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2023年5月12日 第98回社会保障審議会医療部会

医政局総務課

○日時

令和5年5月12日(金)15:00~17:00

 

○場所      TKP新橋カンファレンスセンター ホール12E 


○議事

○医療政策企画官 定刻になりましたので、ただいまから、第98回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきたいと思います。委員の皆様方におかれましては、御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 ようやく先日、5月8日に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に変更になったことを踏まえまして、本日から委員の先生方におかれましては、現地での会場の参加も可能とさせていただく形とさせていただきました。
 引き続きオンラインでの参加も、もちろん選択いただくことは可能でございますので、これからは、いわゆるハイブリッドといった形で開催させていただきたいと思っております。
 まず、会議に先立ちまして、委員の異動がございましたので、御紹介させていただきたいと思います。
 安部好弘委員が退任されまして、新たに日本薬剤師会常務理事、荻野構一委員が就任されております。
○荻野委員 日本薬剤師会の荻野でございます。
 御紹介いただきましたとおり、今回から委員を拝命させていただくことになりました。薬剤師の立場から意見を述べさせていただきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
○医療政策企画官 ありがとうございます。
 次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、井上委員、内堀委員、山口委員、山崎學委員より御欠席との御連絡をいただいております。
 医療部会の総委員数が24名で、定足数は3分の1の8名となっておりますので、本日は20名の委員の皆様に御出席いただいてございます。定足数に達していることを御報告申し上げます。
 また、小熊委員より本日途中退席なさるという御連絡をいただいているところでございます。
 次に、議事に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。
事前に議事次第、委員名簿、座席表のほか、資料1、2、3、参考資料を送付させていただいておりますので、お手元に御用意いただければと思います。
 では、以降の進行は遠藤部会長にお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 皆様、こんにちは。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、初めに欠席されます井上委員の代理としまして、一般社団法人日本経済団体連合会経済政策本部副本部長の清家参考人の御出席を、また、内堀委員の代理としまして、福島県保健福祉部次長(健康衛生担当)の玉川参考人のお二方の御出席をお認めいただければと思いますけれども、よろしゅうございますか。
(異議なしの意思表示あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 議事の1番目でございます。「遠隔医療の更なる活用について」、事務局から関連の資料の説明をお願いいたします。
○保健医療技術調整官 保健医療技術調整官の矢野でございます。
 資料の1及び参考資料に基づきまして「遠隔医療の更なる活用について」の資料の御説明をいたします。
 資料1のほうをお開きください。3ページ目でございます。
 この検討の背景についてでございます。令和4年3月28日の第87回「社会保障審議会医療部会」におきまして「遠隔医療の更なる活用について」の方向性が示されております。
 現状、医師法第20条との関係で「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」におきまして、指針の見直しについて議論が行われまして、令和4年1月に改訂が行われ、令和5年3月にも改訂を行っておりますが、こういった指針の見直しが行われた状況でございます。
 今後は地域におきまして、オンライン診療を含めた遠隔医療が幅広く適正に実施されるよう、取組を進めていく必要があります。
 そのための今後の取組として、遠隔医療のさらなる活用に向けた基本方針を検討すること、また、地域の医療関係者や関係学会の協力を得て、遠隔医療の活用に関する好事例を収集し、横展開に向け、都道府県に周知する取組を進めていくことを、昨年3月の医療部会で報告したところでございます。今回は、その基本方針につきまして御議論いただきたいと考えております。
 続きまして、4ページ目、5ページ目に基本方針の案の概要を記載させていただいております。参考資料の基本方針の本体の概要となっておるものでございます。
 基本方針の大きな構成は、ⅠからⅣまでとなっておりまして、まずⅠが「基本方針の目的」となっております。
本方針は、厚生労働省がオンライン診療その他遠隔医療の実施形態及びその特徴を整理した上で、導入及び実施の課題及びその解決に向けて、国、都道府県、市町村を中心とする関係者の望ましい取組の方向性を提示することで、遠隔医療の導入のための環境の整備を進め、もってオンライン診療その他の遠隔医療の適正かつ幅広い普及に資することを目的としているものでございます。
 ここで言う適正な推進とは、安全性、必要性、有効性、プライバシーの保護などの個別の医療の質を確保する観点に加え、対面診療と一体的に地域の医療提供体制を確保する観点も含まれると定めております。
 Ⅱが「オンライン診療等」でございます。これは、医師と患者間での遠隔医療でございます。
 一方、Ⅲのほうは「医師等医療従事者間での遠隔医療」ということで、この2つを大きな遠隔医療の類型に分けまして、整理いたしております。
 Ⅱのほうは「オンライン診療等」でございますが「期待される役割」に記載のとおり整理させていただいておりますが、通院に伴う患者負担の軽減、継続治療の実現、訪問診療及び往診等に伴う医療従事者の負担軽減、医療資源の柔軟な活用、患者がリラックスした環境で診療の実施ができること、感染症への感染リスクの軽減といった役割が期待されると整理させていただいております。
 また、様々な形態としてD to P以下、いろいろな従事者が患者さんに付き添って対応するというパターンを整理させていただいております。
 普及に向けた現状の課題としましては、遠隔医療におけるオンライン診療に関する職員のリテラシーの向上、また、オンライン診療等に係るシステムの導入・運用、オンライン診療等に関する患者の理解の促進が課題となっていると整理しております。
 これに向けた関係者の取組の方向性、国の取組といたしましては、医療機関が導入時に参考とできるような事例集、手引集、チェックリストなどを作成していくこと。オンライン診療に関する課題の整理、エビデンスの収集や構築などを進めていく。
 また、都道府県、市町村のほうでは、地域でオンライン診療を実施している医療機関に対して、住民が把握しやすいように工夫するなどの取組が考えられるという形で整理しております。
Ⅲのほうは「医師等の医療従事者間での遠隔医療」、遠隔画像診断、遠隔病理画像診断とか、遠隔コンサルテーション、遠隔カンファレンスなどの遠隔医療でございます。
 期待される役割としましては、医療資源の少ない地域における医療の確保の貢献、効率的・効果的な医療提供体制の整備、医療従事者の働き方改革への寄与などが考えられると整理させていただいております。
 様々な形態としまして、D to Dの他、その他の医療従事者による形態があると整理させていただいております。
 現状の課題としましては、遠隔にいる医師の役割と責任の範囲の明確化、個人情報保護法制に沿った遠隔医療における患者の医療情報の共有、遠隔医療システムの安全管理、緊急時や不測の事態への対応の検討などが課題と考えられ、関係者の取組の方向性としまして、国の取組は、医療機関が導入時に参考となるような事例集、手引書の作成、遠隔医療に関する課題の整理、エビデンスの収集や構築、 都道府県、市町村の取組としましては、遠隔医療に関する地域の先行事例を把握して、導入を検討中の医療機関に対して、導入済みの医療機関を紹介するなどの医療機関間の連携関係の構築を支援するなどが考えられるということで、整理させていただいております。
 Ⅳが「その他遠隔医療に関連する事項」という形で、1から5まで記載させていただいております。
 こちらの基本方針は、本日御議論いただきまして、もう一つ遠隔医療の活用に関する好事例のほうは、令和4年度の予算事業において、一定の整理を進めているところでございますので、こちらで基本方針の議論をいただきまして、一定の方向性が定まった段階で、事例集と併せて周知していきたいと考えております。
 最後、資料1のP6~7に、参考として、検討の背景となっている規制改革実施計画等の記述がございます。
 あと、別添の参考資料のほうが基本方針の本体となっておりますので、併せて御参照いただければと思います。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま事務局から説明のあった内容につきまして、御意見、御質問等あれば、いただきたいと思います。いかがでございましょう。
 神野委員、どうぞ。
○神野委員 それでは、リアルで久しぶりにお話をさせていただきます。神野でございます。ありがとうございます。
 今、基本方針を含めてまとめていただいたことに賛同いたします。ただ、オンライン診療に関しては、こうだという決め決めではなくて、やはり、これからの機器の発展とか、いろいろな考え方、DXの進展に伴って、あらゆる可能性といったものを否定しないことが必要なのかなと思います。それがまさに幅広く適正にということになると思うのですけれども、その適正にというほうでは、精査する、例えば、不適切な広告等、オンライン診療として、これはいかがなものかというものに関しては、きちんと不適切なものは速やかに指導するという、機関なのか委員会なのか、その組織体は、これからだと思いますけれども、そういったものも同時に考えていく必要があるのかなと思います。
 もう一点、今回4ページ、5ページに形態も含めて、いろいろな例を挙げていただいたわけでありますけれども、各形態ごとに診療報酬がどうなっているのかというのを一回整理していただきたい。特に、これから来年に向けて改定があると思いますので、その辺のところを整理していただきたいと強く思います。
 私は、地方の医療資源が乏しいところから来ているわけでありますけれども、過疎地の病院に、いわゆる専門医がいないような病院のところに、都会の専門医がコンサルテーションすると、診察するということは、オンライン診療として大いにあるだろうし、過疎地であっても病院というところに患者さんがいれば、検査は幾らでもできるわけでありますので、そういった意味では、そういう流れがあるだろうと思います。
 これを確信したのは、実はコロナで、私どもの医師が濃厚接触者で出て来られなくなった。だけれども再診予約の患者さんがいっぱいいる、では、どうするのだということで、医師は自宅から、患者さんは病院というような形態を取りました。私どもの病院は医師がそれなりにいますので、一緒につくということで、D to P with Dになると思うのですけれども、これをやって、これから医療資源が乏しいところに専門の医師が遠隔で入って診察するという形も、やはりあるのだなと確信を持ったということで御紹介させていただきました。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 御意見ではありましたけれども、不適切な行為に関する検討の場あるいは診療報酬との関連の整理、こういった御要望がありましたけれども、事務局、何かございますか。
○保健医療技術調整官 保健医療技術調整官です。
 不適切な診療につきましては、令和5年3月の見直しにおきましても、一定の対応をしたりとか、指針の見直し、オンライン指針の見直しという形もやられておりますし、また、広告などに関しましては、ネット広告のパトロール事業とか、そういったのもやらせていただいておりまして、これもいろいろな協議会をつくって、法律とか、患者さん、いろいろな立場の方の御意見を聞きながら、広告の適正化というのを進めているところでございます。
こうした取組を通じて、推進することと、不適切なものをきちんと取り締まるといいますか、そういった対応と併せて進めていければいいかなと考えております。
 あと、診療報酬改定に向けた整理ということにつきましても、診療報酬の所管は保険局のほうになると思いますが、今回の整理を踏まえて、適切に連携して進めていければと考えております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、オンラインでお手を挙げておられる方がいらっしゃいますので、遠藤秀樹委員、お願いいたします。
○遠藤秀樹委員 ありがとうございます。歯科医師会の遠藤でございます。
 基本方針については賛同するところでございます。歯科の立場から、若干要望と御質問をさせていただきたいと思います。
 歯科におけるオンライン診療の設定については、まだなされておりませんので、今回の議論も医科についての議論が中心となっております。
 ただ、歯科においてもオンライン診療は有用であると考えておりまして、様々な検証は続けられております。在宅や施設における口腔健康管理においては、D to Pに歯科衛生士の連携などを考えておりますし、また、摂食機能療法等の歯科におけるリハビリ等においては、その専門性を生かした在宅施設のみではなく、医療機関間の連携などのD to Dなどの対応も試行されてきております。こうした取組も今後の議論の中で、ぜひ検討していただけるよう、まず要望いたします。
 さらにお尋ねとして、今回資料の中では、頭のところで医師法20条との関連から、見直しの検討となっております。歯科においても歯科医師法第20条に同様の規定がございます。今後の議論は、同様の対応になるものと考えておりますが、お尋ねとして、その認識でよろしいかどうかお聞きしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 前段では、歯科においても検討しているというお話でありまして、後段につきましては、御質問という形でありますので、事務局、お答えいただければと思います。
○保健医療技術調整官 保健医療技術調整官でございます。
 オンライン診療指針のほうは、医師法の解釈という形で医師を対象としたものでございますが、歯科医師のほうにつきましては、本日御意見いただいたことを、本日は担当課が欠席しておるのですが、担当課のほうにきちんとお伝えしたいと思います。
 また、歯科医師のオンライン診療を本方針へ位置づけることについて、今回の基本方針は、専ら医科のオンライン診療を想定したものとなっておりますが、今後、歯科のほうのエビデンス等の整理が進んでくれば、本方針の今後の見直しの中で本方針に位置づけて、具体的な整理をしていくことも考えられると考えております。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 遠藤委員、よろしゅうございますか。
○遠藤秀樹委員 よろしくお願いします。ありがとうございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 野村委員、お願いいたします。
○野村委員 野村と申します。よろしくお願いします。
  「遠隔医療の更なる活用について」ということで、今後の医療の状況や社会状況を踏まえた、非常に効果的なシステムであると感じております。
 今回は、私たちの会での患者としての立場や、また、私自身医療機関で働く医療者としての立場の両方で、1点の発言と1点の質問をさせてください。
 まず、1点目のことで4ページにあります「期待される役割」、本当に私も患者として魅力的であると感じております。過疎地域や山間部など、医療機関にかかることが困難な状況もありますし、ここに記載のあるように、訪問診療や移動手段のない方々にとっては、医療を受けられることは、本当に安心できるものであるとも感じております。
 ただ、こうした場合に、現状の課題の中にも含まれている患者の理解促進というのが、私も非常に重要になってくるのかなと思います。このシステムを使うであろう対象者が、実際に機材とかも含めて活用できるのかとか、オンライン診療を行える基準などを理解しながらやっていくことが、この取組はすごく大事、使う側の理解もすごく大事だと思っています。
 ですので、資料を配付されたりとか、ホームページの掲載だけだと、なかなか難しいのではないかと感じています。
 というのも、今回の議題の内容ではないのですけれども、オンライン資格確認システムが、医療機関でも最近やっと準備が整って導入されているところもたくさんある中で、マイナンバーカードの保険証利用だけでも、なかなか理解が進まなかったり、細かなやり方とか方法とか、説明するのが医療機関の受診時になるので、すごく困難な状況であると実感しています。
 やはり、まだまだ認識が薄かったり、私はやらないですよという方も、本当にまだいるというのも現状です。
 ですので、よりよい遠隔医療を受けるということも、実際に運用するときに、1つずつ住民に説明したりとか、やり方とか、理解を得るのは、実際の医療現場であったり、地域の方々になってくるのかなと思うので、本当によいシステムだと思いますので、現実的に理解が得られるように説明をしていっていただきたいなと思っています。
 すみません、長くなりましたが、最後に1つだけ質問なのですけれども、もしかしたら以前の回でもあったのかもしれないのですけれども、遠隔医療というものは、今後、将来的にある程度の医療機関はどんどん増えていってやれるという認識なのか、やると決めているところだけがやっていくものなのかというのが、将来的にどういう形になってくるのか、ひとつ教えていただきたいと思います。
 自分の準備ができてやりたいってなったときに、自分のかかりつけ医のところがやっていなかったら、どこかの記載にありました、オンライン診療をやっている医療機関で調べて、病院を変更する中でやっていくものなのか、将来的にある程度の数の医療機関が、このシステムを導入していくものなのかという点だけ、少し教えていただけたらありがたいです。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、1つは御意見でありましたけれども、大変重要な御指摘だったと思いますので、それについてもコメントがあれば、いただきたいと思います。あとは質問ですね、今後の展開についてということであります。
○保健医療技術調整官 保険医療技術調整官でございます。
 1つ目にいただきました点につきまして、国民・患者向けの周知をきちんとしていくということかと思います。こちらにつきましては、参考資料の本体のほうの13ページ目に記載をさせていただいております。
参考資料の13ページ目の4行目のところ、国の取組といたしまして「国民・患者への更なる適切なオンライン診療の浸透に向けて周知広報資料等を作成する」としております。
 また、その下の都道府県、市町村の取組としまして、こういった資材を活用して、住民向けに把握しやすいように工夫していただくという形の取組を記載させていただいております。
 こういったオンライン診療の普及の取組は、国民・患者向けのアプローチも重要であるという認識に基づいて進めていきたいと考えております。
 もう一点のほうは、どのように遠隔医療を進めていくか、医療機関を増やしていくかということについての御質問だったかと思います。
 今は、オンライン診療指針のほうで、もしやる場合は、これをきちんと守ってくださいという形の指針が示されており、また、令和4年度の診療報酬のほうでも改定が行われまして、診療報酬上の評価もつくられた形で、医療機関の判断でオンライン診療をやっていただくことができるという環境は、できてきたところかと思いますが、今後、オンライン診療の基本方針につきましては、都道府県の取組を促していくということで、その地域地域でどのように遠隔医療を普及させていくのか、それは地域医療のそれぞれの実情に応じて、考えていただくのがよいのではないかと考えておりますが、例えば、第8次医療計画のほうでも僻地等においては、遠隔医療、オンライン診療を活用していくという考え方が入ったところでございますが、地域の医療提供体制の中で、どのように遠隔医療を普及させていくかということも一つ視点として重要になってくると思います。
 また、どのような患者さんとか診療科において遠隔医療が有効なのかということについても、今後整理を進めていくということで、エビデンスをきちんと構築していく、その際には診療科とか、患者さんが置かれている状況とか、いろいろな場面がございますので、そういった場面ごとにきちんとエビデンスなどを整理していって、それに応じて適正な推進を進めていくということが重要になるのではないかと考えております。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 野村委員、今のお答えについていかがでしょうか。
○野村委員 ありがとうございます。
 ということは、今後さらに広がっていくという認識でいいということですね。
○保健医療技術調整官 はい、やっていく医療機関をぜひ増やしていきたいというのがございますし、また、それが医療機能情報提供制度でも、オンライン診療をやっているところが項目になっておりますので、そういったところがきちんと国民・患者さんに分かるようにしていくということを併せて、取組を進めていければいいのではないかと考えております。
○野村委員 すみません。ありがとうございました。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、次に佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員 ありがとうございます。
 遠隔医療のさらなる活用について、第87回医療部会において5点、診療の質の担保・安全性が課題であること、また、遠隔医療を実施する医師と身近で診療している医師の連携強化、患者と医療機関の双方への周知啓発、設備の導入や操作する人材の育成、遠隔医療の実施状況の検証が必要であること、意見を述べました。今回の基本方針案は、こうした内容に触れるものであり、異論はございません。
 その上で、参考資料の基本方針案4ページの「2 目的及び位置づけ」にある安全性・必要性・有効性、プライバシーの保護等の個別の医療の質を確保するという観点も踏まえながら、オンライン診療その他の遠隔医療が幅広く適正に推進されるよう、好事例の周知を含め、取組を進めていただきたいと考えます。
 また、検証は適宜行っていただくようお願いいたします。
 私からは、以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御意見として承りました。
 ここでフロアのほうで、何かございますか。
 それでは、河本委員、お願いいたします。
○河本委員 ありがとうございます。
 健保連の河本でございます。
 お示しいただいた基本方針の案は、患者、医療従事者それぞれの視点で遠隔医療のメリットとか、あるいは現状の課題を分かりやすく整理していただいていると思います。
 また、関係者の取組についても、国、都道府県、市町村、医療機関、こういった主体ごとに取組が明確に示されておりますので、特段の異論はございません。この方法で進めていただきたいと思います。
 その上で、2点ほど意見を申し上げたいと思います。
 まず1点目、遠隔医療は身体的・精神的に通院が困難な患者さんとか、あるいは専門医が不足する地域、また、災害時とか感染流行時、そういったときには特に役立つものだと思いますけれども、当然それだけではなくて、幅広い患者の利便性向上ですとか、あるいは過不足のない最適な医療を実現するという観点からも大変に重要であると考えております。
記載されている課題解決の方向性とか留意点、これを踏まえた上で、ぜひ積極的に推進していただきたいと思います。
 2点目ですが、今後都道府県は、第8次医療計画の策定において、遠隔医療の活用を検討するということですけれども、医療機関向けの手引書の作成とか、あるいは国民患者向けの周知広報とか、エビデンスの収集といった国の取組ということも書かれておりますけれども、こういった取組について、可能な限り工程を明確にしてスピーディーに進めていただければと思います。
 私からは、以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 2点御意見でございました。承らせていただきます。ありがとうございます。
 それでは、またオンラインに戻らせていただきまして、釜萢委員、お願いいたします。
○釜萢委員 ありがとうございます。日本医師会の釜萢です。
 本日の検討でありますけれども、遠隔医療のさらなる活用に向けた基本方針について、お示しいただいて、その案の検討ですが、この方向性については、私どももぜひ進めるべきだと考えておりますが、言葉の問題として、オンライン診療、その他の遠隔医療という中で、この遠隔医療についての定義はかなり幅広いものであって、いろいろな内容を含むわけですね。
 総務省の遠隔医療モデル参考書というところを見ますと、情報通信技術を利活用した健康増進、医療介護に資する行為と非常に幅広い内容を遠隔医療に持たせているわけですが、少し紛らわしいのは、オンライン診療という言葉が出てくる前に、遠隔診療という名称が使われていて、これはオンライン診療に大体置き換わったと考えていますけれども、そこが少し紛らわしく捉えられる方もあって、遠隔医療というのは非常に幅広い内容を含んでいるのだということについては、常にそれが分かるような記載にしていただきたいと思います。
 その中で、特に今日の資料1の5ページでありますけれども「Ⅲ 医師等医療従事者間での遠隔医療」の中にいろいろな形態があることをお示しいただきましたが、これは、その前の4ページのほうは、これはオンライン診療ですから、必ず医師、Dが出てくるわけですが、この5ページについてはDが含まれないものもあります。その場合には、あくまでもこれは、直接の医行為ではなくて、支援、指導というような形で行われる場面があるわけなので、そこのところが分かりにくくならないように、ぜひ最後の文章を仕上げるところで御配慮をいただきたいと、要望を申し上げます。
 私からは、以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 似たような意味を持っておりますけれども、明確に違うのだということで、オンライン診療と遠隔医療というものを明確に分けて、分かりやすいようにしてほしいということですが、事務局、何かありますか。
○保健医療技術調整官 保健医療技術調整官です。
 N to Nなど、参考資料の15ページのところで、様々な形態という形で説明を記載させていただいております。N to N、N to その他の医療従事者、その他医療従事者 to その他医療従事者というものについては、情報通信機器を通じ、医師以外の医療従事者間で、支援、指導を行う形態であるという形で明記させていただいているところでございますが、その他、より分かりやすくする工夫が、もしございましたら、また御提案いただければと考えております。
 以上です。
○遠藤部会長 よろしくお願いいたします。
 釜萢委員、よろしゅうございますか。
○釜萢委員 ありがとうございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、次はフロアへ行きますか。
 それでは、島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 今の釜萢委員の御質問とも多少関係するのですけれども、今日御提案の「遠隔医療の更なる活用について」という基本指針と、オンライン診療指針の関係について、質問と意見を申し上げたいと思います。
 今日御説明いただきました資料の3ページの冒頭にも書いてあるのですけれども、我が国の遠隔医療については、医師法の20条の無診察治療の禁止との関係で議論されてきたという経緯があります。
 その結果、オンライン診療指針は二つの特徴があります。まず一つは、医師法の問題として取り上げられてきたために、医師個人に対する規制が中心であり、データセキュリティ等の問題も含め医療機関の組織的な関与に関する規定が乏しいことです。
 本来、遠隔医療を大々的に進めるのであれば、オンライン診療指針においても、医師個人ではなくて組織的な関与(コミットメント)を書き込むべきだと思います。
 2つ目として、今日強調したいのはむしろこちらなのですけれども、医師法の20条の無診察治療の禁止との関係で議論されてきたために、オンライン診療指針は、基本的に患者に対し直接契約関係にある医師に対して規制を行うという形を取ったわけです。
 そうすると、医師と医師との間(D to D)の行為は、患者と直接契約関係にあるわけではないので、例えば遠隔画像診断で言えば、読影を依頼された側の医師は患者に対して直接契約をしているわけではないことから、医師間(D to D)の行為はオンライン診療の方針の規制から外れてしまっているわけです。まず、このことは事実として確認しておきます。
しかし、遠隔画像診断を例に取ってみると、例えば、地元の患者の主治医である医師が遠隔で画像を読影専門医に送るケースでは、その読影医はどういう立場にあるかといえば、単に画像を見て、主治医の判断でよいとか悪いとか言っているわけではなく、病歴等の必要なバックデータをきちんと取ったうえで、その画像の読影結果をレポートに文書化し依頼元である医師に送っているわけです。
 また、患者と直接契約関係のある医師は、自分のところの読影能力が低いから専門医に画像を送り読影を依頼しているわけで、そうすると、専門医の行為は単なる助言ではありませんし、患者との関係でも実質的には読影医の判断というのが極めて重要な位置づけになります。
 そうだとすると、果たしてD to Dの行為は、単なる助言だと言ってオンライン診療指針の対象外にしておいてよいのだろうかという疑問が当然生じると思います。
 私は、この点に関して言えば、オンライン診療指針でもきちんと規律すべきだと思います。今の例で言えば、D to Dについても、もちろん全てではないですよ、例えば、この診療についてどのような文献があるかを教えるといったことであれば、単なる助言でしょうが、そうではなくて、実質的に患者に対する診断や診療の内容に影響を及ぼす行為については、やはり一定のレギュレーション(規制)をかけるべきだと私は思います。
 この点に関して、今回の「遠隔医療の更なる活用に向けた基本方針」を読むと、その点の考え方がどうなっているのかということが、今一つはっきりしませんので、その点についてお伺いしたいということです。
 ちなみに、参考資料の「遠隔医療の更なる活用に向けた基本方針案」の中で、若干書いてあると思われるのは、例えば、5ページのところの「現状の課題」のところに「遠隔にいる医師(医療従事者等)の役割と責任の範囲の明確化」と書いてあるのですけれども、もっと端的に、この基本方針とオンライン診療の指針との関係について、どういう考え方で整理をされたのか、お尋ねします。もちろん、これは簡単に整理できる話ではないということは重々承知していますが、これは今後議論すべきだということについては、第87回医療部会、昨年の3月28日の部会で私は申し上げました。そのときには検討するというニュアンスのお答えだったと思うのですけれども、それがどうなったのかということについて御説明をいただきたいと思います。
 すみません。少し長くなりましたけれども、よろしくお願いします。
○遠藤部会長 事務局、いかがでございましょうか。
○保健医療技術調整官 保健医療技術調整官でございます。
 まず1つ目が、オンライン指針のほうが医師に関する規定になっていて、医療機関の観点が乏しいのではないかということに関する御指摘だったかと思います。
 オンライン指針のほう、令和5年3月の見直しのほうで、特にセキュリティー関係については、医療機関単位で担っていくものだということで、今回の基本方針でも、参考資料の11ページ目のほうの脚注の部分を御覧いただきたいのですが、基本的に同じ趣旨の医師の責任という形で記載されているところでございますが、脚注にございますとおり、その責任の所在を明らかにするためにも、医師は医療機関に所属しているべきであるとされており、また、医療機関の医療情報管理責任者が、所属する医師が行うべきセキュリティリスク対策を講じることとされているということで、そのオンライン指針のほうにも、医療機関の取組の視点が入ってきており、こちらの基本方針にも明記させていただいているところでございます。
 あと、D to Dの関係の責任に関する御指摘だったかと思います。本方針で明確に対応策を触れているところではないのですが、基本的にD to Dの遠隔画像診断とか病理診断とかにつきましては、事前に責任の按分がきちんと協議された上で実施していくと、患者さんのインフォームド・コンセントにおいても、そういったところを説明するという考え方で、これは国レベルで定めているものはないかと思いますが、学会のガイドラインなどでそういったものがあるかと思います。
 例えば、遠隔手術とか、そういったもののガイドラインにおきましても、そういった責任の案文ということを、ガイドラインレベルでそういった取組があるということかと思います。
 これを国レベルで、何か法律とか法令に位置づけてやっていくべきかということについては、今後も慎重にといいますか、きちんと御意見をいただきながら検討していく必要があると考えております。
 この基本方針でも、また、このエビデンスの蓄積などを進めていくことになっておりますので、学会などのエビデンスの蓄積の取組の中で、法令上の明確化が必要だということになりましたら、また、そういったことも考えていくことになろうかと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 まさに患者に対する責任が当事者間の協議による案分でよいのか、ということを私は申し上げているわけです。
 もちろん決して過剰規制すべきだということを申し上げているわけではないのですけれども、先ほど申し上げたように、単なる助言レベルの話と、先ほど申し上げた患者の診療に決定的な影響を及ぼす遠隔画像診断や遠隔手術指導等は同じなのか、当事者間の協議だけに委ねてよいのかということについては、十分議論の余地があると思います。
 それから、オンライン診療指針にも、確かに先ほど御指摘があったように、医師個人ではなくて、多少医療機関のコミットメントを書いている部分はありますが、一々申し上げませんけれども、必ずしもそこは律し切れていません。
 したがって、この基本方針案とオンライン診療指針に関して、特にDとDとの関係に関する責任論について、齟齬はないのか、一律に当事者間の話し合いに委ねてよいのかということを言っているのです。さらに言えば、現実問題として、遠隔画像診断に関して患者からの画像の読影専門医の過失が訴えられた事案も出てきています。このため、そういうことを申し上げているのであり、後々悔いることがないように、ぜひこの点については検討していただきたいと思います。
○遠藤部会長 事務局、いかがでしょう。
○保健医療技術調整官 保健医療技術調整官でございます。
 遠隔画像診断の責任の按分を、一律に定めることができるのかという点について、実際の医療の現場でも、本当に参考に他の医師に相談する場合もあれば、他の医師の診断結果に依存する目的で画像診断をしてもらう場合もあり、いろいろな個別事例があると思います。遠隔手術などについても、事例を積み重ねていく中で、一律の基準を考えていくべきかどうかということ、法令上定めていくべきかどうかということを、学会のほうともきちんと考えていく必要あるということかと思います。
○遠藤部会長 よろしくお願いいたします。
 それでは、オンラインに戻らせていただきます。
 都竹委員、どうぞ。
○都竹委員 ありがとうございます。
 遠隔医療は、地方、特に過疎地、僻地にとりましては心強い取組でありまして、それについて大変適切にまとめていただいておりまして、大いに賛同するところでございます。
 また、基本指針案におきまして、市町村の取組につきまして記載をいただいており、役割が明確化されておりまして、これもありがたいことだと思っており、感謝を申し上げます。
 その上で、3点お願いしたいと思います。
 まず1点目なのですが、事例集の話が出てまいりますけれども、多様かつ豊富な事例集の作成をお願いしたいということでございます。
 総務省が参考書というのを出しておりますが、事例が提示されておりまして、大変参考になるわけですけれども、今回の提示されている事例集の作成に当たりましても、離島とか中山間地、在宅、難病あるいはそうした様々な形態だけではなくて、疾患を幅広く取り上げていただいて、そして、またそこにおける市町村の関与事例も含めていただいて、事例集をまとめていただくことを期待するところでございます。
 2点目ですが、どのような医療機関が、どのように遠隔医療に対応しているのかということをリスト化して、ぜひ公開をお願いしたいと思います。
コロナ禍で行われたわけでありますけれども、この点は都道府県の役割を期待するところでございます。
 3点目ですが、地域における普及に関しまして、財政面の配慮をぜひお願いしたいと思います。
 指針案の中には、必要に応じて国の予算事業を活用するという表記が、何か所か出てくるのですが、仮にそうしたものがあれば、厚生労働省においても把握して、まとめて周知を行っていただきたいと思います。
 その上で、地域医療介護総合確保基金、これの対象事業に遠隔医療の推進事業を加えていくこともあり得るのではないかと思いますので、この点につきましても、ぜひ御検討を賜りたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 御要望として受けとめさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、井伊委員、いかがでしょう。
○井伊委員 ありがとうございます。日本看護協会でございます。
 これまでも何度か述べておりますが、遠隔医療に関しては医師だけではなく、看護師の役割も重要です。
 今回、参考資料の基本指針案の18ページ、「5 新しい技術を踏まえた遠隔医療の推進」の中で「看護師等によるオンラインを活用した療養指導等のような取組もある」と記載いただいております。医師による診察が行われた後、医師の指示に基づき、看護師等が単独で療養指導を行うということは、実際に行われております。
 ですので、資料1の5ページに、遠隔医療の「様々な形態」として幾つか挙げられていますが、医療従事者間だけではなく、N to Pあるいはその他の医療従事者数 to Pを遠隔医療の一形態として、今後、取り上げて進めていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 これについては、事務局としては、何かお考えがありますか。
○保健医療技術調整官 保健医療技術調整官でございます。
 基本方針のⅡのところは、オンライン診療という形になっておりまして、これは医師がやるものという形で一旦整理をさせていただき、医師がやるものに関する基本方針、国の取組、都道府県、市町村の取組を今回記載させていただいているところでございます。当然、遠隔医療の一つの形態として、N to Pというのはあるということは理解しております。ただ、こういった取組を今後どのように推進していくのか、今、実際そういった取組があって、いろいろ進められているところかと思いますが、今後さらにエビデンスや熟度が上がっていって、遠隔医療全体の中でどういう位置づけて進めていくのか、今後、整理ができた段階で、また基本方針で扱っていくということはあるかと思いますが、まずは18ページ目のところに、こういったことを記載させていただいて、今後検討していくという方向性を示させていただいているところでございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 若干時間が押しておりますので、少し議論を早めさせていただきたいと思います。
 加納委員、いかがでしょうか。
○加納委員 ありがとうございます。
 今の井伊委員の意見に関する御回答、私もそうだと思っております。
 それと、私からの意見でございますが、まず、先ほど島崎委員のほうからございましたが、やはりD to Dに関する責任論、これは非常に大事なことだと思っております。画像だけではなくて、例えば急変時のときに、遠くの医師と近くで対応できる実際の医師との関係とか、そういったものは、本当に大きな問題になってくる可能性もございます。しっかり議論すべきだと思っております。
 私から質問が1つあります。先ほどから、いわゆる好事例集がまとめられてどんどん出てくるということでございますが、やはり冒頭に神野先生がおっしゃったように、オンライン診療を使った不適切な医療行為をされる医療機関が出てくる可能性もあるわけです。そういう意味では、不適切な行為とか広告も含めてでしょうが、不適切な事例を、ぜひともしっかりと我々に明示していただいて、こういうことは駄目ですよという話をしていただくほうが大事ではないかと思うのですが、そういった意味での事例集の内容も検討していただけるのでしょうか、その確認でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 事務局、いかがでしょう。
○保健医療技術調整官 保険医療技術調整官でございます。
 今回の事例集は、好事例集という形で進めていくということで、好事例と思われるものを集めることを進めておるところでございます。不適切な事例がどのようなものになるのかということについては、今回、適正な推進とは何かということで、個別の医療の質を確保していくこと、また、地域医療と一体的に、整合的に進めていくという考え方が、これで整理されたところでございまして、そういった形にならないものが不適切ということになろうかと思います。
た だ、個別の医療の質という意味で、それが適切なのかどうかということについては、やはりエビデンスといいますか、学会とか、そういったレベルでのきちんとした議論とか、コンセンサスをつくっていかなくてはいけないということかと思いますので、そういった意味で、今後きちんと研究を進めていって、個別の医療は、適切なのか、不適切なのかということをちゃんと判断できる基準というか、枠組みを考えていく必要があろうかと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 加納委員、よろしいでしょうか。
○加納委員 不適切な行為をする事例が増えてくることは、非常に危険だと思っておりますし、私、遠隔診療に関しましては、地域医療という観点で見ると、非常に危険なリスクをはらんでいますので、そこはしっかりと注意していくべきだと思っております。ありがとうございます。
○遠藤部会長 重要な御指摘をどうもありがとうございました。御意見として受け止めさせていただきます。
 それでは、お待たせしました、山崎親男委員、お願いいたします。
○山崎親男委員 町村会の山崎です。
 私は、コロナの非常事態を経験した上で申し上げるのですけれども、基本的にオンラインの診療等の遠隔医療のさらなる活用については、検討することが必要であると思います。
 特に中山間地域あるいは離島等が多くあります町村におきましては、地域医療の体制というものが脆弱な僻地においては、オンライン診療等の遠隔医療は、有効な1つのツールだと考えております。
 しかし、インフラの整備について言いますと、まだまだ十分ではない地域が多々あるわけでありまして、遠隔医療のさらなる活用の検討におきましては、地域間格差が生じないように、通信インフラを含めた社会保障の整備に対する必要な支援措置が必要であると思っております。押さえていただきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 御意見でありますが、何かコメントはありますか。インフラ整備等々の話ですが、よろしゅうございますか。
 では、貴重な御意見として承らせていただきました。ありがとうございます。
 相澤委員、お待たせしました。
○相澤委員 どうもありがとうございます。
 遠隔医療のさらなる活用についてというところで、今後の取組ですが、私は地域の医療提供体制の確保ということで、オンライン診療というのは非常に大きな意味を持っているのだろうと思っております。
 私が病院をやっております長野県では、人口減少が急速に進んでおりまして、人口密度がどんどん薄くなっております。そういう中で、病院に通院することがもう難しい、あるいは御高齢だから運転ができないということで、病院に来られないということで、長野県の病院長たちと話をしますと、外来も来られないから、そこに病院が必要だという考え方を持っておられる先生も結構おられて、私はびっくりしたのですが、病院に来てもらうために通院用のバスを走らせて、患者さんに病院に来てもらうようにしていくと。患者さんは病院に来なければ診療できないという考えを持っている先生が非常に多いのに、私はびっくりしまして、そういう地域こそ、オンライン診療を十分に活用していかなければいけないだろうし、そういうところでは、ある程度幅広い範囲をカバーしていかなければいけないですから、今後の遠隔診療、オンライン診療というのは、私は十分に活用して少ない医療資源を有効に活用していく、それをやっていくために、医療提供体制の範囲や、医療提供体制をどうしていくのということも同時に考えていくことが、私は重要ではないかと思っております。
 その上で、今回、これまで遠隔診療というものがごちゃごちゃになっていて、あまり議論できなかったのを、Ⅱ、Ⅲという具合に分けていただいたというのは非常にありがたいことだと思います。
 Ⅱのほうは、あくまでも医師と患者間との間の診療ということでございますので、これは、明らかに医療行為であるかと思います。この医療行為をどうしていくのかということは、これまで議論をされてきましたので、私はその方向に進めていただければと思うのですが、Ⅲの「医師等医療従事者間での遠隔医療」というのが、何か全く整理されていないような気がします。
 例えば、遠隔放射線の画像診断ということになると、私は医療行為だと思います。ところが、画像についてコンサルをしてもらう、考えを教えてもらうということであれば、これは医療行為ではなくてコンサルになります。
 そうすると、ここの中に画像診断、それから病理画像診断だけではなく、遠隔コンサルテーション、遠隔カンファレンスまで入っているというのは、何か雑然としていると思いますので、そこは少し切り分けて考えていただきたい。
 さらには、例えば、12誘導心電図の伝送ということに関しては、これから様々なデバイスが活用されるようになりますので、そのデバイスに沿って、これは診断ということよりも、データを送るということになるわけですから、これも切り分けて考える必要性があるのではないかと思っています。
 その上で、緊急的に医療に使用しなければいけないもの、そうではないもの等、使う場面場面、分野、そして、それは医療行為なのか、そうではないのかということを分けて、Ⅲのところを整理して議論していくことが必要になるのではないかと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 非常に重要な御指摘をいただいていると思います。御意見として承りました。ありがとうございました。
 それでは、玉川参考人、お願いいたします。
○玉川参考人 ありがとうございます。
 オンライン診療等は、過疎・中山間地域において有効な手段であるほか、コロナ禍におきましては、都市部においても有用でありました。基本方針の策定により、さらなる活用を期待いたします。
 都道府県などが地域において具体的に活用を進めていくためにも、2点コメントをさせていただきます。
 まず1点目です。基本方針の案では触れられておりませんが、これまでオンライン診療の提供場所についても、この場で議論されてきたところです。
 医療資源が少なく、医療機関へのアクセスが困難な方や、自宅でのオンラインのアクセスができない高齢者などが、身近な場で受診機会を確保できるよう、要件の緩和や提供場所の拡大について、具体的な検討をお願いいたします。
 2点目です。基本方針の案では、国の取組として、各府省庁の予算事業からオンライン診療や遠隔医療の導入及び実施に活用できるものを整理して、都道府県や市町村に提示するとされております。
 オンライン診療等を実際に地域で活用していくためにも、必要とされる予算の十分な確保について、厚生労働省としても積極的な対応をお願いいたします。
 私からは、以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 御意見あるいは御要望として承りました。どうもありがとうございます。
 それでは、木戸委員、お願いいたします。
○木戸委員 医療従事者の立場からは、導入によりまして、かえって現場の負担とか責任が増えることは、非常によくないと思います。やはり日常業務の負担軽減につなげるという視点を持って推進していただくことを強く要望したいと思います。
 先ほどの議論にありました医師の責任の問題だけではなくて、自宅にいても、少しオンラインでこれを見てくださいと言われて、業務時間が増えて、働き方改革に逆行しないようにすることも、ぜひ御配慮いただきたいと思います。
 私からは、以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 確かに御指摘いただくと、そうかなということもありますので、重要な御指摘をいただいたと思います。事務局としては、御検討の要素に入れていただきたいと思います。
 ほかにございますか。
 それでは、角田委員、お願いいたします。
○角田委員 日本医師会の角田です。短く2点申し上げたいと思います。
 1つは、適切な対象、適切な状況下では、オンライン診療、遠隔医療は極めて重要だと思っております。全く賛同いたします。
 ただ、一方で遠隔医療のリスク、危険性をしっかり国民が認識すべきだと思います。非常に情報量が絞られてしまうということが大きな課題でございます。
 また、先ほど御質問にあったように、国民の方自身が自分が遠隔医療の対象かどうかという判断は、なかなか難しいと思いますので、例えば、医師、医療従事者が遠隔医療で診ている間に、これは、早めに対面に移行した方がいいということを判断いたしますので、それは十分周知していただきたいと思っております。
 もう一点、先ほど島崎委員からございましたが、遠隔医療における責任の分界点のお話がございました。基本的には、私ども現場から考えると、やはり主治医が責任を持つべきと私は思っております。例えば、もう既に遠隔医療ではなくても、現時点で、病理の所見であったり、CTの所見だとか、いろいろなものを専門医に判断していただいて、それを全て受け止めて、主治医が包括的に判断いたします。ですから、責任は、やはり主治医が全て持つ。これは、遠隔手術等も含めて、しっかりインフォームド・コンセントをした上で、主治医が持つべきと考えております。
 私からは、以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、楠岡委員、お願いいたします。
○楠岡委員 楠岡です。
 神野先生、ほかの先生からも御指摘がありましたように、やはり質をいかに担保するか、不適切なものをどう排除するかが非常に重要な問題で、言うならば、悪貨が良貨を駆逐するようなことになってはならないと思います。
 その中で、保険診療で認められているものに関しましては、最終的に診療報酬という形で、その内容が出されるわけですから、それを何らかの方法でチェックすることによって、不適切なところには指導を行うとか、場合によっては保険医の取消しのようなことによって、制御がかけられると思います。
 一方、自由診療のほうに関しましては難しいと思いますけれども、自由診療において不適切なものというのは、最終的には薬剤の入手を目的とするようなことがほとんどでありますので、逆に言うと、薬剤のトレーサビリティ等をしっかりすることによりまして、特定のところに大量に薬が出ていて、それがどうもオンライン診療に関連しているということであれば、その内容を調査する等によって、質を確認することができるかと思います。なるだけいろいろな方法を使いまし て、質の確保に努めていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 質の担保に関するお考えを開陳していただきました。重要な御指摘だと思います。ありがとうございます。
 それでは、お待たせしました、松原委員、どうぞ。
○松原委員 手短にお話をさせていただきます。
 人がどんどん減っていく中で、オンライン診療には大変期待しているところです。
 一方で、これを進めるぞと国の方針に出てしまうと、どうしてもそれを進めることしか言えない状況になりがちなので、例えば、加納委員もおっしゃいましたように、好事例を示すのであれば、一方で、不適切事例というのもちゃんと押さえるとか、ドクターの責任問題もしっかり検討するというように、あくまで遠隔診療というのは、それ自体が目的ではなくて、質の高い医療をいかに効率的に実行していくか、ここに目的があると思いますので、遠隔診療を広めることが目的だから、そうではないものは排除するようなことがないように、御検討いただければと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 ほかにございますか、荻野委員、どうぞ。
○荻野委員 ありがとうございます。日本薬剤師会の荻野でございます。
 遠隔診療オンライン診療の推進につきましては、資料の基本方針の目的にもございますとおり、適正な推進とは個別の医療の質を確保するという観点に加えて、対面診療と一体的に地域の医療体制を確保する観点も含まれること、この点が非常に重要と考えております。
 患者への適正な医療提供に資する、また、地域の医療関係者が連携して医療を提供する体制に資する、そういうことを目的として活用推進を図っていくべきと考えておりますので、ぜひそのような方向で進めていただきたいと思います。
その上で、簡潔に意見を述べさせていただきたいと思いますが、オンライン診療の結果、医薬品が処方される、医薬品を どのように患者に供するか、服薬指導をどのように行うかが伴ってまいります。
 診療とともに医薬品の使用、服薬指導までオンライン診療と併せてオンライン服薬指導についても、担保する必要があると考えております。
 基本方針や、今後取組を進める際の資料などにつきましては、そういった点も想定していただきまして、御検討して作成していただきたいと思っております。
 医療を完結させるために、医師以外の医療従事者について、医療提供確保についても御配慮いただければ幸いでございます。
 私からは、以上です。ありがとうございました。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。重要な御指摘だと受け止めさせていただきます。
 ほかによろしゅうございますか。
 ありがとうございました。大変活発な御意見を頂戴いたしました。
 さて、事務局から提案のありました案件でございますけれども、事務局におかれましては、本日の参考資料として提示されている基本方針案、これを事務連絡として都道府県に発出したいという御予定があるようであります。
 そこで、本日、多様な御意見が出ましたけれども、私が承った限りは、基本的にこの方針についての大きな反対なかったかなと、今後の運用上の課題あるいは今後さらに検討を進めなければいけないという御指摘を賜ったと思っております。
 とはいえ、まだ、この内容では不十分だという御意見もおありになるかもしれませんので、したがいまして、委員の皆様におかれましては基本方針を再度確認されて、特段の意見がございましたらば、事務局宛てに御連絡をいただきたいと思います。
 それで、もし修文の必要があるものであれば、その修文した内容も踏まえて、次回のこの部会において、報告事項とさせていただきたいと思っておりますが、もちろん、もう一度ゼロベースで議論をするということも可能ではありますけれども、ここまでまとまっておりますので、そういう御対応でできればさせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか、最初に申し上げましたようなやり方でよろしゅうございますか。
(異議なしの意思表示あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 特段御反対はないようですので、では、そのようにさせていただきますので、もし御意見があれば、事務局のほうにお伝えいただければと思います。
 では、事務局、そのような対応をよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
 続きまして、2番目の議題に移りたいと思います。
 2番目は「第8次医療計画について(報告)」。これは報告事項でございます。事務局から説明をお願いいたします。
○地域医療計画課長 第8次医療計画について、御報告をさせていただきたいと思います。地域医療計画課長の鷲見でございます。
 第8次医療計画における5疾病5事業、そして在宅医療につきましては、昨年12月の医療計画検討会の意見の取りまとめを踏まえまして、本年3月31日に医療提供体制の確保に関する基本方針など、関係法令や通知等を公布、発出しているところでございます。今回、その内容のポイントを御報告させていただきます。
 なお、令和3年の医療法改正によりまして、医療計画の6事業目として新興感染症発生蔓延時における医療というものが入っておりますが、こちらにつきましては、昨年12月の感染症法の改正を踏まえまして、本年3月20日の医療部会でも御議論いただいたところでございます。
 同日計画検討会としての意見を取りまとめたという状況でございますが、その後、当該取りまとめを踏まえまして、厚生科学審議会感染症部会でも議論が行われ、感染症法に基づく予防計画との整合を図りながら、基本方針など関連法令や通知等を作成しておりまして、パブリックコメントも先月14日から20日まで行った上で、現在の最終調整という状況でございます。
 今月中に交付、発出したいと考えておりまして、また、感染症部分については、後日御報告させていただきたいと思っております。
 今、お手元の資料2の御報告でございますが、1枚おめくりいただきまして、第8次医療計画のポイントの①、そして、次のページに②とございます。
 細かい資料といたしましては、その後の参考資料としまして、がんであるとか、脳卒中など一つ一つの疾病・事業につきまして、ポイントを取りまとめておりますので、そちらは、追って皆さん御御覧になっていただければと思いますが、私のほうからは、2ページ目と3ページ目のポイント①、②について御説明させていただければと思います。
 まず、全体についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、浮き彫りとなった地域医療の様々な課題に対応するということ。そして、人口構造の変化への対応を図るということでございます。
 また、先ほど申し上げましたように、令和3年の医療法改正により、追加となりました感染症への対応についても、事項を追加するということでございます。
 さらには、第7次医療計画の途中で追加されましたのが、医師確保計画、外来医療計画というものがございますが、これらにつきましても、それぞれのガイドラインに基づきまして、第8次医療計画の策定と併せて見直しを行うということでございまして、それぞれ医師の偏在指標、外来医師の偏在指標につきましては、二次医療圏の設定等も関連いたしますので、そちらにつきましては、先行して議論を行っていただくという内容になっております。
 また、5疾病6事業及び在宅医療についてという項でございますが、全体を通じまして、しっかりPDCAサイクルを回すことを全体として取り組む内容になっておりまして、その中でロジックモデル等のツールを活用することになっております。
 また、感染症の項とは異なる全体を通じてでございますが、新興感染症の発生蔓延時や、災害時等においても必要な医療が提供できる体制の整備を進めるということにしております。
 それぞれ、がん、脳卒中、心血管疾患、糖尿病、精神疾患につきましては、それぞれ健康局、障害部のほうで議論がなされておりますが、がんにつきましては、がん医療の均てん化に加え、拠点病院等の役割分担と連携による地域の実情に応じた集約化を推進する。
 脳卒中につきましては、適切な病院前救護やデジタル技術を活用した急性期診療体制の構築、回復期や維持期、生活期の医療体制の強化に取り組む。
 また、心血管疾患については、回復期及び慢性期の診療体制の強化や、デジタル技術の活用等による急性期から一貫した診療体制の整備に取り組む。
 糖尿については、発症予防、糖尿病及び合併症の治療・重症化予防のそれぞれのステージに重点を置いて取り組むための体制構築を進める。
 精神疾患については、患者の病状に応じ、医療、障害福祉・介護その他のサービスを切れ目なく受けられる体制整備を一層推進するということになっております。
 ここからは事業でございますが、救急につきましては、増加する高齢者の救急や、特に配慮を要する救急患者を受け入れるために、地域における救急医療機関の役割を明確化する。
 災害については、災害拠点病院等における豪雨災害の被害を軽減するため、地域における浸水対策を進める。
 僻地につきましては、医師の確保に配慮するとともに、本日も議論がございましたが、オンライン診療を含む遠隔医療を活用すると。
 また、離島振興法も改正されておりますので、そうした内容にも留意をするということでございます。
 周産期・小児でございますが、保健・福祉分野とも連携し、ハイリスク妊産婦への対応や、医療的ケア児への支援に係る体制整備を進める。
 在宅医療につきましては、在宅医療において積極的役割を担う医療機関、そして拠点、こうしたものを位置づけて適切な在宅医療の圏域を設定する、在宅医療圏を設定するとともに、各職種の機能・役割についても明確化する。また、もちろん各職種の連携を進めるということでございます。
 また、在宅医療に係る医療機関等に対し、災害時におけるBCPの策定を支援すると、こうしたところが主なポイントでございます。
 次のページが、ポイントの②でございますが「地域医療構想について」ということでございます。
 こちらにつきましては、これまでの基本的な枠組み、病床の必要量の推計・考え方などを維持し、毎年度、対応方針の策定率を目標としたPDCAサイクルを通じて、地域医療構想を推進することとし、策定率と地域医療構想調整会議における資料や議事録など、協議の実施状況について公表を行う等、着実に取組を推進するということになっております。
 昨年度3月末にも、こうした状況について確認をしているところでございまして、今後、計画検討会ワーキング等において、こちらの実施状況等については、御報告する予定となっているところでございます。
 また、2025年以降の地域医療構想の取組の在り方につきましては、今年度と来年度にかけまして、中長期課題について整理して検討する予定となっております。
 そして、2040年をめどとした新しい地域医療構想について検討を行うことになっております。
 また、外来医療についてでございますが、外来機能報告により得られたデータを活用し、昨年度から外来機能報告がスタートしておりますが、まさにそのデータを活用しまして、紹介受診重点医療機関となる医療機関を明確化するとともに、地域の外来医療の提供状況について把握し、今後の地域の人口動態・外来患者推計等も踏まえ、外来医療提供体制の在り方について検討を行うことになっております。
 また、医療従事者の確保でございますが、2024年4月に医師の時間外・休日労働の上限規制が施行されることを踏まえ、医療機関における医師の働き方改革に関する取組の推進、地域医療構想に関する取組と連動させ、医師確保の取組を推進する。
 また、医師偏在指標につきましても、主たる従事先と、従たる従事先で、それぞれ0.8と0.2という形で精緻化等をすることによって、よりきめ細やかな医師確保計画を策定することになっております。
 また、地域医療介護総合確保基金を積極的に活用し、病院と歯科診療所の連携、歯科専門職の確保、薬剤師、特に病院薬剤師の確保を進めると。
 特定行為研修修了者その他の専門性の高い看護師の養成と確保を推進する。
 また「医療安全の確保等について」ということで、こちらは、第6次、第7次の医療計画では、改正は行われませんでしたが、今般、修正を加えたところでございまして、医療事故調査制度運用の要である病院等の管理者の理解をより深めるため、研修の受講を推進する。
 また、相談対応の質の向上を図る観点から、医療安全支援センターの相談職員の研修の受講を推進することになっております。
 また、その他の事項といたしましては、地域医療支援病院について、医療計画の見直しの際に、必要に応じて責務の追加・見直しを検討するとともに、整備目標を定める際には、医療計画における新興感染症への対応に関する事項との連携にも留意する。
 地域医療支援病院につきましては、感染症法の改正に伴いまして、有事における医療提供を義務づけているところでございますので、そうしたことについても留意するという趣旨でございます。
 また、最後でございますが、医療計画の内容のうち、必要な情報については分かりやすい形で周知を行い、住民の理解・協力を得られるよう努めるということでございます。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 第8次医療計画、これは専門に検討する計画検討会、さらにその下にある非常に複数のワーキンググループの中で、かなり時間をかけまして、このように作成いたしました。最終的な形のものを非常にまとめた形で本部会に御報告をいただいたわけですけれども、何か御質問、御意見ございますか。当部会でも適宜御報告はさせていただいていると思いますので、よろしゅうございますか。
(異議なしの意思表示あり)
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、最後の議題に移りたいと思います。最後の議題は「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律の成立について(報告)」と、こちらも報告事項でございますので、事務局から説明をお願いします。
○総務課長 医政局の総務課長の岡本でございます。
 今、部会長のほうからお話がございましたように、本日の参議院の本会議におきまして、可決、成立という運びに至ったということでございます。
 全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律ということでございます。
 資料は、3のほうで御用意させていただいておりますが、この部会でも法案を提出した際に御報告をさせていただきましたけれども、2ページにございますように、出産育児一時金等々の医療保険の関連の分野、それから高齢者医療の制度の見直しといったもの。
 医政局の関係でございますけれども、4番の医療・介護の連携機能あるいは提供体制の基盤強化ということで、特にかかりつけ医機能に関する情報提供の強化あるいは報告制度に基づく協議の仕組みといったこと。
 それから、3番にありますような医療法人に関するデータベースの整備。
 それから、4の④のところですが、地域医療連携推進法人について、個人立の医療機関が参加できる仕組みでありますとか、それから、認定医療法人制度に関しまして、期限の延長といったような制度の改善を図る内容ということでございます。
 これにつきましては、衆議院、参議院で御審議いただきまして、政府提案のとおり可決ということでございます。
それから、参考という形で参議院のほうにつきましては、参考資料のほうにおつけをいたしておりますが、附帯決議というものが、昨日の委員会のほうで付されているということですので、併せて御報告をさせていただきます。
 この法案の検討過程におきましては、医療部会のほうでも熱心な御議論を賜りまして、昨年の末に報告書をおまとめいただいたということでございます。
 それに沿って法案化をさせていただいて、本日成立を見たということでございますが、また、これから具体の施行に向けて、いろいろと検討事項というのがあるということでございますので、着実な施行に向けて、また、医療部会の先生方からも御意見を賜りながら、しっかり進めていきたいと考えております。
 以上、御報告でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 法律の概要について御報告をいただきました。特に当部会と関連があるのは、この4番のところでありますけれども、何か御質問等ございますか。
 河本委員、どうぞ。
○河本委員 ありがとうございます。
 質問ということではないのですけれども、かかりつけ医機能が発揮される制度整備について、一言だけコメントをさせていただきたいと思います。
 参考資料の参議院の厚労委員会の附帯決議、第8項にもございますように、私どもは今回の制度整備というのは、医療の質の向上につながる第一歩と捉えております。
 昨年の本部会の議論でも申し上げましたけれども、私どもとしては、今後、全ての国民、患者がニーズに応じて、自らが選択して活用できると、そういった体制整備に向けて、私どもとしては、かかりつけ医機能の認定、登録といった、今後の検討事項も含めて、取組をお願いしたいと考えているということでございます。
 一言コメントをさせていただきました。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 かかりつけ医機能について、非常に重要な案件でありますので、今後の御検討についてのお考えを述べられたということであります。ありがとうございました。
 ほかにございますか。よろしゅうございますか。
 佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 私も河本委員のコメントと同じで、かかりつけ医機能が発揮される制度整備については、今回の議論で終わりということではなく、国民・患者の視点に立って、さらなる検討を進めるべきと考えておりますので、今後の検討をよろしくお願いいたします。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 了解いたしました。御意見として受け止めさせていただきたいと思います。
 ほかにいらっしゃいますか。島崎委員、何か。
○島崎委員 この件ということですか、これ以外は。
○遠藤部会長 これについての御意見ですが、どうしてもという話があれば。
○島崎委員 そうではなく、この部会の、この後のテーマのことなのですが。
○遠藤部会長 結構ですよ。
○島崎委員 1つだけです。医師の働き方改革が施行まであと1年切っています。この影響は非常に大きいのですけれども、部会長が座長をやっておられる医師の働き方改革の推進に関する検討会はこの1年以上開かれていないし、この医療部会でも、状況の報告とかはありましたけれども、ここ何回かは議論されていないと思います。その重要性に鑑みれば、いつかどうかはともかく、いずれかの時点で、やはり報告をいただいて、部会として情報交換や議論をしておく必要があると思います。これは、後々、部会なり検討会で何をしていたのだと言われないようにするためにも必要だとおもいます。
○遠藤部会長 ほぼ1年ぐらい開かれていなかったわけですが、制度をつくるところまでやりましたので、それ以降は、それが周知して、今、準備を各医療機関がしているというところで、今後それがどうなるのか、その結果がどうなるかという問題は当然出てまいりますので、あの検討会は、それらにフォーカスを当てた形で再開をするという予定になっていると、私は理解しておりますので、若干、実は、事務局とも今後の部会の在り方については検討しているところであります。
 その中身についても、また、本部会で御報告するということも十分あり得る話であります。重要な御指摘をありがとうございました。
 そうですね、重要な案件でありながら、会議がずっと開かれなかったと、了解いたしました。
 松田委員、どうぞ。
○松田委員 今の島崎委員の意見に関連して、医師の働き方改革は、救急にかなり大きな影響を及ぼします。それは、今出ている病床機能報告のデータからも明らかで、常勤比率の低い病院がかなり一次患者を診ているのです。多分そういう病院に対して大学病院等からの医師の派遣がなくなってしまうと、その分が全部残された救急病院に行くことになります。
 そういう意味で、医師の働き方改革と救急医療の関係について、島崎委員の御意見にもありましたけれども、早急に検討すべきだろうと、僕自身は思っています。これは意見でございます。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 とりわけ救急への影響が大きいのではなかろうかということで、いろいろな調査は、厚労省もやっているようですけれども、なかなかそれがどこまで信憑性のあるものかよく分からないところもありますので、実態としてどうなっているかということを御検討いただくということで、非常に重要な御指摘をいただいていると思います。ありがとうございました。
 山崎委員、お願いいたします。
○山崎親男委員 厚労省と総務省などの横連携がなっているのかなというのが、先ほど言いましたように、山間地は、光ファイバーが1つの動線になるのですけれども、動線がないと、御存じのように、オンラインとかそういうものは全然使えませんので、総務省などの横展開も、ぜひお願いをしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 先ほどありました情報インフラについて、御懸念がおありになるということでありました。ありがとうございます。
ほかにございますか。
 それでは、御意見は十分いただいたと思いますので、本日の議論は、これぐらいにさせていただきたいと思います。
 本日の会議は、これぐらいにさせていただきたいと思いますが、事務局から何か連絡事項はございますか。
○医療政策企画官 次回の医療部会の詳細につきましては、決まり次第、改めて皆様に御連絡させていただきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、長時間どうもありがとうございました。これをもちまして、本日は終了したいと思います。失礼します。

 

(了)

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