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2021年11月29日 第83回社会保障審議会医療部会

医政局総務課

○日時

令和3年11月29日(月)15:00~16:30

 

○場所   AP新橋 3階 Aルーム


○議事

○医療政策企画官 ただいまから第83回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催とし、傍聴は報道関係者のみとさせていただいております。会議中、御発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、部会長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、御発言をお願いいたします。御発言終了後は再度マイクをミュートにしてくださいますようお願いいたします。また、議題に対して御賛同いただく際には「反応」をクリックした上で「賛成(親指アップ)」ボタンをクリック、またはカメラに向かってうなずいていただくことで、いわゆる異議なしの旨を確認させていただきます。
 まず、本日の委員の出欠状況について申し上げます。本日は、平井委員、松原委員から御欠席との御連絡をいただいております。
 医療部会の総委員数が24名で、定足数は3分の1の8名となっております。本日は22名の委員の皆様が御出席となりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 次に、議事に入ります前に資料等の確認をさせていただきます。事前に、議事次第、委員名簿、座席表のほか、資料1-1、1-2及び参考資料1-1から1-4を送付させていただいておりますので、お手元に御準備いただければと思います。
 では、カメラの方はここまでとさせていただきたいと思います。
 以降の進行は永井部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○永井部会長 それでは、議事に入りますが、その前に、欠席の平井委員の代理として玉川参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 では、議題に入ります。
 令和4年度診療報酬改定の基本方針について、事務局より説明をお願いいたします。
○医療介護連携政策課長 保険局医療介護連携政策課長でございます。
 診療報酬改定の基本方針につきまして御説明さしあげます。資料は資料1-1「令和4年度診療報酬改定の基本方針(骨子案の概要)」とされております横置きの紙と資料1-2「令和4年度診療報酬改定の基本方針(骨子案)」とされている資料がございます。資料1-1、骨子案の概要という横置きの資料は、今から御説明申し上げます資料1-2、基本方針骨子案のタイトルですとかそういった部分を機械的に抜き出した資料となってございますので、ここでは資料1-2、骨子案に沿って御説明をさしあげます。
 診療報酬改定の基本方針につきましては、これまで9月22日、10月4日にそれぞれ医療保険部会、医療部会において改定の基本認識について、それから10月22日、11月2日に医療保険部会、医療部会において改定の視点、基本的方向性等について御議論をいただいてまいりました。本日ここに骨子案をお出しさせていただいてございまして、12月1日水曜日にも医療保険部会において同じ資料で御議論いただくことを想定しているものでございます。
 それでは、資料1-2に沿って御説明申し上げます。
 骨子案と書いてございますが、これまで横置きの資料でお出ししてきたものに加えまして、これまでの医療部会、医療保険部会での御議論、それから6月に閣議決定された骨太方針、あるいは11月の経済対策、こうしたこれまでに決まっている政府の方針を敷衍する形で骨子案を策定してございます。
 1ページ、1番は改定に当たっての基本認識でございます。基本認識につきましては、これまでもほぼこの文章編と同じ内容をお出しして御議論をいただいてまいりました。大きく4つの基本認識ということで、1つ目の認識、新興感染症等にも対応できる医療提供体制の構築など医療を取り巻く課題への対応ということで、1つ目の○でございますが、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、地域医療の様々な課題が浮き彫りとなり、地域における医療機能の分化・強化、連携等の重要性が改めて認識をされたということ。
 2つ目の○でございますが、足下の新型コロナウイルス感染症対応に引き続き全力を注いでいくこと、それから、新興感染症等が発生した際に、病院間など医療機関間の役割分担や連携など、平時と緊急時で医療提供体制を迅速かつ柔軟に切り替えるなど円滑かつ効果的に対応できるような体制を確保していくこと。こうしたことを御議論いただいてまいりました。ここのところは特に表現を変えてございません。
 2つ目の基本認識、健康寿命の延伸、人生100年時代に向けた「全世代型社会保障」の実現ということで、2つ目の○でございますが、全世代型社会保障を構築していくことが急務の課題ということで、このような考え方の下、これまで数次の診療報酬改定を行ってきたところであり、このような視点は今回も引き継がれるべきものであるとしてございます。ここも特に変更を加えてございません。
 3つ目の基本認識、患者・国民に身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現ということでございます。
 2ページにお進みいただきまして、上から2行目、患者にとって身近で分かりやすい医療を実現していくですとか、2ページの1つ目の○のところ、医師等の働き方改革等を通じまして、医師等が高い専門性を発揮できる環境の整備を加速させること。2つ目の○のところで、医療分野におけるICTの利活用をより一層進めることですとか、3つ目の○のところにおいて、革新的医薬品を含めたあらゆる医薬品を国民に安定的に供給し続けることなどを記載してございます。ここも特に変更は加えてございません。
 2ページの真ん中より下の辺りで4つ目の基本認識、社会保障制度の安定性、持続可能性の確保、経済・財政との調和というところでございます。
 2つ目の○の下から2行目のところで、医療資源の効率的・重点的な配分としてございます。これまで医療資源の効率的な配分としてございましたが、医療資源の重点配分、こうした視点を盛り込むべきであるといった御意見を頂戴しておりますので、ここに医療資源の効率的・重点的な配分としてございます。
 2ページの下から改定の基本的視点と具体的方向性でございます。
 2ページの下から3ページにかけての○のところでは、これまでの改定の経過を記載してございます。
 3ページにお進みいただきまして1つ目の○、令和4年度診療報酬改定に当たってはというところで、ここまではお出ししておるところでございましたが、後段、その際というところでございます。補助金等の予算措置を含めた新興感染症への対応の全体的な視点の中で、診療行為に対する対価である診療報酬の在り方を考えていくことが必要であるとしてございます。
 これは診療報酬改定の基本方針の議論の中ではございましたが、これまで特にコロナ対応の中で補助金等、様々な別の施策もある中で、そのトータルの視点で考えていくべきである、あるいはその役割分担を考えていくべきである、そうした御意見を頂戴いたしました。診療報酬改定の基本方針という性格の中で、診療行為に対する対価である報酬の在り方を考えていく。ただし、その中で補助金等の予算措置を含めた全体的な視点の中で考えていく。そうしたことを記載してございます。
 3ページの真ん中辺りから、1つ目の基本的視点、新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築。重点課題としてございます。
 基本的視点の2つ目の○のところを御覧いただきますと、新型コロナウイルス感染症患者への対応につきまして、医療部会の場でも様々な御意見を頂戴いたしました。そのことを踏まえまして、重症者に対応する医療機関、中等症患者に対応する医療機関、回復後の患者に対応する後方支援医療機関、発熱患者等に対応する診療・検査医療機関、新型コロナウイルス感染症患者以外の患者も含め救急医療その他の通常医療に対応する医療機関、こうした形で様々な医療機関が役割に応じて対応していただいたということを明記するとともに、地域医療を守るため、そうした役割を果たしていただいたということを記載してございます。
 それから、その後の文章では、かかりつけ医機能を担う医療機関を中心とした外来医療や在宅医療を含めということで、これも先般の医療部会でいただいた御指摘を踏まえて若干文言の整理を行ってございます。
 その次、3ページの下から2つ目の○でございますが、この部分では、2行目辺りから、今後の新興感染症等の感染拡大時にも機動的な対応を講じられるよう、医療法の改正により都道府県が策定する医療計画の記載事項に新興感染症等の感染拡大時における医療が追加されたという事実関係を追記してございます。
 4ページにお進みいただきまして、1つ目の○でございます。同時にから始まるところでございますが、地域包括ケアシステムという言葉、これまでもお出しした資料の中で書いてございましたが、その重要性等について記述が薄いのではないか。そういった趣旨の御指摘を頂戴いたしました。住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムを構築することは引き続き重要な課題であり、そのために、質の高い在宅医療・訪問看護を確保するとともに、医療機関間・医療介護間等の連携の取組を推進することが重要であるとしてございます。
 その次の○におきましては、先ほど医療計画の必要的記載事項の話がございました。それに対応する形で感染拡大時の短期的な医療需要には、各都道府県の「医療計画」に基づき機動的に対応することを前提にという言葉を補ってございます。
 4ページの真ん中から具体的方向性の例ということでございます。ここの部分につきましては、基本的に○で書いてございます項目ベースでこれまでお出ししてございましたが、ここのポツのところで、これまでの議論等を踏まえまして、言葉を新たに書き足しているということでございます。
 1つ目の○、新型コロナウイルス感染症への対応のところでございますが、新型コロナウイルス感染症患者の診療について実態に応じた評価を行いつつ、外来、入院、在宅における必要な診療体制を確保としてございます。
 2つ目の○、新興感染症等に対応できる医療提供体制の構築でございますが、1つ目のポツにおきまして、平時からの感染症対策に係る取組が広く実施されるよう、個々の医療機関等における感染防止対策の取組や地域の医療機関等が連携して実施する感染症対策の取組をさらに推進。その次のポツでございますが、今般の新型コロナウイルス感染拡大時における経験を踏まえ、主に重症患者等を受入れる急性期病棟等について、平時からの体制・機能強化を推進としてございます。
 3つ目の○、医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価でございます。前段の部分はこれまでの資料でもお出ししておるところでございますが、医療機能や患者の状態、地域における役割分担に応じた評価を行い、医療機能の分化・強化、連携を推進としてございます。ここの2行目に効率的・効果的にという言葉がございますが、文章の中で効率的・効果的あるいは効果的・効率的と、やや平仄が取れていない部分がございましたので、改定の基本方針の中では効率的・効果的という順番で統一してございます。
 後段、その際、質の高い効率的・効果的な医療提供体制の構築という観点からも、さらなる包括払いの在り方を検討としてございます。これは6月の骨太方針の表現を踏まえたものでございます。
 4ページの一番下の○、外来医療の機能分化等ということでございまして、ここにつきましては、前回からお出ししているところでございますが、受診時定額負担制度の見直しを含め、外来機能の明確化・連携を推進とした上で、5ページにお進みいただきますと、一番上のポツでございますが、外来医療から在宅医療への円滑な移行に当たって必要となる連携を推進ということを加えてございます。
 5ページの1つ目の○、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の機能の評価ということで、最初の2つのポツがかかりつけ医機能の評価に係るものでございますが、複数の慢性疾患を有する患者に対し、総合的・継続的な診療を行うとともに、療養上の指導、服薬管理、健康管理等の対応を実施するなどかかりつけ医機能を評価。また、かかりつけ医機能を担う医療機関が地域の医療機関と連携して実施する在宅医療の取組を推進としてございます。
 その次のポツがかかりつけ歯科医機能の評価に係るものでございます。口腔疾患の重症化予防や口腔機能の維持・向上のため、継続的な口腔管理・指導が行われるよう、かかりつけ歯科医の機能を評価。
 その次のポツがかかりつけ薬剤師に係るものでございます。患者に対する薬物療法の有効性・安全性を確保するため、服薬情報の一元的・継続的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導が行われるよう、かかりつけ薬剤師・薬局の機能の評価を推進。その際、薬剤調製など対物業務を適切かつ効率的に実施することを前提に、薬学的管理など対人業務の実施を拡充するための所要の重点化と適正化を行うとしてございます。
 その次、真ん中の○が質の高い在宅医療・訪問看護の確保でございます。
 1つ目のポツのところでございますが、中長期的に在宅医療の需要が大幅に増大することが見込まれる。そうした中で、在宅医療を担う医療機関と市町村・医師会との連携、医療・介護の切れ目のない、地域の実情に応じた提供体制の構築等を推進し、効率的・効果的で質の高い訪問診療、訪問看護、歯科訪問診療、訪問薬剤管理指導等の提供体制を確保としてございます。
 その次のポツは、先ほど申し上げたものの再掲でございます。
 その下の○は地域包括ケアシステムの推進のための取組ということでございまして、関係機関との連携も含め、地域包括ケアシステムの推進のための医師、歯科医師、薬剤師、看護師、管理栄養士等による多職種連携・協働の取組等を推進としてございます。
 以上が基本的視点の1つ目でございます。
 続きまして、基本的視点の2つ目でございます。安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進。こちらも重点課題としてございます。
 5ページの下から6ページにかけて、この基本的視点の記述はこれまでお出ししたものから特段変えてございません。6ページの頭にございますとおり、2024年、令和6年4月から医師について時間外労働の上限規制が適用される予定ということでございます。
 6ページの3つ目の○でございますが、こうした準備期間を考慮すると、実質的に最後の改定機会であることも踏まえ、実効性ある取組について検討する必要がある。そうした基本的認識の下、具体的方向性の例が6ページの真ん中からございます。
 1つ目の○のところで、労務管理、労働環境の改善のためのマネジメントシステムのほか、これまでタスク・シェアリング/タスク・シフティングということをもちろんお出ししてございましたが、そこに修飾語として、各職種がそれぞれの高い専門性を十分に発揮するためのといった言葉を加えてございます。
 それから、具体的方向性の例の3つ目の○のところでございます。令和3年11月に閣議決定された経済対策を踏まえまして、看護の現場で働く方々の収入の引上げ等に係る必要な対応について検討するとともに、負担軽減に資する取組を推進としてございます。
 このほか、業務の効率化に資するICTの利活用の推進等について記載をしてございます。
 6ページの下から3つ目の基本的視点、患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現ということでございます。
 7ページにお進みいただきまして、具体的方向性の例というところでございます。1つ目の○のところでは、ポツの1つ目、医療機関間の連携の強化に資する取組、治療と仕事の両立に資する取組等を推進ですとか、2つ目のポツで、臨床上必要性が高い医薬品の安定供給。3つ目のポツで、革新的な医薬品、医療機器、検査等における先進的な医療技術の適切な評価ですとか、4つ目のポツのところ、これは生活習慣病の重症化予防等につきまして、この後に出てくる効率化、適正化の4つ目の視点のところに記載をしてございましたが、これまでの議論の中で視点の3つ目にも記載すべきだと御指摘を頂戴しておりましたので、ここに生活習慣病の増加等に対応する効率的・効果的な重症化予防、口腔疾患の重症化予防や口腔機能の維持向上のために取組を推進としてございます。
 その次の○では、ICTの利活用・デジタル化への対応。
 その次の○で、アウトカムにも着目した評価。
 その次の○では、その他ということで、不妊治療、がん医療、認知症、精神医療、難病患者、小児医療、周産期医療、救急医療、こうしたことについて記載をしてございます。
 8ページにお進みいただきます。歯科医療の推進の関係でございますが、1つ目のポツのところは先ほど御説明したことの再掲でございます。2つ目、3つ目のポツのところに歯科診療所と病院歯科の機能分化・連携を強化、歯科固有の技術等の適切な評価といったことを記載してございます。
 その次の○が、薬局・薬剤師の関係でございますが、1つ目のポツは先ほどの再掲、2つ目のポツで病棟薬剤師業務を適切に評価としてございます。
 8ページの真ん中辺りから4つ目の基本的視点、効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上でございます。
 基本的視点の1つ目の○では、医療資源を効率的・重点的に配分するという観点も含めということで、冒頭の基本認識のところでも御説明申し上げました、医療資源を効率的・重点的に配分する、そうした言葉をこちらにも記載してございます。
 8ページの下から具体的方向性の例、後発医薬品やバイオ後続品の使用促進のところにつきましては、これまでも審議の中で様々御指摘いただきました安定供給の確保の状況、こうしたことを踏まえることを大前提としつつ、後発医薬品の数量シェアの目標についての記載を追記してございます。
 9ページにお進みいただきまして、市場実勢価格を踏まえた適正な評価のところにおきましては、1つ目のポツの後段、その際という後に、長期収載品等の医薬品について評価の適正化を行う観点から薬価算定基準の見直しを透明性・予見性の確保にも留意しつつ図るといった言葉を追記してございます。
 その次の○とその次の○、入院医療、外来医療につきましては、先ほどの再掲、それから、重症化予防の取組の推進につきましては、先ほど視点3のほうにも記載したと申し上げたものをここに記載してございます。
 その次の○でございます。医師・病棟薬剤師と薬局薬剤師の協働の取組による医薬品の適正使用等の推進ということでございまして、これまでも少しこのポツに相当する記述は書いてございましたが、新たに加筆したところとして、一定期間内に処方箋を反復利用できる方策の検討ですとか、OTC類似医薬品等の既収載の医薬品の保険給付範囲の見直しなど、薬剤給付の適正化の観点からさらなる対応を検討といった言葉を追記してございます。いずれも、6月に閣議決定された骨太の方針に記載されている内容を踏まえたものでございます。
 最後の○で、効率性等に応じた薬局の評価の推進ということで、敷地内薬局等々について、この場でも御議論がございました。2つ目のポツでございますが、薬局の収益状況、経営の効率性等も踏まえつつ、薬局の評価の適正化等を推進としてございます。
 9ページの下から3として将来を見据えた課題という新たな章を起こしてございます。これはこれまでの改定の基本方針におきましても、こうした形で将来を見据えた課題というところで、これまで御議論いただいた内容の中から幾つか大きな視点のものも含めまして記載をさせていただいているところでございます。
 1つ目の○は、10ページにかけてでございますが、地域包括ケアシステムの構築はもちろん、地域に生きる一人一人が尊重され、その可能性が最大に発揮できる、地域共生社会の実現に資する取組が求められているということ。
 2つ目の○でございますが、診療報酬のみならず、医療法、医療保険各法等の制度的枠組みや補助金等の予算措置など、総合的な政策の構築が不可欠であるということ。
 それから、その次の最後の○でございますが、患者自身が納得して医療を受けられるよう、患者にとって身近で分かりやすい医療を実現していくとともに、国民の制度に対する納得感を高めるため、診療報酬制度を分かりやすくするための取組を継続していくこと。また、国民に対して医療制度に関する丁寧な説明を行っていくことが求められること、そうしたことを記載してございます。
 駆け足でございますが、説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明に御質問、御意見がおありの方は手を挙げるボタンを。
 遠藤委員からどうぞ。
○遠藤(直)委員 ありがとうございます。令和4年度の診療報酬改定の基本方針については、異論はございません。その上で、地域を預かる町村長として意見を申し上げたいと思います。
 従来からこの医療部会においても申し上げてまいりましたが、中山間地域や離島等の条件不利地域においては医師不足が深刻化しているため、医師の偏在対策を重点的に講じていただきたい。また、医師の働き方改革の推進が重要である一方、大学病院等からの医師派遣が難しくなり、地域の医師が引き揚げられてしまうなど、地域医療に大きな影響が生じることが懸念されるため、地域医療の実態を踏まえた慎重な対応をお願いしたい。
 以上であります。
○永井部会長 ありがとうございます。
 河本委員、どうぞ。
○河本委員 ありがとうございます。まず、これまで申し上げてきた意見を踏まえて、医療資源を効率的・重点的に配分するという方向性は2ページ目とか8ページ目ですね。それから、補助金とか診療報酬の位置づけ、こういったことについても記載をしていただいております。感謝申し上げたいと思います。
 その上で、4点意見を申し上げたいと思います。まず、5ページ目のかかりつけ医機能の評価のところでございますけれども、患者目線で見て納得感のある評価とすることが重要であると考えております。1つ目の黒ポツのところで、2行目の療養上の指導、服薬管理、健康管理等の対応を実施するなどの次に、患者のニーズを踏まえたという文言を加えていただいて、患者のニーズを踏まえたかかりつけ医機能を評価というふうにしていただければと考えております。また、オンライン診療については、7ページの記載におおむね異論はございませんけれども、推進のためにはかかりつけ医による実施に期待がかかるということになると考えております。
 次に、9ページの一定期間内に処方箋を反復できる方策の検討というところでございますけれども、これは患者の通院負担の軽減につながる仕組みとなるように具体的な御検討をお願いしたいと思います。
 同じく9ページのOTC類似医薬品の保険給付範囲の見直しでございますけれども、医療資源の重点配分の観点から、これまで私ども健保連が検討を求めてきた課題でございます。取り上げていただいたことに感謝を申し上げます。私どもが主張している湿布など市販品で代替可能な医薬品の処方上限の設定、こういったことも含めて具体的な検討の準備をしていただきたいと思います。
 それから、最後、ちょっと戻りますけれども、5ページ目の(2)安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進というところでございます。この重要性はよく理解をしております。その上で、診療報酬上の対応については、逼迫する保険財政を踏まえて御検討いただきたいと思います。診療報酬は医療機関に支払うもので、働く方に直接支払う仕組みになっていないということでございますので、6ページ目の具体的方向性の例の3番目の○です。看護の現場で働く方々の収入の引上げ等に係る必要な対応についてというところでございますけれども、この文言については必要かつ実効性のある対応というふうに修文していただければと思います。
 また、必要かつ実効性のある対応について検討し、その効果を検証するということも加えていただければ、必要かつ実効性のある対応について検討し、その効果を検証するというふうに修文していただければと思います。私からは以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございました。
 続いて、山口委員、お願いします。
○山口委員 ありがとうございます。山口でございます。
 全体の方向性としては異論はございません。その上で2つだけ、まず5ページの薬剤師のところですけれども、かかりつけ薬剤師・薬局という中で大きな○の4つ目のポツの患者に対する薬物療法の有効性・安全性を確保するため、服薬情報の一元的・継続的な把握とそれに基づく薬学的管理指導と書いてあるのですけれども、先般の薬機法の改正で、患者の服用期間のフォローアップをすることと、そういったことで得られた患者からの情報を医師に情報提供することが義務化されました。これは患者にとってとても大きな変化だと思っておりますし、患者の薬剤師の見方ということが、役割が大いに理解が進むところではないかなと期待しております。
 そういうことからすると、服薬情報の一元的・継続的な把握ではなくて、服薬情報と状況という、情報だけではなくて患者がどんな状況にあるのかというようなこともきちんと一元的・継続的な把握をしていただく必要があるのかなと思いますので、そういった意味が分かるようなものを加えていただくことが大事ではないかというのが1つ目です。
 もう一つは6ページの医師の働き方改革の具体的方向性の例の1つ目の○の2つ目のタスク・シェアリング/タスク・シフティングのところですけれども、これは専ら医療者の間で話題になったり議論されていて、必要性を感じていらっしゃるのは医療者だと思うのですが、私はこれは患者、国民が理解しないと、まだまだ医師への期待の一極集中ということがなかなかシフトされていないと思っております。ですので、タスク・シェアリング/タスク・シフティングを本当に実現しようと思うと、患者、国民がそれを理解するということが欠かせないと思っていますので、発揮するためのタスク・シェアリング/タスク・シフティング、それらの患者、国民の理解というようなことも入れていただければと思います。
 最後に、国民に対して医療制度に関する丁寧な説明を行っていくことが求められる、と全体的なことは書いてあるのですけれども、タスク・シェアとかタスク・シフトについての国民の理解がなかなか発想として今のところはないのが現状だと思いますので、そこはしっかりと盛り込んでいただきたいというのが意見でございます。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 次は、木戸委員、お願いします。
○木戸委員 この骨子案には両部会からの意見が漏れなく盛り込まれて、分かりやすく大変充実した内容と思います。その上で、勤務医の立場から、2番目の働き方改革の課題についてコメントさせていただきます。資料で言うと5ページ目からになります。
 ここは重点課題の割に、ほかの3つの課題と比べて大分あっさりとした書きぶりになっているのが気になるところです。基本的視点の4つ目にありますように、時間外労働の上限規制の適用が開始される2024年に向けての実質的に最後の改定機会ということを踏まえて、しっかりと備えて医療提供に支障を来さないように効果的な取組を後押しする、重点課題にふさわしい内容であるべきと思います。
 具体的方向性のところを見てみますと、1つ目の○のところでは、医療従事者が高い専門性を発揮できる勤務環境の改善に向けての取組の評価となっていますけれども、前回の改定ではここは医師等の長時間労働などの厳しい勤務環境を改善する取組の評価となっていました。それがこの文に置き換わって、長時間労働の是正という働き方改革で極めて重要なキーワードがなくなってしまったのがとても残念に思います。この春の医療法の改正を受けまして、もちろん引き続き取組を推進する方向で改定がなされることを期待してはおりますが、くれぐれも誤解のないように、できれば長時間労働の是正という言葉は骨子案にどこか残していただくように御検討いただきたいと思います。
 また、2つ目の○のところでは、救急医療体制の確保のことは書いてありますが、やはり働き方改革では、もともと人手が手薄なところ、医師不足の地方ですとか救急、周産期、小児医療など、夜間・休日の時間外で働くところにより深刻な影響が出ることが懸念されています。そうした影響を最小限にとどめるような取組への配慮が期待されます。
 また、3つ目の○のところで看護の現場で働く方々と書いてあり、この文章の後半には負担軽減に資する取組を推進と書いてあります。労働力人口が減っていき、人材確保がますます厳しくなって争奪戦が始まっています。看護職はもちろん、医療に関わる職種全てが負担軽減や処遇改善の対象であるべきです。また、医療界は女性の働き手が非常に多く、女性医師、薬剤師など、かなり女性が多いところです。そもそも働き方改革実行計画では、多様な働き方の選択肢を増やすことで働き手を増やす、それを掲げていました。時短勤務など柔軟な働き方、いろいろありますけれども、そういったことで仕事が続けられる人もいます。人手不足や少子化対策にもつながります。そうした取組を後押しする方向性もぜひ御検討いただきたいと思います。
 私のほうからは以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 今、何人かから御意見いただきましたけれども、事務局からコメントはありますでしょうか。
○医療介護連携政策課長 今いただいた個別のことに一つ一つコメントを申し上げるよりは、今いただいた御指摘を踏まえて、また文章については御相談をさせていただきたいと思っております。ただ、考え方として、診療報酬改定の基本方針であるというこの文章自体の性格もございます。医療政策全般をというよりは診療報酬改定の基本方針という文脈の中でどこまで記述するかということと、それから、改定の基本方針に記載するという意味での物事の粒度。今頂戴している御意見は粒度としては非常に大きな視点の御意見かと存じますが、そうした改定の基本方針の中でどこまで記載できるかということも含めて、今いただいた御指摘を踏まえて検討させていただきたいと思ってございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 では、佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 ありがとうございます。
 基本方針骨子案に書かれている基本認識、基本的視点と具体的方向性については異論がございません。これまで述べてきたことがエッセンスとして反映されているように感じ、お礼を申し上げたいと思います。その上で2点、意見を申し述べたいと思います。
 1点目は、6ページ、安心・安全で質の高い医療の実現のための医師の働き方改革等の推進に係る具体的方向性の例で3つ目の○に、閣議決定された経済対策を踏まえ、看護の現場で働く方々の収入引上げ等に係る必要な対応の検討と、負担軽減に資する取組の推進が掲げられています。この収入引上げ等に係る必要な対応については、現場で働く医療関係者の手元に確実に渡るよう、仕組みづくりをお願いしたいと思います。
 連合が5月に医療・介護現場で働く方に行ったアンケート調査で、「今求めているものは何ですか」との問いに対し、医療現場・介護現場ともに、「命を預かる働きに見合った報酬・手当が欲しい」が7割を超え、最多回答となりました。現場で働く方々に希望と働きがいをもたらすよう、お願いしたいと思います。
 2点目は1ページの改定に当たっての基本認識のところです。新興感染症等にも対応できる医療提供体制の構築など医療を取り巻く課題への対応の2つ目の○に書かれていますが、引き続き質の高い効率的・効果的な医療提供体制の構築に向けた取組の着実な推進というところです。6月3日開催の第79回医療部会にて、私から、日本全体の医療提供体制の在り方が重要であり、具体的な検討をどう行っていくのかと発言をさせていただきました。そのときの事務局の回答は、全体的な議論は医療部会の場でそのときそのときの議論の中で議論いただきたいとの趣旨の話でした。そのときそのときで議論すること自体は随時必要なことを議論するという趣旨で異論はございませんが、医療部会の場できちんと議論する機会を設けなくてはならないのではないかと考えております。一部分の項目でその都度議論すると、全体的なイメージがつかみづらく、全体的なバランスが取りづらいのではないかと思います。今後の日本の医療提供体制を考える上で、早期からの議論開始は重要であると考えます。ほかにも議論することが多いと思いますが、早期のスタートをお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 続いて、野村委員、お願いします。
○野村委員 よろしくお願いします。野村です。
 今回の基本方針に特に異論はございません。1点だけ、10ページの最後にあります将来を見据えた課題という中の一番最後のところにあります国民の制度に対する納得感というところで、ぜひ若い世代のうちから制度そのものを理解しやすい状況をつくっていただけたらなと思います。特に小児に関しては、やはり窓口負担金もなくて、医療制度というものだったり、診療報酬というものに対しての意識を高めづらい状況にあるのかなと考えられますので、ぜひこの辺りの国民に対して医療制度に関する丁寧な説明というところをより具体的に、診療報酬とどう関係するかというところは私には分かりませんけれども、今後の医療制度の丁寧な説明というところで行っていただけたらありがたいと思います。
 今、新型コロナの状況で、やはり私たち国民も医療の状況を目の当たりにしている中で、上手な医療のかかり方がしたいとか、医療も一緒に守っていかなければならないという意識が非常に高まっている中ではあると思いますので、ぜひその辺りとこのような状況を一緒に絡めて今後も継続して考えていただけたらと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 井伊委員、どうぞ。
○井伊委員 ありがとうございます。日本看護協会の井伊でございます。
 この診療報酬改定の基本指針に、全体として異論はございません。これまで申し上げたことも入れていただいていると思っております。2点確認と意見です。
 まず1点目ですけれども、6ページの上から2つ目の○、「タスク・シェアリング/タスク・シフティングやチーム医療の推進等、医療従事者の高い専門性の発揮…」のところですけれども、私どもはこれまで看護師から看護補助者への業務の移行ですとか、そのときに看護補助者を確保するための推進策、こういったものについても検討してほしいということを申し上げておりましたが、この2つ目の○にそういった看護補助者の確保の推進内容も含むというふうに理解してよろしいかということを1つ確認させていただきたいと思います。
 それから、もう一点です。その下の具体的方向性の例の1つ目の○の3ポツ、「届出・報告の簡素化、人員配置の合理化を推進」とございます。この「人員配置の合理化を推進」ですけれども、ここは「医療従事者が高い専門性を発揮できる勤務環境の改善に向けての取組の評価ということの中の1つです。配置の合理化となると、どうしても人の削減を想起いたします。こういった負担軽減のことなども書かれているところですので、「人員配置の合理化」ではなく、例えば業務の効率化、あるいは業務の合理化の推進というふうに表現を変えていただいたほうが適切なのではないかと思います。御検討いただきたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 1つ質問がありましたが、どうぞ。
○医療介護連携政策課長 医療介護連携政策課長でございます。
 1つ目のところで御質問いただきましたタスク・シェアリング/タスク・シフティングのところでございますが、ここは私、先ほどの説明で修飾語と申し上げました、各職種がそれぞれの高い専門性を十分に発揮するためのという言葉をつけさせていただきました。今、看護師から看護補助者へのというような文脈で御発言いただきましたが、まさに各職種と書いてあることで、そこはそうしたこと、何か職種を限定するという趣旨ではなくて、各職種がそれぞれの高い専門性を十分に発揮できるためのタスク・シェアリング/タスク・シフティングを推進していくということを書いているつもりでございます。
 ただ、これは診療報酬改定の基本方針でございますので、当然その推進する中身については診療報酬改定という文脈で一定の制約というのはかかってこようかと存じますが、趣旨としては、そうしたものを含み得るものだと御理解いただければと思います。
 それから、2点目の人員配置の合理化ということにつきましては、これは実は前回の令和2年度の改定の基本方針にもこうした表現がございまして、念頭に置いていることは、実際の診療報酬の様々な施設基準の中で、常勤配置あるいは専従配置、そうしたことを人員配置の要件として課しておるものを合理的なものに見直していくということを念頭に置いているものでございますが、今いただいた御指摘も踏まえまして、どうした表現がふさわしいかということは検討させていただきたいと思います。
○永井部会長 ありがとうございます。
 井上委員、どうぞ。
○井上委員 ありがとうございます。経団連の井上でございます。
 これまでの指摘事項を反映いただきまして、事務局に感謝申し上げます。その上で何点か申し上げたいと思います。
 まず、1ページ目と2ページ目の基本認識のところでございます。この部会での審議が始まりました9月、10月の時点ではなかったのですけれども、その後、新しい政権の下で強く打ち出されているコンセプトが、「成長と分配の好循環」と「新しい資本主義」でございます。医療費四十数兆円は国民経済的にも成長や分配に大きく関わるものでございます。そういうこともありまして、先週、11月25日の経済財政諮問会議でも厚生労働大臣から「新しい資本主義を支える社会保障政策、雇用政策」につきまして御説明があり、総理からは、メリハリのある診療報酬改定を目指す旨の発言があったところでございます。したがいまして、この改定に当たっての基本認識に、例えば「成長と分配の好循環に資する」でありますとか、「メリハリのある診療報酬改定」といったキーワードを盛り込むべきと考えます。
 2点目、4ページ目の具体的方向性の例の1つ目の新型コロナウイルス感染症患者の診療について、実態に応じた評価を行うと書いてございますけれども、ここに関しましては、これまで申し上げてまいりましたが、これまでの特例的な対応の検証というものが必要だと思いますので、その部分を追加して、「これまでの特例的対応の検証に基づいて実態に応じた評価を行う」という書きぶりにしていただければと思います。
 その下の黒ポツの2つ目でございますけれども、急性期病棟等について、平時からの体制・機能強化を推進するとございますが、ここも一番重要なことは、有事においてそれが機能するということでございますので、「有事においても確実な機能発揮がなされることを前提に」という表現にしていただければどうかと考えます。
 次に、7ページ目の具体的な方向性の2つ目の○です。オンライン診療のところでございますけれども、11月19日に閣議決定された経済対策の中では、「診療報酬上の取扱いを含め、オンライン診療・服薬指導の適切な普及・促進を図る」という文言が含まれております。したがいまして、この「普及・促進」という文言もぜひ追記をしていただきたいと思います。
 資料1-1の概要版にもできれば成長と分配の好循環の視点を踏まえまして、医薬品のイノベーション推進でありますとか、オンライン診療の普及・促進につきまして触れていただきたいと考えております。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 では、神野委員、お願いします。
○神野委員 ありがとうございます。
 私のほうは3点意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 まず、その前に、今回の骨子案、これまで丁寧にいろいろ私どもの意見を聞いていただいて、たくさん反映いただいたことに感謝いたします。
 そして、今回の骨子案と最初の資料の骨子案の概要版と、概要版のほうは骨子案のエッセンスをお出しになっているというふうに理解しますけれども、恐らく多くの方は、まず概要版を見て何が重要かということを御覧になった上で骨子案を見るという順番だと思います。そういった意味で、概要版と骨子案との関係ということで少し意見を述べさせていただきたいと思います。
 3点意見がございます。まず1点目、5ページ目の一番上の辺りから、まさに機能分化のところでありますけれども、例えば外来医療から在宅医療への円滑な移行に当たっての連携を推進。その後、かかりつけ医と医療機関との連携ということがたくさん載っております。そういった意味では、概要版のほうは機能分化とか入院医療の評価とかかかりつけ医機能の評価というふうに載っている、この辺のシームレスに連携するというのを概要版にきちんと連携という言葉を入れたほうがよろしいのではないかなと思いました。
 2番目の視点での6ページであります。まさに閣議決定された看護師さんに対する収入の引上げ、これについて反対するものではございません。それから、閣議で決定されましたので、私どもがここでとやかく言う話ではないのですけれども、先ほど河本委員が、診療報酬は医療機関に払うものであって、個々の職員に払うものではないというふうにおっしゃっております。私も全くそういうものだというふうに理解しておりました。ここの骨子案にお書きになることは閣議で決定されたのでよろしいかと思うのですけれども、概要版のほうに今回、下から2つ目に同じことが書いてございます。収入の引上げということが明記されております。私は、もちろんこれも必要ですけれども、これは骨子案でよろしいわけで、概要版のほうにはタスク・シフトのほうが重要ではないのかなと。もしどちらが重要かということを考えるなら、タスク・シェアリング/タスク・シフティングのほうが重要案件ではないのかなと思いました。
 そして、最後であります。今回の骨子案の一番最後、先ほどからもお話がありましたけれども、患者にとって分かりやすい医療、それから、国民の制度に対する納得感ということが書かれております。これも大賛成でございます。今回の診療報酬改定におきましては、外来受診時定額制等々、今までにもなかったことが議論されているわけであります。この辺りのところが国民がきちんと納得できることをここで使命としてうたっております。基本方針としてうたっておりますので、その辺のことはまたこれから国民に知らせるという、国が国民の納得感を高めるということをきちんとやる責務があるということをここでうたっていることを指摘したいと思います。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 では、安部委員、お願いします。
○安部委員 日本薬剤師会の安部でございます。
 まず、基本方針にこれまでの意見を反映していただいたことについて感謝を申し上げます。その上で、5ページの1つ目の○の5つ目のポチの3行目に、「その際、薬剤調製などの対物業務を、薬学的管理などの対人業務の充実を拡充するために」という記載がございます。こちらにつきましては、薬剤師の行う一連の業務については対物業務と対人業務をクリアに切り分けることはなかなか難しゅうございますので、既に中医協などでの議論でも、この表現は対物中心の業務、対人中心の業務というふうな整理をしてありますので、この基本方針についても修文をしていただきたいと考えております。
 それから、先ほど山口委員から御指摘がありました、我々が行う薬学的管理の中に、改めて薬機法の中に裏付けられた服薬状況のモニタリングでありますとか、それを医師の先生方に情報提供するという役割について、より丁寧にここで表現していただくということについては薬剤師会としても妥当だと思いますので、賛同させていただきたいと思っております。
 それから、確認をさせていただきたいところがあるのですが、先ほどこの資料について、水谷課長のほうから適切に御説明をいただきましたが、その中で、診療報酬の基本方針という性格上致し方ないところがあろうかと思うのですが、表現の中に、例えば3ページの1つ目の○のところ、改定に当たってはというところで、「診療行為に対する対価である診療報酬」という記載がございます。これは当然これでよろしいかと思うのですが、これは、歯科診療報酬の調剤報酬についてもこの基本方針の中で議論してございますし、例えば5ページの2つ目の○の1ポチの2行目では、「医療を担う医療機関と市町村・医師会との連携」と書いてございますが、この議論も多職種全体の中の事例で代表して書いてあるものと理解をしておりますので、読み手の方が、例えば薬局は関係ないということで誤解を受けないような、例えば「等」を入れ込むといった工夫も一定検討いただければと思っております。
 それから、確認事項でありますが、最後の8ページであります。(4)の2つ目の○に医療関係者が共同してという表現がございますが、この共同という文字はこの共同で本当によいのかというところがちょっと疑問になっております。ここに記載している共同なのか、協同なのか、それから協働もよく使われておりますが、それによってここのイメージが随分変わってきてしまいますので、ここは事務局にどういうイメージでどの文字を使うべきかというところについて確認いただければと思っております。
 私からは以上であります。
○永井部会長 今の点はどうでしょうか。
○医療介護連携政策課長 医療介護連携政策課長でございます。
 今いただいた御指摘のうち、キョウドウという言葉につきましては、これは実は令和2年度の診療報酬改定の基本方針におきまして、医療関係者が共同してというところはこの共同が使われております。一方で、今年の改定の基本方針の骨子案におきましても、例えば9ページの真ん中より少し下の○、医師・病棟薬剤師と薬局薬剤師の協働、これはこの協働が使われてございます。実はここの表現も令和2年度改定の基本方針ではこの漢字になっているということでこういった表現を使わせていただいておりますが、今いただいた御指摘も踏まえて、用語の使い方については事務局で整理をさせていただきたいと思います。
 それから、その前に御指摘をいただいた全般の中で、いわゆる厳密な意味で全てのことを網羅的に必ずしも書かれていない、そこが改定の基本方針という文書の性格上致し方ないにしても、例えば薬局なりがそうした文脈の中から排除されていないということ、これは私どもはそういった趣旨で考えてございますので、文章としてそれを明確にするかどうかというのは、改定の基本方針という粒度の中で、その時々でやらせていただいているつもりでございますが、趣旨として申し上げたときに地域の中における関係機関の連携、これは医療機関の中だけではないですし、当然薬局も入ってくるものでございますし、そうしたこと、何か限定する趣旨で書いているものではないということはこの場でも明確にしておきたいと存じます。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 では、島崎委員、お願いします。
○島崎委員 島崎です。基本方針の全体については、異論はありません。結構難しい注文をつけたのですけれども、うまく処理されていると思います。
 その上で質問があります。資料6ページの具体的な方向性の例の3つ目の○の部分です。「経済対策を踏まえ、看護の現場で働く方々の収入の引上げ等に係る必要な対応について検討する」ということですけれども、11月19日に閣議決定された経済対策を読みましたが、幾つかよく分からない点があります。1つ目の質問は、「地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関を対象」というふうに、経済対策上は一応の限定がかかっているのですけれども、「コロナ医療など一定の役割を担う」ということの線引きをどのようにされるのか。現在調整中なのであれば調整中ということで構わないのですけれども、具体的なお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
 2つ目は、対象は看護職員なわけですけれども、経済対策の脚注を見ると、「看護補助者、理学療法士・作業療法士等のコメディカルの処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認める」と書いてあります。これは結局のところ、誰にどういうふうに配分するかは、各病院、医療機関の裁量に委ねられているということなのか、というのが2つ目の質問です。
 3つ目が一番重要な質問なのですけれども、閣議決定された経済対策を読みますと、月額4000円を引き上げる措置を2月から9月まで行って、来年10月以降の更なる対応については、「令和4年度予算編成過程において検討し必要な措置を講ずる」と書かれていますが、その検討状況がどうなっているのか、来年度の予算編成過程といっても残りわずかなわけですけれども、特に来年10月以降は診療報酬改定による対応もあり得るということなのか。もしそうだとしますと、言うまでもないことですが、診療報酬の配分そのものは基本的に各医療機関に委ねられているわけですけれども、それに対し使途について一定の紐づけを行うことになると、診療報酬の基本的な性格・本質をかなり変える話だと思います。したがって、私は慎重に考えるべきだと思うのですけれども、その検討状況を含め、お尋ねした3点について現段階でお答えできることがあればお聞かせいただきたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 いかがでしょうか。
○総務課長 医政局の総務課長でございます。
 3点御質問いただきました。1点目でございますが、地域でコロナ医療など一定の役割を果たす医療機関というのが11月19日の閣議決定の、いわば看護職員の収入引上げに対する対象でございます。これにつきましては、26日に補正予算の閣議決定をいたしてございまして、その中で一定の明確化を図ってございます。二次救急及び三次救急、救急搬送が年間200件以上の医療機関とさせていただくということで今般決定させていただいてございます。
 それから、コメディカルにつきましては、経済対策にありますように、コメディカルの処遇改善に収入を充てることができるよう、柔軟な運用を認めるということでございますので、なお、詳細、さらに検討する点がございますけれども、基本的にはこの方針に基づいて進めていくということでございます。
 なお、今2点申し上げましたのは、経済対策にあります9月までの措置、すなわち補助金で行うことにつきまして、補正予算を組みましたので、改めて整理をさせていただいたということでございます。
 その後の10月以降の対応につきましては、経済対策に載っておりますように、まさに予算編成過程で検討ということにさせていただいておりますので、それについては当然ながら、こういう書き方をしてございますので、診療報酬も含めて検討するということになります。私のほうで責任を持ってお答えするものではございませんけれども、それについては引き続き検討されるものと承知をしてございます。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○島崎委員 一言だけ申し上げれば、確かに介護の世界で処遇改善加算のような制度があることも私は承知しております。けれども、医療の世界ですと、いろいろな職種が絡みますし、もちろん一般論として看護の方々の処遇改善を図るという方向性について異議を唱えているわけではないのですけれども、診療報酬の性格を変えるだけではなくて、地域によっていろいろな実情が違いますで、その辺りは十分考慮することが必要だということを意見として申し上げたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございました。
 加納委員、お願いします。
○加納委員 ありがとうございます。令和4年度診療報酬改定の基本方針骨子案に関しましては、おおむね本当によくまとめていただけたかなと評価しております。
 その中で、まず3ページの下から3つ目の○、新型コロナウイルス感染症患者以外の患者も含め救急医療その他の通常医療に対応する医療機関などの記載について、地域医療を守るための役割を果たしているとしっかりと明記していただいたことに関しまして、非常に感謝したいと思っております。今後もこの体制を維持することが私は非常に大事だと思っておりまして、例えば大阪を例に取りますと、大阪は二次救急が中等症、軽症患者の受入れとして主に頑張ってやってきたという実績もございますし、コロナも受入れながら、かつ、大阪での事例ではございますが、しっかりと二次救急の措置を含めて問題を起こさずにほぼ完遂したという、そういう意味での不要不急ではない二次救急に関して今後ともぜひとも評価していただきたいと思っております。
 その一方で、4ページ、5ページに記載されております。4ページ目の1つ目の○、5ページにおきましては下から2つ目の○に該当するかと思うのですが、併せて、我々はやはり地域包括ケアシステムを構築していくことが非常に大事だと認識しております。その中で4ページですが、ここには在宅医療をしっかりと守っていくということで、訪問診療、訪問看護を含めてしっかりやっていくことをという在宅に関しては重要だと記載されています。地域包括ケアシステムにおいて医療の面で一番大事なのは何かなと考えますと、実は急変時の対応で、先ほどの二次救急を含めた救急医療体制の維持というのが非常に大事になってくるかと思います。これが全く欠落しているというのはちょっと大きな問題ではないかと私は認識しておりまして、やはり地域包括ケアシステムの中においての救急医療体制、いわゆる二次救急、高齢者救急になりますが、がん治療とは違う面で二次救急というものが地域包括ケアシステムの中で急変時の一番大事な対応のシステムだと考えておりますから、ぜひともこれは明記をお願いしたいと思っております。その点が1点、これは注文でございます。
 それと、先ほどから出ております看護補助者に関しまして、これはいろいろな意見がございますが、やはり介護のほうでは処遇改善交付等という補助金に近い形でずっと交付されているという現実がありますまた、1人当たりの桁も違って数万円、金額でいきますと月々5万円近くだったかと認識しておりますが、ついております。そういったものが今後どのような形で診療報酬で評価するべきなのか、そういった議論をしっかりとやるべきではないかと思っておりますので、この点もぜひともまた御検討をよろしくお願いしたいと思います。
 最後に8ページの上から2つ目の○でございます。これは薬局の地域におけるかかりつけ医機能に応じた適切な評価ということで、先ほどから出ている対物業務・対人業務というものもあるのですが、最近議論になっております、いわゆる敷地内調剤薬局の存在についてです。ある意味で、院内薬局の外注型というのが適切な表現ではないかという形で言われておりますが、私も全く同感です。そういう意味では、今回そういったものを見直す、つまり薬局の“病院”におけるかかりつけ医機能という言葉にしてしまうのかどうかということも含めて、ぜひともここは押し進めていただいて、院内薬局と同じような水準に落とすのか、そういったことの議論の一助にしていただければと思っております。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 続いて、都竹委員、お願いします。
○都竹委員 ありがとうございます。全国市長会の都竹でございます。
 全体としてはよくまとめていただいておりまして、特段の意見はございません。将来を見据えた課題の10ページの最後の部分、今後の令和4年の次の改定ということもございますので、あえて1つ意見を申し上げたいと思います。10ページ目の1つ目の○の診療報酬のみならずというところに、補助金等の予算措置などという記述がございます。これまでの会議の中でも、診療報酬ではなくて、こうしたものは補助金で対応するべきではないかといった御議論があったわけですが、補助金と一言で言いましても、実はこの中には国の補助もあれば、地方自治体の補助もございます。特に地方自治体からの補助というのは、例えば中でも指摘されていました周産期医療ですとか小児医療、不妊治療、そうしたところにも相当多額の財政措置をして補助を出しているという現実がございますし、さらに公立病院、僻地診療所、こうしたところに対する繰り出しも非常に大きなものがございます。さらには、地域の中核病院の高度医療機器に対する財政措置、補助というのも相当いろいろな自治体でやられておりまして、その金額、多分積み上げると物すごい金額になっているということです。
 そうしたことの財源の在り方については、実はあまり議論されていなくて、これは地方自治体が何とか捻出するのだというような形になっているのが現状でございます。これは診療報酬そのものに関わる部分も若干あるかと思いますし、また、次の改定に含めた将来の課題ということで、そうしたことを御検討いただきたい。その意味でも、そうした認識を何とかお願いしたいということです。
 今回の骨子案の記述に関しましては、せめて今の部分、補助金等の予算措置というところに「国や地方自治体の補助金等」というような形に修文をいただきまして、そうした議論の余地を残していただけると大変ありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 楠岡委員、お願いします。
○楠岡委員 楠岡です。ありがとうございます。
 今回の骨子案に関しましては、例えば地域包括ケアシステムに関する意見等を申し上げたのを的確に取り上げていただき、全体として特に異存はございません。ただ、気になりますのは、先ほどの事務局の答弁にもありますように、粒度がかなりばらついているというところです。基本的視点と具体的方向性の例という形の書き分けになっておりますけれども、それぞれにおきましても、かなり粒度に差があるということ。すぐ診療報酬につながるような記載もあれば、かなり大ざっぱな記載になっているところもあるかと思います。
 しかしながら、これ全体を見ますと、特に粒度の大きいところに関しましては、最初の議論のときに申し上げました、我が国のこれからの医療供給体制のグランドデザインはどうなっているかということにかなり近いような記載がありまして、その部分をまとめるだけでも今後のグランドデザインに近いものができるのかと思います。
 しかし、先ほどからの事務局の御答弁では、これは令和4年度診療報酬改定の基本方針であるという言い方をされるので、診療報酬改定が終わってしまえば全部消えてしまうというような、それは極端な言い方でありますけれども、そういう懸念も残されます。ついては、ぜひこの大事なところだけは取りまとめて、診療報酬等のみならず、日本の今後の医療供給体制の基本的な方針であるという形でまとめ直していただき、この部会等に諮っていただいて、一つの基本認識にする必要があるのではないかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 山﨑委員、お願いします。
○山﨑委員 ありがとうございます。
 今回の診療報酬の改定案を見ていますと、現在の診療報酬を中心にして調整することになっていますが、積み残した問題が診療報酬の中にたくさんあると思っています。1つは、政策医療として公的医療機関がするという形になっていまして、公的医療機関は税制優遇があったり、新築・改築の補助金があったり、あるいは赤字になってもそれを税金で補填して収支を合わせています。公営企業年鑑を見ても、公的医療機関は何千億円という負債を抱えているわけです。今回のコロナの対応にしても、公的医療機関の中できちんと対応ができているところと、ほとんどできていない公的医療機関があるわけでして、政策医療機関として果たしていないところにそのような補助金の対応をこのまま続けていくのかどうかというのが一つの問題です。
 それと、もう一つは、重症病床ということで7対1病床というのをつくったわけですが、これは厚生労働省が最初に設定したときに3万床を想定してつくったのです。ところが、看護師を集めれば7対1は取れるということで、全国の公立病院を含めて看護師集めに走って、結局その10倍の30万床もつくってしまったわけです。30万床つくられて重症区分を少し厳しくしたけれども、27万床残っているわけです。こんなばかな話はないと思います。他の診療報酬の項目でこんなに10倍もつくったら、まずどんどん削られます。これが推定病床数の9倍も残っているという話はないと思っています。
 もう一つは、診療報酬の枠組みというのはどうなっているのですか。例えば、特定入院料で1日3万5000円で全ての手技が、薬剤料とか検査料を含めて入っているといっても、その3万5000円の内訳はどういうふうに最初に積算したのでしょうか。その中で人件費はどれぐらいの金額を想定して、つくったのか分かりません。政府は今回、一般企業に3%昇給を経団連に要望していましたが、診療報酬改定でも看護師を含めて全ての職種に3%つけるだけの診療報酬改定を今度するのでしょうか。
 それと、診療報酬改定をしたとしても、話を聞くと、先ほども出ていましたように、介護士に8,000円つけて、急性期対応の病床で救急病院で年間200例の救急患者に対応している病院に限定して4,000円しかつけないという話はありますか。これはもっと皆さん怒らなければ変だと思います。一方では、医療というのはチーム医療だと、色々な報告書に書いてあるではないですか。チーム医療だと言うならば、全てのチーム医療の職種を評価して点数をつけるべきで、コロナ対応をやった病院とか救急対応をやった病院の看護師だけにつけるなどというのはあまりにもおかしいと思います。
 あともう一つ、介護士の問題なのですけれども、民主党政権のときに介護士に処遇改善手当てをつけたのです。この結果、介護施設の介護士の給料が高くなって、病院で勤務していた介護士がどんどん引き抜かれました。この結果、病院の介護士が不足し外国人の技能実習生とか特定技能制度を活用した者を入れていましたが、今度はコロナで全然入ってこなくなって、介護施設の介護士よりも病院の介護士が集まっていないのです。それなのに、さらに今度、介護施設の介護士に点数をつけてしまったら、病院の介護士はどんどん引き抜かれます。そうすると、病院の医療が今度は回らなくなってしまうのです。そういう現場のいろいろな矛盾というのは、多分今日出席している先生方のほとんどは病院の現場で仕事をしていない先生方ですから、そういうことが分からないと思いますが、一定の職種だけに点数をつけると医療制度自体を壊すことになると思っています。
○永井部会長 ありがとうございます。
○山﨑委員 あと、7対1の件についてですが、これはぜひ事務局に聞きたいと思っています。
○永井部会長 いかがでしょうか。
○医療介護連携政策課長 医療介護連携政策課長でございます。
 本日は医療課長が所用のため欠席してございまして、今責任を持って答弁できる者がおりませんが、7対1病床、当時こうした形で診療報酬に導入し、私は今、手元にきちんとした数字がないのですが、今こうした病床の算定要件になっているということでございます。7対1病棟の入院基本料につきましては、導入後様々な形で要件設定等の御議論が中医協でもなされて今に至っているところでございますので、引き続き、そうした医療現場からの御指摘も踏まえながら議論していただきたいと思ってございます。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
 それでは、今村委員、お願いします。
○今村委員 ありがとうございます。
 医療部会としてこの令和4年度の診療報酬改定の基本方針の骨子案と本日事務局が出されたものについては、異論はございません。
 1点、先ほど委員の先生方から追記をしていただきたいということに関して意見を申し上げたい点がございます。それは7ページのオンライン診療の部分でございます。これからの日本にとって医療へのアクセスというものが様々な理由で制限されてくるということもある中で、オンライン診療という医療が非常に重要な一つのツールであるというのはそのとおりだと思っております。一方で、この医療部会として書くということは、やはり医療提供体制のお話を中心として診療報酬がどうあるべきかという議論だと思います。その際に、先ほど普及促進というお話がございましたけれども、これは患者さんの医療ニーズに対して、これからの日本の中でやはり医療へのアクセスが徐々に悪くなってくる中で、そういったニーズに適切に応えるための普及促進という意味でおっしゃったのだとは思いますけれども、往々にして今までの日本のオンライン診療は事業者の方たちを優先する形で進んできており、たとえば安全性の確保のための対策が規制とされたり、そういった捉えられ方が残念ながらされております。
 したがって、普及・促進という言葉の使い方は、極めて丁寧であるべきだというふうに思っている次第です。オンライン診療が非常に先進的に進んでいるヨーロッパも、コロナ禍において利用が増えたということがありますけれども、やはりヨーロッパの中でも、その国の元々あった医療制度がかなりゆがんでしまった。つまり、オンライン診療であれば距離的な要件も全くなくなるわけですから、これから日本は多くの国民にかかりつけ医を持っていただこうという医療提供体制の将来像を持っている中で、それを変えてしまう大きな影響が出ては何のためにそれをやったか分からないということになりかねません。
 したがって、ここに書かれているように、いわゆる適切にこのオンライン診療が広がっていくということが間違ったメッセージにならないような記載を考えていただきたいと思います。
○永井部会長 ありがとうございます。
 相澤委員、お願いします。
○相澤委員 どうもありがとうございます。改定の基本方針骨子案についてはおおむね賛成をしたいと思いますが、その上で少し気になることをお話しさせていただきたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症のところなのですが、3ページから4ページにかけて、ここであちこちに地域、地域という言葉が出てくるのですが、地域の概念があっち行ったりこっち行ったりしていると思うのです。ですから、例えば(1)の2番目の○のところの地域医療を守るための役割を果たしており、かかりつけ医機能を担う医療機関を中心としたというのは、恐らく地域包括ケアを担う地域に近い地域を考えており、例えば4ページの上のほう、各地域において実態を見据えつつ質の高い医療提供体制を維持していくという、ここの地域はもうちょっと広い、恐らく都道府県か二次医療圏かという地域を考えていると思うのです。この地域という概念があっち行ったりこっち行ったりしているものですから、読んでいくと、あっち行ったりこっち行ったり、地域を広げたり狭めたり、それをしながら考えていかなければいけないので、もう少しここは地域という概念を中心にしつつうまくまとめられないのかなと、ちょっと気になるところでございます。
 もう一つ、コロナに関しては、どこにも宿泊療養者のことが出てこないのです。宿泊療養の人にうまく医療が届かなかったことで大変な問題を起こしたということがあると思うのです。ただ、それを診療報酬でどうかしていくのか、違う方法でいくのかは別問題として、そこは多分大きな問題で、これからも宿泊療養者は必ず出るわけですので、そうするとここをどうしていくのかはぜひ加えていただきたいなと、ちょっと気になる点で申し上げました。
 そして、最後に、強い遺憾の意を表したいと思っております。10ページのところです。先ほど神野先生もおっしゃっていたように、今、こっそりと、ひっそりと、だますような感じで大きな改革をしようとしています。それは選定療養費についてです。これは制度を大きく変えることです。これについて私は、厚生労働省がちゃんと説明するのですねということでこの会で念を押しました。そのとき厚労省は、しっかりと説明をしますという答えをしました。ところが、この10ページを見てください。医療制度に関する丁寧な説明を行っていくことが求められる。求められるって第三者的な表現ですよね。求められているから俺たちはやらなくてもいいやということですよ、これは。僕は強くこれには遺憾の意を表したい。厚労省の姿勢はどうなのか。きちんとした丁寧な説明を行っていくとすべきであると私は思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 では、コメントをお願いします。
○医療介護連携政策課長 厚生労働省の医療介護連携政策課長でございます。
 相澤委員、御指摘どうもありがとうございます。私は前回の医療部会におきまして、医療制度に関する説明、制度を所管する厚生労働省においてきちんと行っていくということ、それは当然のことであるということ。また、医療の現場においては、医療者と患者との間でまさにインフォームド・コンセントを含めて丁寧な説明をしていただいていること。そうしたことを申し上げたつもりでございます。
 10ページの最後の表現ですけれども、国民に対して医療制度に対する丁寧な説明を行っていくことが求められると書いてございますのは、これが診療報酬改定の基本方針として、医療部会、医療保険部会のほうでおまとめいただくもの、そうした意味で主語が医療保険部会、医療部会になるものですから、医療保険部会、医療部会から厚生労働省を含めて注文をつけていただく、そのような意味合いを含めまして、国民に対して医療制度に関する丁寧な説明を行っていくことが求められると記載しているものでございます。
 したがって、私が前回御答弁申し上げたような厚生労働省としての姿勢、それは何ら変わるものではないということだけ付言させていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
 では、遠藤委員、お願いします。
○遠藤(秀)委員 ありがとうございます。日本歯科医師会の遠藤でございます。
 先ほどの今村委員の意見とちょっと重複するところがあると思うのですけれども、基本的な方針としては賛成でございます。その中で、在宅医療とICT利活用に関してちょっと意見を申したいと思いますけれども、超高齢社会の中の社会構造の変化の中で捉えた記載というのが必要なのではないかなと思うのですけれども、在宅に関しましては5ページのところで外来から在宅へのスムーズな移行、また質の高い在宅医療、医療連携等がうたわれております。ICTに関しては、6ページでは業務の効率化としてのICT、また7ページでは利活用の推進という記載の仕方なのですけれども、社会構造が変わってくる中で、住み慣れたところでずっと生活していただくという観点からいえば、過疎地の問題や通院困難者、孤立した高齢者の方への医療の提供という視点からこの在宅医療、またオンライン診療を含めたICT利活用という記載のところがあってもいいのではないかなと思っております。これはいずれも今村先生が言われたように、かかりつけ機能とリンクした形での記載という在り方がいいのではないかなと考えております。そういった視点から少し書きぶりを追記してはいかがかなと意見として申し上げます。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、小熊委員、お願いします。
○小熊委員 ありがとうございます。今までいろいろなお話が出ましたが、最後に私のほうの不満と要望を述べさせていただきたいと思います。
 それは何かといいますと、2ページに社会保障制度の安定性、持続可能性の確保、経済・財政との調和と書かれてございます。ただ、先般の医療経済実態調査を見ましても、今の病院に対する診療報酬の在り方というのは、持続性を担保できるというふうに私にはとても思えません。このままいくと病院の崩壊というのが始まるのではないかと私には思えてなりません。特に私の所属している自治体病院は大赤字でございますが、それは別にしても、このままの診療報酬の在り方、設定の仕方、配分の仕方で病院が維持できていくと厚労省はお考えなのでしょうか。私はそこいらのことが非常に心配でなりません。
 中医協マターであるかもしれませんが、支払い側はちゅうちょなく引き下げろと言っている。我々診療側はちゅうちょなく上げろと主張して、真っ向から反対しているわけですけれども、このままいったら本当に病院が成り立つとお思いでしょうか。私はそこのところを最後にお伝えしたくて手を挙げさせていただきました。ありがとうございます。
○永井部会長 ありがとうございます。おおよそ時間になってきましたが、いかがでしょうか。追加の御発言はよろしいでしょうか。
 それでは、本日はこれまでとさせていただきます。事務局から連絡事項等をお願いいたします。
○総務課長 本日は誠にありがとうございました。
 本日も一般傍聴の制限をしてございます。したがいまして、議事録につきましては、可能な限り速やかに公表したいと考えますので、その線に沿って事務局として校正作業を進めてまいりたいと存じます。委員の皆様方におかれましても、御多忙中と存じますけれども、御協力をいただきますよう、何とぞお願いを申し上げます。
 また、次回の医療部会でございますが、12月9日を予定してございます。その他詳細につきましては、改めて御連絡させていただきます。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございました。
 それでは、お忙しいところを本日はありがとうございました。これで終了いたします。

(了)

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