ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 子ども家庭局が実施する検討会等> 保育士養成課程等検討会(令和4年5月から)> 第2回保育士養成課程等検討会(2022年6月13日)

 
 

2022年6月13日 第2回保育士養成課程等検討会

子ども家庭局保育課

○日時

令和4年6月13日(月)17時から19時

 

○場所

オンライン(Zoom)にて開催

○出席者

構成員

汐見座長、小川座長代理、荒牧構成員、飯田構成員、井上構成員、北野構成員、清水構成員、鈴木構成員、林構成員、堀構成員、山縣構成員
 

厚生労働省

林保育課長、田野課長補佐、高辻保育指導専門官、鎮目保育指導専門官

○議題

(1) 幼保連携型認定こども園で勤務する保育教諭に係る保育士資格取得の特例について
(2) その他

○議事

○田野保育課課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「第2回 保育士養成課程等検討会」を開催させていただきます。
構成員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
本日の構成員の皆様の出席状況でございますけれども、全員御出席をいただいております。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。配付資料につきましては、議事次第、資料1から資料3、参考資料で開催要綱をつけさせていただいております。
以上、計5点となっております。資料の不足等ございましたら、大変恐縮でございますけれども、厚生労働省のホームページにも掲載しておりますので、そちらからダウンロードをいただくなど、御対応をお願いしたいと思います。
この後、構成員の皆様に御議論いただきますが、御発言いただく場合は、Zoomの「手を挙げる」の機能を使用していただきますようにお願いいたします。発言者はこちらから御指名をさせていただきますので、指名に基づきZoomのミュート機能を外して御発言いただき、御発言が終わりましたらまたミュートにしていただきますよう、よろしくお願いいたします。
挙手をしているにもかかわらず、発言希望の御意思が会場に伝わっていないと思われる場合は、オンライン会議システムのチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能ですけれども、原則として、挙手にて意思表示をいただきますようにお願いいたします。
本会議は資料・議事ともに原則公開とさせていただいております。議事録につきましては後日厚生労働省のホームページに掲載予定となっております。また、本会議は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、報道関係者及び一般の方の傍聴は御遠慮いただき、代わりに会議の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開しておりますので、御承知おきください。
なお、議事進行中に通信状況等の不具合によりまして、音声が途切れる等がございましたら、遠慮なくその旨御発言いただくか、あるいは手を挙げるなどによりましてお知らせいただきますようにお願いいたします。
以降の議事進行につきましては、汐見座長にお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○汐見座長 それでは、「第2回 保育士養成課程等検討会」をただいまから始めさせていただきます。
早速、議事に入らせていただきます。
議題1は「幼保連携型認定こども園で勤務する保育教諭に係る保育士資格取得の特例について」でございます。事務局より資料の説明をお願いいたします。
○田野保育課課長補佐 事務局でございます。
資料1から資料3までを御説明をさせていただきます。
資料1は、前回第1回検討会におきます主な意見ということで、先生方に御意見いただいた部分についてまとめております。項目だけ見ますと、勤務経験評価による単位数の見直しについての御意見、単位数の見直しをする教科目に関します御意見、実践と学びを結びつける工夫についての御意見、重点を置くべき修得内容についての御意見、特例を適用する上での留意事項に関する御意見、事務局で大きく5つに分けて整理をさせていただいております。
こういった御意見を踏まえまして、資料2で論点の整理をさせていただいております。
最初の○が、今回の特例教科目として修得すべき単位数を8単位から6単位に見直すことにつきましては、本検討会においておおむね御理解をいただけたものと思っております。
ただ、その際に、修得すべき内容を担保することが必要という御指摘をいただいております。
そういった修得すべき内容を担保するために、実務経験と学びを結びつけることを前提とした上で、特に重点を置くべき内容を明確化して示すことが大事という御意見をいただいたと思っております。
3つ目でございますけれども、幼保連携型認定こども園におきますこれまでの実務経験を踏まえ、これを活用した授業内容とか授業の展開をすることが必要という御意見をいただいております。
それから、4つ目でございますけれども、具体的にということで、特例教科目の授業における工夫について、具体的に提示することが大事という御指摘をいただいております。
そういった御意見を踏まえまして、別添ということで次のページからになりますけれども、講義・演習を別添の内容を踏まえて実施するということを示してはどうかということで、資料をつくらせていただいております。
その次のページ以降お示しをしておりますけれども、今回、ここで整理させていただきました内容については、通知において記載することを意識して記述した内容とさせていただいております。
最初が、「更なる特例教科目の講義・演習の実施に当たっての工夫について」ということで、ここについては、「乳児保育」と「子ども家庭支援論」に共通した内容を書かせていただいております。
最初に<考え方>ということで、今回のさらなる特例につきましては、幼保連携型認定こども園における実務経験を評価するということがございますので、幼保連携型認定こども園が制度上担うとされております乳児保育とか子育て支援に関する実践を生かして、授業内容と結びつけることが適当だと、考え方として書いております。
次に、特例教科目による実務経験と学習を結びつける授業のイメージということで書かせていただいております。
最初が、各受講者の経験した内容を把握して実践に生かした授業を展開することが必要ということ。
それから、各特例教科目の中でも重要な理論的な事項につきましては、各講義においてしっかりと学習していただくということ。
それから、その理論的事項の理解をもとに、今回、幼保連携型認定こども園における受講者の方御自身の実践の振り返りを行って、施設の実情とか課題をしっかり把握していただいて、そういった内容についてグループワーク等によりまして、実情とか課題を共有していただいて、そういったことを通じて個々の保育者とか、あるいは施設の実情というだけではなくて、一般化された実践の現状とか課題として捉えて考えるということを意識して取り組む必要があるということ。
その際には、エピソードとか写真等も活用しましてやることが適当ということで書かせていただいております。
そういったことで一般化された現状とか課題を踏まえまして、改めて理論的事項と照らし合わせることによって理解を深めることができる。理論と実践がつながることで、より深く理解することが可能となり、実践の中で活用されることも期待できるということで、理論的な事項について講義で学んでいただいて、実践についての振り返りとか共有はグループワーク等でしていただいて、さらに、講義で理解を深めるというような授業のあくまでイメージということですけれども、こういったやり方をするとより深く学ぶことができるのではないかということで、これまで先生方にいただいた御意見を踏まえて事務局で整理をさせていただいております。
続きまして、「子ども家庭支援論」についてでございます。
「子ども家庭支援論」、ここに載せていますのは、これまで国でお示ししている修得すべき内容について、特例教科目についての内容ですけれども、これについて、6単位に対応ということで、「子ども家庭支援論」を1単位とした場合に、どこに重点を置いて学んでいただくかということを書いたものでございます。
<考え方>ということで、今回の特例教科目については、幼稚園教諭免許状を持っていらっしゃる方が、これまでの特例での実務経験に加えて、幼保連携型認定こども園での実務経験を2年以上有する方ということですので、「子ども家庭支援論」で言いますと、子育て支援とか、あるいは関係機関との連携等の経験を一定積んでいると考えられますので、そういった経験を踏まえて振り返りとか、先ほど言いましたような課題とかの共有を行っていただくことをしつつ、この修得すべき内容の特に1~3の部分について下線を引いておりますけれども、下線の内容について重点を置いて履修内容を構成していただくことが必要ですということで書いております。
次のページは、先ほど見ました1~3の部分に下線を引いておりますけれども、下線の内容を重点とする考え方ということで書いております。
特に「子ども家庭支援論」におきましては、保護者の主体性とか自己決定を尊重して、保護者をエンパワメントすることへの理解を深めることがこの科目については大事だということがあります。「保育所保育指針」の第4章の「子育て支援」の内容に沿って学ぶ必要があるということで、このため、先ほど見ました1~3を中心に学ぶことが重要だということで、考え方を整理しております。
講義の実施に当たっての留意事項ということで書かせていただいております。先ほど見ました1~3の部分に重点を置くとしておりますけれども、その重点を置く内容以外、ここで言いますと4と5の部分についても、学ばなくていいということではありませんので、学ぶ必要があるのですけれども、特に内容4と5の(1)の部分につきましては、内容の3を学ぶ際に、幼保連携型認定こども園での実践の事例を結びつけながら、受講者自身の経験について振り返りと事例の共有をするという工夫をすることによって、効率的に学ぶことが必要ということで書いています。
それから、内容の5の(2)と(3)の部分につきましては、特例教科目、ほかにもございますので、特に「福祉と養護」で学ぶ内容と近しい内容を学んでいただくということがありますので、「福祉と養護」で学ぶ内容も考慮するなど、特例教科目全体での学びを意識して効率的な学びをするということで、修得すべき内容として必要な内容を確保することが必要ですということで、留意事項として書かせていただいております。
次のページが「乳児保育」について、同じように1単位にした場合の考え方を整理させていただいております。前半同じように書いておりますけれども、幼保連携型認定こども園での実務経験を有することで、乳児保育の実践等の経験を一定積んでいるという部分を考慮しまして、幼保連携型認定こども園での実践の内容について振り返りとか共有を行いつつ、下線の内容3~5に下線を引いておりますけれども、下線の内容について重点を置いて履修内容を構成するということを書いています。
次のページが、3~5について下線を引いた部分について、重点とする考え方について書いております。「保育所保育指針」にのっとり、子どもの最善の利益を考慮した保育実践に資するように、幼保連携型認定こども園における実務経験を通じて体得した知識や技術を0歳及び1歳以上3歳未満児の保育に関する基本的な考え方とか、発達観、生活や遊びの意義、環境の構成の在り方等と結びつけ、保育の質の向上につなげる体系的な学びが必要だということで、考え方を書いております。
演習の実施に当たっての留意事項ですけれども、以下の点について留意して行うことが必要ということで、3つほど書いております。
1つが、保育の計画の重要性、必要性、とりわけ個別のお子さんの計画の意義の理解とか作成の方法を学ぶということ。
2つ目が、実践のプロセスにおいて、お子さんの様子とか、あるいは同僚の保育者の方が実践されている様子について観察をしたり、あるいは記録をすることの重要性を認識して、その方法を会得すること。
それから3つ目でございますけれども、保育者としての自己を振り返り、自己評価をすることで保育者の専門性に気づくことが、この特例教科目を学んでいただく上で重要ですということで書いております。
それから、2つ目の○でございますけれども、先ほど、「子ども家庭支援論」と同様の内容でございますが、重点の内容以外も学ぶ必要があるということで、それ以外の項目についても、今回は、乳児保育については1及び2になりますけれども、それ以外の特例教科目「福祉と養護」とか、「保健と食と栄養」もありますので、そういったところで学ぶ内容も考慮して、特例教科目全体での学びを意識した効率的な学びによって、修得すべき内容として必要な内容を確保することが重要ですということで、整理をさせていただいております。
それから、資料3は、基本的には、前回1回目でお出しした資料と同じですけれども、つけ加えている内容が5ページ目と6ページ目になります。
5ページ目の最初に、今回のさらなる特例の実務経験の対象についての考え方を、再度整理をさせていただいております。
幼保連携型認定こども園におきまして、保育教諭として勤務するためには、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方の免許と資格が必要だということで、今回の特例におきましては、現在、令和6年度までの経過措置になっておりますけれども、その経過措置期間中に、幼保連携型認定こども園に勤務する保育教諭の方が、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方を取得することができるように、今回、幼保連携型認定こども園での実務経験を評価することで、一層の併有の促進を図るというのが目的になっております。
こういったことに加えて、幼保連携型認定こども園は、法律上、学校であり児童福祉施設であるという両方の性格を持った施設ということもありますし、制度上、教育及び保育を0歳から小学校就学前までのお子さんについて一体的に提供する。それと併せて、保護者への子育て支援も幼保連携型認定こども園での役割ということで位置づけられていますので、そういった施設の性格も踏まえて、今回の特例を整理させていただいたということでございます。
それからもう一つが、6ページ目の一番下のほうになりますけれども、前回のときに、どういうふうに整理をするのかということで御質問をいただいた部分でございますけれども、特例教科目の「乳児保育(演習)」について、2単位でこれまでの特例では実施するとなっていましたけれども、その2単位の際には、通信制により実施する場合は、1単位以上の面接授業により履修をするというふうに従来の整理を書いております。今回、1単位になった場合にどういうふうに整理をするかということで書かせていただいております。通信制により実施する場合でも、授業時数のおおむね半分以上は面接授業により履修をさせるということで、これまで2単位の際に1単位以上と言っていた部分を、授業時数で見ますと、おおむね半分以上は面接授業でということで、考え方を整理させていただいております。
資料の説明は以上でございます。今回、資料2のところで、前回、先生方からいただいた内容を整理させていただきましたので、さらにつけ加えることがないかとか、御意見をいただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○汐見座長 ありがとうございました。
いまの御説明にございますように、本日の議論は、主に資料2について御意見いただきたいと思っております。資料2については、今後、通知等を作成する際にこういう内容ということで、その内容を念頭に置いてつくられているということでございます。
特に、資料2の2ページの「更なる特例教科目の講義・演習の実施に当たっての工夫について」ということで、特にここはこういう工夫をしていただきたいということで、考え方とそのイメージについて書いていただきました。
それから、「子ども家庭支援論」については4ページ目に、「乳児保育」については6ページ目に、<下線の内容を重点とする考え方>や、<演習の実施に当たっての留意点>など、さらに丁寧に書いていただきましたが、この内容について、さらに記載すべき内容があるのではないか等の御意見をいただきたいと思っております。主にそちらのところについて御意見いただければ幸いです。
本日も、全ての構成員の先生方に4~5分程度で一回は御発言いただきたいと思います。これはオンラインで分かりにくいので、申し訳ございませんが、参考資料の名簿順に私から指名させていただきたいと思います。
ということで、荒牧構成員からお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○荒牧構成員 よろしくお願いいたします。荒牧でございます。
お示しいただいた資料を拝見させていただきまして、とてもすっきりとまとめられていて、私はおおむねこのとおりでいいのではないとかと思っております。前回の会議のときに、教科目内容をさらに新しくするに当たって、項目を統合したり、分轄したりして、再構成すると分かりづらくなるのではないかということをちょっと心配しておりましたけれども、そうではなく、特にここの部分に重点を置くということを明示することで整理されています。一方で、重点を置かないところに関しては、その内容を削除するという考え方ではなく、例えば授業の工夫とか、あるいはほかの科目で補うといった形で、そこも大切にしてほしいというようなメッセージが込められておりますし、また、「乳児保育」と「子ども家庭支援論」両方が同じような方針に従って整理されているので、この授業を担当する養成校の先生方もやりやすいのではないかなと思いました。
以上です。
○汐見座長 ありがとうございました。
それでは、飯田美和構成員、お願いいたします。
○飯田構成員 舞鶴市の乳幼児教育センターの飯田です。よろしくお願いいたします。
私も資料を見せていただいて、特に資料2の特例教科目の講義・演習の実施に当たっての工夫のところと、「乳児保育」の実際の講義・演習に関するところで、私自身が、今、研修とかを担当させてもらっていることで感じていることもちょっとお伝えさせていただきたいなと思っています。論点がずれていたら申し訳ございません。
認定こども園に限らず保育の現場では、指針や要領に書かれている、特に指針の中では、「一人一人に応じて」という言葉がすごく大事にされています。特に乳児保育についてはそうだと思うのですけれども、そういう「一人一人に応じて」という言葉は知っていても、実践の難しさを、私は現場を見ることが多いので、すごく感じています。全てではないのですけれども、養護の部分にかかわるかもしれないのですけれども、幼児にも同じことが起こっているのかなというのも感じています。
特に子どもを一斉に動かすというか、特に2歳児などではよく見られるのですけれども、一斉にトイレに行くとか、同じおもちゃ、1種類か2種類ぐらいのおもちゃで遊んでいたりとか、一斉に何かをするというようなことが少し起こっている現場があるなと感じています。
そうすると、待ち時間、順番待ちの時間が長くなったり、それから、場所やおもちゃの取り合いが生まれてしまったりとか、保育者が止めたりとか注意したりということが多くなる悪循環が生まれているなということも少し感じております。
反対に、一人一人に応じて丁寧にしようとすればするほど、ほかの子を待たせてしまうというようなことも起こっているなと感じています。言葉として一人一人大事だと分かっていても、実践につなげる難しさがあるなというのを実感しています。
私たちの乳幼児教育センターでも、乳児保育・教育の研修を行っているのですが、どうすれば伝わるのかなと。どのように講義なり研修を積むといいのかなというのを日々悩んでおります。もちろん考え方を理解しないとできないことも確かですので、いろいろな学びから保育実践を見ることも大切ではないかなと思いますし、保育を語るということも大事にしています。
私たちは公開保育をすごく大事にしています。昨年コロナ禍だったので、乳児保育の公開がなかなか実施できなかったので、動画を撮って、参加されていた方々に見てもらいながら、講師の先生に解説してもらうという、そういう形の研修も実施しました。グループで語り合うということで、さらに、自園の保育を振り返りにもなっていきます。これ以外にもドキュメンテーション研修があります。ドキュメンテーションは保育実践そのものですので、それを見ながらグループで検討をしたりということもやっています。保育実践を語ること、それを理論につなげることがすごく大事だなと感じていますので、私が言うまでもないのですけれども、実務経験と特例教科目の学習を結びつけるということが本当に大事だなと思っています。
特に重点を置いているのは、乳児の3、4、5の実際の生活や環境とか計画のところなどが特に重点を置いてしていただきたいなと思う内容だと思いました。また、こうした研修が実践に生かされるには、まだまだ積み重ねは要るなというのを感じています。1回目の御意見の中にもあったと思うのですけれども、資格を取るだけではなくて、学び続けるためにもキャリアパスの乳児保育の部分も受講していただきたいですし、その内容の充実が重要になってくるなと思っています。
すみません。好き勝手なことを申し上げましたけれども、今、見せていただいて、そんなふうに感じています。以上です。
○汐見座長 ありがとうございます。
飯田構成員にお伺いしますが、この内容はこれでいいということで、ただ、何かもう一言こういうことをつけ加えるとかそういう御意見ではないですか。
○飯田構成員 ではなくて、内容の工夫がとても大事ではないかということを申し上げたかったのです。主語がなくて、すみません。
○汐見座長 どうもありがとうございました。
それでは、井上構成員お願いいたします。
○井上構成員 洗足こども短期大学の井上でございます。よろしくお願いいたします。
今回、資料2の内容の考え方、イメージを伝えることがとても難しいところだったのではないかなと思うのですけれども、説明を拝見して、イメージが伝わってきて、この方針及び示し方がすばらしいなと感じています。
今回、どうしても重要な科目の単位が一見減少するというふうに見えてしまうところを、重要だからこそ学び方を変えながら、実際に受講者の実態に合わせた形に転換するというところは、アイデアベースでも、非常に大きな転換だったなと感じています。
2年間の実務経験を、言うなれば、実践があるからこそ、その実践を学習資源にして、より実態に合った学び方を提供するという、理論を学びつつ実践を振り返り、それを共有することで一般化する。本当に実務家が、まさに現場で学ぶプロセスが、この講義の中で展開できるのではないかなという期待もあります。実際の授業展開を見てみたいなと思うような内容でした。
また、この示し方が、方法論として詳細すぎないという点も賛同できます。詳細にこういう形でやってほしいという示し方だと、授業担当者にとっては、窮屈になるのではないかという危惧もあったのですけれども、今回お示ししていただいたイメージでは、授業担当者の創意工夫も加えられるような、ほどよい形というふうに私は感じて見ています。
ただ、実際にこれを養成校側が展開するとなったときには、授業力や、実践者との対話の中での学びの展開という点で、力量が求められ、試される。教員側もある意味鍛えられる機会にもなるであろうと思います。授業の進め方についても、各大学の連携や、創意工夫のシェアもしていくことが、今後課題としてあるのではないかなと思いました。
感想になりますけれども、以上です。
○汐見座長 ありがとうございました。
次に、北野久美構成員にお願いいたします。
○北野構成員 全国保育士会副会長、そして、認定こども園あけぼの愛育保育園の園長の北野でございます。
本当に丁寧に説明していただきまして、ありがとうございました。そして、前回の発言がそれぞれの科目できちんと整理されているので、とても分かりやすいと感じました。
ただ、「乳児保育」のところです。受講者によって実務経験に大きな差が生じることをどうしても懸念してしまいます。つまり、3年間の幼稚園経験で、2年間の幼保連携型認定こども園の経験だとして、そばに乳児、3歳未満児がいるから見ているかもしれないのですけれども、見ただけでは学べないことも大きいのではないかと思っています。「乳児保育が」1単位になるということで、実務経験の「一般化」という言葉がかなり出てきましたが、乳児を見ている、あるいは乳児がいない幼保連携型認定こども園があったとしても、一定程度の実務経験を評価するための何らかのスケールのようなものが必要なのではないかなと思いました。
また、「保育所保育指針」にのっとりと書いてありますが、指針にのっとってということであると、「保育所保育指針」の学びをどこで押さえるのかということを明確にする必要があると考えます。四角囲みの重点的に学ぶ内容の中で、もちろん指針はきちんと把握できるようになっているとは思うのですが、幼保連携型認定こども園教育保育要領でしたり、幼稚園教育要領で学んできた方々が、「指針にのっとって」という「保育所保育指針」をきちんと学べるように、重点的に学ぶ内容を組み立てる必要があると思います。
スケールのことは申し上げたのですけれども、先ほど井上委員から、養成校に関するお話がございましたが、この特例を実施するに当たり、保養協や、これを実際に展開される養成校の先生方との検討の機会ももちろんかなりな時間費やして設けられると思うのですけれども、丁寧な対応が必要であると感じます。
ですから、2つお聞きしたいのが、1つ目は、申し上げたように、実践と理論の結びつきがすごく大事なので、そこの一定の理解をどのように確認・評価するのかということ。そして、もう一点が、今申し上げました、保養協や実際に展開される養成校の先生方との検討の機会や、ここを重要視してくださいというポイントの押さえ方とか、そういった機会を設けているのかという、その2つをお聞きしたいかなと思いました。よろしくお願いいたします。
○汐見座長 今のことは、後で事務局からお答えいただきますけれども、北野構成員にちょっとお伺いしますが、今おっしゃってくださった中で、「保育所保育指針」の考え方をしっかりと理解できる、そういう授業上の配慮といいますか、それは、例えば6ページの今回示していただいた下線の内容を重点とする考え方がございますが、その中で、最初に、「保育所保育指針」にのっとり、子どもの最善の利益をということで、その後に、個別の指導計画をしっかりつくるのだというようなことで、これは指針の考え方ですけれども、それにつけ加えて何か一言追加のあれがあったほうがいいとか、そういう御意見なのでしょうか。
○北野構成員 ここにこうやって重点とする考え方として出てきているので、授業の科目の四角囲みで、ここを強調しますといった内容のところで、指針ということにポイントを置いた指導の仕方を大切にしていただければなと思った次第です。
養成校のカリキュラムで、全部網羅されている中で学んできていますが、ここに指針にのっとった子どもの最善の利益とか、例えば0歳でしたら、情緒の安定とかそういったことに重点を置くとか、そこを丁寧にしていただけたらなと思った次第です。もちろん丁寧にされるとは思うのですけれども、指針にのっとりという言葉があるので、そこを丁寧にと思いました。
○汐見座長 特に丁寧ということを強調する伝え方があるかどうかですね。ありがとうございます。
それでは、清水構成員お願いいたします。
○清水構成員 帝塚山大学の清水です。
3点、今、いろいろな構成員の方々のお話を聞いていて思ったことがあります。
1つは、飯田構成員が言われた、一人一人に応じた形というのをどこかに記入できないのかなという話と、今の北野構成員が言われた指針の話についても強調できないのかなということで、その部分は、<演習の実施に当たっての留意点>今、3つ中黒といいますか、ポツを置いていただいているところを4つにしてはいかがでしょうか。そういう案です。
4つにすることによって、指針の話を出しつつ、一人一人に応じたというのが。確かに、今、汐見座長の話の中に、個別の計画というのが入っていましたけれども、計画であって、展開の部分については、ここではあまり触れてないような気がしますので、何か1つ入ってもいいかなというのが1点です。
2つ目ですけれども、5ページの「乳児保育」に関しては、<目標>を書いていただいていますので、ほかの科目に<目標>はないわけですけれども、それは、恐らく乳児保育については、ほかの科目、現行の科目に類似の名称が直接ありますので、混乱を避けるためかなという気がいたします。
その乳児保育の目標があるので、その目標についても、考え方の中の一番下の振り返りや共有を行いつつ、下線の内容に重点を置いて履修内容を構成すること。この「下線の内容について」の前に、「上記の目標の達成を目指し」などという表現が入ると、上に目標があって、その目標とリンクする形で、そうすると、1、2という部分が囲まれてはいませんけれども、大切な部分であるというのを伝えることができるかなと思います。それが2つ目です。
3つ目としまして、資料3の6ページの最後のところに、「乳児保育」の1単位を通信制で実施する際の取扱いの中で、面接授業の話を書いていただいています。このことについても、資料2の中にも、最後にある程度はといいますか、半分以上の時間はといいますか、そんなのをここに書いていただくと、より強調されていいのかなという気がしました。
以上、3点です。ありがとうございました。
○汐見座長 ありがとうございました。具体的に御提案いただく御意見で、後で、また、少し議論をしたいと思います。ありがとうございました。
では、鈴木構成員お願いいたします。
○鈴木構成員 國學院大学の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
論点整理、すっきりまとめていただき、本当にありがとうございました。感謝申し上げます。特に実践の振り返りということはすごく大事だと思うのですけれども、私、1つだけお願いというか、ちょっと気がついたのは、こども園の子育て支援、特に子ども家庭支援論のところで、「子育て支援や関係機関との連携等の経験を一定程度積んでいることを考慮し」と書いてあるのですけれども、実際には、今、家庭はとても多様化し複雑化しています。幼稚園教諭の経験で幼保連携型認定こども園2年となったときに、一人で抱え込んでしまうと、とてもしんどい。こども園に移られた先生たちを見ていて、子育て支援の中で、関係機関とか専門職との連携は実はすごく大事だということを改めて学ぶ必要があるのではないかと思っておりまして、「子ども家庭支援論」の中で言うと、4.の(5)になるわけですけれども、これは、裏側の<講義の実施に当たっての留意点>にも、4をきちんと学ぶようにと書いてはあるのですけれども、一人で抱え込まないというところを考えると、専門機関や関係機関との連携の重要性は認識していってほしいなと思っております。
以上です。
○汐見座長 ありがとうございました。今のところがよく伝わるような形で何か工夫があればということですね。ありがとうございました。
それでは、林構成員お願いいたします。
○林構成員 岡崎女子大学・岡崎女子短期大学の林です。よろしくお願いいたします。
既に構成員の先生方がおっしゃられたとおりのことでございます。本当に感想の第一は、すっきりまとめていただいて、方向性がはっきりしてきたということと、それから、新しい特例教科目のイメージとか、あるいは授業の展開について、授業をされる方も受ける方も非常にイメージしやすい、把握しやすい、そういう整理のされ方をしていただきましたので、本当に感謝申し上げたいと思います。
おおむねこれでよろしいのかなと思ったのですが、先生方がおっしゃられたことの中で、1つ、「保育指針」の位置づけをどこでどういうふうにしていくのかということが気になっています。「乳児保育」、「子ども家庭支援論」この2つの科目、それぞれ単体で見ると同時に、他の4単位の中で保育指針がどういうふうに位置づけられているかなというところを精査しながら、どの程度どこに位置づけるかということをもう一回検討するということは必要かと思いました。
もう一つは、乳児保育は演習で行うということになっていくのだろうと思うのですが、演習が、例えば通信制であっても、半分以上は対面で行うとか、演習でやったほうがいいよというような内容について、ある程度これは演習で、対面でやることが望ましいとか、グループワークも多少書かれていますけれども、こういう形の対面で学び直すといいますか、実践を整理し直すということが可能だし、大事ではないかという、そういう論点の押さえといいますか、学び方の押さえというものが多少あるとやりやすいのかなと思いました。
あとは、養成校側の課題といいましょうか、共有事項として、保養協がどんなふうにかかわっていくのかということも先ほど出されたわけでありますけれども、他にも実際にシラバスを作成するなど、進めていく課程でのQ&Aみたいなものをどこでどういうふうに整理して厚生労働省的には用意していくかということも必要なのではないか。ここに書き込むことではないのかもしれませんけれども、そんなことを1つ感じたという次第です。
○汐見座長 ありがとうございました。
今、林構成員から幾つか具体的に提案がされています。特に保育指針については、多分どこの科目でも、指針をしっかり踏まえることは前提ですから、それが入っていると思うのですが、一般論ではなくてというようなところも大事なのだと思うのですね。だから、そこを何か工夫が必要かどうか、また、検討されると思います。ありがとうございました。
それでは、堀構成員お願いいたします。
○堀構成員 皆様こんにちは。堀でございます。
まずは、今回おまとめいただいた内容に関しまして、皆様お話しくださっていますように、私も、おおむね、様々な思いを前回申し上げましたけれども、そういったことを踏まえた形で、また、今回お取り組みいただく養成校の先生方も自由にある程度基本を押さえつつアレンジできるような内容になっていると思っております。様々な御配慮ありがとうございました。
そのことを踏まえて幾つか申し上げたいと思っているのですけれども、まず「乳児保育」の点について特にお話しさせてください。「乳児保育」の6ページの部分ですね。保育内容に関して、保育で重点的に取り上げる内容から3、4、5ということで、私も賛同いたします。本当にたくさんのことを盛り込みたいという思いもありながらも、様々な状況を考えた上で必要な項目に絞ると3、4、5になるだろうと考えています。
6ページの最後の「重点の内容以外についても、学ぶ必要がある」というところで、私もこの内容は非常に賛同いたしまして、乳児保育は、幼児期以上、3歳以上の保育に比べても、保護者のニーズがあって、社会情勢に大きくかかわる保育であるということを考えたときに、そのあたりを深く理解することは必要だと思います。その点も、乳児保育の授業の中でも、いつも力を込めて話しているところではあるのですけれども、今回、そこが重点化するとなかなか難しいということを考えたときに、「福祉と養護」の科目などで福祉的な観点をぜひ盛り込んでいただきたいということや、また、どうしても保健的な対応ですね、子どもの病気の対応であったりとか、知識であったりとか、そうした知識の修得については、「保健と食と栄養」などでも、乳児保育に絡めた形で、また、「子ども家庭支援論」もそうですけれども、こうしたほかの科目との一体化の中で、総合的に盛り込んでいただきたいというところは強調したいところです。その点については意見を述べさせていただきたいと思っています。
もう一点ですけれども、私も、個々への対応ですね。一人一人への対応という点はぜひ強調しておきたいところだと思っています。前回も申し上げましたけれども、0歳児に対する対応は個別性ということは先生方もよく理解してくださっていますけれども、1~2歳、特に2歳児の保育という点で、先ほど構成員の先生方もおっしゃっておられましたけれども、集団の中で子どもが生活するということ、その難しさを、今、数多くの実践の中で感じているところです。
ですから、例えば3、4、5の項目の中のどこにそれが当てはまるのかというと、全てではあるのですけれども、戻りまして、5ページの例えば3の(5)ですね。「3歳未満児の発育・発達を踏まえた保育における配慮」という項目、ほかの項目に比べても非常に広い内容になっているように思いますので、例えば、ここは「3歳未満児の一人一人に応じた保育」というような記載にするとか、より具体的な記載にしてはどうかと感じています。もちろん、ここでは指針の中の配慮事項など様々な観点が含まれる項目であると、柔軟に取り上げることが可能な内容かとも思うのですけれども、例えば、3の「発育・発達を踏まえた」というところは全てに共通していますので、5のところに個別性に配慮した保育であるとか、そうしたことを盛り込んではどうかと考えております。
以上でございます。
○汐見座長 ありがとうございました。
今の堀構成員の御意見の中にも幾つか御提案がございましたので、そのことも、後で確認していきたいと思います。
それでは、山縣構成員お願いします。
○山縣構成員 既に多くの構成員の方が御意見を言われたことについては、ほぼ同意でございますので、同じことは言わずに、あまり出ていなかった部分について、意見もしくは質問的な形でさせてください。3点だけです。
まず1点目、大枠は、前回申しましたように賛成ですけれども、今回、具体的に科目名が出てきましたので、「子ども家庭支援論」についてまず1点です。今回の特性からして幼稚園ベースの方々が当然受講されるということになります。認定こども園も含めもともとは幼稚園だった方々が基本的には対象になるということになったときに、「乳児保育」も同様ですが、幼稚園があまり扱ってこなかった人たちですね。制度的にはやっているはずだけれども、実際に現場等で研修をやると、保護者支援で、入所家庭の支援が9割方占めていて、地域向けの支援はあまりイメージがない、実際にやっておられないというところが多いですね。初期に比べると増えたような感じがしますけれども、まだまだ非常に形式的なものしかやっておられないようです。「子ども家庭支援論」のところで、入所児と地域と、それから配慮を要する家庭の3つが書かれていますけれども、とりわけ地域のところ。幼保連携型認定こども園が義務化されている部分の一つでありますので、ここを少し強調するような教育内容を補強したらどうかなと。中身ではなくて、言葉として、そこも重視してくださいということを入れたらどうかというのが意見です。
それから、2点目が乳児保育です。ここは子育て支援以上に分からない専門外の領域です。かつ、もともとあるもの2単位の「乳児保育」をベースにつくっておられるので、今回変えるのは難しいのではないかというのを分かった上で、あえて指摘させていただくと、保育所と乳児院と家庭的保育等という乳児保育の現場を3つ挙げていただいていますが、家庭的保育に代表させるのが適当なのかなとか、正直な感想です。少なくともそんなに多くない。今だったら恐らく小規模保育のほうが多いのではないかということを考えたときに、例えばですけれども、制度の名前で「地域型保育」とかいう形で入れるというのも、将来変えるというのもあるのかな。現在、ここだけで変えると、また、整合性が取れなくなりますから、今回、私は特に求めません。次の改正のときにそこをどう考えるのか。家庭的保育に代表させるかどうかということです。
もう一つ、同じところで、これは私の日本語の問題なのかもしれないのですが、4番目のところの乳児保育の実際というのが、中身が3つ書いてありますけれども、これももともとのものですから今回変えることは難しいのですが、1、2、3が乳児保育の実際という表題に合った中身なのかなと、ちょっとずれているような気がします。これは感想です。私の日本語は、「実際」という捉え方が、私のほうがちょっとずれているのかもしれません。言葉だけの問題です。
最後3点目です。これは単純な質問になるのですけれども、ベースのところで、「2年かつ2,880時間」という新たな追加で単位数を減らしていくということで、既に保育教諭を持っておられる先生にちょっと感想を聞いたのですけれども、その中の1つで、私も分からなかったのが、「2年かつ2,880時間」というのは、複数の幼保連携型認定こども園でもいいのですかという質問を受けました。法人の中で異動する人がいると。端的に言うと、幼保連携型認定こども園を新たにつくって、法人の中で異動してくださいというような形で異動した人がいるけれども、これは「2年かつ2,880時間」というトータルの計算でいいのかとかというのを質問されたので、これをちょっと確認させていただいたら、ありがたいと思います。
以上です。
○汐見座長 ありがとうございました。
今、山縣構成員から幾つか具体的な御提案もありましたので、また、事務局で踏まえて御検討ください。
それでは、最後になりましたが、小川構成員お願いいたします。
○小川構成員 東京純心大学の小川です。よろしくお願いいたします。
私も、このまとめ、論点の整理のところで、重点を置くべき内容を明確化して示すというところは、おおむね賛成です。多分、授業担当者も御自身でいろいろ工夫ができるかなと考えています。
今、皆様のいろいろなお考えを伺って、例えば保養協の役割とかというのが出てきて、養成校の教員たちがどのように実際に工夫してやれるのかというのは、連携を取っていけたらいいのかなと本当に考えています。今はそれまでにしておきます。
汐見先生にお返しします。
○汐見座長 ありがとうございました。
各構成員から一通り御意見いただきました。その中には、質問につながることもございましたし、それから、こういうふうにしてみてはどうかという御提案もございました。それらを踏まえて、事務局に、その御意見を受けた上で、お答えできる範囲でお答えいただければと思っております。
よろしくお願いします。
○林保育課長 事務局の保育課長です。いろいろ御意見ありがとうございました。
ちょっと多岐にわたった御意見をいただきましたので、十分答えられるか分かりませんが、少し答えられる範囲でお答えを申し上げたいと思います。
1つ、北野構成員からも、実務経験の内容はいろいろ差があるのではないかという御意見もいただいております。山縣先生からも、通算でいいのかというような御質問もいただいております。
制度的な前提としては考えていますのは、まず、通算でもよいと考えていますし、あと、幼保連携型認定こども園で2年かつ2,880時間ですけれども、これは制度的には、受講する前の段階で必ずしも2年間きっちり終わってなくてもよいという形になります。
そういう意味では確かに北野構成員が言うように、経験されている期間や、あるいは実際に現場でどういった担当をされていたかということは大分差があるのだと思います。それは前回も御指摘いただいておりまして、今回、それについては、資料2の2ページに書かせていただいている、全体の総論的な工夫の中で、我々としては、<実務経験と特例教科目による学習を結びつける授業例のイメージ>のところに書いてありますけれども、2年間の実務経験で、各受講者が経験した内容を把握して、実践を生かした授業を展開するというところで、ある程度、これも養成校側に対応をお願いすることになりますけれども、それぞれの経験の内容や違いを、どこかの段階で授業の中で把握をしていただいて、授業展開をしていただくというようなことで御対応いただけたらどうかなと、今のところは考えているということでございます。それが実務経験をどう評価するかということについてでございます。
「保育所保育指針」について複数の先生方からどういうふうにその学びを押さえていくかということ、御意見をいただいております。それは非常に重要だということで、具体的には、清水構成員からは、資料の6ページの「乳児保育」の留意点の中で、今、3つポツがあるのに加えて、「保育所保育指針」の重要性みたいなことを書いてはどうかというような御提案をいただきました。
林構成員からは、他のこの2単位以外の4単位も併せて考えるべきではないかという御意見もいただいております。
私が御意見を聞いてちょっと思ったのは、基本的には、「保育所保育指針」の内容は、幼保連携型認定こども園の教育保育要領とも内容は大体整合性取れていますけれども、特に乳児保育の部分は、幼稚園由来の先生方は、実際あまりなじみがなかったりする部分かなと。そういう意味では「保育所保育指針」として特有のこれから特に対象としている受講生に学んでほしいところは乳児保育の部分なのかなというふうに感じましたので、清水構成員の御指摘のような形で、「乳児保育」のところの留意事項等で1つその重要性を強調していくことは、一つの対応としてはあるのかなと聞いて感じたところでございます。
清水構成員からは、5ページの「乳児保育」の<考え方>のところに、「上記の目標の達成を目指し」ということを記載してはどうかということでございますが、こういったことは確かに明確にしてもいいかなと考えております。
面接授業を半分以上ということについては、最終的には、これも含めて通知の形で我々から示すことになりますけれども、資料2の上でも明確化するのは全く問題ないかと考えます。そのほうが一体化した資料の内容になり、明確に示せるからよいかなと考えております。
鈴木構成員からは、「子ども家庭支援論」で、関係機関との連携は、むしろ抱え込まないようなことが重要ではないかというような御指摘をいただいております。このへんは確かにそういったところはあるかと思いますので、考え方や留意点の中でそういったことも示すのかなと考えて、お話をお聞きしておりました。
林構成員から、「乳児保育」の演習科目の対面を半分以上ということなのですけれども、どれが望ましいかを示せないかということについては、現状、特にどれというふうに示してはいないので、なかなか明確にこれというのは難しいのかなと思いつつ、そうは言っても、普通に考えると、これは対面だなというところもあるのかもしれませんので、少し検討が必要かと思ってお聞きをしておりました。
保養協の関係で、これは北野構成員も林構成員もいただいていましたし、最後、小川構成員からも、まとめて、少し総括的なコメントもいただいて、ありがたいところでございますけれども、我々だけというよりも、養成校の間の横の連携で、実際にこの6単位の特例というのを実施し、あるいは、始めた後も含めてだと思いますけれども、どのような形で工夫して授業展開できているのかとか、実際、複数の先生方がお話ししているのは、教授力が求められるというところも当然あるかと思いますので、そのへん、どういう形で現場の悩みに寄り添えるようなことができるのか。これは、我々厚生労働省の体制だけでは難しいところもありますけれども、保養協などともよく相談をして、どのような対応ができるかちょっと考える必要があると、お話を聞いて思っておりました。
堀構成員からいただいている「乳児保育」の「福祉と養護」の強化、あるいは「保健と食と栄養」の重要性ということでいただいたかと思いますので、そのへんも少し強調できるようなことが期待できるかどうか、検討が必要かと思っております。
5ページ目の3の(5)のところで、これは、この内容自体を今回見直すのはちょっと難しいところではあるのですけれども、これは留意点や考え方に、一人一人に応じたことの重要性ということを記載できるかどうか検討したいと考えております。
最後、山縣構成員からいただいておりますが、おっしゃるようにこの特例の対象は幼稚園の教諭の方が中心ですので、「子ども家庭支援論」について、特に、地域の子育て家庭支援が重要だというようなことをおっしゃる部分、そうかなと思いましたので、そういった対応ができないか、少し検討をしたいと思います。
「乳児保育」についても、内容について御意見いただいております。1点、「家庭的保育等」は、これは法令の用語がちょっとややこしいのですが、児童福祉法上は、「家庭的保育等」で小規模保育も含めた概念になっておりまして、子育て支援法と違いますので、確認しますが、「家庭的保育等」という中で小規模保育も読み込めて、運用されているかと考えております。
4の「乳児保育の実際」という言葉については、専門家にも用語法として違和感がないかを確認したいと思います。
大体いただいた意見については、一応私からのお答えは以上でございます。
○汐見座長 ありがとうございました。
皆さんからいただいた御意見、御提案に沿って、技術的な記述の工夫でそれがこなせるということであればということで、かなり丁寧に、今、事務局から、こういうふうな形にしてみるという御提案もございましたので、今の事務局からの御意見、御提案も含めて、もし、再度、御意見があるという方は、もう一度御発言をお願いしたいと思います。
北野さんお願いします。
○北野構成員 申し訳ございません。確認といいますか、さらに質問といいますか、よろしいでしょうか。
前回の検討会のときに、幼保連携型認定こども園は実務経験が2年プラスですが、そのままの方は結局8単位を受けるということでした。ですから、8単位と6単位の受講者がいる。そして、その受講者は同時に授業を受けるのでしょうか、といったことを質問させていただいたと思います。本検討会で回答ということだったのですが、今回の資料1の2ページを拝見しますと、養成校において同じ科目で云々という1番目の○ですね。そこで、各養成校で運用しやすいように、ある程度養成校に任せるといった記述がございますが、これが前回の質問に対する答えと捉えてよろしいのですよね。
○汐見座長 いかがでしょうか。
○林保育課長 事務局です。
すみません。そこを明確に御説明してなくて申し訳ございませんでした。
おっしゃるような記述のところも一つの答えでございます。8単位のコースと6単位のコースを各養成校でどのような形で運用されるかというのは、実際こういった基準を示して以降、各校で考えられることだと思います。共通している単位数・科目数が、ほかの2教科はそうでございますし、単位数が今回1単位になる分、これは、また、多分違う形で当然コースを組まれるかと思いますけれども、それらをどういう形で組み合わせて設定されるかはいろいろだと思いますけれども、当然6単位特例の方、8単位特例の方で条件が違いますので、そこは選んでいただいて、御自身の経験、厳密に言いますと、今後、令和6年度末までに積まれるであろう経験年数と時間数、こういったことも踏まえてどちらかのコースを選んでいただくということ。養成校は、8単位コースと6単位コース、どっちも開設するところもあるでしょうし、これは開設するかどうかは各養成校の御判断になるので、片方の8単位しかないところもあるかもしれませんけれども、そこは選択肢の中で選んでいただくということになります。
お答えになっているか分かりませんが、そういうことになるかと思います。
○北野構成員 ありがとうございました。
例えば「子ども家庭支援論」で、6単位の人は、1、2、3の四角囲みですよね。それを、例えば「福祉と養護」で補完というか、そこで強調しますよというようなこと。「乳児保育」も、3、4、5の四角囲みを6単位の人は受けて、でも、その方たちは「福祉と養護」「保健と食と栄養」でそれを少し補完しますよというようなニュアンスであったと思うのですが、結局、教える先生が違うので、この人は6単位用の人の「保健と食と栄養」だなとか、この人は8単位用の「福祉と養護」だなとなっていくと、何かすごく混乱するなと考えていました。そのため、前回そのような質問をさせていただいたのですが、それこそ養成校さんの中での横のつながりとか、授業のありようとかタイミングとかもあるでしょうから、それを包括して運用しやすいように、ある程度養成校さんにというような書きぶりと受けとめてよろしいのですよね。
○林保育課長 おっしゃるとおりです。補足していただきまして、ありがとうございます。そのとおりだと考えております。
ですので、実際は、8単位の方、6単位の方が、同じクラスで「福祉と養護」とかをやるかもしれません。そこは分けてもいいでしょうし、一緒でもいいです。そこは、授業上、運用上のいろいろな工夫で対応していただくということかと思いますので、それは通常の講座の中でも、理解の程度の違いによっていろいろ宿題を出したり、そういったことと同じような形で適宜うまく運用していただくということで、ある程度柔軟性を持った運用をお願いしたいと考えております。
○北野構成員 ありがとうございました。
いずれにしろ、しっかりと指針をベースに「乳児保育」と「子ども家庭支援論」を学んでいただいた保育士が増えることはありがたいことなので、その方向性がきちんと行きますようにと思っております。ありがとうございました。
○汐見座長 ありがとうございました。
ほかに、御意見、御質問はございませんでしょうか。
後で出てくるかもしれませんので、あらかじめ私から申し上げておきますが、実際にこれをスタートさせた場合に、2単位でやっていたのが1単位になるというときに、具体的にはそれはどういうふうにするのかというあたりが養成校の中ではかなり議論になるのではないかということですね。つまり、授業を半分できちんと終わるのか。1単位というのは具体的にはどういうことなのかというようなことについて、へたすると厚生労働省にいろいろな質問が来てということで、書くかどうかはちょっと悩ましいのですが、現在の1単位の考え方は、大学設置基準にたしか書かれていて、予習・復習の時間を含めて必要な時間数をもって2単位になるというような計算を実はしていましてですね。
ですから、具体的なことは、専門学校はどうしているのか分からないですけれども、各大学の単位の内規みたいなものが多分あると思いますので、それぞれの大学で、1単位はこういうふうにというのを多分定めてあると思うのですよね。ですから、ここは、原則はこう書いてあるのですけれども、そのとおりやると、なかなか学生が大変だということで、実際は柔軟に各大学で運用しているはずなのですね。ですから、ここは各大学の学則の規定にのっとって、1単位の運用を具体的に構成していただきたいという形でちょっと書いておくと混乱がないのかなというようなことで、少し議論したのですが、そういう形でやってよろしいでしょうかね。
ありがとうございました。
ほかに、何か御意見はございませんでしょうかね。
○山縣構成員 今の汐見先生の話を聞いて、ちょっとよくないことを考えたのですよ。
今回、2単位科目をベースに1単位をつくるという、ここを強調してくださいということで明示されたということで、これは、整合性があると非常に分かりやすいのですが、一方で、これをあまり明示すると、例えば大学によっては、このシラバスどおりの授業構成を、提案どおりのシラバスをつくって、こことここがこうなったら1単位よというふうなことが起こり得るかなと、正直、今、こそくなことを考えてしまいました。だから、どうということではないです。そのへんをどう考えるか。
○汐見座長 それは、ここだけ行えばいいと、そんなふうになってしまうのは、それはおかしいねということで。
でも、時間全部に出てもらっても1単位ですから、大学によってはやはり理論がありますよということになるかもしれないですね。ですから、それはそれで、各大学でやっていただければということだと思います。ただ、全然書かないと、どうやればいいのだというような質問が多分来るというのがちょっと煩わしいなということで。単位の問題は、1単位というのは、古い規定がそのまま生きていて、実際あのとおりにやったら、学生が毎日の予習・復習で、24時間では足りないぐらいになってしまうのですよね。ですから、各大学で自主的にやっていって、それで不都合が起こっているわけでは全然ないのですよね。ですから、それを前提としてやってくださいという程度に書くしかないかなということだったわけです。ありがとうございます。
もし、特に御意見がないようでしたら、ただいまいただいた御意見をもう一度事務局において整理していただいて、それを踏まえて、特に、資料2の論点整理を少し修正していただきたいと思っております。そして、その結果、まとまりました検討会で議論した内容という形でホームページに掲載させていただきたいと思っています。
多分、今回の議論はそんなに大きな修正はなくて、少しつけ加えたということで、その内容については、私と事務局の議論に任せていただきたいと思うのですが、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○汐見座長 ありがとうございます。
それでは、御意見を整理した内容の確認については、事務局と相談の上で進めさせていただきたいと思います。これを基に作成いただく通知がございますので、通知等については、構成員の皆様には事務局から情報提供していただきますので、御覧ください。よろしくお願いします。
それでは、時間となりましたので、本日の議論は以上で終了させていただきたいと思います。
最後に、次回以降の予定について、事務局から御説明お願いいたしたいと思います。
○田野保育課課長補佐 事務局でございます。
次回第3回につきましては、すみません、まだ日程調整をお願いしておりませんので、改めて、日程調整をさせていただきまして、御連絡をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○汐見座長 それでは、夕食の直前の皆さん慌ただしい時間に申し訳ございませんでした。今日の会議、これで終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

 
 

 

(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 子ども家庭局が実施する検討会等> 保育士養成課程等検討会(令和4年5月から)> 第2回保育士養成課程等検討会(2022年6月13日)

ページの先頭へ戻る