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2020年8月24日 第75回医療部会

医政局総務課

○日時

令和2年8月24日(月)18:00~20:00

 

○場所   TKP新橋カンファレンスセンター ホール14G
 

○議事


○医療政策企画官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第75回「社会保障審議会医療部会」を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。
 まず、初めに発言の仕方などを説明させていただきます。御発言の際には、「手を挙げる」ボタンをクリックして、部会長の指名を受けてから、マイクのミュートを解除し、発言をするようお願いいたします。また、発言終了後は、再度マイクをミュートにするようにお願いいたします。
 また、部会長から、議題などに賛成かどうか、異議がないかを確認することがありますが、賛成の場合には「反応」ボタンをクリックした上で「賛成」ボタンをクリックするか、または、カメラに向かってうなずいていただくことで、いわゆる異議なしの旨を確認させていただきます。
 続きまして、委員の異動がありましたので、御紹介させていただきます。
 猪口雄二委員が退任され、新たに、全日本病院協会副会長、神野正博委員が就任されておりますので、御紹介させていただきます。
 次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。本日は、遠藤直幸委員、久喜委員、平井委員から御欠席との連絡を頂いております。
 医療部会の総委員24名、定足数は3分の1の8名となっております。本日は、21名の委員の皆様が御出席となりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 次に、資料の確認をさせていただきます。
 事前に、議事次第、委員名簿、厚生労働省出席者名簿のほか、資料1、資料2、資料3を送付させていただいておりますので、お手元に準備いただきますようお願いいたします。
 前回の医療部会以降、事務局におきまして異動がありましたので、配付させていただいた厚生労働省出席者名簿により御報告させていただきます。
 報道のカメラはここまででお願いいたします。
(カメラ退室)
○医療政策企画官 以降の進行は永井部会長にお願いしたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○永井部会長 よろしくお願いいたします。
 初めに、本日は、新型コロナウイルスによる感染拡大防止のため、傍聴は報道関係者のみにしておりますので、御承知おきいただきたいと思います。
 続いて、欠席の平井委員の代理として、植木参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(委員首肯)
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、議題に入ります。
 「新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた今後の医療提供体制について」、事務局より説明をお願いいたします。
○総務課長 それでは、資料1を御確認いただければと思います。
 私、医政局総務課長、熊木と申します。よろしくお願いいたします。
 まず、資料1「新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた今後の医療提供体制について」という資料でございます。
 おめくりいただきまして、まず、これまでの当部会の開催状況とこれまでの議論でございます。
 もう一枚めくっていただきまして、それぞれ直近1年の状況、今年に入ってからは3回、前回、3月23日で一旦小休止させていただいたところでございます。その後、新型コロナウイルス感染症の拡大が大きくなる中で、それへの対応が非常に大きな課題となったところでございます。
 4ページから、その状況を確認させていただきたいと思います。4ページ、陽性者数は8月20日時点のものでございますが、延べ5万9721名でございます。それに対しまして、医療提供ということで見ますと、入院治療等を要する方、これは退院や死亡された方を除いた8月20日時点の数でございますが、1万1922名でございます。
 続きまして、5ページは、新規の陽性者数の動向を報告日別に見たものでございます。御案内のとおり、4月に大きな波があり、現在はまた、感染者数という意味ではそれ以上の大きな波が来ているということ、他方で、7月末をピークにしているような状況が少し見られてきているということでございます。こうした状況が医療提供体制にどのように影響しているのかということで少し見てみたいと思います。
 6ページでございますが、まずは重症者数の推移でございます。上側がECMOの状況、下側が人工呼吸器の装着数でございます。ECMOの装着数で見ますと、前回の波のときは一番多くて60名を超える状況でございましたが、今回、今のところ、8月20日現在で23件でございます。ただし、少し上り傾向がみられてきたところでございます。下側が人工呼吸器でございまして、同様に、前回は300人を超える状況でございましたが、現在のところは184名でございます。
 7ページ以降に、今度は病床の確保についてのシートを用意させていただきました。まず、6月19日、医療提供体制につきまして事務連絡を発出いたしまして、現在、都道府県が主体となって様々な準備をしていただいてございます。真ん中の緑のところに書いておりますが、その前提といたしまして、国において新たな患者推計の手法をお示ししておりまして、それに基づいて各作業が行われてございます。この患者の推計に基づいて、時間軸を踏まえた、フェーズに応じた病床確保等を行っていただくこと、感染防止のための社会への協力要請(自粛要請等)を行う時期の違いによって、その後の患者数や必要な状況が異なってくるということでございますので、それを踏まえた対応を計画いただいているということでございます。
 8ページが新しい患者推計の具体的な状況でございまして、生産年齢人口群中心モデル(都会型)や高齢者群中心モデル(地方型)、再生産数を1.7や2.0、さらには協力要請のタイミングが1~7日後といった状況、それぞれによって、効果が違う、時期が違うということでございます。
 その基本的な考え方が9ページでございますが、省略をさせていただきます。
 次に、医業に対する影響を見てみたいと思いまして、まずは患者の視点からでございます。病院に行きたくても感染への不安を感じると回答されている方が全体の67%に達しているということでございます。
 11ページ、その結果としまして、患者数の変化を見ますと、2月、青い棒グラフから、3月、4月、5月というグラフを見ていただくと分かりやすいかと思いますけれども、患者数の減少が見られるということでございます。これは支払基金と国保連のレセプト件数の合計で見たものでございまして、左側が前年同月比でございますが、入院でいうと5月には85.7%まで、外来では79.0%まで落ち込んでいるという状況でございます。
 こうしたことを踏まえまして、12ページでございますが、様々な医療機関支援を講じてございます。左側に1次補正の対応、右側に2次補正の対応が書いてございます。2次補正で申し上げますと、緊急包括支援交付金の増額及び対象の拡大、全額国費による措置で、1兆6279億円の措置を講じてございます。そのほか、2.診療報酬の対応、3.マスク、ガウン、フェイスシールド等々の配付、さらに4.検査体制の強化に続きまして、5.福祉医療機構の優遇措置の拡充等を行っているということでございます。
 次の13ページは省略をさせていただきます。マスク等の優先配布事業でございます。
 その次のページは、電話やオンラインによる診療・服薬指導の活用でございまして、現在、御案内のとおり、時限的な取扱いが行われており、これについては原則定期的に状況の確認・検証を実施しているという報告をさせていただきます。
 こうした感染が非常にあって、それへの対応を図っている中でございますが、その中でもこの夏において政府全体としての動きはどうなっているのかを確認したいと思います。15ページ、16ページは、いわゆる骨太方針2020でございます。
 16ページに抜粋を載せてございますが、最初の本文の1行目ぐらいのところに、感染症の影響を踏まえ、新規感染者数の増大に十分対応することができる医療提供体制に向けてまずは万全の準備を進めるということが書いてあり、赤字の後半のところでございますけれども、引き続き、骨太方針2018・2019等に沿って着実に進めていくこと、そういう大きな認識が示されてございます。その上で、下半分、「新たな日常」に対応した医療提供体制の構築等で、また赤字の部分でございますが、引き続き、医療機関・薬局の経営状況も把握して、必要な対策を検討する、実施するとともに、赤字の後半部分でございますが、質が高く効率的で持続可能な医療提供体制の整備を進めるため、可能な限り早期に工程の具体化を図ることを記してございます。キーワードとしましては、地域医療構想調整会議、データに基づく医療ニーズ、医療機能の分化・連携あるいはかかりつけ機能の在り方といったことが記載されております。
 その次は、医療提供体制の構築に係る近年の取組でございますので、御案内のとおりかと思います。
 2040年の医療提供体制を見据えまして、地域医療構想や働き方改革あるいは医師偏在対策といった総合的・一体的な改革を実施しているところでございます
 19ページは、省略させていただきます。
 資料1の最後でございますが、「新型コロナウイルス感染症を踏まえた医療提供体制に関する課題と今後の進め方について」というシートは、今年あるいは今年後半の進め方を共有いたしたいという趣旨で、事務局としてのたたき台を作成させていただいたものでございます。
 次の21ページ、最後のシートでございますが、これは読ませていただきます。
○ 今般の新型コロナウイルス感染症の流行は、我が国の医療提供体制に多大な影響を及ぼしている。これに対し、様々な対策を講じてきたところであるが、地域医療において、例えば以下のような課題が浮き彫りとなっており、引き続き、新型コロナウイルス感染症に対する対応を最重要の課題として、スピード感を持ってこれに全力を注ぐことが重要である。
行政の課題、医療現場の課題を述べた上で、次の○でございます。
○ また、我が国の人口減少と高齢化は引き続き進行する。そして、医療需要の増加とサービス提供人口の減少が同時に生じる。これらを考慮すれば、病床確保計画やPPE等の備蓄計画等の対策に加え、効果的・効率的な医療提供体制を構築するための取組(医療計画(疾病・事業ごとの医療連携体制の在り方を含む。)、地域医療構想、医師の働き方改革、医師偏在対策の取組やかかりつけ医機能の普及等の取組)は着実に進めるべきではないか。
○ こうした課題も含め、様々な課題に対応できる柔軟性ある医療提供体制(入院、外来(かかりつけ医機能の強化、オンライン診療、外来機能の分化・連携)、在宅医療、医療人材等)の構築を目指すべきではないか。また、医療に関するデータヘルス改革についても進めていくべきではないか。
○ 上記の方向性を踏まえつつ、各検討会等(医療計画の見直しに関する検討会、地域医療構想ワーキンググループ、医師の働き方改革の推進に関する検討会等)で具体的な検討を行うべきではないか。
以上、最終シートが議論に供しますための事務局のたたき台でございます。
 資料1についての説明は、以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に、御質問、御意見がおありの方は、御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
 どうぞ。
○山口委員 山口でございます。
 御説明ありがとうございました。
 この新型コロナのことで感じていることを幾つかお伝えしたいと思います。
 私たちのところでも、緊急事態宣言が発出されて以降、ボランティアの活動を休止しましたので、電話相談ということで、ほぼ私1人で、2か月弱、百数十件の相談を受けておりました。非常に受診控えをしている方が多くて、その理由としては、感情的な反応をしたり、やみくもに病院は怖いんだということで行かなくて症状を悪化させているという方が結構いらっしゃったなという気がいたしております。今後、患者が適切な受療行動をするためには、コロナのことに関してもそうですけれども、もう少し適切に冷静で客観的な情報提供をしていく必要があるのではないかということを考えました。
 この21ページに行政の課題が書かれていますけれども、所管が違うかもしれませんけれども、保健所機能を強化することが必要かと思っています。今の体制では不十分だったことがはっきりしましたので、この辺り、保健所機能を再度考える必要があるのではないかとも感じております。
 最後に、オンライン診療について、この21ページの「柔軟性ある医療提供体制」の中にオンライン診療が書かれています。私は、オンライン診療の指針見直し検討会の構成員を務めております。オンライン診療では原則初診は対面ということを指針の中心にしてきたわけですけれども、今回、この新型コロナウイルスの感染拡大ということで、初診をもう少し拡大する必要があるのではないかということで、4月2日に急遽2日前の告知で検討会が開かれました。そのときに初診について話合いをしたわけですけれども、4つ提案をされた中で、全く面識のない、情報もない、そういう患者に対しての初診はやはり認めてはいけないのではないかということで検討会は一致して、意見をまとめました。しかし、2日後に政府からそれも含めてすべて認めるという方針が出されました。さらには、そこでは全く議論のなかった電話初診も認められるということで、オンライン以上に情報がない電話での初診が、今、オンライン診療の中の半分強を占めています。
 医療は命に関係することですやはり時限的ということでルールを守らなければいけないということで、ついこの間、3か月分の情報が出てきたということで、検証する検討会が開かれました。まだ感染が拡大しているということでそのまま継続になったのですけれども、初診で、電話で診断した上で、薬を出すということまでしているわけです。私は、患者の立場から見ても、それは非常に危険なことではないかと思います。
 ところが、メディアなどの中には、オンライン診療はどんどん拡大すべきで、これは時限的だけれども恒常的にすべきだという論調を、最近、目にすることがあります。医療の本質を考えたときに、この初診についてもう少し慎重にすべきではないかということをこの医療部会としてもきちんと考えていく必要があるのではないかと思いまして、オンライン診療の場でも申し上げましたけれども、あえてそういう経過があったことをお伝えするとともに、ここはきちんと守っていかないといけない点ではないかということをお伝えしておきたいと思いました。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 今村委員、どうぞ。
○今村委員 ありがとうございます。
 何点か、意見とお願いがございます。
 21ページの厚労省の課題ということでお話しさせていただきたいと思いますが、最初の○にございますように、この新型コロナウイルス感染症に対する対応を最重要の課題としてスピード感を持ってこれに全力で取り組むという記載をされております。本当にこれは重要なことだと思っていて、現場で医療をしていると、この今冬のインフルエンザと新型コロナが併存するような時期に我々が安心して医療ができるためには、この「スピード感を持って」という言葉を、きちんと重視しているということなのだと思いますけれども、改めてお願いしたいということです。
 この資料の中で、行政の課題の中に、マスク等の感染防護具等については、今後の第2波、第3波に向けて、着実に、ある程度余裕を持っていただけるような課題達成をしていただきたいと思っています。
 最後の○のところで具体的な各検討会が挙げられていて、こういったところでしっかり議論していただきたいということで、私もこの中で幾つか検討会に参加しておりますので、現在、コロナの影響で会議を開くことが非常に難しい状況であったことはよく分かりますが、今後はこのウェブも活用しながらスピード感を持って着実に具体的な検討を進めていただきたいなと、これはお願いでございます。
 一方、ここには会議の名前が挙がっておりませんが、感染症対策そのものは感染症部会があるわけでありますけれども、感染症対策としての医療提供体制についてはこの医療部会でしっかりと話し合っていただきたい案件だと思っております。議論の場が、先ほど3つ挙がっており、いろいろあるわけですけれども、あまりばらばらになってしまうことも逆によくない。統合的に運用して課題解決のための国の方針を早急に定めていただきたいということをお願いしたいと思います。
 もう一点は、調査というか、データを出していただきたいというお願いなのですが、新型コロナウイルス感染症を含む新興・再興感染症への各医療機関の対応や対応病棟への転換予定等を含めた調査は多分これまでに行われていないのだと思います。医療提供体制の検討のための基礎資料として、現場の医療機関の事務作業負担が、今、データということでいろいろな調査が行われて、これが医療機関の負担になってはいけないのですけれども、重くならない範囲でぜひ行っていただければいいのではないかということを申し上げたいと思います。
 最後に、大変恐縮ですけれども、医療体制の整備ということで、先ほどのデータで示されたように、患者さんの数あるいは重症の患者さんの数は出ているのですが、実は医療機関の医療従事者の感染者数が国全体として示されていないのではないかと思っています。クラスターなどが発生すると都道府県がそういう報告をされてメディアで何人が発生したかというのは取り上げられますが、例えば、医師、看護師あるいは医療従事者が感染すると、その医療機関の医療の提供体制は大きく変わるわけです。国として、今、一体何人の医療従事者が各職種で感染しているのか、あるいは、重症者がどのぐらいいらっしゃるのかという国全体としてのデータがないのですね。ですから、個別のばらばらに出てきたようなメディアの情報を収集する、もしくは、都道府県は多分全部把握されているのだと思うのですけれども、それを国全体として集約して、医療提供体制にどう影響が出るのかということもこの医療体制の整備の中では重要なことではないかと思っておりますので、ぜひ国がそういうデータを集約できるようにしていただければありがたいなと思っています。
 以上です。ありがとうございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 ほかに御発言はいかがでしょうか。
 釜萢委員、どうぞ。
○釜萢委員 ありがとうございます。
 まず、今日の資料の最初の部分については、都道府県においてコロナの感染拡大に対応するためにどのような医療提供体制を確保すべきか、特に病床をどういうふうに用意するのかということについて、シミュレーション、モデルを示して、それに応じた対応ということで計画を提出するようにと国が求めたものだろうと思います。それに対して都道府県が応じて計画を提出してきていると思いますが、今回の全国的な新規感染者の拡大に伴って、いろいろ計画していたことと、例えば、実際に病床を確保しようと思っても、なかなかコロナ専用の病床が空いてこない、あるいは、宿泊施設を確保しようとしても実際に困難を来したという事例もあると思います。ですから、計画の段階と実際に感染拡大に伴ってどうであったかということについて、国全体で評価あるいは分析ができるような取組がぜひ必要だろうと思いますので、そのことを指摘しておきたいと思います。
 21ページの最後のところですけれども、2つ目の○の2行目からですね。効果的・効率的な医療提供体制を構築するための取組として医療計画が筆頭に挙げられていますけれども、今回の新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえますと、5疾病5事業がありますけれども、それに加えて新興・再興感染症対策の追加を医療計画の中にしっかり盛り込むべきではないかということの指摘を申し上げたいと思います。21世紀に入ってからも、これまでにもいろいろな新興・再興感染症の出現があったわけでありまして、2003年のSARSあるいは2009年の新型インフルエンザなど、今回のものを含めてこれまでに3回このような事態が起こっておりますので、平常時からの備えとして計画を立てておくことが欠かせないのではないかということで、この医療計画の中に新興・再興感染症対策をどういうふうに位置づけるかということについての検討をお願いしたいと考えております。
 同じところですけれども、病床確保計画があります。今、この地域医療構想区域の中で、どの病院が新型コロナに対応するのかということが話し合われて、それぞれ実際に働いているわけですけれども、この中で地域医療構想における調整会議がこれらの調整にどういうふうに役割を果たしてきているのか、感染症対策を踏まえた議論を前倒しで進めることがぜひ必要だろうと思います。公的・公立の医療機関と民間の医療機関がありますが、その中でこのコロナに関してどのような役割分担を行うのかということについて、地域での綿密な計画をぜひ話し合っていただきたいと思います。スケジュール感について、なるべくスピード感を持ってしっかり対応していただきたいということを改めて申し上げたいと思います。
 同じ21ページの医療現場の課題の中で、患者の医療機関への受診控えが指摘されておりますけれども、医療機関を受診することによってコロナの感染を受けるのではないかという不安が漠然と多くの方に広がっているという状況が考えられますが、その結果として、本来しっかり定期的に受診をして受けるべき医療が受けられていないことによる疾病の悪化とか、あるいは、予防接種や健康診査といった本来きちんと定期的に行われるべきものが実施されないことによるコロナ以外の疾病の流行等も懸念されるわけでありまして、その辺りをきちんと国として対応していただかなければいけないと考えております。
 そのような中で、日本医師会は、感染防護対策を徹底している医療機関に対して「みんなで安心マーク」を制作し、厚生労働省の御協力を頂く中で、この「みんなで安心マーク」を医療機関が取得できるような準備が整っております。既に多くの医療機関から照会があり、実際にマークの取得も順調に伸びているわけですけれども、何とかこの本来日本が持っている医療の提供がしっかりと生かされて、国民の健康を損なうことがないように、日本医師会としても引き続き全力で取り組んでまいりたいと思っております。この「みんなで安心マーク」は、日本医師会の会員・非会員の区別なく、きちんとした体制を取れているところについては取得できるような形で、今、発行しておりますので、厚生労働省におかれましてもこの「みんなで安心マーク」の認知度の向上に向けて十分な御支援と御助力を賜りたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 今、ウェブの委員の方々は、11人、手が挙がっております。順番にお願いいたします。
 まず、佐保委員、神野委員、遠藤委員の順番にお願いします。
 佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 ありがとうございます。
 まず、新型コロナウイルス感染症の治療に対して各医療機関における医療に従事されている皆様が御尽力されていることに敬意を表したいと思っております。
 この新型コロナウイルス感染症は、まだ治療薬もワクチンも開発途中であり、感染予防、重症化防止の取組が重要となっております。新型コロナの感染症は、今後の医療提供体制をどうするか、その課題を浮き彫りにしたと考えております。新型コロナの感染を検査したり、入院・治療を行う医療機関を確保したりといったことも生じ、秋冬と大きな流行が懸念されている中で対応を準備することが必要と考えています。
 東京などの大都市では、感染者に対応するための病床や宿泊療養施設、対応する医療スタッフを相当数確保することが必要となりますし、地方の市町村では、感染者数が少ないものの、クラスターの発生などで感染者が急増すると一気に医療体制が崩壊するおそれがあります。地域医療構想は、2025年を見据えた地域の医療提供体制をどう地域の調整会議の中で検討し、病院の自主的な取組の中で病院の病床数や病棟を見直していくかという議論であったと理解しています。将来的にもまた別の新型感染症が発生する可能性を考えれば、こうした感染症の流行も踏まえながら、改めて地域の医療提供体制をどう構築するかが重要だと考えます。入院だけでなく、外来診療も含めて、公立・公的、民間を問わず、地域一体で安心の医療提供体制をどう構築するかということが地域住民から求められていると言っても過言ではないと思っております。
 また、圏域や都道府県を超えた連携も時に必要になってくると考えております。今回新型コロナ禍で患者・住民の受診行動がどのように変化したか、そのことによって治療内容や患者の心身にどういう影響があったかなど、今後の分析とその結果を地域医療構想の検討などに活用されることを求めたいと思います。また、医師の偏在対策、医師・医療従事者の働き方改革も含めて、三位一体改革としてしっかりと検討を行うことが重要と考えます。加えて、医療提供体制とともに保健所機能の強化、公衆衛生の取組強化も重要であり、人材を確保するための財源確保も必要と考えます。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 続いて、神野委員、その後、遠藤委員、どうぞ。
○神野委員 神野でございます。先ほど御紹介いただきましたように、今回から委員として参加させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、最初のほうにありました支援金あるいは慰労金の話でありますけれども、まだいろいろな都道府県で全然音沙汰がないというところをいっぱい聞いております。厚労省としてせっかく2次補正でつけていただいて、大変期待しているところでありますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 21ページの最後のページについて、3点、お話しさせていただきます。
 まず、PPE等の物の話であります。サプライチェーンが崩壊しました。また、我々病院はジャスト・イン・タイム・アンド・ストックレスということでいかに在庫を減らすかということで一生懸命頑張っていたわけですけれども、これからは、ジャスト・イン・ケース=念のためが必要になってくる。一つ一つの病院の中で念のためにいっぱいため込むべきなのか、それとも、例えば、医療圏あるいは都道府県単位で何らかのストックをしていただくようなものがあるのかということをぜひ御議論していただきたいと思います。
 2点目、オンライン診療でございます。3蜜を避けろという話は、我々は当たり前のように言っておきながら、密接・密集を考えると非接触・遠隔ということで、オンラインという話は当然出てくるわけであります。ただ、例えば、私が水虫になって薬局で売っているよりもよく効く薬が欲しいなと思ったらオンライン初診で出してくださいと、私が腰が痛くて湿布薬をいっぱい欲しいなと思ったらオンライン診療で出してくださいと言いますけれども、もし血を吐いたり、下血をしたり、おなかが痛かったり、高い熱が出たら、とてもではないけれどもオンライン診療でかかりたくない。ということは、OTCの代わりのものとして、オンライン診療で、自己負担は少ないかもしれないですけれども、より高い薬が出されるようになってくると、保険財政そのものに影響してくることもあり得るかと思います。そういった意味では、オンライン診療の何らかの制限といいますか、歯止めをきちんとかけておくことが必要かと思います。
 最後であります。21ページの一番下にありました、以前は三位一体ですけれども、今回は三位一体という言葉が消えているようでありますけれども、医療構想や働き方や医師偏在という話でありますけれども、18ページにこれまで言われていたいつまでにやるという話が出ているわけでありますけれども、これらの3つとこのコロナの感染対策を掛け合わせたときに、本当にこの年度でいいのかということについて、場合によっては延ばす、あるいは、場合によっては早めるといったことも御検討いただくべきかと思っている次第でございます。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 遠藤委員、その後、河本委員、お願いします。
○遠藤(秀)委員 ありがとうございます。
 日本歯科医師会の遠藤でございます。
 今後の医療提供体制についての要望を幾つかしたいと思います。
 今回の新型コロナウイルスの感染拡大に当たっては、口腔内の処置に伴うエアロゾルの問題に関して報道等もありまして、歯科においても受診抑制は見られました。ただ、幸い、現在のところ、患者さんとの間の歯科における院内感染の報告は見られていないようでございます。
 歯科の医療提供においては、近年、齲蝕の治療や入れ歯等の形態の回復といった診療から口腔健康管理といった全身の健康維持やQOLの改善を目指したアプローチに変化してきております。これは単なる定期健診ではなくて、口腔の健康管理による機能管理、衛生管理を継続的に実施して、重症化を予防し、健康を維持していくといったものでございます。
 新型コロナウイルスに直面して以降、国民や患者さんの健康に対する意識は相当変化しているように思います。こういった健康を維持しようという患者さんは、一時受診抑制がありましたけれども、少しずつ歯科においては戻ってきているように感じております。ウィズコロナやアフターコロナにおける新たな日常または生活様式においても、これらのことは必須のことであり、感染予防を含め、国民の健康維持のためにもこういったことは継続して実施していくべき歯科医療の中身だと考えております。このような方向性をもってぜひ推進していただきたいと要望いたします。
 以上です。ありがとうございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 続いて、河本委員、その後、小熊委員、お願いします。
○河本委員 ありがとうございます。
 21ページについて、若干コメントをさせていただきます。
 新型コロナウイルス感染症に対する対応を最重要の課題としてスピード感を持って全力を注ぐということはもとよりでございますけれども、同様に、少子高齢化という中長期的な課題が不変である以上、地域医療構想あるいはかかりつけ医機能の強化といった取組は、着実に進めるべきであり、効果的・効率的な医療提供体制を構築する必要性は何ら変わっていないと考えております。
 さらに言えば、感染症の拡大が突発的かつ急速に起こり得ることを踏まえれば、医療施設の最適配置の実現あるいは地域医療構想の連携を進める必要性が、今回のコロナ禍でさらに明らかになったとも言えるのではないかと考えております。そのため、医療計画の見直しに関する検討会や地域医療構想ワーキンググループにおきましては、コロナの影響も踏まえつつ、先ほど受診行動の分析等も必要だというお話もございましたけれども、そういった分析もきちんとやりつつ、その結果をどのように地域医療構想に反映し、推進していくのかということを、しっかりと議論を重ねていっていただきたいと考えております。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 小熊委員、その後、井上委員。
○小熊委員 全国自治体病院協議会の小熊でございます。
 私どもは、国内第1波パンデミックの対応と今後に向けての在り方を検討するということで、会員病院867のアンケート調査を進めております。ちょっと時間がかかっておりまして、もう少しで完全にまとめ上がるところですが、その結果と最近私どもの耳に入ってきたことをお伝えさせていただきたいと思います。
 まず、21ページにございます行政の課題でございます。ほとんどの地域では保健所の指導で割とうまくいっているという結果が出ておりますが、残念なことには、都道府県の保健所と政令指定都市の保健所とがどうもうまく対応できていないというところが報告されております。いわゆる保健所の管轄の違いといいましょうか、考え方の違いといいましょうか、そういったことによって患者さんへの対応が難しい状況になったということが報告されております。ですから、これらは国がきちんと指導をしていただかないと、今後も、第2波、第3波において大変な問題になり得る可能性があると思いますので、御報告させていただきます。
 行政の問題としては、最近私どもの耳に入ったのですが、厚労省の幹部職員は都道府県の意見を尊重するという姿勢で第2次補正などの対応をとお聞きしているのですが、いざ実際に実務を扱う官僚のところに行きますと、都道府県がこうしたいと思ってもなかなかそれに沿った動きを示してくれない。いわゆるいろいろな条件を出して、これは駄目、あれは駄目ということが第2次補正に対する動きとしてあって、都道府県の行政官が対応に苦慮しているという話が私どもの耳に入っているところでございます。そういった点は厚労省内部できちんと対応していただけるようにしていただきたいということが2点目であります。
 行政に対する3点目の要望は、どこも患者さんが入ってまいりますと病棟を閉鎖して看護師をコロナ病棟・病床に注ぎ込んでいるわけでございますが、その看護師に対して、おうちに帰らず、宿泊施設がない、準備できないということがございます。患者さんに対する宿泊施設は国の協力で用意していただいているわけでございますけれども、治療に当たる者の宿泊施設が個別の病院対応や個別の自治体対応になっているという現実がございます。これは非常に職員のモチベーションを下げますし、メンタルヘルスも非常によろしくないということで、こういったことも行政的に政策としてお考えいただけないかということであります。
 あわせて、今度、沖縄に看護師や医師を派遣するようでございますが、そのような医療従事者の派遣体制がないと、今後、第2波、第3波の場合は大変だと思いますので、そういったことも行政としてはお考えいただきたいと思います。
 ちょっと長くなりますが、今度は医療現場の声をお伝えしたいと思います。
 医療現場といたしましては、軽症者の宿泊施設を都会では確保していただいて非常に助かったという声が上がっております。ただ、最大の問題点は、熱発した患者が出たら、地域の連携体制や協力体制が整っていないところは全て指定医療機関に行け、自分のところは診ないということで、ただでさえ大変な状況になっている指定医療機関がそういった状況で逼迫してしまうことが問題点として挙げられておりました。
 また、疑い患者さんの対応、陽性か陰性か分からない患者さんをどう扱うかということが非常に病院としては問題であったということでございます。こういったことも今後しっかり考えていかなければいけないと思います。
 高齢者が急変したりするわけでございますが、高齢者の施設からお越しになる方は、医療だけでなくて介護が必要になる。そうしますと、人的資源不足から中小の病院ではこれに対応できないという状況になります。ですから、中小の病院では、医療と介護と両方を扱うことは非常に困難で、これがまた大病院に行きまして、大病院は重症患者とともに高齢者患者の対応もしなければいけないということで、こういった点の配慮もお考えいただきたいなと思っているところであります。
 一番我々が恐れているのは院内感染なわけでありますが、この院内感染を防止するには、PCRとか、あらゆる検査体制を整えなければいけないということでございまして、これに関してさらに充実していただければと思っています。我々のアンケートでは、院内のゾーニングとか、トリアージとか、ほとんど中枢的な病院では完了しておりました。職員への感染教育も全てが取り組んでいると言ってもいいぐらいの状況でございますが、それをやってもなおかつ院内感染が発生するということでございますので、そういった点をさらに考えていかなければいけないのではないかと思っています。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 今、行政への注文がありましたけれども、事務局、何かコメントはありますでしょうか。保健所とか、派遣体制とか、連携とか、何かコメントは。
 どうぞ。
○総務課長 ただいま、複数の委員の先生方から、まず、スピード感を持ってコロナの対応をしっかりとやってほしいということで御指摘いただきました。その旨を胸に刻んでしっかりと対応してまいりたいと思います。コロナ本部ともよく相談をさせていただきまして、保健所の機能の強化とか、国としての分析に基づいた対策とか、都道府県や広域での応援体制の強化といったこと、あるいは、受診抑制に対する対策に、単なる周知広報だけではなくて様々な手法はあろうかと思いますが、対応してまいりたいと思います。
 とりわけ、第2次補正予算は8月5日に交付決定されましたので、まだ医療現場のお手元に届いていないという御発言もあったかと思いますので、この点は、慰労金の交付などは今月末から、あるいは、病床確保についても来月末には交付が開始されるように、だんだんと都道府県でも速度を速めていただいて、私どもも働きかけをさせていただいておりますので、引き続き、そういう対応もしっかりしていきたいと思います。
 私どものほうで厚労省内部でもしっかりと情報共有を図って、予算の執行に当たってはあれも駄目、これも駄目といったことがないようにという御指摘もありましたので、よく確認をさせていただいて対応させていただきたいと考えます。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 続いて、井上委員、その後、加納委員、どうぞ。
○井上委員 ありがとうございます。
 前回の部会から5か月間がたちまして、世の中は大きく変わっております。経済界の立場から何点か意見を申し上げたいと思います。
 まず、感染症への対応に関しましては、現場で日々感染症と闘っておられる医療・福祉関係者の皆様の御尽力に対しまして、経済界としても心から感謝を申し上げます。
 経団連でも、中西経団連会長をトップとする新型コロナウイルス会議というものを設置いたしまして、国や自治体と連携しながら、企業のテレワークの推進や、感染予防策の周知徹底あるいは医療物資の提供など、様々な活動を続けてきたところでございます。これまでのところ、諸外国に比べまして被害は一定の範囲で抑えられているということですけれども、一方で、経済面では、雇用、事業継続に非常に甚大な影響が出ております。今後、国民の生活を維持するためには、感染予防と経済を両立させていかなくてはならないということが非常に重要な視点だと思います。そこで、今回、論点を示されていますけれども、私からお願いしたいのは、医療界と経済界の連携の重要性を重視して御議論を進めていただきたいということでございます。これまでも産業界の中でも産業医の先生と職場の安全につきましては様々な連携が図られてきておりますけれども、今回迎えておりますウィズコロナの時代におきましては、感染予防と経済活動がまさに一体的に行われていなくてはならないということで、感染症対策の視点を盛り込んだ上で経済運営あるいは企業経営を行わなくてはならないという状況になっていると思います。既に政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会にも経済学者や企業経営者が参画しておりますけれども、様々なことで連携をお願いしたいと思います。
 2点目は、ちょっと具体的になりますけれども、経済界から見まして、リスクを低減しながら経済活動あるいは人の移動を行うためには、PCR等の検査体制を拡充していただきたいと考えます。私自身も、仕事上、大変多くの方に会うのですけれども、その中に陽性者の方がおられまして、私自身がほかの方にうつす危険、リスクもあるということで、私自身も検査を受けたことがありますけれども、事ほどさように経済活動を行うということで避けがたい感染リスクが生じますので、検査は万能ではありませんけれども、リスク低減のためには体制の拡充が重要であると思います。
 また、今回の経験を踏まえて今後の医療体制を整備していくことが喫緊の課題でございますけれども、大きい視点でいきますと、マクロでの人口減少や高齢化という流れは変わらないわけでございますので、これまで取り組んできました地域医療構想等は着実に進めるべきと考えます。
 同時に、今回のような緊急時への対応を考えなくてはなりません。論点にありますように、医療機関の役割分担、連携、もう一つお願いしたいのは、自治体を超えた連携です。自治体ごとの連携、自治体を超えた医療機関の連携、こういうものも重要になってくると思いますし、また、データをそろえるという意味で、G-MISとか、HER-SYSの普及・活用・改善といったものも進めていただきたいと思います。
 最後に、オンライン診療・服薬指導でございますけれども、これは、患者、医療従事者双方の感染リスクを低減するというメリットもございますので、ウィズコロナの時代におきましては有効な手法だと思います。状況を検証しながら活用していくことが重要だと思います。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 加納委員、その後、楠岡委員。
○加納委員 ありがとうございます。
 まず、井上委員も先ほどおっしゃったことですが、日本で医療崩壊が起こらずに済んだ大きな理由は、日本の病院は8割が民間病院であったことだと思います。今回、民間病院で、私どもの病院もそうなのですが、新型コロナ陽性患者を受け入れた病院と受け入れしなかった病院がありまして、受け入れしなかった病院は受け入れしなかった病院としてしっかりと頑張った結果が医療崩壊をしなかった理由だと思っております。イギリスにしろ、イタリアにしろ、ニューヨークなどもそうなのですが、イタリアやイギリスに関しては公的な病院が急性期を担うことになっていまして、一方ニューヨークなどでは急性期を担うのは巨大病院チェーンの大きな病院という形になっています。普段からERの現場は救急車で搬送されてもストレッチャーで順番待ちをするような、トリアージはもちろん行っているのですけれども、そういうウェイティング状況が続いている状況の中にコロナ患者が入ってきたわけです。そこで一気に医療崩壊が起こっていったというさまを見ていますと、日本はある面で役割分担をした結果、崩壊を防げたのではないかと思います。
 資料1の4ページを見ていただきますと、今、コロナ入院治療等を要する者ということで1万2千名弱の方が入院をされているわけですが、実際には急性期のベッド数は数十万床ありますので、その数十万床で、しっかりと民間医療機関を含めて、公も民も分け隔てなく皆さんが頑張ってコロナ以外の医療を提供した結果が医療崩壊をしなかった大きな理由ではないかと思っておりますので、その点も考えていただいて今後のコロナの対応を考えていただきたいと思います。
 我々病院団体としては、先ほどのデータで見たように、明らかに、4月、5月のデータでは2割近く外来・入院が減っております。そして我々の収入でも明らかなマイナス面として働いております。今、これに関しまして2次補正を執行していただいているということでありますので、何とか2次補正の中でまずは執行していただいて、それでも足らなければ、次の予備費も含めて検討をよろしくお願いしたいと思います。
 もう一点、お願いがあります。先ほどの2次補正の中でもPCR検査の説明がありましたけれども、実際に執行するに当たって、PCR検査の機械と設備は補助金を認めるが、その設備を入れるため、要は検査室を改造しなければいけないわけなのですけれども、その改造費は一切認めないといった話が伝えられてきておりますので、そこらはもう一度整理していただいて、使い勝手のいい形にしていただくようお願いしたいと思います。
 最後に、これはびっくりするような話なのですが、16ページを見ていただきますと、真ん中あたりに「引き続き、医療機関・薬局の経営状況等も把握し、必要な対応を検討し」ということが、今回、基本方針2020に書かれています。今日の資料の中には入っていないのですが、8月9日に読売新聞の朝刊で報道がなされ、NHKでも報道がなされたのですが、病院支援を官民機構で行うということで、REVIC、地域経済活性化支援機構という名前がついている組織ですが、いわゆる不良債権を処理して再生する機構が福祉医療機構の上について、経営が悪化した医療機関に対する新たな支援策を行うというようです。しかし、これは支援策としてファンドを募ったり、M&Aを主導するする機構と思われます。今回我々が困っているというのは患者さんにしっかり対応した結果悪化したわけであって、別に経営者が悪いわけでも何でもないのにこういう機構が出てきて、これは何を意図しているのか。このREVICが出てきた経緯について、ぜひとも教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○永井部会長 ありがとうございます。
 続いて、楠岡委員、その後、野村委員。
○楠岡委員 楠岡です。
 私からは、地域医療構想に関してのお願いであります。先ほどから多くの委員から指摘がございますが、地域医療計画、地域医療構想にこういうパンデミック対応に関するものをぜひ入れていただきたいということでございます。ただ、一つは、地域医療構想調整会議が既に完了してしまって、地域医療構想がある程度固まってしまった地域もございますし、まだ進行中のところもあります。固まってしまったところに関しましては、もう一度そういうことを考え直していただく必要があるかと思います。
 昨年9月に、400ほどの病院が地域医療における役割をもう一回考えるようにという指摘を受けたわけでありますけれども、今回、実はその中の幾つかが指定感染症機関あるいはそのバックアップ機関として地域で最も活躍した病院になっていたということもありますので、今回のコロナに関するいろいろな診療機能等の実態をもう一度調査いただいて、それを地域医療構想用のデータとしてぜひお示しいただきたいと思います。
 それから、地域医療構想は、コロナ前の時期の患者、医療機関の受療行動から定められた指標がベースになっておりますけれども、このコロナ後の患者さんの受療行動等、これはまだ分かりませんが、それがかなり変わることは十分に予想されます。それを踏まえた形の地域医療構想の修正、今すぐは間に合いませんけれども、今後においてその修正を行うようなこともプロセスの中にぜひ入れていただきたいと思います。
 私からは以上であります。
○永井部会長 ありがとうございます。
 続いて、野村委員、その後、島崎委員。
○野村委員 野村と申します。お願いします。
 私たちの団体は、子供を持つ保護者への医療に関する啓発を行っているのですけれども、今回、医療提供体制を再構築するに当たって、新型コロナウイルス感染症との共存ということがあって、新型コロナ感染症とほかの疾患を両立して医療を確保するというのはすごく分かるのですけれども、こうした共存というのは、例えば、どういうことをすることをもって共存と言うのか。最近、いろいろなところで共存していきましょうということをとてもよく聞いて、私たちもお母さんに実際にはどういうことなのだろうかということはよく聞かれています。今後は医療体制に応じて軽症者は私たちがいつもかかるかかりつけ医とかで診ていくということも共存なのか、もしくは、感染症の位置づけ自体が共存ということで、現在は特定の指定感染症ということですけれども、今後、これが季節性のインフルエンザのようなものに変わっていくことをもって共存としていくのか、どういうところを目指していくのかというのがなかなか私たちには捉えづらいことがあるので、そういったことが具体的に分かりやすいといいかと思ったので、発言させていただきました。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 今の点はいかがでしょうか。何か説明ができますか。共存とは何を目指しているか。
○総務課長 まず、こういう定義といいますか、考え方の整理は非常に重要なことだと思いますので、引き続き議論を深めて整理していきたいと思います。今の時点では、コロナが未曽有の感染として拡大し、今、それに対応しているさなかでございますので、そういう意味では、今後、コロナへの対応、さらに、分析、総括的なことをさせていただいた上で検討していくことかと思います。
 他方で、一つ先ほどの御議論でもあったように、しっかりと経済活動を継続しながらコロナの感染拡大への防止をしていかなければならない、すなわち、コロナとともに社会経済を回す戦略を取っていかなければならないという大きな方向性は、今、一つ言われていることかと思いますので、具体的な議論に落としていくことが重要かと思います。
○永井部会長 ありがとうございます。
 島崎委員、その後、井伊委員、どうぞ。
○島崎委員 島崎です。
 今回の新型コロナによって、医療を取り巻く環境がかなり大きく変わったというか、風景が変わったことは事実だと思います。問題は、それによってこれまでの医療政策をかなり根本的に見直さなければいけないのか、あるいは、個々の政策についての微修正はともかく、大きな政策の方向性といいましょうか、医療政策の軸が変わらないのかということだと思います。私は、先ほどどなたかからもお話がありましたように、基底的な人口構造の変容は変わりませんので、むしろ、これまでの医療機能の分化と連携をはじめとする政策を加速すべき部分も相当あるのではないかと認識をしております。したがいまして、事務局が用意されました21ページの認識、この「たたき台」については基本的に賛成をいたします。
 その上で2つばかり申し上げたいことがあります。1つは、先ほど受診控えやオンライン診療について各構成委員の方々からお話がありましたけれども、私は期せずして「壮大な社会実験」が行われたのだと思います。もちろん、その結果、弊害もあったと思いますし、その一方で大きな受診行動のトレンドが変わった部分もあるのかもしれないと思います。したがって、これについては、あまり先入観を持たずに、きちんとした科学的な検証がなされるべきだと思います。
 2つ目、これが最後になりますけれども、保健所の機能強化について何人かの委員の方々が言及されました。私も保健所は公衆衛生の基盤として非常に重要だと思っておりますが、保健所が今回のような感染症にうまくフィットしていたのかどうかは、個々の事項の対応に即しいろいろ議論すべき点もあるのではないかと思います。それは、PCR検査のこととか、先ほどどなたかがおっしゃいました、都道府県と政令指定都市・中核市・保健所政令市との連携体制といった問題のみならず、今回のような感染症とかつての結核のような感染症と果たして同じような対応が妥当なのか、あるいは、国民皆保険制度の下で保険医療機関が整備されてきた中での保健所の役割や対応が同じでよいかどうかといったことについて、この医療部会の所掌かどうかは別にして、きちんと議論されるべきテーマなのではないかと思います。
 私からは、以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 井伊委員、その後、安部委員。
○井伊委員 ありがとうございます。
 私は、看護職に関連して、2点、お願いしたいと思います。
 まず、1点目ですけれども、この長引く新型コロナウイルス対応で看護師をはじめ、医療従事者はかなり疲弊をしているというのが現状です。看護師等の医療従事者を確保するためには、院内感染防止対策に加えて、医療従事者が疲弊しないような勤務時間や交代制勤務の設定、十分な休息や勤務間インターバルの確保という労働環境の整備が必要です。海外の例では、この新型感染症に対応するナースは短時間勤務でシフトを回すという事例もございます。そういったことは必要な医療提供体制整備だと考えます。あわせて、看護師等の医療従事者にも定期的なPCR検査を実施できるよう、これはぜひ対応をお願いしたいと考えています。
 2点目ですが、地域の医療を守るためには、医療機関だけではなく介護施設も含めた地域全体としての感染対策が求められると考えます。そのためには、感染対策等を担う専門性の高い人材の育成が必要ということは、言うまでもないことだと思います。このたびのコロナ感染症対応におきまして、感染管理認定看護師等が求めに応じて各地で活動したという事例がございます。認定看護師等の専門性の高い人材の育成と配置を推進すると同時に、所属を超えて地域で彼らが活動できるための仕組みを、今後、構築する必要があると考えておりますので、ぜひとも資料1・P21の課題の一つに挙げていただきたいと思います。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 今の医療従事者への定期的PCRは、枠組みとしては、医療になるのか、行政検査になるのか、それ以外か、いかがでしょうか。
○総務課長 PCR検査につきましては、まず、医師の判断の下に行うものが保険適用されており、その残りの3割分について、行政検査として取り扱う、公費で支弁するということでございます。他方、濃厚接触者等、行政として検査をすべきという判断の下に広く対応する場合においては、100%公費における検査、すなわち、それも行政検査という言い方をしてございます。
○永井部会長 そうすると、無症状でも医療従事者が検査を受ける必要があると医師が判断した場合は、医療の範囲で行えるということなのでしょうか。
○総務課長 はい。症状の有無には関わりはございませんので、医師としての御判断の下に検査が行われれば、保険適用、残りの3割分は基本的には公費で対応することになります。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
 それでは、安部委員、その後、山崎委員、どうぞ。
○安部委員 日本薬剤師会の安部でございます。
 14ページのオンラインの時限的な取扱いについて、山口委員からも御指摘がありましたけれども、コロナウイルス感染拡大を踏まえて、オンライン服薬指導について未曽有のパンデミックに対応するための時限的かつ例外的な対応として0410事務連絡が行われてきたところであり、一定の活用がされていると聞いております。一方で、0410対応でのオンライン等による服薬指導の通知の内容が、平時にも可能という誤解が報道等であり、現場でもそのような誤解があるということも聞いております。そういった意味では、コロナの禍が収束した際には、本来のオンライン服薬指導をしっかり構築する上で、0410対応の結果検証をして、医療の安全性・有効性を確保したオンライン服薬指導の議論を再度していただきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 山崎委員、その後、平井委員、植木参考人。
 まず、山崎委員。
○山崎委員 ありがとうございます。
 今回のコロナ感染症の経緯を見ていますと、半年前に、我々は、先ほど楠岡委員がおっしゃっていたように、地域医療構想と働き方改革を中心にこの場で議論をしていたわけですが、コロナが発生したということで、大きく見直しをしなければいけないということが当然起こってきていると思っています。
 地域医療構想の中では大規模な感染症が発生するということを考えてはいなかったですから、当然感染症の大規模発生について地域医療構想の中でどういう位置づけにしていくのか、また4つの病床機能分化があったのですが、4つの病床機能分化だけで片づけて、それで大規模に感染症が発生した場合は、その中で同時進行で一般の疾病を診ながら困難に対応する、あるいは、新しくまた発生する感染症に対応していくということでは、とてもやっていけないと思っています。したがって、この地域医療構想自体を、感染症機能を含めた地域医療構想をどうつくるかということを考えていかなければいけないというのが一つ。
 それと、働き方改革にしても、残業時間云々などということをあのときに随分我々は議論してきたわけですが、今、現場でコロナの専門病院や、その他の病院で勤務している人たちが、看護師さんを含めてどれだけの残業をしながら現場の医療を守っているのかということを考えると、明らかに医療従事者は不足しているのですよ。医者をはじめとして、看護師、介護福祉士を含めて、全ての医療関連業種で人員が減っています。医師も明らかに不足しているのに、10年たったら余りますみたいなばかな議論を平気でしているわけでして、これを機会に、医療従事者を、きちんとこういうパンデミックが発生したときにも対応していける医療体制をどういうふうに構築していくのかというのを考えていかなければいけないと思っています。
 今回、公立病院と民間病院がかなり並列で頑張ってやっているわけですが、公と民とでは、経済的な裏づけというか、立ち位置が全然違うわけですよね。公は公費が入っていまして、幾ら赤字が出て、外来の患者さんが減っても、入院の患者さんが減っても、それは公費で補塡されるわけですよ。民間病院はそういう公費補塡がないですから、それは全部自分の病院というか、病院の営業努力でもって補塡していかなければいけないという形になっています。少なくともこういう感染症については、公設公営でやっている公立病院と同じように、民間病院にもいろいろな感染症病棟をつくるときの公費の補塡とか、あるいは、当然一般病床の利用率が悪くなるわけですから、その悪くなった部分についての補塡をきちんとするような、経済的な裏づけを、今後、検討してほしいとは考えています。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 植木参考人、どうぞ。
○植木参考人 植木でございます。
 全国知事会では、8月8日付で新型コロナウイルス感染症に関する緊急提言ということで、9本の柱で改めてお願いをしているところでございます。その中にも入れ込んでおりますけれども、現在、緊急包括支援交付金を活用して、医療体制、検査体制のさらなる充実を図らせていただいたところであります。
 その中で、例えば、本県におきましても、PCRの検査機器とか、抗原定量の検査機器の整備につきまして、この交付金を活用しまして、現在、整備を進めているところなのですが、全国から発注が集中しておりまして、なかなかいつ手に入るか分からないという、早くて10月とか、あるいは、年が明けるのではないかという見通しがある医療機関が多くございます。そういった中で、インフルエンザがこれから冬に向けて増えてきて、発熱者が増えてきたときの鑑別診断を含めた検査体制の充実が非常に急がれるかなと思っております。その中で、できるだけ唾液検体での迅速検査キットでの検査体制が早くに整うことによって、かかりつけ医の先生でも鑑別診断等が速やかにしていただけるのではないかと期待しておりますので、その辺りをぜひお願いできたらと考えております。
 また、受診控えとか、急がない手術の延期とか、そういったことでかなり医療機関の収益が落ちております。このたびのコロナ禍においてそれぞれの医療機関の持つべき機能が、コロナ・非コロナの患者さんの医療の両立という点で、ある意味、非常に明確になってきている部分もあるかと思います。そういった中で、地域医療構想も進めてまいりますけれども、病院の経営が成り立たなくなりますと、そういったことも非常に困難となってまいります。知事会での要望にも挙げておりますけれども、この経営支援につきまして、空床確保の単価も大幅に引き上げてはいただいているのですけれども、このたびの重点医療機関の病棟単位を原則とする施設要件につきましても弾力的な運用をさせていただくこととか、入院医療機関に対する運営経費支援を対象にするなど、実情に応じて都道府県の判断で柔軟に幅広く活用できるように見直しをしていただきたいなということをお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 松原委員、木戸委員の順でお願いします。
○松原委員 ありがとうございます。
 医療機関でボーナスを払えないという話をマスコミによる報道でも実際に自分の周りでもよく見聞きします。現在、WAMで無利子・無担保で貸付けはしてくれるのですけれども、やはりそれは将来返済しなければならない。生計がなりたたなければいくら使命感があっても続きませんし、人財がいなくなってしまってはまさに医療提供もできない、医療提供ができなくなると医療領域だけではなく社会全体で経済的なダメージが広がっていくという悪循環になりますので、人に対する手当をしっかりやらなければいけないと思っております。
 一方で今後のことを考えると、今は緊急非常事態としての対応が必要だと思うのですけれども、これからの感染とともにどういう提供体制を構築するのか、病院、診療所それぞれの役割は何かということも考えていくときに、改めてそれぞれの機能をどう担っていただくのかという議論をしなければいけないのだろうと思っております。
また、初診患者に対する遠隔医療について、他の先進国ではどのように整理され運営されているのか、ぜひタイミングを見て情報提供を頂ければと思います。よろしくお願いします。
○永井部会長 ありがとうございます。
 木戸委員、その後、相澤委員、お願いします。
○木戸委員 手短に。木戸でございます。
 資料の21ページ、課題や今後の進め方に関しましては、基本的に賛成です。1ポツ目に行政の課題と医療現場の課題とありますが、もう一つの重要なステークホルダーである患者さんと家族からの視点もぜひ入れていただきたいと思います。今回、発熱してもすぐ診てもらえなくてつらい思いをしたとか、御家族も面会ができないとか、お産の立会いもできないとか、非常に御不便をおかけしていると思うのですけれども、そういったいろいろな問題に関して、全体のところを検証して、次なるいろいろなほかのパンデミックの発生にも生かせるように、必要なら検討する場を新たに設けて検討していくことが必要ではないかと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 相澤委員。
○相澤委員 どうもありがとうございます。
 このコロナ感染症の大変な難しさというのは、まず一つ、コロナというウイルスそのものがどんな働きをしてどんなことをするのかがよく分かっていないというところがあるかと思います。世界中から様々な文献がどんどん出てきて、私たちも見れば見るほど何が本当なのかがよく分からない。今、永井先生の医師会有識者会議が整理してくださってようやく頭が整理されてきているのですが、そういう様々な情報の整理をしないと一般の国民の方はどんどん不安になっていくので、そこは非常に重要かと思っています。
 もう一つの大変さは、地域によってコロナ感染症の拡大が物すごく違うということです。私は長野県の松本というところなのですが、そこの状況と、今、私が実際に暮らしている東京の状況とでは全く違います。これこそ、地域ごと、各自治体あるいは都道府県で対応していくしかないなと思っています。ですから、そこの都道府県や地方の自治体がこれをどう考えて対応するかということが極めて大事で、国はそこをどう支援するのかというところに力点を置いていただけるといいのではないかと思っております。
 もう一つは、このコロナの大変さは、コロナに対応しながら通常の医療を守らなければいけないということです。特に救急医療に関しては大変な混乱があって、コロナの疑いの人は診るとか診ないとかということが起こったという具合に聞いています。むしろそれに対してはコロナとコロナの疑いの方を明確に分ける医療提供体制の構築が多分極めて大事になってくるのだろうと思っております。
 もう一つは、今、初診患者さんあるいは入院患者さんが減っていると言いますが、どんな患者さんが減っているのか。あるところが調べてみますと、救急患者さんでは、明らかに急性気管支炎や下気道の感染症で救急で入ってくる方が昨年の10%程度まで減ってしまっている。ウイルス性の腸炎も減っているということで、これは意外とお子さんと御高齢の方に多いのですね。こういう方はどこで見ているかというと、ほとんど家でみておられるという状況があるのではないかと思います。そういうことで調べてみますと、訪問看護が急激に増えていて、家でみているのではないかと思われるのですね。こういうところの感染の広がりをどうしていくのか。老人施設、御高齢の方が暮らす場をどうしていくのか。むしろこういうところできちんとやれば、入院患者さんはそれほど混乱しなくても見られるのかもしれないということがあるかと思います。
 もう一つだけ言いたいと思います。患者さんが急に減って非常に困っているのが健康診断のところです。健康診断のところが急激に減っているために、そこからの紹介患者さんが病院で減っているという事実もございます。健康診断は、きっちりとソーシャルディスタンスを取って感染を防御しながらやれば、そう拒否するべきことでもないと私は思うのですね。それをきちんとやらないと、これまできちんと国民の健康管理をしてきたというところが守れないわけですので、この辺に関しては、ぜひそこも大事だという発信をしていただけるとありがたいなということを申し上げたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 一通り御意見をいただきましたが、今、何か事務局から後半のところをお聞きになられてコメント等はございますでしょうか。例えば、先ほど、公民含めて病院の経営あるいは人へのサポートという御発言がありましたが、何かコメントを頂ければと思います。
○総務課長 改めまして、医政局総務課長でございます。
 いろいろな御意見を頂きまして、今、例えばということで、公民を含めた支援の在り方、人の確保の在り方ということでございます。非常に大きな宿題だと思いますので、しっかり対応したいということを申し上げたいと思いますし、迅速にということもございましたので、できることをよく精査させていただきまして、実態をよく確認させていただきまして、本日もいろいろな御意見がありましたので、そうした実際の御意見をきちんと踏まえて、さらに数字上のデータも精査させていただきながらも迅速に対応していきたいと、本日はそういう決意の表明をさせていただきたいと思います。
○永井部会長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 それでは、大分時間が押してまいりましたので、次の議題に参りたいと思います。「データヘルスの検討状況について」、事務局から説明をお願いいたします。
○研究開発振興課長 医政局の研究開発振興課長でございます。
 データヘルスの検討状況につきまして、3点ほど、御説明、御報告させていただきます。
 こちらは、健康・医療・介護情報利活用検討会におきまして、この6月に意見の整理をしていただきました。この意見整理を踏まえまして、まず、1点目でございますが、1ページ目を御覧ください。データヘルス改革に関する閣議決定、骨太の2020及び成長戦略に記載がされているところについて御報告させていただきます。骨太のほうでございますけれども、1つ目のポツにございますが、マイナンバーカードを活用して生涯にわたる健康データを一覧性をもって提供できるよう取り組むということがございます。3ポツ目、保険者番号の個人単位化あるいはオンライン資格確認を開始しますとともに、こちらは後の資料と関係してまいりますが、患者さんの保健医療情報を御本人とか全国の医療機関等で確認できる仕組みにつきまして、健診情報、レセプトに基づく薬剤情報に加えまして、さらに手術等の情報につきましてもそれぞれの期間中に稼働させるということがございます。また、4番目、一番下のポツでございますが、電子処方箋についても、2022年の夏をめどにということが書かれております。また、成長戦略も同様でございます。ア)の2ポツ目ですが、レセプトに基づく薬剤情報等について、全国の医療機関、患者さん御本人が確認できる仕組みを拡大する。電子処方箋についても、環境整備を踏まえた実施を行うということでございます。
 続きまして、3ページを御覧ください。同様の内容でございますけれども、厚生労働省のデータヘルス改革推進本部におきまして、この7月にデータヘルスの集中改革プランを示させていただいております。こちらは、以下にございます3つのアクションを今後2年間で集中的に実行するということでございます。アクション1は、先ほど申しました全国での医療情報を確認できる仕組みを拡大していく、薬剤情報に加えて手術等の情報を拡大していこうということが1点目でございます。アクション2についても、先ほどと同様でございます。電子処方箋の仕組み、令和4年夏をめどにということでございます。アクション3につきましては、御自身の保健医療情報ほか、健診のデータについて御活用いただけるような仕組みということでございます。
 4ページ、それぞれのプランの工程を示したものを御覧ください。ピンクの1~5となっておりますのは、全国の医療機関等で情報を確認できる仕組み、もう一つのピンクが電子処方箋、ブルーのところが健診情報等を御本人が確認できる仕組みでございます。
 詳しい内容は5ページにございますが、アクション1、先ほど申し上げたとおりでございます。
 6ページを御覧いただきますと、御本人や全国の医療機関等で確認できる仕組みの今後の進め方でございます。右側を御覧いただきますと、冒頭に申し上げました健康・医療・介護情報利活用検討会等におきまして、今後、検討を進めていただくことを考えております。8月24日、本日、今後の進め方(案)について御報告し、その後、利活用検討会で検証・論点整理等を御議論いただき、この医療部会には秋頃に進捗状況の御報告、1月に検討結果の御報告をし、令和3年春頃にシステム改修、令和4年夏頃に仕組みの拡大を考えております。
 電子処方箋につきましてのアクション2、並びに、アクション3は、7ページ、8ページに詳しく書いておりますが、先ほど御説明したとおりでございます。
 時間の関係上、説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明に、御質問、御意見を頂けますでしょうか。
 楠岡委員、どうぞ。
○楠岡委員 このように個人の情報が集まっていくのは非常にいいことでありますけれども、その利用の形態として、一つはビッグデータとして扱うということがあると思います。これに関しては、今、進んでいるとおり、いいと思うのですが、診療現場で実際に使おうとするときに、データが膨大であればあるほど、それを事前に見て診療を行うことは非常に難しいことになってきます。一方、その中に非常に大事な情報があって、それを見落としたことによって患者さんに迷惑をかけるということになってくると、そういう情報は最初から見ないという拒否反応が起こってしまう可能性もあるかと思います。
 したがいまして、この個人の情報が集まってきたときに、その中で診療上必須となる情報をサマリーとして提出いただく。これは、AIを使うとか、いろいろな方法があるかと思いますが、もし診療を行う場合は、そこをまずは確認すれば、ある程度そういう間違いを起こす可能性が少なくなるような仕組み、また、それに関する万一のことに関してのいろいろな保障といいますか、担保も考えていっていただかないと、診療現場で実際に使う方がいなくなってしまうという問題もあります。これは前回の医療部会でも申し上げたかと思いますけれども、ぜひその点を御検討いただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○永井部会長 ありがとうございます。
 神野委員、安部委員。
○神野委員 神野でございます。ありがとうございます。
 アクション1がオンラインで医療機関で医療情報を見るという形ですけれども、これから高齢化も進んでまいります。医療情報だけではなくて、介護とか、いろいろな情報もつなげていく必要があるとすると、アクション3ですけれども、パーソナル・ヘルス・レコードといったところ、患者さん御自身がお持ちになって御自分がオーケーを出したところに御自分の責任で情報を見せるという形にすると、もしかすると、医療だけではなくて介護、あるいは、介護だけではなくて生活支援といったところもつながっていくのかなと思っております。その中で、先ほど事務局からの説明で、健診のデータだけですよという話があったのですけれども、議論の中で、例えば、医療でもらった薬のデータや検査データといったデータもこのパーソナル・ヘルス・レコードに入れるという意見は今まで出ていなかったのでしょうかね。私は入れるべきだと思います。
 以上です。
○永井部会長 事務局、今の点はいかがでしょうか。
○研究開発振興課長 御質問をありがとうございます。
 今、申し上げたのは、当面の2年間として集中的に行うべきこととして御説明させていただいたものでございます。中長期的な課題も併せて議論の中で見ていく、しっかり検討していくことが重要だろうと考えております。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
○神野委員 ありがとうございます。
○永井部会長 安部委員、その後、井伊委員、どうぞ。
○安部委員 安部でございます。
 データヘルス改革に関する件で、データヘルスの改革プランの3つのアクションと工程表が示されておりますけれども、3つのアクションの間の関連性や整合性を確保していただいて、担当する局で縦割りなどが起きないようにしっかり連携の関係を明確にした議論をお願いしたいと思っております。
 そこで、各論でありますが、まず、レセプト記載の薬剤情報の利活用に関して、現在示されている案では、1か月ごとにまとめたレセプトデータの審査が確定した時点でのデータを活用する仕組みだと考えております。そうなりますと、閲覧できる情報は早くとも1か月以上前、場合によっては2か月前の状況を示すデータというタイムラグが発生いたします。そのため、重複や相互作用を防止する、確認するためには、医療機関や薬局で日々更新されるデータ、患者さんが持参するお薬手帳などの情報などを合わせなければ、即時的なチェックは十分に確保できないと考えております。支払基金や国保連合会での審査支払の仕組みは月単位でございますので、確定したレセデータを活用することではこのタイムラグを改善することはできません。将来的にはそのタイムラグを解決する手段も併せて検討する必要があるのではないかと考えております。
 次に、電子処方箋について、院外処方箋の場合、電子化をした場合であっても、患者さん自身がその処方内容を自ら確認できる仕組みであることが必須となります。そのため、見直しによって印字されたペーパーでのデータがなくなった場合、この7ページに示されたような確実な本人認証の手段をもって真正性の確保された処方データを、スマートフォンやパソコン上で参照できる仕組みが必須となります。基本的には5ページにありますマイナポータルの仕組みを使うと理解しておりますけれども、それにはマイナンバーカードのICチップが必要な仕組みと考えております。そうなりますと、電子処方箋が利用できるのはマイナンバーカードを持参している対象に限られてしまうというところが懸念されます。また、一方で、オンライン資格確認のシステムでは、マイナンバーカードのICチップを用いるほかに、保険証プラス2桁、75歳以上は従来の後期高齢者医療被保険者証で個人が確定できるという仕組みが導入されるということであります。保険証でのオンライン資格確認では、電子処方箋は使えないという仕組みとなっているようでありますけれども、オンライン資格確認システムの手段と電子処方箋の間に相反するような関係が起きることが懸念されるところであります。
 次に、薬局の立場から申し上げますと、印字されたペーパーとの引き換えを行わない形での電子処方箋は応需しておりませんので、今後については、想像の範囲でありますけれども、このように紙と電子処方箋が長期にわたって、または、事によれば未来永劫、二重に運用されることになりますと、その管理運営やそれぞれの違いによって薬学管理や調剤の手順が変わってしまう。こういったことは大きな負担となりますし、処方箋を利用される患者さん自身も混乱する可能性があるということになります。そういうことになりますと、この3つのアクションに示された情報の利活用の仕組みが国のデータヘルスシステムとしてうまく運用できないのではないかという懸念も持っているところであります。この工程にありますデータヘルス改革を進める上では、マイナンバーカードのICチップの役割が大きいと考えております。とにかく、マイナポータルにアクセスができなければ、この3つのアクションがうまく運用できないのではないかと感じております。国民の皆さんにマイナンバーカードの運用を理解していただければいいのですけれども、現在の状況などを考えると、様々な社会保障に関連するデータのユニークな個人番号などの運用は過去に否定されていると思うのですが、そこについても検討する必要があるのではないかと考えております。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 井伊委員、どうぞ。その後、島崎委員。
○井伊委員 ありがとうございます。
 訪問看護についてです。オンライン資格確認について、訪問看護については遅れての実施になると理解しているところですが、2022年度のオンライン請求開始と同時に開始ができるように、ぜひ御検討を進めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 以上でございます。
○永井部会長 島崎委員、その後、加納委員。
○島崎委員 島崎です。
 私は、データヘルスについて、もちろんメリットもたくさんあると思いますが、光もあれば影もあるということだと思います。
 一つは、パーソナル・ヘルス・レコードに関していいますと、利便性が高い反面、知られたくない情報もあります。全ての人がパーソナル・ヘルス・レコードを持ちたいと思っているわけでは必ずしもありませんし、ヨーロッパでは「忘れられる権利」というものが真剣に議論され法制化されている国もありますけれども、そういうデリケートな問題についてもぜひ議論いただきたいと思います。
 もう一つは、マイナンバーの話が盛んに出てくるのですけれども、マイナンバーのいろいろな情報の中の住所の情報は住民基本台帳をベースにしています。ところが、この住民基本台帳のデータは、実を言うと、想像以上に不正確です。実際、今回の10万円の特別給付金の支給に際しまして、例えば住民票はあるのだけれども居住実態がないケースが多々発生し支給事務が滞っていることからもわかります。ですから、ベースとなりますデータの信頼性についてもぜひ一度きちんと議論していただきたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 加納委員、どうぞ。
○加納委員 ありがとうございます。
 私からは、データヘルスの運用に関しましては、先ほど出ましたように、医療と介護のサマリーは、患者さんが来られた時点で早期に分かるとか、そういったものは非常に有用性があるとは思うのですけれども、一つは、我々が電子カルテとリンクしていかなければいけないという問題があります。電子カルテは、イニシャルコスト、ランニングコストを合わせますと大体病院の売上げの3%を占めております。経費負担としては非常に大きいわけであります。急性期の病院の利益率等は2%弱ぐらいの数字ですので、それを考えますと非常に大きな負担になっております。これにまたさらに負担がかからないようにぜひともお願いしたいと思います。
 マイナンバーカードの導入に関しましては、読み取り機に関して、ある程度配慮された補助金が出ることになったかと思います。ただ、ソフトを変えると、また新たなソフトをこのためにつくるということになると、我々にこのソフトの変更負担がまたかかってくる可能性もあります。ぜひともこの辺りもきっちりと整理していただいて対応のほどよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 今村委員、どうぞ。
○今村委員 ありがとうございます。
 4ページに「データヘルス全体の集中改革プラン(2年間)の工程」が出ていて、これを拝見すると、メニューはほとんどそろっていると思いますし、理念的にはこういうことが非常に重要だというのもよく理解できます。その中で、特にPHRのシステム、下半分ですけれども、例えば、乳幼児健診情報については、2020年度から国民の方は利用できる形になっているわけですけれども、先ほど安部委員からもお話があったように、このシステム全体がマイナンバーカードを利用して、起点として始まるサービスだということで、これは鶏が先か卵が先かとは思いますが、まだ国民のマイナンバーカードの取得率自体が非常に低い。こういうサービスが受けられるからマイナンバーカードを持ちましょうという話なのだと思いますけれども、例えば、マイナポータルという言葉自体が独り歩きしていますが、実際にそのマイナポータルを活用している、どんなものかを知っている国民は非常に少ないと私は思います。こういう議論に参加している方たちですら、自分でマイナポータルを開いてみて、どんなサービスが受けられるのかということを知らない方たちも非常に多数いる。こういったシステムをきちんと活用するためには、やはり国が、マイナポータルとはこういうもので、こんなに利便性が高いのだと、このためにはマイナンバーカードを持ってもらおうという積極的な啓発をしないと、なかなか有用な仕組みにはならなくて、ごく一部の人だけが活用する仕組みになってしまうのではないかというおそれを持っておりますので、ぜひ厚生労働省としては広く啓発を行っていただきたいということをお願いしたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 どうぞ、山口委員。
○山口委員 山口でございます。
 先ほど島崎委員から知られたくない権利というお話があったのですけれども、そのことも併せて考えながら4ページの工程表を見ていたら、これは決まってこれを順々にやっていきますという工程表だと思います。その中で、教えていただきたいのが、ピンク色の3つ目のところ、「3.手術・移植」は、どんな手術を受けたのか、どんな移植を受けたのかということが出てくるのかなと思ったのですけれども、「4.透析」と「5.医療機関名等」とは、具体的にどういうことをこの中で出していくことを想定されているのでしょうか。
○永井部会長 事務局、お願いします。
○研究開発振興課長 透析歴は、実際に透析をなさっているかどうかということです。医療機関名は、どの医療機関でそれをなさっているかということになろうかと思います。
○山口委員 手術とか、移植とか、透析を受けたかどうか、手術は何の手術を受けたかとか、そういう具体的な内容まで入るのでしょうか。例えば、透析は透析治療を受けていた期間だけなのか。それを受けたそれぞれの医療機関の名前ということなのか。今まで受診してきた全ての医療機関の名前が入るのか。
○研究開発振興課長 まず、手術歴や移植歴は、お薬を出したり禁忌を確認する必要があるケースがありますので、それを分かるようにすることは、患者さんの利便性もあり、具体的にどういう手術だったか、どういう移植などであったかということは大事な情報であろうかと思います。
 一方で、どの医療機関でというのも情報としては重要な情報だと思いますが、ユースケースを考えた場合にどういう情報が有用かつ必要なのかというところは、今後、検討していく、詰めていくべき内容かと思っております。
○山口委員 ここは共有してもらいたい医療機関あるいは診療科だけれども、ここは知られたくないという非常にデリケートな思いを持っている方もいらっしゃると思いますので、先ほどの知られたくない権利も含めてですけれども、ある程度患者が選ぶことも想定しながら議論していただきたいと思います。
○永井部会長 ありがとうございます。
 最後に、河本委員、どうぞ。
○河本委員 ありがとうございます。
 今、何人かの委員から、様々な課題があることについて御意見がありましたが、マイナンバーカードの利用を前提としているけれども、ごく一部の方しか利用しておらず、そのような仕組みになっては意味がないというご意見に対して、全く同感でございます。
 それに若干付け加えますと、ベースになっているオンライン資格確認ですが、来年3月から動くことになっておりますけれども、現段階で全ての医療機関や薬局が参加するというところまでいっていない。そのような状況で、こういったことを進めていく意味においては、全ての医療機関あるいは薬局が参加しなければその機能を発揮することができないこともあると思います。そういった機能が発揮できる仕組みも含めて、きちんと進めていっていただく必要があると考えております。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、この件はここまでとさせていただいて、もう一つ、議題がございます。「『経済財政運営と改革の基本方針2020』、『成長戦略(2020年)』及び『規制改革実施計画』の概要について」、事務局から説明をお願いいたします。
○総務課長 改めまして、医政局総務課長でございます。
 資料3をお開きいただければと思います。これは昨年も同様に御報告させていただいておりますが、政府全体の夏における公式文書でどのような関連する情報が記載されているかということを御確認いただくということでございます。
 お開きいただきまして、まずは骨太の2020、令和2年7月17日に閣議決定させていただいているということでございます。説明は項目だけにさせていただこうかと思いますが、1ページ目のところは「感染症拡大への対応と経済活動の段階的引上げ-「ウィズコロナ」の経済戦略」といたしまして、医療提供体制等の強化が記載されてございます。
 続きまして、その次のページは、先ほど資料1の中で見たものでございますが、「新たな日常」を支える包括的な社会の実現ということで記載させていただいています。
 3ページ目は、その続きでございまして、医療・介護分野におけるデータ利活用等の推進を記載させていただいてございます。
 4ページ目は、さらに、予防・健康づくり、重症化予防の推進といった項目になってございます。
 5ページ目でございますが、今度は成長戦略を同日に閣議決定させていただいてございます。この中でも様々なことが記載されておりますが、同様に項目だけ申し上げますと、まずは疾病・介護の予防といったこと、あるいは、改めましてデータ利活用の推進。
 ページをめくっていただきまして、技術活用の促進などなどが記載されてございます。
 最後に、7ページは、規制改革実施計画で、これも同日に閣議決定させていただいておりまして、この中では、主に医療関係職のタスクシフトということで、看護師の専門性のさらなる発揮に向けた取組とか、最後のページになりますけれども、救急救命士の活用等々が記載されているということでございます。
 大変簡素な説明で恐縮でございますが、以上です。
○永井部会長 この件について、御質問をお願いいたします。
 小熊委員、どうぞ。
○小熊委員 自治体病院協議会の小熊でございます。
 非常にいろいろな項目が書いてあるのですけれども、今回のコロナでも分かったように、命に関係する医療あるいは介護に関して必要な物品を国内で作ったり確保したりするという項目がどこにも出ていないような気がするのですが、今後、このような重要なことをしっかり体制づくりをしなければいけないと思うのですが、それについては、私の見落としでしょうか、記載がないような気がするのですが。
○永井部会長 いかがでしょうか。
○総務課長 事務局でございます。
 全体的には、先ほど申し上げましたように、今般の感染症の影響を踏まえて、医療提供体制に向けて万全の準備を進めていくことが記載されてございます。その中で、1ページのところには、下から2行目でございますが、「医療現場で必要となる感染防護具や医療機材、医薬品原薬等の確保・備蓄、国内生産体制の整備を進める」という記載をさせていただいているところでございます。
○小熊委員 分かりました。
○永井部会長 加納委員、どうぞ。
○加納委員 ありがとうございます。
 先ほど質問させていただいた資料1の2020年のまとめのところ、16ページで先ほど言いました、今後も引き続き医療機関・薬局の経営状況等も把握し、必要な対応を検討するとかという項目は、今の説明の中ではなかったような気がするのですが、これは漏れているだけなのでしょうか。先ほど言いました、我々、今コロナと闘っている医療機関を言ってみれば不良債権扱いしてREVICという機構が対応していくとかということが新聞には出ました。その点と関係するところだと思うのですけれども、今の説明では、ここは抜粋と書いてあったのみで、具体的にはないのでしょうか。
○総務課長 2ページでございます。
 これは先ほど資料1で16ページにつけさせていただきました資料と同じ内容が記載されてございます。今回、大変恐縮でございましたが、項目だけ御説明申し上げ、説明は省略をさせていただきましたが、2ページの下のほうに「累次の診療報酬上の特例的な対応や」に続くところで、「引き続き、医療機関・薬局の経営状況等も把握し、必要な対応を検討し、実施する」その他が記載されてございます。
○加納委員 その対策自体の具体的な例がこのREVICの登場ということでいいわけでしょうか。
○総務課長 具体的なことにつきましては、これはさらに「検討し、実施する」でございますので、引き続き検討させていただきたいと考えてございます。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
 ほかにいかがでしょうか。
 特に御意見がなければ、用意した議事は以上でございます。
 事務局から、何かございますでしょうか。
○総務課長 総務課長でございます。
 御報告でございますが、本日は一般傍聴の制限をさせていただいていることから、議事録につきまして可能な限り速やかに公表できるよう、事務局として校正作業を進めてまいりたいと存じます。
 委員の皆様方におかれましても、御多忙中とは存じますが、御協力いただきますよう何とぞお願いを申し上げます。
○永井部会長 神野委員、今、手を挙げられましたか。
○神野委員 はい。すみません。
○永井部会長 手短にお願いします。
○神野委員 はい。
 先ほどの小熊先生の話や先ほどの植木参考人の質問でPCRの話があったではないですか。私どもも実は5月にPCRの機械を発注したのですけれども、9月と言われて、それが12月になると言われております。輸入代理店の社長さんまで交渉したのですけれども、世界で取り合いをしていると、日本は弱いのだと、ほかの国にみんな持っていかれてしまっているとおっしゃっております。経済課長さんもいらっしゃると思いますけれども、日本の強さを発揮していただきたいと強くお願いいたします。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、本日はこれまでとさせていただきます。お忙しいところ、ありがとうございました。
 これで終了いたします。
 

 

 

(了)

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