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2018年1月24日 第59回医療部会

医政局総務課

○日時

平成30年1月24日(水)9:00~10:30


○場所

厚生労働省専用第15会議室(12階)


○議事

 

  ○医療政策企画官 それでは、ただいまより第59回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 医療部会の総委員数が24名、定足数は3分の1の8名となっております。

 本日は、荒井委員、安部委員、猪口委員、菊池委員、楠岡委員、平川委員、邉見委員、山崎委員から御欠席との御連絡をいただいております。

16名の委員の皆様が御出席ということですので、定足数に達しております旨、まず御報告を申し上げます。

 次に、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 お手元に、議事次第、座席表、委員名簿のほか、資料1-1から1-3、2、3、4、参考資料1、2、委員提出資料をお配りしております。不足がございましたらお知らせください。

 なお、カメラの方はここまででお願いいたします。

 それでは、以降の進行を永井部会長にお願いしたいと思います。

 部会長、よろしくお願いいたします。

○永井部会長 初めに、欠席の荒井委員の代理として林参考人、安部委員の代理として森参考人、猪口委員の代理として神野参考人、菊池委員の代理として吉川参考人、平川委員の代理として伊藤参考人、山崎委員の代理として長瀬参考人の御出席をお認めいただきますようお願いいたします。よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○永井部会長 ありがとうございます。

 では、議題に移ります。

 最初に、地域医療構想の進め方に関して、制度改正を含め、御議論をいただきたいということでございます。

 まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○地域医療計画課長 地域医療計画課長でございます。

 資料1-1から1-3を用いまして御説明申し上げます。

 まず、資料1-1は、医療計画見直し等に関する検討会におきまして、地域医療構想の進め方に関する議論をしてまいったわけでございますけれども、そのワーキングでの議論、検討会での議論のまとめということで、 とりまとめた ものでございます。

まず、 「1.はじめに」 すが、ここは地域医療構想が28年度中に策定されて、閣議決定でも2年程度で集中的に検討するというふうになっていると書いております。1ページ目の下のところですが、このために具体的に進めていただくための議論を整理したということでございます。

 2ページ目、地域医療構想調整会議の進め方としまして、まず協議事項に関しては、1)の上のあたりですけれども、2025年を見据えた構想区域において担うべき医療機関としての役割、2025年に持つべき医療機能ごとの病床数ということで、こういうのを含めて議論をしていただくということになっております。

 中段あたりですが、個別の医療機関ごとの具体的対応方針の決定への対応ということで、まず公立病院に関してでございます。公立病院は、新公立病院改革プランを策定した上で、地域医療構想調整会議において、構想区域の状況などを踏まえて、29年度中に2025年に向けた具体的対応方針を協議するというように書いているところでございます。そして、その具体的対応方針がこの調整会議の議論の結果、見直すという場合には、改めてその内容を調整会議で協議していただくことにとなっています。

 この際に、山間へき地・離島など、民間医療機関の立地が困難な過疎地等における一般医療の提供であるとか、救急・小児等の不採算・特殊部門にかかわる医療でありますとか、県立がんセンター、県立循環器病センター等の民間医療機関では限界のある高度・先進医療の提供、研修の実施を含む広範な医師派遣の拠点としての機能などが公立病院には期待されているということに留意して、この調整会議で御議論いただければということを書いております。

 2ページ目の下から3ページにかけまして、公的医療機関等2025プラン対象医療機関に関することでございます。

 3ページ目をお願いいたします。公的医療機関等2025プラン対象医療機関、これは新公立病院改革プランの策定対象になっている公立病院を除く公的医療機関等、国立病院機構及び労働者健康安全機構が開設する医療機関等々を書いておりますけれども、これに関しましては、29年度中に2025年に向けた具体的方針を協議するということを書いております。これも協議が調わない場合には、調整会議で協議をしていただくということになっております。

 そして、この際、構想区域の医療需要や現状の病床稼働率等を踏まえて、公的医療機関等2025プラン対象医療機関でなければ担えない分野へ重点化されているかどうかについて確認するというのを書いております。

 3ページ目の中段以下ですが、その他の医療機関に関することでございます。その他の医療機関のうち開設者の変更等を含め、構想区域において担うべき医療機関としての役割や機能を大きく変更する病院などの場合には、今後の事業計画を策定した上で、調整会議においてその方針について協議をしていただくということになっております。

 それ以外の全ての医療機関に関して、遅くとも平成30年度末までに2025年に向けた対応方針を協議するということを書いております。

 4ページ目、留意事項でございます。新公立病院改革プランや公的医療機関等2025プラン、病床機能報告の結果等から、過剰な病床機能に転換しようとする医療機関の計画を把握した場合には、調整会議に出ていただくということになります。

 それから、病床機能報告において、6年後の医療機能を構想区域で過剰な病床機能に転換する旨を報告している医療機関に関しても、理由書を提出していただき、調整会議の協議へ参加し、医療審議会での理由等の説明を求めた上で、必要に応じて知事権限の行使につなげていただくということを書いております。

 4ページ目の中段の「イ.病床が全て稼働していない病棟を有する医療機関への対応」でございます。全ての医療機関に関することとしましては、病床機能報告の結果からそういった病棟があると把握した場合には、理由とか運営見通しなどについて説明を求めるということを書いております。

 次の○でございます。病床過剰地域において、稼働していない病棟を維持する理由が乏しいという場合には、知事権限を行使していただくということを書いていただくところでございます。

 5ページ目、留意事項のところですが、病床が全て稼働していない病棟を再稼働しようとする医療機関の計画を把握した場合には、医療従事者の確保に係る方針、他の医療機関の診療実績や将来の医療需要の動向を踏まえて、再稼働というものについての必要性について調整会議で議論していただくということを書いております。

 続きまして、5ページ目の「ウ.新たな医療機関の開設や増床の許可申請への対応」でございます。

 全ての医療機関に関することでございますが、新たに病床を整備する予定の医療機関、開設者を変更する医療機関を把握した場合には、開設等の許可を待たずに調整会議へ出席していただいて、病床の整備計画と将来の病床数の必要量との関係性とか、担う予定の機能などについて説明するように求めるというふうにしております。

 また、病床の議論に関しては、医療計画の基準病床との関係もございますので、都道府県の医療審議会においても議論していただくと書いております。

 最後の○でございますが、都道府県は、新たに整備される病床が担う予定の医療機関が、構想区域における不足する医療機関以外の機能となっているであるとか、既存の医療機関の将来の機能転換の意向を考慮してもなお充足する見通しが立たないという場合には、新たに病床を整備する予定の医療機関に対して、これも知事権限との関係でございますけれども、不足する医療機能に提供する旨の条件を付与するということを書いているところでございます。

 6ページ目、留意事項もこの関連事項でございまして、後ほど法改正の御提案もさせていただきますが、2つ目の○ですけれども、現状では既存病床数が基準病床数を下回り、追加的な病床整備が可能であるが、人口の減少が進むこと等により、将来の病床数の必要量が既存病床数を下回ることとなる場合には、そういった将来的な状況も考慮して、慎重に検討を行うというふうに書かせていただきました。

 「2)地域医療構想調整会議での個別の医療機関の取組状況の共有」でございます。これは、個別の医療機関ごとの医療機能や診療実績について、高度急性期・急性期に関して、調整会議において個別に議論していただくということを書いております。

 6ページ目の下でございます。回復期に関しても、個々の医療機関の役割について調整会議において共有していただくことになっております。

 7ページ目でございます。慢性期に関しても同様のことを記載しているというところでございます。

 7ページの中段あたり、イですけれども、これは確保基金との関係ということで、その活用状況を提示していただく。

 ウでございますが、新公立病院改革プラン、公的医療機関等2025プランに記載すべき事項ということについても、プランを策定する医療機関について、さまざまな情報の記載ということを書いているところでございます。

 「3)地域医療構想調整会議の運営」に関しては、以前も御報告したところでございますが、年間スケジュールを作成して、年4回は開催していただきたいと。その内容についてはホームページ等を通じて速やかに公表していただきたいというのを書いております。

 8ページ目、中段あたりですが、病床機能報告でございます。これは、未報告に関してきちっと把握していただきたいという話と、回復期の解釈に関しまして、2)でございますが、病床機能報告等の状況を説明しながら、機械的に足りる、足りないという議論をせずに、状況を踏まえてやっていただく。また、適切に回復期を選んでいただくということが書いてあります。

 9ページの4でございます。今後さらに議論すべき事項というのをまとめているところでありまして、これを検討会のまとめとさせていただいて、この内容については都道府県に対して通知という形で今後出させていただく予定でございます。

 もう一点、資料1-3をお願いいたします。「地域医療構想の進め方に関する議論の整理」、今、御説明したものの中に、1ページ目でございますけれども、協議事項といたしまして、個別の医療機関ごとの具体的対応方針の決定への対応ということで、さまざま議論していただくということであるのですが、その他のところに、新たな病床を整備する予定の医療機関に関しても、協議に出席をしていただくということをお願いしているということでございます。

 そして、この構想会議で議論を進める内容について議論をしていく中で、2ページ目でございますけれども、先ほど少し触れましたが、基準病床数と地域医療構想の中の病床数の必要量の関係の整理が必要ではないかという御指摘や、既存病床が2025年の病床数の必要量を上回っている場合には、たとえ基準病床数に照らしてアンダーベッドであっても、病院の新設・増床はいかがなものかという結論は調整会議であり得るのではないかという御指摘があったところでございます。

 こういった御意見を踏まえて、先ほど資料1-1で少し触れましたけれども、慎重に検討するということにしていたところでございますけれども、3ページを見ていただきますと、今、念頭に置いておりますのは、基準病床数と病床数の必要量の関係で、6つのパターンが考えられるわけでございますが、Cの場合、既存病床が基準病床を下回っているので、これは医療計画上は病床の整備が追加で可能なのでございますが、2025年の病床数の必要量を見た場合に、既に既存病床がそれを超えている場合に、さらに追加的な整備についてどう考えるかというところがあるわけでございます。

 そして、4ページでございます。先ほども御説明させていただいたのですが、既に6月23日付でこのようなパターンCのような場合に慎重に検討していただきたいという旨は都道府県に対して通知をしているところでございますが、実際、今、Cのパターンの場合、病院から新しい病床を整備したいという申請が上がった場合に、許可を与えないということに関しまして権限がないということでございますので、それに関してやはり法的な整備が必要なのではないかどいうことで考えているところでございます。

 5ページ目、論点でございます。地域医療構想というのは、28年度中に全ての都道府県において策定されまして、今後は達成に向けて取り組みを進めていくということで、調整会議において具体的な進め方を検討するということになっております。

 「経済財政運営と改革の基本方針2017」におきまして、地域医療構想の達成に向けて、地域ごとの調整会議での具体的議論を促進し、自主的な取り組みによる病床の機能分化・連携が進まない場合には、都道府県がその役割を適切に発揮できるよう、権限のあり方について速やかに関係審議会で検討を進めるというふうにされております。

 先ほど申し上げましたとおり、現在、都道府県知事に付与されている地域医療構想達成のための権限のみでは、先ほどのパターンCのような場合に、追加的な病床の整備ということについて、申請の中止や申請病床数の削減ということの勧告ができない状況にございますので、この論点を踏まえまして、こういったことについて許可を与えないということができる権限を新しく創設してはどうかということでございます。

 最後の6ページ目でございますけれども、これは現状の地域医療構想関連の知事の権限に関係して、既存のものも書いてありますが、赤で四角く囲っておりますところについて新しく権限を創設するということでございます。これが新規開設、増床の許可のところで、病床数の必要量に既に既存病床が達している場合に、どうしても病床が必要だというのを理由書の提出していただいて、調整会議の協議に参加していただき、医療審議会で理由等の説明をしていただくわけですが、その理由がやむを得ないと認められない場合については、公的医療機関等については都道府県医療審議会の意見を聞いて、許可を与えないことができる。民間医療機関の場合については、医療審議会の意見を聞いて、申請の中止または申請の病床数の削減を勧告することができるというふうにしております。

 ただし、この勧告について従わなかった場合は、保険医療機関の指定の申請の際に、厚生労働大臣は、勧告に従わなかったときは、報告を受けた病床の全部または一部を除いて保険医療機関の指定を行うことができるということで、この都道府県における知事の権限の行使をきちっと担保させるような仕組みもあわせて導入しようと考えているところでございます。

 説明は以上でございます。

○永井部会長 ありがとうございました。

 それでは、御質問、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。

 加納委員。

○加納委員 ありがとうございます。

 資料1-1の2ページ目に【公立病院に関すること】ということで、下のほうですが、「民間医療機関との役割分担を踏まえ公立病院でなければ担えない分野へ重点化」という形で明記されていることと、次の3ページの2つ目の○、同じように「担えない分野への重点化」ということが明記されていることは非常にいいことだと思っております。

 それを踏まえて、公的医療機関等2025プランの中では、資料1-2の5ページ目に【具体的な計画】等で、進める場合の数値目標として、【記載事項】の最後に「人件費率等、経営に関する項目」と明記されております。このことも非常に大事だと思っております。

 その上で、資料1-2の8ページ、ここに公立病院から医療法人に至るまでの財政的な税制上の構造で、税制の非課税と課税の問題、それから一般会計繰入金、補助金等の明記がされております。

 これらが明記されている上で、今回、協議会で議論するわけですが、実は非常に大きな問題が出てきています。都会においては、民間医療機関が十分担える分野の中に、公的病院等が一般会計繰入金等、また、補助金等を受けているにも関わらず、今回の機能分化の中で、例えば回復期、慢性期等々に参入してくるという現象が今進んでおります。補助金、繰入金をみますと、特に公立病院では1ベッドあたり1日1万円ぐらいの補助をイニシャル、ランニングを合わせると受けているということがこの前も出ておりましたので、その中で単価の低いという表現をするとおかしいですが、民間医療機関が十分担っている地域においては、やはりこの問題を議論してから協議していただかなければいけないと思いますので、この点をどのようにして厚労省は通知をしているのか、ということをもう一度確認したいと思っております。よろしくお願いします。

○永井部会長 どうぞ。

○地域医療計画課長 計画課長でございます。

 今回、御報告を申し上げました「地域医療構想の進め方に関する議論の整理」に関しましては、先ほど少しお話ししましたが、今後、通知を出させていただく予定にしております。

 今の点は、まさしく調整会議で地域において、公立病院、公的医療機関、民間病院の役割についてきちんと議論していただきたいということで、今回おつけしております関係資料もあわせまして都道府県のほうには送って、しっかり議論していただけるように、ほかに必要な情報を含めて、要望があれば対応するなどして、きちんと応援してまいりたいと思っております。

○永井部会長 どうぞ。

○加納委員 その点、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。都道府県によってはその解釈が違っておりまして、一般会計繰入金等は出さなくてもいいような受け取り方で進めている都道府県もあるということを聞いております。やはり大事なことですので、議論の上にぜひとも乗せるように、数字を出すように、御指示をよろしくお願いしたいと思います。

○永井部会長 ほかに。

 神野さん。

○神野参考人 関連で、今、加納委員のおっしゃったことに全く賛成いたします。

 もう一度確認いたしますけれども、1-1の2ページ、「この際」以下でありますけれども、となると、例えば民間医療機関が立地しているところの一般医療、それから救急・小児・周産期・災害・精神でも全部が不採算という証拠はどこにもないわけでありますので、採算性がとれる医療、それから県立がんセンター等でも、高度先進医療の提供がありますけれども、一般医療を提供しているところ、それから4番目の医師派遣拠点として機能していない公立病院、今言った、全部裏返しの公立病院に対しては、今おっしゃったように、例えば急性期病床の稼働率が悪いからといって地域包括あるいは回復期等に転換することに関してはきちんと指導していただかなければいけないし、(1)から(4)に完全に合致するところに関してはきちんと対応していただくというのが筋で、その辺のところを指導していただきたいと思います。

 もう一点だけ、別件ですけれども、今、1-2の最後のページに、以前、医療計画の見直し等に関する検討会に出てきたものだと思いますけれども、急性期らしい病院、医療というものについて、A、B、C項目によって該当ありなしでふるいをかけていく。それによって急性期ではないところ、最後に「?」がついているところに関しては、地域医療構想で見直せという文脈だと思いますけれども、これは保険局医療課がやっていらっしゃる今の重症度、医療・看護必要度とか、あるいはDPCデータから診療報酬上で賄うべき急性期は何ぞやという議論とすごく重なっているような気がします。

 そういう意味では、最後のページのA、B、Cの項目と、診療報酬上のいろいろな項目と、その辺のところが二重、三重にあって、現場を混乱させるのではないかという懸念をするわけであります。この辺のところを、診療報酬の急性期たるものと、こちらのほうのイメージ図との間の調整といったものはなされているものかどうかということをお聞きしたいと思います。

○永井部会長 今の点、いかがでしょうか。

○地域医療計画課長 最初に前段のほうを少しコメントだけさせていただきます。

 国が指示をするとか、そういうことではなく、考え方を通知させていただこうと思っておりますので、あとは地域の調整会議で、今回の考え方をもとに地域の関係する医療機関できちんと議論していただければということでございます。

 そして、御質問のほうでございますけれども、実はこの資料1-2の18ページの資料のこの項目が、例えば我々が実際検討会で例を出しましたのが、高度急性期・急性期という機能だとしているけれども、病院として PTCA を1件もやっていないというのがある 例えばそういう極端なものについては、やはりきちんと議論していただければいいのではないかということなどを例として出しました。

 実は、これも全て診療報酬のレセプトの算定項目とか、そういうものを使ってやっておりますので、例えば今後、診療報酬改定が行われて項目が創設されたり、いろいろな考え方が出てきた場合には、また今後、医療計画等のあり方検討会とかワーキングの中で、それをどういう形でデータとして都道府県のほうにお示しをしていくかということをまた議論しながら、どんどんバージョンアップといいますか、改訂をしていくということでございまして、そういう意味で、同時かどうかは別として、診療報酬のデータと我々が使っているデータというのはリンクしているということでございますので、そういう意味では時間差が少しあるかもしれませんが、整合的になるように我々も考えていきたいと思っているところでございます。

○永井部会長 中川委員。

○中川委員 今の神野参考人の質問と課長の答えについてですが、どうも両方とも納得できないですね。この18ページの絵は、報告制度の矛盾を少しでも解消しようというだけのことですよ。例えば項目A、B、Cのどれにも該当しないのが急性期ということではないというデータが出たじゃないですか。外れ値を解消しようというだけのことですよ。例えば呼吸器といっても、循環器でもそうですけれども、モニターが1台もないとか、そういうところは報告制度の中の方向として調整会議で確認しましょうというだけのことですよ。中医協で今議論している診療報酬の算定とは全く関係ないし、そういうことを明確に答えていただかないと、ますます疑心暗鬼が起こりますから、答弁は注意していただきたいと思います。

○地域医療計画課長 計画課長でございます。少し言葉が足りませんで、申しわけございません。

 私が申し上げたかったのは、医療計画の検討会で使っておりますデータそのものは診療報酬のさまざまな算定項目でありますということでありまして、今、中医協で行われている議論そのものが医療内容の分析ということとリンクしているというわけではございませんで、データ 使っておりますということです。そういう意味では、診療報酬と直結してということではないのですが、データは使っているという意味で申し上げたところでございます。

○永井部会長 どうぞ。

○中川委員 資料1-1の2ページですけれども、さっき加納委員と神野参考人から発言がありましたけれども、私もそのとおりだと思うのですけれども、なかなか調整会議が機能していないのです。

 まず質問しますけれども、新改革プラン、公立病院の改革プランの策定状況と、昨年いっぱいで策定される予定であった2025プランの策定状況、この状況をどういうふうに現時点で把握しているかというのが1点。

 その策定したそれぞれのプランが、その構想区域の調整会議に提出されているかどうかの確認、その状況はどうなっていますか。

○地域医療計画課長 計画課長でございます。

 調整会議の進捗状況に関しては、先ほど都道府県で年4回は調整会議をやってくださいとお願いしたのに合わせて、我々も年4回、進捗状況の報告を求めております。

 実は、直近では12月に求めているところでございますけれども、まだまとまっておりませんので、9月末時点のデータにはなりますけれども、9月末の時点では、公立改革プランに関しましては、たしか98%ぐらいのところが策定をしていて、会議にかかっているかということになると、まだ15%か20%ということになっております。

 それで、公立医療機関等の2025プランに関しましては、策定を求めたのが8月、そして急性期等を担っているところは9月末ということで、非常に急いだ依頼をしたということもありますが、9月末時点では814病院中282病院が策定をしておりまして、そのうち議論はまだ8病院ぐらいというところでございましたので、12月時点のデータに関しましては、また機会を捉えまして御報告したいと思っているところでございます。

○永井部会長 どうぞ。

○中川委員 1-1の2ページの下のところですけれども、「民間医療機関との役割分担を踏まえ公立病院でなければ担えない分野へ重点化されているかどうかについて確認すること」となっているのですけれども、これが実は物すごく難しい状態になっているのです。調整会議が機能しているところはむしろまれな好事例というぐらい少ないのですよ。ですから、これを何とかしないと、せっかくいい仕組みつくって、例えば5,000億円以上も1年間に繰入金を投入されている公立病院に対してこの提案・仕組みはすごくいいのですけれども、これが実行される見通しがかなり少ないのです。低いのです。そういう心配をしています。そのことを繰り返し厚労省として都道府県にプッシュしているか、アナウンスしているかということがまず1点。もっとやってほしいということが1点。

 それと、資料1-3の5ページに、法整備も含めて、「地域医療構想が全国で確実に達成されるよう、都道府県知事の権限を強化し」とありますけれども、都道府県の理解が低い状態で知事の権限だけ評価しても何もならないのですよ。どうも都道府県知事の権限を強化ということがあちこちに出てくるのですけれども、厚労省が全国的に都道府県庁をグリップしていないと大変なことになると思います。

 どうも地方に任せて、国は少し長い目で見てあげようなんていうことを思っているわけではないですよね。どうですか。

○地域医療計画課長 計画課長でございます。

 まず、都道府県に対する調整会議の進め方などについてのアナウンスといいますか、周知に関しましてですが、機会を捉えて検討会などでまとまった情報については通知の形で再々出しております。また、都道府県の職員向けの研修というのも年に数回やっておりますけれども、その際にも最新の状況も御説明し、今回の取りまとめも、近日中にもまた都道府県職員説明会をする予定でございますが、その際にもしっかりと趣旨を伝えていきたいと思っております。

 また、先ほど年4回フォローアップというか、進捗管理をするということも申しましたが、全国的な進捗がわかるような形で、また検討会や医療部会などにも御報告し、全国できちんと議論が進んでいくように、さまざまな形で取り組んでまいりたいと思っているところでございます。

○永井部会長 どうぞ。

○中川委員 ありがとうございます。ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 その上で、1-3の6ページの赤枠の中の法整備は非常に迅速にやっていただいているようで、これは評価します。ありがとうございます。よろしくお願いします。

○永井部会長 ほかにいかがでしょうか。

 島崎委員。

○島崎委員 資料1-3の新たな都道府県知事の権限の創設について、趣旨はわかりますし、権限を創設すること自体に反対するつもりはありませんが、念のため申し上げておきます。地域医療構想に基づく病床の必要量ですが、言うまでもなく、これはいろいろな前提を置いた上での仮定値です。例えば、地域医療構想区域の人口にしても、新しい全国の推計値に基づいて市区町村別の人口の新しい推計が出されます。つまり、現行の地域医療構想をつくった時点での市区町村別の人口推計と、今度新しく出てくる推計値の数字は当然違います。それから、それ以上に大きいのは、例えば在宅医療等の見込みについても、これは一種の仮定値で、どこまで本当に実現されているかどうか、そこもクエスチョンマークがつきます。それから、これも余り申し上げたくはないのですけれども、地域医療構想の策定のプロセスを見ていきますと、きっちり積み上げ型でつくったところもあれば、荒っぽくというか、かなり大胆な仮定値を置いて推計を数字だけとりあえず出して、地域医療計画を煮詰めていく段階でそれを具体化していけばいいのだと、こういう感じのところも率直に言うとあるわけです。そういうことを踏まえた上で、仮に権限を付与するにしても、それを行使するに当たっては、いろいろな前提条件を置いたうえでの数字だということを十分考慮することが必要だと思います。

 これは、御答弁がなければ、意見として申し上げておきたいと思います。

○永井部会長 よろしいですか。

 では、相澤委員、それから井上委員。

○相澤委員 実は、1月22日に、私の病院のある地区で地域医療構想調整会議をしました。公立病院改革プランを出せというので、私のところも地域医療支援病院なので出したのですが、ほかの病院も含めて、プランに対して何の意見もありません。なぜか。その病院が自分のところの経営を考えて、こうしたいというのに、おまえおかしいとは言えないのですよ。おかしいかなと思っていても、頑張るのだったら頑張ってくださいとしか言いようがない。ですから、これは全く机上のプランであって、まず話し合いにならないということを一つ申し上げたい。

 もう一つ大きな問題は、私の医療圏は流入の患者さんと流出の患者さんがいるのですが、流入の患者さんはウエルカムなのです。どうぞどうぞと。それを前提に話すのです。流出はとめようとするのです。ですから、私たちの医療圏とお隣の医療圏が仲よくやっていたのに、これからは多分けんかになると思います。というのは、私たちのところから流出していく患者さんをとめられたら、お隣の医療圏は大変なことになるのです。

 そうだとすると、この医療圏とお隣の医療圏が一つの医療圏と考えてやればいいのだろうと思うのですが、今は医療圏ごと、構想地域ごとにやりなさいということがきちんと決められていますので、これは決してうまくいきません。大変な争いになって、今、うまくいっている日本の医療が崩壊につながるのだろうと、私は非常に危惧をしていて、このやり方は機能しないどころか、日本の医療崩壊を推進するのではないかと、非常に危惧をしているということを、現場でそういう会議をやって、いろいろな議論の中で私が感じたことをお話しさせていただきました。

 やはり医療圏をがっちり決めて、その中でこうしろということをやればやるほど争いが起こってきて、これまでうまくいっていたものが壊れてくるとするならば、どうしていくのか。前に島崎委員のほうから、もう医療圏、構想区域そのものがおかしいのではないかという意見がありましたが、今、そういう議論をすればするほど、おかしいのではないかというところに私は陥っているということだけお話をさせていただいて、ぜひお考えを教えていただきたい。

○永井部会長 では、事務局、手短にお願いします。

○地域医療計画課長 計画課長でございます。

 先生のところで大変御苦労されている様子というのはわかったわけでございますが、やはり2025年の医療需要を考えたときに、将来を見据えた議論をきちんとしていただく必要があると思っております。我々としては、都道府県なり、各医療機関が具体的に意見交換できるような資料はどんどん出してまいりたいと思っております。

 また、医療圏のあり方については、これは別に国が定めて都道府県に提示しているわけではございませんので、都道府県のほうで適切な医療機関、医療圏のあり方というのを検討していただければいいと思いますし、あとは調整区域ごとに、高度急性期を中心にやりくりというところについても、ガイドラインでお示ししているところでございますので、地域において適切に議論していただきたいと思っております。

○永井部会長 相澤委員。

○相澤委員 今の話は全く責任を放棄しているとしか私には思えません。二次医療圏はおかしい、こうしなさいということを出したにもかかわらず、二次医療圏はほとんど変わりませんでした。そのときに厚労省は何をやったか。何もしません。それをそのまますっぽりと受け入れただけです。責任放棄をしておいて、今さらそういう言いわけをするのはよくない。私はそう思います。

○永井部会長 井上委員、手短にお願いします。

井上委員  1-3の都道府県の権限の強化につきましては、産業界でふだん企業の方とつき合っていると、当然のことですけれども、将来の需要というのを見越した上で事業を立てていくということで、限られた社会保障の財源ですから、最も必要とするところに適正に配分するという意味からも、これは必要な制度だと思います。

 一つ質問ですけれども、必要な病床数が将来的に減るという中で、さらに病床数をふやそうという申請はどういうケースで出てくるのでしょうか。

○地域医療計画課長 資料1-3の3ページにいろいろなパターンをお示ししておりますが、パターンCというのが今回念頭にあるものでございますが、ここは法律的には青い基準病床というところまでふやすことができるというふうになっているものでございます。

 病院は、確かに将来的な需要というのはいろいろ見越してくるわけでございますが、その地域の状況であったり、各医療機関ごとの経営判断で参入するというケースがあり得るということで、Cのパターンの場合、追加的な整備を実際はなかなかされないということも当然あり得るわけでございますが、そういう余地を残していた場合に、将来、またさらに病床を、先ほど相澤委員からも御説明がありましたが、現状でも大変議論が難しいのに、さらにそういった調整するものがふえていってしまうということになりますので、できれば将来を見越して現状をどう認めていくかということは丁寧に議論していただくということをしていただきたいと思っております。

○永井部会長 よろしいでしょうか。

 では、最後に、伊藤参考人。

○伊藤参考人 簡単に済ませます。

 地域医療構想を踏まえた病床の姿にしていくためには、都道府県の役割、責任を強化するということで法的整備をするということ自体には賛成です。医療機関の開設主体にかかわらず、医療審議会での丁寧な議論を行って、各地域の医療のあり方を踏まえた医療提供体制が構築されることが大事ですので、そのための都道府県知事の権限自体の強化ということについては妥当だと思います。構想自体の病床必要数など、課題はあろうとは思いますが、権限については妥当だと思います。

○永井部会長 ありがとうございました。

 まだ、御議論はおありかと思いますが、時間の都合で次に進めさせていただきます。事務局におかれましては、ただいまの議論を踏まえて必要な対応をお願いいたします。

 続いて、医療法及び医師法の改正法案に関して御議論をいただきます。事務局から説明をお願いいたします。

○総務課長 総務課長でございます。お手元の資料2により御説明申し上げたいと思います。お時間が限られておりますので、簡潔に御説明申し上げたいと思います。

 まず、資料2の構造でございますけれども、1ページにこれまで医師需給分科会でいろいろと御検討いただいて、昨年1222日のこの部会においても御報告申し上げました医師偏在対策に向けての中間取りまとめの結果を踏まえて、法案として、現在私ども国会の提出に向けて検討を進めているところでございますが、その概要を整理しております。

 1ページはそれを簡単に1枚にまとめたもの、2ページ、3ページでそれをもう少し詳しく書いてみたものでございます。

 4ページ以降に参考をおつけしておりますが、中間取りまとめで整理いただいた考え方を、私どもで改めて説明用の資料ということで整理させていただいております。

 5ページは医師偏在対策の必要性についてまとめたものでございます。

 6ページから8ページのところで、3つの柱を立てて考え方を整理させていただいています。

 9ページ以降、個別の項目ごとに現状の課題と制度改正の方向性というものを整理させていただいているところでございます。

 今日は、大変恐縮でございますが、1ページ、2ページ、3ページで簡単に御説明させていただければと思っております。

 まず、1番目でございますが、1ページをごらんいただきますと、「医師少数区域等で勤務した医師を評価する制度の創設」というのを一つの柱としております。これにつきましては、ここにございますように、医師少数区域等におきまして、今後、一定期間の勤務経験を積まれるドクターの方について、大臣が評価・認定をする仕組みを創設するということを考えております。これを法律上、整理をするというのがまず一つございます。

 それから、2ページの1の(1)にございますが、一方でそうやって勤務された医師を評価する仕組みということで、これも中間取りまとめの際にいろいろと御議論があったところではございますけれども、一定の医師少数区域等で医療の確保のために必要な支援を行う病院といった中で一定のもの、これを省令で定める病院ということにしようと考えておりますが、そういったところでそういった経験を有しておられる医師に管理をしていただくということを一つ整理をしていきたいと考えております。

 1の(2)でございますが、これは認定の仕組みとは別の話になりますけれども、いわゆる複数管理ということで、へき地診療所などで勤務されるような形態、そういった場合に管理者を兼任できるようにするということで、従来、QAベースで認めておりましたものを法律上位置づけるということで考えているものでございます。

 続きまして、1ページの2をごらんいただきますと、「都道府県における医師確保対策の実施体制の強化」ということでございます。これにつきましては、まず都道府県におきましてPDCAサイクルに基づく実効的な医師確保対策を進めていただくということで、医師確保計画の策定を進めようと考えております。

 このため、2ページの2の(1)のところにございますけれども、医療計画の中で二次医療圏ごとに新たに定める医師偏在指標を踏まえた確保数の目標などを含みます医師確保計画の策定ということを位置づける。

 それから、(2)にございますが、医師偏在指標に基づきまして、「医師少数区域」、「医師多数区域」といったものを定めることができるようにする。

 3番目といたしまして、地域医療対策協議会、これは従来からございますけれども、これが今後は医師確保計画の実施についての必要な協議を行う場になるということで、それを明確に位置づけていくということでございます。

(4)でございますが、都道府県が行う業務ということで、従来から地域医療支援事務というものを幾つかお示ししているところでございますけれども、その中に医師確保対策に関連して、キャリア形成プログラム策定とか、あるいは医師少数区域への医師の派遣といったような事務を新たに追加するということを考えているものでございます。

 5番目といたしまして、そういった都道府県の事務の中でも、今申し上げた、地域医療支援事務のほかに勤務環境改善を進める事務、そういった支援事務も実は従来から位置づけているところでございます。これらにつきましても、中間取りまとめがございましたけれども、相互に連携をということがございましたので、そういったことを規定上も整理をしていくことを考えているところでございます。

 次に、1ページの3番をご覧いただきますと、医師養成過程を通じた医師確保対策を充実するということで、これも中間取りまとめで、医学部、臨床研修、専門研修といった流れの中で見直しを進めていくことが求められているところでございます。

 これを踏まえまして、法律上整理をするということで、まず3ページの3番からご覧いただきたいと思います。

(1)でございますが、都道府県知事が、一つは大学に対して地域枠、あるいは地元枠の創設、増加ということを要請できるようにするということを整理したいと思っております。

(2)として、今度は臨床研修になりますけれども、国で一定の基準を定めた上で、都道府県ごとにその基準に則って病院の指定をしていただくということを整理することにしております。

(3)といたしましては、今度は研修医の定員の話になりますけれども、まずは大臣が都道府県ごとに定員の枠を定めることにした上で、今度はその定員の枠の中で都道府県ごとに、臨床研修病院ごとの研修医の定員を定めるということにしたいと考えております。

(4)でございますが、今度は専門医の養成の関係でございます。これにつきましては、もちろんプロフェッショナルオートノミーがあるということを前提としつつでございますけれども、医師の研修機会確保のために特に必要があると認めるときには、研修を実施いたします専門医療機構などに対しまして、必要な措置の実施を要請できるということをまず整理をしていきたいと思っております。これは大臣の権限ということです。

 それから、専門医機構におかれましては、こういった研修の計画が現場の医療提供体制に重要な影響を与えるといった場合には、あらかじめ大臣、知事の意見を聞くことを求めるようにするということでございます。

 続きまして、4番でございます。地域の外来医療機能の偏在・不足への対応ということでございます。

 まず、医療計画の中に新たに外来医療に係る医療提供体制の確保に関する事項を記載することにしてまいりたいと考えております。

 その上で、知事は、二次医療圏ごとに外来医療の提供体制に関する事項ということで、これも中間取りまとめで整理いただいた話でございますけれども、地域の外来医療機能の状況とか、救急医療体制の構築とか、グループ診療の推進、あるいは医療設備・機器の共同利用、そういったことなどの方針につきまして協議いただく場を設けまして協議を行って、その結果を公表したいということでございます。

 それから、1ページの5番に行っていただきますが、そのほか、「地域医療構想の達成を図るための、医療機関の開設や増床に係る知事の権限の在り方」と書いておりますけれども、これは先ほど資料1-3で御議論いただきましたような、地域医療構想達成のための新たな都道府県知事の権限の創設ということをこの中で位置づけていくということを考えているものでございます。

 これらの具体的な施行期日でございますけれども、3ページの5番に書いてございますが、大きく3段で施行させていただきたいと考えております。公布日施行、31年4月1日、32年4月1日という3段でございます。

 まず、公布日につきましては、1の(2)にございます複数管理の関係、2の(3)から(5)にございます地対協における協議の関係、3の(4)の専門医機構への要請の関係といったものを公布日施行ということで整理をしたらどうかというのが現段階の考え方です。

 それから、平成31年4月1日ということで予定しておりますのが2の(1)(2)の医師確保計画の関係や少数区域の設定などの関係、それから3の(1)の大学への要請の関係、それから4の(1)(2)の外来医療機能の偏在対策の関係といったものを予定しております。

 それから、32年4月1日ということでは、1の(1)にございます認定医の評価の関係、3の(2)(3)の臨床研修病院の指定や定員の関係といったものを32年4月1日というイメージで考えております。

 なお、ここに書いてございませんが、先ほど御議論いただいた地域医療構想達成のための知事の権限のあり方につきましては、これは公布日施行ということで、速やかに実施をするということで取り組んでいくようにしてはどうかと考えているものでございます。

 この案文につきましてはまだまだ整理段階で、あくまでも現段階ということでございまして、関係団体、関係部署とのいろいろな調整を進める中で、なお、変わり得る部分がございますけれども、現段階はこういったもので考えております。

 私どもとしては、医療法、医師法の改正法案につきましては、予算非関連法案ということで、3月の上旬に閣議決定されるようにしていきたいと考えているところでございます。それに向けて、必要な調整をこれからさらに進めていきたいと思っているところでございます。

 とりあえず、以上でございます。よろしく御審議をお願いいたします。

○永井部会長 ありがとうございました。

 それでは、御質問をお願いします。

 田中委員。

○田中部会長代理 少数地域で勤務した医師を評価すること自体は大変結構だとしても、現在出ている案だと、地域医療支援病院等の院長になるための必要条件であるにとどまっています。少数地域で働く医師が30歳だとすると、20年後か25年後に新たに開かれる地域医療支援病院の院長ポストは10ぐらいにすぎず、小さな御褒美だと感じます。これは二の矢、三の矢があるという前提で、まずはこれは一の矢程度の話ですか。これだけだと足りないかなと思います。

○総務課長 今の先生の御指摘でございますけれども、この点も実は医師需給分科会で大変大きな議論があったところでございます。こういった範囲をもっと広く拡大するべきではないかという御意見がある一方で、まずは地域医療支援病院の中でも、医師派遣や環境整備機能を有する、そういった機能を持っておられる病院から始めてみるということで考えてみたらどうかといった議論があったところでございます。

 こういった医師養成に向けて、私どもとしてはこういった地域での御経験を評価する仕組みということで、認定の仕組みを今回設けようと考えておりますが、そういった評価は、一つは今申し上げた地域医療支援の役割を果たしていただく病院の管理者について行うというのが一つのあり方であるかと思っております。ただ、それだけではなく、逆にそうやって地域でいろいろな経験をされた認定医の方を評価するということで、例えば経済的な評価ということでは、予算面の評価、あるいは税制面の評価などを通じて、さらにそういった経験により認定を得ているということが評価されるような仕組みにしていきたいと考えております。

 そういった面につきましては、今回お示ししております条文の上には出てこないものでございますけれども、あわせてそういった取り組みを進めていくということを考えていききたいと思っております。

○永井部会長 ほかにいかがでしょうか。

 加納委員、それから釜萢委員。

○加納委員 もう一度今の件の確認ですが、今回の医師少数区域経験認定医が病院経営を行う立場で、本当に資格として大事かどうかということになりますと、逆にマイナス面もあるような感じもします。そういう議論もしっかりとしてから、実際に管理者要件の病院をふやすか減らすかということは議論すべきと感じますので、その点をぜひとも確認してから、拡大するのか、まずは地域支援病院からやるのかという議論を進めていただく出発点としていただきたいと思います。

○永井部会長 釜萢委員。

○釜萢委員 今の御議論でも、この部分については皆さんの考えが収れんしていない状況で法案の改正になるわけですけれども、これは何度も申し上げていますが、そもそも医師少数区域というのをどのように決めて、どのような規模感になるのかということが皆さんにわかってこないと、それに対してどういう対応をとったらよいかということはわからない、決められないわけです。そこが一番大きな問題だろうと感じております。そのことについて、もう一度事務局としてはどのようにお考えなのかということを伺っておきたいと思います。

 もう一点質問として、確認ですが、1ページの3の専門研修のところに「国から日本専門医機構等」と書いてありますが、この「等」というのは何を指すのか、伺いたいと思います。

○永井部会長 どうぞ。

○地域医療計画課長 計画課長でございます。

 まず、1点目の医師少数区域をどういうふうに決めるのかというところでございますけれども、これに関しましては、具体的な内容については今データ等の精査を要しておりますけれども、最終的には当然関係する検討会 などの 公開の場できちんと議論した上で決定をするということでございます 大変重要な御指摘というふうに思っておりますので、そこら辺のところを具体的に詰めていく作業は、関係者の御意見を聞きながら進めていくということで考えております。

 しかしながら、医師少数区域を設定して、その区域で勤務していただくという仕組みについては、ぜひ御理解を賜りまして、具体的な内容についてはきちんと関係する場で議論した上で決定してまいりたいと思っているところでございます。

○永井部会長 よろしいですか。

○釜萢委員 「等」については。

○永井部会長 「専門医機構等」の「等」ということについて。

○医事課長 医事課長でございます。御質問、ありがとうございました。

 「専門医機構等」の「等」ですが、これは現状の研修の調整機能をどういった形で進めているかということがベースにあり、現在、専門医機構を中心にその役割を担っていただいていることに加え、学会にも重要な役割を担っていただいております。そのため、この「等」は専門医機構以外ですので、学会を想定しております。

○釜萢委員 まず、計画課長からのお話についてですが、医師少数区域のイメージが新たに明らかになってきたときに、今回、法案で取り扱う方向性がどうも余り合っていない、あるいはそれでは解決につながらないという懸念が出てくる可能性を非常に考えております。したがって、まずはしっかりと少数区域というのはどういうふうに定義されて、どういうふうに線引きされるのかということが見えてくることによって、解決策が皆さんの合意が得られるのだと強く感じていて、そのように発言をしてきておりますので、そのことをもう一度強調しておきたいと思います。

 それから、医事課長のお話の学会の件ですけれども、日本専門医機構が本来担うべき機能がまだちょっと足りない、不十分だという中で、それに直接学会が携わってきている現状は私もよく承知しておりますけれども、そもそも今回のたてつけの1ページの3の専門医のところですが、「地域医療の観点から必要な措置の実施を意見する仕組みの創設」の上、「必要な研修機会を確保するよう要請する権限の創設」ということで、学会に対して国あるいは行政がそのような権限を持つということが、どうも学会のありようと相入れないと強く感じておりまして、この点については日本医師会として大変懸念を持っております。あくまでも日本専門医機構がしっかりそのあたりを行政からの要請を受けとめていくということでないと、学会に直接このような権限を行使されるということは、今後に多くの禍根を残すのではないかということを懸念しておりますので、指摘しておきます。

 以上です。

○永井部会長 林参考人、それから伊藤参考人。

○林参考人  専門医の話題が出ましたので、同じ3ページの3の(4)のところで意見を一つ申し上げたいと思います。

 結論から申し上げると、国と都道府県が、専門医機構等となっていますが、専門機構に対して意味のある形で意見を述べるような形にして法定化していただくことが重要だと考えております。昨年も、都道府県から意見を提出いたしましたが、いまだ専門医機構から回答、対応を明確にいただいていないという状況でございます。こういったことが繰り返されないようにお願いしたいということでございます。

 最後に私からの提出の資料ということで、参考の資料をおつけさせていただいているものがございます。「医学部定員・研修医数と、大都市部以外の初期研修医・後期研修医の割合の推移」というものでございます。

 少し振り返ると、医学部の入学委員は平成21年、22年に大きく増やされました。そして、それが7年たってようやく初期研修医の採用実績として27年、28年に増えてきました。偏在対策も、初期研修までは進んできていて、この間、大都市部以外の初期研修医の割合がふえているという状況になっています。

 しかしながら、後期研修については、数字の比較の仕方が難しいということはありますけれども、この傾向が平成30年に逆になっている、あるいは失速しているのではないかという、疑義が出てきているところだと思います。

 この間、入学定員の増加あるいは地域枠の設置など、巨費を投じて都道府県、国が運営をしているところでございます。今般の改正でも、臨床研修の指定の事務など、多くの業務を県が引き受けることになりますし、また、卒前・初期研修について具体的な措置が法律に多く盛り込まれるというふうに御提案をいただいております。

 申し上げたいことでございますけれども、医師の定着の最終的な結果は後期研修以降ということになります。これまでの卒前・初期研修の努力、これからの努力を無駄にすることのないよう、専門医機構が国、都道府県と一緒に取り組んでいただくことが必要でございます。意見をしっかり聞き届けていただく趣旨を含めて、決して骨抜きにならないように、法に盛り込んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○永井部会長 ありがとうございます。

 伊藤参考人。

○伊藤参考人 先ほど医師少数区域の検討について検討会を開いていくというようなお話だったのかと思いますが、これは医師偏在指標のつくり方について検討を行うということで理解してよろしいでしょうか。それについて、検討会は大切だと思いますけれども、ぜひ医療部会でも施行より早い時点で議論ができるような機会を設けていただきたいと思います。

 もう一点、前でも申し上げているのですけれども、具体的な医師確保の実施を担う医療機関を中心に、地域医療対策協議会の構成を見直し、ほかの会議と統合していくということですけれども、現状では、公募も行って、市民などが入っている地域もありますので、そういった点についてはぜひ配慮をお願いしたいと思います。

 以上です。

○永井部会長 事務局、よろしいですか。

 では、計画課長、お願いします。

○地域医療計画課長 医師少数区域、医師偏在指標の議論に関しましては、新たに検討会を設置するかどうかというのはありますが、医師需給分科会等も含めまして、しっかり検討していきたいと思いますし、その議論に関しましてはタイミングを見て医療部会のほうにも御報告申し上げる予定でございます。

 あと、地域における会議体の持ち方につきましては、地域において適切に検討して運営していただければと思っているところでございます。

○永井部会長 医事課長、お願いします。

○医事課長 ちょっと話が戻りますけれども、専門医の件でございます。釜萢委員から非常に重要な御指摘をいただいたと思いますし、林参考人のほうからも、具体的なデータをお示しいただいたところかと思います。

 林参考人からいただいたデータですけれども、詳細はこれから我々のほうでも分析したいと思っております。1点留意事項がございまして、臨床研修のアンケートは勤務地を指しており、専門研修は基幹病院の所在地ですので、どういう住所地を扱ったかというところはきちんと見ていきたいと思っております。

 それから、重要な点は、むしろそういった細かな点よりも、この新専門医制度との関連で、都市部集中の懸念についての御指摘かと思います。やはり地方へ行っていないのではないかという御指摘だと思います。

 実は、今後の医師養成のあり方と地域医療に関する検討会というのを厚生労働省で設置しておりますので、そこで御議論いただくことなどを通じて必要な確認を今後行ってまいりたいと考えております。

 あわせまして、後期研修における偏在対策の重要性ですけれども、国、都道府県が地域医療の観点から、日本専門医機構等に対して意見を述べる、その仕組みを法定化するという件について、今後、必要な対応を進めてまいりたい。そのように考えている次第でございます。

○永井部会長 よろしいでしょうか。

 それでは、先に神野さん、それから久喜委員。

○神野参考人 私が今、こんなことを言うのは自分の能力のなさを露呈するような話ですけれども、実はこの中で唯一日本専門医機構の理事でございまして、今回の「専門医機構等」の「等」に学会が入るという、先ほどの釜萢委員からの御質問の答えに対して、私は賛成いたします。

 今、専門医機構の理事として情報公開を強く内部で求めておりますけれども、全然出てこない。結局、ガバナンスが効いていないのです。例えば大都市における上限の平均値の根拠数字すら出てこないということがやはり非常に問題だと思います。

 そういった意味では、広くいろいろな方が入っていらっしゃるようなこういった医療部会、ないしは厚生労働省のほうから、専門医機構等の「等」のほうも含めて、いろいろな根拠数字等々を出させるような権限を法的にも確保していただいたほうが私はプロフェッショナルオートノミーとは言うものの、今後の後期研修医等の偏在対策に対して有効なのかなと思っております。

 機構の内部のガバナンスとして、これはまた機構の理事会で強く申し上げていくことをお約束いたしますけれども、法律的なものをつくることに対して賛成でございます。

○永井部会長 久喜委員、手短にお願いします。

○久喜委員 意見という形ですが、地域医療対策協議会等々で知事の権限ということが明確になってくるわけですけれども、そういう中で私は特に地域の場合に科目の偏在がかなりあるわけで、そういう科目の偏在に対するきちんとした考え方をここに網羅して、単に病床数等々で規定しないでいただいて、科目ということをきちんとここに明記していただければなと思いました。

 もう一つ、認定した医師に管理させなければいけないという項目が2ページ目にございますけれども、そういう中で果たして、地方では極端に医師少数区域があるわけですから、そういうところにあえてそういうふうな規定をかけていいものかどうか。認定されていなくても優秀な医者はたくさんいるわけですから、そういうところを首長がきちんと判断して、管理者として与えていくという考え方もあるのではないかと、その点を感じたところです。

○永井部会長 ありがとうございます。

 まだ御意見はおありかと思うのですが、時間の都合で先へ進めさせていただきます。事務局におかれましては、本日の議論を踏まえて対応をお願いいたします。

 次に、1月22日の第12回医療計画の見直し等に関する検討会で議論がありました救命救急医療センターの充実段階評価の見直しについて説明をお願いいたします。

○救急・周産期医療等対策室長 救急・周産期医療等対策室長でございます。資料3と参考資料1をごらんください。

 こちらにつきましては、今週月曜日、1月22日の第12回医療計画の見直し等に関する検討会で検討いただいた事項でございます。

 参考資料3の 2ページ をごらんください。救命救急センターにつきましては、昭和52年から整備が開始されております。これにつきまして、平成11年より全体のレベルアップを図ることを目的といたしまして、救命救急センターの充実段階評価を開始しております。これまで1回見直しを行いまして、平成22年に現在の充実段階評価をスタートしているところでございます。

 ちなみに、現在の充実段階評価につきましては、資料3の12ページ、評価項目37項目、101点満点、是正を要する項目16項目、70点満点でございます。是正を要する項目が項目番号でオレンジ塗りをしています2番、4番、7番 でございます。

 こちらの評価方法でございますけれども、A、B、C評価で行いまして、是正を要する項目70点満点につきまして、2年連続して22 以上の 場合はB評価、3年連続して22点以上の場合をC評価という形にしているところでございます。

2ページ にお戻りください。行っております充実段階評価につきまして、平成25年に行われました救急医療体制等のあり方に関する検討会におきまして、充実したものにする方向性が示されたものでございます。

 なお、参考でございますけれども、充実段階評価につきましては、下にありますような補助金及び診療報酬点数に反映させているところでございます。

3ページ でございます。充実段階評価につきまして、先ほど25年の検討会で見直しの方向性が示された後、28年度の医療計画の見直し等に関する検討会(第6回)、平成2811月9日に開かれました検討会で議論いただきまして、上のカラムの下から2行目、「救命センターの充実段階評価を見直し、地域連携の観点をより入れること」という方向性が示されたものでございます。

 これを受けまして、今回提案させていただきましたのは、見直しに係る論点ということで、充実段階評価の項目の見直しにつきまして、日本救急医学会と研究班が合同で作成しました充実段階評価の見直し案を用いてはどうかということと、2ポツ目、この充実段階評価につきまして新たにS評価をつくりまして、4段階の評価といたしまして、その項目に関しては見直し後は改善を求めるべく段階的に評価基準を上げてはどうかということを提案させていただいております。

 続きまして、4ページでございます。今回、充実段階評価の項目の見直しにつきまして、プロセスも含めた評価体系、そして地域連携の観点を追加するということで、左側が現行の案、右側が見直し案でございます。プロセスも含めて評価体系といたしまして、赤で下線を引いているものが地域連携の観点を含めたものでございます。具体的に言いますと、受入応需の公表と改善に向けた検討、地域貢献度、地域の関係機関との連携というものでございます。

 続きまして、5ページに具体的な評価項目につきまして提示させていただいております。これにつきまして、まず赤字部分が新規に追加または細分化した項目でございます。具体的に言うと、3.2の「休日及び夜間帯における救急専従医師数」、7.2の「地域貢献度」等でございます。

 今回是正を要する項目としては、オレンジ塗りのもの、2番、4番、5番、8番等でございます。

 これら評価項目は全部で45項目100点満点で、是正を要する項目は20項目ということでございます。これらにつきまして、右の下でございますけれども、評価基準としては、適正に行われている基準として2点、一定の水準に達していないものとして0~1点、秀でているとして3点を配点しまして、45項目100点という形になっているものでございます。

 6ページ、充実段階評価の評価区分につきまして、左側が現行の評価区分でございます。先ほど御説明いたしましたように、是正を要する項目の点数として22点以上を2年間継続したものをB評価、3年継続したものをC評価としていたところでございますけれども、今回、是正を要する項目を項目数で評価いたします。今回、是正を要する項目は全部で20項目ございますので、項目数が9~20をC評価、5~8をB評価、0~4をA評価というふうに設定いたします。

 なお、今回は評価点を100点満点で設定しておりますが、従前、評価点につきましてはA、B、C評価に反映させておりませんでしたが、この評価点につきまして90点以上のところ、かつ是正を要する項目がゼロのところを新たにS評価として評価してはどうかというところでございます。

 なお、この90点につきましては、45項目あるものにつきまして全て適切に行われているという点数2点を取れたということで90点ということを設定しているものでございます。

 続きまして、7ページでございます。また、見直し後は改善を求めるべく段階的に評価基準を上げてはどうかというところで提案させていただいております。

 是正を要する項目につきましては、平成30年の評価はA評価が0~4、B評価が5~8、C評価が9~2031年が0~2、3~6、7~20という形で、段階的に基準を引き上げてはどうかと提案させていただいております。いわゆるS評価を設定いたします評価点につきましても、これも不断の努力を求めるべく、90点から段階的に基準を上げてはどうかということでございます。

 以降は参考資料でございますけれども、これまでの救命センターの評価について御紹介申し上げますと、11ページでございます。救命センターにつきましては、現在284の救命センターについて評価を行っているところでございます。平成22年の状況から、一部B評価、C評価の施設があったところでございますけれども、平成29年の評価では284の救命センター全てがA評価になっているところでございます。

 こういった内容につきまして、22日の検討会では御検討いただいたところでございます。委員の皆様方からは、項目の見直しについて、センターにとって過重な負担とならないように配慮してほしい、アウトカム評価を今後検討すべきではないか、S評価をつくることの必要性等について御質問いただいたところでございます。

 また、看護師に係る項目を加えてはどうかという御要望をいただいたところでありまして、そもそも評価につきましては、重症の症例というのは二次医療機関でも受け入れることが可能なように世の中はなってきているので、救命センターのあり方についてもう少し議論してはどうかといったところや、そもそも救命センターは多いのではないかという御意見も賜ったところで、そこら辺に関しては引き続き検討させていただくということでございます。

 以上でございます。

○永井部会長 ありがとうございます。

 御質問を。加納委員。

○加納委員 ありがとうございます。救命センターが多いと言った張本人の一人ですので、発言させていただきたいと思います。

 資料3の2ページ目の上を見ていただきながらお願いしますが、確かに、背景として、本来、救命センターは100万人に1カ所という形で、120カ所ぐらいを全国でつくるという想定で策定されたわけです。あくまでもこれは二次救急がどうしても対応できない、例えば多発外傷とか、脳卒中の妊婦さんとか、そういった方々を収容するセンターとして、たくさんの医師また看護師の配置が必要なため、そこに書いてありますように、救急診療報酬点数というのは1日113,930円、すごく大きな点数をつけていただいたわけです。さらに今の発表どおり、充実段階評価でA評価を受けるとさらにこれに1万円加算するという、すごい金額で運営できるようになっているわけです。しかし、そもそもそういうことが必要である患者さんに対しての治療費として入院料がつけられているわけでありますし、さらにA評価ですと交付される補助金が100%これにプラスされます。その結果、三次救急と称する救命センターはどんどんふえて、今では288までになり、本来120で済むところを倍以上つくっている。ところが、救急医が薄まってしまうという現象が起こって、運営が非常に大変だとか、逆に変な現象が起こっています。

 一方で、平成25年の救急医療体制等のあり方に関する検討会で議論したのは、これからふえる高齢者救急はやはり二次救急が背負っていかなければいけないことも一つ議論として決めたことでありました。その二次救急が逆に減っているわけなので、その対応として、何とか救急救命センターのチェックをして、いわゆる資格を評価してもう一回厳しくしようということでこれは決められたことだと思っております。

 その評価で、先ほど出ましたように、S、A、B、Cと新たになった中でも、実はCに落ちるのは2カ所ですか。落ちると言うとおかしいかもしれませんが、落とすかどうかはまたこれから議論だと思うのですが、救命センターとして今回の見直しをしても、一定の水準に達していないところは2カ所ぐらいしかない。本来、これはもっと厳しくすべきではないかと思うのですが、今後その方向でまた行くということでよろしいのでしょうか。

○永井部会長 どうぞ。

○救急・周産期医療等対策室長 御意見、ありがとうございます。

 まず、事実確認といたしまして、本日の資料の6ページをごらんください。先生は評価が落ちるのは2施設というお話がありましたけれども、29年3月末の実績に基づいて今回新たな項目を合わせると、Sが11カ所、Aが241カ所、Bが30カ所、Cが2カ所になりますので、AからBもしくはCに落ちるのは32カ所が今のところ想定されているところでございます。

 今後厳しくすることの妥当性については、さまざまなお立場があるかと思いますけれども、それにつきまして7ページのように段階的に救命センターの不断の努力をお願いしたいと考えているところでございます。

○永井部会長 山口委員、どうぞ。

○山口委員 私も医療計画の見直し検討会の構成員で、さっきの御説明の中にあった看護師のことについてお話ししたのですけれども、ここでも重ねて発言したいと思います。

 救命救急センターの充実段階評価ということで、5ページに項目がございますけれども、この中にぜひ専門性を備えた看護師の配置ということを今後入れていただきたいと思っています。今回は、時間的に入れてくださいということが多分無理だと思いますので、次回以降の見直しの中で入れていただければと要望いたします。

 というのも、充実段階ということで言いますと、質を問うということですから、患者家族にとってプラスになる項目が書いてあるはずだと思います。救命救急センターに運ばれる患者というのは、突然病気あるいはけがに襲われるわけで、御本人が意思表示できないことが多く、家族も何が起こったかわからない中で動揺するのが通常だと思います。私が聞いております話では、例えば急性・重症患者専門看護師が配置されているような救命救急センターですと、患者にとってどういうことをしたらプラスになるかということを現場のナースにアドバイスをしたり、家族に対していろいろアドバイス、そしてケアをするということをされていて、家族だけではなくて現場も非常に助かっているということです。そういったことが充実ということにつながるのではないかと思いますので、ほかにも認定看護師として集中ケアや救急看護など、今、さまざまな専門性を持った看護師が出てきているということで、そういったことをぜひ今後の課題の中に入れていただきたいということを重ねて要望したいと思います。

○永井部会長 どうぞ。

○吉川参考人 看護師の立場で話そうと思っていたところでした。前回の「医療計画の見直し等に関する検討会」でもお伝えさせていただいたのですけれども、専門性の高い看護師という前に、まず看護師の配置というものを評価項目として入れていただきたいです。

 そもそも救急医療対策事業実施要綱の中に、「重篤な救急患者の看護に必要な専任の看護師を適当数有する」ことというのが入っておりますので、やはりきちんと配置をしていただきたいというところで、配置がされているかという項目を挙げていただきたいと思います。

 それに関しまして、日本看護協会のほうで、三次救急をやっている施設に対して看護師の配置について調査をした結果、救急の初療をやる施設の看護師の配置に非常にばらつきがあるということが結果として出ております。そういうところから、救急の医療の質、安全確保のためにも看護職の配置については追加して項目を入れていただきたいと思います。

 もう一方、専門性の高い看護師の配置というところでは、今、山口委員がおっしゃったこともそうなのですけれども、救急看護を実践していく上で、医師のほうは救命のほうにかなり集中されるかと思いますので、その周りのところの実践と、看護師の教育、そのほか医療の質の担保、そして山口委員ご指摘の、患者家族への配慮とかケアというところは、やはり訓練されている質の高い看護師として認定看護師や専門看護師の配置を項目の中に入れていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○永井部会長 どうぞ。

○島崎委員 救命救急センターの充実段階評価について異論はありませんが、申し上げたいのは、1ページの資料にありますように、もともと今の救命救急の体系は交通事故多発時代につくられたもので、今日の医療の需要にうまくマッチしていません。例えば東京都の場合、救急搬送される患者の3分の1以上は75歳以上の方です。一方で、救命救急の人員の確保等に、すごくお金がかかっており、1件の救急搬送にかかる経費は、東京都の場合、1件5万円ぐらいかかっているというデータもあるくらいです。救命救急の体系のあり方について、例えば患者の医療へのかかり方であるとか、医師の働き方改革における分担のあり方であるとか、救命救急士の評価のあり方であるとか、いろいろな論点がありますので、一度ぜひきちっと議論したほうがよいと思います。これは私の意見です。

○永井部会長 手短に、神野参考人、伊藤参考人、順番にお願いします。

○神野参考人 全く同じ思いでありますし、ストラクチュアだけではなくてアウトカムも必要だし、逆にネガティブなリストとして二次救急とかウォークインはとらないとか、そういうのも条件に入れないと、やたら三次救急のセンターだけが大きくなって、先ほど加納委員が言ったように、軽症を高い診療報酬を取って診ているところが見受けられるような気がします。なので、全部A評価というのはおかしいわけで、もうちょっとアウトカム、あるいはネガティブなリストも検討する必要があるのではないかと思います。

 以上です。

○永井部会長 伊藤参考人。

○伊藤参考人 時間がないので、質問もしたかったですけれども、意見だけにしておきます。

 救急医療体制等のあり方に関する検討会で、第三者評価の導入の検討もすべきという話があった点について、特に今回変わっていないようです。そこについては検討会のほうで救急医療の付加機能評価なども具体的に出ていたりするものですから、こういったものも入れるべきではないかと、意見として申し上げておきます。

○永井部会長 中川委員。

○中川委員 島崎委員がさっき、患者の3分の1が75歳以上だとおっしゃったけれども、何が関係あるのですか。

○島崎委員 昔の交通事故多発時代の前提条件と今の前提条件は全然違いますということを申し上げたのです。

○中川委員 では、75歳は関係ないですね。

○島崎委員 救急搬送の中身がかつてとは全然違っていますよということを申し上げているだけです。

○中川委員 だから、75歳が関係あるのですか。

○島崎委員 高齢者がふえていますということを申し上げたのです。今の救急体制の組み方というのは交通事故多発時代につくられたもので、今の前提条件と合っていますかということを申し上げたのです。

○中川委員 交通事故多発時代につくられましたけれども、時代とともに救急医療システムは内容が進化していっているわけです。つくったときはそうだけれども。だから、75歳以上というのが非常に気になりました。感想です。

○島崎委員 年齢差別を意図したわけではなくて、救急搬送の時間だって長くなっているのは事実だし、軽症の患者がふえている実態もあるでしょう、ということを申し上げているだけです。

○永井部会長 ありがとうございます。

 ただいまの意見をよく踏まえて対応をお願いしたいと思います。

○救急・周産期医療等対策室長 今いただいた御意見全てにはお答えできませんけれども、看護の項目について次に入れるとまでは今の私の立場ではお約束できませんけれども、大変重要な視点だということで、次回の検討の際にはインプットさせていただきます。

 また、高齢者救急の状況が昨今大きくなっているところで、地域でどうやって受けとめていくかというのも我々は大きな課題だと思っておりますので、そういったことも今後検討していきたいと思いますし、救命センターの効率的な運営についても大きな課題だと思いますので、大変貴重な御示唆だと思って対応させていただきたいと思います。ありがとうございました。

○永井部会長 ありがとうございます。

 もう一つ議事がございます。都道府県における准看護師試験事務の委託について、説明をお願いします。

○看護課長 看護課長でございます。資料4と参考資料2に基づきまして、説明させていただきます。

 資料4の左側にございますように、准看護師の試験の現状でございますけれども、こちらは都道府県知事が実施する試験となっておりまして、現在、各都道府県で複数県がグループを組むといった形で試験事務を共同で実施しているところでございますけれども、事務負担が大きいということで、地方分権改革における平成29年の地方からの提案ということで、鳥取県などから准看護師試験の事務委託を行えるよう見直しをしてほしいといった提案があったところでございます。

 これに対応するということで、参考資料2の左側に囲みがございますけれども、昨年末、1226日にこの内容も盛り込みまして閣議決定をされたところでございます。

 これにつきましては、保健師助産師看護師法の法改正が必要ということになりますので、第8次地方分権一括法におきまして法改正を行うということにしております。

 これが改正されますと、資料4の右側にございますが、都道府県知事が指定した試験機関におきまして、准看護師試験の事務の全部または一部を委託することが可能となるところでございます。

 なお、指定試験機関につきまして、役員や試験委員の選任、解任、それから試験事務にかかる規定を定めるといったことについて、都道府県知事の許可を受けるといったことを保健師助産師看護師法に規定することとしております。また、関連する省令も定める予定としております。

 この改正につきましては、2019年4月の施行を予定しておりまして、2019年度の試験から委託可能とする見込みとしております。

 簡単ですが、以上でございます。

○永井部会長 ありがとうございます。

 釜萢委員。

○釜萢委員 これは厚労省にお願いですけれども、今回の変更に伴って准看護師の試験を受ける人たちが不利益をこうむらないように、ぜひ国としてしっかり対応していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○永井部会長 ほかにいかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 それでは、事務局では対応をお願いしたいと思います。

 最後に、事務局から連絡事項等をお願いいたします。

○医療政策企画官 次回、医療部会の日程につきましては、詳細が決まり次第、改めて御連絡をさせていただきます。

 以上でございます。

○永井部会長 それでは、これで医療部会を終了いたします。どうもありがとうございました。

 

 


(了)

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