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2022年1月31日 第85回社会保障審議会医療部会

医政局総務課

○日時

令和4年1月31日(月)15:00~17:00

 

○場所   AP新橋 3階 Aルーム


○議事

○医療政策企画官 ただいまから第85回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催とし、傍聴は報道関係者のみとさせていただいております。会議中、御発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリック、部会長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、御発言をお願いいたします。御発言終了後は再度マイクをミュートにしてくださいますようお願いいたします。また、議題に対して御賛同いただく際には「反応」をクリックした上で「賛成(親指アップ)」ボタンをクリック、またはカメラに向かってうなずいていただくことで、いわゆる異議なしの旨を確認させていただきたいと思います。
 まず、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、井上委員、佐保委員から御欠席との御連絡をいただいております。
 医療部会の総委員数が24名で、定足数は3分の1の8名となっております。本日は22名の委員の皆様が御出席となりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 また、内堀委員より、公務のため途中退席されるとの御連絡をいただいております。
 次に議事に入ります前に、資料等の確認をさせていただきます。事前に、議事次第、委員名簿、座席表のほか、資料1から4並びに参考資料1-1、1-2を送付させていただいておりますので、お手元に御準備いただければと思います。
 では、以降の進行は、永井部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○永井部会長 それでは、最初に、欠席の井上委員の代理として酒向参考人、佐保委員の代理として小林参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 では、議題に入ります。
 電子処方箋について、事務局より説明をお願いいたします。
○医薬・生活衛生局企画官 それでは、資料1「電子処方箋について」に沿って御説明致します。
 まず、スライドの1枚目。今回、電子処方箋システムはオンライン資格確認システムを拡張し、現在紙で行われている処方箋を電子で実施するという仕組みです。1枚目の真ん中に全体の仕組みということで図を描かせていただいておりますが、左側のところ、医療機関で処方箋を処方される際に、オン資の仕組みを使いまして、マイナンバーカードで本人確認を行い、その上で医師・歯科医師が処方箋を処方するということになってございます。その際、支払基金・国保中央会に運営主体となっていただきまして、ここで電子処方箋管理サービスというシステムを開発いたします。こちらでやり取りをしまして、患者のこれまでの処方や薬歴のデータと突合しまして、重複投薬の有無等の結果を返すということになっています。その結果を踏まえて、医師が処方箋を発行致します。
 患者の処方箋内容の閲覧は、電子的に処方箋を交付するということでございますので、基本的にはマイナポータル、それから電子版お薬手帳のアプリと連動して、中身を確認してもらうということになります。
 それから、調剤でございますけれども、同様に中央の電子処方箋管理サービスから過去の薬歴等のチェックを行いまして、重複投薬の有無等を確認の上、実際の調剤、服薬指導を行っていただくということになってございます。成長戦略のフォローアップにおきまして、2022年度から運用開始ということで閣議決定されておりまして、これを踏まえて来年の1月運用開始ということで、今、システムの開発を進めているところでございます。
 1枚おめくりいただきまして、スライド2でございます。電子処方箋の導入意義ということで整理をしておりますけれども、私どもとしては、医療機関、薬局、患者、それぞれにメリットがあると考えているところでございます。ポイントといたしましては、今回こういう形で医療機関、薬局、患者、こういった関係者間で処方内容、調剤、薬剤の情報共有がなされるということでコミュニケーションが促進されるということでございまして、結果として質の高い医療サービスの提供につながる。それから、重複投薬の抑制とか業務効率化、こういったものが実現できるのではないかと考えているところでございます。
 スライド3。電子処方箋を始めるに当たりましては、法改正が必要で、現在急ピッチで準備をしているところでございます。大きくは4点書かせていただいておりますが、今回、紙の処方箋から電子的に交付ということで、先ほどの図でもございましたとおり、処方箋情報というのが中央の処方箋管理サービスにまず飛びますので、これを交付したものとみなすといったみなし規定を医師法、歯科医師法、薬剤師法、こういった関連法にそれぞれ入れるということがまず1点目でございます。
 2点目は、支払基金等が今回運営の主体となってございますので、それに伴う管理業務規定を整理させていただいたところでございます。
 それから、下線を引いておりますけれども、当該管理業務に係る医療保険者等の費用負担も規定を入れ込む予定でございまして、本日の医療部会に先立ちまして、先週27日、医療保険部会におきましても、こういった規定を盛り込むということをお諮りいたしまして、御了解をいただいたと理解しております。
 上から3つ目、個人情報保護法との関係でございます。こちらは処方箋の内容という機微な情報を扱うに当たり、第三者提供が必要なわけですけれども、そういったときに本人同意をどこで取るのかといったようなところ。それから、本人同意が仮に得られない場合には、医療安全の観点から、どこまで情報が共有可能かといったようなものを個人情報保護委員会と現在整理を行っているところでございます。
 一番下、4点目でございます。今回、電子処方箋というものを導入するに当たりまして、医療機関や薬局が相互に連携をしながら協力して進めていくといったような規定も追加をさせていただく予定になっております。
 続いて、スライド4、こちらが補正で9.6億円を獲得しておるというところでございまして、具体的には来年の1月に向けまして、開始前段階、数か月前から実証を始めるということにしております。全国数十箇所程度の地区を選定いたしまして、実際に動かしてみてどういった課題があるのか、地域の連携状況はどうなっているのかといったことを最終確認したいと思っています。
 それから、来年度から国民向けの広報ということも始めたいと思ってございまして、そういった費用も含まれているものになっております。
 一番最後、スライド5枚目でございます。こちらは383億円ということでございまして、医療情報化支援基金におきまして、医療機関・薬局のシステム改修支援費用ということで予算を取っているものでございます。こちらは先ほど申し上げました中央の電子処方箋の管理サービスに加えまして、医療機関・薬局がそれぞれの電カルでありますとか薬剤システムを電子処方箋システムとつなげるために改修が必要になってくるとうことでございまして、ここの一部費用負担を支援するということでございます。こちらは本年5月から実際の改修を開始できるように、現在要綱などの詰めを行っているところとなっております。
 説明につきましては、以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明について質問、御意見いかがでしょうか。
 安部委員、どうぞ。
○安部委員 ありがとうございます。私のほうから電子処方箋に関連して2つ意見を申し上げたいと思っております。電子処方箋が導入されますと、当然、電子処方箋と従来の紙の処方箋が二重に流通するということが起きてくるわけであります。薬局としましては、手順ですとか管理が二重化するというところで大変でありますけれども、これは新しい仕組みを入れる際には避けられない負担でありますので、その点に関しては一生懸命頑張って対応していきたいと思いますけれども、この二重の負担が生涯続くような状況になっては困るわけであります。そういった意味では、現在、来年1月に運用開始というスケジュールだけが先に出されておりまして、その後の電子化がどの程度のスピード感を持って、どの程度普及させるのかというような国の目標、医療全体の目標が示されていないというところが、今後我々が様々なものに取り組むときにそういった指標も必要になってくるのではないかと考えているところでありますが、この点、厚労省で何かお考えがあれば教えていただきたいということであります。
 もう一点ですが、今日の資料の1ページ目に電子処方箋の運用において、オンライン資格確認システムの上で本人確認の手段としてマイナンバーカードと健康保険証が使えることが示されております。現在のマイナンバーカードの普及率とか理解度を考えると、保険証の利用というのは当然やむを得ない措置かと考えておりますが、本日の2ページ目に示された様々な電子処方箋の導入意義、示されたようなメリットを実現するには、マイナポータルの活用が必須となるわけであります。例えば、電子処方箋を先進的に利用している国々でも、国民IDをユニークなキーにしてこういうシステムを動かしているわけでありますので、我が国でも将来的には保険証とマイナンバーカードの併用ではなくて、マイナンバーカードを有効に活用していく必要があると思っております。そういった意味では、先ほど、今後国民に広報されるというお話をいただきましたけれども、1ページのポンチ絵に関しても、将来もマイナンバーカードと健康保険証をずっと使っていくのだというイメージではなくて、これとプラス、将来はどうなるのだというようなイメージも併せてお示しいただきたい。
 1つ目に関しましては、厚労省からお答えをいただければと思います。
 以上です。
○永井部会長 事務局、いかがでしょうか。
○医薬・生活衛生局企画官 ありがとうございます。まず1点目の電子と紙がしばらく当面の間は二重に流通していくことになるというところと、具体的な普及の目標がどうなっていくのかという御質問でございますけれども、安部委員御承知のとおり、まず来年1月の運用開始段階においては、普及段階というのをしっかり見ていく必要があろうかと思っておりますし、現場で混乱してもいけませんので、当面は電子、紙どちらでも可ということが続くと思っております。ただ、当然ながらこれをいつまでもというわけでもございませんので、それは現場の普及状況ですとか患者の皆様の御利用状況、こういったものをよく踏まえて、進めていき方というのは検討していきたいと考えているところでございます。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
 内堀委員、どうぞ。
○内堀委員 永井部会長、ありがとうございます。公務の都合のため、議題の1、2、3についてまとめてコンパクトに発言をさせていただきます。
 まず、議題1です。処方箋の電子化は、患者、医療機関、薬局の負担軽減、利便性向上を図る取組として有効なものであると考えています。このため、医療機関や薬局においてシステム改修や新規導入を円滑に進めることができるよう、国への改修費補助申請時期及び広報等や国民の皆さんへの制度案内等について、早めの周知が必要です。併せて、電子処方に係る診療報酬上の取扱いについても早期に方向性を示す必要があります。
 次は議題2です。外来機能報告や紹介受診重点医療機関が十分機能するためにも、紹介や逆紹介に係る診療報酬上のメリットについて地域の医療機関に早期に示すことが重要です。また、地域内の医療資源が少なく、特定の診療科について紹介受診重点医療機関しかなく、紹介元になる医療機関がない場合であっても、現行制度の扱いと同様に、患者定額負担の対象からの除外など一定の配慮が必要です。
 併せて、示していただいたスケジュールにおいては、都道府県へのデータ提供が12月頃とされておりますが、年度末までの協議、公表を求められた場合、タイトなスケジュールとなって地域での協議が困難となることから、早めのデータの提供、そして地域の実情に応じた協議期間の設定などについて御配慮をお願いします。
 最後に、議題3です。今回の派遣法施行規則の改正は、全国知事会の緊急提言を踏まえたものとなっており、感謝いたします。オミクロン株の市中感染が全国各地で確認をされ、これまでにないスピードで感染の急拡大が続いています。このような中、医療提供体制の強化、拡充、それに伴う看護師など医療従事者の確保は一刻を争う最重要課題であります。引き続き、国において医療従事者の確保が強力に進められるよう御支援をお願いします。
 私からは以上であります。どうぞよろしくお願いします。
○永井部会長 ありがとうございます。
 では、加納委員から、次は河本委員、お願いいたします。
○加納委員 ありがとうございます。先ほど安部委員のほうからおっしゃっていただきました、今のマイナンバーカードの普及、またDXに関しては、我々もしっかりと対応していかなければいけないという認識を持っておりますし、先ほど内堀委員からもコストのことを全国知事会のほうからも御心配いただいております。今回もオンライン資格確認システムをベースに使っていくということでありますが、オンライン資格確認システムの普及に当たりましては、厚労省は非常に頑張っていただいたという認識を持っております。当初あのシステムを入れるのに、ふっかけられたと言うとおかしいですが、ベンダーのほうから持ち込まれた価格というのは、最終的な値段の4倍、5倍という常識では考えられない金額を最初言われまして、それに対し厚労省が一生懸命、一つ一つ熱心に対応していただいて、何とか10割補助金という形に近い形にしていただいたという経緯がございます。今回もしっかりとした流れを作っていただきこれをいかに電子カルテ等にリンクさせるかというところには非常に大きな負担が我々は考えられておりますので、適正価格というものがある程度あるかと思うのですが、その点に関しまして厚労省のほうでしっかりと提示していただいて、負担を軽減していただくようにお願いしたいと思っております。この点に関しまして、オンラインのときは10割負担近く補助金をお願いできたのですが、今回の補助に関しましてはどのように我々に対して考慮していただいているのか、分かっていれば教えていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
○永井部会長 事務局、いかがでしょうか。
○医薬・生活衛生局企画官 ありがとうございます。医療機関、それから薬局向けのシステム補助金は383億円をICT基金として獲得しておりまして、現在、財務当局と具体的な補助率や上限額を詰めているということでございます。先ほど内堀委員からも御指摘がございましたとおり、早めの周知、準備ということが必要だと思っておりますので、早急に要綱を詰めて周知徹底を図っていきたいと思っているところでございます。
○永井部会長 では、河本委員、お願いします。
○河本委員 ありがとうございます。まず、電子処方箋の仕組みをつくることは、薬剤の重複投与ですとか、あるいは多剤投与によるリスクといったことを考えても、国民、患者にとって大きなメリットがある話でございますので、しっかりと進めるべきであると考えます。その上で、電子処方箋の導入に当たって3点要望を申し上げたいと思います。
 1点目は、これまでも繰り返し申し上げてまいりましたけれども、この仕組みはオンライン資格確認のインフラ基盤を使うということが前提になっておりますので、オンライン資格確認システムの普及について、工程管理をしっかり行い、医療機関等における導入をさらに加速していただきたいと考えます。また、利用者である患者・国民に対する広報・周知もお願いしたいと思います。
 2点目は、導入効果をより大きく、より早く出すということが重要でございまして、そのためにはどのくらいの効果が上がっているのかということをきちんと把握して、もし問題点なり阻害要因があればそれを解決して、制度のさらなる促進につなげていくという、いわゆるPDCAの仕組みを回していくことが重要だと思います。効果把握と検証が可能なシステムづくりをお願いしたいと思います。
 最後に3点目、費用負担の関係でございます。開発コストを国で負担していただくということは当然でございますけれども、運営コストについて、やはり効果に見合った負担でなければならないと考えております。そのために、一定程度定着して、一定の効果が上がるまでの期間については、いわば体制整備期間といった位置づけで、国で費用負担していただくように強く要望したいと思います。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 遠藤委員、どうぞ。ちょっと時間が押してきましたので、手短にお願いします。
○遠藤秀樹委員 遠藤です。ありがとうございます。
 今回、電子処方箋において、薬剤の処方を電子的に発行するというだけではなく、図の中にも示されておりますように、電子処方箋管理サービス等により投薬情報の共有等の医療連携の重要な役割があると思っております。そこには当然、多くの医療機関、薬局が参加すべきシステムだと考えております。また、これがオン資のシステム上で運用となっておりますが、様々なものを見ていきますと、電子カルテを想定しているように思っております。医療機関には大病院から個人の小規模診療所まで様々な形態があり、その規模に応じて運営されているところでございます。オン資においてもその普及に相当の苦労をしているところですが、医療機関の受付や情報管理システムとしては電子カルテからレセプトの請求だけに使うようなレセプトコンピューターまで規模により様々なレベルでのシステムが稼働しているところでございます。小規模な医療機関においても、地域の医療連携においては重要な役割を果たしておりますので、そのような医療機関においても過度な負担を負うことなく参加できるようなシステムづくりが必要と考えております。また、それらに対応する小規模ベンダー等への対応も必要になろうと思っております。厚労省として、この点に関して何かお考えがあれば教えていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
○永井部会長 事務局、いかがでしょうか。
○医薬・生活衛生局企画官 ありがとうございます。小規模な診療所への体制を配慮ということで遠藤委員から御指摘をいただきました。実際のシステムの開発につきましては、今現在検討を進めておりますけれども、基本的にはオンライン資格確認システムが導入されていること、それから、レセコンが導入されていることを前提としております。電子カルテが導入されていないような小規模な診療所もあろうかと思っておりますので、こういったところに関しましては、レセコンを経由して登録をしていただくということでこのオンライン資格確認システムの方に情報を共有するというような仕組みでシステム開発を進めておりますので、過度な負担がかからないような配慮、引き続き検討を進めていきたいと思っております。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
○遠藤秀樹委員 ありがとうございます。
○永井部会長 楠岡委員、どうぞ。
○楠岡委員 楠岡です。2点お願いと1点質問でございます。
 まずお願いの1点目は、このシステムは電子処方箋ということで処方情報を薬局で伝える形になっておりますが、同時に薬局での調剤情報を診療側に戻す手立てにもなっております。現在、処方しても一般名処方等でしたら実際にどんな薬が調剤されたかが分からない。お薬手帳でしか確認できないような状況ですので、これが電子化されることで、診療側にも非常に大きなメリットがあると思います。
 もう一点は、現在、中医協で議論されているリフィルの問題で、リフィルの情報が病院に到達しなければ、どのように再調剤、リフィルされたかということが全く情報ないままに、患者さんが来たときに初めて確認できるということになります。このリフィル情報も必ず診療側に戻るような形での体制づくりをお願いしたいと思います。
 2番目は、従来申し上げております処方の様式の問題であります。いまだ1回量処方なのか1日量処方なのか、1回量と1日量を組み合わせた処方なのか、標準的な記載様式が決められていない状況の中で電子化されますと、その電子情報を後で処理する場合に、それぞれ内容を見ないと判断できないということになります。これについては早急に標準化の様式を示し、どれかの標準様式に統一していただきたいと思っております。
 最後に質問は、この図の一番目にあります中で診療側及び薬局側に資格の電子確認でありますHPKIが入っております。もし病院等でHPKIにつなぐとなると結構大変な労力が必要になってまいりますが、これに関しましては具体的にはどのようにされるのか教えていただければと思います。
 以上3点です。
○永井部会長 事務局、お願いします。
○医薬・生活衛生局企画官 ありがとうございます。まず1点目の薬局から医療機関、診療側にきちんと情報を戻すような仕組みづくりをということでございまして、こちらは今まさにそういう方向でシステムを検討させていただいているところでございます。リフィル処方の在り方については、まさに中医協で今現在、制度の詳細を議論されているという理解でございますので、そういった議論を踏まえまして、どうシステムに組み込んでいくのか、こちらを検討してまいりたいと思っております。
 それから、2点目の処方内容の標準化、データの標準化という議論で1日、1回量、こういったものが統一されていないのではないかというお話がございました。これは今、別途、電カルのワーキングの中で、どういう形でデータを標準化していくかという議論がなされていると理解しておりますので、そういったところの議論と足並みをそろえながら、システムも開発をしていきたいと思っております。
 最後に、HPKIカードのお話がございました。こちらについては規制改革会議でも議論をいただいているところでございますけれども、基本的にHPKIカードを使っていくということに加えて、少し簡略化したような方法ができないかという御指摘もございましたので、現在、ガイドラインの改定ということで検討させていただいているところでございます。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
○楠岡委員 お願いいたします。
○永井部会長 野村委員、お願いします。
○野村委員 野村です。よろしくお願いします。
 電子処方箋について、重複投与のチェックや医師の方が処方されるときに必要な情報を一元管理できて、医療機関ごとでも共有できるという本当にすばらしいシステムであると感じております。ただ、このすばらしい点を今後生かしていくために、やはりより多くの国民がこのシステムを正しく理解し、同意して実施しなくては非常にもったいないと感じております。
 2ページ目にある導入意義に関してメリットが幾つか記載されておりますが、私の周辺や年齢的な制約がある中の個人的な感想レベルですが、あまり国民のメリットが、具体的にどんないいことがあるのかというのがなかなか分かりにくいかなと感じました。私たち側は、お薬手帳があればいいのではないかという点になってしまわないように、今後、ぜひメリットというか、こんなことが防げたんだよとか、こんなことがよかったという具体的なやる意義がきちんと説明されていくと、すごく皆さん同意してやっていくことにつながるのかと思います。結局、実際には処方されるときとか、受診したときにこのシステムを再度説明していただきながら、私たちも積極的に運用に参加できるといいのかと思います。ぜひ、せっかく開始し、よりよくなるためのものなどで、医療機関や薬剤師の先生や使用する私たちみんなが、個人情報の問題もあるのでなかなか強制というのはできないかもしれませんが、同意して活用していくのが当たり前になるような働きかけも必要なのかなと思いました。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 神野委員、お願いします。
○神野委員 ありがとうございます。今のお話も含めてですけれども、1ページ目を見ておりました。恐らく患者さんにとっての大きなメリットとして、御自分のお薬手帳等が電子版で持てるということになると思いますし、これはあくまでも病院あるいは診療所とのいろいろな連携の話でありますけれども、もしかしたらこれから介護保険施設に患者さんが行かれるときに、御自分のパーソナルヘルスレコードの一つとして処方内容を介護保険施設にお見せするとか、あるいは御本人が認めれば、例えばフィットネスクラブにお持ちするとか、いろいろな形として大きく利用できるのではないかと思って強く賛成するところであります。
 さて、先ほど楠岡委員もおっしゃった医師の確認、薬剤師の確認のHPKIの話であります。例えば私たちの病院の中で紙の処方箋を発行するときには、病院の中でID、パスワードを入れることによって病院の職員だと認めると、それをもって処方権を与えているわけであります。そういった意味では、包括的に病院・診療所の中で医師を確認するという仕組みでよろしいのではないか。ここで複雑な仕組みをすると、さっき加納委員がおっしゃったようにお金がかかる。財源が決まっている中で複雑な仕組みを入れれば入れるほど、セキュリティーを強くすればするほどお金がかかるわけでありますので、そういった意味では、このセキュリティーの観点と、一方で簡略化、利便性というところと両立するところを選んでいただきたい、探っていただきたいというふうに強くお願いいたします。
 以上でございます。
○永井部会長 山口委員、どうぞ。
○山口委員 ありがとうございます。この電子処方箋については、医薬・生活衛生局で行われている検討会に私も参加して、今も議論している最中ですけれども、今何人かの方も言われているように、処方箋というのは患者が直接関与するものですので、国民への周知・理解が最も大事ではないかと思っています。それだけに、混乱を来すことのないようにしていただきたいと思っています。
 今日の御説明であまり細かいお話がなかったのですけれども、電子処方箋なのか、紙処方箋なのかを患者が選べるようになっていたり、処方内容については電子処方箋であっても、処方箋ではない処方内容を示したものがアクセスコードつきで発行されることになっています。このアクセスコードも引き換え番号と言葉が変えられるのですけれども、こういったことを考えると、重複投薬が防げるという利点を含めて、きちんと患者、国民にあらかじめ伝えておく必要があると思います。広報の予定が今年の8月からということですが、それで間に合うのかなと正直思っているところではあります。ぜひその周知をしっかりやっていただいて、理解を進めていただきたいということと、選択するときとか患者の手に渡るものについては、この間、検討会で申し上げたのは、引き換え番号だけではなくて、薬局で御提示くださいとか、患者目線に立った分かりやすい表示ということをぜひやっていただきたいとお伝えしたのですが、そういったことを進めていただきたいと思っています。
 今回、この医療部会に電子処方箋についての議題があがってきたのは、法改正の検討事項があるからだと認識しております。今回、国民への周知ということを考えたときに、医薬・生活衛生局だけでするのではなくて、医薬・生活衛生局と医政局と協働で周知に取り組んでいただきたいと思うのですけれども、その辺りは一緒にしていただくような御予定があるのでしょうか。できるだけしっかりと周知するには、私は協働でしていただいたほうがいいのではないかと思うのですけれども、その辺りは事務局、いかがでしょうか。
○永井部会長 いかがでしょうか。
○医薬・生活衛生局企画官 ありがとうございます。山口委員には日頃からシステム開発を御指導いただいているわけでございますけれども、御指摘のとおり周知は非常に重要だと思ってございます。電子処方箋は医薬局を中心に検討しておりますが、当然ながら医療機関側で処方しているというところに大きく関わるところでございますので、医政局を含めて厚労省全体でしっかりと進めていきたいと考えております。
○永井部会長 小林参考人、お願いします。
○小林参考人 ありがとうございます。電子処方箋の普及を通じて、重複投薬の抑制ですとか業務効率化につながっていくという点については理解できますし、期待もいたしますが、運用に当たっては、個人番号とのひもづけなどで間違いが起こることのないよう、ぜひ十分な対策を講じていただきたく思いますし、また、運営コストに関する費用負担の在り方につきましても、この場の議論ではないのかもしれませんが、ぜひ審議会で議論を深めていただき、納得性あるものにしていただきたく思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 釜萢委員、お願いします。
○釜萢委員 ありがとうございます。
 2ページに描かれている電子処方箋の導入によってもたらされるいろいろなメリットが享受できるようになるためには、これに参画できる医療機関あるいは薬局の数が十分増えてこないと駄目であって、ほとんどが紙の処方箋という状況では、とてもこのメリットにはほど遠いわけであります。それに対して、2023年1月の導入という割には、細部に対して十分な詰めがまだできておらず、非常に不安がいっぱいであります。方向性としてはこの方向でいいとは思いますけれども、そこに至るステップはいろいろ不安が多いと思います。その中で特に不安を感じるのは、日々処方している状況は電子カルテであったり、あるいはまだ導入できていない段階もかなりあるという中、オンライン資格確認等の基盤を利用するというところが今回の一つの進歩ではありますけれども、この基盤を利用する前の段階がクリアできていないため、詳細がまだ十分に見えてこないわけであります。薬局から処方医への問合せは、今、ほとんど電話でいただくわけですけれども、それが今回のシステムで果たして思うように運用できるような形になるのかどうかということは極めて不安がございます。ですから、その辺りのところをしっかり整理して、皆さんの合意が得られる形でぜひ進めていただきたいと思います。
 冒頭に安部委員がおっしゃったところは私も大賛成でありまして、今後の進み方の全体像がどうなるのか、いつ頃にはどの程度の割合が電子処方箋に移行できる見込みなのかというようなところが見えてこないと準備もなかなかできないだろうと思いますが、先ほどの御答弁でもその辺りはまだ明確ではありませんので、その辺りが非常に大事な鍵になると思います。意見を申し述べました。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 最後に、松原委員、お願いします。
○松原委員 ありがとうございます。電子処方ということで、長崎県の五島列島では五島市全住民対象に実施されております。そこでは人口は少ないのですけれども、開発費に1300万円、年間のランニングコストは200万ということでした。その200万のランニングコストも、重複投薬を防ぐなどで市としては十分賄えているというお話でございました。こうしたメリットを享受するためにも、先ほど委員から御指摘がありましたように、地域でしっかり勉強会をするということが重要だと思います。見学に行った際にも、高齢の薬剤師の方々がPCを活用し、こうやって重複投薬をチェックするのですと教えてくださったりして使いこなしていらっしゃいましたので、やればできると思います。
 ここで感じたのは、予算がつくとその予算ありきになるのですけれども、規模が違うものの、やろうと思えば非常に効率的な金額でできるのではないかと思います。予算の金額ありきではなく、そこをぜひチェックしていただきたいですし、他と連携できるシステム開発をお願いしたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 今村委員、手を挙げていらっしゃいますか。
○今村委員 すみません。時間のないところでありがとうございます。理念としては非常に重要なものなので、進めていくということについては賛成なのですけれども、私自身も処方箋を毎日多数発行している身からすると、今回のシステムの1ページ目に書かれているものについては、まだまだ非常に分かりにくい点が多数ございます。4ページにございますように、これからいろいろな課題を抽出して検証していくということですので、これは今年度中に始めるということですけれども、相当に現場としては分からない。あるいは国民の方もだと思うのですけれども、これは相当に検証をしっかりしていただきたいなと思っております。実は、例えば医師が処方箋を発行したときに、この電子処方管理サービスのほうで重複投薬がありますということが返信でこの医療機関に来ると、医療機関はそれを修正してさらにもう一度発行するということになると、1人の患者さんを診ていく上で相当のタイムラグが発生するのです。したがって、現場の中でそういうことを今だとぱっと紙で出して、プリントアウトしてそれで渡して終わりということをしていますけれども、それだけでも結構な手間がかかるということがありますので、これはしっかりと検証していただきたいと思います。この1ページ目にあるプロセスの中で、まだまだいろいろな課題が多数あるかと思います。
 それから、1点だけ教えてほしいのは、いわゆる電子版お薬手帳はこのことによってなくなるという理解でよろしいのでしょうか。事務局のほうで教えてください。
○永井部会長 いかがでしょうか。
○医薬・生活衛生局企画官 ありがとうございます。電子版お薬手帳につきましては、別途、医薬局の検討会も今やっておるところでございまして、まさにこの電子処方箋システムが動いた後にどういった形でお薬手帳を活用していくかという議論を進めているところでございます。
 具体的なメリットといたしましては、電子版お薬手帳ですと、処方薬に加えまして一般的なOTC薬についても情報が入るというような方向で今議論を進めておりますので、それと組み合わせて情報を一元化していくことでより患者目線に立った薬剤管理ができるのではないかと、このような形で今、検討を進めさせていただいているということでございます。
○今村委員 ただいまの御説明は、電子版お薬手帳をやめて、これを2つを1つにしてより効率的な国民にとってよいものをつくるための検討をしているという理解でよろしいのですね。
○医薬・生活衛生局企画官 ありがとうございます。お薬手帳をやめるというよりも、基本的に電子版お薬手帳は盛り込むべき中身ということのガイドラインみたいなものをつくりまして、民間の事業者のほうで開発をしていただき、この電子処方箋管理サービスとPHRをつないで連携してやっていただくというふうに考えております。
○今村委員 そこが私も大きな課題だと思っていて、電子化、電子化といって結局いろいろなものが多数電子化されることによって、かえって国民の方たちに分かりにくい仕組みになったり使いにくい仕組みになったりしないように、電子化することによって、より現場が効率化するということを考えて仕組みをつくっていただきたい。ばらばらにいろいろなシステムをつくることだけは決してやめていただきたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。まだ御意見おありかもしれませんが、後ほど事務局へお寄せください。
 それでは、次に、外来機能報告及び紹介受診重点医療機関の広告について、説明をお願いいたします。
○総務課長 医政局の総務課長でございます。
 資料2-1から2-3までございます。2-1が外来機能報告等に関する報告書でありまして、先般、12月17日に外来機能報告等に関するワーキンググループとして取りまとめを行いました。その報告をさせていただきますが、説明の便宜上、資料2-2で御説明申し上げたいと思います。
 資料2-2を御覧ください。まず1ページ目でございますが、外来医療についての改革の骨格というものであります。これは昨年の医療部会で資料にしたものでありまして、その後、ここに書いてある内容を医療法の改正として実現させたところでございます。振り返りになりますけれども、外来医療の課題といたしまして、患者のいわゆる大病院志向がある、あるいは一部の医療機関に外来患者が集中している、患者の待ち時間や勤務医の外来負担が大きくなっている、こういった課題があるということであります。そういう中でかかりつけ医機能を強化するとともに、外来機能の明確化、連携を進めようということでありました。
 次に医療法の改正の内容でございます。1にありますように、医療機関から都道府県に対する外来機能報告という仕組みを設けることといたしました。
 2にありますように、その外来機能報告を踏まえまして、地域の協議の場において、外来機能の明確化・連携に向けた協議を行うということであります。これによって何を行うかということにつきましては、矢印のところ、「1・2において」の後に書いてございますが、医療資源を重点的に活用する外来を地域で基本的に担う医療機関、分かりやすく申し上げますと、紹介患者への外来を基本とする医療機関を明確化するということでございます。これによって、下の図にありますように、かかりつけ医機能を担う医療機関と、今申し上げた紹介患者への外来を基本とする医療機関が両輪相まって紹介・逆紹介の関係の中で外来機能を全体的に果たしていくというものでございます。この改革は、昨年5月に医療法の改正として成立したところでございます。
 この改革を受けまして、具体的な施行に向けた内容を検討いたしました。2ページがその検討の枠組みであります。医療部会の下に置かれました第8次医療計画等に関する検討会、さらにその下に外来機能報告等に関するワーキンググループというものが設けられて、議論を重ね、先ほど申し上げたように12月に取りまとめたということでございます。
 3ページ目がその報告書の内容に当たるものでございます。最初の四角、上のほうに書いてあることは、今申し上げました改革の骨格が記載されてございますので、省略いたします。
 このワーキンググループあるいは報告書の中で決めたことは、その次の四角が2つ左右にございますが、こうした内容でございます。
 まず、外来機能報告につきまして、その内容を確定いたしました。医療資源を重点的に活用する外来、重点外来と呼んだりいたしますが、そういったものの状況を報告いただくということであります。その重点外来とは何かといいますと、さらに3つポツがありますが、医療資源を重点的に活用する入院の前後の外来ですとか、高額な医療機器などを必要とする外来などなどでございます。すなわちこれらは紹介によることが基本と考えられる外来ということでありまして、それについて、これらが初診なり再診なりの外来の中でどれぐらいの割合を占めると新しく創設されました紹介受診重点医療機関になるのかということを検討いたしました。
 右側にその基準が書いてございます。外来機能報告をいただいたものを地域の協議の場で議論し、最終的には協議が調った場合に都道府県が紹介受診重点医療機関として公表するということになります。
 医療機関から重点外来の実施状況を報告いただきまして、それが右側の1の※になりますけれども、初診において、今申し上げたような重点外来の割合が40%以上、かつ再診において25%以上、こういった医療機関については基準を満たすものとして医療機関の意向を確認して協議に進んでいくことになります。
 この初診40%以上、かつ再診25%以上という割合は、地域医療支援病院の状況を参考にさせていただきまして、地域医療支援病院では、初診40%かつ再診25%という基準にした場合、8割強、83%の医療機関が該当するということで、これら40%なり25%という数値を決定いたしました。
 左側に戻りますけれども、外来機能報告として報告いただくものとしましては、そのほか、紹介・逆紹介の状況、先ほど申し上げました意向の有無、その他、連携に必要な事項ということでございます。紹介・逆紹介の状況についても報告をいただきまして、これについても地域の協議の場において、協議の参考として活用させていただきます。すなわち、国の今申し上げたような基準に満たない医療機関であっても、手を挙げられる医療機関があると思いますので、そういった場合にはこの紹介・逆紹介の率を参考にして協議を行うということ。そこで、この紹介・逆紹介の率につきましても、一定の水準をこの報告書の中で決めさせていただきました。紹介率50%以上かつ逆紹介率40%以上、これも地域医療支援病院の定義に係る数値を参考に決定したものでございます。
 こうした結果、協議が調った場合に紹介受診重点医療機関として都道府県は公表します。この紹介受診重点医療機関というものは呼称でございます。この呼称につきましてもワーキンググループにおいて決定をさせていただきました。
 これらが内容でございまして、今後、国民への周知・啓発をしっかりと図りまして、患者の流れといいますか、まずはかかりつけ医機能を担う医療機関を受診いただきまして、その上で必要に応じて紹介を受けて、新たにカテゴライズいたしました紹介受診重点医療機関を受診するという流れが重要であるということ、そうした流れを周知・広報し、かつこの紹介受診重点医療機関というものについての周知を徹底してまいりたいと思います。
 4ページ以降は参考でございます。紹介受診重点医療機関になりますと、3ページの上のほうの米印にも書いてあるのですが、そのうち一般病床200床以上の病院につきましては、紹介状がない患者等について、外来受診等の定額負担の対象となるということが既に決定されてございます。
 4ページ、5ページは中医協におきまして、今申し上げました仕組みについての詳細が現在検討中であるということで、御紹介まででございます。
 4ページにありますのは、具体的な内容といたしまして、負担の額ですとか、それから除外要件といいまして、単純に全てなるというわけではなくて、一定の要件の下で除外する仕組みについての具体的な検討を中医協において現在してございます。
 5ページは紹介受診重点医療機関における入院診療の評価ということで、診療報酬につきまして、どういう点数がこういった医療機関になり得るのかという議論をしているという紹介でございます。
 続いて、資料2-3でございます。併せて御報告申し上げたいと思います。
 ワーキンググループ報告書におきましては、この仕組みをしっかりと周知するということが求められたわけでございます。具体的には引き続き検討するということになっておりまして、それにつきましては、別の検討会、医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会におきまして、広告ですとか情報提供制度について議論をいたしました。これは1ページ開いていただきますように、1月13日、持ち回りにて開催をさせていただきました。内容を2点紹介させていただきます。
 2ページ目、まずは広告であります。広告につきましては、広告できる事項が告示に示されておりまして、2ページ目の資料でいいますと4号というのがあります。法令の規定ですとか国の定める事業を実施する病院または診療所であることについては広告可能でございます。したがいまして、この紹介受診重点医療機関、法令に基づいて行われるものでありますので、広告可能であるということになりますが、それを下の赤いところにも示しておりますように、医療広告ガイドライン上にしっかりと明確化しましょうということであります。これについて、上の青いところに書いてございますけれども、この検討会において了承をいただきました。
 3ページ、4ページは、続きまして、医療機能情報提供制度でございます。こちらは広告とは異なりまして、御案内のとおり、都道府県に医療機関からの報告を義務づけ、都道府県においてそれを公表することで国民の皆様に情報提供するという仕組みでございます。
 これにつきましては、4ページ目といたしまして、この医療機能情報提供制度の報告項目にも当然ながら新しい紹介受診重点医療機関を位置づけようということで、これも告示になりますけれども、改正をいたしまして、左下のほうに53、54と書いてございますが、ここに掲げられているものが報告項目ということになりますが、それに追加をいたしまして、紹介受診重点病院、あるいは紹介受診重点診療所につきましては報告項目であるということとさせていただくものでございます。
 私からの報告は以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、御質問、御意見をお願いいたします。河本委員、どうぞ。
○河本委員 ありがとうございます。外来機能の在り方については、今後、地域の話合いを通じて、紹介を中心とする外来機能を担う医療機関が決まっていくわけですけれども、その目的は、地域住民の方々が医療を必要とする際に、まずは地域でかかりつけ医機能を担っている医療機関を受診して、高機能な医療機関は紹介を通じて適切に受診していただくと、そういった流れをさらに促していくところにあると理解をしております。
 その上で、先ほど御説明がなかったですけれども、資料2-1の報告書の11ページ目から12ページ目、この辺りにまたがる内容について意見を申し上げたいと思います。
 国の基準に合致するのだけれども、紹介外来としての役割を担う、そういう意向を有しない医療機関、あるいはその逆のケースにおいて、資料2-1の12ページですと、なお書きで、協議の簡素化のためにその理由を記載した文書を提出するなど、柔軟な対応を認めるというふうにございますけれども、地域の実情という一言で片づけられてしまうと運用の実態が見えなくなってしまう、そういうリスクがあるのかなと思います。
 その意味では、国が都道府県に示すガイドラインにおいて、文書に記載を求める事項を具体的に例示した上で、都道府県、国の双方が事例を把握・集積して、必要に応じて運用の見直しが検討できるという形にしていただきたいと思います。
 また、この2-1の14ページで国民への理解の浸透というのがございますけれども、これは国民の皆さんに適切な受診行動を理解していただく観点から大変重要な課題だと思います。名称については、紹介受診重点病院とか診療所ということになって、広告可能ということのようですけれども、こういった医療機関を紹介状なしで受診すると、先ほどもありましたけれども、新たな受診時定額負担の対象になる。これと併せて周知をしていかなければならないと思います。
 受診時定額負担については、適切な受診行動をしていれば負担しなくて済むわけで、我々保険者としても周知にしっかり協力をしていきたいと考えております。このように適切な受診行動とは何かということを突き詰めて考えていくと、地域医療の要ともいうべきかかりつけ医機能を担う医療機関、これを国民にとって分かりやすく目に見えるものにしていくことが大変重要であるということだと思います。政府の改革工程表2021では、かかりつけ医機能の明確化と、患者、医療者双方にとってかかりつけ医機能が有効に発揮されるための具体的な方策について、2022年度、23年度において検討すると記載されております。外来医療計画の策定ガイドラインの見直しに向けた議論が今後進むのではないかと思うのですが、こういったところでしっかりと検討していただくように強く要望したいと思います。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 酒向参考人、どうぞ。
○酒向参考人 ありがとうございます。今回報告のありました紹介受診重点医療機関の明確化は、限りある医療資源を有効に活用するという観点から非常に重要な取組であると評価しております。今回の改革は高度な医療への対応を念頭に置いて議論されているということでございますが、今後、それ以外の外来全般に関しても、どういう機能を持っていただくか、あるいは連携をどうやって進めていくかといったことを検討していくことが重要だと考えております。
 報告書の15ページにも記載がございますが、地域におけるかかりつけ医機能の強化なども一つの重要な視点でございます。こういった点についても引き続き検討を進めていただきまして、24年度に始期を迎える医療計画などの各種計画ですとか、24年度の診療報酬・介護報酬の同時改定にも反映させていくということが求められていると考えております。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 木戸委員、どうぞ。
○木戸委員 今の御説明があった資料の1ページ目の矢印のところにあるように、やはり患者さんの流れがより円滑になることで、医師の働き方改革にも寄与するという可能性があります。こうした医療資源に応じた適正な受療行動ということは、やはり患者さん、国民の方々の御理解や御協力が欠かせません。大きい病院のほうが幾つも診療科がありますし、医療機器も整備されて安心、自分は同じ先生にずっと診てもらいたいというお気持ちは確かに理解できますけれども、だからといって医療者が過重労働となっている現実は決して許されるべきことではありません。私も現場で逆紹介をする機会がよくありますけれども、すんなりと理解してくださる方もおられますが、中には見捨てられたように感じてしまうこともあるかと感じております。最近ではトラブルで医療従事者が恨まれて襲撃されたりすることも事件としてあります。医師個人が逆紹介をするのは、その患者を決して手放したいからではなくて、国全体としてこうした政策を進めているということを現場で一々説明するのは実感としてそれなりに負担ではあります。やはりこの制度の目的とか意義、どこの医療機関が具体的に紹介受診重点医療機関なのかなど、行政から国民に向けてぜひ分かりやすく広報を進めていただきたいと思います。
 私からの要望は以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 加納委員、お願いします。
○加納委員 ありがとうございます。報告書に関しましては、自画自賛という形にもなりますけれども、本当に非常に短期間の間によくまとめられたものだと思っております。ただ、これに沿って今後進めていくに当たって、ガイドラインにいろいろなことを載せていただくかと思うのですけれども、我々はいろいろな報告が今回各医療機関に強いられます。ぜひとも負担がかからないようにお願いしたいというのが1点目のお願いでございます。
 あと2つほど質問をお願いしたいと思います。最終的に今回の紹介型ということでありますから、一番メインであります紹介・逆紹介に関してですが、特定機能病院等での診療報酬で紹介割合、逆紹介割合というのが出てきております。今後、これに関してどういう予定であるかというのを一つ教えていただきたいのと、今回は200床以下の病院も基準に合えばもちろんこの医療機関になるわけですけれども、それに関しては例の紹介受診重点医療機関入院診療加算に関しては算定できないという認識でいいのかどうかと、その2点をお聞きしたいと思っております。よろしくお願いします。
○永井部会長 いかがでしょうか。
○総務課長 いずれも保険局のほうでの議論になりますので、それを注視していくということにはなります。特定機能病院での紹介率とか逆紹介率の方向にせよ、それから、新しい紹介型の重点医療機関の点数にせよ、今後の議論ということになります。
 それから、2つのカテゴライズがあって、特定機能病院と紹介受診重点医療機関とありますので、診療報酬が重複するということはないと考えますけれども、その辺りの具体的な仕組みも今後の中医協での議論ということになります。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
○加納委員 ということは、今回出ている限りでは200床以下の病院が今回の紹介受診重点医療機関、例えば199床の病院であれば算定できない、関係しないという形で今のところあるのかということは、保険局マターですけれども、そういう方向であるという認識でいいわけですね。
○総務課長 点数とか定額負担制度につきましては、一般病床200床以上ということになっておりますので、そういう意味であれば、そのとおりだと思います。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
 都竹委員、お願いします。
○都竹委員 ありがとうございます。かかりつけ医機能の強化は今後もっと強化していくべきことでありますから大いに賛同するわけでありますけれども、先ほど診療報酬上の評価等々の話もありましたが、定額負担の引き上げ等々も含めて、やはりここは誘導策をしっかり今後さらに取っていくべきではないかと思います。また、あわせて周知については、先ほど来も出ておりますが、しっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。
 それから、逆紹介の話がありましたけれども、紹介する部分については大分進んでいるのではないかと思いますが、逆紹介について、やはり僻地とか広い地域になりますと、病院よりも身近なところで、近いお医者さんで診療を受けたいという方は結構おられるものですから、逆紹介の部分をしっかりとできるように、地域連携体制の強化も含めてお取組をぜひお願いしたいと思っております。
 それから、地域の協議の場として地域医療構想調整会議を活用するのは現実的な案だと思います。ただ、現実的に全国の地域医療構想調整会議は結構形式的になっているところが多いのではないかと思いますので、この点については、都道府県が入った調整が必要になると思います。特に地域での議論が進まないような場合には、都道府県のリードをよろしくお願いいたしたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 小林参考人、お願いします。
○小林参考人 ありがとうございます。私どもとしては、紹介状なしで受診する場合の定額負担については例外的、限定的な取扱いであるべきと考えておりまして、例えば医療資源の少ない地域の住民などの受診機会が妨げられないよう配慮が必要と考えております。
 その上でということでありますが、外来の適切な受診行動につなげるようにするためには、各医療機関が担う機能について患者の理解が欠かせませんので、分かりやすい周知をしていく、そのためにも、報告書の本文に書かれていましたけれども、地域における協議の場における協議結果のみならず、公開可能なデータや資料等の公表を通じて、協議プロセスの透明性の確保をぜひお願いしたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 釜萢委員、お願いします。
○釜萢委員 ありがとうございます。外来医療の機能の明確化と連携という観点で紹介受診重点医療機関の検討が今なされていると理解しておりますが、外来の医療資源については地域によって大分差がありまして、それぞれの地域における問題点も様々であります。今回の検討は検討として進められるのはよろしいと思いますけれども、もともとの外来の医療資源をしっかり踏まえた地域における外来医療計画がどうあるべきかという全体の構想こそが最も重要でありまして、この重点医療機関の問題が全てを解決するわけでは決してないので、その辺りのところはこの際またそれぞれの地域でしっかり対応しなければいけないということを指摘しておきたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 神野委員、お願いします。
○神野委員 ありがとうございます。ポンチ絵にしましても、本文にいたしましても、国民への周知・啓発ということが強くうたわれております。とても重要だと思うのですけれども、私のように多少こういった医療提供体制の議論に片足を突っ込んでいる者にしても、地域医療支援病院と紹介受診重点医療機関の区別というのを、明確に患者さんにきちんと話すことができますか、あるいは仲間の医療者に話すことができますかと言われたら、まだなかなか明確に話すことができません。地域医療支援病院と紹介受診重点医療機関とを明確に区別するのか、それともどちらかをこれから包含するのかということをきちんとやっていかなければいけないのかなと思います。それが1点です。
 もう一点お願いがございます。今、このかかりつけ医機能を担う医療機関と重点医療機関ということで、重点医療機関になると入院医療の点数がつきそうだという話は先ほど御説明があったわけですけれども、かかりつけ医機能を担う医療機関、中小病院とか診療所ということになると思いますけれども、ここが一生懸命かかりつけ医機能を担うことができるような仕組みにインセンティブを考えないと、片手落ちになるのではないのかなと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 相澤委員、お願いします。
○相澤委員 どうもありがとうございます。今回の医療資源を重点活用する外来を区分しようというのは、地域医療支援病院、特定機能病院の考え方と同じように、紹介を受ける医療機関というのをどうしてくのかということではないかなと思っております。
 一方で、紹介する医療機関の整備はどうなっているのということがすごく大事で、そこが全く議論されていない。かかりつけ医機能の強化と言っておりますが、かかりつけ医機能を発揮する医療機関は、もともと都道府県知事に報告することになっておりまして、この報告した内容を都道府県は公表することになっております。これは先ほどお話がありました医療機能情報の提供制度でございまして、これには公表制度というのがあります。これで都道府県のことを調べてみますと、かかりつけ医機能がちゃんと載っている都道府県からかかりつけ医機能を調べると、情報がありませんという都道府県があります。
 何を言いたいかというと、私の病院は地域医療支援病院なので、紹介状がないとお金を取られます。そうすると、お金のある方は、いいよそんなの、5,000円払おうと8,000円払うから見てくれと言うのです。お金のない方は、5,000円も取られちゃうの、じゃあ先生のところに行かないけれどもどうしたらいい、最初にどこに行ったらいい、そこで困るわけです。どうやって紹介を受けたらいいのか。患者さんも分からないわけです。知らされていないわけですから。これをきちんとしないと患者さんの流れなんてうまくいくはずがないということと、先ほどどなたかがおっしゃっていましたが、お金で誘導する、冗談じゃないぞと。お金で誘導したら、なぜこの機能が必要でそうやらなければいけないという説明ができないということではないですか。きちんと説明をして、国民が納得して、じゃあこうやらなければいけないと思うことが最初であって、そこからスタートしなければいけないのに、ボタンを全く掛け違えている。これが全くおかしい。そして、さらに言えば、今回、紹介状のない患者さんの自己負担のお金を2,000円上げて、上げた2,000円分を支払機関に、病院が苦労した2,000円を納めなければいけないという制度なのですよ。そんなばかな、何が限定的ですか。こんな日本の診療報酬制度をぐちゃぐちゃにするような制度をやっていいのですか。僕はそこは本当におかしいなと思っていて、申し訳ないけれども、医療機関と厚労省、政府との信頼関係、そして国民と我々医療機関と政府の信頼関係を損なうようなことはやめていただきたいのです。だから、そこはどうしても納得ができないし、しっかりと根本的から考えてやらないと、これはとんでもないぐちゃぐちゃな制度になって、後で大変なことになると私は心配しております。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 山崎委員、お願いします。
○山崎委員 先ほどから先生方の議論を聞いていて分からないのは、この制度は前提として、単科の患者さんが単科のかかりつけ医に行くのではないかという想定で考えている気がします。例えば大学病院ですと、高齢の患者さんは内科の循環器にかかっている患者さんが整形外科にもかかっているし、眼科にもかかっているし、皮膚科にもかかっているという複数の診療をしているというのが実態だと思います。そうなると、大学病院に行く場合、循環器科、整形外科、皮膚科、眼科のそれぞれのかかりつけ医の全部に紹介状を書いてもらうことになります。1か所の病院で済んでいた診療行為を、かかりつけ医を地域に移すということで、4か所のかかりつけ医にかからなければならないという話になったら、これはどちらが便利なのでしょうか。これはぜひ事務局に答えてほしいのです。
○永井部会長 いかがでしょうか。
○総務課長 いろいろなケースが本当にあると思います。1人の方が多くの疾患を抱えているというのが今の状況で、高齢化していくとますますそうだということなので、先生がおっしゃったように、1人の方で幾つもの科を受診するという方がいらっしゃいます。そういうケースにおいて、この紹介の仕組みを下手に進めますと、おっしゃったように4つ、5つの医療機関からの紹介が必要ないのかなという議論があるということですが、他方で、かかりつけ医機能がしっかりすれば、1人の患者さんを1つのかかりつけ医機能のところで一旦受け止めた上で紹介を適切に行うことで全体としては効率的な医療提供ということになると思いますし、それを目指しているということだと思います。
 実際には、この仕組みをワークさせるためには、今後、ガイドライン作成と地域の協議の場での協議を経て決めていくという部分があるのとともに、相澤先生がおっしゃったように、かかりつけ医機能の明確化ということについて議論していくことが車の両輪として必要だと思いますので、そういう議論をしていって、最終的にしっかりとした患者の流れの円滑化というものを確保していきたいというのが事務局の立場であります。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
○山崎委員 追加ですけれども、そうすると、厚生労働省が考えているかかりつけ医というのは、イギリスのようにGPを想定していて、かかりつけ医がその地域でほかの診療科についてはトリアージをして、かかりつけ医がまた紹介をするような形になるということなのですか。
○総務課長 御案内のとおり、各国様々な医療提供体制が組まれております。それぞれの背景とニーズに基づいて行われていると思いますので、一足飛びにほかの国の状況を輸入するという議論をしているわけではございませんが、いずれにしても現在においては緩やかなゲートキーパー機能を持つようなかかりつけ医機能をしっかりと強化していくということが言われておりますので、まずこの議論をどうやって深めていくか。これは今後、先ほどどなたかが御紹介いただきましたけれども、2022年度、2023年度において、このかかりつけ医機能の明確化について議論を深めることになっておりますので、その具体的な検討をしていきたいと思います。現時点では、様々な御意見を頂戴しながら進めるということだけ申し上げさせてきます。
○山崎委員 その関連でお願いしたいのですが、変だと思うのは、現在卒業している学生の99%は専門医志向があって、専門医になりたいといってみんな初期臨床研修が済んだ後、専門医になっているわけです。そうすると、10年、20年というスパンで考えた場合、地域の人は専門医ばかりになってしまって、果たして専門医が地域でかかりつけ医になり得るのでしょうか。こういう制度と一方では進行している制度の検討というのが全く違うほうの検討をしているような気がしてしようがないのです。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
 では、小熊委員、最後にお願いします。
○小熊委員 ありがとうございます。小熊でございます。今までいろいろな委員の方から御意見がございましたが、地域によって医療資源というのは全く違います。全ての委員の先生がおっしゃっているように、国民の理解が進まなければ、どんなに建前だけ置いてもうまくはいきません。お互いの信頼関係もなくなります。ですから、この責任ですね。その説明責任というものを本当にどの程度考えていらっしゃるのか。それがこの方法がうまくいくかいかないかの全ての決まりだと私は思っております。特に医療資源の少ないところでは、かかりつけ医にかかりたくたって、そこはもうかかりつけ医すらいない。だから比較的資源のある大きめの病院に行く。そこに紹介状を持っておいで、逆紹介で行きなさいといっても、それは無理なわけです。ですから、そこのところをどうするのだという答えを国民の皆さんに国が示していただかなければ、この制度は成り立たないと私は思っておりますので、そこいらのことを、今も中医協や保険局のほうで考えているようですけれども、しっかりと誰もが納得するような形で御説明をしていただかないと、これは絵に描いた餅だろうと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございました。
 それでは、この議題はここまでとさせていただいて、次に、新型コロナウイルス感染症に係る臨時の医療施設への看護師等の労働者派遣について、説明をお願いします。
○看護職員確保対策官 看護職員確保対策官の草野と申します。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、今般の臨時の医療施設に係る労働者派遣の特例措置に関して経緯を御説明いたします。新型コロナウイルス感染症対応に係る看護師の確保に当たっては、医療機関からの応援派遣ですとか、都道府県ナースセンター及び民間職業紹介事業者による職業紹介等を通じて、必要な人材の確保を図ってきていただいているところでございます。一方、今般のオミクロン株による新型コロナウイルス感染症の急速な感染拡大に伴って、臨時の医療施設における看護師等の確保が難しくなっている状況でございまして、今般の臨時の医療施設に係る労働者派遣の特例措置について、早急な対応が求められる状況でございました。
 医療従事者に係る労働者派遣の取扱いについては、通常、労働政策審議会における議論に先だって、この医療部会で議論いただいているのですけれども、今回は緊急時ということでありましたので、事前に医療部会における議論を行えなかったところでございます。このため、事前に医療部会の各委員に今回の内容を御説明し、御意見を伺って、主な御意見の内容をお伝えした上で、労政審で議論を行っていただいたというものでございます。
 労働政策審議会におきましては、まず、当省の新型コロナウイルス感染症対策推進本部から新型コロナウイルス感染症の感染状況、人材確保の状況について説明を行いました。その後、医政局、私どものほうから、医療部会委員の主な御意見として次のような御意見があった旨を御報告しております。今回の特例措置については、緊急時における対応ということなので理解できる。それから、あくまでも臨時的な措置であり、今回の改正案のように、時限措置として実施する必要がある。現場においては、特例措置であるという趣旨を踏まえた運用がなされるととともに、直接雇用される方との意思疎通が十分に図られることが必要である。
これらの説明を行いまして、1月20日に労働政策審議会の労働力需給制度部会で、それから、その次の日の21日に職業安定分科会で議論が行われて、いずれにおいても、今般の労働者派遣法施行規則の改正案についておおむね妥当と認める旨の結論が得られました。この審議結果を受けて、1月21日付で今般の特例措置に係る労働者派遣法施行規則の改正省令が公布、施行されてございます。
 本日は、事前に御説明してございますけれども、労政審において議論された資料を統合して、それから、実際の省令改正の結果を反映した資料3に基づいて、今回の特例措置の内容を御説明いたします。
 資料3を御覧ください。1枚開けていただいて、1ページでございます。これは先生方、御案内でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の状況ということで、新規感染者数が急速に増加しており、自宅・宿泊療養者や入院による治療を必要とする方が急激に増えているということでございます。資料1の左側の図はちょっと古いもので1万6281人とございますが、直近の資料に基づきますと約25万人となってございます。それから、右側の病床使用率も直近ですと、病床使用率の赤線のところは26.2%、重症者の病床使用率、青線のところは11.9%となってございます。
 2ページでございますが、これは沖縄県ということで、特に急速な感染拡大ということでございます。感染したり濃厚接触になって出勤できない方も相当数に上っています。沖縄県の新規感染者の報告数は、これも直近ですと約9,000人でございます。それから、病床使用率のほうも直近ですと、赤いほうの病床使用率は57.1%、重症者の病床使用率、青いほうは66.7%となってございます。
 3ページは割愛させていただきまして、4ページ、臨時の医療施設についてということでございますけれども、入院を必要とする方が確実に入院できる体制を確保するために、自治体に対して、通常の入院病床に加えて新型インフルエンザ等特措法に基づく臨時の医療施設の整備を依頼してございます。令和3年12月7日時点で31都道府県57施設ということでございますけれども、今般の急速な感染拡大を踏まえて、さらにこの整備を加速していく見込みになってございます。
 5ページを御覧ください。このように、オミクロン株による感染ということで、患者数が急増してございますので、医療提供体制の確保を図るために、看護師等の人材確保の推進を図る必要がございます。先ほど内堀知事からございましたけれども、全国知事会さんからも臨時の医療施設への労働者派遣についての特例的な対応を要望されてございます。なお、宿泊療養施設のほうは現状でもできるので、この点の周知を図ってございます。
 最後に6ページでございますけれども、今回の特例の内容でございますが、まず現状としては、医療機関への看護師等の労働者派遣は原則禁止となってございます。令和3年4月から、へき地の医療機関に限って、看護師等の労働者派遣が可能となってございます。これによりまして、へき地にある臨時の医療施設への看護師等の労働者派遣は可能でございますけれども、他方、へき地以外の地域にある臨時の医療施設については、看護師等の労働者派遣は禁止となってございます。
 先ほど申し上げた看護師等の人材確保の推進という観点から、今後の対応の丸の2つ目からでございますけれども、新型コロナウイルス感染症の急速な患者の増加に対応するための人材確保の選択肢の一つとして、新型コロナウイルス感染症対応に係るものに限定した上で、令和4年度末までに限り、へき地以外の地域にある臨時の医療施設への看護師等の労働者派遣を可能とする。こういう労働者派遣法施行規則の改正を行ってございます。
 なお、その下の丸でございますけれども、労働者派遣の適正な実施を図る観点から、へき地以外の地域にある臨時の医療施設への看護師等の労働者派遣に当たっては、事前研修の実施を求めるということにしてございます。また、直接雇用している医師、看護師等の方との相互の意思疎通が十分になされるよう、必要な措置の実施を求めることとしてございます。
 私からの説明は以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、御質問、御意見、いかがでしょうか。井伊委員、どうぞ。
○井伊委員 ありがとうございます。今回の臨時の医療施設への看護師等の労働者派遣につきましては、新型コロナ感染症対応のためやむを得ない措置であると考えていますが、日本看護協会としては積極的に賛成をするものではございません。場所と業務内容と期間を限定した極めて例外的なものであるということを確認したいと思います。また、これは緊急時に選択肢の一つとして労働者派遣の方法に依ることを認めるに過ぎないと思います。直接雇用による人材確保のための方策を尽くさずに労働者派遣に頼ることがないようにしていただきたいと思います。
 それから、臨時の医療施設については、運営体制、人員配置等の基準がありません。この、無いということについては、医療の安全及び質の担保の観点から大きい懸念があると考えます。臨時であっても患者を受け入れ、医療の提供を行う施設である以上、チーム医療、医療機器・薬剤・医療材料等の管理などが適切に行える体制を整える必要があると考えます。
 現在のところ、どういう体制であるかということが私どもではよく分からない状況です。その上で、「今後の対応」の最後に、「直接雇用している医師、看護師等との相互の意思疎通が十分になされるよう、必要な措置の実施を求める」と記載がありますけれども、これは臨時の医療施設には自治体又は自治体からの要請で施設の運営を担う医療機関等で、直接雇用されている医師や看護師が必ずいるということが前提になっていると考えてよろしいか、確認したいと思います。
 また、その際、現場のマネジメントを担える知識と経験を持った看護職の配属が必要で、その下で運営が行われるように御対応をいただきたいと思います。
 それから、これはこれまでも申し上げてきましたし、記載もしていただいていますが、派遣される看護師には適切な労務管理や事前研修等が行われることが必要です。施行通知にもそういったことは記載されていますが、特に宿泊療養施設から臨時の医療施設に切り替える場合などは、きちんとした事前研修が特に求められていると考えます。派遣される看護職が適切かつ安全に業務に携われるよう、今後とも実績、労務管理、事前研修等に問題が生じていないかを、把握していただきたいと思います。そして、把握していただくと同時に、派遣実績等、活用状況についてもこの医療部会で御報告いただきたいと思います。
 最後ですけれども、看護職の確保は医療政策の一環であり、看護職の労働者派遣の問題については、本来、この医療部会での議論を踏まえて、労働政策審議会で検討すべき内容だと考えます。労政審でもそのような御意見があったと聞いています。今後適切な審議の進め方をお願いしたいと考えます。
 以上です。ありがとうございました。
○永井部会長 ありがとうございます。
 では、加納委員、お願いします。
○加納委員 ありがとうございます。2ページ目のところに沖縄県の例として医療従事者628名が制限になったということでありますが、今はオミクロンにより、我々大阪においても、また我が施設においても毎日オミクロン患者になった職員が出てきております。やはりその中で現場を維持するためには、今回は臨時の医療施設ということになっておりますが、こういう緊急事態ですので、臨時ではなくて我々の現状の動いている一般医療機関でもこのような緊急事態としての措置は取ってもらえないのでしょうか。先ほど井伊委員がおっしゃった条件は全て、我々はもう既にある体制だと認識しております。ただし、本当にコロナの患者さんを診ていきながらそういう状況になっているということを考えますと、臨時の施設でいけるのなら、我々の施設にも、緊急事態としてこういう時期に限ってで結構ですので、取りあえず認めていただくということは可能なのでしょうか。そこの点をお聞きしちと思っております。
○永井部会長 いかがでしょうか。
○看護職員確保対策官 まず、井伊委員からの直接雇用の方ということですけれども、これはここに書いてございますとおり、直接雇用の方がいて、その方との十分な意思疎通ということを求めるということでございます。
 それから、加納委員からいただいた件ですけれども、この点については、そもそも今、医療機関で労働者派遣を禁止しているということがございますが、これについては、看護師等の医療従事者について労働者派遣事業を行うことは、医療提供を行うチームの構成員同士の能力把握や意思疎通が十分になされず、その結果、患者に提供される医療に支障が生じかねないおそれがある。こういうチーム医療の確保等の観点から、労働者派遣事業を行うことは禁止とされてございます。こうした考え方等を勘案して考えたときに、今般の労働者派遣の特例は、新型コロナウイルス感染症の発生時に、都道府県において病床等が不足し、医療提供に支障が生ずると認める場合に臨時的に設置される臨時の医療施設において、時限的に認める特例措置としたところでございますので、通常の医療機関についてまで、今般のような労働者派遣の特例を設けることはなかなか難しいというか、そういう整理はなかなか行いにくいと考えてございます。
 以上です。
○永井部会長 加納委員。
○加納委員 今まで何とか我々はしのいできたと思うのですが、オミクロンに関しては本当に感染の大が非常に大きく今までと違った状況になっているかと思います。そういう意味では、臨時の医療施設と共々、この際は考えるべき時期ではないかなと私は認識しているのですが、そういうことは今の段階では考えられないという返事ですよね。そういう認識でいいのでしょうか。
○看護職員確保対策官 そうです。今のところは通常の医療機関についてはこれまでどおりの対応で、今回は臨時の医療施設ということで、その臨時の医療施設の性質ですとかを含めて、こういうふうにさせていただいたというものでございます。
 通常の医療機関における看護師等の確保については、本当に御尽力いただいているところでございますけれども、例えば、令和3年度補正予算で都道府県看護協会等が応援看護師を在籍型出向させる医療機関と応援を受け入れる病床等の双方の事情やニーズに沿った応援シフトの調整を集約的に実施できるようにするための経費なども計上してございますので、こうした支援なども御活用いただいて、応援派遣ですとか、ナースセンター、民間職業紹介等を通じて確保をお願いしたいと考えてございます。
○加納委員 常勤で雇ってしまうと、これはこれで、我々は雇用として大事なことで守っていかなければいけないわけなのですね。それが派遣という形であれば臨時でいけるのではないかなという認識でのお願いなのですけれども、そこも理解してもらえないということですよね。
○看護職員確保対策官 現状では、申し上げたとおり、これまでの労働者派遣と医療業務との関係もございますし、これも踏まえながら、今回の整理とさせていただいたということでございます。
○永井部会長 小林参考人、お願いします。
○小林参考人 たびたびありがとうございます。緊急的な措置としてこの間、繰り返されてきておりますけれども、看護師をはじめ医療人材の確保は、従前からの医療提供体制にとって大きな課題と認識しておりますので、安易に派遣を繰り返すというよりも、人材確保に係る施策をぜひ強力に講じていっていただきたく思います。
 意見のみです。ありがとうございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 都竹委員、お願いします。
○都竹委員 ありがとうございます。この件、全国知事会からの要望があったわけですが、全国の市においてもやはり同じ問題意識を持っておりまして、今回こうして御対応いただけたことには感謝申し上げたいと思っております。また、状況も変化いたしますし、今後とも柔軟に御対応いただけると大変ありがたいと思っておりますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
 それから、看護師の派遣の問題というのは僻地について今年度4月から解禁されておるわけですが、元々は、平時において比較的余裕がある大規模病院から僻地病院、あるいは地域の病院に対して看護師を融通していただくときに使うということを想定して要望されていたのではないかと理解しております。そうしたことを考えますと、籍を病院に置いて、緊急時に民間医療機関同士でのやり取りするといったことも十分考えられるのではないかと思います。それはきちんと籍を置いた上での緊急時、あるいは厳しい状況に置かれた地域への融通ということになりますので、そうした点を前提にしての御議論をぜひお願いをしていきたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 それでは、最後に、令和4年度予算案・税制改正について、説明をお願いします。
○総務課長 資料4を御覧ください。毎年度この季節におきまして予算と税制の説明をさせていただいておりますので、簡単に報告をさせていただきます。
 資料をめくっていただきまして、医政局の令和4年度予算案の概要ということでございます。予算案といたしまして、2,083.1億円を計上しております。四角の括弧、2,716.1億円というものは、左下のほうに小さい字で書いてございますが、令和3年度補正予算での前倒し分を含んだ金額、それから、丸い括弧、2,239.5億円というのが令和3年度、今年度の当初予算の額でございますので、御参照ください。通常、概算要求の時点で一定の金額を要求しまして、そのうち秋に補正があるとそちらのほうに回して、また、その補正予算は翌年度も引き続いて使うというような措置も講じながら、全体的に補正予算と当初予算で予算組みをしているということでございます。
 その資料におきまして簡単に申し上げます。左側、地域医療構想の実現に向けた取組の推進ですとか、医師の偏在対策、あるいは働き方改革というのが3本の柱とされておりますけれども、それぞれ757億円、10.8億円、118.3億円という計上になってございます。
 その他、医療計画等に基づく医療体制の推進、左下にございますが、544.9億円。コロナ関係の対応といたしましては、医政局分として当初予算では22.5億円でございます。ただ、先ほど申し上げましたように補正予算で必要なものは積んでございます、589.0億円というふうになってございます。
 右側に参りまして、医薬品・医療機器等の国際競争力の強化等でございますが、創薬力ですとか医療機器の創出力への転換ということで12.5億円。その他、医療分野の研究開発の促進が345.6億円。国際展開の推進で23.3億円。その次に、データヘルス計画では12億円強ということ、その他各種施策で死因究明等の推進ですとか、国立ハンセン病療養所における良好な療養環境の整備等々で医政局の予算を構築してございます。
 2ページ以降がそれぞれの説明になりますが、これにつきましては説明は省略をさせていただきます。
 ただ、ずっと行きまして29ページ、一番最後のほうになりますが、補正予算で、これは当初予算でございませんけれども、看護職員の収入の引き上げが215億円強講じられているということは御報告しておきたいと思います。一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に収入の1%程度、月額4,000円引き上げるための措置を2月から9月まで実施する予算を補正予算で計上してございました。10月分以降につきましては、診療報酬で収入を3%程度引き上げるための措置を講じるということでございます。
 続きまして、税制改正でございますが、30ページを御確認ください。医政局の税制改正事項、今回は2点でございます。1つ目は、地域医療構想の実現に向けました税制上の優遇措置、不動産取得税でございます。昨年は地域医療構想の実現に向けた優遇措置といたしまして国税、登録免許税についての優遇措置を講じました。残った地方税につきまして、今回は不動産取得税についての措置でございます。医療機関の開設者が認定再編計画に基づく再編に伴い取得した一定の不動産に係る不動産取得税を軽減する特例、令和6年3月31日まで講ずるということでございます。
 それから、次の社会保険診療報酬における事業税非課税措置の存続及び医療法人の社会保険診療報酬以外の部分に係る事業税の軽減措置の存続につきましては、これは例年同様、長期検討としつつ、存続ということで決着をしてございます。
 予算、税制につきましては、以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 では、質問をお受けしたいと思います。いかがでしょうか。
 島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 特に個別の予算の質問ということではなく、先ほど聞くべきだったことかもしれないのですが、今までのお話を聞いていると、2022年度それから2023年度は、いろいろやるべきことが目白押しですね。厚生労働省も大変なのでしょうけれども、自治体とりわけ都道府県が適切に対応できるのだろうかということを非常に危惧します。都道府県だけでなく市町村もということかもしれませんが、というのは、今お話を聞いただけでも、地域医療構想は、2022年度および2023年度に集中的に検討をしていくことが必要ですし、地域医療計画自体も次の第8次計画に向けていろいろ議論をしてかなければいけない。当然、都道府県もそれにコミットしていかなければなりません。また、外来機能報告も来年度から始まりますし、それの表裏の関係にある、かかりつけ医機能のあり方の議論も進めていかなければいけない。それから、先ほどどなたかがおっしゃいましたが、そもそも各制度について理解するのがなかなか難しいというのもそのとおりだと思います。そして同時に、それらの改革について国民に対する丁寧な説明を欠くと、結局のところ分からないままに強制的にやらされているという感じが出てきてしまっていることが危惧されます。
 申し上げたいことは、そういう改革事項が目白押しになっているというのは、人口構造の変容をはじめ社会・経済構造が大きく変化していく中で当然だという面はあるのですけれども、その一方で、いろいろ改革の進め方の手順であるとか、各制度改革の相互の関係を整理していかないと、うまくいかないのではないかということです。その辺りについての基本的な認識、それから都道府県に対する協力要請などについて、どのようにお考えになっているのか、御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○永井部会長 事務局、いかがでしょうか。
○総務課長 本当におっしゃるとおりでございます。2024年というところに一つ大きい医療計画が始まるということもありますし、働き方改革の上限規制の施行がありますし、医療・介護の報酬の同時改定もあると思いますし、そういったところに向けていろいろなものを動かしていく必要がある。それぞれは人口構造の変化ですとか疾病構造の変化ということなので、不可避的に改革をしていかなければならないことではあると考えます。さて、それをどうやって進めるかという点につきまして、今現在、コロナ禍ということもありますので、医療現場及び自治体、国もでございますけれども、相当に疲弊をしておりまして、どうやって進めていくのかはおっしゃるとおり非常に大きな課題だと思います。
 現時点では、やらなければならないというのは、率直に申し上げましたようにニーズベースとしてあって、かつ法制度としましても期限までに取り組まなければならないことが一定程度決められていることを踏まえまして、進めていかないといけないとは思います。
 その上で優先順位をしっかりとつけるですとか、現場とそごがないような形で進めるということなので、今、思いましたのは、やはり都道府県、それから医療機関とよくコミュニケーションを取りまして、やり方を考えていくということに尽きるように思います。それが基本スタンスということではないかもしれませんけれども、今、感じたところでございます。
○島崎委員 一言だけ余計なことを申し上げると、新経済・財政再生計画改革工程表を見ておりますと、KPIとして地域医療調整会議を何回開催したかということが掲げられているのですけれども、開催回数は本質ではありませんし、そういう形式的なことに振り回されますと、とにかく会議だけ回せばよいといった本末転倒なことが起こりがちだと思います。
 それから、先ほど言い忘れたのですけれども、特に医師等の働き方改革への対応は非常に重要かつ深刻です。個別の対策への影響という観点で見ても、例えば産科の対応は、まさに医療の質、アクセス、コストのトリレンマの問題が象徴的に起きてくる問題だと思います。そういうことも含めて丁寧にいろいろ対応していかなければなりません。ぜひその辺を含め、いま総務課長が言われたように、自治体や医療機関側との丁寧な対話というか、意思疎通を欠かさずに進めていただきたいと思っております。以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 特に御意見なければ、本日はこれまでとさせていただきます。事務局から連絡事項等をお願いいたします。
 失礼いたしました。相澤委員、お願いいたします。
○相澤委員 一言だけお話をしたいのですが、今、病院の皆さん方は将来が全く見えないという中で、いきなり今年はあれやれ、来年はここまでやれということで、やらされ残業に追われているという現状なのです。その中でぽっと考えたときに、一体自分たちは将来何を、どこで、どうやっているのかという姿が見えないのですね。そうすると大変不安に陥るとともに、目の前のことだけともかくこなせばいいというところに追われてしまっているのです。これは恐らく医療機関がそうだということは厚生労働省もそうじゃないかと私は思っていまして、そしてまた、それに連動して様々な動きをする市町村、あるいは都道府県も僕は同じではないかと思うのです。これを続けていくと、医療機関も厚生労働省も国民も疲弊をしてしまって、一向に幸せにならない。
 先ほど島崎委員がおっしゃられたように、ある数値目標だけ決めて、その数値目標を超えることだけが意味あることになって、それが目標になってしまっているのですね。僕はこれは本当にゆゆしき事態だと思っていまして、やはりそれをもう一回建て直さないと。いろいろなことをやってくださるのはうれしいのですが、散発的で、正直言ってまとまりがないという感じもするのですね。ぜひその辺は一度真剣に体制を整えて、本当に信頼の中で、国民と医療者と都道府県と市町村が国民のための医療をしっかりと構築していくということをもう一度やりたいなと思っていますので、どうかよろしくお願いをしたいということを申し上げたいと思います。
○永井部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 では、本日はこれまでとさせていただき、事務局から連絡事項をお願いします。
○総務課長 毎回の御報告でございますが、本日は、一般傍聴の制限をしてございますので、議事録につきましては、可能な限り速やかに公表できるよう、事務局として校正作業を進めてまいります。委員の皆様方におかれましても、御多忙中とは存じますけれども、御協力をいただきますようお願い申し上げます。
 次回の医療部会の詳細につきましては、決まり次第、改めて御連絡させていただきます。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございました。
 それでは、本日はこれで終了いたします。
 お忙しいところ、ありがとうございました。

(了)

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