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2018年8月2日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会

医薬・生活衛生局食品基準審査課

○日時

平成30年8月2日(木) 14:00~16:00

 

○場所

航空会館 2階 201会議室
(東京都港区新橋1-18-1)

○出席者

委員

若林部会長 石見委員 小川委員 鎌田委員
笹本委員 佐藤委員 杉本委員 戸塚委員
中島委員 二村委員 由田委員 吉成委員
 

事務局

吉田食品基準審査課長 黒羽室長 中矢補佐
安増主査 津田主査 林技官

○議題

(1) アルゴンの新規指定の可否等について
(2) イソブチルアミン、イソプロピルアミン、sec-ブチルアミン、プロピルアミン、ヘキシルアミン、ペンチルアミン、2-メチルブチルアミンの新規指定の可否等について
(3) その他

○議事

○事務局 定刻となりましたので、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会を開催させていただきます。本日は、御多忙のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 はじめに、委員方の出席状況を報告させていただきます。本日、原委員より御欠席との御連絡をいただいております。現時点で、添加物部会委員13名中12名の委員に御出席をいただいておりますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告申し上げます。議事に入る前に、事務局の人事異動について紹介させていただきます。7月31日付けで、食品基準審査課長の関野が離任しまして、吉田が新たに着任いたしました。また、同日付けで、技官の田中が離任しまして、津田が着任いたしました。また、4月1日付けですが、技官の林が着任しております。それでは、議事の進行を若林部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○若林部会長 本日、本当に暑い中、御参集いただきましてありがとうございます。それでは議事に入ります。まず最初に、配付資料の確認を事務局よりお願いします。
○事務局 資料の確認をいたします。まず、添加物部会の議事次第、資料一覧、座席表、委員名簿、資料1-1、諮問書、資料1-2、アルゴンの食品添加物指定に関する部会報告書(案)、資料1-3、食品健康影響評価の結果の通知について、資料2-1、イソブチルアミン等の諮問書、資料2-2、イソブチルアミン等の食品添加物指定に関する部会報告書(案)、資料2-3、食品健康影響評価の結果の通知について、資料3、平成29年度マーケットバスケット方式による酸化防止剤、防かび剤等の摂種量調査の結果について、本日、お手元に配付しております資料は以上です。不足や落丁等がございましたら事務局まで申し入れていただけますようお願いします。
○若林部会長 よろしいでしょうか。皆さんのお手元に資料はしっかり届いていますね。それでは、事務局から、本日の部会の審議品目に関する利益相反の確認結果について、報告をお願いします。
○事務局 本日の部会においては、審議対象のアルゴン、イソブチルアミン、イソプロピルアミン、sec-ブチルアミン、プロピルアミン、ヘキシルアミン、ペンチルアミン、2-メチルブチルアミンが利益相反の確認対象品目となっております。当該品目につきまして、本日の部会において、退室の必要な委員又は議決には参加できない委員がいらっしゃらないことを確認しております。
○若林部会長 利益相反についての説明でした。それでは早速、審議に入りたいと思います。議題1「アルゴンの新規指定の可否等について」です。事務局から、まずは説明をお願いします。
○事務局 それでは事務局より御説明します。アルゴンの新規指定の可否等については、資料1-1、諮問書、資料1-2、部会報告書、資料1-3、食品健康影響評価の結果となっております。資料1-2、部会報告書に基づいて説明いたしますので、お手元に御準備ください。それでは説明いたします。
 品目名はアルゴンで、分子式、分子量は御覧のとおりです。用途は製造用剤で、食品包装内にアルゴンを充填し空気と置換することで、空気と食品が接触することを防ぎ、食品の酸化を防ぐことを目的として使用します。
 4.概要及び諸外国での使用状況等について説明いたします。(1)概要ですが、アルゴンは、極めて安定した元素で、他の元素と化合物を作りにくい希ガスの1つです。地球大気中には、体積で、窒素、酸素に続いて3番目に多く存在します。
 (2)諸外国での使用状況等ですが、コーデックス委員会においては、アルゴンは、1991年に包装用ガスとして、加工助剤リストに収載されています。また、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)では、1999年に食品添加物規格が設定されています。米国においては、アルゴンは、一般に安全とみなされる(GRAS)物質であって、果実・野菜ジュース及びワインへの使用が認められています。
 欧州連合(EU)においては、アルゴンは、原則、全ての食品への使用が認められています。また、食品科学委員会(SCF)において、1990年にアルゴンは包装用ガス及び噴霧ガスとして使用が認められ、一日摂取許容量(ADI)の設定が不要とされています。
 また、我が国においては、食品添加物として指定されていません。
 2ページ、5.食品添加物としての有効性について説明いたします。まず(1)食品添加物としての有効性です。食品の酸化を防ぐためには、食品を真空状態にするか、又は不活性ガスを充填するMA包装により、食品が酸素と接触することを防ぐ必要があります。アルゴンは、その密度の高さから、大きな圧力をかけることなく空気の下に流れ込み、食品が酸素と接触することを防ぎます。同じ用途で使用されている窒素よりも少ない量で効率よく置換することが可能です。
 続いて、(2)同じ用途で使用されている窒素との効果の比較です。アルゴンを使用したMA包装、窒素を使用したMA包装、空気のみの3種類の包装で比較試験が行われました。その試験結果の概要を説明いたします。まず、<1>残留酸素量の比較です。アルゴン包装、窒素包装で1,000個のRTE食品パックを製造し、その残留酸素量を確認しました。その結果、アルゴン包装では、平均酸素残量が0.5%、全包装の98.5%について酸素残量が1%未満であったのに対し、窒素包装では、平均酸素残量が5%でほぼ半数の包装について酸素残量が5%を上回っておりました。このことから、既に使用されている窒素と比較して、効率よく置換が行われていることが確認されています。
 続いて、<2>微生物の増殖度コントロールにおける比較です。パスタ・カルボナーラ、野菜パスタ、野菜カレーライスを対象食品として、それぞれアルゴン包装、窒素包装、空気のみのものの3種類で微生物の増殖度を比較しています。その結果、いずれの食品においても、アルゴン包装、窒素包装ともに商品寿命を延ばし、アルゴン包装の方が窒素包装よりも商品寿命を延ばすことが確認されております。
 <3>官能評価における比較です。先ほどと同様の食品を対象食品として、それぞれアルゴン包装、窒素包装、空気のみのものの3種類で、質感、匂い、味、外見、全体評価を3種類の包装から最も好ましいものを選択する形式で比較しています。その結果、いずれの試験においてもアルゴン包装が好んで選ばれる結果が得られました。
 続いて、(3)食品中での安定性です。アルゴンは化学的に不活性な物質で、食品成分と反応して消失又は変化する知見は認められませんでした。
 (4)食品中の栄養成分に及ぼす影響です。アルゴンが栄養成分に影響を与えることを示す知見は認められませんでした。
 6.食品安全委員会における評価結果です。食品添加物としての指定及び規格基準設定のため、平成30年6月7日付けで食品安全委員会に対して意見を求めております。評価結果が、本年6月12日付けで通知されておりまして、報告書案に評価結果を抜粋しております。人の健康に悪影響を及ぼすおそれはなく、食品安全基本法第11条第1項第2号の人の健康に及ぼす悪影響の内容及び程度が明らかであるときに該当すると認められる、この旨が通知されております。
 以上を踏まえまして、7.新規指定についてです。アルゴンについては、食品安全委員会における食品健康影響評価を踏まえ、食品衛生法第10条の規定に基づく添加物として指定することは差し支えないとしております。
 8.規格基準の設定についてです。(1)使用基準についてです。食品安全委員会の評価結果、コーデックス委員会において、アルゴンは、包装用ガスとして、加工助剤リストに収載されていること。米国において、アルゴンは、一般に安全とみなされる(GRAS)物質であって、果実・野菜ジュース及びワインへの使用が認められていること。欧州連合(EU)において、アルゴンは、原則、全ての食品への使用が認められていること。また、食品科学委員会において、アルゴンは、包装用ガス及び噴霧ガスとして使用が認められ、1日摂取許容量(ADI)の設定が不要とされていること。これらを踏まえまして、使用基準を設定しないとすることが適当であるとしております。
 (2)成分規格についてです。成分規格案については、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)、欧州連合(EU)、日本工業規格(JIS)等を参考に、別紙1にありますような案とさせていただいております。詳細な設定根拠については別紙2に、諸外国との比較は別紙3に記載のとおりです。アルゴンの新規指定についての御説明は以上となります。御審議のほどよろしくお願いします。
○若林部会長 どうもありがとうございました。アルゴンについての有効性及び規格基準及び成分規格についての説明が、事務局からありました。成分規格について、佐藤委員から、何かさらに追加するようなことがありましたならば御説明いただきます。
○佐藤委員 まず、アルゴンなのですが、ちょっと設定根拠を見ていただきますと。
○若林部会長 7ページですか。
○佐藤委員 8ページです。名称の所に、JECFA、EU、米国、FSANZの規格は「Argon」の名称であり、JIS規格の和名は「アルゴン」で、英名は「Argon」であることから、和名は「アルゴン」、英名は「Argon」とした。また、和名別名として、通称名の「アルゴンガス」を加えたと設定根拠には記載されているのですが、6ページの成分規格を見ていただきますと、和名の別名が抜けておりますので、「アルゴンガス」を追加していただきたいと思います。英名の「Argon」の下に「アルゴンガス」という別名を追加させてください。規格の説明は全部するのですか。今回、特に必要な所だけでよいでしょうか。
○若林部会長 お願いしている所で結構です。
○佐藤委員 すみません、規格につきましても、先にお送りしていただいているので皆さん御覧いただいていると思います。今回、アルゴンの純度試験として、酸素及び窒素総量として1.0vol%以下という規格を設定しました。12ページの規格対比表を見ていただきますと、一番左が本規格案で、その隣がJECFAで、次がヨーロッパ、そして一番右側が日本工業規格となりますが、今の酸素及び窒素の部分については、JECFAの規格で、酸素、窒素、水素の合計で1.0vol%以下という設定になっております。
 設定根拠の9ページになりますが、水素に関しては、アルゴンは空気分離により製造するけれども、水素は空気中の含量が極めて少ないことに加え、アルゴンとは沸点が大きく異なり、分離精製時に水素が混入する可能性はほとんど無く、JIS規格でも水素の規制項が設定されていないことから、本規格では水素の規格は設定せず、酸素と窒素で1.0vol%以下を設定しております。
 ただ、今回の規格というのは、設定根拠、また8ページに戻りますが、先ほど申しましたように、アルゴンというのは、ワインなどに使う場合は小型の容器に封入したもの、小分け製品というものもあるのですが、海外のJECFAとか欧州連合(EU)の規格は小分け前のアルゴンの品質を指定しているということで、今回、本規格も、その小分け前の品質を担保しています。小分け前の品質ですと、日本で流通しているものは日本工業規格のアルゴン、JIS規格のアルゴンということで、日本で検査を行う際に、JISの規格と試験法を合わせておくべきと考えました。6ページにありますように、成分規格なのですが、こちらは、ほぼJIS規格の試験法を取り入れまして、規格値はJECFAに合わせています。ということで、純度試験の酸素と窒素、総量として1.0vol%以下というのは、これはJECFAの規格なのですが、試験法としてはJISを使っています。
 そこで何が問題になるかと言いますと、酸素の測定法に黄りん発光式酸素計という機械を用いているのですが、これが、測定範囲が20ppmまでという高感度のものでして、1.0 vol%という範囲を測るには若干、その機械そのものでは無理があるということで、今回、お送りした成分規格表には入っていないのです。この試験法、黄りん発光式酸素計を用いて測定し、得られた値から酸素の量(vol%)を求めるというものの次に、「ただし、酸素の量が酸素計の測定範囲を超える場合は、酸素除去した窒素を用いて稀釈し、このガスについて測定し、本品の酸素の量を求める」というただし書を付けさせていただきたいと考えております。以上です。
○若林部会長 どうもありがとうございました。佐藤委員から、成分規格についての追加説明がありました。それでは、アルゴンについての、委員の先生方からの御質問、コメント等がありましたならばお願いします。
 私からでよろしいですか。最初の方で、事務局から説明がありました、微生物増殖度のコントロールにおける比較等の所があると思うのです。窒素と比べてアルゴンの包装のほうが商品寿命をより延ばすと書いてありますが、具体的に何日間ぐらい、これらの試験の中では延ばしているのかと、具体的な数字があると、皆さんもう少しイメージできるかと思いまして質問をしました。
○事務局 ご説明いたします。2ページ目の5.(2)の<2>の具体的なデータを説明いたします。商品の寿命については、微生物の増殖度の比較で見ております。資料1-2の2ページの下の脚注に記載していますが、生菌数(TVC)又はCFUが1.0×107を超えるのに、包装ごとに何日かかったのかをこの実験では見ております。パスタ・カルボナーラの例ですと、TVCが107に到達したのが、空気包装の場合、6日経過後に対して、窒素包装は7日後、アルゴン包装は12日後でした。これらの結果を踏まえまして、商品寿命については、空気包装と比較して窒素包装は1日、アルゴン包装は6日商品寿命が延びたという結果が得られております。
 また、野菜パスタの例ですと、窒素とアルゴンを比較しております。これについては、CFUが107に到達したのが、窒素包装は9日目に対してアルゴン包装は16日目でしたので、窒素よりも商品寿命が長いという結果が得られております。また、野菜カレーの例では、空気とアルゴンを比較しており、CFUが107に到達したのが、空気包装は7日目に対して、アルゴン包装は15日目でしたので、空気よりも商品寿命が長いという結果が得られております。御説明は以上です。
○若林部会長 ありがとうございました。よく理解できました。そのほかに何か御質問、コメント等がありましたらお願いします。
○吉成委員 言葉の問題で2点教えてください。今のところですが、日本語の問題で「その結果」が下から3行目で「いずれの食品においても」と書いてあります。例えば、今御説明がありました野菜カレーライスというのはアルゴンと空気しかないので、その下の文章の「アルゴン包装の方が窒素包装よりも商品寿命を延ばすこと」というのは、該当しないような気がするのですが。ちょっと日本語として不適切かなと思ったのですが、いかがですか。
○事務局 こちらのデータについては、文献を基に有効性の比較について記載させていただいたものです。文献を確認しますと、窒素包装が行われたものについては、野菜カレーのご飯の下にある空気を置換できてらず、窒素置換による商品寿命の延長が得られなかったということで、空気包装とアルゴン包装を比較したということです。表現の仕方については、適切なものに修正させていただきます。
○吉成委員 今の御説明ですと、その前の文章も「いずれの食品においてもアルゴン包装、窒素包装ともに、商品寿命を延ばし」というのも間違っているということになりますよね。野菜カレーの場合は、窒素包装では延ばしていないので。そういうことでよろしいですか。
○事務局 はい。適切に修正させていただきます。
○吉成委員 もう1点は、3ページ目の上の(4)の文章なのですが、「アルゴンが栄養成分に影響をあたえることを示す知見は認められなかった」と書かれています。この影響というのは、良いほうも悪いほうもということになってしまうと思うのです。アルゴン包装をすると、例えば脂肪の酸化などの空気酸化を抑えられるので、影響はしているような気がするのですが。ですから、悪影響は認められなかったのか、それとも逆に言うと悪影響がないことを示すような文献はあるのですか。実験結果があるので、多分あるのだとは思うのですが。要は、これですと良い影響もないということになってしまうような気がするのですが。
○事務局 ご指摘の記載については、アルゴンが直接、栄養成分に対して影響を及ぼした知見が検索の結果見付からなかったという事実を記載しているものです。
○吉成委員 悪影響と書いてはまずいのですか。何故かというと、下のほうの食品健康影響評価の2番に「悪影響は知られていない」とあるので、どういう影響があってもいいわけですよね。
○事務局 良い影響についてもデータとしては得られていないのかと思いますので、この記載は間違っていないと考えております。
○若林部会長 これは不活性なので、栄養成分に対しても何ら影響は化学的にないというようにも、上の文章から捉えられるので、私はこのままでもいいかなという気もしたのですが。
○事務局 ご指摘いただいた食品健康影響評価は、あくまで食品としての人へのリスクということでの悪影響を評価したものであり、部会報告書の3ページの(4)は、食品中で栄養成分に影響を与えるかどうかを記載したものです。文章の意図は全くの別のものであり、両方ともこの記載で間違っていないと考えております。
○吉成委員 直接、食品とアルゴンが反応するかということを言いたいのですね。
○事務局 はい。
○吉成委員 分かりました。以上です。
○若林部会長 よろしいですか。
○鎌田委員 <2>の微生物増殖度コントロールです。<2>の項目からいきますと、微生物が増殖する速度に対して比較しているということですね。ですが、この項目の結論は商品寿命になっているのです。実は1つ論理が飛んでいて、アルゴン包装をすることによって微生物がこれだけ増殖速度が遅くなった。その結果、107というクライテリアを持ってきている商品寿命を延ばしたという論理があったほうがいいと思います。もし、このままいくようでしたら、微生物の増殖速度における比較ではなくて、商品寿命における比較でないといけないと思います。そのほうが説得力、つまり増殖です。何日間たつと107になるのは何日間だというような数字を具体的に挙げる。さらに、それで微生物がこれだけ少なかったので、商品寿命が延びたという表現のほうがよろしいかという意見です。
 それから、二酸化炭素と窒素によるアルゴン包装というのは、既に教科書レベルになっていて、広く行き渡っていると。ただ、主によく教科書に書いてあるのは、ポテトチップスなどを例に挙げて、油が酸素がないために酸化しない所に、よく書いてあるのです。それが、この微生物制御の所にも広まってきているのかなという印象を持っているのです。食品微生物からの観点から言いますと、ここにあるデータを持ってきた食材に若干の偏りがある状況です。パスタですが、カルボナーラと野菜、それから野菜カレーですが、これは、いずれも熱をかけて調理している食材になります。そうしますと、熱をかけて菌が死にますが、残る菌もあります。ここで、熱をかけた後の残っている菌に対してだけアルゴンの効果、あるいは窒素の効果を比較しているというのが、正確な実験系の評価になります。できれば試している食品の中に、生鮮食品が入っていると、非加熱の状態で元気にいきている腐敗などに関する菌が、アルゴンによってどのように増殖抑制されたのかというデータにつながっていこうかと思います。
 特に野菜のカレーライスの所ですが、カレーのような粘稠なものには、そこに嫌気性菌が混じると、空気も浸透しないし、更にそれでアルゴンに蓋をしますので、嫌気性菌だった増殖に都合の良い条件を提示することになってしまいますので、できる限りここの食品の種類は多いほうがいいなと思います。一般的にこの文章だけを見ると、全てのいろいろな食品や食材について、有効なような印象を持ってしまいます。というのは、表現として避けていただきたいなというのが、食品微生物系からの意見です。
○若林部会長 どうもありがとうございました。事務局から何かコメントはありますか。
○事務局 鎌田委員、御質問どうもありがとうございました。まず最初の御指摘ですが、今回部会報告書(案)に、微生物の増殖度コントロールにおける比較の所で、具体的なデータを記載しておりませんでした。先ほど口頭で説明いたしましたが、その内容について追記をさせていただき、商品寿命が何日延びたのかというところが明確に分かるように記載を修正させていただきます。
 また次に御指摘いただいた内容ですが、現時点での記載の状況ですと、全ての菌に対して効果があるのではないかという印象を与えるということですので、加熱製造後に食品内に残存した微生物の増殖抑制効果については示されているものの、全ての微生物について優位性が示されているものではないということが分かるように、こちらの記載を修正させていただきます。
○若林部会長 よろしいですか。その他に何かありますか。
○中島委員 この物質は、安全性はほとんどもう自明と言ってもいいぐらいなので、反対する理由は見付からないなという感じなのです。日本工業規格のアルゴン、それから欧州連合(EU)の規格のArgonで、規格の違いは大きい問題ではないようにも思うのですが、日本工業規格で99.999ともなると、ネオンとかクリプトンとかも除かれている濃度でないと、こうはならないと。先ほどの本規格で99と。これは測り方からいって、窒素や酸素を除いたものであるというのは、クリプトンなどが混ざっていても問題ないということだろうと思うのです。だからといって、安全性には全く問題はないので気にしなくていいと思うのですが、本規格と日本工業規格とのこれだけの純度の違いは、これはこのまま置いておいても後々問題になることはないでしょうか。それだけです。
○佐藤委員 一応規格としては、JIS規格のものは本規格を満たすということを考えているので、特に問題はないと思うのです。
○中島委員 つまりは、JIS規格のアルゴンが、この食品に使われるということが前提になっていると。
○佐藤委員 JIS規格のものも使えるというのが前提。
○中島委員 JIS規格のものなら、もう何ら全く問題はないと思うのです。そこまで上等でなくても十分今回のようにはたぎると、少なくともヨーロッパの例等を考えるとJIS規格のものでなくても十分たぎるとは思うのですが、その点だけです。いずれにしても、安全性には全く問題ないとは考えますので、細かいことではありますが。
○若林部会長 アルゴンガスに関しては、今、中島委員、また事務局からも説明されましたが、米国、欧州連合(EU)等の例等を見ても安全で、かつ酸化に対して非常に有効に働いているということで、これを新規指定をすることに関しては多分皆さん問題ないと思いますが、よろしいでしょうか。その上で先ほど鎌田委員と吉成委員からも発言がありましたが、微生物増殖度コントロールにおける比較の所の修正を、事務局にはお願いいたします。
 それから6ページの成分規格の所のアルゴンガスを追加するということを修正した上で、皆さんにアルゴンに関して新規指定を認めていただけるということでよろしいでしょうか。
 それから、佐藤委員から指摘されました成分規格の但し書きの所も追加をする、この3点を修正するということでよろしいでしょうか。それでは、そのような条件で部会申請報告書にまとめ、分科会報告書手続を取りたいと思います。事務局から何かありますか。
○事務局 修正点の御意見を頂いておりますが、頂きました修正点については、御意見を頂いた先生と事務局で修正の後、修正内容を部会長に御確認いただき、特に問題なければ手続を進めるということでよろしいでしょうか。
○若林部会長 事務局からの提案ですが、よろしいですか。では、そのように進めてください。
○事務局 本品目については、新規添加物の指定のため、分科会では審議事項とされておりますので、審議事項として進めさせていただくこととしております。
○若林部会長 分科会では審議事項に入るということで、よろしいですね。こちらもよろしいかと思います。それでは、今後のスケジュールについて説明をお願いいたします。
○事務局 今回の審議結果につき、食品衛生分科会での審議のほか、所定の事務手続を開始したいと思っております。
○若林部会長 よろしくお願いいたします。それでは議題1のアルゴンガスについては以上にして、議題2に移ります。議題2「イソブチルアミン、イソプロピルアミン、sec-ブチルアミン、プロピルアミン、ヘキシルアミン、ペンチルアミン、2-メチルブチルアミンの新規指定の可否等について」審議を行います。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 議題2につきまして、資料2-1から2-3を基に説明いたします。資料2-2部会報告書(案)を基に説明いたします。今回のこれら香料7品目の新規指定や規格基準の設定の検討については、事業者より要請があったことに伴い、今回審議をいただくものです。1ページ目には、今回審議いただく7品目の和名、CAS番号を記載しております。また2、3ページに、今回の物質の構造式、分子式、分子量をそれぞれ記載しております。3ページの3.用途ですが、いずれの添加物も香料としての用途になります。
 4.概要及び諸外国での使用状況等を説明いたします。我が国においては、この7品目の使用は認められているものではなく、新規指定となります。FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)や欧州食品安全機関(EFSA)においては、今回の7品目を含む複数の香料において、「脂肪族及び芳香族のアミン及びアミド」のグループとしての評価を行っております。全て、アミンの構造を含むものとしてのグループになります。
 食品安全委員会においては、このグループに入る化合物として、グループ評価は過去に行っておりませんが、2009年のイソペンチルアミン以降複数の品目について、それぞれ単体で評価を行っております。いずれも食品の着香の目的で使用する場合は、安全性に懸念がないと考えられるとしています。
 4ページ(2)の諸外国での使用状況です。欧州連合(EU)や米国等、今回の7品目についてはいずれも使用が認められており、特段濃度等の使用基準はありません。米国では焼き菓子などの加工食品に使用されているものです。
 5.は食品安全委員会における評価結果です。昨年11月29日に食品安全委員会に意見を求め、本年5月29日にその結果を通知いただいております。その下に、食品健康影響評価の抜粋をしておりますので、説明いたします。食品安全委員会は、構造と代謝に関する類似性から、7品目を1つにまとめて扱うことができるとしております。また類縁化合物の評価も踏まえて、7品目には遺伝毒性の懸念はないとしています。また構造クラスⅠに分類されると判断し、いずれも安全性に懸念がない産物に代謝されると判断しています。7品目の推定1日摂取量を最大でも2μg/人/日とし、構造クラスⅠの摂取推計値の1,800μg/人/日を下回ることから、安全性に懸念がないと予測できるという評価となっています。その結果、食品の着香の目的で使用する場合、安全性に懸念がないと考えたとされております。
 4ページの6.摂取量の推計で、食品安全委員会の評価を記載しております。5から6ページにかけての表1を御覧ください。今回の香料の推定一日摂取量がまとめられておりますが、欧州や米国での摂取量の最大値を日本における推定値と推計することとしております。その数字が一番右の列で、例えばイソブチルアミンは推定摂取量は0.09となります。6ページの表2には、自然食品からのこれら香料の検出例も記載されております。加工食品に使われる量は、自然料と比較して非常に低いものであると評価されております。
 6ページの7.を御覧ください。新規指定については、今回の7品目は添加物として指定することは差し支えないという案としております。
 また7ページ規格基準については、使用基準は7品目全て香料ですので、着香の目的以外に使用してはならないとしております。また成分規格については、9ページから始まる別紙1、そしてその設定根拠は、23ページから始まる別紙2、さらに諸外国JECFA等との対比表は、44ページから始まる別紙3に記載しております。事務局からの説明は以上です。御審議をよろしくお願いいたします。
○若林部会長 どうもありがとうございました。審議に入る前に、今回の香料7品目の食品安全委員会での評価結果について、まず遺伝毒性有無について、戸塚委員から説明をお願いいたします。
○戸塚委員 お手元の資料2-3の添加物評価書の遺伝毒性に関しては、14ページから掲載されております。実際のデータは15ページの表4からになりますが、先ほど事務局からもお話がありましたが、今回のこの7品目に関しては、この構造の類似性及び代謝経路、対謝産物の経路から考え、1つのグループとして評価することができるということになりました。実際の遺伝毒性の評価に関しては、15ページの表4を御覧ください。こちらには、この7品目のうち4品目のイソブチルアミン、イソプロピルアミン、sec-ブチルアミン、及びペンチルアミンに関する遺伝毒性評価の結果が掲載されております。それ以外の物質としては、類縁物質であるエチルアミン、イソペンチルアミン及びブチルアミンに関する遺伝毒性の試験成績が提出されておりますので、この結果を用いて、今回の7品目の遺伝毒性を評価することは妥当であると決定いたしました。
 内容を見てまいりますと、試験結果、概要の部分を見ていただくと分かると思うのですが、ほとんどのものが陰性となっております。たった1つ16ページの一番下のカラムのブチルアミンが、チャイニーズ・ハムスターの染色体異常試験において倍数性細胞の増加というような結果が得られておりますが、これに関しては最高用量でのみの陽性結果等が出ており、用量依存性がないことと、同じ化合物を持つin vivoの試験系では陰性という結果が得られておりますので、そういったことを併せて考え、ブチルアミンに関しては特段人体に対して遺伝毒性の懸念は無いと考えたとまとめられております。以上です。
○若林部会長 どうもありがとうございました。各化合物は遺伝毒性については特段問題はなく、ほとんどのものが陰性であるということの説明でした。次に、遺伝毒性以外の毒性について、小川委員から説明をお願いいたします。
○小川委員 同じ資料を用いてですが。事務局からもかなり詳しく話していただきましたけれども、8ページに記載がありますように、この品目については着香目的以外には使用してはならないという旨の使用基準があることから、2016年5月に作られた、香料に関する食品健康影響評価指針に基づいた評価が行われています。
 一般毒性については、17ページからの記載になります。ステップ1、ステップ2と書いてありますけれども、香料の場合はまず構造クラスという形で化合物を分類し、それをTTC摂取許容値(Threshold of Toxicological Concern)ということで、その考え方に基づいて、構造クラスごとに設定された評価値と実際の推定摂取量を比較し、摂取量がTTCよりも下回った場合は、評価対象の安全性に懸念はないと判断することができるという考えの下で、評価を行っています。
 万一それが上回っている場合は、反復投与毒性とか、そういった試験から得られたNOAELと比較して、十分マージンがあるかどうかという見方をするというようなステップを踏みながら、比較をすることになっています。
 今回のこれらの物質の、まず構造クラスについては21ページを御覧ください。これが別紙2で、構造クラスの分類になりますが、こちらのスキームに沿って検討すると、構造クラスⅠ、真ん中の辺りの18からⅠにいくということで、いずれも構造Ⅰに分類されます。17ページに戻ってステップ2、まだ代謝のお話を聞いておりませんが、これらの物質は安全性に懸念があるような代謝物は作られないことが次のステップになります。
 これは安全性に懸念がないということなので、次のA3に移って、この7品目については先ほどもお話があったように、いずれも推定摂取量が0.02から2μg/人/日ということで、構造クラスⅠの場合はTTCの値が1800μgということですので、大きく下回っているということで、今回の品目については安全性に懸念はないと評価しています。ちなみに構造クラスⅡだと540で、構造クラスⅢだと90という数字が、TTCとしては考えられている数字になります。
 一応参考資料として、一部急性毒性と吸入の反復ばく露の数値がありますが、今回に関してはTTCの値から大きくばく露量が低いので、特に問題ないという判断で評価されています。以上です。
○若林部会長 どうもありがとうございました。続いて体内動態について吉成委員から説明をお願いします。
○吉成委員 同じく資料2-3の10ページから、代謝等に関する治験の概要が書かれています。<1>から<4>に、一般的な酵素反応に関するレビューが書かれています。<5>から具体的な個々の物質に関する説明が書かれています。それが14ページの(2)まとめに書かれていますので、そちらを御覧いただければよろしいかと思います。
 先ほどからも何度かお話があったように、今回対象物質は、全て脂肪族の第一級アミンというようなものですので、まとめて考えられることになります。そこに書かれているような、モノアミンオキシゲナーゼ、MAOと書かれているもの、あるいはフラビン含有モノオキシゲナーゼというのですか、FMOと書かれている、あるいはP450Aという酵素によって、酸化的脱アミノ化反応を受ける。
 分かりやすく言うと、アミノ基が全て付いていますが、それが全て酸素に置き換わります。ものによってはそこが二重結合になってケトンになったり、あるいはアルデヒドあるいはアルコールになったりしますが、最終的にはケトン体かあるいはカルボン酸になります。
 これらの物質が生体内に入ると、取れたアミンはアンモニアになって、尿素回路で代謝される。一方のアルキル鎖のほうは、単鎖の脂肪酸になるものがほとんどであるということで、通常ヒトが摂取するような一般的な化学物質になって、その後代謝されるということです。そのようなことがここに書かれています。ですから何ら特段問題となるような代謝物も生成しませんし、代謝経路としても問題がないということです。
 一番最後に結論が書かれていますが、この7品目というのが香料として低用量を摂取する場合、ヒトにおいても、既知の生体内物質の代謝経路に入り、速やかに代謝され、排泄されると判断されています。それらのことと、また構造、あるいは代謝経路の類似性から一括して扱うことができると判断されていますので、私もこの評価を支持いたします。特段問題はないと考えます。
○若林部会長 ありがとうございます。それではイソブチルアミン等7つのアミノ化合物の新規指定の可否等について、委員の皆さんから御意見等を頂ければと思います。よろしくお願いします。成分規格について何か佐藤委員、杉本委員のほうから追加するようなことはありますか。他に何か。中島委員どうぞ。
○中島委員 ここについている7つの物質、分子量の小さいやつはアンモニア臭いし、大きいやつは魚臭いという、何かじとーっと、どれもこれもとてもいい臭いとは思えないような物質なのですが、でも着香目的で使われるのですね。
○事務局 香料というのは、単物質で使うものではなくて、いろいろな香料を混ぜ合わせていろいろな臭いを作り出すものなので、単物質で考えるとおっしゃるとおりの状況なのかもしれませんが、香料としての有用性はあるのであろうと考えております。
○中島委員 スカトールみたいなものでも、極微量だとそれなりに香料になっているとも聞きますので、それはまあいいかと。こういうものですと、ものそのものは、安全性については問題ないと思うのですが、不純物が問題になる可能性もあるかと思います。その点、欧州の規格は95%以上。でも、ここは確かもっと高い水準になっていて、これを作るときに、そのようなやっかいな不純物が混ざるようなことは多分ないとは思うのですが、その辺の懸念は大丈夫なのでしょうか。
○若林部会長 いかがでしょうか。純度は、ほとんどのものが95%以上という規格になっていますけれども、何か不純物の混ざるような可能性があるかどうかというような質問です。
○事務局 どの物質についても、不純物の混入についての事例や知見は聞いておりませんので、問題ないと考えております。
○佐藤委員 設定根拠とか、定量法の所をどれか見ていただくと分かりますように、全て沸点が150℃未満と、割と揮発性の物質ですので、恐らくそういう沸点のものを集めてきているので、それほど不純物が入るものでもないのかなと思います。
○中島委員 実際に、成分分析した機関のものですと、どれもこれも99%以上になっていて、これと同じクラスのものが、我が国でも使われることになると考えてよろしいのですか。95%は、ちょっと甘いなという気もするのですけれども、実際に流通しているものはもっと非常に純度が高いようで、それだったらまあいいかなとも思いますので、同じようなことを想定しているということでよろしいのではないかなと。
○若林部会長 それ以外に何か御意見、コメントがありましたらお願いできますか。笹本委員。
○笹本委員 成分規格の確認試験なのですけれども、テイク4だとMSを使っていて、こちらの成分規格だとIRで、IRは簡便なのですが、非常に近い構造のヘキシルアミンとベンジルアミンを、IRで区分けできるのかなと、ちょっと疑問に思ったのですが。
○若林部会長 44ページからの、イソブチルアミン等の規格対比表の所だと思いますが。こちらの規格案とJECFAの所で、7つのものがこちらの規格ではIRになっていて、JECFAですと、MSというものになっているのですけれども、非常に類似な化合物の見分け等については大丈夫でしょうかという質問だと思います。
○佐藤委員 細かいところで見ていただくと、若干違うというところです。確かにおっしゃるとおりですが、一応これで区別をしている。いずれもアミン系ですけれども、においには多分若干違いがあるので、香料を扱う人たちはそこで区別されているのだと思います。
○笹本委員 分かりました。あともう1点だけ。これは教えていただきたいのですけれども、6ページ表1の評価物質の年間使用量の中で、sec-ブチルアミンが米国でかなり突出して使用量等が多いのですが、これは具体的に何かこういう食品に使われているとかというのは。6ページの表の上の方です。上から2段目、使用量が14kg/年。
○若林部会長 6ページですね。
○事務局 米国での使用例としては、4ページの(2)でも諸外国での使用状況で紹介していますが、焼き菓子等に使われるということですが、sec-ブチルアミンだけが高い理由は、ちょっと手元に資料がありませんので、お答えができない状況です。
○笹本委員 恐らく、欧州では全然使用量がなくて、米国で使用されているということは、何か米国でよく食べるような食品に香料として使用されているのかなと、ちょっと疑問に思ったものですから。
○若林部会長 もし分かりましたら、後でまた調べた結果を笹本委員と私に御連絡いただけますか。
○事務局 はい、そのようにいたします。
○若林部会長 その他に何かありますか。吉成委員どうぞ。
○吉成委員 教えていただきたいのですが、規格なのかちょっとよく分からないのですけれども、sec-ブチルアミンと2-メチルブチルアミンというのは、立体異性があると思うのですが、これは比率がどうであっても、この性状に全て合うということでよろしいですか。sec-ブチルアミンと、2-メチルブチルアミンというのは、ラセミ体になりますね、この2つに関しては。
 今回は、ラセミというか、特に分けていないで規格が設定されていると思うのですけれども、これは100対0、0対100というものを使っても、この規格に全て合うようにできているのでしょうか。同じ臭いがするのかとか、融点沸点が全て一緒なのかちょっと分からない。小さいのでそんなに変わらないとは思うのですが、RSで結構性状が異なったりすることもあるのです。これの試験は、ラセミが考えられるものは、どちらでやられてるのでしょうか。
○佐藤委員 ラセミかと。
○吉成委員 一般には、混合で流通しているのかもしれないですけれども、例えば特殊な状況下になるようなことはないのかということだけなのです。Rが100%とか、Sが100%というふうに使ってもいいのかということでもあるのですけれども。
○佐藤委員 規格に合うものであれば、使っていいということです。
○吉田食品基準審査課長 規格ですので、実際に世の中に出回っているもの、すなわち、諸外国で出回っているものをベースにして、この規格は作っていると認識していますので、ラセミ体の方ができやすいというのが通常だと思います。むしろどちらかの異性体にするほうが難しいかと思いますので、そういったものはむしろ作るのが大変だし、規格に合わないので出回らないということだと思います。実質的な安全性という点では、問題ないと考えられます。
○若林部会長 それ以外に何かございますか。由田委員。
○由田委員 すみません、本質的なことではありません。部会報告書(案)の5ページの欄外の所なのですけれども、小さい2と小さい4の所、平成28年度国民健康・栄養調査になっていますが、これは多分「度」は要らないはずです。それからその括弧の所の、(平成29年度12月)の「度」も、多分要らないと思いますので、お願いします。
○若林部会長 2番の所は、これは「度」があってもいいんですか。
○由田委員 これも2も4も「度」と書いてあるのが、4か所ありますが、「度」は全部要らないと思います。
○若林部会長 多分由田委員が直接に関わったものと思いますので、正しいと思います。チェックをして、正しかったならば「度」は除いてください。
○事務局 確認して修正させていただきます。
○若林部会長 その他何かございますか。よろしいですか。それでは一通り御審議をいただいたようですので、イソブチルアミンを含む7つのアミン化合物の新規指定の可否等については、これを認めるということでよろしゅうございますか。それでは認めるということで、部会報告書を取りまとめ、分科会に報告する手続をとりたいと思います。事務局からその他に何かありますか。
○事務局 御審議ありがとうございます。いろいろ修正点を頂きましたので、その点については、御意見を頂いた委員と事務局で修正の後、修正内容を部会長に確認いただいて、特に問題がなければ、手続を進めるということでよろしいでしょうか。
○若林部会長 よろしいでしょうか。はい、そのように進めてください。
○事務局 その他細かい文言の変更等、軽微な修正が必要になった場合についても、同様に修正内容を、部会長に御確認いただいて、特に問題なければ手続を進めてよろしいでしょうか。
○若林部会長 はい、よろしいですね。
○事務局 本品目については、新規添加物の指定となりますので、分科会では審議事項とされています。審議事項として進めさせていただくこととしております。
○若林部会長 分科会では審議事項の対象となりますので、その旨御了解ください。それでは、今後のスケジュールについてお願いします。
○事務局 今回の審議結果について、食品衛生分科会での審議の他、所定の事務手続を開始したいと考えています。
○若林部会長 それではその手続をお願いします。よろしいでしょうか。それでは今、審議事項2が終わりましたので、次は報告事項に移りたいと思います。報告事項のマーケットバスケット調査について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 資料3をお手元に御用意願います。平成29年度マーケットバスケット方式による酸化防止剤、防かび剤等の摂取量調査の結果について御説明します。マーケットバスケット調査は、毎年、佐藤委員のいらっしゃる国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部で実施をいただいているものです。
 平成29年度は、20歳以上の喫食量に基づいて、この1ページの表1にあります酸化防止剤、防かび剤、製造用剤、結着剤について調査を行っています。方法を簡単に御説明します。国立医薬品食品衛生研究所や地方衛生研究所5機関、札幌、仙台、香川、長崎、沖縄において、それぞれ加工食品を1~7群に分け、購入して、混合試料を調製します。その6機関に、広島県の機関を加えた7機関で、表1の添加物について含有量を測定し、20歳以上の喫食量を乗じ、それぞれの添加物の一日摂取量を算出するというものです。
 また今説明した混合群の調査とは別に、購入した食品のうち食品添加物の表示があるものについては、別途調製して分析を行い、表示された食品に基づく一日摂取量を別途算出し、混合群との比較を行っています。
 結果を御説明します。2ページに文章で示しておりますが、文章の説明は省略して、表で説明をさせていただきます。3ページを御覧ください。3ページに表2があります。読み方を御説明しますと、上から順番に、酸化防止剤等の物質が並んでいます。それぞれの摂取量が、1群~7群まであり、合計した摂取量が一番右の列にあります。各項につき、2つの数字が並んでいます。例えばトコフェロール類の1調味嗜好飲料だと、0.20/0.010とあります。この記載は、右上の注釈のとおり、左の数字が混合群の推定一日摂取量、右の数字が表示群の推定一日摂取量となります。つまりトコフェロール類の1番、調味嗜好飲料だと0.20が混合群、0.01が表示群の摂取量となります。
 例えば酸化防止剤エチレンジアミン四酢酸塩では、総摂取量は混合群も表示群も0/0。一番下の行の結着剤だと、リン酸化合物、リンの全体だと混合群で267.6mg/人/日、表示群だと28.3mg/人/日という結果が得られております。
 4ページにあります表3には、それぞれの添加物の表2で算出した一日摂取量を、ADIと比較しています。表2と同じように、各添加物が一番左の列に並んでいて、その右から、表2で得られた一日摂取量、ADI、一人当たりの一日摂取許容量、一番右の列に対ADI比が並んでいます。
 表3のとおり、いずれも対ADIを超えるものはありませんでした。単純に比較しますと、一番大きいので結着剤のリン酸化合物が、ADI比6.52%となります。
 表4以降は参考資料です。今回の調査は20歳以上の喫食例に基づいて、この添加物の摂取量を求めたものですが、仮にほかの年代でも計算した場合の結果を、表4のとおりまとめています。
 最後6ページの表5は、今御説明した表4で得られた年齢層別の一日摂取量をADIと比較した結果です。いずれの年齢においてもADI比で100を超えるものはありませんでした。今回の結論として、調査対象のどの添加物についても安全性上、特段の問題があるような摂取状況は認められませんでした。説明は以上です。
○若林部会長 ありがとうございます。マーケットバスケット調査について、事務局から説明を頂きましたけれども、検査した物に関しては、対ADI比を考えて安全上特段問題となるようなものは検出できなかったという説明です。何かこの点について、御質問、コメントがありましたらお願いします。
 よろしいですか。極めて明解です。特段問題となるようなものはないと思いますけれども、よろしいですか。それでは皆様からのコメント、御意見はないということでしたので、報告事項のその他に移りたいと思いますが、事務局から何かありますか。
○事務局 特段ございません。
○若林部会長 次回の予定等について、何かありますか。
○事務局 また委員方と日程調整をさせていただき、日時、場所及び議題について、改めて御案内をさせていただきます。
○若林部会長 どうもありがとうございました。それでは本日の添加物部会をこれで終了します。御協力ありがとうございました。

 

(了)

<照会先>

医薬・生活衛生局食品基準審査課

添加物係: 03-5253-1111(内線 2453,4274)

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