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2022年6月15日 中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会 第211回議事録

○日時

令和4年6月15日(水)10:30~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士小委員長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員
城守国斗委員 長島公之委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○入院・外来医療等の調査・評価分科会からの報告について

○議事

○小塩小委員長
おはようございます。ただいまより第211回「中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会」を開催いたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開については、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について、御報告いたします。
本日は、眞田委員と末松委員が御欠席です。
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は「入院・外来医療等の調査・評価分科会からの報告について」を議題といたします。
本日は、同分科会の尾形分科会長にお越しいただいておりますので、尾形分科会長より御説明をお願いいたします。
○尾形分科会長
おはようございます。尾形でございます。
私からは、令和4年6月10日に開催されました、入院・外来医療等の調査・評価分科会において、検討を行った結果につきまして御報告を申し上げます。
お手元の資料の中医協診-1「看護の処遇改善について(技術的検討において必要な調査・分析 その3)」を用いて議論を行いました。
また、中医協診-2が、分科会で議論を行った際の主な意見をまとめたものでございます。
では、まず、診-1を御覧ください。
11ページにおきまして、5月19日の分科会におけるデータに関する主な指摘を記載しております。
これらの指摘を踏まえ、1.データの相関関係、それから2.点数のシミュレーションについて、データの分析を実施した結果を事務局から説明をした上で、議論を行いました。
まず、1.データの相関関係についてでございますが、13ページに看護職員数と入院料の算定回数、それから14ページに、病棟部門看護職員数と外来部門看護職員数の相関関係の分析が提示をされております。
次に2番目の点数のシミュレーションについてでございますが、これにつきましては、16ページから28ページにかけまして、看護職員の賃上げ必要額を対象となる基本診療料の算定回数で除したものを必要点数として、8種類のモデルでシミュレーションを実施した結果が示されております。
さらに、これらの8種類のシミュレーションにつきまして、それぞれの医療機関において処遇改善に必要となる金額と診療報酬による収入見込み額に、どの程度乖離があるかについて分析を行った結果が、29ページから33ページに示されております。そして34ページに、その結果が要約してまとめられております。これらを基にいたしまして分科会で議論を行いました。
診-2を御覧ください。
ただいまの診-1に基づく分科会での主な指摘を、ここにまとめております。
御覧いただきまして、具体的に申し上げますと、例えば、モデルマル1-2やマル3-2が、乖離率が小さく、点数の種類の数の観点からも選択肢として上がってくるのではないかとの指摘があった上で、モデルマル1-2と、マル3-2については、シンプルな設計にするという点と、入院患者の多くは、外来や入退院支援等の他部門と連続した関わりがある点を考慮して、入院料に加算するマル1-2が適しているのではないか。
あるいは、患者負担が生じるものであるため、点数設計に当たって留意が必要。幅広い負担という意味では、外来にもつける必要があるのではないか。
さらには、外来に点数をつけることは医療機関によって初再診料が変わるということであり、外来患者数に対する影響が大きいのではないか、といった意見がございました。
また、外れ値について精査を行う必要があるのではないか。
さらには、賃上げ必要額と実際に診療報酬によって得られる額の差を、乖離率だけではなく金額でも見る必要があるのではないか等の指摘もあったところでございます。
以上が簡単でございますが、6月10日の分科会において検討を行った結果の御報告です。
○小塩小委員長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問等ありましたら、よろしくお願いいたします。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
まず、尾形分科会長をはじめ、入院・外来医療等の調査・評価分科会におかれましては、この処遇改善を診療報酬で評価するという大変難しい命題に対しまして、示唆に富む御指摘を種々いただきまして感謝申し上げます。
また、分科会の検討の都度、中医協に御報告をいただきまして、重ねて御礼を申し上げます。
今回、様々な切り口からデータを解析し、また、点数設計のシミュレーションを示していただいた事務局にも感謝を申し上げたいと思います。
今、御説明のありました34ページの医療機関ごとの必要額と収入見込み額の乖離の状況の結果を見ながら、今後検討していこうということであろうと理解しております。
現時点では、モデルのマル1-2やモデルのマル3-2のばらつきが少ないという御説明でございます。
ただし、分科会でも御指摘されましたが、外れ値に該当する医療機関では、必要の額がどの程度不足するのかも見る必要があろうと思います。
また、患者さんの自己負担については、丁寧に見ていく必要があろうかと思います。特に、入院と外来では、その受け止めが全く異なるという点にも注意を払って検討を進めるべきであろうと考えております。
今回のシミュレーションは、既存データに基づいた実施でございますが、別途調査が進められております特別調査の内容も踏まえまして、今回のシミュレーションがうまくフィットするのか検証するということも重要と考えておりますので、引き続き分析をお願いしたいと思います。
私からは、以上でございます。
なお、会長におかれましては、必要に応じて、後ほど専門委員の御意見も伺っていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
私からは、以上です。
○小塩小委員長
ありがとうございました。
専門委員の御意見は後で頂戴いたしますので、続きまして、島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
尾形分科会長をはじめ、入院・外来医療等の調査・評価分科会の委員の皆様方及び事務局の皆様方の御努力に感謝申し上げます。
極めて難しい新たな制度づくりに、一筋の光明が見えてきた感じがしております。私も城守委員の御意見に賛同いたします。
診-1の34ページの医療機関ごとの必要額と収入見込み額の乖離の状況で示されている中で、入院料から見たマル1-2、初再診料、入院料から見たマル3-2がすっきりしているように見えますが、いずれにしても対象医療機関が限定されていることによって、施設間で看護職や、その他の支給可能な職種の不平等感をどう払拭するのか。
また、診療報酬で支払うことになりますので、患者負担が生じることに対する国民への説明と理解を求める必要があり、限られた期間ではありますが、しっかりと吟味し、納得のいく結論をこの総会で図っていきたいと思います。
以上でございます。
○小塩小委員長
ありがとうございました。
安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
今回の分析に関しまして、関係者の皆様、本当にありがとうございました。御苦労さまでございました。いろいろと分かったと思います。
論点につきまして、事務局の分析の方向性に、異論はございません。
また、前回も申し上げましたが、看護の処遇改善を診療報酬で対応するに当たり、患者負担は避けられないものの、なるべく患者の納得が得られるような仕組みにしていく必要があると考えております。
その意味では、今回御説明いただきましたモデルのうちマル1やマル2のように、入院料のみ考慮するモデルのほうが、マル3やマル4のように、入院料と初再診料双方を考慮するモデルよりも、患者の負担は少ないと考えられ、より望ましいのではないかと現時点では考えております。
引き続き、丁寧な議論をお願いできれば幸いと思っております。
以上です。
○小塩小委員長
ありがとうございました。
続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
尾形分科会長をはじめ、分科会の皆さんに感謝申し上げます。シミュレーションいただきましてありがとうございました。
まず、確認をしたい点が1点あります。先ほど、尾形分科会長から御説明があったと思いますが、このシミュレーションの前提として、現行の入院料や初再診料に加算する形としてバリエーションを考えているということでよいかどうかの確認をしたいと思います。
ある程度の細分化はやむを得ないと考えますが、現行の補助金水準に近づけることはできても、イコールにはならないと考えております。どこで折り合いをつけていくかということが、これからの議論と思いますので、よろしくお願いします。
私からは、以上です。
○小塩小委員長
ありがとうございます。
今、佐保委員から御質問ございましたが、後で、まとめて事務局より回答していただきたいと思います。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、短期間に具体的な点数のシミュレーションを作成していただき、また、非常に見やすい形にしていただいた事務局の方と、それを受けて、非常に精緻な分析をいただきました分科会の皆様に感謝を申し上げます。
尾形先生からありました、分科会の御意見を参考にしながら、改めてデータを見ましたけれども、ある程度方向性が見えてきたようにも感じますので、幾つかコメントをさせていただきたいと思います。
まず、資料の16ページの一番下のところに、点数の具体化のイメージというのが記載されております。これは、政府方針で示されております条件を踏まえて、非常に分かりやすい計算式に整理されておりますので、これについては、特に違和感等はございません。
特に、計算式の分母に算定回数を入れているというのは、入院であれば1日当たりの点数、外来であれば1回当たりの点数ということで、一般的には入院日数、受診回数が多い患者ほど、こうした看護職からのケアを多く受けると考えられますので、妥当だと思っております。
また、17ページにシミュレーションのモデルをまとめられておりますけれども、これについても異論はございません。
シミュレーションの結果については、34ページのまとめに記載がございますけれども、今回は、あくまでも必要額をなるべく過不足なく配分することが大前提ですので、分科会でも意見がありましたとおり、必要額と収入額の乖離が小さい、やはりマル1-2、マル3-2辺りが、有力な選択肢ではないかと考えております。
ただ、ほかの委員の方からも御意見がございましたけれども、収入不足が生じることについては、点数の上限に張り付いている外れ値がどのような状況なのか、どういった医療機関が多いのかを、もう少し具体的に分析いただいて、また御報告をいただければありがたいと思います。
また、初再診料を含めるか否かについては、これも先ほど言及がありましたけれども、やはり患者の自己負担に直接的に影響することを踏まえて、一方で、やはり公平性等も考慮する必要がございますので、少し慎重に判断していきたいと思っております。
いずれにしても、5月1日時点の調査結果を踏まえて、引き続き、分科会で技術的な検討を進めていただければと思います。
以上です。ありがとうございました。
○小塩小委員長
ありがとうございました。
ほかに委員の方々、御意見、御質問、飯塚委員、お手が挙がっています。よろしくお願いいたします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
分科会の皆様には、御検討いただきまして誠にありがとうございました。3点、コメント及び質問がございます。
まず、1つ目は、既にもう議論がありましたが、外れ値のところです。どのような病院なのか、直感的には非常に小さい病院なのかなと思いますけれども、その辺のところをよく見ていただきたいと思っています。
2番目ですが、これは、事務局に質問ですけれども、必要点数の調整に関してです。
例えば、モデルの2-2、22ページのようなもので、現状の看護師配置に合わせて、個別病院ごとに加算点数を設定すると考えたとします。その場合、時間が経ちますと、看護師の数が増減すると。増加した場合は、十分な点数が得られない。逆に、看護師が減ると、1万2000円を超える点数が支払われるとなるかと思います。
そうしますと、定期的に必要点数を再計算するということが必要になってくると思いますけれども、どのように調整をしていくのか、もし現時点でお考えがあれば、お聞きしたいなというのが2点目です。
3点目は、必要額と見込み額の乖離に関してコメントと要望があります。
例えば、30ページを見ていただきますと、こちらで乖離のデータがありまして、例えば、モデル1、2の場合の乖離率というのが、細分化した場合は非常に乖離が少ないということが示されております。
ただ、この場合に御注意いただきたいのは、このグラフは、事前の乖離率、ある一定のタイミングでの乖離率を示しているということで、先ほど申し上げたように、事後的には看護師数が変化するので、恐らくこのようにはならないだろうという点です。
むしろ、個別の医療機関の点数を大変細かく設定していますので、事後的には大きな乖離が生じる医療機関が出てくる可能性もあるのかなと思います。
これは、先ほどの2番目のコメントとも関連しますけれども、もし、頻繁に加算点数が変えられないということであれば、点数のバリエーションを、むしろ少なめにしたほうが、極端な乖離が出る医療機関が減るのではないかなとも考えられますので、そのような点も御検討の中に入れていただくとよろしいかなと思います。
これは要望ですけれども、関連してコメントですが、検証する際には、このような事前に想定したものと、事後がどのように乖離するかという両方も分析していただくと、実態が分かるのかなと思いました。
以上です。
○小塩小委員長
ありがとうございます。
飯塚委員からも御質問がありましたけれども、後でまとめて回答をお願いしたいと思います。
続きまして、中村委員、お願いいたします。
○中村委員
ありがとうございます。
私のほうからは、簡単に1点だけお願いがあります。処遇改善は非常に重要で意義深いと思っておりますが、一方で、これまでも指摘がありましたように、患者さんの負担増につながります。そこで、どの程度負担が増えるのかを目安として提示していただくとともに、必要な負担増であることの理解を得ることが非常に重要と思っております。
以上です。
○小塩小委員長
ありがとうございました。
ほかによろしいでしょうか。それでは、もしよろしければ、吉川専門委員、御意見を頂戴したいのですけれども、いかがでしょうか。
○吉川専門委員
ありがとうございます。
看護職の処遇改善につきまして、細かく分析していただき、また、データを提示いただきまして、ありがとうございます。
資料診-1の34ページの点数設定のシミュレーション結果を見ますと、モデルマル1-2またはマル3-2は乖離が少なく、点数の種類としては現実的ではないかと考えます。
その上で、資料診-2で示していただきました2つ目にもありますように、シンプルな設計にするという点と、また、入院患者の多くは外来や、外来部門にあります入退院支援センターなどといった他部門との関わりが非常にあるということを考慮しますと、入院料に加算する形、モデルマル1-2が適しているのではないかと考えます。
その上で、今後、現在調査中のものが出されてくる最新のデータを踏まえて、さらに検討を進めていく必要があると考えます。
以上です。
○小塩小委員長
ありがとうございました。
ほかに、御質問、御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、事務局から、先ほどいただいた御質問に対して、御回答をよろしくお願いいたします。
○井内医療課長
事務局のほうから御質問にお答えをさせていただきます。
まず、今回のこの点数について、加算という形になるのかという御質問かと思います。そこにつきましては、まさに、今後、この中医協の中で御議論、御検討をいただく事項だと思っております。まずは、今、分科会のほうで具体的なシミュレーションをやっていただき、それをどう設計していくのかということだと思っております。
また、ナースの増減数、時間的変化にどう対応していくのかということでございますが、これにつきましても、今後、中医協の場で議論をいただけると思っております。
以上です。
○小塩小委員長
ありがとうございます。
これから引き続き議論していくということでございますが、ほかに御質問、御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ほかに御質問等ないようですので、本件に係る質疑は、この辺りといたします。
本日の総会に報告させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩小委員長
ありがとうございます。それでは、そのようにしたいと思います。
尾形分科会長、どうもありがとうございました。
本日の議題は、以上です。
なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の基本問題小委員会は、これにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。
 

(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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