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2020年10月15日 第107回先進医療技術審査部会 議事録

 
 


(1)日時:令和2年10月15日(木)16:00~

(2)場所:TKP新橋カンファレンスセンター「ホール14D」

(3)出席者
山口座長、一色座長代理、天野構成員、伊藤(澄)構成員、伊藤(陽)構成員、掛江構成員、後藤構成員、佐藤構成員、真田構成員、柴田構成員、長島構成員、飛田構成員、藤原構成員、松山構成員、山中構成員

(事務局)
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 課長補佐
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 医療技術評価推進室長
保険局医療課 先進・再生医療迅速評価専門官
保険局医療課 先進・再生医療開発戦略専門官
医薬・生活衛生局医薬品審査管理課審査調整官


【議題】

1.総括報告書の評価について
2.試験実施計画の変更について
3.協力医療機関の追加について
4.先進医療の告示取下げについて
5.その他
 

【議事録】

○山口座長
 定刻となりましたので、第107回先進医療技術審査部会を始めさせていただきます。御多忙の折、お集まりいただきありがとうございます。先進医療技術審査部会構成員に異動がございましたので、事務局から御紹介をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 本日もどうぞよろしくお願いいたします。先進医療技術審査部会の構成員に異動がございましたので、御紹介いたします。9月30日をもって、山本構成員が御都合により辞任されております。
 
○山口座長
 本日の構成員の出欠状況ですが、上村尚人構成員、田島優子構成員より御欠席の連絡を頂いております。また、天野慎介構成員、伊藤陽一構成員、掛江直子構成員、後藤弘子構成員、佐藤雄一郎構成員、長島公之構成員、飛田英祐構成員、松山晃文構成員には、オンラインで御出席いただいております。掛江構成員はまだですが、残りの方は既に接続されておられます。本日は、17名の構成員のうち15名の構成員に、今のところは14名ですが、お集まりいただいておりますので本会議が成立していることを申し添えます。
 それでは、配布資料と本日の審査案件の確認を事務局からお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 傍聴者の方の撮影はここまでとさせていただきます。御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 配布資料について確認させていただきます。議事次第、座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続きます。
 続いて、「総括報告書の評価について」が資料1-1から資料1-3です。「試験実施計画の変更について」が資料2です。「協力医療機関の追加について」が資料3-1及び資料3-2です。「先進医療B試験の告示取下げについて」が資料4です。会議資料の最終ページは34ページとなっております。お手元の資料に乱丁、落丁等がございましたら、事務局までお知らせください。よろしいでしょうか。
 続きまして、利益相反の確認です。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業について、事務局から事前に確認させていただいております。今回、告示番号旧10の技術、埼玉医科大学国際医療センターからの総括報告について、一色座長代理、山中構成員より御報告がございましたけれども、いずれも50万円以下でしたので、当該技術の議事取りまとめ及び事前評価に加わることができます。また、当該技術の調整医療機関である国立がん研究センター中央病院について、柴田構成員におかれましては御所属の医療機関、藤原構成員におかれましては非常勤として御所属の医療機関ということですので、議事の際は一時御退席いただければと思います。
 事前の届出以外に、もし何らかの利益相反等がございましたら、この場で御報告をお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、特に該当はなしということで承知いたしました。
 また、今回もタブレットを使用いたします。届出書類等については、タブレットより閲覧をお願いいたします。なお、会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、御発言される方は会議資料又はタブレット資料の何ページと御発言いただけますと、議事の進行上助かります。
 オンラインにて御出席の先生方におかれましては、タブレット資料を事前にメールでお送りさせていただいております。御発言される際ですが、web会議ソフトには手挙げ機能が付いておりますので、適宜御活用いただければと思います。また、こちらの声が聞こえにくい等がございましたら、適宜御指摘いただければ幸いです。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 議事に入りたいと思います。総括報告書の評価結果につきまして、事務局より説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 お手元の資料1-1の15ページを御覧ください。今回、先進医療Bの総括報告書に関する御評価を頂きますのは、告示番号旧10の「放射線照射前に大量メトトレキサート療法を行った後のテモゾロミド内服投与及び放射線治療の併用療法並びにテモゾロミド内服投与の維持療法」、申請医療機関は埼玉医科大学国際医療センターです。事前審査を御担当いただいた構成員の先生方は、主担当が真田構成員、副担当が飛田構成員です。なお、柴田構成員、藤原構成員におかれましては、先ほど申し上げましたとおり、一時御退席いただきます。
 
(柴田構成員、藤原構成員退席)
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 試験の概要を御説明いたします。資料1-1の15ページ及び資料1-3の23ページの医療技術の概要図も併せて御参照ください。こちらの技術ですが、初発の中枢神経系原発悪性リンパ腫に対する照射前大量メトトレキサート療法(HD-MTX療法)+テモゾロミド併用放射線療法+維持テモゾロミド療法が、標準治療であるHD-MTX療法+放射線治療に対して優れていることをランダム化比較試験にて検証する試験となっております。
 主要評価項目については全生存期間、副次評価項目は15ページの中程にお示ししたとおりです。
 目標症例数は、各治療群65名、計130例で予定されておりましたが、実際の登録症例数は一次登録が134例、二次登録が122例となっております。
 予定の試験期間は、登録期間が4年、追跡期間は登録終了後10年となっておりましたが、平成26年5月に告示され、平成30年8月に一次登録、同年10月に二次登録をそれぞれ終了、計122例で登録を終え、令和元年12月に第1回の中間解析結果が効果・安全性評価委員会で審議されまして、「試験の中止を勧告し、本試験結果を公表することを推奨する」との審査結果で、令和元年12月19日に試験中止となっております。こちらの件につきましては、令和2年5月の第99回先進医療技術審査部会にて、御報告させていただいております。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 それでは、本技術の評価について、主担当の真田構成員から御説明をお願いします。
 
○真田構成員
 今回御説明させていただくのは、放射線照射前に大量メトトレキサート療法を行った後のテモゾロミド内服投与及び放射線治療の併用療法並びにテモドロミド内服投与の維持療法です。医療技術について概要図が付いていますので、資料1-3を御覧ください。初発の中枢神経系原発悪性リンパ腫の方に一次登録を行って、大量メトトレキサート療法を行った後、A群の従来治療と、B群の放射線+テモゾロミド併用にランダマイズされて実施されました。このテモゾロミド併用の部分が先進医療技術ということになりますが、このテモゾロミドの用法については、同じ神経性の悪性腫瘍である初発、再発の神経膠腫にもこの用法が認められておりますので、同じ中枢神経原発ということで、類似の疾患にもこのような療法が適応になるのではないかという着想を得て始められたと理解しています。
 その試験の経過です。中間解析を加えることになっていましたが、一番最初の評価のときには症例登録中のイベントが少なく、中間解析は延期されております。この中間解析が行われたのは、結局この試験が終了した後のタイミングになっておりますが、それについては評価のためのモニタリングが半年に1度入っていて、そこでイベントが少なく、延期されたところから半年たったところで、終了のピリオドがやってきたということなので、直近の次のピリオドで中間解析を行うことになったと理解しております。
 有効性及び安全性の評価です。私の評価は17ページを御覧いただければと思います。まず、有効性については、私はEの評価を付けさせていただきました。この試験は、試験治療群が対照の既存治療群より有効であるという仮説の下に始まっておりますが、お手元の資料、タブレットの48ページに統計的事項が説明されておりまして、この結論が棄却された場合、有効であることが棄却されるわけですから、同等か劣っているかということになるのですが、同等か劣っているかについては、解析を加えないという決まりで始まっております。ですので、今回は有効であるということが棄却される可能性が高くなったことを理由に、無効中止の措置が取られたことになり、当初からの決まりによって、同等であったのか劣っていたのかということの解析が行われなかったということでして、CかDかの判定はなかなか付けにくいということで、Eとさせていただいたという趣旨です。
 その次に安全性です。今回は、先ほどの事務局からの御説明にもありましたように、重篤な有害事象は、解析の時点で全部で9例ということでした。その中に、試験治療群の中に、これはたまたまかもしれませんが、安全性評価委員会でも予期されない、がん関連と思われる網膜剥離等の症状が報告されており、これは安全性モニタリング委員会の判断を経て、因果関係の可能性が認識されているということになりますので、これをもって既存治療より安全ということは申し上げることはできません。また、これが試験治療に重い副作用がないと判断できませんでしたので、Cの判定とさせていただいた次第です。
 技術的な成熟度に関しては、専門領域的な通常診療に則した治療内容とは考えられますが、放射線に併用になりますので、患者への侵襲は当然増えます。ですからその分、重点的な対応のできる実施環境があれば、この治療を受けていただけるのではないかということで、私はBと判断いたしました。
 あと、統計的な事項について、飛田先生から申請者に御照会されており、それは飛田先生から後ほど御説明があると思いますが、今回の有効性の結果のところで、従来の試験から予測された有効率と、今回の試験で示された有効率について、かなり乖離のある点があったということで、その点については原因をいろいろと精査されていますが、私が先方からの御回答を見た限りでは、今のところは不明であったと認識しています。
 続いての評価の結果については、飛田先生の御説明の後でさせていただきたいと思います。
 
○山口座長
 続いて、飛田構成員から御評価をお願いします。
 
○飛田構成員
 私のコメントは、19ページから記載していますので、そちらを御確認いただければと思います。本研究の経緯と結果に関しては、真田先生から御紹介があったとおりなのですが、まず有効性に関してですが、総括報告書に記載されている主要評価項目、副次評価項目、その他各種の部分集団解析の結果等を見させていただいたのですが、いずれも対照群よりも数値的には有効性の項目が劣った結果になっています。これに関しては、原因について照会させていただいているのですが、まだまだ原因について十分に検討されていないというか、まだまだこれから出てくるデータ等に基づいて、検討を引き続き行っていくというような内容になっています。
 この試験自体は、先ほど真田先生から説明があったとおり、早期無効中止という形になっていて、これ以上頑張ってやったところで、最終的に有効性が期待できる予測確率のようなものをベイズ統計などを使って検討されてきましたが、これ以上効果が期待できる結果が得られそうにないということなので、無効中止になっています。
 私は有効性に関してDという評価をさせていただいたのですが、これに関しては、プロトコルの記載に、「本技術の有効性が認められない場合には、標準治療が引き続き有用な治療と結論する」という記載が規定されている状況でしたので、どこの角度から見ても効果が期待できそうな側面が見えなかったということなので、Dという評価をさせていただいています。
 安全性に関しては、少数例の検討でしかなく、標準治療に比べて極端に安全性に問題があるような結果ではなかったのですが、若干なりとも死亡、重篤な有害事象が標準治療の対照群に比べて認められているということなので、かなりB寄りなのですが、Cという評価をさせていただいています。
 最後に技術的成熟度に関してなのですが、これも中間解析によって無効中止になったという原因について、21ページ、22ページの辺りで、計画時点と、今回の結果が得られた時点で、かなり期待有効率が大分数値として乖離している原因についても含めて、いろいろと検討してもらったのですが、まだまだこれだというような原因まで特定されているというわけではありませんで、付随研究による検討、あるいはまだまだ解析中ということで、十分に考察がなされていないということなので、どういう場面でこれが使えるのかということが余り分からないような状況でしたので、Dとさせていただいています。
 
○山口座長
 真田構成員から追加のコメントはございますか。
 
○真田構成員
 私の総合的なコメントが18ページの中程にありますので御覧ください。既存治療群の成績が当初、研究開始前の想定よりかなり良好であったということが、今回の有効性を見られなかったという結果を生じた背景の1つと考えられます。これについては、資料1-2の飛田先生から御照会いただいた文章の中にも、そのパーセンテージが書いてありますので御覧いただけると思いますが、これについての原因が不明であったということになっております。
 一方、いろいろと飛田先生も御指摘のように、層別解析等が試みられておりますが、有用性が期待されるような因子は残念ながら見いだすことができず、逆に男性、女性の層別で解析をしたときに、男性については試験治療群が既存治療群よりも有意に劣る可能性を示唆するという結果も得られておりますので、少なくとも本技術をこのままの形で更に展開するのは困難ではないかという結論になったと認識しております。
 添付文書の所にもございますが、この薬は神経膠腫には適応が取れておりますが、今回のように、神経原性の悪性リンパ腫については有効な成績を見いだせなかったということになりますので、類似の疾患にお薬を適応する際にも、類似であるということだけで有効性及び安全性を演繹して使うということがなかなか難しいのではないかということを示唆する1つの結果であったと考えられます。
 
○山口座長
 それでは、ただいまの御説明について何か御質問はございませんか。
 
○伊藤(澄)構成員
 テモゾロミドは脳腫瘍領域で随分使われていると認識していて、ドーズリミッティングファクターがリンパ球の減少とか免疫抑制であるという認識をしているのですが、そういった感染症とか免疫の抑制が実際に試験群に多くて、有効性を損ねたということではないのですか。
 
○真田構成員
 こちらは先ほどのサマリー、17ページの上にも記載があり、今回は重篤な有害事象が全体として発生数が少なかったということもありますが、先生が御指摘のように、最も多い有害事象がリンパ球の減少であって、これが感染症にまで波及して重症化したというような記載は見当たらなかった一方、やはりリンパ球の減少は、それ相応に見られています。ただ、これがこちらの群で有意に多かったということでは、恐らくなかったというように理解しています。
 
○山口座長
 ほかにございませんか。
 
(掛江構成員、オンラインにて入室)
 
○天野構成員
 先ほど御説明いただいたところなのですが、改めて確認させていただきます。今回、登録を継続することは妥当かどうかを判断する目的で中間解析が設定されていたものの、症例登録中はイベントが少なく延期されたということで、これについての理由も先ほど概略を御説明いただきましたが、改めてもう一度御説明いただくことは可能でしょうか。
 と言うのは、結果論になりますが、中間解析がもう少し早く実施できていれば、無効中止というものが、もしかしたら早くできた可能性があるかもしれない。そういったことについての確認のための御質問でございます。よろしくお願いします。
 
○真田構成員
 今回、中間解析を行うための症例モニタリングが半期に1度実施されるとプロトコルに記載がありました。その半期に1度のスクリーニングが行われていたのですが、そのときに、一番初めのところでは、イベントが少なかったということで、もう半期後のデータを待ちましょうということになっている間に、症例が入ってしまったということになりますので、このピリオドがもう少し短ければということになりますが、プロトコルの規定上は、半期に1回というようにきっちりと行われていたということになります。
 
○山口座長
 よろしいでしょうか。
 
○天野構成員
 ありがとうございました。
 
○山中構成員
 今の天野構成員の御指摘の点は重要だと思いますので、一般論を補足します。臨床試験で中間解析をする目的は、途中で止めることです。登録の途中で止めて何がいいかというと、すごく有効な治療だということが分かった場合、早く世に出せるというメリットがあります。一方、すごく劣っていた場合は、そこから先はそういった無効な治療に割り付けされることを防いでくれるということがあります。試験途中で臨床試験を中間解析する意味というのはあるのです。
 ただ、がんなどのイベント発生までの時間を扱う疾患の場合、登録途中だとイベントが十分に集まっていなくて、典型的には、途中で中間解析をすると、5例とか10例しかイベントが集まっていないということはよくあるのです。そういった状態で不確かな判断をして試験を止めてしまうということは、それはそれで、非科学的な状態で止めた臨床試験に患者さんを参加させている倫理性が問題になってきます。ですので、ある程度イベントがたまった段階で解析をするということが一般的です。
 考え方によっては、例えば途中で登録を止めて、イベントがたまるまで登録を一時中断する方法もあり得るのですが、ただ、そうすると、一旦登録を止めた試験というのは、登録スピードがなかなか元に戻らなくなってしまうことがあります。いろいろな理由があるとは思うのですが、研究者の気持ちが萎えてしまうとか、その辺はいろいろと理由があって、そうすると登録が終わらない試験になってしまって、それはそれで、そういった終わらない試験に患者に参加させたという、また別の問題が出てきてしまうので、中間解析をどこで入れるのかというのは非常に難しい問題です。
 一般論として、JCOGに関してはかなり早い段階で中間解析をやっているグループです。ですので、それはひとえに、患者への倫理性を担保して中間解析を早めに、しかし最低限の科学的な判断はできるタイミングで、中間解析を行っているというように思っております。
 
○山口座長
 貴重な御意見ありがとうございました。ほかにございませんか。
 
○長島構成員
 無効中止に関して、過去にどの程度の数があったのか。そこに、例えば代表的なものはどのようなものがあったのか。そこに何らかの傾向のようなものがあったのか。それらを基に考えて、例えば無効中止を早期にモニタリングするような、ある程度の指標なり何かの目安のようなものが考え得るのか。以上について教えていただければ幸いです。
 
○山中構成員
 一般論を申し上げることは難しいのですが、恐らくイベント数に関しては、5件とか10件では、なかなか判断できないと思います。5件にイベントが起こった生存曲線を御覧になると分かるのですが、ものすごくガタガタしていて、これではとても判断できないなという生存曲線になります。
 では、どのぐらいのイベント数があればいいのかという御質問だと思うのですが、臨床研究に携わっている立場からすると、30~50件ぐらいのイベント数は必要なのではないかと思います。30~50件というのは、30~50例と言い換えてもいいと思うのですが、一般論としても、臨床研究で判断するには30~50例ぐらいが必要だというのは、ある程度御同意いただけるのではないかと思うのですが、そのぐらいのイベント数が多いと思います。もちろん、より多くのイベント数があって、科学的な判断ができるに越したことはないと思うのですが、考え方としては、そういったことになろうかと思います。
 
○長島構成員
 ありがとうございます。本件とはまた別に、先進医療全体として、過去に無効中止となったような例は、今までにどれぐらいあったのでしょうか。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局ですが、手元にご指摘のデータを持ち合わせてないため直ちにお答えすることは難しいのですが、前提として、先進医療Bとして行われる試験が、本試験のように第Ⅲ層の比較試験として行われること自体が、それほど多くなかったように認識しております。また、試験の途中で今回のように厳密に中間解析を行って無効中止かどうかを判定するということも、全ての試験で行われているわけではありません。したがって、私の記憶の限りではございますが、無効中止となるようなケースについては、それほど多くなかったように認識してございます。
 
○長島構成員
 後で結構ですので、その辺はどのようなものが実際にあったかというリスト等の資料をまとめて見せていただければと思います。
 
○山口座長
 では、できれば次回までに、そういう事例をリストアップしてお示しするということでよろしいでしょうか。ほかにございませんか。
 有効性のところで、真田先生と見解が少し違うように見えたのですが、同じということでよろしいですか。
 
○真田構成員
 これは解析上の解釈の問題であって、有効性が証明できず、それで無効中止になるほどの状況であったということの認識は一致していると考えています。
 
○山口座長
 ほかにございませんか。それでは、告示番号旧10につきましては、ただいま御審議いただいた結果を取りまとめて先進医療会議に御報告いたします。では、柴田構成員、藤原構成員にお戻りいただくことにいたします。
 
(柴田構成員、藤原構成員着席)
 
○山口座長
 続きまして、試験実施計画の変更につきまして、事務局より御説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 今回、試験計画等の変更申請が1件提出されております。資料2の25ページを御覧ください。国立がん研究センター中央病院からの申請で、告示番号54の「プローブ型共焦点レーザー顕微内視鏡による胃上皮性病変の診断」となっております。適応症は胃上皮性病変です。
 今回、御審議いただく主な変更内容については、26ページの中程を御覧ください。主な変更内容としましては、1)患者登録の一時中止、2)その他、記載整備となっております。
 今回の変更申請を行う理由です。変更申請というよりも御報告になりますが、1)Cellvizio100システム及びCellvizioミニプローベの国内製造販売業者である株式会社インクリース研究所が、製造販売業務を廃止したことに伴い、これまで保守修理対応を行っていた国内販売代理店である株式会社アムコより、今後の販売、保守、修理等、全ての取扱いが中止された。このため、安全に試験を継続することが困難であることを鑑み、患者さんの安全を担保するために、当施設においても登録中止の判断が妥当であると考えたとのことです。今後については、再度体制が整うまで新規症例登録は中断し、試験の再開・継続について、実施可能な体制が整った段階で、試験計画の変更申請の形で先進医療技術審査部会にて申請を行う予定とのことです。
 2)については、組織生検についての評価の方法と判定基準に関する計画書の記載が不明確であったため、副次病変と主病変の取扱いについて追記したとのことです。
 昨日になりますが、医療機関のほうに進捗について尋ねております。その際、特定の国内選任製販企業への業務引継ぎが行われているところということでした。今後の具体的なスケジュールについては未定のところもございますが、分かり次第、こちらの部会でも御報告させていただければと思っております。
 
○山口座長
 本変更内容につきまして、何か御意見はございますでしょうか。業者の都合で勝手にやめられるのはまずいなと思って確認していただきました。ほかの施設にある機器は動いているのに、先進医療に使われている機器だけがなぜ動かなくなるのか、ちょっとおかしいのではないかという疑問です。少なくとも早急に再開できるような道筋があるかということをお尋ねいただいたら、あるということのようですので、いいのではないかと思いました。ほかに何かございますか。
 
○長島構成員
 しっかりと継続性が担保されていないと研究もしっかりとできないということで、例えば継続的に服用しなければいけないような医薬品が途中で供給できないということになると、極めて重要な問題ですので、このような臨床研究を行う場合に、そのような継続性の担保というのも確認が必要だと思いますが、これがなかなか経済的な影響もあると難しいとは思いますが、できるだけここの確認もお願いできればと思います。
 
○山口座長
 ほかにございませんか。ないようですので、告示番号54の変更につきましては認めることといたします。
 続きまして、先進医療Bの協力医療機関の追加につきまして、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料3-1の27ページを御覧ください。今回、告示番号30の技術について2件、告示番号36の技術について3件の協力医療機関の追加申請がございました。
 資料3-2の29ページ以降を御覧いただきますと、事務局において先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件、様式第9号を満たしていることを確認しております。協力医療機関の追加として御承認いただきたく存じます。特に御意見がなければ、手続を進めさせていただきます。
 
○山口座長
 よろしいでしょうか。では、手続を進めてください。
 続きまして、先進医療B及び協力医療機関の告示取下げについて、事務局から御説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料4の33ページを御覧ください。先進医療告示の取下げ申請が告示番号13の1件、協力医療機関の取下げ申請が告示番号15、告示番号22、告示番号42の3件ございました。
 まず、先進医療告示の取下げですが、告示番号13の技術については、目標症例数の登録が終了し、全ての患者に対する試験治療、観察が終了したため、先進医療Bに係る届出を取り下げる。なお、総括報告書については提出準備中であるとのことです。
 また、協力医療機関の取下げですが、告示番号15の技術については、当該機関において、これまで患者登録の実績がなく、今後の見込みとしても登録困難であるため。告示番号22の技術については、実施責任医師の退職に伴い実施体制の維持が困難となったため、協力医療機関として取下げを行う。なお、当該医療機関で登録された症例については、観察期間も含む全てのプロトコル治療が終了している。また、告示番号42の技術については、本試験の新規症例登録は終了したが、当該機関においては症例登録がなく、追跡調査を必要としないためとなっております。以上につきまして、特に御意見がなければ手続を進めさせていただきたく存じます。
 
○山口座長
 よろしいでしょうか。特にないようですので、手続を進めてください。
 それでは、本日の議題は以上です。構成員の皆様から、何か御意見、御質問はございませんか。よろしいでしょうか。それでは、次回の日程を事務局からお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 次回は令和2年11月12日(木)の開催予定とさせていただきます。時間は16時から18時までの予定で、場所につきましては別途御連絡させていただきます。また、本日の議事録につきましては、作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後、公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 
○山口座長
 今回、かなり前回と違ってモニター画面も大変見やすくて、やりやすくなりました。御努力いただいてありがとうございました。これだと十分に実用に耐えると思います。
 それでは、第107回先進医療技術審査部会を終了いたします。ありがとうございました。
 

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