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2020年1月29日 第73回医療部会

医政局総務課

○日時

令和2年1月29日(水)15:00~17:00
 

 

○場所

厚生労働省 講堂

○議事


○医療政策企画官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第73回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
医療部会の総委員数は24名で、定足数は3分の1の8名となっております。
本日は、井上委員、遠藤直幸委員、久喜委員、田中部会長代理、平井委員、松原委員から御欠席との御連絡をいただいております。18名の委員の皆様が御出席ということですので、定足数に達していることを、まず御報告申し上げます。
次に、議事に入ります前に、お手元の資料等の確認をさせていただきます。
お手元に、議事次第、座席表、委員名簿、また、本日委員提出資料といたしまして、井伊委員からの提出資料、日本看護協会様からの提出資料のほか、タブレット端末を1台ずつお配りしております。
また、厚生労働省では審議会等のペーパーレス化の取組を推進しておりまして、当部会におきましても資料1-1から資料4-1につきまして、お手元のタブレット端末で御確認をいただく形となります。
操作方法で御不明な点がございましたら、事務局にお申しつけをお願いいたします。
冒頭のカメラ撮りは、ここまでとさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
一点、局長からお願いします。
○医政局長 事務局の医政局長でございます。
医療部会の開会に当たり、この場をお借りしまして、一言申し上げたいと思います。
連日、新たな事実が生じております、新型コロナウイルスに関連しました感染症の問題につきましては、グローバルにも、そして国内の問題としても非常にさまざまな課題を抱えていると思います。
私ども厚生労働省、そして政府一体となりまして、水際から感染拡大防止対策、そして、患者の方々の健康確保、さらには必要な医療というものを、きちんと地域において準備をする、提供するという観点から総合的に取組を進めさせていただいている、あるいは取組を進めさせていただこうというところにあります。
1月の28日には、指定感染症という形に指定をさせていただきましたし、昨日には、新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する省を挙げての対策推進本部という形も大臣をトップに設けまして取組を進めております。
医療部会に委員として御参加いただいております、それぞれの医療関係者の方々、また、それぞれの立場から、この問題について、さらなる御協力、そして、それぞれのお立場から、政府に対して、あるいは医政局に対しての御指摘、御注文を伺わせていただきながら、全体として対策に漏れのないよう、万般全力を尽くしてまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
○医療政策企画官 それでは、以降の進行につきましては、永井部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○永井部会長 それでは、最初に、欠席の井上委員の代理として間利子参考人、平井委員の代理として谷長参考人の出席をお認めいただきますよう、お願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○永井部会長 ありがとうございます。
では、議題に入ります。
医療機能の分化・連携の経緯と外来機能の明確化・かかりつけ医機能の強化に向けた検討の進め方について、事務局より説明をお願いいたします。
○総務課長 医政局総務課長でございます。
お手元の資料の1-1を御覧いただきたいと思います。
前回の医療部会で、全世代型社会保障会議の中間報告をもとに、医療提供機能に関しまして、委員の先生方からさまざまな御意見を頂戴したところでございます。
その概略につきまして、事務局として整理をさせていただいたものが、3ページ以降の資料でございます。
時間の関係上個別の御意見をそのまま読み上げることはできませんけれども、概略について御紹介を申し上げたいと思います。
外来医療、外来機能あるいはかかりつけ医などにつきまして、まず御意見といたしまして、病院の機能分化・連携の在り方についての議論の場が必要であるという御意見。
あるいは、規模の話ではなくて機能の議論がまず先にあるのではないかという御意見。
外来機能の明確化については、エビデンスに基づく議論が必要ではないかという御意見。
それと、地域の状況あるいは患者の受療行動などを十分勘案しながら検討するべきではないかという御意見。
あるいは、慢性疾患を抱える高齢者が増える中で、かかりつけ医や総合診療専門医などによる継続的・一元的・診療科横断的な受診が必要ではないかという御意見。
あるいは、かかりつけ医の議論については、丁寧な議論が必要ではないかというような御意見を頂戴いたしております。
1ページめくっていただきまして、4ページでございますけれども、かかりつけ医機能を強化し、医療機関の役割分担を明確化するという方向性は賛成だけれども、その副作用についても留意すべきではないかという御意見。
患者の目線でメリットを明らかにしながら進めていくべきではないかという御意見。
フランスの例として、医療の質がよくなるという患者さんへのメリットを強調して、かかりつけ医ということを推進してきたというような御意見も頂戴したとしたところでございます。
外来の負担の問題は重要であるけれども、受診抑制につながらないよう、医療機関のかかわり方を、かかりつけ医から教えてもらうことが重要ではないかというような御意見。
医療機器の共同利用については、丁寧な議論が必要ではないか。あるいは歯科医療あるいは薬局薬剤師あるいは看護外来の向上についても検討すべきでないかという御意見をいただいたところでございます。
以上が外来機能の明確化あるいはかかりつけ医機能の強化ということについて、前回、頂戴をいたしました意見について、概略をまとめさせていただいているものでございます。
それと地域医療構想につきまして、病院機能分化を議論する際には、病棟単位でなく病院単位の議論をしていくべきではないかという御意見。
あるいは地域医療構想について、民間医療機関を含めてエビデンスとともに議論を進めていくべきではないかというような御意見を頂戴いたしております。
医師の働き方改革につきましては、さまざまな影響についても見極めながら検討を進めていくべきではないかというような御意見でございます。
そのほか、地方自治体の役割あるいは社会保障教育に関して、文部科学省との連携という御意見を頂戴したところでございます。
1ページめくっていただきまして6ページでございますけれども、セルフ・メディケーションはセルフ・ケアに含まれるのではないかというようなことですとか、あるいは薬局の配置の問題等についても、併せて御意見を頂戴したところでございます。
この外来機能の明確化等あるいはかかりつけ医機能の強化に関しましての進め方でございますけれども、夏に最終報告をまとめるということになってございますので、それまでにやることは非常に多いので、医療部会医療保険部会あるいは中医協で議論するということの関係の整理を、役割含めて整理してほしいという御意見を頂戴したところでございます。
また、医療部会の役割として、医療保険部会の関係整理をつけながら、どのようにかかりつけ医機能を強化していくかという議論が重要ではないかという御意見。
再掲でございますけれども、病院の機能分化・連携の在り方についての議論の場の必要性。
それと、医療部会での検討として、スピード感を持って議論すべき。
医療部会で出た意見につきましては、全世代型最終報告に反映されるよう、厚生労働省としてもしっかり対応すべきという御意見を頂戴したところでございます。
以上の御意見を前回いただいたところでございますけれども、事務局のほうで、これまでの医療機能の分化・連携に係る医療法などの改正の経緯ですとか、あるいは現在の取組状況について、概観を整理させていただいているところでございます。
それが資料の8ページ以降でございます。
先生方も御案内のところも多数あると思いますけれども、改めて若干御紹介申し上げますと、赤字のところが今回の病院の医療機能ということに関しての医療法上の改正経緯を示しているところでございます。平成4年には特定機能病院の制度化、
平成9年には地域医療支援病院の創設。
さらに平成12年には、これは病床の区分でございますけれども、療養病床、一般病床の創設。
さらに平成26年度になりますけれども、地域医療構想の策定ということで、病院の機能別の類型化。
あるいは、平成30年度におきましては、外来医療計画の策定というような医療法の改正が行われてきたというのが経緯でございます。
次のページでございますけれども、医療法上、前回一般病院の定義等々について御議論を頂戴したところでございますけれども、それについてイメージとして整理をさせていただいておりますのが、次の図でございます。
まず、病院につきましては、医療法上の病院の機能別の類型化ということに関して法律上、類型化されておりますのが、左下にございますように、先ほど御説明申し上げました、地域支援病院、特定機能病院あるいは臨床研究中核病院と、この3類型が病院機能として法定化されているというものでございます。
一般病院の定義でございますけれども、法的な定義はございません。医療法上、法的な定義はございません。一般病院の整理として呼称しておりますのは、医療施設上の調査上、精神病床のみを有する病院を精神科病院、それ以外の病院を一般病院として定義して、統計上の整理として、そういう区分をしているというのが実態でございます。
そのほか、病床ということに関しましては、一般病床、療養病床、精神病床、感染症病床、結核病床という5類型で、病床自体は、そういう5類型で区分がされているということでございます。
次の10ページでございますけれども、繰り返しになりますけれども、地域支援病院あるいは特定機能病院というものの承認の基準、あるいは位置づけ、あるいは数について整理をさせていただいているのが10ページでございます。
地域支援病院につきましては、現在、承認病院は608病院ということで、その役割としては、紹介患者に対する医療の提供、地域の医療従事者に対する研修等々を行うということで、承認要件といたしましては、原則、200床以上、紹介患者中心の医療を提供するという機能を果たすということでもって、承認をされているという状況でございます。
また、特定機能病院につきましては、現在、86病院でございまして、高度医療の提供あるいは研修あるいは医療技術の開発という機能を担うということで、400床以上、こちらにつきましても、紹介患者中心の医療を提供するということで、紹介率あるいは逆紹介率の一定の基準があるというような状況でございます。
先ほど病床機能の分化・連携の文脈で、地域医療構想のことについて申し上げましたけれども、政府として、過去にここ数年で取りまとめた文書が、社会保障制度改革国民会議の報告書でございます。
要点だけ整理して御紹介申し上げますと、まず、基本的な考え方といたしまして、フリーアクセスというものの定義づけとして、医療現場守るために、必要なときに必要な医療にアクセスできる、という意味に理解していくべきと。
そのためには、かかりつけ医の普及が必須あるいは病院機能といたしまして、機能分化とネットワークの構築ということで、第2パラグラフでございますけれども、急性期から亜急性期、回復期等まで患者が状態に見合った病床で、その状態にふさわしい医療を受けることができるよう、急性期医療を中心に人的・物的資源を集中投入し、入院期間を減らして、早期の家庭復帰・社会復帰を実現するとともに、受け皿となる地域の病床や在宅医療・在宅介護を充実させていく必要があるというような考え方に取りまとめられております。
次のページでございますけれども、それに関連いたしまして、病床機能報告の導入と地域医療ビジョンの策定、この地域医療ビジョンにつきましては、現在は地域医療構想ということで法定化されているところでございます。
具体的には、第2パラグラフでございますけれども、地域ごとの医療機能の現状や高齢化の進展を含む地域の将来的な医療ニーズの客観的データに基づく見通しを踏まえた上で、その地域にふさわしいバランスのとれた医療機能ごとの医療の必要量を示す地域医療ビジョンを都道府県が策定することが必要であるという趣旨のことが記載されておりまして、これを受けて、次ページでございますけれども、現在、地域医療構想に基づいて、各般の取組を医療課あるいは都道府県のほうでお願いをしているという状況でございます。
併せまして、先ほど申し上げました、国民会議の提言と呼応する形で14ページでございますけれども、かかりつけ医の定義と機能ということで、日本医師会あるいは四病院団体協議会が、それぞれかかりつけ医の定義あるいはかかりつけ医機能というものを、医師会と四病協のほうで定義づけられているという状況でございます。
施策の現況の説明の最後でございますけれども、15ページでございます。
地域における外来医療機能の不足・偏在等の対策ということで、外来機能につきまして、現行で計画があるのが、外来医療計画というものでございます。これも医療部会のほうで一度御紹介を申し上げましたけれども、外来医療計画の全体像ということでございますけれども、外来医療機能に関する情報の可視化ということで、診療所の医師の多寡を外来医師偏在指標として見える化をいたしまして、その区域を外来医師多数区域と設定をすると。
当該多数区域につきましては、新規開業希望者に対する情報提供を行うとともに、下の欄にございますように、外来医療機能に関する協議及び協議を踏まえた対応ということで協議の場を設置して、少なくとも外来医師多数区域におきましては、協議の内容を踏まえて、地域の中で不足している機能について求めるというような立て付けになっているところでございます。
あくまで診療所の医師数ということに着目いたしまして、それぞれの地域の偏在度を可視化しまして、協議をしていただくというような立て付けの制度でございます。
以上、これまでの施策の経緯について御説明申し上げましたけれども、、今後の進め方について、事務局としての整理を、たたき台としてお示しをさせていただいているのが17ページ以降でございます。
外来機能の明確化とかかりつけ医の強化に関する検討の方向性についてということでございます。
事務局内の問題意識といたしましては、医療は地域差を伴いながら担い手の減少あるいは高齢化による需要増大という二重課題に直面しているという中で、良質な医療を国民に安定的に届けていくことが必要でございますので、今後より一層、地域の実情に応じて医療資源の効率的・効果的な活用が求められないかという考え方でございます。
その上で、入院医療に関する医療資源の機能分化・連携につきましては、先ほど御説明申し上げましたとおり、地域医療構想で着手しているということでございますし、また、人材面の問題についても、医師偏在対策をさらに進めていく必要があると考えております。
一方、外来医療につきましては、先ほど申し上げましたように、地域の外来医師の偏在・不足等の対策として、外来医師偏在指標の導入あるいは協議の場の設置、それを踏まえた外来医療計画の追加などが行われておりますけれども、この仕組みでございますけれども、診療所の医師のマンパワー数を単一の機能と捉えまして、地域の外来医師の相対的な過不足の状況を可視化、解消しようとするものでございます。この取組の一歩であるという状況でございます。
そういう意味では、外来と一くくりに言いましても、多様な機能を担っておりますので、当該外来医療におきまして、医療機関が地域に担っている具体的な外来機能の役割の違いが、一定の割り切りでやっておりますので、十分に明確化されているものではございません。
前回の医療部会におきまして、外来医療について実態把握あるいは患者の方の受療行動などを勘案して、機能の観点から議論を行う必要性ですとか、あるいは患者の視点からメリットなども含めて検討の必要性があるということを、先ほどのいただいた御意見の中で頂戴した次第でございます。
18ページでございますけれども、それらを踏まえまして、事務局としての提案といたしましては、今後の進め方といたしまして、地域の病院・診療所における外来機能の明確化や、かかりつけ医機能の強化を進めていくに当たりまして、病院や診療所が地域でどのような機能を担っているかという議論と一体不可分でございます。
こういった議論につきまして、医療計画の見直し等に関する検討会におきまして、専門的かつ集中的に検討を進めることとしてはどうかという御提案を申し上げているところでございます。
もちろん検討会におきます議論の進捗状況につきましては、随時本部会に御審議をいただくということとしてはどうかと考えております。
その際、当該検討会で進めるに当たって、例えばでございますけれども、ここの点について、本日も御意見を頂戴したいと思っておりますけれども、次のような視点で論点を整理していくことが考えられるのではないかということで、例えば、そもそも国民から求められる外来医療の在り方というのはどういうものなのか。あるいは、国民から求める外来医療にどのような機能が求められるのか。あるいは外来の求められる機能を明確化していくに当たりまして、必要な患者アクセスを阻害しないという観点ですとか、あるいは患者さんの状態に見合った質の高い外来医療を提供する観点、あるいは地域の医療資源を効果的・効率的に活用していく観点といったものが、御意見を頂戴していると考えておりますけれども、これをこういった観点から、どのような切り口で、この外来機能というのを明確化していくべきなのかと。
その際、患者の受療行動の変容ですとか、あるいは患者さんに与えるメッセージの関係について、どのように考えるかという点も焦点としてあろうかと思っております。
また、先ほど御説明申し上げましたとおり、外来医療計画あるいは病床にかかわる地域医療構想などの既存の制度あるいはかかりつけ機能につきまして、これまで進められてきた取組ですとか、予防健康づくりの取組などとの関係をどのように整理していくのか。
さらには、こういった一連の御意見を踏まえまして、どのような制度上の位置づけ、あるいは取組があるのかというようなことを医療計画の見直し等に関する検討会において、御議論を賜ってはどうかということを事務局として御提案申し上げる次第でございます。
以降の資料につきましては、前回お配りをしました全世代型社会保障検討会議の中間報告ですとか、あるいは21ページでございますけれども、患者さんから見た場合に、今の外来というものに関しまして、適切な医療機関、診療科の選択あるいはその判断に困難を抱えていらっしゃる方も多いですとか、あるいは30分以上の病院の待ち時間というのが約5割で推移してきて、余り変動がないというような状況ですとか、あるいは22ページにございますように、外来医療に患者が求められる機能として、さまざまな患者さんによって、状態というのがございますので、様々多様なニーズがあろうかと考えております。
例えば、高血圧の慢性疾患をお持ちで、継続的に診療所にかかられる一方で、通院でがんの化学療法を受けられる方がいらっしゃるなど、外来機能と一言で申し上げましても多様なものが存在していると考えております。
医療技術の進歩に伴いまして、例えば、がんでございますけれども、平均在院日数が短くなるという一方で、入院から外来というふうに化学療法などがかなり普及しておりますので、通院しながら、従来、入院が必要だった患者さんが、通院しながら加療されるというような患者さんも増えておられますし、また、鼠径ヘルニアあるいは白内障の手術等、従来は入院でしかできなかった技術が、外来で多く行われるようになってきているということで、外来のそのものの機能ということにつきましても、かなり医療技術の進展によりまして、多種多様なものもありますし、また、その機能自体も変わっているのではないかということにつきまして、一例でございますけれども、22ページで資料として提供させていただいている次第でございます。
以降、外来医療を取り巻く現状につきまして、簡単でございますけれども、サマリー的な資料をつくっておりますので、これにつきましては、説明は割愛させていただきたいと思っております。
説明は、以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの説明に、質問、御意見をいただきたいと思います。
では、山口委員、どうぞ。
○山口委員 私は前回、欠席したしましたが、前回の議論の中では、200床以上の病院すべてにおいて、紹介状のない初診患者さんに対して、400床以上の地域医療支援病院と特定機能病院でおこなわれている最低5,000円の特別料金を課していく提案について、活発に御議論されたように聞いております。私は200床といいますと、かかりつけ病院にしているような患者さんが多い中で、一律200床ということで切ってしまうということについて、疑問を感じながら議事録を読ませていただきました。
そんな中で、今後の議論の進め方ということで、どういう視点で、医療計画の見直し等に関する検討会で話し合っていくのかというようなことが提示されたわけですけれども、やはりどのような外来の受診行動が必要かということを国民が理解できないと、なかなかこれはうまく機能しないのではないかなと思っています。
そんな中で、例えば私たち一人一人の受療行動の何を見直す必要があるのか、それはなぜなのかということを、国民一人一人が考えられるような情報提供というのが必要ではないかと思います。
それを考えたときに、今日の資料1-1の中の22ページのように、最後の御説明で例示がございましたけれども、いろいろなパターンにおいてどんなかかり方があるのかというようなことを紹介していただくということも1つかなと思っております。
特に患者がメリットを感じられる、かかりつけ医の強化は私も大事だと思っておりますし、社会保障教育が、この国ではまったくなされていないというようなことについても、視点に入れて考えていく必要があるかなと思っています。
今申し上げたのは意見なのですけれども、1つ確認というか、事務局にお聞きしたいことがございまして、今日の資料1-1の6ページのところに、前回のさまざまな委員の方の御意見が紹介されていまして、6ページの一番下のところに、全世代型社会保障検討会の中間報告はあくまで中間報告であって、医療部会等で出た意見が最終報告に反映されるようと書いてあります。これは恐らく今村委員が質問をされて、事務局にお尋ねになったと思うのですけれども、私の把握している範囲では、事務局からの回答がなかったように思うのですけれども、ここは、こういう働きかけを行ってほしいということでとどまるのではなくて、それが反映されるかどうかということを1つ確認させていただきたいと思います。
○永井部会長 今の点いかがでしょうか。
○総務課長 社会保障審議会医療部会で同時に検討を進めた上で、夏に最終報告をまとめるということになっておりますので、当然この場の御議論ということを十分視野に入れて、厚生労働省としても取りまとめのほうに働きかける必要があろうかと思っております。
○山口委員 ありがとうございます。
中間報告書を拝見したときに、私も同じところに問題意識を持ちましたので、今、確認できたことで了解いたしました。
○永井部会長 ほかにいかがでしょうか。
木戸委員、どうぞ。
○木戸委員 医師不足が深刻になっております産科医として、現場の取組を少し御紹介させていただきます。
産科では、病院と診療所の役割分担をしまして、外来のふだんの健診は診療所で、救急や分娩は病院ということで、オープン、セミオープンシステムというのを既に全国の多くの周産期センターで行っています。
それをやった実践での、必要な取組は何かという現場での考え方なのですが、1つは、やはりひとつの医療機関では完結しませんので、地域できちんと情報交換をしなければいけません。
そのためには、地域できちんとネットワークをつくって、いわゆる顔の見える連携ということで、紹介しやすい環境をつくるということが1つです。
それから、診療情報の共有が非常に重要ですので、やはりここの病院にしか診療情報がないとかというのは非常によくないので、私どものところでも電子カルテを共有したり、あと共通診療ノートによって診療情報を共有できるようにして、どの機関にかかっても、それまでの経緯がわかるように工夫をしております。
あと、何よりも重要なのは、患者さんへの説明、啓発ということですので、この労力を惜しまずに、いろいろDVDとかパンフレットとかポスターとか直接御説明して御理解をいただくなりで、患者さんの御協力を得た上で、かなりこのシステムが普及しております。
実際、御利用いただきますと、非常に患者さんからも好評で、こういった取組みが既に進みつつあることを御報告させていただきます。
以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
井伊委員、それから相澤委員。
○井伊委員 前回、外来機能の明確化等について検討をするのであれば、外来における看護の役割についても取り上げていただきたいと申し上げまして、本日、資料を提出させていただきました。どうもありがとうございます。この機会ですので、少し御説明をさせていただきたいと思います。
「在宅での療養継続を可能にする外来における看護」という資料を御覧いただきたいと思います。
1枚おめくりいただきまして、私どもで外来における看護の役割機能ということで整理をしており、それをポンチ絵で表しております。看護師が行う療養指導のイメージということで御覧いただきたいと思います。
対象は退院後、通院中に外来においでになる患者、それから場合によっては家族の方です。
実施内容といたしましては、個々の患者さんが、生活を円滑に送れるよう、医師の指示を受け、生活に伴う症状の改善や自己管理の支援を継続的に、かつ、個々の患者さんの生活に合わせた専門的支援を、担当した看護師が行うというものです。
機会、場所等は、現在さまざまですが、医師の診察の合間に必要に合わせて行う場合や、外来において、場所を確保して個別に時間を設けて行う場合がございます。
どのくらいやっているかということにつきましては、本会で毎年継続的に「病院看護実態調査」を実施しており、2018年の数字を記載していますので、御参照ください。
1枚おめくりください。
現在、幾つか、外来においての看護の療養指導について効果を見ているものが報告されておりますので、そのうち、2件、本日はお示ししております。
まず、1件目は慢性心不全を待つ外来患者さんに対して、看護師が療養指導を行うものです。内容といたしましては、塩分制限、食事や運動、禁煙、薬などに関する療養指導ということで、これは6カ月間のプログラムを作成して実施したものです。
DNPが低下したり、息切れ症状になる患者さんの割合が低下をするなどが報告されています。
もう一枚おめくりいただきまして、こちらは切迫性尿失禁を持つ外来患者さんに対して、看護師が膀胱訓練や骨盤底筋運動など自己管理指導を実施するもので、1回の排尿量の増加、それから夜間の排尿回数が減少する、その他、QOLが向上するというようなことが報告されております。
最後は、その他にも、さまざまな例がございますので、参考に記載をしております。
本日の資料1の18ページの論点にあります、より患者の状況に合った質の高い外来医療を提供するという観点から、外来機能を検討する際には、ぜひ、この外来における看護の機能についても取り上げていただきたいと考えております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
相澤委員、それから、安部委員。
○相澤委員 まず、質問したいのですが、外来医療の定義というのは何でしょうということです。なぜ、こんな質問をするかというと、これから、御高齢者、特に85歳以上の御高齢者は、2020年に比べて、一番増えるときは1.8倍になります。
この人たちは、もう既に介護のサービスを受けている。しかも在宅で受けている方が多いのです。
そうすると、医師は往診とか訪問診察をしなければいけません。これは外来に入るのでしょうか。入院医療ではないですね、外来医療なのでしょうか、外来医療だとすると、そこも入れないと、これから大変な状況が起こる、この日本の国を守ることができないのだと思うので、外来医療ということについて、まず、質問を申し上げたい。
○永井部会長 事務局、いかがでしょうか。
○総務課長 まさに、相澤委員がおっしゃったとおり、まず、入院でないというところが外来ということでございまして、要は入院でないということを考えると、医療提供の中で医療機関が提供する場面といたしましては、患者さんが来院されて、いわゆる外来という機能もございますし、また、在宅医療あるいは往診という概念も含まれるものだと考えております。
○相澤委員 ということであるとすると、これから以降に提出されておられるいろいろな統計は何かおかしいのではないかと、私は思わざるを得なくて、そこが抜けていると、医療機能分化で、この国を守っていこうというところの議論に、私はならないのだろうと、1つ思っております。
その上で質問をするのですが、フリーアクセスを守りながら、必要なときに、必要な医療にアクセスできるということ守っていくということが、大原則で動いているということでよろしいかと思うのですが、ということで、今、外来機能をどうするか議論するということは、それがうまくいっていないから議論するわけでしょうか。それとも、今、うまくはいっているけれども、さらに何か変えなければいけないという大きな事情があるのでしょうか。
ということは、なぜこれを議論するのか、これを議論することによって、日本の医療が国民にとって本当にいいものになっていくのかどうか、そこをどう目指していくのかがわからないと、我々は議論のしようがないと思うのです。ですから、そこをぜひ教えていただきたい。
○永井部会長 いかがでしょうか。
○総務課長 事務局内の整理でございます。資料の17ページの冒頭にございますけれども、うまくいっているかどうかということについての価値判断は、様々御意見あろうかと思いますけれども、少なくとも、今後でございますけれども、担い手の減少あるいは高齢化による需要増大という2課題ということが、これは間違いなく起きてまいります。
そういうことで、一層、今のままではなくて、良質な医療を国民に安定的に届けるためには、地域の実態に応じて医療資源の効率的・効果的な必要性ということが増してくると考えております。
そういう意味で、現状のままでは、この現行の医療提供体制のまま維持するということは難しいという観点から、今回、外来医療につきまして御検討を賜りたいと考えております。
○相澤委員 非常に長くなって申しわけありせんが、本当に、僕は根本的な問題をどうしても質問したいので、お聞きしているわけです。
今、統計を取りますと、病院の外来はどんどん減っています。聞くところによりますと、開業医の先生の外来も、そんなに増えていないと聞いております。
そこで、何で破裂するのでしょうか。よくわからない。
それと、高齢者が増えてきて必要なのは、先ほど言ったように、高齢者は在宅療養をする人が、今後、物すごく増えます。それが第1点。
第2点は、高齢者は多くの疾患を持っているという事実が知られています。そういうたくさんの病気を持っている方をどう診ていくのか、この国はどうそういう方に対応していくのかということを、これから高齢者が増えていくという中で議論していくのか。何をしたいのかが見えないと、私も非常に困ってしまうので、ぜひそこを明確にしていただきたい。
というのは、なぜかというと、外来機能というのは、物すごく多様なのです。さっき言っていたように、日帰り手術もあれば、それから検査だけをやっているクリニックもあれば、大変な機械を備えてやっているクリニックもあります。
病院でも本当に一般診療をやっている、外来診療をやっている病院もあります。では、その外来機能をどう切り分けるのですが、どう切り分けてやることが国民のためになるのか、私はためにならないと思っているので発言をしているのです。
○永井部会長 どうぞ。
○審議官(医政、精神保健医療、災害対策担当) 審議官でございます。
多岐にわたる御質問だと思いますので、考え方だけ、私どもの目線といいますか、視点を御紹介しておきたいと思いますが、まず、先ほどの入院と外来の関係の部分の御質問にも少し触れた上でお答えしたいと思うのですが、入院というのは診療の場をどう捉えるかによって区別が違うと思いますので、入院というのは、まさに病院あるいは有床診療所、病床において診療するという意味で入院です。
まず、入院以外の部分が、広い意味で外来と言えるかもしれません。ただ、一般的には診療の場という意味で見ますと、外来というのは、一般的には診療所ないし病院で診療を行う、通院をするというのが一般的には外来という概念であります。
ただ、医療保険の典型例でありますけれども、レセプトについて言うと、入院か入院外という分け方をしますので、この場合入院外というものを外来として捉えますと、在宅の診療についても、外来に含まれるということでございます。ここは言葉の定義になりますので、どちらを議論するのかというのは、議論する場合においてしっかり定義をすることが必要ではないかなというのが、まず、最初の御質問に絡む話であります。
次に、将来の人口構成とか、それから働き手の問題を考えたときに、必ずしも量的な問題でミスマッチが危惧されるということではございませんで、そこの部分も重要ですが、多岐にわたる医療の高度化に伴って診療の形態が大きく変わってくる、そのときに、医療を受療される側の立場から見ますと、どうしたら適切な受診ができるのかということが、現時点で必ずしも十分明解になっていない。
一方で、提供する側も、かつては入院でなければできなかった診療が外来でできるようになってきていたり、あるいは外来で行うべき化学療法などは典型例でありますけれども、非常に複雑な診療になっておりますので、必ずしもどこの外来でもできるわけでもない。
こういったことを考えますと、やはり提供する側の一定の情報の開示と、それから受領する側とが、意思疎通をしていませんと、それでなくてもマンパワーが足りなくなる可能性もありますし、それから医療資源をある程度、合理的な範囲で効率的に活用しなければいけないのに、そこのミスマッチが、ひいてはシステム全体の効率として、必ずしもうまくいかない。
そう考えると、財政の問題だけではなくて、マンパワーの問題として、より有効なシステムをつくっていくためには、今のままでは限界がある。
したがって、外来診療については、地域医療構想で入院については、一定程度機能の透明化とか、あるいは今後のあるべき受療の姿が見えてきておりますので、外来について、そういった考え方も含めて、今後ひもといていく必要があるのではないか、そういう問題意識で、外来についての御議論が必要だということを、この資料で御説明したかった、そういう趣旨でございます。
○相澤委員 済みません、長くなって本当に申しわけないのですが、どうしても僕は基本的なところでわからないので、質問をしているわけです。
提供する側の情報開示があれば、フリーアクセスで患者さんは、きちんとその医療機関を選べるのだったら、情報開示をどうするか、それを決めればいいだけだと私は思います。それが第1点。
第2点、場合によって定義を決めてやる、おかしくありませんか。定義があって、それをもとに議論するのであって、そんなばかな議論があっていいのでしょうか。それが第2点。
第3点、今、適切な受療ができていないのでしょうか。多くの患者さんは、私の聞くところによりますと、大体周りの人に聞いて、あそこは整形がいいよと、あそこは高齢者をよく診てくれるよと、そういう情報に基づいて、きちんと自分の意思で、あちこちを選択している人が多いと私は聞いています。
恐らく、それが現状だと思います。そこがうまくいっていないのが、情報の開示が悪いのだったら情報の開示をすればいいだけではないでしょう。
だから、なぜこの議論を、今、あえてしなければいけないのか、そんなことより、僕は在宅医療、在宅療養をどうしていくのかという議論のほうを、最初にすべきだと思っているので、こんな質問を繰り返していて、申しわけありませんが、最後の質問にいたします。
以上です。
○永井部会長 お願いします。
○審議官(医政、精神保健医療、災害対策担当) 今のような御指摘も含めて、今後、御議論をいただきたいというのが基本だろうとは思います。
ただ、最後の御質問とおっしゃいましたので、こちらも事務局としては、一旦コメントは、これでおしまいにさせていただきたいと思いますけれども、情報の開示はもちろん必要だと思いますし、必要な情報提供をしていく上で、現在の制度の立て付けからすると、必ずしも十分ではない側面があるのではないかというのが、まず1つ事務局の問題意識ですので、その点、相澤委員と必ずしもかみ合っていないとは、私どもは認識をしておりません。
それは、定義を変えるのが、鶏と卵のような話ではないかという御指摘だろうと思いますので、そこはセットなのだろうと思います。
それから、現在の診療の受療の仕方あるいは提供の仕方が適切なのかというと、裏返していいますと、不適切かというと、必ずしもそうではない側面もあるかもしれませんけれども、もっと効率的、効率といいますと、いかにも費用対効果的なニュアンスに聞こえますが、もっと質を上げるためには、もっとよりよき受診の仕方とか、受療の仕方とか、あるいは医療の提供の仕方が、特に複数の医療機関が連携して行う場合には、仕組みの改善の余地があるのではないか。
その議論の中で、在宅医療の組み合わせについても考えていく余地があるように思いますので、必ずしも在宅医療だけ、あるいは通院だけではなく、そこをトータルで考えた、いろいろな議論ができるのではないか、そういう問題意識でございます。
○永井部会長 では、安部委員、お願いします。
○安部委員 18ページの、今後の議論の進め方でありますが、「医療計画の見直し等に関する検討会」で検討を進めるということについては賛同いたしますが、医療部会では、今後報告を受けるというような仕組みで進めていくということでありますので、直接的な議論ができないということもありますから、検討に当たっての視点に関して薬剤師の立場から意見を申し上げたいと思います。
まず、昨年、御承知のように薬機法の改正がありまして、薬剤師、薬局の在り方の見直しが行われておるところであります。
個々の改正内容について、ここで説明することはいたしませんが、2025年、2040年の外来医療の機能や連携を考える上で、医療計画の見直しに関する検討会では、この法改正の内容も踏まえた視点に基づいて議論を進めていただきたいと考えております。
また、来年度には、薬剤師の地域ごとの需要状況の現状を詳細に把握し、今後の人口構成の変化や地域の医療提供体制を踏まえ、将来の薬剤師の需給動向を推計する事業が行われますので、このようなデータも有効に活用されるように、その仕組みをつくっていただきたいと思っております。
最後になりますが、患者さんの受療動向の変容や、これに与えるメッセージとの関係でありますけれども、以前にも申し上げましたが、医療法の総則の第6条の2や、薬機法の第1条の6に、医療を適切に受療する、また医薬品を適正に使用するということがしっかりと定められていて、国民の役割や努力義務が示されているわけですが、それをしっかりと国民の皆さんに十分理解されることは非常に重要かと思っております。
現在、「上手な医療のかかり方」というポスターですとか、動画とかが出ております。それも非常に良いことかと思いますが、残念ながらまだ始まったばかりということで、私の家族などに聞いてもそれを見たことがあるとか、そういったことを知っている状況は聞こえてこないところでありますので、さらに上手な医療のかかり方の広報活動を促進して、より積極的に情報提供と丁寧な説明を進める必要があると思っておりますので、これについては、積極的に推進していただきたいと思っております。
以上です。
○永井部会長 今村委員、それから、加納委員。
○今村委員 ありがとうございます。
私の理解は、今回の医療計画の見直し等に関する検討会で議論するものの中で、大きなことは、かかりつけ医機能の強化というところに、まず力点があるという理解をしています。
日本医師会と四病院団体協議会は、かかりつけ医の定義をしておりますし、全ての国民にかかりつけ医を持っていただきたいということを強くお願いしているところですけれども、なかなかそれは完全に、まだまだそういうことができ上がっているわけではないと。
そういう中で、かかりつけ医というものがどういうものなのかということを、より国民に理解していただく一つきっかけとして、それと結びついて、先ほどからいろいろな御意見あります。特に相澤先生から外来機能については、いろいろ御意見がありましたけれども、それと結びついて、この外来機能の明確化というようなことがあるのかなというような理解をしておりました。
それで井伊委員や安部委員のように、それぞれ医療部会には、いろいろな立場の方が御参加されているので、日本の医療にとってそれぞれの立場で御主張があるのだとは思いますけれども、今回のこの御提言の検討会で何を議論するかということについては、もちろん医療部会でいろいろな意見があるということは、その医療部会の上下ではないかもしれないけれども、少なくともこの医療部会の御意見を、ある程度聞くということはあるのだと思いますけれども、やはりこの検討会にある程度任せて議論をしていただいて、逐次報告をいただくと、それに対してこの部会からまた御意見を言うというような関係の中で、他の審議会も成り立っているわけですので、その辺の情報共有をしっかりしていただくということで、この検討会に任せるということなのかなと、私は理解をしておりますけれども、その辺、厚生労働省のお考えは、つまり何を議論してくださいということを、この場で決めたものについて議論をするのか、あくまでそれは意見として、こういう意見がございましたというお話なのか、その辺の整理について教えてください。
○永井部会長 これは、進め方の問題ですが、いかがでしょうか。
○総務課長 ある程度、進め方の課題につきましては、この部会の御意見を踏まえた形で、検討会で御審議をいただくというようなことを想定いたしておりまして、今回、進め方についての御意見をお願いしている。
ただ、細部、どういう進め方にするかということにつきましては、医療計画の検討会のほうの座長とも御相談をして進めていきたいと思っております。
○永井部会長 加納委員。
○加納委員 ありがとうございます。
今回、日看協が、外来における看護ということで、在宅による療養継続という形での資料を出されてきました。やはり、私も相澤先生と同じで、外来という考え方、これは、先ほどから出ています大病院の外来受診抑制というか、そういった議論、これは先ほどの資料1-1の10ページの中に書いてありますように、特定機能病院、地域医療支援病院等で、過去にいろいろな場で、こういう形が定義されてきたということがありました。それをどうするかという議論なのか、先ほどの議論にあった病院における外来というものをどう考えるか、ということは、しっかりとこの際考えるべきだと、私も思っております。
これからの日本のあらゆる地域で、日本の病院が役割としてなしていくことは、人生100年時代、いろいろな形で患者さんが病気になり、それを治し、リハビリし、また在宅へ返すということでしょう。これの繰り返しで、以前もここで使わせていただきましたが、ベッドの床と書き換えて「輪廻転『床』」という少し冗談めいた形にしていますが、これを繰り返すことが、恐らく患者さんの状況かなと思います。
その中で病院がどういう役割するかと言いますと、やはりどういう在宅支援をするかということになるかと思うのです。在宅支援病院、それから在宅後方支援病院、病院の規模によって名前は変わっていますが、そういった病院が在宅に対する役割をどう担っていくかという、その議論をしっかりとやらずに、別次元の単なる受診抑制という形で話をされると、先ほどから、相澤先生もそういったところの問題点も指摘なさっているかと思いますし、現場の病院が、本当にこれから何をすべきかということで混乱するのではないかと思いますので、しっかりとその点を議論させていただきたいかなと思っております。
よろしくお願いします。
○永井部会長 河本委員、それから、山崎委員、その後、間利子参考人。
○河本委員 ありがとうございます。
今回の検討に当たって、私も外来医療のあるべき姿あるいは機能分化の検討というのは、入院医療に比べると、必ずしも、これまで十分ではなかったのかなと思っております。
その中で、地域の病院や、あるいは診療所が担っていただくことが期待されている外来医療の中身について、これまで、診療所は一般外来、病院は専門外来と、かなりラフに括られていたものを、今回、限られた時間ではございますが、1つのいい機会ととらえ、検討会で議論していただき、医療部会に御報告いただきたいと考えております。
検討の視点については、資料にございます、「患者がかかりつけ医に求める役割」の調査において、どんな病気でもまずは相談に乗ってくれることが最多であったことや複数の慢性疾患を持つ高齢者の急増を見据えると、前回も申し上げましたが、生活習慣病をはじめとした日常的な疾患を診療科横断的、かつ継続的に診ていただける「かかりつけ医機能」を、いかに伸ばしていくのかが重要な視点なのかなと考えております。
それから、今後の人口動態も踏まえて、外来医療の偏在を是正するという視点も重要であると思います。外来医療は、入院医療よりも早く需要がピークアウトするというような推計も示されており、その意味では、地域医療構想と同様に将来重要を見据えて、過不足なくその体制を整備するといった視点も必要なのかなと思います。
いずれにしても、最終的に中間報告に示されております、機能分化の実効性が上がるという目的に資する形で検討を進めていただきたいと考えております。
以上です。
○永井部会長 先に、山崎委員。
○山崎委員 18ページに、かかりつけ機能の強化がありますが、このかかりつけ機能が、時間軸であまり議論されていないような気がします。
例えば、診療所の場合は、9時、5時の診療ですから1日8時間しか診療対応していないわけです。そうすると、患者さんにとって、24時間のうちの3分の1しか対応していないという機能ですが、病院の場合は、外来に受診していれば、365日24時間対応しているわけです。
したがって、今回の改訂で200ベッド以上の病院に、定額負担という診療報酬をつけて、病院から患者さん剥がすような格好にしても、患者さんサイドで考えると、急変したときに、とにかく病院で診てくれるという安心感で、病院を受診しているのが現実だと思います。
そういうことを考えると、本来だったら1日の半分、12時間ぐらい診療所が患者さんに情報提供とか、あるいは診療相談ができるように、少なくても準夜帯の10時までは、診療所が診療対応できるような機能を、ここのかかりつけ機能のところで議論をしてほしいと思います。
準夜対応については、たしか4回か5回前に、診療報酬で若干点数がつきましたが、ほとんどの診療所が加算を取っていないという現実があるわけでして、したがって、患者さん目線とか国民目線と言っている割には、実質的に患者さんの不安を解消するような診療体系になっていないというような現実があります、少なくとも準夜帯までは患者さんに対する対応ができるのというのが、診療所の標準モデルにしなければいけないと思います。
精神科の場合も診療所の多くは、9時、5時対応なので、準夜帯、深夜帯は、ほとんど地域の精神科病院が対応しています。準夜、深夜に全く病歴も判らない患者さんを診察して、1日分だけ薬の投薬をする、ということをしているのがまれに、診療所に準夜帯まで対応させるのか、あるいは精神科一次救急体制のようなものをつくるのか、そういう医療提供体制に変えていかないと、ここで幾らかかりつけ医機能の強化を議論しても、かかりつけ医の、時間軸での議論が行われていなければ、評価のしようがないと思います。
○永井部会長 ありがとうございます。
では、先に、今の点で今村委員。
○今村委員 今の山崎先生のお話は、例の社会保障国民会議でも、私と大分意見を交換させていただいたところなのですけれども、今、先生の御指摘のとおり、精神科の診療所においては、そういうことがあると、それは、私、精神科ではないので、そういう実態についてつまびらかに理解しているわけではないのですけれども、一般的な診療所が9時、5時で、いわゆる診療を行っているということはないということを申し上げます。それから診療所は、医師が1人なのか複数なのかということによって相当対応が違います。
今、診療所医師は相当高齢化してきていて、平均年齢も六十数歳になっておりますので、24時間365日1人の医師で対応することは難しい。そのために、地域の中でネットワークをつくって、休日夜間診療事業を行って、夜間の患者さんに対応するというようなこともやっております。
そういったさまざまな要件がある中で、では、かかりつけ医というのはどうあるべきか、ということを、今、先生から時間軸のお話というのもいただきましたけれども、そういうことも含めて議論をする場をつくるというお話だと理解しておりますので、この場で、その議論はなかなか難しいのだろうと思いますので、そこでやっていただいたらいいのではないかなと思っています。
○遠藤部会長 では、間利子参考人。
○間利子参考人
2点申し上げます。
まず、「外来機能の明確化とかかりつけ医機能の強化」に関する議論は、中間報告で示された改革の方向性を踏まえた議論だと承知しており、その根底には制度の持続可能性の確保があると理解しております。その観点からは、やはり制度の持続可能性の確保につながるよう、改革効果が最大限出る方向で検討していくことが重要です。
また、資料の18ページの「検討に当たっての視点」に関連して、先ほど医療技術の進歩について御指摘がありましたが、医療技術そのものの発展に加えて、医療を取り巻く技術進歩も踏まえて、外来医療の在り方を検討していくことが求められます。政府も例えばSociety 5.0の実現を掲げていますが、情報通信技術など、患者を取り巻く生活環境に関わる技術の進歩も活用していく視点を踏まえながら外来機能の在り方を検討していくことも重要だと思います。
○永井部会長 ありがとうございます。
野村委員、どうぞ。
○野村委員 かかりつけ機能強化に向けた検討というところで、今後の検討の流れについては、別の検討会でというところは理解しております。
今後、議論をしていただく上で、1点、小児に関してなのですけれども、小児は、どうしても人口の中で割合が非常に少ないので思うのですけれども、でも、まず、最初に医療をたくさん多くかかる時期でもあるので、1つだけ発言させていただきます。
小児のかかりつけ医というものも、私たち親がかかりつけ医をここに決めようと思って、かかりつけ医になりたいですというか、かかりつけ医というときに、小児かかりつけ医加算というものができていて、そうすると、私たちがそこに同意書を書いて、そうなったときに、これは、どういうことが変わっていくのですかとか、どういうことが変わるのですかということを聞くと、それは、やはり、この間の医療部会の中でもあったように、施設の基準なので、こういう点ができている施設だということを、説明を受けて理解しています。
今後、機能強化をしていく上で、検討していただく上で、施設の基準ということもわかるのですけれども、先ほどの上手な医療のかかり方とか、国民の私たちが理解しておくべきことをきちんと目に見えるもので教えていただくとか、そういうことで、こう取る側も取られる側も、そのほうがいいのかなと思って、診療報酬のほうと合わせて、今後、検討も進めていただけたらなと思い、発言させていただきました。
○永井部会長 ありがとうございます。
では、小熊委員、どうぞ。
○小熊委員 ありがとうございました。
前回欠席せざるを得なくて、申しわけないのですが、ただいま、お話を聞いておりますと、多様な外来機能をどう整理していくか、18ページに、厚労省のお考えが出ているのですが、私共の自治体病院は、地方の医療というのも非常に関与しておりまして、その地方の医療のことを申し上げますと、今村先生もおっしゃったように、診療所の先生が高齢化してきて、後を継ぐ者がいなくなってきている。
そこで、オンリーワンの病院として、自治体病院がやっているところが、そういう形態が1つ。
もう一つは、地域全体の中で中核的な機能を担わざるを得ない、そういう病院もございます。
特に問題なのは、中核的な機能を担わなくてはいけない病院で、外来があふれていると。そういう病院は、地域支援病院にもなれないのです。
要は、紹介状は持ってこない、それから、返そうにも受け付けてくれる病院がない。そういう病院がございます。
ですから、地域によって都会のように、医療機能が豊富にあるところと、今、私が申し上げているような医療資源の乏しいところ、これは外来の在り方自体が物すごく機能が変わってしまうと。
それで、今、我々の地域の中核病院で問題になっていますのは、医師の働き方改革に直結しています。外来負担というのが物すごく重いのです。それで、外来を減らそうとすると、地域の医療が成り立たなくなる。
そういう状況も抱えてございますので、この18ページの中に、今、私が申し上げたような外来機能の在り方とか、そういうものを見直すときに、そういったこと面でも御検討いただきたいと思って、お願いでございます。
ありがとうございました。
○永井部会長 猪口委員、どうぞ。
○猪口委員 かかりつけ医の定義ということと、多少関係するかもしれませんが、日本の医師の教育にも絡んで、総合医もしくは総合診療医というのが非常に少ないというのが一番の問題だと思っております。
やはり、そこを教育も含めて、また、一度医師になってある程度キャリアを積んだ人間でも、それをもう一回再教育するというようなシステムで、総合医をふやすと。それによって、例えば、高齢者が増えたときの、多科を受診しなくても、ある程度のところまでは一人の医師で、それがかかりつけ医となって診ることができると。
そういうような医師の育成ということを十分に考えないと、医師不足というのは、今も言われたとおり、本当に解消しませんし、まず、その辺のところも、しっかりと議論の対象にしていただきたいと思っております。
○永井部会長 ありがとうございます。
釜萢委員、どうぞ。
○釜萢委員 今、猪口委員が言われたところですが、大変大事な点でありますけれども、日本医師会は全国医学部長病院長会議ともしっかり連携をしながら、医学部の教育、特にCBT、OSCEが終わった後の参加型の臨床実習と、それから2年間の臨床研修を通じて、幅広く全人的に患者さんを診ることができる医師を育てるという、この方向であり、今、教育が変わりつつあるところなので、そこに大きく期待をしたいと思います。
すなわち、臨床研修が修了した医師については、かなりの総合的な診療能力を身につけるというところを目指すということが非常に大事だろうと思っております。
それから、先ほど伊井委員から説明がありましたところですが、前回の医療部会で、この看護外来という名称が出てきたことについて、そういう言葉があったのかなというのを少し違和感を感じたところですけれども、今日、御説明をいただいて、外来における看護あるいは外来における看護師の役割・機能という意味であると理解をしたわけであります。
一般の方は、なかなかまだ看護外来というのは何を表すのか、わかっておられないのではないかなというところを指摘しておきたいと思います。
以上です。
○中川委員長 佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 外来機能の明確化を進める上では、制度上の対応も欠かせないと考えております。
その上で、制度上の対応として、例えばですが、初期医療や病診連携の調整などの役割を担う医師の認定制度を構築し、在宅療養支援診療所に、その配置を義務化するなどして、外来にかかる病院・診療所の役割分担を明確化することも1つの案として考えてもよいのではないかと思っていますので、よろしくお願いします。
以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
そのほか、よろしいでしょうか。
そういたしますと、今回、医療計画の見直し等に関する検討会、ここで専門的かつ集中的に議論をさせていただきたいと。ただ、そのときに医療部会に報告をしていただくことと、逐次議論をし、また、意見をある程度踏まえて議論をしていただくと、そういう整理かと思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○永井部会長 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
では、次の議題にまいります。
地域医療構想の最近の動向について説明をお願いいたします。
○地域医療計画課長
それでは資料の2-1に基づきまして御説明させていただきます。
資料2-1ですが、開けていただきまして1ページ目でございます。
令和元年、昨年の12月5日に行われました第13回経済財政諮問会議におきまして、加藤大臣のほうから、今後の地域医療構想の方向性につきまして御発言があったところでございます。
この中でポイントになるところでございますが、まず第1といたしまして、1行目「今回」の後ろからありますけれども、今回9月26日に、いわゆる公立・公的医療機関の見直し等につきましての議論させていただきましたが、それを踏まえて公立・公的医療機関の着実な改革が重要であるということで、進捗状況を逐次把握しながら必要な支援を行っていきたいということが、まず、第1点でございます。
また、民間病院につきましても言及されておりまして、民間病院につきましても、4行目からになりますが、今年度できるだけ早期に民間の特性に応じた新たな観点を加えた分析の検討を開始するということ。
それから、全体的に「また」以下ですけれども、ダウンサイジング支援の追加的方策の検討ですとか、総合確保基金のめり張りも実施していきたいということで言及がございました。
また、全体的なスケジュールにつきましては、地方自治体と意見を深めながら、2025年までの地域医療構想全体をより具体的にどう実行していくのか、そのための工程表を作成したいということで言及がございましたので、この方向に基づきまして、現在、作業を行っているところでございます。
2枚目でございますが、先ほど大臣の言及にもございましたが、地方との意見交換ということで、総務省のほうにおきまして、いわゆる地方三団体と厚生労働省、総務省、それが合同になりまして、地域医療確保に関する国と地方の協議の場ということで、会議を進めているところでございます。
協議につきましては、構想だけではなく、地域医療を取り巻く課題といたしまして、医師の地域偏在対策ですとか、医師の働き方改革というものを念頭に置きながら、これまで行っていましたのが、地域医療構想がメインでございますけれども、今後ともこういったO地方との協議を行いながら進めていきたいと考えているところでございます。
次の3ページ目になりますが、今回1月17日にプレスリリースをさせていただいているとこでございます。
これにつきましては、公立・公的医療機関等の具体的対応方針の再検証ということで、特に、今後になりますけれども、今回データを分析した結果、それを踏まえまして、各都道府県におきまして各医療機関におけます具体的対応方針の再検証をどうやってやるのかにつきましての通知を、まず、発送させていただいたというところでございます。
また、それに加えまして、9月26日に行われましたワーキンググループとして提出された資料、データにつきまして、暫定版として取り扱っていたところでございますので、それをさらに国及び都道府県と確認を求めるなどして、精査を行ったと、その結果につきましてプレスリリースを作成させていただいているところでございます。
4ページ目が大きな観点でございますが、1番のところが、先ほど申し上げました、今後、各都道府県におきまして再検証を行っていただく、その手順というものを通知したことを示しているものでございます。
2番目が、公立・公的医療機関等のリストにつきまして精査を行ったということでございまして、その精査の結果でございますが、中ほど、今回の厚生労働省が精査を行った内容についてということで、公立・公的医療機関等の一部のデータの入力漏れが、実は、確認したところ、見られたということ。
それから、実績につきましては、医療等のデータについて、いわゆる紙レセプトのデータについて含まれていなかったということがございましたので、データの精緻化ということで追加をさせていただいたこと。
それから、病床機能報告で、各医療機関ごとに病棟名、病棟コードというものを報告していただくのですが、これにつきまして、病院のほうからの誤った名称もしくは誤ったコードが入っていたために、分析対象外になっていたものを、今回新たに精緻化させたということを行ったところでございまして、その結果、まだ最終的な確認は、今、県のほうで行っていただいているとこでございますが、以下の7医療機関につきまして、再検証対象医療機関ではなくなる見込みということで公表させていただいているとこでございます。
5ページ目でございます。
先ほど申しました各都道府県に行った通知につきましてのポイントを示させていただいております。
特に、2番にございます「再検証要請等の内容」ということで、これにつきましては、3つのカテゴリーでそれぞれ再検証、もしくは具体的対応方針の見直し、検討等をお願いしたいということで通知をしております。
まず、黄色のところにあります(1)でございますが、再検証対象医療機関、いわゆるA9と言われる実績が低い項目が9個並んでいるもの、もしくはB6と言われる類似かつ近接の項目が6個並んでいるもの、こういったものにつきましては、具体的対応方針の再検証をお願いするということでございまして、それについてどのような検討を行っていただくかということについての具体的な内容について、通知のほうで示させていただいております。
また、2番のところにありますが、全ての項目、A9、B6以外のところでも、必要に応じて、具体的対応方針について改めて議論していただきたいと。
特に※印に書いておりますが、2019年3月までに合意された具体的対応方針における役割及び病床数が、現状から変更がないもの、こういったものにつきまして、将来の需要等を踏まえて、その妥当性を確認することに留意していただくということで、こういったところの具体的対応方針の見直しというものが、本当に必要なのかどうなのか等も含めて、都道府県のほうに検討をお願いするということにしております。
それから(3)番が平成29年度病床機能報告の未報告医療機関ですけれども、これも国と地方ですとか、地方で行います意見交換会等におきまして、指摘された事項でございますけれども、そもそも論として、病床機能報告を報告されていないところの取り扱いということでございまして、これにつきましては、原則、きちんと具体的対応方針を見直して、調整会議において改めて協議の上、合意を得ていただきたいというような、こういった方向性を示しながら、今後、県のほうで、地域の調整会議において議論を進めていただきたいと考えているとこでございます。
次の6ページ目でございます。
これにつきましては、骨太の2019でも言われておりますが、背景のところに書いておりますけれども、骨太2019でも記載がございますが、国におきまして、重点支援区域の設定を通じて、国による助言、それから集中的な支援を行うということをされているところでございまして、これについて、今、各県のほうで重点支援区域についての申請を行っていただき、今後、重点支援区域に対して、国として支援を行っていきたいという、その考えをまとめたものでございます。
基本的には、都道府県が当該区域の地域医療調整会議におきまして、重点支援区域の申請を行う旨の合意を得た上で、都道府県からの申請を踏まえて、厚生労働省において選定するという手続をとりたいと考えております。
また、選定の対象でございますが、3番目にございますけれども、重点支援区域におけます事例の対象といたしましては、複数医療機関の再編統合事例ということを念頭に置いております。
ただ、ここで言います再編統合というものにつきましては、つぶれていて申しわけございませんが、いわゆる統廃合だけではなくてダウンサイジング、機能分化連携、集約化等々も含まれるということにしておりますので、そういった困難事例につきまして、積極的に選定をしたいと考えているところでございます。
4番の四番の支援内容につきましては、1つは技術的支援のみならず、今回、令和2年度の予算で取りましたけれども、財政的支援になります、新たな病床ダウンサイジング支援につきましても、こういったことで支援をしていきたいと考えております。
また、スケジュールにつきましては、今、申請を受け付けておりますが、随時募集ということで、まず、第1回目につきましては、1月中をめどに選定を行って、その後、選定については複数回実施をしながら、こういった重点を通じて各地域の地域医療構想を支援してまいりたいと考えているところでございます。
説明は、以上になります。
○永井部会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの説明に御質問をお願いいたします。
佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 前回の部会でも述べましたが、地域医療構想を着実に実現するためには、民間医療機関も含めた地域一体の主体的な取組が欠かせないと考えております。
そのためには、公立・公的、民間といった設置主体を問わず、全ての診療実績データを公表して、真摯に議論することができる環境づくりが重要であると考えております。
1月17日に通知を発出されました再検証に合わせて、民間医療機関の診療実績データが各都道府県に提供されておりますが、そのデータは公表されておりません。
また、公立・公的医療機関等リストの精査の結果、対象から外れた7医療機関は公表されましたが、新たに対象となる医療機関やリストの確定版は公表されないとお聞きをしております。
非公表のデータは、各構想地域の地域医療構想調整会議で示されるとなっておりますが、この部会で、地域医療構想を議論する際に、非公表のままでは正確な情報に基づいて議論することが難しくなることから、患者や住民の理解が得られるとは到底思えず、議論が進まないのではないかと思っております。
このデータの取り扱いについて質問をさせていただきたい。
もう一点、関連ですが、私は、この医療部会に昨年の11月以降出席させていただいております。
前任者がどんな発言をしたか、参考までに見てみようと思って、医療部会の議事録を厚生労働省のホームページ上で見たのですけれども、私の見た限りでは、昨年の7月18日までの部会で議事録が公開されており、9月19日以降の議事録がホームページに公開されておりません。その理由について併せてお聞きしたいと思っています。
よろしくお願いします。
○永井部会長 事務局、お願いします。
○地域医療計画課長 それでは、前半のほうのデータの取り扱いの関係でございます。
データの取り扱いにつきましては、5ページのところの留意事項のところにも書かせていただいておりますが、定期的な調整会議の会議資料ですとか議事録等はできるだけ速やかに公表を務めていただきたいということで、通知のほうで示させていただいております。
ただ、今回、提供させていただきました分析結果につきましては、都道府県の最終確認を踏まえて国が確定するまでは、当該資料等については非公表として取り扱っていただきたいとしておるとこでございまして、確定した後につきましては、その取り扱いについては公表が可能になると考えているとこでございます。
○総務課長 議事録の関係は、後ほど御回答申し上げます。
先ほどの、当部会の議事録の関係でございます。
委員御指摘のとおり、議事録としてホームページ掲載をさせていただいておりますのは、7月18日以前まででございます。以降9月19日と10月21日、11月、12月以降の議事録については、現在、ホームページ上の公表が、まだ間に合っていないということで、公表いたしておりません。現在、委員の先生方にも確認を求めたり、あるいは校閲ということの作業を進めている段階でございまして、作業が整い次第、公表したいと思っております。
○永井部会長 佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 ありがとうございました。
前段部分につきましては、どのように医療部会で取り扱うかも含めまして、議論するには、やはり、データを私たちが見ることが、多分、必要だと思いますので、それについては、よろしくお願いしたいと思います。
それから、後段部分については、議事録を作成する事務局の仕事は、ほかにも仕事があって大変だと思いますが、やはり、どのように医療部会で議論されているかを国民が知る権利があると思いますので、申しわけございませんが、よろしくお願いします。
○総務課長 全くおっしゃるとおりでございます。速やかに対応したいと思います。
○永井部会長 小熊委員、どうぞ。
○小熊委員 公立病院の者として、一言お話しさせていただきたいと思うのですが、今、厚労省の事務局がお話になりました(1)(2)につきましては、私共も全国の自治体病院のほうに、きちんと対応するようにお願いをしているところでございます。
ただ、再三申し上げておりますように、A9、B6の項目というのは、急性期としても、かなり診療内容の高い項目ですので、本当の地域医療を担っているところでは、これに対応し切れないところは、たくさんあると思いますので、そういった病院については、将来を見据えて、地域で自分の病院が今と同じような医療を提供するのなら、そのままで結構だと、私どもは指示をしているということをお伝えしておきたいのが1点。
今回、民間のデータがある程度都道府県に出されたわけですけれども、それをもって、民間の医療機関をどう対応していただくかというのを、まだ厚労省サイドとしては何も発出をされていないと思うのです。
その際に、地域の医療ですから、提供体制を検討するには公民合わせて一体化して検討しなければいけないだろうと思うのですけれども、民に対する何らかの断定的な指示ではなくていいのですけれども、例えば、見直しをしてくださいとか、そういうような概念的というは、大略的というか、そういう御指示というのは出ないのでしょうか。
○地域医療計画課長 御質問ありがとうございます。
先生おっしゃるとおり、民間の医療機関についてどうするかということだと思いますが、今回の12月5日の加藤大臣の御発言の中にも、やはり、今年度できるだけ早期に、民間の特性に応じた新たな分析を行いながら、きちんとやっていくというようなことがありますので、これを我々としても着実に、速やかに進めていきたいと思っているところでございます。
○小熊委員 どのようなお考えを、今、お持ちなのか、断片で結構なのですけれども、分かれば教えていただけますでしょうか。
○地域医療計画課長 そこも含めて、今、検討している段階でございますので、また、それについても、そういった先生の御指摘、観点も含めて、早急に検討させていただきながら、分析も含めて着実に行っていきたいと思います。
○永井部会長 では、相澤委員、それから、山崎委員。
○相澤委員 何か考え方がすごく間違っているような気がするのです。民間病院のデータが公表されていないわけではありません。地域医療支援病院は、みんな公開されています。なぜかわかりますか。
5疾病・5事業をちゃんとやりなさいと地域医療支援病院に言っているのですよ。その分だけに少しいろいろな恩恵を受けている。
しかし、税金はちゃんと払っているのです。公立病院や公的病院は払いません。それで、公立病院、公的病院だからこそ、5疾病・5事業についてちゃんとやるという義務を負っているのです。だから、公的病院、公立病院と地域医療支援病院は同等で、民間病院であってもデータを公表したのです。
それが、僕は基本的な考え方だと思います。だから、そこの医療を地域でどうやっていくのかは、公立病院、地域医療支援病院に関係なくきちんと議論してくださいということが基本だと思います。そこをごちゃごちゃにしてしまうと、非常におかしなことになってくるので、僕は民間と公立病院、公的病院の対立構造はつくりたくありませんが、基本的な概念がそこにあるのだと。だから、一般の民間病院に関しては、今のところ、データはそうなっているのだという御理解を賜らないと、なぜ民間は公表しないのだという変な対立構造になってしまっていて、これはよくないと思うのです。
だから、さっき言ったことが原則でやっているということです。だから、がんとか循環器とか、そういったもののデータを出したということなのです。
民間病院だって、もっと地域に密着した高齢者の医療をたくさんやって頑張っている病院はあります。そういう病院のことをやっていないというのではなくて、今、言ったような観点から、データはそこの病院に限って、厚労省さんは出した。5疾病・5事業に対して、どう地域で役割分担をしていくのかを話し合ってくれという具合に出したのだと、私は思っていて、そういう具合に理解しています。
それを何か変な公立、公的対民間病院のような対立構造には持ち込んでいただきたくないなと思って発言をさせていただきました。
○永井部会長 どうぞ。
○小熊委員 今の相澤先生の御意見に、私は、決して公民で対立しろとか、そういうことを言っているわけではなくて、先ほども言いましたように、公民が一体となって、今後の地域の医療の提供体制を検討していかなくてはいけないと思っていますと、先ほどもお話ししたと思うのです。
そのときに、公は、御覧のように、こういうやり方で、もう一回再検証しなさいということも言われて、我々はやろうとしています。
それで、地域の医療を考えたときに、では、民の方が自分たちの医療の今後の在り方について検討していただくような、何らかの方策はないのでしょうかということを、今、お尋ねした次第です。
それで、公民が一体となって調整会議で、この地域の医療どう形成していくかということを検討する1つの手段にしたいなということで御質問をさせていただいた次第です。
○永井部会長 では、山崎委員、それから、加納委員。
○山崎委員 この議論というのは、もう少し整理しなくてはいけないと思います。公民一体化した病棟機能の分化を調整する話ですが、先ほど、相澤委員からも御指摘があったように、公的病院は、政策医療を行うということで、経営的には真っ赤でもオーケーになっているわけです。
民間病院は、診療報酬だけの収入でもって経営して、なおかつ税金も払っているし、病院の増改築も、微々たる内部留保を使って、20年、30年借金して病院を建て替えているわけで、基本的に、病院の構造自体が違います。
公営企業年鑑を見たことはありますか、公営企業年鑑の公立病院は、民間病院ならとっくに倒産してしまっている病院ばっかりですよ。何百億という累積赤字を計上しているのに倒産しないのだもの、公立病院だからでしょうね。
診療報酬だけで民間病院が頑張っているのに、病床機能だけの議論で、お互いに調整をするということ自体が不可能だと思います。
従って、こうした議論をするのであるなら、補助金をなしにして、公立病院も診療報酬だけで経営するような、イコールフッティングの経営体制をつくって、病床機能を調整するという話ならわかりますが、全然経営母体も補助金の入り方も、税金の使い方も違う病院を一緒くたに調整できるはずがありません。
したがって、公立病院は、政策医療に特化したものしかやらせない、あるいはその地域に公立病院しかないのならば、それは慢性期でも、長期療養をしても構わないと思いますが、この議論を整理をしないで、病床機能の調整だけの話になると、おかしいと思いますよ。
○永井部会長 加納委員、どうぞ。
○加納委員 ありがとうございます。
公民の話をし出すと、また大変なのかもしれませんけれども、以前から議論していますように、総務省から公立病院には約8000億円の繰入金があり、1ベッドあたりでいきますと、1日約1万円の税的な補助がある病院になっています。民間病院においては、例えば300床ですと、毎日300万円の補助金が入っている病院と、我々民間病院が同じ土俵で仕事をしているわけです。最後は地域の方を守るためということにおいては、やはり同じことだと、私は思っているのですけれども。
そこでややこしくなるのが、先ほどから出ています政策医療をきっちりしているか、していないかというところだと思うのです。
これは、山崎先生がおっしゃるように、地方で、公的病院しかないところであれば、高度急性期から急性期、回復期、慢性期まで全部をやらなくてはいけない地域もあれば、反面、都会においては、民間病院が同じことをしているのに、政策医療の名のもとに補助金が入っている病院に対して、我々はどうやって評価されるのでしょうか。建てるときも、全く資金的に税金が投下されているのに、我々は自前でやりますから、おのずから病院の規模も変わってくるし、いろいろな形で違いますから、これは、やはり、地方ごとに議論していかなくてはいけないと、私は思っています。
それで、例えば、今、大阪で議論をしているわけでありますけれども、大阪も、先ほどから、厚労省のほうからおっしゃっていただいていますように、資料が出ていますので、出ている資料内で、いろいろなことを検討しております。
その大阪方式として新しく出たのは、公的病院に関しては、過去4年間の繰入金を明示するのと、繰入金の算出根拠についても明示するようにということを、今回から議論の中に入れていただいています。
また、規模別でいきますと、どうしても公的病院のほうがより大きいですから、民間のほうの規模が、例えば400床対200床では、おのずからスケール的に2倍の力の差があるわけなので、それを高度急性期、急性期のベッド数で割ったらどうなるとか、そのような表示も、今、大阪ではやっていただいています。
そのようにして、ある程度、いろいろな形で公民が同じような形で議論できる場を少しでもつくろうということをやれば、こういった議論は進むのではないかと思っております。多分、今、それを厚労省のほうで、民間をどう評価するかということで考えていただいているのではないかと思っておりますので、ぜひともそういったところを含めて、議論を進めていただきたいと思っております。
よろしくお願いします。
○永井部会長 では、最後に小熊委員。
○永井部会長 では、最後に小熊委員。
○小熊委員 公民の設立条件の違いとか、担当するものの違いというのは、それは前からはっきり言われていることで、私が言いたいのは、民の立場だから、自分の病院の在り方が、例えば、地域の提供体制に重大にかかわってくるのであれば、それも議論の中には、やはり上げなくてはならないのではないでしょうかということを言いたいわけで、そのためには、税金を払っているから、それから自分で全部、診療報酬だけでやっているからということで、そこの問題を取り上げなくてよろしいのでしょうかと、問題があるとしたらですよ。そこのところを、何となく、曖昧にしたままで地域医療調整会議を活性化できるのでしょうかということを、私としては投げかけたい。
公民の違い、あるいは民と公のそれぞれの役割をどうのこうのと言っているわけではなくて、民は民としても、自分の医療の、今後の地域における働きというものを見つめ直していただく必要があるのではないでしょうかということを、一言で言うと、言いたかったということです。
○永井部会長 ありがとうございます。
まだ御意見がおありかと思いますが、時間の関係で次にまいりたいと思います。
続いて、医師の働き方改革の検討状況について、お願いいたします。
○医事課長 医事課長でございます。
資料3-1、3-2をお願いいたします。
3-1でございますけれども、医師の働き方改革のうち、推進に関する検討会の状況でございます。
今回の検討会では、今までの議論のまとめというのを中心にやっております。引き続き残ります課題ということでいいますと、4ページにありますような検討課題ということで、(B)水準(C)水準の具体的な取組等々が残っているということ。
7ページになりますけれども、健康確保措置の面接指導等の具体的なやり方などが、まだ課題が残っていると。
あとは、8ページになりますけれども、この医師の労働時間短縮計画の策定方法等々の議論が残っているということです。
あと、10ページになりますけれども、いわゆる評価機能ということで、その法人の体制でありますとか、その運営費でありますとか、そういうことにつきまして、まだ検討課題が残っているというようなことでございます。
また、11ページですけれども、労働時間短縮による地域医療への影響等々も、まだ、今後、課題が残っているということで、次回以降に、この議論につきましても、関係する状況を、また御報告申し上げたいと思っております。
もう一つの資料3-2でございます。
こちらは、医師の働き方関係のタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会の状況でございます。
これは、さまざまな各団体からの提案を含めまして、今、議論を進めておるとこでございまして、具体的には5ページ以降になりますけれども、業務範囲の見直しの場合に、どういった教育、研修が必要かという視点で議論を、今、行っていただいているところでございます。
また、8ページ以降からは、具体的に各関係職種につきまして、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技師に関しまして、法律事項、それから症例事項等につきまして整理をし、今、議論を続けているという状況でございます。
これは、まだ完全にまとまっているという状況でございませんので、また適宜、御報告を申し上げるようなことを考えているということでございます。
御報告は、以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
今の御説明について、いかがでしょうか。
楠岡委員。
○楠岡委員 前回、兼業のことが問題になりましたけれども、今回、2024年度から上限規制が始まるということになっておりますけれども(B)水準、(C)水準の指定を受けようとしますと、2022年に評価機能の評価を受けなければならない。
そうしますと、残された時間は、2020年、2021年の2年しかないということになってまいります。そこで兼業のこととかをしっかりと早く決めていただかないと、どういう勤務体制をつくればいいかというプランを全く立てられないという状況になってしまいますので、ぜひ、兼業のところに関しまして、他の部局との関係もあるかと思いますけれども、何らかの方向性をはっきり出していただきたいと思っております。
○永井部会長 ありがとうございます。
ほかに、いかがでしょうか。
佐保委員。
○佐保委員 連続勤務時間制限や勤務間インターバルについては、(B)(C)水準適用医師については義務化されることになっております。ただし、(B)(C)水準適用医師がインターバルの時間中に、他の医療機関で勤務して疲労が蓄積するようなことがあると、医師と患者の双方の立場から見て望ましいことではないと考えております。
労務管理において、労働時間の把握は健康確保の大前提であります。通常の勤務時間はもとより、副業・兼業先の勤務時間も可能な限り正確に把握する必要があると考えます。
加えて、自主的な自己研さんであっても、疲労は蓄積するものであることを考えれば、労働時間として扱われるもの以外も含めて、仕事関係に費やしている時間を把握し、実効性のある健康確保がなされるように対策を講ずることが重要であると考えます。
また、資料3-1の28ページ、医師労働時間短縮計画の項目例(案)に関して、右下の勤務環境改善の1つに「出産・子育て・介護に関する復職、両立支援」という項目があります。
性別を問わず、子育てや介護と仕事を両立し、働き続けられる環境を整備することが重要であり、タスク・シェア、タスク・シフトの項目のように、より詳細な項目を設定して評価を行ってはどうかと考えます。
以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
ほかに、いかがでしょうか。
木戸委員。
○木戸委員 検討課題の幾つかに関して、研究班で調査して、それに基づいて対応するとありますけれども、この11ページの「3 その他」のところにあります、労働時間短縮によって、地域医療への影響についてどう把握するか、その対応というのは非常に医療部会としては重要な課題だと思うのですけれども、特に夜間、休日における救急や周産期医療への影響とかも非常に懸念されるのですが、実際にスタートして受け入れ先がなくなって、患者さんの命にかかわることがありますと、そういうことは避けなければならないかと思うのですが、この対応に関して、どこでどのように今後検討するかに関して質問させていただきます。
○永井部会長 事務局、いかがでしょうか。
○医師養成等企画調整室長 事務局でございます。
まさしく医師の働き方改革は、2024年が、この上限規制がはまった場合に、地域にどのような影響を与えるかということに関しましては、広く今まで調査も行ってまいりましたけれども、やはり特定の地域において、どのような影響を及ぼし得るのか、医師の地方の病院における兼業・副業に関して、どのような影響があるのかということを、やはり、精緻に見る必要があるという観点から、研究班を通じて調査を計画しているところでございますので、改めて、まずは、働き方の推進検討会のほうに報告させていただきまして、また、この医療部会のほうにも御報告をさせていただければと思います。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
今村委員。
○今村委員 ありがとうございました。
この医療部会というのは、日本の医療提供体制の責任を持つべき、いわゆる委員会ということで、先ほどからお話のあった兼業副業については、非常に日本の医療に対して大きな影響を及ぼすお話しだということで、しっかりとこの部会から労働基準局のほうにお話をしていただきたいということで、その結果かどうかはわかりませんけれども、いわゆる兼業副業を議論している労働政策審議会の、いわゆる条件分科会というところでお話をする機会がございましたけれども、やはり医療の実態について審議をされている方たちが、そういうことを分かっておられない、概念的には理解されていたとしても、十分に実態について御理解いただけていないというのが、改めて分かったかなと思っております。
先ほど、佐保委員から御指摘のあった、いわゆる労働時間管理あるいは医師の健康確保というのは非常に重要だというのは、私もそのとおりだと思っておりますけれども、一般の労働者ですら、いまだに兼業副業をどう取り扱うかということが、結論が出ない中で、医師の、いわゆる兼業副業について早急に結論を出すというようなことは、地域の医療に大変大きな影響を及ぼしますので、相当慎重にデータに基づいて議論をしていただきたいというのが私の考えです。
そこは先生のおっしゃる、できるだけ早くわかったほうがいいというのは、そのとおりだと思うのですけれども、これを性急にやると、本当に日本医療が壊れてしまい、結果的に国民にとって非常に大きな不利益につながりますので、ある意味、慎重にお願いしたいということを改めて申し上げます。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
それでは、今の御意見を踏まえて、さらに検討をお願いしたいと思います。
では、次に救急救命士に関する最近の検討状況について説明をお願いいたします。
○地域医療計画課長 それでは、資料4-1に基づきまして御説明をさせていただきます。
開けていただいて2ページは、今の救急の出動件数及び搬送人数の推移でございますが、救急救命士制定から倍以上伸びているという状況でございます。
こういった中で、そもそも救急救命士とは、どういう業務を行うかということにつきましては、4ページを御覧いただければと思います。
救急救命士等は、厚生労働大臣の免許を受けて、救急救命士の名称を用いて、医師の指示のもとに、まず1つかかっているのが重度傷病者に対して、病院または診療所に搬送されるまでの間という場所の規定、それから救急救命処置を行うという、いわゆる業務の内容の規定、この3つ合わさったこともので行っているという状況でございます。
特に応急処置の関係につきましては、9ページを御覧いただければと思いますが、この救急救命処置の範囲につきましては、これまでもさまざまな検討会におきまして、救急救命士が行える業務の拡大というものを行ってきておりまして、最終的に10ページにございますが、救急救命処置の範囲についてということで、今ここにあります33項目についてのみ、救急救命士が行える業務として規定されているものになっております。
こういった救急救命士の関係でございますが、昨今、最初に制定されて以降、さまざまな状況の変化があるということもございまして、現在、12ページでございますが「救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会」の中で、現在、その在り方について議論をしているところでございます。
特に13ページになりますが、救急救命士の活用に向けた環境整備の必要性に関する提言ということで、日本医師会さんをはじめ、さまざまな団体のほうから、この活用についての御意見をいただいているところでございますし、また、2019年6月になりますと、経済財政運営と改革の基本方針2019、いわゆる骨太2019におきましても、後段になりますが、救急救命士の資質の向上・活用に向けた環境整備について検討を行うということで、現在、これに向けた議論を行っているところでございます。
14ページでございますが、救急救命士の資質を活用できると想定される場所ということで、今、検討を行っておりますのが、そもそも黒い点線の枠囲みの下にありますとおり、現行法上は救急救命士につきましては、医療機関内では実施できないという中で、やはり連続性等を加味しながら、また、昨今では医師の業務の負担の軽減、特に救急現場におきましては、医師の過重労働が行われているというようなこともあり、タスク・シフティング、タスク・シェアの観点からも、やはりこういった救急救命士の資質を活用できるという場所として、こういった救急診療を行う外来、いわゆる救急外来ではないかというのは、こういった観点から、現在、議論を進めているところでございます。
主に、どういう場所で行うのか、それから、どういう業務を行うのか、また、それについてきちんとした教育体制があるのか、この3点を基準に、現在、議論をしている最中でございます。
説明は、以上になります。
○永井部会長 ありがとうございます。
山口委員、どうぞ。
○山口委員 簡単に言えば、救急車の中で救急救命士が処置をしながら医療機関に着いて、医療機関に着いたら、そこから医療機関の中では何もしてはいけないということですよね。そもそも、そのようなことの規定があるということを知ったときに、ちょっとびっくりいたしました。
患者から見たときに、救急搬送されるときに、まずは倒れたところに来てくださって、そこで救命処置をして、そこから、救命をしながら、医療機関の治療できるところまで受け渡してくださるのが、当然の役割だと思います。それが今、改めて議論されていると聞いて、そこは連続性のある処置をしていただくということが、患者の救命にとっても非常に重要なことだと思いますので、ぜひこれは認める方向で話を進めていただきたいと思っております。
○永井部会長 ほかにいかがでしょうか。
佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 救急救命士の資質を救急外来でも活用できるようにすることは、救急医療の現場の負担軽減を図るとともに、切れ目のない医療の提供を可能とするという観点で効果のある対応であると考えております。
ただし、それによって救急救命士が搬送先からなかなか離れられずに、救急搬送が回らなくなってしまうといったことが生じると、これは本末転倒になってしまいますので、一定程度の制限は必要ではないかと考えております。
以上です。
○永井部会長 加納委員、どうぞ。
○加納委員 今の意見ですが、実は、救命士が連続して救急車からということではなくて、我々の院内の救命士が引き継いでやっていくという形ですので、そういう今の状況とは、また違うかなと思っております。
また、これは本当に、先ほどからの議論ですが、救急現場は、これからまだまだ高齢者の救急が増えてくる中で、本当に看護師さんも足りません。特に高齢者が増える大都会では、まだ2割ぐらいですか、看護需給では足りないという数字が出てきております。
それで、救急の現場で働いている看護師さん、我々のところでも本当に一番大変なところなので、そのように看護師さんが非常に不足している中で、医師がこれを負担していくのは、本当に大きな問題になってきています。これは本当に時間を争う問題だと思っておりますので、我々もしっかりと、これに関しまして、早く現場で活躍していただくように、また、この外来という範疇なのか、状態が落ち着くまでなのか、ということであれば、HCUとか、重症患者においては、途中で、医療活動をやめてしまうという話もおかしいかなと思っております。そういった議論をしっかりとこの検討会で進めてまいりたいと思っております。
○永井部会長 では、井伊委員。
○井伊委員 資料4の14ページに示されていることは、決定したことでしょうか。11月6日の「救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会」、この資料を、本日、お示しいただいておりますけれども、これを見ると、「病院前」から「救急診療を行う外来」、そして「集中治療を要する病態」等へと流れるようにも見えますし、どのような議論なのかなと、少し疑問です。
それで、第70回医療部会でも申し上げましたので、繰り返しになりますけれども、私どもとしては、救急外来が本当に多忙だということはそのとおりですが、その1つには、ただいま加納委員もおっしゃっていただきましたが、救急外来に看護師の配置に関する規定や診療報酬での評価はほとんどない、看護師が必要数配置されていない。これが大変問題としては大きいと、私どもでは考えております。ですので、まず、その救急体制につきましては、このことをしっかりと議論していただきたい、検討していただきたいと思っております。
その上で、救急救命士が何を行うのかということについて見てみますと、救急救命士が行う救急救命処置は、搬送中に行うものと定義をされております。
ですので、これが医療機関内でも、それがどこまでかというのはあるのかもしれませんが、医療機関内でも実施することになりますと、これは資格の定義、それから定義されたことに基づいて行っている教育も変える必要があるのではないかと思っておりまして、そういうことの前提で、救急救命士が院内で診療の補助を行うということに対しては、反対です。
○永井部会長 島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 私は、救急・災害医療の検討会の委員ですので、一言だけ申し上げたいと思います。普通は、医療関係の資格というのは、別に場所がどこかに限定されるということはありません。どこでも資格というのは使えるのですけれども、救急救命士に関しては活動の場が救急車の中に限定されています。そして重要なことは、それは単に活動の場所を限定する規定・条文があるだけではなくて、それが救急救命士の定義規定にかかわっている。つまり救急救命士の本質に関わっているのです。このため、救急車の中で重度の傷病者に対して行える行為まで限定されています。一番わかりやすい例で言えば、使用できる薬も3剤までに限られてしまっているわけです。
言いたいことは、救急救命士というのは、その名前だけみると、救急医学の専門分野として教育されたようにみえるのですけれども、実はそうではなくて、言ってみれば「救急搬送救命士」なのです。単に場所が限定されているだけではなくて、それに伴って、対象者も限定されているし、行える行為まで極めて限定されている形になっているのです。
したがって、結論だけ言うと、救急救命士をもう少し活用できる余地があるとは思いますけれども、活動の場所を院内一般まで広げるという話になりますと、違う資格を設けるような話になります。そういう問題があることは、ぜひ御理解いただきたいと思います。
その上で、どうあるべきかは、救急・災害医療の検討会で議論していくということだと思います。
 
○永井部会長 猪口委員、それから、今村委員。
○猪口委員 この問題ですけれども、ぜひ我々としては、現場として救急救命士を院内のほうで活用するほうに向かってほしいと思っています。
その1つの理由として、11ページのメディカルコントロール体制というのがあるのですけれども、②番が非常に重要でして、実は救急救命士が救急車などの搬送などをするときも、実は司令センターから医師の指示が出ております。観察の結果が報告され、それに対する医師の指示が出ることになります。
ところが病院の中に着いて、そこで動く場合には、もう医師がおりますので、医師がその場で判断をしながら指示を出していけるということで、はるかに、こちらのほうが安全で役に立つという理解もできると思いますので、ぜひ、これは広げる形で進めていただきたいと考えております。
○永井部会長 今村委員。
○今村委員 時間がないところ、ありがとうございます。
私から申し上げたいところは、物事の決まり方のプロセスというのは、どうなっているのかなと思っていまして、タスク・シフト、タスク・シェアの検討会に、私は出ていて、この救急救命士の話は、どういう決まり方するのかと言ったら、いや別の検討会がありますから、そこで結論を出したら、その結論をもって、タスク・シフト/シェアのほうで、また御議論をいただきますと、こういう話になっているので、今、お話を聞いているところ、いわゆる救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会に出ておられる委員ですら、まだいろいろな意見が出てしまっている。そこの整理がされないままに、この医療部会に出てきて、医療部会でまた議論をするということになると、では、そのタスク・シフト、タスク・シェアの検討会の役割とは何なのだと、こういう話になってしまうので、もう少し議論の進め方を整理して出していただければありがたいなと思っています。
もう一点、これは、ここで申し上げることかどうかわかりませんけれども、私ももっとこういう職種の方を活用したらいいのだろうなと、それはそのとおりだと思います。
これは、10ページを見ていただくと、私は、もともと麻酔科なのですけれども、相当の医療行為が既にできるような形の能力を持っている方なのだろうなというのは、これだけ見れば、そう思いますけれども、いわゆる養成をどうするのかというのは大変大きな問題で、教育体制のお話も重要ですけれども、養成数をどうするのかと、今、恐らく救急救命士というだけで各種学校ができて、物すごく数を養成していこうという中で、これは、また新たな場所で活躍できるというになると、本当に無制限にいろいろな学校ができて、どんどん養成するということになると、本当に少子化の中で、どういう役割を担った方をどの程度養成するかというのは、きちんと需給を考えないで養成するということが起こると、またまた将来に禍根を残すことになると思いますので、その辺も十分配慮していただいて検討していただければと思います。
以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
そろそろ時間になりましたので、さらに事務局で御検討いただければと思います。
そのほか、事務局から連絡事項等をお願いいたします。
○医療政策企画官 次回の医療部会の日程につきましては、詳細が決まり次第、改めて御連絡をさせていただきます。どうもありがとうございました。
○永井部会長 それでは、本日は、ここまでとさせていただきます。
どうもありがとうございました。
 

 

 

(了)

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