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2018年9月6日 第6回医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議 議事録

保険局医療介護連携政策課

○日時

平成30年9月6日(木) 13:00~15:00

 

○場所

全国都市会館 第2会議室(3階)

○議題

 レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)及び介護保険総合データベース(介護DB)の連結について
(1)今後の検討の進め方
(2)研究者等に対するデータの提供(第三者提供)
(3)その他
 

○議事


















































○遠藤座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第6回「医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議」を開催したいと思います。
構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、御参集をいただきましてまことにありがとうございます。
会議に先立ちまして、本日の構成員の出欠状況について事務局から報告をお願いします。また、前回の会議以降、事務局に人事異動がございましたので、あわせて御紹介いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○宮崎課長 事務局の宮崎でございます。
まず構成員の方の交代がございましたので、先に御紹介をさせていただきます。
國井隆弘構成員が御退任されまして、新たに栃木県保健福祉部保健医療監の海老名英治構成員が就任されております。
なお、これを踏まえまして、本有識者会議の開催要項、別紙の構成員名簿を一部改正しております。お手元に参考資料1として配付しておりますので、適宜御参照いただければと存じ上げます。
続きまして、本日の構成員の皆様の出欠状況を御報告させていただきます。
本日は、石川構成員、樋口構成員よりおくれて御参加されると御連絡いただいております。そのほかに欠席の方はいらっしゃいません。
構成員の皆様の出欠状況は以上でございます。
あわせて、事務局の人事異動について御紹介をさせていただきます。
大臣官房審議官(医療介護連携担当)の山本でございます。
老健局老人保健課長の眞鍋でございます。
老健局老人保健課介護保険データ分析室長の木内でございます。
保険局医療介護連携政策課保険データ企画室長の高木でございます。
また、今、席を外しておりますけれども、大臣官房審議官(老健担当)に諏訪園が就任しておりますので、御紹介させていただきます。
最後に私、保険局医療介護連携政策課長を拝命いたしました宮崎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
事務局の紹介は以上でございます。
以降の進行につきましては、遠藤座長にお願いをさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、議事に移りたいと思います。
冒頭のカメラ撮りは、これまでにしていただければと思います。
本日は「レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)及び介護保険総合データベース(介護DB)の連結について」を議題といたします。
本有識者会議では、本年秋をめどに議論を取りまとめ、医療保険部会、介護保険部会にその成果を報告することとしております。7月に取りまとめた議論の整理に基づいて、秋までの御議論の進め方を義務で整理してもらいましたので、事務局から報告をしていただき、その内容について皆様で御確認をいただきたいと思います。
それでは、事務局から説明をお願いしたいと思います。
○宮崎課長 私から今後の検討の進め方の案につきまして御説明をさせていただきます。資料1と資料2に沿って、まず御説明させていただければと存じます。
資料1でございますけれども、「今後の検討の進め方(案)」として1枚用意させていただいたところでございます。NDBと介護DBの連結解析のあり方につきましては、本有識者会議におきまして7月19日にこれまでの議論の整理ということで、以下、1から6までありますような論点につきまして、整理を行っていただいたところでございます。この中では、法定化に向けた検討を進めるべきとされた事項、例えばデータの収集、利用目的に関する法律の規定の整備などにつきましての御提言が入っておりました。これらにつきましては現在、厚生労働省で法制面での検討、準備を進めているところでございます。
7月19日の議論の整理の中では、それら以外に引き続き本有識者会議で検討するとされた論点、具体的には今後の方向性という項目の中で検討すべきとされたような論点が幾つかございました。今後の有識者会議におきましては、NDBや介護DBに関連する業務ごとの特性ですとか、あるいはデータの利用主体のニーズ等に基づきまして、残された今後検討するとされた論点につきまして、御検討いただいてはと考えております。
具体的な進め方にかかわるものといたしましては、「今後は」というところに書いておりますけれども、引き続き検討するとされた論点につきまして、以下の視点といいますか、切り口に沿いまして御議論をさらに進めていただいてはと考えております。
1つは第三者提供に係るもの、また、2としてはデータベースの整備・保守管理に係るもの、3としてその他と書いております。少しイメージが湧きにくいので申しわけありませんけれども、具体的にどういう意味かイメージが湧きやすいように、資料3の25ページをまず見ていただければと思います。表で今後さらに検討が必要な論点として表示をさせていただいております。左側にありますのが7月19日のこれまでの議論の整理におきまして、今後の方向性として記載があった部分でございます。これらの残された論点につきまして、右側にあるような、少しそれを掘り下げた形で論点の提示をさせていただいております。
そして、資料3の中で示しておりますのは、第三者提供という切り口で見たときに残された論点、どのように考えればよいのか。例えば連結データの提供・申し出に係る円滑な審査のためにはどのようなことが考えられるのかですとか、第三者提供を念頭に置いたときにデータを安全に提供・利用できる環境の整備にはどういうものがあるのかですとか、そうした観点から、さらに残された論点の議論を進めていっていただけたらということでございます。
もう一度お戻りいただきまして資料1でございます。このような形で7月19日の議論の整理に沿いまして、さらに御検討いただいてはと考えております。その際には3番目の○でございますけれども、2020年度を目途に対応すべき点を中心に見直しの方向性を御検討いただくとともに、この目指す解析基盤におきまして提供することが望ましい具体的な機能などについても、御検討いただけたらと考えております。
また、※のところは入念的に書いておりますけれども、NDBと介護DBの連結解析ということではございますが、そのような姿を考えたときにNDB、介護DB、それぞれ単体の運用に関しても、見直しの方向性が御議論の対象になってくるのではないかと考えております。また、介護DBにつましては第三者提供を本年度中に開始をするということで、現在、準備段階でございますので、本格実施の状況、NDBの運用に係る本有識者会議の検討の状況等の諸状況を踏まえて、今後、運用のあり方を検討していくような段階であるということも入念的に書いてございます。
そのように、7月19日に示されたこれまでの議論の整理に沿って御議論いただいてはということでございますけれども、より具体的にスケジュールとして書き起こしたものが資料2でございます。本日、9月6日の第6回の有識者会議におきましては、残された論点につきまして第三者提供、研究者等に対するデータの提供という視点に沿っての御議論をお願いできたらと考えております。以降、データベースの整備、保守管理あるいはそのほかオープンデータ等の取り扱いなど、残された論点につきまして御議論いただき、そうした御議論を踏まえて見直しの方向性について、さらに御議論いただくことがあろうかと考えております。
また、その上でNDBと介護DB以外の保険医療分野の他の公的データベースとの関係についても御議論いただく回を設けてはどうかと考えております。7月のこれまでの議論の整理の中でも取り上げられました他の公的データベースとの関係につきましては、今、担当部局でそれぞれ課題等について整理を行っているところでございます。御案内のようにNDBと介護データベースにつきましては、悉皆調査であることや匿名性を前提としたデータベースであるなど、共通性が多いことから、先にこの点を御議論いただいたわけでございます。一方で他の公的データベースにつきましては顕名の情報であるとか、あるいは公的な位置づけがされていないですとか、さまざま状況が違いますので、そうした状況を踏まえまして各部局での検討が進んでおります。そのようなところを10月ないし11月のこの会で御報告をさせていただいて、御審議いただければと考えております。
このように御検討をいただきまして、当初の予定どおり、年内を目途に報告書の取りまとめという形で進めていただけたらと考えております。いずれにせよ、これは審議会の審議の状況によりますけれども、年内11月ないしは12月を目途に報告書を取りまとめ、医療保険部会、介護保険部会にそれぞれ御報告をして、御議論をいただくというような段取りになろうかということで資料1、資料2を用意したところでございます。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ただいま事務局から今後の検討の進め方の案が示されましたけれども、何か御意見、御質問ございますか。特段ないようであれば、このような段取りで進めさせていただこうと思いますけれども、よろしゅうございますか。ありがとうございます。そのようにさせていただきたいと思います。
それでは、具体的な議論に入りたいと思います。本日の議論のテーマである「研究者等に対するデータの提供(第三者提供)」について、事務局より説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○宮崎課長 それでは、資料3に沿いまして研究者等に対するデータの提供に関しての説明をさせていただきます。
資料3でございますけれども、1~23ページにつきましては、現状の第三者提供にかかわる現在の仕組み等につきまして詳細を記載しております。その上で24ページからは先ほど少し見ていただきましたが、この検討会で残された論点としてあるものにつきましてブレークダウンした論点を記載しておりますので、順次、説明をさせていただければと思います。
まず現状でございます。2ページをお開きいただければと思います。NDB、介護DBの第三者提供の概要でございます。NDB、介護DBとも御案内のように、レセプト情報等につきまして個人特定につながる情報を削除した上で収載している匿名のデータベースでございます。NDBにつきましては医療費適正化計画の作成等のために国や都道府県が利用する場合に加えて、いわゆる第三者提供として大臣が承認した分析・研究に対してもデータの提供を行っているところです。この第三者提供に当たりましては、いわゆる指針、ガイドラインに基づきまして、厚生労働省の承認に先立ち個別の審査を求め有識者の意見聴取を行うこととしており、このような手続を経まして提供を行っているところでございます。具体的にはこれ以降に資料を用意しております。
3ページでございます。介護DBにつきましてもNDBと同様の枠組みで第三者提供を実施するということで、平成30年度、今年度からの提供を目指して今、準備が進められているところです。NDBと介護DBの対比表を用意しておりますけれども、両データベースとも本人を特定できる情報を削除した匿名のデータベースであるということ、法令に基づく利用であるということ、第三者提供に関しまして、有識者の意見聴取を行った上で行っているということ、ガイドラインに基づいて具体的な運用を定め、提供後の利用者に対する監査や公表物の確認等の実施についても行っております。収集・利用目的につきましては、ガイドラインで一番下の欄のような形で定めているところでございます。
具体的な利用の流れを4ページ、5ページに書いておりますが、後ほどの説明とも重複しますので省略させていただきまして、6ページをお開きいただければと思います。具体的な第三者提供の流れでございますけれども、大きく分けると4つのステップがございます。まず利用者による申請書類の作成の段階がございます。利用者による申請書類の作成の段階におきましては、厚労省側の支援といたしましては、支援の窓口で書類の作成の支援等を行っているところでございます。一部、外部委託によりまして実施しておりますけれども、申請書類が手続に沿ったものになるよう支援を行っております。この申請書類の作成で大体2カ月から3カ月ぐらいかかっているというのが現状でございます。
その上で申請が上がってまいりましたものにつきまして、国による審査を行っております。受理後、利用目的等を事務局で確認の上、有識者会議で御審査をいただいております。そして、そこで審査を通りますと、国と利用者間でデータ提供の契約及びデータ抽出処理という形で、具体的な契約を締結した上でのデータの処理・提供が行われております。そして最後の段階としましては、国による利用者の監査ということで、実際に目的どおりに利用されているのか、利用環境がちゃんとされているのかといった監査を行い、公表物の確認につきましても申請どおりのもので適正なものかどうかという確認を行うという形です。このような1~4にあるようなステップを踏みまして、第三者提供を行っているところです。
以下、各ステップに沿いまして詳しく御説明をさせていただければと思います。
8ページ、第1のステップの利用者の方による申請書類の作成の段階です。利用者の方から申請いただく際には、その利用目的が公益性を確保したものとなっているのかどうか、匿名性の確保がされる利用になるのか、安全な利用の確保のためのセキュリティー要件が満たされているのか、指針に定める事項についてどのような状況になっているのかということを詳細に記載いただいた上で、提出をいただいています。8ページに少し詳しく表とか申請書類、提出書類一式の表が掲げておりますけれども、このような書類を提出いただいております。
これに基づいて審査等に入るわけですけれども、最初の段階でこの申請に必要な提出資料がきちんとそろっているのか、そもそも何かこの利用に当たって錯誤等がないのかという点で、利用者の方に対して支援等を行っているのが現状でございます。
11ページ、その申請書類の作成の段階のもう少し詳しい内容といいますか、申請者に対してどのような支援を行っているのかを記載したのが11ページでございます。利用者の申請書類の作成に当たりましては、これまで以下のような取り組みを行っております。1つは申請に係る情報の提供ということで、必要な手続等にどのようなものがあるのか、あるいは申請を支援するための動画という形でウエブ上での情報提供なども実施しているところでございます。また、利用者向けのマニュアル等につきましても公開をいたしまして、格納データのコード定義表の公開なども行って、利用者の方の申請の利便を増すよう支援を行っているところでございます。
また、申請支援の窓口を外部委託して開設し、申請者の利便に供しているところでございます。
12ページ、申請の支援ということに関しましては、データベースの基礎知識や解析時の留意点に関する研修等についても研究を実施しております。12ページにございますのは東京大学の康永先生の研究でございますけれども、大規模なデータベースを効果的、効率的にハンドリングする能力を養成するようなプログラムの開発ということで研究なども行っているところでございます。また、その際には研究の一環としてNDB等のデータベースの研究人材を育成する短期集中セミナーなども実施していただいたところです。これらを29年度から30年度にかけての厚生労働科学研究で行っているところでございます。こうした支援も行った上で申請書類を出していただくというのが第1段階でございます。
第2段階です。13ページをお開きいただければと思います。国による審査の段階でございますが、国による審査におきましては、指針に基づき第三者提供の可否を有識者会議で御議論いただいた上で決定をしております。特に審査に当たっては利用目的の公益性と個人の識別可能性の有無について丁寧に御議論いただいて確認しているということでございます。有識者会議、NDBの例をとりますと13ページの左側、下のほうにありますけれども、保険者、医療関係者、学識経験者、全部で18名の有識者の方々にお集まりをいただきまして、年4回開催をし、1回当たり10~15件の審査を行っていただきまして、利用目的の公益性や個人の識別可能性の有無を特に見ていただいております。
具体的には14ページに審査の観点ということで、1つには、利用の公益性につきまして見ていただいている。例えば利用目的が医療サービスの質の向上や学術発展に資するものなのかどうか。成果物が公表されることで公益に資するものであるのかということを御判断いただいております。
申請の中に例えば利用目的を達成できないような可能性のある分析手法、全く誤った分析手法のものであれば、再検討をお願いすることになりますし、あるいは例えば営業目的の可能性があるデータ提供依頼等につきまして、公益に資さないというものであれば審査を通さないという形になっているわけでございます。
15ページ、もう一つの観点、個人の特定可能性についても御議論をいただいているところでございます。
繰り返し御説明いたしておりますように、NDB、介護DBにつきましてはいずれも匿名のデータベースではございますけれども、例えば抽出の仕方等々によりましては非常に小さな範囲で、特定の個人が識別されかねないデータの抽出になることもあり得ます。その場合には公的に集めたデータベースを使って特定の個人の方に御迷惑をおかけすることにもなりかねませんので、この個人の特定可能性につきましても非常に慎重な御議論をいただいているところでございます。利用する情報の範囲や調査事項が研究内容から判断して必要最小限のものとなっているのか。データの分析方法等が結果として特定の個人を識別する内容となっていないのか。こういった点についての審査を行っていただいているところです。
例えば希少疾患の患者さんでは、1つの医療機関で1カ月の間にお一人とかお二人しか受けないような事例なども考えられるわけで、抽出の仕方、研究のデータの分析方法のいかんによっては、意図せざるとも特定の個人を識別する可能性がございますので、こうした観点から丁寧な御議論をいただいているところでございます。
16ページ、17ページにつきましては、その有識者会議の構成員の方々についての名簿を掲載しているところでございます。
18ページ、第三者提供に係る第3段階、国、利用者によるデータ提供の契約、また、データ抽出処理に関する手続を記載しております。審査を経て提供が適当ということが認められた場合につきましては、利用者による誓約書の提出をいただいた上で、大臣による利用決定を行い、データ利用の契約を締結いたした上でデータの抽出処理が開始されます。利用者の申請に基づいてデータの抽出を行って、必要に応じて集計表等を作成、抽出処理の後、機密保持対策の施された媒体によりまして利用者に発送するというような手続をとっております。
フロー図につきましては、18ページの下半分にあるような形でございます。
19ページ、こうした1~3のステップを経ましたNDBの第三者提供の実績、NDBを例にとりますと第三者提供の実績といたしましては、今、年々、増加傾向にございます。平成29年度では64件、提供先は大学、国の行政機関、自治体等で、このような第三者提供の利用がふえている状況です。抽出には従来、平成27年度には承諾があってから実際の提供に至るまで260日かかっていたところがございますけれども、最近ではサーバーの増設等により改善をいたしており、承諾から提供まで約80日と提供までの期間も短縮しているところです。
この第三者提供につきましてもう少し触れさせていただきます。参考資料3に、これは以前の回でも提供したものでございますけれども、15ページをお開きいただければと思います。NDBデータを利用いたしまして、行政の利用あるいは研究への利用という形で今、ニーズがふえているところでございまして、15ページは行政利用の事例として地域医療構想の課題抽出にデータの活用・分析が行われているという例、16ページにつきましては、健康スコアリングレポートという形で各健保組合の加入者の健康状態や医療費などを見える化いたしまして、各健保組合に対して通知を行っているところでございますけれども、このもととなるデータは、NDBデータから保険者単位のレポートを作成してお送りし活用されております。
また、個々の研究利用で申しますと、18ページ以下に研究利用の事例として4例挙げております。例えば18ページでは九州大学の鴨打先生の研究の例として、急性期脳卒中診療におけるt-PA療法の普及、t-PA治療の均てん化を念頭に置いたときに、どのような形でt-PAの利用が進んでいるのかを、年次変化など、NDBデータをもとに分析されるという研究などが行われてございます。このような形でNDBデータ、第三者提供によりまして、行政による利用あるいは研究者による利用が進んでいるところでございまして、今後もこのようなニーズが高まっていくだろうと考えているところでございます。
なお、これまでの説明の中でも何度か出ましたけれども、NDBにつきましては匿名のデータベースですが、抽出の仕方、分析の仕方によりましては個人の特定の可能性があるということで、その点は非常に慎重に手続を進めているところでございます。これまで150件を超す利用がありますけれども、今のところ個人情報に関してのトラブルといいますか、そういったものの御指摘はないところでございます。引き続き慎重な取り扱いが必要だと考えているところでございます。
利用状況ということで参考資料を使いましたけれども、もう一度、資料3に戻っていただき説明を続けさせていただきます。
最後、第三者提供に係る第4段階でございますが、21ページをごらんいただければと思います。提供までの前の段階で慎重な審査等を行っているわけですけれども、提供後もきちんとそれが守られているかどうかを確認するために、第三者提供に当たりましては厚生労働省が利用者への実地監査を行っているところです。利用者の監査におきましては安全なデータ利用の環境が確保されているのか、データの返却あるいは破棄がきちんと申請どおり行われているのか、利用登録者以外の利用が行われていないのかなどの確認を行っています。
また、公表物の確認という形で、利用の公益性と匿名性の確保の観点から確認を行った上で、必要に応じて有識者会議でも審査を行っていただいているところでございます。
以上がNDBを中心といたしまして第三者提供にかかわる手続、4段階に分けて御説明いたしたところです。もう一度申し上げますと、有識者会議の方々にも御協力をいただきまして、第三者提供にかかわり利用の公益性と匿名性の確保という点に十分意を払いながら手続を進めてきているところであり、また、その一方で利用者の利便に配慮いたしまして、提供までの日数の短縮化を図ったり、あるいは申請段階での支援などを行っているところでございます。これらの取組を通じまして利用数は年々増加している状況でございます。
次に、24ページ以降、さらに検討が必要な論点ということで整理した資料について御説明させていただきます。
7月段階のこれまでの議論の整理における記載を左側にした上で、右側にさらに検討が必要な論点ということで、案として論点1~7というものを記載しております。順次御説明させていただきます。
まず、これまでの議論の整理の中で第三者提供の項目の中に書いてあったものでございます。今後の課題として情報の提供に係る迅速な審査、連結解析に係る円滑な審査、利用者支援、安全な利用環境の整備等の取り組みを実施すべきという御指摘をいただいていたところです。それぞれについて論点1では、NDB、介護DB単体で考えたときに、データ提供の申出に対して迅速な審査をどう考えていくのかという点があろうかと思います。第三者提供の枠組みを制度化することを踏まえた上で、各データベースの情報提供に係る審査について効率的な審査体制を検討していく必要があるのではないかというのが1点目でございます。
論点2は、データを連結した場合に、こうした連結データの提供の申し出があった場合にどのような審査、円滑に審査が行えるのかということでございまして、各データベースの情報提供に係る審査主体による審査を前提として、連結データの提供申し出については審査に要する時間の短縮等のために運用面で配慮することとしてはどうかと書かせていただいております。
論点3です。利用者の支援ということで効果的・効率的な利用者の支援という論点でございます。利用者の利便性の向上ですとか、より適切で安全なデータの利用、各データベースについての正しい理解につながるように、ICTなども活用して利用者支援の充実を図ってはどうかとしております。
論点4は、データを安全に提供・利用できる環境の整備です。安全かつ迅速なデータの提供、利用のために、より多様なデータ提供の方法を検討してはどうかということです。例えば安全なクラウド環境の活用等についても念頭において御議論いただいてはどうかということです。
論点5は実施体制にかかわる部分で、みずからデータの処理が可能な知識・技術を要する研究人材の養成が必要ではないかという論点を指摘いただいていたところです。NDB、介護DBの特性を理解した上で、データ処理の知識・技術を習得するための研修に係る検討を引き続き支援する、あるいは研究人材の養成につながる取り組みを行っていってはどうかということが論点として挙げられようかと思っております。
論点6です。これは実施体制のもう一つの論点といたしまして、データベースの保有主体が国であるという基本的な性格を踏まえた上で、国がみずから行う機能、効果的・効率的な実施の観点から他の主体に委ねることが適当な機能、こうした機能について国の関与のあり方、他の主体に求められる要件などについて整理・検討すべきであるという整理が行われていたところです。
この論点6といたしましては、したがいまして、まずは第三者提供の枠組み等の具体的な検討を進めることとし、その上で必要となる機能につきまして国みずからが担う機能、他の主体に委ねることが適当な機能などにつきまして分類し、委任・委託のあり方などについて検討することとしてはどうか、さらには他の主体に委任・委託を仮にするといった場合には、国の関与のあり方や当該主体に求められる要件を検討することとしてはどうかということで、論点を記載しております。
27ページ、論点7として費用負担にかかわる論点も記載がございます。これまでの議論の整理では、第三者提供には公益性と利用者における個別の受益のメリットの双方が存在して、個々の提供に伴うコストも発生する一方で、公益性を確保した利用の促進の要請も存在しております。こうした諸点を踏まえて、第三者提供の利用者の利用負担を求めることについて、今後、具体的なあり方に即して引き続き検討する必要があるという記載がございました。これにつきましては、右側にございますように第三者提供の枠組み等の具体的な検討を進めた上で、費用負担のあり方についても検討してはどうか、また、その際には第三者提供におけるデータの抽出処理等には一定の作業量が発生すること等を考慮して、費用負担を求めることを前提としてはどうかという論点を記載しているところでございます。
1~7のように論点あげてございますけれども、当然この論点にかかわらない点も含めまして御議論をいただければと考えているところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ただいま事務局から第三者提供に関する現状及び今後検討が必要であろうという論点の整理案が出されております。皆様の御意見を承りたいと思いますが、せっかく必要な論点案が出ておりますので、この論点に沿って御意見をいただければと思います。もちろん議論の中でこの内容からはみ出した議論があっても全然構いませんので、一応、交通整理上そのようにさせていただきたいと思います。
それでは、25ページの論点1~4に関連する内容で御意見、御質問等あれば承りたいと思いますが、いかがでございましょう。石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 日本医師会の石川でございます。
論点1でNDB、介護DBの単体のデータ提供ということについて、これは介護のほうで単体のデータで研究をもう少し進めるべきだということを何回か前の会議で言ったのですが、それを幾つか踏まえて、それでオープンというものをつくったりすることも可能だと思うのですが、この論点2に行く間に、論点2が連結データの提供・申し出に係る円滑な審査となっておりますけれども、連結の仕方について詳細な技術的なものだとか、そういったものはまだ議論していなかったのではないかと思うのです。
それで幾つか前の資料を見ても、どうやってNDBと介護DBを突合させるのか、連結していくのかということについて、幾つかのハッシュをかけてとか、そういったさらっとしたことかないのです。実際にだから論点1と論点2の間に連結データの技術的な議論だとか、そういうものが必要なのではないかと思うのですけれども、それはどうなのでしょうか。
○遠藤座長 では事務局、コメントをお願いいたします。
○宮崎課長 今の石川構成員の御指摘の点は、まさに今後検討が必要な部分でありまして、私どもとしましては、この論点の表でいきますと27ページの「7.技術面の課題」にございますが、どういう形で連結解析を行っていくかですとか、そういう技術的な対応の内容については、この次の回で資料などもお示しして、御議論いただけたらと考えていたところでございます。
○遠藤座長 技術上の課題ということで、次回以降の検討の俎上の載せるということでございます。
○石川構成員 わかりました。そのように運営していただければといいと思います。
○遠藤座長 ほかにございますか。樋口構成員、どうぞ。
○樋口構成員 単純な質問ですけれども、25ページ、言葉尻の話かもしれないのですが、論点1でまず団体のデータベースの情報提供に係る審査について、効率的な審査体制を検討してはどうか。いやいや、効率的な審査体制が可能ならそれはどんどんすべきだということしか、私なんか単純だから回答の余地もないようなことなのですけれども、むしろ例えば6ページ目に第三者提供の流れというものがありますね。現在これだけの日数がどうしてもかかっている中で、より効率的に短縮を図れるような、きょうの論点のところはできるだけ迅速な審査をしてあげて、広くこのデータベースを活用するような基盤をつくっていきましょうという方向性は明らかなのですが、具体的に例えば6ページ目で、こういうところでどこかを省略するという話は多分ないと思うのです。このステップ・バイ・ステップという仕組みは維持した上で、どこが効率的にできる余地があるのだろうかということを私なんかには教えてもらったほうがありがたいです。
○遠藤座長 事務局お願いします。
○宮崎課長 まず論点の文章は日本語がつたなくて申しわけありません。
樋口構成員御指摘のとおりで、必要なステップはきちんと踏むことを前提として迅速化を進めていくべきということは、データ提供に係る有識者会議の皆様方からもそのような意識でいろいろ御審議をいただいて工夫を重ねてきているところですが、その上でさらに何か工夫があるのかということが1つあります。もう一つは法制化をしていったときに、審議体が今後は法律に基づく審議会のようなところで御議論いただくことに恐らくなろうかと思います。その場合の審議体をどのような形で運営していけばいいのかというところが課題となってきて、そのような手続をとるがゆえにかえって遅くなるようなことがないように、審議会の運営、あるいは審議会の構成など検討する余地があるのだろうと思っております。そのような点も含め、例えば今まさに有識者会議で携わっておられる先生方も含め、こういう点が改善できるのではないかとか、御意見があればお伺いしたいということであります。少し抽象的な書き方になってしまいましたけれども、そのような思いで論点として提示をさせていただいたところです。
○樋口構成員 私は実際に審査というものがどんなものなのかわからないので、そういうことで私が十分理解ができないと思うのですけれども、効率的な審査体制ということのイメージなのです。何かを目標にして今の制度の改善を図っていく。特に審議会みたいな重いものをつくった上でというのは、例えば目標として何カ月という現状の数字がありますね。これは少なくとも維持するんだという目的を設定するのか、それともこれだけある、少なくとも足して半年ぐらいですよね。それを3カ月ぐらいに何とか短縮するというような目標設定があって、何をもって効率的という、そんな簡単に達成できるかどうかはともかくとして、だから不可能な目標を設定するのは全く意味がないと思うのですけれども、何らかの根拠があって審査に携わっている方々が、こういうところは効率化できて、しかも利用者の利便性といいますか、やはり早く研究したいわけでしょうから、これから半年待てよとか、1年待てよという話はよほどのんきな研究者でないとちょっとという話になると思うのです。
ですから何か目標設定というのが具体的な数字で、それが実現できるかどうかはともかく、実現可能な範囲であり得ると思われるものを設定するというような手法はあっていいのかなと。この後のほうのICTを活用しつつ、利用者支援の充実。だから利用者支援を充実させて、データ利用の件数もふやしていくということですよね。今までの件数は157件で、ふえてきてはいる。これを同じペースでというのか、このぐらいのペースでというのを目標としては設定してみるという話だってあっていいと思うのです。
3つ目は、ちょっと先走っていると思いますけれども、それぞれがデータを利用して、どのようなものが出てきたかという質の評価が、件数だけでは意味がないと思うので、質の評価をとる。これも有識者会議でやっておられるのかもしれませんけれども、システム評価は本当に難しくて、どうやったらいいのか私は今、言っているだけで、つまり量と質と両方から攻めて何らかの仕組みをつくっていくのがいいのかなと感じたものだから申し上げました。
○遠藤座長 貴重な御意見ありがとうございました。御意見として承りました。
ほかにございますか。山本座長代理、お願いします。
○山本座長代理 審査をしてきた経験から申し上げますと、6ページの1~4で、まず1は申請する側の事情ですのでなかなか難しいところがあるのですけれども、2はたしかNDBは最初、年に2回審査をしていたと思うのです。申請の件数がふえてきたので年4回に増やし、なおかつ有識者会議ではなく、有識者会議の中に分科会をつくって審査を担当する構成員の方にお集まりいただいて、年4回分科会で審査をやっています。それでここは倍の頻度で行われるようになったということと、専門性を持った構成員による分科会にした。
過去、非常に問題になったのは実は3で、これはNDBのデータベースが非常に大きいもので、なおかつ法律に基づく通常の業務がありますから、提供を決めてもなかなか抽出できなかったのです。これが今、サーバーの増設等で提供までにかかる時間が80日ぐらいに減ってきました。ここは2カ月と少し短めに書いてありますが、今は80日程度で提供できるようになりました。あとは研究者の能力によってスピードが変わってきますから、そこは我々ではどうしようもないといいますか、もう少し後のテーマでどうやって支援をするかということにかかわってくると思うのです。
そうすると、これから変わったときにもしも審議会になってくるとなかなか年4回でこんな審査はできなくなるでしょうから、ここを今までと同じように分科会みたいな形で年に4回ぐらいはやっておかないと、大体研究は1年単位、2年単位、3年単位でやりますので、そのペースに合わないことになるため、年4回ぐらいの審査はできるような体制をつくるべきだと思います。
あとは、今は80日かかる3のところをもう少し短くしてあげると、審査が終わって実際にデータを受け取るまでに1カ月ほどで手に入るというぐらいが、本当は研究者にとっていいのだろうなと思います。
1に関しては、実はここの中身というのは3にも4にも関係するのですけれども、本当にきちんと練られた計画であると、抽出も非常に合理的な抽出になりますし、研究の進め方自体もよくなっていくと思うのです。医学系の普通の疫学をやっている方がこういったリアルワールドのデータをどう扱っていくかというのは、必ずしも十分慣れていないので、研修のようなことをしっかりやってあげるといいかという気がします。
○遠藤座長 ありがとうございます。補足の説明ということかもしれませんけれども、非常に具体的なことがわかりました。
ほかにございますか。石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 今、山本先生からそういうお話がありましたけれども、私もこの有識者会議でNDBの審査をやっていまして非常に感じることは、先ほどちらっと言いましたが、介護DB単体の研究というのを私はもっと進めるべきだと思っているのです。
というのは、介護DBというのは研究前のDBそのものがどういうものでとか、それがなかなかおわかりでないと、突拍子もない研究のテーマが出てきたりします。初期の有識者会議でこんなことできないではないか。レセプトではこんなことわからないというのが随分、研究のテーマとして上がってきたりしていますので、私は連結の前に介護DBというものがどういうもので、どういう研究ができるんだということを少し議論したほうがいいのではないか。そのほうがこの流れももっとスムーズにいくし、そういうやりとりの中でデータベースの使い方がうまくなって、みんな研究者の方もうまくなってくる。申請の仕方も上手になってくる。そうすると早くなってくると思いますので、そこのところだと思うのです。
○遠藤座長 重要な御指摘だと思います。
眞鍋課長、どうぞ。
○眞鍋課長 老人保健課長でございます。
石川先生、重要な御指摘ありがとうございます。今、介護DBに関しましても今年度から第三者への提供を始めております。実は先月だったと思いますけれども、初めて説明会を行いました。200人くらいの研究者の先生がお集まりではなかったかと思いますが、関心の高さを私どもは実感しております。
その中で石川先生が今、御指摘いただいたように、何が使えるか、何が見えるかということを私どもも丁寧に、私どもも手探りなところがございますけれども、幾つか先行的な研究もなくはないと思いますので、そういうことも含めて研究者の先生と私どもでうまくつくり上げていくことが大変大事だと思っております。そういうことは介護DBでも進めていきたいと思っております。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
ほかに何かございますか。武藤構成員、どうぞ。
○武藤構成員 論点3のことなのですけれども、今の議論の続きで、25ページの論点案の●ですが、「利用者の利便性向上や、より適切で安全なデータの利用、各DBについての正しい理解につながるよう」の後に「ICTを活用しつつ」というのがあります。ICTを活用しつつ、利用者支援を図るというときに、どこがICTの活用に資する部分なのかというので少し教えていただけたらと思いまして、例えば先ほどの御説明で想像するに、12ページに研修のお話があって、今の康永先生がされているようなプログラムをeラーニング化するとか、今の入り口のところ、このデータベースはどういうものなのかというのをもっと広く、短く、簡単なものを誰でも、どこからでも見えるようにするとか、そんなことはわかったのですけれども、それ以外にどこがICT活用の余地があるかというのをもしお考えがあれば教えていただきたいと思います。
○遠藤座長 では事務局お願いします。
○廣瀬室長 事務局でございます。
現時点でのイメージでございますので、非常に粗い御説明になることを最初に御容赦いただければと思います。こちらの「ICTを活用しつつ」について、まず1点目は、紙ベースの申請受付を行っているところですので、これを例えば電子的手段も併せて用いて負担の軽減を図っていくということなどがあるかと思います。あとは夏までのご議論でも、データベースの基礎知識とか解析時の留意点に関する研修に積極的に取り組むべきでとの指摘いただいているところですので、どういった研修の内容を提供していくかというところは、いろいろなご意見があるかと思いますし、様々な状況を考慮する必要はございますが、先生ご指摘のとおり、これらをeラーニング形式で提供することを検討していく段階にあるのかなと認識しております。
○遠藤座長 武藤構成員よろしいですか。ありがとうございました。
ほかに何かございますか。どうぞ。
○松田構成員 ICTとかもそうなのですが、これをやっていく上で一番重要になってくるのはマスターの整備で、例えば化学療法の分析をしたいというときのマスター類、抗菌剤の分析をしたいときのマスター類、ある医療行為をやりたいときのマスター類、そのマスターは診療報酬の改定のたびに、あるいは介護報酬の改定のたびに変わってしまうので、それを時系列で分析しようとしたときに履歴もちゃんと残っているマスターをちゃんとどこかが整備するということをやらないと、なかなか活用は進まないと思います。
私たちDPC研究班では、DPCに関連していろいろな分析をする人のために研究班としてマスターをずっと整備しているのですけれども、実はこの整備が一番時間を食うのです。でもこれがあるとすごくやりやすくなってくるので、そういう意味でマスターの整備というのはまず一番大事なのだろうと思います。
あと、レセプトを分析するときに、レセプトの構造をちゃんと理解してもらうことが大事で、審査で私たちもいろいろやらせていただいて、市販されているレセプトのデータベースと、NDBの構造を混同されている方が結構いらっしゃいます。要するに市販されているデータベースは、そこのところがつながって分析できるようになっているけれども、NDBは生のままでそういうことはできない。そこの区別がついていないので、市販のデータベースのフォーマットで申請してきて、こんなものはできないよというふうになってしまうパターンが結構今まであったと思うのですが、そうするとそういう生のレセプトのデータベースの構造をちゃんと理解してもらうような、YouTubeでも何でもいいのですが、そういう講義といいますか、研修みたいなものを画像化して、ICT化して提供することを少しやっていかないといけないのではないかと思います。
以上です。
○遠藤座長 松田構成員、どうもありがとうございました。重要な御指摘をいただいたと思います。事務局よろしくお願いいたします。
ほかにいかがでしょうか。棟重構成員、お願いします。
○棟重構成員 論点4に移りますけれども、安全かつ迅速なデータの提供のためにということで、安全なクラウド環境の活用ということが検討課題として挙げられています。ここで対象となる情報は匿名化されているとはいえ非常に機微な情報でございますので、慎重にやる必要があることは言うまでもありません。一方で効率性だとか迅速性を求める中で、今、国全体でもクラウドということをいろいろと視野に入れてやっていらっしゃると思うのですが、我々からの要望としては、しっかりと安全性を確保してやっていただきたいということです。まだまだ世の中はクラウドに関しての不安感がありますので、そういう意味ではどこまで、なぜ安全なのかということがわかるように、また、悪意を持ってアクセスしようという人は常に新しいことをやろうと思ってやっているので、こちらも最新な状態で対策を採っているということが確実に見えるような形で世の中に周知していただきたいと思います。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
何かコメントありますか。では事務局お願いします。
○廣瀬室長 補足になってしまいますが、先ほど構成員から御指摘ございましたように、政府全体でIT関係のクラウド化に取り組んでいる状況下ではございますけれども、何でもかんでもクラウドを推進する性質のものでは当然ございませんし、政府が利用するクラウドの水準については検討が行われておりますので、そういった水準をしっかり考慮をした上で、安全な活用が可能であるのか、専門の先生方の御意見を伺いながら丁寧な検討に努めてまいります。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかにございますか。それでは、葛西参与、お願いします。
○葛西参与 今の話にも関係があるのですが、その前に今の安全なデータの提供のところで、これは私の意見で、こうやるかどうか悩むところではあるのですが、もともとまず匿名性に関しては次世代医療基盤法でもそうなのですけれども、攻撃のパターンがある程度できてきているというか、専門的にはレコードリンク攻撃であるとか、属性リンク攻撃とか幾つか攻撃のパターンがあるのです。それに従ってセキュリティーの業界ですと普通ペネトレーションテストというか、疑似攻撃をしてみてオーケーだったら公開するという、技術的にどの匿名性を保てばいいのかというのはルールが決められるはずなので、これはどこかでちゃんと常設組織で、もしくは専門的組織と協業しながら何かやらないと難しいかなと。これはかなり専門的な話です。
もう一点、クラウドに関しては、私は中で設計している身でもあるので、実際に早く、先ほど言った80日はかなりサーバーは頑張っている状態でございまして、なかなか難しくて、実際に分散処理をやったりするときにどうしてもクラウドが必要になってきてしまう部分が出てきているなというのは実態なのです。一方で、クラウドの安全性に関しては、インターネットを経由すると実は誰でも触れる部分もあるので、そのクラウドを専門とするセキュリティー環境というのは何かというのは全く違うものがあるので、これはどこか別のところで検討が絶対に必要だろうなというのが個人的な意見です。
もう一点、1つ気になっているのが、例えばどうも見ていると、私がびっくりしたのは、利用者による申請は2~3カ月かかるんですねと。これは実は全然わかっていなくて、なるほどと思ったのですけれども、その中で国による審査とか、どうもやはり常設的なものではないのです。1カ月有識者会議をやる。やはりだんだん分科会にしなければいけなくなるとか、セキュリティーに関してもレピュテーション情報という評判的な、どういう攻撃をやっているかという知識をためるようなところが必要になりますとか、運用するときにトレーニングをする必要があるなと。データベースの構造を知ってつくらないとつくれないなということもあります。こういった常設組織というのは今後多分、今ばらばらに運用されているものというのはある程度、統合が必要なのではないか。専門的組織が必要になるのではないかという思いが皆様の意見を聞いていると感じましたという、これは感じているという意見だけでございます。
○遠藤座長 貴重な御意見ありがとうございました。
ほかに何かございますか。樋口構成員、どうぞ。
○樋口構成員 こういうデータベースの話なのに、少しアナログの話に戻るのですけれども、ここの6ページ目の申請支援というのが非常に大事だと思うのです。もちろん有識者会議というチェックがあった上で、質的な評価もした上で、最後にデータ利用ということになるのですけれども、申請支援のところで大枠は決まる。
この申請支援というところでは、まず質問は支援の窓口というものがありますよと言うのですが、厚労省の支援の窓口というのは何人ぐらいでやっておられるものなのですか。それはどういう質問かというと、ちょっとアナログな話で恐縮なのですけれども、しかも私の狭い知見の話なのですが、私は東京大学の医学部の倫理審査委員会というものを割に長くずっとやってきて、そうすると一番初めは臨床試験の申請要領というものがあります。やはり非常にばらばらだったのです。しかし、東大の病院のところに臨床試験部というはっきりした専門部があって、そこで例えば様式であるとか書き方の問題とか、そういうものを本当に事細かに丁寧に指導するようになって、何年かすると言葉遣いの問題でこれはおかしいではないかとかいうようなレベルでは大丈夫になって、一定のスタンダーダイゼーションができてくると、申請のところの手続が非常にスムーズにいくようになったということなのです。
これはデータの話なのでもっとICTみたいな話になると思うのですけれども、しかも先ほどICT申請という話も出てきましたから、そういうことができるような、つまり厚生労働省で何人かと聞くのは本当に愚問だと思いますが、一体こういうところの支援窓口というのでどのくらいの人が対応しているのかなということを疑問に思いました。
○遠藤座長 関連で事務局お願いします。
○廣瀬室長 この申請支援で大きく分けると2点ございまして、6ページの資料で厚労省となっているところは緑色の矢羽が伸びておりますけれども、まず外部委託でやっている申請支援窓口というものがございまして、こちらは委託先で4人の人員を確保して御対応いただいております。
次の受理後の確認。もう既に国に申請書が上がってきたという段階でも事務局、厚労省としてもチェックをしてございますけれども、この受理後の確認のところで厚労省は2名の体制でやっております。
○樋口構成員 ありがとうございました。
○遠藤座長 短縮というと、かつてドラッグ・ラグを短縮するいとうところでPMDAが一生懸命その申請時にさまざまなコンサルティングをして、教育をしながら期間を短くしていくということをやったわけですが、アナロジーの議論かなと思いますけれども、それなりの体制整備が必要だという御指摘ですね。
ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか。ありがとうございます。それでは、次の課題、論点5でございます。これについては若干もう既にこれに絡んだ議論が出ておりますけれども、いかがでございましょう。山本座長代理、お願いします。
○山本座長代理 これはここに書かれているとおりで、どう進めるかだけの問題だと思うのですが、先ほど松田先生がおっしゃったように、こういったデータベースは研究用に使うマスターの管理というのがすごく大事で、それがないと効率的につくれないという問題があって、やはり持続的にこういう支援をする組織をつくったほうが望ましいのだろうなと思います。
というのは、アメリカのCMSのデータベースは日本がこのNDBをつくる前はかなり大きなデータベースで、今は日本のNDBのほうが大きくなってしまいましたが、そのCMSのデータベースの利用者に対して、ミネソタ大学の公衆衛生学教室を中心としたResDACという組織にCMSが継続して委託をしていて、CMSのデータベースの申請もある一定以上の水準のデータを要求するときは、ResDACを通さないと受け付けないのです。ResDACも研究者に対して定期的に講習会を開いたり、研究の申請書のフォーマットのお手伝いをしたりして、かなりスムーズに動いているようです。ここが委託等で毎回変わるようだと余りうまくいかないのかなという気はして、ノウハウがしっかり蓄積されていくような組織が本来はあったほうがいいです。今すぐそれができるかどうかは別として、将来的にはそういうことを考えたほうがスムーズではないかと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに何か。ではまた何かあれば戻っていただくということで、論点6に移りたいと思います。これにつきましても既に御議論の中では言及されているところもありましたけれども、改めて御意見があれば承りたいと思います。葛西参与、どうぞ。
○葛西参与 これは多分、今の話を聞くと、どうもそういう組織なり何かが必要になるなと思ったときに1個気になっていたのが、もともと医療のデータの権利の問題というか、何かというと個人のデータですとGDPRの動きがありながら、一方で私自身がデータヘルス本部にかかわってきて感じているのは、例えばデータのマスターはかなり重要です。ところが、それが特定の例えば研究者のものにならないほうがいいかなとか、オープンであるほうがいいかなと思ってくると、どこかで個人のデータであったと思われる権利が、どこかの組織のものとなる瞬間が発生する。もしくはちゃんとした権利の保護のもとで提供していかなければいけないなという、データの持ち主は誰だみたいな話というのは最初にきちんと、私はむしろ専門では全然ないのですが、そうしておかないと、そういう組織ができても誰のデータなのだろうかという。特になぜそう感じたかというと、一番最初のところで見ていると契約、例えば病院機関とか何をやるにでもそうなのですが、データの利用に関する契約の行き違いとか、もしくは提供主体の方が不安になってしまう。当然ですよね。突然クラウドに載せると言ったら何だろうとか思うでしょうし、下手すると人工知能とか言われるとブラックボックスなのでどうしようと思うという、その不安をちゃんと解消するための制度であったり法的な何か保護がないとまずいなと。それがないと私としてはシステムを設計してもなかなか行き渡らないなということを感じましたというところです。
○遠藤座長 重要な御指摘だと思いますけれども、関連で何か御意見ございますか。
事務局としてはこのようにお書きになっているわけですが、何かこの内容に付加して、こういうことを言いたかったんだとか、その辺があれば何かお聞きしたいと思いますけれども、何かございますか。
○宮崎課長 御案内のようにNDBにつきましては、保有主体は誰かと言われれば国の法律に基づいて厚生労働大臣が保有主体ということでございます。そして本来の法律に基づく利用目的は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づいて行政の利用のために法律に基づきまして収集を行っているというものではございますが、それを前提とした上で第三者提供についての御議論を今いただいているということでございます。
そして第三者提供までの手続を考えていきましたときに、保有主体は厚生労働大臣ということ、法律の目的のもとでやっているということは前提ではありますけれども、国が事務の全てを、今やっていますけれども、それを細分化していったときに本当に最後まで国が持たなければいけないところはどこなのか、あるいはより仮に件数がふえていったときには、将来的にはこの部分は第三者にお願いするところがあるのかないのか、そうしたところを念頭に御議論いただいてはということで書いております。
ただ、それは今、何か具体的にこのように考えてほしいということがあるわけではありません。この有識者会議の議論を踏まえて連結解析の基盤ができていくときに、手続の中でこういう部分については、こういう機能を持ったところならできるのではないかとか、少なくともこの部分はずっと国が責任を持つべきではないかとか、そういう御議論がいただけたら大変ありがたいなということで記載しております。何か具体的にどこにということで書いているわけではないということであります。
○遠藤座長 ありがとうございます。
いかがでしょうか。技術的な問題、法的な問題、いろいろな視点からの御議論ができるかなと思いますけれども、何かあれば。松田構成員、どうぞ。
○松田構成員 委任、委託する場合のところなのですけれども、一番根っこのところの技術的な条件というものが委任先とか委託先で変わってしまうと、事業の継続性ですごく問題になってくるので、根っこのところは公的なところできちんと持っていたほうがいいと思うのです。その仕様に合わせて委託するという形にしていかないと、実際に私は幾つかの公的なデータでそれを経験しているのですが、加工のところから事業体が変わってしまうと、今までのものと連続した分析ができなくなってしまうのです。何でそうなってしまうのかというと、一番根っこの技術的なところは公的なところで保有していないからだと思うのです。そこをしっかりした上で委託するという形にしていかないといけないのかなと。
そうすると、例えばですけれども、いろいろなことをやるときに例えば保健医療科学院にそういう基本的な機能を持っていただいて、そこにいろいろなところの研究者なり、あとこれをやる上で一番重要になってくるのが、レセプトの実務がわかっている人が入ってこないと難しいので、それは国保中央会だったり支払基金の人が、技術的な人がチームとして入ってくる。だからそういうものが根っこにあって、その上で何か業務を委託するという、仕様書の書き方になってくると思うのですが、そういう体制に持って行ったほうがいいように思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。国立の研究所に窓口というか主体にするというアイデアだったと思いますけれども、ほかにございますか。石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 先ほどの葛西参与のお話なのですが、要するにデータ主体者がいて、そのデータ主体者が不安を持って自分のデータはここに入っているということですけれども、お答えとしては、これはNDBだとか介護DBについては悉皆性があってとっているわけです。だから国の責任であって、これは例えばその方が不安を持っていて除外してもらいたいと言っても、なかなかこれは難しいものがあるわけですね。ですけれども、ではそこでの権利関係ということだと思うのですが、これはデータベースの構築、利用のところではきちんと議論をしておいたほうがいいと思うのです。
ついでに言えば、国が責任を持ってデータベースを持っている。それを研究した後の研究者の加工したものについては誰が責任を持つのか。これは国の責任なのか、あるいは研究者の責任なのかとか、そういった問題です。これについてもきちんとやらなければいけないと思うのです。
別個、次世代医療基盤法では国で認められた認定事業者がデータの収集、加工、ストレージのところまでやることになっています。あと、その利用に関しても売ったりするわけですけれども、そこのところのデータ、責任というのは確実にそこにあるわけですね。国ではないのだと思うのです。そういったデータの責任がどこまであるのかということについても、きちんとしておいたほうがいいのではないかと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。重要な御指摘だと思います。
ほかに関連でございますか。棟重構成員、どうぞ。
○棟重構成員 そういう意味では、もともとのNDBに関して我々保険者は関係しているのですけれども、レセプトがあって、それを審査支払は支払基金に委託をしてデータを提供し、それを国に法律に基づいて提供しているということでございます。従って国がその先の業務等について委託をするとなったときの根拠というのはしっかりしておかないと、加入者、実際に診療を受けた方々の不安というところがあると思いますので、そこははっきりとして周知をしていただく必要があるかと思いますので、よろしくお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
山本座長代理、どうぞ。
○山本座長代理 結論ではなくて私の考えですけれども、法律に基づいて集めているデータですから、これはどこまで行っても国が責任を持たざるを得ないものだと思うのです。したがって、データを扱うところからは、あり得るとしても「委任」ではなくて「委託」ですから、責任は国にある。きちんと仕様書をつくって、そのとおりのことを行ってもらわないといけないと思うのです。
一方で、研究計画をつくるとかいうのは、集めてきたレセプトで何かするわけではなくて申請者の支援ですから、国が責任を持って最後までやらないといけないわけではないので、外側に出すことは全然問題ないと思うのです。
実際に患者さんから出たレセプトあるいは介護DBに入っている情報を扱う部分は、どこまで行っても責任は国にあるということですから、やるとしても委託です。委任にはならないのではないかと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 そうすると今のお話ですと、研究者のところには委託という形で研究するわけですね。そのできたものについて、これは例えばできたもので今はk-匿名性というものをやっていますね。ただ、20人のうちに自分のものが確実に入っていると患者さんにはわかるわけです。これは何だ、不安だといった場合にどうするか、誰の責任かということになると思うのです。
○山本座長代理 お答えするのが難しいですけれども、現実にその患者さんに迷惑が及べば、これは法律に基づいて医療の中から出てきたレセプトを活用した結果、その迷惑に対して誰が責任を負うかというのは、その過程の人すべてだと思うのです。したがって、医療機関は全部出さないといけないからさすがに責任は問われないでしょうが、NDBからそういうデータ提供を行ったという、例えば、我々有識者会議も責任を問われるかもしれませんし、そういう意味では責任範囲にあるのだろうと思います。
それから、多分、葛西参与が言われたのは、そういう患者さんのことだけではなくて研究者の知的財産権といいますか、アイデアのプライオリティーみたいなものもしっかり考えておく必要があるということだと思うので、こちらは別に国が管理するのではなくて、研究計画の中に含まれるアイデアは、当然ながら研究者に属するもので、余り勝手に使うべきものではないのだろうと考えています。
○遠藤座長 ありがとうございました。
武藤構成員、どうぞ。
○武藤構成員 私は先ほどの資料3の6ページのステップで言うところの4段階目に関して、監査と公表物の確認のところはもちろん国がかかわらないということにはならない。免れないというのは決まっているとおりですけれども、公表物の確認というのはガイドラインを満たしているかどうかというところの確認は要りますが、その後、その成果をどうやって国民に還元し、広くこの取り組みが重要だというのを知ってもらい、何だ大丈夫なんだとか、こういういいことがあるんだとかいうことを広めたりするところは、民間の力を借りたほうが絶対にうまくいくのではないかと思っているので、出すところまでしかみんな頭にないのですけれども、その後の最後の終わり方とか、次のサイクルに回る部分で広く理解をしていただいたり、安心してもらったりするというところは、ぜひもう少し委託で強化していっていただいたほうが、これからの時代にはいいのかなと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
では、また戻っていただいて結構でございますので、少し先に進めて論点7でございます。お金の問題でございます。これについていかがでございましょうか。
○樋口構成員 これも質問なのですが、先ほど言ったように臨床試験の申請書その他を見せていただくと、今、必ずインテレクチュアルプロパティという知的財産権はどうするかという話は通例として入っているのです。ここでも有識者会議の後、それをパスしたようなものは、最後は契約を結ぶことになっていますね。契約の条項で例えば知的財産権は研究者のほうに帰属しますよということであれば、知的財産権というのは、結局は財産権ですから、そういう財産権が所属するなら費用負担もという話にはすごくなりやすいわけですが、その点どうなっているのかお伺いしたいと思います。
○遠藤座長 では事務局、お願いします。
○廣瀬室長 申し訳ございません。手元ですぐ確認できるものがございませんので、通常の手続で研究者の先生方にお願いをしております誓約書など、関係の様式を確認させていただければと思います。
○遠藤座長 樋口構成員、どうですか。
○樋口構成員 それでもちろん結構ですが、さらに加えて論点7については、費用負担を求めるということにした後のほうが難しくて、適切な費用というものをどうやって算出するのか。それについては何かお考えがあっての上なのでしょうか。
○遠藤座長 恐らくそれも含めてここで議論ということではないかと思いますが、事務局から何かコメントがあれば。
○宮崎課長 このようなデータベースの2次的な利用に関しては、ほかのいろいろなデータベースにおいては利用料負担をお願いしているケースもございます。そういう場合では事務的なコスト、実費的な部分を計算するということがあろうかと思います。ただ、範囲がどの程度入るのか。本来、全体が入るのか。例えばNDBや介護DBで言えば、本来目的としては国の責任において、行政目的で収集しているものですから、それは当然、国が持つべきもので、第三者提供にかかわる部分というのは切り分けられるのかとか、そういう中身をさらに進めていくと、御議論なり検討の余地か多々出てきます。基本的には何かそこでオンするということではなくて、事務コストを利用者の方々で、まさに事務的にかかっている部分を御負担をお願いするケースが多いという理解をしております。
○遠藤座長 では海老名構成員、どうぞ。
○海老名構成員 栃木県の海老名でございます。
私どもも第三者提供ということで、自治体もデータを利用させていただく立場ということでございますので、今の費用負担の関係については非常に関心があるところでございます。
通常、例えば医薬品の研究とかであれば最終的に製品になって、一定の利益が出てくるわけで、先ほどの樋口構成員の御質問に近いのかもしれませんけれども、自治体で少なくとも利用する場合には地域の施策に使うということでございます。なかなか収益というものがあるわけではございませんので、そういう意味では費用負担を仮に今後、検討されるのであれば、そういった観点でぜひ検討していただきたい。これは今後の議論をしていただく上での意見ということでございます。
基本的には第三者提供を自治体としても受けるという形になりますので、今までの御議論るるございましたけれども、効率的な審査についてはぜひデータを利用する立場といたしましても、事務局で適切に議論を進めていただければと思いますし、人材育成に関しても自治体で実際に使う側の人材もなかなか一握りでございますので、引き続き人材育成についても御配慮いただければと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございました。御意見として承りました。
ほかにございますか。武藤構成員、どうぞ。
○武藤構成員 今、海老名構成員がおっしゃっていただいたように、自治体とか行政機関が使われる場合と、アカデミアが使う場合と、民間が使う場合ぐらいの違いを設けてグレードをつけるというイメージを今、持っていますということと、具体的な金額とかここで議論をする話ではないのかなという気がするので、何となくすごいお金持ちしか使えない状態はやめようとか、とはいえモラルハザードみたいなことは避けようとか、幾つか設定する上で考えていただきたい論点とか価値を話し合うことはできるのではないかと思っているのですが、そういうことでよろしいのかどうか。
○遠藤座長 事務局、何かコメントはありますか。
○宮崎課長 まさに武藤構成員がおっしゃったようなところについて御意見をいただければと思います。具体的な額どうこうというのは、そもそも例えば連結解析の基盤がどれぐらいかかるのかということもあるでしょうし、この場で何か議論できるというものではないと私どもも考えておりますので、そもそもどう考えるべきか、あるいはその際にはどういう点に留意して設定などを考えるべきかということを御示唆いただけたらと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 私はデータヘルス推進というのは今、国を挙げての課題だと思うのです。そういう中でこういうビッグデータは黎明期だと思うのですけれども、それを構築して利用することについては、促進する方向でいくために、私ははなから費用負担というのは必要ないのではないか。ないほうがいいのではないかと考えているわけです。
例えばMID-NETは非常に高額な設定になっていまして、これは基本的には簡単には使えないですよね。ただ、いろいろな研究助成だとかそういったものがあるところで使っていくことになっています。これは例外的なこととしまして、きちんとNDBにしても介護DBにしても有識者会議があって、有識者会議はその研究が非常に公益があるという判定のもとにその研究をやっていただくわけですから、むしろこの黎明期に当たってこういう費用で1つの障害を設けることは、私は余りよくないのではないかと思うのですが。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに何か御意見ございますか。
それでは、大体御意見は出尽くしたと思いますので、全部を通して、あるいは論点1~7、今後議論する予定になっているものの中に入っていないようなことでも結構でございますので、何か御意見があれば承りたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○石川構成員 昨日はオンライン資格確認の会議があったのですけれども、日本医師会の立場としましては、データヘルス推進のもとで医療等IDというのが早く日本で定着する必要があって、この医療等IDのデータベースの連結の中での役割というのははかり知れないぐらいあると思うのです。ですから私は一刻も早く、今、医療と介護のデータベースの連結というところで、技術面の課題のところで7回目と言われましたが、非常に姑息的なやり方で連結をやるのだと思うのですけれども、そうではなくてそちらのほうを厚生労働省の事務局は御努力していただく必要があるだろうと。特に7月にはっきりと情報基盤の会議でやっていこうということになっているわけで、一刻も早く実現に向けて進めていただきたい。そのためにはオンライン資格確認は基礎中の基礎ということで、そちらも進めてもらいたいという発言をきのうしたところであります。これは周りも応援していただかないと大変な議論になっていまして、保険者さんのところのいろいろな御心配もあるみたいですから、そこのところも含めて進めていただきたいという要求でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それに関連してでも結構ですし、全く違う話でも結構ですが、何かございますか。よろしゅうございますか。
それでは、大体御意見は出尽くしたということで、本日の議論はこれぐらいにさせていただきたいと思います。
本日いろいろと貴重な御意見をいただきましたので、事務局におかれましては整理、検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
また、次回以降のほかの論点も含めてさらに議論を深めていければと思いますので、皆様にもよろしくお願いいたします。
それでは、次回の日程等につきまして事務局からよろしくお願いします。
○宮崎課長 日程の前に、先ほど石川先生から御指摘がありましたけれども、このデータヘルス改革につきましては厚生労働省を挙げてデータヘルス改革本部を設けまして、特に今、進んでいるオンラインの資格確認ですとか、解析基盤の話ですとか、それぞれきちんと進め、また、ほかのテーマも含めましてきちんと連携をとりながらやっていきたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
有識者会議の次回日程につきましては、詳細は追って御連絡させていただきたいと考えておりますけれども、今月の下旬を目途に次回開催させていただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
本日は本当に非常に内容の濃い御議論をしていただきまして、ありがとうございました。ではこれにて終了します。どうもありがとうございました。
 

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