ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会)> 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会第186回議事録(2017年9月27日)




2017年9月27日 中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会 第186回議事録

○日時

平成29年9月27日(水)9:57~10:42


○場所

全国都市会館(2階 大ホール)


○出席者

田辺国昭小委員長 野口晴子委員 松原由美委員 荒井耕委員 関ふ佐子委員 中村洋委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 宮近清文委員 榊原純夫委員
松本純一委員 今村聡委員 万代恭嗣委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
菊池令子専門委員
<参考人>
入院医療等の調査・評価分科会 武藤分科会長
<事務局>
鈴木保険局長 伊原審議官 渡辺審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会におけるこれまでの検討状況について

○議事

○田辺小委員長

 それでは、定刻前でございますけれども、皆様おそろいのようでございますので、ただいまより第186回「中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会」を開催いたします。

 まず、委員の出席状況について御報告いたします。

 本日は、全員が御出席でございます。ただ、平川委員がおくれて出席される旨の連絡をいただいております。

 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほうをお願いいたします。

(カメラ退室)

○田辺小委員長

 それでは、早速、議事のほうに入らせていただきます。

 初めに、「 診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会におけるこれまでの検討状況について 」を議題といたします。

 本日は、「入院医療等の調査・評価分科会」の武藤分科会長にお越しいただいておりますので、同分科会長より 御報告をよろしくお願いいたします。

○武藤分科会長

 入院医療分科会の武藤でございます。

 お手元の資料「中医協 診-1」の「 入院医療等の調査・評価分科会におけるこれまでの検討状況について」の中間取りまとめをもとに御説明いたしたいと思います。

 まず1ページ目ですけれども、「入院医療等の調査・評価分科会」におきまして「平成28年度入院医療等における実態調査」を行い、ここにございます1~6の項目、

1.急性期入院医療について

2.地域包括ケア病棟入院料

3.回復期リハビリテーション病棟入院料

4.慢性期入院医療について

5.有床診療所入院基本料

6.横断的事項について

の結果の分析及び技術的な課題の検討を行いました。

 9月15日の「入院医療等の調査・評価分科会」におきまして、これらに結果について中間取りまとめをしましたので、御報告させていただきたいと思います。

 2ページ目をおめくりください。

 「1.急性期入院医療について」の「1-1.一般病棟入院基本料の算定病床の動向」です。

 1つ目の段落をごらんください。

 7対1一般病棟入院基本料の届出病床数は、約38万床をピークに近年は減少傾向であります。平成29年4月時点では約35.4万床となっておりました。病床利用率も減少しており、算定回数で見ても、平成25年をピークに減少傾向となっています。

 4つ目の段落をごらんください。

 病棟群単位の届出状況ですが、調査対象の中で現に病棟群単位の届出を行っている医療機関は8施設であり、調査対象施設の1.2%でした。また、届出をしていない医療機関に現行の病棟群単位の取り扱いを前提として、今後の届出の意向を聞きましたところ、「10対1一般病棟への変更を予定していない」との回答が96%、「10対1一般病棟への変更を予定しているが段階的変更は不要のため」との2%、「病棟群での届出について検討中/準備中」との回答が1%でした。

 一番下の段落をごらんください。

 重症度、医療・看護必要度の該当患者割合ですが、平成28年度診療報酬改定でC項目を導入する等の見直しが行われました。また、平成27年度の同時期と比較しますと、当該患者割合は、7対1一般病棟で9.6ポイント、10対1一般病棟で4.7ポイント増加しておりました。平成28年度の該当患者割合は、7対1一般病棟で28.8%、10対1一般病棟で19.1%でした。

 続いて、3ページ目をおめくりください。中段の「1-2.7対1、10対1一般病棟入院基本料の評価手法」の「(1)重症度、医療・看護必要度」についてであります。

 4ページをめくっていただけますでしょうか。中ほどの(評価方法等)の部分をごらんください。

 1つ目、2つ目の段落の部分ですけれども、「重症度、医療・看護必要度」を用いた評価方法としては、7対1一般病棟入院基本料では基準値(カットオフ値)による施設基準での評価であるのに対して、10対1一般病棟入院基本料では診療実績に応じた段階的な加算での評価となっており、当該患者割合別の医療機関の分布については、7対1一般病棟の分布は基準値の25%以上に集中していて、10対1一般病棟では分布がばらついている。これは、評価方法の違いが影響していると分析されました。

 続いて、5ページ目をおめくりください。(測定方法等)の部分です。

 この部分では「重症度、医療・看護必要度」に関するさまざまな指摘をまとめております。

 具体的には、一般病棟入院基本料の「重症度、医療・看護必要度」は「本来、急性期の医学的な管理や患者の状態に応じた看護の必要性について“入院基本料の報酬算定に反映させる”ために実施するものであり、日々の診療の中でより適切に各病棟の看護師の配置を管理するために実施するものとは異なる」という視点から導入されてきたとの指摘もあります。

 ただ、「報酬算定の事務手続として考えれば、入院基本料の施設基準における指標の測定・評価は診療報酬の請求のためのものであり、患者の状態に応じた医学的な管理や看護の提供量の正確な測定の反映とは別であるという視点からは、現場では負担であるとの指摘や、経営的な観点からは患者の状態に応じた医療の提供によりも基準値をクリアすることに重点が置かれてしまうのではないか」という指摘。さらに、追加されたC項目が負担であるとの指摘もありました。

 このように、さまざまな指摘があることから、入院基本料の施設基準の指標にかかわる測定法としては配慮が必要と考えられました。

 これらを踏まえて、上から6つ目の段落ですが、「重症度、医療・看護必要度の評価項目と関連が高い診療報酬の請求区分とで各項目の該当性を見ると、一定程度重なる部分があることから、複数の診療報酬請求区分の項目を組み合わせることや、評価の該当期間に関する情報を追加した上で、報酬算定の事務手続の合理化の観点も含めてまずは現行の該当患者割合と前述の診療報酬請求区分を使った分析による該当患者割合との分布や相関などを検証すべきではないか」と考えられた次第であります。

 続いて、6ページ目をおめくりください。「1-3.13対1、15対1一般病棟入院基本料」についてです。

 7ページをめくっていただきますと、上から2つ目の段落になりますが、13対1、15対1一般病棟については、小規模ながら急性期から慢性期までの患者を受け入れ、効果的に地域の医療ニーズに応えていると考えられました。また、データ提出を進めるべきではないかとの指摘がある一方で、小規模な病院ではデータ提出に対応できる体制をとることが難しいのではないかという配慮が必要との指摘もありました。

 続いて、同じページの「2.地域包括ケア病棟入院料」です。

 「2-1.算定病床の動向」ですが、1つ目の段落で、地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料の届出病床数は、近年増加傾向でありまして、平成2810月時点では5万2,000床になりました。入院料の区分別に病床数を見ますと、地域包括ケア病棟入院料1が最も多かったです。

 続いて、「2-2.入棟前の居場所別の分析」ですけれども、8ページの3つ目の段落をごらんください。

 一般病棟(7対1、10対1)から入棟した患者と、自宅等から入院した患者とで、患者の疾患や医学的な理由、それから検査の実施状況等について、一定程度の差が見られました。なお、結果の解釈に当たっては、地域包括ケア病棟入院料は、そもそもその両方の患者を受け入れる機能を持つ病棟として位置づけられていることを留意すべきとの指摘もありました。

 続いて「3.回復期リハビリテーション病棟入院料」についてです。

 「3-1.算定病床の動向」ですが、9ページの一番上の段落をごらんください。

 回復期リハビリテーション病棟入院料1~3の種類別に入院患者の状況を見ますと、いずれの入院料も約6割の患者が75歳以上で、患者の疾患を見ますと、入院料1では脳梗塞が、入院料2・3では骨折・外傷(脊髄損傷以外)が最も多かったです。また、認知症日常生活自立度や、ADLの改善度についても、入院料の種類別に差がありました。

 また、2つ目の段落になりますが、回復期リハビリテーション病棟では、入院患者の状態や早期からのリハビリテーションの提供によって、理学療法士等を、施設基準で定める数よりも大幅に加配しておりました。

 続いて、9ページの下段の「4.慢性期入院医療」についてです。

 「4-1.療養病棟入院基本料の算定病床の動向」です。10ページをおめくりください。

 一番上の段落ですけれども、医療区分2・3該当患者割合は、療養病棟入院基本料1では、平均値で約90%となっています。療養病棟入院基本料2では、平均値で約60%となっていますが、分布がかなりばらついておりました。

 続いて、10ページ中段の「4-2.医療区分別の分析」ですが、上から2つ目の段落をごらんください。

 平成28年度診療報酬改定で、医療区分3の項目のうち、酸素療法の程度に応じて、医療区分2と医療区分3に定義を分ける改定がありましたが、酸素療法の該当患者は医療区分2と医療区分3でおおよそ半分ずつに分かれておりました。

11ページの上から5つ目の段落をごらんください。

 医療区分別の医療の提供状況について見ますと、医療区分3では状態が不安定で、医療の提供頻度が高い患者の割合が他の区分よりも多い傾向があり、逆に医療区分1では比較的状態は安定していて、医療の提供頻度が低い患者の割合が他の区分より多い傾向がありました。このことから「医療区分による分類と患者の医療ニーズの間には一定の相関がある」と考えられました。

 続いて、11ページの中段(療養病棟入院基本料2)、いわゆる25対1看護配置の病棟ですが、1つ目と2つ目の段落をごらんください。

 職員配置を見ますと、看護職員、看護補助者は病棟ごとに多様であり、療養病棟入院基本料1相当の職員配置がある病棟も一定数存在しました。

 また、医療区分2・3の該当患者割合を見ますと、全体にばらついていますが、80%を超える病棟も一定数で存在することから、4つ目の段落ですが、療養病棟入院基本料2が、療養病棟入院基本料1と比べて多様性を示している理由について分析が必要ではないかと考えられました。

12ページをごらんください。中ほどの「4-4.障害者施設等入院基本料及び特殊疾患病棟入院料」ですが、(患者の状況)の3つ目、4つ目の段落をごらんください。

 重度の肢体不自由とされている患者の割合を見ますと、障害者施設等入院基本料全体で半数以上が含まれておりました。

 重度の肢体不自由とされている患者については、身体障害者等級「不明」または「非該当」の患者が一定程度含まれており、それらの患者のうち、医療区分1に該当する患者の割合は、療養病棟入院基本料1よりも多かったことがわかりました。

13ページの上から3つ目の段落になりますが、重度の肢体不自由とされている患者のうち、身体障害者等級が「不明」または「非該当」の患者について、年齢階級別に見ますと、70歳以上の患者が約8割、入院期間別に見ますと、重度の肢体不自由患者全体では1,080日以上が5割弱であるのに比べて、90日未満が約4割でありました。

 続いて「5.有床診療所入院基本料」ですが、「5-2.診療料別の医療の提供状況」、14ページをおめくりください。

 上から2段目の段落でございますが、有床診療所は、主に提供する医療の専門分野によって、地域における医療機能も異なると考えられました。また、入院基本料区分の分析等からは、在宅復帰支援機能や介護サービスとの連携といった機能を持つ有床診療所も一定程度存在すると考えられました。

 次に、「6.横断的事項について」です。

 「6-1.入退院支援」ですが、下から2つ目の段落、退院支援加算の算定に当たっては、入院早期から退院困難な要因に応じて患者を抽出して支援が行われていますが、要件に示していないものの、虐待や生活困窮といった、早期から支援を必要な患者が入院しておりました。

 また、その下の段落、地域連携診療計画の利用状況ですが、回復期リハビリテーション病棟で最も利用されており、地域連携診療計画加算の算定件数を、改定前後で比較すると減少しておりました。退院支援加算2では地域連携診療計画加算が算定できないことが要因の一つと考えられました。

15ページをごらんください。「6-2.在宅復帰に関する評価」ですが、在宅復帰率の定義によりますと、退棟患者のうち、自宅等への退棟患者の割合であり、転棟・転院が含まれているために、評価項目の内容がわかりづらい。また、名称が適切ではないと考えられました。

 「6-3.データ提出加算」ですが、提出項目の概要の2つ目、3つ目の段落です。

 回復期や慢性期の病棟にデータ提出の対象が広がりつつある中で、評価項目についてのデータの質に留意しつつ、回復期や慢性期の患者の違いに着目した項目の追加や重複する項目を合理化すること。測定頻度については、慢性期では毎日でなくてもよいのではないか、介護との連携の視点も必要ではないかとの指摘がございました。

 また、療養病棟を有する200床未満の病院では、データ提出加算を算定している病院が少なく、様式1を含む全体の提出項目の簡素化など、200床未満の病院でもデータの提出が可能となるような工夫が必要ではないかとの指摘がございました。

 以上が平成28年度の入院医療等における実態調査を踏まえた中間取りまとめの概要となります。

 時間の都合で御説明できませんでしたが、検討に当たって実施した分析の主な結果は、診-2に添付されております。

 「入院医療等の調査・評価分科会」としましては、最後の16ページにございますように、本年度も「・一般病棟入院基本料・特定集中治療室管理料等における重症度、医療・看護必要度」「・短期滞在手術基本料」「・総合入院体制加算」「・救急医療管理加算等」「・療養病棟入院基本料」「・入院時食事医療等に関する事項」について調査を実施しております。

 必要な技術的な課題につきましては、引き続き分析を実施してまいりたいと考えます。

 報告は以上になります。

○田辺小委員長

 どうもありがとうございました。

 事務局のほうから補足があればよろしくお願いします。

 では、医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 内容的な補足はございませんけれども、1つおわびがございます。

 分科会長に御説明に当たりましてお渡ししました資料のバージョンと実際の資料と出、体裁が異なっていた関係で、御説明の中でのページ番号が、実際のお手元のページとずれておりました。これは事務局の不手際でございます。まことに申しわけございませんでした。

 内容的には変更はございません。

○田辺小委員長

 ちょっとずれていて、追えないところがあったかもしれません。

 では、ただいまの説明に関しまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。では、万代委員、お願いいたします。

○万代委員

 分科会長におかれましては、取りまとめいただき、どうもありがとうございました。

 御質問をということでございますので、少し細かくなりますが、むしろこの資料のほうでお願いしたほうがいいと思っておりまして、質問を2~3つお願いしたいと思います。

 まず、17ページの「病棟群単位の届出状況」ということで、医療機関は8施設とかなり少ないというデータでございます。その中で、円グラフが右側にございまして、病棟群単位の「今後の届出の意向」のところで「n=311」とございます。この311の出どころについてお伺いしたく思いますが、左側の表にある「n=649」から引っ張ってきたのか、どこからの出自かを質問したく存じます。

 続きまして、31コマ目でございます。

 診療科別の該当患者割合ということで、外科系が多くて、今後は内科系の救急疾患についても精査が必要という中間取りまとめの御報告でございましたが、この中で、外科系ということで取り上げますと、真ん中あたりに「整形外科」がございます。これにつきましては16.5%ということで、ほかの外科系と比べて低いように思いますが、これにつきまして今後、詳細な分析、例えば、A項目、B項目、C項目に分けての分析とか、そういったお考えとか御予定があるかをお伺いしたいと思います。

 次に、41コマ目でございます。

 「重症度、医療・看護必要度の見直しの影響」ということで、病棟票での調査結果が出てございます。7対1と10対1の一般病棟でのそれぞれの影響度が出ておりますが、一番多い「新規項目の追加により入力作業が増え負担となった」の率が、10対1でも7対1でも同じということですので、このあたりの詳細の分析をされる予定があるかどうかをお伺いしたいと思っております。

 次が57ページでございます。

 「平均在院日数の推移」ということで、ほぼ横ばいとのことでございますが、一方で、DPCデータではやや減少というデータもあるように認識しますので、そこら辺とのデータの整合性について今後、検討される予定があるのか、あるいはそのように考えるかについてお伺いしたいと思います。

 最後でございますが、ずっと飛びまして、120ページと121ページでございます。

 医療区分の関係で、療養病棟入院基本料の1と2で、1カ月後の状態がどのような形で変化しているかというデータ提示でございますが、この中で特に「退院(死亡含む)」というところに注目しますと、入院基本料の1と2で、医療区分の中での死亡の割合が逆転というのでしょうか。具体的に申し上げますと、入院基本料1で死亡率が多いのは医療区分1であって、入院基本料2は医療区分3のほうが多いということで、療養病棟の中でお亡くなりになる患者さんは一定程度いるわけでございますが、その中でも機能という面から考えまして、こういったところの差について今後、検討する予定があるのか。あるいはそのような御意見があったのかについてお伺いできればと思います。

 以上です。

○田辺小委員長

 ありがとうございました。

 では、医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 内容的なコメントにつきましては、分科会長のお考えもあろうかと思います。

 データの関係のお問い合わせがありましたのでお答えしますと、最初の17コマ目でありますけれども、病棟群単位の届出の関係であります。これは、左側の表、それから右側の円グラフでn数が違います。

 結論から申し上げますと、もともとの調査の母集団は、基本的には同じなのですが、それぞれ整理をする段階、例えば、有効回答を抽出する段階で、片方の設問には答えたけれども、片方では答えていないということが厳密には生じますので、調査全体の内容については同じ調査の対象ですけれども、それぞれの分析、左側の表と右側の円グラフの母集団は完全に包含関係にあるわけではないということでございます。特に、右側は7対1に絞っておりますが、左側は7対1と10対1の両方が入っています。大ざっぱにはそのような関係になっているということでございます。

 内容的なコメントにつきましては、分科会長のほうからまずお答えいただいて、事務局として補足すべき点がありましたら、さらに補足をさせていただきたいと思っております。

○田辺小委員長

 では、武藤分科会長、お願いいたします。

○武藤分科会長

 この17コマ目の「病棟群単位の届出状況」は、分科会の中ではやはり、届出が少ないことに関しては、前提条件があるのでなかなか使い勝手が悪いのではないかとか、そうした御意見がございました。そんなところでしょうか。

○田辺小委員長

 あと4つぐらいクエスチョンが投げかけられたと思いますけれども、では、医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 順不同になるかもしれませんけれども、57コマ目の平均在院日数の関係であります。

 万代委員の御質問の中で御指摘もございましたけれども、DPCのデータを用いた平均在院日数のカウントと、ここでお示しをしておりますのは、当然のことながら、数字自体は違ってまいります。

 その傾向についてどのように考えるのかということでありますが、もちろんこれは分科会の今後の検討状況にもよりますけれども、今回の分科会の中間報告、それから検討していったときの結果は、最終的には中医協の総会で、入院医療の中で御検討いただくことになりますので、内容的な視点につきましてはそのときに資料をお示ししながら、もしDPC対象病院とここの57コマ目との数字の違いが、報酬設定等にクリティカルに影響があるのだということでありましたら、御審議をする過程で明らかにしていきたいと考えております。

 同様に、120コマ目でありますけれども、先ほどの療養病棟に関します、患者さんの状況の変化につきまして、基本料1、基本料2、いわゆる20対1、251で数字が違うということであります。これはむしろ医療区分の分布、それから看護体制の違いも含めて、一定の診療の内容とか機能には差があることは、ある程度データ的には出てきておりますので、これらの差についてさらにどう考えるのかということも、内容的な視点からしますと、その後の総会で御議論いただくべき内容なのかなと考えております。

 それから、41コマ目の7対1、10対1の必要度の見直しの影響につきまして、作業の増加、項目の追加による入力作業がふえた負担がということでありますけれども、ほかのものについては、7対1のほうがどちらかというと数字的には大きいのに、御質問の趣旨はなぜ同じなのかということであります。ここは受けとめなのだろうと思いますけれども、10対1も7対1も基本的には、項目的には同じ内容を必要度については調査しておりますので、7対1での算定要件への活用と、10対1の加算への活用とでは、施設の受けとめなり、あるいは意味合いがもしかしたら違うのかもしれませんので、これは事実としてはこのように受けとめるしかないと考えております。

 事務局からは以上でございます。

○田辺小委員長

 ありがとうございました。

 あと1点は、「重症度、医療・看護必要度」の診療科別のところでしたか。では、よろしくお願いいたします。

○迫井医療課長

31コマ目の診療科別の必要度の割合の分布であります。

 事務局の受けとめは、今回、こういった分析をさせていただきましたけれども、ここの点につきまして、さらに深掘りをしていくということではなく、あくまでこの情報を踏まえた上で、今後の審議に活用していただければという趣旨でありますので、現時点でこれを深掘りしていくことは考えてはおりません。

 事務局からは以上でございます。

○田辺小委員長

 万代委員、よろしゅうございますか。

○万代委員

 はい。

○田辺小委員長

 ほかはいかがでございましょう。では、菊池専門委員、よろしくお願いいたします。

○菊池専門委員

 一般病棟入院基本料の「重症度、医療・看護必要度」については、総会の議題として今後、議論されるということですけれども、看護の視点で重要なことなので発言をさせていただきたいと思います。

 診-2のデータのスライド19を見ますと、看護職員配置の多い病棟のほうが平均在院日数が短く、早期退院につながっております。また、スライド21を見ますと、看護職員配置の多い病棟のほうが必要度の該当患者割合が高いという結果が出ております。

 必要度の該当患者割合が高い病棟では、提供すべき看護の量が多くならざるを得ないため、看護職員配置が多くなっているということだと思います。

 患者の状態に応じた医療・看護の提供量を反映する指標は、入院基本料の評価を考えるに当たって重要であり、その必要度の測定について、業務の効率化という視点はあってもよいと思っております。

 分科会において進められているDPCデータを用いた分析に関しては、必要度測定に係る負担軽減、業務の効率化につながる可能性があると考えております。

 ただ、懸念しますのは、現行の必要度で測定すると該当になる患者が、DPCで置きかえると該当しなくなることがあれば、必要な医療・看護の提供量が過小評価されることになり、問題だと思いますので、分科会においては、検証結果を慎重に確認していただきたいと考えます。

 必要度の変更は、看護現場への影響が非常に大きいので、30年改定で何がどのように反映されるのかを看護管理者は注視しております。30年改定では、現場の混乱、負担を避けるためにも、原則として拙速な改変は避けるべきで、今後のあり方は中長期的に検討していくべきだと思います。しかも、根拠に基づいた、現場の意見を十分に取り入れた議論が必要だと考えます。

 先日の9月15日の分科会において、医療課長より、30年改定に向けてすべきことと、今後するべきことを整理する旨の御発言があったと聞いております。次回改定では、大幅な変更がないことを明示されますと、看護現場が安心すると思います。

 以上です。

○田辺小委員長

 ありがとうございました。

 ほかはいかがでございましょう。では、幸野委員、お願いいたします。

○幸野委員

 武藤分科会長におかれましては、詳細な報告をありがとうございました。

 中間とりまとめを見ると、少し物足りなさを感じましたので、今後、残りの分科会でさらに検討していただきたいことなどを意見として述べたいと思います。入院分科会には、前回改定の結果検証を総括するという大きなミッションがあると思うのですが、この一番大事な部分が中間とりまとめに書かれていないと思います。

 具体的には、前回改定で大きく変わった重症度、医療・看護必要度について、評価項目の追加や基準値の引き上げなどの見直しが行われたので、まずはこれらが妥当だったのか、次回改定でさらに見直す必要があるのかといった総括をすべきだと思いますが、そのための議論に然程時間が割かれていない気がいたします。評価手法のあり方や測定方法にDPCデータを活用したらどうかといった技術的な議論の前に、まずは前回改定の内容が妥当だったのかについて、分科会ではどのような結論を出されたのか、それとも今後結論を出していくのかに関して、分科会長としての御意見をお伺いしたいと思います。

○田辺小委員長

 では、分科会長、お願いいたします。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 もちろん、前回改定の影響、A、Bに加えてC項目、それからA項目のみの評価という項目の検証も行いました。先ほど御報告した中にも含まれておりますけれども、特に幸野委員の御懸念は、A項目、B項目がともにゼロという非該当の患者に関してで、これは入院医療の分科会の中でも御指摘がございました。その中で委員からは、非該当に関しては、例えば、入院直後とか、あるいは退院直前とか、そうした患者さんが含まれている。あるいは、例えば、検査入院の患者さんも「A=0、B=0」に相当することも考えられます。

 一方、委員の中には、今、幸野委員がおっしゃったような形で、特に非該当に関しては深掘りが必要ではないか。そうした御意見も出たところです。

 これにつきましては、今後、中医協の審議の必要に応じて検証を深めることは可能だと思います。

○田辺小委員長

 では、幸野委員、お願いいたします。

○幸野委員

 ありがとうございました。

 まさに武藤分科会長のおっしゃるとおりで、私は、資料の診-2の28ページにある非該当患者について、より詳細な検証を行っていただきたいと考えていますが、きちんと検証されるのかを懸念しています。一度、入院分科会の傍聴に行ったのですが、ある委員が、「A=0、B=0」の患者は非該当患者のうちの4割近くを占めていて、「A=0、B=1・2」まで含めると約半分を占めているということから、これが果たして急性期病棟のあり方として正しいのかを投げかけたところ、先ほど武藤分科会長がおっしゃったように、手術前の入院や退院前日の患者がいるからだという回答があっただけで、検証はされておりません。また、178ページの一般病棟のところを見ると、在宅や外来で管理可能な患者の退院できない理由について、2割近くが「家族の希望に適わないため」というデータも出ています。こういったところを何とかしていかないといけないと思いますし、そのためには検証を行って議論していただくのが入院分科会のミッションだと思っています。

○武藤分科会長

 御指摘のとおりだと思います。

 家族の意向とか、あとは本来、地域に帰れるべきところが、地域包括ケアの対応状況によってなかなか帰れないとか、そうしたこともあると思いますけれども、それを診療報酬の中でどうやって手当てしていくかは、なかなか難しい問題もあるとは思いますけれども、そうした内容を含め、深掘りといいますか、御議論していただきたいと思います。

○幸野委員

 では、今後も分科会は続くと思いますので、非該当患者についてもう少し詳細に分析していただいて、前回改定で見直した基準値や評価項目の妥当性については、必ず総括として出していただきたいと思います。

○田辺小委員長

 では、松本純一委員、お願いいたします。

○松本純一委員

 今までも何度もお話をしていると思いますけれども、急性期といえども、いろいろなパターンの、いろいろな状態の患者がおられます。その辺は幸野委員も、我々と一緒に病院視察に行きましたので、よくおわかりだと我々は思っております。病院へ行ってみれば、まさに術後2日目の患者さんもいれば、退院間際の患者さんもいる。あるいは手術前の患者さんもいる。いろいろなパターンがある。その中で、25%以上も該当する患者さんがいるのがこの病棟であるわけです。

 確かに、分析はしていただいて結構だと思いますし、必要だとは思いますけれども、そういう患者さんがたくさんいる、いろいろなパターンの患者さんがいることを御理解いただきたいと重ねて申し上げます。

 それと、178の資料でございますけれども、ここに「最も該当するもの」と書いてありますが、いろいろな要素が重なって退院ができないということで、それは決して、単に本人あるいは家族の希望にかなわないからだけではないことも、重ねて理解を賜りたいと思います。

○田辺小委員長

 ほかはいかがでございましょう。では、幸野委員、お願いいたします。

○幸野委員

 もう少し詳細に分析していただきたい事項について、意見を述べたいと思います。地域包括ケア病棟について、分科会では、本来、地域包括ケア病棟は3つの機能を有するべきだが、ケア・ミックス型の医療機関では機能が偏っているようにうかがえるという分析がされています。9月6日の入院分科会に提出された資料を見ると、7対1病棟単独の医療機関と、7対1病棟と地域包括ケア病棟の両方を有するケア・ミックス型の医療機関の平均在院日数を比べると、ほとんど差がないか、あるいはケア・ミックス型のほうが長いという結果が出ていました。このような結果を見ると、本当に機能分化・連携が図れているのかと疑問に思いますので、なぜこのような結果となったのかも分科会でぜひ検討していただきたいと思います。

 次に、診-2の113ページの療養病棟についてです。これはとりまとめでも書かれているのですが、1日当たりの平均点数が、医療区分2と3でほとんど差がないとあります。入院基本料は医療区分2と3で300400点違うにもかかわらず、平均点数はほとんど差がないというのは、前回改定での医療区分の見直しは本当に妥当だったのかどうかについても、ぜひ残った期間で分析していただきたいと思います。

○田辺小委員長

 では、分科会長、お願いいたします。

○武藤分科会長

 後者の医療区分2と3の点数に差がない点は確かに御指摘のとおりで、これに関してはDPCのデータを用いないと、なかなか明らかになってきません。今回、検討しましたように、療養病棟にもデータ提出加算を拡張する。そうしたことを踏まえて分析を続けることになると思います。

 最初の地域ケア病棟と7対1のこれは何かありましたか。

○田辺小委員長

 では、医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 先ほどから、幸野委員に御指摘いただいております調査・分析事項につきましては、事務局としては可能な限り対応させていただきたいと思っております。

 一方で、分科会で御議論いただくべき技術的な事項と、総会で最終的な方針につながる御議論をいただく事項とは、おのずと性質が違います。先ほど御指摘いただいた事項の中には、本来、最終的には総会で報酬設定に際して御議論いただくべき内容も含まれているように思いますので、そこをうまく峻別をさせていただきながら、事務局としては用意させていただきたいと思っております。御指摘ありがとうございました。

○田辺小委員長

 では、幸野委員、どうぞ。

○幸野委員

 分科会で方向性を出してほしいという要望をしているわけではなく、例えば、重症度、医療・看護必要度について総会で議論するにしても、議論するための土台のデータが出てきていないので、分科会で示してほしいと申し上げています。

 また、諸外国と比べて突出している平均在院日数が本当にこのままでいいのかということについても、然程議論されていないように思いますので、しっかりと議論をしていただきたいと思います。唯一結論が出たのが在宅復帰率についてで、在宅復帰率は急性期病棟の評価指標としては妥当ではないということで、これは総会の議論につながると思います。今述べたようなことをしっかりと議論していただいて、とりまとめていただきたいと思います。

○田辺小委員長

 ありがとうございました。

 では、松本純一委員、お願いいたします。

○松本純一委員

 平均在院日数に関しても、何度も言って幸野委員は耳にたこかもしれないですけれども、あえて言いますが、諸外国と単純に比較はできないと思いますし、日本においての平均在院日数はほぼ限界に近いと考えております。ですので、余り平均在院日数についてこだわるのもいかがかなと思います。

○田辺小委員長

 ありがとうございました。

 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。

 では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件に関する質疑はこのあたりとして、本日の総会のほうに報告させていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○田辺小委員長

 ありがとうございます。

 それでは、そのようにしたいと存じます。

 本日の議題は以上でございます。なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の基本問題小委員会は、これにて閉会といたします。

 武藤分科会長、御説明どうもありがとうございました。

 では、散会いたします。


(了)
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