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2021年2月12日 第113回先進医療技術審査部会 議事録

 
 


(1)日時:令和3年2月12日(金)16:00~

(2)場所:TKP新橋カンファレンスセンター「ホール14D」(オンライン)

(3)出席者
山口座長、一色座長代理、天野構成員、伊藤(澄)構成員、伊藤(陽)構成員、上村構成員、掛江構成員、後藤構成員、真田構成員、柴田構成員、田島構成員、長島構成員、飛田構成員、藤原構成員、松山構成員、山中構成員

(事務局)
医政局研究開発振興課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 課長補佐
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 医療技術評価推進室長
保険局医療課 先進・再生医療開発戦略専門官
医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 審査調整官


【議題】

1.先進医療の継続の可否について
2.試験実施計画の変更について
3.協力医療機関の追加について
4.先進医療の取下げについて
5.申請医療機関からの報告について
6.その他
 

【議事録】

○山口座長
 では、定刻となりましたので、第113回先進医療技術審査部会を始めます。御多忙の折、たくさんお集まりいただきましてありがとうございます。本日もオンラインの開催となります。現時点での出席状況ですが、佐藤雄一郎先生から御欠席の連絡がございましたが、そのほかの14名が現時点で皆さん参加していただいていますので、本会が成立しておりますことを申し添えます。それでは、配布資料と本日の審査案件の確認を事務局からお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。傍聴者の方の撮影はここまでとさせていただきます。御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。配布資料について、確認させていただきます。議事次第、座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続きます。続いて、資料1「先進医療Bの継続の可否に係る審議結果の報告について」、資料2~資料4「試験実施計画の変更について」、資料5-1及び5-2「協力医療機関の追加について」、資料6「先進医療合同会議の審議結果について」、資料7「先進医療B試験の取下げについて」、資料8-1及び8-2「申請医療機関からの報告について」、会議資料の最終ページは112ページとなっております。事前にお送りしております資料に乱丁、落丁等ございましたら、お知らせいただければ幸いです。よろしいでしょうか。
 続いて、利益相反の確認をさせていただきます。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業について、事務局から事前に確認させていただいております。今回、資料8の案件について、上村構成員、真田構成員におかれましては、非常勤職員として御所属の医療機関、飛田構成員におかれましては、御所属の医療機関ということですので、これまでと同様ではございますが、審議の際に一時御退席いただければと思います。事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がございましたら、この場で御報告をお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、該当なしということで、承知いたしました。また、今回は通常のタブレット資料も事前にメールでお送りしております。会議資料と区別してタブレット資料と御案内いたしますので、届出書類等については、こちらのタブレット資料より閲覧をお願いいたします。なお、会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、御発言をされる方は、会議資料の何ページ又はタブレット資料何番の何ページとあらかじめ御発言いただきますと、議事の進行上助かります。また、本日はオンラインでの開催となっており、構成員の先生方には、大変御不便をおかけしております。御発言いただく際には、初めにお名前をおっしゃっていただくようにお願いいたします。また、Web会議ソフトには、手挙げ機能が付いておりますので、こちらも適宜御活用いただければと思います。その他、途中で接続トラブルや聞き取りにくい等ございましたら、お知らせいただきますよう、お願いいたします。事務局からは以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。では、議事に入りたいと思います。先進医療Bの継続の可否に係る審議結果の報告について、事務局よりお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料1の15ページを御覧ください。国立循環器病研究センターからの申請で、告示番号61「肺動脈自律神経叢除神経治療」となっております。本技術については、申請医療機関が臨床使用実績の効率化要件に該当するため、使用実績のない状態で申請され、承認・告示されたものとなっております。適応症は、肺高血圧症(薬物療法に抵抗性を有するものに限る。)となっております。報告の概要については、17ページを御覧ください。こちらの試験ですが、昨年6月に試験が開始されておりまして、これまで3例の症例が登録されております。試験継続の可否の評価に必要な評価項目として、試験治療の安全性確認のため、3例目の試験治療後7日経過時点のできるだけ早い時期に、独立安全性評価委員会を開催し、試験治療の安全性評価と本試験の継続可否判断を行う。試験治療との因果関係が否定できない重篤な有害事象が2例以上に発生した場合、本試験は継続不可とする、となっております。こちらに従って、独立安全性評価委員会での審議の結果、3症例全てにおいて合併症の発生は見られず、安全性において問題はないと考えるとの判断結果で、試験継続可と判断されております。こちらの結果を受けて、先進医療技術審査部会の構成員の先生、申請時の主担当である真田先生、副担当の飛田先生に事前に御審議いただいた結果、先進医療継続可との評価を得ており、新規症例登録が再開されております。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。よろしいでしょうか。報告ですが、何かありますか。特にないようですので、それでは、告示番号61については、ただいま御報告いただいたとおりに試験を継続いただきたいと思います。では、続いて、試験実施計画の変更について事務局からお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 今回、試験計画等の変更申請が3件提出されております。資料2の19ページを御覧ください。国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構QST病院からの申請で、告示番号29「ゲムシタビン静脈内投与及び重粒子線治療の併用療法」。適応症は、膵臓がん(遠隔転移しておらず、かつTNM分類がT4のものに限る。)となっております。今回御審議いただく主な変更内容については、20ページを御覧ください。主な変更内容として5点記載があります。1点目、選択基準の白血球数の基準について、既に化学療法が開始されている患者さんでは、これまでの白血球数3,500以上から、試験期間中の化学療法投与基準と同様の2,000以上に変更する。2番目、除外基準の膵がんに対する化学療法が既に開始されている場合の許容日数について、化学療法の初回投与から登録日までに90日以上を登録不可としていたものを、同意取得日まで90日以上を登録不可とすることに変更する。3番目、2の変更に伴って、同意を取得してからの登録日までの許容範囲を28日間に設定する。4番目、中止症例の追跡調査について、これまで明示されていなかった、被験者が追跡調査を拒否した場合を除き、生存確認の追跡調査を可能な限り試験実施期間終了日若しくは当該被験者の死亡日まで行う点を記載する。5番目、こちらは臨床研究法に沿った記載整備となっております。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。よろしいでしょうか。何か御質問、コメントはありませんか。それでは、告示番号29の変更について認めることといたします。続いて、次の試験実施計画の変更について事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料3の23ページを御覧ください。こちらは関西医科大学附属病院からの申請で、告示番号36「S-1内服投与並びにパクリタキセル静脈内及び腹腔内投与の併用療法」。適応症は、膵臓がん(遠隔転移しておらず、かつ腹膜転移を伴うものに限る。)となっております。今回御審議いただく主な変更内容については、24ページを御覧ください。こちらの変更申請を行う理由の所に記載がありますけれども、今回、研究計画書において、肝機能であるAST、ALT及び総ビリルビン値について投与基準の上限値が誤って計画書に記載されていたため、アブラキサン(nab-paclitaxel)の適正使用ガイドに則り、正しい基準値に修正したとのことです。修正前については、AST、ALTが本来のコース開始基準値よりも低い検査値で投与不可となり、総ビリルビン値が適正使用ガイドのコース開始基準値に抵触していたとしても、投与可能となっていたとのことでした。なお、これまでに登録された患者さんのデータを確認したところ、1例でAST、ALTが施設基準の1.25倍を超えていたため、研究計画書の投与基準から逸脱となっていたが、当該症例を含めたいずれの症例においても、適正使用ガイドのコース開始基準値の範囲内で投与されており、被験者の安全性に問題なかったことを確認したとのことでした。その他、協力医療機関の担当医師変更に伴う記載整備が行われております。以上です。
 
(一色座長代理、オンラインにて入室)
 
○山口座長
 ありがとうございました。ただいまの変更内容について御意見はありませんか。
 
○長島構成員
 よろしいでしょうか。単純なミスですが、このような単純なミスがずっと今まで見逃されてきたことは、問題だと思います。もっと大きなことにつながっていると大変困りますので、なぜこのようなミスが起こって、今まで気が付かなかったのかという原因と、今後そういうことが起こらないような対策というのはきちんとやって、報告してもらう必要があると思います。変更自体には賛成します。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。何かありますか。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。貴重な御指摘を頂きまして、ありがとうございます。今先生に御指摘いただきました点については、医療機関のほうに伝え、また詳細な報告等を頂くようにいたします。また、御報告させていただきます。
 
○天野構成員
 天野です。今の先生の御指摘にも関連するのですが、本試験は一部の研究費用をクラウドファンディングで賄いながらやっている研究だと理解しているのですが、こういった逸脱が起きたときに、安全性が問題なかったということは分かったのですが、やはり当該患者さんへの説明はきっちり行われているのかということも気になったので、その辺りも厚生労働省から確認していただければと思います。よろしくお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 ありがとうございます。患者さんへの説明がどうであったかについても合わせて御報告いただくようにいたします。
 
○山口座長
 ただいま2つの御意見が出ましたが、誠にそのとおりで、たまたま今回はラッキーだったということにすぎないので、これは場合によっては、非常に大変なことが起こり得るので、是非その辺りを問い合わせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。ほかにありませんか。では、告示番号36については、お認めすることといたします。続いて、次の試験実施計画の変更について、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料4の25ページを御覧ください。国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院からの申請で、告示番号43「術後のアスピリン経口投与療法」。適応症は、下部直腸を除く大腸がん(ステージがⅢ期であって、肉眼による観察及び病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る。)となっております。今回御審議いただく主な変更内容については、26ページを御覧ください。こちらの中ほどに、主な変更内容として3点記載があります。(マル1)登録期間の延長、(マル2)オキサリプラチンによる神経系障害の項目に注釈を追加、(マル3)その他、記載整備となっております。
 変更申請する理由の所にお進みいただいて、マル1の登録期間の延長については、想定よりも登録ペースが遅く、登録期間終了予定である2021年3月の登録完遂が困難で、登録期間を1年6か月延長したいとのことです。27ページの上段に記載がありますが、昨年1月~5月までについては、予定どおりの集積ペースで登録されていたところ、昨年6月~11月にかけては、コロナウィルス感染症の影響による手術数の低下に伴い、登録数が減少していたということです。また、登録開始から約1年間は、参加施設が少なく、登録ペースが遅かったことや、コロナウィルス感染症の影響もありまして、登録終了予定は今年3月になりますけれども、登録を完了することは現在のペースでは困難とのことです。試験薬の提供企業と面談を行い、登録期間延長と、登録期間延長に伴う試験薬剤提供時期の延長について合意を得ており、引き続き本試験の意義と重要性を参加施設に周知し、登録の改善に努めてまいりますとのことです。マル2のオキサリプラチンによる神経系障害の項目に注釈を追加については、28ページに記載がありますが、これまで扱いが曖昧であったオキサリプラチンによる末梢神経系障害の評価、グレーディングを統一するために、解釈の補助として注釈を追加したとのことでした。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。この変更内容について、何か御意見はありますか。資料4の27ページを御覧いただくと、やはり2020年1月から横ばいになって、伸びが非常に悪くて、このままではうまくいかないということで、やむを得ない変更かと思います。ただ、これは楽観できないので、この後もかなり登録に努力してもらわないといけないと思います。また再延長になる可能性もあるので、是非しっかりやってくださいと伝えていただきたいと思います。何かありますか。ないようですので、告示番号43の変更については、認めることといたします。続いて、先進医療Bの協力医療機関の追加について、事務局からお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料5-1の29ページを御覧ください。今回、告示番号58について1件、告示番号62について1件、告示番号65について8件、告示番号67について1件の協力医療機関の追加申請がありました。資料5-2、31ページ以降にありますけれども、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件、届出書の様式第9号を満たしていることを、事務局において確認しております。協力医療機関の追加として、御承認いただければと思います。特に御意見がなければ、手続を進めさせていただきます。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。よろしいでしょうか。特に御意見はないようですので、手続を進めてください。続いて、先進医療合同会議の審議結果について、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料6の37ページを御覧ください。こちらは、令和3年2月4日に行われました先進医療合同会議において、1件の先進医療B技術について審議が行われ、「適」の評価を頂いておりますので、御報告申し上げます。37ページに記載しております技術、「成人T細胞白血病に対する移植後シクロフォスファミドを用いた非血縁者間末梢血幹細胞移植」です。申請医療機関は、国立がん研究センター中央病院となっております。今回、審査の主担当は伊藤澄信構成員、副担当は佐藤構成員、山中構成員に御担当いただき、最終的に「適」の評価を頂いております。38ページ以降に、評価表等を付けております。御評価いただき、また先進医療合同会議に御出席いただきました構成員の先生方におかれましては、御協力いただきありがとうございました。報告は以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。よろしいでしょうか。何かコメントはありますか。特にないようですので、続いて先進医療Bの取下げについて、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料7の65ページを御覧ください。今回、先進医療の取下げが、告示番号16及び告示番号17の2件ありました。告示番号16「リツキシマブ点滴注射後におけるミコフェノール酸モフェチル経口投与による寛解維持療法」。適応症は、特発性ネフローゼ症候群、について、資料の取下げ理由の所に記載がありますけれども、症例登録が完了し、全ての患者に対する試験治療が終了したため、先進医療Bに係る届出を取り下げる。なお、総括報告書については、提出準備中であるとのことです。
 また、告示番号17「周術期カルペリチド静脈内投与による再発抑制療法」、適応症は、非小細胞肺がん、についても取下げの申出がありましたけれども、取下げ理由は記載のとおりではありますが、こちらについては次の資料8で御議論いただくこととなっておりますので、ここでは告示番号16の取下げについて、特に御意見がなければ、手続を進めさせていただきたく存じます。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。ここでは、告示番号16だけについて進めてよろしいでしょうかということです。いかがでしょうか。これは終わりましたので。それでは、16については取下げを認めるということにいたします。続いて、申請医療機関からの報告について、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料8-1、議題は申請医療機関からの報告です。今回、大阪大学医学部附属病院から、告示番号B17「周術期カルペリチド静脈内投与による再発抑制療法」に関する御報告がありました。なお冒頭で申し上げましたとおり、上村構成員、真田構成員、飛田構成員におかれましては、御所属の医療機関との関係で本議題の審議に際し、一時御退席いただきたく存じます。御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
 
(上村構成員、真田構成員、飛田構成員退席)
(掛江構成員、オンラインにて入室)
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 それでは、資料に沿って説明いたします。資料8-1の67ページを御覧ください。こちらは、以前より本部会で御議論いただいております、大阪大学医学部附属病院で実施中の先進医療B17「周術期カルペリチド静脈内投与による再発抑制療法」(JANP study)に関しての報告です。1.経緯の所に記載がありますけれども、こちらの先進医療については、先進医療計画時の参考論文1編で、特定不正行為(ねつ造・改ざん)が認定され、令和2年8月に公表されております。上記参考論文の著者が、以前国立循環器病研究センター(国循)にも所属しており、筆頭著者として関与していた他の論文についても調査を行ったところ、当該先進医療の科学的根拠を記した論文、根拠論文と呼ばせていただいておりますが、こちらにも特定不正行為(ねつ造・改ざん)が認められたとのことで、令和3年1月30日に公表がなされております。こちらについて、根拠論文のうち基礎研究部分に特定不正行為が認められたということで、こちらの基礎研究部分においては、動物実験を元にハンプの肺がん再発予防機序に関する知見が述べられておりました。こちらの根拠論文に特定不正行為が認定されたことを受けて、令和3年1月28日開催の阪大臨床研究総括委員会にて、臨床試験の中止と当該先進医療の取下げが決定され、1月29日開催の大阪大学認定臨床研究審査委員会(CRB)のほうで、臨床試験の中止が承認されております。
 今回、阪大から、当該先進医療の取下げの申出がされるとともに、研究不正の概要と、JANP studyへの影響、当該先進医療参加者への対応及び事案の原因分析と再発防止策に関する報告書が提出されております。本事案に関する阪大からの報告書を、資料8-2として付けておりますので、そちらを御覧ください。会議資料の72ページから概要として記載しておりますけれども、「1:特定不正行為に関する調査および結果」について、こちらは先ほど申し上げましたとおり、JANP studyの根拠論文、73ページの(カ)の論文になりますけれども、こちらについて調査の結果、基礎研究部分に特定不正行為(ねつ造・改ざん)を認め、令和3年1月27日に最終報告がなされております。「2:JANP study実施の経緯」に記載がありますけれども、74ページの上段に記載の(1)~(5)の論文を基に、元医員・元室長、こちらは同一人物ですが、こちらと当時の研究代表者である国循の元研究所長、それから研究総括責任医師である大阪大学呼吸器外科元教授によって、JANP studyが立案されております。
 74ページ下段、「3:JANP studyへの対応」として、2段落目に記載がありますけれども、JANP study研究対象者の組入れが平成27年9月から平成29年7月まで行われ、研究全体で355人の方に御参加いただき、160名に対して肺がん(疑い)周術期にハンプが投与され、症例登録終了後は計画書に従い、研究対象者の経過観察が実施されております。本臨床研究中には、術後30日以内の重篤な有害事象について調査を行い、独立した第三者の安全性モニタリング委員会で審議が行われており、これまでの結果からは研究対象者の健康に重大な影響はなかったと考えられるとのことです。また、術後2年間の観察においては、ハンプ投与群と手術単独群の肺がん再発率が、それぞれ15.0%、16.2%と、主要評価項目である2年無再発生存率には、2群間に有意差を認めなかったとのことでした。
 また、75ページ中ほどにも記載がありますが、令和3年1月27日にJANP studyの立案時の根拠論文に不正行為が認められたことを受けて、研究に参加された方へのお詫びと本研究の中止について書面を送付し、更に専用相談電話やメール等での対応が行われております。段落の一番最後の3行ですけれども、今後については、阪大病院としては新たな枠組みの中で、これまでと同様に第三者による評価を行いながら、適切に研究対象者の健康観察を継続する方針としており、こちらについては新たな観察研究を継続して、研究参加者に不利益が生じていないか等を評価するとのことです。観察研究の計画書案についても、タブレット資料に入れております。
 75ページの下段、「4:特定不正行為の発生要因」の所で記載されておりますが、(マル1)組織としての臨床研究の信頼性確保への取組が不完全であったこと、76ページ、(マル2)組織として特定不正行為に関する教育機会が不十分であったこと、(マル3)元医員が所属していた呼吸器外科教室における研究指導体制が不十分であったこと、(マル4)指導教官との元データの共有、確認が実施されていなかったことなどが挙げられております。また、76ページ中ほどの「5:特定不正行為に関する調査に対する医学部・医学部附属病院の対応とその課題」として、2行目に記載のとおりですが、研究公正委員会宛てに申立書が提出されてから、医学部附属病院が組織としての対応を審議するまでに2年半かかっており、組織として特定不正行為が臨床研究等に与える影響等について議論されてこなかったと。申立者及び被申立者の保護の観点から、調査結果の公表まで秘密の徹底が求められていたため、これらの情報伝達の不備が生じた、とのことでした。
 76ページ下段、「6:関係者の処分」について。昨年8月に公表されました特定不正行為の認定に伴い、大阪大学として元医員には懲戒解雇(相当)、元呼吸器外科教室教授に対して訓告の処分が行われております。また、76ページの下から2行目に記載のとおりですが、先進医療技術審査部会及び臨床研究部会等からの御意見を踏まえて、臨床研究の実施が適正に行われていたかを検証し、令和3年3月25日開催予定の臨床研究総括委員会で、追加の処分が必要か検討するとなっております。
 77ページ、「7:今までの取り組みと新たな再発防止策」について、1)特定不正行為再発防止策として、(マル1)研究活動により得られたデータの共有、保存に関する組織としての体制整備、(マル2)研究倫理に関する教育、指導の徹底、(マル3)共同研究実施機関における適正な臨床研究実施支援体制の強化、78ページ、(マル4)開発戦略に対応したデータ収集の指導と確認、(マル5)呼吸器外科教室の適正な臨床研究実施支援体制の構築といった内容が報告されております。また、78ページ中ほどにあります2)医学系研究科・医学部附属病院の対応改善策として、(マル1)特定不正行為に対する大阪大学、医学系研究科・医学部附属病院の情報共有体制の構築について、大阪大学、医学系研究科・医学部附属病院それぞれで、大阪大学における公正な研究活動の推進に関する規程(令和2年4月1日施行版)に基づき、臨床研究に関する研究不正の対応マニュアルを改訂し、運用を開始したとのことです。こちらについては、タブレット資料の8の別添資料18「臨床研究に関する研究不正の対応マニュアル新版」にも図として示されておりますので、併せて御参照いただければと思います。こちらの図にもありますが、研究不正等の告発が病院以外の医学部や本部事務機構の窓口で行われた場合においても、臨床研究に関連している事案であれば、大阪大学研究公正委員会が予備調査を実施する時点で、医学系研究科長、病院長に通知され、申立早期に臨床研究総括委員会で組織として対応策等が検討される仕組み、また、病院長が新規組入れの中止や中断等を早期に判断し、被験者保護を優先した対応が速やかに行える仕組みを構築した、となっております。
 78ページの一番下に戻ります。本報告を行うに当たっては、大阪大学医学部附属病院・医学系研究科で素案を作り、第三者からなる外部委員の先生方の御意見を検討した上で取りまとめを行ったとのことです。こちらの外部委員のリストについては、112ページに記載があります4名の先生方に外部委員として御意見を頂いております。
 再び、会議資料8-1の68ページに戻ります。3.今後の対応方針等(案)として記載しております。1、阪大による先進医療参加者への対応、「再発防止策及び対応改善策に関する外部委員会」の意見も踏まえた原因分析、再発防止策等について御議論いただきたく存じます。2、今後実施予定の観察研究で得られた長期の安全性等に関する調査結果については、必要に応じた随時の報告も含め、先進医療技術審査部会に継続的に報告を求めることとしてはどうか。3、更に、先進医療としての総括報告書については、安全性に関する解析結果のほか、今回の事案の再発防止策であったり対応改善策の取組状況も併せて報告することとし、今後速やかに御提出していただいてはどうかとして記載しております。※の2点目は、臨床研究中核病院の取組を評価する厚生科学審議会臨床研究部会が来月、3月に開催が予定されております。こちらにおいても、今回提出された再発防止策に基づく阪大の研究実施体制について報告がなされることとなっております。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。本件について、何か御意見はありますか。たくさんあると思いますが。
 
○長島構成員
 私も最初から、これは極めて重大な事案であり、先進医療並びに臨床研究への信頼を国民から失うものなので、まずは原因究明と再発防止をきちんとやるべきである。さらに、再発防止という観点では、本施設だけに限らず、全国の研究施設に関してもきちんと周知してチェックをすべきであるということを申しました。今回も再発予防策が十分かという検証はしっかりするべきですし、全国の研究機関にきちんと周知して、全国で再チェックしていただくことが必要かと思います。
 これは取下げが出ていますが、これは取り下げても認めるべきではなく、本会としてこれは中止とさせるべきだと思っております。これは本当に再発予防が実施されているのかという確認が必要ですので、そこの確認がきちんとできるまでは、関連施設は先進医療に参加すべきではない。また、その後もきちんと定期的に報告をさせるべきだと考えております。実際の申立てがあってから、実際の対応に移るまで非常に遅いというのは、関係者だけの責任ではなくて、施設全体の責任ですので、処分は施設全体の責任者に対してもされるべきと思います。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。たくさんのことを御提案いただきましたが、1つ確認ですが、先進医療を、新しいものを認めないということでしょうか。今、進んでいるものも、ここの施設は中止させるという御意見ですか。その辺りをはっきりしていただければ有り難いのですが。
 
○長島構成員
 そこは正に検討していただく必要があるかと思います。それは、ここの責任がどれぐらいあるのか、あるいは本当にこのようなことが起きないような体制になっているかという検証がきちんとされないと、そもそも先進医療に参加する資格があるのかという、それぐらいの重大事案だと思っております。
 
○山口座長
 分かりました。ほかにありませんか。今、長島先生がおっしゃったことは誠に当然のことだろうとは思いますが。今おっしゃったように、この会の権限とかいろいろな問題が出てきますが、今日はまず自由に御意見を頂いたほうがいいと思いますので、どうぞ御遠慮なくご発言ください。
 
○藤原構成員
 この事案は大変重いと私も同じように考えるのですが、この事案の問題点がどこにあるかということを正確に考えて、それに対する今後の再発防止などを考えないといけないと思います。
 今回の資料8-2を詳細に読んで改めて思うのは、PNASの基礎研究部分に特定研究不正、改ざん等が認められたというところが非常に大事かなと思います。もう一方で、臨床研究部分、先進医療の中の特定臨床研究として行われているランダム化比較試験の部分には問題はなかったという、そこの区分けをしっかり考えて、今後の再発防止を考えるべきだと思っています。
 今回の不正は、昔に遡って言えば、STAP細胞と同じです。基礎研究の改ざん、データの改ざんによって、それがパブリケーションに至ったというところが問題であって、臨床試験の体制に問題があるのではなくて、基礎研究の体制に問題があるのだと私は思います。今回の審議に当たって、STAP細胞の頃から、文科省とか学術振興会、JSTあるいは学術会議も関わって、基礎研究不正対策がどういうふうになったか、対応が日本としてどういうふうにされたかということを少し振り返ってみたのですが、STAP細胞が起きたのは2014年の初頭で、ネイチャーに1月30日に論文が出た後に、3月に理研の中間報告があって、7月にネイチャー論文の取下げになっていますが、同じ時期に文科省は研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインを策定中だったのです。本研究の基礎研究部分が行われたのが、調べたのですが、文科省の科学研究費の若手研究(B)を、2014年から2015年にかけて、この筆頭著者の方がお金をもらってやっていて、PNASの論文にも研究資金として言及されていました。つまり、文科省の科研費の若手研究(B)を2014年、2015年にもらっている。それによって行われた研究に不正があったのですが、不正が発生したのは、恐らく2014年、2015年だと思いますが、文科省のガイドラインを見ますと、2015年当時継続課題でやっていたものも、この文科省の研究活動における不正行為の対応等のガイドラインの対象になると書いてあるのです。
 私は、将来的な再発防止を考えた場合に、臨床試験のほうは既に臨床研究法までできて、モニタリング監査も踏まえ、これはバルサルタンの事件を踏まえて臨床研究法制定までいったのですが、臨床試験に関しては、かなり厳密に不正が入りにくい体制が構築されていますが、基礎研究についてはSTAP細胞と同じようなことが相変わらず起きているということなので、もし再発防止を考えるのであれば、この文科省のガイドラインあるいは学術会議からも科学研究における健全性の向上が2015年に出ていますが、その辺りをしっかり変えて、全国の大学のライフサイエンスの基礎研究がどうして適正にできないかということを考えるべきだと思います。それで、それを本当にやるのですかと。
 STAP細胞のときの議論はもっとひどかったわけですが、結局、機関へのペナルティというよりも、機関が構成員たる大学の職員に対して教育をするということで、基礎研究の不正を今後防いでいきましょうということで、いろいろなガイドラインができたわけですし、教育資材もそのときにたくさん作られています。それ以降は学術振興会の研究費、文科省の科研費などを受けるときには、その研修をきちんと受けて、全国の大学は年に1回その研修を受講したというレポートも文科省に提出させられてきているわけですが、これが起きているということは何ら実効性がなかったということです。臨床研究法は非常に厳しくできたのですが、基礎研究の不正は相変わらず防げていないというのであれば、そこまで基礎研究をきちんと規制するような法律まで作るのですかということを皆さんに考えてほしいと思います。ただ、そういうことをやっている国は今のところありません。我々はそこまで踏み込んで、大学の学問の自由ということに関しての規制をするべきかどうかというのは、真剣に考えるべきだと思います。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。
 
○長島構成員
 今の点でよろしいですか。こういう不正をゼロにすることは、何をしてもできないのです。だからこそ、申立て等があったときにいかに迅速に厳格に対応するかということが極めて重要です。そのことが今回全くできていなかったので、そのことの責任をきちんと取らせなければいけない。したがって、施設全体を処分の対象にすべきだと思います。もちろん、ゼロになることが望ましいですし、その対策も必要ですが、恐らくゼロにはできないのなら、もしも起こったら大変なことになるぞということを分からせることも重要ですし、起こった場合の対応をきちんと事前に準備しておくことが重要だと思っています。以上です。
 
○藤原構成員
 私も長島先生に賛成です。これは大学本部に告発が来て、それが大学病院や医学研究科に連絡が行くまでの間がかなりたっているのです。そこが報告書の中にも、そういう体制になっていませんでしたとは書いてあるのですが、そこをそもそも改善しないといけないので、改善策の中にそういうことをきちんと整理していきますということが確か後ろのほうに書かれていたので、その実効性を今後きちんと見ていくということはしないといけないと思いますし、私も非常に遅くこの対応がされているとは思いますが、一方で、疑いをかけられた人に弁明の機会を与えるとか、たくさんの論文を細かく見て、特定研究不正があるかどうかを見ていくのはものすごく長い作業でもあることは理解できます。ただ、臨床試験に跳ねるということを考えますと、参加されている方々にもし大きな問題があったら、遅れが著しい副作用につながることもあるので、そこのところは本当にきちんと大学の体制が改善されているかどうかの確認をする必要はあると私も思います。
 
○山口座長
 やはり、2年半というのは長過ぎて、そのとおりだと思います。
 
○天野構成員
 今のお二人の意見に関連して、私からも意見を3点申し上げます。まず1点目は、今、藤原構成員から臨床試験に跳ねるという表現が使われていましたが、臨床試験に跳ねる可能性のある基礎研究があったときに、跳ねるという可能性があるということが恐らく迅速に伝わる仕組みは今回なかったということが一番の問題だと思われます。そのことが阪大からの報告でも書かれていましたが、ただ、今回の場合、第106回の先進医療技術審査部会でも同様のことを申し上げましたが、今回の研究不正に関わる論文は全く騒ぎにならなかったわけではなくて、6ページのうち4ページの修正という非常に大きな修正があって、アカデミアの中でもそのことが話題というか、問題視されていたということがあったわけです。その時点で、これは臨床試験に関わる問題であり、被験者が関わっている問題であり、被験者保護のためにすぐに動かなければいけない仕組みになっていないことが問題だと思うのです。それではどうやってその仕組みを作るのかというのは非常に難しいと思いますが、まず1つの対応策としては、先進医療に関わっている臨床試験等で、その根拠論文等で問題が生じていることを研究機関が知った時点で、速やかに厚生労働省等に報告するような仕組みがあってもいいのではないかと感じます。もちろん、研究不正の申立てが全て真正であるという保証はないわけで、その扱いは非常に公正に見なければいけないということがあるので難しいとは思いますが、ただ、公正に扱うことを優先したがために、今回2年半かかってしまって、被験者に多大な不利益を及ぼしてしまったということがあるわけで、そういった仕組みは作っていかなければいけないと私は感じます。今回、このことを契機に先進医療を実施している医療機関に周知等があってもいいのではないかと思いました。
 2点目は、今までのお話とずれるのですが、細かいことですが、本日の資料の68ページで、厚生労働省から今後の対応方針等ということで案を出されていて、3つの項目を出されています。当然、これらは被験者保護を大前提として書いていただいていることは重々承知していますが、一般の方が見られたときに、被験者保護は考えていないのかと誤解をされるおそれがあるので、まず最初に被験者保護のために最大限できることを今後やっていくのだということを改めて文章で明示していただいたほうがいいと感じました。
 最後は3点目になります。今回、研究不正に関わった当該研究者は、大学を懲戒解雇という形になって、大学からは処分を受けているわけですが、ただ、これだけのことが生じている中で、患者さんや一般の方からの率直な感情を申し上げますと、今回、研究不正を行った研究者個人への更なる処罰等、厚生労働省では行わないのかという意見を私のほうも複数聞いております。もちろん、私としては個人の責任のみに帰すべきではなく、システムとして今後の対応を考えていくべきだと私自身も考えております。ただ、患者さん、一般の方からの率直な感情としてはそういうふうな御意見があるので、厚生労働省としてはそういう予定はあるのかということをこの場でお伺いしたいと思います。私からは以上です。
 
○山口座長
 まず一番最後の御質問からお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。貴重な御指摘を頂きましてありがとうございます。先生から今御指摘いただいたように、患者さんの率直な感情というのは非常に重要な点だと感じております。一方で、厚生労働省として個人への処罰はできないかということについては、現状の仕組みの中では難しいと認識しております。今回、論文の研究不正があったことについては、先ほどもありましたが、研究費の関係であればそちらの返還であったり、そういう手続になっていくのかなとは思っております。
 
○山口座長
 貴重なご意見だと思います。やはり、試験に参加した人たちの保護という観点から、もう少し強いメッセージを出してほしいというところを1項目加えるということでいかがでしょうか。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 ありがとうございます。その点は非常に重要な点と認識しております。患者さんの保護ということについては、この中で申しますと、しっかり患者さんの観察を行ったうえで、長期の安全性等に関して解析を行って、その御報告を頂くというところで、我々も患者さんの保護ということは考えておりますが、より分かりやすい形で記載するように検討いたします。
 
○長島構成員
 私も最初から被験者保護最優先と申しましたが、その観点からも、まず1番目にそのことが書かれるべきです。具体的には、例えば、阪大等で今後実施予定の観察研究が被験者保護というもので十分なのかどうかということをきちんと検討して、十分でないというのであれば、そこに対してきちんと意見を言うと。確実な保護が行われるように、国としてもしっかり指導するということを入れるべきではないかと思います。以上です。
 
○山口座長
 是非、それを入れてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 そのような形で検討させていただきます。ありがとうございます。
 
○医政局研究開発振興課長
 各委員からいろいろ御意見を頂きましてありがとうございます。今回の研究不正、大学附属病院並びに国循のほうで、本来研究倫理を強く求められる両施設が、このような事態になったということは大変遺憾です。御指摘いただきましたとおり、これまで大学附属病院及びセンターで原因究明をし、今後の再発防止ということをまとめていただいております。まず第1に被験者保護について、特に参加者、患者さんへのきちんとした説明、そして、観察研究をしっかりやる。それを患者さん、参加者の方にお返しをすると同時に、こうした部会等でもきちんと御報告を頂く。これがまず第1だと考えております。
 第2に、この組織としての問題点がなかったかどうか、2年半経過したということも含めて、どういった問題があるのかということをきちんとまとめていただくことが非常に重要です。今日頂きました御意見、また臨床研究部会で頂いた御意見をまず大学、センターにきちんとお伝えして、更なる改善をお考えいただくということ。更に厚生労働省として、先ほど組織内の連携が十分でなかった、情報がきちんと伝わるべき所に伝わっていなかった、審議するべき所に審議されていなかったということについての組織としての問題点も頂きました。この辺りも含めて、大学病院、センターにしっかりと伝え、改善を求めるとともに、厚生労働省としてもこういった事案について臨床研究病院等に対して、こういった事案があり、こういったことに留意すべきということについてきちんと周知をしていくということが重要だと考えております。今日またこの後、御意見を頂くかと思いますが、そういった御意見も踏まえて、適切に対応してまいりたいと考えております。ありがとうございます。
 
○山口座長
 ほかにありませんか。
 
○藤原構成員
 課長さんの臨床研究中核病院に対する指導はいいのですが、恐らくきちんと指導すべきなのは文部科学省だと思いますが。若手研究(B)をやって、特定研究不正をやって、若手研究(B)の研究費で行ったことで、特定臨床研究あるいは先進医療Bに大きな影響を及ぼしたわけですから。例えば文科省の所掌をしている橋渡し研究拠点。臨床研究中核病院は承認要件にもありますが、見なければいけないのは特定臨床研究をきちんとやりましょうという制度です。橋渡し拠点はその前の段階、基礎研究あるいはTRの部分をしっかりやっていきましょうという所ですから、臨床研究中核病院の指導というよりも、橋渡研究拠点の施設、これは臨床研究中核病院より数は多いですが、そこに対してこういうことが起きているということをしっかり指導する。あるいは学術審議会やライフサイエンスの委員会で、こういう基礎研究の不正が相変わらず起きているということをしっかり議論していただかないと、片手落ちになると思うのです。是非、厚労省から文科省に対して、これに対してどういうふうな対応をされていますか、あるいはこれまでの教育の体制で十分なのですかという投げ掛けをしていただきたいと思います。
 
○医政局研究開発振興課長
 基礎研究を含めた大学のほうへの取組もきちんとしていく必要があるのではないかという御指摘です。私どもも文部科学省ともこの状況をしっかりと共有して、また今日の御議論も含めて文部科学省ともしっかりと連携を図ってまいりたいと考えております。
 
○山口座長
 基礎研究は確かに野放しと言うのは失礼ですが、かなり自由にやっていて、やるべきかどうかも含めて、それを全部まとめてコントロールするのは問題があると思います。少なくとも、特定臨床研究や先進医療で、例えば根拠となる論文については、かなり厳しい要件を作るか、あるいは研究者が本当に責任を持ってそのデータをきちんと洗い直してやってもらわないと、先進医療に出てきたときにはその根拠論文が十分かどうかという視点からしか見ていませんので、それは本当か嘘かというところまでは全然分かりません。今の仕組みの中でどうしてもそういうことが起きてしまうのですが、それに対する現実的な対応策を是非考えていく必要があると思いますので、よろしくお願いします。ほかにありませんか。
 
○一色座長代理
 別の会議のため参加が遅れて申し訳ありません。今までのお話を伺って、この先進医療会議の持つ権限がどこまでなのかが分からないと、何かを決めるにも決めにくいと思いました。特に長島構成員がおっしゃったような処罰については私たちにその権限があるのでしょうか。今回の事案が深刻な問題だという認識は共通して皆さんがお持ちだとして、例えば、新規の先進医療案件については、何年間かは保留するとか、しっかりとした体制が確認できるまでは認めないとか、そのような処分をこの会で決めることができるのかということについて、規定された権限があるのでしょうか。その辺はいかがですか。
 
○山口座長
 何かコメントはありますか。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。この部会として何ができるかということですが、先生御指摘のとおり、基本的に通知に従って先進医療が行われております。その通知を読みますと、1つできることとしては、試験が不適切な場合は先進医療として中止もしくは削除をできるということは書かれております。ただ、それ以外の個別具体について、例えば当該医療機関から今後申請を受け付けないとか、そういう文言というのは通知にはありませんので、できることとしては今後、当該医療機関から申請があった場合、その医療機関の先進医療実施体制という観点でも御評価いただきますので、その際にそこは御指摘いただくという形になると考えております。
 
○山口座長
 一色先生、よろしいですか。
 
○一色座長代理
 そういう限界というか、状況がある中で、当会としてどこまでのことができるのかを枠組みとして決めていただかないと、何か不満のぶつけ合いみたいになってしまって、先行きが見えない感じがします。特に長島構成員から厳しい御指摘がありますが、そこまでは無理なのではないかという話になっているような気がいたします。
 
○長島構成員
 まず、きちんとどこまでできるかというのは別に、しっかりフリートーキングという形でということなので、まずは基本的な原則を申し上げました。次に、その考えを実現するためにはどうすべきかを考えるということで、現在の規約とルール等で可能なことは何か。例えば、個別の審査において、その研究施設が十分な条件を満たしているかという形での対応というのは1つは可能です。ただし、もっときちんとしたルールを作るべきだということであれば、これは別の場で、きちんと議論すべきだということになる。あるいは、そういうような議論をすべきだというようなことを意見として本会から申し上げるということは可能ではないかと思います。以上です。
 
○山口座長
 確かに規則に書いてある以外のことはできないわけですが、こういう要望があるということは、どこで検討するのか私もよく分かりませんが、是非検討していただきたいと思います。ほかにありませんか。
 あとは責任の問題ですが、一応執筆者と呼吸器外科の教授が処罰を受けていますが、この研究全体の責任者にも実は大きな責任があって、本来、やはりそういう基礎的な根拠となる論文について、しっかり見るべきだったのではないかという気もして、その辺りも少し向こうに尋ねてほしいと思います。この処分だけ、つまり、呼吸器外科関連だけでいいのかということです。対策にも関連するのですが、対策の1つに呼吸器外科の研究について、2人の監査員で2年間で監査するということですが、まず2年間でいいという根拠を明らかにしてほしいです。また、呼吸器外科だけでいいのかということも少し疑問に思いました。やはり、ほかの委員会でもそういう疑問が出てきていたようですが、呼吸器外科に矮小化された問題ではなくて、阪大全体のものではないかという疑問も湧くわけです。そうだとしたら、呼吸器外科だけ監査しても問題は解決しないのではないかという気がしたので、委員のほうからいろいろ質問が出ていますが、是非その辺りも聞いていただきたいと思います。ほかにありませんか。
 
○後藤構成員
 後藤です。今回取り下げたいということがあって、取下げを認めるということに対して、今議論している68ページの対応策があると思うのですが、これを取り下げた後にこのような継続的な報告を何年にするかということや、例えば今後中止するとしたら、中止するのを取り下げるという関係が今一つよく分からなかったのです。大阪大学が中止するというようになっていて、こちらには取り下げるという話になりますよね。その対象者、参加されている方々に中止するという報告をしたというように書かれているのですけれども、中止したという報告と、こちらで取り下げるということを認める・認めないという関係が、今一つよく分からないので、そこの説明を事務局にお願いしてもよろしいでしょうか。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。非常に分かりにくい表現になっており、申し訳ございません。67ページの3ポツ目にも記載がありますように、臨床試験として中止し、更に先進医療を取り下げるとのことです。医療機関から先進医療実施届出書というのを提出いただいているところですが、その届出書の取下げがあったということです。ですから基本的には、試験を中止して先進医療が取り下げられるという申出について、例えば試験を続けなさいと言うことは、今回の件では実際的には難しようには思うのです。
 ただ、この件に限らず、これまでも一般的な先進医療の取下げの際に先生方に御意見を頂いてきた意味としては、例えば試験を取り下げた後にどういう対応をすべきか、通常どおり試験が終了していればそれで良くて、その後総括報告書等を提出いただければいいのですけれども、例えば症例登録が予定に未達の段階で試験を中止して取り下げる場合は、これまでにもありました。そのような際には、例えば長期の成績については、もともと試験計画の中に予定されていたものであれば、別途、観察研究等を行って報告してくださいという形で御意見を頂いていたところです。ですから今回は特に取下げに際して、今後対応すべき点ということで御意見を頂ければと考えております。
 
○後藤構成員
 参加された方について、既に中止するという御報告はされたと思うのですけれども、取下げをするということについても今後、大阪大学が先進医療の研究参加者に対して、きちんと中止のお願いをして取り下げたということも、御説明いただけるという理解でよろしいでしょうか。そこら辺の記述が十分でないように感じたので、そこら辺もできれば御確認いただければと思います。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 そちらについては確認させていただくようにいたします。
 
○山口座長
 今、中止という話になっていますけれども、一応取下げ願いが出されて長島先生の御意見は、この状態で取下げはまかりならん、中止という状態にすべきだということでよろしいですか。
 
○長島構成員
 はい、そうです。こちらの判断として、これはそもそも中止すべきだという判断をすべきだということです。
 
○山口座長
 研究を中止ということですか、先進医療を中止ですか。先進医療の取下げではなくて中止という判断はあり得るのでしょうか。今までの前例として、取下げではなくて中止をこちらから命令するということはありますか。それは一応可能ですか。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 可能ではあります。
 
○山口座長
 では、取下げではなくて中止という形にしたほうがよろしいという御意見が多いようであれば、そのようにしたいと思います。この辺りはいかがでしょうか。
 
○長島構成員
 この問題点の1つは、もしも研究施設が取下げと言わない限り、認めた期間はずっと続けられるのかということになってしまうということです。これはもう駄目だという場合には、やはり中止する、中止させるということがないと困るのではないかと思います。
 
○山口座長
 伺っていて、実質的には余り変わらないような気がするのです。これは気分の問題のようにも思われます。向こうの言うがままに取下げを認めるのではなくて、中止だと強く長島先生はおっしゃいますけれども、それで具体的に向こうの対応はどのように変わるのでしょうか。やはり一番大事なのは、これから患者の保護とか研究を継続してしっかり見ていくということで、それは中止でも取下げでもやるということですから、それさえ担保できたら取下げでもどちらでも、私は構わないような気がしたのです。長島先生、いかがですか。
 
○長島構成員
 これがどれぐらい重大な事案か、つまり従来の対応ですべきではないくらい、重大なものであるというように考えているということです。
 
○山口座長
 むしろ、極めて重大であるということを強調するほうがいいのではないかと思います。普通の取下げではなくて、あえて中止ということですよね。
 
○長島構成員
 つまり今回の判断として、これは中止にするというのを優先したということを形に表すということになります。
 
○山口座長
 何かほかに御意見はありませんか。忽然として今回、この研究はやめなさいということを普通は言えないわけです。普通はこういう事情でこういうことが発生しましたという報告を受けて、それに対して判断するということかと思います。今回はいわば中止に相当するような取下げを、向こうから自主的に申し出てきたわけですので、それを認めることがものすごく悪いことのような気はしないのですが、どうでしょうか。やはりあえて今回は門前払いではないですけれども、取下げではなくて中止しなさいという御意見の方がおられましたらどうぞ。
 
○一色座長代理
 長島構成員のおっしゃることはよく分かります。分かりやすく言えば、“辞表を提出してきたけれども、こちらから「お前は首だ」”と言うかどうかですよね。辞表は受けられないという形の処分とするほうが妥当というご意見と承りました。
 
○長島構成員
 分かりやすく言っていただきました。正にそのとおりです。それぐらいの重大事案だろうということです。
 
○山口座長
 ほかに御意見はありませんか。
 
○松山構成員
 松山です。長島構成員のおっしゃったとおりで、取下げと言うと、大阪と国循から取り下げたいと言って、よく見つけてくれたねというスタンスになるのだろうと思います。一方で中止というか、先進医療として取消しのようなことが通知上できるのであれば、例えばこの先進部会がより主体的に判断したというイメージになるのではないかと。そういう感じで長島先生、一色先生はおっしゃっているのかなと感じております。以上、コメントです。
 
○後藤構成員
 後藤です。取消しというのは可能なのでしょうか。ごめんなさい。私は条文が見つからないのですが、取り消すことができれば、今の長島構成員のお話に沿うとは思うのです。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。通知の文言で言いますと、先進医療の中止もしくは告示の削除です。先進医療会議等における検討の結果に基づき、先進医療の中止、先進医療の削除をできるという形になっております。
 
○後藤構成員
 では、文言としては中止をして削除するということですか。中止と削除は同じ行為なのですか。中止をしたら削除されるのか、中止はするけれど削除しないということは多分ないと思うのですが、中止して削除するという処分になるのですか。
 
○保険局医療課先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局です。通知上「先進医療会議等における検討の結果、当該先進医療Bの実施が不適当と判断された場合には、当該先進医療を中止もしくは先進医療告示から削除等できるものとする」という記載があり、こちらの記載に則った対応は可能と考えております。
 
○山口座長
 質問していいですか。中止と削除は同じ意味ですか。というのは、私の国語の感覚から言うと、中止は再開があり得るけれども、削除にはもう再開はあり得ないという具合に理解するのです。そうではないのですか。
 
○後藤構成員
 私も同じことで、「中止若しくは削除」となっているので、中止アンド削除ができるのかというのがよく分からなかったのです。
 
○山口座長
 中止と言うと、ちょっとそれは待てよとストップさせているだけで、それがどうなるか分からないニュアンスがあるけれども、削除というのはもうやめなさいということだと思うのです。この辺りは文言の解釈がはっきりしていないようですけれども、いずれにしろ長島先生のおっしゃっていることを支持する方が多いですし、そういう懲罰的な意味というか、こんなことでは良くないぞということを言うためにも、中止という形にしたほうがいいという御意見の方が多いように思います。ほかに御意見はありませんか。
 
○藤原構成員
 藤原です。文言は整理していただいていいのですけれども、先進医療会議ができる範囲というのは、保険外併用療養費の枠組みから外れていただくということしかできないと思っています。もしこれを臨床試験、特定臨床研究として中止するのであれば、それは認定臨床研究審査委員会とか、厚生科学審議会の臨床研究部会が臨床試験のほうを中止するという判断をするのであって、本部会あるいは先進医療会議としては、先進医療から外れていただくというところまでではないかと思うのです。
 
○柴田構成員
 私も方向性としては一種のペナルティというようなニュアンスで、中止という選択、先進医療の告示からの削除を医療機関の申出に基づくものではなく、この会議の判断として削除する選択肢はあってもいいのではないか、そのぐらいの事案であると認識しております。
 一方で、これはちょっとテクニカルな話ですが、前回の夏のときにもお話したことです。今後、被験者保護の観点で日常診療を超えた以上に検査を続けないといけないケースが出てきたときに、同じような事案でありながら、患者の保護、被験者保護の観点で検査をしなければならないけれども、患者がそれを受けやすくするために保険外併用療養の枠の中に残しておいたほうがいいということが起こると、同じトラブルを起こしながら片方は告示が削除されて、片方は告示が削除されないということになって、アンバランスが生じるのではないかということを少し懸念しています。
 何を申し上げたいかというと、今回のことが著しい問題であるという表明をすることは大事だと思うのですが、告示の申出に基づくものをこちら側で、先ほどの一色先生のたとえが分かりやすく、そういうようにしなければならないということも理解できるのですが、それが実務上問題を生じさせないのかというのは、事務局に確認させていただきたいと思っております。このようなことは、二度と起きてはならないことだと思うのです。しかし仮に起きたときに、被験者保護の観点での対応をする選択肢を減らさないほうがいいのではないかという懸念でした。くどくなりましたけれども、気持ちとしてはこれは重大なことなので、長島先生の御意見に賛成しております。あとは実務上問題がないような表現の仕方、伝え方、対外的な説明の仕方を整理したらいいのではないかと考えている次第です。以上です。
 
○長島構成員
 長島です。今の点だと、やはり3つの違いがあります。つまり取下げと中止と削除です。特に被験者にどのような違いが出るかというところを具体的に示していただかないと、選択ができないところなのです。今すぐ回答が出ないのであれば少し継続して、被験者に悪影響が出ないということであれば、その中の一番厳しいものを選ぶということが現実的かと思います。
 それからもう1点。私は、これは先進医療が中止になる可能性があるから、危機管理という意味では中止になった場合、どのような保護が可能かということを最初から検討すべきだと。中止あるいは取消しが決まってから、検討しては駄目でしょう。最初から、中止になった場合にどのようなことが可能か、検討すべきだと申しておりましたので、本当は去年のうちから現在の実態を想定して、検討しておくべきだったと思っています。以上です。
 
○柴田構成員
 補足します。今、長島先生から御指摘いただいた点については、本件に限って言うと、観察研究の計画書を拝見する限り、本試験の患者に対する直接の不利益は、告示の削除を行ったとしても生じないのではないかと解釈しております。阪大病院としては、昨年の夏の段階で指摘を受けたことに対しては、その後の対応としては適切に行われていると考えます。
 また補足しますと、20番とタイトルの頭に付いているタブレット資料の、研究書の667ページ辺りに、どのような理由に基づいて先進医療を継続しつつ被験者保護を行うか、なぜそういう判断に至ったかという経緯や議論が書かれています。阪大病院自体、先進医療の継続はあくまでも研究を続けたいということではなく、被験者保護を優先させること、なおかつ認定臨床研究審査委員会が厳密に責任を持って監督できるようにするために、試験の中断ではなくて改定を提案するという議論になっていましたので、念のために補足します。
 かばうつもりはないのですけれども、患者と医師との関係が誤解に基づいてこじれると困りますよね。阪大病院の先生方はこの問題の、このところの改定等に関しては、昨年の段階で被験者保護を優先させる改定を摸索されていて、中止になったとしても、中止になって以降のことについては、現在提出されている観察研究の計画では私が拝見した限り、ほぼ適切に対応されていて、今すぐ告示が取下げになったとしても、患者に対する悪影響はないような形で整理されていると理解しております。見落としがあるといけませんので、事務局の方にも御確認いただきたいのですが、そのような状況になっていると思います。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 ありがとうございます。今、柴田先生から補足いただいたとおりです。長島先生が言われるように、もし試験が中止になった場合にも、最大限できることということで、我々もお伝えしてきたところです。その1つの方法が、今回の観察研究となっており、試験が終了した段階でその後、患者が何もフォローされないということがないように、しっかりとそういう枠組みをもう一度設けて、患者の保護をしていただくということで準備はしてきていただきました。仮に先進医療から外れた場合に患者に何かないかということについて1つ考えられるのは、現在、保険適応外の検査や治療が行われている場合、患者が不利益になるようなことが考えられます。しかし本件については現在、そのようなことは行われておらず、通常の保険診療範囲内での検査が行われておりますので、そういう意味での患者への不利益は考えられないと認識しております。
 
○山口座長
 本件について、ほかに何かありませんか。
 
○長島構成員
 長島です。先ほど事前に検討すべきだと言ったのは、厚労省に対しての意見です。阪大ではなく、厚労省が最初から想定しておくべきだったし、そのためのスキームをあらかじめ用意しておくべきだったという意味です。もし削除にしても被験者に不利益が全くないということであれば、一番重大な削除にすべきではないかと判断します。以上です。
 
○山口座長
 分かりました。いずれにしろ、これはすんなりお認めするわけにはいかないという方がほとんどですので、そうしたいと思います。中止にするか削除するかですけれども、一応中止にして、今言ったような御意見をずっと向こうに伝えて、その上で向こうから具体的な回答をもらった上で、それではこのまま削除とか、あるいは取下げという判断をするというのはいかがでしょうか。言葉の定義がもう1つはっきりしてないので、私も判断に苦しむのですけれども、いかがでしょうか。何か御意見はありませんか。
 
○長島構成員
 長島です。今の座長の御判断に賛成します。まず中止にして、その後によく状況を見極めた上で、最終的に決めるということでよろしいかと思います。
 
○山口座長
 ほかに御意見がなければ、そのようにしたいと思います。今まで話したこと以外にも、ほかに何かありませんか。それではまとめます。事務局の対応として3つ出されました。患者保護について、もう少し強調した一文がほしいということと、今の時点で取下げは認めないということです。十分に確認できないからというのが一番大きな理由で、もう1つは非常に重大な事案であるということを、もう少し自覚してほしいということかと思います。そのほかにペナルティの話とか、いろいろ出ましたので、そういうことも是非お伝えいただいて、次に返事をもらってこちらで判断するには、やはりある程度時間を区切ったほうがいいのではないかと思います。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。貴重な御意見を頂き、ありがとうございます。今回、医療機関から取下げの申出があったというところで、それについてはお認めが難しいという御意見かと思うのですが、一方で、今後用意されている観察研究に進むという点も含めて御議論いただければと思います。
 
○山口座長
 観察を続けることは、皆さんも当然のことだと思っているのですけれども、これがどういう形で続けられるかどうかというところだけですよね。それは続けてくれということでいいのではないでしょうか。患者保護の点から、そういうことは続けてくださいと。ただし先進医療としては中止ですと。その回答を待って最終的に判断しますという回答でいかがでしょうか。特に御意見はありませんか。この事件自体、普通は予測できないような重大事件で、その対応が今の仕組みの中ではなかなか難しいということが分かりましたので、今回頂いた貴重な御意見を取りまとめて阪大に伝えるということと、厚生労働省のほうでも、こういう問題が起きたときに、どういう対応ができるのかということですね。先ほど長島先生がおっしゃっていたように、そういうスキームを作っていただきたいと思います。一応中止ということで、2か月ぐらいのうちに回答をくださいということでいかがでしょうか。よろしいですか。では2か月以内に是非、返事を頂きたいということにしたいと思います。
 私がもたもたしていて、取りまとめに時間がかかり、どうも申し訳ありませんでした。それでは申請医療機関からの報告については以上とします。上村構成員、真田構成員、飛田構成員にはお戻りいただくことといたします。
 
(いずれの構成員も退出済みで戻られないことを確認)
 
○山口座長
 本日の議題は以上です。構成員の皆様、何か御意見、御質問はありませんか。
 それでは、次回の日程を事務局からお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。本日も貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございます。次回は、令和3年3月11日木曜日の開催とさせていただきます。時間は16~18時までの予定で、場所については別途御連絡させていただきます。また、本日の議事録については作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。以上です。
 
○山口座長
 それでは、第113回先進医療審査部会を終了いたします。どうも皆様、活発な御議論をありがとうございました。
 

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