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2018年5月9日 平成30年度第2回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会 議事録

医薬・生活衛生局

○日時

平成30年5月9日(水)13:00~15:00


○場所

航空会館702+703会議室
(東京都港区新橋1-18-1 航空会館7階)


○議題

(1)テーマ毎の検討(革新的な医薬品・医療機器等への迅速なアクセス確保・安全対策の充実)について
(2)その他

○議事

○屋敷総務課長 傍聴の皆様にお知らせいたします。傍聴に当たりましては、既に御案内しております注意事項をお守りいただきますよう、お願いいたします。

 それでは定刻になりましたので、ただいまから、平成 30 年度第 2 回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会を開催いたします。委員の皆様方には御多忙の折、御参集いただきまして御礼申し上げます。現時点で、 19 名中 15 名の御出席を頂いております。平井委員、三村委員及び森田委員からは御欠席の連絡を頂いております。本日は部会長の御欠席に伴いまして、進行は赤池部会長代理にお願いをしています。

 今回の部会から新しく委員として御参画いただきます方がお二人いらっしゃいますので、御紹介をさせていただきます。国立医薬品食品衛生研究所の川西徹委員に代わりまして、同じく国立医薬品食品衛生研究所の奥田晴宏委員です。

○奥田委員 奥田でございます。よろしくお願いいたします。

○屋敷総務課長 お二人目に、一般社団法人日本医療機器産業連合会、原澤栄志委員に代わりまして、同じく一般社団法人日本医療機器産業連合会の久芳明委員です。

○久芳委員 久芳でございます。よろしくお願いいたします。

○屋敷総務課長 続きまして、本日の配布資料の確認をいたします。座席表、議事次第のほか、資料としまして資料 1-1 1-2 及び 1-3 、参考資料、名簿がございます。本日の進行ですが、前回に引き続きまして、試行的にペーパーレス化を実施しております関係上、タブレットを使用して進めさせていただきたいと思います。前回と異なる端末ですが、電源ボタンを入れて、一筆書きでロックを外してあとはファイルマネージャーの中にファイルが入っている点は同じです。本日は各資料につきまして、ファイルとしては 1 つにまとめて入れておりますので、資料が移るたびにファイルを開き直すということではなく、 1 つの画面で全て入っております。よろしくお願いいたします。タブレットの操作中に不明な点ございましたら、後ろに待機しておりますサポート職員にお声掛けいただければと思います。併せて紙資料も机上配布しておりますので、必要に応じ御使用いただければと思います。

 間もなく議事に入りますので、冒頭のカメラ等の撮影はここまでとさせていただきます。以後の進行は赤池部会長代理にお願いいたします。

○赤池部会長代理 部会長の森田先生の代理として、赤池が本日の議事進行を行わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。まず、議題 1 に入ります。本日は前回決定した 3 つのテーマのうち、テーマ1、革新的な医薬品・医療機器等への迅速なアクセスの確保・安全対策の充実につきまして、御議論いただきたいと思います。

 事務局に当該テーマについて現状と課題を整理いただきましたので、資料 1-1 の説明をお願いいたします。なお、今回は説明を区切りまして、個別項目ごとに議論していきたいと思いますので、まず、 2 (1) までの説明をお願いいたします。

 また、本日は資料 1-2 及び 1-3 ですが、団体の要望書が提出されています。これらにつきましても、追って議論する時間も設けますが、事務局からの各項目の説明と関連する場合には、関係委員をはじめ、適宜御発言をお願いいたします。それでは説明をお願いいたします。

○屋敷総務課長 資料 1-1 につきまして説明いたします。タブレットのほうで括弧が付いているほうが通しのページ番号になっております。その通し番号の3ページを御覧ください。本日のテーマ1の現状と課題について、 3 点ほど分野を分けまして、資料を準備しております。

 次に 4 ページです。これは前回の資料の抜粋ですが、 5 年を目途とした検討のテーマとして1から3ありまして、本日はテーマ1について御意見を頂きたいと考えております。

5 ページ目ですと、テーマ1、問題意識及び検討の視点の例を提示いたしましたが、3ページ目に戻りまして、本日はテーマ1につきまして、 (1) として「医療上特に必要な医薬品医療機器等と承認プロセス」と、そして、その中に小見出しとして 3 つほど挙げています。

(2) として、「安全性を確保しつつ、生産プロセスの革新・生産性向上を促進する環境整備」について、これも 3 つ挙げています。

 また前回の制度改正が安全対策の向上を中心とした改正であり、その状況を踏まえた上での審議が必要であるとの御意見を頂いた関係上、 (3) として、「状況の変化を踏まえた安全対策の充実」について資料を準備しております。安全対策の内容につきましては、次回のテーマ2に併せて御議論いただければと考えております。

 それでは順次、御説明をさせていただきます。

○山本医薬品審査管理課長 医薬品審査管理課長より (5) ページから御説明させていただきます。 (6) ページの所から目次が始まっており、 (7) です。新医薬品医療機器の承認審査の現状を紹介しております。 10 年ほど前にはドラックラグということで、かなり問題視をされましたが、ここ数年は審査にかかる時間は欧米とほぼラグはなくなっております。一方で、日本に申請されるまでの時期をアメリカと比較いたしますと、医薬品も医療機器も、例えば平成 28 年度は 1 年から 1.9 年といった時間差があります。このため PMDA といたしましては、開発に当たって、相談業務を拡充し、速やかな開発、あるいは審査の予見性の向上や、質の向上を図るといった課題に取り組んでいます。

(8) ページです。医療上の特に必要性が高い医薬品・医療機器につきましては、 PMDA の体制整備、取組とは別に、各種の優先的に審査する制度、あるいは税制上の優遇等を備えた制度を設け、開発の側にインセンティブを示しながら対応をしているところです。 (8) ページにメニューを示しておりますが、通常であれば、一番上の承認まで 12 か月をかけながら処理をするわけですが、医療上重要だと思われるものについては、 9 か月で行う、あるいはオーファンのような分野につきましては、助成金交付や税制措置などを用意するということです。更に一番下ですが、先駆け審査指定制度も 3 年前から始めておりまして、これは画期的な作用機序をもって、対象疾患に極めて高い有効性が期待され、かつ世界に先駆けて日本で申請する意思がある等の要件を満たす開発に当たっては、例えば承認までの期間を 9 か月から更に短く 6 か月で行政も処理をする、ないしは開発段階から優先的に様々な相談や支援をしていくといった仕組みです。

(9) ページです。医薬品につきましては、これまで 3 回、先駆け品目について指定を行っており、徐々に承認品目も出ているといったような状況です。

(10) ページの希少疾病用医薬品についても少し御紹介をさせていただきます。紫のグラフで平成 5 年の法改正からの希少疾病用医薬品として指定された数の推移をお示ししております。いろいろな分野の医薬品がこの指定を受けながら開発が進められ、その中には対象疾患の治療の大きな転換点となった医薬品も多く、制度として一定の役割が果たされていると思っております。

 傾向としては、下の 2 つのグラフ、 5 年刻みにしていますが、平成 10 年以降は抗がん剤の指定が増加している傾向が御覧いただけると思います。また剤の種類としては右側のグラフ、抗体医薬品が年々その比率を増やしていることがわかります。さらに平成 28 年度には、核酸医薬品といった新しい種類の医薬品が、希少疾病用医薬品として指定を受けています。こういった新たな医薬品も、希少疾病用医薬品に関する仕組みを使いながら開発が進められており、医療のニーズ、アンメットな部分を満たす役割を果たしていると思っております。

(11) ページですが、欧米でも画期性の高い、医療上重要性の高い品目について、日本同様にインセンティブを与える制度を持っていることを示しております。一番左側が日本の先駆け審査指定制度を御紹介しております。真ん中のカラムですが、米国が Breakthrough Therapy という枠組で、やはり同様のインセンティブを与えながら、審査をしていく、開発助言をしていくといった仕組みを設けております。また、欧州も PRIME という仕組みを設けております。この表の下から 2 つ目の欄ですが、現在、日本では医薬品医療機器等合わせて、およそ 30 ぐらいの品目がこの仕組みで指定をされておりますが、一足先に制度が発足いたしました米国では、既に 240 から 250 といった品目が指定されております。また、日本よりも 1 年ほど後に制度がスタートいたしました欧州においても、既に 30 の品目が指定されているといった状態で、各国とも医療ニーズの高い医薬品医療機器について、承認審査の側でもインセンティブを与える制度をもって開発、あるいは患者へのアクセスの促進をしようとしているところです。

○中井医療機器審査管理課長 続きまして (12) ページです。再生医療等製品についての承認制度を御紹介申し上げます。平成 25 年の法改正におきまして、再生医療等製品がヒト細胞を用いるということから、品質が不均一となるという特性を踏まえまして、条件及び期限を付して再生医療等製品を承認して、しっかりとした安全対策の下で、市販後に更なる有効性、安全性を確認するという制度を導入したということです。

 続きまして (13) です。再生医療等製品の開発状況をまとめています。これは既に公開されている資料を基にして、我々がまとめたものです。これ以外にもあるかもしれませんが、公開されたものをまとめたものになります。

(13) でいきますと、上から 4 つ目までが今まで承認されたもの、以降が開発中のものということで、先駆け審査指定制度でされたもの、右側から 2 つ目のカラムにありますが、関係者ということで、シーズがどこからきたのかということまでまとめています。

(14) についても、引き続き再生医療等製品ということで、 (15) で遺伝子治療についての開発状況をまとめています。特徴としては、大学のシーズ関係が結構多くなっているということが言えるかと思います。

(16) です。医療機器の特性に応じた承認の現状についてです。現在、特定の疾病領域に使用することを想定し、領域ごとに順次開発されて承認されている医療機器、それから、身体の外科的侵襲を目的とし、手技や領域を限定しない医療機器があるということで、上のほうに適応されている手技や領域が一部変更承認により広がった製品ということで、 3 つほど例を挙げています。一番左側の例が da Vinci でありまして、当初、一般消化器外科、胸部外科、泌尿器科、婦人科ということでありましたが、その後治験を実施して、心臓外科に適用が追加されたという例です。 2 つ目は、下のほうですが、手技を特定せず適用範囲が広い医療機器ということで、一般的電気手術器ということで、適用範囲が高周波電流を用いた生体組織の切開又は凝固を行うために外科手術に使用されるということで、特に領域を定めたものではないという医療機器があるということ、こうしたものの承認があるということを紹介しています。

(17) ですが、医療機器の特徴として、継続的な改善改良ということが医療機器の特徴ですが、その改善についてどのような対応をしているのかをまとめたものです。変更手続の変更度合の大きいものから小さいものがありますが、大きいものであれば左側にありますが、臨床試験が必要ということで、臨床試験をして一部変更承認をするもの、ここの例では、冠動脈ステント、ドラッグエリューティングステントですが、 48mm 長のステントを追加する場合において臨床試験をしているということ。真ん中に非臨床試験で評価可能というものの例を示しています。右のほうには軽微変更届出ということで、 5 つほど例を示していますが、 1 つ目、切開、凝固等の効果に影響を与えない電気手術器用電極のシャフト径及び長さの変更ということで、こういったものについては、軽微な変更届出ということで、変更を認めているということです。

 以上ですが、 (18) に課題をまとめています。革新的な医薬品医療機器等の速やかな患者アクセスを確保するために、どのような承認審査制度が必要かということが 1 つ目の課題です。

2 つ目として、希少疾病用医薬品医療機器等が、臨床現場に対して大きな成果を上げる一方で、現在でも小児等への医薬品の用量設定等、医薬品医療機器等の承認には、医療上充足されていないニーズがあるのではないか、それを満たすためにはどのような仕組みが考えられるかということを課題にしています。

3 つ目は、医療機器の特性に応じた規制の在り方についてどう考えるかといったような課題を挙げています。

○山本医薬品審査管理課長 続きまして、 (19) ページに移らせていただきます。「治験手続きの明確化」と題しまして、治験の現状について御紹介をさせていただきます。 (20) ページを御覧ください。医薬品の開発に当たりましては治験が行われるのが通常ですが、かつては各国で個別に治験が行われ、医薬品が開発されるスタイルがほとんどでしたが、この 10 年を見てみますと、世界的に国際共同治験で、各国同時開発をしていくという傾向が非常に強くなっています。平成 19 年には、日本で実施される治験の 10 %以下であった国際共同治験が、現在、平成 27 年、 28 年では、 30 %から 40 %になっているというような状況です。

 また、一方、 (21) ページですが、近頃、更にこれに加えまして、治験の実施の仕方が非常に複雑になってきています。昔は開発品目と、プラセボないしは既存の治療薬を比較するオーソドックスで教科書的な治験の進め方に代わり、近頃は、例えば FDA が先般、論文誌で公表したものをご紹介しますが、 1 つの治験の中で、例えば肺癌患者のバイオマーカーをいろいろ調べて、バイオマーカーの情報次第で、複数の新しいお薬を、それぞれの患者さんに一番合うものを投与するといった仕組みであったり、あるいはバスケット試験とここに書いておりますが、幾つかの癌について遺伝子変異を検査して、特定の遺伝子変異が存在する患者さんに、新しい開発薬を投与する仕組みなども提唱されております。恐らく、今後ますますこういった、いろいろな組合せを1つの治験の中で実施する、試みるといったプロトコルが実現されていくのではないかと考えております。

 そういう状況の中で、 (22) ページです。昔は被験薬と対照薬、ないしはプラセボということで、この 2 つだけが治験に登場するプレーヤーであったわけですが、現在の治験の中では、ピンクで囲った被験薬、その比較対照である対照薬以外に、例えば抗がん剤であれば、併用薬が様々使われていて、またそれが未承認であることが間々ある。あるいは薬は日本でも承認されているが、用法用量が日本で承認されているものと少し異なるといった、併用薬の部分でも未承認の要素が入っている場合があります。また、併用される機器、あるいは診断薬、コンパニオン診断薬などを使って治験が展開されることがありますが、そこについても治験の実施段階では、我が国においては、未承認という状況であることが多くなりました。そういった中で、薬機法では治験を実施する場合に、治験依頼者は、被験薬において副作用が発生した場合には、当然ですが、副作用報告が義務付けられております。一方で、対照薬や併用薬などにつきましては、この治験実施依頼者に副作用報告の義務が課せられておりません。こういったところが、新しい今後の治験のスタイルを前提にした場合に、治験の管理をどうしていくべきかといったところが、現在の課題の 1 つと考えています。

(23) ページです。一方で、現在においても様々な治験が実施され、それが申請資料として行政に提出されてまいります。その段階におきまして、 GCP 調査あるいは適合性の調査などで、実地又は書面の調査を実施いたしまして、いわゆる治験の実施状況が適切であったかどうか、そして申請資料が適切に作成されているかどうかについて、 PMDA が確認をしております。指摘事項などがある場合もありまして、それらにつきましては、医療機関あるいは治験実施者などに指摘事項をお示しして改善案を促すといった現状です。

(24) ページです。こういった技術の進歩あるいは開発の状況に応じて、治験のやり方についても、国際共同治験、あるいは複雑な治験の実施方法などが取り入れられてきている状況の中で、日本の治験の管理を法制度的にどうしていくべきかということが、 1 つ課題として検討が必要と考えています。また、その中で先ほど申し上げましたような対照薬、併用薬といった開発品目ではない部分での未承認薬を使用する場合について、副作用報告や治験時に得られた情報について、医療機関にいかに情報提供していくべきか、義務は誰に負っていただくべきかというところが、論点として挙がろうかと思います。

○佐藤医薬安全対策課長  (25) ページ以降です。リアルワールドデータの充実ということですが、 (26) ページ目、紙ベースでは 25 ページ目になります。現在、学会等が様々に構築を頂いている疾患登録レジストリ等が進んでいるような状況があります。ここで言うリアルワールドデータというのは、臨床試験などで構築するデータとは異なりまして、こういった疾患であるとか、患者のレジストリのような実臨床の環境において収集された各種データを指すものとして話をさせていただいています。この枠内の CIN における構築支援というものもありますが、 (27) ページ目の所でして、国といたしましても、国立がんセンターの SCRUM-Japan 等のプロジェクト等をはじめ、こういうレジストリを新薬、新医療機器等の開発、市販後調査等に活用すべくプロジェクトを進めているというものです。

(28) は、医療情報データベース、 MID-NET ですが、医薬品等の安全対策に資するデータベースということで、全国 10 拠点において、 400 万人分の電子カルテ等のデータを利活用する形として、本年 4 月から本格活用を始めています。

(29) ページは海外のデータベースの参考です。 (30) ページですが、 GPSP 省令ということでして、こういった電子的な医療情報を活用した形での製造販売後調査等が行えるような形ということで、製造販売後調査の実施に関する基準、省令というもの、 GPSP 省令の改正も行っています。

(31) ページです。こういったリアルワールドデータを臨床評価に活用する、臨床試験を代替するようなものとして活用するような取組が海外でもなされてきているところです。

(32) ページです。リアルワールドデータの活用は、これまでは、例えば医薬品等の市場性の調査、患者さんの分布の調査といったものに使っていただいたわけですが、これからは製造販売後の安全性の調査、治験における例えば対照群としてヒストリカルなデータを活用するとか、そういう部分に関しても利活用の可能性の期待が持たれているという状況です。

(33) です。「リアルワールドデータの取組み」ということですが、このような形で学会や医薬関係者の方が収集されたレジストリ等を活用しまして、それを今後、安全性情報の収集、製造販売後調査等に、より効率的に活用していく、重要な情報源となることを想定しています。

(34) ページ、その際の課題ということですが、こういった電子的な医療情報、リアルワールドデータ等を活用する際にどのような要件が必要になってくるのか、また、こういったものを活用するに当たって、情報を収集することについて、法的な位置付けとか、制度的な部分での対応が必要かどうかというところは、検討課題と認識しているところです。以上です。

○赤池部会長代理 それでは、ただいまの事務局の説明について、委員の先生方から御意見、御質問があれば発言をお願いいたします。

○野村委員 ただいま御説明がありました事項に関連して、日本製薬団体連合会からの関連する要望について、まずは申し上げたいと存じます。

 タブレットですと後ろのほうなので、ペーパーを見ていただくと、資料 1-2 に要望が記載されております。まず、 2 ページ目の 2) が承認制度に関係するかと思います。私ども医薬品業界としては、革新的医薬品を創出するための基盤整備として国際共同治験を促進し、世界同時開発によりグローバルヘルスに貢献することを視野に入れた制度の整備を要望しております。

 具体的に、 2 点挙げさせていただきたいと思います。まず、 1 点目は、先ほど事務局から御紹介のあった「条件付き早期承認制度」及び「先駆け審査指定制度」の 2 つの制度については、患者アクセスの確保に有効な制度と考えておりますので、この機会に法律に基づく制度にして頂くことを希望しております。法に定めることによりまして、将来の技術革新に柔軟に、かつ機動的に対応できるようにしつつ、要件を明確にし、開発計画を見通すことが可能な予見性の高い仕組みとしていただきたいと思います。その際に、先駆け審査指定品目に対するローリング・サブミッションというか、審査資料の段階的な提出とか審査といったものを明記していただくこととか、医薬品開発や製造販売後安全対策に関する制度上の財政的な支援の御検討、並びに希少疾病用の医薬品とか、優先審査等、類似している制度との関係を明確にしていただくことを希望しております。

2 点目は、希少疾病用の医薬品に関する要望です。希少疾病用医薬品の指定の時期、これを早期化するということで、開発の支援をより充実していただきたいということと、患者様の数が 1,000 人未満のウルトラオーファンドラッグ、これを法律上新たに位置付けていただき、承認要件の新設あるいは開発支援を行っていただきたいということを要望しております。

 それから、リアルワールドデータの関係です。これは 3 ページ目の一番上の 3) の所に書いてありますが、これも事務局から御紹介があった医療情報データベース MID-NET や、疾患レジストリ、ゲノムをはじめとする各種オミックス情報といった、いわゆるリアルワールドデータですが、この利活用については革新的な医薬品をはじめとする新薬創出力の向上、臨床試験の効率化、製造販売後安全対策の充実という観点から医薬品業界としても大変期待しているところです。企業がリアルワールドデータを円滑に利用できるように、企業へのデータ提供における個人情報保護の問題の整理、あるいは、データ利用時の信頼性の確保といったことを御要望申し上げたいと思います。

 また、リアルワールドデータの課題の 2 つ目のところにあったと思いますが、例えば、希少疾患のような検証治験の実施において、プラセボ対照試験のような試験が困難な領域については、これは (32) ページの5にありますが、患者さんのヒストリカルデータというか、自然歴を把握して治験の対照群として利用できるということも、是非、お願いしたいところです。以上でございます。

○赤池部会長代理 ありがとうございます。日本製薬団体連合会からの要望ということで、野村委員から御説明がありましたけれども、ただいまの御発言について、委員の先生方から何かありますでしょうか。事務局のほうも特に追加等はありませんか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。重要な要望であると思います。よろしくお願いいたします。

 花井委員が御都合により 13 45 分を目途に退室の予定ということですので、ここまでの内容に限らず退室前に資料全体について、この部分も含めて御意見があれば、先に御発言いただければと思います。

○花井委員 お気遣いありがとうございます。まず、今の論点ですが、スライドで言うと 7 番の、いわゆる条件付き早期承認の件です。これについて、法制度の中で明確にするということについては、一概に反対するものではありませんが、例えば、再生医療等製品においては、再生医療等製品は自明なので、これをやるということなのですが、新しい条件付き承認制度はどういうものが対象になるかということがとても重要です。先駆け審査指定制度に関しては、画期性、対象疾患が重篤性になっています。結局インフルエンザも入ってしまうとなると、逆に言えば、糖尿病だって重篤と言えば重篤になるわけであって、そうすると、際限なく広がるということはちょっと懸念しています。ここにアンメットということは書いていませんから、医療上必要性の高い医薬品の検討委員会は、正に患者さんのためだなというのは分かるのですが、次の制度は、やはりイノベーションというところが強調されて、条件をどういうものにするかということを明確にすべきだと思います。その判断するプロセスもやはり透明性を高めないと、それこそ全部条件付き承認にしてくれみたいなことに極論だとなりかねないということで、そこについては明確化していただきたいと思います。最初、オーファンドラッグ制度を 90 年代に作って、それはいいのですけれども、アンメットでオーファンだっていうのは、私たちからすれば患者さんのためだと思うのです。開発時点ではアンメットオーファンなのですが、その適用拡大をしていくとオーファンでなくなるとか、いろいろ出てくると思うので、やはり本当に患者さんの利益になるような優先審査、先駆けといったものにしていただきたいというのが 1 つ目です。

 今、お気遣いいただきまして、先のことをやらせていただきます。先に説明すると 54 ページにある PMDA の人員の件なのです。今、 6 万件の副作用を 200 人でさばいています。 200 人というのは、純粋に 200 人がやっているわけではなくて、ほかの情報提供の部分も含めての数です。これ自体少ないのですが、量の問題もありますけれども、質の問題として、やはり薬剤疫学に長けた人が、何かあったときに独自の指標でプロトコルを組んで、そして検証するというようなアクティブな動きができる体制というのは重要かと思います。なので、やはり薬剤疫学に長けた人材を育成して、何かあったときに、今、せっかくリアルワールドデータとか MID-NET というツールがあるので、それを即座にプロトコルを構成して、それを使って検証して、例えば因果関係の存否の確認を図るとか、そういう動きをできるような体制にしていただかないと、いかないのではないかと。

 なので、 2 番目としては、 PMDA の人員の充実というところを併せてやらないと、市販後にやると言ったって、市販後にやることが抜けるということを非常に懸念しているということです。

 もう 1 つだけ言わせてください。これも論点の先取りになりますが、 69 ページにある RMP の活用の話です。この 34 %というのは、つまり、これまで私たちのような医薬品についてずっと見ている人間からすると、 7 割の病院ではシギ薬を処方するのは危ないということなのです、極論すれば。これはあってはいけない話であって、そうすると何が問題かというと、やはり医療機関において医薬品を安全に使うというものに対する評価がなされていないのだと思うのです。だから 1 つは、やはり薬剤師不足と、薬剤師が不足して MR に依存するとか、そういうことが起こると、これも問題があるので、ある程度医療機関の評価、これは保険上の問題も含めての話ですが、こういったものを、例えば副作用報告についても、薬局発で副作用報告があって、診療所の先生にああだこうだと PMDA から紹介されれば、それは負担になるわけです。そうすると、医療現場での負担が増えるという話が前提になれば、これはやはり、なかなかそこは難しいということもあろうかとも思うのです。副作用報告なり、 RMP の活用等と薬剤師の充実ということに対して、やはり医療機関、診療所、病院のストラクチャーとしてきちんと評価するということがないと、なかなかこれは解決しないのではないかと思うのです。これは薬機法上だけでは無理で、保険行政も関係すると思いますが、やはり医薬品を安全に使うということは、病院とか診療所の当然のファンクションとして位置付けるということをやっていただきたいと思います。

 多々あるのですが、取りあえずこの 3 点だけを言いたいと思います。私としては、イノベーションを否定するものではないのですが、ゲフィチニブの苦い経験というのがありまして、日本の医薬品産業が良くなるというのは全然否定しないのですが、勇み足になることのリスクということを十分考えて、条件、プロセス、その他基準等々を検討していただければ幸いに思います。以上でございます。

○赤池部会長代理 どうもありがとうございます。非常に重要な御指摘だろうと思います。はじめの 2 つの御指摘ですが、早期条件付き承認に関してその範囲をどのようにするか、明確にする必要があるということ。それから、 PMDA の体制で、人員の確保、特に何か問題があったときの薬剤疫学の専門家が対応できるような体制、人材育成も含めてですけれども、体制ということ。それから、 RMP ですが、いわゆる医薬品リスク管理の計画と、医療機関側の対応ということを御指摘いただいたと思います。この御発言について、何か関係する先生方、あるいは事務局からはよろしいでしょうか。今後の課題として、是非、更に検討するように。製薬企業側、それから患者さんの側の両方から、非常に重要な御指摘を頂いたと思います。ほかに御発言はいかがでしょうか。

○本田委員 すみません、私も 14 時をめどに退室させていただかねばなりません。質問と確認ですけれども、紙のほうで言うと、 20 ページ目の「複雑な治験の例」とか、その次のページの「副作用報告」の所で確認です。今、特に癌の分野ではパネル検査なども先進医療とかに入ってきまして、今後、 1 つの疾患というか、癌全体が遺伝子変異による病気だと見られるようになってくる中で、当然こういうバスケットタイプや、アンブレラタイプの治験というのはどんどん進んでいくと思いますが、現状ではこういうことは日本では行えない法整備、参加できない法整備になっているのですか。若しくは、もう 1 つ同じなのですが、次ページの併用薬に未承認薬があるとか、用法用量が違うということも、これまで随分課題になってきましたけれども、こういう場合も、今もこの治験ができないという形になっているのですか、法整備を変えないと。それとも、これがもっとスムーズにできるような仕組みを作るという理解なのかというのが、 1 つ質問です。

 もう 1 つは、この部会の議題に合うのか分からないのですが、 17 ページの「速やかな患者アクセスを確保する」という意味では、法整備だけではなくて、治験の情報が大事です。いろいろな患者さんがかかっている病院若しくは医師が、もちろんそういうことを提示してくださればいいのですが、必ずしもそういう病院、医師にかかっている人ばかりではない。これだけ複雑になってくると、担当の医師も本当の専門ではない部分は、結構分からなくなってきているのも実情だと思うのです。その際に、でも、自分はこういう治験とかを患者さんから通して聞いたのだけれども、入れないのだろうかとか、そういう情報へのアクセスというのが、将来的なその患者さんへの革新的な医薬品へのアクセスという意味では、とても重要になってきているのですが、そこはどういうように今はなっているのか、確認させてください。

○赤池部会長代理 事務局への御質問ということでよろしいでしょうか。

○本田委員 はい。

○赤池部会長代理 それでは、事務局のほうで回答をお願いします。

○山本医薬品審査管理課長 今、 2 点ほど御質問いただきました。ありがとうございます。 1 点目の、今こういった複雑な治験が日本ではできないのかという御質問に対しては、できないということではありません。開発者と併用薬を持っている会社が協力するなり、それぞれどういう役割を負うかというのはいろいろあり得るのですが、治験届出を出して治験を実施していただくことは可能です。ただ、例えば法律、先ほども御紹介させていただきましたように、それでは、そういった治験が展開される際に、その治験の中で副作用については被験薬のものもあり得るし、併用薬のものもあり得る。また、それを切り分けることがなかなか難しいことも多いだろうと。そういう中で被験薬の会社と併用薬の会社は、一体、副作用を報告する義務はどちらが負うのかとか、あるいは、いずれにしろ副作用、有害事象が起きた際に、いろいろな医療機関で治験が展開されている中、どなたが責任を持って各治験実施のサイトまでそういったいろいろな情報を提供していく役割を負うのかといったところは、今の薬機法ではこういった複雑なスタイルまで想定していないので、基本、この被験薬の企業に被験薬の副作用報告の義務だけを法律的に課せられているのですが、それ以外のところについては決めがないというところです。そういったところが例えば 1 つの課題かなと考えています。治験管理全体は、本来どうしていくべきかというところを御提示させていただいたところです。

 もう 1 つは、治験情報について、どうやって知ることができるかということですが、実は薬機法の中で治験は実施される際に治験の届出について行政は受け取っているのですが、これまで治験情報について義務的に公表するといった仕組みはありません。任意ではあったのですが、おしなべて、登録を 1 か所ないしは決まったサイトに行っていただいて公表するといった仕組みはありませんでした。この 4 月から、薬機法に基づいて実施される治験について、幾つかのサイトに登録していただいて、そこから公表していただくということで、患者さんが治験へアクセスしやすい環境の整備を、 1 つさせていただいたところです。現状の御紹介にとどまりますけれども。

○赤池部会長代理 ほかにありますでしょうか。

○山口委員  1 つ質問と、 1 つ要望です。 1 つ目は、紙の 7 ページですから、 (8) になるのでしょうか、先ほど花井委員も拡大していくということの懸念を示されたのですが、条件付き早期承認制度とか先駆け審査指定制度、これは実際に実施されるときの審査が行われるということはもちろん了解しておりますが、終わった後の検証とか、実際にそれが患者さんにプラスになっているかというところを検証する仕組みというのがあるのかどうかというのを聞かせていただきたい。やはり結果が見えてこないと、例えば、もう少しこのように拡大すべきではないかとか、これはちょっとやりすぎではないかというのが判断できないかなと思いますので、そういう仕組みがあるかどうかということを教えていただきたいと思います。

 私も、すみません、間もなく出ないといけないので、まだ話が出ていないところなのですが、紙の 63 ページの所に、これ、患者さんにとって安全性情報をしっかりと医療機関の方が把握しているというのはとても大事なことだと思いますけれども、ここに PMDA の「メディナビ登録メールアドレス」がどれぐらい内訳があるかということが書いてあるのですが、これは n 数が見えないので、全体のそれぞれ何パーセントかということがなかなか分からないのです。例えば、薬局だったらほぼ 100 %に近いのかなと思いますが、診療所でいうと数が少ないのかなという気もしますので、できれば出していただくときに、全体がどれぐらいで、そのうちのどこが登録しているのかというのが見えるようにしていただくと、より分かりやすいと思いました。以上です。

○赤池部会長代理 ありがとうございます。要望のほうは、なるべく対応していただくということでよろしいでしょうか。それでは、御質問のほうを、事務局から回答をお願いします。

○山本医薬品審査管理課長 条件付きや先駆けについて、振り返りというか、患者さんの目線からこの制度がうまく機能しているかという振り返り検証をしているか、あるいは、その仕組みがあるかということですが、先駆けについては、 3 年前に始まりまして、指定をして、そして、今年になってようやく薬については 2 品目承認まで到達したということです。順次こういった承認をようやく得て、いよいよ医療現場に実際出ていくというものがこれから増えていくと思います。そういう中で、承認までたどりついた過程で、これからまた振り返っていくことをやらなければいけないと考えております。

 条件付き早期承認は昨年 10 月に医薬品の制度を始めさせていただきまして、この制度を導入してからまだ承認に至ったものはありません。その患者数が少なく検証的試験が実施しにくいものが条件付き早期承認の対象としていまして、そういう意味で、今までも個々別々にやってきていないわけではありませんが、これについても、やはり制度を動かしながら科学的にきちんと妥当なものになって、かつ必要な承認条件がきちんと機能しているかといったことについて承認事例が出た辺りでは、一度振り返りをしなければいけないと考えているのと、それから、どのような対象範囲がしかるべきかといったことについても、この会議ないしは各会からの御意見を頂きながら見直しを考えていくこともありだと思っております。

○山口委員 まだ実際に形としてはできていないということであれば、是非、進めていただきたいと思います。

○赤池部会長代理 森審議官、どうぞ。

○森審議官  1 点、補足させていただきます。先駆けの制度、それから条件付き承認の制度、これは審査の話だということなので、医薬品の審査の担当をしている部会に、一応、制度として始めます、こういう内容ですと、御意見くださいということで御説明を申し上げていることがあります。実際に個別の審査案件を医薬品部会にお諮りをしていくということにもなりますので、多分、一番最初に考えられる場としては、薬事分科会といった審議会の場において、制度が実際運用されて一定の経過を経て、実績を積んだ段階で、このような格好になっておりますと、こういう点が課題ですといったことを御議論いただくというのが考えられるかなと思います。

 もう 1 つは、実は同様のこういった制度を海外で行われている制度に関して、アカデミアも非常に関心を持っておりまして、先月のニューイングランド・ジャーナルに、 FDA がやっているブレイクスルーセラピー指定制度に関するレビューが載っておりまして、やはりアカデミアのほうからもきちんと批判的に評価していただくというようなことも実際に世界で行われていますので、そういった目でも見ていただけるというように私どもも頑張らなければいけないと考えております。

○赤池部会長代理 御意見、御質問をどうもありがとうございます。ほかによろしいでしょうか。

○荒井委員 私は 15 時までおりますので、急ぐ必要はありませんけれども、今、御説明について、 2 点ほど指摘しておきたいと思います。 1 つは、紙の 15 ページですが、機器に関して、「手技を特定せず、適応範囲が広い」ということで、幾つか実際の例を挙げています。これ、ものすごく大事な概念で、要するに、薬と違いまして、機器の場合は疾患とか臓器別ではなくて、その持っている機械の特性、広げるとか、焼くとか、縮めるとか何でもいいのですが、そういった機能に基づいた分類というのは本当に今後検討していかなければいけない。先ほど花井委員が言われたように、確かに勇み足になったらいけないのですが、多分、同じようなことというのはゲノムの領域でも当然出てくるとは思います。私の知る限りでは薬剤の領域よりも機器の領域のほうが、その辺は、まだ多少感覚的なあれがまだ許容される範囲かと思います。是非、機器の領域では、この辺を率先して、機器の機能とか特性に基づいた分類での承認ということについて、今後、検討を進めていっていただけると有り難いです。いたずらに今までどおり承認を与えて、あとは適用拡大は甘くします、甘くという言葉はあれですけれども、やや簡略化しますということではなくて、そもそもその機器はどういうものに使われるべきものかというところから適用を決めていくというような判断をしていただけると、是非、この辺は今後の検討課題にしていただけると有り難いです。

2 点目は、これは余り深くは申しませんけれども、既に言葉ができていて、リアルワールドデータの活用、これ、とても耳に心地いいのですが、実は実際のあれを考えてみると、いわゆる日本のこの中で、薬機法での承認と保険がほぼ 1 1 の関係である社会と、承認されると実際問題は保険というか、例えばアメリカを考えると、全然状況が違って、結構自在に使える、自在ということではありませんけれども、医者の判断である程度自由度が高く使える所では、当然リアルワールドデータが集まっている中身が違うわけですよね。当然、日本の場合ですと、基本的には保険収載されたものに関しては、確かに現場の状況は集まるかもしれませんけれども、本当に使いたい、特にレアリリーズなどもそうですけれども、使いたい領域で、使いたいけれども、これ、完全に病院から持ち出して使えないという所のデータは、多分待っていてもなかなか出てこないということで、是非、リアルワールドデータということを考えるときに、必ずしもそこは国内と海外で同じ判断では評価が難しいという点は御承知おきいただいた上で検討していただけると有り難いと思います。これは要望です。お願いいたします。

○赤池部会長代理 どうもありがとうございます。本当に重要な御指摘と思います。事務局から追加も含めて、何かありますか。

○中井医療機器審査管理課長 先ほど御指摘いただきました 1 点目は、紙の 16 ページ目に医療機器の特徴で、改善改良ということを御指摘いただいておりますが、もう 1 つの特徴として、医療機器の多様性というか、いろいろ、メスやピンセット、 MRI 、人工心臓とありますので、それぞれに応じたその制度というのを必要だというように考えております。これについては、是非御議論いただきたいと思いますし、我々としても検討させていただきたいと思っております。

○赤池部会長代理 ほかにありますでしょうか。

○久芳委員 医療機器産業連合会でございます。今の御議論と若干関連する部分で、資料 1-3 ですが、関連するところだけ少し御説明させていただきたいと思います。 1 つは、今の医療機器の特性に応じた規制の在り方という御議論がありましたが、この資料で 2 ページの 1 ( ) ですが、前回の法改正で、医療機器の製造販売業あるいは製造業に関しては、いわゆる別章立てということで分けて整理していただいたわけですけれども、今、現状では、広告あるいは安全対策などについては医薬品と同じ条文というところがありまして、必ずしも医療機器の特性をいかした内容にはなっていない部分があるという認識をしております。そういう認識のもとに将来的には医療機器法ということで、特性の違うものを同じ規制の中でというのは難しい面があると考えておりますので、というところを目指すべきというように我々、業界としては思っておりますが、その前にまずは医療機器に関する条項の全てを、別の章立てとしていただきたいことを要望したいと思っております。

 もう 1 つは、この ( ) の中の一番下の所ですが、「医療現場のニーズに応えるために改善、改良された医療機器を迅速に医療現場に届けるため、国際整合の観点も踏まえたより効果的かつ効率的な品目審査制度を導入すべき」というような表現をさせていただきましたが、これは、医療機器については改善改良がある程度頻繁に行われるという特性がありますので、その最も典型的な例としてはプログラム医療機器、ソフトウェアが挙げられると思っております。そういった特徴的なものに対して規制の在り方を是非検討していただきたいと思っております。これが 1 点目です。

 もう 1 つは、資料 1-3 4 ページの 2 ( ) 又は ( ) です。先ほどリアルワールドデータの充実ということで御議論がありました。医療機器業界としても、もちろんこれを重視していきたいと考えているわけですが、 1 つ懸念しているというところですけれども、実際に疾患レジストリデータ等を使おうといったときに、そのデータベースからデータを使うに当たって、データベース事業者そのものの選定も製造販売業者の責任で行うというような立て付けになっていると理解しております。そういう状況ですと、これを使って審査、承認申請を行った後に、場合によってはデータベースの信頼性が問われるというようなことで使えなくなってしまうということが起こっては、我々としては困ると思っていますので、例えば、 PMDA 等にデータベース事業者における信頼性担保の状況を確認していただくような制度を作っていただくということを提案したいと思っております。以上です。

○赤池部会長代理 どうもありがとうございました。 2 つの要望を説明いただきました。事務局のほうで、何か追加あるいは対応等ございますか。

○中井医療機器審査管理課長 これも、先ほどの荒井先生の御意見とかなり似ている感じだと思いますけれども、我々としましても、その医療機器の特性に合わせたものを、勇み足にならない形をしっかり保った上で、そういう医療機器の特性に応じた制度というのを作っていきたいと思いますし、また、先ほど、最後のほうのレジストリデータについて、どう信頼性を確保するかという点についても様々なやり方があるかと思うのですが、それについても引き続き検討していきたいと思っております。

○赤池部会長代理 どうもありがとうございます。中川先生、お願いします。

○中川委員 まず、早退者がこれだけ多い日にどうして会議を設定するのですか。事務局、答えてください。

○屋敷総務課長 その点につきましては、事務局としてもお詫びを申し上げないといけませんが、なるべく多くの委員の皆様にお集まりいただける日を選んで、この全体的なスケジュールも考えて日程を設定させていただいておりますので、御理解を頂ければと思います。

○中川委員 審議会での議論の進め方のルールとして滅茶苦茶じゃないですか。これでは議論が分散してしまって、どうにもなりませんよ。総務課長、そう思いませんか。早退するから発言を先にするとか、まだ説明もしていない所を先にするとか、これは非常に問題ありますよ。それから資料の番号が、タブレットと紙とずれるのはどうしてですか。単に技術的に稚拙だったのですか。

○屋敷総務課長 今回は試行的な取扱いの 2 回目ということで、今度は全部一緒に、ファイルを分けずに掲載をしてみようということにした関係上、全部の通しの括弧番号も入れたというところです。

○中川委員 それで、これだけ膨大な資料をタブレットでやるのは無理ですよ、議論するときに。資料が多過ぎると思います。少し反省してください。

 その上で質問します。紙の 7 番、何度もいろんな委員から意見が出ていますが、一番上に通常が出ていて、最後は先駆け審査指定制度まで出ています。これではっきり違うのは審査期間ですよね。審査期間が短くなっているということが目立ちますよね。後は例えば条件付きにしても、それから先駆けにしても、事前にいろいろな相談をしたりするわけですから、実質的には審査内容は変わらないようにしか見えないのです。では、審査が短くなる、例えば、通常だと 12 か月のものが、 9 か月、 6 か月になっています。例えば 12 か月と 9 か月、審査期間が 3 か月短くなることで、一体何が違うのですか。この審査を担う部署はどこですか。

○赤池部会長代理 事務局、よろしくお願いします。

○山本医薬品審査管理課長 まず、審査を担う所ですが、個々品目、 PMDA が審査業務を担当し、最後、承認の可否について本省に上がってきたものについて、本省が審議会の御意見を聞きながら、大臣が承認を与えるという仕組みになっております。その上で、審査時間が 12 か月から 9 か月、ここはオーファン制度なり、優先審査制度が法律に盛り込まれて以降、この 3 か月短くするということを審査部門が背負っているわけでございますが、ここについては実質、変わるというよりも、優先審査の、あるいはオーファン申請が来るということがあらかじめ分かっている段階で、審査担当のほうが、この品目は 9 か月でということでスケジューリングをして、中身は同じなのですけれども、 9 か月で処理ができるようにシフトを組むといったことをやっております。そういう意味で、 12 か月と 9 か月で違いは、中身的な違いはないと考えております。

6 か月の先駆けにつきましては、更に 3 か月短くするということで、そのためにも先ほど先生から御指摘いただきました優先、申請の前の相談、あるいはもう 1 つ、事前評価というもので事前にデータの評価を始めるという仕組みを付けております。これによって単純に 9 を更に 6 にするというよりは、審査を前倒しで始めるという仕組みを併せて導入することで、この 6 か月の実現を何とか可能にしている、あるいは維持していきたいと考えております。

○中川委員 それでは実質的には変わらないのですね。では、通常の 12 か月は、やる気になれば 9 か月、 6 か月でできるということですね。人員を 2 倍、 3 倍にするとか、そういうことをやれば、もっと審査期間が短くできるということをおっしゃっているのですね、同じですということは。特にいい加減に審査しているわけではないのですね。

○山本医薬品審査管理課長 はい。体制が非常に充実するというのが実現できるのであれば、審査の中身を変えているものではございませんので、そうも言えるかと思います。ただ、やはり現実的には 6 か月で全ての品目を審査できるほどの審査体制というのは難しいと思っておりますので、まあ、 12 か月、諸外国も 12 か月、 12 か月ないしは 9 か月の中で審査をしていこうと思っております。

○森審議官 少し補足をさせていただきます。御指摘のとおり、別に審査がこれで緩くなるとかそういうことではなくて、めり張りをつけるという認識でいただければと思います。

○中川委員 山本課長の答弁は非常に正直でよろしいと思いますよ。要するに人員体制がちゃんとすれば、もっともっと短くなるのですね、正直に言って。それで十分ですよ、答えは。ですから、難しい名前を付けているけれども、本気でやればこんなに短くなるのだということですね。

○山本医薬品審査管理課長 常に本気ではあるのですが、いろいろ工夫をして、かつ、めり張りをつければ、今、このぐらいのことは達成できております。それを今後も維持したり、アンメットに更に対応していくために、どうしていくことが現実的にあり得るかということを考えていきたいと思っております。

○中川委員 ほかの課長の皆さん、いいのですか、今の答えで。追加ないですか。では、やる気になればできるということでいいですね。

○宮本医薬・生活衛生局長 もちろん、やる気になればできるという意味では、やる気になれば、やる気になってできることもあると思いますけれども、一方で、先駆けとか、条件付き早期承認の場合には、患者数が少ないとかですね、要するに治験のやり方、そのものが通常であれば全てのデータが集まってきて、それから審査しますと。しかしその段階で、治験のやり方は、プロトコルについて方針が大きくくい違ってしまうと、審査期間がいたずらに長くなってしまう、あるいは治験のやり直しという問題が発生するので、そういった問題に関しては、担に審査期間を頑張って短くしますということだけではなくて、もう少し前の段階から PMDA が審査のところで、利益相反に配慮をしながら関与をしていくという意味では、単純に頑張れば 6 か月でできるかという話だけではないという部分もあると思っております。

○中川委員 局長、この先駆けに指定されたら、頑張ったら短くなるという仕組みですよね、これ。頑張っても短くならないのは、先駆けの指定にしないということですか。

○宮本医薬・生活衛生局長 頑張ってという、その頑張りというのは、物量を投入すれば頑張れる問題もあるかもしれませんが、物量を投入しても頑張れない問題。

○中川委員 いや、物量でなくて人員とかですね。

○宮本医薬・生活衛生局長 結局、物量です。

○森審議官 すみません、ちょっと。局長と私と、また違うことを言うと混乱をすると思いますけれども。

○中川委員 違ってもいいですよ。

○森審議官 申し上げたいのは、 1 つ御理解いただきたいのは、審査のプロセスというのを審査側だけが自分の都合で全部終わるという格好でやれているかというと、そういうことではなくて、開発している側に対していろいろなやり取りをして、疑問な点については問い正し、そして是正すべきものは是正しというプロセスがどうしても内在しています。これは、こういうプロセスの短縮をすることに関しては、開発している企業側、あるいはその企業によって開発をサポートいただいている医療現場の専門家の先生方、いろいろな方の御協力の中でこうやって作り上げているものですから、 PMDA の人員体制が充実することは非常に大事です。大事ですが、それだけで本当に全部できるかというと、実際には開発している側の協力も必要になっています。ですので、片方だけでできる話ではないのだということについては御理解を頂きたいと。

○中川委員 だから、 12 か月と 9 か月がどう違うのですかという質問をしているのですよ。同じだというからそう言っているのですよ。

○森審議官 審査の中身を手抜きしているのではないかというような趣旨でしょうか。

○中川委員 手抜きはしてませんよねと聞いているのですよ。

○森審議官 してません。

○中川委員 それでいいです。もう。それで、この話はやめましょう、水かけ論ですから。 20 ページ、 21 ページ、紙のほうですよ、括弧付いてないほう。これで、これからいろんな治験の形が出てくるというふうに想定しているのですね。アンブレラだとか、バスケットとか、プラットホームとか。これ、実際に諸外国ではやっているのですか、もう。想定しているのですか、どうなのですか。

○山本医薬品審査管理課長 始まっていると承知しております。

○中川委員 では、日本でもこれはどう、参加しようという、そういう動きがあるのですか、こういうものに。

○山本医薬品審査管理課長 企業の皆様方から、例えばこういうスタイルで治験を実施したいといったような相談は徐々に増えてきていると考えております。

○中川委員 分かりました。それで 21 ページ、この被験薬と対照薬、この比較だけではなくて、併用薬も含めた治験ということが、これももう、実際にやっているのですね。

○山本医薬品審査管理課長 はい。こちらは、もう、実際に。

○中川委員 根本的なことをお聞きしますけれども、患者さんにはこれはどう説明して同意を得ているのですか。

○山本医薬品審査管理課長 治験の内容について、この併用薬に。

○中川委員 いや、対照薬で、あなたは対照薬かどうかというのは。併用薬を使っているということは言うのですね、……に。対照薬のことはどう説明しているのですか、これは。

○山本医薬品審査管理課長 対照薬についても被験薬これこれ、ないしは対照薬これこれについて、どちらかを使いますということで、ダブルブラインドでどちらが使うか分からないような仕組みの治験の場合は、そのどちらが使われるかという決めではなくて、どちらかが使われるということを、事前のインフォームドコンセントを取る中で御説明をするという仕組みになっております。

○中川委員 それで患者さんは納得するのですか。

○山本医薬品審査管理課長 はい。同意を頂ける患者さんが治験に参加するという仕組みになります。

○中川委員 どのぐらいあります、今、日本で。

○山本医薬品審査管理課長 治験については、全て患者さんに治験の内容について御説明をして、同意を頂いた患者さんしか入れないという仕組みになっておりますし、日本の中で実施される治験について、あるいは世界的にも ICH でそういう仕組みになっておりますので、それが義務になっているかと思います。併用薬などがどのぐらいの治験の中で、未承認の部分で使われているかというところについては、今、手元にございませんが、抗がん剤については、かなりの併用薬が実際に治験の中で使われていると考えております。

○中川委員 これ、資料として何気なく出しているけれども、極めて重大な深い問題がたくさんあるのですよ、 21 ページ。それで、この所で被験薬の副作用は報告義務があるけれども、併用薬の副作用は報告義務がないというふうに言っていますね、先ほどの説明で。それで、 23 ページの課題等です。課題が 2 つ書いてありますが、併用薬として用いられる未承認薬を使用する場合、副作用報告、医療機関への情報提供等の義務は誰が負うべきかと。この制度部会に、誰が負うべきかでなくて、どうしたいのですか、事務局は。そういうふうに論点を作らないと議論にならないと思います。

○山本医薬品審査管理課長 本日、現状と課題を御説明する中で少し短い文章で終わらせてしまっておりますが、ここにつきましては、事務局としては、あるいは私、医薬品の担当課長といたしましては、開発する被験薬の企業の方が、ほかの治験薬についても含めて報告、副作用報告義務や治験の管理について一定の責任を負っていただくのが必要なのではないかと考えておりますが、また、先生方からの御意見も頂きながら検討していきたいと思います。

○中川委員 例えば、今のさっきの、 21 ページ、被験薬と併用薬を使った場合の副作用が出た場合、どっちの副作用であると誰が判断するのですか。主治医ですか。

○山本医薬品審査管理課長 まず、患者さんに対しておられる治験医師が、その有害事象を御覧いただく、その中で、切り分けが可能でない場合もあるのだとは思っております。そういう意味で、治験に入っているこの患者さんで、こういう有害事象が起きたということをまず御報告いただき、そして切り分けができる場合はそれは切り分けて御判断を頂く、切り分けできない場合は、こういった治験において、こういう患者さんで有害事象が現れたということを御報告いただくような形になるのだと思っております。

○中川委員 今後、制度部会が続けられると思いますが、もう少し具体的な事務方からの提案に基づいて議論をさせていただきたいと強く要望します。よろしくお願いします。

○山本医薬品審査管理課長 ありがとうございます。御指摘踏まえて準備したいと思います。

○赤池部会長代理 どうも御指摘ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。大分、時間が押してますので、また、場合によっては前に戻ってという御質問、御議論もあるということで、先に進めさせていただきたいと思います。

 続いて、 2 (2) の説明についてお願いいたします。

○山本医薬品審査管理課長 それでは最初に、 (2) の1を私から御説明いたします。安全性や品質を確保した上での、革新性、生産性向上を促進する環境整備ということで、1としては品質に関する承認事項の変更方法の見直しについて説明いたします。紙の 35 ページを御覧ください。医薬品あるいは医療機器が一旦承認されると、その承認書の中には製造方法や規格及び試験方法なども併せて列記されます。承認後は承認書の内容で製造して出荷していただくわけですが、製造の現場では、製造技術あるいは原材料等々を承認後に改良することが日常的に発生いたします。そういう中で、承認書に記載されている承認事項についても変更する必要がある場合には、薬機法上の手続として、一部変更の申請をしていただく、あるいはその変更の程度が軽微な場合には届出をしていただくといった手続が用意されております。

36 ページ、欧米でも製造方法に対する変更には手続が必要で、日本の制度と比較しています。この表で日本の制度が左側にありますが、今申し上げましたように、承認の変更に際しては一部変更申請、これは事前に申請内容を審査して、それから承認をするというタイプです。それと、軽微なものについては、変更があってから 30 日以内に届出を行うことで変更手続を行うことができる仕組み、この 2 種類が日本には設けられております。

 一方でアメリカ、欧州においては、もう少しこの変更手続が細かく分かれておりまして、変更の前に申請、審査、承認を行う以外に、例えば変更の前 30 日前までに変更事項を行政に届け出るといった仕組みや、変更するときに届出るといったような、幾つかきめ細かい手続が追加で設けられております。

いろいろな医薬品の製造の状況を見ましても、原材料調達あるいは製造所の所在地など、サプライチェーンが何箇国にも渡る状況が、近頃、更に進んでおります。世界中でいろいろな製造に関する変更が行われている中、どうやって製造方法等の変更をきちんと承認書と一致させながら製造販売を行う企業に管理していただくかが、 1 つ大きな課題だと考えております。

37 ページ、現在 ICH という国際調和の枠組みの中でも、こういった承認後の品質の管理という意味で、いかにきちんとした品質担保をしながら、かつ予見性のある変更時期、内容を、行政当局と企業が合意しながら進めていけないかということで、先般医薬品のライフサイクルマネージメントに関するガイドラインの案が合意され、その中で PACMP を用いた管理手法が示されました。具体的には、先に製造方法等の変更に対してデータ収集やバリデーションの方法、計画を、行政と企業で合意しておくと。そのプロセスを先に持ってきて、その後それを、企業でしっかりデータ収集をした上で、合意したとおりの予定した結果が得られた場合には、それを行政に提出し、行政が中身を短時間でチェックすることを可能にするといった仕組みとなっております。こういった仕組みを先取りしながら、 38 ページですが、 PMDA で短期間での承認審査の手続、その前提として先に企業と行政で変更予定の内容をどのように合意するか、実際に変更するときに、予測された結果と実際の結果が妥当かどうかをどうやって調べるかといった一連の流れを含めた制度の試行を、この 4 月から開始いたしました。

39 ページ、試行の対象です。現在 PMDA GMP 調査を担当している品目の変更である等の条件にあてはまるものについて、まずは試行を行っております。

40 ページ、グローバルなサプライチェーンがどんどん展開されていく中、製造の現場においても、新しい製造の技術が取り入れられつつあります。そういった中で品質確保がもちろん大前提ですが、どうやって承認事項の変更手続きを現実的に予見性を高めた形で速やかに行うかといったことが 1 つの課題となっております。またその際には、 ICH Q12 のガイドラインなどに示された考え方を参考にしていくことが必要になってこようかと思いますが、そのために、日本でこれを実現するためには、どんな体制あるいは法整備が必要かといったことが、もう 1 つ検討の課題かと考えております。

○磯部監視指導・麻薬対策課長 引き続いて監視指導・麻薬対策課から御説明いたします。紙の資料 41 ページです。国際整合化に向けた GMP 調査の見直しです。次の 42 ページを御覧ください。まず GMP とは何かです。実は医薬品の製造販売事業者、メーカーの方々は医薬品の承認の前に、製造所における製造管理、品質管理の方法に関する基準、これを医薬品の場合は GMP 、再生医療等製品の場合は GCTP と申し上げております。これは、製造管理、品質管理の方法に関する基準でして、これに適合しているかどうか、しっかりした製造管理、品質管理ができているのかについて、調査を受けることになっております。また承認された後も、品目ごとに定期的、現在は 5 年ごとですが、この製造管理、品質管理が適切に行われているかどうかについて、適合性調査を 5 年ごとに受けていく必要があるというのが、制度の仕組みです。実績として、下にある承認後の GMP 定期適合性調査、それから承認時の GMP 定期適合性調査は、このような数値になっております。

43 ページを御覧ください。現状、先ほど申し上げたように、品目ごとに GMP の調査を行うことになっておりますが、実際には、同じ製造所で何品目も作られていることが当然のようにございます。ですから、紙の 43 ページ目のスライドを御覧いただくと、ここでは品目ア、イとか書いてありますが、承認を受ける日は当然変わってまいりますので、それから 5 年ごとに定期的な調査を受けていく、品目ごとに受けるということで、同じ工場であっても何度も調査を受ける必要が出てくるわけです。現実には、我々の実際の運用の中では、何品目かを一括して申請ができるようにはしております。ただし例えば、製造受託をしているような企業の場合については、あくまでこれは同じ製販事業者のものは一括できますけれども、違うメーカーのものについては一括できないということで、何度も申請が出てくる、申請をせざるを得ないというようなことがあります。

 紙の 44 ページを御覧ください。現実の GMP の調査はどのようにやっているのかということです。大きく申しまして、その品目に特有の製造記録・試験記録・バリデーション結果等とありますが、バリデーション結果とはきちんと良い品質のものが作られているかどうかということの検証的な結果でございます。そういったものを見ていく部分のほかに、やはり製造所での品質管理、製造管理という部分ですが、品質システムできちんと管理をされているかとか、記録はきちんと残しているかとか、そういった出荷判定は適切なのかとか、製造システム、試験室の管理システム、そういった品目特有でないオペレーションのやり方が適切なのかということについて見る部分がかなりの部分を占めていることが申し上げられます。

 次の 45 ページを御覧ください。国際的なことで申し上げると、 PIC/S という仕組みがございまして、現在日本も含めて 52 の国が加盟しております。 GMP の基準の国際調和のほかに、いろいろな国で集まって相互に査察結果の共有もやるとかいうようなことの仕組みで、国際調和を図っていこうというような取組が進められております。欧米では、承認後の定期的な GMP 調査については、基本的には製造所ごとに行っているという実情があるということもここに記載しております。そういった状況を踏まえて、課題について申し上げると、このような効率的な調査をどのようにやっていくのか、また製造する事業所のいろいろな多様化も、今進んできているところでして、そういった状況、それから国際的な整合性というような観点で見ると、承認前の申請については先ほど欧米でも申請品目ごとに見るということですけれども、承認後に関しては、欧米における状況も踏まえて、例えば製造所単位での調査というものも、どう考えていくのかということがあろうかと思います。

 また、実際の調査の中では、品目特有の剤形ですとか、工程の技術特性、こういった面ではいろいろ見るべき部分が多いということもございまして、そういったものの区分も併せて検討する必要があるのではないかということを申し上げております。

 紙の 46 ページ目です。今度は QMS ということです。医療機器の分野で、紙で申し上げると、次の 47 ページ目です。ほぼ GMP と同じような仕組みではございますが、医療機器の場合は QMS という呼び方をしております。承認申請時の調査のほかに、承認後に関しては 5 年ごとに QMS 適合性調査を受けるということですが、医療機器の場合には、リスクの高い医療機器については PMDA が、リスクの低いクラス2のものについては登録認証機関が調査するという形で、調査実績は赤い枠に記載しております。また、 MDSAP 、先ほど医薬品では PIC/S ということで申し上げましたが、医療機器のこういった QMS に関する国際調和の動きは、 MDSAP という仕組みがございまして、 5 か国共同で登録認証機関の査察を行って、その共同査察を行った登録認証機関の結果をどう受け入れられるかということで今、試行的な運用、議論が進められております。

QMS 適合性調査に関する現状で、その下の資料を御覧いただきたく、 48 ページ目です。現在の法律では、医薬品医療機器等法第 23 条の 2 5 ですが、製造販売事業者、製品群、登録製造所が全て同一の場合には、再度その同じ製品群の中で違う品目の QMS 適合性調査の申請をする必要はないということになっております。一番下の○で書いておりますが、企業の中では、やはり安定供給を図るという意味で、複数の製造ラインでの供給体制を構築して行うというようなケースはございます。ただその中で、例えば、一部の製造ラインで供給が安定してきたというような場合に、その 1 つをやめて、一本のメインのラインにするというような場合であっても、改めて QMS 適合性調査を受ける必要があるというようなことが、つまり全て同一でないということで、減った場合だけでも、そういうことが起こるというようなことが今の状況になっております。そういったケースが、その下にありますが、全部が全部そうであるか分かりかねますが、我々の QMS 適合性調査申請を頂いている中で、共通する登録製造所の記載があるものは、全体 3,900 件のうち 400 グループぐらいあると、 1 割近くそういったケースが見受けられると。この中で本当に企業の中でどうなっているのかは分かりかねますが、共通する登録製造所があるという部分がございます。

 次の紙の 49 ページ目を御覧ください。こういったことを踏まえて、一部しか利用しない場合でも調査が要るということ。それからまた、こういったことが逆に複数のラインを作ることにためらいを起こさせてしまうようなこともあるというような指摘、意見も頂いております。こういった場合に、改めて QMS 適合性調査をこういったケースでもするべきなのかどうかについて、検討をしてもいいのではないかということで、課題を入れさせていただいております。私からは以上でございます。

○赤池部会長代理  (2) の2について説明を頂きましたけれども、これらの点について御意見あるいは御質問等はありますか。

○野村委員 関連する項目について、日本製薬団体連合会の要望を説明させていただきます。まず、品質に係る承認事項変更方法の見直しの所です。該当箇所は、資料 1-2 4 ページの 1) です。先ほど説明がありましたように、医薬品市場がグローバル化するだけでなくて、医薬品のサプライチェーンもグローバル化しているということで、海外を含めた生産拠点が増えております。流通網も複雑化しています。そこで、国際的に通用する高品質の製品をいかに効率的にグローバルで供給するか、計画的に対応することが製薬企業にとっては重要です。国際ハーモナイゼーション及びグローバルサプライチェーンの効率化の観点からも、品質に係る承認事項の変更方法を、より柔軟に認めていただけたらと考えております。

 国内では、欧米に比べて製造方法等の変更に要する審査期間が長い場合があります。また、製品切り換え時期の調整に自由度が少ないという状況があります。紙の資料の 37 ページから 39 ページにかけて説明のありました、この 4 月から試行的に導入されております PACMP 相談制度では、承認後の変更管理実施計画書の内容を、一変申請前に行政が相談枠を使って確認していただくということですので、続く一変申請では審査期間が短くなって、一変承認時期の予見性が高まると考えております。今、この制度は試行的ということですが、早期に本格稼働をしていただければと考えております。

 また、紙の資料の 36 ページで説明がありましたように、日本では一変申請と軽微変更届出の 2 つの手続になっていますが、欧米ではその中間的な変更方法もあります。申請から一定の期間内に行政から指摘がなければ変更ができるというような変更方法もあります。日本でも、申請日に承認日が特定できるような、そういう予見性の高い変更方法を導入していただきたいと考えております。変更方法の検討の際には、柔軟な製品切り換えを可能とするため、承認時期と出荷のタイミングを調整できるような合理的な制度にしていただきたいと考えております。

 引き続き、国際整合化に向けた GMP 調査の見直しに関連して、少し要望を御説明いたします。資料 1-2 4 ページの 2)GMP 適合性調査の合理化です。事務局からの説明にもありましたが、日本の規制では国内外の製造所に対して、製造所単位で構造設備 ( これをハードと呼ぶ ) の調査がある一方で、品目単位でハードとともに製品管理、品質管理 ( これをソフトと呼ぶ ) の調査が行われています。製造所から見ると、製造販売業者ごとに頻回の調査が入るということが発生しております。医薬品の品質は、ハードとソフトの両面から担保されるべきものであるということで、製薬業界としては、承認取得後 5 年ごと定期的に行われる調査については、製造所が調査を申請し、欧米と同様に製造所単位でハードとソフトの調査を同時に受けるというような合理化をすべきと考えております。

 その意味で、紙の資料の 45 ページに課題として記載されておりますように、製造所の申請に基づく、製造所単位での GMP 調査も選択できるようにしていただけたら大変有り難く思います。

 それから、課題には挙がっていなかった論点です。ちょっとテクニカルで恐縮ですけれども、 2 点ほど申し上げます。これは、要望書の 4 ページの 3) に関するものです。 1 点目は、海外製造業者認定制度の見直しです。海外の製造業者については、国が許可や認定を与えるという制度が外国にはないことによって、外国の製造業者の認定に必要な資料を、国内製造販売業者が海外の製造所から入手する際に非常に困難を伴うということで、製品の安定供給に支障を来しかねない場合があります。 GMP 調査により、製造所としての適切性は確認できているところから、認定制から登録制に変更することも含めて、認定要件であるとか認定方法の見直しをお願いしたいと考えております。

2 点目は、同じく 4 ページの 4) です。包装・表示・保管のみを行う製造業許可の見直しについてお願いしたいと思います。日本の規制では、医薬品の製造過程において保管のみを行う物流倉庫に対しても、製造業許可が必要ということです。当該倉庫に求められるのは、適切な温度管理、セキュリティ管理等ですので、製造業に求められる管理とは少し異なっております。欧米では、その保管行為は製造行為とはされていないことから、その整合性の観点からも、倉庫業者との契約に基づく温度管理等の遵守を製造販売業者に課すということで、いわゆる適正流通基準、 GDP で管理することを考慮した上で、例えば倉庫業の業態を規定して、それを登録制とするようなことも御検討いただければと考えております。以上です。

○赤池部会長代理  (2) の2に関して 4 つの要望を御説明いただきましたが、事務局から何か追加あるいは説明等はありますか。よろしいですか。ありがとうございます。他にはいかがですか。

○久芳委員 医療機器産業連合会です。紙の資料の 47 ページから 49 ページぐらいかと思いますが、 QMS 適合性調査について説明していただきました。我々からの要望の中では、資料 1-3 3 ページの ( ) に要望として出させていただいております。「 QMS 調査制度のさらなる合理化ならびに国際整合に向けて」ということです。先ほど、課題の所で既に整理していただいておりますが、基準適合証が製品群区分と医療機器の製造を分担する全ての製造所の組合せ単位で発行されるというところが、いろいろと変更があったときの手続の煩雑さにつながっている面があると考えております。

 このページの一番下の所に、具体的な提案ということで1、2、3と書かせていただきました。 1 番目は、基準適合証の複数製造所の組合せの考え方を整理するべきではないか。 2 番目は、基準適合調査単位となる製品群についてなお一層合理化することが必要ではないか。 3 番目は、同一の品質マネジメントシステム ( 品質マニュアル ) の単位という考え方で、製造所の組合せ及び製品群を包含した一葉の基準適合証を発行できるスキームが必要ではないかと考えております。是非検討をお願いいたします。

 もう 1 点は要望書の資料には入っていないのですけれども、先ほど来、グローバルなサプライチェーンというようなことも御指摘いただいております。現在、企業活動あるいは産業そのものがグローバルに広がっていると言いますか、グローバル化している状況の中で、例えば事業の統合あるいは合併、分割ということが比較的頻繁に行われている実態があります。そのときに、いわゆる法人の変更が発生しますので、届出あるいは業態に関する事務手続が発生するわけです。こういう法人の変更そのものでは、品質の確保に関する体制そのものが実は影響を受けないケースも多いわけですので、是非この辺りの合理化をお願いしたいと考えております。

 具体的に申しますと、 1 つは責任者の特定という観点で、現在は責任者の個人住所、あるいは業務を行う役員を含めた責任者の身体状況を表す書類、医師の診断書、若しくは疎明書といったものを要求されているわけです。これは個人情報保護の観点、それから事務手続の合理化の観点の両面から、是非見直しをお願いしたいと考えております。

 もう 1 つの例は、販売業等の法人に関わる変更があったときに、今は都道府県に届け出ているわけです。要望としては、様式、添付書類等を都道府県で標準化していただきたいということです。その上で、例えば最初の変更届出の写しと、写しに間違いはないということの宣言書といったものを添付することによって、各都道府県へ、全て原本を添付しなければいけないというようなことがないようにしていただくということで、合理化を考えていただきたい。そういうことを例としては考えております。よろしくお願いいたします。

○赤池部会長代理 資料の1、2、3に加えて、法人が合併等によって変更になった場合の諸手続の合理化についての要望です。この点について事務局のほうから追加等はありますか。

○中井医療機器審査管理課長 医療機器審査管理課長です。御指摘の点については制度改正が要るもの、それから運用で対応できるもの、あとは都道府県それぞれの考え方もあるでしょうし、それらについては、できるだけ統一できるかどうかも含めて議論させていただきたいと思います。

○赤池部会長代理 他にはいかがですか。

○奥田委員 紙の資料の 40 ページの課題等の所で 1 点と、あとは PIC/S に関して 2 点お話をさせていただきます。 40 ページの課題等の 2 つ目の○で、 ICH を実施するときにどのような課題があるかということです。例えば PACMP の話題が出ていましたけれども、恐らくこれをするときに、 GMP の国際的な整合化というのは大きな課題になるのだろうと思います。企業の方と話していると、一変がかかったときに、 GMP のトリガーが必ずかかるというのは PACMP のメリットを少なくするということを伺ったことがあります。

2 番目の円滑なサプライチェーンの変更、それからイノベーションの取入れということについてはなかなか難しいことだと思うのです。私の個人的な感覚では、製薬会社の上級経営者の責任というものを整備して、品質保証責任者との関係をもっと明確にするというところが 1 つのポイントになるのかと思います。企業の品質システムを強化するということかと思います。

3 番目に PIC/S のお話が紹介されていました。この中で GMP の共通化とともに、 PIC/S では、実際に市場に出ている医薬品を収去する試験・検査を行う所を、公的試験検査機関と位置付けて、地衛研なり国衛研なりといった所がするべしという制度になっているかと思います。

 地衛研なり、国衛研なり、感染研といった国の機関の役割をきちんと整備するとともに、ここからは要望になるのですけれども、人員・予算といったものが限られた中で、 PIC/S の体制を整備し、維持し続けるということは限界があります。この点については、引き続き御協力をお願いいたします。以上 3 点です。

○赤池部会長代理 今の御意見、御要望について事務局はよろしいですか。

○磯部監視指導・麻薬対策課長 奥田委員からのお話はごもっともな件だと思います。途中にありました、検査体制の話でも、サプライチェーン、グローバル化しているといったりで、いろいろな国で原薬が作られたり、製剤が作られたりいろいろあります。我々としても、当然 GMP 調査はしっかりやっていくということもありますが、そのときに必要なものは実物の調査・検査をしっかりやって、本当にどうなのかと調べるときもあろうかと思います。そういう意味で、国内にちゃんとした検査体制を構築するというのは大事なことだと思っていますので、そういう方向で頑張っていきたいと思います。

○赤池部会長代理 他にはいかがでしょうか。

○山本医薬品審査管理課長  40 ページの課題の 2 つ目の○で、 ICH のコンセプトに基づいての変更管理、これは GMP の国際整合、 GMP の調査のやり方についてどうやって組み合わせていくかという御指摘でしたが、おっしゃるとおりだと思っています。ページは分かれておりますが、後段で説明させていただきました GMP 調査のやり方を合理的に組み換えることと一緒に、ここの実現も考えていくべきだと思っております。

○赤池部会長代理 大分時間が押してきておりますので、もしよろしければ次の課題に移らせていただきますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、続いて 2 (3) の説明をお願いします。

○佐藤医薬安全対策課長 紙の資料の 51 ページからです。医薬品等に関する安全対策の現状・確認ということで資料を提出させていただきました。 51 ページですけれども、先の法改正において、医薬品等の安全対策の強化ということで、目的規程、関係者の責務規定、そして新しいところで添付文書の届出制度、この際に添付文書には「最新の知見に基づき添付文書を作成し、厚生労働大臣に届け出るものとする」という規定が法律上も位置付けられたということです。

52 ページは、現在の副作用報告の報告状況ということです。企業経由で来るものが大体 5 万件、医療機関から直接来るものが 6,000 件という状況です。

53 ページです。古い医薬品についてきちんと報告が来ていないのではないかという御指摘もありました。こちらのほうに、承認後の時期で整理して書かさせていただきました。新薬の承認直後だけではなくて、それ以外のものからも副作用報告は頂いているという状況です。ただ、一方で企業報告の報告主体というところで見ると、いわゆる先発メーカーからの報告が非常に多いという状況です。

54 ページは、先ほど花井委員からも御指摘を頂きましたが、 PMDA の人員体制の推移です。

55 ページは、安全対策の主な実績です。大体 1 年間にどのぐらいの情報を安全対策の中で処理させていただいているかという件数の全体的なオーバービューを示しております。

56 ページは、そういう中での緊急安全性情報とか、安全性速報の発出状況です。ここ 2 年間は、こういうものを発出している状況はなかったということです。

57 ページは、添付文書の改訂等の措置です。これを御覧いただきましても、再審査未了、いわゆる新薬の部分と、新薬でなくても、後発が出てきてからの再審査終了済みのものと、双方それぞれ添付文書改訂の措置が行われているということです。

 かい摘んでですが、販売時期が古い薬剤についても、最新の知見に基づいて添付文書改訂を行っている事例ということで、 59 ページと 60 ページで御紹介をさせていただいています。

61 ページと 62 ページについては、 PMDA からの情報提供の件数です。また近年、平成 28 年までの数字ですけれども、情報提供の件数等についても増えている状況を示しています。

63 ページ、 PMDA から安全性情報を電子メール等で配信するサービスを行っています。こちらの登録者についても、現状で 16 万人を超えている状況です。ただ一方で、先ほど申し上げましたように、先発企業からの副作用報告が非常に多いということで、これからジェネリック医薬品 80 %時代を踏まえていく中で、また医療機関からの直接の副作用報告を活性化していきたいということもあり、 64 ページと 65 ページですけれども、医療機関からの直接報告に関するガイダンスについても公表させていただいているところです。

67 ページは、医薬品のリスク管理計画ということで、平成 25 年から新薬を承認する際に、安全性の検討事項、得られた知見に基づいて安全性の検討課題を設定して、それに対する安全性監視活動、リスク最小化活動というものを、それぞれ製造販売業者に義務付けるという仕組みを導入しております。これについては 68 ページですが、現在までに 303 件と、 300 件以上の RMP を作成して公表させていただいています。

69 ページは、制度を導入して間もない時期に調査をしたものですので、現状についてはまた改めて調査をしたいと思っております。 RMP を知っている方の割合、活用している方の割合を数字で出しています。制度導入時期においては、まだ十分ではなかったという結果です。

70 ページ、薬害 C 型肝炎の検証検討委員会からの御提言に基づき、患者から直接副作用報告の収集を試行的に行っています。

71 ページ、また患者様等に対する医薬品のリスクコミュニケーションという形で、公開のフォーラム等の活動も行っています。

72 ページから 76 ページまでは、 MID-NET の説明です。先ほどリアルワールドデータのところでも御説明いたしましたが、 PMDA のほうで構築しております MID-NET という医療情報の解析システムです。こちらについても、先ほど花井委員から御指摘を頂きましたように、 PMDA のほうでリサーチクエスチョンを自ら立てて、様々な分析を実際に既に活用しているというところをお示ししております。

77 ページと 78 ページは、前回村島委員から御指摘を頂きましたが、妊婦・授乳婦等に対する安全性情報等の収集ということです。現状ということですが、国立成育医療研究センターのほうに妊娠と薬情報センターを設置し、こういう中で相談事例を収集して、それを安全対策に活用していくという事業を実施しています。

80 ページは、小児と薬情報収集ネットワークです。小児についても、非常に治験段階で情報を収集しにくいということで、市販後においての様々な使用実績等の情報を収集するということで、こちらも成育医療研究センターを中心として、情報ネットワークを構成させていただいております。

82 ページは、海外のそういう小児の情報ネットワークの事例を御紹介させていただいています。安全対策関係は以上です。

○赤池部会長代理 時間の関係もありますので、ただいま説明のありました安全対策に関する課題については、次回改めて意見交換をする時間を取りたいと思います。それ以外で、ただいまの説明について、全体を通して何か御意見、御質問等があれば御発言ください。

○中川委員  1 点、 52 ページの報告件数の推移の所で、医療関係者からの報告 6,000 件とありますが、医療関係者というのは医療機関のことですか。

○佐藤医薬安全対策課長 事務局です。医療関係者の部分については、医療機関、診療所、薬局等ということです。

○中川委員 薬局も含まれるのですか。

○佐藤医薬安全対策課長 はい。

○中川委員 薬局の割合はどのぐらいですか。

○佐藤医薬安全対策課長 施設別の割合を 66 ページにお示しております。 66 ページの上の表で、施設別の内訳が書いてあります。病院、診療所、薬局、歯科診療所という形で類型を示しております。

○中川委員 下の棒グラフは「薬剤師」となっていますけれども、これは薬局の薬剤師のことですか。全ての医療機関の薬剤師も含めてですか。

○佐藤医薬安全対策課長 これは、病院の薬剤師さんも含めてということです。

○中川委員 病院の薬剤師さんが報告するのと、薬局が報告するのとは意味が違いますよね。平成 28 年度に 465 件が薬局から報告されていますけれども、これは薬局単独で報告しているのですか。

○佐藤医薬安全対策課長 現行制度の中では、薬局単独で報告していただいています。

○中川委員 処方した医療機関との連携とか、業界ということは不明ですか。

○佐藤医薬安全対策課長 そういう形で出してきているものも多数あります。

○中川委員 分かりました。

○乾委員 今説明のあったものについての質問は、次回にということなのでしょうか。

○赤池部会長代理 質問については、今お願いいたします。ただ、課題をそれぞれの項目で御意見等を頂いていましたけれども、それについては次回ということです。

○乾委員 中川委員の質問と非常によく似ているのですけれども、医薬関係者の報告というのが、企業報告の件数に比べると非常に少ないように見えるかもしれません。企業報告の中には、医薬関係者からの情報提供に基づくものが大多数ではないか。すなわち、結果的に企業報告としてカウントされているケースが多く含まれているのではないかと考えます。ですから、必ずしも医薬関係者の報告の件数が少なくないのではないかというのがまず 1 点です。

 スライド 64 65 にある医薬関係者の副作用報告ガイダンスの骨子ですけれども、その中で昨年本部会の中でも報告がありましたが、医薬関係者の副作用報告ガイダンス骨子で示されている内容を踏まえて、現在日本薬剤師会では医療機関と薬局の連携による副作用報告に関わる取組が円滑に進むように、薬局向けに「実施手順等の作成のための手引き」の作成を進めているところです。これが調整でき次第、日本薬剤師会としては公表したいと考えておりますので、中川委員が御心配されているようなことはないのではないかと、円滑に連携を取って報告は進むと考えておりますので、よろしくお願いいたします。以上です。

○赤池部会長代理 他にはいかがでしょうか。

○野村委員 日本製薬団体連合会の要望項目については全部御説明しきれていないのですが、これは次回への積み残しということでよろしいのですか。

○赤池部会長代理 この後すぐに御説明を頂くことになっておりますので、御説明に入っていただけますか。

○野村委員 それでは、残りの部分について少し御説明申し上げます。資料 1-2 5 ページの一番上に要望事項があります。これは、ただいまの状況の変化を踏まえた安全対策の充実に関連するところです。先ほどの事務局の説明の中でも、添付文書に関する紹介がありました。私どもからは、医療用医薬品の適正使用の推進の観点から、添付文書に関する要望をさせていただきます。

 医薬品の添付文書は、医療従事者の皆様に適正に薬をお使いいただくための情報であって、製品と同梱することが義務付けられています。しかしながら、添付文書が改訂された場合、改訂添付文書が封入された製品が、製造や流通のプロセスを経て医療機関に納入されるまでに時間を要するということで、添付文書の即時性が損なわれて、改訂前の古い情報によって患者様に処方又は服薬指導をされてしまう恐れがあるのではないかと考えております。

 一方、紙の資料の 51 ページには、前回の薬機法の改正を契機に導入された添付文書の届出制度により、現在は PMDA Web サイトなどで常に最新の添付文書を電子媒体で確認できることになっております。そういう意味で、最新の添付文書情報を医療従事者の皆様に御確認いただけるように、製品への添付文書の封入に代えて、情報の即時性に優れた電子媒体情報の活用を含めて、当該情報が迅速に伝達されるような方法について、法に規定されることを御検討いただけないものかと考えております。

 それから、本件の安全対策の充実ではありませんが、残りの要望書の残りの項目として、資料 1-2 2 ページの 1) です。これは非常に精神的な話ですけれども、薬機法の目的に、医療上特に必要性が高い医薬品ということだけではなくて、革新性を推進するということを追記いただき、国の革新的な医薬品について研究開発を促進していくという姿勢を、法律の中でお示しいただけたらと考えております。

 まだ最終的に御説明していないのが 5 ページの 4 です。ここの要望の所ですが、これは最終的にはテーマ2のガバナンスの所に関係しますので、本日はこの御説明だけ申し上げます。最近、不本意ながら製造販売業者における副作用報告の遅延とか、製造業者の不正な行為による行政処分が発生しています。その背景には、企業における法令遵守のガバナンスに課題がある可能性がいろいろ示唆されています。製造販売業の責任者である総括製造販売責任者によるガバナンス強化を、重要な課題として認識しているところです。日本製薬団体連合会が行った製造販売業者に対するアンケートでは、総括製造販売責任者の職位が役員や部長職でない場合が 29 %という結果でした。このため、総括製造販売責任者の責務を全うするためにどうあるべきかという観点から、規定の見直しが必要ではないかと考えております。

 総括製造販売責任者や製造管理者といった業許可上の責任者については、当該業務に関する知識・経験・能力等を有し、組織内で十分に高い地位にいるということなど、その役割と責任を全うできる者を任命できるように制度を改正していただけないかと考えているところです。長くなりましたが以上です。

○中川委員 確認ですけれども、今の要望は聞くのですか聞かないのですか。例えば添付文書について、私は余り賛成ではないのですけれども、これで終わってしまうと、異論がなかったということになるのですか。

○佐藤医薬安全対策課長 事務局です。要望は要望として頂いた上で、実際これをどういう形で対応するかということについては、改めて議論するということかと思っております。

○中川委員 次回以降ですね。

○佐藤医薬安全対策課長 はい、次回以降です。

○赤池部会長代理 確認しますけれども、要望は頂くと。ただ、本日は特にそれに対する結論ではなくて、伺って今後の検討課題とするということですね。それでよろしいですね。

○佐藤医薬安全対策課長 はい。

○赤池部会長代理 それでは、資料 1-3 の医療機器のほうについて久芳委員から追加の説明をお願いいたします。

○久芳委員 内容については、途中で既に幾つか御説明させていただきました。御説明していない部分はちょっと後先になってしまいましたが、資料 1-3 の最初の所の基本的な考え方の確認だけさせていただきます。部分的に読ませていただきます。

 医療機器産業界では、革新的な医療機器を早期に患者に届けるための規制の在り方や、規制の国際整合の重要性を踏まえつつ、健康寿命の延伸につながるより良い医療の実現に医療機器が貢献できるよう努力しております。人が行う医療技術を提供する医療機器は、特定の生体機序に対する薬理作用を提供する医薬品とは異なる側面を有しており、この違いを踏まえた法制度とすることが、医療現場における使用者のニーズに直結した医療機器の品質、有効性及び安全性の継続的な確保につながり、改善改良された医療機器を速やかに医療現場に届けることによって安定供給を維持させ、医療技術のイノベーション推進につながると考えております。基本的な考え方としては以上です。

 あとは御説明したところが大半です。 1 点だけ先ほど御指摘もありましたけれども、 2 ページの 1 ( ) です。医療機器産業界としても、添付文書の電子媒体での提供というところをより推進していただきたいと考えております。具体的にはこのページの一番下に条件を示しております。こういう条件が成立する場合には、電子的な添付文書を提供することにしてはどうかということです。

 具体的に1として、医療機関の求めに応じて紙版の添付文書を提供できる体制を整えていること。2として、電子的提供が確実に担保されたことが確認できること。こういう条件の下に、添付文書の電子媒体での配布を推進していきたいと考えております。説明は以上です。

○赤池部会長代理 先ほどの野村委員の御説明、それからただいまの久芳委員からの御説明について、何か御質問、御意見等はありますか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。

 これで、本日の議題については一通り御議論いただきましたが、その他のテーマ1、全体を通じて何か御意見があれば御発言をお願いいたします。よろしいでしょうか。本日は大分議論を尽くしていただきました。どうもありがとうございました。なお、本日欠席の森田部会長から、テーマ1に関連して、次回に製品のトレサビリティを向上させる固有番号の導入について議論してはどうかとの伝言を預かっていますので、その点についても併せて御意見があれば御発言をお願いいたします。

○佐藤医薬安全対策課長 事務局のほうで適切に資料を用意させていただこうと思っております。

○赤池部会長代理 御意見等をありがとうございました。本日の議論はここまでとさせていただきます。最後に事務局から連絡事項等はありますか。

○屋敷総務課長 事務局です。どうもありがとうございました。次回は 6 7 ( )15 時の開催を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

○赤池部会長代理 本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。

 


(了)

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