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2021年10月27日 中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会 第206回議事録

○日時

令和3年10月27日(水)9:30~

 

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士小委員長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 眞田享委員 末松則子委員
松本吉郎委員 城守国斗委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員
<参考人>
入院医療等の調査・評価分科会 尾形分科会長
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○診療報酬調査専門組織入院医療等の調査・評価分科会からの報告について

○議事

 

○小塩小委員長
おはようございます。ただいまより第206回「中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会」を開催いたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。
また、今回も会議の開催につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。本日は、永瀬委員が御欠席です。
それでは、早速、議事に入らせていただきます。
本日は「診療報酬調査専門組織入院医療等の調査・評価分科会からの報告について」を議題といたします。
本日は、入院医療等の調査・評価分科会の尾形分科会長にお越しいただいておりますので、尾形分科会長より御報告をお願いいたします。
○尾形分科会長
おはようございます。尾形でございます。
入院医療等の調査・評価分科会におきましては、令和2年度及び令和3年度に調査を実施し、その結果の分析とともに、入院医療等に係る技術的な課題の検討を行ってまいりました。
分科会におけます中間取りまとめにつきましては、令和3年9月22日に開催されました基本問題小委員会に御報告をさせていただいたところですが、その後の検討も踏まえまして、10月21日に開催されました入院医療等の調査・評価分科会におきまして分科会における検討結果の取りまとめを行いましたので、本日御報告をさせていただきます。
お手元の資料の中医協診-1-1が取りまとめの本体でございます。それから、中医協診-1-2が、膨大なものですが、別添資料でございます。中医協診-1-1の本文中の各項目の見出しに対応する別添資料のページを記載しておりますので、適宜御参照いただければと思います。
それでは、中医協診-1-1に基づき、以下御説明をさせていただきます。
まず、1ページでございますが、1から11の項目に分けて取りまとめを行ったということでございます。各項目につきまして、9月22日の中間取りまとめの御報告以降に分科会におきまして検討いたしました部分を中心にポイントを絞って御説明をさせていただきます。
2ページですが、その上のところの「II.検討結果の概要」につきましては中間取りまとめの際と同様の記載といたしております。
2ページの中段以降ですが「1.一般病棟入院基本料について」でございます。
「1-1.重症度、医療・看護必要度について」の「(1)重症度、医療・看護必要度の該当患者割合」を御覧ください。ここでは、重症度、医療・看護必要度の届出状況や該当患者割合についての分析結果をお示ししております。
3ページの上から5つ目のポツですが、令和2年度改定後の必要度の該当患者割合の変化についての追加分析の結果を記載しております。令和2年度における必要度の基準を満たす患者について、必要度の基準1から3の割合を令和2年度改定前と比較した結果、必要度I・IIともに基準(C1点以上)の割合が高くなっていたという結果となりました。
次に、6つ目のポツですが、ここには新型コロナウイルス感染症の影響が少ないと考えられる医療機関に着目した分析を行い、改定前後の該当患者割合について分析を行った結果をお示ししております。
次に、3ページの下段以降ですが「(2)個別項目に着目した分析」についてです。特にA項目について「心電図モニターの管理」「点滴ライン同時3本以上の管理」「輸血や血液製剤の管理」の3項目に関して分析した結果及び委員からの指摘を4ページの上から1つ目のポツから7つ目のポツまでにまとめております。さらに、B項目につきましても最後のポツのところに記載をしているところでございます。
続いて、4ページの下段から5ページでございます。「1-2.急性期入院医療の評価について」です。
急性期医療を担う医療機関の役割として、これまでの診療報酬改定において、重症救急患者に対する医療の提供や手術などの専門的な医療の提供について掲げられてきたことを踏まえて、その実態を分析し、その結果をお示ししております。今回は、新たに医療機関ごとの治療室の届出状況や手術の実施状況等に関する追加分析を行い、結果を示しております。
委員からは、手術等の実績が少なくても地域で役割を果たしている場合もあるといった御指摘や、実績に違いが出ていることからすれば、実績に応じた評価を行うべきであるといった指摘がございました。
続きまして、6ページ目の下段から「2.特定集中治療室管理料等について」でございます。
「2-1.重症度、医療・看護必要度について」においては、特定集中治療室等の重症度、医療・看護必要度及びSOFAスコアに関するさらなる分析結果をお示ししております。
7ページの5つ目のポツ及び6つ目のポツでございますが、B項目についての分析結果と指摘事項を記載しております。特定集中治療室管理料を算定する患者において、A項目の基準は満たしているがB項目を満たしていない割合は1.7%という結果となりました。また、B項目については、特定集中治療室における適切な評価指標であるかは検討が必要であるとの指摘があった一方で、ADL等の改善状況を統一的な指標で把握するために、B項目を必要度の基準から外したとしても、測定自体は継続すべきではないかという指摘がございました。
8ページの下段から9ページにかけては、新たに「2-3.職員配置状況について」と「2-4.バイオクリーンルームについて」の2項目が追加されております。
ここでは、ICUで重症患者をケアできるような専門性の高い看護師確保の重要性の指摘やICUにおけるバイオクリーンルームの在り方についての指摘がございました。
続きまして、9ページの中段で「3.短期滞在手術等基本料について」でございます。
ここでは短期滞在手術等基本料3の対象となっていない手術等について、在院日数が短く、算定点数のばらつきが少ない項目が存在したことを踏まえ、さらなる分析として、入院基本料等を差し引いた出来高実績点数の分布を確認したところ、おおむね収れんしたということについて追記をいたしております。
続きまして、10ページの中段以降が「4.DPC/PDPSについて」でございます。
まず「4-1.医療資源投入量の少ない病院及び平均在院日数の短い病院の分析」でございます。
11ページの上から1つ目のポツから12ページの上から6つ目のポツまでにかけまして、実施をいたしました分析や議論の内容についてお示しをしております。
次に、12ページ目の下段から「4-2.令和3年度特別調査について」でございます。
ここでは医療資源投入量の少ない病院、在院日数の短い病院ということで選定をされた医療機関に対して行ったヒアリング調査の内容と、それを踏まえた分析、それに対する指摘についてお示しをいたしております。
中間取りまとめ以降に特別調査の結果を踏まえて実施した分析につきましては、13ページの3つ目のポツからお示しをいたしております。具体的には、特別調査において、他の医療機関からの転院患者について、一時的にDPC対象病棟で受入れを行い、自院の他の病棟へ転棟させている実態が見受けられたことから、委員からの指摘として、14ページ目の1つ目のポツにありますとおり、回復期リハビリテーション病棟について、他院からDPC対象病棟に移転してきた群と、自院に直接入院してきた群とを比べ、他院から転院してきた群において、転棟までの日数が極端に短く、回復期病棟への転棟前に、一時的にDPC対象病棟を利用している実態があることは、DPC制度になじまない側面があるのではないか。あるいは「リハビリ目的」で他院から転院してきた症例について、治療目的で入院してきた症例と同様の診断群分類はなじまないのではないかといった指摘がございました。
14ページの下段以降で「4-3.医療機関別係数について」でございます。
機能評価係数IIの体制評価指数、個別の項目として、新型コロナウイルス感染症、へき地、それから、災害について議論を行いましたので、ここに指摘とともにお示しをいたしております。
少し飛びまして、16ページの下段で「5.地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料について」でございます。
16ページの下から1つ目のポツ以降は、自院または他院の一般病棟からの転棟の内訳や入棟元別の患者の状態等を新たに分析しております。
委員からは、地域包括ケア病棟の3つの役割について、病床規模や病床種別による患者の背景・地域における運用の在り方等が異なることも踏まえつつ、地域包括ケア病棟の機能の差を踏まえた評価について検討を行うべきとの指摘がございました。
続きまして、19ページの中段で「6.回復期リハビリテーション病棟入院料について」でございます。
まず「6-1.質の高いリハビリテーションの提供について」です。
20ページ目上から2つ目のポツ以降は、新たに回復期リハビリテーション病棟入院料を届け出ている病棟について、届出入院料ごとに、経年的な届出入院料の変化を分析いたしております。
ここでの指摘としましては、回復期リハビリテーション入院料5及び6について、実績指数が悪い・FIMの変化が小さいこと等から他の入院料を届け出られないまま何年も入院料5または6を引き続き届け出ているケースがあることを踏まえ、入院料5及び6の在り方については、対応を検討すべきといった指摘がございました。
次に「6-2.リハビリテーションを要する状態について」でございます。
20ページ目の中段以降が、循環器疾患患者への回復期リハビリテーションの重要性や、回復期リハビリテーション病棟において心大血管リハビリテーションが提供される機会を確保することの検討があってもよいのではないかとの指摘があった一方で、心大血管疾患リハビリテーションは、他の疾患別リハビリテーションと比較して施設基準も異なっていることから、広く回復期リハビリテーション病棟において実施しなければならないとされることは実態から見て困難ではないかという指摘がございました。
続きまして、21ページの上段の「7.療養病棟入院基本料について」です。
「7-1.療養病棟入院基本料における、入院料毎の患者の状態等について」を御覧ください。ここでは入院料ごとに患者の状態や医療の内容等について分析した結果を示しております。
21ページの下から2つ目のポツ、それから、22ページの上から1つ目のポツに新しく分析した結果を記載してございます。具体的には、21ページの下から2つ目のポツで療養病棟におけるレセプト点数、21ページの下から1つ目のポツではリハビリテーションの退院数、22ページの上から1つ目のポツでは職員数についての分析結果をお示ししております。
次に、22ページの上段で「7-2.医療区分・ADL区分について」でございます。ここでは令和2年度診療報酬において、中心静脈栄養に係る見直しを行った影響等についての分析をいたしております。
続いて、23ページの上から1つ目及び2つ目のポツには中心静脈栄養に関連した嚥下機能評価や嚥下リハビリの実施についての指摘。それから、23ページの7-2.の最後のポツでは医療区分についての指摘を追記いたしております。
続きまして、23ページの下段ですが「8.障害者施設等入院基本料等について」でございます。
ここでは24ページの上段に、新たに「8-2.緩和ケア病棟入院料について」という項目を加えております。
緩和ケア病棟入院料は平成2年に、主として苦痛の緩和を必要とする悪性腫瘍の患者を入院させ、緩和ケアを行うとともに、外来や在宅への円滑な移行も支援する病棟として新設されました。24ページに、入院料の要件に着目した分析、がん緩和ケアガイドブック等において示されている疼痛の数字等を用いた評価の状況等の分析結果を記載しております。
続きまして、24ページの下段ですが「9.救急医療管理加算について」でございます。ここではさらなる分析を行い、議論をしていただきました。
委員からは、救急からの入院時の状態に係る指標について、指標による評価と、行われている治療を併せながら、整理していくことも考えられるのではないかといった指摘がございました。
続きまして、25ページの下段で「10.医療資源の少ない地域に配慮した評価について」でございます。
25ページの下から1つ目のポツに、追加で分析した結果を記載しております。
26ページの上から3つ目のポツでは、これまでの分析内容を踏まえ、医療資源の少ない地域の特性に配慮した評価について患者の受ける医療の内容も含めて慎重に検討すべきとの指摘を記載しております。
最後に、26ページの中段以降で「11.横断的個別事項について」として、9月22日の基本問題小委員会で御報告させていただきました「11-1.入退院支援について」「11-2.認知症ケアについて」「11-3.治療早期からの回復に向けた取組について」「11-4.栄養管理について」に加えまして、29ページから「11-5.データ提出加算・診療録管理体制加算について」、それから、29ページの下段に「11-6.感染防止対策加算について」、その下に「11-7.褥瘡対策チーム」の検討内容について、新たにお示しをしております。
以上、簡単でございますけれども、最終取りまとめの概要でございます。
私からの報告は以上とさせていただきます。
○小塩小委員長
どうもありがとうございました。
事務局から補足はございますでしょうか。
○井内医療課長
特にございません。
○小塩小委員長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
尾形分科会長、御説明をいただき誠にありがとうございます。入院分科会におかれましては、調査分析をおまとめいただきまして感謝申し上げます。
次回改定に向けた入院医療につきましては、この分科会の分析等を踏まえて今後総会で検討していくものと理解しているところでありますが、この調査結果につきまして、新型コロナウイルス感染症の影響が少ないと考えられる医療機関に着目した分析もされておられますけれども、これらの結果が果たして前回改定の影響か、それとも、新型コロナウイルス感染症の影響なのかが明確に線引きできないという前提の下で今後改定内容を検討していくことを考えれば、これまで何度も繰り返し述べてまいりましたが、決して医療現場に今回の改定は大きな影響を与える改定を実施してはなりませんし、前回改定で行った内容についてコロナ禍に合わせて手直しをすることが基本であろうと考えております。
入院医療に関して、急性期、回復期、慢性期、他の取組等につきましては、9月22日のこの場で総論的なコメントをしておりますので、本日は繰り返してコメントすることはいたしません。今後、入院(その2)以降で議論をしていきたいと思います。
以上でございます。
○小塩小委員長
ありがとうございました。
ほかに御意見はございますでしょうか。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
まず、取りまとめをされた尾形分科会長をはじめ、入院医療等の調査・評価分科会の皆様にお礼を申し上げたいと思います。
次に、全体的な話をすると、本来は患者・被保険者のために、その症状・状態に応じて、どういった入院医療を提供するかであって、多くの医療機関がそのために御尽力されていらっしゃると思いますが、一部にその基準・加算を取るためにはどうやって条件をクリアすればよいかに重きを置いている医療機関があるのではないかといったことが分析結果においても疑問点となっているところだと考えております。そうした疑問点について、しっかりと議論を深めて、実績に応じた評価や適切な評価項目による基準となるように見直しが必要ではないかと考えております。
その上で1点、最終取りまとめ案の4ページの「心電図モニターの管理」は純粋に患者の状態を反映しているとは必ずしも言えないのではないかとの指摘については重要な問題だと考えております。アラームに追われて仕事をしている病棟看護師の現状に鑑みると、看護師の手間が不必要に増えてしまう観点を踏まえた検討。そういった点はぜひ行うべきと考えております。
私からは以上です。
○小塩小委員長
ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
ありがとうございます。
まずは、尾形分科会長をはじめ、分科会の皆様には本当に膨大かつ詳細な分析をいただきましてありがとうございます。
これに応える形で幾つかのコメントをさせていただきたいと思います。
まず、一般病棟入院基本料なのですが、これは新型コロナの影響が非常に重要な要素なのですが、重症度、医療・看護必要度にどのような影響を与えたかについて分析していただいたのですが、残念ながら、コロナ患者の受入れの有無による明らかなトレンドは見いだせなかったということなのですが、コロナの影響が少ない医療機関に特化して分析もいただいておりまして、改定後には必要度の患者を満たす患者の割合が改定前の令和元年と令和2年、令和3年と行くに従って上昇していることは明らかになっておりまして、次期改定ではコロナ患者の受入れに配慮することは必要なのですが、引き続き病床機能の分化・強化・連携を推進する方向で、この該当患者割合、重症度、医療・看護必要度については見直していくべきだと考えます。
個別項目に着目した分析については、A項目では心電図モニター、それから、点滴ライン同時3本以上の取扱いについて、あと、B項目では口腔清潔、衣服の着脱等に高い正の相関が見られたという御指摘もありますので、これらの在り方について問題提起をいただいたと受け止めております。
もう一つ重要な観点は急性期医療の評価の在り方なのですが、これは中医協診-1-2の90こま目にありますように、いわゆる急性期医療が持つべき3つの役割、すなわち、重症救急医療、総合的かつ専門的な医療、それから、退院支援。こういった役割を念頭に置いた場合に、ICU等の治療室や放射線療法、それから、化学療法などをしっかりと実施している医療機関は適切に評価する必要があると思っています。
重症度、医療・看護必要度は急性期の指標として重要な指標なのですが、それ以外に、特に一番高い入院料を取っている入院料1を取っている病棟については、まさに急性期にふさわしい治療を行っている実績を加味した評価や適正化が必要になると思っています。ただし、これは総合入院体制加算で評価しているところもありますので、そこの整合性はきっちりと見ていく必要があると思っています。
ICUに関しては、高度急性期の基準としてB項目の意義が乏しいという御指摘をいただいたと思っています。それから、滞在日数の算定上限、専門性の高い医療職の配置については施設基準に実態を反映させるべきという指摘だと受け止めておりますが、今後、施設基準によって実態がゆがめられることのないような、さらなるデータの集積が必要なのではないかと思います。
短期滞在手術料につきましては、包括評価を拡大する流れに沿って技術的にも対応できるという示唆をいただきました。この方向で検討すべきと考えますが、その際、やはり外来で可能なものについては外来で実施するといった原則の視点も必要だと思います。
DPC/PDPSなのですが、この目的にそぐわないいろいろな治療が行われている、標準化から外れた治療、コーディングの在り方が不適切、それから、リハビリ前の待機でDPC病棟を使うケースなどがいろいろ浮き彫りになったところです。本来は、このようなDPCにふさわしくないようなところについてはイエローカードを出して、イエローカードを出しても是正がない場合にはレッドカードを出すというふうな、DPCを退出するような退出基準のルール化も、これは難しいという分析もいただいていますが、検討していくべきではないかと思います。
地域包括ケア病棟については、本来求められている3つの機能、ポストアキュート、サブアキュート、在宅復帰の役割を一部しか果たしていない病棟が多いという分析もいただきました。この結果を踏まえて、より適切な入院料へ見直すことが必要だと考えます。
回復期リハについては、実績指数が上昇しているということで、これは実態に合わせた基準値の見直しが必要だと考えます。
それから、入院料が高い区分ほど脳血管系の患者が多くて、入院時の運動FIMが低い患者が多いことが分かりました。疾患別リハビリを多く提供していることは理解しましたが、アウトカム評価としての実績指数が入院料の報酬水準と合致していないことをどう考えるかというのは一つのポイントになるのではないかと思います。患者の選別につながらないような形で、アウトカム評価を拡大しつつも、6つもある入院料区分は整理統合していくべきではないかと考えます。
新たな問題となった回復期リハの入り口となっている入院料5及び6なのですが、実績がいつまでたっても上がらないということであれば、一定期間をもって、その後の措置は考えていく必要があるのではないかと思います。
療養病棟なのですが、注11の減算を受けている経過措置病棟については、減算を受けているにもかかわらずレセプト点数が入院料2よりも高いということで、ともすればリハビリを多く実施して減算を解消しているのではないかとも受け取れるような、療養病棟とはかけ離れた実態があることが分かりました。介護報酬等の改定との関係で経過措置を2年延長するということでなくて、機能に沿った病棟、また、介護分野への速やかな転換をするための措置を今回の改定で考えていくべきだと思います。
医療区分・ADL区分については、区分3で1項目に該当している場合、中心静脈栄養が最も多い一方で、嚥下リハが9割の患者で入院中に実施されていない実態が分かりました。医療区分における中心静脈栄養の取扱いと嚥下リハの推進について、どう行うべきか、今回の改定でしっかり議論する必要があると思います。
救急医療管理加算なのですが、意識障害や昏睡の患者のうち、JCS 0の割合などは減少したのですが、一方で依然としてゼロの患者が一定数存在することが分かりました。救急患者が刻一刻と状態が変化する事情は理解できますが、この管理加算についてはやはり基準の一定の定量化が重要な課題だと思います。報告書にも御指摘のとおり、指標による評価とその後行われている治療がどんな治療が行われているかという組合せを整理していくというやり方も選択肢の一つではないかと思います。
それから、支払側がいつも問題としている加算2なのですが、これは相変わらず、算定されている患者像が見えにくい実態が分かりました。これにつきましても、加算1のほうで明らかに救急患者にふさわしい状態を明確化すれば加算1を算定すればいいわけで、加算2については廃止するべきというのが支払側としての主張でございます。
このほか、栄養治療とか感染防止対策加算、それから、褥瘡対策等々の御報告もいただきましたが、様々な実態や課題が示されました。いずれも要件緩和や評価の拡充ありきでなくて、医療の質を担保するためにやって当然のものは明確に義務づけるなど、メリハリをつけた配慮が必要だと思います。
長くなりましたが、以上でございます。ありがとうございました。
○小塩小委員長
どうもありがとうございました。
ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。いかがでしょうか。
特にほかに御質問等はないようですので、本件に関する質疑はこのあたりといたします。
本日の総会に本件を報告させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩小委員長
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
本日の議題は以上です。
なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の診療報酬基本問題小委員会はこれにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。

 

 

(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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