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2022年9月15日 第139回先進医療技術審査部会 議事録

 
 


(1)日時:令和4年9月15日(木)16:00~

(2)場所:TKP新橋カンファレンスセンター「ホール14F」(オンライン)

(3)出席者
山口座長、一色座長代理、天野構成員、伊藤(澄)構成員、伊藤(陽)構成員、上村(尚)構成員、上村(夕)構成員、掛江構成員、北川構成員、後藤構成員、坂井構成員、佐藤構成員、真田構成員、柴田構成員、戸高構成員、飛田構成員、藤原構成員、松山構成員、渡辺構成員、安達技術専門委員、北脇技術専門委員

(事務局)
医政局研究開発政策課長
医政局研究開発政策課 治験推進室長
医政局研究開発政策課 課長補佐
医政局研究開発政策課 先進医療係長
保険局医療課 先進・再生医療開発戦略専門官
医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 審査調整官


【議題】

1.新規申請技術の評価結果について
2.総括報告書の評価について
3.試験実施計画の変更について
4.協力医療機関の追加について
5.先進医療Bの試験終了に伴う取下げについて
6.その他

【議事録】
○山口座長
 それでは、定刻となりましたので、第139回先進医療技術審査部会を始めます。御多用のところお集まりいただき、誠にありがとうございます。本日はオンラインの開催となります。
 本日の構成員の出欠状況ですが、田島優子構成員より御欠席の御連絡を頂いております。また、本日は技術専門委員として、安達伸生委員、北脇城委員に御出席いただいております。どうもありがとうございます。また、一色高明座長代理、渡辺弘司構成員には、会場にて御出席いただいております。どうもありがとうございます。本日は、今のところ20名の構成員のうち16名の構成員にお集まりいただいていることから、本会が成立していることを申し添えます。
 それでは、配布資料と本日の審査案件の確認を、事務局からお願いします。
 
(掛江構成員、北川構成員 入室)
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 傍聴者の方の撮影はここまでとさせていただきます。御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。配布資料について確認いたします。議事次第、座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続きます。続いて、新規申請技術の評価結果について資料1-1~1-5、総括報告書の評価について資料2-1~2-3、試験実施計画の変更について資料3-1~資料5、協力医療機関の追加について資料6-1及び6-2、先進医療Bの試験終了に伴う取下げについて資料7、先進医療合同会議の審議結果について資料8です。会議資料の最終ページは121ページとなります。お手元の資料に乱丁、落丁等がありましたら、事務局までお知らせください。
 続いて、利益相反の確認です。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業について、事務局から事前に確認させていただいております。今回、整理番号131の技術、順天堂大学医学部附属順天堂医院からの新規申請技術ついて、伊藤澄信構成員におかれましては、自施設からの申請ということで、審議の際は一時御退席いただければと思います。また、告示番号旧1の技術、埼玉医科大学国際医療センターからの総括報告に関して、天野構成員、一色座長代理、北川構成員から御報告がありましたが、50万円以下でしたので、当該技術の議事取りまとめ及び事前評価に加わることができます。事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がありましたら、この場で御報告をお願いいたします。それでは、該当なしということで、承知いたしました。
 また今回は、資料を事前にメールでお送りしております。会議資料と区別して、構成員、事務局限りの届出書類等を「タブレット資料」と御案内します。なお、会議資料とタブレット資料の内容は異なっておりますので、発言者は会議資料の何ページ又はタブレット資料の何ページと、あらかじめ御発言を頂きますと、議事の進行上助かります。本日はオンラインでの開催となり、構成員の先生方には大変御不便をお掛けいたします。御発言いただく際には、初めにお名前をおっしゃっていただくようにお願いいたします。その他、途中で接続トラブル等がありましたら、お知らせいただけますようお願いいたします。また、Web会議ソフトには手挙げ機能が付いておりますので、こちらも適宜御活用いただければと存じます。以上です。
 
(柴田構成員 入室)
 
○山口座長
 では、議事に入ります。新規申請技術の評価結果について、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 資料1-1、15ページを御覧ください。先進医療Bとして新規に評価を頂く技術は、整理番号131「特発性大腿骨頭壊死症に対する自家濃縮骨髄液移植」です。申請医療機関は、順天堂大学医学部附属順天堂医院です。審査担当構成員は、主担当が松山構成員、副担当が田島構成員、飛田構成員、技術専門委員が安達委員となっております。なお、冒頭に申し上げたとおりですが、伊藤澄信構成員におかれましては、御所属の医療機関等との関係で、本議題の審議に際し、御退席いただきたく存じます。御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
 
(伊藤澄信構成員 一時退席)
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 資料1-5、33ページを御覧ください。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より説明いたします。まず、1番目の実施責任医師の要件ですが、診療科は整形外科が必要。資格は日本整形外科学会専門医が必要。当該診療科の経験年数は10年以上。当該技術の経験年数及び経験症例数は不要となっております。
 2番目の医療機関の要件です。診療科は整形外科が必要。実施診療科の医師数は、日本整形外科学会専門医2名以上が必要。他診療科の医師数は、膠原病疾患に対する診療経験を有する内科医師1名以上が必要。その他医療従事者の配置は、理学療法士、薬剤師及び臨床工学技士が必要。病床数は200床以上。看護配置は10対1看護以上。当直体制は、整形外科当直を必要とする。緊急手術の実施体制は必要。院内検査の24時間実施体制は必要。他の医療機関との連携体制は不要。医療機関の保守管理体制が必要となっております。また、医療安全管理委員会の設置は必要。医療機関としての当該技術の実施症例数は不要となっております。
 3番目、その他の要件として、頻回の実施報告は不要となっております。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 これらの要件について、何か御意見はありますか。いかがでしょうか。特にないようです。それでは、様式第9号については、お認めすることといたします。
 次に、技術の概要と実施体制の評価について、主担当の松山構成員より御説明をお願いいたします。
 
○松山構成員
 まず、17ページ(資料1-2)の医療技術の概要についてお話いたします。特発性大腿骨頭壊死症では、非圧潰状態の大腿骨頭が圧潰へと病期進行すると、疼痛と関節症に伴う機能障害が不可逆性に生じ、日常生活が著しく制限されます。よって、この治療において重要になるのは、大腿骨頭の圧潰を抑制する治療法です。本技術は、患者さん自身の腸骨から骨髄をとり、ジンマーの機械で骨髄濃縮液を単離し、それを大腿骨頭に輸注するという流れです。
 海外の過去の報告では、70~78%の圧潰抑制効果、これは既に論文になっており、82~88%の人工関節回避率が示され、非常にpromisingであると。本邦では2019年11月に、日本整形外科学会・厚生労働省指定難病特発性大腿骨頭壊死症研究班により作成されたガイドラインにおいて、本医療技術が推奨度2、エビデンスの強さはCとなっております。
 今回の研究に関しては、主要評価項目は自家濃縮骨髄液移植後2年における骨頭圧潰の有無ということで、副次評価項目としては有害事象、疼痛評価、股関節機能の評価となっております。予定試験期間は先進医療の告示をしてから7年間、登録期間は3年間ということで、目標症例数は32例です。一旦、技術に関しての概要はこれでよろしいでしょうか。
 
○山口座長
 ありがとうございました。
 
○松山構成員
 実施体制の評価に移ってもよろしいでしょうか。
 
○山口座長
 どうぞ、お願いします。
 
○松山構成員
 今回、責任者の先生方と参加者の先生方の経歴等を見させていただきました。実施責任医師等の体制に関して「適」、医療機関の体制も「適」、医療技術の有用性等に関しても「適」と評価させていただいております。コメントですが、特発性大腿骨頭壊死症は、原因が不明の指定難病となっております。骨頭部の骨髄・骨組織の血流不全と組織圧の上昇が、壊死につながっていると推定されております。本技術は、大腿骨頭部にニードルを介して腸骨由来の骨髄由来単核球、あるいは濃縮液を輸注するものです。ニードルによる組織圧の低減効果と、骨髄由来単核球による組織修復が相乗効果をもって、大腿骨頭壊死の発症抑制につながると想定されており、非常に期待される治療技術であると考えております。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。続いて安達技術専門委員より、実施体制の評価について評価をお願いいたします。
 
○安達技術専門委員
 実施体制の評価ですが、今、松山先生から詳しく御説明いただきましたが、特に問題はありませんでしたので「適」といたしました。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。続いて、倫理的観点からの評価について、副担当の田島構成員が欠席ですので、事務局より代読をお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 代読いたします。18ページ(資料1-2)下方を御覧ください。倫理的観点からの評価ですが、4.同意に係る手続、同意文書について「適」、5.補償内容については「適」。コメントとして、説明文書の内容について、各事前照会事項記載の問題点がありましたが、総てについて所用の修正がなされましたので、「適」と判断致しました。補償については、保険加入がなされ、適切に対応されるため「適」としました、とあります。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。続いて、副担当の飛田構成員より、試験実施計画書等の評価について御説明をお願いいたします。
 
○飛田構成員
 私のコメントは19ページ(資料1-2)から記載しているとおりで、いずれも「適」と判断いたしました。コメントとしては、本試験は両側に特発性大腿骨頭壊死症を有する目標症例数32例を対象として、片側の圧潰に標準治療である人工股関節全置換術を施行する際に、反対側の病型Type Cの非圧潰骨頭に本医療技術の介入を行って、主要評価項目である術後2年における骨頭圧潰の発生率を、自施設でこれまでに実施されたヒストリカルデータから得られた閾値48%と比較する2施設単群試験です。そのなかで、閾値の設定根拠とされる自施設で実施されたヒストリカルデータの詳細や、本試験の目的に対する仮説と解析に関して、提出されたプロトコル上でわかりにくい点がありましたが、その点について主担当の松山先生から照会をしていただきました。回答の中で閾値は少し保守的な設定ですが、適切に回答され、プロトコルの修正もなされています。また、改めて新規に統計解析計画書も作成されましたので、評価表については、いずれも「適」と判断しています。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。では、1~16の総評について、主担当の松山構成員よりお願いいたします。
 
○松山構成員
 今回、総合評価は「適」としております。技術に関しては、安達先生から問題ない、非常にすばらしい技術だという御助言を頂き、本当にありがとうございました。今回の議論の中で、論点は3点です。(マル1)説明同意文書の適切性、(マル2)申請医療機関での先行研究が2例と少数例であることの是非、(マル3)統計推定に用いたヒストリカルコントロールデータの適切性の3点でした。一番最初の説明同意文書の適切性に関しては、申請医療機関とのやり取りの中で、主に田島先生に御対応いただきました。特に被験者に分かりやすく、かつ適切、適式に修正いただいたということです。
 (マル2)申請医療機関での先行医療研究が2例と少数例であることの是非については、海外で1,000例を超える多くの実施例についての論文があります。また、申請者が海外留学にて当該技術を修得されていたという経験もあり、手技的な問題も含め、安全性のリスクの懸念は一定程度は除外できたと考えており、今回、先行研究が2例であっても進めて構わないだろうと判断をしております。
 3つ目は、統計推定に用いたヒストリカルコントロールの適切性についてです。過去3年間のヒストリカルコントロールの成績が、カルテ研究として倫理委員会に承認されて適切に実施、報告されており、一定程度の信頼性が認められると判断したところです。加えて、この3年間で当該疾患に対する医療技術的背景に大きな変化、著変がなく、コントロールとして用いても大きな問題はないだろうと想定されたということです。
 最後に、本医療技術は、ニードルによる組織圧の低減効果と骨髄由来単核球による組織修復能が相乗効果をもって大腿骨頭壊死発症抑制につながると想定されており、大いに期待される治療技術と考えております。先進医療技術として「適」とさせていただきました。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。それでは、討議をお願いします。コメント、質問はありませんか。海外でも行われていて報告があるということですが、ガイドラインなどの取扱いはどのようになっているのでしょうか。つまり、標準的な治療として一般に行われているのか、多数の実験的な報告例があるのかということなのですが。
 
○松山構成員
 まだ標準治療にはたどり着いていないと思います。ただ、先行の合計1,800例の、いわゆるコホートではなくて観察研究のデータで見ますと、比較的プロミシングだということで、この前向き研究が行われることによって、整形外科学会等の大腿骨頭壊死に関するガイドラインとして、しっかりと載ってくるのではないかなと期待しているところです。
 
○山口座長
 ほかに何かありませんか。あと、本邦で2例しか行われていないということですが、侵襲を伴う治療ですので合併症などが気になるのですが、外国の千何百例の中では合併症やリスクについては、どのように判断されているのでしょうか。
 
○松山構成員
 論文を見せていただいたところ、特段大きな、通常の手術に比べてもリスクが高いというわけではなさそうだという判断をさせていただいたところです。もし安達先生、コメントがあれば追加でお願いしたいのですが。
 
○安達技術専門委員
 手技に関しては、一般的な整形外科医、特に股関節を専門にされている先生であれば標準的にできる技術で、特段熟練を要するとか難しいという手技ではないと思います。それから、先ほど報告がありましたように、申請の先生は海外で多数の症例を経験されておりますので、安全性は担保されるのではないかと思います。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。大変有望で安全性は問題ないということですが。ほかにありませんか。特にないようですので、整理番号131については「適」といたします。安達技術専門委員におかれましては、以後は御退席いただいて結構です。本日は、御多用のところ御出席いただき、誠にありがとうございました。
 
○安達技術専門委員
 ありがとうございました。
 
(安達技術専門委員 退室)
 
○山口座長
 では、伊藤澄信構成員にはお戻りいただくことといたします。
 
(伊藤澄信構成員 入室)
 
○山口座長
 続いて、総括報告書の評価結果について、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 御説明いたします。資料2-1の35ページを御覧ください。先進医療Bの総括報告書に関する御評価を頂きますのは、告示番号旧1「パクリタキセル静脈内投与(1週間に1回投与するものに限る。)及びカルボプラチン腹腔内投与(3週間に1回投与するものに限る。)の併用療法」です。申請医療機関は、埼玉医科大学国際医療センターです。審査担当構成員は、主担当が坂井構成員、副担当が柴田構成員、技術専門委員が北脇委員となっています。
 資料に沿って御説明させていただきます。現在のところ、卵巣癌に対する効果的なスクリーニング法は確立されておらず、その約70%がⅢ、Ⅳ期の進行癌の状態で初めて診断される。卵巣癌の年齢訂正死亡率は25年間で1.9倍の増加を示し、女性の悪性腫瘍による死亡原因において、乳癌に次ぐ第2位になる可能性があった。
 本試験は、上皮性卵巣癌・卵管癌・腹膜原発癌患者に対して、パクリタキセル毎週経静脈(IV)投与及びカルボプラチン3週毎IV投与の併用療法(dd-TCiv療法)を標準治療とし、パクリタキセル毎週IV投与およびカルボプラチン3週毎腹腔(IP)投与の併用療法(dd-TCip療法)を試験治療とした第Ⅱ/Ⅲ相ランダム化試験である。Phase A、feasibility について、International Independent Data Monitoring Committee(IIDMC)が総合的かつ第三者的に判断し、Phase B への移行を決定する。Phase B、主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)。副次評価項目は、全生存期間(OS)、腫瘍縮小効果(評価可能病変のある症例のみ)など、お示しするとおりです。目標症例数は654例で、登録症例数は655例となっています。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。では、本技術の評価について、主担当の坂井構成員から御説明をお願いします。
 
○坂井構成員
 よろしくお願いいたします。本試験ですけれども、承認日が2010年5月1日ということで、長い経過をたどっていますので、御承知の先生方も多いかと思いますが、少し背景から御説明したいと思います。タブレット資料2の265ページ、総括報告書の17ページの背景の部分です。本邦の上皮性卵巣癌ですけれども、罹患率は、研究開始当時は年間約8,000人と推計され、先ほどもありましたように、効果的なスクリーニングが確立していないことから、進行癌の状態で診断されることが多く、予後不良であるとされています。
 治療法としては、腫瘍の減量を目的とした手術と、それに続く化学療法が推奨されています。化学療法に関しましては、dose-denseの概念に基づいて、パクリタキセルの投与間隔を3週から1週に変更するという試験が行われまして、その有効性が示されたところです。先ほどありましたように、パクリタキセルとカルボプラチンの静脈内併用療法が標準治療とされています。
 一方、卵巣癌は直接あるいは播種により腹腔内に進展するということから、術後の残存あるいは再発の病巣に対しまして、抗癌剤の腹腔内投与が提唱されるようになりました。シスプラチンやカルボプラチンは腹腔内投与した場合、静脈内投与に比べて、より高濃度の薬剤がより長時間腹腔内に維持されることから、血液毒性などの全身性の有害事象を減少させ、効果も期待できると考えられまして、臨床試験が行われています。その中で、腹腔内投与群のほうが静脈内投与群よりもカテーテルのトラブルを含めた毒性が多く認められるという結果でしたので、更に安全性に関するデータが必要とされまして、本試験が計画されたというような背景です。
 対象は、上皮性卵巣癌・卵管癌・腹膜原発癌のFIGO進行期Ⅱ~Ⅳ期とされています。選択除外基準については、タブレット資料の251ページ、総括報告書の3ページに記載されているとおりです。
 症例数ですけれども、PhaseAのfeasibility試験が120例、PhaseBが534例となっています。こちらは、計画時には必要な症例数が746例、イベント数が510イベントでしたけれども、研究期間の延長に伴い654例に変更されまして、最終的には登録数655例でした。
 評価項目につきましては、先ほど事務局から御説明がありましたとおりです。治療概略図ですけれども、会議資料の53ページ(資料2-3)に掲載されていますので御覧ください。治療完遂は6サイクル、評価につきましては安全性、有効性、費用対効果と計画されています。
 結果ですけれども、登録数は851例。この中でランダム化されたのが655名。dd-TCiv群が328名、dd-TCip群が327名という結果でした。部位につきましては、卵巣癌が77.7%と73.7%と最も多く、以下、腹膜原発癌、卵管癌と続きます。
 有効性についての結果をまとめて述べさせていただきます。主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)につきましては、中央値がdd-TCiv群が20.7か月、dd-TCip群が23.5か月で、TCip群で有意に延長しました。OSと奏効率は有意差がなく、治療完遂率はdd-TCip群で59.9%、これはivへの変更も完遂と認める場合ですけれども、有意差をもって低いという結果でした。安全性についても結果だけまとめてもよろしいでしょうか。
 
○山口座長
 はい。
 
○坂井構成員
 安全性の結果ですけれども、Grade3以上の有害事象は、双方とも90%以上と有意差はありませんでした。プロトコル治療との因果関係が否定できない有害事象につきまして、dd-TCiv群がip群よりも5%以上多い有害事象としては、血小板数の減少と末梢性運動性ニューロパチーが示されましたけれども、いずれもGrade3には達していませんでした。dd-TCip群がiv群よりも5%以上多かった有害事象につきましては、腹痛とカテーテル関連感染でしたけれども、この中のカテーテル関連感染については、Grade3以上のものが認められました。
 そのほか死亡につきましては、投与期間中の死亡は5名に認められまして、そのうちの3例が有害事象、その中でdd-TCip群の肺臓炎はプロトコル治療との因果関係があると判断されました。そのほかポートトラブルとしてはリークが17件で最も多く、その次にカテーテル閉塞という結果でした。研究の概要は以上です。評価に移ってもよろしいでしょうか。
 
○山口座長
 はい、お願いします。
 
○坂井構成員
 有効性についての評価からですけれども、こちらはBとしました。先ほどお示ししましたように、主要評価項目であるPFSの中央値はdd-TCip群で有意に延長が認められていました。そのほか、副次のOSと奏効率には有意差はありませんでしたけれども、一定の効果が得られたと考えまして、Bとしました。
 次に、安全性につきましては、こちらもGrade3以上の有害事象の数は双方とも特に有意差なく、dd-TCip群でポートトラブルがありましたけれども、これは想定内の範囲であったということです。そのほか、投与期間中の死亡が1例ありましたけれども、おおむね両群で同等であり、有害事象でも大きな差がなかったため、おおむね安全、余り問題なしのBとしました。
 技術的成熟度につきましては、1例ですけれどもプロトコル治療に関連した肺臓炎の死亡が認められましたので、A、十分な経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できると判断しました。ひとまず私からは以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。続いて、副担当の柴田構成員より御評価をお願いします。
 
○柴田構成員
 お手元の資料、今映っています40ページ(資料2-1)を御覧ください。有効性ですけれども、本試験はPrimary endpointが無増悪生存期間であらかじめ設定された基準を満たしており、有効性が検証されています。生存期間については、これはその延長を検証することを目的として計画された試験ではないですし、また、後治療の影響である旨の考察は妥当であると思いますが、そこで明確な差が付くまでには至っておりません。ただ、これは繰り返しになりますが、生存期間の差を取るように計画されたものではないので、ネガティブに評価されるべきものではないと思います。
 IPポートトラブルの発生等によって、完遂率が標準治療のdd-TCiv群よりも低くなるのはあらかじめ予想されていたことですので、これ自体は問題ないですが、結果としての完遂率は下がりますので、それを踏まえて評価する必要があります。それをもってしても無増悪生存期間が延長しているということは、きちんと評価に値するものだと考えています。
 以上を踏まえまして、標準治療を著しく凌駕するものとまでは言えませんが、有効性の向上は認めうるものと判断しています。
 有効性の所に書きましたけれども、その下の段落で、今年3月31日に医薬品審査管理課の事務連絡で出ている、特定臨床研究の結果を薬事承認に使えるかという話の論点整理の文書がありますが、その各論点に対しての適合性も、申請医療機関側の見解ですけれども確認しています。今日は省略しますが、この資料の44~47ページ(資料2-2)辺りにどのような対応が取られているのかというのが記されていまして、こちらを拝見しますところ、本試験の実施状況としては、現時点で提出されている資料・情報からの判断に留まりますけれども、基本的に先ほどの事務連絡で挙げられている論点に対しては対応されていると解釈していますし、また、海外におけるICH-GCP準拠の臨床試験の一般的な水準に照らして、その実施状況には多様性がありますけれども、その多様性の範囲内に収まっているものと解釈しております。有効性については以上です。
 安全性についてですが、こちらはCの問題あり(重い副作用、合併症が発生することあり)と印を付けています。有害事象ですとか副作用の発現状況は、試験治療群で一様にリスクが高いという結果ではありませんが、腹痛やカテーテル関連感染が多く、これは想定される範囲のことですけれども、IPポートトラブルもこちらに挙げたような内容が出て、特徴的なものが生じています。
 なお、dd-TCip群で先ほども坂井先生から御指摘がありましたが、プロトコル治療との因果関係ありの投与期間中の死亡が1名、肺臓炎による死亡が1名観察されています。これら重篤な副作用が生じているという事実がありますので、重い副作用や合併症が発生することありのCにしていますが、通常の抗癌剤治療の中で想定される範囲内のことでもありますし、基本的に既知の事象・予期される事象であって、専門家にとってはコントロール可能なものと考えています。IP投与に特徴的な事象については、対処方法とともに、こういうことが起こるというのを患者さんに対してあらかじめ説明されることが必要であろうと考える次第です。
 最後に技術的成熟度ですけれども、Aとしました。多施設共同試験の検証的試験でエビデンスを出しており、一定の成熟度にあるものと解釈しております。ただ、今後の薬事承認、保険適用の状況に、広く一般的に使えるかどうかは依存すると思いますので、それ次第ではありますが、技術の成熟度としてはAとしていいのではないかと考える次第です。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。続いて、北脇技術専門委員より御評価をお願いします。
 
○北脇技術専門委員
 はい、その続きの46ページ(資料2-1)を御覧ください。今回申請のパクリタキセル+カルボプラチン静脈内併用投与療法は、TC療法と呼ばれていますけれども、上皮性卵巣癌に対して、今は標準化学療法として広く使用されています。この中でカルボプラチンの腹腔内投与は従来、利点が指摘されてきたものであり、今回申請の試験は従来法の静脈法に対する効果を検証したものです。予想通り大きな改善ではないものの、一定の改善効果が得られていると考えます。
 そのため、この評価ですが、有効性はやや有効としてBとしました。安全性につきましては、従来法に比較して更なる問題が発生したわけではないことから、Bとしました。技術的成熟度は、従来法が日常臨床で広く行われていることから、それと同様にAとしました。
 今回、試験を主導したNPO法人婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)は、婦人科がん化学療法に対する大規模臨床試験を行っている欧米の研究機構のいわば日本版の組織であり、独自に系統的な臨床試験を積み重ねてきています。日本発で日常のレジメンに定着してきているものもあります。今回、iPocc Trialと称しておりましたが、これも臨床試験の一環として位置付けられたものです。今回の申請は委員からの指摘に対して適切な修正が得られていまして、総じて妥当なものと考えられると判断します。この成果が早期に臨床に反映されるべきと考えます。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。それでは、主担当の坂井構成員から、何か追加のコメントなどがありましたらお願いします。
 
○坂井構成員
 ありがとうございます。総合的なコメント欄の所に書きましたが、現時点で当該技術には薬事承認が得られている国はないということなのですけれども、アメリカやヨーロッパなどでは保険償還されているという現状を踏まえまして、本邦でも同様の方向に位置付けられるということが、この研究結果から期待されるのではないかと思います。
 その下の、薬事承認申請の効率化に資するかどうかという点ですけれども、この研究結果が論文化された際には薬事申請を進めていくということで、製造販売業者と交渉を進めているということですので、本試験が当該技術の薬事承認申請の効率化に資するのではないかと考えます。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明について何か御質問はありませんか。いかがでしょうか。
 
○天野構成員
 天野ですが、よろしいでしょうか。
 
○山口座長
 天野委員、どうぞ。
 
○天野構成員
 御説明ありがとうございました。私から質問が1点あります。有効性が従来の医療技術よりもやや有効であるという御説明を頂いたと思います。この臨床試験自体は2010年から行われていて、10年以上の期間にわたって行われた試験だと思いますが、その間に卵巣癌においても複数の新規治療薬等が出てきていると思いますが、そういった新規治療薬が出てきている中でも、今回のこの医療技術の有効性というのは、一定程度認められるという理解でよろしいでしょうか、という質問です。
 
○山口座長
 ありがとうございます。ではどなたか。北脇先生、いかがですか。
 
○北脇技術専門委員
 ありがとうございます。技術専門委員の北脇です。10年以上経っているということですが、今現在の標準的治療法は、やはり先ほど申しました現在のTC療法でして、これに関してはその時点から変わることはありません。それ以外の治療薬というのは、それにプラスして使用されるものもありますけれども、やはりTC療法が中心となっていますので、このTC療法のうちの1つを腹腔内に投与するかどうかということを、現在の治験で行われたもので、今となっても有効なものではないかと考えます。ありがとうございます。
 
○山口座長
 天野先生、よろしいでしょうか。
 
○天野構成員
 分かりました、ありがとうございました。
 
○山口座長
 どうもありがとうございました。ほかにございませんか。有効な結果が出たのは大変良かったと思います。それでは、ないようですので、告示番号旧1については、ただいま御審議いただいた結果を取りまとめて先進医療会議に御報告いたします。北脇技術専門委員におかれましては、以降は御退席いただいて結構です。本日は御多用のところ御出席いただきまして、どうもありがとうございます。
 
(北脇技術専門委員 退室)
 
○山口座長
 では、続きまして、試験実施計画の変更につきまして、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 それでは、御説明いたします。今回、試験計画等の変更申請が3件提出されております。資料3-1の55ページを御覧ください。独立行政法人国立病院機構大阪刀根山医療センターからの申請で、告示番号27「TRPV2阻害薬経口投与療法」です。適応症は、心不全(十三歳以上の患者に係るものであって、筋ジストロフィーによるものに限る。)です。御審議いただく主な変更内容について、56ページを御覧ください。主な変更内容として、1.新たな安全性情報の追記、2.記載整備、研究費よりの負担額の更新です。変更申請する理由として、本試験の28週までのデータによる主たる解析で得られた安全性情報の追記のため。Primary endpointであるlog(BNP)変化量について、FASにおいて以前実施したcarvedilol臨床研究データをもとにした帰無仮説(log(BNP)変化量の母平均が0.18である)を棄却できなかった。また、既報告の副作用である1例で下痢の反復による入院を要した患者が存在した。
 一方で、PPSにおいては帰無仮説を棄却しており、現在に至るまで感染症(肺炎)での死亡1例はあるものの、心不全死亡例は出ていない。一定の心機能増悪予防効果や心イベント減少効果の可能性も認められる。すでに試験に組み込まれている患者さんの中で治療継続を希望されている患者さんに対し、試験治療を継続しデータ収集の継続も可能であるが、継続に当たって現時点で明らかな有効性は認めていないこと、下痢など有害事象に注意して観察する必要があることなど、死亡例発生を含めた安全性に関する情報や経過を試験実施計画書、同意説明文書に追記し、同意確認を行うため該当資料を改訂する、とあります。なお、今回の変更申請に際して、資料3-2の57ページ以降に、第128回先進医療技術審査部会の審議を踏まえた指摘事項に対する回答をお付けしております。以上です。
 
○山口座長
 本変更内容について、何か御意見はございませんか。いかがでしょうか。適切な対応かと思いますが、いかがでしょうか。それでは、特にないようですので、告示番号27の変更については、お認めすることといたします。
 続いて、次の試験実施計画の変更について、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 御説明いたします。資料4の59ページを御覧ください。国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院からの申請で、告示番号34「プローブ型共焦点レーザー顕微内視鏡による胃上皮性病変の診断」です。適応症は、胃上皮性病変です。御審議いただく主な変更内容について、61ページを御覧ください。主な変更内容として、1)使用する医療機器の追加で、変更前・変更後について、EVIS LUCERAシリーズなどの更新に関し、記載のとおりです。2)人事変更、記載整備。変更申請する理由として、1)2020年7月3日~2021年2月22日にOLYMPUS社より新規の光源及び内視鏡スコープであるCV-1500、GIF-EZ1500及びGIF-XZ1200が発売された。本研究の中断期間(2020年7月9日~2022年7月3日)に、多くの施設が当該機器を導入し、日常臨床にて使用されることとなった。そこで従来の光源・内視鏡スコープに加えて、新たな光源・内視鏡スコープを使用可能とすべく機器を追加する。
 なお、統計担当者と協議し、新たな内視鏡スコープの感度特異度等については現状でもデータがないことから、試験における統計学的アウトカム、サンプルサイズ及び解析は現状の通りで、試験のエンドポイントが達成可能であることを確認した。
 2)上記1)における機器仕様の変更について関連文書の記載修正を行った。また、人事異動に伴う記載修正も行った、とあります。以上です。
 
○山口座長
 本変更内容について、何か御意見はありませんか。渡辺先生、どうぞ。
 
○渡辺構成員
 日本医師会の渡辺です。1点教えていただきたいのですが、私は専門ではないので専門の先生にお聞きしたいと思います。旧機のスコープと、新しい光源・内視鏡スコープの診断能力の違いというのがあるのかないのか。つまり、評価に影響を与えるほどの差があるのかないのかということです。大した影響ではないということで、この2機を併用してもいいのか、それとも、新機と旧機の診断能力に多少差があるのであれば、これまでのデータとの齟齬をどのように解釈されるかという点を、御専門の先生にお聞かせいただきたいと思います。以上です。
 
○山口座長
 どなたか。伊藤先生、どうぞ。
 
○伊藤(澄)構成員
 今、御指摘いただいた点とは違うのですが、61ページ(資料4)を見ると、登録期間が2022年7月3日と、もう過ぎた日付が記載されていて、実際の登録が20例とか11例とかと書かれているのですけれども、登録期間の変更がないままなのですが、これでいいのでしょうか。何かのミスかなと思ったので、伺いたいと思ったのですが、今の御質問に対する直接の答えではございません。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 これは、登録期間を延長しており、前回お認めいただいておりますので、また修正してホームページにはお載せします。問題ない状況です。以上です。
 
○伊藤(澄)構成員
 分かりました。ありがとうございました。
 
○山口座長
 渡辺先生の御質問に関して、誰か御意見はございますか。確かに、新しい機器については現状ではデータがないと書いてあるので、御指摘はもっともだと思うのです。事務局から、特にないですか。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 事務局としては、今回、旧機、新機、データがない状況ですので、申請医療機関のほうに、基本的にはどの機器を用いたということを後から解析することができないかということで申し伝えたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
 
○山口座長
 恐らく、こういうマイナーチェンジというのはしょっちゅう行われていて、これからも起こり得ることではないかと思うのです。ですから、余り大幅な変更はないように思うのですが、一応その辺りを確認してからお認めするということで、いかがでしょうか。データが全くないのに大丈夫という書き方は、確かにちょっとおかしいのでお問合せしたいと思いますが、いかがでしょうか。それでよろしいですか。
 
○渡辺構成員
 結構です。
 
○山口座長
 ほかにございませんか。登録も大分苦労しているようで、伊藤先生の御指摘にありましたけれども、ちょっと気になったのですが、余りもたもたしていると機械もどんどん変わっていって、また登録できなくなるということにならないようにしていただきたいと思います。それでは、今いろいろ御意見を頂きましたので、告示番号34の変更については、渡辺先生からありましたように、性能上問題はないかということを確認した上で、お認めすることとしたいと思います。
 それでは、次の試験実施計画の変更について、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 資料5の63ページを御覧ください。京都府立医科大学附属病院からの申請で、告示番号56「アスピリン経口投与療法」です。適応症は、家族性大腸腺腫症です。御審議いただく主な変更内容について、64ページ以降を御覧ください。主な変更内容は、研究期間の延長として、総研究期間及び登録期間の1年延長となっております。変更申請する理由として、登録期間は2022年9月30日までの10か月間であったが、2022年7月の時点で14施設が認定臨床研究審査委員会(CRB)で承認、先進医療Bが受理され、jRCTで「実施許可あり」が公開されたので、2022年7月21日より登録を開始することとなった。
 7月31日時点での登録数は4例であった。家族性大腸腺腫症患者の多くが半年に1回の外来受診であることと、新型ウイルス感染症の影響による内視鏡検査症例数が低下していることが懸念材料であったが、外来日が1年単位でわかっているため、予想登録数が計算可能であり、2023年9月30日までに200例の登録が可能と算出された。実際、2022年8月31日時点では、参加拒否例2名と想定内の範囲で、参加者16例と計算通りの数値となっている。さらに、先進医療B受理と実施許可取得を待っている施設が5施設あることを鑑みると、200例の症例登録は高い確率で見込まれると考えられた。このため、患者登録にはさらに1年を要すると考え、患者登録期間を2023年9月30日までに延長した、とあります。以上です。
 
○山口座長
 本変更内容について、何か御意見はありませんか。これも、ちょっと登録が確かに悪くて、いろいろ試算はしておられます。症例があるから必ずしも登録できるわけではないので、この症例は本当に1年でやれるのかどうか、ちょっと心配なところはあります。何か御意見はございませんか。1年たってからではなくて、途中で登録の状況とかを一度御確認いただいたほうがいいのではないかと思いますが。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 御指摘ありがとうございます。事務局で検討させていただきます。
 
○山口座長
 ほかに何かございませんか。それでは、告示番号56の変更については、お認めすることといたします。
 続いて、先進医療Bの協力医療機関の追加について、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 資料6-1の67ページを御覧ください。告示番号52について1件、告示番号56について1件、整理番号130について2件の協力医療機関の追加申請がありました。資料6-2の69ページ以降を御覧ください。事務局において、先進医療実施可能とする保険医療機関の要件、様式第9号を満たしていることを確認いたしました。協力医療機関の追加として御了承いただきたく思います。特に御意見がなければ、手続を進めさせていただきます。以上です。
 
○山口座長
 よろしいでしょうか。それでは、事務局は手続を進めてください。
 続いて、先進医療Bの試験終了に伴う取下げについて、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 資料7の75ページを御覧ください。先進医療Bの取下げとして告示番号51、協力医療機関の取下げとして告示番号27について5件、申請がありました。先進医療の取下げとして告示番号51の1件、協力医療機関の取下げとして告示番号27の1件がありました。取下げ理由の所に記載がありますが、告示番号51については、全ての研究対象者について研究実施計画書で規定している観察が完了したため、当該研究に係る先進医療の届出を取り下げる。なお、総括報告書を今後提出する予定である。また、協力医療機関の取下げとして、告示番号27については、本試験における症例組み入れ期間が終了し、当該機関での登録症例に対する観察期間が終了したため、とあります。以上について、特に御意見がなければ手続を進めさせていただきます。以上です。
 
○山口座長
 よろしいでしょうか。それでは、事務局は手続を進めてください。続いて、先進医療合同会議の審議結果について、事務局から説明をお願いいたします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 資料8の77ページを御覧ください。令和4年9月8日に行われた先進医療合同会議において、1件の先進医療B技術について審議が行われ、「適」の御評価を頂いております。技術名は、「高齢者切除可能膵癌に対する術前ゲムシタビン+S-1療法と術前ゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法」です。申請医療機関は、東北大学病院です。審査の主担当が真田構成員、副担当が佐藤構成員、伊藤陽一構成員で、技術専門委員として高橋委員に御担当いただきました。先進医療技術審査部会及び先進医療会議ともに「適」の評価でした。今回、御評価いただき、また先進医療合同会議に御出席いただいた先生方におかれましては、御協力いただき誠にありがとうございました。御報告は以上です。
 
○山口座長
 本件について、何か御意見や御質問はございませんか。いかがでしょうか。ないようですので、次に「その他」ということで、事務局からお願いいたします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 第137回先進医療技術審査部会にて、藤原構成員より、公開資料である議事次第について、誰もが分かりやすいように、告示番号だけではなく臨床研究登録番号も記載してはどうか、との御提案を頂きました。今回より、臨床研究登録番号を議事次第に併記いたしましたので、御報告申し上げます。以上です。
 
○山口座長
 本件について、何か御意見はございませんか。
 
○藤原構成員
 藤原です。
 
○山口座長
 どうぞ。
 
○藤原構成員
 ありがとうございました。
 
○山口座長
 ほかにございませんか。柴田先生、どうぞ。
 
○柴田構成員
 事務局の御担当の方に、このような対応を取っていただき、御礼申し上げます。臨床試験の結果等を探したり、臨床試験の経過を探すときに、IDがきちんと書類に書いてあるというのは非常に重要なことで、このような対応が、先進医療に限らず厚労省のいろいろな所で広まっていくことを期待しております。どうもありがとうございました。
 
○山口座長
 ほかに御意見は、何かございませんか。事務局、どうもありがとうございました。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 ありがとうございます。
 
○山口座長
 よろしいでしょうか。それでは、本日の議題は以上です。構成員の皆様、全体を通して何か御意見、御質問はございませんか。ないようでしたら、最後に、今回をもって退任となる構成員が、私とほかに6名いらっしゃいますので、事務局にて進行をお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 事務局です。今回で御退任される構成員の皆様におかれましては、長きにわたり医療技術の審査等、多大なる御指導、御協力を賜り、心より感謝申し上げます。誠に恐縮ですが、御退任に当たり、一言ずつ御挨拶を頂ければ幸いに存じます。それでは最初に、伊藤澄信構成員、お願いいたします。
 
○伊藤(澄)構成員
 高度医療評価会議の時代から、ずっとこの会議に参加させていただきまして、ありがとうございました。前職の国立病院機構の案件に関しても御評価いただいて、それが大変いい思い出になっております。本当にどうもありがとうございました。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 ありがとうございました。次に、佐藤構成員から御挨拶をお願いいたします。
 
○佐藤構成員
 この10年間、構成員の先生方には、いろいろとお世話になりました。私は文系の人間で、医学研究のこととか医療技術の開発のことは全く分からず、いろいろなことを勉強させていただきました。別なことでもまたお世話になることがあるかと思いますが、その節はまたよろしくお願いいたします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 ありがとうございました。次に、柴田構成員から御挨拶をお願いいたします。
 
○柴田構成員
 これまで、どうもお世話になりました。この会議で臨床試験の評価をするに当たって、単に医薬品とか新しい治療法の効果が存在するということや、統計学的な有意差が付くことだけが求められるわけではなく、保険診療として臨床の現場で有用であることとか、その価値・意義をデータに基づいて示すことが重要であるという論点が明確にされているということは、臨床試験の方法論の観点からも画期的なことなのではないかなと思っております。そのような場に構成員として参加させていただきましたこと、また座長の山口先生、構成員の先生方、事務局の皆様方に、発言の機会を頂けましたことに御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 ありがとうございました。次に、藤原構成員から御挨拶をお願いいたします。
 
○藤原構成員
 私も伊藤さんと同じ、昔からこれに携わってまいりましたが、最近はちょっと余り貢献できていなくて申し訳ないです。残った委員の方々には、時々ここの先進医療技術審査部会は、倫理的問題が非常に大きな問題になったりとか、研究不正に関係するような問題が出てきたりとか、様々な頭を悩ます案件も出てまいりますし、私も担当しました粒子線治療とか病気腎移植とかカフェイン療法とか、とてもやりがいのある品目、難しい問題が出てきますが、そこは皆さん日和らず、科学的に判断して、今後も良い研究が先進医療技術として進んで、それがちゃんと実用化にいくように指南していただければと思います。最終のPMDAの所では、私がしっかり目を光らせて、良いデータになるようにいたしますので、そこへ持ってくるように是非サポートしてあげてください。長い間お世話になりました。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 ありがとうございました。それでは、一色座長代理から御挨拶をお願いいたします。
 
○一色座長代理
 一色です。これまで長い間、皆様にお世話になり、本当にありがとうございました。私は、技術専門委員のときから構成員ということで参加させていただいて、歴代の構成員の皆様、それから事務局の方々には本当にお世話になりました。いろいろ思い出はありますが、一番びっくりしたのは、この構成員の中から今活躍しておられる市長が出たことでしょうか。そんなこともありましたけれども、いずれにしましても今回、たくさんの先生方が御退任ということで、この後を引き継いでいただく構成員の皆様には、益々の先進医療に対するサポートをお願いいたしまして、私の御挨拶とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 ありがとうございます。それでは最後に、山口座長から御挨拶をお願いいたします。
 
○山口座長
 一言、御挨拶申し上げます。猿田先生の後任として、第49回から第138回まで6年間、座長を務めさせていただきました。座長代理として支えていただきました一色先生、どうもありがとうございました。また、構成員の皆様には、心からお礼申し上げます。頼りない座長を終始助けていただきました厚生労働省の歴代の事務官の皆様にも、厚くお礼申し上げます。私は臨床家のときに、回診のときに必ず患者さんを笑わせるというのを目標にしてまいりました。座長を引き受けたときに、一回ぐらいは笑いがあればいいなと思っていたのですが、Zoomの開催になってからなかなかそれが難しくなってしまいました。ただ、先ほど藤原先生も一色先生もちゃんと笑いを取っておられましたので、私はやはり力不足だったのだなと反省しております。最後に、私の拙い発言をきちんとした日本語に書き起こしていただきました担当者の皆様にも感謝申し上げます。皆様、どうもありがとうございました。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 ありがとうございました。なお、本日は御欠席となりますが、田島構成員におかれましても今回で御退任となります。御退任される7名の構成員の皆様、先進医療技術審査部会構成員として長きにわたり御尽力を賜り、誠にありがとうございました。それでは、座長に進行をお戻しいたします。
 
○山口座長
 長い間、本当にありがとうございました。それでは、次回の日程を事務局からお願いいたします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 次回は、令和4年10月13日(木)の開催とさせていただきます。時間は16時から18時までの予定で、詳細については別途、御連絡させていただきます。また、本日の議事録については、作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後、公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 
○山口座長
 それでは、第139回先進医療技術審査部会を終了いたします。どうも皆様、ありがとうございました。
 

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