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2020年1月9日 臨床検査技師学校養成所カリキュラム等改善検討会(第2回)議事録

医政局医事課

○日時

令和2年1月9日(木)13:00~

 

○場所

厚生労働省専用第21会議室(17階)
東京都千代田区霞が関内幸町1-2-2 中央合同庁舎5号館
 

○出席者

大塚 喜人 (亀田総合病院 臨床検査管理部長)
奥村 伸生 (信州大学学術研究院保健学系検査技術科学専攻 教授(日本臨床検査学教育協議会 理事長))
釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会 常任理事)
北村 聖 (東京大学 名誉教授)
坂本 秀生 (神戸常盤大学保健科学部医療検査学科 学科長(日本臨床検査学教育協議会 副理事長))
山藤 賢 (昭和医療技術専門学校 校長(日本臨床検査学教育協議会 理事))
杉浦 哲朗 (関西医科大学総合医療センター 病院長)
東田 修二 (東京医科歯科大学大学院医師学総合研究科全人的医療開発学講座臨床検査医学分野(日本臨床検査医学会 支部理事))
矢冨 裕 (東京大学大学院医学系研究科内科学専攻病態診断医学講座臨床病態検査医学分野 教授(日本臨床検査医学会 理事長))
横地 常広 (日本臨床衛生検査技師会 会長職務代行 代表理事 副会長)
 

○議事

○川本専門官 それでは、お時間になりましたので、ただいまから第2回「臨床検査技師学校養成所カリキュラム等改善検討会」を開催します。
構成員の先生方におかれましては、本日は大変お忙しい中、御出席を賜り、まことにありがとうございます。
構成員の欠席等についてでございますが、本日は全員の御出席となっております。
マスコミの方の撮影は、ここまでとさせていただきます。
それでは、資料の確認をさせていただきます。
本検討会では、前回に引き続きペーパーレスを実施していくこととしておりまして、構成員の先生方にはタブレットを御用意させていただいております。
お手元のタブレットから、資料をごらんください。タブレットの上の左側のブルーの字の矢印のところを押していただければ、資料の全体のリストになります。
上から、座席表、構成員名簿、議事次第、開催要項。
そして、資料1-1~1-3。
資料の2。
参考資料1-1~1-4、2-1~2-3。
参考資料の3、4、5-1~5-2、6、7。
以上でございます。何か過不足等ありましたら、お手をお挙げくださいませ。よろしいでしょうか。
それでは、以降の進行につきましては座長にお願いいたします。
○北村座長 皆さん、あけましておめでとうございます。ことしもよろしくお願いいたします。
お手元に、議事次第が開かれているかと思います。本日の議題は、1番が「第1回改善検討会の主な意見と事務局提案について」、2番が「臨地実習の在り方等に関する論点について」ということで、先生方は御理解かと思いますが、前回というか、会議をやって御意見をいただいて、それを事務局が次のときまでにまとめて事務局提案として出してくるという形でやっていっております。前回の第1回の議論にありましたところを事務局提案にまとめたものが議題1です。
それで、議題2は今回新たにまた論点できょう御意見をいただいて、次回までに事務局提案にまとめていただく内容というふうに御理解ください。
それでは、1番の「第1回改善検討会の主な意見と事務局提案について」、御説明をよろしくお願いします。
○医事課(板橋) 事務局です。資料1-1「第1回改善検討会の主な意見と事務局提案」をお開きください。
ページをめくっていただきまして、まず2ページ目は全体のスケジュールとなっています。
第1回、12月11日に意見確認対象としましたものが1の(1)~(2)、または2の(1)となっています。今回、先生方に御意見をいただきたいと考えているところは2の(2)以降、3の(1)までとなります。
3ページ目です。第1回に構成員からいただきました御意見を並べさせていただいています。
大きく分けて、1つ目としましては教育内容とその単位数の見直しについての事項です。認知症検査概論や臨床病棟検査概論などのあまり使わない用語が教育内容、教育目標に散見されるため、文言の微修正は必要ではないか。また、95単位から102単位への変更、臨床実習にして12単位くらいは教育現場では難しい点もあるが、自主努力をして達成するくらいのハードルを設定すべきではないか。という意見をいただいています。
また、2つ目に「指定科目の審査基準」の見直しに関する事項について御意見をいただいております。主に指定校を対象とする指定規則のみの基準見直しではなく、それ以外の受験条件も共通した教育水準となるよう告示21号及び22号とその審査基準等含め見直し、全体をそろえるべきではないかというような意見をいただきました。
3つ目としましては、臨地実習の1単位の時間数について御意見をいただいております。
1単位45時間は長過ぎるのではないか。また、1日8時間を規定し、週計算が可能な1単位とすべきではないか。というような御意見をいただきました。
4ページ目に移ります。
こちらは、フリートークとしていただいた御意見となります。まさに今回の議論対象の内容となり、先行していくつかいただいたこととなります。臨床実習のあり方に関する事項としていただいた御意見の中では、指定校ごとに学生の資質の個人差が大きい。また、医学生と同様に知識のある程度の技術、態度を担保した上で送り込んでいることが明示的になるようにすべきではないか。等という御意見をいただいておりました。
5ページに移っていただければと思います。これらの意見を加味し、事務局提案を準備させていただいたものになりますが、5ページでは指定規則の教育の内容とその単位数の見直しに関するものを提案させていただいています。
まず左側が要望書の内容でして、現行の指定規則に何を修正すべきかという意見を赤字としています。基礎の区分では「人間と生活」に「社会の理解」と追加しております。
また、同様に以降、赤字が修正要望内容になりまして、総単位数は95単位から102単位にすべきではないかとの御意見でした。
これら要望書の内容に対し、前回検討会での構成員の先生方の御意見を踏まえて事務局提案とさせていただいたものが右側となります。赤字が、今回事務局で訂正をさせていただいた提案の部分になりますが、主に専門分野のところで「形態検査学」を「血液学的検査」「病理学的検査」、また「生物化学分析検査学」を「尿・糞便等一般検査」「生化学的検査・免疫学的検査」、「遺伝子関連・染色体検査」、そして「病因・生体防御検査学」を「輸血・移植検査」、「微生物学検査」、そして「生理機能検査学」を「生理学的検査」という変更提案をさせていただいております。これは厚生労働省令で定める臨床検査技師の業務としての書きぶりでして、文言を合わせた修正を行っております。ほかの科目等につきましても、「学」とついているものを削除し揃えさせていただいております。
また、「臨地実習」に関しましては、今回実習先として衛生検査所なども対象として考えられていることを踏まえ、臨地実習を「臨床」と変えるのでなく「臨地」とそのままにするという変更ではどうかというように提案させていただきます。
6ページ目に移ります。以降、6ページから9ページ目までが指導ガイドラインの教育目標の見直しに関するところで事務局提案として書かせていただいた内容となっております。
見方としましては、左が現行の指導ガイドラインに記載されている内容となります。
真ん中は、要望書で提案されている内容でして、赤字となっている部分が修正意見となります。また、これに対比する個所が左の現行の指導ガイドラインで下線となっている部分です。
また、右に移っていただきまして事務局提案を見ていただければと思いますが、赤字になっている部分は事務局提案として要望書の内容で記載されているものからさらに修正を加えるべきではないかと考えている部分となります。また、これに対比する個所が真ん中の要望書内容で下線となっている部分です。黒字の下線になっている部分は要望書で提案された修正意見をそのまま採用している箇所となります。

最後に10ページまで移っていただきまして、「臨地実習の1単位の時間数見直しに関する事項」について記載させていただいています。こちらについては、前回構成員にご議論いただいた際の御意見をもとに事務局で提案をつくらせていただきました。右側が指導ガイドラインで現行の記載とされている内容になっていまして、左が事務局提案となります。授業に関する事項において、(4)臨地実習について今までは「1単位を45時間の実習をもって計算すること」と記載されていたものを削除する提案とさせていただいています。これにより、(3)番の中ほどに記載してあります「実験、実習及び実技については30時間から45時間の範囲で定めること」、という記載で読み込む形の記載となる変更させていただければと考えております。
資料1-1については、以上となります。
○北村座長 ありがとうございました。
それでは、事務局提案というものを逐次見ていきたいと思っております。時間もそこそこ限られていますので、よろしくお願いします。
最初は、今の1-1の5ページの単位数の見直しです。現行95単位が、御提案だと102単位です。それで、事務局が提案を取り入れて、事務局提案も102単位になっていますが、科目名の名前が提案だと大体は何とか学、検査学とか、細胞検査学とか、「学」がついているのですが、省令の言葉ですと「学」がついていないので、省令に合わせて名前を統一したのが主な変更点です。そして、一番下から2行目くらいに「臨地実習」と現行あるのですが、要望書のほうでは「総合臨床実習」ということでしたが、今、御説明があったように検査センターは臨床ではないのでやはり臨地のままでどうですかということで「臨地実習」になっています。事務局提案について、御意見とか、何か御感想とかをお願いいたします。
よろしいですか。数字の上ではほとんど変わっていませんので。
次に、6ページ目から9ページ目は大量のガイドラインですので、これも今、御説明からは抜けたんですけれども、事務局提案を今まとめているところであります。いろんな下線とか赤字がありますので、この1-1の資料は先生方の手元にメールとかでもう送られているんですか。ゆっくり見ることはできますよね。
○医事課(板橋) 事務局提案としてご提案させていただくにあたり構成員の先生方には事前に確認を行っています。
○北村座長 そういうことで、これは継続でもいいですか。これは、まだ変えようがあるのでしょうか。もうだめですか。
では、先生方は見てきていただいたということで、事務局提案について御意見ください。9ページ目までです。6、7、8、9ですが、どちらかというと要望よりもすっきりしたということが多いように思いますが、ほぼ要望どおりかなというところです。
○横地構成員 7ページ目のカラムの下から3つ目の「尿・糞便等一般検査」のところで、事務局提案の中で、要望の内容ですと今までは「医動物学検査」という表現をされていたかと思うのですけれども、これが「寄生虫学」という形になっていますが、この辺は教育協議会のほうとしては特段問題はないということの理解でよろしいでしょうか。
○奥村構成員 理事長の奥村です。「寄生虫学」ということで、寄生虫をどこまで寄生虫と考えるか、医動物をどこまで医動物と考えるか、先生方によってお考えの違いはあると思うのですが、どのような理由で事務局のほうが寄生虫学に変えていただいたか、私も聞いてはいないのですけれども、教育するほうとしては問題ないと思います。
○北村座長 一般に広まっている言葉は、寄生虫学ですよね。ただ、それからはみ出る動物も多少あるかもしれませんが、逆に医動物学の検査と言われると、それは何かという感じはしますね。
そういうことで寄生虫学で、ほかはいかがでしょうか。
○杉浦構成員 杉浦ですけれども、5ページの「臨地実習」のところなのですが、今ちょっとおっしゃった衛生検査所が入っているから臨床でなくて臨地と書いてあるわけですけれども、その下は「病院又は診療所」だけしか書いていないので、衛生検査所はどちらの分類に入るのでしょうか。
○医事課(板橋) 事務局です。ここで書かれているものとしましては、3分の2以上は病院または診療所で実施としております。それ以外と見ていただければと思います。
○北村座長 病院または診療所で3分の2をやって、残り3分の1はもちろん病院または診療所でも構わないのですが、検査センターでも構わないという理解だと思います。
9ページ目まで、ほかにいかがでしょうか。
では、先へいってまた戻っていただいても結構ですので、10ページ目にいきます。「臨地実習の1単位の時間数見直しに関する事項」ということです。一番上にその要約があります。「臨地実習1単位の計算方法について、45時間の実習をもって計算することを見直し、その他の実習と同様に30時間から45時間の範囲で定めることとする」というのが要約です。
事務局提案をさらっと見ていきますと、単位の計算方法については、1単位の授業科目を45時間の学習を必要とする内容をもって構成することを標準とし」、何かもって回った言い方なのですが、授業を45時間やれという意味ではなくて、学生が45時間かかって勉強する内容を1単位としましょうということで、授業方法やいろんな方法に応じて「当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学習等を考慮して、1単位の授業時間数は、講義及び演習については15時間から30時間」の範囲内で、実験、実習、実技については30時間から45時間の範囲内で定めることとする。
それで、(4)に飛びますが、臨地実習については「実習時間の3分の2以上は医療機関において行うこと」ということだけにして、時間はその上の臨地実習というのは実験、実習、実技に含まれるということで、30~45時間の範囲内で定める。各学校のやる気次第なんですけれども、最短ですと30時間、最長で45時間、標準的に前回のディスカッションであった1日8時間で5日間の実習、1週間をもってこれは40時間ですから1単位とするというのは非常にわかりやすいので、11単位ですと11週間になります。
これに関して、御意見をお願いいたします。
よろしいですか。
では、事務局提案を了承していただいたということで、臨地実習は30~45時間の範囲内で各学校が定めるということでよろしくお願いいたします。
それでは、次の議題、こちらが重いのですが、議題2の「臨地実習の在り方等に関する論点について」に移ってよろしいでしょうか。
では、事務局から御説明をお願いし、その後、奥村先生のほうから参考資料の御説明をお願いします。
○医事課(板橋) 事務局です。資料の2をごらんください。「臨地実習の在り方等に関する論点」についてまとめさせていただきました。
2ページ目です。「臨地実習の在り方等に関する論点」としまして、まずは【臨地実習】で、指導者の要件は医師及び臨床検査技師と同等以上の学識経験を有する者を除き臨床検査技師のみとして、さらに5年以上の業績は問わないとする。これに関係団体から提出された見直し提案の基準で定める講習を修了したものとすることについてどう考えるか。また一方で、在宅医療での実習においては、実習指導者を臨床検査技師に限らないことについてどう考えるかと記載させていただいております。
こちらの論点につきましては、1枚のタブレットでは確認しづらいですので印刷したものを今回配らせていただいております。論点についてはこちらを活用いただき、タブレットは参考資料4の関連団体からの要望書を開いていただければと思います。要望書につきましては8ページ、または21ページが対象部分となっております。
要望書の8ページに記載されているものとしては、総合臨床実習指導者の要件としましては、総合臨床実習指導者は臨床検査技師として5年以上の実務の経験を有し、各指導内容に対する専門的な知識に優れ、十分な指導能力を有する者で、かつ、厚生労働省が定める基準を満たす「総合臨床実習指導者講習会」を修了した者を1名以上配置すべきではないかと記載されております。
21ページに記載されている内容としましては、2)番、「臨床実習の指導に当たる者の要件」について、ここのところでただし書きで「在宅医療での実習を行う場合に限り、指導者は臨床検査技師に限らない」というふうに書かれております。
資料2の論点については、まとめて御議論いただければと思っております。ポツの2つ目に移らせていただきます。
ポツの2つ目につきましては、「実習施設においては、実習指導者を1名以上必置配置とすることについて、どう考えるか」と記載されております。要望書の中身としましては、今回説明させていただいた部分と同様のページとなっております。
また、ポツの3つ目としまして、【臨地実習】で、「養成施設においては、実習の調整、管理等を行うものを専任教員から1名以上必須配置とすることについて、どう考えるか」と記載されております。こちらについては、要望書の中では8ページに記載されている内容となっております。
8ページの3)番で、「総合臨床実習調整者の配置」と記載されておりまして、「総合臨床実習の質の向上を図るため、養成施設は臨床実習全体の計画の作成、実習施設との調整、総合臨床実習の進捗管理等を行うものとして、専任教員から1名以上を配置すること」という要望となっております。
また、資料2の3ページ目に移っていただければと思います。こちらは、参考の情報として載せさせていただいているものになりますが、他職種の臨床実習指導者の要件として定める内容となります。現行の臨床検査技師の他、保健師、助産師、看護師、理学療法士、作業療法士、診療放射線技師、臨床工学技士を並べさせていただいております。
4ページ目に移ってください。こちらも、参考として載せさせていただいている資料となります。「他職種の臨床実習調整者の要件について」を、前頁参考と同様に記載させていただきました。現行の臨床検査技師の他、保健師、助産師、看護師、理学療法士、作業療法士、診療放射線技師、臨床工学技士の定められている内容がこのようになっております。
論点としましては、まずはここまでのところでお願いできればと思います。
○北村座長 では、奥村先生から参考資料6、7の御説明をお願いします。
○奥村構成員 奥村です。最後のほうにあると思いますけれども、参考資料の6というものをごらんください
私どもの協議会で、昨年末になりますけれども、今、御説明いただいた要望書のところに書かれている臨地実習の調整をする教員を配置するということを要望書で出させていただいているのですけれども、現状がどうなっているかということでアンケートをさせていただきました。その結果をまとめてあります。
昨年11月に87施設あるんですけれども、その全施設にアンケートを行いまして、71の施設から回答を得ました。質問事項はそこに書いてありますように、配置の状況がどうなっているかということで、アンケートをしました。回答いただいた71施設の養成校の種別は、左側に円グラフで書いてあります。
それで、結論ですけれども、調整を行う専任教員の配置の状況は、配置していないというところが21%、1人が約20%、2人が20%、3人が7%で、4人以上配置していますというところも3割あるという状況ですので、アンケートの内容として配置していないと答えてくださった方は、この専任という言葉を厳しく理解して、そればかりやっている人という意味で答えてくださったところもあるかもしれませんが、実際にはもう少し配置しているところは多いのではないかと私は感じておりますが、このままの値でも8割のところが1名以上の教員を配置していただいておりますので、このような要望書のまま要望していただいても実施可能ではないかと考えております。以上です。
○北村座長 ありがとうございます。そうしたら、臨床実習のあり方に関する論点について順番にいきたいと思います。
まずこの紙の2ページ目にポツが3つありますが、上から臨床実習指導者の要件として臨床検査技師のみとして現行の要件から業績を除く。そして、講習を修了したものにするという御提案というか、要望についてどう考えるか。
それから、在宅医療に関しては実習指導者を検査技師に限らないということについてどう考えるかについて御意見をください。それをもとに、事務局にまとめていただきたいと思っております。お願いします。
○釜萢構成員 「他職種の臨床実習指導者の要件について」という今の資料2の3ページでありますが、(現行)のところを拝見しますと、先ほども説明がありましたが、各指導内容に対する専門的な知識に優れ、医師、臨床検査技師又はこれと同等以上」となっているわけでありますが、今回は医師を外して臨床検査技師の方で5年以上の実務経験という御提案であります。
それで、これまで臨床検査技師の方の数が限られていて、なかなかその実習する場に十分な数の指導者を配置できないという事情もあったわけですけれども、現在は臨床検査技師の方もそれなりにふえてきたということがありますし、医師の働き方改革等の議論も今、進んでおりますことから、この件でこの臨床実習指導者というところから医師を外されることについては賛成でございます。
それから、在宅医療等での実習において云々ということで、なかなか在宅医療の現場に、例えば在宅あるいは介護の現場等もあるかとは思いますけれども、そういうところで十分全て臨床検査技師がおられない場合には実習ができないという事態は好ましくないと思いますので、この内容についても賛成を申し上げます。以上です。
○北村座長 ありがとうございました。
ほかに御意見はいかがですか。
在宅の場合は、ほかの資格には制限はどうなのですか。検査技師でなくてもいいけれども、何らかの医療資格が必要であるような気はするのですが。
では、お願いします。
○横地構成員 ありがとうございます。私も、この在宅医療というのはまだまだ検査技師が入り込んでいないところも多いわけですので、基本的にはそういったところの経験の実習というのも学生さんに求める状況であれば、ぜひ経験していただきたいと考えておりますので、ここのところは私たち職能団体としては実際に指導的な立場になっていただけそうなドクター、あるいは看護師さんあたりにお願いするのが妥当かとは思っておりますけれども、事務局はこの辺はどういう考え方でこういう表現をされているのか、ちょっとコメントいただければと思います。
○医事課(板橋) 事務局です。在宅医療の場で臨床検査技師がまだまだ活躍しているような状況にはないと認識しており、その場で教えていただくならば医師、または看護師などに教えていただけるような立ち位置になるのが適切ではないかと思っております。
○北村座長 在宅はチーム医療なので、働く人は非常に多いですよね。リハビリ系の人もいらっしゃいますし、ケアマネの人もいますし、何らかの制限が要るような気はします。医師または看護師とか、作業療法士の方でもいいといえばいいかもしれないけれども、何か違うような気もしますし、ケアマネさんになるとやはり検査のことは御存じないだろうし、指導者というわけにはいかないのではないかという気もしますが、いかがでしょうか。
実際は、もちろんPOT検査という検体検査もありますけれども、最近ポータブルで非常に優秀なエコーの機械などが出ていまして、カラードップラーなどもエコーでできます。在宅でできますので、恐らくそういう生理検査が主になるように思います。そうすると、やはり検査技師以外でいえば医師かなという気がしますが、いかがでしょうか。
東田先生、どうですか。
○東田構成員 訪問医療で医師がいなくて看護師さんだけで回っているようなところも多いでしょうし、医師としてしまうとそういった機会が持てないところが出てきてしまうと思います。さっき先生がおっしゃられたようにリハビリの人とか、職種をふやせばいろいろあるけれども、それぞれを文言として入れるかというようなことにすると、医師または看護師など、くらいで曖昧にするかというところでしょうか。
○北村座長 矢冨先生、いかがですか。
○矢冨構成員 事務局案が的確だと思います。
○北村座長 では、在宅のほうはそういう議論があったということで、在宅以外のところで私が心配なのは、研修を受けた人というのが指導者になっていますが、これがルールになったときに1年くらいで多くの人が研修を受けられるのか。それは、誰が責任を持ってやってくれるのだろうということがちょっと心配なのですが。
では、お願いします。
○横地構成員 検査技師会の横地です。
事務局に少しお伺いをしたい部分があるのですけれども、実際に各施設に全て指導者を設置するという形が望ましいというふうには当然思っているわけですが、その講習を受けていただく機会というものがなかなかふんだんにあるわけではないと思うので、基本的にどのくらいの猶予で、要するに設置基準というのでしょうか、基準が定められそうなのか。もし大枠で説明していただけるようでしたら、できるだけ職能団体としてこの指導者の講習会は数多く実施をしていく予定ではいるわけですけれども。
○医事課(板橋) 事務局です。今回、取りまとめができる時期にかかわってくることなのかと思うのですが第1回でお伝えさせていただいたとおり、取りまとめは3月の末をめざしております。もしそれができた場合には、次の年で改定作業を行わせていただき、2022年4月に適用できるように目指して進めております。
そうなりますと、ほとんど学生が3年目に実習に向かっていただくことになりますので、実質2023年の末までには各施設に1名以上の配置ができていなければならないというふうに見ていただければと思います。
○横地構成員 今、年度的なスケジュールをいただきましたので、それに合わせた形で指導者が育成できるような形で職能団体としては展開をしていきたいと思います。
○杉浦構成員 どうもありがとうございます。その講習会ですけれども、やはり今まで見ていますと大都会中心なので、私たちは高知におりますが、高知の連中は1泊2日とか2泊3日で都会に行かなければいけないというような事情もありますので、ぜひ各都道府県の技師会を中心に、県庁所在地でもいいですから、そこで講習を受けられるように配慮いただければ非常に助かります。
○横地構成員 まだ基本的な骨子が固まっている状態ではないので、明確には表現ができないのですけれども、都道府県単位だったり、あとはほかの職種などでやられているような病院の中での研修だったりということも含めて展開できればと思っております。
○杉浦構成員 それと、もう一つよろしいでしょうか。
高知もそうなんですけれども、半分くらいの病院が外注といいますか、ブランチになっているので、病院の管理者としてなかなか権限がいかないということがあるので、生理機能は病院が持っていても、SRLにしろ、検体系が本部は東京にあるので、その辺のところの指導者にどう講習を受けてもらうかということも問題になるのではないでしょうか。
○北村座長 ただ、指導者がいないと学生が実習に行かない。そうすると、学生が就職しにくくなるので、恐らく検査センターは真っ先に手を挙げて1人以上は置くようにするのではないかと思います。
むしろ、これを厚生労働省が認めた臨床実習指導者講習会とするならば、修了証の下に医政局長の判このあるような修了証を出してもらうことをイメージすると、その講習会を主催するディレクターですね。そういう人たちがどれだけいるのか。各県で本当にできるのか。そちらも心配ではあります。
○横地構成員 先ほども言いましたけれども、形としてはまだ固まっていないので明確な表現はできないのですが、まずは中央に47の各都道府県で核となるような人を何人かつくり上げた上で都道府県、それからさらに下に展開をしていきたいとは考えています。
○北村座長 数年前に、できることがふえましたよね。喀痰とか、生体検査の検体をとれる。そのときの講習会は、かなり短時間に検査技師さん全員にやったという実績があるので、信頼はしていますが、うまくいくかというのもちょっと心配ではあります。
どうぞ。
○奥村構成員 教育協議会のほうも病院実習でお世話になる学生さんを指導しているわけですので、全部の都道府県に1校以上あればいいんですけれども、ない都道府県もございますが、全面的に協力をさせていただいて、日臨技のほうと協力して、先ほどの年限までに少なくとも各病院に1人はというところを目標にやっていきたいとは考えております。
○北村座長 医師の初期臨床研修のときの指導者がこの形で非常にうまくいったので、多くの職種でこの形がとられているので、大丈夫とは思います。
ほかに御意見はありますか。
○大塚構成員 この配置の人数なのですけれども、1人以上というのは2名でも3名でもいればいいにこしたことはないと思うのですが、逆に例えば施設規模ですとか、そこにいる技師の数に応じてですとか、もしくは受け入れる実習生の人数に応じてもう少しふやすとか、そういったことは考えておられるのでしょうか。
○横地構成員 基本的には、この導入の時期ですので、とりあえずちゃんと学生さんを指導できる人が最低1名欲しいということですので、ここのところに1名以上というふうにつけさせていただいたのは、行く行くは学生さんを多く受けたりとか、いろいろなところと、あとは指導者の方が退職されて、次はまた1年、2年あいてしまうようなことも困りますので、基本的には何人かをつくっていただきたいという思いで1名以上という形でお願いをしているということになります。
○北村座長 1人の指導者が何人の学生の面倒を見られますか。5人くらいですか。もし生理機能だ、血液だ、生化学だと分かれたら、それぞれに1人ずついないと、病院で血液にだけいって生理にいったときに誰が教えているのかという話になるから、最低本当に1人ですよね。部門ごとに違っていたら、部門ごとに1人いないとまずいんじゃないですか。
そういうことで、今、横地先生がおっしゃったように計画としては1人でいくけれども、できれば5年以上の検査技師はみんなこの指導者講習会を受けてもらうというくらいの気持ちでいいんじゃないでしょうか。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
では、もう一つ、3つ目のポツで養成施設、学校では実習の調整、管理等を行うものを専任教員から1名以上必須配置とすることについて、どう考えるか。この調整、管理等を行うものの業務としては、現状は私の理解ですと学生が5、6人ずついろんな施設に行っていて、学校が何の何がしが今どこにいるかということすら把握していないとか、事故が起こったときにその者はどこにいますかとか、そういうことになりかねないし、場合によっては学校の血液の先生はそちらの実習先の血液の人とはコネクションはあるけれども、生化学は学校の生化学の先生と生化学の人がコネクションはあるけれども、全体としては誰も知らなかったとか、そういうことがあるので、学校の中に実習担当者というような人を置いて、その実習に出ている100人あるいはもっと多くの人の日々の評価や、事故対応や、あるいは全てのことをワンストップというか、1つの窓口で把握して管理する。そういうような人のイメージですが、奥村先生、まずはそれでよろしいのですか。
○奥村構成員 そういうことでよろしいと思います。
○北村座長 どうぞ。
○釜萢構成員 医療関係職種の中で、特に看護職の養成に関してはやはり実習調整者というのは非常に大事な役割を担っておりまして、これはぜひ必要だと思います。それで、私は当初、本当にそんなに人材がおられるのかなと思ったのですが、先ほど奥村先生からの報告も伺うと、今後それぞれの養成所が頑張って専任の教員の中から実習調整者の配置に取り組まれるということで、非常に心強く存じ、ぜひやっていただきたいと思います。
○北村座長 病院のほうには、要らないんですか。預かる病院としては、窓口として血液の人、生理の人、生化の人がばらばらになっているのではなくて、預かる立場として実習を承る実習担当技師というのは要らないですか。
○横地構成員 先ほど、指導者というお話があったかと思うんですけれども、その方が中心になって病院で実習されている学生さん全体を一応把握している。
したがって、だんだんその数がふえてくれば、先ほど先生が言われたような分野ごとというようなイメージも出てくるのかもしれないですけれども、とりあえずその人が窓口になるという形が今回最低限できるかなと思っているわけです。
○大塚構成員 恐らく、現状では技師長なり、副技師長なり、検査部長なりが今、務めていると思いますので、例えばこの講習を受けた後にその人がやるというふうにする必要は私はないと思っていて、やはり実習内容についてはこの指導者の講習を受けたものというのは必要だと思うんですけれども、その病院に来てから帰るまでの全般の責任というのはそこの長にある程度委ねなければいけないので、管理するという意味では技師長なり検査部長なりがきちんと把握すべきだと思っています。
○北村座長 東大とか医科歯科は、そんな感じですか。
○矢冨構成員 実質、技師長がそういう役割を果たしておりますので、それをあえて明文化してもいいかなという気はします。現状はそうなっていると思います。
○東田構成員 医科歯科は、検査技師の中に教育担当責任者がいて、臨地実習の前は教育担当責任者と技師長と私、部長と、保健衛生の各教員とでミーティングをしてから実施するという形になっているので、教育担当責任者の技師は既におります。
○北村座長 では、そういうことで、学校のほうに実習担当の専任教員を置くということは御異論ないということでよろしいですか。
ありがとうございました。ここのポツ3を通じて何か御意見ございますか。
今いただいた議論をもとに、余り変えることもなかったように思いますけれども、次回の検討会までに事務局提案をまとめていただきたいと思います。
次に、5ページ目以降の御説明からお願いします。
○医事課(板橋) 事務局です。5ページ目を開いていただければと思います。【臨地実習】のあり方として、「臨地実習において学生に実施させるべき行為を定めていることについて、どう考えるか。また、関係団体からの要望において提示された実施する基本的行為の具体的内容について、どう考えるか」と論点をあげさせていただいております。
ポツの2つ目としまして、「臨地実習において各検査室の実習期間を定めることについて、どう考えるか。また、関係団体からの要望にて提示された配分割合について、どう考えるか」。
また、ポツの3つ目としましては「臨地実習に臨む学生に対し、養成施設において基礎の知識、技術及び態度の総復習評価を実習前に必須とすることについて、どう考えるか。また、関係団体からの要望において提示された例示内容について、どう考えるか」。
また、【備品】につきましては「教育内容の見直しに即した機械器具、標本及び模型として、標準に整備する品目に関して、関係団体から提出された見直し提案について、どう考えるか」として論点をあげさせていただいております。
参考資料4の要望書をおめくりいただきまして、実習で定める行為については、9ページ及び21ページに、また各検査室の実習期間については、9ページ及び32ページに、実習前の評価に関する内容については、9ページ及び25ページ目に、そして16ページには実習の備品関係についての提案が書かれております。
○北村座長 要望書、参考資料4の21ページ目あたりから議論をしたいと思います。
臨床実習のときに学生が何をすべきであって、何が推奨で、見学のみはこういうものであるというのが21ページ目の下半分から22ページ目の上半分に書かれています。ドクターの先生はこの書き方を昔の前川レポート、最近は門田レポートという新しいものが出ておりますが、それと同じようなスタイルです。
水準1というのが必修で学生が実習中に必ず経験しておくこと、水準2はできれば実施が望まれること、水準3に関してはいろいろな意味から見学でいい。ただ、ここの書き方は「少なくとも見学はさせるべき」ということで、しっかりとした監督のもとでちゃんと実力が確認されていれば、やってはいけないという意味ではないという理解でよろしいでしょうか。
実は、この21ページ目の上のほうに「臨床実習の在り方について」ということで、前川レポートにもこの水準1、2、3を言う前に、学生がそのレベルにあるということを担保するということと、指導者が必ず横にいるということと、患者等の同意があるということが大前提である。その上で、この水準1、2、3をやりましょうということで、大前提が吹っ飛んだら絶対だめなので、これは当然議論の対象です。大前提がもうちょっと目立つといいなと思うくらいですけれども、これに関して御意見を、水準1、2、3を含めて奥村先生から何か追加はありますか。
○奥村構成員 教育施設のほうから、私の気持ちとしては水準1にあるものが本当は少ないなとは思うのですけれども、こういうふうな分類をされて実習のことが規定されるというのは今回が初めてでありますので、手始めというか、最初の段階としてはこういう項目でいいかと同意しております。
ですから、やがてだんだん水準2のものの中で1のほうに入ってくるものがふえてくるといいなと個人的には考えておりますけれども、最初の段階ですので、この程度で運用してみていただいて、いろいろな意見等を伺って次の改定のときにまたふやしていけるようになればいいなというふうに個人的には思っております。
北村先生が言われました条件のところはそのとおりだと思いますけれども、生理学的検査以外は実際には血液とかがきたり、患者さんの排泄物がきたりするわけですので、検査を担当している人は直接患者さんに同意をするということは形上はないと思いますけれども、特に生理検査とか採血はここにないですが、その場合には患者さんの同意が必要ということはもちろんですし、ここに書いてあるとおりで実施可能ではないかと考えております。以上です。
○北村座長 ありがとうございました。
○東田構成員 こういう基準を決めるのは非常にいいことだと思いますし、積極的に行為をやっていくのはいいことだと思いますけれども、1つ気になるのは、心電図を実施すべきという形になっていますが、その場合、患者さんでなければいけないのか。学生同士で心電図を取れば極めて簡単にできることですけれども、患者さんに対してやるとなると、医学科の場合、医療行為は入院患者さんに対して行っており、入院患者さんだと医師と患者さんがすでに意思疎通ができていますので、私が見ているから学生にやらせてというようなことは簡単にできるのですけれども、臨地実習の心電図はほとんど外来患者さんが対象になります。技師と患者さんとの間で全く信頼関係もなく、お互いに初めて顔を見る人で、学生にやらせてもらえませんかというのは現実には大変かと思います。
やってやれないことはないですが、医科歯科の場合だと保健衛生学科は40名いますので、同意してくれる患者さん40人を探すとなると、技師さんも負担ですね。心電図室も当院は15分、20分待ちになって、患者さんから早くやってくれという要望があるくらいです。それで、また患者さんに対して、学生さんに取とらせてもらえませんかと同意を取ると、5分、10分かかってしまいますので、ここを水準1の心電図は患者さんでなければいけないとするか、あえてぼかしておいて、できない場合には学生同士でお互いに実際に行為として取り合うのでもいいかというあたりはどのようにお考えでしょうか。
○奥村構成員 奥村です。先生が言われるとおりだと思いますけれども、余りきっちり決めてしまうと難しいと思うので、ここに患者さんか、学生同士かと書いていないのですが、私どもの大学でも学生同士で大学内でも取りますし、実習に行っていてもなかなか患者さんでやらせていただく人が得られることは少ないので、学生同士でやらせていただいているというのが現状だと思います。
中には、時間にゆとりのある午後とかにおきましては、技師さんが隣にいてくれて、学生は電極をつけるところまでやって、それを確認してもらってやらせてもらったり、確認した後、技師さんがやったりということが現状だと思っております。そこを余り厳しく決めてしまうとなかなか難しいかと思いますし、ではやらなくていいと言ってしまうとまた不十分かなということで、現実にはそういう状況ではないかとは思います。
○北村座長 今、東田先生がおっしゃったことには2つの課題を含んでいます。
1つは、本物でなければならないか。臨地実習は、原則本物でなければならないと思っています。
というのは、血液の研究ですと、過去に白血病とかミエロマとか、そういうストリッヒは山ほど持っています。それで、実習の学生にこれを見ておいてくださいと言って、白血病はわかりましたかというのはアトラスを見るのと同じなんです。
そうでなくて、診断のついていないストリッヒを見て、そこにブラストだとか、異形リンパだというレポートを書く、そのスリルと言ったら失礼ですけれども、その本物感ですね。それを味わわないと、臨地実習ではないと思います。
だから、患者さんでやらないと、友達同士で正常だと決まっているのをやっていても仕方がないので、それはぜひぜひ本物を味わわせていただきたい。奥村先生がおっしゃったような、午後の時間でも本物を自分がレポートを書くような気持ちでやっていただきたい。
2つ目の課題は、同意ですね。できれば病院全体なりが、ここに実習の検査技師がいます、いろいろなところで参加していますという包括合意でもいいとは思うんです。個別に今から心電図を取りますという合意でなくても、ここに受診される方はそういうことをぜひ受け入れてくださいというようなことでもいいかとも思いますが、患者の同意のとり方についてはまた議論があるところかもしれません。
何か御意見はありますか。
○釜萢構成員 心電図の検査を、技師になっていない学生さんにやってもらう場合には、これは事務局にも聞かないといけないと思いますが、包括同意で学生がやることがありますという掲示があるだけではちょっと無理なのではないかと思います。
ですから、そういうふうに考えると、奥村先生が言われたし、東田先生もおっしゃっておられるように、なかなか全員に患者さんの心電図を必ずやらせるというのはちょっとハードルが高いような気もいたしますが、いかがでしょうか。
○北村座長 入院があるといいですね。
○横地構成員 この心電図に関して、今、実際に水準1にしたというのは、アンケートをとらせていただいて、9割方の病院でやっているという現実があるんです。それは、全員を取っているということでは決してなくて、時間の余裕のあるところで患者さんの同意を得た上で電極を実際につけてみる。先ほど言ったように学内実習とはまた違う、要するに患者さんと接する接遇も含めて、いろんな意味でそういう緊迫感の中で仕事をしていただくというのはすごく大事なことだろうと私も思います。
かつ、その検査データがそのまま臨床側に提供されるかというと、それをやっている施設は恐らくないと思いますので、実際には検査技師がそこでちゃんと確認するか、改めて取り直しをして臨床側に提供しているというのが現実だと思います。
○北村座長 もちろん、正しければそのまま出していいと思います。検査技師がちゃんとチェックをしたものですね。
○山藤構成員 昭和医療の山藤です。
私たちは自前の実習施設を持たないので、20カ所以上行かせていて6カ月実習させてもらっているのですが、現実の実態として会議で全部集まってお話をよくするんですけれども、20施設以上ありますが、患者さんに実際に心電図をつけさせてもらっている施設は2施設くらいしかないんですね。
といっても、やはり学生同士でやって帰ってくる。そのリスクは、技師長先生の判断と病院の判断で、患者さんにやるということをどこも担保してくれていないので、やはりすることは難しいというのが現状であります。もちろん医科歯科も東大も行かせてもらっていますけれども、患者さんにはやらせてもらっていないです。
でも、それはやる側の技師長先生もそうですけれども、やっていいものかという議論にすらなっていないので、預かるけれども患者さんにやらせていいというのは病院も検査部も誰も担保していない状態で今やっています。
それで、私は学生実習の中で、病院ではなくて学校の中では幾らでも学生同士でできますので、それは死ぬほどやっているのですが、やはり実習に行ったからには患者さんと直接、接遇も含めてやるということを、リスクを背負いながらでも病院として、例えば検査技師の今後の教育としてやると決めていただければ、病院としてやるということがちゃんと同意ができると思うんです。
今はその体制すらないので、ここはここの水準値に入れていただいてやるものだというふうに決めていただくことはすごくありがたいことではないか。学生が直接本物に触れる機会を提示することによって必要だとなれば、ハードルは高いし、難しいことだとは思うんですけれども、ぜひ実習に行かせたら患者さんに直接触れる機会をつくっていただきたいということが1つあります。
あとは、全体としてまさに現場として私たちが預かってもらってやっている中で、水準3の病理解剖については、これもやってくる学生さんの数は見学でも非常に少ないです。それは、やはり機会とタイミングに恵まれないと施設によってできないので、見学するというところのハードルもかなり実態としては高いのではないか。それは感染のリスクも含めて、いろんな部分で学生が入るということも結構難しいのではないかということで、その2つをちょっと思ったところがあります。
○北村座長 まず、心電図の片をつけましょう。水準1にしますか、2にしますか。
○大塚構成員 先ほど北村先生が最初におっしゃったように、当院では全員実習生に対して患者さんに直接携わってもらっているんです。それは、技師が必ず同時に立ち会って、患者さんに同意を得て、その上で装着をして、そのデータも技師が一緒に見ているということで、あくまでも技師に責任をちゃんと持たせた上でやっております。
その中で、やはり実習生が患者さんに自分で接することによって、そこからモチベーションが上がって勉学にさらに励んでいくというのは物すごく効果があると私は認識しておりますので、これはぜひ一任していただいたほうがいいかなと思っております。
○杉浦構成員 私も同じ意見で、今、水準1から心電図を取りますと、直接患者さんと接する場面がなくなるんです。ほかに何かいいものがあったら入れてもらったらいいんですけれども、そういうことでやはり知識と技術と、もう一つ大きな態度という柱で、患者さんとのコミュニケーション能力とか協調性などを含めて、ぜひ何か患者さんと接するところは残していただきたい。
それで、先生がさっきおっしゃったように、病棟も昼から一般オーダーが出ますので、技師さんについていってやるということは可能だと思いますし、ぜひこういう患者さんと直接、接するというのは残していただきたいと思います。
○釜萢構成員 私も水準1にしていただきたいと思うのですが、先ほど大塚先生からお話があった、学生さんにやらせる場合の同意のとり方はどのようになっているか、教えていただけますか。
○大塚構成員 基本的には、口頭のみです。
○杉浦構成員 この間もちょっと言ったんですけれども、ぜひ学校のほうで実習に来る前に、医学科でしたらCBTとかOSCEをやっているのと同じように、学生同士で心電図が取れるという試験をやっていただいてから来ていただきたい。
あとは、そういう認証を将来的に、例えば医学科だったらスチューデント・ドクターとか、今でしたら技師さんは名札だけですけれども、写真がついてスチューデンシ・テクニシャン・テクノロジストとか、何かそういうもので名札をつけておいたら学生さんも自信がつくし、患者さんの同意も得やすいと思いますので、この人はちゃんと担保できていますというので、ぜひそういう称号までいかないにしろ、病院の中に入るのであれば名札をつくっていただければと思います。
○北村座長 この5ページのポツの3つ目に議題として用意してありますので、そちらでいきましょう。
では、心電図は水準1でよろしいですか。ちょっと努力目標的なところもありますが。
それで、もう一つお話があった病理解剖を水準3に入れておいたままでよろしいか、やはり省いたほうがいいかということなのですが、検査技師になったらすぐに病理解剖に入る人もいるんですか。検査技師の新米というか、それならば実地で経験しておいたほうがいいようにも思いますが、そんな人はまずいないというのであれば、なくてもいいかなという気もしますが。
○矢冨構成員 病理解剖の重要性は申し上げるまでもないですが、今は昔と比べてその数は減っており、将来激減する可能性があります。
私は内科学会の理事長を務めていますが、今、内科の認定医制度の教育病院の要件として、年間に10体以上の病理解剖が求められています。関連病院は1体以上です。それが、新専門医制度に移行するに際して,施設としての絶対基準が外れてしまいます。
ですから、現時点では何とも申し上げかねるところもありますが、ひょっとしたら激減する可能性があります.学会としては,剖検の重要性に関する啓発活動を通じて,そういうことにならないように努力していますが、実際にはそうなる可能性はあります。ですから、これは見学必須とすると、ひょっとしたら厳しい状況が生まれる可能性があります。
○北村座長 研修病院の指定は、病理解剖は何体とか決まっていましたか。あったような気もしますが。
○矢冨構成員 専攻医の受け入れ数などプログラムの規模が関係しています。トータルの病理解剖数は減る方向にいくと心配しています。
○北村座長 では、実際にないので病理解剖は外すということでよろしいでしょうか。
ありがとうございました。ほかはどうでしょうか。この水準1、2、3、そしてその前の同意ですね。当然、口頭でもいいので、その旨をカルテに書くということであればいいのですが。
○大塚構成員 1つよろしいですか。「その他の検体検査」のところの水準1の中に「培地作製」というものがございますが、恐らく今、培地をつくっていない施設もかなり多いというふうに認識しておりますので、これが必要かどうかという点があります。
○北村座長 ほとんどの培地は買えますか。
○大塚構成員 ほぼ100%買えます。
○北村座長 そうですよね。フラスコで温めているのは余り見ないですね。これも、「培地作製」のところは抜いてよろしいですか。
それから、上の4)に「学生は個々の患者の同意を得た上で実施することが望ましい」ということが書いてありますので、包括同意ではよくない。ただ、「望ましい」でいいですか。
必須ですか。同意を得ねばならないというようなことですね。
○大塚構成員 同意は同意書ですか、それとも口頭ですか。
○横地構成員 そこら辺は、議論をして。
○北村座長 多くの場合は口頭でもいいですが、そのものをちゃんとカルテに明記すること、何月何日、口頭で同意を得たということ、それは必須ですね。よろしいでしょうか。
そうしたら、また戻るとしても、このポツの2つ目、「臨地実習において各検査室の実習期間を定めることについて、どう考えるか。また、関係団体からの要望にて提示された配分割合について、どう考えるか。」ですが、それは9ページとか32ページですね。
32ページの表はアンケートとかですが、奥村先生、御説明はありますか。
○奥村構成員 奥村です。このアンケートは日臨技さんのほうでとってくださって、現状とあわせて報告していただいているのですけれども、私ども養成校のほうで各施設さんにお願いするに当たって、本当は目標としては何々検査が何日とか、何週間とか、何単位とかと決めさせていただくのが理想だとは思うのですけれども、それぞれの施設の事情によってそのようにならないところもまだまだあるのではないかと現状思うものですから、今回はきちんと決めないで全体の枠をふやして、その中でそれぞれの施設と相談してやっていただくということで運用していただければというふうに希望いたします。
○横地構成員 ここのところに積み上げた数字というのは、基本的に水準1、2、3を実際に現場感としてやるためにはどのくらいの時間が必要なのかというあたりの根拠のデータから積み上げたデータになりますので、確実にこうしなさいというのはなかなか難しいかもしれないですけれども、こういった形の配分が望ましいくらいのところはどこかに、せっかく今回実習の回数をふやしたということもあって、内容を充実したいということが一番大きなポイントですので、できれば何かいい形でそういう表現ができればありがたいと思います。
○北村座長 ほかに、いかがですか。
まず決めることについて、11週間くらいというのは決まったのですが、その中の割合を決めること、あるいは1週間以上でもいいんですけれども、ここでは生理機能、微生物、病理、輸血、それから検体検査等が入ってくるわけですが、分け方にもいろいろありますし、遺伝子検査室などというものを書かれてもないところもたくさんありますし、どうしましょうか。
現状は、どう書くことになっているんでしたか。どこを見ればいいですか。9ページですか。
○医事課(板橋) 現時点で指定規則・指導ガイドラインで、実習における各部屋での追加単位の配分について記載されているものはありません。
○北村座長 ないですか。部屋の名前もないですか。どこと、どこと、どこを回れとか、それもないですか。
そうしたら、生化学のところに11週いてもいいんですか。
○医事課(板橋) どこにいてもいいかというところはまだ定め等もなく、まずはこういったものが要望として出てきましたので、先生方でどう考えられるかというところでの意見をいただければと思います。
○大塚構成員 今、ここに挙がっている数値を全部足していくと、トータルで11週ということになるわけですか。
恐らく、指導者の養成の講義を研修しますよね。その中で、ある程度こういったことが望ましいということは言う必要があるかと思うんですけれども、今ここで余り縛らないほうがいいのかなともちょっと思ったのですが、ある程度強く縛りたいという何かはあるんですか。最低ラインはあってもいいとは思うんですけれども。
○北村座長 最低の書き方ですか。
○横地構成員 基本的に先ほどのところにちょっと戻るんですけれども、1単位の時間数だったり、いろんなところで今後のことも考えれば、(1)に書いてあった30~45の中でというような話はいいと思うのですが、ただ、30という時間がそこで生きてきますので、そういう点も含めてせっかく今回臨地実習を中心的な大きな柱として改正をしていくわけですし、かつ要するに現状の調査をしてみると、どうしても検体系にウエートが偏る部分があるかと思います。
これは、現場感としては患者さんが目の前にいるところで実習というのはなかなか大変なものですから、そこのところの時間数が減ってしまっているという流れはあるのかなと、自分も現場感からいうと感じますので、そういった部分も含めるとどういう形がいいのか。
私は法律的な部分はわからないですけれども、審査基準みたいなことでこういった割り振りが望ましいですよというあたりは、もし書けるのであればぜひ書いていただければ、それが1つの今回の臨地実習の標準化につながるのかなとは考えています。
○大塚構成員 必須ではなくて、望ましいということですね。それであれば、全く問題ないと思います。
○北村座長 11週全部を決めるよりも、2、3週はその人が行きたいところに行けるというのもいいかなという気もしないでもないです。
どうぞ。
○釜萢構成員 ですから、例えば11週というのは全体の枠がわかるわけで、その中で今のお話からすると、例えば生理機能検査については2単位を求めるとか、そういうような書きぶりもあるのかなと思います。
○北村座長 生理検査だけは決めておいたほうがいいかもしれないですね。生理検査ゼロで検査技師になっても困りますからね。そうしたら、やはり2単位くらいですか。
○横地構成員 3単位くらい必要じゃないかと、一応数字的に出ていますけれども。
○北村座長 3単位ですか。そうしたら、やはり2単位以上くらいにしておくんですね。学生のときから、好きなところに行かせるというのもちょっと問題かもしれないです。全体を見てもらったほうがいいかもしれないです。
いずれ戻ってここは議論したいということですが、生理機能だけは何かめどを書いたほうがいいかもしれないというのをとりあえずきょうのところの意見として、次に3つ目のポツです。先ほど杉浦先生がお話いだいた臨地実習に臨む学生に対して学校のほうで基礎知識、技術、態度の総復習評価を実習前にやること、あるいは関係団体からの要望で示された例示内容についてということです。9ページ、25ページですが、御説明をお願いします。
○奥村構成員 協議会の奥村です。最後の資料になりますけれども、参考資料の7をごらんください。
1ページ目はまとめが書いてあるのですけれども、昨年度、私どもの87施設に臨地実習の前にどのように確認のための実習をやっていますかと、簡単にいうとそういうアンケートをさせてもらいました。61施設、まだ実際には新しい施設で実習生を出していないところも数校ありますので、それも含めて63施設から回答をいただいて、実際に学生さんを送り出している61施設の内訳を円グラフに2ページ目で書いてあります。
その中で、臨地実習に送り出す前にやっているかということを聞きましたら、半数近く、61のうち29がやっています。ことしはやっていませんけれども、来年からやる予定ですというところは4施設ありました。
時期はどうですかというと、実習に行く1カ月前というところが3分の2くらい、想像するのに3カ月以内というのは例えば2年生の終わりのときにやって4月の最初から実習に行くというと春休みが入るので1カ月以内ではないというところが多いと思うのですが、そういうところと、その他というのが3分の1という割合です。
それで、やり方は医学部学生さんのように決まってはいない状態なのですけれども、評価者はどうしていますかというと、自分のところの教員だけというのが7割か8割のところで、実習施設の担当の方に来ていただいたりしている外部の方と教員でやっていますというところが3施設というような割合です。
それで、1人の学生さんに対して評価人数はどうですかというと、担当の教員が1人に対して1人ということで、同時には何人かやっているんですけれども、何人かで何人かの学生をやっているという形で、1人の学生に対する評価者の数はこんな感じであるということです。
それで、どのくらい時間をかけていますかということなんですけれども、説明のとき、練習のとき、本番の試験、それからフィードバック、それでこれに合格しなければ実習に行けないとしているわけではないのですが、余りよくできなかった学生さんには大体もう一度再試験とかをしているということなのですけれども、全体で10時間以下というところが3分の1以上なのですが、10時間以上ですから2日以上くらいやっているというところが3分の2くらいという状況です。それが、2ページ目の円グラフの説明になります。
それから、3ページ目ですけれども、どのよう項目をやっているかということで、複数回答を含んでいるのですが、29施設のうち、例えば一般検査、尿定性検査は8施設やっています。尿沈査検査は13施設やっていますということで、パーセントを計算して30%以上実施と50%以上実施を緑と黄色で分けてありますが、このような結果でした。
先ほどありました心電図検査は、2つ目のカラムの「臨床生体検査学」と名前が書いてありますけれども、患者接遇と12誘導の心電図検査というものをやっている施設は80%以上あるという状況です。肺機能検査をやっているというところも、3分の1以上あるということです。
それから、最後のほうに2つカラムがあるんですけれども、最後から2番目のカラムは私どもの協議会の中で科目別分科会という生理検査を教えている先生方の集まりというふうに考えていただければいいのですが、そういう先生方の意見を聞いたところ、○が書いてあるところはやったほうがいいだろうというものです。かなり一致しているとは思います。
それから、日臨技さんの先ほどのアンケートの中で、こういうことはやってきてほしいというものを最後のカラムに○でまとめてあります。かなり日臨技さんとかが言われている科目より多くなっていると思うんですけれども、例えば日臨技のほうにはなかったのですが、病理学的な検査を担当している教員からしますと、そういうことを何もチェックしないで送り出していいのかという御意見がありましたので、私ども教育施設としてはこのような試験科目になっております。
最後に信州大学の例ですけれども、8枚ほどやっていることの写真を載せさせていただいております。採血の試験も私どもはしておりますし、呼吸機能、心電図、それから新しく始まりました検体採取についてもやっております。
検体系につきましては、遠心機の操作とか、ピペットの使い方とか、このようなことをやっております。
pHの測定などは現場ではやらないのかもしれないんですけれども、比色計の使い方とかをあわせて一応チェックして送り出しているという状況ですので、やるようにというふうにここで決めていただいても、実際の2024年くらいまでには実施可能で、全部のところで実施していただけるのではないかと考えております。
私どもとしては、これからやる検査項目というか、試験項目を統一するということと、評価基準を統一するというところを進めていきたいと思っております。本当は医学部の学生さん、医師になる学生さんたちがやっているような試験ができればいいんですけれども、人数的に今は難しいかと考えております。
それから、パソコンでやるペーパー試験を医師の方々はやっていると思いますけれども、そういうようなものは今は国家試験の模擬試験等をつくる委員があって毎年つくっておりますので、そういうことを応用すれば何年か後には可能になるかとは考えております。
さらに、そういうものが進んでいけば、最終的に実習が終わった後にまた試験をするということも可能かとは思うのですが、まずは行く前にしっかりチェックするということから始めさせていただければと考えております。以上です。
○北村座長 ありがとうございました。大変よくわかりました。
何か御意見ありますか。
1つ気づいたのですが、BLS、目の前に人が倒れたときに心マッサージをしますね。あれは検体検査でどこに行っても起こり得るし、白衣を着て病院を歩いている以上、目の前に人が倒れてやる必要があるので、ぜひ入れてほしいかと思います。
ほかは、どうでしょうか。ここまでされているとは私も知らなくて、すごいとは思いますが。
○杉浦構成員 もしできれば、やっておられたら標準化といいますか、各技師会が認証を与えていただくとか、あったら受け入れるほう、あるいは患者さんにとってもいいと思いますので、同意をとるときも認証されているということで。
○横地構成員 先ほど検査する側は学生1人に対して何人というので複数でやっているというところで、要するに外部委員とも一緒にやっている学校があるというお話を聞いていまして、その辺は職能団体としてかかわっていける部分かなとは思いますので、また前向きに検討させていただきたいと思います。
○北村座長 臨床化学が非常に古いなと思って、むしろ機械のスイッチを入れて標準化してくる、それをやっていただいたほうが、標準物質をかけて、そのデータを見て、この機械はきょうは使えるとか、きょうはだめだということをやっていただいたほうが、ピペット操作ですかとびっくりしました。
○大塚構成員 でも、それをやっていないと、うちは採用試験で必ずピペット操作をやるんですけれども、これができない子がたまにいるんです。ですから、それはちょっと困るので。
○横地構成員 臨地実習とは少しずれるかもしれないですけれども、やはり教育施設のほうでは今いかに自動化がどんどん進んできたとはいえ、基本的にそのベースとなる原理とか、手順だったりというのはやはり正確につかんでおいていただきたい。今はpHをはかっているところはないかもしれないというお話はありましたけれども、試薬がpHが狂ったことによってデータが全然おかしくなるのは現実にあるわけですし、我々は実際に現場感でもちょっとデータがおかしいなというときに試薬のpHをはかってみたりということは当然やっていることですので、この辺はベースとして必要な部分かと思います。
○北村座長 あとは、情報系はないですか。検体取り違えを見つけ出すとか、機械的には出してくれますけれども。
○奥村構成員 いろいろ項目というか、ふえるようにすることも可能だとは思うのですけれども、そこのところは今、横地先生が言われましたように、養成施設での基礎的な教育と、現場のオートメーションというか、コンピューター化とその自動化とのギャップが非常に大きい分野だと、私どものところは思うんです。
そういうこともありますので、本当は卒前教育、学内での実習でやるべきことと、臨地実習に行って先ほどの機械の使い方とか、精度管理の仕方とか、こういうデータを見たら機械の異常ではないか、試薬の異常ではないか、本当に患者さんの異常かというのをどうやって見分けるかというようなところを現場で教えていただくとか、そこのところのすみ分けというか、もう少し時間をかけて決めていかなくてはいけないとは思うのですけれども、自動分析装置がない養成施設も多くあると思うものですから、そんなことで今後よく相談してだんだん充実していくものにしていきたいと考えております。
○北村座長 では、ここにある、臨地実習に望む学生に対しては学校のほうで何らかの総復習評価を必ずやることというのは書き込んでよろしいでしょうか。そして、その細目は日臨技と教育協議会のほうで決めていただいて、行く行くは標準化をしていく。あるいはCBTも入れる。場合によっては臨地実習後の試験も考えるというような方向で、とりあえずは各学校の責任においてやるということを書き込むということでよろしいでしょうか。
その次に4つ目、機械器具、標本及び模型、それから標準に整備する品目に関して提案をどう考えるか。要望書の16ページです。
奥村先生、御説明をお願いします。
○奥村構成員 要望書の16ページをごらんください。青い字で書いてあるのが改定案になりますけれども、基本的には大きな変更はないのですが、16ページ、17ページ、20ページに変更になるところのまとめが書いてあります。
今は余り使われない、それから昔、古くは衛生検査技師という職業というか、国家試験があったころの機械とかで、ガス検知装置とか集塵計というものがあるのですけれども、今はそういうものはほとんどやらずに臨床検査のほうにシフトしておりますので、そういうものはなくてもいいんじゃないかということで削除させていただきたいとか、放射性同位元素を使うようなものも今は検査が非常に減っておりますので、それも削除していただいていいんじゃないかということで、(1)には削除していただきたいものを載せてあります。
それから、ほかの職種ではないようなのですけれども、臨床検査のところではどういうところにどういう機械が必要かという分類がされているのですが、その中で検体採取ができるようになったときに舌圧子一式とか、このようなものが形態検査のところに分類されていました。それから、血圧計が生物化学分析検査学というところに分類されたりしていたものですから、もうちょっと別のところのほうが正しい分類じゃないかということが変更点で、それをまとめるとこの20ページの図になるように変更していただきたいという要望であります。以上です。
○北村座長 足すものはないんですか。
○奥村構成員 最新のものはたくさんあるんですけれども、やはり自動分析装置だったり、フローサイトメーターだったり、質量分析計とか、今は現場で使われているものは多々あるのですが、非常に高価でありますし、それぞれの養成校に置いておくと維持のこともありますので、それは臨地実習に行って見せていただくということで、ここに入れないほうがいいんじゃないかという判断であります。
○北村座長 では、これに関して御意見をどうぞ。エコーくらいは要るとか、そういうことはいかがですか。
この縛りは、学校だけですか。科目何とかというものがありますよね。そういうところにも縛りは入るんですか。この器具は用意しないといけないとか。
○奥村構成員 これはいわゆる指定校というところに効くだけで、承認校には法律としては縛りはないんですけれども、ほとんどのところはちゃんとしているはずです。
○北村座長 そこにエコーとか、自動分析計を入れると大変になってしまいますか。
○奥村構成員 エコーは入っているはずです。エコーは買うときにはお金がかかるんですけれども、維持費が余りかからず、余り故障するとかということもなく、私どものところでもほかの看護の学生さんとか、作業、理学の学生さんも使わせていただいているということで、エコーは入っております。
○北村座長 フローサイトメーターは*印がついているので、必ずしもなくてもいいということですか。
○奥村構成員 はい。現場で見せていただければということです。質量分析計は入っていないと思います。
○北村座長 よろしいでしょうか。
そういうことで、大体用意した論点はここまでなのですが、きょう議論したこと全部を含めて言い忘れた、あるいは後で気づいたということがあったら今お願いします。
○釜萢構成員 前回、話題にすべきだったかもしれないんですけれども、今、医師の働き方改革の推進と関係してタクス・シフト/シェアの検討をしておりまして、この臨床検査技師の方々に場合によっては担っていただく可能性がある領域というものが議論されておりますが、今回のこの検討と、それらの新しい担当すべき領域が少し広がった場合の扱いについてどういうふうに考えたらいいか、事務局に教えていただきたいと思います。
○川本専門官 事務局でございます。今、御意見がありましたのは、医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会のことを指しておられるかと思いますが、こちらは今、先生のほうからおっしゃられたとおり、その業務の追加等に当たって、追加的な教育・研修が必要か否かも含めて検討が行われているところでございます。
それで、そちらの検討会での議論は、できる限り早期の取りまとめを目指しつつも、追加する業務の安全性等の観点から慎重な検討が必要でありまして、必ずしも本検討会の取りまとめの前に結論が得られるものではないと考えております。
したがいまして、まずは本検討会での取りまとめを踏まえた教育のカリキュラム等の見直しを進めさせていただきまして、医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関しまして、法令改正等で業務を追加することに伴う教育カリキュラムの見直しについては、今後、必要に応じて別途行うようにしていきたいというふうに現時点では考えております。
○釜萢構成員 わかりました。ありがとうございました。
○北村座長 具体的には何かありますか。
○釜萢構成員 臨床検査の部門については横地先生に補っていただきますが、そんなに大きな法律の改正につながるようなことではないのかなと思っていて、今回のカリキュラムの検討はきちんとやっておけば、あとは少し手直しをするくらいでうまくいくのではないかなという印象を持っておりますが、先生、いかがですか。
○横地構成員 今、議論していただいていますので、そういう中で今の業務の延長線上にあって省令だとかを少しさわらなければいけないというものは当然あるのだろうと理解をしておりますけれども、その辺は改めてその時点で考えていただくということで問題ないと思います。
○北村座長 前回は鼻腔とか、肛門の中のほうの採便とか、そういう検体採取がありましたけれども、どうなりますか。それも一応視野に入れて進めたいとは思いますが、さっき専門官からあったようにどちらが先かというと、これも3月くらいには終わりたいと思いますが。
○釜萢構成員 こちらのほうが早いかもしれないです。
○北村座長 ほかにいかがでしょうか。全体を通じて、どうぞ。
○坂本構成員 神戸常盤大の坂本です。1点、事務局のほうに確認ですけれども、水準の1、2、3を1つの病院さん、施設さんが全て満たしておらなくても、11単位分ございますから、異なる施設で水準の1の一部を行って、最終的に満たせばよいというふうに考えてよろしいでしょうか。
○医事課(板橋) 事務局です。現段階では、要望としていただいた中でそのことは触れられてはいないのですが、日臨技としてはどう考えられていますか。
○横地構成員 臨地実習の中身の担保がされていれば、私たちは共通の標準化された学生さんというイメージで扱うことができると思いますので、その辺は職能団体としては別に大きな問題にはならないかと思います。
○北村座長 そのために、実習担当専門の教員を置いて、この項目はA病院で経験した、この項目は君はやっていないから今度行くB病院では必ずやっておいでというような逐次達成度評価をする必要があるという認識で置いたので、1つの病院で全部できる必要はないと思います。
○坂本構成員 ありがとうございました。安心いたしました。
○北村座長 ほかに御意見をいただけますか。まだちょっと時間がありますが。
どうぞ。
○矢冨構成員 御存じのように、検体検査の精度に係る法令改正が行われて、今回の教育内容の見直しのところでも,その検査分類が法令改正とかなり整合するような形になってきて私は大変良いと思っていますが、例えばきょう議論したところなどでも,まだ統一し切れないところがあると思いますので、一度事務局のほうで見直していただきたいと思います。
例えば、血液検査学に臨床がついているところと、ついていないところがあったり、凝固・線溶検査というのは血栓・止血検査に変えたほうがいいのではとか、全体として統一し切れていないところがあると思うので、やはり重要なことだと思いますので再確認いただければと思います。
○北村座長 ありがとうございました。まさにそう思います。
ほかはいかがでしょうか。
○横地構成員 非常にこの議論で前向きにいろんな学生さんに対して非常にいい方向にいっているというふうに私は思っているのですけれども、1つ事務局に確認をさせていただきたいと思うのは、例えばこれでいろんな形で審査基準だったり、いろんなものが決まってくるのだろうと思います。告示だったり、いろんなものがこれで整合性がとれて、作業部会でやっている内容がいつかここに出てきて、それで最終的ないろいろな承認をしていただくという形になるのでしょうけれども、1つはそういった承認された以降にどういう形でそれが担保されているかのチェックを現状はやっているのか。今後、それに対する対応みたいなものがあるようでしたら、少し御意見をいただければと思います。せっかく決めていただいてスタートしたのはいいが、ずっと継続していく中でしっかり担保していただきたいと考えますので。
○北村座長 事務局、どうぞ。
○医事課(板橋) 厚労省で定めるところとしましては、指定校にあたる都道府県知事の養成所では今回、指定規則、指導ガイドラインが見直されました時点で、都道府県において確認を行っていただくことになります。
また、告示21、22につきましても、医事課で行っているものになりますので、協議の申請を出していただくということをまた行わせていただいて、確認等を進めていくことになります。
○福島薬学教育専門官 文科省からもお話をさせていただくと、文科大臣が指定した養成施設というのがありますので、そういった学校につきましては今後この議論が進んで、さらに関係する法令が全て改正されて、それが公になった段階で各大学等にはこういった改正がありますということを通知させていただきます。
その上で、その指定規則にのっとった内容となっているかどうかということについて、各大学からそういった変更の承認の申請を出していただくということになりますので、そのことによって全ての指定した大学等がこれにのっとった教育が行われるということが担保できると思っています。
○北村座長 あとは、医学部のやり方で見ると、大学であれば今は大学の機関別評価をしていますけれども、医学部は分野別評価もやっています。医学部評価みたいなものですね。それは薬学も看護も始まっているので、保健医療学部とか、検査技師養成学校というくくりの分野で学校評価をするような方向にいずれはいくのではないか。それは法律よりももっと上というか、法律は当然クリアしているんだけれども、よい学生をしっかりつくるためにどういう努力をしているかということも評価するようなものなのですが、そのときはもちろん日臨技も、それから教育協議会のほうも協力していただいて、そういうシステムをつくっていただく、あるいはクライテリアですね。そういうものをつくっていただくということが必要で、実際は行くからすごい手間がかかりますね。そこまでいくといいなとは思いますけれども、ほかにはよろしいでしょうか。
では、きょうの議論はここまでとして、きょうの議論を踏まえて次回までに事務局提案という形でまとめていただければと思います。
それでは、事務局から何か追加がありましたらどうぞ。
○川本専門官 ありがとうございました。
事務局からは、次回検討会の日程につきましては追って調整の上、また御連絡させていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。以上です。
○北村座長 それでは、ちょっと早いですが、きょうはこれで終了させていただきます。
どうもありがとうございました。

(了)

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