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2022年12月5日 第94回社会保障審議会医療部会

医政局総務課

○日時

令和4年12月5日(月)15:00~17:00

 

○場所   AP新橋 3階 Aルーム


○議事


○総務課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第94回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
本日は新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催とし、傍聴は報道関係者のみとさせていただいております。
 会議中の留意事項につきましては、事前に送付しております「オンライン参加の留意事項について」を御覧ください。
次に、本日の委員の出欠状況について御報告申し上げます。
 本日は、井上委員、内堀委員、都竹委員から御欠席との御連絡をいただいております。医療部会の総委員数が23名で、定足数は3分の1の8名となっており、本日は20名の委員の皆様が御出席となりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 また、角田委員、釜萢委員、山口委員より途中退席されるとの御連絡をいただいております。
 次に、議事に入ります前に、資料等の確認をさせていただきます。事前に議事次第、委員名簿、座席表のほか、資料1-1から資料4及び参考資料を送付させていただいておりますので、お手元に御準備いただければと思います。
 カメラのほうはここまででお願いをいたします。
(カメラ撮り終了)
○総務課長 以降の進行は永井部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○永井部会長 それでは、最初に、欠席の井上委員の代理として清家参考人の御出席を、また、内堀委員の代理として玉川参考人の 御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(委員首肯)
○永井部会長 ありがとうございます。
 本日の進行ですが、議題1から3までは、11月28日開催の第93回の議題と同様で、引き続きの御議論をお願いするものであります。
 まず、議題1及び2についてまとめて御議論をいただき、続いて議題3を、最後に議題4について御議論をお願いしたいと思います。
 では最初に、議題1と2について事務局より説明をお願いいたします。
○総務課長 医政局の総務課長でございます。
 ただいま、部会長からお話がありましたように、議題1と2をまとめてということでございます。1がかかりつけ医機能について、2が医療法人制度の見直し、それから、経営情報のデータベースの在り方についてでございます。いずれも前回の医療部会で一度御議論いただいておりますが、前回、かなり議題が盛りだくさんだったということもございまして、改めて本日も基本的には同じ資料に基づき、御議論、御意見を頂戴したいと思っております。いずれも次の通常国会を視野に医療法の改正案というのを提出することを視野に検討を進めていきたいと思っております。この2点について御意見を頂戴できればと思っております。
 資料でございますが、基本的には前回と同様の資料でございます。資料1-1から順に参りまして、1-3までというのは同じでございます。そして、資料1-4といたしまして、前回の医療部会におきまして御指摘をいただいた事項を整理させていただいております。左側に事務局から御説明させていただいた内容、右側に皆様から頂戴した意見を整理させていただいておりますので御紹介申し上げます。
 資料1-1をお手元に御用意いただきまして、基本的には前回と同じではございますが、若干変えましたところを補足的に御説明させていただければと思います。
 3ページをお開きいただきたいと思います。
 今回、一番下の※書きに書いております書面の交付ということにつきましては、前回の資料では記載をしておりませんが、上の段の真ん中に※書きという形で記載をしておりました。前回もいろいろと御意見は頂戴いたしましたけれども、多様なニーズに対応する中で、この機能報告制度の中で地域から報告をしていただいて協議をして改善策をまとめるというのがこのスキームということでございますので、その中に入れておくことが自然ではないかなという考えもございまして、今回の資料におきましては※書きのほうに移しているということでございます。
 その点に関して前回の資料と変えたところは、前回の資料で医師による継続的な管理が必要と判断される患者に対して、医療機関がかかりつけの関係を確認することができるという形で記載をしておりましたけれども、ここの部分につきまして、何か全く新しい契約関係が生じるのかといった御質問でございますとか、そういった御意見を頂戴した、あるいは事務局からも、性格としてインフォームド・コンセントの一環のような形でという御説明をさせていただいたことを踏まえまして、その趣旨がもう少し正確に伝わるようにという考えのもと、判断される患者に対して、医療機関がかかりつけ医機能として提供する医療の内容を説明することとするという記載とさせていただいているということでございます。
 それから、その点と関連しまして同じ内容ではございますが、8ページでございます。
 こちらも枠の中の記載でございますが、医師により継続的な医学管理が必要と判断される患者に対して、患者が希望する場合に、医療機関が書面交付などにより、かかりつけ医機能として提供する医療の内容を説明することとしてはどうかという記載に改めさせていただいております。
 こういったことを含めて、前回も御意見を頂戴いたしましたけれども、御議論をお願いできればと考えております。
 その上で、※書きに書いてありますように、書面の具体的な内容や手続につきましては、今後、関係者の皆様の御参画を得て、さらに詳細を検討していくことが必要ではないかと記載をしておりますが、ここでかかりつけ医機能として提供する医療の内容ということについてもいろいろな御議論があり得るかと思っております。さっき申し上げたように、詳細については引き続き議論を重ねていく必要があるということではございますが、今日の段階で少しイメージ等の御議論をお願いしたいと思いまして、材料を御用意させていただいております。
 参考資料2のほうを御用意いただければと存じます。
 こちらの参考資料2のほうということでございます。これは、現在の診療報酬の中で用いられている様式を一つの例としてお示しをしたものでございます。
 おめくりいただきまして最初のページのほうは、生活習慣病の指導管理に関して指導管理料という点数を算定する際に、ここにございますような療養計画書を様式として用いているということでございます。これにつきましては、具体的な、ある意味、治療計画の形を取っているということかと思います。
 その上で、次のページを御覧いただければと思いますが、これにつきましては、「地域包括診療料」あるいは「認知症地域包括診療料」に関するその説明書という形で、ここに書いていますような○が幾つか並んでおります。
 生活習慣病等に対する治療や管理を行います。処方される薬について管理を行います。予防接種に関するその相談等に応じます。こういった介護保険の利用でありますとか、必要に応じて、訪問診療や往診に対応します。あるいは、最後にありますように、体調不良の際には、電話によるお問合せに対応しますと。こういうことが書いてございます。
 そして、最初に御紹介をしましたような、先ほど申し上げた医療の提供の内容といった場合に、生活習慣病でお示しをしたような具体的な治療計画に近いようなものから、こういった包括診療料のほうで書いていますような、自宅での療養における自己管理でありますとか、あるいは緊急時の対応等々、これらサービスの内容について記載しているようなものまで幅があるということだと承知しております。現状において診療報酬でこのような取組がなされていることを踏まえつつ、先ほど申し上げましたような書面交付に際し、提供するかかりつけ医機能として、提供する医療の内容を説明することとしてはどうかという場合に、どのようなことを想定しながら進めていくことが考えられるのか、という辺りについて御意見を頂戴できればということで、一つの材料としてこれを御用意させていただいたということでございます。
 私のほうからの、全体につきまして資料については前回御説明しておりますので、今日は補足の説明ということで、以上を踏まえまして、先生方から全般について御意見を頂戴できればと思っております。よろしくお願いいたします。
○永井部会長 ありがとうございます。
 続いて、議題2について説明をお願いいたします。
○総務課長 失礼しました。
 すみません、1にまとめてという趣旨でございますけれども、2のほうにつきましては、お手元のほうに資料2-1から2-2ということで御用意させていただいております。先ほども申し上げましたけれども、医療法人制度の見直しについてということで、前回も御説明させていただきましたが、地域医療連携推進法人というものについて、より活用がしやすいように仕組みを見直していってはどうかということでございます。
 見直しの中身につきましては6ページに記載をしておりますが、個人立についても参加できるような仕組みというのを考えてはどうかということが制度の見直しの眼目ということでございます。
 それから、認定医療法人の制度につきましては最後の10ページにございますが、平成18年に持分なしということで制度化をした際に、この際に持分なし法人への移行に関して認定医療法人制度というものを設けておりますので、これの期間の延長を行うという中身でございます。
 それから、もう一つの資料2-2のほうは「医療法人の経営情報のデータベースの在り方について」ということで、こちらも前回御説明をさせていただきましたが、対応につきましては4ページに記載をしておりますが、医療法人の経営情報というのを把握・分析すると。それによって国民に丁寧に説明していくために、医療法人の経営情報というのを収集してデータベースを構築していくと。このような仕組みを設けてはどうかということでございます。様々な活用の観点というものがある中で、第三者提供の仕組みでありますとかそういったものも含めて整備をしていくことを考えてはどうかということでございます。
 いずれも、先ほど申し上げましたが、次の通常国会への提出を視野に検討を進めたいと。医療法の制度改正として検討を進めたいと思っておりますので、併せて御意見を頂戴できればと思います。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、御質問・御意見をお願いいたします。
 山口委員、どうぞ。
○山口委員 ありがとうございます。山口でございます。
 前回申し上げた意見と全く変わりませんけれども、今、書面交付の例として参考資料2に基づいて御説明いただきましたが、地域包括診療料のように何ができるのかということをやはりしっかり明らかに患者に伝えるような項目は必要ではないかなと思っておりまして、最終的に同意という形になっても構わないのですが、前回申し上げたように、やはりかかりつけ医を選ぶのは患者なので、患者が選ぶことができるだけの候補者の情報提供をぜひしていただいて、まずは患者が選んで、その後、書面交付というお互いの合意ということが大事だと申し上げましたが、そういったことが重要ではないかなと繰り返しこれをお伝えしておきたいと思います。
その中で、書面の具体的な内容や交付手続等については、今後、有識者や専門家等の参画を得てさらに詳細を検討ということなのですけれども、これは現時点でどこを想定しているのでしょうか。もし事務局としてお考えがあれば、現段階でのお考えを聞かせていただきたいと思います。
○永井部会長 いかがでしょう。
○総務課長 ありがとうございます。
 具体に今の段階で場まで決めているということではございません。基本的には医療法あるいは医療法の体系に関することであれば、こちらの医療部会なのかあるいは各課題に応じて、医療計画であれば計画検討会、それから、様々なテーマごとにその分科会のような形で様々な会議があるかと思います。この辺り、かかりつけ医機能が発揮される制度整備と全体について、まずは医療部会で御議論をいただき、その上で、その後の進め方については医療部会とも御相談をしながら、そういった場面場面といいますか、そういうテーマテーマに応じたところで御議論いただくのか、あるいはもう少し新しい場も含めて必要なのか、その辺りも含めて御相談をしながら考えていきたいと思っております。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
○山口委員 第8次医療計画検討会で話し合ったり医療部会に来たりということで、結構迷走しているような感がありますので、その辺り、分かった段階で明確にしていただければと思います。ありがとうございました。
○永井部会長 佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 ありがとうございます。議題1に関して発言をしたいと思います。
 かかりつけ医機能については、医療提供体制の改革とネットワーク等の医療機関間の連携がまず重要です。地域包括ケアのさらなる推進に向けて、医療機関の機能分化と連携、医療と介護の連携が求められると考えます。
 また、かかりつけ医機能が果たす役割を担保するための医療の質の担保も重要であると考えます。一定の水準をクリアすることで患者の安心につながるのではないかと考えます。
 連合は、医療政策の中で「家庭医」、これは仮称になりますが、その認定制度を提言しております。初期医療や病診連携の調整などの役割を担うことや、24時間の緊急応時体制を複数医による連携や地域の他医療機関との連携体制を構築することで確保しており、かつ、訪問診療を行う総合診療専門医であることを要件としているといった内容のものでございます。
 私からは以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 野村委員、どうぞ。
○野村委員 野村です。よろしくお願いします。
 ちょっと前回欠席しましたので少し逆戻りの意見になってしまうかもしれませんが、1点よろしくお願いします。
 現在、コロナ禍ということもあり、子供たちも受診したいときにすぐかかれないといった状況があると保護者の方からも多く聞きます。そんな中で、様々な受診の方法が新たにできており、アプリを登録して初診から割とオンライン診療や往診なども保険診療の中で可能といった情報がSNSの中でも多く流れてきており、いつでもどこでもすぐ診てもらえるというシステムの利便性がアピールされているものもよく見つけます。安全面や、今、進めておられる上手な医療のかかり方と逆行していかないように、うまく共存できるように、運営される側も、もちろん私たち使う側もきちんと使い分けていくことが大切かと思っております。やはり使い方というのがすごく重要になると思うので、どんなよいシステムも使い方を間違えると安全と離れてしまうといけないので、ぜひ正しい情報提供を行っていただき、やはり困ったときはかかりつけ医というものが、いつでもどこでも困ったときにオンライン診療みたいな感じになっていかないように、利便性だけを追求したものにならないように、ぜひかかりつけ医機能というものを今後も検討していただきたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 河本委員、どうぞ。
○河本委員 ありがとうございます。
 かかりつけ医機能が発揮される制度整備に向けて、確認と念押しということで、前回と重複する部分もございますけれどもコメントさせていただきたいと思います。
 まずは総論として、コロナ禍の経験ですとか人口構造の変化を踏まえれば、やはりスピード感を持ってその大きな改革に取り組む必要があると考えます。一方で、段階を踏んで進めるということも現実的にはあり得るとは思います。前回、事務局案の内容について最終ゴールではないと申し上げましたけれども、将来にその禍根を残すことのないように最終的な絵姿を意識すべきということを追加で指摘させていただきたいと思います。これから取りまとめに向けて難しい調整が必要になると思いますけれども、かかりつけ医に関する国民の関心も高まっておりますし、全世代型社会保障構築会議を中心に政府全体として議論を進められているということも踏まえて、現状の手直しにとどまらずにしっかりとした改革案となるように、事務局にはくれぐれもお願いしたいと思います。
 続いて各論ですけれども、新設するそのかかりつけ医機能報告制度について、資料の3ページ目で機能を併せ持つ医療機関を都道府県で確認するとされております。当然、確認した結果として機能が不十分であれば認めないということもあり得ると思いますけれども、事務局に確認をさせていただきたいと思います。
 それから次に、かかりつけ医関係の書面交付について改めて意見を申し上げたいと思います。前回、複数の慢性疾患を持つ患者を想定した説明が事務局からございましたけれども、複数の持病のある患者というのは、複数の医療機関から書面交付が受けられる一方で、持病のない患者はこの枠組みに入ってこないというのは、やはり余りにもバランスを欠くと言わざるを得ないと思います。さらに、継続的な医学管理が必要とその医師が判断した患者しか手を挙げられないということであれば、全世代型社会保障構築会議が求めている、医療機関、患者それぞれの手挙げ方式というふうには言えないのではないかと思いますので、入り口で対象を狭めずに、国民・患者が希望した場合、その書面交付を受けられるようにするべきだと思います。また、情報の一元化やその調整窓口を想定して、患者と医師との関係というのは1対1にすべきだということを、私、前回申し上げましたけれども、指摘事項を整理した今日お示しいただいている資料の中には見当たりませんので、そういう意見があったということも記載をしていただきたいと思います。
1点御質問をさせていただきましたけれども、御回答よろしくお願いいたします。
○永井部会長 事務局、いかがでしょうか。
○総務課長 ありがとうございます。
 このかかりつけの機能の報告について、どういったスパンでやっていくのかということがあるかと思います。外来医療報告等々で年に1回日を決めてという形にはなっているかと思います。1度確認したものが確認した状態で未来永劫同じ状況が続くというわけではないかと思いますので、状況が変わればそれに応じた措置を取るという形に確認をし、それが継続をしていないということであれば確認がされていないという判断をするのだろうということだと考えております。
 それから、御意見が反映されていないという点について大変失礼いたしました。その取りまとめに際しても十分に考慮しながらやっていきたいと思っております。
 以上でございます。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
○河本委員 質が担保されていなければ認めないということはあり得るというふうに理解をさせていただきます。ありがとうございました。
○永井部会長 神野委員、どうぞ。
○神野委員 ありがとうございます。
 主な意見は前回お話しさせていただきましたので、今日は感想的なお話だけさせていただきたいと思います。
書面についてでありますけれども、先ほど、参考資料として地域包括診療料等の文面が出ておりました。正直、私はここにあまり関係していないのであまり見たことがなかったのですけれども、非常に漠然とした内容で、必要に応じてとかそういう表現がいっぱい書いてあります。果たして、今度かかりつけ医の書面ってこれでいいのかということであります。特に資料1-1で6ページに、かかりつけ医機能①から⑤ですか。①から⑤ということで表になっているわけでありますけれども、恐らくこういうところにまさにマル・バツをつけていくということになると思いますし、やはりその際に、例えば、入退院時の支援とか、自分のところに入院機能がなかったときにどこと連携するとか、そういうことをやはりより具体を明示していくような書面であったほうが、利用者さん、それから、かかりつけ医を選ぶときの患者さん目線なのかなというふうに感じました。この辺の書面交付、あるいは書面の在り方というのはこれからだと思いますけれども、ぜひより具体の話を今後進められればと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 加納委員、どうぞ。
○加納委員 ありがとうございます。
 私からも前回申し上げたところと重なるところがあるのですが、前回のときには資料1の3ページ目でしたか、何か分かりにくいポンチ絵が出ておりました。やはり前も申しましたように、日本の病院の8割を超える病院、8割少しですか、300床以下の病院なのです。その病院、つまり中小の病院がやはり今回のかかりつけ医機能を含めて参加してくることが考えられます。そこを中心にまた在宅医療という形での体制ということで、やはりその点を分かりやすく表現してもらえるような形が必要ではないかなと思っておりますので、また重ねてお願いしたいと思います。
 あと、医療法人に関しましては、前回も申しましたように、既存の地域連携推進法人の在り方に関してはやはり議論すべきではないかなと思っております。はたして構想区域を超える大きな地域連携推進法人が必要なのかどうか。また、特定機能病院であればやはり主従関係ではないですけれど、何か変な形での地域連携推進法人が存在するような感じもしております。また、今回の新類型においては公認会計士の監査が必要なくなったということで、これは非常に評価すべきかなと思っております。大手の監査法人に依頼すると1000万円を超える金額の負担を強いられてまでそういった地域連携推進法人を作るのかどうかということも含めてやはり大きな問題であるかと思いますので、そこらが今度の新類型では事務的に簡略されたことは非常に大事なところだと認識しております。
 最後に、今回の医療法人のデータベースの在り方については、重ねて検討会の意見がしっかりと今後も推移して守られるようにお願いしたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 まず質問します。先ほどの事務局の御説明で、かかりつけ医機能として提供する医療の内容の説明ということで参考資料2の地域包括診療料の例が出されたのですけれども、これは適切な例なのでしょうか。というのは、この地域包括診療料のところを見てみますと、患者が同意する形になっていますね。また、別紙様式の48のところ、添付した資料を見ますと。なおかつ、これは他の医療機関で地域包括診療加算とか地域包括診療料を算定している人が署名する前にお申し出くださいということが書かれているわけです。つまり、ここのイメージとしては、患者1に対して医師1人という関係性なのだと思います。私は、これはこれで一つの行き方だと思っておりますけれども、そこの点については、前回のときにもインフォームド・コンセントということをおっしゃり、それから、今回、これの診療報酬の地域包括診療料の例を出されたのですけれども、それは今申し上げたようなことも含めてのお話なのか、確認させていただきたいと思います。
○永井部会長 いかがでしょう。
○総務課長 ありがとうございます。
 適切な例なのかどうかといいますと、このかかりつけ医機能が発揮されるような制度整備に当たって、適切かどうかというのを判断して今回お示しをしているということではございません。あくまで今の診療報酬の中で行われている例としてこのようなものがあるということです。ここに書いていますように1対1を意味しているのかというと、これはこの点数自体がそういった他の医療機関を受診されている場合を要件にして設定されている点数であるため、このような表現になっているということであります。ですので、制度整備を考えるに当たってその姿をイメージしてこれをお示ししているというものではなく、繰り返しになりますが、現行ではこのようなものが事例としてはあり、また幅があって生活習慣病指導料のようなものもあれば、ここに書いていますようなものもあるということです。
○島崎委員 おっしゃりたいことは分かりました。
○総務課長 医療の内容というときに、患者さんの場合に応じ、どういった内容を説明していくのがいいのだろうか、ということを材料に御議論していただきたいということでございます。
○島崎委員 その上で意見申し上げれば、ただいま説明があったように、一つの例というか、適切な例になっているかどうかよく分からない点もあります。いずれにしても、説明した後、例えば、その患者のほうが同意をすればそこに一定の法律的な効果が生まれることは間違いないと思うのです。それから、地域包括診療料は、先ほど申し上げたような医師と患者の関係については1対1の関係を想定しているのだと思いますし、それから、大病院も対象になるのかということもよくわかりません。その辺りについては、今回、ここのところで決着をつける話ではなくて、今後、具体的な検討の場なりで議論が重ねられるという理解でよろしいのでしょうか。
○永井部会長 どうぞ。
○総務課長 今、先生御指摘のとおりで、具体に関しては議論を重ねながらということだと思っております。それから、前回も1対1ということではなくいろいろな大病院等々も含めてあるのかというご質問の際、そういうこともあり得るというお話を申し上げました。同じその疾患のコントロールに関して、大学病院での治療を診療所でフォローするとか、役割分担をしているような場合もあるかと思います。そういった意味で、今、申し上げたように1対1とかに絞るということを想定しているものではないということであります。
 あとは、実態として慢性疾患を有するような高齢者の方の総合的継続的な管理をしていくという中で、多くの場合といいますか、これは実態にもよるかと思いますが、2つ以上に果たしてなるのだろうかと。先程申し上げたように繰り返しになりますけれども、1対1を想定しているわけでもありませんし、そういった大学病院と診療所で連携してやっているというケースもやはりあるのだろうと思います。その辺りを踏まえながら、詳細については議論を重ねながら考えていきたいと。それに対して、今の段階でこういった材料をお示ししながら御意見を頂戴したいということでございます。
○島崎委員 私は何もここで必ずしも全部を詰め切ることが必要だと思っているわけではなくて、1対1の例外もいろいろあるのだろうと思いますけれども、例えば、1人の高齢者が複数の疾患を持っているときに、それぞれがばらばらにというか、1人の人間が診療の中身について複数の医師から同じような説明を受けていくということが望ましいとは思っていません。その辺りのことについては、今後の検討の場で議論の対象になるのではないかなと思います。併せて言えば、今回、かかりつけ医機能について十分な時間をかけて議論を重ねてきたのかというと、必ずしもそうではありませんので、おおよそのコンセンサスを得ながらさらに今後詰めていくというプロセスはどうしても必要になってくると思います。
 その上で申し上げれば、私は前回、それから、その前の9月のときに申し上げましたけれども、これはかかりつけ医機能ということをあえて言うのであれば、一般的な疾患いわゆるコモンディジーズの診療と、全人的な対応、それから、24時間365日の対応がきっちりできるということが非常に重要だと思っています。そのような意味で私が何を心配しているのかと言えば、例えば、個々の診療所がばらばらの診療、臓器別の診療を行い、そこを全人的に診るということがないというのでは、今と一体何が違うのかという話になってしまう。そういう観点からは、やはりどこかのところでコモンディジーズに関してきちんと診療できることについては書くべきであり、それらしいニュアンスは漂っているのですけれども、臓器別・疾患別ではない全人的な対応ということについては、どこかに議論の取っかかりをつけておいていただきたいと思っております。
 以上意見です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 相澤委員、どうぞ。
○相澤委員 どうもありがとうございます。
 もう一度確認したいのですが、資料1-1の4ページにある医療法施行規則の医療機関の機能としてかかりつけ医機能があるということは、このまま変えないということでよろしいですかということのまず質問にお答えいただきたいと思います。
○総務課長 事務局でございます。
 私どもとしては、かかりつけ医機能というものについては医療機関の機能ということで考えていきたいと考えております。
○相澤委員 どうもありがとうございました。
 その上で、このかかりつけ医機能というところを議論していく中で、継続して診療を受けている人というところがいつも出てくるわけです。しかし、例えば、その方がどこかから転勤してこられたとき、その地でどこの診療所にかかろうかというと、はたと困るということが多くあるのです。そうすると、その方が例えば転んで膝を打って、膝が腫れて痛いならば、多分その方は整形外科を選ぶと思うのです。ただ、何となく腰や背中が痛い、そして、何となく体がだるい。では、自分はどこに行ったらいいのか。その方はどこで最初に受診していいのか分からないのです。そういう患者さんが大病院に行ってしまうので困るという今の現実があるわけです。そうすると、そういう方は最初にどこに行くのか。要するに最初に診療を受けたいと思えば、その患者さんを包括的、全身的、あるいは総合的に見てくれる機能というのを持っている医療機関が必要であって、それはかかりつけ医機能として大事なことなのですが、何かこれまでの議論は、継続してかかっている患者さんをどうしようかということになってしまっていますので、どうかぜひ最初に診療する医療機関、最初に訪れる医療機関としてのかかりつけ医機能というのは私は極めて大事だと思いますので、検討をお願いしたい。
それともう一つ、先ほどからの話であったかもしれませんが、その初期救急をどうするのかということについても、ぜひこのかかりつけ医機能を議論する中で議論していっていただきたいと思いますし、恐らくいろいろな方々の意見は、それをやはりかかりつけ医機能を持っているその診療所の先生、あるいは中小規模の病院にやってほしいというのがあると思いますので、それもぜひ議論に加えていただきたいなと思うということです。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 釜萢委員、どうぞ。
○釜萢委員 ありがとうございます。
 先ほどからの御議論の中で、ある医療機関がかかりつけ医機能を担うことができるかどうかを評価して認定をするというお話がありました。御意見がありましたけれども、あくまでもそのかかりつけ医機能は、1つの医療機関で全て満足できなければかかりつけ医のその資格がないということではないわけでありまして、それぞれの医療機関が担える機能をしっかり明確に表明をして、それに対して患者さんのほうがその医療機関にかかりたいという意思を示していただく中でそれぞれの合意が徐々に形成されていくということが極めて大事だと思います。
 そして、先ほども既にお話が出ましたが、その医療機関が自分のところで全てできない部分についてはどう連携するのかということをあらかじめ示して、そのことが受診される方に分かりやすくするというのは、これも大事なところですけれども、それも地域において必要な医療、そのかかりつけ医機能が何なのかという地域における合意の中で、行政やあるいは地域の医師会などがしっかり支援をする形で、それぞれの医療機関の連携の在り方を確立していくということが大事で、自分のところはどの医療機関と連携できるというところが必ずしも最初から十分満足できない場合もあり得るだろうなと感じています。その辺りは地域の支援が非常に重要になってくるかなと考えます。
 それから、今日は参考資料2として、既に診療報酬上に定められている書式が幾つか出ましたけれども、これはあくまでもこの診療報酬上で現状に今、こういう形のものがあるという例であって、今回のかかりつけ医機能の、より機能を発揮するための制度整備の中でこれがそのまま使われるというわけでは決してないだろうと思います。例えば、地域包括診療料等について、これが既に用意されているわけですけれども、地域包括診療料が多くの、これは主に病院ですが、病院でこれが採用されて非常に算定の回数が多いかというと決してそうではなくて、必ずしもこのやり方がうまく機能しにくい面もあるわけでありまして、その辺りのところは今後かかりつけ医機能がちゃんと生かされていく上で役に立つような形の書式が整えられるべきで、そのようなことが今後検討されるだろうと理解をしております。
 意見を申し述べました。
○永井部会長 ありがとうございます。
 松田委員、どうぞ。
○松田委員 松田でございます。
 今の釜萢委員の意見にも関係してくるのですけれども、ちょっと細かいことといってはあれなのですが、事務局の説明でこれをお出しになった意図はよく分かりました。こういう形で運用を実際にやっているものがあるということで理解をいたしました。
その上でなのですけれども、今、厚生労働省の中で医療情報共通基盤の話が進んでおります。そこでいろいろな情報を共有していくという話になってくると思うのですけれども、当然、かかりつけ医機能を持っている医療機関がそのほかの施設と連携するときにはこういう情報を共通基盤を通して共有するということになってくるのだろうと思います。そういう意味ではこの医療情報共通基盤の議論の内容をベースにいろいろ検討していただくことがいいのではないかなと思います。24時間365日対応というのを個人の先生がやることは無理ですので、実際にはその地域の休日夜間急患センターなどを通じてやるということになってくるのだと思います。そういうところでかかりつけ医が作成したサマリーデータを見ることができるということが、多分、現実的には24時間365日を保障するということになってくると思いますので、既存の仕組みで今、こういうふうに制度として実働しているものがあるということを前提として、その内容の検討をしていただければいいのではないかなと思いました。
 以上であります。
○永井部会長 ありがとうございます。
 木戸委員、どうぞ。
○木戸委員 少しネットワークが不安定で申し訳ございません。
 今、かかりつけ医機能について議論が進んでいますが、確かにいつでも相談できて包括的に対応できるかかりつけの先生がいれば患者さんもとても心強いとは思いますが、これだけ医療も高度に専門分化し、患者さんのほうの要求水準もとても高まっている中で、実際にそのニーズに対応するのはなかなか難しそうに思います。
 それよりも、やはり一人一人の患者さんをかかりつけとして特定の医師、医療機関にひもづけるのではなく、その患者さんのこの症状にはどこの医療機関のどの診療科が対応するのが適切なのかをもう少し全体を見渡してうまくマッチングできるような制度設計のほうを進めていくことを考えるべきと思います。
 それには、患者さんと医療機関側の双方のデータ基盤を整備することが大事で、患者さんのほうはPHRとして、これを医療機関、医師にではなくて、患者さんのほうにひもづけて活用する。これはもちろんセキュリティー確保が大前提でありますが、そういった整備とともに、供給側の医療機関の対応能力、設備や人員はもちろんそうですけれども、どの時間帯だったら対応できるか、どういった診療内容がここは得意かとか、そういったことを医療機関の規模にかかわらずもう少し見える化ができないかということが非常に重要かと思います。高齢のために閉院するとか、こういう手術に新たに対応できるようになったとかいろいろな変更が出てくれば、それの内容を常にアップデートできる仕組みも併せて考えるべきだと思います。
 私からは以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 小熊委員、どうぞ。
○小熊委員 ありがとうございます。小熊です。
 私が前回も申しましたように、かかりつけ医機能というのは、今後の医療の体制を考える上で不可欠だと考えております。ただ、その際、かかりつけ医機能は、この間も議論がありましたように、医療側から言うと、手挙げを原則として、手挙げしない人もたくさん出てくると思うのです。というのは、できない人がたくさんいると思うのです。例えば、診療所の先生だって年齢が今は60を平均で超えているわけですよね。そういった先生に、御高齢の先生に24時間365日のグループをつくってその中に入ってやれと言っても無理な場合だっていっぱいありますし、診療科の内容によっては参加できない人もたくさんあります。ですから手挙げが必要なのだというふうに私は思っているところです。
 一方は、先ほど議論が出ておりますように、継続的な人ばかりがかかりつけ医にかかるのではなくて、相澤先生もおっしゃったように、初診の方だってどこの医療機関にかかったらいいかというのが分からないとならないわけです。ですから、情報というのをしっかりと提供、分かりやすく提供するという、そういう2つの基本的なことをクリアした上でこの制度を推進していかなければいけないと思うのです。ですから、グループ診療するにしてもその情報がグループ間で行き渡ることも必要になりますし、それから、内科的な総合的な方ばかりが開業されたり、小さな病院を経営しているわけではなくて、眼科だとか耳鼻科だとかいわゆる整形もそうですけれども、専門的な領域をやる先生もいっぱいいらっしゃるわけです。ですから、そういったことをきちんと分かるように情報提供しなければいけない。
 資料1-1の6ページにあるようなものは非常にいい提供の仕方だとは思いますが、もっともっと、先ほど皆さんがおっしゃっているように検討を重ねて、患者さんが初診でも再来でも救急でもここに行ったらいいというのが分かるようなものにしなければ、この制度は成り立っていかないのではないかと思っております。
今、こういったことが今後の検討で十分考えていただければと思っておりますのでお話しさせていただきました。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 清家参考人、どうぞ。
○清家参考人 ありがとうございます。
 私からは、議題2、経営情報のデータベースの在り方について申し上げたいと思います。
医療保険制度の下で経営にかかる費用の多くは、労使はじめ国民が保険料や税で負担しております。こうした制度の下で経営情報の現状について透明性を高めて、国民への丁寧な説明、適切な理解の促進のために、医療分野においても新たな制度としてデータベースの構築、開始を速やかにぜひ実現していただきたいと思います。
 前回、委員の井上から申し上げた点について付言しますと、職種別の給与につきまして、先週、12月2日に開催されました政府の公的価格評価検討委員会で指摘されておりますとおり、本来、新しい制度の中で皆様方から提出いただくということであるべきかと存じますが、それが直ちに難しいとしても、同じ12月2日の会合で医政局さんが提示されているように、可能な限り確実に提出されるように全力で取り組んでいただいて、見える化の趣旨に合致するだけの規模のデータ数をぜひ収集していただきたいと思います。仮にこれが可能でないならば、任意の在り方を見直すことも含めて速やかに改善を検討いただきたいと思います。
 私からは以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 山崎委員、どうぞ。
○山崎委員 今までの御意見を拝聴しておりましたが、いままでの議論は一般科対応の話だと思います。精神科のかかりつけ医については別に考える必要があると思います。というのは、前回もお話ししたように、全ての科において医師会に入っている先生と、入らないで自由開業みたいな形で開業している診療所の先生がたくさんいます。殊に精神科の診療内科の先生って医師会にはあまり入会していません。医師会にも入会しない、なおかつ診療所協会にも入会しないで開業している。その結果、精神科診療所協会の組織率は3割ぐらいで、7割の心療内科の先生は協会にも加盟していません。いわゆるフリーランス開業みたいな形で開業している先生が多い中で、かかりつけ医の議論がなじんでいくのかという感じがします。
 あともう一つ、心療内科について言えば、昼診の先生が非常に多いわけです。そうすると、9時から5時まで診療をやって、準夜も深夜も救急対応ができないのが現状で地域の精神科病院が準夜と深夜の救急対応をしているという現状があるわけです。そうすると、準夜、深夜の対応についてどこまでこのかかりつけ医の先生をお願いするのか、これは事務局にお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○永井部会長 いかがでしょうか。
○総務課長 山崎先生、ありがとうございます。
 資料の中で高齢者の慢性疾患ということでお出しをしてきている次第ではありますが、おっしゃるような精神科でありますとかいろいろなやはりかなり専門性というのがある中で、そこに関しては丁寧に議論を積み重ねていく必要があるのだろうと思っております。共通するような救急の部分を地域でどう見ていくのかということに関して、科を超えて共通するような部分というのがあるかと思います。それから、同じようには扱えない部分というのもあるのかと思います。それを全て法律で全て解決するというのはできないかと思いますので、今回、私どものほうでお出しをしました枠組み、地域で協議をする中で、どのようにかかりつけ医の機能というのを充実させていくのかということを枠組みとしてつくっていってはどうかと。そのときに具体に精神科の話でありますとか、あるいはそうではないいろいろな科の話をどう進めていくのがいいのかと。ここは継続的に御意見を伺いながら丁寧に進めていく必要があるのだろうと思っております。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
○山崎委員 続けていいですか。
 精神科の必ずしも高齢者の慢性疾患対応だけではなくて、救急搬送されている患者さんの中で精神科の関連の患者さんが非常に多いのです。大量服薬があったり自殺企図があったりリストカットがあったりアルコール中毒だったりと。そういう精神科の関連の疾患というのは救急患者さんの中でかなり高率を占めているわけです。したがって、高齢者の慢性疾患だけにかかりつけ医を限定するというのはおかしな議論かなという気がします。
○永井部会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
○総務課長 よろしいでしょうか。
○永井部会長 どうぞ。
○総務課長 すみません、事務局でございます。
 山崎先生、私のお返事が誤解を招いたら申し訳ないのですが、高齢者の慢性疾患だけということではなく、これはあくまで例示ということでありますので、地域医療全体を見渡して考えていかなければいけないということは同様に考えておりますので補足させていただきます。
○永井部会長 ほかにいかがでしょう。
 それでは、私から一言、意見を述べさせていただきます。
 かかりつけ医制度というとイギリスが有名ですけれども、イギリスの人口当たりの病床数は日本の5分の1です。日本の医療提供体制はイギリスと大きく異なります。また、日本はフリーアクセスを保障していますから、微妙なバランスの上に成立している医療制度に性急な制度改革するのは、十分に気をつけていただきたいと思います。議論にありましたように、機能報告であるとか情報共有、特にIT、PCRの活用、これらをしっかりしていただくということと、エビデンスに基づく議論が必要だと思います。これらに気をつけてこの議論を進めていただければと思います。
 委員の皆様から全体を通じていかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、この議題はここまでとさせていただきます。
 続いて、議題3については、質疑のみということでございます。
 御質問・御意見がありましたら御発言をお願いいたします。よろしいでしょうか。
 加納委員、どうぞ。
○加納委員 第8次医療計画に関する検討会の議論でよろしいのですね。
○永井部会長 はい。
○加納委員 これは今、まとめていっているところなのですが、幾つか特にちょっと注意しなければいけないところがあるかなと思っております。
 そのまず1つ目が検討会取りまとめ案の、ページでいきますと資料3-1の7ページでしょうか。(2)の脳卒中に関するところで、下のところに書かれているかと思うのですが、「循環器病対策推進基本計画」に沿って基本的にやっていくということで、この内容に関しましては以前と違って、脳卒中に関しては大都会においては面で受けることから時間との勝負も含めて今、すごく対応が進んでいるかなと思っております。この基本法という法律ができたときから5年たっている中で、例えば、脳出血に関しては緊急手術より待機手術が多いという状況になり、変わってきておりますし、そのような現実的な形での対応を展開するという理解でいますので、その認識を少し再確認したいかなと思っておりますのでよろしくお願いします。
 それと、13ページに関しましては救急医療体制の内容ということで、②のところに、初期救急、二次救急、三次救急の役割をしっかりと明記していただいていること。この点は、私は今回非常に大事なところだと思っておりますので、これに関しましては今後この形での取扱いでしっかりと対応のほうをよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 河本委員、どうぞ。
○河本委員 ありがとうございます。
 資料の6ページ目、あるいは先ほどの指摘事項のあれでいいますと11ページ目になりますけれども、地域医療構想の関係でございます。これまでも申し上げているとおり、2025年以降、生産年齢人口の減少が進みながら高齢人口がピークアウトすると。そういう2040年頃を見据えて、必要な医療を効率的、効果的に提供できる体制を整えていくことは、継続して対応すべき課題だと思います。
具体的な課題としては、入院と外来、それから、在宅ですね。この機能分化、強化と連携の推進となるわけですけれども、11ページ目の指摘事項にもありますが、やはり垂直連携というのも重要だと思います。
 地域医療構想のバージョンアップに向けた具体的な検討というのは2023年度、あるいは2024年度ということになるようですけれども、現時点では、かかりつけ医機能や在宅医療を取り込むというその方針に沿って、外来医療、在宅医療の整備計画の中で新たな方向性とか目標を踏まえながら、2025年以降の入院需要を推計していく必要があるということを、意見でございますけれども申し上げたいと思います。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 遠藤委員、どうぞ。
○遠藤委員 日本歯科医師会の遠藤でございます。
 医療の担い手の確保の3-2の資料のところの7、8ページには歯科について記載していただいているのでありがたいのですけれども、なかなか歯科衛生士の確保というところでは、現在、口腔健康管理というのが高齢化の中で大変重要だとされる中で要の職種なのですけれども、なかなか復職支援といったものも進んでいなくて、就業者は増えてはいるのですけれども、離職している方もかなりいらっしゃるので、そういったところへのアクセスということを考えると、今、なかなか民間対応では個人情報の問題もあって難しい中で、どうしても公的な制度のバックアップが欲しいというふうには思っていますので、今後ともそういった検討をよろしくお願いしたいと思います。要望です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 島崎委員、お願いします。
○島崎委員 地域医療構想の進め方に関しまして、一つ意見を申し上げたいと思います。
 地域医療構想はなかなか思ったように進んでいないところが多いと思います。地域医療構想は2025年が当面の目標ということになっているわけですけれども、その前の2024年度に医師の働き方改革が施行され、それが地域医療に及ぼす影響は甚大です。また、この問題は個々の医療機関だけで取り組んでいても全体の解が導き出されません。例えば、隣接するその医療機関が救急医療を維持できないということになれば、自分の医療機関に影響が出てくるわけです。つまり、地域全体のソリューションを考えていかないといけない問題です。
 したがって、地域医療構想の調整会議で議論したらどうか。地域医療構想調整会議も事務が煩雑になっているかもしれませんが、この際、やはり医師の働き方改革のシミュレーションを行う中で、地域医療構想における医療機関の役割分担と連携の在り方を議論するという視点が必要になってくるのではないでしょうか。これはなかなかやることが多い中で大変だという反論が返ってきそうですけれども、一方で、医師の働き方改革の地域医療に及ぼす影響のシミュレーションをしていかなければいけないことも事実ですので、いま述べたこともぜひ一度検討してみていただきたいなと思います。
 私の意見は以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 相澤委員、どうぞ。
○相澤委員 どうもありがとうございます。
 第8次医療計画に関する検討会の意見の取りまとめの1ページ目なのですが、ここに、医療機能の分化・強化、連携等の重要性、地域医療全体を視野に入れての適切な役割分担の下で必要な医療を面として提供することの重要性があると書かれているのですが、一方、その地域医療構想は何かということも、これは私ずっと前から申し上げているのですが、「地域医療構想の推進について」という資料3-3の7ページを見ていただきたいのですが、こういう具合に書いてあるのですよね。「地域医療構想調整会議」において、いいですか、病床の機能分化・連携に向けた協議を実施すると書いてあるのです。病床の機能の分化と連携なのです。どこにも病院が機能分化をして連携するとは書かれていないのですよ。
 したがって、幾ら病床をどう割り振るかを議論しても、地域で、先ほど言いましたように、必要な医療を面として提供するための医療機関ごとの機能分化と連携という話にはどうしてもならないわけです。この地域医療構想の7ページのこの書き方は、僕はどうもよくないのではないと。あるいは、もしかすると厚生労働省が狙っているのは、病院機能分化なんかはどうでもいいと。病床の機能さえ必要病床数に合わせていけばいいのではないかと。勘違いを私がしているのか、あるいは厚労省の書き方が悪いのか、その辺についてはしっかりと議論をしていただきたい。
 その上で、医療圏に関しましても、人口が100万以上ある医療圏を見直すと言っていますが、例えば、東京などを見ますと、病院の機能ごとの分布のばらつきが物すごく多いわけです。高度な医療をする大学病院ばかりがたくさん集まっているところと、少し離れればもうそういう病院すらないというところもあるわけです。とするならば、100万で切るのではなくて、やはり病院の機能の不ぞろい、分布のばらつきというのも考慮して考えていくということをしないと、やはりなかなかその地域の患者さんの命と健康を守るための地域医療提供体制をどうしていくのかという議論に私はならないのではないかと思いますので、ぜひその議論の進め方とか方向、それから、やり方について、やはりもう一度考慮して進めていってほしいということをお願いします。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 小熊委員、どうぞ。
○小熊委員 ありがとうございます。
 私のほうからは厚労省の方々にちょっとお聞きしたいことがあります。といいますのは、今、第8次医療計画に関する検討会の意見をまとめようというレベルにこういう話をするのは変なのかもしれませんが、今後数年間の間に医療をめぐる状況というのは物すごく変わると思うのです。例えば、ただいまのかかりつけ医の制度といいましょうか機能というのが本格的に我が国で到来したときに、それの医療計画の変更というのがかなり必要になるのではないかと思われるわけです。また、医師の偏在ですね。医師の不足、偏在、その指標にしても出し方によって、ついこの間、厚労省が発表されたようにすごい変わるわけですね。働き方によっても変わると。それから、地域医療構想によってもまた地域の医療の在り方が変わると。そういった変動係数というか変動指標というものをこの   
数年の間に、第8次医療計画の間に起きたとしたらそれはどういうふうに取り扱うのかということをお教えいただきたい。
 私としてはその都度、第8次医療計画に出しっ放しではなくて、検討会を経られて丁寧に議論を重ねていく必要があるのではないかと。変更をその都度発表していく必要があるのではないかと思うのですが、その点、厚労省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○永井部会長 どうぞ。
○地域医療計画課長 地域医療計画課長の鷲見でございます。
 小熊先生、ありがとうございます。
 小熊先生がご指摘の通り、医師偏在指数など様々な数字なども動いていきます。医療計画自体は6年間の計画でございますが、真ん中の3年のところで中間の見直しを行っておりますので、その際に反映すべき内容は適切に反映しながら対応していくことが必要と考えております。
 以上でございます。
○小熊委員 ありがとうございました。
○永井部会長 楠岡委員、どうぞ。
○楠岡部会長代理 楠岡です。
 二次医療圏の在り方といいますか、二次医療圏をどう決めるかということは前回も議論になったかと思うのですけれども、二次医療圏というのが現在は固定されていて、あたかもその医療圏の中で5疾病・6事業が完結するような計画の立て方となっているわけでありますが、地域によっては実際のいろいろな機能と二次医療圏とが必ずしも合致しません。例えば、周産期とか小児、産科に関する医療圏というのと二次医療圏が必ずしも一致しないのを前提としたような書きぶりもある中で、何か全て二次医療圏の中に閉じ込めてしまおうとしている。今後の医療の分布がどんどん地域によって変わっていく中で、余りにも固定化してしまうのは危険ではないかと思います。
 そういう意味では、隣り合った二次医療圏での役割分担、あるいは、より広域的な、そうなれば三次医療圏、都道府県での調整ということになるかもしれませんけれども、そういうことを考えていかないと、例えば、現在、二次医療圏でも隣の二次医療圏に非常に近いところに機能が集約されている場合、その二次医療圏の反対側のほうはどうすればいいのかという問題も出てきます。そういう意味で、もう少し二次医療圏に関してはフレキシブルに考えると同時に、二次医療圏同士のやり取りというものをもう少し詰めていただかないと、今後、人口減少とか病院機能が変化する中で、それぞれの医療圏が機能しない可能性もあります。ぜひその辺に関しても今後、検討を続けていただきたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 ほかによろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 続いて、議題4「遠隔医療の更なる活用について」、事務局から説明をお願いいたします。
○総務課長 総務課長でございます。
 資料4をお手元に御用意いただければと存じます。「遠隔医療の更なる活用について」ということで御用意させていただいております。
 3ページを御覧いただければと思います。これは8月に部会のほうにお出しして御議論をいただいたということで、少し経緯を思い出していただけますようにちょっと御用意させてだきました。
 規制改革の実施計画の中で、6月に、通所介護事業所や公民館等の身近な場所での受診を可能とする必要があるとの指摘があることや、患者の勤務する職場においてはオンライン診療の実施が可能とされていることも踏まえ、デジタルデバイスに明るくない高齢者等の医療の確保の観点から、オンライン診療を受診することが可能な場所でありますとか条件について、課題を整理・検討し、結論を得るということが記載をしてあるということでございます。
 下のほうはMaaSの関係というのをちょっと参考でこの際に記載をさせていただいたものでありますが、こういった閣議決定を踏まえて、次の4ページを御覧いただければと思います。
 8月に、本部会において御意見を頂戴したということでございます。
 主な意見ということで黒字なり下線を引いているということでございますけれども、大体共通をしているというところで申し上げますと、過疎とか中山間地域といった、最初のところにありますように、医療資源がやはり少ないでありますとか、医療機関へのアクセスが困難なところではこういったやはりオンライン診療ということが有効な手段ではないかということを多くの方から御意見を頂戴していると。
 2つ目の矢羽根のところもそうでございますし、それから、3つ目、4つ目、医療過疎地で開業医が廃業してしまい無医地区になるといったところで、オンライン診療で対応できないかという御意見を多々いただいているのかなというところでございます。
 その上で、下から2つ目の矢羽根というところでございますけれども、今のオンライン指針の基本理念に沿って考えていく必要があるのではないかということ。それから、ここに書いていますように、他方で今の医療法の規制ということにつきましては、公衆または特定多数人に対して診療を提供する場所というものに関しては、病院または診療所だということで医療法の一定の規制を課しているということがございます。そういったことをどう考えるのかということでありますとか、そういった中で離島とか僻地とかそういったところについて医療へのアクセスをよくするという観点で考えるのではないかといった御意見でありますとか、どういう場所であっても指針にあるような条件、プライバシーでありますとかそういうことの確保というのは大事ではないかという御意見を頂戴したと認識をしているところでございます。
 そういった御意見を踏まえまして5ページのほうに、この課題についてどう考えるかということで、厚生労働省のほうで具体の案ということで今回お示しをして、御意見を頂戴したいと思っております。
 一つには、こういったことをどこで認めていくのかということに関して、御意見が多々ありましたようにこういった医療資源が少ないところというところが重要ではないかということで、僻地等におきまして、公民館等の身近な場所に、オンライン診療のために医師が常駐しない診療所を開設可能としてはどうかということでございます。これについては、特定多数人なりその地域の方が集まるということがございますので、やはり医療法なりの何らかの規制の下に置くということが必要ではないかと。そういったことで診療所の開設に関する手続というのは取っていただくということにしてはどうかと。ただそのときに、通常であれば医師がいらっしゃるということでありますが、オンライン診療のために医師が常駐しない診療所というものを開設可能としてはどうかということでございます。
 2番目のところでありますが、「その上で」と書いておりますけれども、現在も巡回診療の場合は、通常の診療所の開設よりは簡素な形での対応ということにしているということがございますので、同じような考え方で、その反復継続の頻度でありますとか、あるいは継続して行えるのかどうかといったことを踏まえて、一定の条件に該当するということであれば巡回診療の特例という形で足りることにしてはどうかということでございます。
 その上で、具体の3点目に書いてございますが、どの地点にそういった公民館でありますとかあるいは郵便局の活用といったもの、これも関係の省庁、総務省なんかから関心があるということもいただいております。そういった中で具体にどの地点でこういう診療所を設定するのかということに関しては、今の地域医療、特に僻地医療対策につきましては都道府県がその役割を担っていらっしゃるということがありますので、診療所の開設の手続に関わるという形で自治体、都道府県が関与することにしてはどうかということでございます。
 以上3点、骨子ということではございますが、こういった方向性で対応してはどうかと考えておりますので、御意見を頂戴できればと思っております。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 御質問いかがでしょうか。
 山口委員、どうぞ。
○山口委員 ありがとうございます。
 この具体案の骨子について大筋で反対はございませんけれども、ただ、地域のニーズと継続的な患者とドクターとの関係が築けるような実現可能性をしっかりと見極めていく必要があるのではないかなと思います。そういう意味でいうと、都道府県が関与しないことにはそういった地域のニーズということが分からないかと思いますので、関与することについては賛成でございます。
 そもそもなのですけれども、今回、この議題4のテーマが「遠隔医療の更なる活用について」となっていまして、確かにオンライン診療指針を策定したときに、基本類型、分類が行われて、オンライン診療だけではなくて遠隔放射線画像診断とか遠隔健康医療相談も、これ全部含めて遠隔医療という呼び方をすることになったわけですけれども、今回、いろいろ有効なオンライン診療を進めていこうというときに、遠隔医療と言われると、僻地だけなのかなという印象を持ってしまうのではないかなと思います。基本類型にとらわれずに、せっかくなので、今後、今までなかなかオンライン診療も思うように進んでいないという現状もあるわけですので、有効活用するということからすると、議題のテーマ自体を遠隔医療のさらなる活用ではなくて、オンライン診療のさらなる活用というふうにしてはどうかと思うのですが、なかなかそれはできないものなのでしょうか。事務局に確認したいと思います。
○永井部会長 いかがでしょう。
○総務課長 この点につきましては、今まで3月にも医療部会で御議論いただきましたときに、遠隔医療のさらなる活用に向けた方針というのは検討していくということで、この場で少し御議論をお願いしたようなことから、こういった議題の名前にしているということでございます。ちょっとそこは政策なりその打ち出しに応じた言い方というのはあるかと思いますので、そういった何が適切なのか、何が響くやり方なのかということはよく考えながら政策は進めていきたいと思っております。
○山口委員 3月のときに気がつかなかったのですけれども、今回御説明いただいたときに、何か身近な問題と受け止められないなと思ったときに、この遠隔診療というのがちょっとネックになったのかなと感じましたので、御検討いただければと思います。
○永井部会長 神野委員、どうぞ。
○神野委員 今回はそういった意味では遠隔診療が中心なのだと思いますけれども、だんだん日本が縮んでいって、人口減少していきます。人がいなくなっても住みよい社会にするためにデジタルトランスフォーメーションをしなければいけないという基本認識でいいのかなと思います。そういった意味では、現状でうまくいっていないのだからいろいろなイノベーションといったものを導入するというのは大いに結構なことではないのかなと思います。
 しかし、一番の基本のキというのは情報共有です。いわゆるオンライン診療をやって遠隔地のドクターに診ていただいた。その方が急変したときに一言、救急車を呼んだのはいいけれども、オンライン診療の情報は分かっているのといった情報共有というのは極めて重要であって、そこの基盤をきちんとつくらないとこの議論というのは難しいのかなと思います。
 先ほど、松田委員からも医療情報共通基盤という話もありましたし、そこがきちんと動いているのかということ。それから、それがいつ頃実用化しているのかということ、あるいはパーソナルヘルスレコード(PHR)で患者さんにそういった情報を渡しておくのかとか、いろいろな情報共有のやり方はあると思うのですけれども、その基本のキをきちんと押さえないと、単なる便利だからオンライン診療というわけにはいかないのではないのかなと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 ありがとうございます。 5ページの論点1に関して、僻地や離島での必要性は理解をしております。ただ、第89回の医療部会資料記載のオンライン診療の適切な実施に関する指針にある、「第三者に患者に関する個人情報・医療情報が伝わることのないよう、患者のプライバシーに十分配慮された環境でオンライン診療が行われるべき」ということを踏まえた対応となるよう、環境整備が不可欠であると考えます。運用に当たっては、こうした点を十分留意していただければと思っております。
 そして、論点3に関しては、公民館等が所在する市町村等との連携が場合によっては重要になると考えます。地域の実情に応じた 取組がスムーズに行われるようなスキームにしていただければと思っております。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 井伊委員、どうぞ。
○井伊委員 ありがとうございます。日本看護協会の伊井でございます。
 身近な場所でのオンライン診療に関しては、8月の医療部会でも意見を述べており、それと大きな変更はございません。医療資源の少ない地域や、家からは出られるけれども交通手段がない方々など、通院困難な患者さんたちにとってこのオンライン診療を推進することの意義は大きいと考えます。身近な場所でオンライン診療が受けられるよう、受診の場を拡大するという、この5ページの方向に賛成します。
 また、オンライン診療に当たり、看護師の同席等も含めまして、その提供の仕方には様々あると思いますので、オンライン診療の推進に向けて、効果的な活用策や課題等について、引き続きこの部会でも幅広に検討を進めていただきたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 角田委員、どうぞ。
○角田委員 ありがとうございます。
 5ページの骨子案についてちょっと御意見申し上げます。国は、地域医療構想とか外来機能報告など、一つは地域医療に関する政策を進めています。また、オンライン診療につきましては、既にオンライン診療の適切な実施に関する指針が策定されております。この遠隔医療のさらなる活用につきましては、これらの2つをしっかりと踏まえた上で考えていくべきと考えております。
 また、地域医療の提供体制を守る観点からも、5ページの3番目、都道府県の関与については賛成いたします。
 そして、この関与の程度ですけれども、その上の2番にある巡回診療に関する届出という記載がございますが、例えば、公民館なんかで医師との会話が周りの人に筒抜けにならないということを考えれば、プライバシーの確保と地域医療提供体制の確保という2つの観点を含めまして、オンライン診療の適切な実施に関する指針がしっかりと遵守されているかということをしっかり都道府県は確認を行うべきと思っております。また、必要ならすぐにオンライン診療でも対面に移行しなければなりませんので、そうしますと、新たな診療を担う診療所に関しましては、やはり地域の医療機関に限定するべきということを明確にすべきだと考えております。
 私からは以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 安部委員、どうぞ。
○安部委員 日本薬剤師会の安部でございます。ありがとうございます。
 この骨子でありますけれども、医療資源が限られる僻地等において、公民館等の身近な場所でオンライン診療等ができる体制を構築するということについては賛成をさせていただきます。
 その一方で、オンライン診療で処方された場合、医薬品を供給し、また、対面またはオンラインで服薬指導をすることが必要になります。当然その場合、地域の薬局の薬剤師も関わることになります。この1ポツにありますように、この公民館等の身近な場所を「オンライン診療のための医師が常駐しない診療所というように、診療所と規定した場合、一般論から言えば、現在では地域の薬局の薬剤師が当該の場所において集まった住民や患者の方々に対して、対面やオンラインでの服薬指導の場として利用できなくなってしまうのではないかということを懸念しております。そのほか、薬剤師だけではなく、多職種の方が診療所内では必要な医療や介護サービスを実施できないということもあり得るのだと思います。
 そういった意味では、この中の常駐しない診療所という場を診療所と位置づけるのか、特殊な診療所と位置づけるのか、もしくは別な名称にするのかということは検討が必要かと思います。もしどうしても診療所としないとこういうサービスが提供できない場合には、例えば、我々薬剤師であれば、同じような公民館等の場所でしっかりとオンラインや対面で服薬指導ができるような仕組みがないと医薬品が供給できないということにもつながってしまいますので、そこの考え方についてもし事務局から考えをお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○総務課長 医薬品については大変重要なことだと考えております。私どもが今回お示しをしていますのは、医療法の基本的な規制の考え方の中で、特定の多数人なりに診療が提供される場所というのは、一定の医療法上の規制ということが必要になるのではないかと。現行法の中で考えますと、そこは診療所というふうに位置づけるのであろうということであります。
 その上で、先ほど、ただ実際のところは、こういった例外的な扱いというのを認めるという中で診療所としての規制というのを基本にしながら、先ほど委員からお話のあったような多職種との連携というのも含めて、どういう形であれば円滑にいくのかということはよく御相談させていただきながらこの政策については進めていきたいと考えております。
○安部委員 ありがとうございます。
 ぜひですね、僻地等の医療資源が限られた中で多職種の方が新しくつくられる場で様々なサービスを提供し、また我々薬剤師もしっかりと医薬品を供給した後、服薬指導が効率的に行えるようなことになるように、今回のこの骨子の議論を深める中でしっかりと医薬局とも連携して進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○永井部会長 いかがでしょうか。
 楠岡委員、どうぞ。
○楠岡部会長代理 楠岡です。
 最初に事務局にお伺いしたいのは、診療所という場合、一応医療法上で施設基準のようなものが今は決まっているわけでありますけれども、今回ここで考えるオンライン診療のための医師が常駐しない診療所というものは、今の診療所の施設基準等を当てはめるものなのか、全くそれとは別に新たにこういうタイプの診療所をつくるのか。そこのところを少し教えていただきたいと思います。
○総務課長 基本的には今の診療所の基準というのを当てはめるということで考えていくものだと思っております。2つあるかと思います。医療法の中での診療所に対する規制というものと、あとは、オンライン診療の指針の中でプライバシーの確保、あるいは清潔な環境等々含めて規定があります。それを基本に考えつつ、ただ、この僻地という事情を考慮して、その中で勘案すべきところがないかどうかと。実際上こういう僻地における医療アクセスをよくするために何かしら緩和なり柔軟にすべきところがないかどうかというところを具体に検討していきたいと思っております。
○楠岡部会長代理 ありがとうございます。
 そうしますと、患者さんに対してオンライン診療を提供する場所として、ある一定の恒常的に設置するもの、そして、ここへ来ればオンライン診療が受けられますというように周知し、かつ、当然ながらオンライン診療に必要な機器を常設しているような場、あるいはそれに関する補助者が必要かもしれませんが、そういうものをある意味常設的に置くものについては、ここで言う医師が常駐しない診療所という新しい類型になるかもしれませんけれども、それをつくって、それに関する一定の基準を設け、そして、本日あるような公民館等にそれを設置するということに関しては賛成であります。
しかしながら、今、オンライン診療の実態を見ますと、スマホを使って直接やり取りするというものが既に幾つも走っており、それはまさに今の往診と同じような話で、いつでもどこでも好きな場所でアクセスできて、そして、オンラインでそういういろいろな診療が受けられるということになってきています。すると、そういう常設の診療所というものが必要になるのかという議論も一方であるかと思います。
 したがいまして、そういう常設のオンライン用の診療所というものと、一般的に往診に準じるような形での、いつでもどこでも患者さんが気にしないならばすぐそれでオンライン診療所と通信をして行うというものとはある程度切り離し、それをまた別々のものとして考える。別々のというのは、同じ基準を当てはめてかえってそういうフリーなアクセスによるオンライン診療を制限することのないようにしていただきたいと考えます。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 玉川参考人、どうぞ。
○玉川参考人 ありがとうございます。
 オンライン診療のさらなる活用につきましては、過疎・中山間地域等に暮らす患者や通院が困難な患者の受診の機会を確保する観点から有効な手段でありまして、賛同いたします。
 その上で、身近な場所におけるオンライン診療につきましては、医療資源が少なく医療機関へのアクセスが困難な方や自宅でオンラインのアクセスができない高齢者などが受診機会を確保できるよう、ごく一部にとどまります無医地区などに対象地域を限定するのではなく、柔軟な取扱いが必要と考えます。
 また、医師常駐不要の診療所の設置地点に関して都道府県の関与が期待されておりますが、都道府県の関与に関する基準や考え方につきまして、国において今後示されるようお願いいたします。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 加納委員、どうぞ。
○加納委員 ありがとうございます。
 私からは、5ページの医療資源の少ない地域において今回、医師が常駐しない診療所の在り方についての議論は、こういった形で決めていくのにはおおむね賛成でございます。
 ただ、先ほどから議論が出ていますように、今回のオンライン診療に関してはいつでもどこでもという、先ほど、楠岡委員のほうからのお話にもありましたが、やはりこのままで果たしていいのかなということが幾つか気になります。神野先生が御指摘されたように、やはり急変時のいろいろな形での対応というものが、果たしてその地域の中でできるのかということも非常に大きな問題だと思っておりますので、地域医療が崩壊しないような形でのいろいろな取組をもう一度確認して進めるべきではないかなと考えております。よろしくお願いします。
○永井部会長 ありがとうございます。
 島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 3月に医療部会が開催されたときに申し上げたことと基本的には同じなのですけれども、公民館等の利用については、いろいろ制限をつける理屈はつくのかもしれませんが、率直に言うと、居宅が既に医療の提供の場所として認められています。、先ほど、楠岡委員や玉川参考人もおっしゃいましたが、例えば、PCスキルに関して不安があるので、公民館まで行って必要に応じ事務職員からPC操作のサポートを受けて受診したいというケースの場合、もう少し弾力的に認めてもいいのではないかなという気がします。もちろんプライバシーの問題については、音が外に漏れないようにするなどの配慮は必要でしょうし、都道府県が一定の関与をすることについても必ずしも否定しませんけれども、過疎地域の困難な医療ニーズやアクセス等の問題の実態に合わせていろいろ検討していくことが必要なのではないかなと思います。
 それから、今回の議題に直接ではないかもしれませんが、先ほど山口委員がおっしゃったこととも関係しますので一言だけ申し上げます。現在のオンライン診療ガイドラインでは、遠隔医療のうち、遠隔画像診断など医師と医師間の行為については適用除外とされています。しかし、例えば遠隔画像診断については、医師と医師の間の行為とはいえ、送付された画像を読影した専門医が判断したことが実際の診断や診療方針の決定に大きく影響しますので、オンライン診療ガイドラインの適用除外とするという考え方でよいのかどうかは大いに議論の余地があると思います。私はその辺も含めて議論の対象にすべきだということを今年の3月の医療部会で申し上げました。
 それから、遠隔画像診断等がオンライン診療ガイドラインの適用除外になりますと、オンライン診療ガイドラインでは、データセキュリティーの問題についても触れられているのですけれども、それも適用除外になってしまうという問題もあります。オンライン診療のガイドラインの適用範囲の問題については、年度末までに決着をつけることは難しいかもしれませんが、ぜひきちんと議論していただきたいと思っております。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 遠藤委員、どうぞ。
○遠藤委員 遠藤です。
 ここではオンライン診療そのものについて単独というか、そういった形で議論されていますけれども、こういった僻地とか、また、高齢者、動けない方、通院できない方には当然、訪問診療や巡回診療というものがあるわけで、このオンライン診療、訪問診療、または巡回診療と組み合わせた形の診療の形態というのも十分検討していただきたいなと思っております。
 特に歯科においては直接患者さんとやり取り、治療に携わるというケースが多いわけですけれども、そういった際、オンライン診療がそれを補完するような形で使われることも十分あり得ると思います。また、そういったオンライン診療と訪問診療、または巡回等の組合せというのは、当然、かかりつけ医またはかかりつけ歯科医といった医療関係者が対応することになると思いますので、そうすると、患者さんと直接の顔の見える関係、医療にとっては重要だと思うのですけれども、そういった関係が築けるということで、何らかの問題があれば駆けつけられると。そういう体制の下でのオンライン診療というのが大変重要ではないかなと思っていますので、ぜひオンラインのみではなく、オンラインと在宅、訪問診療とかそういった組合せの考え方を取り入れていただきたいなと思います。
あともう一点、今回、公民館等という言葉の中で通所介護施設等が抜けてしまっているわけですけれども、居宅でも医療を認めている中で、医療の範囲というところが引っかかってしまう医療法の問題にはなりますが、居宅の延長線上の通所という考え方もできると思いますし、公民館がよくて通所が悪いのかということにはならないと思いますので、条件としてはより開設できる状態になっていますので、そういったところに対する医療提供というのもちょっと柔軟に考えていただきたいなと思っております。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 木戸委員、どうぞ。
○木戸委員 オンラインによる診療とか服薬指導のサービスには、今や大手からスタートアップ企業まで様々なところが参入しています。個別の企業名を出して恐縮ですけれども、通信アプリ大手のLINEもオンライン診療から会計、薬の配送までを一貫して行うサービスに乗り出したことが報道されました。また、メタバース、すなわちコンピューターネットワークの中に構築された三次元の仮想空間の中に自分の分身のアバターというキャラクターを使ってコミュニケーションを取るという技術もありますので、そういったところで実際、医療相談的な取組を行っているところも既にあると聞いています。今後、メタバースで診療所を開設したいとかそういう話も出てくるかもしれません。
 医療アクセスが大変難しいところ、僻地などではオンライン診療が利用できるようなものはとてもよいことですけれども、最も大切なのは、やはり医療安全と医療の質の確保だと思います。例えば、患者さんの取り違えとか、配送する薬を間違えてしまったとか、コミュニケーションにおけるトラブル、これはオンライン診療でも十分起こり得るように思います。リアルの医療機関ではインシデント・アクシデント報告とか、医療安全研修とか、いろいろな取組を行って日々努力しながら医療の質の向上を図っています。オンライン診療において、利用している医師の方とか診療所の方はもちろん安全や質の確保に取り組んでくださっていると思いますが、そういったサービスの提供の会社にも何らかの管理責任がありますので、やはり患者さんに不利益がないよう、行政としては注意深く見守っていただきたいと思います。
 私からは以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 小熊委員、どうぞ。
○小熊委員 ありがとうございます。
 私からは2点申し上げさせていただきたいと思います。
 一つは、5ページのところにあるオンライン診療する場所とかいろいろな対策について都道府県が関与するというふうに3番で書いてあるのですが、僻地とかそういうところというのは市町村のほうがその地域の実情をもっとよく分かっていると思うのです。ですから、都道府県だけに任せるのではなくて、ここに市町村という言葉をぜひ入れていただきたいと思います。それが一つです。
 もう一つは、オンライン診療の指針というのがあって、患者さんとドクターが話が通じないということになるとオンライン診療はやめなさいというふうに書いてあるのですが、そこまですぐ分かる人であればいいのですが、そうではなくて、分かる人なのか分からない人なのか、こちらの説明していることが理解していただけるのかと。いわゆるDtoPだけでいいのかという問題が安全上はどうしても起きてくると思うのです。そのような場合にその指針をもっと生かすためには、やはりDtoPwithNとか、withDとか、あるいはwith行政の方でもいいかもしれません。保健関係。そのようなことをもう少し突っ込んで考えられたほうがいいのではないかなと私は思っているものですから、その2点について述べさせていただきました。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 ほかに御意見はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 もしございませんでしたら、本日の議題は以上でございます。事務局から連絡事項等をお願いいたします。
○総務課長 長時間にわたりありがとうございました。
 本日は一般傍聴の制限をしておりますので、議事録につきまして可能な限り速やかに公表できるよう、事務局として校正作業を進めてまいりたいと存じます。委員の皆様におかれましても、御多忙中とは存じますが、御協力をいただけますようお願い申し上げます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、本日の会議は以上で終了でございます。
 どうもありがとうございました。

(了)

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