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2022年6月1日 中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会 第210回議事録

○日時

令和4年6月1日(水)11:00~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士小委員長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 眞田享委員
城守国斗委員 長島公之委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○入院・外来医療等の調査・評価分科会からの報告について

○議事

○小塩小委員長
おはようございます。ただいまより第210回「中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会」を開催いたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、末松委員が御欠席です。
それでは、早速議事に入らせていただきます。
本日は、「入院・外来医療等の調査・評価分科会からの報告について」を議題といたします。
本日は、同分科会の尾形分科会長にお越しいただいておりますので、尾形分科会長より御報告をお願いいたします。
○尾形分科会長
こんにちは。尾形でございます。
5月19日の入院・外来医療等の調査・評価分科会において検討を行った結果につきまして御報告申し上げます。
当日は、お手元の資料の中医協診-1「看護の処遇改善について(技術的検討において必要な調査・分析 その2)」を用いて議論を行いました。
また、中医協診-2が分科会で議論を行った際の主な意見をまとめたものでございます。
それではまず、診-1をお願いいたします。
9ページでございますが、これまでの中医協における御指摘のうち、データに関する主なものの抜粋を記載しております。
これらを踏まえまして、矢印の下のところですが、処遇改善の対象となる職員へ正しく届ける観点から、まず1として診療報酬における算定回数、それから、2、病床機能報告等における集計を用いた分析を実施し、まとめたデータを作成し、議論を行ったところでございます。
データの分析といたしましては、診療報酬における算定回数については入院料、初再診療、病床機能報告等における集計につきましては許可病床数、病床稼働率、部門別の看護職員の所属割合、部門別の看護職員数、対象病院における入院料の届出状況、病棟別の看護職員数、これらの分布等の分析について事務局から説明があり、議論を行ったところでございます。
それでは、診-2を御覧いただきたいと思います。
診-2には、今御説明いたしました診-1に基づく委員からの主な指摘事項をまとめてございます。
具体的には、2ページでございますが、最初の○です。例えば診療報酬における入院料等の算定回数と病床機能報告等による看護職員数のデータを病院ごとにひもづけて分析し、算定回数と看護職員数の相関を把握すれば、より詳細な議論ができるのではないか。
2つ目の○ですが、看護部門に配属される看護職員数は病院ごとにばらつきが大きいため、当該病院の看護職員数という切り口とその施設全体の看護職員数という2つの分析が必要ではないか。
それから、ちょっと飛びまして5つ目の○ですが、パラメーターである看護職員数と算定回数であるが、算定回数については入院という切り口を主体として整理することも考えられる。
最後の○でございます。きめ細やかさと同時にシンプルさが求められる。膨大な解析のエビデンスが必要という考え方もあるが、事務局のほうで実際に点数化した場合にどのようになるのか、シミュレーションを幾つか出してほしいといった指摘がございました。
以上、簡単でございますが、分科会において検討を行った結果についての御報告でございます。
○小塩小委員長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして御質問等がございましたらよろしくお願いいたします。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
まず、入院分科会におかれまして鋭意御検討いただいておりますことを感謝申し上げます。
その上で、今回の御報告に関しまして少しコメントをさせていただければと思います。
率直な印象といたしましては、実態はよく理解できたところでございまして、医療機関によって診療報酬の算定回数、看護職員の配置が非常に様々であるということだと思っております。まさに診療側の我々が持っている実感と符合していると考えております。
一方で、今回の難しいミッションに対するますますの難しさというものも感じております。処遇改善を診療報酬で評価するということはそれだけ非常に難しい課題ですので、それも当然であろうと思っております。
資料の診-2の2ページの3つ目の○の御指摘にございますとおり、ばらつきに応じた診療報酬になるのかと思います。その際、ヒントになる御指摘として、2つ目の○にもありますが、当該病棟の看護職員数という切り口とその施設全体の看護職員数という2つの視点は、診療報酬で評価していく方法を考えるに当たりまして、整理の道しるべになるのではないかと考えております。
今後の対応としては、最後の○にありますが、事務局のほうで実際に点数化した場合にどのようになるのか、シミュレーションを幾つか出していただいて、それを確認していくということを通じて様々な点数設計を検討しながら、丁寧に合意形成をしていくということが重要であろうと考えます。
その結果として、比較的ばらつきが少なくて、補助金と比較してもあまりそごのないような点数設計が見つかるということを期待しております。
その一方で、どのような点数設計になったとしても、診療報酬である以上、患者数の変動等によって処遇改善に必要な費用に過不足が生じるということは避けられないであろうと思います。その際に重要なのは、ある程度余裕を持ったバッファを設定しておくということで、過不足に柔軟に対応できる仕組みでありまして、今後はそうした視点も併せて検討しておく必要があるのではないかと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○小塩小委員長
ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、短期間にデータを分析、検討いただきました尾形分科会長をはじめ、分科会の委員の皆様、並びに事務局の方に御礼申し上げます。
資料の診-1のデータを見た印象ですけれども、これは60ページのまとめにもありますが、算定回数並びに看護職員の配置のいずれもかなりばらつきがあるというのは、今、城守委員からもありましたけれども、素直に感じた次第です。
そうした上で、診-2にあります分科会の御指摘を拝見しますと、検討の方向性として2つのことがあるのかなと受け止めました。まず、1つ目と2つ目の御指摘を見ますと、なるべくばらつきが小さくなる方法をこれから細かく検討していく必要があるのだろうという御指摘。もう一つは、3つ目と4つ目の御指摘にあるとおり、ばらつきというものはそもそもあるという前提で、医療機関ごとに報酬や係数を設定するのがいいのではないかと。こうした2つの方向性が分科会の御意見の中には出ておるのかと受け止めております。
ここからは意見となりますけれども、最初に申し上げましたばらつきの小さい方法を例えば追求するとなった場合には、診療報酬という仕組みを考えますと、ばらつきの収束がある程度の期間安定的に継続するということが考慮すべき事項だろうと考えます。
一方で、後から述べましたばらつきを前提として医療機関ごとに評価するというのは、検証のしやすさという観点からは選択肢の一つとして考えられるのかなと感じた次第です。
次に、診-2の5つ目にあります御指摘ですけれども、入院主体ということで考えますと、診-1の32ページにあります看護職の所属部門から見ますと、ある程度は理解ができることであります。ただ、仮に入院ということだけで考えますと、病棟以外にいる看護職員が約3割程度おりますので、その処遇改善を入院患者だけが負担するということになりますので、もしその方向に進む場合には合理的な説明が別途要るのだろうと思いますので、検討はお願いしたいと思います。
最後に、シミュレーションに関しましては、分科会の委員からも、また、城守委員からも出ておりますけれども、ぜひ進めていただきたいと思います。
私からは以上になります。
○小塩小委員長
ありがとうございました。
続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
私からも、尾形分科会長をはじめ、分科会の皆さん、それから、事務局の皆さんにお礼を申し上げたいと思います。
やはり診-2の資料の一番最後の○に書いてあるように、「きめこまやかさ」と同時に「シンプルさ」が求められるというところではないかと思います。実際に運用する時期になったときに、患者、被保険者にとって分かりづらいといった場合には、納得がいかないというところもあろうかと思いますので、きちんと対応できるような報酬のつけ方といったものが必要ではないかなと思っています。ここに書いておりますシミュレーションを見ながら今後検討していきたいと思いますし、その後は実際にどうやって運用していくかといったことも議論できたらよいと思っております。
以上です。
○小塩小委員長
ありがとうございました。
安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
今までの委員の皆様の御意見と同じでございますけれども、本当にこれだけの膨大なデータを分析し、そして、看護職員の報酬が補助金と同じようにどうやって診療報酬でできるのかということは、非常に大変な作業であると思っております。その意味で、尾形会長をはじめとして、事務局の皆様には御礼を申し上げます。
そして、その際に1つだけ頭の中に入れておいていただきたいのが、今回の診療報酬改定を行うということは、イコール患者の方たちが今後負担する医療費が増えるということにつながると思います。ですから、増えるということに関して、患者の方たち皆様が納得いくような説明が可能なような仕組みを我々はこれから中医協の中でつくっていく必要があると思いますので、その辺の視点もしっかりと入れた上で今後も検討していただければと思います。
以上でございます。
○小塩小委員長
ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
本日は御報告いただきましてありがとうございました。
データを使った分析をたくさんやっておりまして、少しコメントさせていただければと思います。
御提案あるいは資料にありましたように、基本的には各医療機関の看護師数というものが分かって、一方、看護師の数に大きな影響を与えるであろう診療報酬の個々の算定回数が分かるということですので、その相関といいますか、あるいは個別の重要な診療報酬の一回一回の算定回数がどの程度看護師数に影響するのかという相関を見ていくという作業をやっていただいていると思います。その方法で全くよろしいのではないかと思います。
もし寄与率のようなものを少し詳細に分析するということになりましたら、基本的にはそれに1万2000円を掛けたものを診療報酬に加算するというのが一つの出発点なのかなと思っております。そうしますと、結果として、平均してお一人か月1万2000円分の加算をお支払いして、かつ業務量の多い病院、お忙しい病院には多くお支払いするということが可能になると思いますので、全体的にお支払いするという点と、それから、たくさんお仕事をされている方にはたくさんお支払いするという2点においては非常に納得性が高いかなと思うのですが、当然、ほかの点も考慮が必要かと思いますので、その点も踏まえて御検討いただければなと思います。
以上です。
○小塩小委員長
ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
本日も委員の方々から非常に貴重な御提案を頂戴いたしました。
ほかに御意見、御質問等がないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺りといたしまして、本日の総会に報告させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、そのようにしたいと思います。
本日の議題は以上です。
なお、次回の日程につきましては追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の基本問題小委員会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
 

(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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