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2018年4月27日 第5回医療放射線の適正管理に関する検討会

医政局

○日時

平成30年4月27日(金)13:00~16:00


○場所

厚生労働省省議室(9階)


○議事

○稲木課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第5回「医療放射線の適正管理に関する検討会」を開会させていただきます。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席くださいまして、まことにありがとうございます。

 議事に入ります前に、構成員が交代となりましたので、報告いたします。前任の那須和子様にかれましては、一身上の都合により構成員を辞任することとなりました。新たに日本看護協会より御推薦いただき、静岡県立静岡がんセンターの飯沼むつみ構成員へ交代となりました。

 また、本日は、青木構成員、畑澤構成員から欠席の連絡をいただいております。青木構成員から赤羽正章参考人を代理とし、畑澤構成員から松田博史参考人を代理とする御連絡をいただいております。赤羽参考人、松田参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○稲木課長補佐 では、異議がございませんでしたので、次に進みます。

 武田局長におかれましては、別途公務により欠席とさせていただきます。

 また、佐々木地域医療計画課長は、別途公務のためおくれておりますので、御了承ください。

 もし報道の方で冒頭カメラ撮り等をしている方がおられましたら、ここまででお願いいたします。

 それでは、以降の進行は、米倉座長、お願いいたします。

○米倉座長 それでは、第5回の検討会をこれから開始させていただきます。

 昨年この会が始まって、1年間いろいろ議論してきたわけですけれども、そろそろそのときに議題となったことについて、いろんな取りまとめをやっていく時期に来ているかなと思っています。

 きょうは夕方4時まで3時間という長丁場の予定ですが、もし早く終われば適時早目に散会するということもあるということを御承知おきください。

 それでは、最初に事務局から資料の確認をお願いします。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 お手元の資料を御確認ください。議事次第、座席表、開催要綱、資料は1、2-1、2-2、3、4です。参考資料は参考資料1、2、3-1、3-2。それから構成員の皆様方には机上配付資料をお配りしております。こちらの机上配付資料につきましては、検討会終了後に回収させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 不足等ございましたらお知らせください。よろしいでしょうか。

○米倉座長 それでは、まず議事1「医療被ばくの適正管理のあり方について」から始めたいと思います。こちらのほうは前回からの継続案件ですけれども、まず最初にお手元にある資料1の説明を事務局のほうからお願いいたします。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 そうしましたら、お手元の資料1をごらんください。前回に引き続きまして、医療被ばくの適正管理のあり方について御議論、御意見等をいただければと思います。

 おめくりいただきまして、2ページ、3ページ目にわたりまして、前回医療被ばくに関しまして、構成員の皆様方よりさまざまな御意見を賜りました。医療放射線の安全管理については、アクセシビリティー等も加味したけれども、やはり医療被ばくはしっかりと厳密に評価すべきではないかという御意見も賜りましたし、安全管理については、院内感染、医薬品、医療機器と並列になるように、安全管理を加えてもよいのではないかという御意見も承っております。

 その一方で、CTの検査数が日本は多いという資料をお出しいたしましたが、それに関しまして、構成員の先生方より、こういったCTの検査数が多いことは、疾病の早期発見にも寄与している部分があるのは事実であるため、誤った解釈が発生しないような注意が必要であるという御意見をいただいております。

 また、医療被ばくの線量の部分につきましても、線量データをきちんと残すことが非常に重要であるという御意見をいただいておりますが、その記録に対しては透明化も図る必要があるのではないかという御意見をいただいております。

 3ページに行きますと、被ばく線量が極めて低い検査というものが、さまざまな放射線を用いた検査にございますので、そういった線量が特に低い検査等については、データを記録していくことのメリットも考慮していく必要があるのではないかという御意見を賜っております。

 過去の線量を積算ということは、組織反応を見る、いわゆる確定的影響等を見る場合には有効ではございますけれども、単純に過去の積算線量を検査の正当化に用いるべきではないという御意見もいただいております。

 現実的な考え方としまして、医療機関の負担等についても、日本では単純エックス線やCT等が非常に多いですので、適正に使用することが求められる一方で、適正な管理が必要であるという意見もありますし、あとは被ばく線量を記録することにより、医療機関にかかる負担についても考慮していただきたいという御意見がございました。

 今回はこういった構成員の先生方の御意見を踏まえまして、被ばく全体に関しまして、人体に対する影響を最初の部分でもう一度整理して御説明した上で、具体的な方策についてこういった形で進めてはどうかという形を事務局のほうからお出しして、先生方の御意見を賜りたいと思います。

 おめくりいただきまして、まずは医療被ばくにおける身体への影響という観点でもう一度整理させていただきました。

 5ページにございますのは、放射線の身体への影響。一般的な考え方でございますが、放射線の身体への影響は、確定的影響というものと確率的影響に大きく分けられます。

 確定的影響と申しますのは、組織反応とも呼ばれますけれども、ある一定値、しきい値というものが存在しておりまして、このしきい値というのは、数値的には組織反応が1%発生すると推定される線量となっておりますので、左下のグラフでいうところの「しきい値」というところでございます。これがしきい値を超え出すと次第に発生確率がふえていきまして、どこかの時点でほぼ必発になる。こういったものを確定的影響と呼びます。これが一つの放射線の人体への影響でございます。

 もう一つは確率的影響と言われているものでして、これは右のグラフにございますとおり、被ばく線量がふえるに従って、それに比例して影響がふえていくというものでございます。これの代表的なものは放射線の発がん等が挙げられております。

 ただし、下のグラフにお示しのとおり、疫学的データに基づく部分としましては、100mSvを超える部分から見えてきているということでございまして、100mSv未満の部分につきましては、ここは仮説の部分がございまして、100mSv以上の疫学的データに基づく部分の直線をそのまま下に引いていって、しきい値がなく、直線仮説が成り立つということで、被ばくに関しましては影響が考えられているということでございます。

 6ページは、確定的影響と確率的影響、それぞれのものについて御説明いたします。6ページにございますのは確定的影響のほうでございます。こちらはしきい値というものが存在するということでございますので、ある一定線量以上になると発生しますので、それなりの被ばくがごく短時間で発生した場合に起きます。したがいまして、1回当たりの線量とか検査時間が長期にわたるものとか、そういったものについては確定的影響が出る傾向にございます。

 具体的に申しますと、左にございますとおり、手技ごとに比較いたしますと、脳血管塞栓術とか心臓のカテーテル検査、もしくはステント治療等を含めた冠動脈の治療でございます。こういったものにつきましては、個人差、つまり、患者さんごとの症状にも左右されますが、全体として手技が長くなれば長くなるほど線量がふえまして、影響が大きくなるということになります。

 その結果としまして、これは例でございますけれども、真ん中の写真にございますとおり、冠動脈造影と冠動脈形成術の治療を受けた方の約2年後の写真でございます。結果としまして、集中して線量が当たった部分について皮膚の欠損等が発生してしまったという事例でございます。

CTにつきましても、検査の種類によりましては、一時的ではございますが、右の写真にございますとおり、検査した部分に沿って鉢巻き状の脱毛。一時的脱毛のことが多いですけれども、こういったことが発生することが知られておりまして、これにつきましても多くの報告がございます。

 こういう形で、特にCTの灌流画像と言われているもの及び血管造影につきましては、手技によりますが、皮膚の確定的影響が懸念されるしきい値を超えるおそれがある検査と言えます。

 7ページにございますのは確率的影響でございます。こちらにつきましても、CT検査はもともと実効線量が比較的多いということがございます。通常の単純レントゲン写真等と比べると多いということがデータ上示されておりますし、あとは、核医学検査につきましても、検査の種類にもよりますし、投与量にも左右されますが、検査によっては実効線量がかなり高いものもあるということで、その結果として実効線量がかなり高いところまで至ることがあり得ると考えられます。

 被ばくに対する影響については、8ページにございますとおり、年齢によっても多少影響の程度に差がございまして、相対的リスクが20歳未満、つまり、若い方のほうが起きやすい。疾患としてある程度のエビデンスをもって説明されていますのは、いわゆる皮膚がんと言われているもの。あとは乳腺ですので、乳がんとか、脳腫瘍とか、甲状腺がんとか、そういったものに関しましては、20歳未満の方、お若い方のほうが被ばくに対する影響が強いというふうに報告されております。

 こういった形で、被ばく線量が比較的高いものについては、現実的な面からも被ばくの影響が出ていて、それが報告されているということでございます。

 9ページ、放射線の医療機器についてどのような対応をしているかということでございます。

10ページにございますのは代表的なものでございますが、放射線診療機器について、被ばく線量の表示機能があるかどうかということを出しております。CTにつきましては、2000年代前半、先ほど写真でお示しした鉢巻き状の一時期脱毛ということが海外で百数十例報告されたということがございました。具体的に言いますとアメリカのほうで報告されまして、それを踏まえましてFDAのほうで注意喚起が出ておりまして、それを踏まえて国際電気標準会議(IEC)のほうでCTについて、一番初めに線量、CTDIvolの表示義務が出されました。IECにはJISも参加しておりません。JISもその後、対応していったという形になっております。

 薬事法改正等で、CT機器の認証において、被ばく線量の表示義務がつきましたのは平成17年とされております。したがいまして、平成17年以降の認証機器、CTにつきましては、全てCTDIvolを表示できる機能が備わっていると言えます。

 また、こちらは日本画像医療システム工業会の調べによりますと、CT機器の平均買いかえ年数は11.1年とされておりますので、平成17年に表示義務がつきましたので、それから約12年経過しておりまして、そろそろ多くの医療機関で機器が更新されつつあるという状況にございます。

 それ以外の機器につきましては、透視装置、マンモグラフィ、あと歯科用のエックス線装置等につきましては、CTから大分おくれましたけれども、2010年以降に表示機能が備わっているということになっております。

 それでは、医療被ばくの最適化・正当化について、前回の資料も踏まえてもう一度御説明申し上げます。最適化につきましては、被ばくのリスクを最小化すると。合理的に達成可能な限り低くという原則に基づいて、なるべく下げると言われています。下げるツールとしましては、ICRPの勧告としては、DRL、診断参考レベルの使用を推奨しております。これは通常の条件下において特定の手法により患者の線量または放射能が、その手法にしては全体的に高いか低いかを示すものでございまして、画像診断における参考の線量として使用されております。

 右下のグラフにございますとおり、おおむね75パーセンタイルを採用している検査が多くございます。一部につきましては、山の幅が狭い、つまり、非常に細い、ある程度定まった線量で使われている機器もございました。例えばマンモグラフィ等につきましては、ここが75パーセンタイルでなくて95パーセンタイルというふうに採用されておりまして、かなり高いところでカットオフ値を設けているところもございます。多くは75パーセンタイルを用いております。

 こういった形で多くの施設から集めました検査の被ばく線量、それぞれの検査の被ばく線量を集めまして、上位25%については全体として高過ぎるということがあって、診断参考レベルを参考にしまして、これに向けて被ばく線量を適正化するということを考慮していただくという指標でございます。

 これを設けることによりまして、下にございますとおり、是正措置を必要とする医療機関がある程度決まってきますし、検査の種類もある程度決まってきます。それによって全国規模で患者の被ばくする平均線量を容易かつ大幅に低減できるという仕組みでございます。これが最適化のための一番よいツールの一つでございます。

 おめくりいただきまして、13ページ、医療被ばくの最適化についてもう一度まとめさせていただきました。確定的影響、確率的影響を低減するためには、確定的影響についてはしきい線量がありますし、確率的影響については、直線仮説に基づいて合理的に達成可能な限り下げる必要があるということになります。それに対しての方針としましては、事務局としての御提案は、やはり被ばく線量が相対的に高い検査、先ほど御説明したCT検査や血管造影検査等については、患者のリスクを考慮して被ばく線量を記録するべきではないかと考えております。

 被ばく線量の記録につきましては、これが他の医療機関でも使えるようにということで、患者に提供すべきではないかと考えております。

 第3点としまして、DRLに基づきまして、放射線診療機器もしくは放射性医薬品については、照射線量もしくは投与量を適正に管理していただく。この3つをもって医療被ばくの最適化を図れるのではないかと考えております。

 これが最適化の観点から見た方針と考えております。

 次のページにございますのは正当化という概念でございます。正当化といいますのは、リスク、ベネフィットを考慮しまして、リスクが低く、ベネフィットがより高いものを選択するという行為そのものでございます。

 これにつきましては、さまざまな正当化の方法がございますけれども、一番重要なのが、第2レベルにございますとおり、特定の医学的手法。これは具体的に言いますと、ガイドライン等を参照することによって、それぞれの検査において、その患者さんにその検査を行うに当たって、有益性が高いか、不利益が高いかということを考えて、有益性が高いと考えられるものを使用していただく、検査をしていただくということでございます。

 こういったことをするためには、そもそもそういった検査が対象疾患に対して有益であるということをしっかりと確認するというプロセスが必要になります。したがいまして、この部分につきましては、被ばく線量のリスク・ベネフィットをしっかりと認識するということでございますので、医療従事者がそこをしっかりと認識するということから、ここについては、次のページにございますが、正当化のツールとしましては、医療機関における放射線診療に携わる放射線診療従事者等につきまして、職員研修等を実施することによって正当化が達成されるという形になると考えております。

 最終的に16ページにまとめてございますけれども、医療被ばくにつきましては、そもそも論として、全体の概念はもちろん医療法施行規則等にございます。しかしながら、放射線診療に特化して、適正管理ということにつきましては明確には規定されてございませんので、ここについて明確に規定させていただきまして、正当化のために放射線診療従事者等に関しまして研修を行う。最適化については、研修ももちろんでございますけれども、一つはDRLに基づいて線量管理をしていただく。もう一つは、特に被ばく線量が高い検査につきましては、被ばく線量の記録をしていただく。こういったことをすることによって正当化・最適化が行われ、医療被ばくが適正に管理されるものと考えております。したがいまして、事務局としましては、こういった部分につきまして明確に規定するということをしていきたいと考えておりますので、先生方の御意見を賜りたいと考えております。

 以上です。

○米倉座長 ありがとうございました。

 前回いろいろ議論していただいたことを受けて、今回新たにこのような形で資料をまとめていただいたわけですが、いろいろ御意見があるかと思います。ぜひ皆様方の御意見を伺いたいと思いますので、どなたでも挙手をお願いします。眞島構成員、お願いします。

○眞島構成員 ありがとうございます。

 2点お伺いしたいのですけれども、1点は、CTの線量が7.8mSvと書いてありまして、100mSv以上になるということ、一定の線量がある時点を超えるとよくないというような書き方をされていたかと思うのですが、単純計算で15回ぐらいやると100mSvを超えてしまうのではないかなと思います。これは例えば1年間CTを受けないで、年1回のCT検査ですと、リセットされるという考え方でよろしいのでしょうか。それともどんどん積み重なるのでしょうかということが一つ。

 それから、患者さんは御自分が受ける線量に関して管理されたほうがいいというようなお話があったのですが、そう考えますと、患者さんが手帳みたいなものを持って管理する感じなのかなと思うのですが、欧米では患者さんがこういった被ばくに関してどのように管理されているのでしょうか。もし例があれば教えていただきたいと思います。

○米倉座長 それでは、事務局のほうから今の2点について。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 被ばく線量、CTの代表的な値として7.8mSvと挙げさせていただきましたけれども、これは検査の種類とか患者さんの体格等によって大きく変わります。したがいまして、少なければ数mSvのこともございますし、多ければ2桁台の被ばくを受けることもございます。したがいまして、一概にこのCT検査がぴったり7.8というわけではございませんので、その検査によって被ばく線量は変わってくる。また、先ほど御説明しましたCTにつきまして、線量の表示機能等がついているものもございますので、それについてはそれぞれの患者さんごとに表示される機能がついておりますので、それに基づいてその患者さんのその検査の被ばく線量は把握できます。検査等によって大きく開きがあるということは御承知いただければと思います。

 したがいまして、場合によっては、一つの検査のプロセスの中で100mSv近い被ばくを受けることもあれば、より少ない被ばくを受けることもある。そういったこともありますので、今回の事務局の提案としましては、特に被ばく線量の高いものについては、そういった形で記録するべきではないかということを構成員の先生方に御相談したところでございます。

 それぞれにおいて被ばく線量がリセットされるかどうかにつきましては、非常に難しいところでございまして、一番初めに御説明しましたとおり、点線部分、100mSv未満の部分につきましては、さまざまな意見、これまでの研究結果がございます。直線的なものを示唆する研究もございますが、低いほど影響を受けやすいという報告もございますし、低いほど影響が低いという報告もございまして、ここは一概に何とも言えないところでございまして、積算がどれだけ影響するかということにつきましても、断定的なことはちょっと言いづらいところでございます。

 そういった面も含めますと、将来的にどういった影響が出るかというのは、完全には判明し切っていないところがございます。それもあって、ICRPの中では、よくわからない場合においてはできる限り下げるという観点からDRLを設定したり、記録によって管理するということを挙げているということでございます。

 第2点の線量記録につきましては、具体的にどういったことがなされているか、厚生労働省等による行政施策から離れて、どういった具体的なことがなされているかと申しますと、一つは、放射線技術学会でしょうか、技師会でしょうか、それが例えば被ばく管理手帳のようなものを、学会としてこういったものがありますということを御説明していたりということは承知しております。

 外国におきましては、2018年2月からEURATOMという形で、欧州のほうの法令でございますが、EU指令という形で、2018年2月までにEU加盟各国につきましては、被ばく線量記録について各国の法令に載せるという指令が出ております。

 具体的な部分につきましては、法定後に細かくディスカッションする予定というふうに聞いておりまして、ですので、確定的にどれをどれをということは現時点ではまだ決まっていないと聞いておりますが、記録するという概念につきましては、法令上定められていると聞いています。

○米倉座長 どうぞ。

○眞島構成員 御説明ありがとうございます。

 ちょっとよくわからなかったのは、リセットされますというようなエビデンスはまだ出ていないということなのですか。どんどんやっていくと危ないですよという考えでよろしいのでしょうか。済みません。

○米倉座長 どうぞ。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 その部分につきましては、リセットされるという証拠もないですし、リセットされないという証拠も現時点では定まっていないというところでございます。だからこそ、いい影響が出るか出ないかというところもわかりませんけれども、少なくともほかの目的に付随する被ばくでございますので、有益であろうが、無益であろうが、影響がわからないところにつきましては、できる限り下げるという考え方でございます。

○米倉座長 ここははっきりさせておいたほうがいいので。

 第1点目の御質問なのですが、7ページの表を見ていろいろお話をされていたのではないかと思うのですが、CT検査はどのような被ばくがあるかというところで、「吸収線量」と書かれている部分と「実効線量」と書かれている部分があります。吸収線量のほうはきちんと物理的に測定される線量ですので、これはこれだけ当たっていると言えます。例えば頭部の検査をすると、目には50mGyというかなりの線量が当たっています。すなわち、CTを直接受けている臓器ですと、それなりの線量が当たっています。ただ、同じく検査を受けたときに、それを実効線量という形であらわしてしまうと、たかだか1.8mSvです。頭部のCTに関してはそんなに影響がないということになってしまって、この実効線量のほうは、あくまで放射線防護上計算される単位なので、そこが話を非常にややこしくしていると思います。

 同じようなところがほかにないかと思ってみたら、一番下の骨盤のところを見ていただくと、骨盤の検査をしたときに照射野に含まれる子宮や卵巣は、やはり26とか23というかなりたくさんの線量が当たっています。これが実際に当たっている線量です。私は実効線量でこういう話をするのは反対です。すなわち、実際の影響というのはあくまで吸収線量で見るべきであると思っています。

 そういう状況なので、いろんな線量管理をするときには、実効線量ではなくて、吸収線量が推定できるような記録法をとらないと、単なる実効線量だけでは意味がないと私は考えています。

 例えば今後問題となってくる水晶体の影響というのがあるのですけれども、これに関しては、頭部のCT10回、20回と受けていったときに、そこで考えられる線量というのは、それなりの線量が考えられます。これを実効線量で話してしまうと、多分そういうものはわからなくなってしまうということをおそれています。ということでよろしいでしょうか。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 もう一点追加でございますが、CTの被ばく線量につきましては、記録については実効線量で記録しろとは言っていないのです。例えばEU指令で出ている部分につきましても、吸収線量のほうで記録することと、今のところ確定的ではございませんけれども、実効線量ではなくて吸収線量のほうで記録するというふうになっています。

○米倉座長 もう一点、積算されるのか、リセットされるのかということに関して、どなたか御意見ありませんか。これははっきりさせておいたほうがいいと思うのですが、確定的影響に関しては、明らかに分割照射をすることによってその影響が低くなるということが、今までの放射線治療のいろんなデータから明らかになっています。だから、確定的影響の場合にはそのときの線量率がきいてくるので、何度も何度も繰り返してやったときの影響と、それを一度に受けたときの影響が同じではない。明らかに低くなっていくということがわかっています。

 問題は確率的影響に関して同じようなことがあるかどうかというのは、なかなかはっきりしたデータがないのではないかなというところですが、この点に関して、どなたか。どうぞ。

中村構成員 データではないのですけれども、確率的影響の範囲におきましては、これでシーベルト、いわゆる実効線量で評価しなさいということなのですが、ついこの間までは放射線業務従事者の被ばく制限の量に年齢が利用されていました。18歳以下は被ばくしないということで、従事者の年齢から18を引きまして、当時単位が違いますので、今の20ミリシーベルトではないのですけれども、5レムを掛けて、積算でそれを超えないようにという運用だったのですが、それがもう廃止になっておりますので、基本的にこのレベルにおいては、先ほど事務局のほうでおっしゃられたように、いずれにしても確固たるデータはないと思うのですが、特にここを管理する必要がないというふうになっていると私は認識しておりました。

○米倉座長 あくまで放射線防護上の考え方としてこういうシーベルトが出てきているのですけれども、基本的にICRPの医療被ばくに対する考え方は、一度の検査、あるときにやった検査で常に正当化と最適化を考えれば、それでリセットされています。考え方としては。だから、それをそのときそのときに判断すべきことで。ただ、今、ここで放射線管理上、こういうものをある程度の期間にわたって蓄積したほうがいいのではないかというのは、一つは過去に何があったかということを医療従事者はきちっと理解しておく必要があるだろうということ。

 もう一点は、こういうデータが将来にわたって蓄積されていくと、これは国際的なそういう動きが出始めているのですけれども、低い線量での影響がわかるのではないか。今は、100mSv以下はわからないということにとまってしまっているのですが、本当にそうなのかどうか。これを見るためには、恐らく世界中の人々の医療被ばくのデータが蓄積されて、数十年かけてそのデータが集まってきた段階では、ある程度それが明らかになる可能性があると思っています。管理上のためと将来の疫学調査、2点からこれは非常に重要なことではないか。ということで、欧州はEU指令として出して線量管理をしようとしている。米国に関しては、国というよりも各学会単位でそれぞれ線量記録をするような方向で進んでいる。そういう状況だと思います。

 というのが私の理解ですが、どなたかもう少し詳しい方。どうぞ。

○小田構成員 小田です。

 記録に関して先ほどあったかと思うのですけれども、検査とか照射の記録というのは、診療放射線技師法の第28条に、人体に照射した場合に必ずその照射条件を記載するということがありますので、今、行われている検査に関して、撮影条件等が全て記載されているかと思います。照射条件から被ばく線量の推計ができるかと思っておりますので、基本的に後追いで計算することは可能かと思います。

 今、本会のほうで進めて、平成19年から先ほどお話が出ましたレントゲン手帳の活用、患者さんのほうにお渡しして、患者さんが自分が受けた線量を記載しておくという運動をしておりまして、今、80施設ほど使っていただいて記録している現状、進めているという段階でございます。

 以上です。

○米倉座長 ありがとうございます。

 この点に関しては一旦よろしいですか。

 それでは、山口構成員、お願いします。

○山口(武)構成員 16ページに具体的な対応方針ということで、医師・歯科医師に対する研修、あるいは放射線診療従事者等に対する研修ということがございますけれども、これは患者さん、あるいは一般の方に放射線の被ばくに関するリスクについて、啓発活動をしたほうがいいのではないかと思います。今、米倉先生のお話を聞いていて私もよくわかったのですが、そういう形でふだんから例えばCTの被ばくに関するリスクなどについて理解していただくということが、重複してCT検査をいろんな病院で受けたりすることを避ける方向に結びつくのではないかと思いますので、ぜひとも啓発活動をお願いしたいと思います。

○米倉座長 貴重な意見、どうもありがとうございます。非常に重要なポイントだと思います。

 その他。では、市川構成員、お願いします。

○市川構成員 今の16ページの件なのですけれども、最適化というのは、今、線量のことでお話をお伺いして大分わかったのですが、正当化というのがなかなか難しいと前々から先生方がおっしゃっているのですけれども、研修ということが対応として出ているのですが、この辺のところは具体的にどういう研修を行うのか。例えば対象とか、CTなどはどのくらいの頻度でどれくらいやるとか、疾患によっても違いますし、どういうことを考えているのか、お教えていただければと思います。

○米倉座長 大事なポイントです。ありがとうございます。

 一般に正当化は、ガイダンスあるいはいろんなガイドライン等で各学会でやっていることが多いと思うのですが、これをこの中で入れてこられたところについて、もし事務局で何か御意見がありましたらお願いします。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 まず、放射線被ばくに関する研修、教育、啓発等も含めてなのでしょうけれども、こういったものは、放射線に限らず、医療安全の管理でもよく言われておりまして、例えば院内感染に対しましては、医療法の中で研修の実施、院内でのガイドライン等の策定とか、委員会の設定等を行って、それぞれの病院において、院内感染に対する専門の先生等が直接お話しいただくか、あるいは先生をお招きいただいて研修等していただくとか、場合によっては実地的なこと、手洗いとかそういったものを含めた研修等も行って、院内感染対策のための方策を実施しているということがございます。

 医療放射線管理につきましても、おおむね同様と考えておりまして、つまり、そういったものを例えばそれぞれの医療機関における放射線の専門の先生から、放射線診療に携わる医療従事者に関しまして教育研修等を行う。それを行うことによって医療放射線を適正に使用できるようなことをしていただくということを想定しております。

○米倉座長 どうぞ。

○市川構成員 そうしますと、おっしゃっているのは、具体的には各施設で対応するということでいいわけですか。各施設でやるにしても研修プログラムをつくらなくてはいかぬと思うのですが、そのとき、ある程度参考となるようなガイドラインをこの委員会のようなところで出すのか、それともこういう方向だということでとどめておくのか。その辺のところはいかがでしょうか。

○米倉座長 これは、まず事務局からお答えいただいて、私の考えは後からお話しします。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 そういったことに関しましては、確かに各医療機関に完全に委ね切ってしまうということについては、それだけでは医療放射線の安全管理が担保できないのではないかという御意見は、まさしくごもっともというふうに考えております。したがいまして、事務局としましても、そういった部分につきまして、適切に医療機関の先生方が医療放射線の安全管理の情報に容易にアクセスできるように、そういった仕組みづくりにつきましては事務局でも検討させていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

○米倉座長 私は、正当化を細かいレベルでやるのは無理だと思います。というのは、極端なことを言うと、そのときやってきた患者さんによって全くその状況が違うわけで、そのときに我々が参考にするのは、学会等がつくっているガイドラインを参考にしていく。これはほかの診療科でも全て同じだと思います。

 だから、ここで言うべきことは、正当化が大事なのですよということを教えることです。基本原則だけが最も重要なところで、細かいことはそれぞれのガイドラインに沿って、場合によってはそういうものを参考にしながら簡単なレクチャーをしていただくというのもあるかと思うのですが、細かいことを全部各病院で例えば年に1回やりなさいと言われても、非常に難しいような気がするのですが、いかがでしょうか。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 その点につきまして、まずどのぐらいの間隔でやるとか、そういったものにつきましては、現時点で一概にお答えできませんけれども、ただし、何も規定がない中で研修してくださいというのは、安全管理として十分に機能しているかどうかという点もございますので、ある程度の区切りを持って教育研修等については義務づけるということをしなければならないと認識しております。

○米倉座長 恐らく実態から言うと正当化と最適化を含めたような研修をしていただくということだと思います。項目として正当化も入れておかないと片手落ちになってしまうのではないですか。

 ほかはいかがでしょう。小田構成員、お願いします。

○小田構成員 私も16ページの具体的な方針の中の研修なのですけれども、2番目の医療従事者等に対する研修というのは、今、実はRI法のほうで教育訓練等でも各施設の中で法令で義務づけられている、時間数と項目が決められているのがあるのですが、こういった医療従事者に対する最適化のための研修といいますと、医療施設で見ますと、1人の医療従事者、放射線技師さんから大きな大学病院までいるという中で、施設の中でやるというのも大変になってくるかと思いますので、私どもの団体、同じ医療従事者合同で行うとか、そういったことが必要になってくるかもしれませんけれども、具体的に法令による義務化とかそういったことをお考えで、今後進めていくような方向にいるのでしょうか。

○米倉座長 この点はいかがでしょうか。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 事務局としましては、そういった部分、研修については、従来研修の実施が定められている院内感染等も含めますと、ある程度義務化して省令等で定めたいと考えております。今、御指摘ございましたRI法における予防規程とか実習につきましては、RI法について許可を得ている医療機関、具体的に申しますと、恐らく放射線治療機器、リニアックとかガンマナイフとかを備えている医療機関においてはRI法の許可も得ていまして、それに基づく規定がございます。ただし、そういったものを備えていない、つまり、RI法上の申請、届け出等をしていない医療機関については、現時点では予防規程等を定めるとか教育研修するという義務づけはございません。したがいまして、この部分につきましては、CTの被ばく線量が多いということを考えますと、リニアックがなくてもCTがある病院はたくさんございますので、その部分についてある程度義務化をしなければ、教育研修のほうに進まないというふうに考えています。

 また、RI法の予防規程、ガイドライン等、これは原子力規制庁のほうがお詳しいと思うのですが、そちらに関しましては、既存の放射線に関する教育研修のシステムが他の法令である場合においては、それをもってかえるというあちらのガイドラインに定めておりますので、そういった観点からは、医療機関でほかの法律で予防規程、教育研修等が定められている場合においては、それとの兼ね合いで両方ともやらなければいけない医療機関さんの負担が最適化という形になるような形で考えていきたいと考えております。

○米倉座長 よろしいでしょうか。

○小田構成員 各医療機関だけの負担よりか、団体の中で研修を設けるような形で御協力していきたいと思いますので、義務化というのは大賛成で、ぜひお願いしたいと思っております。

○米倉座長 ほかに。では、三井構成員、お願いします。

○三井構成員 研修の義務化というところですが、義務化をすると、我々医療機関のほうとしましては、きちっと研修を受けていなければ放射線診断ができないという問題が出てくるわけで、100%実施ができる方策とか、そういうことを持たれて義務化というふうに考えられているのでしょうか。

○米倉座長 どうぞ。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 その部分につきましては、先ほど事務局としての御意見を申し上げましたが、そういったことで医療放射線の安全管理、診療所とかになってきますと、必ずしもそういったものに関する情報等にアクセスできる、どこにアクセスすればよいかわからないという診療所の方々もおられると認識しています。したがいまして、我々としましては、そこが適切に容易にアクセスできるような仕組みであるとか、そういった講習会といったものについて、事務局として検討していきたいと思います。それをもって義務化とするということです。

○米倉座長 いかがですか。

 例えば講習会というのはいろんなやり方があって、eラーニングシステムを持ち込むなどというのは非常にいい方法だと思うのですけれども、そうすると、どんな小さなクリニックでも時間を見つけて勉強することができるとか、いろんな方法を考えて、ともかくあまねく全ての医療従事者がこういう知識を持っていただくということが大事かなと思います。

 渡邉直行構成員、どうぞ。

○渡邉構成員 ありがとうございます。渡邉でございます。

 事務局から提案していただいた概念ということで、少し戸惑いもあるのですけれども、ある意味新しい時代の幕開けなのかなということで、基本的には賛成いたします。その中で若干戸惑いを覚えているところがございますので、その点を質問させていただきたいと思います。皆様も御存じのように、放射線防護の三原則、正当化、最適化、線量限度。医療の場合は線量限度については考慮しないというのがこれまでの考え方だと思うのです。一番気になるのは最適化で、事務局で示していただいたのが、患者さんの被ばく線量を考慮して、そして線量を絞っていく、最適化していく。線量の最適化ということだと思うのですが、これまでの概念ですと、患者さんの被ばく、先ほど新しい時代が来ているのかと言ったのはこの点なのですけれども、従来は例えば画質がどこまで担保できるかということで最適化を。ちょっと古い先生方と言ってはいけないでしょうけれども、私たちはそういうふうに考えてきたのですが、今後は患者さんの被ばくという観点から最適化というのを考えるのでしょう。ただ、そうなりますと、もともと医療で考えなくてよかった線量限度という概念のほうに当てはまると思います。線量限度、最適化、正当化というのをもう少しここで整理したらいかがなということが私の懸念でございます。

 もう一点は5ページですけれども、せっかくなので教えていただきたいのですが、これはいつも迷うところですけれども、例えば発がんリスク100mSv以下、そしてがんリスク100mSv以上ということで、100mSv以下、未満、以上というのはどういうふうに読むのかということ。

 もう一つは、100mSvで、放射線防護の考え方として95%信頼区間というものがあるのか。例えば90.1mSv95.8mSv100mSvと読むのかということです。

 もう一つは、これに関連して8ページ、相対的リスク、20歳未満、20歳以上。実は安定ヨウ素剤を作成するときもかなり悩むのですけれども、では、19歳8カ月ならどうなるのか、1911カ月ならどういうふうに読むのか。この部分も含めてぜひ。後者の場合は、私の不勉強もございまして、教えていただければと思います。よろしくお願いします。

○米倉座長 何か答えを出せますか。一番最後のこれは、UNSCEARの出した2013年レポートをそのまま表で持ってこられたのだと思います。これまで子供の被ばくというのは、一般的に感受性が高くて、しかも受けてからの年限が長いので、子供のほうが感受性が高い、リスクが高いと言われてきたのだけれども、これまでの論文を整理したところ、がんの種類によって違うのだということが報告されたというところが主体でして、余り細かく20歳でどうのこうのという問題ではないと思っています。

 最初のほうの問題、100mSvのところですが。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 この部分につきましては、ぴったり100mSvというものではございませんで、これまでの統計的なデータ、アカデミアのデータからICRPのほうで100mSv以上についてデータがある程度あるということをお示ししているにすぎませんので、例えば90.1の方と109.9の方が明確にどれだけ違うのかということについては、統計的にもちょっと言いづらいというところがございます。

 それと同じでございますけれども、甲状腺につきましても、どのぐらいからということは、必ずしも明確に規定はできないと思います。ですので、例えば19歳の方と21歳の方で甲状腺への影響がどれだけ違うのかというのは、統計的にはそこを証明するのは不可能ではないかと。それぞれの患者さんごとに感受性も違いますので、そこについては事務局の知る限りデータもございませんし、統計的にも難しいのではないかと考えております。

○米倉座長 線量限度ではないと思っているので、渡邉構成員の考え方としては、新しい時代に入ったという考え方をされたのですけれども、そこのところを説明していただけますか。

○渡邉構成員 新しい時代に入ったというのは、この数値の読み方ではなくて、一番最初に質問させていただいた最適化の考え方ですね。

 数値の読み方というのは、おおよそで読みなさいということがわかりましたので。どうもありがとうございました。

○米倉座長 最適化に関して、DRLですが、ここでは画質は一切考慮していないのですが、実態から言いますと、現在の新しい考え方としては、画質も常に考慮しながら判断しなければいけないという流れになっていると私は理解しています。

 そのために、これは幾つかの医療機関が今始めている、特に米国が始めていると承知しているのですが、DRLの算定根拠のときに常に画質の評価を入れる。画質を何段階かで判断しながら、画質が悪い場合、線量が低くても意味がないわけですから、そこはきちっと考慮しなければいけないというのは当然だと思います。

 実際にDRL、国内でそのデータをとりにいくときも、本来は使えなかったデータというのは、その中に入れては困るわけです。そこの考え方は特に変わっていないように私は思っているのですが。

 赤羽先生がちょうど来ていらっしゃるので、日本のDRL策定にいろいろ御尽力いただいたのですが、何かございますか。

○赤羽参考人 御指名いただきましたので、赤羽と申します。DRLs2015の策定、それから2020年に予定している次回の改定の担当をしております。

 おっしゃるとおりで、とてもわかりにくい新しい概念なのですが、あくまでも線量限度ではございませんで、DRLの目的は、世の中のほかの施設とうちの施設を比べて、うちの施設は高いのか、低いのか、こういう施設間の相対的な比較をするための指標でありまして、ある患者さんの線量を制限するとかそういう目的では一切使われないものですので、その点は何の変更もございませんので、御安心いただけたらと思います。

○米倉座長 どうぞ。

○渡邉構成員 御説明ありがとうございます。

12ページのところで、結局、DRLの導入というのは、最終的に下の段階に書かれている「これにより、全国規模で患者が被ばくする平均線量を容易かつ大幅に低減できる」。ですから、最終目標はここなのですね。DRLの当初の概念というのは多分そうだと思うのですけれども、この検討会で事務局が出されたDRLの導入の目的というのは、もう少し先を見ていると思うのですけれども。

○赤羽参考人 よその施設よりも高い施設が次にすべきステップというのは、うちの施設は不必要に高いかもしれないので、画質を落とさない範囲で、あるいは診断能を落とさない範囲で線量を下げられないかどうか検討するというのが、次のステップとして定められています。そのように使われますので、画質は担保されていて、結果として高い施設が線量を下げることによって平均は下がりますけれども、日本全体でどんどん下げていこうという話ではないのです。少なくとも診断参考レベルはそこに使われるものではございません。

 診断参考レベルを用いた最適化が十分に進んだところで、次のステップとして、それでは、診断参考レベル以下でやっている施設の最適化をさらに推進するためにどうしたらいいかというのは、別の方策を考えましょうという流れが今、世界的には起こっています。これは我々日本も次にやらなければいけないでしょうが、当面はまず高いところから対応していきましょうと。これは診断に限らず、一般的な参考レベルの考え方かと思います。

○米倉座長 今、非常にクリアに説明していただいたと思うのですが、あくまでDRLは余分な線量を当てているのではないか、そういう施設に警告を出して、その施設がみずから線量を再評価して、最適な線量に持っていくというところです。高いところを落とすのが目的で、結果として全体として平均値が若干下がるのですけれども、形から言うと、多分シャープになっていくのだと思うのです。特に右側の裾野を引いている部分がなくなっていくという考えです。当然必要な線量はあるわけですから、画質を落とすことまでして線量を下げろということではないというところはきちっと理解しておかなければいけないと思います。

 では、渡邉構成員。

○渡邉構成員 ありがとうございます。

 そうしますと、先ほどの件もあるのですが、最適化の指標としてDRLを入れていく。そしてステップごとにより高みの目標に向かっていくということなのですけれども、私の概念としては、最終的にはこれは医療の中でも線量限度にかかわってくるのではないかなという印象ですが、これは。もともと線量限度を最適化、正当化というのは、単純に独立したものではないと思いますので、いろいろかみ合っているものなのでしょうけれども、最終的に患者さんの照射線量と被ばく線量が落ちてくるわけですから、それは線量限度という放射線防護の考え方にはならないのでしょうか。

○米倉座長 そこはそれぞれの検査法、あるいは検査でない場合もありますが、それぞれの手法によって変わってくるわけで、それぞれの手法でこれぐらいあれば十分でしょうというガイドラインをつくっていくようなものだと思うのです。だから、その患者さんがCTの検査を3回受けて、4回目は受けられませんよという意味での線量限度はあり得ない。だから、それぞれの検査における線量の最適化であって、トータルとしての線量が下がるという意味はしていないと思うのです。言い方を間違いました。そこに線量限度はないと私は思います。

○渡邉構成員 わかりました。ありがとうございました。

○米倉座長 少し細かい話になってしまいましたが、よろしいでしょうか。皆さんの理解を共通にしておきたいのですが。

 全体を通してほかに。では、渡部構成員、お願いします。

○渡部構成員 ありがとうございます。

 医療被ばくの適正管理ということで、主に人の管理という概念かと思うのですが、装置側の適正管理というところでは、DRLという考え方というのは当然必要だと思うのですが、個々の装置もだんだん劣化するとか、そこら辺について何か考え方はございますでしょうか。

○米倉座長 では、事務局、お願いします。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 渡部先生の御意見としましては、機器が古いときと新しいときということでしょうか。

○渡部構成員 実際に被ばくする量というのも装置によって大分違いますし、古い装置と新しい装置で品質管理、同じ画質を得るためにも被ばく量が大きく異なる場合もありますね。そこら辺、装置の管理の観点から何か枠組みみたいなものはございますでしょうか。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 それぞれの機器の性能、製作年、導入年ごとに、ある程度同一の線量であっても画質に差があったり、同一画質であっても被ばく線量にある程度差が出てくるということは承知しております。その一方で、DRLをある程度規定して、自分たちの医療機関の個々の機器とまではいきませんけれども、それぞれの医療機関がもう一度自分たちの機器の設定といいますか、同一画質であっても実は線量を下げられるであるとか、そういったところにしっかりと気づいていただくというところが非常に重要だと思っております。そういう観点からも今回御相談の正当化、最適化という概念に基づく研修とかDRLの設定というふうに御提案しております。

 つまり、必ずしも正当化という観点を踏まえて線量を設定している医療機関だけではないかもしれませんし、そういったことで、多くの医療機関の中で線量低減、診断に影響がないような形で被ばく線量を適正化していただくという一つの考え方として入れさせていただこうと考えております。機器それぞれにおいて個別にという考えではないということでございます。

○米倉座長 今、提起された問題というのは、放射線照射装置の安全管理、あるいは機器、装置の管理についてはどうなっているのかと。それをこの中で一緒に取り入れたらどうか。16ページに書かれている医療被ばくの最適化のための方策の中で、医療放射線の安全管理のための体制の確保と書かれているので、これだとまさに今のような装置の管理ということもどこかで考えなければいけないと。多分こういう御提言だと思います。

○渡部構成員 そうです。

○米倉座長 これに関しては。どうぞ。

○小田構成員 ありがとうございます。

 放射線の照射装置、撮影装置等を必ず新しく追加してくるときに、アクセプタンステスト、据えつけ試験というのを必ず行いまして、それ以降は定期的に保守点検という形で管電圧、管電流、タイマーをはかって、装置の駆動とともに照射線量が一定であるようにと。ずれていれば直すといったような保守管理はやっているということで、それを従事者も存じ上げて一緒に日々やっていくといった管理は現状やっておりまして、今後も引き続きやらなければいけないかなと思っております。

○米倉座長 今の部分は実際に法的にどこかに書かれているということですか。

○小田構成員 据えつけ試験ということです。

○米倉座長 そうですね。

○渡部構成員 それは歯科とかでもそうでしょうか。

○小田構成員 全ての放射線を発生する装置に関しては同じような形で決定されると思います。

○米倉座長 では、古川構成員、お願いします。

○古川構成員 先ほどの件ですけれども、昔のイメージインテンシファイアを使った装置ですと、検出器の劣化ということがかなりあったわけですが、現在使っている平面検出器を用いた装置、またCT等で使っているものであれば、その使用による劣化というのはほとんどないといえますので、新しい装置においてはその辺のところはほとんど考えなくてもいい。先ほど保守点検等で言っていただいたところを確実にやっていただくことでその辺の問題はなくなってくると思っています。

○米倉座長 ありがとうございます。

 米国のCTの過剰照射のときに、たしか装置側の設定ミスか何かで非常に高い線量が当たったということがあったのですね。

○古川構成員 パフュージョンの件で、パフュージョンの撮影の場合は管電圧を下げ、撮影間隔をかなり開けて撮るものなのですね。ところが、通常の検査、例えば0.5秒の撮影での設定のままで1分間ずっと連続撮影をしてしまったとか、そういう設定ミスがあったために発生したというのがきっかけです。

○米倉座長 ありがとうございます。

 それ以外にいかがでしょうか。眞島構成員、お願いします。

○眞島構成員 先ほど山口(武)構成員からページ16に関してコメントがございましたけれども、今、厚生労働省で患者・市民参画の医療を進めていると思うのですが、当事者である患者さんへの啓発も非常に大きな柱になるべきことではないか。それから、先ほど小田委員のほうからレントゲン手帳というお話がありましたけれども、そのようなツールを使ってこれから国民的な啓発をやっていただければ、本当にありがたいなと思いました。コメントでございます。

○米倉座長 ありがとうございます。

 その他、よろしいでしょうか。

 ほぼ議論も出尽くしたとようですので、この件に関しましては、きょう皆さんからいただいた意見をもう一度事務局で取りまとめていただいて、今後の議論の進め方等。どうぞ。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 今回、構成員の先生からさまざまな御意見をいただきまして、事務局としまして御確認させていただきたいところが何点かございます。さまざまな御意見を承りましたけれども、まず医療被ばくの正当化・最適化の概念そのものといったことに関して、法令上義務づけるということに関しては、この検討会の中で御同意いただいたと考えてよろしいでしょうか。つまり、枝葉末節といいますか、より細かな規定等細部については検討していくとして、大枠の概念的な部分の正当化・最適化に関して、医療放射線の安全管理という観点をある程度法令上明確化するところに関しましては御同意ということでよろしいか。そういうところについて明確にさせていただきたいと思います。

○米倉座長 再度の確認ですが、基本的な考え方として医療被ばくを適正に管理する上でのコンセプトというものをこの会で合意したということにしてよろしいかどうかということですが、よろしいですね。

(「はい」と声あり)

○米倉座長 特に反対はないと思いますので。今の基本的な考え方については皆さん、合意していると。ただ、細かい点で幾つか御質問がありましたので、そのあたりを入れた形で。

○稲木課長補佐 あともう一点ございまして、それを踏まえた上での確認でございますけれども、今回正当化・最適化両面にわたるものについてはいろいろ御意見を賜りまして、研修に関して、それがしやすくなる、容易に医療機関にとって可能となるようなシステムといったものを考えるということを担保に研修の義務づけということをこちらの事務局のほうから御相談したところが1点。あと、最適化の観点からDRLに基づいた線量管理の部分と、特に線量が高いもの、特にCT等に関する記録の部分。この3点については、それぞれにおいてさまざまな御意見をいただきましたけれども、御同意という形でよろしいでしょうか。

○米倉座長 一点ずつ確認しましょうか。まず、研修についてはいかがですか。これは多分どこでも必要なことで、しかもそういうツールが与えられるということが条件ですけれども、それで義務づけていけばどうかと。2点目が線量の記録。これに関して、比較的高線量と呼ばれるCTIVR関係を中心としたようなものについては、やはり記録を残していただくということが必要ではないかというのが2点目でしたか。

○稲木課長補佐 あと、DRLですね。

○米倉座長 DRLCTですか。あるいは全てのDRL

○稲木課長補佐 そこは子細といいますか、それも細かいところになってくると思いますけれども、少なくともCTは代表的に出させていただきましたので、ただ、J-RIME、被ばく研究情報ネットワークのほうからさまざまな機器について、指標とすべきものとしてDRLが出ております。厚生労働省としましては、厚生労働省の中でDRL等をというよりは、関係団体の方々が作成されたものが、一番多くの施設からデータ等を集めて作成していただいておりますので、我々としましては、そういったことに基づいてDRL、特にCT等について規定する形にしていただいているかということでございます。

○米倉座長 DRLを導入する、それを義務づけるということに関してよろしいでしょうかということですね。

 どうぞ。

○渡部構成員 2番目の記録に関しては、医療機関のところで記録をするのか、あるいは患者さんにデータとして提供するところ。そこはよくわからなかったのですが。

○米倉座長 私は、あくまで医療機関が記録をするということだと。

○稲木課長補佐 そこは医療機関においてということでございます。

○米倉座長 もちろん、そのデータを患者さんに渡すという行為もあるのですけれども、そこは少し気をつけて、常にきちんとした説明と一緒でないとかえって変な誤解を与えることもあるので、注意が必要だということを思っています。

 よろしいですか。では、渡邉構成員。

○渡邉構成員 情報の共有化ということで再度確認させていただいて、理解させてください。DRLの最適化というのは、どうも私の頭の中でしっくりこないのですね。DRLの導入というのは適正化ではないのですか。最適化ではないのではないかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○米倉座長 DRLを入れることによって、本当に最適化がそれだけでできるか。私は、最適化の一つのツールだと思っているのですが、最適化といったときに、非常に高い線量を使っているところに対してウォーニングをかけるという意味での最適化。これだけだと、実は低い線量のほうで十分な写真が撮れていないところの最適化はできないのです。そういう意味で、そういう考え方も今後入れていかなければいけないと思うのですが、あくまで一つのツールではないかと。

○渡邉構成員 そうすると、適正化ではなくて、最適化という言葉でよろしいのですね。

○米倉座長 放射線防護上使っている最適化の一つのツールとしてDRLが使われていますので、それでいいのではないかと思うのですが、赤羽先生、どうですか。

○赤羽参考人 DRLで実現される最適化の推進される部分は、最適化全体のほんの一部でありまして、ある施設が自分の施設がDRLを超えていなかったとしても、では、最適化しなくていいかというと、そんなことはないわけで、そうでない部分に関してたくさん最適化を我々は日々やっているわけですが、全員がしっかりやっているかどうかを保証できるわけではないので、DRLを超えているところに関しては、特に最適化が不十分なおそれがあるという形で、各施設が認識するための役割、知るためのツールという形ですので、最適化全体はもっとずっと広い範囲で、DRLはそのうちの一部に関して具体的に警告を発するトリガーのようなものということでございます。

○渡邉構成員 わかりました。ありがとうございました。

○米倉座長 いろいろ議論をいただくことによって我々の意識が共有できてきますので。ありがとうございます。

 それでは、この議題についてはここまでとさせていただきます。

 次が議題2「診療用放射線照射器具を永久的に挿入された患者の退出について」、事務局からお願いします。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 お手元の資料2-1と2-2をごらんください。同時に、これに関しましては参考資料として参考資料3-1と3-2をつけております。先に資料の概要を御説明いたしますと、参考資料3-1、3-2につきましては、いわゆるシード、これまでいろいろと御議論いただきました前立腺がん等に対する密封小線源といったものに関する現行の通知でございます。これが参考資料3-1、3-2でございます。

 前回構成員の先生方に御相談させていただきました厚労科研に基づく線量限度の再検討を踏まえまして、資料2-2にございますのは、事務局で作成いたしました参考資料3-1、3-2に対する新たな指針案というものでございます。今回資料2-1を用いまして、新たに事務局で作成しました指針案の変更点を中心に御説明したいと思います。

 それでは、資料2-1をごらんください。前回シードの御議論をいただきまして、さまざまな御意見をいただきましたが、ヨード125については、エネルギーの低いガンマ線を使っていますので、サーベイメーターについて検討したほうがいいのではないかということがございました。

 もう一点、1日入院というものが通知で定められているところでございますが、ここに関しましては、見直し等について可能かどうかという御意見をいただきました。そういった観点からも、外来でしてほしいという御意見もございました。

 また、一般的な退出基準とは別にという形で、それぞれの患者さんごとの退出基準というような御意見も賜りました。そういったことも考慮して今回新指針案の策定を考えております。

 4ページから御説明しております。今回新しい指針案と旧指針と比較した改定のポイントとしまして3つございます。1つは、ICRP2007年勧告、Publication103の取り入れでございます。これは第3回の検討会の中で退出基準全体の御議論の中で出てきたことでございますが、患者を訪問する子供につきまして、従来1990年勧告で使っておりました病人を訪問する子供、患者さんの子供に対しましては、医療被ばくとして線量拘束値、1行為当たり1mSvという形で設定させていただいたところですけれども、これにつきましては、その後のさまざまな知見等によって、2007年勧告、Publication103においては、子供についての公衆被ばくと考えるべきであるという形になりましたので、今回新指針案としましては、もともと子供は公衆被ばく以外のもので1行為1mSvという線量拘束値を設定しておりましたが、新指針案では一般公衆と同様の公衆被ばくとして年1mSvを線量限度とするという最新の知見を入れさせていただこうと考えております。

 おめくりいただきまして、5ページは、前回御議論の中心になった部分でございますけれども、退出基準の引き上げでございます。こちらに関しましては、厚労科研の検討を踏まえまして、現行指針で1,300MBqであったものを新指針案では2,000MBqのほうに引き上げるという形で考えております。これに伴いまして、2,000MBqから逆算しました1センチメートル線量当量率として2.8μSv/h。1メートルの距離でという形で変更させていただきたいと考えております。

 おめくりいただきまして、6ページでございます。前回外来でという御意見をいただきまして、ここにつきましては、なぜそもそも入院で一泊をやっているかと申しますと、線源を挿入した初日に線源が脱落して尿中に出てくるということがあって、ほとんどの事例においては初日であるということを踏まえまして、そういった線源管理上、一泊入院という形で規定しているところでございます。これに関しましては、現時点において、それに対する新たな知見等は出ておりません。したがいまして、放射線の管理上の観点から、初日については脱落線源が尿中に出てきてしまうおそれがあることから、ここはなかなか管理上難しいところでございまして、ここにつきましては、現行指針どおり最も線源脱落が多い1日目につきましては、病院に行っていただいて管理させていただくのが管理上妥当であると考えております。したがいまして、線量引き下げではございますが、線源脱落のことを考えて、1日は入院していただいたほうがいいと。その部分については知見等ございませんので、通知は変更できないと考えております。

 それを踏まえまして、資料2にございますような指針案を作成いたしました。ここにつきまして、資料2-1の変更点を中心に先生方の御意見を賜りたいと思います。

 以上です。

○米倉座長 ありがとうございます。

 今、御説明していただいた資料2-1のほうが基本的な考え方、それを反映した指針が2-2になっているということです。

 この件に関しては、日本放射線腫瘍学会が適正使用に関してのガイドラインを現在改訂中だと聞いていますが、茂松構成員のほうから何か御意見がありますか。

○茂松構成員 現在、シード線源による前立腺永久放射線の安全に関するガイドライン、シードガイドラインと呼んでいますが、これを改訂しております。前回のこの検討会で2,000MBqを挿入した患者さんも一般公衆の被ばく1mSv/y、あるいは介護者の5mSv/1行為は十分担保されるということを受けまして、退出基準の改訂方針が承認されたことから、日本放射線腫瘍学会では、これまでの第5版ガイドラインを、適用量の拡大に伴う最新の情報、様々な線源の形状などに合わせて、第6版の発行に向けて改訂作業を行っております。

 退出基準の改訂に伴う変更としましては、適用量または体内残存放射能の拡大などに伴い、第三者の被ばく線量の算出方法の変更、実際挿入時、手術時の放射線医療従事者の被ばく、あるいは患者さんが亡くなって、火葬されたときの周囲の関係者の被ばくという細かいことも再計算を行っております。今後発出される退出基準にかかわる通知などに伴う修正及び添付資料の差しかえも行っております。

 一番重要なことの一つは、退出のときの測定で、測定された線量率に基づき安全を担保することで、適切に1センチメートル線量当量率の測定を行うことということです。その測定器が適切に校正されているということも必要だということで、その点に関しても、測定機器がヨード125の光子エネルギー領域において校正されていること、国家標準とのトレーサービリティー、定期的な機能確認などについても追加しているところです。

 私は放射線治療専門委員会シードガイドライン改訂ワーキンググループの委員長をしておりますが、今月中にガイドラインの案を策定して、これを関連学会、泌尿器科学会等で承認をしていただき、厚労省にガイドラインを提出する方針で、5月中には新しいガイドラインができればと考えております。

 以上です。

○米倉座長 ありがとうございました。

 それでは、この件に関しまして、全体を通して御質問、御意見がありましたらお願いします。今まで治療できなかった患者さんがたくさんいらっしゃったわけですが、これによって、そういう方々が一泊の入院で治療を受けて帰っていかれるという非常に大きなメリットがあるかと思います。放射線防護上もそこを非常にクリアにしていただいたのですが、子供さんに関して、完全に公衆被ばくの中に入れて年間1mSvという形にしていただきました。

 茂松先生、お願いします。

○茂松構成員 先ほどの1日入院の件は、私が前回提案させていただきました。1日目に脱落する線源が一番多いことは間違いありません。正確なデータは出されておりませんが、その頻度は非常に低率です。さらに、今は一つ一つ線源を個別に入れているのですが、最近は、連結線源という数個がつながった線源を入れるデバイスが一般的になってきております。その場合、連結したものを挿入するので、脱落する可能性は大幅に低減します。外国では連結線源というのが当初から取り入れられていたのですが、日本ではシードとシードを連結させる物質が医療機材として認められていなかったのですが、それが可能となり、脱落の頻度は非常に減っています。もちろん退院日以降(2日目以降)に脱落する可能性もありますが、患者さんへの対応や、入院による医療費の問題などを考えていただければと思っています。

○米倉座長 眞島構成員、お願いします。

○眞島構成員 ありがとうございます。

 1つ教えていただきたいのですけれども、通常の外科手術ですと、患者さんにはハイボリュームセンターに行って受けてください、そういったハイボリュームセンターへ行ったほうが合併症は少ないのですというような説明があるのですが、このケースに関しては、そのような専門医制度とか、何らかの形でこの先生にこのような治療を受けたらいいのですよとか、そういうガイドラインはございますでしょうか。

○米倉座長 茂松構成員、お願いします。

○茂松構成員 放射線治療専門医と泌尿器科専門医がいて、シードの講習会を受けているということが大前提となっています。メスを入れる開腹手術とは違い、泌尿器科で前立腺がんの人に針生検を行うことの延長のような方式で施行可能です。

○米倉座長 ということは、この治療を実施している施設であれば、皆さん、講習も受けているので、どこであっても同じような治療が受けられるということですね。

○茂松構成員 日本放射線腫瘍学会のホームページを見ますと、認定施設が百数十確認できます。その中で放射線腫瘍学会として認めている施設の一覧を見ることができます。

○米倉座長 ありがとうございます。

 渡部構成員、お願いします。

○渡部構成員 脱落線源は非常に頻度が少ないということでしたけれども、実際に国内の調査とか、数字が出ているのでしょうか。

○茂松構成員 今は正確なデータを持ち合わせておりませんが、日本全国レベルではないですが、幾つかの施設での数字は出ていると思います。実際慶應でも出しております。

○米倉座長 例えば24時間で脱落した例がどれぐらいあるとか、そういう数値はございますか。

○茂松構成員 はい。

○米倉座長 どれぐらいなのでしょうか。

○茂松構成員 ここで申し上げられるような正確な値を今、持っておりません。退院してからも結構脱落していて、患者さんが気づかずに流してしまうこともあります。患者さんによっては、紅茶の茶こしで尿をこして、出てきてしまいましたと持ってこられることもあります。その場合は定められたいくつかの処置が必要になります。

○米倉座長 それでよろしいですか。なかなか難しい問題ではあるのですが、極めて頻度は少ないのでしょうが、それはそのまま流れてしまえば、それが一番安全なのですか。

○茂松構成員 はい。

○米倉座長 持ってこられると、かえってそれで被ばくしますね。

 どうぞ。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 事務局としましては、その辺の安全管理上問題ないというところは、1日入院につきましても、そういったエビデンスに基づいて1日目は多いということで策定しております。したがいまして、こういったものにつきましては、エビデンスの蓄積によって、それに応じてその都度その都度適切に評価されるべきものと考えておりますので、事務局としましては、エビデンス等の蓄積によって今後考えさせていただくということになると考えております。

○茂松構成員 全国レベルで前立腺の組織内照射を施行している施設による検討会があります。その中で多くのことが検討されています。生存率や有効率を中心に始まりましたが、それ以外に、線源が静脈に入って肺に飛ぶこともあり、その頻度など科の調査もやって論文が出ております。この検討会であれば、1日目にどれぐらい脱落したかというデータも必ず出てくると思います。確認して御提出したいと思います。

○米倉座長 ありがとうございます。

 今、最初に御説明があったように、連結することによって脱落がかなり抑えられるのは事実ですし、そういう手法が導入されてくれば、当然今の規則の見直しということも考えなければいけないかと思います。

 ほかによろしいですか。渡邉構成員、お願いします。

○渡邉構成員 ありがとうございます。

 確認させていただきたいのですが、先ほど脱落がございましたけれども、患者さんが退院後に脱落したときの線源の取り扱いというのは、学会で何かつくられているのでしょうか。

○茂松構成員 脱落線源があった場合は当該施設に提出していただくことになっております。その場合は、それを洗浄し除菌してアイソトープ協会に返却しなければいけないというようになっております。その場合、その線源の運搬に伴う患者さんの被ばくや、処置に伴う医療者の被ばくの方が問題になることもあり、脱落線源は提出せずに流してしまってほしいと考えている施設もあるように聞いております。

○米倉座長 佐々木課長、お願いします。

○佐々木地域医療計画課長 実態としてはさまざまなケースがあると思いますが、指針を守って実施していただきたいと考えております。指針を守って、適正に管理、実施していただくという前提で緩和の議論をしているということを引き続き御理解いただければと思います。

○茂松構成員 わかりました。

○米倉座長 再度の確認です。よろしいですね。

 渡邉構成員。

○渡邉構成員 今の件ですけれども、今、課長がお答えになったのですが、ちょっとパンドラの箱をあけぎみかなと思うので迷った件もあるのですけれども、ただ、中核市のようなところにいますと、私自身、環境を考えないといけません。患者さんの尿がどこに行くかといったら、最終的に下水処理場に行きます。お聞きしたかったのは、おむつをしているような高齢者の男性の場合、おむつにそのままくるまれて出てきてしまうのでしょうか。そうすると、ごみ集積場、大抵下水処理場と一緒ですが、そのような施設にきちっと周知しておかなければならないと思いまして、そういう意味で、どういうふうに患者さんに御指導されているのですかとお聞きした次第であります。

 ありがとうございます。

○米倉座長 今の話ですと、基本的にもとの施設にお返しする、返却するということが前提のようですので、それが周知されていれば、おむつであったとしても取り出して。おむつごと持ってくるのですかね。そういう形になるということのようです。

 山口構成員、お願いします。

○山口(一)構成員 今の課題なのですが、前、たしか死体解剖保存法の問題でも事例化したと思うのですが、なかなか完璧にできないという実態があると思います。そのことに関して、厚生労働科学研究で逸脱事例が起きた場合のインパクトが評価されていまして(会議後追記:平成19(2007)年度厚生労働科学研究:グローバル社会に対応した健康危機サーベイランスシステム:情報分析・グレーディング手法の開発と評価(主任研究者:今井博久))、そこでそのシナリオ内であれば安全が確保されていると理解をしています。もしもっとシナリオが多様になってくるのであれば、シナリオを見直すことが必要で、まれにある事象に関しても関係する当事者の方々の気持ちを考えた再評価が必要だと思います。

○米倉座長 ありがとうございます。これは今後の課題になるかと思います。

 稲木補佐。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 脱落線源等につきましては明確に通知のほうで定められておりますので、厚生労働省としましては、この指針案等に基づいて適切に管理していただきたいと考えております。

 翻って、この指針案でございますけれども、そういった点に基づいて作成しておりますので、この通知、旧指針案か新指針案の作成の部分については御承認いただいたという形でよろしいでしょうか。

○米倉座長 いかがでしょうか。先ほどお話があった退出後の脱落線源の話は、この指針案の中の5ページ目に入っていますね。「直接手で触れず、スプーン等で拾い上げ、ビンなどに密閉して速やかに担当医に届け出ること」と書かれていますので、これをきちっと守っていただくことが重要なのだというお話だと思います。

 それを条件として新しい指針を認めるということでよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○米倉座長 特に御異論はないようですので、そのようにさせていただきます。

 それでは、次が課題3「未承認放射性薬物について」ということで、資料3について説明をお願いします。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 それでは、お手元の資料3に沿って説明させていただきます。「未承認放射性薬物の取扱いについて」ということでございまして、今回は第5回検討会でございますが、内容としましては新しい議題でございます。

 2ページに、1回目から第4回目の検討会の中で、特に第1回検討会の中で、放射性物質の安全管理の観点で俯瞰して最初に御説明したことがございます。その際に構成員の先生方から患者に投与するお薬のうち、臨床研究とかに用いられる研究薬等について、患者さんに投与するということであるならば、本来医療法等で見ていかなければならないのではないかという御意見を賜りました。今回こういった未承認の薬物について、どのように考えていけばよいかということについて、資料3をもとに御説明及び先生方の御意見を賜りたいと考えております。

 それでは、4ページでございます。現行法令について整理させていただきたいと思います。医療法施行規則第2条第3号で放射性同位元素というものを規定しております。放射性同位元素と呼ばれるもの全てについて医療法というものは管理しているというわけではございませんで、左側の密封というものにつきましては楕円形3つの部分、非密封の部分につきましては、右側の卵形の部分について医療法施行規則上で管理している、規制しているという形になります。

 左側の密封のほうでございますが、一番上の赤丸は、具体的に申しますと診療用放射線照射装置ということで、例えばガンマナイフであるとか、そういったものに密封されている放射性同位元素の規定でございます。

 2番目の緑色の丸で囲ってありますのは、先ほど来御議論いただきましたいわゆるシードとかを含めた、埋め込み型永久小線源等を含めた密封された放射性同位元素、放射線照射器具でございます。

 一番下の水色の丸で囲ってある部分につきましては、放射性同位元素装備診療機器と申しまして、余り医療機関には設置されておりませんけれども、血液照射装置と言いまして、輸血前の血液に対して、中に含まれている白血球を除去するために血液に対して照射する装置がございまして、それに備えられている放射性同位元素等を指します。

 右側が密封されていない放射性同位元素でございます。これは若干形がいびつになっておりますが、まず紫色の楕円形、一部オレンジがかぶっておりますけれども、この全体が承認済み、いわゆる医薬品医療機器等法で承認されている医薬品、または医薬品医療機器等法のもとで行う治験に用いる薬物に該当いたします。

 右側につきましては、オレンジ色の部分がはみ出ておりますが、特に紫とかぶっていないオレンジ部分は、院内で製造されている陽電子断層撮影診療用放射性同位元素、すなわちPETの検査に用いる放射性同位元素でございます。かつオレンジ色と紫がかぶっている部分につきましては、承認されているPETのお薬という形になります。したがいまして、密封されていない放射性同位元素のうち、医療法の規制下にありますのは、承認されている医薬品、または治験に用いる薬物、または院内で調製された陽電子断層撮影診療用放射性同位元素、いわゆるPET薬剤の3つでございます。

 5ページで御説明しておりますのは、今、申し上げました承認済み医薬品、治験に用いる薬物、治験薬及びPET検査薬が運搬から使用に至るまでどういった法律のもとで管理されているかということを示してございます。

 左上の承認済み医薬品でございますけれども、原材料時点ではいわゆる放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律、いわゆるRI法によって運搬されていきまして、医薬品の製造業者に入った瞬間にいわゆる医薬品医療機器等法の規制下に入ります。その後、医薬品医療機器等法の規制下に基づいて運搬された後に、医療機関においては医療法によって管理されるという形になっております。

 下の治験薬のところにございますが、これは若干医薬品と似ているのですが、一部違いまして、治験薬につきましては、原材料が製造業者に入っている間はまだRI法の規制下にございまして、治験に用いる薬物になったときに医薬品医療機器等法の規制下に入るということになっております。その後、医薬品医療機器等法の規制下で運搬されまして、医療機関内においては医療法において管理されるという仕組みになっております。

 右上はPETの検査薬、特に医療機関内で合成したPETの検査薬でございます。こちらは原材料時点では非放射性でございますので、ここは特にRI法の規制は受けません。その後、医療機関に入りますとサイクロトロンという機械を用いまして、O-18という元素から例えばFDG、フルオロデオキシグルコースに用いるF-18につきましては、O-18という非放射性同位元素に対してサイクロトロンを使用してF-18という放射性同位元素になる。その瞬間にはまだRI法の管理下にございます。その後、ヒトに用いる前に医療法のほうに受け渡しがされまして、医療法の中でそのPET薬剤が使用されるという仕組みになっております。これが現在医療法の規制下にある医薬品の規制の流れでございます。

 6ページは、特に院外で用いられている未承認の放射性薬物でございます。こちらに関しましては医療法の規制下にはございません。したがいまして、医療法の規制下になる理由としましては、RI法のほうで適用の除外を受けることになって、医療法に受けさせる仕組みになっています。したがいまして、適用除外をされておりませんので、これはRI法の規制下に常に入っております。したがいまして、医療機関内においても医療法ではなくてRI法のほうで管理されております。その結果、どういったことが起こるかと申しますと、RI法の場合には、基本的にはヒトに対して何らか薬物を用いることは余り想定しておりませんので、ヒトに対するさまざまな規制等は特に規定されていない形になっております。したがいまして、RI法に基づいてヒトに投与できる、できないという形になりますと、できるという形になると思いますけれども、規制上、その後の流れについては明確に規定されていないという仕組みになっております。

 7ページに今の規制の流れをお示しいたしました。最初原材料の時点では非放射性の場合では規制は特になく、放射性の場合にはRI法の規制を受けます。医薬品につきましては、さまざまな細かい規制が別途ございますけれども、ここで挙げておりますのは、あくまでも放射性同位元素という観点で見たときの規制でございます。そうしますと、製造所に入りますと、RI法もしくは医薬品医療機器等法に移りまして、どこかの時点、治験薬の場合には、薬物として成立した時点で薬機法に受け渡されるという形になります。その後、運搬されて医療機関に受け渡されるという仕組みになっています。

 ところが、未承認のものにつきましては、一番右の医療機関の欄にございますとおり、RI法で規制されているという仕組みになっております。

 医療法とRI法で規制はどのように違いがあるかというところを考えますと、9ページ以降にRI法における規定と医療法における規定を並列に並べております。RI法におきましては、放射性同位元素は使用の許可の申請になりますが、医療法におきましては、備える場合の届出事項となっております。さまざまなことが規定されております。

10ページ、11ページにございますのは構造設備の基準でございます。放射性同位元素は放射線を出しますので、それに対しまして、公衆被ばくを防止するという観点からさまざまな構造設備基準が定められております。それぞれについて比較していきますと、RI法において規定されている事項はほぼ全て医療法において同じ規定が定められております。唯一違いますのは、RI法においては「地崩れ及び浸水のおそれの少ない場所に設けること」となっております。ただし、それ以外の部分につきましては、全て材質等も含めて全く同じ規定が採用されているという仕組みになっております。

11ページも同様でございます。それぞれにおいて規定がございます。ただし、RI法につきまして標識の形も全て決められておりますけれども、医療法においては表示せよという形になっておりまして、明確にこういった記号等を表示せよという仕組みにはなっておりません。

12ページにつきましては、場の測定と申しまして、各管理区域もしくは使用室における放射線の測定の規定でございます。これを確認いたしますと、RI法における規定と医療法における規定は、その測定間隔を含めて全て同一の規定が採用されております。

13ページにつきましては、RI法のみで規定されている分でございます。RI法においては、取扱主任者を選任すること。ただし、診療目的ならば医師または歯科医師を選任可となっております。また、先ほど議題1のときにお話しいたしましたけれども、RI法においては放射線予防規程を定めることが義務づけられているとなっております。これも先ほど出ましたが、教育訓練も義務づけられるという仕組みになっております。こういった形で、一部の規程を除きますと、構造設備等は医療法とRI法は技術的基準の斉一化の観点から同一の規定になっております。

15ページは、そういった未承認放射性薬物を医療法で取り扱う部分について、事務局側でこういった形で提案させていただいております。未承認の放射性薬物を医療法で取り扱う際には、医療被ばく及び公衆被ばくの防護という観点が必要になりますけれども、これは医薬品であるかないか、つまり、承認済みであるかないかというところは特に関係はなくて、どういったものについても放射性同位元素である以上、同一の公衆被ばくの線量限度等の観点から適正化に関することについては、特に変わりはございません。

 今回医療法の場合には患者さんに対する行為として投与するということでございますので、患者の医療被ばく及び公衆被ばくについては、承認済み医薬品と同様にここはしっかりと規定すべきであると考えます。その一方で、そういった未承認の放射性医薬品を医療法の中で取り扱うということでございますので、目的外に使われることのないように管理しなければならないというところは間違いないところでございます。

 そういったことを踏まえまして、医療法でこういった放射性薬物を使うということを考えますと、下にございます絵のような流れになるかと考えております。すなわち、医療機関に入る前においてはRI法において適正に管理されるべきであると。医療機関内に入った後で医療法のほうに受け渡され、医療法の枠内で、医療法においては、ヒトに投与した場合の患者の医療被ばくと公衆被ばくを明確に規定すべきですので、それに基づいて線量管理をしっかりする。未承認の医薬品についてもこういった形をしっかり担保すれば安全に管理できる、適正に管理できると考えております。

16ページはまとめでございます。未承認の放射性薬物については、承認済み医薬品や治験薬と異なりまして、研究機関等で製造された後から医療機関まではRI法で規制される仕組みになっております。ただし、異なる法令で管理することは、新規でかつ未承認の放射性薬物の開発について非常に妨げになっているという指摘が従来からございました。

 事務局としましては、こういった指摘等を踏まえまして、研究機関等で調製した未承認の放射性薬物のうち、ヒトに対して適正に使用することができる考えられる薬物につきましては、医療放射線の安全管理をしっかりと担保していただいた上で、承認済み医薬品や治験薬と同様に、医療機関内での使用を医療法でしっかりと管理してはどうかと考えております。

 したがいまして、整理のイメージとしましては、下の表にございますとおり、未承認でありますが、適切に管理されているものについては、医療機関内においてRI法から医療法に受け渡されることを可能とする。それによって患者様に投与した後の御家族の医療被ばくと公衆被ばくを適切に管理していただく。

 また、医療機関内で製造したものにつきましても、医療機関内においてRI法から医療法に受け渡すことにする。院内調剤PETと同じようなイメージで、医療法に受け渡した上で、安全管理をしっかりとして適切に使用していただくという形で、医療法で適切に管理された未承認薬物を管理するような仕組みにしてはどうかと考えております。

 したがいまして、この部分につきまして、構成員の先生方の御意見を賜れればと思います。

○米倉座長 ありがとうございました。

 これはこの検討会の最初の段階で出てきた議論の一つでして、現在ある意味で抜け落ちてしまっている部分です。すなわち研究目的でRIを投与された患者さんがどういう立場にいるのかということすら決まっていないという難しい問題がありましたが、こういう形で医療法の中に取り込んでしまってはどうかという考え方です。御意見をいただけますか。川上構成員、お願いします。

○川上構成員 今回の御提案内容は極めて妥当なものだと思います。資料6ページの2つ目「RI法施行令では、他法令の規制下にある物を適用除外としているため、未承認の放射性薬物は除外されず、RI法で管理される」現状だという内容も、そのとおりだと理解しました。

 恐らくこの問題の根源は、放射性か非放射性かにかかわらず、未承認の薬物、いわゆる院内製剤が薬機法の下にはないので、医療法に基づいて医療機関の責任において投与準備をして投与されているという実態があるので、院内製剤の法的な位置づけが背景にあるかと思います。現実的には、医療法に基づいて医療機関が責任を持って、安全性も含めて管理して使っている以上は、放射性物質の院内製剤も同様の扱いとして妥当かと思います。

 一つ気になるのは、医療法の施行規則などが変わり、新規未承認医薬品については、特定機能病院であればその取り扱いが規定されており、特定機能病院以外の一般病院においても努力規定がかかっているので、その未承認放射性薬物の院内製剤が、医療機関として新規未承認医薬品であれば、医療法によるその扱いも同様に求められるようになるかと思われます。

医療安全を担保する観点から、新規未承認医薬品の扱いが厳格化されているので、放射性物質という観点ではない安全管理も受けることになるのではないかなということを今、ちょっとイメージしました。コメントです。

○米倉座長 ありがとうございます。

RIというよりも、むしろ医薬品としての取り扱いの観点からどうなのだろうという御質問です。

 何か。どうぞ。

○松田参考人 核医学会としまして未承認放射性薬物は非常に問題になっておりまして、特に特定臨床研究にかかわるのではないかということで、いろいろワーキンググループもつくって検討している最中でございます。

 そこで、医療法ということであれば特定臨床研究ということで、はっきりとしますので、非常にいい方向だと思うのですけれども、私からの質問は、「未承認薬物が目的外の用途で用いられないことを担保する必要がある」ということなのですが、これは実際につくったものが、一方では患者さんで、残りを例えば動物に使うという意味なのでしょうか。それとも、ある未承認薬物があったら、それを別の日には患者さん、別の日は動物に使ってはいけないということなのでしょうか。ここがよくわからないのですが。

○米倉座長 恐らくこれはどの時点でRI法から医療法に移すのかという問題なのかなと私は理解したのですが。というのは、同じようなプロセスを経ても、動物実験に行くものはRI法の管理下に当然置かなければいけないという考えではないかと思うのですが、事務局、いかがでしょう。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 まず、放射性医薬品につきましては、医療法施行規則において診療の用に供するのが大原則でございますので、医療法で管理するものは、あくまでも医療提供体制の確保の観点でございますので、それはヒトに対するものが医療法の管理下でございます。したがいまして、動物に使うものは医療法の規制の範囲外でございますが、合成時点においては、どちらにしても最初はRI法でございますので、それをヒトに用いる場合には医療法でよいのではないか。それが違うものの場合は、医療法に受け渡すのでなくて、従前どおりRI法のもとでやっていただければ、こちらとしては特に問題ないと考えております。

○米倉座長 よろしいでしょうか。

○松田参考人 大体わかりました。

○米倉座長 極端なことを言うと、一つのバイアルの中にものをつくったとしても、そこからシリンジで抜いて患者さんに投与する段階で医療法に移せば、残りはRI法のまま残るという考えになってしまいますか。それとも。これをどこで受け渡すかという意味でお聞きしたのです。

○稲木課長補佐 その点はこの資料にございます「適切に管理されている」というところにかかっていると認識しております。すなわち、適切に管理されているものにつきましては、ヒトに用いて侵襲等、介入等を行う研究になりますが、そういった場合につきましては、明確な臨床研究等でございますので、その際には当然のごとく人を対象とする医学系研究に関する倫理指針等もございますし、現行法令上も適切に管理されていくものと認識しておりますので、スイッチの部分について、すなわち明確に「ここからヒトに用いるもの」というのは研究者でなければわかりませんので、そこは研究者が明確に定めていただくというふうに認識しております。

○米倉座長 ほかにいかがでしょうか。山口構成員、お願いします。

○山口(一)構成員 この課題は、前に文部科学省の放射線安全検討会でも検討されておりまして、その議論に沿った方向性のまとめになっていて、とてもよいと思います。

 追加でコメントなのですが、7枚目に整理されていますけれども、もし現場のほうでジェネレーターの製剤に関して御意見があるのであれば、検討課題になるのではないかと思いました。

 また、6ページ目の4番目のポツで、今、ルール適用が困っているという話はそのとおりなのですが、説明の方法として、エグゼンプションが用いられているので、エグゼンプションは規制の中に入れるかどうかの話で、規制の中に入ったものを出すのはクリアランスなので、そこの峻別は必要かなと思いました。

 4ページ目で密封、非密封に分けていますが、密封の定義に係る話になると思いますけれども、新しいものが出てきた場合にこの枠に入らないものも出てくるかと思われますので、検討課題になるかと思いました。

 以上です。

○米倉座長 ありがとうございます。

 最後の密封、非密封の定義に入らないものというのは当然考えられるのですが、それは出てきたときの別な話にしておきたいと思います。ただ、考えておかなければいけない。

 古川構成員、どうぞ。

○古川構成員 古川です。

 1点だけ教えていただきたいのですけれども、15ページに赤で書いてありますように、未承認薬物の目的外の用途というところですが、装置を提供している側から見ますと、例えば装置を据えつけるときに、この辺の試薬を使わなければいけないケースということも出てくるかと思うのですが、これはこの用途の中というふうに考えてよろしいでしょうか。医療機関における作業とした場合ですけれども。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 その部分につきましては、まさに議題4の話でございまして、その際にこういう形ではという形でお示ししたいと考えているところでございます。

○古川構成員 ありがとうございます。

○米倉座長 これはこの次に議論をすることになっています。

 では、中村構成員、お願いします。

○中村構成員 中村です。

 これは前々からありまして、ここの資料の中にありましたけれども、障防法で投与した場合には、その後、その患者さんはどうするかということは、障防法では何とも言えないので、大問題だと思いますので、ぜひいい方向に進めていただければと思います。

 ただ、細かいことが結構あると思うのです。今、松田先生もおっしゃったのですが、場所。例えば先ほど出てきた院内製剤、PETも障防法と医療法の切り分けというのは、だんだんと置いて、最初非常に混乱していたのです。それが今やっと落ちついて、先ほど御説明があったように、薬と認めたときから、それは医療法でいいですよ、障防法から外して結構ですよという話があったのですが、もう一つ、そこで同じような例として問題になってくるのが廃棄物なのです。ですから、場所が混在していますと、どちらの廃棄物かわからない。実際にはあるレベルでどうのこうのと区別すればいいのですが、実際の廃棄物の処理の実態から考えて、それがまざると現行では非常にまずい問題があるので、そういったことも慎重に入れながら考えていかなければいけないかなと思っております。

 もう一つは、放射線の場合に、物というのと行為基準的な考え方があるのですが、物はもしかしたら障防法になるのかなと。実際の行為として医療行為の中でやる。特に臨床研究は行為の中でやるわけですから、そちらのほうの管轄になるのかなと思うのです。例えば15ページの絵の中にあるもの、ここが今まで一番問題があったのですけれども、医療法でもしもその行為を管理すると、ここにありますような退出基準が医療法で決められて、これは退出基準がなければいいというのでなくて、ないと誰の責任で患者さんを退出させるかという問題がありますので、ここは非常に大きなメリットなので、私は大賛成でございます。

 以上でございます。

○米倉座長 ありがとうございます。

○川上構成員 マイナーな指摘ですけれども、資料の中に4カ所「院内調剤」という言葉があります。薬剤師以外の方が投与準備をする場合もありますので、調剤でなくて、できれば「調製」という言葉で資料内を統一していただければと思いました。

○米倉座長 ありがとうございます。

 そういう意味では、私も気になっていた言葉がありました。「薬物」という言葉が使われていて、これは我々が聞きなれないといいますか、全くトレーサレベルのものを「薬物」というのは何だろうと思ったのですが、これも同じ意味なのですか。「薬剤」とはできないということなので。川上先生、よろしいでしょうか。

○川上構成員 「薬品」とか「薬物」など、色々な言い方があるかと思いますけれども、「医薬品」となると、薬機法上、製造販売が承認されたものになりますので、それとは別の呼び方を事務局として考えて付けてられているのではないかと理解しております。

○米倉座長 ほかにいかがでしょう。渡邉構成員、お願いします。

○渡邉構成員 ありがとうございます。

 先ほど川上構成員も触れましたけれども、医療安全管理体制の中で日ごろから病院さんにお願いしているのは、高難度医療技術、そして未承認医薬品等を用いた医療を提供するに当たって、必要な措置をしてくださいということを指導しております。そういう意味で、未承認、いわゆる院内放射性医薬品の取り扱いというのは、先ほど座長も説明されたように、宙ぶらりんの状態であって、どこに法律的な根拠を求めるかというのは、こちらの指導としても不明瞭な点でございました。そういう意味で、明らかな法的根拠を加えられるということでは非常に賛成ですので、ぜひ円滑にお願いいたします。

 ありがとうございました。

○米倉座長 ありがとうございます。

 ほかにございますか。よろしいでしょうか。

 基本的に皆さん、大賛成だということで、ぜひこの方向で進めていただきたいということだと思います。ありがとうございます。

 それでは、この件に関しましてはここまでとして、今のような結論で行きたいと思います。

 次が資料4「核医学診療機器の精度管理における放射性医薬品の目的外使用について」ということで、これも事務局から説明をお願いします。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 それでは、資料4をごらんください。こちらは先ほど古川構成員のほうからお話があった部分でございまして、核医学診療機器の精度管理というものに関して、放射性医薬品をどうしても使わなければならないという問題がございます。

 お開きいただきまして、3ページは、構成員の先生は見なれないものでございますけれども、これをプールファントムとか、水ファントムと呼ばれているものでございまして、主にアクリルでできた構造体でございます。これはさまざまな形がございまして、右上が一番わかりやすいですけれども、肺とかそういったものをかたどったようなものとか、左上はHoffmanファントムといいまして、脳の形をつくれるようなファントムで、模型といったものでございます。

 左下のバーファントムといいますのは、それぞれの線の間隔がはっきり見えるかどうか、分解能というものを見るようなものであったり、右下のJaszczakファントムは、中に玉が入っておりますが、こういったものに放射性同位元素等を入れまして、そこがしっかりと分解して見られるかどうかということを判断できるようなものでございます。

 こういったファントムを用いて放射線の診療機器、PET装置とかガンマカメラ、SPECT装置とも言いますけれども、そういったものに関して機器の保守点検とか、管理上こういった放射性医薬品を希釈した水溶液をこういったファントムに注入しまして、それをカメラで写真を撮って、カメラの性能等を確認する、保守点検を行うということがございます。これは現行販売されております特に大手のPET装置とかSPECT装置に対しましては、添付文書上等によりまして、定期的にそういったものを使って保守管理することというふうに記載されております。

 そういったことがございまして、これはある意味放射性医薬品をヒトに対して投与する行為とは少し違う行為に見えます。一方で、こういったものはそういった放射線機器を診療で使用する上で必須の手法でございます。そういった中で、今回は資料でお示ししておりませんけれども、日本核医学会及び日本核医学技術学会のほうから、こういう適正使用のもとでこういったファントムに対して放射性医薬品を使用してよいかという形で確認がございました。

 これに関しましては、もともと医薬・生活衛生局のほうから出ている事務連絡でございますけれども、こういった医薬品といいますのは、医薬品医療機器等法によって流通が制限されております。こういったものに関して、放射線診療機器の機器管理上必要なものに関しましては、事務連絡のほうで機器メーカー側にそういった医薬品を販売してもよいという形になっております。したがいまして、これを踏まえまして、こういった放射性同位元素を用いたファントムを用いた使用に関しては、診療のために必須であるという観点から、医療法上でしっかりとその使用については明確に、こういった目的がある場合には使用が可能であるということを明確にしたいと考えておりまして、この部分は、7ページにございますとおり、こういった単光子放射断層撮影装置、SPECT装置、ガンマカメラと言われているものや、PET装置の性能評価のためのファントム試験における診療用の放射性同位元素の使用については、医療法に基づく使用とみなしてよいのではないかと考えておりますが、この点につきまして、構成員の先生方の御意見を賜れればと思います。

○米倉座長 ありがとうございました。

 今、御説明していただいたように、ヒトに直接投与するものではないけれども、実際の診療において不可欠である、そういう使用の仕方をするものについては医療法における使用とみなしてはどうかという考えです。どなたか御意見がありましたらお願いします。小田構成員、お願いします。

○小田構成員 まさにガンマカメラ、PET装置の性能評価に関しては、毎週週1回必ず行って性能の管理に努めているところなのです。ただ、今おっしゃったように、どの法令に基づいてやるのかということが非常に曖昧だった観点がございますので、医療の中の患者さんに使う装置の性能維持に関して、同じ医療法でという形で規制していただけるというのは非常に賛成というか、明確になるということで、行っていただきたいなと思っております。

○米倉座長 ありがとうございます。

 積極的に御支援をいただきました。

 その他ございますか。これはもともと核医学会も一緒に要望が出てきたところです。では、中村構成員からお願いします。

○中村構成員 先ほど御説明がありましたように、これは完全な医療行為で、いわゆる機器等の品質管理を向上させるという目的だから当然医療法であると。以前そのときの担当官の方にお聞きして、結構ですと言われたこともございますし、私どもアイソトープ協会は、長年それはそのように考えてまいりました。なかなか広く広がらなくて、医療法で使っていいとか、あるいは医薬品を医療機関でないところが購入していいというのが書いていないわけで、そこら辺のことを明確にしていただければ、トラブルがなくスムーズにいくかなと考えております。

 もう一つ、直接放射性医薬品に関係がなくなるのですけれども、このようなファントムは、先ほどガンマカメラという話もございましたが、ガンマカメラというと、ファントムというか、昔は容器、水盤とか、一般には言われていたのですけれども、その行為はどうかという話もあったのですが、それは日本では非常に独特なものでございまして、海外では例えばフラット線源とか密封線源に手間暇考えずにぱっぱっ持ってこられる。実はこれは規制の問題から非常に使いづらかったのですけれども、障害防止法が変わってから表示付認証機器となってからは使いやすくなっているので、最近少しずつふえていると思うのです。

 逆に言うと、それは医療機器の校正をするのだからということで、医療法においても届け出が要るかなと思うと、それがちょっと曖昧になっているので、そこら辺もぜひ整理していただければ、統一的な考え方でありがたいなと考えております。

○米倉座長 ありがとうございます。

 では、山口構成員、お願いします。

○山口(一)構成員 山口です。

 今の御意見と重なりますが、先ほどの議論では使うものとして未承認放射性薬物に関しての「使用」はどうかという話がございました。もしも大きな問題がないのであれば、放射性医薬品以外の未承認放射性薬物も入れてはどうかと思いました。

 もしも必要があるのであれば、それ以外の非密封RIでこういった利用をするものがあるのであれば、将来の課題として検討してはどうかと思いました。

○米倉座長 ありがとうございます。

 実際にヒトに投与することはないけれども、校正用線源として使われているものはその中に入れていくということでしょうか。それと未承認のものも。

○山口(一)構成員 未承認プラス、今の中村構成員のお話は密封線源でしたけれども、それらも含めて一般化してはどうかという議論です。

○米倉座長 それはちょっと検討していただくということでよろしいでしょうか。幾つかの問題が出てくるかもしれませんので、事務局のほうで検討をお願いします。

(事務局 うなずく)

○米倉座長 ほかにはございませんか。では、渡部構成員、お願いします。

○渡部構成員 先ほどの山口先生の追加で、未承認薬、つまり、ファントムに入れるF-18というのは、特に医薬品である必要はないわけですね。我々のところでサイクロトロンでつくったF18をそのままファントムの中に封入して、それを品質管理に使えれば非常に助かるのですけれども。

○米倉座長 どうぞ。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 今の渡部構成員の御指摘につきましては、Fといいますか、院内合成ということでございますが、そもそも院内合成のFDGにつきましては、陽電子断層撮影診療用放射性同位元素の中に入りますので、それの使用をということでございます。すなわち、承認済み医薬品というよりは、診療用放射性同位元素と陽電子断層撮影診療用放射性同位元素。陽電子断層撮影診療用放射性同位元素には院内調製も入りますので、そういうことに関して認めるというふうに事務局は認識しております。

 あと、先ほど中村構成員からお話がありましたが、今回事務局として提案しておりますのは、販売もよしとするという概念ではなくて、あくまでも医療法施行規則上の使用をよしとするということについて今回諮っているということでございます。

○米倉座長 どうぞ。

○中村構成員 そのつもりで申し上げて、あくまでも医療法は医療行為ですから、物ではないので。物になったら別途だと思っています。

 ありがとうございました。

○米倉座長 今の点、よろしいですか。

 では、渡邉構成員、お願いします。

○渡邉構成員 整理のために質問させてください。これを医療法のもとで許可するとなると、ファントム試験でこれが終わった後のことというのはどういうふうに考えるのですか。つまり、ファントムから水を抜いて、その処理というのは医療法の中で扱うのですか。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 そこに関しましては、いわゆる医療法施行規則における医療用放射性汚染物ですが、そういった形で、概念は全く同じでございますので、そこはいわゆる医療法の枠内でということは変わりございません。

○渡邉構成員 もう一点だけお願いします。ファントムは人体としては取り扱わないということでいいのですね。

○稲木課長補佐 人体ではございません。

○渡邉構成員 ありがとうございました。

○米倉座長 ほかにございますか。この点に関してもそんなに大きな異論はないかと思いますので。

 では、この形で進めていただくということで、この検討会としては議論を終えさせていただきたいと思います。

 きょう議論した中で幾つか事務局のほうでまとめていただくこともございますけれども、そういったところも含めて今後の議論につなげるような作業を事務局のほうで進めていただければと思います。

 全体を通して何かございますか。

 ありがとうございます。4時に行く前に終われそうです。

 それでは、最後に事務局のほうから何かありますか。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 第6回医療放射線の適正管理に関する検討会につきましては、詳細が決まり次第、御連絡いたします。

 また、冒頭でもお伝えしましたが、机上配付資料につきましては、事務局で回収させていただきますので、お帰りの際にお席に置いたままにしていただきますようお願いいたします。具体的に申しますと、一番最後についています「机上配布資料」と右上に書いておりますもの、「付録I 放射線の測定(案)」につきましては、そのまま置いていただけるようにお願いいたします。

○米倉座長 1枚物で、資料の一番下についている付録Iについては、机上に残しておいてください。

 それでは、皆さんの御協力でスムーズに議論が進みました。本日はこれまでとさせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。


(了)
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直通電話:03-3595-2194

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