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2018年6月8日 第6回医療放射線の適正管理に関する検討会

医政局

○日時

平成30年6月8日(金)14:00~16:00

 

○場所

厚生労働省共用第8会議室(20階)

○議事

 

○北村専門官 定刻となりましたので、ただいまから、第6回「医療放射線の適正管理に関する検討会」を開会させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席くださいまして、まことにありがとうございます。
議事に入ります前に、本日は、市川構成員におかれましては、所用のため、途中退席されるとのことです。また、茂松構成員、古川構成員から、欠席の御連絡をいただいております。古川構成員から、小田雄二参考人を代理とする御連絡をいただいております。小田参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○北村専門官 また、武田医政局長におかれましては、別途公務のため欠席とさせていただきます。また、椎葉審議官におかれましては、別途公務がございますので、途中退席とさせていただくことを御了承いただければと思います。
もし、報道の方で、冒頭カメラ撮り等をされている方がいらっしゃいましたら、ここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行は、米倉座長、お願いいたします。
○米倉座長 皆さん、本日はお忙しいところ、ありがとうございます。
それでは、きょうは約2時間という予定をしておりますけれども、もし、うまく議事が進行できれば、早目に散会することも御承知おきいただきたいと思います。
最初に、議事に入ります前に、これは私からの提案ですが、実は、今回の検討会が始まるときに、座長代理をどうしようかということを考えたのですが、決めていませんでした。座長代理については、お手元の資料の別紙がございます。構成員名簿の裏側に、開催要綱がありますが、「座長は、座長代理を指名することができる」というのがございます。今後、私が場合によっては出られないということが起こったときに、円滑に議事を進めていただくために、代理を決めておきたいと思います。
この会は、各界を代表するそれぞれの学会等あるいは協会等の方々の代表として出ていただいている方と、有識者として、大学などから出ていただいている方がおられます。各学会等からの代表の方々は、それぞれの立場でお話をされなければいけないと思いますので、できれば、そうではない有識者の方で全体を見ていただける方ということで、私のほうから推薦をさせていただきたいと思いますが、東北大学の渡部先生が適任ではないかと思うので、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○米倉座長 よろしいでしょうか。
そうであれば、座長代理ということで、渡部先生にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、最初に事務局より、資料の確認をお願いします。
○北村専門官 事務局です。
資料の確認でございます。
資料は、議事次第、座席表、開催要綱、資料1、資料2、資料3と、参考資料をお配りしております。不足がございましたら、お知らせください。
○米倉座長 それでは、まず議題1「医療被ばくの適正管理のあり方について」を検討したいと思います。前回からの継続した議論ですが、事務局から、これについての説明をお願いいたします。
○稲木課長補佐 事務局でございます。
お手元の資料1に沿って説明をさせていただければと思います。
タイトル自体、「医療被ばくの適正管理のあり方について」ということで、前回と共通でございます。前回、こちらの検討会で御議論いただいた上で、今後、こちらについて安全管理の重要性に鑑みまして、省令に定めていくという形で御結論いただいたところでございます。
したがいまして、今後は、ここに具体的にどのように記載をしていくかというところについて、今回、資料1に沿って、こういった形にしてはどうかという形で出させていただきまして、先生方の御意見を賜ろうと考えております。
お開きいただきまして、2ページ、3ページでございます。
まず2ページは、前回の4月27日の第5回検討会で、この議題の中で出てまいりました構成員の先生方の御意見をまとめてございます。
この資料、ちょっと訂正がございまして。2の「被ばく線量の記録について」でございますが、これは、「職員の研修について」でございまして、これを訂正させていただきます。
まず1番の記録管理についてはさまざまな御意見をいただきまして、これを集めることによって低線量被ばくの影響がわかるのではないかというところがあったりとか、あとは、少ない線量の被ばく線量では、管理する必要がないのではないかということの御意見を賜っております。
職員研修につきましても、正当化の重要性という観点に立って作成しているガイドライン等を参考にしながら、適切な講習等を行うべきではないかという御意見を賜っております。
また、eラーニング等を行うことによって、各医療従事者が時間を見つけて受講できるのではないかというふうな御意見を賜りました。
その他、3番として、患者に対しても、適切な放射線の医療被ばくのリスクに対する啓発が必要ではないかという御意見も賜っているところでございます。
続きまして、3ページでございますけれども、こちらは日付を打ってございませんけれども、一昨日、6月6日に、第62回「社会保障審議会医療部会」が開催されまして、その中で、こちらの検討会の内容、今回、省令で定める事項でございますので、医療部会で一度審議を諮ったところでございます。その際に、委員の先生方から、また、非常に多くの御意見を賜ったところでございまして、その意見につきまして、3ページに出させていただきました。
順番に出していきますと、患者は複数の医療機関で診療を受けるということがございますので、そういったものについて一括で対応をしていく必要があるのではないか。あとは、この検討会で得られた結論に対して、非常に賛成の御意見を賜っていたりしております。
また、国民への啓発という話もございました。
その一方で、こちらの検討会でも出てまいりましたけれども、4番目ですけれども、有害性だけを強調した結果、適切な放射線診療ができなくなってしまうことは避けなければならない問題であるので、こちらについては、適切にデータをもってしっかりと示すべきであるという御意見も賜っております。
あとは、医療被ばくの適正管理も非常に賛成の意見が出ております。その一方で、職員研修については、幅広に放射線診療に携わる者全体にぜひ実施させていただきたいというような御意見を賜っているところでございます。
次の4ページは、前回の検討を踏まえまして、こういった方向性という形で、これは、前回の時点で御承認いただいたところでございます。今回は、この4ページの内容を、具体的に5ページ以降で示していくという形になっております。
それでは、5ページにまいります。前回の検討会の中で、放射線の安全管理は、いわゆる医療安全の1つとして組み入れるべきであるという形になりました。
したがいまして、5ページにありますのは、現在の医療法における管理者が確保すべき安全管理体制がございますので、その中に、今回、赤の点線で囲ってある部分ですけれども、「医療放射線に係る安全管理」という形を新たに設けることを考えております。
こちらの安全管理体制の中には、既存の安全管理体制として、院内感染対策とか、医薬品に係る安全管理、医療機器に係る安全管理、高難度新規医療技術等という形になっています。今回は、この1つとして、「医療放射線に係る安全管理」という形を設けるということを考えております。
その下に短冊的についておりますのが、それぞれ安全管理のための体制確保の具体的な対応方針ということで、こちらを省令の中で定めていくことを考えています。すなわち、1番上にありますとおり、安全管理責任者の配置を行うこと。2番目に、安全管理のための指針の策定を行うこと。3番目に、診療放射線従事者等に関する医療放射線に係る安全管理のための職員研修を実施すること。その他医療放射線による医療被ばくに係る安全管理のための必要となる方策の実施という形でたてつけまして、その下に、医療被ばくの線量管理と医療被ばくの線量記録を明示します。
対象となる診療機器につきましても、これまでの先生方の御意見を賜った結果、特に線量が高いものについて適切に管理すべきであるという観点から、ここに挙げられておりますとおり、CTエックス線装置、血管造影検査に用いる透視用エックス線装置、診療用放射性同位元素及び陽電子断層撮影診療用放射性同位元素、こういったものについて記録管理という方向性でつけていきたいと考えております。
6ページ以降は、それぞれの今申し上げました4つの立て付けのより細かい説明がございます。
6ページになります。まず最初に、安全管理責任者の配置ということで、「安全管理責任者は、」ということで、資格としてでございますけれども、「医療放射線の安全管理についての知識と経験を有する医師、歯科医師または診療放射線技師」ということを考えております。
これは、参考としておりますのは、下にございますとおり、「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」、これまでも何回も出ております「RI法」の中でございますけれども、こちらに関して、基本的には、第1種放射線取扱主任者という資格を持っている者でございますけれども、医療機関については、医師もしくは歯科医師でよいという形になっております。
RI法の場合には、いわゆる診療用高エネルギー発生装置とか、治療に用いる機器の場合は、RI法も許可申請をしているわけでございますけれども、今回は、それも含めてでございますけれども、主にCTエックス線装置とか、診断に用いる機器に対する安全管理という観点から、医師、歯科医師はまず含めるとして、それに加えて、診療放射線技師も従来から放射線診療に深く携わっておりますから、実際に診療に関与しているという観点から、診療放射線技師もここに含めてはどうかと考えております。
次が指針の作成でございますけれども、具体的に、こういった内容の指針を作成していただいてはどうかと考えております。1つ1つ申し上げますと、医療放射線の安全管理に関する基本的な考え方。医療放射線に係る安全管理のための従事者に対する研修に関する基本方針。医療放射線の安全管理に係る安全の確保を目的とした改善のための方策に関する基本指針。放射線の過剰被ばくその他放射線診療に関する事例発生時の対応。いろいろな事例が発生し得ますので、そこに対してどのように対応していくかということの基本方針。あとは、医療従事者と患者との情報の共有に関する基本方針。すなわち、患者様に対してどのように説明していくかということの基本的な方針を作成していただくことを考えております。
次に、7ページでございます。職員研修の実施でございます。研修の対象としましては、医療被ばくの正当化・最適化に付随する業務に従事する者ということで、医師、歯科医師の方々は、ほとんどの場合何らかの形で放射線診療に携わっております。これは、実際に機器を取り扱うというよりは、そういったCT、レントゲン写真等をオーダーする立場にいる先生方であったり、実際にオーダーされて実施した検査も診療行為の1つとした中で、そういった先生方に対しては、もちろん研修を実施させていただくということです。
それに加えまして、実際にCT等を取り扱う方として、診療放射線技師、その他、病院の状況によってさまざまな方が実際に放射線診療に携わっていくことがあり得ますので、今回はこの3職種に対して特出しをさせていただいて、それ以外については「等」という形で含めてはどうかと考えております。
職員研修は、年1回の実施をしてはどうかと考えております。これもRI法を参考にさせていただきまして、RI法の中では、職員研修が年1回義務づけられておりますので、これと同様な頻度でいいのではないかと考えております。
研修の実施内容。こちらはもともと安全管理のための講習、医薬品の安全管理のための講習、医療機器の安全管理のための講習の中でも、こういったものは記録することとされておりますので、同じような形をたてつけています。
職員研修につきましては、当該病院以外でも研修を受講することも代用可とします。さまざまな学会等の中で、放射線の安全管理の講習等を行うこともあり得ますので、適切にそういった研修の内容が含まれていればいいのではないかと考えております。
また、他の医療安全の研修がございます。医療安全といいますのは、現在も、医療法施行規則上で、医療安全のための研修の実施が定められておりまして、それと併用して実施しても可と考えております。
内容としては、下にございますとおり、医療被ばくの基本的な考え方に関する事項、正当化に関する事項、防護の最適化に関する事項。正当化・最適化等の説明については、前回の検討会の資料が後ろの参考資料にございますので、それを参考にしていただければと思います。さらに、放射線障害が発生した場合の対応に関する事項。あとは、患者への情報提供に関する事項。という形を研修してもらってはどうかと考えております。
8ページに移ります。記録管理の対象となる機器等でございますけれども、最初のほうで申し上げましたとおり、CTエックス線装置、血管造影に用いる透視用エックス線装置、診療用放射性同位元素並びに陽電子断層撮影診療用同位元素を用いた診療、こういったものに関して記録管理の主な対象とします。
これは、前回の検討会で申し上げましたとおり、線量が高いということがございますので、こういったものはしっかり管理すべきであると考えております。
どのように具体的に管理していくか、記録していくかにつきましては、関係学会等は、さまざまなガイドライン等を策定しております。したがいまして、こういったガイドライン等を参考としていただいて、被ばく線量の評価や線量の適正化を行っていただければよいと考えております。
こういった管理方法は、下にございますとおり、例えば、ガイドラインが変わったりとか、あとは、機器の更新があることがございますので、こういった場合には、改めて、線量管理の方法はその都度見直していただくことを明記したいと考えております。
記録につきましても、おおむね同様でございますけれども、関係学会が策定したガイドラインを参考に、当該診療を受ける患者様の被ばく線量を適正に検証できる様式を用いて行うべきではないかと考えております。
その他の機器につきましても、さまざまな診療やさまざまな放射線診療機器がございます。こういったものは、また、今後時代に即して変わっていくものであると考えておりますが、基本的に、まず、線量が高いものについては義務づけますが、それ以外の機器につきましても、例えば、被ばく線量が非常に高くなりがちな検査等につきましては、必要に応じて、被ばく線量の管理とか記録を行っていただくことをしてはどうかと考えているところでございます。
以上が、具体的に定めることを考えている内容でございます。そういったことを、今後、どのような形のスケジュールで定めていくかということが、9ページに書いてございます。
まず、4月の第5回検討会の中で御議論いただきまして、そちらを一昨日の第62回「社会保障審議会医療部会」で挙げさせていただきました。先ほど、さまざまな御意見があったとお伝えしております。
今後、今回の第6回検討会において、さまざまな細かい部分についても御議論いただいた結果を、もう一度医療部会に返しまして、それと同時に、省令改正案を作成して、パブコメ等を実施、改正省令を公布して、施行していきます。
左にございますとおり、これが事務局として考えているスケジュール感でございます。まず、秋口ごろに改正省令を公布させていただきまして、施行自体は平成32年の4月ごろではないかと考えております。1年以上、猶予期間を設けてございます。こちらの背景としては、さまざまな先生方の御意見から、一口に研修をすると言いましても、病院の規模とか配置によっては、すぐに研修等を行える環境になかなかない病院も、特に小規模病院とかございますので、そういったことに関して、どういうふうに研修をすべきとかを、専門家の先生方の御意見を踏まえて、具体的な方向性をつくっていって、それを各診療所、病院に周知していくことになりますので、これは十分な時間をしっかりととった上で、平成32年の4月から実施していただくことを考えているところでございます。
事務局としましては、こういった方向性で進めていきたいと思います。それについて御議論いただけたらと考えております。
それに加えまして、3ページにございますけれども、「社会保障審議会医療部会」の先生方の御意見につきましても、具体的に入れる必要があるかどうか等も含めて、先生方の御意見を賜れればと思っております。
事務局からは、以上でございます。
○米倉座長 ありがとうございました。
前回議論した結果を受けて、このような形でとりまとめていただきました。今後のスケジュール等も含めて具体的な案が出てきたわけですが、ぜひ、構成員の皆様からの御意見をお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
渡部構成員、お願いします。
○渡部構成員 渡部です。
基本的なところを確認したいのですが、対象となる放射線診療機器等で、例えば、5ページのところですね。診療用放射線同位元素と陽電子断層撮影診療用同位元素は別々に書かれていますが、その線量、被ばくという点で、何か特別に分ける理由があるのでしょうか。
○稲木課長補佐 事務局でございます。
こちらは、医療法施行規則上で、診療用放射線同位元素と陽電子断層撮影診療用同位元素が分かれて記載されております。それぞれに対してこの構造設備基準が設けられており、実は、診療用放射線同位元素の中には、いわゆるPET核種は入っておりませんので、これは制度上、両方とも併記しなければ両方ともかからないという観点から書かせていただいております。
○渡部構成員 併記してもいいかなとも思ったのですが、なるほど。法律上のたてつけとして、そうなっているということですね。了解です。
○米倉座長 よろしいでしょうか。
○渡部構成員 はい。
○米倉座長 建前上、こういう形で分かれている。PET核種のほうが後から出てきたので、こういうたてつけで、別途、つけ加えられたという経緯があったようです。
ほかにいかがですか。
山口(武)構成員、お願いします。
○山口(武)構成員 職員研修のことですけれども、この研修会の主体はどこなのかということと対象の範囲ですね。これは全員が対象になるかについて、もう一回確認したいのです。
○稲木課長補佐 事務局でございます。
現在、5ページにございますけれども、規則の第1条の11のところに、「安全管理」という形でたてつけているわけでございますけれども、これはどういう形になっているかといいますと、管理者が遵守すべき安全管理体制という形になっておりまして、それぞれの病院の管理者が責任を持って行うということが原則でございます。したがいまして、それぞれの職員研修の実施主体自体は、管理者が責任を持って行うという形になります。
先ほど申し上げましたとおり、猶予期間を設けていますのは、それぞれの管理者といいますか、ここにたてつける責任者の先生は、必ずしもほかの職員の方々に周知できるだけの十分な情報がないという方もございます。それに対するこちらからの情報提供はこちらから行いますけれども、職員研修自体は、あくまでもそれぞれの管理者、病院、診療所等が行っていただくという形になります。
対象でございますけれども、こちらは7ページにございますけれども、現在、事務局として考えておりますのは、実際に放射線診療をオーダーする、もしくは、実際に放射線機器を操作する者を対象としております。したがいまして、医師、歯科医師、放射線技師は明確に規定いたします。
その他の職種につきましては、主体的に放射線診療に携わるわけではないのですけれども、放射線診療に携わる重みは各病院によって違うこともございますので、ここは「等」として、どこまで含めていくかについては、各病院の実態に合わせて決めていただければいいのではないかと考えているところでございます。
○米倉座長 今の御説明でよろしいでしょうか。何となく曖昧な感じが多分しているのかなと思うのですね。基本的には、各医療機関の責任でもってというところではないかと思います。
眞島構成員、お願いします。
○眞島構成員 今の点ですけれども、安全管理責任者という方はどういう資格を持っている方なのでしょうということが1つ。
それから、この会議でもずっと検討させていただいていますが、国民、患者さん、家族への理解を進めるという点が非常に重要だと。安全性の面からも、それから、治療のベネフィットという面からも必要だろうということがあって、これは我々の経験から言いますと、これを医者だけに限定してしまうと、患者さん、御家族はなかなか話しづらいとか、先生が忙しいとか、さまざまな要件があって、必ずしも、主治医とか医療者が適切ではないということもありますので、看護師の方とか、チーム医療といった面から言えば、放射線に関しては患者、家族への説明をどなたが担当するのかは、やはり放射線医なのだろうなと思うのですけれども、もう少しプラスアルファで幅を持たせて、看護師の方なども説明に関しては、そこに積極的に加わっていただいて、説明をしていただくのが望ましい形ではないかなと思う次第です。その点に関してはいかがでしょうか。
○稲木課長補佐 事務局でございます。
まず、安全管理責任者でございますけれども、これは対象となる職種としましては、6ページの一番上にございますとおり、医師、歯科医師、診療放射線技師の3職種のうちいずれかでございます。これは、診療放射線技師法の中で、放射線診療に携わるといいますか、実施できるのは、医師、歯科医師、診療放射線技師のみでございますので、それ以外の方々は、放射線診療、要は、レントゲン装置のボタンを押してはならないというのが、資格的な独占業務でございますので、そういうふうになっております。したがいまして、それを押せる人でなければ少なくとも管理はできないという観点から、この3職種を出したところでございます。
患者さんに対する説明でございますけれども、これにつきましては、患者さんが実際に携わる診療と説明が1セットになっているのではないかと考えています。したがいまして、例えば、それぞれの診療によって、その被ばく線量も異なりますので、その重みといいますか、リスクが、また、それぞれ異なってくるということがございます。それを全てまとめて説明するのは非常に膨大な量になりますので、事務局としましては、実際に診療を受ける患者様が、受ける診療に即した説明を受けていただくのがいいのではないかという観点から、こちらの御提案になってございます。
そのために、実際に説明する職員研修の中で、患者様への提供方法といいますか、といいますのも、放射線といいますと、程度にもよりますけれども、患者様によっては過度に恐れられる、3ページの医療部会の御意見でもございましたけれども、過度に恐れる余り、行われるべき診療が行われなくなってしまうという観点もございますので、こういった観点から、適切にそれぞれの患者様に見合った説明ができるという観点からは、一緒に提示するのではなくて、個別に説明すべきではないかという観点からつくらせていただきました。
ほかの業務の方々ということで、看護師という形で御提示がありましたので、こちらについては、事務局として、ほかの先生方にも、この件について、ぜひ御意見を賜りたいと考えているところでございますが、いかがでございましょうか。
○米倉座長 実際の診療の場で、最も患者さんに近いのは看護師さんということで、今のような御意見が出てきたのだと思いますが、いかがでしょうか。
市川構成員、お願いします。
○市川構成員 今の話の前に、たてつけ全体として、9ページに絵柄があるのですけれども、一昨日の医療部会の意見が3ページにあるのですね。この中でもさっきおっしゃったように、いろいろな意見が出ているということですけれども、実際に、改正はどういう部分かというのが、5ページの「新たに規定」の部分と解釈してよろしいですか。
○稲木課長補佐 そうでございます。
○市川構成員 そうすると、ここの「新たに規定」する部分をきょう議論してということですか。
○稲木課長補佐 こちらの3ページの医療部会の御意見がございますけれども、事務局としましては、こちらは既に含まれていると考えておりまして。そういった部分も十分入っているのではないかと、事務局としては考えているところでございます。
○市川構成員 確かに、相反する意見とかございますから、よくわかります。
そういうことで、今の看護師の意見が出てきているわけです。まず、安全管理責任者の話で看護師を。
○稲木課長補佐 恐らく研修対象者だったと思います。
○市川構成員 失礼しました。それは当然あっていいと思います。
○米倉座長 中村構成員、お願いします。
○中村構成員 ただいまのことは非常に重要なことかなと思っております。こうして責任者を決めてやっていくことはもちろん大賛成です。今までいなかったというわけではないと思いますけれども、管理する責任者がいないのが大半かなと思っています。
今、眞島構成員がおっしゃったとおり、ややもすると間違えた運用で、例えば、たまたま放射線障害防止法の主任者のところで、先ほど、稲木課長補佐からも御説明がありましたけれども、責任ばかり主任者あるいは管理者にいって、逆に、もう一つは、管理者でなければできないとか何とかで、全部そこに集中してしまうと、それこそできなくなりますので、恐らく今の御意見もそうですけれども、実際には、患者さんに実際に説明するとき、あるいは、非常に身近で、ちょっとした質問とかに全部答えられるのは看護師さんとかそういう方も非常に多いと思いますので、責任者ではないと思いますけれども、そこら辺を、チーム医療といいますが、チームで管理していくというところの責任者がこの管理者であるということで、もしもつくられるような、誤解のないようなガイドラインとか、そういったところでかくあるべき的なことが必要かなと思っております。
○米倉座長 ありがとうございます。
では、市川構成員、どうぞ。
○市川構成員 今の管理者の、要するに、6ページの安全管理責任者の話で、医師、歯科医師または診療放射線技師ということですね。臨床検査のほうですと、臨床検査技師ですけれども、あのときに、やはり議論があって、卒業してすぐでも責任者になれる。この場合も、卒業して資格さえあればいいのかという話に戻ると思うのですけれども、そこら辺のところのもうちょっと深掘りしたことが必要ではないかなと思います。
○米倉座長 誰でもいいというわけではないでしょうという御意見だと思います。
青木構成員、お願いします。
○青木構成員 今の点ですけれども、医療被ばくの正当化も管理の対象となると思うのですが、医療被ばくの正当化に関しては、医学的有用性が有害性を上回るという、基本的、医師、歯科医師が行うべきことと考えるようなことが入ってくるわけですけれども、ただ、安全性に関して、非常になれていらっしゃる診療放射線技師が責任者になることは非常にいいことだと思うのですが、正当化は基本的には扱えないのではないかと思いますが、その辺、どういうふうに回避するのかを教えていただければと思います。
○稲木課長補佐 事務局でございます。
今の青木構成員の御意見は、正当化の観点が研修に入っているので、診療放射線技師をここの責任者として定義づける形についてというところでございますね。
○青木構成員 はい。
○稲木課長補佐 その点につきましても、御議論はぜひいただきたいと考えております。こちらとしましては、専ら放射線診療に携わっている、つまり診療放射線技師は、ほぼ例外なく放射線診療に携わっているからこそ診療放射線技師であるということがございますので、そういう観点から、管理自体については、診療放射線技師の方が行っていただくことは問題ないかと思います。
あくまでも、この責任者といいますのは、その人自身が全てを実施するというわけではございませんで、こういったことが正しく行われているかということを確認するという観点で、責任者ということを立てておりますので、そこについては、放射線診療に携わっているのであるならば、医師、歯科医師、診療放射線技師まで含めてもいいのではないかという観点から、事務局としては提案をさせていただいているところでございます。
○米倉座長 畑澤構成員、お願いします。
○畑澤構成員 この議論の中には2つの枠があるように思うのです。1つは、医療を提供する側として、医療被ばくを適正に管理するための方策として管理者を置くということと、院内の体制を整えるということだと思うのですね。
もう一つは、5ページの一番下の箱の「医療被ばくの線量管理」と「医療被ばくの線量記録」は、これは、青木先生がおっしゃるように、また、別の観点が入ってくるので、ここのところは、最初の安全管理責任者とは、また、別の観点で見なくてはいけないと思うのです。
ですから、病院として放射線医療を提供する場合の安全な体制と、それから、個々の患者さんにとって、その医療被ばくが適正なのかどうかというのは、ちょっと違う観点で評価しなければいけないところがあるように思うのですよね。
済みません。今のは、質問ではなくて、意見でした。
○米倉座長 恐らく現実的には、ほとんどの医療機関で放射線科医がいれば、もちろんその放射線科医が責任を持って、多分ここの管理をするのだと思われます。
ただ、問題は、これは全ての医療機関に適用されるとなると、放射線科医がいないような小さな診療所等の場合に、どういう方を選んでくるかといったときに、診療放射線技師という枠を残しておかないと、使えないことがあるかなと、そういう懸念なのかなという感じなのですがね。いかがですかね。
小田構成員、どうぞ。
○小田構成員 安全管理責任者を考える中で、現状として大病院、総合病院以外の診療所、小さな病院でも、CTエックス線装置が設置されているところがかなり多い。特に、マルチスライスCTが入ってくる場合ですと、操作しているのは診療放射線技師が必ずそこにいます。CTエックス線装置が設置されている施設で、診療放射線技師が安全管理責任者として配置いただくと現実味があると思います。
それから、安全管理責任者と、職員の研修は、別なものであると思います。私ども、医療被ばくの低減施設を認定して、大きな病院でも小さな病院でもしておりますが、「ここの施設は被ばくの低減に努めている病院である」ということを認定しているのですが、その中に、看護師さんに対する、また、患者さんを連れてきていただける方などにも、そういった放射線の安全の教育をしているかどうかというのが認定項目の1つになっており、認定されている施設も100弱という形になっております。研修に関しては、放射線に携わる方も含めていいという感じはしております。
以上です。
○米倉座長 ほかに。
眞島構成員、お願いします。
○眞島構成員 ありがとうございます。
この1、2、3、4と体制に関してページがつながっているのですけれども、今までの議論の中を考えますと、患者さんの医療放射線の安全管理に関わる体制というようなページがあって然るべきではないかと思います。施設の線量の記録とか管理とか書いてあるのですけれども、患者さんに関しては、他施設で検査を受けることもあることから、「レントゲン手帳」のようなもので、簡単に線量管理ができるとよいと思います。例えば、1回CTを受けたらシールを1個つけるみたいな非常に簡便な方法で、患者さんが御自分で見てわかるような工夫のあるシステムで線量管理を御自分の責任でできるという、それぐらいの情報提供があって然るべきではないかなと思います。
今はスマートフォンの時代なので、患者さん向けに線量管理のためのアプリを作成して、患者さんがダウンロードしたら、それでできますよという世界もあり得るので、何か工夫すれば、放射線治療の先進国の日本としての貢献も考えられるのではないかなと思います。ぜひ、1ページ、患者さんに説明できるようなページを設けてあげられればと思います。
○米倉座長 非常に貴重な意見をいただきました。ありがとうございます。
佐々木課長、お願いします。
○佐々木地域医療計画課長 地域医療計画課長でございます。今、大変重要な御指摘をいただいたと思っています。
今回、御議論いただいているのは、医療法施行規則をどのように見直すのかという点でございまして、規則にどれほど細かく記載するかと言いますと医療機関でどういうことをやってもらうかという大まかな内容をまず記載するというところでございます。それをどういう形で実際にどう運用していくのかについては、現時点では、平成32年の4月の施行を目標にしておるわけですが、それまでの間に、通知等を示して行く予定です。
その中で、今、御指摘いただいたような点も大変大事な視点でございますので、この制度が始まったときに、当然、現場のスタッフも理解しなければいけませんが、患者さんにもきちんと理解していただくことも大事だと思っております。そういった点も併せて、引き続き、検討をしていくということで、まずは今回、こうした制度をつくっていくということを議論していただいて、そして、今後に向けては、引き続き、この検討会で議論させていただきたいと思っているところでございます。
そういうことで、まずは、本日はお示しした内容を医療法施行規則に追加するということの点で、何か追加的に課題があれば、御指摘を賜ればと思います。
○米倉座長 ありがとうございました。
渡邉構成員、お願いします。
○渡邉構成員 渡邉でございます。
この医療安全というのは、皆様がきちっと理解されているかどうか非常に申し上げにくいのですけれども、いわゆる二次医療圏で医療安全は、地域の保健所長と、それから、地域の医師会長さんとともに、実は両輪で医療安全の任を持たせていただいております。
私は、全国保健所協会の代表として来ておりますけれども、今回、事務局が提案されました医療被ばくの適正管理、そして、並びに、医療法における医療放射線に係る安全管理の分類ということで、これからされようとすること、そして、医療放射線に係る安全管理を、新しく規則第1条の11で、院内感染対策、医薬品、医療機器並びに高難度新規医療技術等に並列するというのは、これまでの考え方に全く矛盾しませんし、また、医療法も、皆様も御存知のとおり、第4章に、診療放射線防護ということで、かなりの量を割いております。これは、いわゆるRI法を医療に用いるときにということで、医療法の中で、病院さんにおいて、医療に対して組み立てるもので、十分に組み立てられていると思います。
1つ私たちの中で整理しておかなければならないのは、放射線防護イコール医療放射線安全ではございません。これまでの著作等を見ますと、放射線防護を今の時流の医療安全に置き直して、医療放射線安全と称した書籍が多数ございますけれども、私はそれは間違いだと思っています。
放射線防護は一つの放射線防護という体系がございまして。そして、先ほどございましたように、医療安全は、病院の管理者等が管理していくということですので、放射線防護は、私はこれよりも管理体制ということで、もう少し一回り大きいくくりにしております。ですので、私の概念としては、放射線防護イコール医療放射線安全ではないということを考えて、放射線防護のこれまでの考え方とうまく切り分けて、この安全管理について、施行規則の中に皆様の御納得の上入れていくことが肝要かと思います。
先ほどからございましたけれども、私が病院の立入りをしまして、例えば、院内感染対策、医薬品、医療機器、それぞれどなたが安全責任者になっておるかといいますと、例えば、院内感染対策、大きい病院でございますと、特定機能病院とか、臨床研修病院様は、十分な医師、専門性のある方がおられますので、大抵医師の方がなっておられます。
ところが、中程度、300床以下の病院になりますと、どなたが実際に対応されているかというと、これは非常に多種多様でございます。看護師さんが対応していたり、臨床検査技師さんが対応していたりと、さまざまでございます。医薬品安全管理はどなたが対応しているかといいますと、これは大抵薬剤部長ですね。薬剤師さんになります。医療機器安全管理、これは非常に悩ましゅうございますけれども、ただ、診療報酬からいいますと、医療機器は非常に限られておりまして、私たちは大きくとらえますけれども、診療報酬の中では、放射線治療機器と、あと一つ何でしたっけ。度忘れしました(生命維持管理装置)。ごめんなさい。実はそんなに広い範囲を拾っているものではありません。診療報酬、地方厚生局を中心にして見ますけれども、我々が考えている、例えばPET装置が入っているとしたら、地方厚生局の適時立入り、そして、我々の病院立入りでも、医療機器安全管理の視点から、これは見ません。それはなぜかというと、診療報酬の縛りがないからです。
この医療機器安全管理は、その放射線治療施設があるところでは診療放射線技師、技師長がなっていたり、それから、臨床工学技士の方がなっておられます。高難度新規医療技術は、これは新たに導入するもので、総合的判断されますので、大抵、副院長先生とか院長先生の医師がされます。そういう意味で医療放射線に係る安全管理ということで、私としては、原則論としては、先ほど稲木課長補佐がおっしゃいましたけれども、ボタンに触れられるということで、こういう方々があるのですけれども、これは原則論で実はいいのではないのかなと思います。
最後に1点は、医療安全の概念も、特定機能病院から実際に開業医の先生の診療所まで、これは適応になります。私たちはどういうふうに評価しているかというと、特定機能病院は特定機能病院用の詳細な項目がございます。そして、臨床研修病院、そして、研究中核病院ですね。この3病院に対しては、厳しい審査をします。あとは、厳しい審査をしていないのかというと、そうではなくて、実情に応じて、それぞれ審査させていただいているということでございます。
ですから、例えば、有床診療所の19床の開業医の先生のところに、この医療安全を細かく、こんな委員会をつくりなさいなんてどだい無理な話なので、そういうふうなことにならないように私たちは調整させていただいております。
先ほど佐々木課長からもございましたけれども、こういう係る体制ということで、全国保健所長会の代表としては、この体制の考え方は非常に理にかなっておりますし、非常に賛成でございます。その上で、私の意見も含めてちょっと出させていただきました。
対象は、特定機能病院から小さな診療所までございますので、一義的にはしますけれども、その実行性については、それぞれ病院に応じて考えていけばいいのかなと思います。
それと、もう一つ、最後に言わせていただくと、これは全部に適用するのではなくて、私は、もし時間があるのでしたら、特定機能病院、そして、臨床研修病院と、大きな病院に関して、まず適用されてもいいのかなというのが1つの考えです。
以上です。
○米倉座長 ありがとうございました。
実態としてのあり方について、わかりやすく説明していただいたと思います。
それでは、川上構成員、どうぞ。
○川上構成員 7ページの職員研修の対象者についてです。枠囲みの2行目に具体的な者の名前として、放射線診療を行う医師、歯科医師、診療放射線技師等とあるのですけれども、安全管理の体制に関することなので、可能であれば、例えば、放射性薬物あるいは放射性医薬品を取り扱う薬剤師も書いておいていただいたほうが、より幅広な体制が確保できるかと思います。
最近では、特に、PET検査を行っている医療機関ですと、実際には、PET薬剤の合成や品質管理に薬剤師が携わっていますので、この「等」という部分でも理解はできるのですけれども、研修体制に漏れがあるとよくないかと思いましたので、御検討いただければと思います。
○米倉座長 これも重要なところだと思います。「等」の中で、どこまで読めるのかというところだと思いますけれども、実際には、この基本的な方針が決まった後、具体的なガイドラインが決まっていくので、場合によっては、そのレベルで入れていただければと思います。
では、三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 研修の「等」のところですけれども、この「等」をいちいち全部規定していきますと、例えば、歯科病院とかになりますと、歯科衛生士とか、いろいろな職種がふえてくると思います。ですから、先ほど事務局から説明がありましたように、それぞれの病院の実態に合わせて研修をしていただくのがベストな方策ではないか。
ただ、管理責任者に関しましては、一番最初に説明があったように、放射線装置のボタンを押すことができるというのが一つの原則であるのではないかなと。そこへ、また、職種をふやしたりとかいうのは、また、問題ではあるかなと。
ただ、これは、診療放射線技師の就業年限の問題がありますけれども、ほかの協議会のところでも、最終的に、ある程度一定年数の就業年限というような項目を入れる入れないで、大分もめた経緯もあったと思いますが、結局、就業年限は入らなかったと思うのですね。そこに規定をしてしまうと、また、非常に難しいと思います。
○米倉座長 ありがとうございます。
もうお一方。
渡部構成員、お願いします。
○渡部構成員 職員研修は、年1回実施となっておりますが、これはどの程度厳密なのでしょうか。RI法のところを引用されていますが、年1回も、1年に満たないうちに1回となりますと、だんだん早くなってきますし、今、改正RI法ですと、年度に1回というふうな言い方になっておりますし、また、実際に受けられなかった方はもう完全に医療行為ができないというような、そこまでの拘束力があるものでしょうか。
○米倉座長 これは考え方の問題になると思います。お願いします。
○稲木課長補佐 事務局でございます。
渡部先生のおっしゃられるとおり、RI法においては、その部分が一回問題になって、改正の中で、年度ごとに変えたという経緯がございます。
我々としましては、「年1回」というのは、渡部先生がおっしゃったとおり、年度に1回やっていただけばいいと考えておりますので、そこについては、厳密に、例えば、RI法のように、最初は6時間、以後1.5時間とかそういうふうに決められるのではなくて、しっかりと年1回やっていただければいいという認識で入れてございます。
研修ですね。こちらにつきましては、義務づけとかそういったことは難しいと思います。ただし、医療被ばくの適正化と安全管理はやっていただきたいという観点でございます。
○米倉座長 渡邉構成員、どうぞ。
○渡邉構成員 今の職員研修の回数でございますけれども、医療安全のところで、どういうふうにこちらで指導をさせていただいているかといいますと、各病院さんに対して、全職員について年2回以上の研修をしてくださいというふうな指導はさせていただいております。
ただ、先ほどもございましたけれども、院内感染症対策並びに薬品安全、医療機器安全ということで、実は非常に多くの研修をしなければいけないのですね。そういう意味で、独立した研修をさせるのは意味があるのかというのは、私はクェスチョンです。
なぜかといいますと、先ほど申し上げたように、放射線防護と医療放射線安全の管理を切り分けるのだったら、医療安全という全体のくくりの中で医療放射線安全の研修をしてもらってもいいかな。ただ、それは2回のうちの1回ですね。言っていることはちょっとおかしいかもしれませんけれども、以上です。
○米倉座長 一つの御意見として、多分、実態をどのように動かしていくかという参考になるかと思います。
山口(一)構成員。
○山口(一)構成員 眞島構成員の御意見を聞いて考えたのですけれども、ここでのポイントは、患者さんの視点が重要だと思います。患者さんの視点から見て、利益や不利益に関しての情報提供は重要なのですが、問題はコミュニケーションの問題だと思われますので、今、医療の分野で少しやっかいな場合に、医療社会学などが貢献されていますので、そういった方が有用であれば、実際にそういった方が関われるような仕組みづくりが必要で、そういった観点では、職員の研修とちょっと話が違ってきますので、患者さんの意見も尊重して、よい例が広がるような工夫があってもいいと思いました。
○米倉座長 ありがとうございました。
いろいろな御意見をいただきました。全体として、皆さんの御意見をお聞きしていますと、この基本的な骨子については、特に異論はないと理解しましたが、よろしいでしょうか。それを踏まえた上で、実際の体制について、今後、いろいろ検討をしていく中で、今の御意見を参考にさせていただくということで、この1番目の議題を終わりたいと思います。よろしいですか。
ありがとうございました。非常に活発な御意見をいただきました。
それでは、2番目の議題です。「未承認放射性薬物について」これも前回から議論をしている継続課題ですが、事務局から説明をお願いいたします。
○稲木課長補佐 事務局でございます。
次の議題につきましては、資料2をもとに御説明させていただければと思います。こちらも医療放射線の安全管理と同じで、前回御議論をいただいて、了を得た上でという話でございまして。前回、ヒトに対して使える未承認の放射性薬物については、医療放射線安全管理の観点を明記した上で、同様に、医療機関での使用を医療法で放射線防護の観点を管理していくという形で結論していただきました。
問題となりますのは、3ページでございますけれども、今後、ヒトに対して使うとはっきりとしている薬物についてどのように定義していくかというところでございます。こちらは、放射線物質の適切な使用の観点から、基本的に、医療法においては、ヒトに対して用いるものを入れるわけでございますので、それ以外の使用は全てRI法でございますので、ここが重要と事務局は考えています。すなわち、ヒトに使うもの以外のものが医療法の中に入ってきてしまうことは避けなければならないという観点でございます。
その観点から、事務局の御提案としましては、次の5ページをごらんいただければと思います。現在、放射性同位元素といいますのは、医療法施行規則の第24条第3号で規定されておりまして。それぞれ数量とか、密封されているかいないかによってさまざまな定義づけがされているところでございます。その中で、密封されていないものにつきましては、診療放射性同位元素及び陽電子断層撮影診療用放射性同位元素に分かれているところでございます。
それぞれにおいて、どういったものが対象となっているかといいますと、現行法令上は、承認を受けている医薬品と未承認のうち治験で用いる薬物というたてつけになってございます。PETの場合には、それ以外に、一番下の陽電子放射線断層撮影の画像診断に用いる薬物は、いわゆる院内調剤のPET薬剤を指しているということでございます。
今回、事務局として御提案いたしますのは、その中で、未承認のものの赤い点線で囲った部分でございまして、下記に用いる未承認のものについては、RI法から医療法にという形にできたらと考えております。それぞれ出していますけれども、臨床研究法で特定臨床研究に用いるもの、再生医療等の安全性の確保に用いるもの、先進医療に用いるもの、患者申出療養に用いるものと、それぞれについて、医療法の中で取り扱うことを認めてはと考えております。
お開きいただきまして、6ページ以降は、それぞれ今出しました4つのものに関する説明でございます。
まず最初は臨床研究法でございますけれども、こちらは昨年度成立した法律でございます。これについては、どういったものが該当するかというのは、7ページで御説明させていただきますと、その中でも、特定臨床研究と申しますのは、未承認適応外等の医薬品を用いた臨床研究及び製薬企業等から資金提供を受けた医薬品等の臨床研究という形になっています。こちらにつきましては、臨床研究法に基づいた、基準を遵守する義務があるという形になっております。
それ以外のものについては努力義務という形になっておりますので、かなり重みが違うということでございます。こちらで特定臨床研究となった場合には、認定の倫理審査委員会それぞれのところで審査の上、厚生労働大臣に届け出るという形になっております。したがいまして、明確に人体に対して用いるものとされているものでございますので、こちらについては医療法で管理することが可能ではないかと考えております。
お開きいただきまして、次は「再生医療等の安全性の確保等に関する法律の概要」でございます。これを入れておりますのは、的確に人体に対して明確に用いられるものという形になりますと、結局のところは、法律で決まっているものとなってきます。そうしますと、こちらのものも法定された上で、厚生労働大臣に届け出る義務がございますので、こういったものに対する研究に用いる未承認放射性薬物についても入れることは可能であると考えております。
9ページ、10ページは、先進医療と患者申出療養の説明でございます。
先進医療につきましても、特に先進医療Bにつきましては、未承認適応外の医薬品・医療機器の使用を用いる医療技術ということになっておりますので、こういったものにつきましては、ここに用いる未承認医薬品については含めてよいのではないかと考えております。患者申出療養につきましても、おおむね、同様でございまして。
それぞれの今挙げました先進医療、患者申出等々につきましては、11ページのような流れが、基本的な流れとなっておりまして。既存の医療技術では対応できないような疾病にかかられている患者様について、どのような方策があるかといいますと、まずは治験がございまして。治験が、何か参加できるものがあれば参加していただくということがございます。その後、それがなければ、先進医療で資するものがあるかどうか。それがなければ、患者申出療養にするか。それでもなければ臨床研究という形でなっております。
そうしますと、治験はもちろんのこと、先進医療、患者申出療養につきましても、それぞれ審査の上で厚生労働大臣に届け出るというプロセスを踏んでおります。また、それ以外の臨床研究につきましても、今般、成立しております、臨床研究法に基づく特定臨床研究であるならば、厚生労働大臣に届け出る義務がございます。
したがいまして、これら今出しました、再生医療等も含めた4者につきましては、明確にヒトに対して使うということでございますので、これについては医療法の中で、放射性防護の観点から医療法で管理すべきものという形で認めてはどうかと考えているところでございます。
事務局からは、以上でございます。
○米倉座長 これも前回いろいろ議論いただいた点ですけれども、こういう形でまとめていただきました。御意見があればお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。
基本的に、ヒトに投与するという考え方で、これでほぼカバーできるのではないかというところでいろいろなものが挙げられています。
渡部構成員、お願いします。
○渡部構成員 ありがとうございます。
RI法から医療法に管理をかえるのは、非常にいい方法で、ぜひ進めていただきたいのですが、今後の流れを1つ確認していただきたいのですが、今後、厚労省はこういう提案をして、実際にこれが法律として取り込むためには、放射線審議会を通して、厚生労働省から審議会に上げて、今度、また、規制庁におりて、規制庁と厚生労働省の何か折衝があって、それで、確実に進めていただくためには、どういう流れで進めていかれるのかなというところを質問させてください。
○稲木課長補佐 事務局でございます。
こういった放射性物質の取扱いに関しましては、技術的基準の成立化の観点であれば、厚生審議会に諮問・答申するという形になっております。諮問・答申案件かどうかにつきましては、一義的には、原子力規制庁のほうで考えるものと考えておりますので、こちらに関しましては、まずは、こういった情報を提供して、諮問・答申案件にするかも含めて、原子力規制庁に判断していただくということで考えています。
○米倉座長 よろしいですか。
眞島構成員、お願いします。
○眞島構成員 ありがとうございます。
ページ11、「患者からの相談」この図、大変わかりやすくまとめていただきまして、どうもありがとうございます。
これから、今、治験で行われているルタセラとか、さまざまなお薬があるのですけれども、日本発のお薬を求めている患者さんもたくさんいらっしゃると思います。このスキームにそういった意味の治療法が載っていくのは、まさに、我々が望んでいることですけれども、治験はいいとして、先進医療、患者申出療養にこういう核医薬品が載っていくときに、現行のシステムのままでうまく行くのかどうか、ちょっと不安なのですけれども、何かそこに課題があるとすれば、どのようなものがあるでしょうか。
実際に、臨床研究を担当される先生方が核医薬品を使うに当たって、今のRI法が医療法の中に含まれれば、それで全て解決されるのか。それとも、まだ課題があるのかということに関して、コメントをいただければと思います。
○稲木課長補佐 事務局でございます。
まず、今回の未承認の放射性薬物をRI法から医療法に持っていくことを事務局から御提案している一番重要な点につきましては、前回の検討会でもお示ししましたとおり、RI法の場合には、人体に投与することを全く想定しておりませんので、放射性同位元素を投与された患者様から出てくる放射線に対する防護の観点が明確になっていないという点がございます。そこにつきましては、医療法の中では、患者様に打った後の放射線をしっかりと認識しまして、その中で職業被ばくとか、公衆被ばく、周りの方の被ばくとか、患者様の御家族の医療被ばくが、ICRPで規定されている線量限度や線量拘束値が下回っていることを認めた場合に、その部屋から退室できるという退室基準を定めることができます。
したがいまして、今後、医療法でこういった未承認の薬物を運用するに当たっては、そうした退室基準に該当するものを、それぞれの研究をされる先生方がしっかりと決めていただく必要があると考えております。
○米倉座長 今の説明でよろしいでしょうか。
○眞島構成員 はい。
○米倉座長 私から1件お伺いしたいというか、構成員の方々にも聞きたいのですが、この中に、再生医療等の安全性の確保等に関しての法律を使うという項目が入っているのですが、一般に、確かに、研究段階で再生医療のいろいろな研究でRIが使われるのは理解しているのですが、実際にヒトに投与する薬剤が、その上にある臨床研究法で規定されないで投与されるということがあり得るのでしょうか。私はよく知らないので、どなたか御存知の方がいたら、教えていただきたいと思いました。
再生医療でいろいろな治療法が今後行われていったときに、その有効性を確認するためにRIを使って確認する。これはよくあることですが、このときには、当然、臨床研究法で規定されていくかなと思います。
もちろん中に入っていてもいいのですけれども、全然使わないものが入ってくるのは何か変な感じがしたので。
いかがでしょうか。畑澤先生、何かありますか。
○畑澤構成員 畑澤です。
治療法の有効性を検証するのは、特定臨床法に含まれる対象になっていると思いますので、先生がおっしゃったような事態は発生しないのではないかと思っております。
○米倉座長 ほかに、どなたか御存知の方はいらっしゃいますか。
そういう研究をやっているような方は、ここの中にいらっしゃらないので。これは、場合によっては、事務局から確認していただいて、本当にこれが必要なのかどうかというのは見ておく必要があるかなと思いますが、いかがでしょうか。
先進医療、患者申出療養は当然ありますので、一番最後のページで御説明いただいた、この11ページの図に書かれていることは、これで多分全部網羅できるような気がします。これ以外に、わざわざ再生医療関連の法律を使わないと規制できない、あるいは、適応できないというものがあるのかどうか、ちょっと私も理解してないので、できましたら、次回までに確認いただけるとありがたいです。
その他、よろしいでしょうか。
中村構成員。
○中村構成員 ちょっと教えていただきたいのですけれども、障防法と医療法の先ほど御説明があったとおり、人体に入れたとき障防法はどうしようもないということはあるのですが、もう一つは、医薬品と臨床研究に用いるところの核種のところの大きな差は、薬機法の放射性医薬品の製造及び取扱規則にある別表1だと認識しております。別表1も限られておりまして、へたすると従来の薬に限定されているので、新しい研究をしようとすると、それは非常に難しい。恐らく、治験もそれに準じているのかなと思うのですが、今度は、医療法でやる場合に、医療法の場合には、薬としての管理もありますけれども、管理ができればいいわけで。そうすると、全ての核種ができる。そういうふうに考えて、もちろん昔あったようなものは使われないと思うのですが、限定されると思うのですが、核種の限定はないと考えていらっしゃるのでしょうか。
○稲木課長補佐 事務局でございます。
今、中村構成員からおっしゃられましたとおり、医療法施行規則上には、いわゆる炉規法に基づく核燃物質等以外につきましては、全てRI法と横並びで、省令別表で各種定めているところでございます。
したがいまして、管理上は、もともとRI法で使えるものは使用できる形になっておりますので、放射線防護の観点からそれぞれに基づいて、しっかりと線量計算等をしていただければ結構ということです。
その一方で、医療法施行規則上は、その施設内のほかの患者様の被ばく線量が3月間で1.3mSvという観点でありますとか、それ以外につきましては、医療被ばくですね。患者様の御家族の医療被ばくの観点をしっかりと担保していただく必要はございます。それにつきましては、これまでの承認済医薬品と同様に、しっかりと線量計算をしていただいて、それがそれぞれ線量限度、線量拘束値をしっかり担保していただく必要はあると考えております。その中においては、省令別表で定められているような核種は使用できると考えています。
○中村構成員 ありがとうございます。
非常に重要な点かなと思っていますので、よろしくお願いします。
○米倉座長 佐々木課長、お願いします。
○佐々木地域医療計画課長 先ほど、再生医療等の安全性の確保に関する法律で規定する再生医療等に関して、座長から御提案があり、御議論いただいたところでございます。実は、事務局もいろいろ調べてみたのですけれども、先ほど御指摘があったように、効果を判定するとか、そのようなものはあるようですが、それ以外のものは現時点で該当する製品というものは、特にございません。もしも、専門家の方が集まっておられるこの検討会で、特に該当する製品がないということであれば、もし、そういう製品が出てくれば、この検討会や医療部会で検討し、追加はしていけますので、まずは今必要なものをきちっと位置づけていくということもあると思って拝聴しておりました。そこは座長と御相談の上、できれば、規則改正の作業は進めてまいりたいと思います。よろしければ、もう少し該当する製品の有無を確認した上で、座長と御相談の上進めさせていただくことでいかがかと思っております。
○米倉座長 ありがとうございます。
より踏み込んだ提案をいただきましたので、私はそれでよろしいかと思うのですが、何か。
山口(一)構成員。
○山口(一)構成員 関連して、今、事例はないと思うのですけれども、医師の個人輸入で、臨床研究が行われた例があったかと思いますが、もし、医師の個人輸入で臨床研究以外で用いるものがあれば、配慮が必要かなと思います。
○米倉座長 それは、今の再生医療ではなくてですか。
○山口(一)構成員 ではないです。済みません。
○米倉座長 再生医療に関してはよろしいですね。
では、検討させていただくということで。
それで、今お話があったのは、個人輸入でもって患者さんに投与するということがあったときに。
○山口(一)構成員 臨床研究であればよいのですけれども、これ以外がもしあるのであれば。
○米倉座長 臨床研究以外でやるということがあるのかと言われると。
○中村構成員 それは薬監ですか。薬監とは違いますか。
個人で輸入するというのは薬監。実は、全部網羅されていますよという御説明だったのですが、薬監は承認薬なのか。放射性医薬品ではないと思います。薬監は医療法でやっているのではと思っています。
○稲木課長補佐 薬監証明は、また、別かと思いますけれども、今回入れますのは、あくまでも、明確にヒトに対して使用することが大前提でございまして、それ以外の目的外用途に使われてしまいますと、本来の今回御提案するものが全く意味をなさなくなってしまうと思っています。
したがいまして、今回は、明確にヒトに対して使うというふうに、厚生労働省にちゃんと届け出ているものをしっかりと入れるべきであって、それ以外のものを入れてしまいますと、それを確認していく手段がないので、そこは事務局としては、しっかりと特定臨床研究なり、先進医療なりでやっていくとしているものを入れるべきという観点から、今回、こういう形で特出しして挙げているところでございます。
○中村構成員 薬監証明はもちろんヒトに投与するもので、海外で承認された薬を日本にはない商品を、個人ないしは医師が輸入して治療することです。ですから、恐らく事実上は医療法の中で規制されてやっていると認識はしていたのですが。
○米倉座長 ただし、日本では未承認薬ですね。
○中村構成員 そうです。例えば、この間先進医療Bで進んできた131I- MIBGとか、昔は薬監で入れて使用されていました。ですから、これは医療法でいいと思います。
○米倉座長 確かに、以前は個人輸入の形で入れて、患者さんの治療をする。患者さんの要望に応じてという事態があったのですが、現在は多分ないですよね。だから、それが起きたときに、それはある意味で自由診療として行われているものをどう扱うかという考えでまとめればよろしいですかね。臨床研究以外でしたら。
○佐々木地域医療計画課長 今の点でございますが、医療法の対象になるかどうかは、保険診療であろうが、自由診療であろうが対象ということだと思います。
薬監の話はいろいろ御意見もあるかとは思うのですが、今回の改正では、先ほど、眞島構成員のお話にもありましたが、日本で新しい核医学の治療の技術を進めていくためには、核医学の臨床研究ができる土壌をつくっていく必要があるという視点で、まず医療法施行規則の改正を行いたいと考えております。まずはきちんとデザインされた研究として実施され、いろいろなデータが積み重なって、将来的な治験としてなっていくレベルのものをきちんと医療法で受けとめたいということです。それ以外の個別のものについては、RI法で規制するということになりますが、そこの課題は今後、また、整理、追加して検討していく課題だと思っています。まずは、日本発の新しい技術が生まれてくる土壌をつくるという視点で、今回提案しているというところでございます。
○米倉座長 ありがとうございます。
かなり明確な回答をいただきました。この方針でよろしいでしょうか。
ほかに御意見はありますか。
なければ、それでは、次に移りたいと思います。
議題の3「これまでの議論の整理」ということでまとめていただきましたので、事務局から説明をお願いいたします。
○稲木課長補佐 事務局でございます。
これまで、今回も含めて6回にわたって「医療放射線の適正管理に関する検討会」をさせていただきまして、構成員の先生方からさまざまな御意見を賜ったところでございまして、一部のものにつきましては、今回、これまでの検討会の中で結論が出たりとか、一部は、これまでの議論の中でもまだ結論が出切っていない部分もございます。
したがいまして、1年たちまして、さまざまな形で議論をしていく中で、1年の中で一度論点を整理させていただきまして、決まったもの、あるいは、今後も検討を続けていかなければならないものについて列挙させていただいて、今後のこの検討会におきます議論のたたき台にしてはというふうな事務局側の提案でございます。
お開きいただきまして、「はじめに」の部分につきましては、背景的な文言がございますので、ここははしょりまして、方針が明確化された論点としましては、「医療被ばくの適正管理のあり方」は、今回まで議論をしている部分でございますけれども、方向性は定まったと考えております。
また、今、未承認の放射性薬物の取扱いにつきましても、方向性自体は定まっているという形で今回は出しています。
その他、個別的事項につきましても、可搬型PET装置。1年近く前になりましたが、可搬型PET装置、国家戦略特区の中で行っていくことについて、ここでの議論を踏まえて、命令改正を行ったところでございます。
その他、放射線照射器具ですね。いわゆるシードというものにつきましても、退室基準等の変更が定まったところ。こちらにつきましては、退室基準を定めるに当たっての厚生労働科学研究の研究報告書がまだでき上がっておりませんので、こちらにつきましては、研究報告書ができ上がり次第、速やかに改正したいと考えているところでございます。
その他、プールファントムの取扱いにつきましても、明確に規定して、診療の質を担保するという観点から、明確化すべきであるという形で御結論いただいたところでございます。
その他、III番が「方向性を検討すべき論点」としまして、放射性廃棄物、2回にわたって議論させていただきましたので、方向性につきましては、問題として、廃棄物は何らかの形で処分していかなければならない。クリアランスを含めてさまざまな方策を考えた上で、適切な方向性に持っていかなければならないということでございます。これにつきましては、引き続き、論点として残させていただきまして、適切に管理できるような方向性を定めていきたいと考えているところでございます。
その他、個別的事項になりますけれども、こちら、第1回検討会のところでさまざまな御議論をいただいたときに、現時点で、医療法施行規則上の中に入っていないさまざまな放射線の診療に用いるものがあるということがございますので、これについても、そういったものが出ていき次第議論すべきではないかというふうな御意見の形で残させていただいております。
その他、こちらは、むしろ、原子力規制庁あるいは安全衛生部からもお話がございましたけれども、眼の水晶体の線量限度は、昨年度、原子力規制庁の放射線審議会の部会で中間とりまとめが出ておりますけれども、こちらにつきましても議論はしていかなければならないという話は、第1回に出ているところでございます。
こういったことを、まず、こちらの論点整理の形で残させていただきまして、今回も第6回検討会の中でさまざまな御議論がございましたので、それも加えますし、現時点で、構成員の先生方で、ここに書かれていない中で今後も議論を進めていくべきではないかというものがございましたら、御発言をいただけたらと考えているところでございます。
事務局としては、以上でございます。
○米倉座長 ありがとうございました。
これまで行ってきたいろいろな議論について整理をしていただきました。それを含めて、もし、今までの中で、ここがおかしいとか、あるいは、今後こういうものを取り入れてはどうかという御意見がございましたら、お伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
小田参考人、お願いします。
○小田参考人 小田でございます。ありがとうございます。
産業界でJIS規格を策定しております。このたび、管理区域の漏えい線量のJIS規格を一緒になって策定して、先日、告示されたところでございます。そういう線量の測り方を規定しているのですけれども、実際には、医療現場では年数回の測定をされていると思うのですけれども、その回数とかやり方等ですね。建物なども、技術の進歩があって、堅牢性が上がっていたりとかしているでしょうし、その逆もあろうかと思います。ですので、その回数だったり、やり方だったりの現状の妥当性とか適正性といいますか、そのようなものを一度御審議をされてはどうかなと。
漏えい線量ですので、直接患者様の医療被ばくの管理には該当しませんけれども、患者様の御家族だったり、もしくは一般人の被ばくだったりということに該当しますし、医療従事者の方の被ばくというところにも関連してきますので、もし、議論する余地がございましたら、御議論いただければと思っております。
以上です。
○米倉座長 ありがとうございます。
今のは新しい提案をいただいたわけです。これはちょっと整理をしていただいて、どういうところで議論するのかも含めて考えさせていただくということで、よろしいでしょうか。今後取り上げるべきテーマとして、考えるかどうかも含めて整理させていただきたいと思います。
今の点について、御意見等はありますか。
山口(一)構成員、どうぞ。
○山口(一)構成員 今の議論は多分一般化すると、医療機関での放射線安全管理の見直しという観点ですから、より合理化するかどうかだと思います。できれば、よいものがあれば提案いただいてはどうかなと思いました。
○米倉座長 全体としてまとめて議論をする場があればいいということですよね。
小田構成員、お願いします。
○小田構成員 小田です。
医療被ばくの適正管理という観点から、特に一般撮影に関しまして、先ほどから出ておりましたように、エックス線の撮影等は、撮影室外からスイッチを押すことになっておりますけれども、特に高齢者の患者さんとか、認知症の患者さん、小児の照射に関して介助が必要になる場合がかなりふえております。そういった中で、室内で十分安全であると。撮影室も個別に閉じているという条件で、身近な家族の方であったり、看護師さん、介護の人が、患者さんの介護や固定をしているのが現状です。しかし、撮影のタイミングとなると、撮影する者がその場は介助しながら撮影したほうが患者さんを間近で見て固定しながら撮影ができ、非常にクオリティーも高い撮影ができ、患者さんの再撮等を防ぐことと、撮影の介護者の被ばくがなくなるということで、フットスイッチ等を使った撮影室内で照射スイッチを押すことも可能とする検討をしていただきたいと考えております。
○米倉座長 これは現場からの問題提起ですね。どうしても介助が必要な方はいらっしゃると。ただ、現行の規制のもとでは、照射室の中にいないとスイッチを押せない。要するに、被ばくしないためにそういうことになって、やむを得ず、患者さんの家族の方あるいは看護師さんに付き添ってもらっているけれども、それをもう少し柔軟に患者さんの側に立って、そこでフットスイッチを押せないかという御提案のようです。現場からそういう意見が出てきたということで、これもどこかで議論をさせていただきたいと思います。
それ以外にいかがでしょうか。
渡邉構成員、お願いします。
○渡邉構成員 概念の整理ですけれども、ICRPが述べているALARAの原則ですね。ある会議のときに、これは患者さんの線量低減のためには適用しないのだという話がございました。一般的には、ICRPが1977年にALARAの原則で、放射線被ばくという概念で用いましたけれども、その後、放射線被ばくが職業被ばく、医療被ばく、公衆被ばくの3つということで概念化されてきましたけれども、そういう意味合いで、ALARAの原則は医療被ばくにも係ってもおかしくはないのかなと思うのですけれども、専門家の先生方がいらっしゃいますので、ちょっと御議論いただければと思います。ここでも結構です。
○米倉座長 線量を適正に管理するというところについて、最適化という言葉を医療被ばくでは使っているのですが、最適化という言葉とALARAすなわちAs Low As Reasonably Achievableという言葉との関係ですね。医療被ばくでALARAという言葉を私は余り聞いてないように思うのですが、いかがでしょうかね。
○渡邉構成員 実は、明日から、また、IAEAの会議に参加するのですけれども、私がおりましたころから、実は、IAEAの核医学、エックス線診断科では、ALARAは患者さんの被ばく低減という考え方で使っておりました。ある人から言わせると、それは誤解だろうという話もあるのですけれども、実際にそういう概念で私たちは話をしてきましたし。実は、議題としてそれを論じてもらおうかなと思って、現在、IAEAはどういう考え方をされているのかというのを実は確認してまいりたいとは思うのです。
ただ、ALARAの原則の中に、実は2つの要素がついていると思うのですね。社会的に、経済的にということですから。その要因を考えた際には、ALARAは患者さんの被ばくですね。これは極論ですけれども、例えば、お金がないから、100 mCi投与するところ50mCiしか使えないなんて、そういうふうな理由では使わないのでしょうけれども、一般的に、最初の社会的に、経済的にという要因が、実は、一部分、かなりの人たちの間では外れているのではないかと思うのですね。先生がさっき言われたように、達成でき得る限り低くですから、その2つの要因が抜けたALARAの考え方は今使われているのかなと思うのですね。そういう意味で一回整理されると、多分、放射線に関係している人、いや、私はそうではないと言うかもしれないのですけれども、そういう意味で一度御議論していただくといいのかなと思います。
○米倉座長 これをここの場でやるのがいいのかどうか、ちょっとわからないのですが、あくまで、最適化というのは、患者さんにとって放射線被ばくを受けるわけですけれども、その受けることによって最大限のメリットがきちっと得られることが大前提であって、その上で、適正な線量を考えましょうという考え方だと思うのですね。
放射線防護全体の世界では、ALARAは非常に大きな大原則として掲げられてはいるのですけれども、医療被ばくの場合には、それも含みながら、それによって受けるベネフィットをきちっと評価しなければいけない。
前回もいろいろお話にあったと思うのですけれども、大事なところは、単に線量を下げればいいという問題ではない。例えばエックス線撮影ですと、その画質がきちっと担保されていることが非常に重要になってきますので、そういうコンセプトも入っているので、それで、医療被ばくの場合には「最適化」という言葉を使っているのだと私は理解しています。
ほかに、どなたか御意見はありますか。
この問題は、ここで議論するのがいいかどうかは難しいです。
山口(一)構成員、お願いします。
○山口(一)構成員 今の議論を聞いていて、その前のところで小田構成員から話がございまして、いろいろな介助が必要な方に関しての診療補助の話がございました。要は、バランスをとるという話で、小田構成員の話は、エックス線診療室内でも操作したいということなのですかね。現状でも、施行規則では室内で操作可能とあるので、ポイントとしては、どういうふうに最適配分するかであり、医療機関や職能団体間でどう合意形成していくのかに尽きると思いました。また、不均等被ばくをどう見ていくのかということだと思いました。
○米倉座長 放射線防護上は、きちっとプロテクターをつけるとか、距離をとるとか、そういうことがあるのだけれども、これもある意味では最適化ですね。
小田構成員、何か御意見。
○小田構成員 おっしゃるとおりでございます。スイッチをばく射するのが操作室のところでございまして、室内で患者さんを介護した形の曝射ということは、法令上も、現状ではまだできてないです。
○山口(一)構成員 近接透視撮影等が必要な場合には該当しないという整理なのですね。
○小田構成員 近接透視撮影の場合や乳房撮影は、必要な防護物を設ければ撮影室内に操作室を設けてもよい、エックス線を照射できるという例外がありますが、説明させていただいたのは、一般撮影とかの介護が必要な撮影、骨撮影とかそういったところのケースです。
○米倉座長 これについては、また、持ち越しとさせていただいて、実際の現状も踏まえながら議論したいと思います。
○佐々木地域医療計画課長 透視とかいろいろ出てまいりましたので、状況を整理して、また、御議論していただきたいと思います。
○米倉座長 畑澤構成員、どうぞ。
○畑澤構成員 先ほど、日本発の治療法というようなことも出てまいりましたけれども、現在、核医学の治療の中で、アルファ線放射性核種を使う新しい治療法の開発が、国際的にも国内でも大変進んできているわけです。そのときに一つのバリアになっているのは、核燃料物質とRI法で規定される放射性同位元素が明確に法体系上区別されていて、管理体制、先ほどの廃棄のところは医療法の中で一本化できるというような記述がありましたけれども、製造のところ辺りは、まだまだそういう厳密に核燃料物質とRI法の放射性同位元素は区別されていると思うのです。
この辺りが、法体系上大変難しいことなのだとは思うのですけれども、医療のために使うそういうものに関しては、何とか一本化して、利用が促進できるようなことにならないかなというのが現場の希望ですけれども、そういう辺りはいかがなものでしょうか。
○稲木課長補佐 事務局でございます。
アルファ核種の畑澤先生がおっしゃっていましたのは、RI法ではなくて、原子力等規制法に伴う、いわゆる国際規制物資とかに該当しているものについて、その中で医療に用いるものについては一本化して医療法で管理すべきかという御意見だったかと考えております。
まず、放射性同位元素の規制は、第1段階としては、全てRI法であって、その中からRI法施行令の中で適用除外されていって、現時点においては、例えば承認済医薬品とか治験薬については除外されているとか、あとは、原子力等規制法で規制されている核燃料物質については除外されているとかという形になっています。
したがいまして、RI法であるかないかというところがまずあると思います。これは確認する必要があると思いますけれども、現行、医療法で抱えているからといって、それがいわゆる原子炉等規制法にも関わっている、いわゆる二重規制の状態であることはあり得ると認識しておりますので、したがいまして、原子炉等規制法に基づく核燃物質ですと、例えば、IAEAに半年に一回報告する義務が出てくるとか、医療法で医薬品として使っていたとしても、原子炉等規制法との二重規制がかかるのであるならば、実質的に、極めて使用は困難になるのではないかということがあるかと思います。
したがいまして、こちらの現時点での認識としましては、まず、医療法として扱うかどうかという以前に、RI法で扱えるのか、それとも原子炉等規制法で扱われるのか、そういった議論がまずあってこそ初めて、次に医療法で議論していける話ではないかと考えているところでございますので、原子力規制庁でどういった議論がなされていくかにつきましては、また、規制庁の情報等を聞きながら、この方向性については注視していきたいと考えております。
○米倉座長 ありがとうございます。
これも、今回の一つの課題として取り上げさせていただきたいと思います。いずれ議論しなければいけない部分が出てくると思います。アルファ線核種治療がかなり大きく広がろうとしている状況がありますので、物によっては引っかかってくるものがあるかもしれない。これはまだ可能性の段階ですが、そういうことで整理させていただきたいと思います。
○神田構成員 10ページの一番最後のところに、「眼の水晶体の線量限度の取扱い」というところが項目として挙がっておりますので、放射線審議会での議論について御報告をさせていただきたいと思います。
今年の3月に、放射線審議会では、この眼の水晶体の線量限度についての提案をとりまとめております。ここでは、結論としては、ICRPが新たに勧告した線量限度を取り入れるのが望ましいという意見をとりまとめまして、放射線審議会会長より関係省庁に意見具申をしたところでございますけれども、その中で、ここに書かれていますように、線量評価のあり方も議論になりました。特に、医療従事者の先生方は不均等の被ばくをすることが多い。IVRでの被ばくも多い。IVR等の施術をされる先生方の眼の線量評価をすることに関しては、放射線審議会の水晶体部会でも、多くの議論の時間を費やしたところでございますので、もし、こういった議論をするに当たっては、かなりの情報が放射線審議会でも集まってきているところでございます。
また、その議論の途中のところで、日本医師会の先生方からは、「医療放射線の適正管理に関する検討会」では、患者さんの被ばくについての議論も進んでいるところではあるけれども、医師会としては、医療従事者の方々の線量計のデータも一元管理をするなどして、安全管理をしてほしいと、そういった御提案もありましたので、眼の水晶体の線量限度に関しては、線量評価プラス線量管理といった問題があることが、放射線審議会の議論においては明らかになったところでございます。
御報告は以上でございます。
○米倉座長 ありがとうございました。新たな情報をいただきました。
ほぼ議論が出尽くしたかなと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、先ほどの資料3につきましては、本日の議論も含めて、もう一度整理をさせていただいて、最終的なものにしたいと思います。
その他、全体を通して、何か御議論はございますか。
よろしいでしょうか。
それでは、これをもちまして、本日の検討会を終わりたいと思いますが、事務局から何かございますか。
○北村専門官 事務局でございます。
第7回「医療放射線の適正管理に関する検討会」については、詳細が決まり次第、御連絡いたします。
○米倉座長 どうもありがとうございました。
これにて、きょうは散会させていただきます。
 

 

(了)
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