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2021年1月15日 臨床工学技士学校養成所カリキュラム等改善検討会(第3回)議事録
医政局医事課
○日時
令和3年1月15日(金)10:00~
○場所
中央合同庁舎5号館(厚労省内)12階 専用第15会議室
○出席者
泉田 洋志 (京都保健衛生専門学校臨床工学技士専攻科 教務主任(日本臨床工学技士教育施設協議会副代表理事)) |
江頭 正人 (東京大学医学部附属病院 総合研修センター センター長) |
神村 裕子 (公益社団法人日本医師会 常任理事) |
北村 聖 (東京大学 名誉教授) |
工藤 元嗣 (吉田学園医療歯科専門学校臨床工学科 学科長(日本臨床工学技士教育施設協議会 理事)) |
中島 章夫 (杏林大学保健学部臨床工学科 教授(日本臨床工学技士教育施設協議会 副代表理事)) |
馬場 秀夫 (熊本大学大学院消化器外科学 教授) |
本間 崇(善仁会グループ 安全管理本部 本部長(日本臨床工学技士会 理事長)) |
百瀬 直樹(自治医科大学附属さいたま医療センター臨床工学部 技師長) |
○議事
○太田医事専門官 ただいまから第3回「臨床工学技士学校養成所カリキュラム等改善検討会」を開催いたします。
本日は、先生方には御多忙のところ、御出席を賜り、誠にありがとうございます。
構成員の出欠等についてですが、磨田構成員、南学構成員が用務のため、御欠席となっております。北村座長以外の各構成員の先生方には、オンラインでの御参加をいただいているところです。
次に、事務局において、1月1日付で人事異動がありましたのでお知らせいたします。山本医事課長でございます。
○山本医事課長 山本でございます。よろしくお願いいたします。
○太田医事専門官 それでは、資料の確認をお願いいたします。
本日の資料でございますけれども、座席表、議事次第、資料1、資料2-1、資料2-2、参考資料1-1、1-2、1-3、1-4、参考資料2-1から2-4まで、参考資料3となっておりますので、よろしくお願いします。不足する資料がございましたら事務局まで申しつけください。
なお、オンラインでの御参加の皆様へのお願いでございますけれども、御発言されます際には、Zoomサービス内の「手を挙げる」というボタンがございますので、クリックいただいて、座長の指名を受けた後にマイクのミュートを解除の上、御発言いただきますようよろしくお願いいたします。御発言終了後は、マイクを再度ミュートにしていただくようお願いいたします。
以降の進行につきましては、北村座長にお願いいたします。
○北村座長 おはようございます。
緊急事態宣言の中、御不便またお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。
早速、第3回の「臨床工学技士学校養成所カリキュラム等改善検討会」の議事を進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
本日の議題は、お手元にあるように2つです。1つが、前回の検討会の主な意見とそれを踏まえた事務局提案について。2つ目は、臨床実習における学生に実施させることが望ましい行為等について。そして、その他ということになっております。
それでは、順次進めてまいります。
議題1、事務局から資料1の御説明をお願いします。
○医事課(板橋) 事務局です。よろしくお願いします。
資料1では、第2回の改善検討会の主な意見と、事務局の提案として作らせていただきました。
2ページ目では、教育の内容、教育の目標また単位数、そして、それに係る備品関連でいただいた御意見をまとめさせていただいています。教育内容、教育目標及びその単位数の見直しに関していただいた御意見としましては、今後も続く教育の見直しの中で、カリキュラムとして定める総単位数は、101単位程度に抑えることが必要なのではないか。また、基礎分野や専門基礎分野の科目を含めて臨床実習を到達目標として組み立て、実習を行うことを意識した教育とすることで、臨床実習と学内での教育がシームレスにつながるのではないかという御意見をいただいています。
3ページ目では、法第14条の2号、3号養成施設に関する内容をまとめさせていただきました。こちらは、御発言から抜粋してきており、現在の開校状況と運用状況の2つに分けています。
現在の開校状況としては、2号、3号養成施設は、法ができた当初から教育年数が少ないと十分な教育ができないのではないかという現場の臨床工学技士からの意見があった。また、臨床工学技士の養成課程を1年で無理なく教えられることは、50単位程度であるという御意見をいただいています。
4ページ目では臨床実習の中で実施する教育内容についてまとめさせていただきました。資料構成としましては、構成員からいただいた御意見に対しての事務局の提案とさせていただいています。そして、下段では、具体的に指定規則また指導ガイドラインにどのような形で載せるかのイメージとしていただいています。
実習の中で実施する教育の内容に関し、臨床実習の前後での指導と実習の中で実施する教育内容に関して御意見をいただきました。事務局の提案としましては、臨床実習として含む教育の単位配分については、実習機器・場所での指定から、実習分野での指定へ変更し、計4単位を指定の実習内容として見直す。また、臨床実習前後の技術・知識の到達度評価、実習中後の振り返りを含むこととするとさせていただければと考えています。
5ページ目は、臨床実習施設において有することが求められる実習用設備に関する事項についてです。構成員の先生からいただきました御意見としましては、臨床実習をより質の高いものとする観点から考えると、透析など分野ごとで高度かつ先進的に行われている施設を含むフレキシブルな臨床実習ができることは非常に理にかなっているという御意見でした。
事務局としましては、臨床実習施設において有することが求められる実習用設備については、臨床実習を行うに当たり不可欠のものであることから、要件から取り除き、分野ごとで高度かつ先進的に行われる施設も臨床実習対象施設とできるようにするという提案をさせていただければと考えています。
6ページ目は、臨床実習指導者の要件に関する事項についてまとめさせていただきました。構成員の先生からいただいた御意見としましては、臨床実習指導者の要件に臨床実習指導者講習会の修了を定めることを前提として、講習の修了は努力目標とする場合、次回見直しをする際は、講習の修了は必須となるような処置をすべきではないかという御意見でした。
事務局の提案としましては、臨床実習を行う施設において4年以上実務に従事した後に、厚生労働省で定める基準に合った臨床実習指導者講習会を修了した臨床工学技士が配置されることが望ましいという要件を定めることは考えております。
7ページ目、8ページ目については、臨床実習指導者の要件として開催する指針の案を要望書で出していただきました。これに対しての御意見を集め、最終的に要望の中のものをそのままとなりますが、厚生労働省で定める基準としてまとめられればと考えております。
資料1については以上となります。
○北村座長 ありがとうございました。
臨床実習、カリキュラム全体に関して、いろいろ述べられていますが、事務局提案のあるところから進めていきたいと思います。
4ページを開いていただけますか。臨床実習の中で実施する教育内容に関する事項に関して、今までは臨床実習を透析、集中治療、管理の場所指定であったものを、学習内容の指定、透析を学ぶ、呼吸管理を学ぶ、循環器管理を学ぶ、医療機器管理を学ぶというような形でまとめてはいかがなものかというのが事務局提案です。
この4ページに関して御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
中島先生、よろしくお願いします。
○中島構成員 中島です。よろしくお願いいたします。
カリキュラムの件、こちらの事務局提案なのですけれども、前回の委員会のときに、百瀬構成員から御提案いただいて、こちらに右下の別表第1備考というところの、3)の循環器関連実習では「人工心肺装置または」という提案をさせていただいたところを、御意見をいただいて、「及び補助循環装置の実習を含むこと」ということで「及び」という形になったのですけれども、循環器の分野からすると、確かに両方非常に重要な技術的な内容ではあるのですが、やはり臨床工学の実習ができる病院、特に地方での実習状況というのを考えたり、あと人工心肺装置を用いた手術症例の件数に対する補助循環、今は主にECMOになっていますけれども、PCPS等の症例数を考えますと、補助循環のところをマストにしてしまうとかなり厳しいという状況もあるので、ここのところを今後少し検討していかれればなとは考えております。
以上です。
○北村座長 確かに今、ECMOが注目されていて、数は増えたとは思うのですが、これが人工心肺で「及び」であると、むしろ補助循環装置のほうが実習しにくいということですよね。
○中島構成員 そうですね。
○北村座長 百瀬先生、よろしくお願いします。
○百瀬構成員 この表の左の元のところにも、手術室実習で人工心肺の実習を必ず含むことになっていますよね。ですから、やはり人工心肺はマストだと思うのですよ。今、座長もおっしゃったように、COVIDなどだとECMOというのが出てきて、そういうものの補助循環は必ず押さえなければいけないところなので、ここにはやはり人工心肺と補助循環が併記されて、それが「及び」でつながっているのがいいと思うのです。
ただ、中島先生のおっしゃることもごもっともで、私の病院でも実習期間中に補助循環が回っていないこともありますので、後で議論される、実際に見学を必須にするのかというところで、機械を必須にしておいて、実際に回っているところは推奨の実習項目にしておけば、その問題が回避できるのではないかと思うので、ここはこのままのほうが私はよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。
○北村座長 機械を見るのも実習のうち、あるいは動いてなくても、模擬的に動かしてみるのも実習のうちと考えれば、全く見ないということはないだろうという御意見かと思いますが、中島先生、いかがですか。
○中島構成員 ありがとうございます。
今、百瀬さんがおっしゃられたように、後ほどアンケートの結果との整合性も考えないといけないと思いますので、また検討させていただければと思います。
○北村座長 ほかに4ページに関して御意見、御質問はございますか。
工藤先生、お願いします。
○工藤構成員 ありがとうございます。
資料を共有させていただいてもよろしいでしょうか。
先ほど中島先生のほうからを提示いただいた御意見の裏付け資料といたしまして、日本循環器学会で実態調査されているものを参考に出させていただいております。
直近5年間のデータなのですけれども、心臓の手術件数、全部が人工心肺ではないのですけれども、一部ポンプの症例も入っているのですが、心臓手術件数が7万5000程度今あるものに対して、PCPSのECMOの件数だと7,800程度しかないもので、この循環器学会でやられている実施調査の回答率が全体の6割ぐらいになっておりますので、もし残りの4割が足されたとしても1万4000件ぐらいとなると、養成校当たりで考えると、それぞれの病院さん1施設当たりで年間10件ぐらいというのが平均になっていまして、そうなると、1か月に1回ないという形になってしまいますので、先ほど百瀬先生もおっしゃったように、学生は来ているけれども補助循環が回っていないということも、北海道とかだと特に地域格差があるもので、やはり補助循環を見られる割合は相当少なくなっておりまして、その辺で先ほど中島先生に挙げていただいたような御意見となっております。
また、教育としては、養成校側では十分な量をやっているという裏付け資料といたしまして、座学の透析だとか安全管理業務だとか、ほとんどの卒業生がやられるような業務とほぼ同じぐらいの座学・実習を、これはこま数のグラフなのですけれども、全ての学校でやられておりますので、教員自体は別に人工心肺に対してはすごく思い入れをちゃんと持って教育されている状況もあって、今回、補助循環はそんな大きな問題にはならなかったのではないかなとは思うのですが、もし、百瀬先生がおっしゃっているように、人工心肺はやらなくても、ほかの補助循環だけやっている施設でもということが今回の文言でなってしまう危惧もありますので、養成校としては「人工心肺及び補助循環装置」ではなく、できれば「人工心肺の」という元の状態に戻していただいて、その上で、この後決める実習項目の中で、補助循環のほうも、例えば見学を推奨するという項目に入れて、今後またどんどん改定していくものなので、その上でさらにこの項目も後々「及び」になっていくような形にしていただいてはどうかなというのを一つの意見として挙げさせていただきます。
○北村座長 ありがとうございます。
ここの重さなのですけれども、確かに「及び」とつくと必ずですからね。
百瀬先生、よろしくお願いします。
○百瀬構成員 おっしゃるように、確かにPCPS、ECMOの件数は少ないのです。ですから、実習中に経験できるとは限らないのは分かるのですけれども、ここの項目にはやはり入れておいていただいて、これからPCPSやECMOだけではなくて、補助人工心臓が今は移植目的でしか使えないのですが、まだまだですけれども、今後、デスティネーションセラピーで保険償還も認めてもらえるようになりますと、また増えてくると思うので、それを扱う臨床工学技士はこれから増えてくると思うので、やはり補助循環というところは名前としては入れておいていただいて、ただ、おっしゃるように臨床実習で経験できないこともあるので、そこのところは見学推奨という形にしておけば、現場では困らないかと思いますが、いかがでしょうか。
○医事課(板橋) 事務局からよろしいでしょうか。
今、お話しいただいていることなのですけれども、この指定規則で定めるものは必須の教育内容となります。そのため、臨床実習中に症例数がなくできないという理由は認められないものになってしまいます。つまり、症例数が減ってきていてできていない内容をそのまま指定規則で必須教育内容として定めること自体が問題となります。ですので、症例数が少なく臨床実習ができない行為を必須とするのではなく、今後、資料の2-2で書かれているような実施が望ましい行為とする等別の案にしたほうがいいのではないかと思います。
以上です。
○北村座長 ちょっとまとめていきたいと思います。
これは、人工心肺装置はマスト、これを含むことでよろしいですか。これに御異論のある方はいらっしゃいますか。それはよろしいですよね。
そこでちゃんと一文を切りませんか。人工心肺装置の実習を含むこと、補助循環装置については実習することが望ましいという別文で足しておけばいいかなと。ちょっと長くなりますが、「及び」で両方をマストにするとまたやりにくくなると思うので、こういう提案でよろしいですか。何か御意見をいただけますか。
○百瀬構成員 百瀬としてはよろしいかと思います。
○北村座長 百瀬先生はオーケー。
中島先生はどうですか。
○中島構成員 そういう形でよろしいかと思います。
○北村座長 ありがとうございます。
ちょっと長くなりますが、明確にしておきたいと思います。
この点以外でいかがでしょうか。
では、そういう方向でこの4ページは行きます。
次に5ページを開いていただけますか。臨床実習施設において有することが求められる実習用設備に関する事項で、事務局提案は省いてしまうということなのですが、ここに関して何か御意見はございますでしょうか。
今はそれぞれが高度化しているので、1つの施設で全部持っていろと言われても、なかなか大変かと思います。よろしいですね。その前も内容で規定するようになったので、場所で規定するわけではないので、この点は事務局提案で行かせていただきたいと思います。
その次の6ページ、そしてそのガイドが7ページ8ページにあります。臨床実習指導者の要件に関する事項について、事務局提案の(3)厚生労働省の定める基準に合った「臨床工学技士実習指導者講習会」を修了した臨床工学士が配置されていることが望ましい。これは「求められる」のではなくて「望ましい」でいいのですか。これに関して御意見をいただけますか。
お願いします。
○本間構成員 本間ですけれども、今の指導者の件ですけれども、現状の中では厚労省が指定するものは当会はやっておりませんので、今後はその形の中でやっていきたいと考えておりますが、現状、当会の規定の中で5年という縛りの中でやっておりますけれども、今後はその方向で進めていきたいと思っております。
以上でございます。
○北村座長 ちょうど御意見をお聞きしたかったところなのです。現在は講習会をされていませんが、どれくらいの指導者を養成する必要がありますかね。これが実施されるのが3年くらい先と思って、3年間で何人くらい養成できるでしょうか。
○本間構成員 現状はちょっと分かりませんけれども、できる限りこれに沿った形でいきたいと思っております。
○北村座長 最初は、大変だと思うのですが、ぜひよろしくお願いしたいと思います。やはり指導者がないところで実習するわけにいかないですから。
○本間構成員 分かりました。
○北村座長 馬場先生、お願いします。
○馬場構成員 ありがとうございます。
私も今、座長から御指摘があった点、「望ましい」ではなくて、これはやはりほかの領域に関しましても、臨床実習する際には指導者講習を受けた方がそこにいて、きちんとした臨床実習するというのが原則になるかと思いますので、「望ましい」ではなくて、将来的にマストであることが必要ではないかと考えましたので、発言させていただきました。
以上です。
○北村座長 ありがとうございます。
では、マストの方向でよろしいでしょうか。御意見ください。
どうぞ。
○中島構成員 中島です。
今、御意見いただいたように、将来的には当然マストということなのですけれども、これからこの講習会をつくって、どんどん指導者を早急に輩出していくということで、今回に関しては「望ましい」という形で進めていただいて、この5年後とかの改定に関しては、もう既に輩出している人も増えてきているでしょうから、その段階でマストにするということで、2段階で進めていければなとは考えておりますが、いかがでしょうか。
○北村座長 ほかに御意見ありますか。
実際に開始されるのは、ここで決めても実習に行くことを考えると2、3年先なので、それほど時間がないわけではないとは思うのですが、馬場先生、お願いします。
○馬場構成員 ありがとうございます。
これから養成するということは分かるのですが、「望ましい」ということになると、必ずしもいなくてもいいというふうにも解釈できますので、できればここはもう養成するということで、それぞれの施設において、少なくともそういう指導者がいるということを前提として実習を進めていくというような受け止め方ができるような表記にすべきだろうと思います。
○北村座長 ありがとうございます。
工藤先生、お願いします。
○工藤構成員 ありがとうございます。
私は北海道にある学校なもので、地方にある学校としての意見を発言させていただきますと、確かに数年後というのが、まだ時間はあると思うのですが、やはり地域格差といいますか、北海道とかの特に札幌圏ではなくもうちょっと離れた地域などですと、研修に行く、研修を受けるというスタンスにも格差が生じているような状態でして、どのような形で、今後やっていただける可能性はあるかと思うのですけれども、そこに対してもまだ一歩踏み込めていないのが、どうしても日本の中での特に都市部ではなく、かなり地方にあるような病院の医療従事者にも見受けられる部分がありますので、少し時間的な猶予があるような形で進めていただけたほうが、地方にある医療施設、地方にある養成校としては大変ありがたいと思います。できれば中島先生の御意見のような形で、今後、マストにするのは必要なことだと思いますので、文言を今すぐ絶対というのものではなく、緩和した形で御検討いただければと思います。
以上です。
○北村座長 ありがとうございます。
事務局、どうぞ。
○医事課(板橋) 事務局から発言させていただきます。
今、お話しされているところを御議論いただくに当たっての情報として先にお伝えさせていただければと思いますが、今回、見直しを行うものについては、大多数の人たちがいる3年制の課程の学校にて、令和5年4月入学の学生を対象としたスケジュールでの見直しとなっています。
その方たちのことを考えますと、大体2年生の後半のときに臨床実習指導者が必須でいる、もしくは望ましいというような状況になっている必要があると考えます。
そうなると、令和7年の4月頃の時点でどうかという話になり、今から5年後に関して臨床実習指導者の配置は望ましいとするのか、必須にするのかを考えていただければと思います。
次の見直しが5年後を目途とした場合、次の見直しを行うのは令和10年頃になると考えていただければと思います。
今、お話しいただいているのは、5年後の令和7年に必須にするか、望ましいにするか、と考えていただければと思います。
○北村座長 ありがとうございます。
実際に行くのは思ったより随分先のように思いますが、それを考えると、自治会さんにも努力していただいて全国均等に育てていただくということ、場合によっては北海道なり地方で講習会も開催してもらうというようなことがあんばいできる時間はあるように思いますが、そうすると赤色の文章で「配置されていること。」でいかがでしょう。配置されていることが望ましいことではなくて配置されていること。5年先になりますが、泉田先生、お願いします。
○泉田構成員 泉田でございます。
本校ですと専攻科になりますので、令和5年に始まりますと令和5年に実習に出ることになりますが、申し訳ございませんが、そのようなことも検討していただきますと大変助かります。よろしくお願いいたします。
○北村座長 技士会の方で参加者を募るときに、そういうバランスもぜひ考えていただければと思います。
馬場先生、お願いします。
○馬場構成員 たびたびすみません。
このコロナの状況になりまして、今回もやっていますようにオンラインの会議等を含め、いろいろな学会が今Zoomとかウェブでできるような状況になりましたので、地方格差というのは当然あることは十分理解いたしますが、こういう指導者講習会の在り方そのものを、現地にいながらウェブで参加できるような形態を取られれば、5年後になりますと、これまでにある程度、指導者講習を受けられた方を十分に育てることができるのではないかと個人的には考えておりますので、その点を御考慮いただければと思います。
○北村座長 ありがとうございます。
医師の臨床研修の指導者講習会も最近はウェブを使って、それでもうグループワークがウェブ上でできていますので、それがもうちょっと定着すれば、本当に自宅で参加できるということになるので、地方のデメリットが少しは解消されるかと思います。
工藤先生、どうぞ。
○工藤構成員 ありがとうございます。
大変貴重な御意見ありがとうございました。もちろん、先生方がおっしゃるとおりなのですけれども、もう一つ危惧しなければいけない部分としまして、我々は今、オンライン授業をさせていただいているのですが、まだまだやはり我々の未熟な部分とオンライン授業にまだ慣れていない聴講者の部分がありまして、どうしても今回必要なこと、この(3)は非常に大事なことだと僕は思うのですけれども、やはり受けていただいたからにはその学生の教育だとか臨床実習の教育のあるべきものをしっかり身につけてもらわないと、ただ、オンライン授業を聞いたからオーケーという形では全く意味がないかと思いますので、そのことを考えますと、これからしっかりやり方を考えて、ただ、オンラインで聞き流せばいいのではなくて、オンラインはオンラインなのだけれども、先ほど言っていただいたようなグループワークをどう入れるかとか、どうやって聴講者にしっかり聞いてもらうような形を作るかというのも非常に時間がかかることかと思います。それをやって、検証して、結果を出して、それを評価しなければいけないと思いますので、それも考えると、先ほど言った令和5年に始まって令和5年に臨床実習がある学校もあるということだと、2年後、3年後の間にそれを全部やるというのはかなり厳しいかと思います。
そこを踏まえますと、今回もやはりされていることが望ましいという表現が適正なのかどうかはちょっと分からないのですが、ここで確実にやるということで急いで形だけ作ってやってしまうというよりは、もう少し時間をかけて、いいもの作っていくことも案の一つの方法なのではないかと思いました。
○北村座長 ありがとうございます。
中島先生、お願いします。
○中島構成員 大変貴重な御意見ありがとうございます。
本当にこれに関しては、実習をお願いする立場からしても非常に重要なことで、今いろいろ御意見いただいたように、きちんとした実習指導者がいる下での実習というのが教育効果に直接つながるということで、本当に必要なことではあるのですけれども、今、工藤先生等も話がありましたような案件も含めて、それと私が申し上げるべきではないのかもしれませんが、こういった告示という形できちんとほかの医療職種と同じように、これから臨床実習指導者を作っていこうということなのですが、日本臨床工学技士会さんでは、この7ページ8ページにあるような指導者講習会の、こういったかっちりとしたきちんとしたところまでにはなっていないのですけれども、過去に10年以上、臨床実習指導者講習会という形で技士会さんとしても講習会をやって、そういった指導者を育成してきた実績もございますので、全く今まで何もそういった勉強等しないで現場の方々が実習をしてきたということではないということも少し御理解いただければということで、今言われたような準備ですとか地方格差の面もありますので、この臨床実習指導者講習会はオンラインのみならず、やはり実地での講習内容というのも多く含まれてくると聞いておりますので、そういったところを考慮して、今回のような形で文言を進めていただければというのが私の意見となります。よろしくお願いいたします。
○北村座長 ありがとうございます。
江頭先生、この議論を聞きになって、どう感じられましたか。
○江頭構成員 方向性は一致しているので、タイムスパンの問題なのだろうと思いますけれども、それについてはやはり現場というか実際にこれに取り組んでおられる先生方の感触というのは非常に重要かなと思って聞いておりました。
私はどっちがいいか分からないですけれども、なかなかそう簡単にはいかないのだということが現場の感覚なのかなということでいうと、今、御提案のほうでいくのでもいいのかなという気はいたしました。
○北村座長 ありがとうございます。
神村先生はどういうふうに感じましたか。
○神村構成員 ありがとうございます。
私も求めるところは、ちゃんと「望ましい」を取ってきちんと書き込んでしまって、それに対して、5年あるいは数年の猶予期間を別記するとか、何か別の方法がいいのではないかと思います。ガイドラインに望ましいと書いてしまって、次回の見直しのときに今の議論の意向が生かされるかどうかについてはあまりはっきりしないところがありますので、一応ここで決めることは、「望ましい」は取って、「配置されていること」と、ほかの業種と同じようにしたほうがいいのではないかと思っております。
○北村座長 ありがとうございます。
馬場先生、お願いします。
○馬場構成員 ありがとうございます。
私も今、御発言ありましたのと同様の意見でして、猶予期間を置くということに関してはそれでもいいかと思っております。
それともう一点、2020年4月から医師の働き方改革が始まりまして、厚労省を中心に働き方改革のためのタスクシフトシェアの検討会で、私もそこの構成員をしておりますが、これはかなり医師の業務をいろいろな職種の方々に移管していくという方向性が決まっております。法改正を加えてそういうふうになりますし、臨床工学技士の方々の医師の業務の一端を担うというような立場になってくるかと思いますし、臨床工学技士会の先生方の考えでは、ぜひそういうとこに参画したいという気持ちでいらっしゃいます。であればなお、臨床実習のところには力を入れて、指導者講習を修了した方を配置していくという姿であるべきかと思っておりますので、そういう表現にした上で、一定の猶予期間を設けるような書きぶりがいいかと思っております。
以上です。
○北村座長 ありがとうございます。
ほかの職種もほぼ同じで、ほとんど配置されて、マストになっています。
それから、8ページを見ていただけますでしょうか。8ページの右の一番上にあるように、修了証書は医政局長印を押印した上で主催者が返却するという、修了証は厚生労働省の医政局長印が押された公的なものになります。ほかの職種、特に医師などを見ていますと、指導者講習会を受けた人が正式に指導者として認められているのだということで、その後のステータスというか、就職や社会活動なども評価されています。
そういうことを踏まえると、今日の議論では、配置されていることでマストにしておいて、それで猶予期間が必要であれば、猶予期間を書き込んでいくという姿勢で臨みたいと思うのですが、いかがでしょうか。
どうぞ。
○本間構成員 本間ですけれども、今、非常に大切な御意見をいただきましたが、これで今は進めているような形であります。しかしながら、各所の御事情がありますので、そういった中でこういう形で提案させていただいております。
最終的にはマストという形でありますけれども、神村先生が言われるような猶予期間を設けていただける形で御検討いただければと思います。最終的には、数年後にはマストの形になると思いますけれども、当会もほかの会と同じような形の指導者講習を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○北村座長 ありがとうございます。
中島先生。
○中島構成員 ありがとうございます。
今、猶予期間も含めて御提示いただきましてありがとうございます。
事務局に質問をさせていただきたいのですけれども、よろしいでしょうか。ほかの資格で臨床実習指導者講習会の規定を作って行うということに関して、今、我々臨床工学のほうは、こちらのカリキュラムと、こちらのいわゆる現場側のこの指導者講習会を一緒に並列で行っております。なので、先ほどの馬場先生からもあるように、今はちょうどタスクシフトのこともありますので、それもまた今後入れながら、卒前の教育も卒後の教育も変えていかなければいけないということで、従来のただ単純にカリキュラムを変えるということだけではないステージで、今は我々の臨床工学は進めていかなければいけないという状況なのですけれども、臨床実習指導者の件で、先ほどお聞きしたかったのは、ほかの職種はカリキュラムの改定と同時にやられていたのか、カリキュラムの改定はいわゆる卒前のことを終えて、それで卒後のこちらをきちんと要件を作ってやり始めたのかというところをお聞きしたいのです。
○北村座長 事務局、お願いします。
○医事課(板橋) 事務局です。
今、中島先生からのお伺いがありましたお話なのですが、この検討会の中では、指定規則、指導ガイドライン、また告示、それに伴う通知に関係する部分を決めたりしています。その中の一つとして、臨床実習の指導者講習会を必須にするかも他の職種でも同様に要望書で検討項目に挙げられて検討会の中で決めております。具体的内容は通知にて示すことになります。
実際のイメージとしては、必須として定める場合は指定規則へ書き込み、望ましいとする場合には指導ガイドラインへ書き込むことになるかと思われます。
猶予期間について他職種では、例えば令和4年4月から施行される場合、令和4年4月入学の学生が臨床実習の指導を受ける時期となる2年後の最終学年の臨床実習までに準備として設けています。
○北村座長 ありがとうございます。
中島先生の質問に直接答えると、カリキュラム変更と指導者講習会と臨床実習の変更が同時に行われているかというと、ほかの職種はほぼほぼ同時に行われています。臨床放射線技師とか臨床検査技師の場合なども同時です。その心は、医療従事者の教育において、臨床実習というものが非常に大事である。座学だけで国家試験を通れば、それでその職種になるというのは違うのではないかと。やはり現場に出て、現場の働きをしっかり見て、経験し、チームの中に入って自分の職種の役割、そして自分がなるべき姿というのを学生時代に学んでいくのが大事であるというカリキュラム変更の根本的精神がちょっと変わっているので、臨床実習の充実がどの職種も叫ばれています。そういう点で、カリキュラムと臨床実習の改変はほぼほぼ同時と思っています。よろしいですか。
○中島構成員 ありがとうございます。
○北村座長 そうしたら、時間なのでこれは座長預かりとさせていただいて、マストとはするものの、猶予期間等を何らかの形で設けるような方向でまとめさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。これが議題1です。
次、議題2に進めさせていただきます。「臨床実習において学生に実施させることが望ましい行為について」、まず事務局から資料2-1、そして、本間先生と中島先生から関連する資料を御説明いただきたいと思います。
事務局から2-1をお願いします。
○医事課(板橋) 事務局です。資料2-1を御覧ください。
2ページ目、今回、臨床実習の指導者負担に関することでの課題として、臨床実習の指導者の負担が大きいという御意見をいただきました。これに対する事務局の提案としまして1)、2)、3)、4)と4つの提案をさせていただいています。
1つ目としては、臨床実習に臨む学生の習熟度の担保と実習指導の効率化に当たります。2つ目としましては、実習先の対象施設の拡大を挙げています。3つ目としましては、臨床実習指導者の質の向上を挙げさせていただきました。これら3つについては、実習の効率化を図ることを目的としたものになっていまして、4)として、臨床実習の質の低下を防ぐため、臨床実習時に学生が最低限経験することが望ましい項目を定めることはどうかと提案させていただいています。
これに対して、先生方から了承をいただいたということで、この望ましい項目について議論するため、3ページ目以降を用意させていただいております。
3ページ目に移ります。この論点に対し、臨床工学技士会、学校協議会から連名でアンケート調査を基として提示いただいた案があります。今回はこのご提案内容について、御意見をいただければと思い、資料として提示させていただいております。
この資料の構成について、後ほど団体の先生方には御説明いただくことにはなりますが、概要の資料がこの資料2-1となります。
主な資料構成は、4つの指導体制の在り方が柱となっています。太字下線になっている部分を御覧ください。
指導の体制としては、必ず指導に当たる者による責任の下での確認、また再度の実施を行うこと。臨床実習を開始する前に、各養成所において接遇や感染対策などを含む知識・技術の総復習や到達度の評価を行っておく。そして、個々の患者さんの同意を得た上で実施することが望ましいとなっております。これらの前提を置いた上で、臨床実習において実施すべき基本的行為の設定を行う考え方としております。
調査では、臨床実習を実施している施設での実施状況を見る形で、実施させる行為が9割を超えるもの、7割以上9割未満、また見学させていると実施させている合計が9割を超えるもの、実施させると見学が7割から9割のもの、これらで区分しています。これらを基に、臨床工学技士の業務としての重要度や症例・事例の頻度などを加味した上で、実際に学生さんが臨床実習において実施すべき基本的行為として、実施必須、実施推奨、見学の必須、見学の推奨に整理をされております。
4ページ目からは、具体的にどの行為が実施の必須なのか、また見学の必須など行為に入るのかを示しています。今回、御提示されていますものとしましては、実施の必須に該当するものはなく、見学の必須については、呼吸治療の中から、人工呼吸の装置として使用する機器・回路、薬剤などの準備等、また血液浄化や集中治療等から幾つかございます。そして、臨床実習の実施の推奨の中には、呼吸治療、血液浄化、保守点検から幾つかとなります。
これらについては、参考の情報として、臨床実習を実施している施設での実施状況を記載しています。
5ページ目、6ページ目については、見学の推奨に入るものを挙げられています。これら行為については見学をさせることが望ましいという提案となっております。
7ページ目については、今度は臨床実習に臨む学生が備えるべき接遇や基本的な知識・技術について述べられています。主に接遇、基本的な知識・技術について提案が出されています。
資料については以上となります。
○北村座長 それでは、本間先生から御説明をお願いできますか。
○本間構成員 ありがとうございます。
それでは、資料の2-2の御説明をさせていただきます。
今回、アンケート調査を実施いたしましたので御報告をさせていただきます。
1ページ目を御覧ください。方法、期間、対象についてはここに書かれているとおりでございまして、調査の質問事項については施設の概要、臨床実習の受入れ状況、臨床工学技士の法令関連として定める業を修得するための臨床実習と、医療ニーズにより臨床工学技士が実施している業の隣接業務を修得するための臨床実習の実施状況、それから実習の目標を達成するために必要と考えられる実習時間、なお実習の分類と行為、目標は臨床工学技士の基本業務指針2010及び臨床実習指導者ガイドラインを参考にして作成をしております。
分類としましては、ここに書かれている10の業務でありまして、行為としては104の行為を対象としております。到達目標は、13ページの別紙1にまとめてありますので、後で御覧いただければと思います。
続きまして、2ページ目を御覧いただきます。臨床実習に向けて学生が備えるべく事項として、接遇や感染対策を含む基礎的な知識・技術についてでございますけれども、これは日本臨床工学技士会及び日本臨床工学技士の教育施設協議会の理事らが所属する養成所から作成した学生向けの臨床実習手引や、他職種のカリキュラム等改善等報告などの該当から14の項目を抽出しております。
結果につきましては、有効回答数は62人であり、300床以上の大規模病院が多く、9割以上の病院で実施されておりました。ただし、高気圧酸素治療については5割とどまっておりました。臨床実習の実施は1から9の治療の関係、10の保守点検の関係、全て104の行為については、回答者所属施設のうち、学生に実施されているが9割を超えたものはありませんでした。7割以上9割未満が1の呼吸治療に関するもので人工呼吸装置の組立て、始業点検、人工呼吸装置として使用する機器の終業時点検、消毒及び洗浄等、10の保守点検に関しては日常点検の実施の3項目でありました。
学生に実施させていると、見学させているとの合計が9割を超えるものは、呼吸治療、それから補助循環、血液浄化、集中治療に関するもので医師の指示の確認、機器、薬剤の準備、始業点検、それから機器の操作に関する必要な監視装置を用いた患者さんの観察、それから終業点検など、10の保守点検に関しても、トラブル、不具合発生時の対応、修理等の対応、26の行為でありました。学生に実施していると、学生に見学させているものは合計が7割以上9割未満のものは、人工心肺、6のペースメーカー、8の手術関連、9の心カテーテル治療に関するもので、医師の指示の確認、機器や薬剤の準備、始業点検、機器の操作に必要な監視装置を用いた患者の観察、終業点検、1から9の各治療領域に関したもので、運転・監視条件の設定と変更など、10の保守点検に関するものでは定期点検の計画立案、実施、添付文書等の管理、医療機器の安全使用に関する研修の実施の26の行為でありました。
次に5ページに進んでいただきたいと思います。目標を達成するために必要と考えられる病院実習の時間数については、多くの回答者が各行為について2時間未満との回答がありました。
7ページに進んでいただきます。病院実習については、重要度を5段階、1がさほど重要ではない、5がかなり重要であるとして、回答を求めております。結果、4あるいは5と回答したものが9割を超えたものは、接遇などに関する6項目のうち、挨拶、身だしなみ、態度、言葉遣い及び規律の厳守の5項目であり、表情については88.7%でありました。同様に、基礎的な知識・技術に関しては、守秘義務、個人情報保護、スタンダードプリコーション、感染経路別の予防策、清潔・不潔区分、手洗いの実施、マスク・キャップ・エプロン等の着脱、自らに感染症状が生じた場合の対応の8項目全てでありました。
調査結果と臨床工学技士の国家試験出題基準を踏まえて、臨床工学技士を目指す学生が臨床実習の中で実施すべき基本的な行為を整理し、今後の臨床実習の在り方について提案させていただきます。
ただし、医療において何よりも優先すべきは患者さんの安全であり、臨床実習の学生による基本的な行為は、次に掲げる条件を満たした上で実施しなければならないと考えております。
臨床工学技士を目指す学生による臨床実習中の基本的行為の実施については、患者さんの安全確保がされる前提での実施をするためにも、学生が点検や組立て、準備などを行った医療機器をそのまま臨床で提供することはできませんので、必ず指導者に当たる者による責任の下で確認、または再度実施することといたします。
臨床実習の指導者に当たる者の要件としては、各指導内容に対する専門的な知識に優れ、医師または臨床工学技士として5年以上の実務経験及び業務を有し、十分な指導能力を有する者であるとともに、臨床実習施設において厚生労働省が定める指針による臨床実習指導者講習会を修了した者が配置されることが望ましい。これは先ほどの論議でございます。
8ページに進んでいただきます。臨床実習に臨む学生が備えるべき基本的な知識・技術について、臨床実習を開始する前に、各養成所において臨床実習指導者と連携しながら、臨床工学の基礎となる知識・技術の総復習や到達度の評価が行われること、あわせて接遇や感染対策などを含む基礎的な知識・技術の確認も必要である。患者さん等の同意について、臨床工学技士の資格を有しない学生が臨床の現場で診療の補助に関わる行為を行うことから、学生は個々の患者の同意を経た上で実施することが望ましいとしております。
基本的に行為の整理は、まず実施されているが9割を超えている行為、実施されているが7割以上の9割未満の行為、実施されていると見学させているの合計が9割を超える行為、実施されていると見学させているの合計が7割以上9割未満の行為と実施状況で区別いたしました。
それに、臨床工学技士業務として重要度や症状・事例の頻度などを加味して、水準1:実施必須、水準2:実施推奨、水準3:見学必須、水準4:見学推奨に整理いたしました。
水準1については、実施必須でございますけれども、臨床への参画型臨床実習をさらに進めていく観点から、実施される行為を増やすことが望まれるが、調査結果を踏まえて、現時点では臨床工学技士養成の観点から、臨床実習中に実施されるべき行為に該当するものはないと考えています。
水準2については9ページに進んでいただき、1の呼吸治療に関するもので、1-3の人工呼吸機器、人工呼吸装置の組立て、始業時点検、1-12の人工呼吸装置として使用する機材の終業点検、それから消毒及び洗浄、4の血液浄化に関するもので、4-3の血液浄化装置の組立て及び回路の洗浄・充填、始業点検、4-10の血液浄化装置の操作に必要となる監視装置を用いた患者様の観察などの実施、それから、10の保守点検に関しては、10-1の日常点検の実施の以上5行為と考えております。
4の血液浄化において、4-3の血液浄化装置の組立て及び回路の洗浄・充填、始業点検では実施されている割合が53.2%でありました。4-10の血液浄化装置の操作に必要な監視機器を用いた患者観察などの実施では30.6%でありました。血液浄化は臨床工学技士業務の中でも頻度が多いものでありますことから、臨床実習指導者の指導監督の下において血液浄化装置の組立てや点検、運転中の装置の運転状況や生体モニターなどを用いた患者の血圧や心電図などの監視について、特に重要として実施推奨といたしました。
水準3の見学必須は9行為と考えております。主に、1の呼吸治療、4の血液浄化、7の集中治療の3分類に関して、機器や薬剤の準備、機器の組立てや始業点検、運転監視条件の設定と変更などといたします。4の血液浄化については穿刺針の内シャントへの穿刺と抜去、止血、機器の操作に必要な当該装置の回路からの採血、それから機器を操作に必要な血液、補液及び薬剤の投与の設定等の変更も見学必須といたします。
水準4の見学推奨は8分類、41行為と考えました。主に人工心肺、3の補助循環、6のペースメーカー、8の手術関連、それから心・血管カテーテル治療の5分類に関するもので、機器や薬剤の準備、機器の組立てや始業点検、運転監視条件の設定と変更などといたします。これらは前に述べたように、臨床工学技士業務として重要性は高く、臨床実習において見学必須とすることが望ましいと考えるが、実習の可否が症例の有無に左右される可能性が高いことから、見学推奨にとどめることが適当と考えます。
10の保守点検に関しては、10-2定期点検の計画立案・実施、10-3トラブル・不具合発生時の対応、10-4の修理時の対応、10-5の添付文書等の管理、10-8の病院電気設備・医療ガス設備等の保守点検を見学推奨といたしました。10-8の病院電気設備・医療ガス設備等の保守点検については、実施が6.5%と見学が51.6%でありましたので、医療機器の安全使用のために、病院電気設備や医療ガス設備の管理及び全般の管理に関する知識は欠かせないことから、これらの保守点検を見学推奨といたしました。
臨床実習における、高気圧酸素治療の取扱いについて提案させていただきます。最後のページの別紙6を御覧いただければと思います。
高気圧酸素治療は2000年代前半までは全国で月に2~3万件が実施されており、装置の配置は、診療所を含みますけれども、700施設前後。しかし、2000年代後半からは月に1.5万件に減少しております。2017年の施設では443施設となっています。これは2017年度の病床数8,412施設の5%程度であり、地域で見ると内陸県では特に少ない状況であります。
他方、本調査において、臨床工学技士が当該業務を実施する病院は50%でありました。また日本臨床工学技士施設連絡協議会における調査においても、高気圧酸素治療の臨床実習施設数の充足数においても、高気圧酸素治療の実習施設の充足状況について67.6%の課程が開拓に苦慮して不足していると回答しており、臨床実習施設の確保が困難な状況が示されております。これにより、5の高気圧酸素治療においては、臨床実習において実施する基本的行為とせず、各施設において、教育の特徴や地域の医療体制の可能な限り当該業務の臨床実習が行われるよう努力することが適当と考えます。
臨床実習に臨む学生が備えるべき接遇や基礎的な知識・技術については、12ページに戻っていただき、実際に診療を受けている患者さんを対象として行う実習であることから、患者さんを尊重し、チーム医療の一員として実際の診療を妨げることのないよう、医療機器の取扱いなどを含む臨床工学技士の基礎となる知識・技術に加え、次の接遇や感染対策を含む、基本的な知識・技術を備えておかなければなりませんと考えております。
調査の項目として挙げた全て接遇の関係として、挨拶、表情、身だしなみ、態度、言葉遣い、規律の厳守、守秘義務、個人情報の保護、スタンダードプリコーション、感染経路別の予防策、清潔・不潔の区分、手洗いの実施、マスク、キャップ、エプロン等の着脱、自らに感染症状が生じた場合の対応を重要として扱うことといたします。14項目のうち13は重要度が4あるいは5の回答が9割を超えておりました。表情については88.7%でありましたが、学生の表情により患者が不快を感じたり、不安を抱いたりすることから、重要性が高いものとして取り扱うこととしております。
以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
それでは、中島先生、よろしくお願いします。
○中島構成員 ありがとうございます。
今、本間理事長から、このアンケートに関して非常に詳細な御報告をいただきましたので、私からは2点ほど補足、追加させていただきたいと思います。
まず、今、御説明いただきましたように、臨床実習で学生が経験することが非常に望ましい行為ということで、先ほどの資料1の4ページにありました別表第1、臨床実習はこれこれで単位をこれこれにするということだけではなくて、今後、やはり臨床工学技士さんの業務の中で参加型の臨床実習を行っていくということを踏まえて、先ほどの議論にありましたように、臨床実習指導者の育成も含めて、こういった基本的な行為をきちんとそれぞれのグレードで定めておくというのが非常に重要ではないかなというのが感想でございます。
2点補足なのですけれども、今、御説明いただいた資料2-2の2ページになりますが、本間理事長からもお話しいただきましたように、まずこの調査は非常に詳細に行っていただいたわけですが、急を要したということもありますので、回答者のところが非常に病床数が多い施設で回答していただいているということになります。
先ほどからのいろいろな御意見にありますように、例えば東京ですと、500床、800床、1,000床クラスの大学病院というのが幾つもあって、そこのところで何十人も学生を実習させられるという東京、埼玉、神奈川のような都市圏であればよろしいかもしれないのですけれども、北海道さん含めていろいろな地方での実習は、300床に満たない一般総合病院、個人病院等を含めたところでの実習がメインとなっているというところをぜひもう一度御理解いただければということで、この臨床実習の中で、実施推奨、見学必須、見学推奨というところを、こういったアンケートの結果の数値はありますけれども、今の病床数というところも踏まえて今回決めていただいたのではないかなと考えております。
もう一点、これも補足になりますが、今の資料の11ページにありました高気圧酸素治療に関してになります。こちらは、先ほどの別紙の6にもありますように、高気圧酸素治療を行っている施設数がクリニックさんも含めると四百幾つとありますけれども、データを出していただきましたように内陸部も少ないということもありますし、現在も高気圧酸素治療装置というのが実習の設備項目になっていますけれども、やはりそこでお願いをするということが非常に苦慮しているという状況でございます。
もちろんこれは必要ではないということではなくて、これがある病院さんで実習する場合には、臨床工学技士さんの業務として、プラスアルファーとして今までどおり実習をしていただくということは非常によろしいかと思うのですけれども、ほとんどの病院で高気圧酸素がないという状況にありますので、こちらの見学推奨から外していただいたのは非常に理にかなっているのではないかなと考えております。
以上でございます。
○北村座長 ありがとうございます。
臨床実習で具体的にどういうことを学ばせるか、学んでもらうかということになると思います。事務局のお話、本間先生のお話、中島先生のお話、全部を含めて議論をしていきたいと思うのですが、順次行きます。
資料2-1の3ページ目の辺りです。このページに関して、2-2も横目で見ながら、何か御意見はございますでしょうか。
私が感じたところは、学生は個々の患者の同意を得た上で実施する、患者の同意は必要であろうと思いますが、その形が入院のときに包括的な同意を得るとか、あるいは口頭でいいのか、書面で得るのか、そういうこともう一度は議論したいなと思います。できれば、少なくとも口頭で得ても、カルテなり書面に残しておくべきものだろうと思います。毎回判子を押すというほど厳しくなくてもいいと思いますが、いずれこれは議論したほうがいいかなと思います。
ほかの点でも御意見はございますか。
これの1は先ほども議論のあった指導者です。指導者は一応マストになるのですが、猶予期間をという意味です。もちろん、その下に、例えば、就職1年目、2年目の人が指導に当たることもあっていいと思いますが、責任のある指導者という人は、厚生労働省が認めた講習会を受けた人という形になっていくのだろうと思います。
もう一つ、3番は皆さん、同じように接遇や基本的な知識・技術を養成所でやっておくのかなというのがちょっと疑問で、むしろ実習の中に入れてしまって、実習でしっかりとスタンダードプリコーションとかそういうのをやる、実習の必修のほうに入れるべきなのではないか。養成所、学校のほうで挨拶はしましょうと教えても、病院に行って挨拶をしなければ駄目なので、みんな挨拶するということは学校では教わっているのですが、いざ病院に行ったら、患者さんにはもとより、一緒に働く人にも挨拶ができていないという現実もあるやに思うのです。そういうことを考えると、養成所だけで教えたけれども、やっていませんねというわけではいけないのではないかと思います。また、議論にしていきたいと思います。
次、同じ資料の4から6ページにアンケートの調査が書かれております。2-2により詳しい資料がございました。これを見ていただいて、いかがでしょうか。ほかの分野からだと、例えば6ページの10-3、トラブル・不具合の発生の対応というのは、ほかの分野の人間から見ると、これが見学だけでいいのかみたいな気がしまして、壊れたり停電したら真っ先にすることはこれだというものを何度でもたたき込まないと、怖くて任せられないなということもありますし、どこか忘れましたが、医師への報告ということが見学だけでいいのかなと。医師への報告こそ何度でも実習で経験してもらって、十分かどうかなどを常にフィードバックしてほしいなと思った次第なのですが、いかがでしょうか。
江頭先生、これを見た感想はいかがですか。
○江頭構成員 ここについては実態なので、そうなっているのだろうなということで、よく分かりました。ここについては、特に意見はありません。
先ほど北村先生が言われた点は、医師でいうといわゆるスチューデントドクターの現場に出る前の能力の担保というところと、さらにそれ以上に現場でまた同じことを勉強していく、より高いレベルで身につけていかなければいけないことなのだと思うのですけれども、実習の項目の中に例えば感染の話とかが共通の項目として出ていないので、入れたほうがいいというような御意見だったのかなと思って聞いておりました。
以上です。
○北村座長 そうなのです。
神村先生、いかがですか。
○神村構成員 ありがとうございます。
患者同意のことについて、今、実際はどのようにされているのか伺いたいと思います。個々の患者の同意を得た上でと記載されておりますけれども、実際に一人一人の学生さんがそれぞれの患者さんの同意を得る、口頭であり書面であれ、同意を得るという形を現在も取っていらっしゃるのでしょうか。ちょっと教えていただきたいと思います。
○北村座長 どなたか、現在はどうしていますか。
本間先生、お願いします。
○本間構成員 現場にいる百瀬先生、いかがですか。
○百瀬構成員 百瀬です。
うちは大学病院なので、入院時に医師であるとか看護師であるとか、あらゆる職種で病院実習が入っていますので、包括的に入院時の説明の中に、研修施設なので研修を受け入れていますからという形で一文が入っていまして、そこで同意を得ている形になっています。ただ、市中病院とかは分かりかねます。
○北村座長 今度、新たに個々の患者でと言われると、包括同意でいいのかなという議論あるところではあります。
○神村構成員 神村です。
私も今、座長がおっしゃったことをちょっと感じたところなのです。あまり大きな病院施設で包括同意を取っていただくと、それぞれの学生さんが患者の同意を得る必要があるのだという意識が希薄になりはしないかなとやや思ったところです。包括同意は包括同意として、そのほかに、実際に患者さんに接する場合に、あらかじめ御自分で名乗るとか、そういうこともちゃんと規定されているのかな、それが必要かなと思った次第です。
○北村座長 ありがとうございます。
お願いします。
○中島構成員 今の同意の件なのですけれども、確かに大きな病院では包括同意をしていただいて、今、神村先生おっしゃられていた件に関しては、例えば、ICUとか手術室とか、麻酔がかかっている患者さん、意識のない患者さんに関しては、そういった全体的な同意の下で、指導者の下でということに該当してよろしいかと思うのですけれども、意識のある患者さん、特に透析の患者さんに関しては、ここに書いてありますように、先ほど座長がおっしゃられたように、書面で捺印を取るというところはしていませんけれども、個々の患者さんに対して、そばできちんとこういうことを見学します、よろしいですかということで、学生もきちんと名乗ったり挨拶をしてから見学、あるいは実際の実習を行っているという状況が今現在でも行われております。
以上になります。
○北村座長 ありがとうございます。
やはり透析の患者さんなども、毎朝おはようございますと言ったときには、学生の何とかです、よろしくという挨拶をしますから、同意は必要だと思います。
神村先生、ほかの点でいかがですか。
○神村構成員 ほかの実習行為については、この基本的な案で特に意見はありません。
○北村座長 ありがとうございます。
ほかの先生方、いかがですか。
江頭先生、お願いします。
○江頭構成員 今、気づいた点ですけれども、同意の点で、北村先生の先ほどの話だと、ここではあまりインテンシブな議論をしないという雰囲気だったのですが、ここだと学生は個々の患者の同意を得たというのは、学生が同意を取るというようにも取れるのですけれども、同意自体は指導者が取るべきもののようにも思うのです。もちろん学生が挨拶をするというレベルと、きっちりとインフォームドコンセント的に同意を取るというのはやはり違うことだと思いますので、そこがどちらを意味しているのかということは明確に明示しておいたほうがいいのかなと思いました。
○北村座長 おっしゃるとおりですね。今の書きぶりだと、「学生が」という主語が「同意を得る」にも取れるかもしれないので、同意を取るのは指導者であったり、主治医であったりしますので、分かるようにしたいと思います。
必ず実施するべきものがなしでいいのですかね。実施必修というもの。さっき申し上げた基本的な技術・知識とか、あるいは、医師だと接遇ではなくて、心持ち、プロフェッショナリズムとか価値観と言っておりますが、そういうことも学ぶことの到達目標には入っていて、接遇と書くと、単に形だけ、おじぎは30度でおじぎして、患者様の言うことははいはいという表層的なイメージになるので、そうでなくて医療者として患者さんを助ける、そういう気持ちみたいなのも書き加えていただいたらいいかなという気がしていました。それもまたディスカッションというか、討論したいと思います。
ここの部分、学生が実施するあるいは見学するということに関しては、また御意見をどんどんお寄せください。それを事務局のほうで整理して、また事務局のほうで提案を提示していただいて進めていきたいと思います。今日はこれをまとめるとか、この線で行きますというのでなくて、ここのところを何とかしたい、そういうようなお話をいただければと思います。
高圧酸素療法に関しては、現状がこういうことで、私もマストでなくていいと思っておりますので、その方向で事務局に提案をお願いしたいと思っています。
ほかの点でどうでしょうか。ここを事務局で少し考えてほしいというようなところはありますでしょうか。
事務局、お願いします。
○医事課(板橋) そうしましたら、御意見をいただければと思うところが1か所ございます。
先ほど資料1の4ページ目で、指定規則に事務局の提案で人工心肺装置や補助循環装置の実施を含むとして示した部分があります。
幾つか御意見をいただきましたが、資料2-1の4ページ目で、整合性を持たせるということでいえば、人工心肺と補助循環に関する実習がここでは必須に入る必要があると思うのですけれども、整合性をとるため、必須とするか、推奨とするか、見学に入れるか、それらの御意見をいただければと思います。
○北村座長 中島先生、いかがですか。
○中島構成員 よろしかったら先に百瀬先生にお願いします。
○北村座長 百瀬先生、お願いします。
○百瀬構成員 私もそれを御指摘させていただくかと思っているのですけれども、資料2-1の4ページの見学必須のところに、少なくとも先ほど本間理事長が出した別紙1の臨床実習における到達目標のところに分類として、1の呼吸治療から10の保守点検まであるのですけれども、5の高気圧酸素治療はともかくとして、この9項目がここの見学必須のところにはなくてはいけないと思うのですよね。ただ、それは先ほどの補助循環のところでも述べたように、臨床でやっていないこともあるのですけれども、少なくとも臨床に使う機械を見せることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○北村座長 そうですよね。
中島先生、いかがですか。
○中島構成員 まず、今の百瀬さんの御意見なのですけれども、見学は必須というのは確かかと思うのですけれども、先ほどから議論がありますように、これから実習の設備が取り払われたということで、個々の専門的な病院で実習を個々に行っていくということもありますし、地方での格差ということもありますので、ここのところは御提案のような段階はつけていいのではないかなとは考えております。
それと私のほうから、今、事務局から御提案いただいた資料1の4ページの人工心肺のところは、指定規則なので例えばマストにしなければいけないのですが、こちらの資料2-1になりますと、見学必須のところにこの人工心肺が入っていないところの整合が取れていないというところも見受けられましたので、例えば資料2-1の見学推奨の中にあります(2)人工心肺の中で見学必須になるような項目を挙げるとするのであれば、例えば、2-1の人工心肺として使用する機器・回路等及び操作に必要な薬剤、運転・監視条件の指示書等の確認という項目は、74%見学をさせているということもありますので、この項目であれば、見学必須というところに移すことも可能なのではないかということで、先ほど北村座長がおっしゃられたように、そういった面も含めて今後、指定規則のところとの整合性を取るような形で検討していきたいなとは考えております。
以上です。
○北村座長 ありがとうございました。
資料1との整合性をしっかり見ていただいて、やっていただきたいと思います。人工心肺に関してはこの中の幾つかでなくて、全部が見学させているが、1つを除いて70%以上ですし、機器の終業点検が何で低いのかよく分かりませんが、ここまでしっかりやっていただく。実習で3時で終わりです、さよならというのもちょっと考え直していただいて、臨床工学技士は手術の終わるまでしっかり最後までいるのということも学んでほしいので、終業点検までやるのは当たり前に思いますので、そういうことを含めて検討していただいたらいいと思います。
この調査は極めて重要です。重要ですが、現在やれていないからやらなくていい方向に行くというわけでもなくて、現在やられてはいないけれども、将来的にはこれを必修にしておかなくてはいけないという項目もあるやに感じます。もちろん、実行不可能なことを書いても仕方がないのですが、ちょっと頑張ればできることはちょっと頑張ってもらうぐらいのことで上に上げていただいたらと思っています。
それと、見学とは何ぞやと。ビデオで見ても見学かと言われると、そうではない。現場を見ないといけないので、そういうようなところの定義も、見学は遠くから見てればいいのか。やはり少し手を出してほしいなとも思うのです。
それと、模擬実習というのがあります。シミュレーターでやってみる。例えば、不具合のときに心臓マッサージをするとか、そういうようなこともシミュレーターならできるわけで、それは見学になるのか、実習になるのか、あるいは挨拶なども友達同士で御挨拶するというのは模擬実習になっております。本当の患者さんに御挨拶して初めて実習なのですが、そういう模擬実習などの取扱いも、もし決められたら決めていただきたいなと思っています。
ほかに何か論点ありますでしょうか。
お願いします。
○馬場構成員 馬場ですが、今、座長に御指摘いただいた点は私も全く同感でありますが、今回アンケートを取られた内容は非常に詳細に取られておりまして、よく現状は把握されている内容かと思います。
ただ、これを基に今後のカリキュラムを作っていくというのは、このカリキュラムを修了して実際の臨床現場に出てきたときに、果たしてその臨床現場で求められることができるかどうかという観点から考えますと、このカリキュラムが2年後ぐらいから動き出すということですので、現時点で実施されていることをベースに臨床実習の内容を決めていくというのではかなり不十分だろうと思います。
こういうカリキュラムを修了した方たちが臨床現場に出たときに、必要とされる知識あるいは技術をカリキュラムの中にどのように盛り込んでいくかということが必要と思いますので、実習必須というところに幾つか挙げていく必要があると思います。現状がこういう状況だから、それに基づいて臨床実習を決めていくというのではなくて、現状はこうだけれども、将来はこうなるであろうということを見越して、このカリキュラムが実施される時点までの時間経過は随分ありますので、その時点で必要とされるものを臨床実習の必須項目に挙げていくという取組が必要と思っております。
以上です。
○北村座長 ありがとうございます。まさにおっしゃるとおりだと思います。
江頭先生、どうぞ。
○江頭構成員 ちょっと全体を通じてみたいな話になるのですが、やはり到達目標というのが非常に重要な気がしています。それによって、推奨と見学なのかも結局方略の問題なので、かなり変わってくるのではないかと思っております。
今日は2-2の資料で本間先生から解説いただいたところに案があった、あれがどういう位置づけになるのか私は十分理解していないのですが、あの内容を見てみると、全て理解できるという書きぶりになっていて、実施できるとはなってなかったので、その点、診療参加型臨床実習であれば、レベルとしては理解の次に実施ができる、指導者の下でできる、そういったところがあってもいいのかなと。そういったものは、実習を推奨もしくは必須にするという形になっていくのかなと思いました。
あと、到達目標の中にも全て臨床工学技士の仕事にかなり特化した内容が出ていましたけれども、もちろんそこは重要なのですが、北村先生も言われたとおり、コミュニケーションであったり、感染とか、そういったものも書き込んでもいいのかなという気がいたしました。
あと、同意の問題でいうと、患者さんへの侵襲度というか、ペイシェントセーフティー、問題の程度によって同意の在り方は変わってくるのだろうと思いますので、その点も全体的に統一的な形で議論していく必要があるのかなと思いました。
以上になります。
○北村座長 ありがとうございます。
2-2の別紙1に臨床実習における到達目標、これが臨床実習そのものを規定してくると思います。ここのところもいま一度、個々の技術の前の基本的な技術・知識あるいは接遇とか価値観、プロフェッショナリズムなども入れ込んだトータルな臨床実習の到達目標ができて、それから派生して、個々の技術をどうするということに行くのが筋かなと思います。
江頭先生、ありがとうございます。
工藤先生、お願いします。
○工藤構成員 江頭先生に大分まとめていただいたので、私からも本当に重要なことを御意見いただけたと感じております。ただ、また次回までにどういった内容に変更するかということを検討させていただくとは思うのですが、どうしても臨床工学技士の場合、業務が病院によってもかなり大きく違うという点と、どうしても臨床現場に行く、臨床実習に行く場合は、まだ資格を持っていない状態で行くことになりまして、我々は資格がないとできない業務も多々ありますので、そういったことも検討に加えながら、今、言っていただいた到達目標に到達させるためにはどんなものが必要かということを考えて、見せるのか、推奨にするのかという点も追加で検討させていただきたいと思います。
以上です。
○北村座長 ありがとうございます。
おっしゃるとおりで、工学技士はいろいろな多方面で働くので、全部を経験して全部できるようにならないと卒業でないというものではないので、学生が国家試験を受けるためにはどういう技術が必要なのかという観点からも必要だと思います。
板橋さん、どうぞ。
○医事課(板橋) 事務局です。
先ほどの中島先生のご発言について確認になりますが、資料1で、現行法上は人工心肺装置を含む実習はマストとなっています。これとの整合性を持たせる意味で、見学推奨の人工心肺を見学必須にする。ただし、全てをではなく、(2)-1の指示書などの確認というものを見学必須にすると言われていました。(2)-2~10の行為を必須にしないという切り分けはどういう理由が含まれているかを教えていただいてもよろしいでしょうか。
○中島構成員 中島です。
まだそこの部分はきちんと深く検討していかなければいけないと思ったので、取り急ぎ、人工心肺装置として使用する必要な薬剤、運転・監視条件、指示書等の確認ということであれば、見学のマストにできるのではないかなという共通のコンセンサスがあったので先ほど挙げさせていただきました。そのほかの項目に関してはまた検討が必要かなと思います。
○医事課(板橋) ありがとうございます。
○北村座長 ざっくり、2-1から2-10まで見学必須になるといいですね。また御検討をお願いします。
ほかに御意見はありますか。
ほぼほぼ時間になったので、この臨床実習の細かいところ、特に学生が備えるべき、あるいは経験すべきものについては、また、いろいろ御意見をください。そして、それを整理して、事務局のほうでまとめていただきたいと思います。
今日のディスカッションはここで止めたいと思いますが、事務局からお願いします。
○太田医事専門官 次回につきましては、2月12日金曜日を予定しております。詳細につきましては、改めて御連絡させていただきます。
○北村座長 そうすると、恐らく2月12日も緊急事態でしょうね。分からないけどね。
こういうスタイルでやることも十分想定されますので、御不便かとも思いますが、よろしくお願いします。座長のほうもやり方を勉強しておきますので、よろしくお願いします。
本日は本当に長い時間にわたり、朝早くからどうもありがとうございます。
それでは、今日の「臨床工学技士学校養成所カリキュラム等改善検討会」を終了させていただきます。どうもありがとうございます。
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