願いいたします。
今回、座席表、議事次第、資料1、2、3-1、3-2。そして、参考資料として、参考料1-1から1-4、2-1から2-4、3、4、5、6、7となっております。資料に不足等ありましたら、御連絡いただければと思います。
また、オンラインで参加の構成員の皆様へのお願いでございますけれども、御発言の際には、挙手の上、座長の指名を受けた後にマイクのミュートを解除の上、御発言いただきますようよろしくお願いいたします。御発言終了後は、マイクを再度ミュートにしていただきますようお願いいたします。
それでは、座長、お願いします。
○北村座長 北村です。
お忙しい中、御出席いただきまして、どうもありがとうございます。時間も限られておりますので、進めたいと思います。
本日の議題は、1つだけなのですけれども、「指定規則、指導ガイドライン、告示の教育内容と必要な備品等、並びに臨床実習について」ということで、ぼちぼち報告書のまとめに入る段階になっております。参考資料は7まであるのですけれども、本当の資料は1と2と3-1、3-2の4つです。議事の進め方に関しましては、まず、議題1の件に関して、事務局から資料1、2、3-1、3-2まで説明をお願いして、途中で切って質疑をしつつ、進めていきたいと思います。資料1の前回までの主な意見を事務局より説明していただいて、3回以降に関係団体より御提出いただきました臨床実習の再提案として、参考資料5を本間構成員、それから中島構成員より御説明いただきます。
ここまでのところで一旦質疑をしまして、それが終わりましたら、次に、医師から臨床工学技士へのタスク・シフト/シェアに関する内容について、資料2ですが、事務局より説明していただき、これに伴う追加資料として、私が班長を務めました厚生労働科学研究の報告書をごくごく簡単に御説明させていただければと思います。そこでまた御意見をいただいて、最後のパート、資料3-1、3-2がまとめの段階になりますが、事務局提案を事務局より御説明いただき、まとめていきたいと思います。3つのパートに分かれておりますが、一番最後の資料3のパートが今日の一番の目的と御理解いただいて、お願いいたします。
それでは、資料1について、事務局から御説明をお願いします。
○医事課(板橋) 事務局です。
資料1を御覧ください。資料1では、検討会第3回までの教育内容と必要な備品等及び臨床実習に関する主な意見をまとめさせていただきました。
2ページ目からは、法第14条の1号~3号の規定に基づく教育内容と必要な備品等についてまとめています。
まず、関係団体から要望された内容について、教育の内容を3ページ目、4ページ目にお示ししております。基礎分野では“社会の理解”の科目追加、専門基礎分野では“人体の構造と機能”、“臨床工学に必要な医学的基礎”、“臨床工学に必要な医療情報技術とシステム工学の基礎”、これらで教育目標への追記と単位数の追加が求められています。
また、専門分野では、“医用機器学”に教育内容として“臨床支援技術”を追加し、教育目標の追記とともに単位数の増加が求められています。そして、“医療安全管理学”、“関連臨床医”学、“臨床実習”において、教育目標への追記と単位数の追加を求める提案でした。
これらに対する構成員の御意見は、5ページ目、6ページ目にまとめさせていただいていまして、教育の内容、目標及びその単位数の見直しに関してでは、「基礎分野や専門基礎分野の科目を含めて臨床実習を到達目標として組み立て、臨床実習に行くことを意識した教育とすることで、臨床実習と学内での教育がシームレスにつながるのではないか。」といったご意見や、「法第14条4号は、1号~3号に準ずる教育とすべき」だという御意見をいただいています。
6ページ目では、法の第14条の2号、3号について、まとめておりまして、現在の開校の状況としては、「2号、3号は、法ができた当初から、教育年数が少ないと十分な教育ができないのではないかと現場の臨床工学技士からも御意見があった。」等ご意見をいただいており、また、現場の現在の運用の状況としては、「臨床工学技士の養成課程を1年で無理なく教えられるのは、50単位程度である。」、「基礎分野では、一般教養課程に当たり、既に学んだ教育内容として扱われている」などの御意見をいただいています。
7ページ目からは、法第14条の1号~3号の規定に基づく臨床実習に関してまとめています。
臨床実習の中で実施する教育内容に関して、関係団体からの要望では、臨床実習の単位数を1単位増加し、うち、血液浄化療法関連実習1単位、呼吸療法関連実習及び循環器関連実習2単位、医療機器管理業務実習1単位、臨床実習前後の技術・知識の到達度確認や、実習中後の振り返り等の実施を1単位程度とする。また、呼吸療法関連実習及び循環器関連実習では、集中治療室と手術室での実習を含むこと。そして、循環器関連実習では、人工心肺装置または補助循環装置の実習を含むことという提案がされております。またページが少し飛びますが15ページ目、臨床実習指導者に関して努力義務による実施要望がありました。
これに対し前回までの検討会の中ではP8のように事務局の提案として、まず、臨床実習の中で実施する教育の内容に関しては、血液浄化療法関連実習で1単位、呼吸療法関連実習及び循環器関連実習で2単位、医療機器管理業務実習で1単位とする。また、呼吸療法関連実習及び循環器関連実習では、集中治療室と手術室での実習を含むこと。循環器関連実習では、人工心肺装置及び補助循環装置の実習を含むこと。そして、臨床実習前後の技術・知識の到達度評価、実習中後の振り返りを含むことといった提案をさせていただいています。
また、臨床実習指導者の要件に関して事務局の提案としましては、臨床実習に関する事項として、指導者講習会を修了した臨床工学技士が配置されていることが望ましいという書きぶりを指導ガイドラインに追加してはどうかという提案とさせていただいています。また、この臨床実習指導者講習会については、厚労省で定める基準に合ったものとしております。
10ページ目、団体から提案がありました臨床実習時に学生が最低限経験することが望ましい項目について、臨床実習における指導の在り方としては、必ず指導に当たる者による責任の下での確認、または再度の実施を行う。そして、臨床実習を開始する前に、各養成所において接遇や感染対策などを含む知識・技術の総復習や到達度の評価を行っておく。そして、個々の患者の同意を得た上で実施する。これらが、在り方として柱になっています。
一つ一つの基本的行為設定の考え方としましては、アンケートを行い、臨床工学技士の観点から学生が臨床実習において学ぶ基本的行為について、業務としての重要度や症例・事例の頻度などを加味して、実施必須、実施推奨、見学必須、見学推奨に整理しています。
11ページ目以降が、この整理した具体的行為内容となります。
16から18ページ目、これら臨床実習に関することについて、構成員の先生方からいただいた御意見としてまとめさせていただいています。
まず、臨床実習に関しては、手術室やICU、透析室等の患者の命に直結した現場で業を行う職種であり、臨床実習を受け入れる立場としては、患者安全や感染リスクの面から見て、現在の1か月程度の臨床実習は受け入れやすい等の御意見をいただいていました。
臨床実習前後での指導については、臨床実習を見学型のみに留めず、参加型も取り入れていくべきであり、その分の訓練を臨床実習に送り出す前準備として、十分に行っていただきたい等の意見をいただいています。
17ページ目に移ります。
臨床実習の中で実施する教育内容に関しては、循環や代謝、呼吸という3つの視点での実習を組み立ててはどうか。また、循環器関連実習は、人工心肺装置と補助循環装置の両実習を必須とすべき等のご意見をいただいています。
そして、臨床実習時に学生が最低限経験することが望ましい項目としても、幾つか御意見いただいており、その中の一つとして、補助循環の実習は重要であるが、症例数などの地域差を考えた場合、必須として実習を行うことは難しいのではないか等の御意見をいただいています。
18ページ目に移ります。
臨床実習指導者の要件としましては、一定の要件、期間を設けることで、指導者講習会を修了した指導者を配置するよう調整すべき等の御意見をいただいています。
そして、臨床実習の指導者負担に関しては、臨床実習を増やす場合、指導側の負担が増大することから、指導者数などを確保するための対策も併せて検討すべきではないか等の御意見をいただきました。
前回までの御意見としては、以上になります。
○北村座長 ありがとうございます。
かなり盛りだくさんで、こんな意見あったかなということもあるかもしれませんが、ほぼ御意見を要約した形で、資料3のほうに事務局提案ができているので、後でまた御説明していただきます。
その前に、参考資料5について、本間先生、中島先生から御説明をお願いできますか。
○本間構成員 ありがとうございます。
最初に、中島先生のほうから、概略についてちょっとお話しいただければと思いますので、よろしくお願いします。
○中島構成員 ありがとうございます。
それでは、参考資料5を御覧になっていただければと思います。こちらの参考資料5に関しては、前回、第3回の委員会のときに出されたもの、今日の資料ですと、参考資料4を基にして、この臨床実習に関する基本的行為の再提案ということで、最終的な内容をまとめさせていただきました。
今、事務局のほうからお話しいただきました資料1の8ページ、9ページ等に、臨床実習の単位数の提案ですとか、臨床実習自体が見学をするのではなくて、経験することが望ましい。臨床工学技士の将来の質の担保を図るという観点から、先ほどお話しのあった、これまでの何とか実習、何単位というだけの括りではなくて、きちんと実習の今の質の担保を図るという観点から、基本的な行為というのを定めて、それを区分けをして臨床実習の中に盛り込んでいこうという目的で提案させていただいたものです。
3ページを見ていただきまして、2.基本的行為の再提案というところを見ていただければと思います。これも前回御説明していただいて、先ほど事務局のほうからもありましたように、この基本的行為の分類と考え方に関しましては、水準Iから水準IV、実施必須から見学推奨ということで、まず、4つの区分に整理しております。こちらを整理することで、冒頭にお話ししましたように、臨床実習の質の向上を期待するということで分類分けをしております。
まず、2.2.の水準I:【実施必須】に関してですけれども、こちらは、これまでの会議の中でも何回か出ておりますように、臨床工学技士さんの業務は、治療行為の中で診療補助行為で、非常に侵襲が高いものが多いということで、これまでも臨床実習は見学中心とならざるを得ないところがありましたけれども、法律面でも医療機器の点検というところに関しては、きちんと指導者の下で学生が実施できるということが考えられます。
4ページに移っていただきまして、そういった観点から、その下にありますように、実施必須の項目を9分類9行為ということで、今回定めさせていただきました。その上に書いてありますように、ペースメーカに関する業務に関しましては、ペースメーカの中でも、植込み型のペースメーカの治療とかがありますけれども、体外式に関しましては、先ほども出ました体外循環の実習とも絡んできますので、臨床現場においても、体外式のペースメーカに関しては、臨床工学技士さんが日常点検により管理しているということで、技術的な習得が必要な項目と考えて挙げさせていただいております。
繰り返しになりますが、学生が点検を行った医療機器に関しては、患者さんの命がかかっておりますので、そのまま臨床に出すということではなくて、必ず臨床実習指導者の下できちんと確認、または再実施してということをこちらに述べさせていただいております。
次に、2.3.の水準II:【実施推奨】に関してですけれども、こちらに関しましては、前回、実施推奨ということで項目を提案させていただきましたが、検討の結果、実施必須と、それから、この後お話しさせていただく見学必須というところに整理させていただきました。
その下の2.4.水準IIIの【見学必須】ですけれども、これもお話しさせていただいているように、呼吸治療と特に血液浄化に関しては、臨床工学技士さんの業務の中、あるいは実習期間中の中で症例が比較的多いということで、4ページから5ページにかけまして表が載っておりますように、呼吸治療6項目、血液浄化9項目、集中治療領域ということで2項目。こちらは、見学必須が可能だということで、この分野で挙げさせていただきました。
なお、見学必須とした事項に関しましても、治療行為の侵襲性とか、実際の施設の実習のやり方、体制などを考慮した上で、可能な範囲で学生に実施させる。例えば、見学必須とした17行為のうち、★印がついている行為があるかと思うのですけれども、こういったところは、学生に実施させることも可能であるということを追加で申し添えております。
その下になりますが、1個飛ばしまして、監視機器を用いた患者観察というところですけれども、人工呼吸に関しても、体外循環あるいは血液浄化に関しても、必ず患者さんの状態を監視する、いわゆる生体情報と言われる、術中あるいはICU、病棟での監視機器を用いた患者の観察というのが、非常に重要な知識・技術ということになっております。
次の6ページを見ていただければと思いますが、特に血液浄化装置に必要な監視機器を用いた患者観察等ということに関しては、今、お話ししたような観点から、症例数も多いということもありまして、学生に実施させるということは重要と考えております。
なお、患者の治療に直結するというところに関しては、回路の組立てとか装置の点検を行った場合は、先ほども申し上げましたように、そのままではなくて、必ず指導者が最終的に確認を行う。場合によっては、指導者が再度実施するということが望ましい。かつ、学生が確認した生体情報モニタ等に関しても、必ず指導者に報告を行って、運転状況の変更等の指導を仰ぐことを行うということを前提としたいということをまとめさせていただきました。
最後に、この水準の2.5.のIVの見学推奨に関しましては、ここに書いていますように、基本的な臨床工学技士の業務、全ての業務において、実習期間中に見学を行いたいわけですけれども、その症例が実習期間中に全て見られるということが発生するかどうかということもありますので、7ページから8ページに掲げております8分類43項目に関しましては、今、お話ししたような前提を基に8分類43行為ということで、見学推奨ということにさせていただきました。
なお、非常にパーセンテージが多かった項目もあるわけです。人工心肺の業務とか補助循環の業務は、実施させている、見学させているという割合が非常に多かったところもありますが、先ほどの意見もありましたように、地方、地域、季節等で症例数の確保が難しいケースがあるという報告も多いということを追加させていただいております。
8ページの2.6.から9ページにかけまして、こちらも第3回の検討会からの転記になりますけれども、高気圧酸素治療に関しましては、臨床実習において実施する基本行為としないで、教育の特色や地域の医療体制の実情などを踏まえながら、可能な限り臨床実習が行えるよう努力することが適当ということで、後ろのほうに高気圧酸素治療の実施の状況ということが載っておりますので、そういったところを加味して、このような形で決めさせていただきました。一番最初にお話しをさせていただいた実施必須の中で、この高気圧酸素治療というものが1項目抜けておるのは、こういった理由によるところになります。
最後になりますが、3.臨床実習の修得目標というところで、これも第3回の中で構成員の先生方からもいろいろ意見をいただいたものを踏まえて、修得目標というものを再掲させていただきました。こちらにありますように、(1)呼吸治療から(10)保守点検まで、学生が修得すべき目標について提案させていただきましたが、前回、修得の目標が理解できるだけでは、参加型の実習としては不十分なのではないかということ。
プラス、先ほど御説明させていただいた、今回の分類分けで水準I:【実施必須】というところには、各人工呼吸装置等の点検というところは、指導者の下できちんと実施できるということを踏まえまして、こちらの修得目標を見ていただくと、例えば(1)の呼吸治療に関しましては、2つ目の○、人工呼吸器等の原理及び操作について理解できるとともにという、原理・操作については、きちんと理解する。プラス、保守点検については、先ほどの実施必須とリンクさせる形で、指導者の下に実施できるといった2つに分けて、きちんと修得目標を立てていくという形を取らせていただいた次第です。
以上がこちらの参考資料5のポイント説明になります。
では、本間先生、よろしくお願いいたします。
○本間構成員 では、引き続き。今回、中島先生が御説明いただいたとおりでございまして、臨床工学技士の実習について、実施必須項目が提示されていないという御指摘も受けました。その中で、アンケート調査の中から、全ての実習施設がやっているといったものが、この保守点検の項目については、どこの施設でも技士として当然やらなければいけないことだろうということで、保守点検に関する10項目について必須項目として挙げさせていただいております。
それから、見学の必須につきましても、水準IIIでございますけれども、呼吸と血液浄化に従事している技士が多い。そのために、実習の中でも見学ができる施設が多いということで、この2つを中心に見学必須とさせていただいております。
それから、ここは医療機器を扱う以上は、最後に患者さんの状態については、我々もきちんと見ていかなければいけない。それを教育の中でもきちんと示していかなければいけないということで、監視機器の患者観察ということで入れさせていただきました。
以上のIからIVの水準に分類して、中島先生が御説明したとおりの内容で実施していきたいと考えております。
以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
今までの議論がほぼ全部盛り込まれているような内容で、臨床実習が充実するように思います。
ここまで、資料1と参考資料5について、構成員の先生方、御意見あるいは御質問等、何かございますでしょうか。どうぞ自由に御発言していただいて結構です。ここで先生方のお顔を拝見しておりまして、手が挙がればこちらから御指名しますけれども、見えないかもしれないので。
どうぞ、馬場先生、お願いします。
○馬場構成員 ありがとうございます。
今、説明いただきました内容について、これまでの議論を踏まえて意見を少し述べさせていただきます。
まず、資料1の9ページの<事務局の提案>臨床工学技士養成所指導ガイドライン、赤字で書かれた(3)のところでありますが、厚労省の定める基準に合った「臨床工学技士臨床実習指導者講習会」を修了した臨床工学技士が配置されていることが望ましいというところでございます。
この点については、15ページに、ほかの職種の臨床実習指導者、臨床実習に携わる方々がどのような条件を満たした方々であるかということが職種別にまとめられております。それを見ますと、ほかの職種では臨床実習の指導者講習会を受けた方が条件と書かれているようでありますので、今後、臨床工学技士の方々が臨床現場で活躍する機会を考えますと、この臨床工学技士の指導者講習会を修了した方が配置されていることが望ましいという文言にしたほうがいいと思っております。
その理由は、このカリキュラム改定を修了した方々が臨床現場で臨床工学技士として働き出す時期を考えますと、6年後ぐらいですか。そうしますと、働き方改革も進みまして、臨床工学技士の方々が今の医師の業務の一部を随分負担するような状況になってきているかと思っておりますので、その時代を見据えて、今、何をすべきかということを考えるべきかと思いますので、ここはそのような文言に、事務局提案を採用したほうがいいかなと考えております。
それから、先ほど御説明のありました参考資料5のことでございます。ここも、例えば5ページに表がありまして、例えば血液浄化云々、集中治療。その表の下に説明が書いてありまして、★印については「学生に実習させることが可能であると考える」。これは、むしろ「実施させることが望ましい」という表現のほうが適切ではないかと思います。可能であるというのは、してもいいけれども、しなくてもいい。させることでもいいという意味合いかと思いますが、できるだけ臨床実習で経験させるということを盛り込んでいく方向性がいいだろうと思っております。
これは、昨年12月ですか、全国の臨床実習の状況がどうであるかというアンケート調査を基に、無理のない範囲で、必須にするのか、見学にするのかということを決められたと思いますが、これは現状であって、この方々が臨床現場で活躍する時代というのは6年後ぐらいになるわけであります。そのことを考えますと、今がこうだから、この程度にとどめようということではなくて、将来活躍すべき臨床工学技士がどのような臨床実習を経験し、即戦力として活躍できるかということを目指した内容にしていくべきだろうと個人的には考えておりますので、その点、御検討いただければと思います。
以上です。
○北村座長 ありがとうございます。
資料のつくりが悪くて申し訳ないのですけれども、先生の御指摘のことが、資料3で今から御提案するものにはほぼ入っていると思いますので、またそのときにも事務局から説明させますが、大体入っていますか。大体入っているようです。資料3のときにまた御説明します。
○馬場構成員 分かりました。
○北村座長 ほかに御質問、御意見ございますか。
もう一つ御報告っぽいパーツがありますので、次のパーツに行かせていただきます。それを含めて、また本当の討議の資料3に反映したいと思います。次のパートは、資料2と参考資料7になります。資料2の御説明を事務局、よろしくお願いします。
○医事課(板橋) 事務局です。
資料2を御覧ください。資料では、医師から臨床工学技士へタスク・シフト/シェアされる行為について、経緯と追加となる具体的教育内容等について、まとめさせていただいています。
まず、3ページ目を開いてください。「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会」で議論されました内容となります。こちらでは、まず、医師に対して時間外労働の上限規制が適用される2024年4月に向けて、労働時間の短縮を着実に推進していくことが重要であるとし、「医師の働き方改革に関する検討会報告書」では、労働時間短縮を強力に進めていくための具体的方向性の一つとして、タスク・シフト/シェアリングが挙げられました。
現行制度の下でタスク・シフティングを最大限推進しつつ、多くの医療専門職種それぞれが自らの能力を活かし、より能動的に対応できる仕組みを整えていくため、関係職能団体等30団体からのヒアリングを行っています。そして、ヒアリング内容を踏まえて、タスク・シフト/シェアの具体的な検討を有識者の参集を得て行っております。
4ページ目、検討の経緯として、関係団体(全30団体)からヒアリングを行い、提案された業務約300項目について、医師以外の医療専門職種が「現行制度の下で実施可能な業務」と「現行制度で実施可能か明確に示されていない業務」、「現行制度では実施できない業務」に整理して検討が行われました。
そして、現行制度では実施できない業務については、資格付随業務であるか否か、技術隣接業務であるか否か、そして、安全性の担保ができるかどうか、これら3つの要件を踏まえて業務の整理を行わせていただいております。
5ページ目、法令改正を行いタスク・シフト/シェアを推進するものとして検討会で合意が得られたものが、こちらに示されているものとなります。法律事項については、医師の働き方改革関連法案としての提出を目指し、政省令事項については、順次改正という扱いをされております。
この中で、臨床工学技士としては、手術室等で生命維持管理装置を使用して行う治療において、当該装置や輸液ポンプ・シリンジポンプに接続するために静脈路を確保し、それらに接続する行為・輸液ポンプ・シリンジポンプを用いて薬剤を投与する行為・当該装置や輸液ポンプ・シリンジポンプに接続された静脈路を抜針及び止血する行為。そして、血液浄化装置の穿刺針その他の先端部の動脈表在化及び静脈への接続又は動脈表在化及び静脈からの除去。心・血管カテーテル治療において、生命維持管理装置を使用して行う治療に関連する業務として、身体に電気的負荷を与えるために、当該負荷装置を操作する行為。最後に、手術室で行う鏡視下手術において、体内に挿入されている内視鏡用ビデオカメラを保持する行為、術野視野を確保するために内視鏡用ビデオカメラを操作する行為。これらが法令改正を行い、タスク・シフト/シェアを推進するものとして挙げられました。
6ページ目では、必要な研修・教育についての考え方を(a)(b)(c)、3つの区分として示しています。
(a)に区分されるものとしては、養成課程の見直しや研修の受講の義務付けは行わない。
(b)に区分するものとしては、当該業務が従来の業務の技術的基盤の上にある場合は、養成課程において必要な教育内容として明確化するとともに、既に資格を取得済みの者については、法令による研修の受講の義務付けは行わないが、通知により、当該業務の実施に当たって追加的な知識の修得が必要な者について、職能団体が実施する研修を受けることを求める。
そして、(c)に区分するものについては、当該業務が従来の業務の技術的基盤の上にない場合は、養成課程において必要な教育内容を追加するとともに、既に資格を取得済みの者については、法令により、厚生労働大臣が指定する研修を受講することを業務実施の要件とするとされています。
7ページ目、臨床工学技士として区分された内容として静脈路の確保で、(b)に入るものは、手術室等で生命維持管理装置を使用して行う治療において、輸液ポンプやシリンジポンプを用いて薬剤を投与する行為。そして、手術室等で生命維持管理装置を使用して行う治療において、当該装置や輸液ポンプ・シリンジポンプに接続された静脈路を抜針及び止血する行為となります。また、(c)としては、手術室等で生命維持管理装置を使用して行う治療において、当該装置や輸液ポンプ・シリンジポンプに接続するために静脈路を確保し、それらに接続する行為となります。8ページ目は、これらの静脈路確保の業務の具体的イメージとして示されているものとなります。
9ページ目、血液浄化装置の穿刺針その他の先端部の動脈表在化及び静脈への接続又は動脈表在化及び静脈からの除去については、研修の区分として(b)となります。
同様の形で、心・血管カテーテル治療において、生命維持管理装置を使用して行う治療に関連する業務として、身体に電気的負荷を与えるために、当該負荷装置を操作する行為も(b)となります。
10ページ目、手術室で行う鏡視下手術において、体内に挿入されている内視鏡用ビデオカメラを保持する行為、術野視野を確保するために内視鏡用ビデオカメラを操作する行為については、必要な研修として(c)に区分となりました。
これらを踏まえて、厚労科研で、必要な教育について研究が行われており、ここでは事務局からは概要のみをご説明させていただきます。
臨床工学技士へ追加となる具体的教育の内容について、12ページ目を御覧ください。研究班の報告書の中では、主に教育内容の中に追加するものとしては、まず、医用安全管理学を医療安全管理学に改め、単位数の追加、教育の追加。また、臨床支援技術学を新設・追加し、単位数の追加、内容を提案しています。臨床実習も単位数を追加して行うとしております。
法第14条の1~3号に対してが、先ほどの教育の内容でしたが、13ページ目、法第14条の4号も同様に追加内容を示されています。告示で示す科目としまして、臨床支援技術学の追加、そして医用安全管理学を医療安全管理学に変更。
また、14ページ目、臨床工学技士養成の観点から、学生が臨床実習において実施すべき行為についても意見が出ております。実施必須として、鏡視下手術における視野確保の内容について、内視鏡手術システムの点検を学生に実施必須とすべきだという御意見をいただいています。
また、見学の推奨としましては、鏡視下手術における視野確保関連のもの、心・血管カテーテル治療関連のもの、そして静脈路確保関連の行為、これらについて見学の推奨が幾つか挙げられています。
これらについては、理解をすることについての着眼点で、修得の目標が挙げられております。
15ページ目、これらの教育を追加するに当たっての備品としまして、関連するものとして、シュミレータを追加してはどうかとの御意見をいただいております。
資料については、以上になります。
○北村座長 ありがとうございました。
最後4ページくらいが研究班の結果をまとめていただいたものです。研究班の報告そのものは、参考資料7になります。共有できますか。その参考資料7の1ページ目に、その研究要旨が書かれていますが、何をしたかというと、臨床工学技士に加えて、診療放射線技師、臨床検査技師の教育において、こういうタスク・シフトされた技能をどのように教えていくべきかということを提言した内容になっております。
一番下3行ですが、これらの検討結果をふまえ、本研究では診療放射線技師、臨床検査技師、ならびに臨床工学技士の追加業務に関する有資格者研修のカリキュラムの開発と、学校養成所カリキュラムの見直しに関して提言をまとめたということで、文章は短いですけれども、たくさんの資料がついています。お時間のあるときに見ていただければと思いますが、この報告書の資料の一番最後のページがもし出れば。今まで何度も出てきている臨床実習における見学必須とか、そういうところをアンケートに分けて、実施必須が1項目、見学推奨が3項目などを書かせていただきました。中島先生、本間先生の御提案、あるいは事務局の御提案に反映されておりますので、同じような文章になっています。
以上が資料2と参考資料7の御説明です。何か御質問とか御意見ございますでしょうか。
江頭先生、お願いします。
○江頭構成員 江頭です。どうもありがとうございました。
タスク・シェアの問題というのが同時に検討されていたということがよく理解できたのですけれども、有資格者に対する研修というのも、多分これから行っていくということで、これはカリキュラムをつくられたということですか。
○北村座長 技士会のほうが中心になってカリキュラムをつくり、それと実施計画を今、つくっている最中ということです。
○江頭構成員 私どもの病院のほうにも問い合わせが来ていたものですから、その辺どうなっているのかなと思ったのですが。今回の有資格者のカリキュラムと卒前のカリキュラムの整合性というか、シームレス化みたいなものはどんな状況になっているのか、もし分かれば教えていただければ。
○北村座長 私の知っている範囲ですと、今、我々が学生のカリキュラムをつくっていますが、それが適用されるのが、2023年入学の人が卒業していけば、この人たちに関しては学生時代に学んだことになります。それ以前、現在の有資格者、並びに今、学生の人、あるいは21年入学、22年入学の人に関しては、場合によっては学校では教わらない人もいますので、これらの方は、技士会が主に主催される講習会を受けていただくことが必修になります。
本間先生、現状等、簡単に御説明いただけますか。
○本間構成員 ありがとうございます。
今、座長先生が言われたとおりに実施しているところでありまして、現状、現任者が4万3000人います。この中で、厚労大臣が指定する講習会をうちの技士会が受けて、実施する方法でプログラム等、内容について吟味しているところであります。近々、そういう専門の先生方に集まっていただいて、その内容でいいかという確認をしてから実施していきたいと考えております。
また、学生に対する実習が23年から始まりますけれども、それについては、当会が行うものを各施設の中で教えられるような形に持っていきたいと、今、考えておりまして、現任者が行う講習会と、それから実習生が行う研修会が同じような形で行えるようにしていきたいと考えております。
以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
泉田先生、学校施設協議会として、何か追加ございますか。
○泉田構成員 泉田です。
本間理事長様が言われたとおり、協議会のほうも告示の現任者講習会に目掛けて、同じような内容でやっていくような形で、今、一緒に検討しておりますので、その旨、報告させていただきます。
ありがとうございます。
○北村座長 よろしくお願いします。
ということで江頭先生、よろしいですか。
○江頭構成員 ちょっとだけ確認ですが、より具体的に言うと、患者さんに対して静脈路確保を行うのはどのタイミングなのかということですけれども、学生時代には、これはやらないということだと思っているのですが、今回の有資格者のカリキュラムの中では当然やるということになるのでしょうか。もしそれが続くのであれば、そういう形の有資格者のカリキュラムはずっと継続していくということになるのでしょうか。
○北村座長 どうぞ。
○中島構成員 今の江頭先生の補足ですけれども、学生時代、いわゆる学生のカリキュラムに関しては、今回の改定の下で、先ほど御報告もありましたような動脈穿刺のシュミレータとか、今そういった開発をしておりまして、それを実習器材として卒業前にきちんと研修を行うという方向で進めております。
○北村座長 ありがとうございます。
どうぞ、江頭先生。
○江頭構成員 すみません、実際の患者にはいつやるのですか。学生時代はやらないということ。
○北村座長 もちろん、学生時代はやりません。医事課のほうから追加がありますか。お願いします。
○土岐医事課長補佐 医事課法令補佐の土岐と申します。
今、話題になっています話につきましては、この間、通常国会に提出いたしました医療法等の改正法案が成立することが前提でございます。当然、これから国会で御審議いただくことになりますので、成立する前にいつからという話を確定的に申し上げられるものではありませんが、施行期日としては、令和3年10月1日を予定しております。それ以降に、既卒の方につきましては、研修を受講されたことを条件に患者さんへの実施ができるようになる。今、学生の方については、カリキュラムの変更をした後に、そのカリキュラムを含む課程で卒業した方については、卒後から実施できる形になろうかと思います。
○江頭構成員 分かりました。そうすると、今回の有資格者に対する研修もオフ・ザ・ジョブトレーニングだということでよろしいですね。
○北村座長 そうです。
○江頭構成員 理解いたしました。
ありがとうございます。
○北村座長 現在学生の人たちは、ほとんど有資格者になってから講習会を受けて、それで初めてできるようになるということです。
どうぞ。
○馬場構成員 馬場でございます。
私も先ほど御紹介がありましたタスク・シフト/シェアの検討会の構成員を務めておりまして、これまで7回の議論に参加してまいりました。結果として、医師の業務、これは2024年4月から始まります働き方改革によって勤務時間の上限規定が始まりますので、今まで医師が行っていた業務の可能な部分は、ほかの職種の方々に少しずつ移管していくという、それが基本的な考え方であります。
例えば、看護師にいろいろな業務をしてもらうために、特定行為研修がもう既に看護師では始まっておりまして、私ども、特定行為研修の指定研修施設として、今、取り組んでいるところでありますが、外科の周術期の特定行為等に関しては、260時間ぐらいのe-ラーニング、そして1つの行為に対して5症例ずつを実際に経験するということで、丸々1年間かけて特定行為の研修をしてもらって、そういう方々が医師が行っているいろいろな行為の業務ができるようになると。結構ハードルを高くして医療安全を担保する形になっております。
臨床工学技士会の方々の意向としては、できるだけ医師の業務の一端を臨床工学技士の方々が今後、臨床現場で実施していきたい。その1つとして、腹腔鏡関連の手術に関してはカメラ持ちをしたいということを希望されております。それはいいことだと思いますが、しっかりした実習あるいは講習を受けられて、十分な医療安全を担保する形で臨床現場で活躍いただくことが望ましいと私どもは考えているところでございますので、その点も踏まえて、他の業種ではどうなのかということを少し比較される形で、今後の講習会とかの在り方も考えていただければと思っております。
以上です。
○北村座長 ありがとうございました。
臨床検査技師と診療放射線技師に関しては、過去に業務拡大の経験があって、研修会をやった経験があります。されど、臨床工学技士の業務拡大は初めてなので、先生がおっしゃるとおり、医療安全を第1に考えた研修会の構成が大事だと思います。ただ、看護のNPでもないですけれども、特定行為看護師のものは本当に大変ですね。あそこまでやるのは大変だと思います。
ほかに御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
そうしたら、本題の資料3で、今から先生方に討論していただいて、順次まとめていきたいと思います。資料3、事務局、御説明お願いいたします。
○医事課(板橋) 事務局です。
資料3-1を御覧ください。資料3-1では、途中で資料3-2に説明を飛ばさせていただくところがありますので、予めお伝えしておきます。「教育内容と必要な備品等及び臨床実習に関する事務局提案」としてまとめさせていただいています。
2ページ目、法第14条1~3号の規定に基づく学校及び養成所の教育内容と教育目標等について、まとめさせていただいています。
3ページ目、4ページ目では、事務局の提案として、教育の内容、教育の目標を書かせていただきました。現行から事務局提案として変更部分を赤字とし、黄色ハイライトの部分が団体の当初要望書から単位としての変更部分として示しています。
3ページ目の上に記載しておりますとおり、教育の内容、教育の目標、これらの単位数について、団体による要望意見とこれに対する構成員意見、並びに医師からのタスク・シフト/シェアに伴う追加教育内容を踏まえて、現行の教育を以下のとおり見直すこととして事務局提案とするとしております。
4ページ目、臨床実習は、質の担保による実施内容に定め、1単位の時間数を45時間から30~45時間へ変更、また、医師からのタスク・シフト/シェアに伴う追加教育を加味し、4単位(180時間)から7単位(210~315時間)へ見直すとしております。臨床実習を4単位から7単位、3単位追加するのに伴って、「人体の構造と機能」、「臨床工学に必要な医療情報技術とシステム工学の基礎」の単位数増加はしないという調整を行っております。
5ページ目、教育上最低限そろえておくべき機械器具についてです。これについては、団体から当初要望されていた電動機の台数、それからタスク・シフト/シェアに伴う教育の追加として、シミュレータ等の必要性のあるものとして追加されているもの、これらを併せて記載させていただきました。
6ページ目、法第14条4号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する科目とその具体的教育内容等について、まとめさせていただいています。
7ページ目、当初、教育として1号~3号の指定規則、指導ガイドラインと、告示99は整合性があるものとしておりました。
8ページ目、この考えから厚生労働大臣が指定する科目変更を、指定規則・指導ガイドラインに合わせて行うとし、まず、看護学のみならず、医療専門職種の理解と医療チームとしての役割や必要となる知識・技術を養うため、「看護学概論」を広域な科目として「チーム医療概論」に改める。
そして、臨床工学の医療機器を扱う上での物性工学であることから、「生体物性工学」と改める。
臨床工学の医療機器を扱う上での材料工学であることから、「医用材料工学」に改める。
現行の教育内容見直し、及び臨床工学技士へタスク・シフト/シェアされる予定行為の追加教育内容に伴い、「臨床支援技術学」を科目として追加する。
医用機器に関する安全管理のみならず、患者、医療従事者を範囲に含めた科目として、「医用安全管理学」から「医療安全管理学」に改めるとさせていただいています。
9ページ目から12ページ目では、これら科目の具体的教育の内容として追加するものを書かせていただいています。
左の表では、指定規則・指導ガイドラインで、今回の事務局の見直し提案としてのものを載せさせていただいています。
右の表は、これに対比するし、告示の科目とその具体的教育内容を示させていただきました。
ここで、資料3-2に一度飛んでいただけますでしょうか。
1ページ目では、事務局提案の指定規則と告示指定科目の対比表を示させていただいています。
左側では、今回の事務局提案としての指定規則を記載させていただいています。
これに対比するものとして、該当する告示の科目としての単位数、具体的告示科目を表としてまとめさせていただきました。例としては、人体の構造と機能が、指定規則上では6単位と示しているものに対し、告示では、人体と構造と機能に該当する科目として6単位、この中には解剖学、生理学、生化学が含まれる。これら3つ合わせて6単位とするという見方でつくっています。
2ページ目、具体的な科目教育内容について、どのようなものにすべきかをここで示させていただいています。
例としまして、解剖学では、具体的な教育内容として、人体発生の概要、また細胞と組織など、これら幾つかの科目の中で分かれている教育の内容について、必須で教えなければならない内容に◎をつけています。◎がついていないものについては、参考のものと見ていただければと思います。これら必須内容等は、指導ガイドラインの教育の目標に該当するようなものとして示させていただいています。
資料3-1に戻ってください。11ページ目、今回の事務局提案の中で、タスク・シフト/シェアに伴う追加必須内容として、右表の下線が引かれている部分が、指定規則・指導ガイドラインでの追加に伴い、告示でも追加する内容の事務局提案となります。
同様に、この11ページ目の生体機能代行技術学に該当する科目の中でも、バスキュラーアクセスの管理に下線を引かせていただいて、これは今後、必須とすることという意味合いとさせていただいています。
13ページ目、臨床実習について、まとめさせていただいています。
14ページ目、臨床実習指導者の要件に関する事項について、これまでのご意見などを加味し、事務局の提案をここで示させていただきました。
今回、再度事務局の提案としてお出しさせていただく内容としては、臨床実習を行う施設において、4年以上実務に従事した後、厚生労働大臣の定める基準に合った「臨床工学技士臨床実習指導者講習会」を修了した臨床工学技士を必須配置とし、一定の猶予期間を設けることとする。なお、現行の指定規則の規定における実習指導者の要件は、通知等で示すこととすると示させていただければと考えています。
15ページ目、臨床実習の中で実施する教育内容に関する事項について、提案を出させていただきました。
事務局の提案としましては、臨床実習として含む内容の単位配分については、実習機器・場所での指定から実習分野での指定へ変更し、また、臨床実習前後での技術・知識の到達度評価、実習中後の振り返りを含むこととする。また、臨床実習は、質の担保による実施内容の定め、1単位の時間数を45時間から30~45時間へ変更し、医師からのタスク・シフト/シェアに伴う追加教育を加味し、4単位(180時間)から7単位(210~315時間)へ見直すこととする。
臨床実習7単位の中では、血液浄化療法関連で1単位、呼吸療法関連実習及び循環器関連実習で2単位、治療機器関連実習及び医療機器管理業務実習で2単位とする。
また、呼吸療法関連実習及び循環器関連実習では、集中治療室と手術室での実習を含むこと。
循環器関連実習では、人工心肺装置の実習を含むこと。
臨床実習前後の技術・知識の到達度評価、実習中後の振り返りを含むこと。
そして、6)で、臨床実習の内容ごとに実施又は見学させる行為、16ページ以降で示す内容を臨床実習において必ず実施又は見学させる等として示させていただいています。
16ページ目から19ページ目までが、6)で事務局の提案として、学生に実施又は見学させる行為等としての具体的な内容になります。
前回までの検討会で出された意見、そして、その後に構成員の先生方のうち、学校協議会、技士会から再度提案が出された内容を加味して、実施必須の中では、主に点検内容のものを挙げさせていただいています。
また、見学必須として、呼吸治療、血液浄化、集中治療から幾つかのものを挙げさせていただいています。
備考としましては、これらについては、必ず指導に当たる者による実施・責任の下での確認、または再度実施すること。そして、臨床実習指導者が個々の患者から同意を得た上で実施することとしております。
18ページ目、見学の推奨の中では、呼吸治療、人工心肺、補助循環、ペースメーカ。
次のページで、集中治療、手術関連、心・血管カテーテル治療、保守点検の幾つかの行為を挙げさせていただきました。
これらの備考としても、同様に、実施するに当たり、実習指導者の責任の下で確認と再度の実施。また、患者からの同意を得た上で行うこととしております。
最後、20ページ目、臨床実習に臨む学生の実習前評価に関する事項として、実習前の到達度評価に当たって、学生が備えるべき接遇や基礎的な知識・技術を確認する際には、この表にあるようなものを参照して行うようにしてはどうかという提案をさせていただいています。
事務局としては、以上です。
○北村座長 ありがとうございました。
目がくらくらするほどの膨大なものですが、この3-1、3-2が我々の報告書の骨格になります。このカリキュラムでどうですかということを今から検討していただきたいと思います。3つの部分に分けたいと思います。まず、1ページ目から5ページ目まで、単位数とか教育内容、そして一部、備品のことが書いてあります。1ページ目から5ページ目までで御検討をお願いしたいと思います。御意見あるいは御発言ある方、どうぞお願いします。提案のあったものとほぼ同じになっていますが、中島先生、何か御意見ございますでしょうか。
○中島構成員 今、御説明していただいたとおりで大丈夫かと思いますが、事務局さんの御説明で若干違っていたところがあったのですけれども、単位数を増やしたのが、臨床実習を7単位に増やしたところを、こことここから持ってきたというところがちょっとだけ違ったのですが、結果的にこういう形になったということでは大丈夫ですので、よろしいかと思います。
○北村座長 ありがとうございます。
学校で言うと、泉田先生、何か御意見ありますか。大丈夫ですか。
○泉田構成員 うちの協議会のほうでもお話しさせていただきまして、こちらであれば何とかやっていけるのではないかという形で今のところまとまっておりますし、先ほど中島先生からありましたような単位数でいいのではないかと考えております。
以上です。
○北村座長 それでは、ほかに御意見なければ、一応、いま一度確認させていただきます。1ページ目から5ページ目、法第14条1~3号の規定に基づく学校及び養成所の教育内容と教育目標等について、事務局提案のままでよろしいでしょうか。
江頭先生、オーケーという意味ですか、御発言ですか。
○江頭構成員 1点だけ、細かいところで本当に申し訳ないのですが、4ページ目の表、教育内容と教育目標:専門というところで、臨床実習の教育目標が、赤で教育実習に臨むために必要な等々と書いてあるのですけれども、これは臨床実習に臨むためのものを臨床実習でやるのはちょっと変ですし、この必要なのは、多分、臨床現場でということですね。これからもずっと必要になると。
○中島構成員 そうなのですけれども、臨床実習の15ページになりますが、右側の事務局提案の5)臨床実習前後の技術・知識の到達度評価ということで、臨床実習前に関しても、臨床実習に臨むべき接遇とかも含めてですが、技術・知識を踏まえて臨床実習に臨むというところがありますので、先ほどのような文言になっているかと思います。
○北村座長 ありがとうございました。
前回も、実習に行く前の実習前教育まで実習かという議論があって、先生の御指摘のとおり、15ページの文言をコピーして、こっちの4ページに移していただけたらと思いますが。要するに、ここで言いたいのは、実習前後あるいは実習中の準備とか振り返りとか、5)のことを何とか含んだ文章にさせていただきたいと思います。
江頭先生、よろしいですか。
○江頭構成員 臨床実習前だけではなくて、ずっと必要なものだと思いますので、よろしくお願いいたします。
○北村座長 言葉の整合性をちょっと取らせていただきますが、大体そういう言葉を入れるようにします。
ほかに御指摘はございますでしょうか。
では、この点は、私と事務局のほうで文言を整理するということで、1ページ目から5ページ目までお認めいただいたということにさせていただきます。
次は、分量が多いのですが、6ページ目から12ページ目まで、並びに3-2に関して御意見いただきたいのですが、ドクターの先生は何のことか分からないと思うのですが、実は医学部と違って、臨床工学技士の教育課程においては、ほかの医療職、あるいは大学で言えば理学部などを御卒業されてから学校に入ってこられるような方がいます。そうすると、今まで学んだものを既に修得した単位数として認めたりします。
工学部の人の場合は、これがこれに対応するとか、文科省の名前と厚生労働省の指定規則の名前の対応等をしっかりしておかないと、どこまでが認められて、どこまでが認められないかというのが曖昧なままですと、カリキュラムが分からなくなるので、そこを定めたものがこの部分だと御理解いただければと思います。したがって、工学部で医療工学とか電子工学をやった人は、ここのところは免除されるとか、そういうふうに使われるものと私は勝手に理解しております。
真っさらで普通の高校を出て臨床工学技士を目指す方は、指定規則にのっとった全ての単位を修得すればいいわけで、それがどの科目に相当するとか、ごちゃごちゃ考えなくてもいいのですが、途中から、あるいは既に資格を取った人が来る場合の問題になってきます。
こういうことで、違っているかもしれませんが、7ページ目から12ページ目までで御議論をお願いします。
磨田先生、国家試験委員のお立場から、この3-2は国家試験の出題基準と整合性は取れているのですか。
○磨田構成員 大体は整合性が取れていると思うのですけれども、出題基準が今回改定したものが出ましたけれども、それもこれを見ると若干修正しないといけないかなという感じはいたします。
○北村座長 どっちも厚生省ですから、ぜひうまいこと合わせていただくといいですね。
○磨田構成員 これは、もちろん合わないといけないことですから、もう一回、一部は修正が必要かもしれません。
○北村座長 よろしくお願いいたします。
○磨田構成員 はい。
○北村座長 南学先生、お願いします。
○南学構成員 1点、今、気づいたのですけれども、3-2の12ページ目の腎臓のところで、腎不全の治療が慢性腎臓病と急性腎臓病となっているのです。急性腎臓病は、医学用語としては我々使わなくて、慢性腎臓病と急性腎障害という言い方をしているので、これはちょっと意図的なものなのかどうなのかというのが気になりました。
○北村座長 では、急性腎障害。
○南学構成員 クロニック・キドニー・ディジーズの日本語訳が慢性腎臓病で、アキュート・キドニー・インジャリーは急性腎障害と正式には訳語を当てていて、以前の急性腎不全というのは言わなくて、急性腎障害と今は言っています。
○北村座長 その上の(6)腎不全の治療は、これはこれでいいですか。
○南学構成員 なので、恐らく僕の理解だと、慢性腎臓病の結果、慢性腎不全になった人を1)にして、昔、急性腎不全と言われていた、今は急性腎障害の人の急性血液浄化等に関して、ここで学ぶのかなと思ったのですけれどもね。
○北村座長 分かりました。では、(6)の2)を急性腎障害に改めます。
ありがとうございます。
○磨田構成員 ちょっと細かい点で、技士の国家試験でそれをもめたことがあるのですけれども、ショウガイはどっちのショウガイを使うのかというのをちょっと教えていただければ。
○南学構成員 一番聞かれたくない質問ですけれども、僕はこざとへんだと思っていたのですけれども、違いますか。逆に厚労省の方が御存じないかと。
○北村座長 一応そっちにして、もし厚労省で共通の言葉を変えたらそっちを使うということで。ありがとうございます。
ほかはよろしいでしょうか。
3-1の単位互換表等で看護学概論がチーム医療概論になったり、あるいは臨床支援技術学という新しい項目ができたりしております。臨床支援技術学というのは、名が体を表すという感じではないのですが、11ページを読めばなるほどと分かるのですけれども、かといって、この名前を変えろと言われても、なかなかいい案もないので、とりあえずこれでいきたいかなと思います。よろしいでしょうか。
神村先生、大丈夫ですか。急に振ってすみません。
○神村構成員 大丈夫だと思います。これまでの議論の中で了解していることに沿っていると思いますので、分かっております。
○北村座長 ありがとうございます。神村先生のお墨つきをいただくとうれしいです。
では、12ページまでお認めいただいたということでよろしいでしょうか。急性腎障害に変えさせていただきます。
それでは、14ページからの臨床実習の部分の議論をお願いしたいと思います。何か御質問、御意見等ありますでしょうか。一番の目玉中の目玉ですが、馬場先生、これでよろしいですか。一番最初に御発言があった件ですが。
○馬場構成員 馬場です。ありがとうございます。
事務局提案の内容でいいかと思っております。
よろしくお願いいたします。
○北村座長 ありがとうございます。
これをあっちへ持っていったので、15ページ目の5)は、いいと思います。
それから、臨床指導者の要件として、講習会を必修とする。ある程度の猶予期間を設けた上で、必須配置にするということになっています。
それから、16、17、18、19で何遍も出てきますが、臨床実習で実施必須が6項目、見学が必須なもの、見学推奨のものと3つに分かれています。実施推奨は、実施必須か見学必須かに分かれています。何か御発言ありますか。
どうぞ。
○工藤構成員 14ページで御説明いただきました一番右下の四角の赤で書いている、先ほどほかの先生からも御指摘あった部分ですけれども、この部分、どの程度の猶予期間を設けるかというところの情報収集といたしまして、今日は間に合わなかったのですけれども、臨床工学技士養成校全体に、どれぐらいの臨床実習施設数があるのかとか、それぞれの地区ごとにどういったことを課題とされているかという情報を集めておりますので、そういったものも御提供させていただいて、今後この部分をどのぐらいの猶予にするかというのを決めていただく上での材料としていただければと考えておりますので、その点、1点御報告でした。
○北村座長 ありがとうございます。
最後に申し上げようと思っていたことです。指導者は、業務について5年とか10年以上やっている方で、何人いらっしゃって、実際その指導者として何人養成しなければいけないというのを工藤先生中心にまとめていただいて、それを基に指導者講習会を早めに計画していただいて、こういうコロナの時期ですけれども、しっかりしたカリキュラムの下で指導者をつくっていただく。
さっき出ていたタスク・シフトの場合は有資格者全員ということですが、この指導者の場合はさすがに全員というわけではないですが、そこそこの数になりますので、計画して、しっかりやっていただきたいというお願いをしようと思っていたところです。
どうもありがとうございます。
ほか、御意見ございますでしょうか。
どうぞ、江頭先生。
○江頭構成員 江頭ですけれども、たびたびすみません。
同意の問題が重要だと思うのですけれども、17ページの備考2が同意のところなのでしょうか。
○医事課(板橋) 事務局です。
同意に関しては、おっしゃるとおり、17ページ目、備考の2番のところ、「臨床実習指導者が個々の患者から同意を得た上で実施すること」と書かせていただいています。
○江頭構成員 それで、これは多分実施必須のものに関してはという意味合いでよろしいですね。
○医事課(板橋) おっしゃるとおりです。
○江頭構成員 見学に関しては、これは当てはまらないと。そのニュアンスが分かるかと思うのですけれども、大丈夫でしょうか。
○医事課(板橋) 再度、言葉を少し考えさせていただければと思います。
○江頭構成員 「実施必須の項目については」とか、そういうものを入れてもいいかなと思いました。
○北村座長 ただ、実施必須はほとんど機器の点検なので、個人の患者さんに使う機械は、学生が点検しましたというわけでもなくて、その後、有資格者の人が点検を再確認しますので、難しいのですけれどもね。
○江頭構成員 そうすると、要らないということになりますか。
○北村座長 ただ、全体を通して見学もありますから、少なくとも包括同意は要るのではないでしょうか。この病院では、臨床工学技士の学生が実習していて、いろいろな場面を見学させていただきますとか、機器の点検等を一部実習しますとか、包括同意でいいのではないですか。どうでしょう。
馬場先生、医療法を今、改正していて、医者の実習のほうも少し改定されていると思うのです。教養試験を通らないと実習できない。同意に関しては、口頭でいいとか、書面が要るとか、包括同意でいいとか、個別同意であるとか、規定とかは何かあるのでしょうか。
○馬場構成員 すみません、私も詳細には把握しておりませんが、多分包括同意で済ませていると思っております。
それから、先ほど少し申し上げましたが、看護師の特定行為研修に関しましても、説明して、それを一応カルテ上に残すような形で進めておりますので、包括同意という形ででも患者さんの御理解をいただいておくことが必要かと考えております。
以上でございます。
○北村座長 ありがとうございます。
百瀬先生、大学病院ですけれども、どういう同意を取っていらっしゃいますか。
○百瀬構成員 前もお話ししましたが、大学そのものが医師であるとかナースとか、我々の実習を受けているものですから、入院されるときにこういう教育機関ですのでという包括同意を取っていると私は聞いています。
○北村座長 ありがとうございます。
南学先生、東大病院はどうですか。
○南学構成員 神村先生が手を挙げられていましたけれどもね。
○北村座長 神村先生、どうぞ。
○神村構成員 以前にも発言させていただいた項目になるのですけれども、患者さんにとっては包括同意を取っているということでよろしいのですけれども、学生さんたちが患者の同意の下に実習行為をやっているのだという認識をちゃんと持っていただくということが、医療の倫理的な面も含めてですけれども、必要だということを考えておりました。
以上です。
○北村座長 ありがとうございます。まさに、それは重要ですね。そういう意味では、教育に必ずこれを確認することみたいなものを入れたいですね。
では、まず包括同意で、恐らく書面でということなのでしょうけれども、全ての項目について包括で同意を得るということを議事録に残させていただいて、言葉の上では、備考の2で理解してもらうということでお願いしたいと思います。
ほかで御意見ありますでしょうか。
ここで座長からちょっとお話があります。実は、これの改定は、何十年先ということはなくて、5年ぐらいに先にやることになると思うのですね。その頃を想像するに、ECMOももちろんそうでしょうし、手術の器械も、AIも、今、想像できるものでもそれくらいあって、5年先だと想像ができない器械も入ってきて、いろいろな実習や修得することが多様化していると思います。もちろん、その5年後に直すことに取り組んでいただくとともに、実習を常に安全かつ有効なものにし、そして学生の評価をするというほうは、主に学校協議会を中心に常に考えていただきたいなと思っております。
これに関して、今度、2つ目の件ですけれども、実習が7単位、かなり増えました。そして、内容も、集中治療室、透析、オペ室など、この全部ができる施設は極めて限られているので、場合によっては、透析センターへ行ったり、救急センターへ行ったり、あるいは手術数の多いところに行ったり、いろいろな動きをしないといけません。1つの学校がそれだけの関連施設を持っていればいいのですが、なかなか難しいかもしれませんので、ぜひ技士会、学校協議会、そして病院のほうも連携して、学生が有効に経験を積めるようにしていただきたい。マッチングというか、いい病院をみんなが経験できる。
それから、さっき御指摘あったように、必ず経験しなければいけない、あるいは見ておかなければいけないものを、たまたま見ることができなかった場合などの処置、夏休みに必ず見るとか、あるいは座学の途中であっても、こういう手術があるから抜けて見に行くとか、どういう処置が必要かは難しいですが、必ず見るものは見る、実施するものはするという方向に行っていただきたいなと思っております。医学もそうですが、臨床実習というのは臨床教育の目玉ですし、医者の教育でもそういう方向に動いています。臨床実習がぜひ有効に働くようにやっていただきたいと思います。
とはいえ、コロナ時代に有効に見るというのは、見ることすら大変だと思うのですけれども、今日、見学必須もリアル見学にしてほしいと書こうかと思うぐらい、遠隔で見学して終わりにしたら意味がないので、そう思います。
ということですが、泉田先生、何か御意見ありますでしょうか。
○泉田構成員 泉田です。
実施施設のほうですけれども、学校協議会と臨床工学技士会のほうで項目を決めて、ある程度お話しさせていただきまして、ここまで来ることができました。多分、臨床工学技士会のほうからも病院のほうにお願いしていただけると、私たちもお願いして、なるべくたくさんの学生が同じような教育を受けられるようにしていきたいと考えておりますので、皆さん、これからも御協力をよろしくお願いいたします。
以上です。
○北村座長 ありがとうございます。
磨田先生、神村先生、よろしくお願いします。
○磨田構成員 先ほどからいろいろ御意見出ていると思いますけれども、実習に出る学生は、患者さんが同意してくれたということがすごく大事だと思います。
あと、学生たちが廊下を歩きながらとか、エレベーターの中とかで、あのときの患者さんがねということをこそこそ言ったり、そんなことをよく聞きますので、そんなことがないように、守秘義務といったところも、実習ということでは特に重要だと思いますので、実習の前にしっかり教育しなければならないのではないかと思いますので、そういうところを強く求めたいと思います。
以上です。ありがとうございました。
○北村座長 ありがとうございます。
神村先生、よろしいですか。
○神村構成員 神村です。
今回の議論というのは、医師の働き方改革、それによるタスク・シフト/タスク・シェアをやっていこうということから始まっているところが大きいものですから、医師会の中でも、様々お願いすることによって期待するところがとても大きいです。ただ、医療安全ということ、それから今、磨田先生からもおっしゃられたのですけれども、業務を医師以外の方にいろいろやっていただくに当たって、患者さんの側がどう捉えるかということに十分な説明が必要だということと、その心得をちゃんと持っていただくということが大事と思っております。特に、医師会のほうでは、静脈確保の安全性については十分な実習をやっていただきたいという声をいただいてきたところでございました。
以上です。
○北村座長 ありがとうございます。
本当に不幸中のちょっとした幸いですけれども、医師のみならず、医療者のチームとしての働きが報道されて、ECMOなどを筆頭に、臨床工学技士の方の存在みたいなものも世間一般にかなり浸透したように思っておりますので、多分うまくいくと思います。
どうもありがとうございます。
臨床実習に関して、20ページまで事務局提案でお認めいただけますでしょうか。
どうぞ。
○江頭構成員 さっきのところだけ、もう一度確認ですが、同意のところです。北村先生がこの文言でいくというお話で、この文言がどう反映されるのかの最終像がよく分かっていないのですけれども、要するに、この文言だと見学は同意を取らなくていいのかどうかが余り明確になっていないような気がするのですが、当然包括同意に入るという理解でいるのですけれども、それでよろしいですか。
○北村座長 私もそう理解しています。
○江頭構成員 そうすると、この文言は変えたほうがいいだろうなと思います。
○北村座長 どう変えたらいいですか。
○江頭構成員 どうでしょう。とにかくこれだと、行為を実施と見学に2つに分けてしまったので、その行為の実施側しか当てはまらないようにも取れると思うのですね。ですから、そこはちょっと工夫が必要かなと思いました。
○北村座長 一番最後を見学・実施にしますか。
○江頭構成員 そういうニュアンスは入れないといけないのかなと思いますけれども、途中の「行う」も、見学を行うわけではないですね。見るという行為は行いますけれども、なので、ちょっと変な感じがします。
○北村座長 中島先生、どうぞ。
○中島構成員 今、江頭先生からも御提案いただいたところ、後で事務局とも相談させていただいて、要は個々の中に個別に入れようとすると、今、言われたような、どの文言にしなければいけないかというのがすごく狭まってきてしまうので、もうちょっと実習全体に関わる患者さんの同意というところが明確に分かるような形で、表の備考で出すような形じゃない方向に持っていけばよろしいですか。いかがでしょうか。
○北村座長 いや、備考でいいとは思うのですが、これをカリキュラムにするときに、例えば同意書案みたいなものを作っていただけるといいかなと思うのです。包括同意書案で、臨床工学技士の学生が診療に参加しますみたいな。指導者が安全を担保しておりますとか、何か書いたものが要るのか。
○中島構成員 そこは、先ほど百瀬先生がおっしゃられたように、大学病院さんを含めて、医師・看護師さんの実習の中、こういう教育的機関としてやっていますよという同意を得ていると思いますので、そういう得ているということが分かるような文言を備考の中でちょっと工夫していただければと思います。
○北村座長 では、備考の中で、江頭先生がおっしゃる実施と見学がしっかり分かるような形に、事務局と直させていただきます。
○江頭構成員 よろしくお願いします。対案を出せなくて申し訳ございません。
○北村座長 いえ。よろしくお願いします。
ほかの点、よろしいですか。
では、この点を除いて、お認めいただいたということで、事務局よろしくお願いいたします。
次に、将来的には、臨床実習前の統一評価、医師で言えば教養試験に当たるものになると思うのですが、そういうことも期待されます。技士会、それから学校の協議会の皆さん、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
おかげさまで、資料3-1と3-2、幾つかの訂正はいただいたのですが、それでほぼお認めいただいたということで、最終報告書に向けて作業を進めることができると思います。本当にどうもありがとうございました。
次回の検討会では、今日の御意見を踏まえて報告書取りまとめ案を事務局から用意させていただきたいと思います。
ということで、本日の議題は終わりにしたいと思いますが、何か御発言ございますでしょうか。
○本間構成員 座長、ちょっとよろしいですか。
○北村座長 お願いします。
○本間構成員 本間でございますけれども、先ほどの座長が言われた施設と学校の中のマッチングの話があります。それについては、今後検討していくということで、今、行っております。
それから、臨床実習指導者の件につきましては、ほかの団体との整合性の中で、早いうちに進めていきたいと考えております。
1つ訂正がございまして、先ほどタスク・シフトにおける告示研修の人数でございますけれども、当会の中で国家試験に受かっている人数を先ほど4万3000と申しましたけれども、4万7000人に訂正させていただきます。
以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。理想は、その4万7000人全員が受けることであると思いますが、少なくとも今、就業している方が皆さん、受けていただければ最高だと思います。
では、事務局、お願いします。
○太田医事専門官 次回の検討会の日程の詳細につきましては、追って連絡させていただきます。
よろしくお願いいたします。
○北村座長 では、少し時間が余りましたけれども、今日は長時間にわたり御審議いただきまして、ありがとうございます。本日の「臨床工学技士学校養成所カリキュラム等改善検討会」はこれで終わりにしたいと思います。どうも本当にありがとうございました。
 


 

                                              (了) 

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