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2021年2月8日 第78回医療部会

医政局総務課

○日時

令和3年2月8日(月)16:00~18:00

 

○場所   AP新橋 4階 D+Eルーム


○議事

○総務課長 それでは、定刻でございますので、ただいまから第78回「社会保障審議会医療部会」を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして誠にありがとうございます。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。
 会議中、御発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックいただき、部会長の指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言いただくようお願い申し上げます。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただきますようお願い申し上げます。
 また、議題に対して御賛同いただく際は「反応」ボタンをクリックした上で「賛成」ボタンをクリック、またはカメラに向かってうなずいていただくことで、いわゆる異議なしの旨を確認させていただきます。
 それでは、早速でございますが、まず委員の異動がございましたので御紹介させていただきます。
 田中滋委員が退任され、新たに産業医科大学教授、松田晋哉委員が就任されておりますので、御紹介させていただきます。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、医療部会の総委員数24名全ての皆様が御出席となりますので、定員数に達していることを御報告申し上げます。
 また、平井委員からは、公務のため途中退席されるとの御連絡をいただいております。
 議事に入ります前ではございますが、ここで資料等の確認をさせていただきます。
 事前に、議事次第、委員名簿、座席表のほか、資料1及び資料2、さらに参考資料1を送信させていただいておりますので、御準備いただければと思います。
 報道の方がいらっしゃれば、ここまででございますのでお願いいたします。
 以降の進行でございますが、永井部会長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○永井部会長 それでは、始めさせていただきます。
 最初に、本日は新型コロナウイルスによる感染拡大防止のため、傍聴は報道関係者のみとしておりますので御承知おきいただきたいと思います。
 次に、田中滋委員が御退任されましたので、私が不在のときに議事の進行をお願いする部会長代理を新たに選任する必要がございます。これにつきましては、社会保障審議会令第6条第5項の規定により、部会長が指名するとされており、私としましては楠岡委員にお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、楠岡委員、どうぞよろしくお願いいたします。
○楠岡委員 よろしくお願いいたします。
○永井部会長 それでは、議題に入ります。
 良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案について、2月2日に国会に提出されたということでございます。これについて事務局より説明をお願いいたします。
○総務課長 改めまして、医政局総務課長でございます。よろしくお願いいたします。
 資料1を御確認ください。表題といたしまして「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について」とさせていただいてございます。
 これまで、厚生労働省あるいは医政局といたしましては、新型コロナウイルス感染症の対策を最重要の課題としまして全力を注いでまいりました。他方で、昨年8月の当部会におきまして、人口減少や高齢化は引き続き進行するということですので、医療提供体制を構築するための取組については着実に進めることとされました。その後、この部会の下に置かれました各検討会におきまして議論いたしまして、年末までに当医療部会におきましても御報告を申し上げてきたところでございます。それら改正項目を今回、法案という形で成案いたし、閣議決定させていただいたものでございます。
 改めまして、1ページがその内容でございますが、これは長い名前の法案となっておりますが、全体として医療提供体制、具体的にはこれまで議論させていただいてきたもろもろの改革につきまして、法律改正が必要なものは、それぞれ医療法や医師法、診療放射線技師法、あるいは医療介護総合確保法といった各法律を改正するために一連の法案を束ねまして、こうした形で1つの法律案とさせていただいているものでございます。
 様々な法律の改正が項目として盛り込まれてございます。大きな柱といたしましては、「改正の概要」にございますように、医師の働き方改革、各医療関係職種の専門性の活用、地域の実情に応じた医療提供体制の確保、その他と分類できるかと思います。
 それぞれ順次御説明申し上げたいと思います。
 2ページ、医師の働き方改革でございます。内容につきまして、皆様方御案内のことではございますが、念のための確認ということで申し上げます。
 これまでの我が国の医療は、医師の長時間労働によって支えられてきたということでございます。「現状」に書いてございますように、病院常勤勤務医の約4割が年960時間を超え、さらに約1割は年1,860時間を超えた時間外あるいは休日労働の状況となってございます。これは医師本人にとってはもとより、患者・国民に対して提供される医療の質・安全を確保するという観点で、しっかりと医師の働き方改革に取り組む必要があるということでございます。
 その上で、法案におきましてはどういうことをするかというものが下に書いてございます。2024年4月から時間外労働の上限規制が医師におきましても開始されるところでございます。これを踏まえまして、今回の法律事項といたしましては、連携B、B、C-1、C-2といった枠組みを設けるということでございます。
 さらに、地域医療を確保するために医療機関におきましては、労働時間の短縮計画、Aという年960時間を超えるような医療機関におきましては短縮計画の案を作成いただき、評価センターが評価し、都道府県知事が連携B、B、C-1、C-2といった形で指定し、医療機関が計画に基づく取組を実施するといった枠組みを行うということでございます。
 加えまして、医師の健康確保といたしまして、面接の指導や休息時間の確保をきちんと行っていただくように措置するものでございます。
 3ページは、2つ目の柱の1つ目となりますし、働き方改革にも関連している項目でございます。医療関係職種の業務範囲の見直し。こちらにつきましては医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会で順次検討して、広く合意がなされたところでございます。そのうち政省令改正等ではなくて法律改正が必要なものにつきまして、今回手当をいたします。
 具体的には4つの法案がございます。診療放射線技師法、臨床検査技師法、臨床工学技士法、救急救命士法でございます。
 真ん中に、診療放射線技師について説明が書いてございますが、現在は画像を撮るといった行為の前後、静脈路を確保するあるいは医薬品を投与する、抜糸に止血といったものにつきましては、それぞれの職種が分担して行っているということでございますが、ラジオアイソトープ検査の一連の行為につきまして診療放射線技師が可能となるようにするということで、安全性の担保を図りながらタスク・シフト/シェアを推進していくということでございます。
 臨床検査技師、臨床工学技士につきましても同様に合意されたことについて法案とさせていただいてございます。
 救急救命士におきましては、現行法上、医療機関に搬送されるまでの間、病院前での救急救命処置が可能とされているところでございますが、これにつきまして救急外来においても実施可能とするということでございます。
 続きまして4ページは、医師養成課程の見直しということでございます。これは医道審議会医師分科会において、昨年5月に報告書が既に提出されているところでございます。
 左側にございますように、既に行われております医学部の途中で行われます共用試験を医師法上位置づける。それから、右側にございますように、共用試験に合格した医学生につきましては、これまで解釈上可能とされてきたことではございますが、臨床実習について医師の指導監督の下で医業を行うことができることを明確化するということでございます。
 歯科医師についても同様の改正を行います。
 さらに大きな3つ目の柱の1つ目ですけれども、新興感染症等の感染拡大時における医療提供の確保を医療計画に位置づけるというものでございます。部会の下に置かれました医療計画の見直し等に関する検討会で議論をさせていただいてきたものです。
 「改正の概要」に書いてございますように、都道府県が作成する医療計画の記載事項として、新興感染症等の感染拡大時における医療を追加いたします。これによりまして、いわゆるこれまでの5疾病5事業における5事業にもう一つの事業、6事業目が追加されることになります。
 今後、厚生労働省におきまして、法案が成立したならば基本方針、大臣告示を作成し、さらに指針の見直しを行った上で各都道府県で作業に入り、第8次医療計画、2024年度から追加していくということでございます。
 具体的な記載項目、今後の検討課題ではございますが、イメージということで、スペースの確保あるいは専門人材の確保、さらには医療機関の間での連携や役割分担をあらかじめ話し合っておいて、応援職員についても同時に議論、準備をしておくことが重要だと考えてございます。
 その上で、地域医療構想につきましては、計画検討会の下の地域医療構想に関するワーキンググループで12月まで議論させていただきました。
 基本的な考え方といたしまして地域医療構想については、自主的に検討・取組を進めている医療機関や地域については、これを支援するということです。他方で、具体的な工程については新型コロナへの対応にも配慮して、改めて検討するのだという形で取りまとめが年末に行われてございます。
 そこで、この法案におきましては、取り組みを進めていただいている医療機関への支援を法的に措置しようというものでございます。(1)が予算、(2)が税制上の措置でございます。
 (1)は病床機能再編支援事業、今年度から措置されているものでございますが、これを消費税財源を活用した地域医療介護総合確保基金の中に位置づける。加えて、それは全額国庫負担の事業とするという形で盛り込みたいということでございます。
 (2)は税制上の措置でございますが、医療機関の再編・統合に関する計画(再編計画)をつくっていただきましたならば、それを厚生労働大臣が認定するという仕組みを設け、同時に登録免許税を優遇するというのを租税特別措置法によって措置するということでございます。
 続きまして、外来医療の機能の明確化・連携でございます。
 外来医療につきましては、かかりつけ医機能の強化とともに、外来機能を明確化し、連携を進め、いわば患者さんの流れを円滑にして、病院での待ち時間の短縮や勤務医の外来負担の軽減、医師の働き方改革にも寄与することを期待していくということでございます。
 改革の方向性として2番に掲げてございますが、法律上行いますのは、医療機関が都道府県に外来医療の実施状況を報告するという仕組みを設けます。その上で、地域の協議の場において、外来機能の明確化・連携に向けた必要な協議を行うことといたします。これによりまして、医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関を明確化していくということでございます。
 最後に、8ページでございますが、その他の項目でございます。持分の定めのない医療法人への移行認定計画の延長でございます。医療法人につきましては非営利性を徹底するということで、持分の定めのある医療法人のタイプから、持分の定めのない医療法人への移行を促進してきてございます。その際に、持分の定めのない医療法人に移行するという計画を厚生労働大臣が認定した場合に、相続税・譲与税の猶予・免除制度を創設してございます。これは令和2年9月末まで延長されている状況でございました。
 今後ともこの措置を延長したいということで、認定制度につきましても継続する必要があるということでございます。この認定制度の期限を令和5年9月末まで延長したいという内容でございます。
 以上が、医療法等の改正案の内容でございます。引き続きコロナ対応に対して私どもといたしましては万全を期しつつ、その上で、日本の医療提供体制の将来のための取組を着実に皆様方と議論を進めながら、あるいは現場への負担が大きくならないように配慮しながら進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○永井部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に御質問・御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 それでは、神野委員、遠藤委員、最初にお願いいたします。
○神野委員 もう既に国会に上程されておりますので、今さらの話があると思いますので、この法案が通った後の今後の検討ということでお話ししたいと思います。
 医師養成課程についてでございます。今、医学部でCBT、OSCEでいわゆるスチューデントドクターが医業を行うことができるとなっておりますが、次の医師国家試験が今と同じように非常にたくさんの出題範囲があって難しいものであるとすると、この実習期間中では実習に身が入らない、試験勉強に終始してしまうことが懸念されます。そういった意味では、この法案が通った後に医師の国家試験の在り方も真剣に検討いただくことが大前提なのかなと思います。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 続いて遠藤委員、お願いします。
○遠藤(直)委員 地域医療の現状や課題について意見を申し上げたいと思います。
 我々町村においては、新型コロナウイルスワクチン接種の実施に向けて、接種会場や医療従事者の確保など、準備を進めているところでございます。従来からこの医療部会において申し上げてきましたけれども、中山間地域や離島等の条件不利地域においては、医師や看護師などの不足が大変深刻化しており、ワクチン接種の実施に向けた準備をする中においても、医療従事者の確保が課題となっております。医療従事者の不足により、ワクチン接種の実施が困難な地域があることから、医療従事者の派遣支援など、必要な措置を講じていただきたい。
 また、ワクチン接種にかかわらず、地域医療を持続可能なものにするためには、医療従事者の偏在是正が必須であることから、国において必要な対策をお願いしたい。
○永井部会長 ありがとうございました。
 平井委員、お願いします。
○平井委員 御指摘をいろいろといただきながら、このような改革を進めていただいていることは賛同するものです。医師の働き方、ぜひ改革をして医師の定着ができればと思います。ただ、いわゆる連携B事業の行方に地方の現場も気をもんでいるところです。ぜひこれがワークするように先生方、また厚労省や文科省、大学当局の御配慮をいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 安部委員、お願いします。
○安部委員 スライドの7ですけれども、外来医療の機能の明確化・連携について関連の発言をさせていただきたいと思います。
 外来医療の課題として、大病院で一部の医療機関に外来患者が集中する課題の解決、それから、地域でのかかりつけ医機能を強化し、外来機能を明確化・連携を進めるという整理、その改革の方向性については賛同させていただきます。
 一方で、近年、保険薬局の指定に関わる構造規制の緩和を受けて、大学病院などの基幹的な病院の敷地内に、専らその医療機関の処方箋のみを取り扱う保険薬局を開設する事例が増加しております。7ページに示されております病院の外来を受診した患者を地域に戻していくという外来医療の方向性や、地域包括ケアシステムの中で外来機能の明確化・連携を進めて、かかりつけ医、薬剤師・薬局の機能充実を図るという、国が基本方針としている方針を疎外する要因になりかねないと強い懸念を感じているところです。
 現在、調剤報酬上の対応は行われているものの、一方で敷地内への保険薬局開設というビジネスモデルを抑制するところまではできておりません。いわゆる敷地内薬局に関しては、地域における薬局の機能と役割、保険給付の仕組みなどについて外来医療の在り方の観点からしっかりと検討することが必要だと思っておりますので、意見として申し上げます。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 失礼しました、加納委員が先に手を挙げられていましたので、加納委員先に御発言をお願いします。
○加納委員 ありがとうございます。4つのことについてお聞きしたいと思っております。
 まず、1つ目ですが、資料の2ページ。私、目が悪くなったのかなと思ったのですけれども、連携BとBというところが同じ緑色だと思います。ちなみに参考資料1の3ページ、4ページを見ていただきますと、連携BとBは色分けをしっかりとしていただいていたかと思います。今回、資料1について、同一の緑色になってしまった理由を教えていただきたいとまず思います。よろしくお願いします。
○永井部会長 事務局、今の点いかがでしょうか。
○医事課長 加納委員から御質問のありました連携BとBが同じになった理由でございますけれども、連携Bにつきましては、地域医療の確保のために他の医療機関に派遣されることによって、やむを得ず長時間労働となる医師を考慮するために特例として設けたものです。1人の医師が長時間労働をやっていることになりますので、その健康管理措置等々については同じように実施していくということで、連携Bを設けるとともに同じような規定を設けることとさせていただいております。
 以上でございます。
○加納委員 よろしいでしょうか。我々民間病院は、二次救急をしっかりと地域において頑張っています。特に大都市圏、日本の人口の3分の2を占める21の都道府県では、民間病院のほうが救急搬送受け入れは公的病院より多いわけですけれども、その救急の支えとなっているのが大学からの派遣医の存在なんです。大阪ですと、ほぼ100%の民間病院が大学からの派遣によって夜の当直体制を維持しており、その医師数の割合は4割を占めているということで、この資料に関しては働き方の検討委員会でも出させていただいたわけです。これは非常に大事なことで、逆に、この力が実際にコロナのときに二次救急をしっかりと担い、コロナは診ていないが救急医療を守ったという病院の存在もこの中に入っていますし、非常に大きな地域医療を支える原動力になっているわけでして、これを単に連携Bと同じような形で取り扱うようでは、コロナにおいても持ちこたえた日本の地域医療が一気に崩壊する可能性もあるわけなのです。ここは従来どおりしっかりと区別して、今後の対応も同様にしっかり区別していかないと、いくら将来を見ても現時点で早速崩壊してしまう可能性もあるわけですから、従来どおり色分けしてしっかりと区別していただくようにお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。
○医事課長 連携BとBは、2ページでお示しさせていただいているとおり定義は違うところがございますので、そうした点に着目してどういう取扱いをするか、しっかり検討させていただければと思います。
 以上でございます。
○加納委員 ぜひともお願いしたいと思います。なぜ色分けされたかの意味をしっかりと出していただきたいと思います。
 2つ目が、6ページの地域医療構想の実現に向けた医療機関の取組の支援ですが、先程の話にも関係してくるのですけれども、大都市圏は結構、民間病院が急性期の医療を担ってやっているわけですけれども、間違った方向で病床機能再編支援事業が使われると、大都市圏で公立病院の大きな病院づくり進んでしまっている例があるかと思います。こういったことに使われないように、ぜひとも監督をよろしくお願いしたいと思います。公立病院でしたら、もともと税金ゼロですから登録免許税の優遇は要らないのですけれども、その辺の使い方について、ぜひとも注意して見ていただきたいと思っております。
 もう一点ですが、これはお礼という意味でタスクシフティングのところです。これはあくまでも救急外来等でございますが、救命救急士を病院内で働かせていただくという方向性が出てきたことに対して、お礼を申し上げたいと思います。
 最後に8ページ、持分の定めのない医療法人への移行計画でございます。これは認定医療法人という法人制度で、平成26年にスタートしていただいたのですが、どういうわけか昨年9月で特例措置の運用期間が切れてしまったということで、今多くの相続税問題を抱える病院の医療法人において、移行したい先生方が死ぬに死ねないような状況になっているという、非常におかしな状況になっておりますので、速やかにこれをつないでいただくようにお願いしたいと思います。
 以上です。どうもありがとうございました。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、松原委員、お願いします。
○松原委員 8ページの資料です。持分の定めのない医療法人への移行計画認定制度の延長についてです。医療機関の事業費のほとんどは公的保険か税金という、広い意味での公的資金で賄われております。こうした特徴を持つ事業に対する信頼性を高める、また、医療制度全体への信頼性を高める上でも、非営利性の徹底は非常に重要だと考えておりますので、ぜひこうした応援は続けていただきたいと思っております。また、既に持分放棄しているところに対しても、何らかの支援策も考えていただきたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 楠岡委員どうぞ。
○楠岡委員 医師養成課程の見直しの点でございますが、幾つかお伺いいたします。1つは、共用試験を準国家試験的なものにすることになると思いますが、体制としては現状の共用試験をそのまま移行させるのか、何かそこに手を加えるのかという点。
 2番目は、スチューデントドクターがかなり研修ができるとなると、初期臨床研修の内容も変えていかないといけないということがございますので、この間の連携をしっかりしていく必要があるのではないか。
 そして、全体的に今回、法改正が行われた後、共用試験を経てスチューデントドクターになった者、その次の初期臨床へのつなぎのところにおいてタイムスケジュールとしてはどのように考えておられるのか。即実施というのはなかなか難しいと思いますけれども、何年程度かけて行われるか、今スケジュールに関してもし情報があったら教えていただきたいと思います。
○永井部会長 いかがでしょう。
○医事課長 医師養成課程について御質問をいただきました。
 まず、この法改正につきましては1ページにございますとおりで、Ⅱの2の医師養成課程の見直しで1.受検資格要件とする件は令和7年4月1日、また、2.臨床実習として医業を行うことができるについては令和5年4月1日施行という形になっております。
 また、神野委員からも御指摘がありました、今回の法改正に伴ってシームレスでどのように医師養成課程を考えていくかについては不断の見直しが必要だと思っておりますので、今回の改正を踏まえて適宜見直しを進めていきたいと考えております。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
 それでは、野村委員どうぞ。
○野村委員 今回の改正等の内容も何度か医療部会でも出てきており、とても充実したものであると私自身一国民として思います。医療を受ける私たち国民にも関わる部分でもあり、ぜひ、こうしたよいものがきちんと周知されて、私たちにも分かりやすく、そして動きやすいものになって届いてくるといいなと思うので、ぜひお願いしたいと思い発言させてもらいました。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 久喜委員どうぞ。
○久喜委員 医師の働き方改革や地域医療構想の考え方というのは、比較的評価できるのではないかと思いますし、関係者の業務体制のすみ分け等もいいのではないかと思っております。
 その中で、2点気になっているところなのですが、6ページの地域医療構想のところで、病床機能再編で前にもお話ししたのですが、大都市等々スタッフの比較的潤沢なところの再編はある程度可能かも分からないのですが、地方の病院、特にコロナ禍の状況で再編に対してはかなり大きな問題になっていると思います。その中でもコロナへの対応等々の専門病院をつくらなければいけないとか、そういうかじ取り等々を考えたときに、こういう形の再編を地方で進めることでいいのかなというのは前々から思っており、この前もこの会でお話しさせていただきましたけれども、同様に考えております。
 それから、4ページに診療参加型臨床実習という項目があって、もちろん共用試験を受けて実習を受けるわけですが、私はずっと考えていまして、これでいいのかなという感じは御批判があるかも分からないのですが、やはり6年間しっかり医学教育を受けていただいて、その上で実地的なものよりもしっかり臨床を見ていただいて、その上で医師国家試験という在り方のほうが、私はいいのではないかと思います。
 また、こういう状況で参加型臨床という場合に、もし事故があった場合はどういう扱いになるのか。点滴や採血という話も聞いておりますので、その辺の問題等々がどうも引っかかっておりまして、しっかり勉強して、その上で医師国家試験を受けていただいて臨床研修に今の状況で進んでいくというスタイルのほうが私はいいと思います。そのようなことで、これに対しては意見を申し上げさせていただきます。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。今の点いかがでしょうか。事故があったときにどういう対応をしたらよいのか。
○医事課長 まずは、そうしたことがないように、しっかり安全管理しながらということになっているかと思っております。そういう意味で学部の教育や、資料の4ページの右側にもございますとおり、医師の指導監督の下、取組を進めていくということで、安全面にも十分配慮しながら進めていく必要があると考えております。
 以上でございます。
○久喜委員 その上で、万一の場合はどういう対応をするのかというところが引っかかっております。
○医事課長 その事案へのその場の処置については、その現場でしっかりと対応していただくとともに、責任の所在については事案ごとに異なってくると思いますので、この場で一概にはと思いますけれども、予防をしっかりするとともに、事案が発生した場合にも適切に対応という中で取組を進めていくことになるのではと考えております。
 以上でございます。
○久喜委員 でも、やはり医師国家試験という一つの国家資格を得ていただいた上で、そのような対応が筋道ではないかと思うのですが、このような共用試験という形の中で行うことはどうかと私は思っております。
○医事課長 御意見ありがとうございました。繰り返しになりますけれども、今回、診療参加型の実習を行う上では共用試験という形で知識と技能評価をした上で実施するというのが一つだと思っております。その上で、医師の指導・監督の下に実施するという形で法律ができておりますので、安全面にも配慮しつつ施行していければと考えております。
 以上でございます。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
 それでは、相澤委員、お願いします。
○相澤委員 私は3点、質問とお願いをしたいと思います。
 まず最初に、4ページの医学生の臨床実習についてですが、恐らくこの実習は大学だけではだめで一般病院でもやらなければいけないと思います。現在、大学から依頼されて一般病院で行っている臨床実習は、物すごく安いお金で、物すごく物すごく安いお金で、ボランティアで本当に身を削ってやっているんですね。本当にこの実習を進めていくのですと、その辺のところをきちんとしていかないと掛け声倒れに終わってしまうと思うのですが、その点に関してはどのように進めていくつもりでおられるのか質問させていただきます。お答えいただけるとありがたいのですが。
○永井部会長 いかがでしょうか。
○医事課長 今回の制度改正、医学部教育の中での実習の在り方ということになっておりますので、今日委員からいただいた意見も踏まえて文科省とも相談しながら検討していきたいと思っております。
 以上でございます。
○相澤委員 よろしくお願いします。
 続きまして、5ページについて質問させていただきたいと思います。新興感染症に対するこういう医療計画をつくるのは大事なのですが、極めて大事なのは、どういう方向で進めていくかという最初に方針と青写真を示していただくことだと思います。例えば、地域医療構想のように、重症感染症でしたらこれくらいの人口だったら何床、中等症だったらこれぐらいの人口の地域だから何床というような青写真を示していただけるのか。
 もう一つは、感染症の大変なことは全国に拡大していますと、なかなか大規模な応援というのは難しいです。その地域である程度のことをやっていかなければいけないということになると、感染症の広がりのステージごとにどうやっていくのかをつくっていかなければいけないのですが、そういう青写真を示していただけるのか。
 第3点、今非常に問題になっているのは、感染症への対応と救急救命医療との兼ね合いです。感染症に重きを置くと救命救急医療が圧迫され、救命救急医療を何とかしようとすると感染症が圧迫される。このことについて、どういうバランスをとっていこうとしているのか、感染症だけをここで議論するのか、それとも救命救急医療も一緒に議論していくのか、お考えを教えていただければと思います。
○永井部会長 今の点いかがでしょうか。
○医師確保等地域医療対策室長 医師確保等地域医療対策室長でございます。
 御指摘の点ありがとうございます。まず、1点目が、今後、感染症事業に盛り込みますが、その中で指標や青写真等々が示されていくものかということでございますが、こちらのワーキンググループにおきましても様々議論いただきまして、検討会におきましても様々な議論をいただいています。そういう意味では5ページの下に、イメージとして様々な意見をいただいた上で具体的に記載してございますが、このようなものも含めまして今後、基本方針、指針等を皆様に御議論いただくことになろうと思いますので、検討を進めていきたいと思っております。
 また、先ほど御指摘のありました感染症対応と救急医療、恐らく一般医療も含めてでございますが、そのバランスにつきましても、今回のコロナ対応におきましても各都道府県においてそれぞれ工夫をいただいているものでございます。当然この項目につきましても今後検討の課題になってくると考えておりますので、どうぞ御指導のほどよろしくお願いいたします。
○相澤委員 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 最後にもう一点。7ページでございます、外来医療の課題でございます。今、普通に「かかりつけ医機能」という言葉や「かかりつけ医」という言葉が使われているのですが、実は「かかりつけ医」とは何で、「かかりつけ医機能」とは何か、医師会と我々3病院団体で一応提言はしていますけれども、これはあくまでも提言であって「かかりつけ医」というものが決まっているわけではありません。皆さん方の同一の考えがないままこの言葉を使うと、間違った方向に誘導してしまうのではないかと心配しているので、その辺についてお聞きしたいのが第1点。
 第2点は、今回決めていくというのは、あくまでも外来機能のデータを集めることによって分析・解析して今後の方向性を決めていくということなのか、それとも高度な医療資源を重点的に活用する外来を分離するためにやっていくのか、その辺をお聞きしたいです。というのは、外来は思った以上に物すごく複雑です。データを簡単に解析しようと思っても、前に試みたのですけれども非常に難しい。なぜかというと、入院のDPCのように決まった物差しがないんです。そういう意味において、今回はあくまでもデータを集めて分析していこうということが中心なのか、それとも医療資源を重点的に活用する外来と区別してしまおうというところで進めようしているのか、その辺について質問をしたいと思います。
○総務課長 総務課長でございます。2点、外来関係についてあったかと思います。
 まず、かかりつけ医機能あるいはかかりつけ医についての定義が決まっているわけではないという中で、今後の方向性を間違わないようにということ、御質問ということでございました。
 これは、前回もたしか当部会で御議論があったかと思いますが、そのときも私どものほうで申し上げましたとおり、かかりつけ医の機能につきましては、関係団体の提言があると。ただし、行政的にはかかりつけ医なり、かかりつけ医機能なりについてのしっかりした定義が現在されていないという状況でございます。
 今回の作業は、外来についてもまず改革の一歩を踏み出すべきであろうと。それは、かかりつけ医と紹介を基本とする医療機関と、2つに明確化した上で患者の流れをよくしていこうという取組の最初の一歩なのだろうと思います。したがいまして、この議論を進めていく中で、かかりつけ医なりかかりつけ医機能の議論が深まっていくことを私どもとしては期待しております。現時点におきまして、すぐ行政的な定義をどうするかというのは、なかなか難しいかと思いますが、地域で紹介を基本とする医療機関を決めていくというのは、資料にありますように協議の場を設けて進めてまいります。その中で相澤委員がおっしゃられたように、データに基づいて地域で議論していく中で深まっていくことを期待し、私どもとしましても、この制度ができることになりますれば、今後、専門的な検討会を設けて議論していく中で、一定の議論を深めていきたいと考えています。
 2つ目ですが、外来制度の改革についての目的は何かということで、若干難しい御質問かと思いましたが、目的自体は患者さんの流れをより円滑にするという意味で、外来についての機能の明確化を図って、かかりつけ医機能と紹介患者への外来を基本とする医療機関を明確化していこうという取組であろうかと思います。他方で、それだけが目的というよりも、データをきちんといただきまして、それを地域で議論すること、すなわちデータに基づく議論をしていこうということを通じて、外来についての改革をめざそうということだと思っています。どういうデータに基づいてどういう議論をするのかにつきましては、今後法案が成立いたしまして施行までの間、専門的な検討会を設けまして議論を深めていきたいと考えます。
○相澤委員 どうもありがとうございます。ただ、患者さんの流れをどうしていくのかとか、これからの高齢化が進んでいく中でどうしていくのかを考えますと、どうしても在宅の患者さんをどう診ていくかというのは極めて大事なことだと思うんです。今回のコロナでも在宅療養の患者さんが大変な目に遭っているわけで、在宅の患者さんをどうしていくかという視点がなくては、外来に来てくださる方の議論だけをしても意味がないと思うのですが、その辺についてどうお考えになっているのか教えてください。
○総務課長 おっしゃられたとおりだと考えます。これまでの間、あるいは前回だったかと思いますが同様の議論がございまして、在宅医療について考えていくことが次の膨らみのある議論なのではないかという御議論があったかと思います。今までは入院中心にあるいは地域医療構想として病床について議論をしてきたことから、その外縁といいますか、外来について議論していこうという改革の第一歩を踏み出したということだと思いますが、全体的な医療提供体制の在り方をその地域で考えていく中で様々な視点が必要だと思いますので、御指摘のとおりかと思います。今回、回答ではございませんけれども、今後議論を深めていきたい項目だと思います。
○相澤委員 どうもありがとうございました。これで質問は終わらせていただきます。
○永井部会長 山崎委員、お願いします。
○山崎委員 まず最初は、2ページの医師の働き方改革ですが、精神科の医療現場では非常に医師が不足しています。殊に当直の医師がいません。例えば北海道や東北の田舎の病院は、東京から新幹線や飛行機を使って日曜・祭日に当直しているというのが現実です。したがって、働き方改革の中で、僻地の当直がきちんと回るような体制をつくらなければ地域医療が崩壊してしまうと思うので、その辺は慎重にしていただきたいと思います。
 2番目、医師養成課程についての話ですが、先ほどどなたかがおっしゃいましたが、大学の6年間でしっかり勉強してほしいという話はよく分かるのですが、しっかり勉強できないことに問題があるんです。どうしてかというと、6年になると国家試験対策に入ってしまって、ほとんど臨床はできないで、全国の医学部6年時が予備校化してしまっているんです。したがって、全然臨床ができない6年生が問題であって、しっかり臨床を含めて勉強ができる体制だったら、こんな議論はしなくてもいいはずです。
 また、現場ではCBTやOSCEを取った段階で参加型の臨床実習に入るわけですけれども、患者さんの立場でいうと、無資格の人間が入ってきて自分の体を触られたくないという声がかなり強いんです。したがって、医学部の生徒が大学病院で臨床実習しようとすると、患者さんのほうから無視されるという事例がかなりあるわけで、ここできちんとCBTやOSCEが済んだ段階で国家資格を与えて、参加型臨床実習に資するような資格を持っているのだという国家資格を大学の5年生で与えるべきだと思います。
 もう一つは、5年・6年を臨床実習としたときに、医学部の5年・6年と初期臨床の1年・2年というのは、前から言われているようにシームレスにやって、どういうカリキュラムでどうやるのかというのを決めなければいけません。そこで国家試験をAdvanced OSCEのような臨床実習中心の国家試験にするとしても、そこが初期臨床制度に上手くつながっていないわけです。したがって、こういう改革をするのであれば医学部の5年・6年をどのようにするか、国家試験がどうあるべきか、初期臨床制度とどのようにつなげるかという、5年・6年、1年・2年の4年間をどうつくるかという基本的なプランをつくらなければいけないのに、5年・6年は文科省がやって国家試験になると厚労省が出てくるという、ここが全然つながっていないんですね。したがって、きちんといい医師を養成できるようなプログラムをつくらなければいけないと考えています。
 あと、もう一つ3番目の話で、地域医療構想で外来医療支援の明確化の連携で、かかりつけ医を中心にして地域医療をして、大病院に患者さんが集中しないようにするというのはすごく分かります。分かりますけど、前回の委員会でも私はお話ししたと思うのですけれども、かかりつけ医と何なんだというのが全然はっきりしないままで、どんどん議論だけが進んでいるんです。かかりつけ医というのは、昔の開業医の先生みたいに準夜帯でも深夜帯でも嫌な顔しないで、自転車に往診カバンを乗せて往診してくれる先生が本来のかかりつけ医のイメージだったと思いますが、今は専門化してしまって、何とかの専門、何の専門となってしまったら、何をもってかかりつけ医とするのかというのが全然明確でないのと、これからどんどん高齢者が増えたときに、高齢者は急変するんですよ。急変したときに準夜・深夜にかかりつけ医の先生が診てくれて、救急病院にすぐ搬送してくれるのかということを考えると、患者さんとしては急変したときにいつでも入院させてくれる病院に自分を登録しておきたいというのは当然の話だと思うんです。この辺の話が全然出ないで、かかりつけ医に全部患者さんが行けばいいという議論はおかしいと思います。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、木戸委員、お願いいたします。
○木戸委員 私は、1点目の医師の働き方改革について1つコメントさせていただきます。
 今回、非常に高い上限時間ではありますが、これまではなかった上限規制が入ったということは、勤務医としては大きな歴史的な一歩だと思います。ただ、これが法律として位置づけられてしまうことで医療機関が萎縮してしまい、非常に重荷に感じるとか、取り締まられると考えるのはよくないと思います。勤務医の健康と地域医療確保の両方にとって状況が改善していくための一つのきっかけとして、建設的に取り組んでいくことが重要で、労働法ではなくて医療法ということですので、自主的に取組を進めていくきっかけにするべきだと思いますので、そういう方向性で考えるべきだと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 今村委員、お願いします。
○今村委員 ただいまの木戸先生の御意見にも近いのですけれども、今回こういう法改正をしていただくということで、今後のお願いをしたいと思っております。本当に医師が健康で誇りを持って仕事ができることが国民に良質な医療を提供できるという、改めてのお話なのですけれども、今回の法律の中には本当に新しい取組がたくさん入っております。例えば、1ページにありますように、医師の労働時間短縮計画をつくると。病院の現場は今、具体的にどういう計画をつくっていけばいいのかと非常に戸惑われているというお声も聞きます。そういったときに都道府県に設置されている勤務環境改善支援センターが支援するという枠組みなのだと思いますけれども、このセンターそのものの機能もまだまだ十分でないということで、そういった機能を強化していかなければいけないと思いますし、2ページにございますように、タスクシフト・シェアにつきましても、医師の仕事を様々な職種が手伝っていただけるという大変よい話だと思いますけれども、相当の研修時間が必要になってくる。また、新たな医師の健康確保措置として面接指導すると。この面接指導する医師をこれから多数養成していかなければいけない。また、先ほどお話があったB水準で、評価をする評価センターをしっかりつくって機能させていかなければいけないという、本当に新しい取組をしっかり着実に進めていかなければいけないということになっています。
 こういった法律をまとめるまでに4年間の議論をしているんですね。あと2024年まですごく時間がありそうですけれども、実際には3年しかないと。さらに、コロナ禍の中でこういった取組をしていかなければいけないということで、個々の人やあるいは医療機関に全て努力をさせるということではなく、当然、厚生労働省もよくお分かりだと思いますけれども、厚生と労働が一致して日本の将来の医療のために全力を挙げて支援していただくことを改めてお願い申し上げたいと思います。お尻が決まっているから、ただ淡々と何かをやっていくということではなくて、丁寧な議論と現場の進捗状況をしっかり確認しながら、応援していただくことを改めてお願いしたいと思います。ありがとうございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 山口委員、いかがでしょうか。
○山口委員 先ほどから医師養成課程の見直しについて、何人かの方から御意見があったのですけれども、医学教育の中でもJACME(日本医学教育評価機構)と医療系大学間共用試験実施評価機構の2つに私は理事として関わっている立場として、現状を皆さんにお伝えしておきたいと思って発言いたしました。
 先ほど久喜委員から臨床参加型実習について、それでいいのかという御意見があったのですけれども、このように変わってきたことの1つとして、ほかの国で医学部を出て医師免許持った人が、アメリカで医師として働こうと思ったときの試験を受ける資格として、グローバルスタンダードの医学部のカリキュラムを出ていなければならないという問題が出てきました。しかし、日本のこれまでの医学部のカリキュラムでは資格がないということで、JACMEが設立され、変更した医学部のカリキュラムを随時認証していっているところです。その1つに、世界の流れとして、診療参加型臨床実習をきちんとやっているかどうかが基準の中に入ってきていることから、こういう流れになったと認識しております。
 ですので、それを受けて現在、きちんと医行為をできるだけの技量があるかどうかということで、臨床参加型実習前の客観的臨床能力試験(OSCE)を公的な試験として耐え得るような内容にしようということで検証する事業も行っているところです。私も初期研修を始める研修医の段階で何もできないことのほうが、患者としても怖いことだなと思っていますので、しっかりと参加型臨床実習を経験してもらうことが大事だと思っています。そのためには、スチューデントドクターがこれまで全国医学部長病院長会議の付与だったところから、国が認めることになるわけですので、そういったスチューデントドクターの存在をきちんと国民に伝えていくことが今後問われてくると思っております。
 それから、シームレスという話も出ていましたけれども、今OSCEの評価者の中に、実際に実習や研修を受け入れている市中の病院の指導医の方たちに評価者になってもらうということで、臨床も生かしながらOSCEの評価をしていこうということも随時始まっています。ですので、シームレスということは割と力を入れて教育から初期研修、専門医まで話し合われているという現状があることを、ぜひ御理解いただきたいと思って発言いたしました。
 以上です。ありがとうございました。
○永井部会長 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 御意見ないようですので、ただいまの議論を踏まえて事務局は必要な対応をお願いしたいと思います。
 続きまして、令和3年度予算案・税制改正について、事務局から説明いただきます。
○総務課長 資料2を御確認ください。「令和3年度予算案・税制改正について」という資料でございます。
 まず、予算案について御報告を申し上げたいと思います。
 1ページですが、全体像が掲載されているかと思います。これまで予算につきましては、医政局としましては地域医療構想、医師偏在対策、働き方改革といったような大きな柱を軸に予算組みをしてまいったところでございます。来年度予算につきましては、それに加えまして、コロナ対応をどうするのかが課題でございました。
 結論的に申し上げますと、それにつきましては主に第三次補正、これは来年度の予算ではなく今年度の補正予算という形で組みまして、かつ、それを来年度にも繰り越す形で使えるようにいたしまして、15か月予算と言ったりしますが、そういった形で柔軟に運用できるような形にしているということでございます。
 その上で、それぞれ確認していきたいと思いますが、地域医療構想につきましては、ある程度大きな金額が計上されてございます。一番大きいのは地域医療介護総合確保基金。丸い括弧に入っておりますのは今年度の数字でございます。左側にあるのが来年度の予算案の数字でございますが、今年度796億円だったものについて851億円の予算という形にしてございます。増額の大きな理由といたしましては病床機能再編支援事業、先ほど法案の説明の中で、この事業を法律に盛り込むと申し上げましたが、金額といたしましても今年度84億円であるものを195億円という形で充実させた上で、この確保基金に盛り込むということでございます。
 なお、四角張った括弧は851億円の外の数字ではなくて、内数という意味でございます。
 同じく地域医療構想につきましては、その他、医療機能の分化・連携に向けた病院支援事業や、入院・外来機能に関するデータ集積・分析、かかりつけ医機能の強化・活用に係る調査・普及事業といったものが計上されてございます。
 医師の偏在対策につきましては、3つほどございます。今年度から医師少数区域等におきます認定制度が始まってございます、これについての推進事業。2つ目は、総合診療医の養成支援。3つ目といたしまして、医師の地域偏在・診療科偏在対策に向けた調査といった項目を掲載してございます。
 右側にいきまして、先に補正予算の御説明を申し上げたいと思います。
 1,276億円を組みまして、医政局の関係でございますと、医療機関における感染防止対策やG-MIS(新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム)の機能拡充といったもの、その他が掲載されてございます。
 その下に括弧としまして大きな金額1.2兆円となっておりますのは健康局の予算でございまして、緊急包括支援交付金。この中には、いわゆる病床の確保といった事業が入ってございますので大きな金額になってございます。医療機関におきましては都道府県を経由した大きな支援金でございます。
 その上で、ウィズコロナ時代に対応した医療提供体制の構築もございます。1つ目が、福祉医療機構の医療貸付事業、1.7兆円の財政投融資の計画でございます。その他、コロナの関係といたしまして、遠隔医療設備整備事業、看護職員卒後フォローアップ研修、医療のお仕事Key-Net、あるいは国立国際医療研究センターの体制強化、ドクターヘリ導入促進事業等々といったものが掲載されてございます。
 最後に、医師・医療従事者の働き方改革の推進につきましては、1つ目の勤務医の労働時間短縮の推進という予算がございます。これは確保基金の内数で改めて記載させていただいたものでございます。そのほか、働きやすい環境整備あるいは組織マネジメント改革といったものについて、来年度予算を計上しているということでございます。
 それぞれの説明はそれ以降のページに記載してございますので、御参照いただきたいと思います。
 続きまして、税制度の御説明を申し上げたいと思いますので、23ページ目でございます。「令和3年度税制改正の概要」という資料を御確認いただきたいと思います。来年度の税制改正につきまして御報告申し上げます。
 税制というのは複数年対応しているものが多うございまして、改正が多い年、少ない年ございますが、来年度の改正はかなり多い年でございました。
 1つ目、地域医療構想実現に向けた税制上の優遇措置の創設(登録免許税)としてございます。これも先ほど法案の説明で、医療介護総合確保法の中で再編計画を認定するという仕組みを設けると申し上げました。そういう仕組みを総合確保法で設けることを前提にいたしまして、税におきましては令和5年3月31日までの間、登録免許税の優遇措置を講じるということでございます。
 2つ目、医療提供体制の確保に資する設備の特別償却制度の延長でございます。これはずっとこれまでも延長を繰り返してまいりました、医療機器についてある年に大きな金額を償却できるという仕組みでございます。これについて2年間の延長を果たしてございます。
 3つ目は、コロナを踏まえた特例措置でございます。社会医療法人につきましては、救急医療の実績を要件にしてございますが、コロナ禍におきまして通常の年とは違う状況がございますことから、特例措置を講じて、要件に合致しない場合に、社会医療法人を単純に外れるということを防ぐ措置を講ずるものでございます。
 4つ目は、これまでも行ってきたものでございまして、社会保険診療報酬の事業税非課税の存続及び社会保険診療報酬以外の部分の事業税の軽減措置の存続でございます。これは、税制の結論としては、存続した上で、その在り方については長期検討とされてございますが、これまでもそのようにされているものでございます。
 5つ目、セルフメディケーション税制でございます。風邪薬やアレルギーの薬、今そういったものについては税制の控除がございます。これを延長し、拡充するものでございます。対象につきましては、より効果的なものに重点化する。もちろん、拡大する部分もございます。その上で、5年間の延長を行う、併せて手続の簡素化を図るものでございます。
 最後に、試験研究を行った場合の税制、いわゆる研究開発税制でございますけれども、試験研究費の総額に係る控除率を一部引き上げること、あるいは、控除税額の上乗せ措置を2年間延長すること、さらには、いわゆるオープンイノベーション型の運用についての改善を図るといったことを行うものでございます。
 以上、これらにつきましても詳細につきましては、後ろに掲載してございますので御確認いただければと思います。
 予算・税の報告につきましては以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明に御質問・御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。加納委員どうぞ。
○加納委員 最後の社会医療法人への取り消し要件等が緩和されることとコロナ禍におけるいろいろな条件等は、よろしくお願いしたいと思います。
 それとは別に、コロナ禍で民間病院がやっていないぞという変な流れが出ていますが、我々はしっかりとやっておりますし、しっかりと我々の仲間の病院が頑張っているかと思います。令和3年度におきましても、しっかりと継続していかなければいけないということであれば、そのあたりの予算もぜひともよろしくお願いしたいと思っております。
 もう一点、今後の予算についてですが、救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会、資料2の6ページ、7ページに医療機関におけるBCP策定についてとしてまとめてあります。今後、災害時、感染等の対応も考えなければいけないですが、まずは災害における各病院のBCPの作成が進められている中で、今まで災害拠点病院等にはどんどん予算が組まれています。例えばBCPを策定するには、給水設備をどうするかとか、また電源をどうするかとかいろいろなことを書かなければいけないわけですが、その辺に対してしっかりと拠点病院と、また地域支援病院等までは予算化されて補助金が出るようになっていたかと思います。今後全病院ということであれば、災害が起こりやすいところから順番にという話も進んでおりますけれども、災害時に二次救急病院等には多くの被災者が来られます。そのときに民間病院がしっかりと対応しなければいけないので、そういった点も考えていただいて、民間病院に対するいろいろな給水等の設備強化に関する促進事業等も含めた予算化をぜひとも、今回がだめなら次回という形でも結構ですが、しっかりと担保するようにお願いしたいと思います。
 一応、以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。小熊委員どうぞ。
○小熊委員 令和3年度予算案の概要で、大きく分けて2番目の医師の地域間・診療科間偏在の解消というのは、こういったものはお金だけの問題ではないと思うのですけれども、ほかの項目に比べますと非常に予算枠が少ない。予算枠が少ないということは、実際に検討あるいは行動する課題があまり見出されていないからではないかと私どもは考えてしまいます。幾ら地域医療構想の実現を図ったり、働き方改革をしようとしても、地方では医師がいなければそういったものについていけないという現実に迫られるわけでございまして、私どもとしましては、2番の存在が非常に大きな課題になっているということで、もう少しここに重点的に力を入れるような施策、あるいはお金もそれに伴って増えると思いますけれども、そういった考えはお持ちでないのだろうかをお聞きしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○永井部会長 では、医事課長、お願いします。
○医事課長 医師の偏在是正に関する予算についての御質問を承りました。医師の偏在対策はここに書いてある事業費で実施しているもの以外にも、地域枠の設定や臨床研修の定員設定、また、専攻医のシーリングを含めて様々な施策を組み合わせて実施してきているところでございます。したがいまして、我々としても医師の偏在対策は本当に重要だと思っておりまして、予算事業以外にも様々な仕組みを組み合わせて取り組んでいるところでございます。引き続き重要な課題だと思いますので、取組を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○総務課長 予算上といたしましては、地域医療介護総合確保基金の1つの事業区分が医師の確保の事業になっておりまして、それが大きな金額になってございます。この資料上は特定した形で記載してございませんが、今、医事課長が申し上げましたように、医師の偏在対策というのは、各養成課程での取組に加えまして予算上もしっかりと対応していきたいと考えています。
 以上です。
○永井部会長 そのほかいかがでしょうか。
 松田委員どうぞ。
○松田委員 情報関連でG-MISの予算が立っているのですけれども、とてもいいことだと思います。ただ、一方で、今現場が非常に混乱しているのはHER-SYS(新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)への対応です。HER-SYSとG-MISがばらばらに動いてしまうとよくないと思いますので、この予算を立てられている枠の中でHER-SYSの連動といいますか、現場が効率的に情報を入れて、その情報を現場で活用できるような整合性のある仕組みをぜひ考えていただきたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。今の点はいかがでしょうか。どうぞ。
○審議官 医政局審議官でございます。松田先生、御質問ありがとうございます。
 御指摘の点、そのとおりだと思います。実は、厚生労働省のコロナ対策本部の中ではG-MIS、HER-SYSも含めて、あるいはワクチン関係のV-SYS(ワクチン接種円滑化システム)も含めて、システム全体をどういうふうに整合的に進めていくかという議論をしながら進めているところでございます。
 それに加えて、G-MISはもとはといえばコロナ関係で、特に提供体制の観点からどうか、あるいは医療物資の不足があった場合に、医療機関とコミュニケーションをとりながら必要なものをお届けするというものでスタートしてございますけれども、今後はさらに医療機関とのある種のコミュニケーションツールといいましょうか、いろいろな御報告をいただくときに、こういうシステムに乗せて効率的に情報を速やかに集めて、またお返しすると、地域でいろいろな御議論をいただくときの基礎資料にするという形に発展させていきたいというものもございまして、単にコロナ対応だけではないものとして私ども考えておりまして、関係者の御意見も伺いながらいいものにしていきたいと考えてございます。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 松田委員どうぞ。
○松田委員 レセプトなどの分析をしてみると分かるのですけれども、今回かなり高齢者施設、障害者施設でクラスターが発生しています。そうしますと、高齢者施設や障害者施設等からもデータが集められるような工夫も、ぜひお願いしたいと思います。これは意見でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 そのほかいかがでしょうか。まだ時間に余裕がございますので、ぜひ御発言いただければと思いますが。
 相澤委員どうぞ。
○相澤委員 ただいま新型コロナに関する話があったのですが、今非常に問題なのは、軽症だからといって在宅療養する方の管理、医学的なフォローをどうしていくのかということだと思います。私たちの病院も感染症外来で陽性の方がいらっしゃいますと保健所に連絡するわけです。そうすると、あとは保健所マターになってしまいまして、医療とすっぱりそこで絆が断たれてしまうんですね。そうすると、その方が御家庭にいったときに誰が責任を持って医学的管理をするのかと。そういう仕組み、情報がしっかり伝わる、あるいは在宅でしっかりと管理できるものをつくっていかないといけないのではないかと思っています。
 今回の予算を見ますと、確かにコロナあるいはデジタル化に予算がいっているのですが、在宅医療に関するものがものすごく少なくなっていて軽視されているような感じがしてならないんです。これから御高齢者の社会の中で地域包括ケアが大事だということでやってきたわけで、何も地域包括ケアは介護の問題だけではないと思うんです。松田先生の論文にもあったと思うのですが、在宅での総合的な医学管理はものすごく大事だという結論を出されておりまして、これがないために、またすぐに入院になってしまうことがございまして、ここに対してもう少し手厚くしていかないと、これからの社会を乗り切れないのではないか。そういう仕組みは急につくれませんので、ぜひそういうことをやってほしいというのが第1点。
 それから、介護保険が今度変わるということで見てみましたら、生活、介護ではCHASE(科学的介護データベース)というものを使って全国統一したデータを集めて分析していこうとしているんですね。今度、在宅のリハビリに関してはVISIT(通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集に係るシステム)というものを使って科学的な分析をやっていこうとしている。でも、患者さんは病院から在宅介護のほうに移っていくわけですから、そのつながりが全くなかったら意味がないと私は思うのですが、医療のほうにはそういうCHASEやVISITなどという情報は全然伝わってきていないんですね。これこそ介護と医療が縦割りで全然関係がないと。こういうことをやっていたら、この国は非常に大変なことになると思うのですが、その辺に関して、もしお考えがあったら教えていただきたいと思います。
○永井部会長 審議官どうぞ。
○審議官 今のCHASEやVISITにも絡んだ話なのですけれども、そもそも医療介護の情報について、今、厚労省の中で大きく動いて進めておりますのは、パーソナルヘルスレコードという形で、御本人に健診情報あるいはレセプト情報のみならず必要な医療情報、それから、介護関係のものについても御本人が御本人の情報を持つと。その上で、その情報を必要に応じて御本人の同意の下に、例えば関係機関でその情報を確認できるという枠組みを構築していこうと、来年の夏ぐらいから順次稼働なのですけれども、また、データについても追加していこうということを考えてございます。
 そういった流れの中で今御指摘のような点、要するにCHASEもVISITもどういうデータであれば現場の皆様方にとって有益なものになるのかというのは、老健局でもこれから本格的に検討だと思いますので、今いただいた御指摘も踏まえて横の連携をよくして考えていきたいと思います。
 以上でございます。
○永井部会長 そのほかいかがでしょうか。
 神野委員どうぞ。
○神野委員 今の話につながるところなのですけれども、厚労省は2022年までにマイナンバーカードを使った資格認定制度や電子処方箋、今の話にあったパーソナルヘルスレコードなどを計画されていると思いますけれども、これにはそれなりの費用と実地検証が必要だと思うのです。令和3年度予算でこういったところに結構お金をかける必要があると思うのですが、どの辺に入っているのでしょうか、教えていただきたいと思います。
○永井部会長 どうぞ。
○研究開発振興課長 御質問ありがとうございます。研究開発振興課長でございます。
 今お尋ねのありました医療情報について、どういった予算がというところでございます。先ほどの御議論にもございましたけれども、患者さん本人が自分の情報を見ることができるようにするということと、全国の医療機関が、当然患者さん御本人の同意が前提でございますけれども、その中の一定程度のものを見ることができることによって、医療提供者側の連携をよくしていこうということがあろうかと思います。
 そういったそれぞれの情報について、データヘルス実行計画に基づいて様々な取組をさせていただいておりますけれども、その中に保健情報利活用関連の様々な事業を実施しております。データヘルスに関する予算の中でも進めているところでございます。
 今日お配り申し上げた資料ですと16ページに、データヘルス改革の推進がございますけれども、医政局の予算だけではなくて関係する様々な部局と連携しながら、先ほど申し上げたようなデータヘルス、患者さん御本人、そして医療提供者側の連携が進むように有効に予算を活用してまいりたいと思っております。
 また、おっしゃるように、目の前に必要な予算以外にも、全国の医療機関が活用していくときには、データヘルス計画の進捗に応じて各医療機関がどのようなものが必要で、それをどう活用していくのかというのは令和3年度だけに限られるものではございませんので、データヘルスの進捗も踏まえながら、引き続き必要な予算の確保等に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○神野委員 ありがとうございます。この直近にある3月のマイナンバーカードを使った資格認定制度も、なかなかうまくいっていないようですので、その辺についてきちんとかけるべき予算をかけていただきたいなと思いました。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 久喜委員どうぞ。
○久喜委員 予算を見させていただいて、こういう流れだなというのは大体分かってきたのですが、どなたかがお話しいただきましたけれども、2番目の医師の地域間・診療科偏在の解消は地域にとっては肝になっているというか、非常に重要なところです。そこで、16億円という記載があるのですが、先ほどの御返答でこれは一部だという、とらえ方が違うという形で非常にこの数字自体が見づらいので、全体としてどのくらいの予算を組んでいるのか地域を預かる者として大変関心があるところです。ですから、この辺はしっかり予算づけをしていただいて、その上で地域間の医師の偏在等々を国でしっかり解消するように予算立てをお願いしたいと思います。
 それから、先ほど神野委員もお話しいただきましたけれども、マイナンバーカードとの関連といのは大変関心を持っており、特にG-MIS等々で機能拡充するというのは非常に重要なことだと思っています。とかく今DXということで騒がれておりますが、特に日本ではデジタルトランスフォーメーションが少し遅れているという評価がありますけれども、その辺は予算をしっかり組んで、DXをどんどん進めていっていただきたいと思っております。
 それから、地方によって財政力には差がありますので、核心のところはしっかり国で予算組みをして、財政力が弱いところにも予算立てをして、いろいろな問題等々をくんでいくような形で予算をしっかり確保していただきたいと思います。半分は地方でといういろいろな事業がありますけれども、しっかり予算を国で組んでいただきたいとお願いいたします。
○永井部会長 ありがとうございます。
 加納委員、手が挙がっていますが。
○加納委員 もう一度申し訳ないです。先ほどから出ていますデジタル化という名の下で、マイナンバーカードの導入に関しましては、今、我々はベンダーさんから非常に高額な請求が参っております。こういったところをぜひとも早く処理をお願いしたいと思います。これはそもそも、我々はほとんど負担なしで入るというのが入り口だったかと思いますし、我々の業界におきましては電子カルテというのがそれぞれ乱立したことによって、非常に高額な電子カルテの費用負担が発生し、前から申していますように、大体病院の収入の約3%はそちらに毎年費やさなければいけなくなっております。医業利益率が我々は1~2%しかない世界で3%は非常に大きな負担になっておりますし、今後は、大きな負担にならないようにデジタル化が進むことを願っておりますので、よろしくお願いします。
 もう一点ですが、地域医療構想は三位一体の「三位」が抜けて「一体的な推進」という形になっていますけれども、先ほどからの議論の中で、大きな病院づくりという変な形にいきますと、先程の在宅の理論と同じで、今後そんなに巨大な病院が幾つも必要なのかということになります。在宅医療においては地域の急性期医療を担う二次救急等々との間で患者さんが急患で運ばれて治療され、また在宅へ戻ってもらうという繰り返しをスムーズにやっていく、そういった医療が今後、高齢者医療の中では必要ではないかということも考えられますので、今後の高齢者医療の中で本当に必要なところへ予算が行くように、ぜひともお願いしたいと思います。
 追加でありがとうございました。
○永井部会長 ありがとうございます。
 ほかにはよろしいでしょうか。どうぞ。
○総務課長 予算の表記が医師の偏在対策ですとか、あるいは在宅医療ですとか、あるいはデータヘルスにつきましていろいろな予算を組んでいるものですから、資料上うまくそれが表現できておらず恐縮でございます。なるべくしっかりとした説明・周知ができるように、今後とも改善していきたいと思います。
 資料では、資料2の途中から縦長の紙がついていまして、そこの1ページに、地域医療介護総合確保基金が掲載されております。先ほど私、国で851億円の予算を組んでいると申し上げましたが、これは地方を加えまして1,179億円の基金として来年度予算が立てられているものでございます。
 その中で、参考が下にありますが、地域医療構想に向けました設備や施設の整備事業が、事業区分1でございます。事業区分2というのが、先ほど御質問のございました在宅・居宅における医療提供に関する事業、これも490億円の内数となる金額を投入しているものでございます。次のページで、医療従事者の確保に関する事業が事業区分4で同じく490億円の内数を確保しています。さらに、勤務医の労働短縮に向けた働き方改革という意味で、事業区分6がございます。
 なお、これに加えまして、事業区分1-2という形で今般の地域医療構想の中での病床の再編の事業につきましては位置づけをしていきたいと考えてございます。
 以上のような予算組みを総合確保基金という形で行っているという説明を補足させていただきました。
 以上です。
○永井部会長 よろしいでしょうか。そのほか御発言ございませんか。
 もし、ございませんでしたら、本日はここまでとさせていただきたいと思います。
 では、事務局から、その他連絡事項等をお願いいたします。
○総務課長 本日はありがとうございました。
 本日、一般傍聴の制限をしてございますので、議事録につきましては可能な限り速やかに公表したいと考えます。事務局として校正作業を進めてまいりますので、委員の皆様方におかれましても御多忙中とは存じますけれども、御協力をいただきますよう何とぞお願い申し上げます。
 また、次回の医療部会の日程につきましては、詳細が決まり次第、改めて御連絡をさせていただきます。
 本日はありがとうございました。
○永井部会長 ありがとうございました。
 それでは、これで終了させていただきます。どうもありがとうございました。

 

(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(医療部会)> 第78回医療部会(2021年2月8日)

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