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2020年9月10日 第106回先進医療技術審査部会 議事録

 
 


(1)日時:令和2年9月10日(木)16:00~

(2)場所:TKP新橋カンファレンスセンター「ホール14D」

(3)出席者
山口座長、一色座長代理、天野構成員、伊藤(澄)構成員、伊藤(陽)構成員、上村構成員、掛江構成員、後藤構成員、佐藤構成員、真田構成員、柴田構成員、長島構成員、飛田構成員、藤原構成員、松山構成員、山本構成員

(事務局)
医政局研究開発振興課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 課長補佐
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 先進・再生医療迅速評価専門官
保険局医療課 先進・再生医療迅速評価専門官
医薬・生活衛生局医薬品審査管理課審査調整官


【議題】

1.新規申請技術の評価結果について
2.試験実施計画の変更について
3.協力医療機関の追加について
4.先進医療の告示取下げについて
5.医療機関からの報告について
6.その他
 

【議事録】

○山口座長
 それでは、定刻となりましたので、第106回先進医療技術審査部会を始めさせていただきたいと思います。御多忙の折、お集まりいただき、ありがとうございます。
 本日の構成員の出欠状況ですが、本日は、柴田大朗構成員、田島優子構成員、山中竹春構成員より御欠席の連絡を頂いております(事務局注:柴田大朗構成員はオンラインで遅れて参加)。また、天野慎介構成員、伊藤陽一構成員、後藤弘子構成員、佐藤雄一郎構成員、飛田英祐構成員、長島公之構成員にはオンラインで御出席いただくということです。本日は18名の構成員のうち、現在、15名の構成員にお集まりいただいていますので、本会議は成立していることを申し添えます。それでは、配布資料と本日の審査案件の確認を事務局からお願いします。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 事務局です。よろしくお願いいたします。傍聴者の方の撮影はここまでとさせていただきます。御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 配布資料につきまして確認させていただきます。議事次第、座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続きます。続きまして、資料1-1~1-5新規医療技術の評価について、資料2及び3試験実施計画の変更について、資料4-1及び4-2協力医療機関の追加について、資料5先進医療B試験の告示取下げについて、資料6先進医療合同会議の審議結果について、資料7-1~7-3申請医療機関からの報告について、会議資料の最終ページは112ページとなっています。なお、オンラインで参加の先生方におかれましては、資料7-1に関して先ほど差替えの資料をメールで送らせていただいていますので、そちらのほうでよろしくお願いいたします。会場の先生方のお手元には、先進医療実施届出書様式第10号別冊資料というA3版の資料をお配りしています。こちらは構成員及び事務局限りとさせていただいています。お手元の資料に乱丁・落丁等がございましたら事務局までお知らせください。
 続きまして、利益相反の確認です。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業について、事務局から事前に確認させていただいています。今回、資料7の案件につきまして、飛田構成員におかれましては御所属の医療機関、上村構成員及び真田構成員におかれましては非常勤職員として御所属の医療機関、山本構成員におかれましてはモニタリング担当者として関与ということですので、これまでと同様ですが、一時、御退席いただきたく存じます。事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がございましたら、この場で御報告をお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、該当なしということで承知いたしました。
 今回もタブレットを使用いたします。届出書類等につきましてはタブレットより閲覧をお願いいたします。なお、会議資料とタブレットの内容は異なっていますので、発言される方は会議資料の何ページ、またはタブレット資料何番の何ページと、あらかじめ御発言いただくと大変助かります。オンラインにて御出席の先生方には通常のタブレット資料を事前にメールでお送りしています。御発言される際は、web会議ソフトには手挙げ機能が付いていますので、適宜、御活用いただければと存じます。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。では、議事に入りたいと思います。新規申請技術の評価結果につきまして、事務局より説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 御説明いたします。資料1-1の15ページを御覧ください。今回、先進医療Bとして新規に御評価いただく技術は、整理番号108、国内完結型マルチプレックスがん遺伝子パネル検査です。申請医療機関は岡山大学病院となっています。今回、審査を御担当いただきました構成員の先生方は、主担当が山本構成員、副担当が田島構成員、伊藤陽一構成員となっています。
 お手元の資料1-5の35ページを御覧ください。審議に先立ちまして、先進医療実施可能とする保険医療機関の要件について御説明いたします。Ⅰ.の実施責任医師の要件ですが、診療科は内科、小児科又は病理科、資格は不要となっています。当該診療科の経験年数は5年以上、当該技術の経験年数及び経験症例数は不要となっています。
 Ⅱ.の医療機関の要件ですが、診療科は内科・小児科のいずれか、及び病理科が必要、実施診療科の医師数は、治験、臨床研究を含むがん薬物療法の実務経験5年以上を有する常勤医師1名以上、病理診断の実務経験を5年以上有する常勤医師1名以上が必要となっています。他診療科の医師数は不要となっています。その他医療従事者の配置として、臨床検査技士が必要となっています。病床数は100床以上、看護配置は10対1看護以上、当直体制は内科系又は外科系医師1名以上が必要、緊急手術の実施体制及び院内検査(24時間実施体制)が必要、他の医療機関との連携体制は不要、医療機器の保守管理体制は必要、倫理審査委員会による審査体制は、2か月に1回以上の開催が必要、医療安全管理委員会の設置は必要となっています。医療機関としての当該技術の実施症例数は不要で、その他として、遺伝カウンセリング等を行う部門を設置し、遺伝医学の専門的知識を有する常勤医師1名以上、及び遺伝カウンセリング技術を有する者1名以上を有する。厚生労働省が指定するがん診療連携拠点病院又は小児がん拠点病院である。厚生労働大臣が指定するがんゲノム中核拠点病院又はがんゲノム連携病院の指定要件を満たし、指定を受けている又は申請中であることとなっています。
 Ⅲ.のその他の要件として、頻回の実績報告については不要、その他(上記以外の要件)は不要となっています。なお、利益相反についての書類様式10号につきましては、A3版の別冊資料も併せて御参照ください。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。これらの要件につきまして何か御意見はありますか。どうぞ。
 
○真田構成員
 真田です。些末なことかもしれませんが、タブレットの2ページ、様式2号の一番下の協力医療機関という所を御覧いただくと、今後、追加予定の医療機関の所に、がんゲノム医療拠点病院と記載されています。今、御説明いただいた様式第9号の記載で、その他の部分の3ポツ目には、「厚生労働大臣が指定するがんゲノム中核拠点病院またはがんゲノム連携病院」という記載で、ここが齟齬を生じる可能性がありますので、適宜、御修正をいただければと思います。
 
○山口座長
 よろしいですか。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 貴重な御指摘を頂きまして、ありがとうございます。先生に御指摘いただいたとおりで、現状の様式9号ですと、がんゲノム医療拠点病院が追加できませんので、そちらを追記するように御指示いただければと思います。
 
○山口座長
 貴重な御指摘、ありがとうございました。ほかにございませんか。それでは、ないようですので今の点を訂正いただいて、様式9号についてはお認めすることといたします。また、様式10号についても特段の御意見はなしといたします。次に、技術の概要と実施体制の評価につきまして、主担当の山本構成員より御説明をお願いします。
 
○山本構成員
 山本です。まず、資料1-4を御覧いただければと思います。通しで33ページになりますが、こちらがこの技術の概要のスキームです。TSO500がんパネルを用いた遺伝子検査システムということで、以前から出てきているがんのパネル検査と枠組みとしてはほぼ同じと思ってよいと思いますが、一気に調べられる遺伝子の数が飛躍的に多いということで、今回、出てきているということです。その裏側の34ページに薬事承認申請までのロードマップがございますが、今回のこの先進医療自身は参考資料として使用するという記載になっていて、海外で行われている臨床試験等々で承認申請は行うということのようです。
 戻っていただいて、資料1-2、17ページに実施計画と評価表がございます。医療技術の概要は先ほど申し上げたようなことです。主要評価項目はActionableな遺伝子異常が検出される患者の割合、副次評価項目はシークエンス成功割合、対応する治療薬が投与された割合、承認体外診断薬との結果の一致割合ということです。目標症例数は250例とされています。
 私は実施体制の評価を担当いたしまして、全般的に文書類に幾つか記載不備が散見されたのですが、事前の指摘に対して適切に修正していただきましたので、実施体制につきましては全て適と評価しています。
 
○山口座長
 ありがとうございました。続いて、倫理的観点からの評価につきまして、副担当の田島構成員からですが、欠席ですので事務局のほうで代読をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 事務局です。資料1-2の18ページの中ほどを御覧ください。倫理的観点からの評価として、田島先生からいただいた御評価を事務局のほうで代読いたします。4.同意に係る手続き、同意文書、5.補償内容につきまして、いずれも適の御評価を頂いております。コメントとしまして、説明文書、同意文書及び同意撤回書について、事前の指摘に対して適切に修正がなされ、問題点が解消されたので適と評価したとのことです。照会事項及び回答につきましては、21ページから25ページにお示ししています。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。続いて、副担当の伊藤陽一構成員より、試験実施計画書等の評価につきまして御評価をお願いします。
 
○伊藤(陽)構成員
 実施計画書等の評価をいたしました。6.の期待される適応症から16.の個人情報保護の方法まで確認したところ、特に問題になる点は認められませんでしたので、全て適というふうに判断いたしました。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。では、1~16の総評につきまして、主担当の山本構成員よりお願いします。
 
○山本構成員
 山本です。19ページに総合評価を載せています。総合評価は適とさせていただきました。事前に幾つか照会事項をやり取りしていて、幾つか主要な所を御紹介しておきますけれども、資料1-3の21ページからが事前の照会事項のやり取りです。最初のほうは、田島先生から主に説明同意文書の記載に係る修正で、ちょっと計算違いとかいろいろございまして、そういうのは全て直していただいています。
 26ページからが主に私が出したもので、例えば以前のがんパネル検査で、かなり登録のスピードが速いということがございましたが、今回は1施設当たり月に1、2例ぐらいの症例登録が見込まれるという記載だったので、以前のものと比べてかなりスローペースを想定しているということで、その理由をお聞きしたところ、この26ページの下のほうに書いてありますけれども、この遺伝子パネル検査は既に保険が適用されるものがありますので、既承認のパネル検査を受けた患者さんの中で保険で先進医療特約に入っておられ、また、この遺伝子パネル検査を既承認のもので有意な結果が得られなかった場合に、こちらに入るという希望を出されるだろうという想定のもとで計算すると、この程度の数であるという根拠を示していただいています。
 以前のがんのパネル検査と同じで、エキスパートパネルで意味付けをすることになっていますが、拠点病院・連携病院がございまして、それぞれ自施設にエキスパートパネルがある場合と、他施設にエキスパートパネルがある場合で情報の流れが変わりますから、そちらを整理していただいて計画書のほうに記載していただいています。
 それから、既存の遺伝子パネルとどういうふうに違うのかということが、今一つよく分からないところがございましたので、それもお聞きしています。それはタブレットのほうの15_5-2というものです。同意説明文書補助資料、がん遺伝子パネル検査の比較という比較表を作っていただいています。こちらも当初から出していただいていたのですが、より分かりやすいように少し修正していただき、表面128ページのほうが表になっていて、その裏面に保険収載された遺伝子パネルと、どのぐらい検査される遺伝子に共通性があるかということも図示していただきました。かなり共通な部分もあるのですが、こちらが何しろ500以上調べるということで、既存のものでは調べられない遺伝子がかなりありますという説明のスキームになっています。
 このようなところを修正していただきまして、その上で評価としては最終的に、元に戻って19ページですが、適とさせていただきました。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。それでは御討議をお願いいたします。
 
○天野構成員
 よろしいでしょうか。天野です。
 
○山口座長
 どうぞ。
 
○天野構成員
 2点、質問がございます。1点目ですが、資料の26ページで登録数設定根拠を回答いただいています。回答の趣旨としては先進医療特約に加入している患者であり、かつ、既承認の遺伝子パネル検査で有意な結果が得られなかった患者の再検査であると考えられると書いてあります。回答を一読すればそうかとも思えますし、よくよく読むとこれはどういう根拠なのか、今一、よく分からないようなところもあり、設定根拠はこれで大丈夫なのだろうか。例えば、先進医療特約というものを非常に推していますけれども、先進医療特約に入っている患者さんからすれば、保険承認されている遺伝子パネル検査ではなく、いきなりこちらに来る患者さんも、ないとは言えないのではないか。そういうこともあり得ると思いますし、回答にあったように、これ以外に算出の方法がないような気もするのですけれども、一応、分かったようで分からないような説明になっているのは、気になりました。
 2点目は、研究グループがここまで先進医療特約というものを前面に押し出しているので、あえて質問するのですが、説明文書のほうを読むと先進医療に係る費用の合計は55万円と説明されています。それぞれの保険の補償の対象範囲で違ってくるとは思いますが、その補償の範囲は一般的な保険ですと55万円がカバーされるという理解でよろしいのでしょうか。それとも、患者さんからして、もし仮に新しい候補薬等が見出された場合には、その候補薬に進むということも考えられると思いますが、そちらまでカバーされることもあるのでしょうか。もし分かれば教えていただきたいと思います。以上になります。
 
○山口座長
 ありがとうございました。今、2つ御質問が出ましたけれども、山本先生、よろしくお願いします。
 
○山本構成員
 山本です。分からない部分もありますが、分かる範囲でというか私の解釈になりますけれども、確かに今の症例数の見込みというのは、ある程度、ほわっとしたというか、恐らく大部分の患者さんに、まずドクターが保険承認のほうのゲノム検査を勧めるだろうと。先進医療を勧めるのではなく、先にそっちを勧めるだろうとか、多分、そういう前提条件があって成り立つ話だと思います。ですから、これに参加している施設の中に、こっちのほうが数が多いから、こっちからやったらどうですかとお勧めされる方がいらっしゃると、この前提はちょっと崩れることになります。
 ただ、そういうところで実際の患者さんの行動などが、恐らく保険承認が幾つかされているものがある中で、これをやるときに患者さんがどういうふうに行動されるか予測するのが難しいですから、今のところはこういう見込みでやられているのだと思います。私も気になったのは、以前の遺伝子パネル検査のように登録が殺到するようなことになると、結構、混乱がありますので、そちらについては、そういうことが見られるようであれば適正に対処してくださいという注意を、こちらからしておくべきかなと思います。
 それから、先進医療特約ですが、恐らく保険の約款によると思いますけれども、私が知っている範囲では先進医療として認められているものにしか、その補償範囲はカバーされないと思いますので、その次に治療に進んだ場合は、その治療はこの先進医療Bからは外れますから、何らかの別の先進医療でカバーされている範囲でされる場合のみ、先進医療特約が付くことになるのだと思います。恐らく大部分の医療保険の特約は、そういう形でされていると認識しています。ですから、あくまでこの検査の50数万円というところだけが、保険を掛けている方についてはカバーされるということではないかと思います。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。事務局、何かありますか。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 特にありません。
 
○山口座長
 天野先生、いかがですか。
 
○天野構成員
 よく分かりました。追加はございません。
 
○山口座長
 大変に明解な回答、ありがとうございました。よく分かりました。ほかにございませんか。あまり議論と関係ないかもしれませんが、これからどんどん出てきて、素人が考えても数が多いパネルのほうが勝つような気がしますが、これは一体、どういう具合にしていくのかという見通しは、どうなのでしょうか。
 
○山本構成員
 私もそれがどうなるのかなと思い、それで比較表を作っておられたので、どのぐらい被っているのですかということをお聞きしたら、先ほどのベン図が出てきたのですが、どれもちょっとずつずれているみたいなので、恐らく今後も、結局、遺伝子がどんどん見つかっていくと増えていくことになるので、新しくて数の多いものが出ると、そちらに動いていくのではないかと思います。ただ、そう言っても既に2つは承認されていますから、そちらを基本的には保険診療ということで、現場ではまずそちらを勧めるのではないかという見込みで動いているのだろうと思います。ただ、こちらが出た場合には、例えば保険適用されているパネルが3つ並んだ場合には、患者さんとしては一番多い所からいくのではないか。そういうのが人情かなと思います。
 
○山口座長
 ありがとうございました。ほかに何か御討議はありますか。それでは、特になさそうですので、整理番号108につきましては適ということにしたいと思います。続きまして、試験実施計画の変更につきまして、事務局より説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 事務局です。今回、試験計画等の変更申請が2件提出されています。資料2の37ページを御覧ください。国立がん研究センター中央病院からの申請で、告示番号B43、術後のアスピリン経口投与療法です。適応症は下部直腸を除く大腸がん(ステージがⅢ期であって、肉眼による観察及び病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る。)となっています。
 今回、御審議いただく主な変更内容につきましては、38ページを御覧ください。主な変更内容ですが、(マル1)術後補助化学療法のコース開始基準、薬剤減量/休止/中止基準の変更について、(マル2)試験薬(プラセボ/アスピリン)の休止/再開基準の変更について、(マル3)除外基準項目に関する誤記修正について、(マル4)その他、記載整備となっています。
 変更申請を行う理由ですが、こちらに記載していますけれども、マル1につきましては、現在、許容されている3種類の術後補助化学療法の減量/休止/中止基準の設定につきまして、mFOLFOX6療法、CAPOX療法の非血液毒性に関する項目が、カペシタビン単剤療法よりも寛容な基準設定になっていたものを、より厳格な基準であるカペシタビン単剤療法基準に合わせる。一方で、クレアチニンの減量基準のみ寛容な基準への変更となるということで、こちらについてはクレアチニンの値が1.5mg/dL以上の有害事象を示す頻度自体が低く、また、出現した場合にも管理可能であるため、安全性は損なわれないと考えていると説明があります。
 マル2については、試験薬(プラセボ/アスピリン)の休止/再開/中止基準に関して、これまで下痢の項目を設定していなかったところですが、実際、下痢のために試験薬を中止して「逸脱」と扱われる症例が散見されたため、下痢が軽快するまで試験薬を中止することが適切であると判断し、下痢の項目を休止・再開基準に含めることとしたということです。
 マル3・マル4につきましては記載整備となっています。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。本変更内容につきまして何か御意見はありませんか。1番目のほうは、より厳格な基準にするということ。2番目が下痢の項目を基準に含めるということのようですが、特にございませんか。それでは、ないようですので、告示番号B43の変更につきましては認めることといたします。続きまして、次の試験実施計画の変更につきまして、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 資料3の41ページを御覧ください。国立がん研究センター中央病院からの申請で、告示番号B60、マルチプレックス遺伝子パネル検査です。適応症は進行性再発固形がん(非小細胞肺がん、乳がん、胃がん、大腸がん、膵がん又は胆道がんに限る。)となっています。
 今回、御審議いただく主な変更内容につきましては42ページを御覧ください。主な変更内容は3点ございまして、(1)が適格基準の変更、(2)がデータの二次利用に追記、(3)がその他、記載整備となっています。
 (1)につきましては、非小細胞肺がんの適格基準を「EGFR、ALK、BRAF、ROS1遺伝子がコンパニオ診断薬で陰性であること」としていましたが、これらがまれに判定不能と診断されることがあり、陰性と同様に扱って治療選択されることから、これらが判定不能の場合についても適格基準に追加したということです。(2)につきましては、当初より統合解析を行うことを予定していた観察研究について、試験計画書及び説明文書に明確に記載したということです。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。本変更内容につきまして何か御意見、御質問はございませんか。特に問題ないと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。ないようですので、告示番号B60の変更について認めることといたします。続きまして先進医療Bの協力医療機関の追加について、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 資料4-1の43ページを御覧ください。今回、告示番号48の技術につきまして、1件の協力医療機関の追加申請がございました。こちらにつきましては、令和2年6月開催の第100回先進医療技術審査部会にて御承認いただきました研究実施体制の変更に伴い、実施施設の追加を行ったものです。資料4-2の45ページに載せていますが、事務局において先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件、様式第9号を満たしていることを確認しています。協力医療機関の追加として御承認いただきたく存じます。特に御意見がなければ手続を進めさせていただきます。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 よろしいでしょうか。それでは、続きまして先進医療Bの告示取下げについて、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 資料5の47ページを御覧ください。告示番号49につきまして、先進医療告示の取下げ申請がございました。取下げ理由の所に記載がございますけれども、「症例登録及び全症例の観察期間が終了したため、先進医療を取り下げいたします。なお、総括報告書については提出に向けて現在準備中です」とのことです。こちらにつきまして、特に御意見がなければ手続を進めさせていただきたく存じます。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 よろしいでしょうか。それでは、続きまして、先進医療合同会議の審議結果について、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 御説明いたします。資料6の49ページを御覧ください。令和2年9月3日に行われました先進医療合同会議におきまして、1件の先進医療B技術について審議が行われ、適の御評価を頂いております。49ページに記載していますが、技術名が超急性期脳出血に対する遺伝子組換え活性型第Ⅶ因子投与、申請医療機関が国立循環器病研究センターとなっています。
 本件につきまして、事前評価の主担当を伊藤澄信構成員、副担当を後藤構成員、飛田構成員に御担当いただき、最終的に適の御評価を頂いております。本件につきまして御評価いただき、また先進医療合同会議に御出席いただきました先生方におかれましては、大変ありがとうございました。御報告は以上になります。
 
○山口座長
 何かございますか。ないようですので、続きまして申請医療機関からの報告について、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 大阪大学医学部附属病院から、告示番号B17の「周術期カルペリチド静脈内投与による再発抑制療法」に関する御報告です。なお、冒頭でも申し上げましたとおり、飛田構成員、上村構成員、真田構成員、山本構成員におかれましては、本議題の審議に際し、一時御退席いただきたく存じます。御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 
(飛田構成員、上村構成員、真田構成員、山本構成員退室)
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 資料に沿って御説明いたします。会議資料7-1の83ページを御覧ください。1.の経緯です。告示番号B17、「周術期カルペリチド静脈内投与による再発抑制療法(JANP study)」において、研究計画立案の基となる参考論文1編で、特定不正行為(ねつ造、改ざん)が認定され、また不正を行った研究者がJANP studyにおいて研究計画立案に関わっており、有効性の根拠論文、こちらはPNAS論文として、現在研究不正の有無について調査中となっていますが、こちらの筆頭著者であることも明らかとなりました。
 令和2年5月~6月にかけまして、大阪大学認定臨床研究審査委員会(CRB)において、臨床研究継続の可否を含めた審議が行われ、安全性に関する評価項目を追加する等の研究実施計画を変更し、臨床研究参加者に必要な説明を行った上で特定臨床研究として継続すること、との意見がなされております。
 第102回及び第104回の先進医療技術審査部会において、研究不正の概要等が報告されております。先進医療継続の可否等についての審議が行われました。審議の結果として、令和2年9月、本日ですが、本日開催の先進医療技術審査部会に対して、研究不正の有無について調査中となっている根拠論文の臨床研究部分を検証し、報告を求めるとともに、有害事象等の安全性に関するCRBの報告を継続した上で、研究を中断する研究計画の変更を行い、臨床研究参加者に対して必要な説明を行うこととの御意見を頂いております。
 部会後に、大阪大学医学部附属病院及び研究責任者より先進医療技術審査部会に対して、根拠論文に関する報告書、こちらは資料7-2としてお付けしております。また、再発防止策等に関する報告書、こちらは資料7-3としてお付けしております。これらの提出がございました。また、研究の中断に関する試験計画の変更等についても、タブレット資料に格納しておりますが、これらを提出いただいております。
 研究の中断については、令和2年8月28日に臨時的に開催していただいたCRBにて、試験実施計画変更の承認を得た後に実施されておりまして、臨床研究参加者にも説明が行われております。なお、安全性に関するCRBへの報告については、現在も継続中となっております。
 84ページを御覧ください。2.の報告の概要です。(1)として、根拠論文に関する報告書について御説明いたします。1ポツ目ですが、論文執筆時(平成27年)の対応として、根拠論文の臨床研究部分については、大阪大学医学部附属病院及び大阪刀根山医療センターの2医療機関における肺がん切除症例467例の臨床データが用いられていた。主著者、こちらが不正を行った研究者ですが、こちらが管理していたこれらの症例の臨床データを基に、同大学内の別の研究室にて統計解析を行い、現研究責任医師が統計ソフトを用いて作図した後に、主著者に提出されておりました。解析に用いた467例の臨床データについては、各医療機関の研究者がカルテ情報との照合を当時も行っており、正確に入力されていることが確認されていたとのことです。
 また、今回御指示を頂いて、新たに行われたデータの再検証になりますが、令和2年4月~5月にかけて、467症例に関する予後の追跡調査を行った。共著者の関与をなくすために根拠論文の共著者ではない医師及び事務員によって、予後に関するカルテ情報を収集した。なお、大阪刀根山医療センターの症例におけるハンプ投与の有無については、更に調査を行っているという記載がございますが、こちらについては昨日御連絡いただきまして、こちらの医療センターは333例が登録されておりますが、このうち329例で問題ないことが確認されたということです。残りの4例については、時期的にカルテが残っていないということもあり、現状としては確認しきれていないということでした。
 今回の追加調査によって、年齢・病理病期・手術日等の誤入力が15か所指摘された他、統計解析に用いるのが不適切と考えられる症例、こちらが第二肺がんに対する手術情報ということで、そちらが5例認められたため、これらの5例を含む場合と除外した場合について、それぞれ統計解析を行った。結果としては、予後が更新されたことに伴って、Log-lank検定のP値は異なるものの、有意差をもってハンプ投与群で無再発生存率が良好な成績であることが示され、根拠論文のFigure 1Aと齟齬はないものと考えられた。また、Figure1 Bについては、Propensity matched analysisが行われているため、完全に再現することは困難であったが、以前に抽出された症例の予後を更新して比較を行ったところ、Figure 1Aと同様に、P値は異なるものの、有意差をもってハンプ投与群で無再発生存率が良好な成績であることが示されたということです。こちらの概要については、事前に先進医療技術審査部会の構成員の先生方4名にも、御確認を頂いております。
 上記につきましては、現時点で可能な範囲での検証結果であり、今後、大阪大学研究公正委員会によって、入力されたデータや解析の再検証が行われるため、特定不正行為の有無に関する再終的な調査報告と併せて報告を行うとのことでした。
 84ページの一番下の所から記載がございますが、(2)再発防止策に関する報告書です。1ポツ目、特定不正行為の発生要因として、1)今回の特定不正行為の発生要因は第一に、不正を行った研究者(元医員)における研究者としての行動規範や研究倫理の欠如によるものと考えられる。(元医員が改ざん、ねつ造を働いた動機については、現在は不明)ということで記載がございます。2)共著者として記載されている研究分担者並びに研究責任者による研究データの共有、確認作業が不十分であったことも発生要因として考えられる。3)研究が実施されていた当時の医学系研究科においては、大学院学生に対して実験ノートの記載方法や、研究倫理に関する講義の受講を必須とはしていたが、研究データの取扱いに関して明文化されたものはなく、論文に使用された研究データは元医員が占有しており、研究責任者による研究データの確認がルールとして規定されていなかった。4)元医員が所属していた研究室での研究指導体制が不十分であった。元医員は所属していた研究室の大学院生であり、研究室内での指導を受ける立場ではあったが、不正が行われた論文データの解析・ 執筆時は他施設で勤務を行う体制であったため、研究室内の指導者がその役割を十分に果たしていたとは言えない状況であった。
85ページの中程に記載がございますが、特定不正行為が臨床研究に与える影響について認識できなかった要因並びに先進医療技術審査部会への報告が遅れた要因ですが、1)平成30年3月に本件の本調査の実施が決定し、その旨は当該責任者(研究統括責任医師)に伝えられていた。2)大阪大学による特定不正行為に係る調査が実施されていたにもかかわらず、その調査結果が、医学部附属病院において実施中である臨床研究へ及ぼす影響について、議論がなされていなかった。3)その要因としては以下の点が考えられた。1ポツ目、「大阪大学における公正な研究活動の推進に関する規程」第12条の2において、「調査結果の公表に至るまで、申立者及び被申立者の意に反して外部に漏えいしないよう、これらの秘密を徹底しなければならない」とされており、研究公正委員会から正式に附属病院へ報告する規定がなかった。大学研究公正委員会より報告を受けた病院長から、附属病院研究総括委員会へ報告を行うシステムがなく、組織として特定不正行為と臨床研究の関連について議論する機会を設けていなかった。JANP studyでの新たな患者組入れは終了しており、全例観察期間に入っていたことから、研究責任医師等の医学的判断としては、周術期に投与したハンプが観察期間中の研究対象者の健康状態に影響を与えないと考えた。また、調査結果が不確定な状況において、研究対象者へ不正確な情報を提供することが、必要以上に研究対象者の不安を煽る可能性があると考えた。
 86ページを御覧ください。本事案を受けての対応です。1)他の論文調査として、本事案を受けて、元医員が筆頭著者、責任著者として公表された論文5編についても、大阪大学及び国立循環器病研究センターが、それぞれ第三者による調査委員会を設置し、分担、連携して追加調査を行っている。2)研究者等の処分等として、特定不正行為が認定された論文については、論文の取下げの勧告を行うとともに、大阪大学の研究助成金の返還を求めた。なお、特定不正行為は「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」における重大な不適合案件に該当するため、本件の報告書とは別に、」厚生労働大臣への報告を予定している。元医員は既に附属病院を退職しており、懲戒処分にはできないが、大阪大学就業規則を準用して、懲戒解雇(相当)の処分を行った。また、記者発表においては元医員の実名を公開しており、相当の社会的制裁が加わったものと考える。
 研究指導を行っていた当該講座に対しては、研究指導責任並びに現在実施継続中の他の臨床研究への影響等も鑑み、以下の対応を指示したということで、2022年度末まで、当該講座の研究者が臨床研究(JANP studyを含む)を実施する際に、未来医療開発部から研究監視指導員(2名)を配置させ、適切に研究が実施されていることを監視すること。
 また、現在の取組と再発防止策です。1)研究倫理に関する教育、指導の徹底として、国等のガイドライン等及び平成27年4月1日に制定した「大阪大学における公正な研究活動の推進に関する規程」に基づき、医学系研究科における公正な研究活動の推進に関する規程を制定し、平成27年度からCITI JAPANプログラム(現在はeAPRIN)のe-learningによって、指定の9科目の受講を義務付け、研究不正の再発防止を図っている。医学系研究科では、入学時に実験ノートの記載方法や研究倫理の大学院講義を必須科目とし、研究科構成委員の研究倫理に係る意識向上に努めている。2)研究活動により得られたデータの共有、保存に関する体制整備として、平成27年に制定した「大阪大学における研究データの保存等に関するガイドライン」に基づいて、論文に使用した図表写真等の研究データを研究責任者が確認の上、バックアップデータを保管する体制を整備している。このように、医学系研究科及び大学全体として、研究データの保存ルールの周知徹底と研究者の意識の向上を目的とした研究倫理教育を更に進めることで、研究不正の再発防止を図る。その際研究者が共著者となる場合において、当該研究に対する責任の自覚を促すように周知していくということです。
 87ページにお進みください。3)研究指導体制の強化として、当該教室における研究指導体制については、論文作成時に教室責任者を含めた共著者が、論文に使用する0次データ、実験ノートを必ず確認することに加え、臨床データベースを電子カルテ上で作成しデータ解析の再現性について常に監視できる体制を既に構築しているということです。4)特定不正行為に関する情報共有システムの構築として、特定不正行為に係る調査に関しては、上述のように「大阪大学における公正な研究活動の推進に関する規程」において、守秘義務について規定されているところではありますが、生命科学分野で論文不正が疑われた際に、臨床研究への影響の可能性を考え、附属病院への報告を行うシステムを構築する。附属病院(病院長)への報告がなされ、本事案のように当該論文が、その時点で実施されている臨床研究への影響があると判断された場合に、附属病院研究総括委員会において、できる限り早期に当該臨床研究の在り方について組織として検討するシステムも構築することとする。5)適正な臨床研究実施に関する支援体制の構築として、未来医療開発部に研究監視指導員を配置し、適正に臨床研究が実施されるよう支援体制を構築する。また、当面の間、本事案に関連した当該講座の研究者が行う臨床研究に関しては、研究監視指導員を2名程度配置することから運用を開始するとのことです。
 87ページの下段に記載しておりますが、3.今後の対応方針等として、JANP studyについての研究の中断を行った上で、根拠論文の臨床研究部分に関する報告書及び再発防止策等に関する報告書が、今回提出されました。調査委員会による根拠論文の調査結果は、今年中に提出を予定されているとお聞きしておりますので、こちらの本部会への報告と、臨床研究参加者への適切な説明を求めるとともに、今回提出された再発防止策を徹底していただく。臨床研究実施体制の見直しという点については、大阪大学は臨床研究中核病院ですので、臨床研究中核病院の取組を評価する枠組みの中で御議論いただくこととしてはどうか。最後になりますが、先進医療再開の可否についても、御審議いただければと思います。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 前回、肝心の論文の評価が全然できていないのは一体どういうことだということで、これは迅速にやってもらいたいと、向こうにお返ししたわけですが、正式の評価はなかなかすぐにはできないので、今のような形で御報告いただいたということだと思います。本件につきまして、何か御意見はございませんか。
 
○天野構成員
 御説明ありがとうございました。よく分かりました。今御説明いただいたとおり、大阪大学のほうで急いで検討いただいて、有意差をもってハンプ投与群で無再発生存率は良好な成績であることが、中間報告の時点ではあるけれど、現状示されていると。この後、最終的な調査が行われて、その結果が示されると理解いたしました。
 根拠論文に関していきなり研究不正があって、根拠のない臨床試験に患者が組み入れられた可能性というのは、現時点では排除されているように感じています。一番最悪の事態は避けられているのかな、と伺っていて感じました。
 ただ、一方で、今後の方針であるとか、再発防止策という面から考えた場合、幾つか指摘せざるを得ない面があります。まず1点目ですが、今回の根拠論文となったPNAS論文です。大阪大学からの報告には記載がありませんでしたが、この論文は以前に、もともと6ページあった論文が4ページの修正がされていたという経緯があったと聞いております。通常の論文で、6ページ中4ページの修正が入ったら、取下げとなってもおかしくないようなレベルの大幅な修正だと思うのですが、その時点で共著者の方々とか、この先進医療に関わっている方々が、アラートというか、何らかのおかしいことが生じている可能性がある、ということに気付かなかったのかというのは、1つ疑問です。根拠論文に関してそれだけ大量の修正が入っているというのは普通ではないと思うのです。
 結果としては、現時点では根拠論文に関しての不正はなかったようだ、となっているわけですが、ただ、それだけの大幅な修正が入っている論文ということなので、そのまま、そうだったのかと受け取るのは難しいように思います。なので、今後そういった、共著者の方々が、本件論文に関して大量の修正があったことについてどのように考えていたのかということについては、是非確認していただきたいと考えます。
 2点目です。大阪大学から報告が遅れた原因について、様々なセクションが関わっていたことによって、いわゆる縦割りとなってしまって遅れてしまったというのは、やむを得ない面もあるように感じますが、一方で、85ページに記載があるように、調査結果が不確定な状況において、研究対象者へ不正確な情報を提供することが必要以上に研究対象者の不安を煽る可能性があると考えたとの記載があります。これは半分はそのとおりなのですが、ただ、皆様御承知のとおり、過去の研究不正等において、患者の不安を煽るからという理由で報告が遅れたり、場合によっては隠蔽が行われてきたという歴史があるわけです。本件については隠蔽があったということはできないわけですが、ただ、報告が遅れている一因になっているということは看過できないと思います。本当に患者のことを考えるのであれば、不安を煽るも何も、実害が生じ得るということが生じた時点で、速やかに厚生労働省等に報告する必要があったのではないかと考えます。
 最後です。今後の研究をそのまま進めるかどうかということについては、本日御出席の専門の先生方の御意見を伺いたいと思うところですが、患者の立場から2点ございまして、1点は、研究をこのまま先進医療として行うにせよ、別の体制で行うにせよ、患者のフォローアップをしっかりと行っていただく体制が構築されるのがベストであるということです。
 もう1点目が、既に2年近くフォローアップしているので、もしかしたら一部の主要評価項目については、もちろんデータの精査が必要だと思いますが、結果が出せるのではないかと考えますので、その部分についても検証いただければと考えます。私からは以上です。
 
○山口座長
 一々ごもっともだと思います。ほかの委員の先生から何かございますか。
 
○長島構成員
 まず、中間報告とは言え、取りあえず迅速にされたことは喜ばしいと思うとともに、やろうと思えばもっと早くできたのではないかと思います。
 内容に関しては、共同研究者あるいは管理監督の立場にある者の責任についての検討が乏しいと思いますので、今後は、先ほど天野構成員がおっしゃったように、そこのところもしっかりと検証していただく必要があると思います。
 そして、今後の対策としても、管理監督者の意識を高めていく必要がありますので、そのためには報告を定期的に、しっかりと再発防止策ができているかの検証及びその状況の報告を、今後定期的に継続させることが重要かと思います。
 それから、何か起こった場合には、最初からペナルティを設定しておいてもらうことも重要だと思います。
 それから、今回のことを踏まえて、全国のほかの臨床研究を行っている施設においても、先進医療に限定せず、臨床研究全般における不正研究等に関するしっかりとした体制ができているかを改めて確認する。そして、もし十分でなければ、発生防止策を徹底していただくということを、国としてしっかり行うべきである。その1つの参考として、今回の発生要因の調査結果、あるいは提出されている再発防止策を参考にされるといいと思いますが、ここでしっかり全国的に行うということが、国民、患者の信頼回復につながるものと思います。
 それから、発生予防は第三者の参加ということも重要なので、その点もしっかりと含めていただく必要があるかと思います。
 それから、中止を含めた最終的な判断というのは、最終的な調査結果の報告が出た時点で行ってもいいと思います。ただし、それまでの間は患者保護を最優先、患者保護に絞った形での研究の計画にしていただくのが望ましいと思います。
 
○山口座長
 ほかにございますか。
 
○藤原構成員
 今回、データの再検証を迅速にしていただいて、有意差もちゃんと維持されているということで、一安心というのは、皆様と同じ感触であります。
 臨床試験の中断は、私は早くきちんと再開して、臨床試験の完遂していただくのが最初から始めたことに関しての責任を果たす、一番の解決策だというのは、最初から申し上げているとおりなので、やめるようなことはしてほしくないと思います。
 先ほど長島先生がおっしゃっていましたが、この研究不正の背景にあることをしっかりと検証していただくのは、今後の予防策の策定の一番大きな要因になると思うのですが、私はこの先進医療を2015年5月7日の第30回の先進医療・技術審査部会合同会議で審査したときの主査だったので、特に責任を感じておりますので、そのときの様々に調べたことなども踏まえて、85ページに書いてある発生要因、特定不正行為の発生原因は、不正を行った研究者の行動規範や研究倫理の欠如によるものと考えるという結論はおかしいというように思っています。
 というのは、まず一番最初に、ハンプを発見した方が、その当時の幹部ですが、その方が当初のいろいろな研究費の責任者でもありましたし、プロトコール上も、今はスーパーバイザーになっていますが、密接に関与していること自体がそもそも利益相反と言うか、発見者が臨床試験に関与するとろくなことがないというのは、最初から懸念はありました。ただ、それは合議の中で、それでもスタートしましょうということでやられていますので、仕方ないところもありますけれども。
 しかも、もう一つあるのは、先進医療会議と技術審査部会の初めての合同会議、しかも国家戦略特区での合同会議というもので開催されたということです。これは、功を焦ると言うか、これを早く何とかしたいという意図が、関西圏にはあったのではないかというように感じます。
 いろいろと背景を見てくると、この研究者の周りの人たちが、かなり前のめりになっていたというような感触を、その当時も持ちましたし、試験自体は私は全然問題はないと思うのです。不正をやった先生方とは全然関係のない組織で、しかも臨床試験をきちんとやる組織の中で完遂されて、モニタリングも監査もきちんとされているでしょうし、臨床試験の中で不正が起きようがないので、これは何度見ても多分余り変わりないと思うのですが、研究をスタートする時点以前の問題です。その計画をされたところに問題があるので、そこをきちんと調べていただきたいというように思います。
 
○山口座長
 ほかに御意見はございますか。
 
○掛江構成員
 私も根拠論文に関して、取りあえずよかったなということで安心したところですが、これはこの会議で申し上げることではないのかもしれないのですが、大阪大学の86ページの上段「研究者等の処分」にまとめていただいている内容が、非常に不十分だと思います。今、藤原先生も御指摘されたとおりなのですが、この研究指導責任者が何も責任を問われていないことであるとか、共著者の方々に自覚を促すように周知していくというような、本件、何のペナルティも課さず、今後周知すれば済むような話ではなくて、きちんと共著者としての役割を果たしていなかったことが、不正が生じてしまった原因の一つとなっているということになると思うので、彼らが全く処分をされないということについて非常に驚いています。この会議で言うべきことではないとは思うのですが、JANP studyも大阪大学がやられている研究というところで、こういった考え方をされる組織であるということ、この対応で今後大丈夫なのだろうかという疑念を持ってしまいましたので、発言させていただきました。
 
○山口座長
 ここで言うべき発言であり、その通りだと思います。ほかにございませんか。
 
○藤原構成員
 先ほど言い忘れていましたが、私が主査としてこれを審査したときにも、日本癌治療学会での学会発表データと、PNASのデータの齟齬があったので、そこをその当時の方々に、第三者的に評価してもらったと思うのですが、見直したというのを確認しました。だから、作っている人が、この研究不正をやった先生が何かをやったわけではない。後で冷静に、その当時の羽曳野とか阪大だったと思いますが、そういう施設のデータを全然関係のない先生たちが見直して、それを日本癌治療学会での発表データからクリーニングしたものをPNASに載せたというような報告を受けたように記憶していますので、次の回答のときには、1回目の先進医療合同部会で掛かったときにも回答書を頂いていますので、そこを見ていただいたら分かりますが、そこと今回の再調査までやってもらっているわけなので申し訳ないとは思いますが、申請時のいろいろな調査と今回の調査の違いが何かあるのかというのは、教えていただきたいと思います。
 
○山口座長
 ほかにございませんか。
 
○後藤構成員
 今回、追試をされて一定のデータが出たということで、コントロール群の不正の問題はあったとしても、先ほど皆さんから御指摘のように、この研究として、もし根拠論文が適切に書かれたものであれば、問題ないという理解でいいのですよね。
 もう一つですが、先ほどから皆さん同じことを言っていらっしゃるのですが、組織として組織体の在り方であるとか、様々な権力関係がこの中にあるわけで、それが全然語られておらず、前回も皆さんから御指摘があったと思うのですが、その人本人の倫理的な問題に全て集約されていると。それが問題なのではなくて、大阪大学が組織として、研究者がこういう不正をして、その不正をした論文を根拠として先進医療の申請等がなされるということについて、どうすれば今後それが防げるのか、不正が防げるというよりは、私どもの会議体としては、この場に同じようなことが上がってこないように、どのような形でシステムを見直すのかというところが必要かと思います。
 
○山口座長
 ほかにございませんか。一色先生、何かごさいますか。
 
○一色座長代理
 結局、先進医療としてこれを続けるのかどうかの判断を求められているということが一番今日の重要な話題なのかなと思うのですが、別の視点で気になったことがありますので、ここで申し上げておきたいと思います。
 今回の報告にあるものは特定機能病院、特に大学病院が主体で行われた研究において、医学研究科の中で不正が行われたことに対する調査の間に、附属病院への連絡がなかったということで対応が遅れたという趣旨であったかと思います。これについては、ほかの特定機能病院でも同じような土壌があるのではないのかと危惧しています。今回のことが、もし大阪大学だけにとどまらずに、実際にこういうことが起こり得るということも、共有しておくべきことかと思います。先進医療としてやるかどうかについては、もう一度皆さんのコンセンサスを得る必要があると思います。
 
○山口座長
 貴重な御意見をありがとうございました。
 
○長島構成員
 私は最初に申し上げましたが、中止かどうかの最終的な判断は、今回は中間報告なので、最終報告をもって検討すべきだと思います。今回の中間報告でもっては、明らかな、大きな不正はどうもなさそうだということなので、先ほど申しましたが、患者保護という観点で、しっかりとそこに専念した形での研究の継続はいいのではないか。直ちに研究の全てを中止する必要はないのではないかというように考えています。
 また、全国でも同様の危険性があるということで先ほど申しましたが、全国的に、きちんと現状の調査、再発防止策の決定を、国として行うべきというように考えています。
 
○山口座長
 全国でもそういうことがあるかということですが、特定機能病院であるばかりでなくて、臨床研究の中核病院ですから、その中でもモデルになるような所なのです。ですから、そういう意味で事務局で作っていただいた今後の方針の中で、臨床研究中核病院の取組の中で、ちゃんと改革してもらったらどうかという御意見が出たのだと思います。ほかにございませんか。
 では、私が気になっていることを申し上げます。今回は非常に迅速にやってもらってよかったのですが、結果は研究当時から大分時間がたっております。したがっていろいろ予後が分かってきているので、その時点での結果を出しています。では、結果が出ていない時点では本当に大丈夫だったのかということを、ぜひ確認していただきたいと思います。そのときやったら差が出なかったので、もう一度追いかけてみたら出たというようなことがあってはいけないと思います。両方を出していただきたいと思います。
 それから、今、皆さんが特におっしゃったのは、責任の所在の問題ということだと思います。研究不正というのは大昔からたくさんあります。一流の雑誌でもそういうことは度々報告されているので、そういうことが臨床研究の中で患者に被害を被らせてはいけないわけですから、試験の研究者の責任というのは大変重いと思います。
 自分の所の研究員の、肝心な一番大事なデータというのは、鵜呑みにしないできちんと確認するという仕組みがあるはずです。それは明文化されていなかったからやらなかったのだというのは、正に臨床研究中核病院としてはお粗末としか言いようがないと思うのです。
 もう一つの視点は、藤原先生が言いにくいことをおっしゃったと思うのですが、確かに、自分たちの大学の権威に関わることのないように、個人の責任に押し付けてはいけないと思うのです。今回の場合、例えば未来医療開発部から研究監視指導員を2名派遣すると言っていますが、この人たちは誰が任命して、ちゃんとものの言える人なのかということも非常に問題だと思うのです。
 つまり、そこで自分たちの大学に都合の悪いことは出さないというスタンスになってしまったら、非常に具合が悪いと思います。その辺りの仕組みに、これは長島先生がおっしゃいましたが、第三者の視点をちゃんと入れないと、やはり同じことが起きるのではないかと危惧します。
 研究者の不正はありうるという前提で作られているはずですから、たまたま本人が悪いことをしたから、明文化されていなかったからというのは、自分たちを否定するようなものであって、そこは厳しく指摘したいと思います。
 今回の先進医療としての研究をストップさせるかどうかということですが、向こうが言ってきていることは、患者のフォローアップのために必要な視点から改正しなくてはいけないところを改正して、やらせてほしいということです。
 ただ、今回のは正式な報告ではありませんので、例えば3か月間だけとか、正式な報告書が出るまでは認めますけれども、ずっと認めるわけではないという、そういう条件付きで認めてあげるとか、そういうことではいかがでしょうか。御意見を頂ければと思います。
 
○伊藤(澄)構成員
 今、この試験は中断をしていると書いてあるのですが、その中断の影響がどうなるのかが一番気になっていて、今、山口先生がおっしゃられたように患者さんに最終的に不利益にならないような形にだけしてあげないと、この中断の期間に患者さんの不利益が発生しない保証がないので、長島先生の御意見ももっともだと思いますが、時間の流れは止めることができないので、何らかの形で猶予の形を取らないと、今の段階では難しいのかなと感じました。
 
○山口座長
 ありがとうございます。ほかにありませんか。発言されていない先生、どうぞ。
 
○松山構成員
 患者さんも全てエンロールが終了していて、今、フォローアップということですよね。
 
○伊藤(澄)構成員
 しかも主たる評価項目の部分は既に終わっているはずなので、うがった見方をすると、2年間、主要評価項目が終わるまで黙っていたというようにも読めてしまうので、そうだとすると相当悪質と考えなくてはいけない。そうでないことを期待はしますが、フルにデータを取らなくてはいけないRFSを評価する形にするには、中断している間にデータが取れなくなることは避けたほうがいいのでないか。そこは藤原先生と長島先生の御意見が違うので、できれば今日擦り合わせをしたほうがいいのではないかと思います。
 
○松山構成員
 1つ論点ですが、中断している間に患者さんを例えば外来でフォローアップしないということになって、それでもし患者さんに何らかのサイドエフェクトも出てくる時期ではないと思いますが、そういうものを拾えてあげないのであれば、むしろよろしくないという考え方もあるので、患者さんの被験者保護ということを考えて御検討いただければということが私の意見です。
 
○長島構成員
 よろしいですか、長島です。私が先ほどから申し上げているように、現時点では中間報告なので中止の判断はできないので、最終報告までは継続して構わない。ただし、その内容としては患者保護の視点で行う。患者保護で当然様々なフォローアップが重要になってくるので、そういう観点で行うような研究内容の変更であれば、それを了承して、その形で継続する。ただし、最終報告をもって、やはり大いに問題があると分かれば当然中止も判断すべきと考えています。したがって、何もやらないということではなくて、患者を保護する視点で必要なフォローアップというものは継続していただくということです。
 
○山口座長
 ありがとうございました。私もそのように理解していて、藤原先生とそれほど大きな差はないと思って聞いていたのですが。
 
○伊藤(澄)構成員
 すみません、私の理解不足で申し訳ありませんでした。
 
○山口座長
 伊藤先生ご自身はいかがですか。
 
○伊藤(澄)構成員
 一番気になっているのは2年間放置をされていた、報告がなかったということです。変更そのものは患者さんにとって、不利益になる変更ではないし、適切な変更であると思っていますので、その変更を認めるということに関しては構わないのではないかと思います。こういういろいろな情報が外に出された段階で、この部会として変更を判断して、継続したということだと思っています。
 
○掛江構成員
 すみません、これ1点確認なのですが、長島先生の先ほどの御意見だと、これは中間報告なので中断はできないとおっしゃったと思うのです。私の理解ではそうではなく、今回この根拠論文に関してだけ再調査したところ、不正はあるにはあったが、根拠論文のデータ自体が正しく書かれたはずの論文データと大きく違っていたわけではないので、このスタディ自体は足元から崩れたわけではない、そういった中間報告だったので最終報告が出るまで継続を認めるという理解だったのですが。中間報告だから中断できないという判断と、とりあえず根拠論文はぎりぎり何とか使えるもののようなので中断とはしないというのでは、ちょっと意味が違うので、そこはきちんと先生方に御議論していただいて、意見を統一したほうがいいのかなと思っています。その点以外については、先生方の御意見に賛成で被験者保護を中心にきちんと最終判断がされるまでの間は、フォローしていただくことは重要かなと思っています。
 
○長島構成員
 よろしいですか、長島です。私の最初の発言では、正にそのような内容を発言しています。今回の中間報告では根拠論文で、中断を今すぐしなければいけないような不正は見付かっていないのでという意味で、最初に発言しています。先ほどはもう既に1回その発言をしたので、そのことを省略して発言しました。
 
○山口座長
 ありがとうございました。
 
○掛江構成員
 申し訳ありませんでした。承知いたしました。
 
○山口座長
 では、大体、皆さんの御意見は一致したと思いますので、今回、まだ完全なものではありませんし、先ほどちょっと私が言ったような点も気になりますので、最終報告を最終的には待たなくてはいけませんが、今、言ったような形で患者保護の観点からの改正は認めましょうと。これはいつまでもそれが続くわけではなく、最終的な報告が出たときに、もう一度それを判定しなおすということでよろしいでしょうか。今日は皆さんから御意見いただきましたが、意見が異なっているわけではなく、皆さんがおっしゃったこと全てはつながっていて、もっともなことで、このニュアンスがよく伝わるように、是非、議事録をしっかり読んでいただきたいと思います。それでよろしいですか。
 
(柴田構成員、オンラインにて入室)
 
○長島構成員
 最後に一言だけよろしいですか。やはり最終報告が遅くなってしまっては困りますので、そこに対してもしっかり迅速性を求めて一定の期間を設けるなど、あるいはそこに至るまでの中間、さらに間の報告等を求めるという形で、今回、迅速さを求めればかなり早く出てきたということは、やはりそこをしっかり求めておかないと遅くなってしまうので、そこは求めるべきかと思います。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございます。事務局で、今の時点で、いつ頃に出てくるなど分かりますか。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 事務局です。年内に最終の調査報告書がまとまる方向と聞いています。
 
○山口座長
 3か月ということですね。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 はい。1点、確認させていただきたいのですが、今回、最終報告書が提出された段階で科学的な点については不正があったかどうかという点について御議論いただいた上で、御判断いただくことになるとは思うのですが、もう1点、お示しさせていただいたように、大学および病院としての体制整備という点については、臨床研究中核病院という枠組みの中で、取組を今後おこなっていただくという形になると思います。そちらの取組内容については、そちらで御議論いただくという形でよろしいでしょうか。
 
○山口座長
 どうですか、皆さん、取組は時間が掛かるので、それはそうでしょうけれども、報告書はきちっと早く出してほしい。要するに年内には出るという理解でよろしいですね。万が一、ずれ込むようなことがあったら、一度、中間報告もしてほしいということかと思いますが、長島先生、それでよろしいですか。
 それでは、藤原先生、どうぞ。
 
○藤原構成員
 後藤先生も手を挙げられていましたが。
 
○後藤構成員
 私は後で言います。
 
○山口座長
 では藤原先生、先にどうぞ。
 
○藤原構成員
 私は87ページの今後の対応方針で、研究実施体制の見直しについては、臨床研究中核病院の取組を評価する枠組みの中で議論していただくのはどうかと記載があるのですが、先ほどからいろいろ議論になっている中で、この研究不正の背景は臨床試験が悪いわけではないのです。ですから臨床研究中核病院は臨床試験をやっていますが、今回の問題は医学研究科と附属病院の間のコミュニケーションの悪さなので、調べるべきは臨床研究中核の体制というよりも昔からある大学の研究科と附属病院の関係性という、むしろ文科省よりのところの論点だと思います。例えば以前もありましたが、がんゲノム中核病院ではありませんが、私が担当していたときに千葉大病院でパネル遺伝子検査の不正があったときには、医学研究科の倫理審査委員会にかかって、附属病院の倫理審査委員会にはかからないから分からなかったという背景もありましたから、これはやはり病院と医学研究科というように分かれているところのガバナンスの問題で、臨床研究中核病院をまず調べるというのは何か変な話だと私は思います。
 
○山口座長
 これは中核病院を全部調べるというわけではなくて、やはり中核病院としての機能を評価するという意味で見てくださいということだと思いますが。
 
○藤原構成員
 やるのだったらちゃんと医学部と病院の関係性に絞って、そちらのほうが根が深いような気がしますが。
 
○後藤構成員
 すみません、これ継続していくという判断をするときに、患者さんへの説明は今後どうなるのかというのは、とても気になります。この前、1回お手紙をとりあえず出されたので、その後に今回のようにデータがきちんと出ているのであれば、そのデータがきちんと出たという報告は必要だと思います。その後、同意を取るか取らないかということも、何回か前に議論をしたと思うのですが、患者さんがこんな、括弧付きですが、いい加減な臨床研究にもう参加したくないというような撤回ということもあり得るかなと思います。その同意の部分については、ここでサジェスチョンするのか、それとも大阪大学に先ほどから長島先生もおっしゃっているように、患者に不利益にならないようにということになれば、きちんと情報を知って、自分がまた参加するかどうかを決めるというプロセスになっていくのかどうかということが若干気になるのが1つです。
 先ほど藤原先生もおっしゃった医学部と病院の関係で、前回、同じように議論があった千葉大学のときもやはりいろいろ議論していた経緯もあるので、やはりいろいろな大学の問題であれば、その大学にそれぞれやはり対応を求めるということが筋で、大阪大学にも基幹の病院であるということで、同じように何らかの対応を求めるということが必要ではないかなと思いました。
 
○山口座長
 ありがとうございました。患者さんへの説明は、恐らくこの会議の結果をもって、それと一緒に報告するというような形になると思います。そのときに、皆さんが容認するのであれば、患者さんの保護の観点から必要なところは変えて、こういう形で引き続き3か月間は少なくとも継続して、最終的な報告を待ちますということは言っていただかなくてはいけないですね。その時点で、もしも同意を撤回することがあれば、それは認めざるを得ないと思います。そういう形でやっていただきたいということで、どうですか。
 
○後藤構成員
 すみません、特段誰かにお手紙や同意文書というのは、この部会で審議する必要があるのかどうかが、気になります。
 
○山口座長
 報告だけでいいのではないでしょうか。そこまで細かくやっても、そうなるとまた時間が掛かりますから、我々がまたそれを見て、またそれを訂正してやっていると、また1月、2月たつと年末になってしまって、何のためにやっているか分からなくなると思います。
 
○掛江構成員
 タブレット資料の02-07、資料7に説明文書の修正案が提出されています。ここに全面的に今回研究不正のお話が、書き込まれたものが出てきています。その中に、被験者保護のためにフォローアップしたいこと、現在は追跡調査をしている段階ですというようなことが書いてあるのですが、今日変更を認めますと、この修正した説明文書を、新たに今回の患者様にお送りしますと、そういうことになるわけです。ですので、今日の結果を踏まえてお手紙の文書を確認させていただくというよりは、今回はこの修正された説明文書の内容でいいかどうかを我々が判断しなければいけないのかなと思っているところなのですが、そういう理解でよろしいですか。
 
○山口座長
 それで結構です、ただ、今すぐこれを読むのは大変ですね。
 
○掛江構成員
 そうですね。ちょっとだけ気になったのが、これはもともとの最初の研究スタート時点の説明文書に修正という形で加筆修正されているもので、例えば費用の箇所なども先進医療を受ける前のままになっているのです。これからのフォローアップの費用の説明は必要だと思いますが、その辺はあまり書いておられず、最初のまま変更のない形になっているので、現時点のことを説明する文書にするのであれば、現時点のことをしっかり書いていただいて、古いいらない情報に関しては、最初の説明文書を改訂するというよりかは…。やはりこれからのことを説明した文書、状況が変わりましたという新たな説明文書を作っていただく方が合理的なのかなと思うのです。この最初の説明文書を直すというところに申請者はこだわっておられるのですが、そういうことが必要なのだろうかというところにまず疑問を持っているのですが、いかがでしょうか。
 
○山口座長
 確かにおっしゃるとおり、もう登録が終わってしまったものを書いても余り意味がないかもしれませんね。その辺りはどうですか。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 貴重な御意見いただきまして、ありがとうございます。頂いた御意見については、医療機関のほうに先進医療の部会で頂きましたという形で返します。それに基づいて、同意説明文書を修正いただいて、その後にCRBにかけていただいた後に患者さんにという形になりますので、先生方がおっしゃられたような形で修正いただくようにお願いするようにいたします。
 
○山口座長
 確かに説明を受けるほうも、また同じような分厚いものを見せられても困りますよね。今の時点でどこが変わって、何がはっきりしていて、これからどうなるのかということをきちんと書いた文書のほうが確かに分かりやすいですね。それは早急に作っていただいて、皆さんに回して御意見を頂くということも1つの手ですね。ここで決定することではないと思うので、そういうことでいかがですか。余りに非常識であれば、ちょっと指摘するということで。
 
○掛江構成員
 先生のまとめてくださったとおりで、異議はありません。
 1点だけ、ちょっと話が変わってしまうのですが、大阪大学のこの対応を拝見していて、私も臨床研究中核病院の枠組みでというのは少し問題が違うのではないかなという印象があるのと、素人なので非常識な発言することをお許しいただきたいのですが、こういう組織なのであれば、つまりこういう対応しかできない組織なのであれば、この組織は先進医療自体をやっていいのだろうかという疑問まで持ってしまう。つまりJANP study以外にも大阪大学は先進医療をやってらっしゃるかもしれないのですが、こういう組織でやっていいのだろうかという疑問を持ってしまいました。このJANP study自体が不正をしたわけではなかったのは理解しています。たまたまベースにした論文に不正があったということで、このスタディ自体が不正をしたわけではないのですが、その後の組織の対応を考えると、この体制で研究不正の再発防止が本当にできるのだろうかという不安もあります。
そもそも論として、こういう考え方しかできない、つまり当該研究者に責任を全部負わせてしまうような形で処理をしてしまう組織体だとすれば、今後もきちんと適正に先進医療が行えるのだろうかというところの疑問を改めて感じてしまいました。もちろん他のスタディにまではねる必要はないことかもしれませんが、そう考える者もいるような事態であるということを少し発言させていただきたかったので。
 
○山口座長
 それは全くおっしゃるとおりだと思いますが、最初に私が言いましたのは、研究の不正は常にありうるのだと。でも研究の責任者は、それをちゃんと見抜いてやるという仕組みにしておかないといけません。ですから、おっしゃるとおり、ほかの研究についてもそういうことがあり得るかもしれないので、少なくとも今はっきりしたものについて、根本的な原因は突き止めて、そしてそれを反省して、ペナルティが必要であればして、そしてそれを見せてほしいということだと思います。おっしゃっていることは、全くそのとおりだと思います。
 ほかに御意見はありませんか。
 
○長島構成員
 長島です、よろしいですか。前回も申し上げましたが、やはり再発防止策の徹底、確認と、それが同時にペナルティにもなる。ペナルティは絶対必要かと思います。そうしないと、まず国民の信頼回復ができないということと、他の研究機関等においても、再発防止のためにペナルティは極めて重要だと思います。
 それから、結果がよければ最初の時点で不正があってもよいというような間違ったメッセージを出しては絶対にいけないので、例え結果がよかったとしても、途中あるいは最初に不正があれば、ここは必ずペナルティを受けるということは徹底すべきと思います。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。ほかにはありませんか。
 
○藤原構成員
 ちょっと後から急に振って申し訳ないのですが、天野さんの意見もお聞きしたいところなのですが、ここではこれからいろいろな議論で大学さんが調べられると思いますが、何度も申し上げますが臨床試験などが悪いわけではないということは、徹底してほしいのです。臨床試験に入ってから、何にも不正が起きているわけではないので、患者さんに何も不利益を与えているわけでもないです。そのプロトコールが作られる段階、あるいはその前の段階の基礎研究からトランスレーショナル・リサーチ(TR)を行っている段階がおかしいので、そこをしっかり見てほしいのです。
その後の臨床試験が悪いと言われると、今後、臨床試験をやっている先生方に非常に悪影響もあります。患者さんにとっても、臨床試験に入ることは研究不正に巻き込まれるのではないかという疑念を持つなどになっては困るので、臨床研究と書いていますが、臨床試験ときちんとうたったほうがいいと思いますが、臨床試験本体は何も問題がなかったということは、徹底しておいてほしいというのが私の気持ちなのです。患者さんの視点から見られて、天野さんがどのように思われるかが一番大事なので、どう感じられていますかということをちょっと。
 
○天野構成員
 ありがとうございます。私の意見としては、臨床試験は有効性と安全性が分からないから試験をしているわけですが、患者さんからすれば、一定の有効性があるのではないかと期待して試験に入っているわけです。場合によっては、自分の入った試験が将来の患者さんに役立つのではないかという期待を持って参加されているという面がありますので、そういった面からも臨床試験自身が、今回、問題はなかったということが示されれば、それは臨床試験の結果を医療に還元していくことは、結果として患者さんのためになるということは当然言えるかと思います。私からは以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。柴田先生も参加していますね。柴田先生、何か御意見はありますか。
 
○柴田構成員
 国立がんセンターの柴田です。聞こえますか。藤原先生がおっしゃったように、どこの部分で不正が起きているのかということの線引きは必要であろうと思います。もちろん、その始まる段階での精査というのは必要です。それは当然、慎重にやらないといけない部分はあります。再発防止策として、今回、大学から提出された資料を拝見している限りで、そういうところをしっかりやっていただく必要があると考えます。なかなか、私自身が臨床試験をやっている側の人間なので、同じ領域の研究者をかばっているかのように思われると、ちょっと言いにくいなと思うところがあるのですが、決してそういうつもりではなくて、研究者の中でも相互批判をしながら、健全な批判をしながら進めているというつもりではあります。どこの部分が悪かったのかという線引きをしていただけると、と思います。今後、しっかりとした臨床試験を進めつつ、あるいは臨床研究をすすめつつ、患者さんのために新しい治療方法が評価されていくという土壌がより強固なものになっていくということを願っています。
 すみません、途中から参加してしまいましたので、議論とかけ離れたことを発言してしまって申し訳ありませんが、以上です。
 
○山口座長
 急に発言を求めてしまい、申し訳ありませんでした。ありがとうございました。ほかに何か追加はありませんか。
 
○長島構成員
 どこに問題があって、どこに責任があるかは、現時点ではまだ中間報告なので判明していないので、そこはやはり最終報告をもって、まず今回の問題に関しては判断すべきですが、一方、今後の再発防止策に関しては、どの部門であっても問題は起こり得るという想定で対策を立てるべきであって、臨床研究に直接関わる医師であっても、そこに問題は起こり得るという前提で考えるべきです。そこのところは、今回の検証と今後の対策というのは、きちんと分けて考える必要がある。患者さん、国民から見ると、それは全て一体として捉えているはずなので、患者さん、国民の視点できちんと検証する必要があるかと思います。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございます。そういう意味では、やはり遅かったというのは、ちょっと気になるところですね。いろいろ言い訳はしてありますが、やる気になればできたのではないかなど、いろいろ御指摘もありました。そういうことも、是非、強く伝えていただきたいと思います。
 ほかにはありませんか。では、よろしいでしょうか。それでは、ここでストップしてしまうことは一応止めて、継続してもらうということで、患者さんのフォローの上で患者さんの迷惑にならないような形での改正は認めるということ。あとは皆さんにいただいた御意見は全部伝えて、迅速に年内に報告を出してくださいと、出ない場合には中間報告をしてくださいということで、よろしいでしょうか。
 本日は、いろいろ御意見ありがとうございました。何こういうリモートと一緒で大変やりなくいかなと思いましたが、割とやりやすいですね。ちょっとお顔が小さくて見えにくくて、大変後藤先生には失礼しました。もっと大きな声で言っていただければよかったのですが、すみません。
 それでは、告示番号17の変更については認めるということにします。
 
○掛江構成員
 すみません、先ほどの説明同意文書の話なのですが、「変更を認める」として全部を認めていただくと、この説明同意文書で認めることになってしまうと思いますが、条件付きで認めていただく形にならないでしょうか。
 
○山口座長
 この同意文書は、最初の試験の登録するときの同意文書なので、実際に使われることはないのではないかと思いますが。
 
○掛江構成員
 これをまた患者さんたちに、再送付するおつもりなのではないかと思いますが。
 
○山口座長
 何のための改正なのでしょうか。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 臨床研究の中で同意説明文書というのは、1つしかないということがまず前提ですので、今回、それを前提に今のバージョンに書き替えていただいたというところではあると思います。これだけを送るわけではなくて、もちろんお手紙であったり、経緯を説明したようなものを一緒に付けて説明されるものだとは思っていますので、そういう形で送っていただくようにはなるとは思います。ただ、先ほど先生からいただいたような御意見もありますので、まず早急にこちらを現状に即した形に修正いただいたもので、先生方にメール等で御確認いただいた上で送るという形ではいかがでしょうか。
 
○山口座長
 何か患者さんのためという、辻つまを合わせておきたいという視点で書いているから、余り緊急性のない変更のようにも思います。ただ、不正と分かったものはなるべく早く文書から消してしまいたいという気持ちだけでは、患者さんへの説明という点では余り意味のないことのような気もします。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 ありがとうございます。御指摘いただいたとおりだと思います。そうしますと、こちらはこちらとしてお認めいただいた上でという形で、お手紙のような適切な説明を。
 
○山口座長
 もっと分かりやすいものを、きちんと作ってくださいということですね。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 作って、それを添えて送るという形ですね。
 
○掛江構成員
 すみません、先生。これを認めるということを、認めないといけないものなのですか。非常に違和感のある説明同意文書の修正なので、こういうことは通常ないので、取扱いとしてはよく分からない位置付けなのだと思います。
 
○山口座長
 恐らく不正があって論文を削除したりすると、研究計画書の中で同意文書の説明と齟齬が出てくるので、そこを変えておきたいとことで、それを使って患者さんを登録させようなど、そういう意図ではないのだと思います。ただそれだけのことで、確かにおっしゃるとおり、そのような齟齬は別にどうでもいいではないかと言えば、3か月ぐらいどうでもいいことなのですが。逆さまに言えば、これがあるからといって何か患者さんに具合が悪いかといったら、そんなこともないような気がするのです。
 
○掛江構成員
 では、これは患者さんに配るものではないという理解で、そこが確認できるのであればもちろん承認いただいても構わないのですが、この変更を踏まえて、今後患者様に対してどういう対応をされるのかというのは、改めて出てくるという理解でよろしいのでしょうか。
 
○山口座長
 これは研究参加への同意書ですよね。
 
○掛江構成員
 そうですね、研究参加も終わっている方たちに対して、今日の会議の結果も含めて、患者様のフォロー、今後フォローアップすることについて、どのように説明をされるかというところについては、今回の修正の中ではなくて。
 
○山口座長
 それは別に作ってもらって、皆様に見てもらうということはちょっと申し上げたと思います。
 
○掛江構成員
 そういうことになるのですね。申し訳ございません、ありがとうございます。
 
○山口座長
 ほかにはございませんか。
 
○一色座長代理
 前例がないのでこれをどのように扱うかは、多分難しいのだと思います。同意説明文書の追加という形で、一応、現行のものは修正として認めた上で、同意文書は1つしかないというのであれば、それに追加する文書というような形の扱いをされて、患者さんにお配りするというような対応が可能かどうか、いかがでしょうか。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 当初の同意説明文書は、試験への参加の同意を得るためのものだと思いますが、現在のものは引き続き継続して研究に参加していただけるかというものです。今のところ、その同意説明文書は1つしかないとうことなので、その補足資料として、これから作成していただくようなものを付けるという形でお認めいただくということでよろしいでしょうか。
 
○一色座長代理
 そういう扱いでできないかということですね。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 現状でも、そういう形にしていただいていて、今回、試験を中断するに当たっても、説明をして同意を頂いているという形になりますので、同じような形で続けていただくということになると思います。
 
○伊藤(澄)構成員
 いいでしょうか、医師主導治験やこの手の研究をやっていますと、同意説明文書の第何版という形で書き替えていって、最終的に患者さんの手元に残るのは最新版という形の同意の取り方をしてしまうのですが、多分それと同じ作り方をしていて、最新版の中に過去の経緯も含めて書き込んでいて、だから今後はこの最新版を見れば、今の自分が参加している治験についてのステータスが分かる形で書かれているように思います。ですから、この文書は時限的に有効なのかもしれないのですが、患者さんにとっては今の時点でこの文書が最新版として届けられて、通常、患者さんがおいでになった時に、この文書を使って再同意を取ることを前提にしているような気はしますが。
 
○山口座長
 再同意をこれで取るということですね。
 
○伊藤(澄)構成員
 はい、というように。
 
○山口座長
 それだと意味はありますね。
 
○伊藤(澄)構成員
 この文書を使って患者さんが、次にお出でになられたときには今の状況はこうですが、研究を続けられますかという形の再同意を取る文書として理解をしましたが、それでよろしいですか。
 
○後藤構成員
 すみません、どういう形でもいいと思いますが、先生がおっしゃったように大阪大学が昔用意されていたものが、今、改めて出てくると余り思っていなかったものですから、バージョンで何月何日のバージョンというもので新しく書き加えたところは明らかにして、なおかつなぜこういった書き加えをして、もう一回確認をするかということの説明はきちんとすると、この前のお手紙であったので、その説明も付けてやる。そういう意味では、おっしゃるように同意文書がいっぱいあると、どの文書が生きているのかよく分からなくなってしまうので、何月何日付けの同意文書とするような形にしたほうが、患者さんにとっては分かりやすいなと思います。その形式は大阪大学に任せて、ただ必要なのは今回きちんと説明するということで説明されて、なぜこのような追加で出されたかということをきちんと別に紙で説明いただいて、やるという形を確実にしていただければいいなと思います。ですので、全く今回、新たにこういうことが起きたので、最初の同意の文書とは全く別の同意の文書が簡単なものとしてあってもいいでし、その第2、第3バージョンとしてあってもいいと思うのですが、そちらはどちらがいいのか私もちょっとよく分からないのですが、ただ患者さんにとって、人によると思うのです。一枚書きで何か追加がきたほうがいい方もいるし、あとは手元に今、最新のバージョンがきちんとした形であるほうがいい方もいらっしゃると思うので、それはちょっと臨床研究されている先生方や患者さんの立場でいろいろされている先生方が、こっちのほうがいいのではないかとおっしゃれば、それでいいと思います。
 
○伊藤(澄)構成員
 臨床研究をやっている者として見たときには、患者さんに渡されるのはこの変更対比表が入っていない最新バージョンの同意説明文書しか渡されないので、皆さんの今の御意見からいうと、分かりやすい形の患者同意説明文書変更点、保険の約款の変更点もこういう形で書かれると思いますが、これも一緒に患者さんに渡してくださいということは1つの条件かなという気がしますが、いかがですか。枠組みを変えて、今までの臨床試験のやり方と違うやり方を求めると、後で面倒くさくなるので、今の皆さんからの御意見から考えると、変更対比表も患者さんに渡るような形にしてくださいというところで了解するのが、何となくいいような気はするのです。
 
○山口座長
 ありがとうございます。ちょっと、私が誤解していて、これを渡さないものだと思っていたのですが、これで取り直すということのようですね。そうだとしたら、こうやって書き込まないと駄目なので、余り簡単にはできなくなってしまうのですが、それは簡単に分かるような説明文も少し別に付けてはどうかという御提案ですね。そういうことでよろしいですか。そうすべきだと思いますが、そういうことでよろしいですか。
 
○掛江構成員
 ありがとうございます。今、先生がおっしゃったように、説明文を付けていただく、それと、この新旧対象表、きちんと理由も書いておられるので、このままでも分かりやすい。もちろん、これを患者様に伝えるように、さらに分かりやすくてしていただいてもいいのですが、どういう理由で何が変わったかということを、今回は必ず付けていただくということを条件とすれば、今の修正でお認めできるかなと思いました。
 
○山口座長
 よろしいですか。そのほうが確かに分かりやすいですね。ほかにはありませんか。それでは、今、言ったような形でお認めしてもよろしいでしょうか。ありがとうございました。告示番号B17の変更については、認めることします。申請医療機関からの報告については以上とします。
 では、上村構成員、真田構成員、飛田構成員、山本構成員、お戻りください。
 
(上村構成員、飛田構成員入室)
 
○山口座長
 お待ちいただいて、ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。本日の議題は以上です。構成員の皆様、何か御意見、御質問はありませんか。特にないようですので、次回の日程を事務局からお願いします。
 
○医政局研究開発振興課課長補佐
 事務局です。本日も貴重な御意見いただきまして、ありがとうございます。頂きました御意見については、しっかり医療機関にお伝えさせていただいて、引き続き御対応いただくようにいたします。次回は、令和2年10月15日木曜日の開催とさせていただきます。時間は16時から18時までの予定で、場所については別途、御連絡させていただきます。また、本日の議事録については作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後、公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。以上です。
 
○山口座長
 オンラインで参加している先生に、なかなか目が行き届かなくて大変申し訳ありませんでした。小さい画面がそこにあって、なかなか見えないのです。それで慣れたらもう少しうまくやれると思いますので、どうぞお許しください。
 それでは、第106回先進医療技術審査部会を終了します。どうもありがとうございました。
 

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