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2019年1月17日 第65回医療部会

医政局総務課

○日時

平成31年1月17日(木)15:00~17:00
 

 

○場所

全国都市会館 第2会議室

○議事

○医療政策企画官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第65回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
医療部会の総委員数が24名、定足数は3分の1の8名となっております。本日は、井上委員、尾﨑委員、山口委員から欠席との御連絡をいただいております。21名の委員の皆様が御出席でございますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
次に、新たに委員に就任された方を御紹介申し上げます。
一般社団法人知ろう小児医療守ろう子ども達の会理事、野村さちい委員でございます。
次に、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。お手元に議事次第、座席表、委員名簿のほか、資料1-1~資料5をお配りしています。また、委員の皆様には、3つ目の議題の「医療機能情報提供制度の報告項目の改正」に関連しまして、机上配布資料もお配りしております。
資料に不足等がございましたら、お知らせいただければと思います。
もし、報道の方でカメラ撮りをされている方がいらっしゃいましたら、ここまででお願いいたします。
以降の進行は、永井部会長にお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
○永井部会長 それでは、ただいまから議題に入ります。
初めに、欠席の尾﨑委員の代理としまして家保参考人の御出席をお認めいただきますようお願いいたします。よろしいでしょうか。
(異議なしと声あり)
○永井部会長 ありがとうございます。
では、議題に入ります。
まず、「医政局関連予算・税制について」、事務局から説明をお願いいたします。
○総務課長 医政局総務課長でございます。お手元の資料1-1、1-2に従いまして説明させていただきたいと思います。本年も御指導のほど、よろしくお願いいたします。
資料1-1が、平成31年度予算案の概要でございます。概算要求につきましては前回9月に御報告させていただきましたが、予算案ということで調いましたので御紹介させていただきます。
31年度の予算案につきましては2190億1800万円ということで、一次補正、二次補正、本年度の補正予算を合わせますと2428億4200万円という形になっております。30年度、今年度の当初予算との比較で言いますと、医政局分につきましては来年度予算との比較で12.9%増、補正も合わせますと25.2%増ということになっております。厚労省全体で2.9%の増の中で、医政局分というのは非常に大きな増を認めていただいたということでございます。
現下の政策課題、特に生産性の向上や働き方改革、こういうものにつきましても多くの新規事業を企画させていただきまして要求させていただいたところ、お認めいただくということで調った部分が多いということを御報告させていただきたいと思います。
31年度の主要施策、下半分をごらんいただければと思います。私どもの医政局の予算案につきましては、4つの柱を立てさせていただいております。
1番が、「地域医療構想の達成に向けた取組の推進」ということで、今回につきましては医療分1034億円ということで、100億円の増という形になったところでございます。
2番目、「医療分野の生産性の向上及び働き方改革の推進」につきましては、2020年度本格稼働を目指しております保険医療記録共有サービス実証事業、また、Tele-ICU等、勤務環境の改善、生産性の向上の新規事業関係につきましても計上しているところでございます。
3番目、「質が高く効率的な医療提供体制の確保」というところでは、先般成立いたしました医療法改正の施行の準備といたしまして、地域間の医師・診療科偏在の解消など、医師偏在対策の推進であるとか、また、救急・災害医療の充実ということで242億円という形での計上等をさせていただいているところでございます。また、医療の国際展開の推進につきましても16億円ということで、大幅増の新規予算という形になっているところでございます。
4番目でございますが、「医療関連産業の活性化及び医療分野の研究開発の促進」ということで、これも従来から取り組んでおります、高い創薬力を持つ産業構造への転換等につきまして所要の予算を計上させていただいているところでございます。
次ページ以降が、それぞれの主要項目についての説明書きと内容でございます。
1ページ、主要施策のところですが、今申し上げましたように、1034億円という形での地域医療介護総合確保基金。その次のページにつきましても、ここで【新規】と書いてあるところにつきましては新規予算という形での新たな事業という形でございます。地域医療構想をより進めるためのそれぞれの推進事業を支援していく事業、またトップマネジメント研修事業等も計上しております。
また、生産性向上、働き方改革につきましても、3ページにございますようなそれぞれのメニューを開始したいと考えているところでございます。
また、5ページは、提供体制につきまして、今申し上げました医師少数区域対策ということでのそれぞれの事業を開始したいと考えているところでございます。
6ページ、7ページにつきまして、従前から行っております救急・災害医療、小児・周産期、こういうものにつきましても一部新規事業を織りまぜながら充実をさせていただいているところでございます。
一方で、資料1-2をごらんいただければと思います。税制改正の概要でございます。今年度も幾つかの税制改正要望につきましてはお認めいただいたところでございます。
重立ったところを御紹介させていただきます。1ページをごらんいただければと思います。地域医療における医療提供体制の確保に資する設備の特別償却制度、これは今まで高額医療機器の特別償却制度という形で2年ごとの延長をしていたものでございますが、ここにつきましては高額な医療機器のみならず、医師の勤務時間短縮のための必要な機器、備品であるとか、地域医療構想に資する建物、設備の整備というものについても拡充をしていくという形にしたわけでございます。
また、真ん中にございます、試験研究を行った場合の法人税額等の特別控除の延長及び拡充につきましても、現下の研究開発に資するという観点から充実を図ったところでございます。具体的には、制度全体としての控除上限の引き上げ、試験研究割合の高い企業に対する控除率の上乗せ措置などを実現したというところでございます。
2ページをごらんいただきますと、「生活衛生」と書いてあるところでございますが、個人事業者の事業用資産に係る事業承継時の負担軽減措置の創設。これは中小企業庁とともに要求したものでございますが、いわゆる個人事業主の事業承継を促すために、10年間限定で、土地、建物、機械・器具備品、こういうものについての贈与税、相続税を100%納税猶予する制度の創設が認められているところでございます。
このような税制改正の結果、また予算につきまして、これに従いまして来年度以降の施策の展開を進めてまいりたいと思っております。
概略は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○永井部会長 ありがとうございます。
では、御質問、御意見がおありの方は御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
中川委員、どうぞ。
○中川委員 1ページの地域医療介護総合確保基金について質問ですが、100億円ふえたと。どうしてふえたのですか。
○医政局長 医政局長でございます。
私ども、今回の2019年度の予算、あるいは税制の議論に当たりましては、今、急務の事実であり、医療部会の委員の皆様方にも御尽力をいただいております地域医療構想の実現に向けて、かつ、それを医療機関それぞれの行動変容を見える化しながらお願いするというような仕掛けの中で推進するために、どのような予算あるいは税制が必要かという問題意識から取り組ませていただきました。
夏からのいろいろな予算折衝、あるいは税制改正の協議の中で、最終的に全体を通じてここの分野についてはこれまでの関係者の方々の思いや、地方自治体を初めとする現場にとおける取り組みの状況というものを踏まえて、こういう形での増が必要だというふうに、政府として予算案の決定に当たって判断ができたということでございます。
この具体的な執行に当たりましては、これまでいろいろな御意見をいただいておりますので、私どもとしても、先ほど申し上げましたような、大きな地域医療構想を具体的に進めるということに向けるよう、努力をさせていただきたいと思っております。
○中川委員 ふえたのが悪いと言っているのではないのです。わかりやすく聞くと、要望したのですか。
○医政局長 医政局長でございます。
地域医療介護総合確保基金につきましては、その財源が消費税財源ということになっておりまして、夏の段階でも消費税財源については年末までの協議事項、いわゆる事項要求という形で扱ってまいりましたので、今のような要求の中で、先ほど申し上げたような趣旨で政府としての予算案決定に当たって判断をするに至ったと御理解いただければ幸いです。
○中川委員 わかりました。模範的なお答えだと思いますが、執行残は年々ふえていますか、減っていますか、同じぐらいですか。
○地域医療計画課長 計画課長でございます。
基金の執行残につきましては、今年度につきましてはまだわかりませんが、余り大幅な残が残っているような傾向は見られていないという認識をしているところでございます。
○中川委員 大幅な残が残っていないとのお答えですが、大幅というのは何億のことを言うのですか。
○地域医療計画課長 執行残という物の考え方があると思いますけれども、確かにまだ都道府県におきまして執行されていない基金の額はございます。ただし、その基金については使い方が見えているといいますか、次年度以降、計画がきちんとひもづけられているものにつきましては残っておりますが、ひもづけされていなくて、ただ単に残っているというものにつきましては、今年度、その予算を再配分させていただきましたので、そういった意味ではまるで使い道のない執行残はないと認識しております。
○中川委員 だから、執行残は結構あるのではないですか。今の課長の答弁自体が。だから、執行残がどのぐらいあるのかとか、年々ふえているのか、横ばいなのかということも全部把握してなければだめではないですか。
なぜそんなことを聞くかというと、おわかりだと思いますが、使い勝手が非常に悪いのです。1ページの(1)、(2)、(3)は、医政局として財政当局と一生懸命交渉してくれているとは聞いていますが、相変わらず都道府県からも使い勝手が非常に悪くて困っているのだと。特にこの3つの柱。どうしても(1)の柱に財源を集中するというのが財政当局の方針らしいのですが、ぜひ、総務課長、あなたのお力を100%か150%発揮して、本当に使い勝手がいい、せっかく100億円もふやしていただいたのですから、もっとさらに柔軟な使い方ができるようなことを実現していただきたいと思いますが、御決意のほど。
○総務課長 地域医療構想の関係、それに向けた地域医療介護総合確保基金というものにつきましてはたしか平成26年度からスタートをしております。そういう中で、この執行につきましてもめり張りをつけるという政府全体の要請もある中で、財務当局とこれまでどのような形で配分し、また執行していけば地域のためになるのかということについては真摯に議論を行ってまいりました。
各都道府県から使い勝手が悪い、また医療界もしくは関係各所からもうちょっと弾力的に使えないかという御意見はございます。そういう中で、私は当初の趣旨を維持しながら、将来的なことも考えて、どういう形でメニューを充実させていったらいいかということは、常に財政当局とも協議をしているところでございます。
御趣旨はよくわかりますが、1つは基本的にはやはり病床の役割というものにつきまして、機能分化と再編に資する観点から消費税財源を使うということでありますので、そういうことから考えてどういう配分をすればいいのか。これはおのずとそれなりの趣旨というのはある中で、地域のニーズに応じたメニューというものをそれぞれ調整を毎年させていただいているということでございます。
今後も引き続き、財政当局とも議論していきます。
○中川委員 課長、1ページの(1)(2)(3)は全て病床の機能分化と連携に資するものなのです。そのことを財政当局に理解してもらうような努力をしていただきたいと思うのです。
お答えを。
○総務課長 そのような形で常に交渉を進めてまいりたいと考えております。また、状況につきましては、適宜、医療部会にも御報告させていただきたいと思っております。
○中川委員 長くなりますが、済みません。
これに関して都道府県が事業計画をつくるわけですが、都道府県間の温度差がすごくあるのです。都道府県ごとの理解が非常に違うのです。ですから、都道府県に対してもう少し丁寧な説明というか、例えば(1)の趣旨で何とかうまく(2)(3)に活用できないかとか、そういう事業計画をつくる指導というか、アドバイスをもう少しきめ細かくやってほしいと思います。
計画課長も。
○地域医療計画課長 先生がおっしゃる御趣旨は私どもも重々承知しているつもりでございますし、また都道府県に個別にヒアリングさせていただいておりますが、その際にもやはり先生がおっしゃっていただきました(2)(3)(1)ことも含めて、都道府県と個別にヒアリングさせていただいておりますので、これにつきましては引き続き都道府県に十分説明しながら協議をさせていただきたいと思います。
○中川委員 よろしくお願いします。
○永井部会長 ほかにいかがでしょうか。
田中部会長代理。
○田中部会長代理 今出たように、(1)(2)(3)の比率が(2)(3)を合わせて45%程度になっているのは大変結構だと思いますが、(2)と(3)の内訳はまだ決まっていないということですね。内数と書いてありますが。
○地域医療計画課長 (2)と(3)の内訳は決まっておりません。
○田中部会長代理 いつごろまでに決まりますか。
○地域医療計画課長 これにつきましては、一応(1)と(2)(3)ということで配分させていただいておりまして、(2)(3)につきましては各都道府県の要望を反映させながら最終的な決定をさせていただきたいと思っています。
○田中部会長代理 ありがとうございます。
○永井部会長 ほかに御発言はございませんか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、ただいまの議論を踏まえて、事務局におかれましては対応をお願いいたします。
続いて、「臨床研究中核病院の承認要件の見直しについて」です。事務局から説明をお願いいたします。
○治験推進室長 説明いたします。資料2をご覧ください。
1ページを見ていただければと思います。これは昨年度の資料からの抜粋でございます。平成29年11月の医療部会におきまして、臨床研究法施行に伴う臨床研究中核病院の承認要件における特定臨床研究の定義を、従来の治験または医学系指針における侵襲介入研究というものから、治験または臨床研究法の臨床研究というふうに変更することについて、当部会で御了承いただき、平成30年4月に関係法令の改正をさせていただきました。
2ページをご覧ください。その際、医学系指針における侵襲介入の臨床研究と、いわゆる臨床研究法の臨床研究の関係につきましては、概ね同様の臨床研究が該当しますが、同一の定義ではないことから、その当時の実績数要件を変更する必要がないかどうか、平成30年度中に検討することとされておりました。
4ページをご覧ください。そこで、各臨床研究中核病院に対しまして過去3年分の研究数と論文数の調査を行った結果、変更前の治験または医学系指針における侵襲介入の臨床研究と、変更後の治験または臨床研究法の臨床研究では、ほぼ同数の実績となることがわかり、積極的に数値を変更することの根拠は得られませんでした。
したがって、今後、具体的な基準につきましては、研究数と論文数のいずれも従来の数値から変更する必要はない。すなわち、4ページに示しております80件、30件、45件、この数値を御提案させていただきたいと思っております。
5ページをご覧ください。臨床研究中核病院のあり方でございますけれども、今後の検討につきましては、臨床研究・治験のあり方全体の中で議論することが適切と考えております。まずは、臨床研究・治験のあり方における臨床研究中核病院の位置づけにつきまして、厚生科学審議会臨床研究部会において御議論いただいた上で、その内容を踏まえて本部会におきましても御議論いただくことにしてはどうかと考えております。
以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
それでは、御質問をお願いいたします。よろしいでしょうか。
御異議がなければ、この件は了解といたします。
楠岡委員、どうぞ。
○楠岡委員 1点だけ確認ですが、6ページの(参考)で、年度ごとの適用基準というのは、例えば31年度申請のときの31年度分という「分」というのは、どこを起点に「分」としているのですか。
○治験推進室長 実際に申請するにおきましては、過去3年分、過去3年というのは前年度から3年分もしくは申請日の前の日から3年分のどちらかを選べるのですが、過去3年分ということになっております。
そうしますと、当時研究を行った時点で旧基準で行っているケース、あるいは旧基準で行ったのだけれども、経過措置期間中に新しい法律に基づく研究に置きかえているケース等がございます。また、論文等につきましては、研究と違って、その後論文になるまでに一定の時間を置きますので、このように段階的な移行をしているということでございます。
○楠岡委員 研究の開始時点が新基準というのはわかるのですけれども、論文のほうの研究終了時点が、例えば31年度申請では31年度分が新基準というのは、これはどう解釈を。31年度分としてカウントする分の論文が掲載された時点なのか、論文に書いている内容の研究終了時点が31年度で、そのときには新基準にのっとって実施した研究の論文、そういう解釈ということでしょうか。
○治験推進室長 これは研究終了時点で考えておりまして、もしそれが旧基準に従って行われた研究であって、特に法律に基づく乗りかえをしていないものであれば、それは旧基準に基づいてカウントしていいという考え方でございます。ただ、それが旧基準で実施したのだけれども、経過措置期間中に新しい法律に基づく研究に乗りかえをしている場合には、それは新基準で行ってくださいという見方でございます。
○楠岡委員 終了時点で新基準を満たしているもの。31年度は当然全部、新基準にのっとって実施しているわけなので、終了時点は31年度は新基準になっているものを、それを論文化したという点でのカウントということで、その論文化の時点は特に決めていないという理解でよろしいわけですか。
○治験推進室長 はい。
○楠岡委員 わかりました。
○永井部会長 いかがでしょうか。
臨床研究法が施行されてから何か大きな動きというのはあるのでしょうか。件数が減ったとか、むしろやりやすくなったとか、そのあたりの動きというのはまだ把握はできないでしょうか。
○治験推進室長 具体的に、先ほど御説明しましたとおり、厚生科学審議会の臨床研究部会で今後のあり方を議論する上で、今どういう状況になっているかということを把握し、今後、どういう活性化の方向に持っていくかという議論をまさに始めたところでございますので、その中でそういったことについて明らかになってくると思っております。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
加納委員。
○加納委員 ありがとうございます。
現基準及び今までの旧基準もそうなのですが、医師主導治験4件または臨床研究法の臨床研究80件という条件ですが、これは現状ではどちらでクリアされているか、割合はわかられているわけでしょうか。もちろんわかられていると思うのですが、どれぐらいの比率なのでしょうか。
○治験推進室長 今おっしゃったとおり、今の基準につきましては医師主導治験または医薬品等の臨床研究と、「又は規定」になっております。今回の調査において過去3年分の試験についてカウントしたところ、これについては今のところ医師主導治験の件数の方でクリアをしていたという状況でございます。
ただ、これは毎年、過去3年分の変動がございますので、最初に臨床研究中核病院として承認された時点において、いわゆる医師主導治験ではなくて、医薬品等の臨床研究の方の基準で承認された施設も一部ございます。ただ、これが年々、過去3年分のカウントが変わってきますので、状況が毎年変わってくるという状況でございます。
○加納委員 お聞きしたのは、研究数では現基準で非常にふえているのに、80件という基準が変わらなかったというのは、主体的に医師主導治験のほうでクリアされている方が多いという形になっていることで、余り影響はないということなのでしょうか。
○治験推進室長 今回の調査では、いずれも医師主導治験の方の基準をクリアしていたということで、医薬品等の臨床研究につきましては、今考えられるのは、指針で行っていた当時とほぼ同様の研究が該当するのですけれども、一部、周辺の研究で、例えば食品を臨床目的に使った研究であるとか、あるいはバイオマーカーを検証するための研究であるとか、一部新しく対象になった、あるいは対象にならなくなったという部分がございますので、そういうところがカウントに影響にしているのだろうと推測しております。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
それでは、今の議論を踏まえて対応をお願いいたします。
次に、「医療機能情報提供制度の報告項目の改正について」、事務局から説明をお願いいたします。
○保健医療技術調整官 事務局です。資料3の「医療機能情報提供制度の報告項目の改正について」という資料について御説明させていただきます。
1枚おめくりいただきまして、「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」の概要をつけております。医療機能情報提供制度の報告項目の見直しについて、当該検討会において議論をしております。本日は、その議論の結果を御報告させていただきたいと思っております。
2ページ、医療機能情報提供制度の概要をお示しした資料になります。この制度は、患者さんが医療機関の選択を適切に行うために、必要な情報を医療機関が都道府県へ報告をし、都道府県がその情報を集約し、わかりやすく提供する、そういった制度になっております。ですので、各都道府県でシステムを構築し、運用されている。そういった状況であります。東京都でいいますと、「ひまわり」という形でシステムが運用されております。
こちらの制度につきまして、3ページ目ですけれども、検討会においては報告項目の見直しに当たっての視点ということで、患者の適切な医療機関選択の目安となる項目を追加しましょうと。また、不要な項目は削除しましょうと。そういった視点で検討をしてまいりました。
4ページが議論の結果となります。新たに追加・修正する項目の一覧になります。1つ目はかかりつけ医機能、2つ目として病院の機能分類、3つ目として医療機器による医療被ばく線量の管理、4つ目として30年度の報酬改定に伴う項目、それ以外に介護医療院とか診療録の開示請求時の料金とか、JCIによる認定、こういったものを追加するということで御議論をまとめさせていただいているところです。
具体の中身に入っていきます。1枚おめくりいただきまして、かかりつけ医機能についてです。かかりつけ医機能に関しましては、診療報酬上の評価がなされているところですので、そういった項目について届け出がなされているかどうか、届け出状況を報告していただくという内容となっております。
6ページ、かかりつけ医機能の実施状況になりますけれども、4つ報告項目を挙げさせていただいておりますが、この内容自体はその次の7ページ目にあります日本医師会・四病院団体協議会が合同提言という形で取りまとめていただいております「かかりつけ医機能」の定義を踏まえて、4つの機能を報告していただくということで整理をさせていただいているところです。具体的には、日常的な医学管理と重症化予防、地域の医療機関等との連携、在宅療養支援、介護等との連携、適切かつわかりやすい情報の提供といった内容となります。
次が8ページ、病院の機能分類になりますけれども、新たに創設されている病院類型を追加する方針として整理をさせていただいております。ここにありますように、具体的にはがんゲノム医療中核拠点病院、小児がん拠点病院、都道府県アレルギー疾患医療拠点病院、こういったものが追加する項目となっております。
9ページ目が、がん拠点病院制度の概要をお示しした資料となっております。
10ページ目が、「アレルギー疾患医療提供体制の在り方に関する検討会」の報告書の概要をつけさせていただいております。
11ページ目、医療機器による医療被ばく線量の管理ということですけれども、被ばく線量が相対的に高いCTとか透視診断装置を対象として、照射線量を表示する機能別に保有台数を報告していただく、そういった内容としております。
この内容自体が追加された背景ですけれども、12ページ目になりますが、昨年、「医療放射線の適正管理に関する検討会」において議論をさせていただいているところです。こちらの議論の結果を踏まえてこの内容を項目として追加するということを検討会ではお認めいただいているところです。
13ページ目になりますけれども、医療被ばくに伴う患者のリスクを最小化する観点からは、被ばく線量が相対的に高い検査については、被ばく線量の記録と患者への提供を行うことが適当であり、医療機関の管理者に対しても対象医療機器について医療被ばくの線量管理・線量記録の実施を義務づける、こういった内容が盛り込まれているところであり、この内容については以前の医療部会においても御説明をさせていただいているところです。
実際、線量の記録をつけるに当たっては、CT等の装置のほうに線量を表示する機能がついている必要がありますので、そういった線量表示がついている機能のCTについて、今回報告をしていただく。そういった内容としているところです。
14ページが新たに削除する項目になりますけれども、今回、医療機能情報提供制度の報告項目を全部点検したところ、例えば診療所に対する臨床研究中核病院の指定とか、論理的にあり得ない組み合わせが報告事項にまじっているといった状況もありますので、こういった項目に関しては全て削除するということで整理をさせていただきたいと考えております。それ以外にも、法改正とか診療報酬改定により廃止となった項目がありますので、こういった項目についても削除するということで作業をさせていただきたいと、取りまとめさせていただいているところです。
15ページ目が今後の改正のスケジュールになりますけれども、本日、医療部会にお諮りさせていただいているところでありますけれども、今月中にパブリックコメントを実施し、来月に省令・告示の公布、施行ができるように進めていきたいと考えております。
16ページは平成31年度予算案ということで、17ページに事業の概要資料をつけさせていただいておりますけれども、来年度、今、医療機能情報提供制度自体が各都道府県それぞれにシステムをつくって運用されているといった状況があり、使い勝手も各都道府県によってさまざまな状況でありますので、来年度の予算として各都道府県の今の実態を把握し、将来的にはシステムを一本化する方向でそういった詳細を詰めていく、そういった予算等を来年度予定したいと考えているところです。ですので、医療機能情報提供制度の改善に向けた取り組みというのは、引き続き検討していきたいと考えているところです。
事務局からの説明は以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
それでは、御質問、御意見をお願いいたします。
山崎委員。
○山崎委員 患者さんが適切な医療機関選択の目安となる項目ですが、今の状態は基本的な情報が抜けていると思います。例えば、精神科医療では、心療内科がたくさんできていますが、心療内科の先生が心療内科を標榜するだけのキャリアをどこの病院でどう積み上げたかという情報は全く患者さんにはわからない状態で、単に看板を見て受診をしていくという形になっていて、その先生が心療内科医としてのキャリアを積んでいるかといった情報は患者さん側に開示する必要があると思います。 自由標榜制の中で誰でも自由に診療科を標榜して開業できる仕組みになっていますが、ことに精神科の中でも、鬱病の患者さんはきちんとキャリアを積んだ先生が診なければ大変な結果になる事も予想されるので、基本的な情報を国民目線でわかるような情報開示の方法は考えられないのでしょうか。
○永井部会長 いかがでしょうか。事務局から。
○保健医療技術調整官 本日、机上配布資料ということで、現状既に報告項目として盛り込んである内容を簡単につけさせていただいているところです。
今御指摘された診療科についても、報告項目としては盛り込まれているところであります。それ以外にも、各手術の処置等についての情報についても盛り込まれています。そういった状況ではあります。また、学会認定の専門医についても、現状としては報告項目として入っている。そういった状況となっておりますが、さらにもっとわかりやすく工夫をするよう考えなさいという御指摘だと思いますので、そういった観点については引き続き事務局として受けとめて検討させていただきたいと思います。
○永井部会長 中川委員。
○中川委員 この医療機能情報提供制度ですけれども、患者の適切な医療機関選択の目安となる項目を追加すると言っているけれども、利用する患者さんの利便性を第一に考えているのですか。
○保健医療技術調整官 患者さんがどこか医療機関を受診したい、そういったときに選択するに当たって必要な情報を提供する、そういった思想でつくっております。
○中川委員 こういう情報を見て、患者さんが医療機関を選択できると思いますか。
○保健医療技術調整官 今、研究班等で調査していただいた結果を見ると、医療機能情報提供制度を使った方に関しては、使ってよかったといった感想を持っている方が8~9割という結果をいただいているところですが、他方で医療機能情報提供制度の認知度というところになると、1割ぐらいの方しか医療機能情報提供制度を知らない。そういった実態がありますので、認知度をどう高めていくのか、ここはしっかりと取り組んでいかなければいけない課題だと思いますし、報告項目の中身についても引き続き改善のための努力をしていかないといけないと思っております。
○中川委員 こういう細かい報告を見て、患者さんが自分にはこの病院が適切だなんていう判断は到底できませんよ。医療機関がこの患者さんはどこがいいかというふうに考える目安というのならわかりますよ。そもそも基本的なスタンスが定まっていない。
それで、全国の都道府県のウエブサイトを見ていると思うけれども、物すごい格差があって、本当に稚拙なものから、細か過ぎて到底理解できないものまで、これはほとんど行政の自己満足ですよ。こういうふうに表面的にふわっとやって、不必要なものは削除しますよとか、いろいろなことをやっているけれども、ほとんど役立っていないのです。これからは真面目にやってもらえますか。
○保健医療技術調整官 委員の御指摘はごもっともな御意見だと思っております。ですので、各都道府県でかなりばらつきがある状況であり、その中でも本当に使い勝手のいいシステムを運用している自治体もあると思っておりますので、まずは来年度、各都道府県の今の制度の運用実態をしっかりと調べて、将来的には47都道府県が独自にシステムを運用するのではなく、一本にまとめて、各都道府県の今まで培ってきたいいところをしっかりと取り込んで、より使い勝手のいいものをつくっていきたいと事務局としては考えているところです。
○中川委員 それは逆ですよ。各都道府県が地域の独自性を発揮して、患者さんの適切な医療機関の選択に資するようなものを工夫していかなければだめなのですよ。全国一律の情報提供制度ではだめなのです。全く逆だと思いますよ。
○総務課長 総務課長でございます。
先ほど、山崎委員、中川委員から御指摘いただいたことは至極もっともな話でございますし、私どもも報告項目につきましては、平成19年に開始して、制度10年の節目もあるということで、項目の整理をするということをまずはさせていただきましたが、確かに、要するに利用者目線であるとか、また地域における工夫というものをどう取り入れていくのか、そして、実際に診療科を標榜していても中身がどうであるのか、真に求められるような情報をどう提供するかというところの突っ込んだ議論は今後とも必要だと思っております。
この報告項目の見直しに当たりましては、先ほど調整官から御報告させていただきましたように、「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」というところで御議論いただいて、その結果を今回報告させていただいているところでございますが、このような御意見、御指摘があったことをしっかりとお伝えをするとともに、まさに地域間の格差というものをどう捉えるのか、また、地方で工夫されている、またインターネットで提供されている情報の中でも独自に項目を追加して提供している都道府県もございますので、そういう取り組みも子細に見て、実際にそれが役に立っているのかどうか。
それから、もう一つの課題としては、今、調整官から申し上げましたように、認知度が10%であるというところも引き上げていく。これは当然ながら、魅力のある情報提供の仕組みとバランスということになりますので、それも工夫させていただきたいと考えております。
○永井部会長 よろしいですか。
○中川委員 余りよろしくないけれども、もういいです。
○永井部会長 ほかに御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、今の御意見を踏まえて対応をお願いいたします。
次に参ります。「国立高度専門医療研究センターの今後の在り方検討会について」、事務局から説明をお願いいたします。
○医療・研究開発独立行政法人管理室長 国立高度専門医療研究センター、NCと呼んでおりますが、平成22年度に独立行政法人化し、平成27年度に国立研究開発法人化されまして、国立がん研究センターとか国立循環器病研究センターなど、全国に6法人が設置されております。
昨今、健康・医療戦略推進法の制定とかAMEDの発足など、医療分野の研究開発をめぐる環境が変化していること、また、総務省からNCの組織のあり方等について検討すべきではないか、こういう勧告がなされていることから、NCの今後のあり方を御議論いただく場として、昨年の3月にNCの今後のあり方検討会を設置しまして、昨年12月に開催しました第9回をもちまして報告書が取りまとめられたところでございます。
この構成員につきましては、資料の19ページをごらんいただければと考えております。
ちょっと資料が多くて申しわけないのですが、主には資料の10ページから13ページに記載してございますけれども、検討会におきましては近年患者像が多様化、複雑化する医療情勢に対応するためには、NCのさらなる連携と機能強化により、がん、精神神経疾患、認知症など、疾患の専門的な研究のみならず、疾患横断的に対応する必要があること。また、NCを含めた我が国の研究機関におきます論文数の国際的なランキングの低下も顕在化している。こういう状況を踏まえまして、我が国全体におきます臨床研究力のさらなる向上にと向けた取り組み、それと臨床研究の実施体制のあり方につきましても検討が必要であるとされたところでございます。
NCにおきましては、引き続き先進的な医療技術や治療法の開発と、全国の均てん化に取り組むこと。NC間で診療情報等のデータの集積と共有を進めて、データベースやレジストリを構築し、疾患横断的な研究開発を進めること。これらの取り組みを進めるために、専門的人材の確保、知財、産学連携強化と外部資金のさらなる獲得、臨床研究体制の強化などに取り組むこととしております。このため、当面は疾患横断的な研究推進組織を6NCの内部組織として設置し、速やかな実現に取り組むこととしております。
また、我が国の臨床研究の実施体制のあり方につきましては、引き続き検討を深めることとしております。
将来的な組織のあり方は、我が国全体における臨床研究の実施体制のあり方などを検討しつつ、横断的な研究推進組織の状況や効果、課題の検証を行いながら、検討会で検討された組織類型の案も踏まえまして、可能な限り早期に結論を出すこととしております。
以上、簡単でございますが、報告書の概要について御報告いたしました。
○永井部会長 ありがとうございます。これは私が座長を務めましたので、少し補足させていただきます。
今、世界の臨床研究あるいは疾患研究に関する情勢を鑑みて、今の6つのナショナルセンターの横断的な機能、臨床においても、あるいは研究においても横断性を高める必要がある。臨床研究もそうですし、人材育成、産学官連携、あるいはいろいろなインフラについてももう少し横断的な機能を高める必要があるのではないか。実際の組織のあり方については、もう少し議論が必要でありますけれども、当面、横断的な組織を作り、そこでまず求められる役割を少しでも高めていくということが議論されました。
いかがでしょうか。加納委員、どうぞ。
○加納委員 この結果というものは、各NCにはある程度もうお話はなさっておられるものなのでしょうか。
○永井部会長 事務局、いかがでしょうか。
○医療・研究開発独立行政法人管理室長 報告書につきましては、各NCにも伝達してございます。
○加納委員 というのは、実は昨日、大阪の病院団体の会合の中で、豊能地区というところにある国立循環器病研究センターのお話が出てきました。この国立循環器病研究センターは、今まで循環器、脳卒中等に関しては大阪府の三次救急的な役割をするという形で役割分担的に決められていたのですが、突如として救命センター、三次救急になりたいと手を挙げたということをお聞きしました。皆さんから何でそういうことが起こるのだろうという話になったのですが、それはこの報告書の結果としてそういう動きが出てきているためなのでしょうか。
○医療・研究開発独立行政法人管理室長 それは報告書と直ちにリンクはしていないと思います。
報告書は研究力の強化を目的として検討されまして、その結果として横断的な研究組織を設置すべきとか、いろいろな組織類型の案を検討したということでございます。
○加納委員 大阪はまだまだ民間病院を中心とした二次救急を主体に地域医療を守っている中で、豊能地区というのは、大阪大学の救命センター、それから大阪で一番古いと言われる千里救命救急センターとで救命センターが2つある中で手を挙げられたので、どういうわけで手を挙げられるのかということが一つ疑問に思ったのです。
それと、国循ですから最高レベルの力は持っていらっしゃることはわかっていますので、その力でもって臨床現場で臨床数を獲得しようとしているという前提でそういう動きをされますと、地域を守っているいろいろな医療体系が非常に崩れやすくなります。先ほどおっしゃっていただいたように、全国の医療レベルを上げるという、研究を中心ということも一つあり、そういった面で臨床のあり方をしっかりと間違えないようにぜひとも指導していただきたいという話が出てきましたので、ちょっと御進言させていただいたわけです。
○永井部会長 実際に会議ではむしろ国立研究開発法人としてあるべき姿が議論されていまして、特に三次救急のあり方について、議論はなかったように記憶しております。
○加納委員 循環器ですから、心臓とか脳卒中とか、そういった分野だと思うのですが、民間医療機関がしっかりと担っているところもあります。ただ、こういう形で突出して出てこられれば、最先端の日本で一番の施設だと思いますので、その意味からもいろいろな形で、例えば大阪においてはNCでなければ、という話になってしまうととんでもない話ですし、大都会はいろいろな形で民間救急を中心に面で受ける体制づくりをしっかりやっているつもりでいますので、そこらを踏まえて、違う方向でいかれるなら、あるべき姿での御指導をぜひともお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○永井部会長 中川委員。
○中川委員 加納先生の今のお話は、むしろ地域医療構想の2025プランの話ではないですか。民間医療機関のできることを国循がやるというのでしょう。それが困るというわけでしょう。わかりやすく言うと。だから、それはナショナルセンターでなければできないことに特化していくべきだと。
永井先生が書かれたこの報告書は、むしろそういうことではない、もっと次元の違うことを書かれているわけですね。
○永井部会長 これは世界に冠たる国立研究開発法人をめざすという内容です。
○中川委員 我々もそう思いますよ。ナショナルセンターはそういうところを目指すべきで、地域医療の民間医療機関もやっていて競合しているところで頑張ることではないのですよね。そのことをぜひ強調しておきたいと思います。
○加納委員 よろしくお願いします。
○永井部会長 楠岡委員、どうぞ。
○楠岡委員 ナショナルセンターの大きな役割の1つは、基礎研究も含んでですけれども、臨床研究の推進というところで、イノベーションの中でいろいろなものを現実の国民の健康・福祉、あるいは治療に返していくというのが大きな役割だと思います。
先ほど少し出ていました臨床研究中核病院が、やはり同じような役割を持っている。それから、手前みそですけれども、我々の国立病院機構も国立病院機構法という法律の中で臨床研究の実施を義務づけられている。
このように、臨床研究をやらなければならない、あるいはやるところと定められているものが、NCは医療経営支援課、臨床研究中核病院は研究開発振興課というように、縦割りで担当されていてなかなか連携できていない。特にこれからリアルワールドデータを考える場合には、それぞれが持っているデータを1カ所に集めて分析・統合ができるようなシステムが必要になります。今回の報告書のなかに、6つのNCに関して臨床研究の横串が必要というような提言が出ているかと思います。そこで、NCにとどまらず、臨床研究中核病院とかそれ以外も含めて、大きな形で臨床研究推進基盤あるいは人材育成基盤をつくっていくように考えていただきたいと思います。
○永井部会長 これはまさに日本の臨床研究のあり方、あるいは医学研究のあり方全体にかかわる問題ですね。実際、ナショナルセンターの中でも臨床研究中核病院になっているのは、がんセンターと東病院だけなのです。その点も含めてもう少し底上げをするとともに、横断的にも展開していく必要がある。これはかなり大きな話になってきますので、今後もこの議論は続けていく必要がある。その上でナショセンをどうするかという話につながっていくだろうと思います。
よろしいでしょうか。ありがとうございます。
続いて、次の議題に参ります。資料5、人生会議(ACP)の取り組み状況について、御説明をお願いいたします。
○地域医療計画課長 計画課長でございます。
それでは、資料5「その他」の中の1ページをあけていただきまして、「人生会議(ACP)に関する取組状況について」を御報告させていただきます。
2ページ目でございますが、もともと「人生の最終段階におけます医療・ケアの普及・啓発の在り方に関する報告書」というものが30年3月29日に公表されております。この中で、下のほうに赤で囲んでおりますけれども、今後、普及・啓発の内容・方法という中で、国におきまして「考える日」の設定や、この日に合わせたイベントの開催、関連情報のポータルサイトやeラーニング等の学習サイトの開設、それからACPについて国民になじみやすい名称の検討ということが報告書の中で言われたところでございます。
この中で、特にACPについて国民になじみやすい名称を検討するため、3ページ目にございますが、ACPの愛称選定についてということで、事務局のほうといたしましてACP愛称選定委員会を組織しまして、この委員会を中心に愛称について一般公募をさせていただきまして、一般公募の中から愛称を選定したということになっております。
一般公募したときに、選定方法にありますけれども、応募総数は1カ月間で1,073件でございまして、その中から最終的に選定委員会のほうで議論をいただきまして、この「人生会議」という愛称が決定されたところでございます。
同時に、「考える日」の設定ということがございますので、この「考える日」につきましては11月30日(いいみとり、みとられ)を人生会議の日ということで、あわせて今回決定させていただきまして、これをもとに今後普及・啓発を図っていくこととしております。
また、この後でございますけれども、もう少したちますと、今年度の1月から2月ごろに、人生会議につきまして愛称が決まりましたので、今度はロゴにつきまして一般公募をして、そういった普及ツールをつくりたいと思っています。
こういったツールを活用しながら、今後ともいわゆるアドバンス・ケア・プランニング、人生会議について国民への理解の普及を図っていきたいと考えているところでございます。
以上です。
○医療政策企画官 続きまして、同じ資料の続きでございますけれども、「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」について御報告させていただきます。
6ページでございます。こちらは、「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」の概要でございます。この懇談会は10月5日にスタートして、12月17日まで5回開催して、宣言というものを懇談会としてまとめていただいたものでございます。
まず、設立の趣旨でございますけれども、患者が安心して必要な医療を受けるという観点からは、医師の働き方改革ですとか、地域における医師確保対策とか、医療提供側の取り組みだけでなく、患者さんやその家族である国民の医療のかかり方に関する理解というものを進めていくということが非常に大事だということでございまして、受診の必要性、どういった医療機関に行けばいいかという選択など、上手に医療にかかることができれば、患者サイドにとっても必要なときに適切な医療機関にかかることができる。それから、混雑の緩和にもつながる。その結果として、医療提供者側の過度な負担が緩和されて、ひいては医療の質・安全確保の観点からも効果が期待されるということでございます。
また、患者さん目線での検討ということでございますけれども、企業や保険者にとっても治療と仕事の両立に資するとか、患者が必要としない、適切な受診ということにもつながるということで、幅広い関係者の理解、協力が求められる取り組みであろうということで、関係者の役割なども整理しながら検討していくということでございます。
構成員については、こちらに書いてあるような、どちらかといいますと患者さん側というか、ユーザーサイドの目線で委員の方にお集まりいただき、議論を進めてきたということでございます。
次に、7ページでございます。第1回から第5回まで、かかり方に関する現状や、こうした上手な医療のかかり方について、実際に地域で活動されている民間団体とか自治体の皆様の取り組みをヒアリングしたり、あるいはチーム医療についてのヒアリング、それから実際のお医者さんの働き方についてのヒアリングということで、若手の勤務医の方からのヒアリング、それから医療の賢い選択というものを広める活動をされている先生方のヒアリング、日本医師会の今村参考人から、日本の医療のよさ、今後、持続するためにどういうことが必要か、さらに医師会のPRの取り組みなども御紹介いただきました。さらに、健康保険組合連合会からは河本参考人にお話しいただきまして、健保組合の取り組みについてもヒアリングをさせていただきました。
そうしたヒアリングなども踏まえまして、この懇談会としましては、8ページが懇談会としての成果物でございますけれども、「『いのちをまもり、医療をまもる』国民プロジェクト宣言!」と題したものを取りまとめられました。まず、病院や診療所にかかる全ての国民と医師・医療従事者のために、患者の命を守るということと医療を守る、この両方をやっていくために5つの方策を提案するといったものであります。
9ページでございます。まず、懇談会の議論の中で、医療の危機というのを共有していくことが非常に大事だということで、医療の危機と現場崩壊は深刻であると。これを「いのちをまもり、医療まもる」、日本にとって喫緊の課題だということをしっかりと伝えていこうということを基本的なコンセプトとして、この医療というのは全ての人に関係する、医療にかかわるということで全ての人が考え、参加し、行動すべき、国民的なプロジェクトということで位置づける。
ここに書いてありますような(1)~(5)のような5つの方策というのを基本的な考え方として、5つの柱を提案しております。
まずは、患者・家族の不安を解消する取り組みを最優先でということ。現場の危機である状況を広く共有すること。緊急時の相談電話やサイトを導入・周知・活用。信頼できる医療情報を見やすくまとめて提供する。チーム医療を徹底し、相談体制を確立するということを提言したものであります。
10ページは参考資料でございますけれども、医師の長時間労働とか勤務医の方が抑鬱状態にあるとか、自殺や死を考えている方が多いとか、ヒヤリ・ハットの状況とか、そういったものを示して危機を共有しているということでございます。
11ページはそれぞれの関係者側の要因ということで、例えば行政ですと国民や現場の医師の声が反映された政策形成、かかり方に関する必要な情報を必要な人にもっと提供すべきである。さらに、民間企業側ですけれども、具合が悪いときにしっかり休めるような柔軟な働き方。医療提供者側は、医師が一番という形ではなくてチーム医療をしっかり進めていこうということ。それから、患者側、住民側ですけれども、どうしてもお医者さんを頼りにしますけれども、やはりチーム医療ということをもっと理解していただいていいのではないかとか、まず大病院にということではなくて、症状に応じてかかるようにしてはどうかということです。
12ページ以降は、そうした状況を変えていくためにどのようなアクションをそれぞれの関係者がしていったらよいか、これも懇談会の議論の中で出てきた例という形で整理をしたものであります。
13ページ以降ですけれども、例えば「信頼できる医療情報サイト」、これは後に行政と民間が力を合わせてつくるということですけれども、そういったものの活用。それから、♯8000とか♯7119の電話相談の利用。医療提供者側につきましては、そういった医療のかかり方をいろいろな場で啓発をするということに御協力いただいたらいいのではないかということ。それから、医療情報サイトの情報をチェックして質を保つとか、タスクシフト・タスクシェアを進める。そういったようなことが提言されております。
14ページは行政側のアクションの例でございます。こうした提案も踏まえ、継続的にしっかりと取り組みを進めていくということ。サイトの構築、相談ダイヤルの体制整備、周知。いろいろな場で直接伝わるように、環境の整備を進めていく等々が提案されております。民間企業も、従業員の健康を守ることをしっかりと経営の柱にするということと、柔軟な働き方等々が提言されているところであります。
この提案を踏まえまして、具体的にこれから取り組みを進めていくわけでございますけれども、関係者の皆様ともよく相談させていただきながらしっかりと進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございました。
それでは、御質問、御意見をお願いいたします。どうぞ。
○平川委員 「上手な医療のかかり方を広める懇談会」についてですけれども、内容、方向性については大変重要なものが入っているのかなと思うのですが、一つは最後のページの14ページに民間企業のアクション例というのがあります。質問になるのですけれども、柔軟な働き方に関する指標というのがあるのですが、指標というのは何なのかということがわからないということと、行政アクションの例の中で、働く人が日中受診できる柔軟な働き方を進めるというのがあるのですが、これは行政のアクションの例としてもそうなのですけれども、民間企業に限定しているのもよくわかりません。民間企業の主体的な取り組みとして、日中でも仕事を続けながら病気の治療をすることができるようにするということは、民間企業のアクションとしても必要なのではないかなと思います。なぜ行政のアクションの例の中だけに入っているのかというのがよくわからない。これも質問をしたいと思います。
3つ目ですけれども、治療と仕事の両立に向けて、例えばがんや脳卒中などのやや重症で、繰り返し病気にかかることを想定したガイドラインというものがつくられているかと思いますけれども、そのガイドラインとの関係性はどうなっていくのか。
それに絡んで4つ目の質問ですが、例えば民間企業の皆さんに対してのガイドライン的なものをつくる方向性になっているのかどうかということについて質問をしたいと思います。
以上です。
○永井部会長 いかがでしょうか。
○医療政策企画官 まず、柔軟な働き方に関する指標でございますけれども、この懇談会において具体的にどういう指標をというところまでは結論として出ていませんが、どういったものが考えられるのかということは、これを踏まえて考えていきたいと思います。
行政のアクションの中に、働く人が日中受診できる柔軟な働き方を進めるということは、懇談会としてはそういう環境整備を行政でしっかり考えていくようにという形でこのように整理されておりますけれども、御指摘のように、もちろん企業において主体的に取り組まれるということももちろんあろうかと思います。
それから、治療と仕事の両立の関係のガイドラインにつきましては、こちらも今提言をいただいて、具体的にどういうことができるのかというのは、これから考えていきたいと思います。
○永井部会長 島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 2つあるのですけれども、1つは最初のアドバンス・ケア・プランニングのほうの話です。これは以前この場でも申し上げたのですけれども、「人生会議」という名称がいいかどうかは別にして、分かりやすい呼び名を設けたりロゴをつくることは別に悪いことだと思いませんが、それよりもはるかに重要なのは、アドバンス・ケア・プランニングによって決めた内容が実際の医療の現場にきちんと反映されることだと思います。
これも以前言ったことと重なりますけれども、例えば救急車を呼んだときに、こういう意思決定をしていることがきちっと救急隊員に伝わることが大切です。そういう仕組みを行政のルールとしてどういうふうにつくっていくのか。先ほど「必ずしも医師が全てではない、チームで」ということが言われましたけれども、医療の現場ではそのことが私は必ずしもよいと言うつもりはありませんけれども、お医者さんがどう言っているのかということが極めて重要な意味を持っているのは事実です。そうした中で、もし仮に、「人生会議」で決められたことがそのとおり反映されないとすると、これはアドバンス・ケア・プランニングの普及の一番大きな妨げになりますので、そういう検討をぜひ迅速に進めていただきたいというのが1つです。
2つ目ですけれども、上手な医療のかかり方の懇談会が医師の働き方の改革と対になっているというのは私も理解しておりますが、特に8ページ目の「『いのちをまもり、医療を守る』国民プロジェクト宣言!」とここまで強く言うのであれば、言葉が適切でないかもしれませんけれども、国民啓発的なことに加えて、実際に医療の現場で実効性が上がる方策についても議論を深めていただきたかったというのが私の意見です。
もう少し具体的なことを申し上げると、例えば13ページの市民のアクションの例として、「夜間・休日診療は自己負担額が高い、診療時間が短い、処方が短期間など、受ける側にもデメリットがある」となっていますが、実際問題として、例えば、多くの自治体では、少子化対策と称して乳幼児医療の無料化の対象年齢がどんどん上がっており、なおかつ、夜間・休日診療を含め、一部であれ自己負担をとるとか事後的な償還払いにするといった形ではなくて、窓口負担ゼロで行われている実態がありますが、それについてどのように考えるべきなのか。もちろんこれについてはいろいろな議論があることは承知しておりますが、一方で医師の働き方改革が現実問題として何時間を労働時間の上限にするかどうか、そういうシビアというか生々しいというか、厳しい状況に置かれているのに比べ、ちょっとバランスのとり方としていかがなものかという印象をもちます。
以上、感想と意見です。
○永井部会長 よろしければ事務局から、今の感想に対していかがでしょうか。
○地域医療計画課長 御指摘ありがとうございます。
先生がおっしゃるとおり、ACPという名称だけが普及するのではなくて、その中身がきちんと普及しなければいけないというのは先生が御指摘のとおりでございます。それにつきましては、どうやって中身を充実させていくかということについては、今後、我々も検討していきたいと思いますし、その一端といたしましては、前回の「人生の最終段階における医療・ケアの普及・啓発に関する報告書」の中でガイドラインが出されましたけれども、そういったガイドラインを医療現場の中で活用するかということについては、一定の報酬の中では評価するような項目も入っておりますので、そういったものも含めながら全体的に、これは医療現場、関係者だけではなくて、国民も含めて現場でどういう反映ができるかということにつきましては、今後とも真摯に検討していきたいと考えております。
○永井部会長 相澤委員、安部委員、どうぞ。
○相澤委員 上手な医療のかかり方を広めるという、ここですが、誰をターゲットにやっていくのかということが明確でないと、働きかけ方が違うのです。子供を持っているお母さんに働きかけるのか、75歳以上の御高齢の方に働きかけるのか、全く方法論と内容が違うのです。こんなことを言ったら申しわけないけれども、くそもみそも一緒にやっても効果は上がりません。ターゲットを絞って、そのターゲットに必要なものをターゲットごとにしっかりとやっていく。これをやらなかったら効果はありません。これが第1点。
もう一つ、医療の現場からいくと、今一番困っているのは、老人ホームとか老人の専用の住居に入っている方を、夜、休祭日に救急車で運んできていただくことです。これは非常に困ります。そういうところに暮らしている人が、大したことがないのにすぐ使ってくるわけです。これはそういう施設で働いている人に教育をしないと、全く意味がありません。
そして、そういう施設と医師やあるいは訪問看護がいかに連携をとって、病院に来ないようにするのかというのは極めて大事なことで、救急車はどういう方が多いのかを調べてもらえばわかりますが、御高齢の方で、軽症の方で、老人ホームや老人施設から来られる方が非常に多いです。これを何とかしないと、救急の現場は疲弊して倒れるわけです。ですから、これを何とかすることをぜひ入れてほしいとお願いします。
○総務課長 総務課長でございます。
今、「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」についての御報告をさせていただいて、それを契機に幾つかの現象面、それから現場での問題点ということについての御指摘と御見解をいただきました。
私どもも、「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」自体は、国民全体として医療を考えるべきであって、そういうところで各方面がどのように行動を変容させていくべきかということについて自由に御意見を賜った上で発信をしていくというところが非常に大きな目的でございました。
そういうことから申しますと、さらにこれから、今、島崎委員からございましたような、いわゆる制度的な要因としてどういうものが影響しているのか。また、相澤委員から御指摘がありましたような、ターゲットごとにどのような形でアプローチをすれば行動変容につながっていくのかというところについては、これからきちんと分析、もしくはどのような形でPR、もしくは行動変容を促していくのが効果的か、しっかりと考えていきたいと思っております。
今回のこの資料の中でも市民のアクションの例と書いてございますので、こういうものをきっかけにし、これを見ながら、まさにターゲット、もしくは制度的なもの、そして実際に行動変容を促しながらみんなで支える環境をつくっていくというものをどうしたらいいかというのは、この場でも、またほかの場でも検討、そして議論をいただきながら続けていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○永井部会長 それでは、安部委員、どうぞ。
○安部委員 上手な医療のかかり方に関してでありますけれども、ふだんから私が感じているのは、平成26年10月に医療法第6条の第2の3項、国民の医療をしっかりと理解を深めて適切に選択を行い、医療を適切に受けるよう努めるというような努力義務が規定されました。また、26年11月に薬機法第1条の6に、国民が医薬品の適正使用に努めるということが示されています。
私はいろいろな機会にこの2つの法改正について話をするようにしているわけですが、薬剤師をふくめて医療従事者は、この法律が変わったことを知っている人は非常に少ないと思います。また、患者さんの団体や患者さん向けの会でこのことを話しても、知っている方はほぼ皆無であります。上手な医療のかかり方を広める上で、その基本となる医療法、薬機法もしっかり国民にわかりやすく説明できるような工夫も必要かと思います。施行後5年もたっていますので、そういった活動も進める必要があると感じています。
○永井部会長 岩田委員、どうぞ。
○岩田委員 岩田でございます。
先ほど、島崎先生が言われたことに少し関連して、今、御存じの方も多いと思いますけれども、消防庁のほうで「傷病者の意思に沿った救急現場における心肺蘇生の実施に関する検討部会」という会議が開かれていまして、そこでまさに先ほど言われたような患者さんとかお医者さんとか家族が話し合った結果、心肺停止したときに、家族の方とか、もしくはふだん介護をしていない方が救急車を呼んでしまったときに、救急隊員が心肺蘇生をしないでいいのかというような問題について検討しているのです。端的に言うと、本来は今年度末で検討の結果が出る予定だったのですが、幾つかの要因があって、担当者が変わったりしたこともあって、すぐには結果が出ないような形になっています。
既に厚労省の方もオブザーバーで入っていますので、さらにこういう人生会議みたいなものとかを進めるために、厚労省のほうでも消防庁のほうと協力していただいて、特に意思確認の仕方とか、消防隊員の人たちはお医者さんに直接連絡がとれないとだめだというような思いが非常に強いようなことがあるので、まさに担当のお医者さんだけがずっと24時間連絡がとれるようにするのか、お医者さんの間で何か協力体制みたいなものをつくって、地域の中で連携体制みたいなものをつくるかというのが非常に大きな問題になっていると思いますので、厚労省のほうとしても何か働きかけをしていただければ非常にありがたいと思っています。
以上です。
○永井部会長 中川委員、どうぞ。
○中川委員 岩田委員のお話は非常に興味深く、かつ違和感があったのですけれども、消防庁でそういう議論をしているのですか。そして、厚労省がオブザーバーですか。
○岩田委員 正式な委員の役割はあれですけれども、消防庁のほうの検討会でやっているということです。
○中川委員 上手な医療のかかり方の事務局は、総務課長ですか、計画課長ですか。どっちですか。
○総務課長 これは総務課でございます。
○中川委員 写真は計画課長が出ている。
○総務課長 それはACPの話です。
○中川委員 失礼しました。
話は戻りますが、それは消防庁でやる議論ですか。違うのではないかと思います。重大な問題だと思いますけれども、お答えください。
○地域医療計画課長 消防庁のほうの議論で、私はまだ出席できておりませんが、うちのほうの担当が出席させていただいているところでございます。
もともと救急搬送も含めた消防のあり方という議論の中でそういった話が出て、その議論に及んだと聞いております。先生がおっしゃるとおり、この話につきましては消防隊員がどのように考えるかという問題と、医療としてどういうふうに対応するかという2つの側面があると思っておりまして、消防のほうでは消防隊員がどう対応するかという観点から検討されていると理解しているところでございます。
○中川委員 今の整理は賛成できないです。厚労省でそれを丸ごと引き取って議論し直したらどうですか。少し人ごと風に聞こえますよ。むしろ主導権は厚労省でなければだめですよ。ぜひ御検討ください。
○永井部会長 島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 先ほどの意見に重ねて申し上げると、以前、この場でもお話をし、その後、岩田委員のほうから、消防庁のほうでそういう検討をして今年度中をめどに方針が決まるというお話がありました。正直申し上げて、そこは中川委員がおっしゃるように、私も厚生労働省がもうちょっと前に出るべき話だろうと思いますが、消防庁と厚生労働省の双方が話し合って一定の方針が出るのであれば、それでよいと思っておりました。しかし、今の岩田委員のお話を伺うと、結論が出るのはまだいろいろ障壁があることのようで、そういう話になると、それを乗り越えるのにどういう場でやるのが適切かどうかということを含め双方で話し合っていただきたいと思いますが、もうちょっと厚生労働省としてコミットしないといけないように思います。
救急隊のほうからしますと、後で訴訟になったときにどういう責任問題が起こるのか心配になり、どうしても慎重な方向に行くのは間違いないと思いますので、そこは厚生労働省として、全部引き取るべきだということまで申し上げるつもりはありませんけれども、もうちょっと踏み込んでいかないと、さっき言ったとおり、アドバンス・ケア・プランニングそのものが普及しないと私は思います。
○永井部会長 いかがでしょうか。
久喜委員、どうぞ。
○久喜委員 印象として、このような形の人生会議のようなまとめ方はすごくいいかなと私は評価しました。
地方のほうの意見を言わせていただきますと、いろいろな形で地域医療を壊すのは、医者側の問題もありますけれども、住民がいかに医療を理解していないか。それが批判となって、医者のやる気が薄れてくる。そういう傾向を感じることもあります。
特に議会等々で、住民の代表ということで市議会議員がいろいろな形で医療の現状を批判されるところもあるのですが、やっている側の医者側にしても委員側にしても本当によく頑張っている。そういうところをきちんと示していかなければいけないかなと私は思うのです。
そういう意味で、人生会議という名前は別としても、いずれにしてもACPという形の広がりをいろいろな形でたくさん広げていって、地域医療を守ってもらいたいという感じがいたしました。
三師会、今回は歯科医師会、薬剤師会という言葉は出ていないのですけれども、それから民生委員、児童委員とか、いろいろな形で全てを巻き込んでACPを広げてもらいたいなという印象を持ちました。
○永井部会長 この取りまとめは今後どういうふうに活用される計画があるのでしょうか。何か具体的な道筋があれば教えていただきたいのですが。
○地域医療計画課長 具体的にどのように進めていくかということでございますが、こういったACPを普及させていきましょうということで今行っておりますのが、先ほど申しましたとおり、日を決めたり、ロゴを決めたりということと、もう一つは都道府県の職員を含めて、地域の中で講演会をやっていただくということを一方でやっているところでございます。
それをさらにどのような形で行うことによって強力に進められるかというのは、今、検討しているところでございます。
○永井部会長 いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、事務局におかれましては、今の議論を踏まえて必要な対応をお願いしたいと思います。
少し時間に余裕がございますが、全体を通じていかがでしょうか。議事が早く進み過ぎて申しわけございません。
中川委員、何か御発言はございませんでしょうか。よろしいですか。全体的なことで何かもし御発言があれば。
○中川委員 私は本日で医療部会を任期のために退任いたします。臨時委員を含めると13ぐらいになると思いますが、長い間、大変お世話になりました。また、いろいろな場面で発言を続けていきたいと思いますので、残る皆さん、頑張ってください。よろしくお願いします。
○永井部会長 中川委員におかれましては、長い間、御尽力ありがとうございました。
それでは、事務局から連絡事項等をお願いいたします。
○医療政策企画官 次回の医療部会の日程につきましては、詳細が決まり次第、改めて御連絡させていただきます。
○永井部会長 それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 

(了)

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