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2019年9月19日 第68回医療部会

医政局総務課

○日時

令和元年9月19日(木)15:00~17:00
 

 

○場所

航空会館 大ホール

○議事

○医療政策企画官 定刻を若干過ぎましたが、ただいまから第68回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席くださいまして、まことにありがとうございます。
医療部会の総委員数が24名で、定足数は3分の1の8名となっております。本日は、遠藤秀樹委員、尾﨑委員、久喜委員、山崎委員から御欠席との御連絡をいただいております。また、井上委員からは用務により多少おくれられるとの御連絡をいただいております。井上委員を含めまして20名の委員の皆様が御出席ですので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
なお、事務局、局長、審議官が公務によりおくれておりますことを申し添えます。申しわけございません。
次に、新しく委員に御就任された方を御紹介申し上げます。
早稲田大学人間科学学術院准教授の松原由美委員でございます。
○松原委員 松原です。どうぞよろしくお願いいたします。
○医療政策企画官 次に、議事に入ります前に、お手元の資料等の確認をさせていただきます。お手元に議事次第、座席表、委員名簿のほか、タブレット端末を1台ずつお配りしています。
また、厚生労働省では審議会等のペーパーレス化の取り組みを推進しておりまして、このため当部会におきましても、全ての資料につきまして、お手元のタブレット端末で御確認いただく形となります。
操作方法で御不明な点がございましたら、事務局にお申しつけください。
カメラの方は、もしいらっしゃいましたら、ここまででお願いいたします。
(カメラ退室)
○医療政策企画官 以降の進行は、永井部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○永井部会長 それでは、早速議事に入りたいと思います。
初めに、御欠席の遠藤秀樹委員の代理として山口参考人、尾﨑委員の代理として家保参考人、山崎委員の代理として長瀬参考人の御出席をお認めいただけますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○永井部会長 ありがとうございます。
では、議題に入ります。
まず、医師の働き方改革及び地域医療構想の進捗について、事務局より説明をお願いいたします。
○医事課長 医事課長でございます。まず、資料1-1に基づきまして、医師の働き方改革に関しましての御説明を申し上げます。資料1-1をお願いいたします。
1枚めくっていただきまして「医師の働き方改革の推進に関する検討会今後の議論の進め方について(案)」でございます。こちらは9月2日に開催されました第2回検討会の際に出した資料で、今後の議論の進め方といいますか、スケジュールに関してどんな予定かという質問が第1回検討会でございましたので、お示ししたものでございます。
第2回が9月2日で、それ以降、7回までの予定と考えているところでございます。
3枚目以降で「追加的健康確保措置の履行確保について」を議論いたしました。
4枚目、数字は右下で「1」となっておりますけれども「医師の働き方改革に関する検討会報告書(抜粋)」で、長時間労働をする場合に、きちんと健康の確保をするということが報告書の中にまとめられておったところでございます。
その中で、追加的健康確保措置としまして、1つ目の○で、連続勤務時間制限・勤務間インターバル等を設定すること。それから、面接指導等について具体的にどうしていくかを詰めていくところが報告書では残された課題となっておったところでございます。
以下、報告書の抜粋で、これはおおむね、ただ抜き書きしただけで、その具体的な確保、あと(B)(C)ということで、年1,860時間を上限とする労働が起こり得る医療機関・医師についての健康確保についての考えでございます。
この右下のページで言いますと「3」と書いてある3ページ目で、今回、そういった報告書の議論での内容を踏まえまして検討の視点とさせていただいたものがこちらで、追加的健康確保措置は、やむを得ず、適用されるということなので、そういうことを、この趣旨をまずきちんと明らかにすることと、そのための体制として、各措置の対象者の特定であったり、責任体制、それから、各医療機関や都道府県の実務が回るか。そして、措置の実施状況に対するチェック機能が確実に働くかについて検討をしていただいたところでございます。
それの案としまして、右下の4ページからで、対象者としては(B)(C)、いわゆる医療機関の中でそういった労働が見込まれる者、医師を対象とするでありますとか、あと、確認の枠組みとしましては、都道府県が毎年といいますか、医療法25条に基づいて規定をしております立入検査を医療機関、病院に対して実施しておりますので、その中での確認をしてはどうかということであります。
それから、5ページ目でございますけれども、改善に向けた取り組みで、追加的健康確保措置が未実施である場合に、どのような形で改善をしてもらうかに関しては、都道府県が先ほどの立入検査の際にそういうことを指導するということもありますし、医療勤務環境改善支援センターなども関係しながら、具体的にどういう形で改善していったらいいかを支援していくことを考えてはどうかということでございます。
また、それでもなかなか追加的健康確保措置が実施されない場合には、改善命令の措置であったりとか、最終的にどうしてもということであれば取り消しもあるのではないかということもあったわけで、全体を通してさまざまな御意見がございましたが、やはり各医療機関のみの取り組みではできない面もあるので、その点についてどうしていくかも、この9月2日の検討会では議論になったところでございます。
あとは関係資料でございますので、ここは飛ばさせていただきます。
続きまして、右下の10ページの次のページから、医師労働時間短縮計画及び評価機能に関しての内容でございます。
これも医師の働き方改革に関する検討会の中での報告書の抜粋を何ページかつけておりますけれども、各医療機関が医師の労働時間短縮計画を立てていただくということになっておりますが、そのことについて、短縮を十分していない場合には評価をすることになるのですが、その評価機能についてどういったところが実施するのかについて、今後検討するということになっておったところでございます。その中身で、どういうことを計画に書いていただくかというのも今後検討ということになっておりました。
その議論で、これもまたページをめくっていただいて、右下の5ページが出てきますけれども、検討の視点というところでございます。
医師労働時間短縮計画、評価と支援の機能というところで、医療機関が計画的に労働時間短縮に向けた取り組みを進められるように、どういうことを記載したらよいかについてでございます。そういうことについて、まず明らかにするということ。それから、PDCAサイクルが回るような仕組みをどうしていくのかということ。
評価と支援の機能に関しましては、都道府県から独立した第三者機関が報告書では言及されておりますけれども、それをどのようなところが担うのかというところの議論が必要。このようなところの視点が残っておったところでございます。
それに対して、事務局案で6ページからで、計画の内容としては、医師の労働時間の実績及び削減目標並びに労働時間短縮に向けた取り組みを記載することになっております。
ちょっとページが先になりますけれども、右下の8ページと書いてあるところを見ていただきますと、今、申し上げた「医師労働時間短縮計画の項目例(案)」がありまして、この時間外労働の状況であるとか、労働時間短縮に向けた取り組みというものを書いていただきまして、いろいろと項目を挙げております。これは完成形というよりは、事務局のほうで思い当たるものを書かせていただきましたが、この中で必須的な記載事項と、医療機関によって取り組みが違うというのもありますので、いわゆる任意的といいますか、そういうところを書き分けるようなことを最終的に念頭に置いた案として示したものでございます。
また6ページに戻っていただきまして、労働時間に関しては、平均労働時間とか最長労働時間とか、そういうことを書いたりということ。
それから、時間短縮に向けた取り組みでは、各医療機関における取り組みを書けるようにするということを書いております。
7ページでございますけれども、策定義務の対象医療機関で、この計画をつくるのは(B)(C)の長時間労働が見込まれる医療機関ということもありますが、2024年4月の時点では年960時間という(A)の水準であっても、それまで、その途中の段階で(A)水準を超えているところについては、策定義務の対象としてはどうかという案になっております。
計画の位置づけとしましては、勤務環境改善マネジメントシステムにおいての計画との関係も書いておりますし、また、医療機関において、医師を含む各職種が参加しながら検討していくということも書いております。
9ページ目でございますけれども、評価機能に関しては、業務としては、各医療機関が策定した計画に基づきまして、労働時間削減の実績と取り組みを評価すること。そして、その結果については公表し、医療機関へフィードバックを行い、また、都道府県にも通知をして、これを都道府県がまた個別に支援をしていくということ。それから、訪問調査なども念頭に置いてはどうかということも書いております。
また、既にございます医療勤務環境改善支援センターとの連携としましては、具体的な支援は支援センターのほうで行うということであったりとか、あとは先ほど訪問調査というものもありましたが、評価者としてはやはり特定の講習を実施する必要があるのではないかということがございました。
最後、10ページ目で、評価の頻度としましては、先ほど出てまいりました医師労働時間短縮計画に関しては1年単位とする一方で、毎年、院内で検討していく一方で、この評価については何年にするかというのは少し議論をしていこう。こんな記述になっているところでございます。
このような形で今、議論を進めていっておるところで、また進捗状況につきましては、適宜、この部会にも御報告申し上げ、また御意見をいただきながら、この検討会の議論にもフィードバックしてまいりたいと思っているところでございます。
医師の働き方改革に関しましては以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
それでは、御質問、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
木戸委員、どうぞ。
○木戸委員 済みません。1つ質問したいのですけれども「追加的健康確保措置の履行確保について(案)(1)」という、右下に4ページと書いてあるところなのですが、この下から3行目に「実施状況を関係者と共有する場を設ける」とございます。この関係者というのは、事務局としては具体的にはどのような範囲の誰を想定しているのかとか、検討会でここについて何か議論があったかどうかについて教えていただければと思いますが、よろしくお願いします。
○医事課長 お答え申し上げます。
これは今、具体的にどういう場でというところまでは詰まっておりませんけれども、少なくとも、各医療機関がどういう形で進めていくかということについて、地域でしっかり共有していただく場が必要ではないか。その中で、先ほど各医療機関が取り組むことではなかなか難しい面もあるケースがあるという御指摘もありましたが、やはりあるところで救急を担う場合に、そこにいろんな支援が必要となったときに、地域で話し合っていただくことも必要ですので、各医療機関の取り組みをお互いに共有しながら、地域で労働時間短縮に向けて一緒になって進めていくというイメージで提案しておりまして、具体的な場につきましては、また今後、検討会の議論を踏まえて、より具体的な中身を詰めてまいりたいと思っているところでございます。
○永井部会長 失礼しました。資料1-2についても先に御説明いただく予定になっておりましたので、質問はまとめて、後ほどお受けしたいと思います。地域医療計画課長から資料1-2の説明をお願いします。
○地域医療計画課長 地域医療計画課長でございます。それでは、資料1-2「地域医療構想について」ということで、資料について御説明をさせていただきます。
あけていただきまして、2ページ目になりますが、今回、地域医療構想につきましては、この2年間で公立・公的等医療機関の将来につきまして、各都道府県の地域医療構想調整会議のほうで検討していただき、また合意いただいたところでございますが、その内容につきましては、やはりワーキングの中でも現状追認ではないかという御意見もありましたので、今回、それらにつきまして、再検証を行おうということで今、検討しているところでございます。
今回の再検証の方法につきまして、2ページで概要を書かせていただいておりますが、今回につきましては、各医療機関の診療実績データを分析する。これまでは高度急性期、急性期、回復期、慢性期という4つの機能で比較をしておりましたが、それ以上に詳細な診療実績データを分析しまして、公立・公的医療機関等の役割が当該医療機関でなければ担えないものに重点化されているかということを確認し、それがされていない場合につきましては、もう一度、具体的対応方針について検証をお願いし、地域医療構想調整会議等におきまして議論を活性化していくという方向で考えているところでございます。
その分析で、2.のところにありますけれども、分析をした結果、いわゆる診療実績が少ないケース、または診療実績が類似しているケース。そういったところで分類されるような公立・公的医療機関等に対しましては、将来の医療需要等々も踏まえつつ、今後の医師の働き方もありますので、当該医療機能のほかへの統合ですとか、他の病院への再編統合。そういったものも念頭に置きながら、改めて検討していただくということを考えているところでございます。
ですので、分析内容につきましては、ここにありますAとBに大きく分けますと、Aが特に分析項目におきまして、診療実績が特に少ないような項目がその病院に対して幾つあるのか。Bにつきましては、各分析項目の中で、当該構想区域の中に、一定数以上の診療実績を有する医療機関が2つ以上、いわゆる競合しているような場合。そういったもので、なおかつ近接している。そういったところがあるのか、ないのか。こういったものを分析しまして、見える化をし、最終的にはそういった該当するような病院につきましては再検証をお願いする方向で考えているところでございます。
3ページがそれを少し詳細に書いたところで、特にA、診療実績が特に少ない場合。それから、B、類似かつ近接している場合。この2つの視点から今回、診療実績の分析を行っているところでございます。
4ページになりますが、今回の診療実績を分析して、その出口をどうするかになりますが、これまで再編統合という言い方をしておりましたが、再編統合といいますと、2つの病院を1つにするイメージが強いものでございますが、基本的に我々、地域医療構想の実現をする観点を考えますと、一番上の○にありますが、各地域において住民に必要な医療を、質が高く効率的な形で不足なく提供できるかどうかという視点が重要だと考えております。
したがいまして、これらの視点を踏まえ、なおかつ、3つ目の○にありますけれども、地域の医療提供体制の現状や将来像を踏まえつつ、医療の効率化の観点からは、病院の病床のダウンサイジングですとか、機能の分化・連携、集約化というものが考えられますし、また、不足ない医療提供の観点からは、機能転換ですとか連携等も考えられますので、こういった視点を持って再検討を行っていただく。つまり、いわゆる病院の建てかえ等だけではなくて、こういった視点も踏まえて、これらを全て再編統合として、我々としては解釈をさせていただきまして、この方向で検討していただくということで今、整理をしているところでございます。
したがいまして、※に注意書きで書いておりますが、一部の公立・公的医療機関等が、その他の病院との連携のあり方を考慮することなく統合するというものは、やはり地域の医療提供体制に影響を与えますので、そういったことがないように、関係者を含めた十分な協議をすることが必要であると考えております。
今回の分析、5ページになりますが、先ほど申しました「診療実績が特に少ない」と「類似かつ近接」の考え方でございますが、まずA)の「診療実績が特に少ない」につきましては、少し小さく括弧で書いております、がん・心疾患・脳卒中・救急・小児・周産期・災害・僻地。それと、研修と派遣は1セットで、この9領域について、それぞれの医療機関単位で診療実績が多いのか少ないのかということについて判断をしております。
この診療実績の分析の前提といたしまして、やはり構想区域の人口規模によりまして実績の多寡が決まりますので、今回は構想区域の人口規模を5区分に分けて、その中の区分ごとの中で特に実績が少ないということのいわゆる線を引いて、それ以下の場合については診療実績が少ないというフラグを立てる。それらについて、それぞれ個別にどの領域が診療実績が少ないのかというのはわかりますので、最終的にはそれらを加味して再検証を要請する。例えば、今、ここにあります9領域全てが診療実績が少ない病院につきましては、医療機関単位で再検証を要請することを考えております。
続きまして、B)の「類似かつ近接」という場合ですけれども、これにつきましては、ほかの医療機関との類似が、パターンがいろいろとあるのですが、1つは類似をどうやって考えるのかということと、近接の考え方でございますが、近接ということで、その2つのフラグが立った場合につきましてフラグを立てる。これも分析するのは、がん・心疾患・脳卒中・救急・小児・周産期の6領域で、僻地ですとか、災害、研修・派遣は、これはやっているか、やっていないかという○×だけになりますので、そちらのほうではなくて、実績が出るこの6領域について分析をする。
この場合につきまして、この右側の四角にありますけれども、例えば6領域全て該当したところに対しまして要請を行う場合、1つは当該医療機関に対して、医療機関単位で再検証をお願いするケースと、地域の医療提供体制をどう確保するかという観点から、当該病院が所在する構想区域におきまして医療提供体制をどうするのかの検証を要請する。これは都道府県に検証をお願いするということで、ここにつきましては2つの、県と医療機関と両方をダブルで検証を行っていただく形で考えております。
ただし、注にありますが、100万人以上の人口の構想区域につきましては、この類似というのが、解釈が非常に難しいので、今回につきましては、どこが該当するかということは、少なくとも、まだ分析が足りないもので、今回はパスしようと考えておりますが、いずれ、この100万人以上についても何らかの方針を立てて、検証のお願いをする予定にしております。
6ページが再検証の中身、どういうものを要請するかでございますが、今、各構想区域の公立・公的で求めています具体的対応方針につきましては、四角で囲んであります①と②、2025年を見据えた構想区域において担うべき医療機関としての役割と、その際の医療機能別の病床数。この2つを提出していただいておりますので、今回の具体的対応方針の再検証もこの2つを検証していただくことを考えております。
これにつきましては病院単位で行っていただくことになりますし、7ページのほうが、今度は構想区域全体でということになりますけれども、構想区域全体におきましても、都道府県に対して2025年の医療提供体制について、目指すべき姿を検証することを県のほうにも要請させていただくことになります。
8ページが、いわゆるAとBのフラグが多数ある場合ですけれども、フラグがそんなになくても一部の領域において「診療実績が特に少ない」ですとか「類似かつ近接」という医療機関も今回、分析によって明らかになります。これらにつきましては、国からの要請というわけではなくて、3番目の○にありますけれども、自主的にこういったデータが出てきたことを参考にしていただいて、自主的な見直しの検討を求めることとしてはどうかということを考えているところでございます。
続きまして、9ページ以降、どういった詳細な分析の方法について若干お話しさせていただきます。
11ページが、先ほど申しました人口規模の関係でございます。やはり人口規模がかなり違いますと、後ろのほうに実績のデータを載せておりますが、実績がかなり変わってきますので、今回につきましては、この5区分、10万人未満から100万人以上という、この5区分でそれぞれ分析をするということを方針で入れます。
続きまして、13ページが「診療実績が特に少ない」というところの基準でございますが、これにつきましても、今、下位何パーセンタイルというものを調整しているところで、一定程度のメルクマールをつくって、それ以下のところにつきましては、診療実績が少ないという判断をさせていただいて、それらを評価するということを今、検討しているところでございます。
済みません。ずっと参考資料が並んでいってしまいますが、20ページをごらんいただければと思います。20ページが先ほどのいわゆる類似というもので「類似かつ近接」につきましては2つの検討する軸がございます。1つは類似ということで、構想区域内に一定数以上の診療実績を有する医療機関が2つ以上あるという、いわゆる類似の診療実績を持つ場合と、その実績を持つ2つの医療機関がお互いに近接しているかどうか。それの2つを判断して、それがこの①と②が満たしている場合について、Bのフラグが立つということで今、分析をしているところでございます。
分析の方法ですけれども、21ページで、この類似というものの考え方についてなのですが、いろいろと構想区域のデータを見ていますと、2つのパターンがございます。
1つは、図1にあるような横並び型と言われる、つまりトップはあるのですが、その次、セカンド以下が、診療実績が大体似たようなところが横に並ぶ場合。それと、図2のような集約される場合。ここでは2つの医療機関でほとんどシェアを占めておりまして、それ以外に診療実績が少ないところが散見される。こういったものが出てきますので、これら横並び型、それから、集約型。こういったものを評価して、類似というものを分析し、それぞれフラグを立てるということで今、考えているところでございます。
続きまして、23ページで、お互いに隣接しているという考え方でございます。
これはなぜ隣接が必要かというふうになりますと、この図に描いておるとおり、近接している場合につきましては、お互いの医療機能のいわゆる分化・連携が行いやすいわけでございますけれども、遠隔にいる場合で、なおかつ診療実績が低い場合、では、その診療実績が低いところに何かしなければいけないのかということになりますと、僻地医療の対策ですとか、いろいろな観点から、やはりそこは存続せざるを得ないということがあります。
そういったことも加味するために今回、類似というものがどこまでになるのかについての評価も入れるということで、現在考えておりますのは、自動車の移動時間で、例えば20~30分ぐらいをめどに類似の判断をするということを考えているところでございます。
それ以降、24ページにつきましては、どういう項目を今回の評価で出すかということで、例えば24ページにありますがんですと、手術ですとか化学療法、放射線療法。それらの実績を全て集計して、それらに対して実績があるのか、ないのか、実績が多いのか、少ないのかということについて判断をするということを考えているところでございます。
以上の方向で今、ちょうど分析を行っているところで、また分析結果につきましては、地域医療構想ワーキンググループのほうでもう一度議論いただきまして、公表させていただき、その後に各都道府県に対して個別の医療機関もしくは構想区域の再検証を依頼するというスケジュールで考えているところでございます。
説明は以上です。
○永井部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの資料1-1と資料1-2について、御質問を。
山口委員、どうぞ。
○山口委員 ありがとうございます。両方とも1つずつ質問をさせていただきたいと思います。
まず資料1-1の、これは8ページとあるのですが、全体の8ページかどうか、わからないですけれども「医師労働時間短縮計画の項目例(案)」というところに書かれているように、医師の働き方改革については、私もやはり患者の協力が欠かせないのではないかと思っています。
それで、ここの意識改革と啓発のところに患者への医師の働き方改革に関する説明が挙げられています。恐らく例えば説明する時間、病状の説明を家族にするときに時間内にするとか、あるいはチーム主治医制への理解を図るということが考えられると思っているのですが、これは具体的にどのような形で患者への医師の働き方改革に関する説明とかアピールをしていかれるのか。何か具体的な方法について意見が出ているのかどうかということをお聞きしたいのが1つです。
それから、資料1-2のほうですが、2ページのところに構想区域内での分析をすると書かれてあって、例えば近隣と遠隔とで分析するということですが、その区域の中では遠隔に入っているけれども、隣の構想区域と比べると比較的近いとか、そういうこともあるのではないかと思います。そういったことを考えるときに、それは都道府県レベルで全体を見ていただくという考えでよろしいでしょうかという確認です。
以上です。
○永井部会長 いかがでしょうか。
○医事課長 まず、1つ目の御質問でございます。済みません。8ページが2回出てまいりましたが、2回目の8ページのほうだと思います。医師労働時間短縮計画の項目の中に御指摘の点がございます。
これに関しましては、検討会で具体的な案はまだ出ているわけではございませんが、当然、医師の働き方に関連して、かかり方の検討会というものも別にありまして、国民、患者さんにも御理解いただきながら進めていく必要がありますので、まずは好事例などにつきましては、我々も収集した上で情報提供して、そういった取り組みを各医療機関内で、うちはこういうものをやりましょうというものを書いていただくようなイメージでございます。今後、具体的なものについては情報を集めてまいりたいと思っているところでございます。
○地域医療計画課長 構想区域の関係で、おっしゃるとおり、今回の分析につきましては、各構想区域内の病院に対して遠隔か近接かどうかということを判断してフラグを立てているところでございます。
やはり構想区域全体、県全体でどうするかという話は御指摘のとおり、あると思います。それにつきましては、やはり県のほうでほかのところを見ながら、今回のデータにつきましては、あくまでも地域医療構想調整会議の議論を活性化するためにこういうデータの見方がありますということを示させていただいているところでございますので、議論の活性化に使っていただければと思っているところでございます。
○永井部会長 どうぞ。
○山口委員 働き方改革のことについては、患者への協力を要請することはやはり病院側から言いにくいという声もお聞きするところですので、例えば経済界にそういう働きかけをするなどか、有効な患者側、住民への発信をぜひ考えていただきたいと思っています。
○永井部会長 続いて、加納委員、それから、遠藤委員の順番でどうぞ。
○加納委員 ありがとうございます。
地域医療構想の資料1-2の2ページを見ていただきまして、以前から使われているA、B、C、Dという表現なのですが、これを例えば今回、公的病院をこういった形でデータ分析をして整理していくことは、非常に大事なことだとは認識しているのですけれども、例えばBのところには民間病院とある中で、これをもし、このままこういう分け方で診療実績の絶対数でやっていくと、大きい病院が基本的に残っていきます。大と小ですから、例えばこれでいきますと、A、B、C、Dで、Cが200床ぐらいであって、Aが800床の病院であれば、Aのほうが絶対実績数が多いのは原則当たり前で、これを単に実績数だけで確認していっていいのでしょうか。例えば急性期医療のベッド数で割るとか、そういった形での相対的なもので比較して、効率がいいのかどうかも見ていかないと、やたらめったら巨艦主義の病院がどんどんできてしまいます。
もう一つは、実は再編統合という形で、今、地方で我々が協議している中で、結果的に何が起こっているかというと、3つの病院を2つに整理して1つになるけれども、今まであった病院よりはるかに大きな、1.5倍の大きな公的病院ができてしまうと、周りの民間病院は今までと違った状況になります。果たして、この地域医療構想の議論が大きい公的病院をつくるための議論になってしまうのであれば、非常に危険だと思うわけです。今後の高齢者の医療において、そういった大きな病院が果たして本当に必要なのかどうかも議論をしないといけないと思います。このままでどんどん行きますと、公的病院の整理、再編統合は、首長さん方にとりましては大きな病院をつくることが非常に大事なことなのかもしれませんが、えてして結果的には地域の医療を将来的には壊していく形の流れになってしまうと、非常に危険だと思うわけなのです。
もう一つは、地域医療構想の議論をするときに、必ず一般会計繰入金とか補助金の話を議論の中に入れてくれということを申し上げております。えてして、私どもも地元のこういった協議の場に出ていましても、なかなかその数字が出てきていなくて、先にこの実績数だけでやりますと、本当にさっきみたいな流れしか出てきません。
実際に、ある県の病院の例で、500床の病院と400床の病院を再編統合して730床の病院にしました。でも、実際には繰入金の額は1.5倍に増加してしまった。さらに繰入金が19億円だったのが29億円になり、また実質赤字額に関しましては、2病院のときに9億円であった実質赤字が26億円、約3倍になっていました。こういうことが現実的に今、どんどん起こってきていますので、そういったことも確認しながら議論ができるように、絶対値だけではなくて相対値的な見方をそれぞれのデータに関する分析のときにやる必要が出てきているのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
○永井部会長 事務局、お願いします。
○地域医療計画課長 地域医療計画課長でございます。御質問ありがとうございます。
御質問は2点あると思いますが、1点目の効率的な観点も入れたほうがいいのではないかという御質問で、これにつきましては、先生おっしゃるとおり、効率的な観点を入れるべきだとは思うのですが、まだそこまでの分析ができていないのが現状でございます。今後、これらにつきましては、データはアップデートしていきますし、また、いろんな多角的な検証もしていかなければいけないとは思いますけれども、今回こういったデータを示すことによって、これまでの4機能でやっていた以上の詳細なデータが出てくるということで、地域医療構想調整会議の議論の活性化に努めていただきたいということで考えているところでございます。
もう一つはいわゆる財政の関係で、今回の分析の中には、財政面につきましては分析を入れるのはかなり難しい面もありますので、入れておりませんが、ただ、こういった情報を各構想区域の中で提示して、それを議論することは重要だと考えているところでございます。厚生労働省といたしましても、こういった財政面も含めまして、さらなるデータを提供できるものにつきましては追加情報として提出したいと思いますし、また、こういったものを議論の中で使用していただきたいということにつきましての周知は図っていきたいと考えているところでございます。
○永井部会長 では、遠藤委員、それから、今村委員の順番でお願いします。
○遠藤直幸委員
前回の医療部会でもお伝えしたとおり、山間部や離島等のへき地では、公立病院が不可欠となっている地域が少なくありません。したがって、地域医療構想の実現により、地域医療提供体制に影響が生じないようお願いしたい。
また、地域医療構想の実現に向けて、「再編統合の必要性について特に議論する必要がある」とされた公立病院・医療機関を公表することにより、医師や看護師等が地域から離れてしまうのではないかと考えます。公表の仕方等については、十分ご留意いただきたい。
○永井部会長 事務方、よろしいでしょうか。
それでは、今村委員、どうぞ。
○今村委員 ありがとうございます。医師の働き方に関して、資料1ではないのですけれども、事務局にお願いしたいことがございます。
医師の働き方に関しては、医師の健康確保と地域医療の確保。これをいかに両立させるかということが大きな課題になっているわけですが、私は医師の働き方の推進に関する検討会、これは島崎委員と2人で参加させていただいて、まだまだ様々な課題はあるものの、健康確保措置であるとか労働時間の短縮については具体的なことが議論されております。実は非常に大きな要素となっているのは、御存じの方も多いと思いますが、兼業・副業のお話であります。これは医師に限らず一般労働者で今、議論されておりますが、労働政策審議会では、下の会では結論が出ずに、労働政策審議会のほうで議論する流れになっているという理解はしておりますが、労働政策審議会の中にはいわゆる臨床の現場の医師が全く委員として参加しておりません。
今、最も長時間労働となっているのは大学病院で、この大学病院から地域医療確保のために多くの医師が派遣されているのが現状であります。したがって、これは一つ結論をとり間違えると、本当に地域医療に対する大きなインパクトが出てきます。社会保障審議会医療部会のミッションには地域医療確保ということもございますので、当然、事務局レベルではいろいろ意思疎通は図っておられると思うのですが、ぜひとも、これは縦割にならないように、そのため、労働政策審議会の中で医療現場の声がしっかりと伝わるような何らかの取り組みをしていただきたいし、医療部会からの意見もあったということを改めて労働政策審議会の中でしっかりと言っていただきたいというお願いでございます。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
平川委員、その後、河本委員の順番でお願いします。
○平川委員 地域医療構想の関係については、公的・公立病院の関係について、ずっと議論されていますが、この検討は期限を設けていつまでにやるのか、お示しをお願いしたいと思います。2025年まであと少しなので、地域医療構想全体の議論がいつ目鼻が立つのか、いまだによくわかりません。
実際、これに基づいて、再度新たな公立病院の改革プランなどを再検討しようという動きがあるのは、どのくらいあるのかをお示しをお願いしたいと思います。
また、分析データの活用については、全ての病院を対象にしていると思いますが、当然、今後の地域医療構想の検討の中で活用されるべきものであると思いますけれども、民間病院も含めたデータが明確になっていくのかどうなのか。
とりあえず、この3点について質問したいと思います。
○永井部会長 事務局、お願いします。
○地域医療計画課長 まず、第1点目の期限についてでございますが、今回の再検証の議論につきましては、来年の秋までということで「骨太の方針」にもそういうふうに言われておりますので、それまでには一定の結論を出していただくというスケジュールで進んでいるところでございます。
それから、どれくらいの規模になるのか、医療機関数がどうなるのかということにつきましては、現在分析をして、該当するところのチェックをしているところで、今、どれくらいかというのは、済みません、お答えすることは非常に難しい段階でございます。
あと、民間の関係につきましては、今回の分析につきましては、先ほどの競合という観点がありますので、一応、民間のデータにつきましても分析は行っているところではございます。ただし、民間につきましてはプランを出していただいているということでもないこともありますし、また、これまで公立・公的を優先的にまずはという観点がありますので、今回の再検証の対象につきましては公立・公的を優先とさせていただいているということでございます。
以上です。
○永井部会長 どうぞ。
○平川委員 そういう意味で、資料1-2の4ページの一番下の※なのですけれども「一部の公立・公的医療機関等が、地域のその他の医療機関との連携のあり方を考慮することなく」と書いてあるのですが、結局、ほかの医療機関との関係も考慮しないとこれはつくれないということですね。こんな矛盾にあふれた内容でいいのでしょうか。
私にとってみれば、これは全く意味不明でして、これは何回も言っていますけれども、やはりここの※に書いてあるように、公立・公的病院も当然、優先的にやるのはいいのですが、民間病院も含めた形での検討は早急に対応していかなければならないと思います。そうしないと、本当に公立であろうが、民間であろうが、やはり我々、被保険者にとってみれば、効率的な医療提供体制が整わないまま地域における人口構造や高齢化社会がどんどん進行していく中で、本当に非効率な提供体制がずっと続いていくのではないかという危機感があります。
本当にこの間もずっと指摘をしてきましたけれども、本当に対応の仕方が極めてまずいということについては意見として言わせていただきます。以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
河本委員、どうぞ。
○河本委員 ありがとうございます。
地域医療構想の関係の資料1-2の5ページで「診療実績が特に少ない」の分析で、先ほど、9領域全てで診療実績が特に少ないケースについて再検証を要請すると御説明がございましたけれども、今後の議論の中でこの9領域を8領域にするとか7領域にするとか、あるいは構想区域によってそこを変えるとか、そのような考えがあるか、教えていただきたいというところがございます。
何でそんなことを申し上げるかというと、やはり診療実績が少ない領域が1つの病院と8つの病院が同列ではないと考えるため、再検証の必要度に応じて段階的に示されるべきではないのかと思い、今の質問をさせていただきました。
それで、この資料の8ページ目ですが、一部領域で診療実績が特に少ない医療機関に対して、必要に応じて、地域で議論を行うと書かれておりますけれども、先ほどの話につけ加えて言いますと、やはりある程度、再編統合の必要性というものは段階的に示されるのが理想だと思います。また、今回指定されていない医療機関においても、対象医療機関に準ずる形で、公立・公的でしか担えないような役割を果たしているかを、地域で協議していただく必要があるのではないかと思います。
これは要望になってしまいますが、人口100万人以上の地域については別に整理が必要なために今回は対象としないお話でございましたけれども、その理由について理解はしておりますが、大都市地域の効率的な医療提供体制の構築も当然重要でありますので、早急に整理をしていただき、協議を開始していくべきではないかと考えております。これは意見です。
○地域医療計画課長 御質問ありがとうございます。
今回の分析の結果、先ほどの5ページにありますが、Aの評価ですと9個の項目、Bの評価ですと6個の項目を評価することになりますけれども、それについて、0~9個もしくは0~6個、グラデーションが出てきますし、また、どのところがやっていて、やっていないのかというバリエーションもかなり出てくることがありまして、では、そのケースについて、どういう場合については確実に県を通して国のほうから要請させていただくのかという、そのレベルについて、実はまだ議論して最中でございますので、ここについては一応、例という形で、少なくとも全部がだめとなれば、そこは確実ではないのか。ただし、それ以下についてはどうするかというのはまだ議論しているところでございます。
ただし一方で、先ほどの8ページにありました、そうはいったとしても、やはり診療実績が少ないですとか競合している項目が少なからずあるというところにつきましては、何らかの見直しが本来であれば必要ではないのかということがありますので、今回、ここに書いてありますように、今のところ「自主的」とは書いておりますけれども、そこはまたグラデーションになると思っていまして、そのグラデーションのかけ方について、今、ちょうど議論しているところで、今の段階ではこういう書き方にさせていただいているところでございます。
あと、100万人以上の構想区域につきましては、我々も何か対応を考えなければいけないと思っておりまして、それは早急に考えたいとは思うのですけれども、まだそこまで手が回っていないのが現状で、できましたら、今後とも、そこについては引き続き検討しながら何らかの方向性を出したいと考えているところでございます。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
それでは、小熊委員、猪口委員の順番でお願いします。
○小熊委員 ありがとうございます。
医師の働き方改革なのですが、この3月末から4月にかけて、私ども自治体病院協議会でアンケートをとりました。そうしますと、やはり医師の勤務時間短縮が難しいということと、インターバルをとることが非常に難しいという結果が出ました。ほかの項目は30%とか50%が改善の方向が見通せるというのですが、今の2点については数%しか現時点で改善する見通しがない。
それは、1つは医師不足・偏在です。もう一つは、地域医療構想でこれからどうなるかわからない。もう一つは山口先生がおっしゃった、住民の方への協力依頼です。あとは今村先生がおっしゃった、兼業・副業の問題がある。この4つが解決しないと、特に医師がふえませんと、交替制勤務など夢のまた夢である。そうすると、インターバルもとれないし、勤務時間短縮もとれないという声が上がっております。
ですから、私どもといたしましては、おっしゃることは非常にリーズナブルで、わかっておりますけれども、そういう難しい問題があるので、そういった面もしっかりと検討しながら進んでいっていただきたいということを要望としてお伝えしたいと思います。
○永井部会長 猪口委員、どうぞ。
○猪口委員 ありがとうございます。
地域医療構想についてなのですが、今、どんどん次から次へとこれもやります、あれもやりますと出てくるわけです。やはり各地域とか構想区域ではとてもそしゃくし切れていないのが現実だと思います。
ですから、本当に実のある、例えばこういうことをやってどうなったかという、少し検証をしながら進んでいかないと、次の手、次の手で来ていて、私も実際、自分のところの調整会議にも入っていますけれども、本当に実のある議論がなされるよりも先に進んでしまうということをイメージとして持っています。ですから、そこの検証作業をしっかりやって、その上で進んでいただきたいということが1点。
それから、資料1-2の11ページに、人口によって10万人未満と100万人以上。これが構想区域でこれだけ数がばらけていますというのが出ています。これは基本的には、まず二次医療圏が基本になっていると思いますので、そもそも二次医療圏は、医療計画からその他、さまざまな医師不足地域のこともこういう二次医療圏が中心になっているわけですけれども、そもそも、この数がこのばらけた状態では平準化を図るのは、私は無理なのだろうと思います。今、100万人以上はできないという話がありましたが、本当にできないのです。
そうすると、これはすぐになどというのは無理な話ですが、やはりもともと二次医療圏そのものを少し見直していくところをどこかで話を始めていかないと、いつまでたっても堂々めぐりの議論が続くような気がしてしようがないわけです。ですから、これは私の意見として言わさせていただきます。
○永井部会長 では、最後に安部委員、どうぞ。
○安部委員 働き方改革の資料のほうの3つ目の参考の18ページです。「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組の概要」という資料が紹介されていて、4番にタスク・シフティングについて書いていますが、実際、7月に医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフティングに関するヒアリングが各団体に対して行われ、私ども日本薬剤師会も17日にプレゼンテーションをさせていただきました。そのときの資料では、チーム医療の推進に関する検討会で示された医政局長通知業務などの実施状況の割合などをお示しして、できているところと不十分なところがあるという整理をした上で、薬剤師が関与することによって医師の負担軽減にどのように役立っているのかという資料をお出しさせていただきました。
今後、薬剤師もしっかりと医師の負担軽減に資するようなチーム医療の中の役割を担っていこうと考えておりますけれども、一方で、例えば薬物療法のプロトコルについて提案して、医師と共同で管理をするという事業については、薬剤師が1人で頑張るというか、とりくみが空回りしても困ります。さまざまな医療機関の状況に応じて、そういった体制をつくっていくことも必要でありますし、薬剤部の体制をつくっていくことも必要になってまいります。こういったことは個別の医療機関の中で進めていくことになろうかと思うのですが、医政局としてチーム医療の中で医療機関もしくは薬剤師が取り組むべきところをどういうふうに推進されていくのかというところが、方向性を教えていただければと思います。
○永井部会長 事務局、いかがでしょうか。
○医事課長 医事課長でございます。
今、お示しいただいた資料、参考資料に入っておりますが、医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取り組みということで、そもそも時間管理をして、まずはちゃんとやっていただくでありますとか、そういうものをしていただく中に、業務の移管、タスク・シフティングの推進ということが書かれています。これは御指摘いただきましたように、既に平成19年でありますとか、医師及び医療関係職種などが役割分担をしながら業務を進めていただく、チーム医療をさらに推進していくという観点もございまして、今回の働き方改革の議論の中でも当然そういった、もともとありましたチーム医療を進めていく視点はあるところでございます。
まずはそういった前提の上ですけれども、今後の医師の働き方を見直していく、改革を進めていく中で、さらなる業務移管について、検討していく必要があるということでございまして、従来からの取り組みについても、全体としてより進めていくものは進めるという視点は継続しているということと理解しております。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
では、最後に野村委員、手短にお願いします。
○野村委員 お願いします。
医師の働き方改革についてなのですけれども、今、こういう流れで進んでいる中で、こういったことが実際に動き出していく中で、事務局側の方々が考えられたり、検討会で出てくるようなことで、私たち国民に影響が出ないように考えられていると思うのですが、何か影響が、こういうことが予測されるのではないかとか、こういうことが変わっていくのではないかということがもしあれば教えていただきたいと思います。今後、啓発をいろいろしていく上でぜひ参考にさせていただきたいと思って質問させていただきます。
○永井部会長 いかがでしょうか。
○医事課長 どういう影響がという視点で言いますと、今、医師の働き方の関連の検討の場として、医療のかかり方検討というものもやっております。その中では、先ほど山口委員からも御指摘がありましたけれども、医師が時間外に御家族に対して病状の説明をすることを控えていただきたいであるとか、さまざまいろんな取り組みについて議論もしたところで、その提言については取りまとめてホームページ等にも掲載しておるところでございます。
今後そういった活動について、国民にも参加していただく形で進めていく必要があると思いますので、情報提供でありますとか、キャンペーン的なものでありますとか、そういうものをさらに進めていくということでございますので、きょうは資料としてはつけておりませんけれども、またいずれかの部会で、検討の状況を御報告申し上げたいと思っております。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
では、相澤委員、手短にお願いします。大分時間が押していますので。
○相澤委員 それでは、医師の働き方について、まず1点お願いしたいと思います。これは一気呵成にやりますと大変な状況が生まれると思うので、調査をしながら、大変でしょうけれども、一歩一歩確実に前に進むということをぜひお願いしたいと思います。
それから、地域医療構想ですが、先ほど自治体の方からもお話があったのですが、集約化・集中すればいい医療と、やはり分散化しておいたほうがいい医療とあるわけなのです。先ほどありましたように、巨大病院をつくりますと、分散化したほうがいいものまで集約化されてしまうという危険が伴うので、その点は十分に配慮をしてやってほしいし、分散化したほうがいい医療はどうなっているのかということをぜひ調査をしていただきたいのが第1点。
第2点は、やはり分析をしていくときに、その病院の診療圏、どこの患者さんを診ているのかが極めて大事なのです。特に県境にある病院は、違う県から患者さんが来ているのです。それを全く無視してこれを進めていくと、大変なことが起こります。ですから、病院の診療圏、要するに患者さんの移動を考慮したものをぜひつくっていただきたいということを強くお願いしておきたいと思います。
以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
それでは、また御意見がおありでしたら後ほどお寄せいただくことにしまして、事務局におかれましては、本日の議論を踏まえて対応をお願いしたいと思います。
続いて、診療報酬改定の基本方針(案)について、事務局から説明をお願いいたします。
○医療介護連携政策課長 医療介護連携政策課長でございます。資料2-1、資料2-2に基づきまして、診療報酬改定の基本方針について、事務局として説明いたします。
資料2-1でございます。令和2年度の診療報酬改定を控えまして、そのスケジュールについて、皆さん御存じだと思いますけれども、おさらいという形で資料を用意させていただきました。
まず左側なのですが、社会保障審議会、こちらの医療部会、医療保険部会のほうで、本日以降、令和2年度の診療報酬改定の基本方針につきまして議論していただきまして、12月ごろに取りまとめをお願いしたいと考えています。
あわせて、内閣のほうで12月中下旬ごろ、予算編成過程で、診療報酬の改定率が決定される形になっております。これで社会保障審議会のほうで医療政策の内容、また、内閣のほうで医療のお金の部分についての総枠が決定されます。
これを踏まえまして、厚生労働大臣から来年の1月ごろ、中央社会保険医療協議会に対しまして、内閣が決定した改定率、また、社会保障審議会で議論していただきまして取りまとめられた基本方針に基づいて改定案の調査・審議を行うよう諮問されます。
それを受けまして、中央社会保険医療協議会のほうで具体的に診療報酬の点数について調査・審議を行い、2月上旬ごろに厚生労働大臣に対して改定案を答申し、そして3月上旬ごろに厚生労働大臣からその答申された改定案をもとに告示や通知が発出されます。
それで、来年の4月1日から令和2年度の新しい診療報酬改定に基づいて施行されるということになっております。
この医療部会のほうで議論していただくこととなるのが、この左上の診療報酬改定の基本方針ということでございます。
続きまして、資料2-2をお開きいただきたいと思います。令和2年度診療報酬改定の基本方針の検討につきまして、事務局として仮の案を用意させていただきました。
これまで2年ごとの診療報酬改定に伴いまして基本方針を定めておりますが、①としまして、改定に係る基本的考え方・基本認識に続きまして、重点課題、改定の視点等を定めた上で、具体的な検討の方向を示させていただきました。
今後、令和2年度の診療報酬改定の基本方針につきましては、3つ目の○なのですけれども、2040年を展望し、誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現を目指して、多様な就労・社会参加の環境整備や健康寿命の延伸、医療・福祉サービスの改革による生産性の向上、給付や負担の見直しなどによる社会保障の持続可能性の確保について、取り組み・議論を進めていく。それらと相まって、そこを進めていきたいと考えております。
次のページをおめくりいただきまして、実際に基本方針のたたき台としまして事務局のほうで仮に用意したものでございます。
「(1)改定に当たっての基本認識」。これを3つに分けて整理をしております。
まず1番目としまして、健康寿命の延伸、人生100年時代に向けた「全世代型社会保障」の実現。例えば具体的にありますけれども、右側に移りまして、健康寿命の延伸、人生100年時代に向けた「全世代型社会保障」の実現、社会保障制度の持続可能性の確保、また、この前の「骨太の方針」とか「成長戦略実行計画・成長戦略フォローアップ・令和元年
度革新的事業活動に関する実行計画」等への対応というものがあるのではないか。
続きまして、2つ目の基本認識なのですが、医師などの働き方改革の推進。例えばですが、ICT等の活用や医療資源の効率的な配分について、どういう基本認識でいるのかということ。
3番目の基本認識としまして、患者・国民に身近な医療の実現で、わかりやすい医療の実現、かかりつけ医機能の充実や患者への情報提供や相談・支援の充実、さらに、医療を取り巻く方々としまして、医療従事者、医療提供者だけではなくて、市民、行政、民間企業それぞれが担う役割もあるのではないかということで整理をしております。
こうした(1)での基本認識を示させていただいた上で、次に「(2)改定の基本的視点と具体的方向性」。これは仮にこれまで4つの柱ということで過去ずっとやってきたことを参考にさせていただきまして、また中医協のほうでこれまでずっと議論をして、第1ラウンドの議論が7月末に取りまとめたということの議論を参考にしまして、4つの視点と、また、その4つの視点ごとの方向性を事務局のほうでまとめています。
お伝えしますと、4つの視点なのですが、まず1つ目の視点は、医療従事者の負担を軽減し、医師などの働き方改革を推進する視点。右側に移りまして、方向性としては、例えば適切なマネジメントやタスク・シフティングの推進、そのほか、書類作成などの合理化や労働環境改善のマネジメントをどうするか。さらに、柔軟な働き方や業務の効率化に資するICTなどの活用をどういうふうに推進していくかという方向があるのではないか。
続いての視点は、患者・国民にとって身近であるとともに、安心・安全で質の高い医療を実現する。そういった視点があると思います。方向性としましては、全部は読み上げませんけれども、例えばかかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師・薬局の機能の評価、質の高いがん医療の評価、小児医療、周産期医療、救急医療の充実、妊産婦が納得して医療を受けられる体制の構築、そのほか、口腔疾患の重症化予防や、薬局についても、対物業務から対人業務への転換の推進、ICTなどを活用した地域における情報共有・連携の推進。こういう方向があるのではないかということで整理しております。
3番目の視点ですけれども、医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進に関する視点としまして、右側の方向性ですが、地域によって異なる状況を踏まえた病床機能の分化・連携の推進、入院医療の評価。また、質の高い在宅医療・訪問看護の確保。さらに、地域包括ケアシステムの推進のための取り組みがあるのではないか。
最後の4番目の視点ですけれども、効率化・適正化を通じて、制度の安定性・持続可能性を高める視点があるのではないかということで、例えばですが、右側の例を示しております。
説明は以上でございますが、最後のところは、これまで平成20年度改定から平成30年度改定まで、どういうふうに基本方針という形でまとめたのかを例にして挙げております。
いずれにしましても、この基本方針は、今、お伝えしたものをベースに議論してくださいというよりも、まさにこの医療部会のほうでどういう柱で次の、来年度の診療報酬改定に臨めばいいのかということを議論していただくための事務局としての仮案としてお示しさせていただいたものですので、忌憚のない御意見をいただきながら、そして皆様の御意見を踏まえながら、医療部会、また医療保険部会と議論を進めてまいりまして、今年のできれば12月上旬をめどにまとめてまいりたいと考えております。
事務局からは以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
御質問、御意見をお願いいたします。
今村委員、どうぞ。
○今村委員 ありがとうございました。1点要望したいと思います。
昨年12月に、厚生科学審議会の医薬品医療機器制度部会の取りまとめの中で、最後に医療保険制度における対応においてはと、わざわざ医療保険制度のことが記載されており、この部会での議論も十分踏まえて、患者のための薬局ビジョンに掲げた診療報酬・調剤報酬において医薬分業のあるべき姿に向けて、医療機関の薬剤師については先ほど安部委員からもお話がございましたが、働き方改革にも非常に通じるのですが、医療機関内での薬剤師の役割は非常に大きいと我々は思っています。その医療機関の薬剤師や薬局薬剤師を適切に評価されることが期待されるという記載がございます。
今回お示しいただいた様々な具体的なものについても、薬局もしくは調剤薬局のかかりつけ薬剤師の記載はあるのですが、今、申し上げたように、医療機関内での薬剤師という言葉が出ていないので、当然お考えにはなっていると思いますが、ぜひ、この点も踏まえて診療報酬の改定に臨んでいただければということをお願い申し上げたいと思います。
以上です。
○永井部会長 猪口委員、どうぞ。それから、井上委員、加納委員の順番でお願いします。
○猪口委員 ありがとうございます。
資料2-2の2ページ目の基本認識というところなのですが、健康寿命の延伸、人生100年時代という、非常にこういう明るいことがまず書かれているのですけれども、私はこれからしばらくすると人口減、特に働き手の減、それで若者が減る。ここが非常に大きい問題なので、ここをやはり基本認識にちゃんと入れるべきだと思うのです。そういうこともあり、働き方改革もあり、したがって、次の3ページの上にあるような柔軟な働き方とか業務の効率化。これも非常に重要だと思っています。それから、ICTの活用等を進めなければいけない。ここをちゃんと認識しないと、単に働き方改革をするのだだけではないのだという認識が必要ではないかと思います。
もう一つお願いがあるのですが、私も一応、今、中医協委員なのですけれども、これを議論するのはもう少し早いほうがいいのではないかと思います。中医協で片方で議論が進んでいて、12月ごろ、ほぼ固まったときにどかんとおりてきても、あららということにもなりかねませんので、できたら議論が始まる9月ごろまでにはこれが出ていたほうが中医協としての議論は進むのではないかと思っておりますので、お願いしておきたいと思います。
以上です。
○永井部会長 井上委員、どうぞ。
○井上委員 ありがとうございます。
これまでの方針のときにも既に前提条件としてあったわけですけれども、やはり今回、もう一度再認識しなければならないのは高齢化、特に団塊の世代が後期高齢者入りをすることと、今後、生産年齢人口の減少がますます待ったなしの状況になってしまったというところだと思います。
したがいまして、今般のこの基本方針においても、やはり制度の持続性の確保というところを改めて強く強調すべきだと思いますし、メリハリのある改定としていく視点がより重要になってきていると思います。
制度を持続可能にしていく上で、やはり前提となるのは安定した経済成長が続くような形での制度設計だと思いますので、この基本認識のところには、たしか経済成長や財政健全化との調和という視点が平成28年度の基本認識には入っていたのですが、ぜひそういう視点を今回改めて認識すべきではないかと考えております。
あと、具体的方向性は例示ということであり、まだこれからの議論になると思いますけれども、効率化・適正化というのは非常に重要な観点だと思うのですが、この例示として薬のことしか入っていないのは若干気になりましたので、これはコメントをさせていただきたいと思います。
以上となります。
○永井部会長 では、加納委員、それから、井伊委員の順番でお願いします。
○加納委員 ありがとうございます。
先ほどの今村委員に追加となるのですが、医療機関内における調剤の評価は本当に大事ではないかと思っております。実は、私どもの病院で院内調剤に切りかえました。高齢者の方から特に評価が高かったのですけれども、それはなぜかといいますと、院内で調剤すると調剤料が、多分、院外調剤の13分の1ぐらいの価格で、安くなりました。それから、早くなった、便利になった、ということを聞きました。わざわざ、これからの高齢者時代に隣のところまで行って調剤をしてもらってという今の院外調剤のシステムはおかしいと思います。
また、敷地内調剤というものができ出したので、これも先ほどの費用の点では相変わらず高いままでやっているという、あれもちょっとどうかなという形で、これはやはり高齢者時代に備えた見地でもやはり変えていくべきではないかと思っております。それが1点。
もう一点は、先ほど相澤委員がおっしゃったように、これからの高齢者の医療はどういうものかということをしっかりと考えた診療報酬にしていただきたいのです。先ほど出ましたように、巨大病院がどうのこうのという話ではなくて、やはり地域包括ケアの中で、ある程度、医療がしっかりと見られる。
それはどういうことかといいますと、多分、高齢者の方々はこれから100歳の年齢を迎えるまでに何回か悪くなっては治療し、リハビリし、また在宅へ戻る。これの繰り返しだと思うのです。そういった繰り返しを何回かして、人生を楽しんで謳歌してもらう。そういった問題を巨大病院でいいのかということになると、多分、先ほどから出たように、それ相当の対応できる中小の病院で十分それが担えるのではないか。そういった意味での評価も何かの形で考えていただきたいかなと思っております。
以上です。
○永井部会長 では、井伊委員、山口委員、それから、安部委員の順番でお願いします。
○井伊委員 ありがとうございます。改定の基本的指針と具体的方向性について、3点ございます。
まず1点目ですけれども、この医療従事者の負担軽減。これは大変重要な観点ですが、例として挙げられている人員配置の合理化というのはどういう意味なのかと思います。負担軽減という趣旨であれば、人員配置は手厚くしなくてはいけないというのが通常の考えではないかと思います。人員配置の大前提としましては、患者の安全が確保されるということが最も重要ですので、合理性とか効率化ばかりの議論とならないようにお願いしたいと思います。
2つ目です。患者・国民にとって身近であるとともに、安心・安全で質の高い医療を実現する視点。これもそのとおりで、また例として挙げられている項目については、どれも重要だと思いますが、認知症の方に特化した記載がここには挙がっていません。認知症の方の入院は本当に増えていますので、記載していただきたい。
それから、重症化予防という文言が口腔疾患の重症化予防に限られていますが、生活習慣病の重症化予防は重要ですので、例としては認知症と生活習慣病の重症化予防を視点に含めていただきたいと思います。
3点目です。医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムに関することですけれども、訪問看護の確保。これは挙げていただいて、ありがとうございます。挙げていただきたいと思いますが、訪問看護の確保については、訪問看護師数の確保が重要ですので、ステーションだけでなく機能強化型の訪問看護事業所を増やすとか、それから、病院からの訪問看護を増やすことも重要だと考えていますので、意見として申し上げたいと思います。
以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
山口委員、その後、安部委員、それから、平川委員の順番でお願いします。
○山口委員 先ほど今村委員から御指摘の、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会には私も構成員として議論に参加しておりまして、局が違いますので、ちょっと御紹介といいますか、ぜひここで強調しておきたいと思います。
約1年かけて薬局薬剤師のあり方についてということでの議論がかなり紛糾して行われた中で出てきたのが、やはり病院薬剤師の評価が余りにも低過ぎるのではないかということでした。もう少し、このあたりを診療報酬できちんと認めるべきだという一方で、特に私から見れば薬剤師さんの当たり前の業務だと思いますけれども、患者の服用期間のフォローアップができていないのではないかということで、これは自浄作用を待っていたらなかなかやっていただけないので、薬機法の改正をする中で、患者が服用している間の期間もフォローアップするということを薬機法の改正で盛り込まれることになりました。ただ、議論のなかでこれに反対する委員の方から、また調剤報酬でお土産をあげるだけなのではないかというご懸念がありました。結果的に、それは調剤報酬の中に組み込まれるべきではないということが制度部会の中では議論を占めていましたので、ぜひそれを御紹介しておきたいと思います。
それから、かかりつけ薬剤師指導料という調剤報酬が3年前に出てきましたけれども、実はこれは患者からは非常に不評でして、同意書を書かされることへの心理的抵抗感があることや、なぜ患者が選べないのだということもございますので、どの薬局に行っても同じように対応してくださる。また、いちいち勤務表を見て、きょうは私のかかりつけ薬剤師がいるだろうかと考える不便さよりは、しっかりした薬局の対応を認めるような報酬のあり方にしていただきたいということをこれは要望としてお伝えしたいと思います。
○永井部会長 安部委員、どうぞ。
○安部委員 いろいろ調剤報酬や薬局に対しての御意見いただきました。中医協みたいになってしまいましたけれども、私のほうからちょっとお話しさせていただきますと、加納先生から御指摘いただきました、かねてから御指摘いただいております院内と院外調剤の調剤料の差は実際にございます。調剤報酬というものは薬局を維持し、薬剤師を雇用し、在庫を置き、そして患者さんにサービスを提供することを担保するための仕組みであります。そういったものも毎回、医療経済実態調査を踏まえて、中医協で議論しながら御議論いただいているところであります。
一方、院内投薬につきましては、過去からの政策的なこともありまして、薬剤師が調剤することを前提としていない体系の中で、薬剤師が常勤をして調剤をすると、1カ月に8点の評価となっています。1カ月に80円です。それと薬局の調剤報酬を比較して高い安いと言われると、それは80円では薬局は経営できませんので、そういった比較ということもしっかり御理解いただければと思っております。
それから、先ほどフォローアップについては、薬剤師はこれからしっかり頑張っていかなければいけないことだと思っておりますけれども、今回は薬機法の中で必要に応じて薬剤師がフォローアップをする。これをしっかりと薬剤師の基本的な役割としていくということで各薬剤師がしっかり頑張っていきますが、実は診療報酬の中には、薬剤師のフォローアップは、過去から薬剤師が患者さんに対してフォローアップをしたときに、それほど大きな点数ではありませんが、評価をする仕組みがありますので、今、始まったことではなくて、過去からそういったことが行われてきて、そういったことより多くの場合で薬剤師の基本的な役割として定着させようということで、今回の薬機法の議論の中でもしっかりと御議論いただいた上で、そういう法改正案になっているという理解かと思っておりますので、ここのところについては、私はそのように考えているところでございます。
○永井部会長 平川委員、どうぞ。
○平川委員 資料2-2の1ページの基本方針の検討については、2つ目の○が一体改革を経て、基本的にこれらの議論の継承がされてきたと書いてありますが、3つ目の○は2040年を展望しとなっています。
ここに書いてあるのは、一体改革は重点課題を追加してきたという過去形になっていて、2040年に向けては、この議論が進められる予定となっていて、何か2つ目の○と3つ目の○の間が、では、今回の診療報酬改定は何を基礎に議論していくかがやや見えづらいと思っておりましたので、その辺についてはどう考えているのかを少しお聞きしたい。
それと、この2040年を展望しというところで、議論が進められる予定となっていますけれども、これはどこでどのように議論を進められていこうとしているのかを教えていただきたいと思います。
○永井部会長 事務局、いかがでしょうか。
○医療介護連携政策課長 御指摘ありがとうございます。ちょっと言葉足らずなところがありまして、申しわけございません。
もちろん、2025年ということはまだ到達しておりませんし、地域包括ケアがもう既にすべての地域で確立したということではございませんので、私たちとしましては、これは引き続きの課題と思っております。当然、これは終わったということではなくて、それは今後もやっていかなければいけないと考えております。
それと同時に、やはり人口減少という大きな波が当然、確実に起こってくることも考えていかなければいけませんので、それは特に80代を超える高齢者が地域でふえていくということだけではなくて、生産年齢人口の減少に伴うようなことも確実に起きていく中、2040年というところを展望していくこともやはりこれからは考えていかなければいけない。そういうことの思いを持って書いたのですが、ちょっと言葉が途切れたというところがあって、わかりにくい表現になってしまったところはおわびいたします。
ですけれども、思いとしましては、2025年に向けて地域包括ケアを進めていかなければいけないということ。さらに、人口減少の中で対応していかなければいけないということ。そういった課題、両方の課題を見据えて、では、令和2年度の診療報酬改定をどういうふうにしていけばいいのか。そういう御議論をいただければと思っております。
○永井部会長 では、河本委員、続いて、安部委員の順番でお願いします。
○河本委員 ありがとうございます。
先ほど井上委員からもお話がございましたけれども、次期の診療報酬改定は団塊の世代が後期高齢者に入る、いわゆる2022年に向けて、あと2年という、ある意味ぎりぎりのタイミングと認識をしております。また、制度の持続可能性確保のための診療報酬改定においても、適正化あるいは効率化できる領域は当然あるわけですから、それを洗い出した上で具体的な見直しに着手する。これがぜひとも必要と考えております。
その意味では、確かに例の小項目の中に社会保障制度の持続可能性の確保と書いてはございますが、これは左側の大項目にきちんと持続可能性確保のためということをきちんと書いていただきたい。そういう要望でございます。
○永井部会長 安部委員、どうぞ。
○安部委員 先ほど言葉足らずだったので、追加をさせていただきたいと思います。
病院薬剤師の評価については、評価しろという御意見は非常にありがたいことでありますし、私もそのように思っております。ただ、病院薬剤師の多くの方々と意見交換をしておりますと、チーム医療の中で連携して、先ほど言ったタスク・シフティングのような病棟業務のようなものについては、しっかりと評価をしていただきたいという声がある一方で、外来調剤料に評価をつけてくださいという要望は、私は聞いたことがございませんので、それは意見としてお伝えさせていただきたいと思います。
もう一点、敷地内薬局の話が出ましたけれども、日本薬剤師会としましては、かかりつけ機能を持った一元管理をする薬局と真逆な絵姿であると思っておりますので、そういったものが進展することについては反対の意見を持っております。
○永井部会長 ほかにいかがでしょうか。
どうぞ。
○山口参考人 ありがとうございます。日本歯科医師会の山口と申します。よろしくお願いいたします。総論的な意見だけ申し上げます。
基本認識というところで、人生100年時代の全世代型社会保障の構築の基盤は言うまでもなく健康であるということをまずもって申し上げておきます。健康寿命の延伸であるとか、健康格差を生じさせないための疾病予防、あるいは重症化予防等において歯科医療が果たすべき役割も大きいと考えております。
そのほか、改定の基本的視点、具体的方向性の記載例については、歯科に関してはおおむね網羅されていると思っておりますけれども、次期改定においてもそうした考えを軸に、議論をお願いしたいと思います。
以上です。
○永井部会長 今村委員、どうぞ。
○今村委員 厚労省にちょっと伺いたいのですけれども、医政局ではなく保険局の担当分野かとも思うのですが、先ほどから薬局薬剤師のお話が非常に出ております。いわゆる医師であるとか医療関係者の需給ということに関しては医政局の中で検討会が設けられているわけなのですが、薬剤師さんの養成については全く需給についての議論が今のところされていないという理解をしています。
私も何度も申し上げているのですけれども、日本はOECDの中で薬剤師の養成数が突出して多い。その養成されている薬剤師を前提として調剤薬局が展開されている。先ほど安部委員からもお話がありましたが、調剤薬局の報酬は薬局のいわゆる経営の資源ということで調剤報酬があるというお話ですけれども、その調剤薬局が国民のニーズに基づいて、その薬局が必要なのだから、そこをきっちりと経営を守っていくために報酬をつけるというのが流れであると思いますが、どんどん調剤薬局がコンビニよりも数多くつくられていて、その薬局を経営資源として守るための診療報酬ということになると、これはちょっと本末転倒の話になってしまうのではないかと思っています。
したがって、今、経営されているところを潰せという話では全くありませんけれども、今後、今の薬剤師の養成数が本当にそれでいいのかどうかというのは厚生労働省としてどのように考えられているのか。そういう議論が今、ほかの局であるかもしれませんけれども、議論されているのかどうかを教えてください。
○永井部会長 事務局、いかがでしょうか。
○総務課長 御意見ありがとうございます。医政局総務課長でございます。
現時点で薬剤師の需給に関する検討ということは、私は養成の検討の前提となる需給推計は行われていないと承知しています。担当局といたしましては医薬局になりますけれども、現時点では行われておりませんので、今村先生からいただいた御意見につきましては、きちんと関係部署のほうにお伝えして、どういう方策があり得るのかということについて検討いたしたいと思います。
○永井部会長 田中部会長代理、それから、安部委員の順番でお願いします。
○田中部会長代理 別のテーマです。在宅医療ワーキングというものがありまして、そこの委員長を務めているもので、在宅医療について一言お話しします。
医療機能の分化・強化の中に在宅医療は毎年載っています。2040年を考えると、医療提供のあり方として、入院医療、外来医療と並んで、在宅医療はむしろ3本柱と言っていいぐらい、医療提供の場になっていきます。そのときに、毎回、在宅医療、訪問看護の確保と書いてあると、何となく医師数と看護師数の確保と読めてしまうのです。そうではなくて、在宅医療は入退院時の連携とか急変時の対応とか、それから、在宅医療、看護と一緒に行われるリハビリテーションや栄養管理、介護などを含む仕組みの問題なのであって、医師数や看護師数を確保すれば済む話ではないです。
したがって、別に言葉を変えろとは言いませんけれども、在宅医療、訪問看護の仕組みの確保にしないと、単にそこに従事する人をふやせと理解されてしまいますので、もう少しシステムをつくっていくのだという意識で議論しなくてはならないと私は考えています。
○永井部会長 ありがとうございます。
では、安部委員、それから、加納委員の順番でお願いします。
○安部委員 手元に確かな資料がないのであれですけれども、先ほどの薬剤師の需給状況でありますが、私の記憶ですと、医薬・生活衛生局の来年度の予算要望には入っていたという記憶があります。
○永井部会長 加納委員、どうぞ。
○加納委員 ありがとうございます。
先ほどの安部委員のほうからのお話で、病院薬剤師からそういう要望がないという話ですけれども、これは実際に私が、院内で調剤したものは院外で調剤したことに対して評価されているのは13分の1だという話をしたところ、これは激怒していました。同じことをしていて、同じ説明をして、何で13分の1なのか。これはやはり、まだ病院薬剤師さんの多くが、まさか13分の1になっているとは知らないわけです。知った途端に、どの方も多分おっしゃると思います。
この差が、院内で調剤したら、何でそれだけ評価が下がってしまうのかということはやはりしっかりと議論すべきかなと。先程は巨大病院の話をしましたけれども、巨大チェーン店の薬局がもうかるような話は、私はおかしいかなと思います。院内で一生懸命地域医療を守っている医療機関の薬剤師さんがまた評価される。そういう形の診療報酬であるべきかなと私は思って発言させていただきました。
○永井部会長 松原委員、どうぞ。
○松原委員 本日初参加ということで、どこまでここで述べていいのかわからない点もありますので、見当違いのことを申し上げていたら、初参加ということでお許しください。
中医協の件で以前から違和感を覚えるのは、当たり前のことをして、それについて取り組んでいるからといって評価して加算するスタイルについてです。医療提供機関として行うべきこと、当たり前のことに取組んだならば、それは加算よりももっと包括的に評価するか、または行わなかったら減算にするとかのほうがいいのではないのかと考えます。
例えばこういうことに取組んでいるから加算がつき患者の負担がふえているということは、患者はわかっているのかという議論がよく中医協でも出ています。あと、ここにいらっしゃるような医療機関の方でしたら何の問題もないのでしょうけれども、小さい医療機関ですと、当たり前の取組みだと思っていたが、それが診療報酬で評価されているとは知らなかったことから、そういう取りっぱぐれがないように今度はコンサルをちゃんと入れたのだとかという話も聞きます。
もう一つ、先ほどの医師の働き方改革にもつながるのですけれども、現場が疲弊するほど働いているのに、患者側も医師側も非常に不満を持っている。これの解決策の一つとして、かかりつけ医の推進があると思っております。その点も中医協でいろいろ取り組んでいるのは存じておりますが、例えばフランスでは従来日本と同様にフリーアクセスでしたが、かかりつけ医制を導入する際に、かかりつけ医を通さないと大体1,000円ぐらいの料金を患者から取る。ただ取るだけであって、それ以外のところに行ってはいけないということではないということで、緩やかにかかりつけ医制を推進する制度をとってソフトランディングに成功したということを伺っております。日本にも大病院受診時の特別料金等はあるものの、更なる推進のためにも、かかりつけ医を通さない場合は負担が少し上がるという緩やかなかかりつけ医推進策もあるのではないかと考えております。
以上です。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
では、最後に小熊委員、どうぞ。
○小熊委員 2つ、要望があります。
1つは、先ほどから話題の出ている薬剤師さんのことですが、我々の自治体病院で薬剤部会というものがございまして、そこで薬剤師さんの募集とか勤務内容とか、いろんな調査をしています。そこで、この間、出された結果は、自治体病院が薬剤師さんを募集しても応募してこない。なぜかというと、それは調剤に行ってしまうからだと。なぜ調剤に行くのかというと、こう言ったら失礼ですけれども、仕事の内容が病院勤務薬剤師よりは容易で、なおかつ給与も高い。自分の時間が持てる。そういう原因であるという報告が出ました。ですから、それに対して非常に我々は苦労しておりますし、薬剤師さんになる人に奨学金を与えて確保を図らねばならない。こういう現実がございますので、そういったことも国のほうとしてはしっかりと考えていただきたい。それが1点です。
もう一点は、社会保障制度の持続可能性の確保というものが基本認識と書いていますけれども、私の実感では、今の診療報酬改定を続けていくと、医療提供体制の持続性は確保できないと思います。年々、我々、病院の提供体制の確保が難しい方向にどんどん向かっていっている。ですから、そういったことを、この社会保障制度の持続可能性というものが何を意味するのか。もっと病院の医療提供体制についても考えていただきたいという要望であります。
○永井部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
また御意見は後ほどお寄せいただきたいと思います。
もう一つ議題がございますので、先へ進めさせていただきますが、特定機能病院及び地域医療支援病院の見直しについて、事務局から説明をお願いいたします。
○総務課長 医政局総務課長でございます。資料3に基づきまして御説明申し上げます。特定機能病院及び地域医療支援病院の見直しに関しまして、一定の議論の整理をさせていただいておりますので、御報告するものでございます。
1ページの「I.はじめに」で、現在、特定機能病院については86、地域医療支援病院については607のそれぞれ承認という状況でございます。
まず、特定機能病院につきましては、この1ページ目の一番最後のところで、前回の医療法等の一部改正におきまして、国会からの附帯決議で、特定機能病院につきましてはガバナンス体制の強化及び安全で適切な医療の提供を定常化し、高度の医療安全の確保を図るために、特定機能病院の承認後の更新制の是非について検討するとともに、広域を対象とした第三者による病院の機能評価を承認要件とすることという附帯決議をいただいておるところでございます。
これを受けまして、現状で、特定機能病院の第三者評価の受審の現状で、日本医療機能評価機構が実施する「病院機能評価」「JCI認証」、あるいはISOに基づく「ISO9001」のそれぞれの認証の状況につきまして、今回取りまとめさせていただいているところでございます。
結論的には3ページで「4.見直しについて」で「第三者による評価を受け、病院が主体的に取り組む」という枠組みの中で、第三者評価を受審していただいて、指摘事項について対応するよう、もちろん努力していただくとともに、審査状況と指摘に対する改善事項につきまして公表することを特定機能病院の承認の要件とすべきであるということで取りまとめをいただいているところでございます。
なお、評価を行う第三者で、日本医療機能評価機構の評価のみならず、病院が医療安全管理体制等を評価できる機関の中から、主体的に選択できるようにすべきであるということでございます。
今後、更新制の是非で、5.の2つ目の○で、さまざま累次の制度改正を経ておりますので、特定機能病院のあり方につきましては、この定着状況、あるいは第三者評価の今回の見直しの運用状況を踏まえまして、改めて更新制の是非を含めて、検討していくということで取りまとめさせていただいております。
地域医療支援病院につきましては、1.のところでございますけれども、制度的な沿革としては1番目の○に書いているとおりで、基本的な考え方といたしましては「紹介患者に対する医療の提供や救急医療の提供等、地域で必要とされる様々な取組を通じて、かかりつけ医等を支援する医療機関」という位置づけで運用されているところでございます。
一方で、現状及び課題で、3番目の○で、郡市区医師会からの御意見といたしまして、半数を超える回答におきまして「医師確保に資する体制整備」「周産期医療」あるいは「小児医療」等の機能が現在の地域医療支援病院については不足しているという御意見をいただいているところでございます。
一方、医師偏在対策といたしまして、医師の少ない地域を支援する機能といたしまして(2)の現状におきましても、約7割程度の地域医療支援病院が医師派遣を実施している状況がございます。
以上を踏まえまして、見直しの基本的考え方で、地域医療支援病院の基本的な役割として、医師の少ない地域を支援することを加えるべきであるということと、地域医療支援病院は「医師の少ない地域を支援する役割を担い、地域で必要とされる様々な取組を通じて、かかりつけ医等を支援する医療機関」と位置づけられる。
そういうことで、具体の要件設定につきましては(2)でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、地域医療支援病院に期待される役割は各地域によって異なっておりますので、1番目の○で、地域ごとに地域医療支援病院に求められる機能が異なることを踏まえ、都道府県知事の権限により、地域の実情に応じて、地域医療支援病院に求める機能を、要件を追加できるようにするということ。
その手続でございますけれども、2番目の○で、地域医療構想調整会議における協議において、それぞれの地域医療支援病院が担う役割につきまして御議論いただいて、最終的には都道府県医療審議会を踏まえて、地域医療支援病院の責務ということで要件を追加することとしてはどうかということでございます。
実際の運用に当たりましては、この要件の追加につきましては、4.の一番最初の○で、都道府県が地域の実情に応じて適切に運用できるよう、さらなる検討が必要ということで取りまとめがなされているところでございます。
事務局といたしましては、今回の御議論の整理を踏まえまして、必要な制度改正に向けて検討していきたいと考えているところでございます。
説明は以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
それでは、遠藤委員からどうぞ。
○遠藤直幸委員
中山間地域や離島等の僻地へきでは、医師の派遣を受けながら地域医療を維持している観点から、資料3の5ページの「3.見直しについて」のとおり、地域医療支援病院の基本的な役割として、医師の少ない地域を支援することも加えていただきたい。

○永井部会長 楠岡委員、どうぞ。
○楠岡委員 特定機能病院に関してですが、現在、特定機能病院の承認とその後に年に1回、厚生局が立入検査をしておりますが、全て外形要件を満たしているかどうかのチェックで終わってしまっていて、体制はあるけれども、その運用がどうなされているかの評価がほとんどされていないのが現状です。現にいろんな問題が起こって、厚生労働省でタスクフォースがつくられ、実際に特定機能病院にお伺いしましたら、体制は整っているが運用がきっちりされていないとか、人は配置されているのだけれども、その人のキャリアを見てみると、必ずしもそういう仕事に適しているわけではなく、極端な言い方をすれば、名簿上はいるのだが実際に働いていないみたいな現状がかなり明らかになりました。それによって医療法が改正され、改善されているとはいえ、やはり実際の運用がどうなっているかの確認は医療安全上も極めて重要な問題だと思います。
そういう意味では、第三者評価を受けていただく。第三者評価はほとんどの場合、単に外形基準のみではなくて、その運用にまで立ち入って見ておられますし、そこで指摘される事項は本当に改善していただかないといけない必須の事項であると思われます。第三者評価を受けていただき、その結果を公表していただく。それで、厚生局等の検査においては、公表事項に関しても確認をしていただくことが極めて重要なことではないかと考えております。
○永井部会長 釜萢委員、どうぞ。
○釜萢委員 今、楠岡委員がおっしゃったところと関係がありますが、まず特定機能病院というものは大学病院の本院が、この中に入ってくるわけですけれども、大学病院、大学の附属病院、本院はやはり医師の派遣ということに非常に大きな役割を担うわけです。例えば1県に1大学あるところだとすると、行政あるいは地域医療支援センターなどとしっかり連携をとって、病院が一体となって医師の派遣に取り組むという体制がとれているかどうかというところをぜひ評価を強くしていただきたいと思います。従来は、どうしても医師の派遣に関してはそれぞれの診療科ごとに行われているところがあったわけですけれども、ぜひ特定機能病院が一体となって医師の派遣に取り組む、窓口を一本化するというところを大いに評価していただきたいのがお願いでございます。
それから、地域医療支援病院については、これも医師の派遣に大きな役割をさらに今後担わなければならないわけです。医療法、医師法の改正によって、医師少数区域における医師の勤務を評価する、認定する仕組みができましたけれども、地域医療支援病院はさらに医師派遣に大きな役割を担うことを課せられるとすれば、それに対する評価をどういう形がよいのか、今後、ぜひ議論をしなければなりません。地域医療支援病院から医師が派遣しやすくなるように、例えば年限を区切るとか、その後、また復帰する場合のポストを保証するとかということが考えられるわけですけれども、その場合には派遣する病院の負担がかなり大きくなりますので、国全体として病院に対するインセンティブをどういうふうに手当てしていくかも考えなければならないと思っておりまして、そのあたりのところを今後検討が必要だろうと思いますので、指摘をさせていただきます。
○永井部会長 猪口委員、どうぞ。
○猪口委員 ありがとうございます。
まず、先ほど楠岡先生がおっしゃっておられた特定機能病院の第三者機能評価はぜひやっていただきたいと思っております。確かに外形基準でいろいろ、物が決まっていく。診療報酬が決まっていく。非常にこの要素は日本の診療報酬に多いのですけれども、できればそこはアウトカム評価とか、そういうものにだんだん切りかえていく大きな流れもつくる必要があるかなと思います。
もう一つは地域医療支援病院なのですが、現状でいうと、地域によってかなり数も違うし、役割も違う。それで、実際にはどういうふうに決められているかというと、紹介率とか救急応需ということで診療報酬上の評価を受けているわけです。それを二次医療圏とか、そういうところで医師の派遣とか、これを要件に、地域によってしていくというお話は、地域医療支援病院のあり方としては正しいのですが、今まで受けられた診療報酬上の評価を、例えば医師派遣が必要ない医師多数地域にある地域医療支援病院はそれをやる必要がなければ今まで認められるわけですけれども、やらなければいけないところでできないからといって取り消しになると、診療報酬上もペナルティーになってしまう。そういうことがあるので、ここの議論は診療報酬のことも絡めて慎重に進めていただきたいと思っております。
以上です。
○永井部会長 では、平川委員、それから、家保参考人、島崎委員の順番でお願いします。
○平川委員 質問ですけれども、地域医療支援病院の関係で、5ページの下のほうの(2)の機能の見直しのところの一番最後の行、2つ目の○ですが「地域医療構想調整会議における協議において」という記載があります。医師派遣とかは、詳しいデータは持っていないのでわからないのですけれども、二次医療圏にとどまらず、より多様な広域的な医師派遣もあり得るのではないかと思います。それが地域医療構想調整会議の中の協議においてという記載があると、どういう意味合いでこの調整会議で議論されるのかがややわからないと思いました。もっと言えば、都道府県の医療審議会での審議で十分なような気もしますけれども、その辺はどうなのか、教えていただきたいと思います。
○永井部会長 事務局、お願いします。
○総務課長 地域医療支援病院の機能、医師派遣にかかわらずでございますけれども、まさにそれぞれの医療圏域において、この地域医療支援病院というものを担うべき機能をまず考えて、求められる機能が異なっておりますので、例えば先ほど申し上げたように、周産期医療ですとか、あるいは小児科医療等について、この地域医療支援病院が機能を担うべきなのかということにつきまして、まずは一義的には二次医療圏、地域医療構想調整会議単位で御検討いただくことがベースになると考えています。
ただ、先生がおっしゃるとおり、医師派遣とか圏域をまたがっての機能も当然ございますので、そういう機能を含めまして、都道府県医療審議会のほうで、別にその中だけで医師派遣をしろということではございませんので、都道府県医療審議会の中で具体的な要件を検討いただくという形のことを想定いたしております。
○永井部会長 では、家保参考人、どうぞ。
○家保参考人 先ほどのお話のように、都道府県の立場としては、指定に当たっては各医療圏の考え方、それをまとめるような格好の地対協、それから、県の医療審議会等の意見を聞いて、合意を得たところをやっていくのは当然のことですので、それを進めたいと思っております。そういう観点で今回の見直しが県の医療計画なり、そういうことを進める上で非常にありがたいと思っております。
ただ1点、地域医療支援病院として現在指定されているところはいいのですけれども、指定されていないところがかなりございます。先ほど猪口委員もおっしゃったように、人口の少ない二次医療圏につきましては、約70%の医療圏で指定されていない。そういうところでも地域医療の連携とか地域医療支援をする病院はきちんと評価して存続させていただくのは非常に大事になってまいります。今回、地域医療構想のところで人口区分ごとに分けていろいろ議論をするのであれば、そういう観点もあわせて御検討いただいて、全体の枠組みも検討いただければありがたいと思っております。
人口5万人以下の医療圏であっても、その半数以上は横浜市の面積の倍ぐらいのところに5万人弱が住んでいます。そこの医療を維持するのは非常に難しい部分がありますので、ぜひともそのあたりは御配慮いただきたいと思います。
○永井部会長 では、島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 私はこの検討会の委員だったのですけれども、率直に申し上げますと、地域医療支援病院についてはさまざまな議論がありました。これは私のかねてからの意見なのですが、そもそも地域医療支援病院について、救急機能、紹介機能、教育機能など4つの機能を一体的に持つ必要があるのか、むしろ個々の機能を別々に診療報酬上評価していくほうがよほど合理的であると思います。
もう一つ、地域偏在の問題があります。地域医療支援病院がそもそも二次医療圏に1つもないところが数多くある一方で、1つの二次医療圏で地域医療支援病院が10以上ある二次医療圏も複数あります。単に地域医療支援病院という名称だけならともかく、診療報酬がくっついてきます。つまり、地域医療支援病院は入院診療加算として入院初日に1,000点が算定できますので、貴重な医療財源の配分という観点からも非常に問題だと思います。したがって、最後の今後の検討課題のところに明記されていますけれども、地域医療支援病院のあり方は引き続きぜひ検討していただきたいと思います。
○永井部会長 ありがとうございます。
大体時間になってきたのですが、何かほかに追加で御発言の方はいらっしゃいませんでしょうか。
どうぞ。
○長瀬参考人 医師の働き方改革に戻りますけれども、医師の働き方改革の追加的健康確保措置の履行確保のところで、資料1-1の3ページの2つ目の○で「以下のような視点が必要ではないか」というところで、これは6つあるのですが「各措置の対象者を適切に特定できるか」「確実に各措置が実施できるような責任体制になっているか」「各医療機関及び都道府県の実務が回るか」「措置の実施状況に対するチェック機能が確実に働くか」「履行が不十分な場合に、改善が図られるような仕組みとなっているか」「医療行政と労働基準行政との間で情報共有が適切に行われるような仕組みになっているか」。これを全部、こういったことを実際にチェックしてやっていって、なおかつできなかった場合に、この下にあるように、さっき出てきたような地域医療支援病院に罰則を与えるということが医療法制上、出てきていますね。そういうことができてから罰則をするという形になるのですね。
○永井部会長 事務局、お願いします。
○医事課長 医事課長でございます。
これは罰則のこともありますけれども、まずは各医療機関できちんと取り組んでもらうということと、それから、その取り組んでもらうために当然、いろいろ具体的なアドバイスをしたり、体制をとっていただいたりということがあります。
さらには、地域でそういったお互いにどういう取り組みをしているかという情報共有もしていただきます。罰則というのは書いておりますけれども、まずはきちんと各病院医療機関や地域で取り組んでいけるようにしていくことが前提でございます。かつ、各医療機関だけの取り組みで対応できない部分もあるという御指摘も既にいただいております。今後、またこちらの部会にも、この点に関して、検討の進捗状況をご呈示し、御意見もいただけるようにしたいと思っております。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
それでは、大体時間になりましたので、事務局におかれましては、本日の議論を踏まえつつ、必要な対応をお願いいたします。
事務局から連絡事項、その他についてお願いいたします。
○医療政策企画官 次回の医療部会の日程につきましては、詳細が決まり次第、改めて御連絡をさせていただきます。
以上です。
○永井部会長 それでは、長時間ありがとうございました。本日はこれまでとさせていただきます。
 

 

(了)

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