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2021年9月22日 中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会 第205回議事録

○日時

令和3年9月22日(水)10:00~

 

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士小委員長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 眞田享委員 末松則子委員
松本吉郎委員 城守国斗委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員
<参考人>
入院医療等の調査・評価分科会 尾形分科会長
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○診療報酬調査専門組織入院医療等の調査・評価分科会からの報告について

○議事

 

○小塩小委員長
 おはようございます。ただいまより、第205回「中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会」を開催いたします。
 なお、本日もコロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も、会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 最初に、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は全員が御出席です。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 本日は、「診療報酬調査専門組織入院医療等の調査・評価分科会におけるこれまでの検討状況について」を議題といたします。
 本日は、入院医療等の調査・評価分科会の尾形分科会長にお越しいただいておりますので、尾形分科会長より御報告をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○調査・評価分科会尾形分科会長
 おはようございます。尾形でございます。よろしくお願いします。
 お手元の資料、中医協診-1-1「入院医療等の調査・評価分科会におけるこれまでの検討状況について」を基に、その概要につきまして御説明をさせていただきます。
 まず、1ページ目に「1.概要」でございます。診療報酬調査専門組織の一つである入院医療等の調査・評価分科会は、令和2年度診療報酬改定に係る答申書附帯意見のうち、入院医療に関連する事項について、令和2年度診療報酬改定後の状況の調査・検証を行い、令和4年度診療報酬改定に向けた評価・検討に資することを目的として「令和2年度入院医療等における実態調査」を実施し、ここにお示ししております1から11の項目につきまして、結果の分析及び技術的な課題の検討を行いました。別添資料におきまして、詳細なデータをまとめておりますので、併せて御覧いただければと思います。
 先日の入院医療等の調査・評価分科会におきまして、これらの結果について議論を行い、中間取りまとめという形でまとめましたので御報告をさせていただきます。
 2ページでございますが、「2.検討結果の概要」をお示ししております。
 まず、「1.一般病棟入院基本料について」でございます。「1-1.重症度、医療・看護必要度について」の「(1)重症度、医療・看護必要度の該当患者割合」についての部分を御覧ください。ここでは重症度、医療・看護必要度の届出状況や、該当患者割合についての分析結果をお示ししております。
 3ページの1ポツ目、2ポツ目でございますが、コロナ受け入れありとコロナ受け入れなしの施設に分けて分析を行った結果をお示ししております。この部分につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が少ないと考えられる医療機関に着目した分析をさらに行うことで、令和2年度改定による必要度への影響を検討できるのではないかという指摘がございました。
 3ページの「(2)個別項目に着目した分析」についてです。ここでは、必要度のA・B・C項目についてさらに細かい分析や、A項目の個別項目に着目した分析の結果をお示ししております。
 4ページの「1-2.急性期入院医療の評価について」です。急性期医療を担う医療機関の役割として、これまでの診療報酬改定において、重症救急患者に対する医療の提供や手術などの専門的な医療の提供について掲げられてきたことを踏まえて、その実態を分析し、その結果をお示ししております。
 4ページの下段でございますが、「2.特定集中治療室管理料等について」でございます。
 5ページの「2-1.重症度、医療・看護必要度」においては、これまでの改定において導入されてきましたSOFAスコアについても着目して、特定集中治療室等の重症度、医療・看護必要度の分析結果を示しております。ここでは救急救命入院料ごとの必要度該当患者割合は、救命救急入院料1・3と2・4では明らかに傾向が異なっていたことから、必要度の測定に用いる評価表の種類について検討してはどうかという指摘がございました。
 5ページの下段の「2-2.滞在日数について」です。ここでは医療の高度化に伴い、治療室滞在日数が延長している実態等が見られました。
 6ページの「3.短期滞在手術等基本料について」でございます。短期滞在手術等基本料1、2、3について実態の分析をお示ししております。基本料2は、算定回数が少ないことや平均在院日数等の実態が現在の評価に見合っていないこと等から、実態に合わせて見直す必要があるのではないかという指摘がございました。また、短期滞在手術等基本料3については、医療の質の担保を前提としつつ、平均在院日数も踏まえた見直しや対象手術の見直しが必要ではないかという指摘がございました。
 6ページの下段以降でございますが、「4.DPC/PDPSについて」でございます。
 まずは「4-1.DPC対象病院に係る検討の進め方について」です。1ポツ目でございますが、平成30年度診療報酬改定に向けたDPC評価分科会報告書において、診療密度や在院日数が平均から外れている病院は、DPC制度になじまない可能性があると指摘があったことを踏まえ、引き続き分析を行っております。
 7ページの最後のポツのところでございますが、今年度は特別調査として、医療資源投入量の少ない病院または平均在院日数が短い病院のうち、医療資源投入量及び平均在院日数の外れ値に該当する病院に対してヒアリングを実施するとともに、全てのDPC対象病院に対してコーディングに関する調査を実施しております。
 7ページの下段からが「4-2.令和3年度特別調査について」でございます。これにつきましては、8ページに結果の概要や指摘をお示ししております。
 8ページの下段でございますが「4-3.医療機関別係数について」ですが、機能評価係数Ⅱについては、各医療機関群における評価の実態等も踏まえて、今後、整理をすることといたしております。
 「5.地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料について」でございます。地域包括ケア病棟入院料は、「1急性期治療を経過した患者の受け入れ」「2在宅で療養を行っている患者等の受け入れ」「3在宅復帰支援」の3つの役割を担うこととされており、この3つの役割に着目した実態の分析等を行っております。ここでは、地域包括ケア病棟の3つの役割のバランスが様々となっているといった御指摘や、地域報包括ケア病棟の3つの役割について、その一部しか担えていない場合の評価については、他の場合と分けて考えることも検討していくことについて、新たな要件等も念頭に病床種別等も含めて、さらに分析が必要であるという指摘がございました。
 9ページの下段でございます。「6.回復期リハビリテーション病棟入院料について」でございます。
 まず、「6-1.質の高いリハビリテーションの提供について」です。10ページでは、回復期リハビリテーション病棟入院料を1から6までごとにリハビリテーションの質を適切に評価する観点から、受け入れている患者の状態や重症者の受け入れ、リハビリテーションの実施単位数等に着目した分析を行った結果をお示ししております。
 「6-2.リハビリテーションを要する状態について」でございます。ここでは心大血管リハビリテーションについて、回復期リハビリテーション病棟の対象とすべきとの指摘があったほか、人員配置等に着目した分析や実態の把握をさらに進めるべきという指摘がございました。
 「7.療養病棟入院基本料について」でございます。
 11ページの「7-1.療養病棟入院基本料における、入院料毎の患者の状態等について」でございます。ここでは、入院料ごとに患者の状態や医療の内容等について分析した結果を示しております。今後、さらに患者の重症度の違いを踏まえた医療従事者の配置の違いについても実態を把握してはどうかという指摘や、経過措置(注11)について実態と役割を検討するべきという指摘がございました。
 11ページの下段でございますが、「7-2.医療区分・ADL区分について」でございます。令和2年度の診療報酬改定の影響について分析を行った結果と指摘をお示ししてございます。
 12ページにお進みいただきまして、「8.障害者施設等入院基本料等について」でございます。ここでは、入院基本料の対象患者とそれ以外の患者の状態に関する分析を行い、その結果と指摘をお示ししております。
 「9.救急医療管理加算について」でございます。13ページでは、加算を算定する患者の状態についての分析を行っております。救急患者は刻一刻と状態が変化するため、入院時の状態指標のみで評価することは難しいとの指摘があった一方、臨床現場での算定が簡便となるよう基準の定量化に努めたほうがよい等の指摘がございました。
 13ページの下段ですが、「10.医療資源の少ない地域に配慮した評価について」でございます。令和2年度入院医療等の調査においては、医療資源の少ない地域の医療機関へのヒアリング調査の結果をお示ししております。
 14ページ以降になりますが、「11.横断的個別事項について」として、入退院支援について、認知症ケアについて、早期の回復に向けた取組について、栄養管理についての分析結果等についてお示ししております。
 以上が中間取りまとめの概要になります。今後、入院医療等の調査・評価分科会といたしましては、必要な技術的課題について引き続き、最終取りまとめに向けて分析等を実施してまいりたいと考えております。
 私からの報告は以上でございます。
○小塩小委員長
 先生、どうもありがとうございました。
 それでは、事務局から補足がありましたら、お願いいたします。
○井内医療課長
 特にございません。
○小塩小委員長
 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
 城守委員、お願いいたします。
○城守委員
 ありがとうございます。
 尾形会長をはじめ、分科会におかれましては、調査・分析をおまとめいただきまして感謝申し上げます。
 これまで申し上げてまいりましたが、前回改定後、医療現場は改定前の状況と大きく異なっておりまして、診療報酬の算定についての柔軟的な取扱いや様々な経過措置などが講じられて、危機的な状況に陥った医療機関の支援が行われているところでございます。
 新型コロナウイルス感染症との長期戦を踏まえれば、特例措置の効果に関する検証も踏まえつつ、前回改定で行った内容については、経過措置の延長等により検証にも限界がありますので、コロナ禍に合わせて手直しをすることが今回改定の重要なミッションになると考えております。
 入院分科会の調査結果につきましても、前回改定の影響なのか、それとも新型コロナウイルス感染症の影響なのかを明確に線引きできないという前提のもとで、改定内容を検討していくことを考えれば、決して医療現場に大きな影響を与える改定を実施してはならないと思います。そのような視点で、今回の分科会での御報告を踏まえて今後検討していくべきと考えております。
 基本的に詳細は述べませんが、幾つかコメントだけさせていただきたいと思います。
 まず、1の一般病棟入院基本料でございますが、3ページの一番下に輸血や血液製剤の管理ありのほうが、診察が頻回な患者さんの割合が高く、看護師による直接の看護提供の頻度も同様の傾向であったという調査結果からすれば、こうした項目については、もう少し評価に重みをつけることも必要ではないかと考えております。
 続きまして、5ページのICUでございますが、5ページの下から2つ目のポツのところで、ECMOや血液浄化あるいは臓器移植などの特殊な治療が行われた患者の在院日数は、算定上限日数を超過していることを踏まえると、算定上限日数については実態に合わせて見直しをすべきであろうと考えております。
 飛びますが、259ページの救急医療管理加算でございます。ここに関しましては、その他重症な状態の患者の内容を調べておりますが、例えば、イレウス用ロングチューブ挿入などは、大分症状の重い状態といえますので、こういったものも対象者に追加するなど、現行の評価項目の拡充も検討する必要があると思いますし、今回、様々な分析を行ってきておられますけれども、まだ今後、これは症例の蓄積が必要であろうということを考えますと、この加算に関しては、今回は変更することは必要ないと我々は考えております。
 最後になりますが、この急性期を含めた入院医療体制についてでございます。これまでの病床削減策というものが行われて、そして、各病院から救急機能というものが少しずつなくなってきているところがございます。これは集約化されていっているという方針とも相まっているわけでございまして、この状態が今回のコロナ禍によって、いざ救急医療が必要になった場合に、単に病床数や医療機器を増やしても、これを支え切れる人材がいないということで、今回、この救急対応が素早く対応できなかったことが明確に、また明白になったわけでございます。
 この教訓を踏まえれば、前回改定もそうでありましたが、当面は平成30年度改定で改変された評価体系の影響を見守っていく段階でありまして、救急医療の在り方については、診療報酬で強引に誘導していくというやり方を行いますと、今回の感染症に対しての救急体制の脆弱さが露呈されることにつながるわけですので、ここはしっかりと現状を踏まえた上でどのような対応するのか。これは第8次の医療計画の見直しの検討会も含めた議論が必要になろうと思いますので、今回、拙速な病床削減をすることは避けるべきであろうと思うということを強く申し述べさせていただきます。
 私からは以上です。
○小塩小委員長
 ありがとうございました。
 続きまして、島委員、お願いいたします。
○島委員
 ありがとうございます。
 尾形先生、膨大なデータの取りまとめについて、誠にありがとうございます。
 2点だけ意見を述べさせていただきます。
 10ページの6-2のリハビリテーションを要する状態についてといったところでございますが、回復期リハの中に心大血管リハビリテーションの対象患者が含まれていないのですが、ここにこれを算定している医療機関があるということで、基本的には心大血管の術後とかでは、廃用症候群の形でこういうリハビリをすることがあるのですが、心大血管リハビリテーションに関してはかなり施設基準が厳しゅうございますので、循環器の専門の医師がいるとか専門セラピストがいるとかCPXがあるとかいったことが、こういう算定しているところできちんとあるのかどうかを詳しく調べていただきたいなと考えております。
 もう一点は、城守先生もおっしゃいましたけれども、13ページの9の救急医療管理加算のところでございますが、入院時の状態に関わる指標及び入院3日以内に実施した検査等の実行を摘要欄に記入するということを今回の改定でやっておりますが、こういったことをやることによって、その実態の内容がきちんと分かるようになってきたので、さらにこれを継続していっていただきたいなということで、ここはお願いでもございます。
 それから、呼吸不全のところ、P/Fの比率というのが基準にございますが、これ基本的には、この救急医療管理加算は一般病棟におられる患者さんたちのための加算でございますので、P/F ratioをはかるためには血液ガスを採血しなくてはなりませんので、負担軽減という意味もあってパルスオキシメーターでの測定でいいのではなかろうかと考えております。
 以上、意見でございます。
○小塩小委員長
 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。
 佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 中間取りまとめをまとめられた尾形分科会長をはじめ、分科会の皆さんに敬意を表したいと思います。
 私も13ページの救急医療管理加算についての発言ですが、下から2つ目のポツの中に、臨床現場での算定が簡便となるよう、基準の定量化に努めたほうがよいとの指摘もありました。現場の中で判断にどう困っているのかといった内容について、また今後の議論に資すると思いますので、今後、お示しをいただけたらと思っております。
 私からは以上です。
○小塩小委員長
 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。
 幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 入院分科会におかれましては、尾形先生をはじめ、詳細な検討と取りまとめをありがとうございました。
 今日は中間の取りまとめなので、議論は避けてそれぞれの項目についてちょっとコメントと感想を言わせていただきたいと思います。
 まず、診-1-1の2ページ目の基本認識は、もう本当にそのとおりだと思います。限られた資源の中で、いかに質の高い医療を提供するかを共有したということなのですが、コロナのこういう状況なのですが、やはりやるべきことはやると、ポストコロナ、ウィズコロナをいずれ迎えるので、ここで足踏みをするのではなくて、やるべきことをやるということは重要な施策の視点になると思います。
 その上で、それぞれの入院体制の各論についての報告について、コメントと感想を申し上げたいと思います。
 まず、2ページ目の一般病棟入院基本料なのですが、重症度、医療・看護必要度の該当患者割合について、必要度2の患者割合は令和元年度より令和2年度のほうが高い傾向にあったという分析がされているのですが、これについては、詳細な分析をさらにやっていただきたいと思います。と申しますのも、前回改定において、A・B・C項目が同時に見直されました。それによって、特にB項目で認知症の関係の項目が削除されたということで、基準が下振れすると見て取ったのですが、実際に蓋を開けてみると、このA・B・C項目の前回の見直しが、上振れの方向に作用したのではないかということが見て取れます。
 例えば、C項目の入院期間の延長とかA項目の追加とかいろいろ見直しがあったのですが、これによって結構上振れの方向に行ったのではないかということも懸念されますので、そこは今後、入院分科会のほうでさらに詳細に検討していただきたいと思います。
 もう一点は、測定方法必要度1と比較して、測定方法必要度2の該当患者割合が令和2年度は高い傾向にあるということが報告されているのですが、必要度1と2を比べた場合の有利不利のようなものがあれば、これは是正する必要があると思っていますし、できれば、医療機関の手間も考えて、必要度2のほうに早期に一本化していくという検討も必要なのではないかと思います。
 個別項目に着目した分析について、項目をどう見直すかということなのですけれども、A項目の心電図モニターというのが指標としてふさわしいのかどうか。それから、B項目の中では、口腔清潔、衣服の着脱が多いということなのですが、これが急性期の患者を見る指標として妥当なのかどうかというところについては、分科会の中でさらなる検討をしていただきたいなと思います。
 また、点滴ライン同時3本以上で、薬剤が2種類以下という患者があるというデータも出ていますが、こういうことを踏まえると、点滴ライン同時3本以上という項目についても、指標としてふさわしいのかということについて検討するべきだと思います。
 急性期医療の評価全体については、別添の資料1-2の63こま目にイメージが書かれているのですが、まさに急性期医療の3つの役割を念頭に置いた場合、ICU等の治療室や放射線治療、化学療法などをしっかりと実施している医療機関が評価されるべきであると思っています。治療室、ICU等について持っていればいいというわけではないのですが、特に入院料1の3割が治療室がないという実態も報告されていますのはちょっと違和感を覚えるところであります。真の急性期医療の評価について、さらに議論していただきたいと思います。
 一般病棟については以上です。
 4ページのICUなのですが、まさにICUにつきましては、高度急性期の象徴でありまして、真に高度な医療を受ける患者に限定する必要があると思います。ICUにおける心電図モニターの取扱いとか必要度とSOFAスコアの関係に着目して、妥当な指標をもう一度考えていく必要があるのではないかと思っております。
 また、その高度な急性期医療を提供するがゆえに、ICUは相当高い点数設計となっておりまして、コロナ禍においても4倍、5倍の点数を取っているということなのですが、先ほど医療側からの意見もありましたが、その算定上限日数については、こういう点数設計を見ると、やはりさらなるデータの集積をもって検討すべき必要があるのではないかと思います。
 6ページの短期滞在手術料基本料なのですが、これは1入院包括医療を進めていくという観点では、短期滞在手術料は拡大すべきというのが基本だと思っております。ただ、基本料2のようにほとんど実施されていないということについては、基本料2の今後の在り方については検討すべきではないかなと思っています。
 基本料3については、報告のとおり、実態に合わせて評価を見直すということや、新たな手術について、質を確保しつつ積極的に取り込むことによって、医療の標準化を進める必要があると思っています。
 一方で、入院外で実施率が高いという手術については、外来を基本に考えていくべきなのかなと思っております。
 6ページ~8ページのDPC/PDPSなのですが、様々な実態があるということがこの報告の中で分かりました。DPCの本来の目的というのは医療の標準化と効率化なのですが、それに逸脱したDPCの医療を行っている医療機関があることを考慮すれば、そういった医療機関については一定の基準を設けて、こういうことが繰り返し実施されるような場合には、DPCの制度から退出していただくことを勧告するような基準をつくってもいいのではないかと思います。最初はイエローカードを出して、それでもまだ標準化されていない医療を実施するところが継続されていれば、もうDPCからは退出願いますという基準をつくってもいいのではないかと思います。
 長くなって恐縮ですが、8ページの地域包括ケア病棟なのですが、地域包括ケア病棟の届出理由として、経営が安定するためという報告がされていますが、これは本音だと思います。確かに地ケアの場合は、包括化されている点数設計となっているのですが、患者は急性期を脱出した回復期の方が多く、その割には非常に高い点数設計になっているというのが感想です。ポストアキュート、サブアキュート、在宅復帰という3機能を前提に入院料・管理料が設定されていることを踏まえると、実績要件を全ての区分で設定することと併せて、機能が偏った医療機関については、やはりそれなりの評価をやっていくべきではないかなと思います。実績要件と点数設計について、今回見直してはどうかということを提案させていただきます。
 9ページの回復期リハなのですが、実績指数は年々上昇しているということで、これは実態に合わせた基準値の見直しが必要だと思います。回復期リハについては入院料が高い区分ほど、脳血管系の患者が多く、入院時の運動FIMが低い患者が多いことや疾患別リハビリを多く提供していることは理解できましたが、アウトカム評価としての実績指数が報酬水準と合っていない区分になっているところもあるというところには留意していく必要があると思います。患者の選別につながらないような形で、アウトカム評価を拡大しつつも、今6つあるこの入院料については、整理統合できるかについて検討していくべきではないかと思います。
 10ページの療養病棟なのですが、注の11の経過措置を受けた療養病棟なのですが、これは、短期間にリハビリを多く実施して、何とか減算されている入院料を埋めているという実態があるのではないかと思っておりまして、療養病棟とはちょっと違った実態であるということが今回分かったと思っています。介護との関係で経過措置を2年ということではなくて、機能に沿った病棟または介護分野のほうに速やかに移行していただくような措置を検討すべきではないかと思います。
 医療区分・ADL区分についてなのですが、医療区分3で1項目に該当している場合、中心静脈栄養が最も多いということは前回改定でも問題視されて見直しされたのですが、にもかかわらず、その嚥下リハが9割の患者に実施されていないという実態が分かったということがあります。医療区分における中心静脈栄養の取扱いと嚥下リハの推進について引き続き検討していただきたいなと思います。
 最後です。長くなって申し訳ありません。13ページの救急管理加算なのですが、前回見直しが行われて、JCSの数値とかを記載することによって、JCSゼロの割合などが減少したことは前回改定の一定の前進があったと思うのですが、一方で、依然としてJCSゼロの患者が存在することについても考えていく必要があると思っています。救急患者は刻一刻と状況が変化するという実態は理解できるのですが、基準の定量化についてはやはり重要な課題だと思っています。
 加算2についてなのですが、やはり、前回の見直しをもってしても加算2をつけている患者の状態というのは見えにくいという感想を持っています。といいますのは、患者要件のうちコ「その他重症な状態」というのが6割を占めている。ここが見えにくい一つの要因になっていると思います。このような状況であれば、前回議論になったように、この加算2の在り方については、次回改定に向けてもう一度議論していくべきではないかなと思います。
 すいません。少し長く時間をいただきましたが、以上、感想とコメントについて言わせていただきました。ありがとうございました。
○小塩小委員長
 ありがとうございました。
 ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 多くの委員の方々からたくさんの追加的な検討事項の御指摘をいただきました。
 それでは、恐縮ですけれども、最終の取りまとめに向けて、分科会でさらに分析検討を続けていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 ほかに御質問等ございませんようでしたら、本件に関わる質疑はこの辺りといたしまして、本日の総会に本件を報告させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩小委員長
 ありがとうございます。
 それでは、そのようにしたいと思います。
 本日の議題は以上です。
 なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の基本問題小委員会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

 

(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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