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2020年2月13日 臨床検査技師学校養成所カリキュラム等改善検討会(第3回)議事録

医政局医事課

○日時

令和2年2月13日(木)15:30~

 

○場所

厚生労働省専用第13会議室(21階)
東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館
 

○出席者

大塚 喜人 (亀田総合病院 臨床検査管理部長)
奥村 伸生 (信州大学学術研究院保健学系検査技術科学専攻 教授(日本臨床検査学教育協議会 理事長))
釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会 常任理事)
北村 聖 (東京大学 名誉教授)
坂本 秀生 (神戸常盤大学保健科学部医療検査学科 学科長(日本臨床検査学教育協議会 副理事長))
山藤 賢 (昭和医療技術専門学校 校長(日本臨床検査学教育協議会 理事))
杉浦 哲朗 (関西医科大学総合医療センター 病院長)
東田 修二 (東京医科歯科大学大学院医師学総合研究科全人的医療開発学講座臨床検査医学分野(日本臨床検査医学会 支部理事))
矢冨 裕 (東京大学大学院医学系研究科内科学専攻病態診断医学講座臨床病態検査医学分野 教授(日本臨床検査医学会 理事長))
横地 常広 (日本臨床衛生検査技師会 会長職務代行 代表理事 副会長)
 

○議事

○川本専門官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第3回「臨床検査技師学校養成所カリキュラム等改善検討会」を開催します。
構成員の先生方におかれましては、本日は大変お忙しい中、御出席を賜り誠にありがとうございます。
構成員の欠席等についてですが、本日は全員の御出席となっております。なお、東田構成員、矢冨構成員におかれては、用務のため途中退席となる旨、承っております。
また、医事課長においては、急遽公務のため途中からの出席となりますので、御了承くださいませ。
マスコミの方の撮影はここまでとさせていただきます。
それでは、資料の確認をさせていただきます。本検討会ではペーパーレスを実践していくこととしておりますが、本日は機材の準備の都合上、紙による資料配布とさせていただいております。
それでは、お手元の資料を御覧ください。議事次第、座席表、資料1、資料2-1、資料2-2、参考資料1~5までとなります。もし不足する資料等がございましたら、事務局にお申しつけください。よろしいでしょうか。
それでは、以降の進行につきましては、座長にお願いいたします。
○北村座長 本日は年度末でただでさえ慌ただしい中、新型肺炎がある何か落ち着かないところですが、全員出席ですので、しっかりと実のある議論を進めてまいりたいと思います。よろしくお願いします。
今日の議題は2つプラスその他です。1つ目「第2回改善検討会の主な意見と事務局提案について」、事務局から御説明をお願いします。
○医事課(板橋) 資料の説明に移らせていただきます。
まず、資料1を見ていただけますでしょうか。「第2回改善検討会の主な意見と事務局提案について」をまとめさせていただきました。
2ページにつきましては、要望書で提示いただきました全体像の一部改編という形にさせていただいています。
第1回、第2回で行いました議論で一通り先生方の意見はまとまったと認識しております。これらを踏まえて、3ページ以降に事務局提案として準備させていただきました。
3ページ目ではまず、臨地実習指導者の要件についてまとめさせていただいております。
臨地実習については構成員の先生方からの意見として、十分に指導者が配置できない事情があったが、医師の働き方改革などの議論の進む中、現在は臨床検査技師も増えたことから、実習指導者から医師を除いてもいいのではないかというご意見をいただきました。また、在宅あるいは介護の現場などで臨床検査技師がいないために実習ができないことは好ましくないことを踏まえ、在宅・介護の場における実習については、実習指導者を臨床検査技師に限定しなくてもいいのではないか等々の意見をいただいております。
これらの意見を踏まえて事務局の提案としましては、臨地実習の指導者の対象から、医師及びこれと同等以上の学識経験を有する者を除き、かつ業績を問わないこととするという変更を行わせていただければと考えております。
また、臨地実習を行う施設は、厚生労働大臣が定める基準を満たす講習会を受講した実習指導者を1名以上配置することとしてはどうかとしております。
さらに、在宅医療を行う実習については、実習指導者を医師または看護師とすることを妨げないこととするという記載とさせていただいています。
実際に指定規則に当てはめたイメージとしてお示しさせていただいております。
4ページに移っていただきます。指針の事務局提案を提示させていただきました。もともと要望書で指導者講習会の指針案が提示されておりましたが、事務局提案はこれに変更なしとさせていただいています。他の職種で行っている、または改定により追加を予定している指導者講習会の内容と同様な指針案で要望されていることが確認できましたので、このまま事務局提案として提示させていただいた次第となります。
6ページに移ります。臨地実習調整者の配置の要件に関する事項としてまとめさせていただいております。
構成員よりいただいた御意見としましては、調整を行う専任教員の配置状況は、現状でも8割の養成施設で1名以上の教員を配置しています。必須の配置として実施することは難しくないという意見でした。
また、医療関係職種において実習調整者は非常に重要な役割を担っていると、必須にすべきであるといった意見をいただいております。
これらを踏まえて事務局としては、臨地実習の質の向上を図るため、臨地実習全体の計画の作成、実習施設の調整、臨地実習の進捗管理などを行う者として、専任教員から1名以上配置することとして提案をつくらせていただいております。
7ページに移ります。臨地実習において学生に実施させるべき行為について述べさせていただいております。
こちらも要望として挙げられている内容に対して、構成員の先生方から幅広い意見をいただいております。まず、指定校ごとに学生さんの質が個々で非常に大きく差が出ているという現状の問題をご指摘いただきました。
また、臨地実習において基準を決めることは非常に良いことで、積極的に取り組むべきという意見もいただいております。
また、医師の場合は臨地実習のほかに臨床研修が2年間ある。一方、臨床検査技師は国家試験合格後にすぐに実務に就くため、臨地実習の時間とともに質を充実することは非常に重要であると述べられておりました。
これらの意見を踏まえて事務局の提案としましては、まず、医学の進歩を踏まえた臨床への参加型実習をさらに進めていく観点から、臨地実習において学生に必ず実施させる行為、必ず見学させる行為及び実施させることが望ましい行為を定めることとする。
また、臨地実習において学生に必ず実施させる行為などについては、国家試験の各受験資格で必須となるものもあるため、指定規則及び告示の審査基準において追記することとしております。なお、ここでは告示22と記載させていただいておりますが、調整中の部分がございますため、書きぶりについては法令的な観点で詰めていくこととなります。
8ページに移ります。実際に学生に実施させるべき行為として、行為自体を明示的にお示しさせていただいております。
必ず実施させる行為に肺機能検査(スパイロメトリー)、また、必ず見学させる行為に足関節上腕血圧比(ABI)を追加しております。スパイロメトリーについては、必ず実施させる行為として特出しを行い、それ以外の肺機能検査を見学に分けております。
また、聴性脳幹反応(ABR)と睡眠時無呼吸検査については、施設の規模等関係してくるものと考えられるため、削除してはどうかという提案とさせていただいております。
なお、備考1、2をつけさせていただいていますが、備考1で、必ず指導に当たる者が、確認または再度実施した上で臨床に提供することとして載せさせていただいており、学生が診療の補助となる生理機能検査を行うことから、個々の患者から同意を得た上で行うこととしています。
9ページでは、望ましい行為を指導ガイドラインで記載をわけて提案させていただいております。
10ページに移ります。臨地実習に臨む学生の臨地実習前評価に関する事項についてまとめさせていただいております。
構成員の先生よりいただいた御意見としては、医学生に対して行われるCBTやOSCEなどと同様に、学校で実習前に心電図などの試験を行った上で臨地実習に臨むべきだという意見がありました。
また、BLSや患者急変時の対応についても、実習前に試験などで評価することを検討すべきではないかという意見もあります。
これらの意見を基に事務局提案としましては、臨床検査技師の資格を有さない学生が臨地実習に必要な技能・態度を備えているか、養成施設において臨地実習前に実技試験などによる到達度評価を行うこととしてはどうかと考えております。
また、臨地実習前の到達度評価を国家資格受験条件が異なる場合であっても一定の教育水準が保たれるよう、指定規則と同様に告示の審査基準において追記することとしてはどうかと提案しております。
具体的に、これらどういった行為を実習前の評価として行うべきかを11ページに例として載せさせていただいております。
今回、生理学的検査としては心電図、また検体検査としては末梢標本の作製、血液型の判定、尿沈渣の検査等をここに入れさせていただいております。
12ページに移ります。臨地実習における教育分野ごとの実習期間配分に関する事項になります。
こちらについて構成員よりいただいた御意見としては、現状調査による臨地実習は検体検査に偏りが出ているため、基準となるような各検査への実習割合を示すことで将来的に臨地実習の標準化につながるのではないかという御意見をいただきました。
実習全体のうち幾らかを選択できるようにすることを検討すべきではないか。
また、患者と直接関わることとなる生理学的検査は実習の割合を明記すべきだという強い意見をいただいております。
これらの意見を基に事務局の提案としましては、臨地実習における教育分野ごとの実習期間配分として、学生に実施及び見学させるべき行為の観点から、4単位程度は生理学的検査に関する実習を行うこととする、これを追加することを提案させていただきます。
また、国家試験の各受験資格で統一した基準とするため、指定規則及び告示の審査基準において追記することとするとしてはどうかと考えております。
13ページは、教育上必要な器具、備品または標本及び模型についての変更点について記載させていただいております。
要望で挙がっていました備品の変更に関する内容をこちらで吟味させていただきまして、特に事務局として何か追記・変更等求める意見は上がりませんでしたので、最終的には要望書の提案から変更なしの書きぶりで事務局提案として出させていただいております。
資料1については、以上になります。
○北村座長 ありがとうございました。
前回いろいろ御意見をいただいて、それをほぼほぼ取り入れた事務局提案になっていると思います。各項目に分けて先生方から御意見をいただきたいと思います。
まず、3ページ「臨地実習指導者の要件に関する事項」に関して御意見ございますか。医師及び医師と同等の学識経験を有する者というのを外す。それから、実習指導者は臨地実習指導者講習会を修了したものを1人置かなくてはいけないということです。よろしいでしょうか。
釜萢先生。
○釜萢構成員 前回も発言させていただきましたが、ここに書いていただいた意見の一番上ですので、同意でございます。
○北村座長 ありがとうございます。それでは、事務局提案のとおりということで、事務局よろしくお願いします。
次は関連して、講習会の開催指針等が書かれています。医師の研修のときの指導者講習会とほぼ一緒で16時間、2日でやると結構厳しいです。2泊3日でやるとちょっと余裕がありますが、職種においては技能拡大のときにはこういう実習を随分やっていただいて、やれることは間違いないということです。内容においても臨床検査の科学的な知識だけでなくて、教育のあり方やプログラムの評価、いわゆる教育的なことも講習会では教えられるということです。これは、この前と変わっていませんが、これでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
6ページは、新しい言葉で「臨地実習調整者」を専任教員から1名以上配置するという内容です。医師の臨床研修ですと、研修センターを置いて、そこに事務員や医師などがいますが、これに関していかがでしょうか。
奥村先生、大丈夫ですか。
○奥村構成員 この前もアンケートの結果をお示ししましたけれども、現時点でも8割以上のところが置いていますので、十分可能だと考えます。
○北村座長 特に、病院が3つも4つもあったりすると、学生が今どこで何をやっているかというのは、そういう人がいないと把握し切れませんので、ぜひ置いていただきたいと思います。
では、この点も事務局提案のとおりとしたいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
次に8ページ、9ページの表です。「臨地実習において学生に実施させるべき行為に関する事項」です。8ページは水準1、必ず実施させる行為、水準2、実習において必ず見学させる行為。9ページは、実習において学生に実施させることが望ましい行為、これは「必ず」がついていないです。3段階に分けてありますが、これに関して御意見をいただきたいと思います。
この表に赤が入っていますが、先ほど事務局の説明でありました聴性脳幹反応はできないところも多いだろうし、そもそも適応になる患者が必ずいるかどうかは、ほとんど脳死の判定ですから1週間回るときにそれを必ず見ると言われても困ると思います。
それから、睡眠時無呼吸検査もやっているところはたくさんやっているのですが、やっていないところも多いですし、記録を持って自宅に帰ってしまうと本当に寝ているときは見られないので、これを省くと。
それから、スパイロメトリーは見学ではなく必ず実施するほうにいき、スパイロメトリー以外の肺機能検査は見学のほうに残すと。それから、ABIを必ず見学する検査に入れるという変更案です。
8ページ、9ページまとめて何か御意見ございますか。お願いします。
○横地構成員 今回の事務局提案、非常にありがたいなと感じております。学生さんが実習に来るということで、普通の分析系だと座学だとか実習で一定程度のことは体験できますけれども、こういった形で患者さんに直接接することは臨地実習にとって非常に大事なことだと思っております。そういう意味で、12誘導ということで最初提案があったわけですけれども、実際に今、実施を受け入れている医療機関にいろいろなアンケートを取ってみても、肺機能検査のスパイロメトリーは7~8割ぐらいの施設で実際にやっていただいているケースがありますので、注意書きに書いてあるとおり、データそのものは我々検査技師がちゃんと責任を持って臨床には提供する、これは当たり前の条件ですので、これをしっかり守った上で、学生さんにぜひ経験をさせたいと思いますので、この提案でぜひよろしくお願いしたいと思います。
それから、水準2の脳幹反応、無呼吸の検査ですけれども、実際にこれだけの学生さんを12単位受け入れるとなると、非常にたくさんの医療機関に協力をいただかないとできなくなってきますので、そういう意味では、多少小さな病院になったときに「必ず」という文言がついていると、なかなかきつい部分もあるかと思いますので、ぜひこれはこういう形にしていただきたいと思っております。事務局提案に対して賛成を表明したいと思います。
以上です。
○北村座長 注意事項、備考のところをちょっと見ていただいて、学生が実施した検査の結果をそのまま臨床に提供することはせず、ちゃんと指導した人が確認する、あるいは必要であれば再度検査を実施するということがうたわれています。その下には、資格を有さない学生が診療の補助に関わることを患者から同意を得た上で実施すること、あるいは学生であることが分かる名札を着用するというようなことも含まれると思います。それも含めて御同意をいただきたいと思います。
あと、今見ていて、超音波検査で表在と下肢血管というものがあるのですが、これはできますか。
○横地構成員 超音波検査は、ぜひ見学をさせる行為として残していただきたいのですけれども、心臓、腹部、表在、下肢血管という形になっていますが、確かに表在や下肢血管については、実施回数はほかのものに比べると少ない。したがって、そのときに必ず見せられるかというのは多少懸念するところはあります。
また、もう一点、例えば、心臓エコーは検査部が担当しているけれども、胸腹部は放射線が担当しているという施設も中にはありますので、そういったケースのときには腹部に関しては、放射線技師がちゃんとやっているところに行って説明して見学をさせることは可能だと思うので、心臓、腹部辺りはいいと思うのですけれども、表在、下肢血管辺りをどう考えたらいいのか、構成員の先生方に少し御意見をいただければと。特に、現場の大塚先生などはどのように思われるのか、それから、釜萢先生などがどのように考えられるのか、ちょっと御意見いただけたらありがたいなと思います。
○北村座長 大塚先生。
○大塚構成員 表在、下肢血管に関しては、当院では当然、毎日必ずかなりの数やってはいるのですけれども、施設の規模によっては必ずしもそうでないところや、診療科のあるところ、ないところがありますので、私はメインは腹部でいいのではないかと思っております。
○杉浦構成員 よろしいでしょうか。表在に関してですけれども、甲状腺や乳腺があると思うのですが、乳腺に関しては女性が多くて、技師さんでも女性やないとあかんでと言われることがあるので、乳腺はなかなか難しいかも分かりませんね。
○大塚構成員 当院でも女性しか採っていないので。
○北村座長 私は、本当は胎児もやってほしいなと思うのですが、妊婦さんもやはり女性でないと、男の技師さんが来たら、見るだけでも絶対に嫌がられてしまいますし。
○大塚構成員 今はもう、そういう時代になってしまいました。
○北村座長 この水準2は必ず見学させるということなので、実施可能性も考えて、心臓、腹部だけで止めるということでよろしいでしょうか。
では、ほかの表在、下肢血管あるいは妊婦さんは、やってはいけないということではないですので、必ずではないということで御了解を得たということでありがとうございます。
○大塚構成員 1つよろしいでしょうか。検体検査のところで幾つか書いてありますけれども、これは方法は問わないという解釈でよろしいでしょうか。ありがとうございます。
○北村座長 血球検査を全部計算盤でやれなんて言われてもできないので、やはり機械でやってもらっていいと思いますが、本当は塗抹標本は手でやってほしいな。でも、一応ここでは細かい方法を言わないで実施するということでよろしいですか。
○横地構成員 もう一点いいですか。その他にCRCというものがチーム医療の中にあるのですけれども、治験コーディネーターということになるわけですが、この部分に関しても中小病院になると治験をなかなか受けられていないという部分もあって、逆に受け入れ施設のハードルになってしまうケースがあると思いますので、やっているところはぜひ見学をさせてもらいたいのですけれども、必ず見せる行為としてはきついところがあるかなという感じがあります。
○北村座長 確かに、治験施設は大分限られていますし、治験そのものがある程度クローズドな形でやられていて、学生がちょこちょこ内容まで見るわけにはいかないですし、CRCは外してもよろしいかなと、外さないと危ないかなと。「必ず」の中には入っていないほうがいいと思いますが。
NST(栄養サポートチーム)、ICT(感染対策チーム)、糖尿病は大丈夫ですか。糖尿病療養指導士がいないというのは、もうないですよね。検査技師さんも随分、糖尿病療養指導士の資格を持っていらっしゃる人もいますので。では、CRCだけ削除ということでお願いします。
あと、9ページは大丈夫でしょうか。採血が入っていますが、採血室業務(採血行為を除く)です。
では、今のことをまとめると、事務局提案のように、聴性脳幹反応と睡眠時無呼吸検査は除く、超音波検査で表在と下肢血管を除く、それから、その他のチーム医療でCRCを除くということでよろしいですか。ありがとうございました。
では、臨地実習に臨む学生の臨地実習前評価に関する事項を奥村先生に資料を出していただきましたので、お願いします。
○奥村構成員 協議会の奥村です。
事務局提案していただいたように、臨地実習が全部で12単位になりましたけれども、それから今、討議いただきましたように、必ず臨地実習でしなくてはいけない、実施させる水準1というのが決まりましたので、このようなことをちゃんとできることを確認した上で、臨地実習を引き受けていただくという責任で、1単位をこのように到達度評価の実技試験に当てるということで可能だと思いますし、ぜひ、このようにしたいと思います。
あと、指導ガイドラインにそのことを入れていただくということで、これも問題ないと思いますので、そのようにお願いします。
次に、指導ガイドラインをいろいろな先生方から御意見をいただいて、事務局がこのようにまとめてくださいましたけれども、とりあえず先ほど認めていただいた、必ず実施するという水準1に基づきまして、このようなことを実習前に評価のポイントとしてやりたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○北村座長 医師も臨床実習に行く前に、共用試験機構が行う共用試験CBT(Computer Based Testing)とOSCEの両方に合格し、そして、全国医学部長病院長会議が発行するスチューデント・ドクターという名札をつけて臨床実習に出ると。1つの病院にもいろいろな大学から実習に来たりしますので、学校によってレベルの差がないように、1つの基準できちんと知識も技能も担保された人が出てくるというお約束なり、そういう仕掛けができています。将来的には、ぜひ技師さんもそういう全国統一の試験があればいいとは思いますが、一気には難しいので今回初めて、臨床実習に臨む学生の臨地実習前評価を1単位使って必ずやらなければいけないと。そして、その内容に関しては、まだガイドラインレベルですが、11ページに書いてあるようなこと等でしっかりと試験、OSCEや血液、ストリッヒを引いて検鏡するまでやってみるとか、いろいろなことがあると思いますが、そういう試験を評価して、当然合否を認めるのは学校長ですよね。
○奥村構成員 そのようなことが本当は望ましいと思うのですけれども、当分の間はその試験に合格しないから実習に行けないという強いものではなく、何度か再試験をして必ずできるようになって行ってもらうという趣旨で始めさせていただきたいとは考えております。
○北村座長 一発の試験でやるというのも大変ですから、追試あり、再試ありで。
これに関して、皆さん御意見ありますか。
○奥村構成員 追加でよろしいでしょうか。先ほどお認めいただいた、呼吸機能の中のスパイロメトリーを事務局提案で入れていただいたのですけれども、ガイドラインにどういうものを見るのかが入っていないものですから、今日の参考資料5で、私ども協議会でどのようなものを評価するかという、11ページと同じようにつくったものを資料としてつけさせていただいておりますので、同時に見ていただき、また意見をいただきたいと思います。
もう一つ、先ほど座長からもございましたが、全国的な統一化が今度の段階ではまだできませんので、杉浦先生からもよくおっしゃっていただいている、スチューデント・ドクターのような名札を全国的に出すわけにはまだいかないものですから、それぞれの施設の臨地実習前の評価試験が終わって臨地実習をしていいよというものを各学校に出していただくように、そのフォーマットはまた考えたいと思いますけれども、そのように最初の段階、今回のところは考えて準備したいと思っております。
以上です。
○北村座長 ありがとうございます。
杉浦先生。
○杉浦構成員 受け取るほうとしても先ほどありましたように、患者さんの同意を得るときに、そういうバックグラウンドが分かっていたほうが私たちとしても紹介しやすいということと、医学生の場合は学生のモチベーションを上げるのに要るのと、医学科においては白衣授与式を合格した人に各大学がやっていて、医学長が臨床実習に行く前に学校から白衣をプレゼントする。それも技師さんでしたら技師さんの服などを学校から授与してあげたら、学生のモチベーションも上がるのではないでしょうか。
○北村座長 看護師は戴帽式と言って、キャンドルサービスをやります。通過儀礼ですけれども、こういうセレモニーをやる前はただの専門学校生が看護学生になったり、単なる大学生が医学生になったりして、心の教育にはいいのではないかと思いますが、絶対やれと言うわけにはいかないですよね。
○奥村構成員 御提案いただいたようにできるように、私ども協議会としても努力したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○北村座長 そのときは、ぜひ御父兄も呼んでいただいて、励みになりますし。やはり親御さんがしっかり育てるという気持ちがあると、本当にトラブルも少なくいくと思いますので、ぜひ白衣授与式あるいは名札授与式等をお願いしたいと思います。
ほかに御意見等ございますか。
○横地構成員 全体的なことでよろしいですか。今、臨地実習のお話で資料の説明を全体的にしていただきました。その点に関して、全体的なお話を少しさせていただきたいと思います。
実際に、臨地実習の単位数も増やしていただいて、指導者の要件もちゃんと決めていただいて、それから、水準1、2というさらに実習できたらこういうこともさせてほしいというところまで踏み込んで今回議論していただき非常にありがたいと思っています。我々職能団体としては、これは非常に真摯に受け止めてこれからやっていきたいと思っているのですけれども、学校協議会のほうには単位数が増えたことに対して、いろいろ御苦労をおかけした部分もきっとあったのではないかと思うのですが、ここまでこられて非常にありがたいなと思います。ただ、今後これだけの学生さんを受け入れる施設の確保や医療機関側の指導者の確保については、うちの団体としては積極的に取り組んでいきたいと考えております。
また、教育協議会と協力しながら実習生のマッチングをしっかりやっていかないといけないだろうと思っていますので、その辺もぜひ、そういう方向で十分に展開していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
○北村座長 ありがとうございます。医師もそうですが、医療従事者というのは自分の職種の若手を育てるというのがサービスではなく仕事ですよね。そういう感覚で取り組んでいただけたらありがたいと思います。よろしくお願いします。
もうちょっとあるんですよ。12ページ、臨地実習における教育分野ごとの実習期間配分、これも今までは実習時間3分の2以上は病院または診療所において行うことと書かれているのみだったのですが、新たに4単位程度は生理学的検査に関する実習を行うことという一文を入れようということです。
13ページは機械器具です。古いもの、あまりもう使わないようなもの、昔はいわゆる産業衛生もやっていたので照度計などもありましたけれども、そういうものを削って現代風に変えるということですが、これも含めて資料1全体でいかがでしょうか。4単位が生理学に行くという今の流れは。
○横地構成員 今回、今の医療機関で実際に実習生を受けているところのアンケートを取らせていただいたときに、どうしても検体検査の分野から生体検査に少し仕事がシフトしていっているという流れがあります。そういう中で、今回水準1や2に登録していただいたいろいろな行為を学生さんにしっかりやっていただく、確実に見て行為についてちゃんと確認していただくという意味から考えますと、現状、臨地実習7単位以上やられている学校はたくさんあるわけですけれども、そういったところの学生を受ける側の医療機関として、どれくらいの時間を費やしているか少し調査をさせていただきました。その関係で、今の水準1、2をちゃんとやっていただくためには、どうしてもこのくらいの時間が必要だろうということで、実際に学生さんが患者さんと対面するという仕事の部分、この辺を充実していきたいというのが今回の大きな目標の一つですので、ぜひこの4単位は事務局提案どおり認めていただきたいと思っております。
○北村座長 実際、検体検査がかなり機械化されてきていますし、これからもどんどん機械化される中で、臨床検査技師の働き方を考えると、生理学的検査をしっかり確実にやるというのは国民に求められていることなので、4単位4週間程度は当たり前ということでよろしいでしょうか。
機材に関してはいかがでしょうか。これも大丈夫というか、減るだけですので。
では、資料1全体に関していろいろ訂正がありましたが、ここで出たとおりということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは、資料1に関しては終わりとして、議題2にいきます。「教育内容の水準統一に関する事項について」、事務局から資料2-1、資料2-2の御説明をお願いします。
○医事課(板橋) 資料2-1を御覧ください。教育内容の水準統一に関する事項について、まとめさせていただきました。
2ページを見ていただきますと、臨床検査技師の国家試験受験資格については、法律第15条1号から第2号、第3号と分かれております。法律第15条2号、施行令第18条3号に関しては、イ、ロ、ハ、ニ、ホという分け方があり、イとしては、職種として獣医学または薬学の大学を卒業した者。また、ロとしては、それら以外の獣医師、薬剤師がいらっしゃいます。また、ハには保健衛生学科の大学を卒業した者。ニとして告示21の12科目を大学にて履修した者として科目承認校、そして外国の医学、歯学、獣医学、薬学の大学を卒業した者に対して告示22に定める科目について履修した方々に国家試験の受験資格を与えられるという状況となっております。ですので、法律の第15条1号で掲げる文部科学大臣が指定した学校、または都道府県知事が指定した養成所は、指定規則で定めているのに対して、法律第15条2号、施行令第18条3号で定める方々については、告示22で定めるものを履修した者が国家試験を受けられると、定める内容が異なっている状況でした。
これらの状況を踏まえ、今回の検討会の中での前提として教育の内容をそろえるということがありましたので、今回、教育の水準を見直すということで告示の内容も見直していくべきだということが動き始めました。
3ページ告示の協議の審査基準です。第1回のときに提示させていただいたもので、現行の指定科目ごとの時間数、また教育の内容について定める内容となります。
4ページに移ります。これらの状況に対し事務局の提案としましては、告示が見直し後の指定規則と同等の教育内容となるよう、科目とその審査基準を見直すこととしてはどうかと考えております。また、併せて告示21と22を統合するとともに、施行令第18条3号で掲げるイ、ロ、ハ、ニ、ホを統合し、統合後の告示と審査基準を満たす教育内容を修めることを国家試験の受験資格とすることとしてはどうかと考えております。これらについて先生方の御意見を後ほどいただければと考えております。
5ページについては、これらの対応の具体的な方法として事務局の提案としましては、第18条3号に掲げるイ、ロ、ハ、ニ、ホで分けているものを1つにまとめる書きぶりとしております。ただし、イ、ロなどでまとめている獣医学、薬学を正規の課程で修める卒業者、また獣医師または薬剤師の方たちが受験できなくならないようにするため、1つの文章の中で同様に記載されているようなイメージとさせていただいております。
6ページです。告示で定める科目に関する事項について述べさせていただいております。
今まで告示21で定める科目が1~12の科目、告示22で定める科目が1~6の科目とされておりました。告示21で定める検体検査の科目と告示22で定める生理学的検査及び採血、検体採取に関する科目をまとめることで、臨床検査の科目として1~14の科目としてはどうかという提案となります。
告示21、22を統合するとともに、見直し後の指定規則と同等の教育内容となるよう告示に定める科目を見直し、14科目としております。
なお、告示22で定める「放射性同位元素検査技術学」については、検査技師の業務において放射性同位元素検査が行われることが少ないことから、告示の指定科目ではなく「臨床化学」の教育内容に含むものとしており、「放射性同位元素検査技術学」については告示の審査基準の中で定めてはどうかと考えております。
また、指定規則の各教育内容で定める単位数及び教育内容(臨地実習を含む)は、告示の審査基準の中で定めるとしております。
臨地実習についても同様の対応を取れればと考えております。
また、臨地実習において学生に実施させるべき行為は、告示の審査基準の中で定めるとしております。
7ページに移ります。告示で定める科目に関する事項として、審査基準、具体的な内容について記載させていただいております。
告示で定める科目の教育内容と時間数は、改正する指定規則の専門基礎及び専門分野の教育内容と整合性を担保する内容に見直すこととしてはどうかと考えております。
また、告示については審査基準で定める時間数は単位数に改め、具体的な教育内容は指導ガイドラインの教育目標に記載のある関連内容を除き、参考とするという書きぶりとしてはどうかとしております。
今回まとめている図に関しては、左側が指定規則、指導ガイドラインの見直しとして挙げている内容となっております。右側に関しては、今回の告示の審査基準として、事務局提案として載せさせていただいたものとなります。対応するような形で見ていただければと思います。
同様の形で8ページ、9ページと各分野の内容を記載させていただいております。
10ページに移っていただければと思います。告示で定める科目に関する事項で、臨地実習について特出しして記載させていただいております。
ここで定める臨地実習に関しては、まず大きく分けて3つの枠として形をつくらせていただいております。まずは臨地実習の内容について。それから、臨地実習施設において臨地実習指導者の配置に関する内容を定め、また、臨地実習に臨む学生の臨地実習前評価に関する実施、これら3つを掲げるような形で提案させていただいております。
臨地実習の内容については、単位数は指定規則、指導ガイドラインと同様の12単位とする。また、1単位は臨地実習を行う前の実習前評価、そして実習時間の3分の2以上は病院または診療所で行うこと、4単位程度は生理学的検査に関する実習を行うこと、これら指定規則と同等のものを入れさせていただいております。
実習の内容については、指定規則で定める臨地実習において学生に実施させるべき行為をそのまま反映させるべきではないかと考えております。また、同様に、指導ガイドラインで定める臨地実習において、学生に実施させることが望ましい行為についても同等と考えております。
また、臨地実習施設における臨地実習指導者の配置に関しては、実習施設において養成施設は以下のいずれの要件も満たす臨地実習指導者を1名以上配置する施設であることを確認の上、実習施設として認定するようにしていただければと考えております。また、各指導内容に対する専門的な知識に優れ、臨床検査技師として5年以上の実務経験を有し、十分な指導能力を有する者であること。そして、厚生労働省が定める基準を満たす臨地実習指導者講習会を修了した者であること、これら条件でできればと考えており、ただし、在宅医療で行う実習については、臨地実習指導者を医師または看護師とすることを妨げないこととしてはどうかとしております。これは指定規則と同等のものとなります。
また、同等の内容としまして、臨地実習に臨む学生の実習前評価の実施に関しても記載させていただいております。
資料2-1は以上となります。
資料2-2を御覧ください。今回、資料2-1としてまとめさせていただいた内容が概要になりまして、それらの詳しい情報を資料2-2としてまとめております。
まず、臨床病態学から指定科目として記載させていただいているもの、めくっていただきまして、各項目で具体的に何を学ばさなければならないかをこちらで記載させていただいております。
事務局として告示の内容の審査基準、今まであったものをどういった修正をすべきかを、皆様方の意見を聞きながら作らせていただいたものが資料2-2となります。資料2-2の抜粋した情報が資料2-1に書かれていると見ていただければと思います。
以上です。
○北村座長 ありがとうございました。
法律あるいは告示に関しては皆さんのほうが詳しいと思いますが、いわゆる第15条1号に決める普通の大学あるいは専門学校を卒業した人以外の、主に獣医・薬学及び保健衛生大学を出た人に関するルールをすっきりさせようということで、告示21、22を合体して14科目にしようということですが、これに関しては前回までに大体合意を得ているという理解でいいですか。
6ページを見てください。ここに臨床病態学から始まって14科目が出ています。
釜萢先生が1番に関して御意見があると聞いたのですが。
○釜萢構成員 北村座長が著書を出しておられることも調べまして、私の認識がちょっと足りなかったということでございます。
○北村座長 看護には「臨床病態学」という言葉もあります。されど、この内容を見ますと、人体の構造や機能、生理学とか、いわゆる医学で言う基礎科目の解剖や生理、生化も入っています、病理も入っています。そういうことから考えると「臨床」というのはあまり意味をなさないので「病態学」でどうかなというのが御提案ですが、どうでしょうか。
○東田構成員 確かに、臨床病態学というのはかなり幅広い分野になるので、極めて適切な名称をつけるのは現実問題難しいと思いますので、「臨床病態学」はこれでいいと思いますし、それ以外の項目で「臨床血液学」が「血液検査学」になった、あるいは「臨床免疫学」もそうですけれども、臨床血液学というのは検査と関係なくて、白血病患者さんの診療や治療のイメージがあるので、これは「血液検査学」みたいに検査を明確した右側の名称は非常にいいと思います。
ただ、1つ問題点としましては、国家試験の出題基準があるのですけれども、令和3年版の一番最新バージョンは逆に前の「臨床血液学」になっていますので、一番最初の会から私は、検査の現場に近いような名称に統一すべきみたいなことを言っていながら、自分が担当しております技師国試の出題基準は旧来の「臨床免疫学」や「臨床血液学」というのが項目の見出しになっているので、令和6年度か7年度に国家試験出題基準を変更するときには、いろいろな教育の現場、試験の現場あるいは臨床の現場で名称を統一すべきかと思いますけれども、出題基準に関しては令和3年度版がつい最近できたばかりですので、名称の齟齬がありますけれども、それはそれで今後の課題として残しておきたいと思います。
○北村座長 「臨床病態学」と「病態学」はどちらがいいですか。
○東田構成員 資料2-2を見ると内容が盛りだくさんなので、何がいいというのはなかなか難しいですけれども、「臨床病態学」あたりが落ち着きがいいのではないでしょうか。
○北村座長 やはり「臨床」はあったほうがいいですか。
○東田構成員 なくても病態は原則臨床ですけれども。
○北村座長 ダブっているかなという気もしますが。
○大塚構成員 学会の名称の流れとして、検査の人たちが関わっているものは大体「臨床」とつくんですよね。血液学会が例えば、検査の人たちがたくさん入っている学会だと「臨床血液学会」とか、感染症なども感染症学会とは別に、検査の人が多いものは「臨床微生物学会」と言ったりするので、教科書はみんな「臨床微生物検査学」などになっていますし。
○北村座長 臨床血液というと医者が多かったので、今は「血液検査学会」になっていますから、名前は難しいですね。
○大塚構成員 臨床検査技師だから、多分「臨床」とつけているのかなと思ったのですが。
○北村座長 臨床検査技師はもう定着しているから、それはいじらないほうがいいような気がしますが。
杉浦先生、どうですか。
○杉浦構成員 「臨床」があってもいいとは思いますけれども、何とも。
○北村座長 釜萢先生。
○釜萢構成員 医師の立場からすると、病態学はよく分かっていますけれども、臨床病態学という学問がどういうものを示すのかよく分からなかったというのが質問した趣旨だったのですが、臨床検査技師の方々は皆さんよく使っていらっしゃるということで共通の認識であれば、私は特に異論はありません。ただ、内容を見ると、北村座長がおっしゃるように「病態学」でも、そうそごはないように思うのですけれども、他とのバランスでこういう名称をつけたいという御要望であれば別に反対はいたしません。
○北村座長 どうぞ。
○奥村構成員 事務局と相談させていただいて、このような名前の提案になったいきさつがあるのですけれども、臨床病態学はちょっと置いておいて、ほかの科目につきましては、この間から認めていただいているのが、指定規則が「微生物学的検査」となったものですから、告示は「微生物検査学」にさせていただいているのですけれども、もう一つ遡りますと、昨年かその前に決めていただいた検査の名前が省令で統一されたということもありまして、例えば「尿・糞便等一般検査」という名前もそのときに採用された名前だったものですから、将来、国家試験の出題基準なども統一した名前にしていただくには、多くの臨床検査技師さんが「臨床」という名前をつけたいという気持ちも分かるのですけれども、基の法律から引っ張ってきますとそういうことなものですから、この辺が落ち着きがいいのかなということで、検査の名前についてはそのように提案させていただきました。
「臨床病態学」につきましては、皆様方の御意見をいただいて決めていただければといいかなと思います。
以上です。
○北村座長 どうぞ。
○横地構成員 ここのところで事務局提案として新しい告示案が出ているわけですけれども、ここに14科目が表示されていて、ほかのところで全て「臨床」がついていない部分があるので、私はここで「臨床」という言葉にあえてこだわる必要性があるのかなと疑問に思っているところも若干あります。確かに構成員の先生方が言われているとおり、病態学というのは全て臨床というイメージは皆さんがお持ちですので、私はほかの並びも含めて「病態学」でもいいのかなという気は少ししています。
○大塚構成員 「病態学」については全然。
○北村座長 「病態学」にしましょうか。では、1番は「病態学」にして、2~14番はここに書かれたとおりにするということで、将来国家試験と一緒がいいと思いますので、国家試験を変えるタイミングでここも変えていただいたらいいと思います。
その次ですが7ページ、8ページを見ていただいて、実は8ページの右側の上から3つ目の「尿・糞便等一般検査学」の内容を見ると、尿・糞便に加えて寄生虫学があって、これもやると寄生虫、さらに感染症も当然今後出てきますが、そういうものを考えると、この2単位は非常に少ないのではないかと。3単位にという御意見があるやに聞いています。総単位数を増やしたくないので、削るというのは語弊がありますが、余裕があるとしたら7ページの公衆衛生が5単位5週間も要るかという御意見を聞いておりますが、要するに公衆衛生を4にして、尿・糞便等一般検査学を3にしたらどうかという御意見ですが、いかがなものでしょうか。
○奥村構成員 協議会のほうから御説明させていただきたいと思います。日本臨床衛生検査技師会(日臨技)の先生方や検討委員会の下の作業部会で検討させていただいていたのですけれども、今日ここにお示ししましたような審査の内容を検討していく中で、今、座長から御説明がありましたように、従来「医動物学」などと言っていましたが、今は「寄生虫学検査」となっているのですけれども、従来養成校では、ここだけで2単位ぐらいを実施させていただいていました。外国から働きにこられる方や旅行の方が非常に多くなっている状況で、寄生虫を持っている方は減ってはいるのですけれども、見逃してはいけない重要な検査なものですから、尿・糞便等の検査と併せて2単位というのはちょっと厳しいかなということで3単位にさせていただいて、その分、公衆衛生で地域医療や在宅医療、予防医学を入れていただいているのですけれども、5単位はかなり余裕があるかなということで、そこを1単位減らして4単位にしていただいて、尿・糞便等一般検査学の教育目標にあるように、寄生虫学を入れて3単位にさせていただくのが教育協議会のほうからはいい教育ができるのではないかということで、変更になって申し訳ないのですけれども、そのような提案をさせていただきたいと思います。
以上です。
○北村座長 ありがとうございます。寄生虫疾患が増えているのか減っているのか分かりませんが、少なくともちゃんと教えられなければいけないものだと思っています。もちろん、海外に行けばもっと多いでしょうし、国内でもいろいろまた復活していたりしますので、決して公衆衛生をないがしろにするわけではないのですが、バランスから言って公衆衛生4の一般検査3あたりが妥当かと思いますが、御意見いかがでしょうか。では、ここはそういう変更でお願いできますか。     
ほかに単位数などを見ていただいてどうでしょうか。
○医事課(板橋) 事務局からよろしいでしょうか。今、単位数の変更のことを言われていたのですが、確認として教えていただきたいのですけれども、告示での単位数の見直しとともに、指定規則の単位数も反映され同じ変更となることを考えられているという認識でよろしいですか。
○奥村構成員 今になって申し訳ないのですけれども、そのような変更が可能であればお願いしたいと思います。
○医事課(板橋) ありがとうございます。
○北村座長 やはり全部ちゃんと変えたほうがいいと思いますので、よろしくお願いします。
ほかの単位数は大丈夫でしょうか。
○福島薬学教育専門官 文部科学省からお話しさせていただくと、例えば、資料2-1の10ページにあります、これは資料1にも同じようなことが書かれているのですけれども、臨地実習前の達成度評価を図る授業として1単位の授業をすることになっているかと思いますが、大学設置基準におけるいわゆる単位の考え方をしっかりと踏まえた形で、この1単位を修得していただく必要があるということだと思っています。例えば、講義及び演習については15~30時間までの範囲で大学が定める授業の時間をもって1単位、また、実験・実習・実技については30~45時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもって1単位とするとなっているわけです。例えばこの資料に書かれている表現ですと「実技試験等」ということで、試験がその中に入ってくるということですけれども、試験というのは実験・実習・実技には入らない形で授業時間を組んでいただくのが設置基準の考え方ですので、この1単位が単なる試験的なものだけで終わるということではなくて、関わる実技をしっかり修得するプロセスの中での1単位としていただく必要があると考えております。
また、CBT、OSCEが大学で単位化されているかを今確認したのですけれども、薬学については、あくまでも外部試験のために大学での単位化はされていないということです。それと医学部については、各大学の判断と今私が確認したところではなっておりますので、少なくとも薬学については単位化されていないということもありますので、そういったことも踏まえて、1単位を実質化していただくことを担保していただきたいと考えております。
○北村座長 奥村先生、いかがですか。
○奥村構成員 御意見ありがとうございました。単なる試験ではなく、先ほども申しましたように、学生さんが臨地実習に行くのにふさわしい技能を持っているかを試験するのですけれども、その後、振り返りを必ずやってもらうようにするわけですから、教育というか指導、その前にちゃんとできるかどうかを確認するという意味で、試験と言っていますけれども、必ず振り返り、必ずできるようになるという指導をしているのですが、単位とするときに適切な学問的用語がないというのが現状だと思うのですが、内容については文部科学省さんが言われる大学などの授業の内容から言えば、そごはないのではないかと考えているのですけれども、適切ないい学問的な名前をつけることが非常に難しいというところはあると思います。
○北村座長 では、医学部を御紹介しますと、名前は「臨床実習前実技講習」みたいな、ここで言えば「臨地実習前技能習得」です。実際何をやっているかというと、大学によってやり方は違うのですが、一番典型例は2~3週間、単位数にして2単位、3単位を診察や救急の手技、OSCEに出るような手技の勉強、先生が説明し、ビデオで見せ、お互いにやってみて、それを何度か繰り返して、全ての手技ではないですが、このどこかの手技が今度のOSCEに出ますよと。救急に行ったら、息のない人、息のある人とかいろいろ分けて救急の手技をやると。採血へ行ったら採血をやるとか、いろいろなことを1週間かけて学びます。最後の単位認定にOSCEがあるという位置づけで、OSCEそのものを1単位としているわけではなくて、単位認定としての試験で共用試験が行うOSCEを利用しているというのが一番典型です。
ただ、今言ったのもの欠点は、1週間わーっと覚えさせるんですよ。そして最後にOSCEをやって、その後分かるでしょう、忘れるんですよ。東京大学はちょっと凝っていて、毎週水曜日を半年くらいずっとやっているんです。水曜日は実技を学ぶ練習の日にして、半年後に試験だけやって、例えば、毎週水曜日の集まりで1単位か2単位を与えるという形で、決して1週間まとめてやる必要はないのですが、1単位といってもバラバラで結構ですが、教育期間をやった上で試験をし、その試験に合格したら実地に入れていいという仕掛けがいいかなと思います。もちろん振り返りが大事なのですが、教育期間のところで重要な試験をやってそこで振り返ってみたり、駄目だったらビデオをもう一回見直すなりの振り返りをするのですが、最後の通る、通らない、pass or failの試験は振り返りなしで、これで落ちたら、あなたは留年という厳格な試験でやっています。
○奥村構成員 ありがとうございました。私の説明が足りないところもありますし、先ほどお話ししたように、各養成校でまだやっていないところもある実情なものですから統一されていないのが現状なのですけれども、私どもの大学でも試験をする前に、今までの先輩からどういうことが出るかを聞いて、春休みの間に出てきて自分たちで練習したりしていますので、そういう意味では、先ほど出てきた14科目のうちの10科目ぐらいはそれぞれ実習がありますので、今回資料に出ている内容は非常に少ないのですけれども、私どもとしては授業しているものは全て、ここに書かれていないもの含めてやってもらうようにしたいと思っていますので、自分たちで勉強するところも含めて最後に試験するということで、名前はどういうものがいいか分かりませんけれども、さっきの御提案を聞いていて「臨地実習前の技能実習」とか、そのような単位にふさわしい名前にしたいと思います。細かいところは事務方と御相談させていただいて、いい名前にしたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。
○福島薬学教育専門官 私は、中身をしっかり充実していただければ駄目とは全く言っていませんので、単位の実質化というところを踏まえていただくような形で仕組みをつくっていただければと思っています。
○北村座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○坂本構成員 神戸常盤大学の坂本でございます。
本校では自主的に1単位分を設けまして、例えば、第1週は心電図、第2週は検体検査、第3週は病理と、1~3年生までの全ての実習を系統立ててきちんと行って、8回分の授業に相当するものを行い、最終的に試験をやっておりますので、単位として設けることは各大学でも十分可能だと思います。
以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
変えてからも実際に施行されるまでに時間もありますので、模範校の実例を皆さんに広めていただくといいかなと思います。
ほかに、資料2-1、資料2-2でいかがでしょうか。では、特に単位ですが、公衆衛生を1つ減らして4単位、一般を1つ増やして3単位とすることを含めて、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
以上で、今日用意した議題2つは終わりなのですが、その他に関して御発言ございますか。
○川本専門官 事務局でございます。先生方には、御議論いただき、ありがとうございました。今回特に資料2-1、資料2-2に関しましては、本日初めてこの場で御提案させていただいた内容になります。この資料の作成に当たりましては、構成員の皆様方にも多大な御協力をいただき、この場で改めて感謝申し上げます。
今回、各科目承認校と言われる受験資格が多岐に分かれているところも含めて、告示で定める科目、審査基準を指定規則、ガイドラインに合わせるべくどのようにしていくかということで、このような形を提案させていただいたところでございます。その中で、今回の大きな目標でもございました、一つは全体の教育内容を合わせるということ、また、さまざまな検査技術も高度化する中で臨地実習を充実していくというところもあったかと思いますが、このような内容で統一していくということでよろしいでしょうか。
○北村座長 どうぞ。
○奥村構成員 私どもの協議会には今85校の養成校の方が入っておられます。その方々にはアンケートを取れたのですけれども、入っていただいていない学校さんで臨床検査技師の受験をしている学校さんが、薬学の方や管理栄養士の養成をしている大学で10校ぐらいあるのですけれども、アンケートを取るときに担当の方などと連絡がうまくつかなくて御意見を聞いていないのが現状なものですから、大至急御意見を聞いて、このように臨床検査技師の免許を取られるならば、同じような教育を受けた上で国家試験を受けていただくことを理解していただくように御意見をいただきたいと考えております。
○北村座長 ありがとうございました。やはり実習が12単位ボンと増えるのは大変みたいですが、そういう学校は協議会に入るのですか。
○奥村構成員 リジェクトしているわけではないのですが、それぞれ専門教育の協議会に入っておられることもあると思いますが、ただではないものもあると思うのですけれども、もちろん栄養士さんなどで入っていただいているところもありますけれども、入っていただいていなくても、いろいろな方々が国家試験を受けられるシステムになっていますので、そういう方々の御意見も確認したいと思っております。
○北村座長 これを機会にぜひとも、メンバーになる、ならないは別として、御意見を聞くルートをつくっておいていただくといいかなと思います。
○杉浦構成員 ちょっと教えていただきたいのですが、資料2-2のさっき先生がおっしゃられた臨床病態学なのですけれども、左上の「臨床病態学」を指定科目では「病態学」に変えられるのですよね。でも、1ページの下の1番に「臨床病態学」が残っていますが、この「臨床」は残すのですか。というのは、下は割と疾病のことなどがあるわけですから。
○北村座長 解剖学と同じ並びなんですね。
○杉浦構成員 例えば、9番が「臨床栄養学」になっていますよね。
○北村座長 栄養学は別にあるので。
○杉浦構成員 栄養と臨床を別に分けているのであれば、病態学も1ページは疾病の原因とか症候とか検査、割と臨床的な病態学ですよね。
○北村座長 先生のおっしゃるとおり、一番角のところは「病態学」にし、1番は残しておくというのが妥当ですね。分かりました。
ちょっと細かい文言は座長預かりということで、事務の人と見てみます。
ほかにいかがでしょうか。時間は予定より少しありますので。決してこれで終わりというわけではなくて、奥村先生がおっしゃったように、薬学あるいは獣医で実習を12単位にすることが難しい学校もあるかもしれません。されど、今回の新型肺炎に見るように、臨床検査あるいは臨床検査技師の役割というのはますます大きくなり、また、正確な検査に基づいてやらないと、それぞれの個人の人生も変わりますし、偽陰性が何パーセントあったとか、擬陽性が何パーセントあった、擬陽性なんかあったらもうアウトですよね、人生が全く変わってしまいますから。そういう検査の意味を考える上でも今回の事件は大事だったと思うので、それを踏まえると、そう簡単に実習はまけておきましょうという話にはならないと思います。国民のために役立つ臨床検査技師はどんな人かを我々で考えていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。
○奥村構成員 追加させていただきたいのですけれども、私どもの協議会に入っている施設の人たちは、みんなクリアしているのかというとそうではなくて、臨床工学士とダブルライセンスを取る大学が幾つかありますし、そうではないところで実際には4単位か5単位しかやっていないというところが12単位になるということで、みんながみんな簡単にできるわけではないのですけれども、少しクリアが難しいような目標をつくって、今、北村先生が言われたような社会の要請もありますので、そのような目標に向かっていくということで、私どものところに入っているからみんなクリアしていて、入っていないからクリアしていないということではなく、入っているところでも実際はまだやっていないところ、今の法律に基づいているのでやってくれていないところがあるので、そういうところに関しては、協議会に入っていてもかなりハードルが高いということを理解していただきたいと思いますので、付け加えさせていただきます。
○北村座長 ありがとうございました。
ほかに御発言ございますか。よろしいでしょうか。事務の皆さんもお忙しいから、早く終わったほうがよろしいかと思います。
課長、最後に一言。
○佐々木医事課長 ちょっと遅参いたしまして申し訳ございません。
今日も熱心な御討議をいただきまして、ありがとうございます。特に、いろいろと今後社会的な要請を踏まえて、実習を含めて充実していくというところで、先ほど協議会の方からもお話がありましたが、関係するところにも追加的に確認をした上で、また事務局としても座長と御相談しながら、次回の検討会に向けた資料を準備してまいりたいと思います。
○北村座長 では、事務局から。
○川本専門官 事務的な連絡でございます。次回の検討会の日程につきましては、また、追って調整の上、御連絡させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○北村座長 それでは、どうもありがとうございました。

(了)

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