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2020年8月20日 第104回先進医療技術審査部会 議事録

 
 


(1)日時:令和2年8月20日(木)16:00~

(2)場所:航空会館 501+502会議室

(3)出席者
山口座長、一色座長代理、伊藤(澄)構成員、上村構成員、掛江構成員、後藤構成員、真田構成員、柴田構成員、長島構成員、藤原構成員、山中構成員、新井委員

(事務局)
医政局研究開発振興課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 課長補佐
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 医療技術評価推進室長
保険局医療課 先進・再生医療迅速評価専門官
保険局医療課 先進・再生医療迅速評価専門官


【議題】

1.総括報告書の評価について
2.先進医療の継続の可否について
3.試験実施計画の変更について
4.協力医療機関の追加について
5.医療機関からの報告について
6.その他

【議事録】
 

○山口座長
 それでは定刻になりましたので、第104回先進医療技術審査部会を始めさせていただきたいと思います。御多忙の折お集まりいただき、誠にありがとうございます。天野慎介構成員、伊藤陽一構成員、佐藤雄一郎構成員、田島優子構成員、飛田英祐構成員、松山晃文構成員、山本晴子構成員より御欠席の連絡を頂いております。また、本日は有識者として、新井一委員に御出席いただいております。どうもありがとうございます。本日は18名の構成員のうち、11名の構成員が出席しておられますので、本会議が成立していることを申し添えます。
 それでは、事務局に交代があったということですので、御説明をお願いいたします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。本日も、どうぞよろしくお願いいたします。今回、8月7日付けで事務局の異動がありましたので、御紹介させていただきます。医政局研究開発振興課長、笠松淳也です。
 
○医政局研究開発振興課長
 笠松です。今日はお忙しい中ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 続いて治験推進室長、野村由美子です。
 
○医政局研究開発振興課治験推進室長
 野村と申します。よろしくお願いいたします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 以上です。よろしくお願いいたします。
 
○山口座長
 それでは、配布資料と本日の審査案件の確認を事務局からお願いいたします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 よろしくお願いいたします。傍聴者の方の撮影は、ここまでとさせていただきます。御協力のほどよろしくお願いいたします。配布資料について確認させていただきます。議事次第から座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続きます。続いて総括報告書の評価について資料1-1及び1-2、先進医療Bの継続の可否に係る審議結果の報告について資料2、試験実施計画の変更について資料3~7、協力医療機関の追加について資料8-1及び8-2、先進医療合同会議の審議結果について資料9、腹腔内パクリタキセルあるいはドセタキセル投与を用いた先進医療B及び患者申出療養の一覧表(適応症が胃がんのもの)資料10、申請医療機関からの報告について資料11-1~11-3、会議資料の最終ページは180ページとなっております。
 なお、先生方のお手元には、先進医療実施届出書様式第10号別冊資料というA3版の資料もお配りしております。こちらは構成員及び事務局限りとさせていただいております。また、資料11に関連して、机上配布資料(参考資料)というものもお配りしております。これらお手元の資料に乱丁、落丁等がございましたら事務局までお知らせください。
 続いて、利益相反の確認をさせていただきます。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業について、事務局から事前に確認させていただいております。今回、資料11の案件について、上村構成員、真田構成員におかれましては、非常勤職員として所属の医療機関ということですので、先月同様でありますが、一時御退席いただければと思います。事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がございましたら、この場で御報告をお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、該当なしということで承知いたしました。
 また、今回もタブレットを使用いたします。届出書類等については、タブレットより閲覧をお願いいたします。なお、会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、御発言される方は会議資料又はタブレット資料の何ページと御発言いただけますと、議事の進行上助かります。以上です。
 
○山口座長
 では、議事に入ります。総括報告書の評価結果について、事務局より御説明をお願いいたします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料1-1の15ページを御覧ください。今回、先進医療Bの総括報告書に関する御評価を頂きますのは、告示番号旧40、11C標識メチオニンを用いたポジトロン断層撮影による診断です。申請医療機関は、北海道大学病院となっております。今回、審査を御担当いただいた構成員の先生方は、主担当が上村構成員、副担当が山中構成員、また、本先進医療の申請時に技術専門委員として御評価いただいた新井委員にも御評価をお願いしております。試験の概要については、資料1-1の15ページ及び資料1-2の21ページに概要図がありますので、併せて御覧ください。
 こちらの技術ですが、臨床症状、経過及びMRI検査から神経膠腫が疑われ、摘出術を予定している症例について、新しいメチオニン専用合成装置(C-MET100)を用いて合成した炭素11標識メチオニンによるPET(Met-PET)診断の、MRIの上乗せ検査としての臨床的有用性及び安全性を評価することを目的としております。
 主要評価項目は、病理組織診断を基準診断とし、造影MRI検査陰性かつMet-PET検査陽性部位における陽性的中率(PPV)。また、副次評価項目については、15ページ中ほどにお示ししたとおりとなっています。
 目標症例数は、PET検査実施症例数として90例、主要評価に必要な症例数として神経膠腫38例でしたが、実際の登録症例数が74例、登録の時点で神経膠腫が42例と目標の38例に達していたため早期に登録が終了したとのことで、こちらの取下げについては第95回先進医療技術審査部会にてお認めいただいております。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 では、本技術の評価について、主担当の上村構成員から御説明をお願いいたします。
 
○上村構成員
 この技術ですが、資料1-1の15ページの技術の概要の所にありますように、経過とMRIの検査から神経膠腫を疑われて、摘出術を予定している症例について、新しいMet-専用合成装置、C-MET100という装置ですけれども、それを用いて合成した炭素11メチオニンでのPET診断をMRIに上乗せしたときに、臨床的な有用性と安全性を評価するということで企画されたものです。主要評価項目ですが、病理診断を基準として上乗せ効果があったかどうかというのを見るわけですが、造影MRIが陰性、要するにMRIではよく分からずに、PETを使うと陽性だったという部位について、本当に病理診断で的確に神経膠腫が分かったのかということを見る陽性的中率というのを主要評価項目にしています。
 副次評価項目としては、MRIで造影される部位とMet-PET陽性の部位の両方ともが同一の部位、つまり両方陽性だったということだと思うのですが、そういった症例がどの程度あったのかということ。それから、逆に造影MRI検査が陽性かつMet-PETでは陰性という方がどのぐらいいらっしゃったかということを見ていくということと、あとは有害事象を評価したということです。
 目標の症例数として90例を予定していたのですが、比較的たくさんの患者さんが既に集まっていて評価には十分だろうということで、早期に終了しているということです。
 肝心のMRIが陰性でPETが陽性であった方の陽性的中率ということを評価しているわけですが、そういった症例が全体の中で42例あり、98%ということでかなり高い陽性的中率が認められたということです。それから、造影MRI検査で造影される部位とMet-PETの部位が同一、要するに、画像的には余り上乗せできなかったという方でしょうけれども、そういった方が全体で14%いらっしゃるということです。それから、全くPETの上乗せ効果というのが画像的には認められない、造影MRIは陽性なのだけれどもPETの場合は陰性だったという方は、僅か1名いらしたということでした。
 安全性については、もともとMet-PETは微量のトレーサーを使っていますので、通常こういった有害事象というのは余り起こらないと理解できます。非常にマイルドなものが幾つか散見されたということですけれども、バイタルサイン等についても意義のある変動は見られなかったということです。
 タブレットの中に総括報告書そのものが入っていますが、14ページに比較的分かりやすい写真があります。PETとMRIを比較したもので、図1というのが出ていると思うのですが、これが通常MRIで見たときで、低悪性度の神経膠腫の症例ということです。ちょっとタブレットで見るとよく分からないというか、どこにあるのかという感じなのですが、実際にPETで見てみると、かなりシャープな画像で描出されるということです。こういった方が、恐らくMRIでは陰性でPETでは陽性であったという代表的な例かと思います。
 ということで、私の評価としては、もともと診断としては造影MRIでは限界がある中で、PETを組み合わせることによって、少なくともかなりの方々がPET-CTで陽性ということで引っ掛かってきて、かつその中心部分を恐らくバイオプシーされたのだと思うのですが、比較的高い陽性的中率が認められたということですので、有効性としては従来の医療技術、つまりMRIよりも大幅に有効であろうと判断いたしました。安全性については、特に問題ないと思います。技術的成熟度については当該分野、脳神経外科と各医学あるいは放射線医学といったところで、こういった技術を持って経験を積んでいらっしゃる先生方の下であれば実施できるものではないかと思っています。そこの連携については、かなりしっかりしたものを確立する必要はあると思いますが、そういう評価です。
 実際に72名が組み入れられていて、そのうちの42名が、こういったMRIの診断では陰性であってPETで陽性ということですので、この数だけでも相当な数の患者さんにPET-CTを追加することによって診断的なベネフィットがあると考えました。腫瘍病変の部位を適切に同定していくということが手術的なところにも、しっかりと適切な範囲で除去するというのが恐らく予後にも直結してくることだと思います。そういった本当の意味での長期予後についてのデータはこれから出てくるのかもしれませんが、非常に期待できるのではないかと思います。
 それと、恐らくMet-PETについては、PETの技術が出てきた当初から各所で使われています。実際にインターネットで検索して見てみると、民間の施設等を含めて、かなりの施設で既に行われているという事実もあります。その中で、北海道大学を中心として、先進医療という枠組みの中でこの技術を評価していただいたということは、非常に有り難いことで、このデータはしっかりと評価した上で次に進めていただきたいなと思っております。実際に、ものとしてトレーサーのメチオニン自体は、臨床的な有用性というのはある程度ここで評価できたわけなのですが、合成装置がしっかりと人に投与できるような基準を満たしているかというのは、また別の問題だと思います。そこも含めて今後、承認申請というところに向かっていかれるようですので、しっかりと審査をしていく必要はあるかなと思っています。私からは以上です。
 
○山口座長
 続いて、山中構成員から評価をお願いいたします。
 
○山中構成員
 山中です。まず、登録された74人のうち、42人が造影MRIが陰性でした。そのうち、Met-PETの陽性的中率が98%ですので、Met-PETを使う価値はかなりあるのではないかなと思うのです。ただ、これでそのまま広く結論できていいかどうかというのは、ちょっと別問題だと思っています。
 理由を述べますと、19ページに総括報告書の表14から抜き出してきたこの研究のメインの結果があります。Met-PETで陽性例だったもののうち、病理診断で陽性ですからトゥルーにグリオーマということですよね。トゥルーにグリオーマだったのが41例で、トゥルーにグリオーマではなかったのが1例だという結果で、41/42で陽性的中率が98%という結果でした。ですので、繰り返しますが、有望であるとは思いますけれども、病理診断陰性の数が1例しかいないというのは、ちょっと気になるのです。というのは、この試験の適格基準は、臨床症状等で初発のグリオーマだと疑っている症例を入れているのです。なので、かなり慎重に、恐らくこれは臨床的にグリオーマだろうと思える症例で、かなり濃いと言ったらあれですが、グリオーマに確度が近いと臨床的に判断できるような症例を登録すれば、必然的に病理陽性というのは多くなってしまうと思うのです。
 一方、病理陰性が1例しかいないというのは、少し症例集団が偏っているのではないかということを疑わせるわけです。もし、本当に病理診断陰性の症例が極めて少ないのであれば、正直、臨床症状からグリオーマを疑って、その症例が造影MRIが陰性だったとしても、Met-PETを使わずに陽性だと言ってしまえばいいわけです。分かりますか。すごく濃い症例であれば、造影MRIが陰性だったとしても、とにかくMet-PETをやろうがやるまいが、これは陽性だと言ってしまえばいいわけなのです。病理診断陰性という症例に対してMet-PETがどれだけパフォーマンスを示すのかというのは、この研究だけでは判断できないのではないかなと思っているのです。
 繰り返しますが、この試験の適格集団というのは、臨床症状から初発のグリオーマを疑うという症例なのです。なので、本来はかなり広い集団なのです。だから、それがもし、もっと広く日本全国で使われた場合、臨床症状は疑うのだけれども、病理陰性の症例というのは結構いるはずだと思うのです。その症例をMet-PETで陽性ではないと判断できるかどうかというのが、1例しかいないので、このデータからではちょっと読み取れないなと思うのです。
 登録症例が、全体の60%は主機関から登録されていて、残りの32%は別の1施設なので、要は90数%は2施設の症例なのです。それで、臨床試験の結果を解釈するときに、まず重要なのはパイロット的な結果で、その後、検証的な結果というのを分けないといけないと思うのです。パイロット的な結果というのは、基本的にすごく実験的な要素が強いので、限られたエリート施設でやってもいいと思うのですが、それを世に普及させられるかどうかを決める検証試験だと、症例数を増やすだけではなくて、もう少し施設数を増やして一般化可能性を担保するというのが基本的な考え方なのです。その観点からすると、2施設だけの症例ではなくて、やはりもう少しいろいろな施設から症例登録をしていただいて、そうすると多分いろいろな医者の判断が出てくると思うので、病理陰性も多少は出てくるのではないかなと。すごく多くはないかもしれないですが、そこそこ出てきて、そこに対するMet-PETのパフォーマンスというのを調べたほうがいいのかなと思っています。
 繰り返しますが、この技術はかなり有望なのではないかなと考えております。その技術の一般化可能性の担保のために、もう少しMet-PETのパフォーマンスを、病理所見陰性の症例に対して評価できるといいなとは思っています。以上です。
 
○山口座長
 続いて、新井委員から評価をお願いいたします。
 
○新井委員
 私の報告は20ページにありますが、まず神経膠腫の一般的なことに少し触れさせていただきます。MRIで造影される部分が、より悪性度が高い病理所見を予測させるわけでして、それが当然、手術のターゲットになるということです。しかしながら、今回Met-PETで上乗せ効果があって、MRIに造影されなくてもPETで陽性になる部分があり、そこに腫瘍がしっかり存在するとなると、従来のMRI上の造影効果をベースにする手術戦略を見直す必要が生じます。この点が明確に示されておりますので、非常に有効性ということでは意義があると判断いたしました。
 一方で、神経膠腫の予後を考えた場合に、腫瘍の9割以上の摘出が可能だと予後が良いというコンセンサスは一般的ですが、では、PETを用いて腫瘍の摘出度を高めたとして、患者の予後は改善するのかについては、報告書にも1編だけ論文が引用されていましたが、ここについてはまだまだエビデンスが確立していないということであります。PETの上乗せ効果は明確であるけれども、それが最終的に患者さんの予後にどのようにフィードバックされるのか、ここがやはり大きな課題ではないかと思った次第です。しかしながら、PETの上乗せ効果は明らかでしたので、有効性についてはAとさせていただきました。安全性に関しては、特に大きな問題はないと考えております。
 技術的成熟度ですが、まずこの検査をやるためには、オンサイトのサイクロトロンと合成装置が必要であるということ、さらに、診断した後に手術で的確にそこを摘出するということが前提の診断ですので、脳神経外科医と診断する放射線科医が強く連携して、場合によっては今、手術ナビゲーションシステムなどというものもありますので、PETで陽性になった分を確実に術中に把握して、それを摘出するといったことも行われなければいけません。そういう意味でいうと、当該分野を専門とし、かなり経験を積んだ医師を中心とした体制を取ると、放射線科医又は核医学医と脳神経科の強固な連携体制が必要であろうと判断いたしまして、技術的成熟度に関しては、Cということにさせていただきました。私からは以上です。
 
○山口座長
 それでは、上村構成員から、何か追加のコメントがありましたらお願いいたします。
 
○上村構成員
 特に追加ということはないのですが、山中構成員からの御指摘というのは、これは3つの大学病院でされていて、それぞれこの分野の一流の施設で、ほぼグリオーマであることが確実な人たちを集めてきていれば、それは当たって当然だろうということをおっしゃっているのだと思います。そういった意味では、もう少し拡大していくと、98%というのが本当にこのままの数字でいくかというのは、少し疑問が残るところではあります。一方で、ちょっと繰り返しになりますが、MRIでは映らずにPETで確実に描出されるというのは、恐らく臨床の先生方にとっては非常に有り難い技術ではないかなと理解していますので、全体的には有用性は示されたと理解できるのかなと思いました。
 
○山口座長
 それでは、ただいまの御説明について、何か御質問等はございませんか。
 
○長島構成員
 素朴なことを御質問させていただきます。摘出術を予定するほど十分に神経膠腫が疑われた症例において、これを行ったということですよね。この上乗せ効果というのは、どのような場合を想定しているのかということで、それぐらい強く疑われている場合に行うべきものなのか、あるいは、そういうもので造影MRIをやったけれども、陰性だったりしっかりした所見が取れなかった場合に行うべきものなのか、あるいは全例で行うべきものなのか。全例で行うのであったら、造影MRIは省略してもいいようなものということで、この位置付けというのは、この研究の中では出していないということでよろしいのでしょうか。
 
○上村構成員
 恐らくPETだけでいくというのは、現実的にはかなり厳しいと思います。新井先生からもコメントを頂きたいと思うのですが、PET-CT自体は、11Cを使うものについては、オンサイトでのサイクロトロンと合成装置を使って、核医学の専門家がPETのトレーサーを作ってその場で投与というような、比較的、技術的にはハードルが高いものなのです。だから、MRIが今後なくなるということは多分ないと思います。あと、非常に少ないのですが、1例だけではありましたけれども、PETでは描出されずにMRIでのみ描出されたというケースも存在していますので、MRIに取って代わるということは多分ないのではないかと思うのですが、いかがですか。
 
○山口座長
 新井委員、どうぞ。
 
○新井委員
 実際に神経膠腫のMRI診断を考えますと、造影MRIはT1強調画像をベースになされるわけですが、悪性度の高い腫瘍ではT1強調画像で造影されない部分と造影される部分が混在する形で描出されるわけです。そのときに、先ほど申し上げたように、造影される部分はより悪性度の高い病理が予測されますので、そこが手術のターゲットになります。
 その上で、腫瘍を摘出することになりますと、先ほど申し上げたように、なるべく腫瘍を多く摘出をすれば患者さんの予後が良くなるということは知られていますが、一方で、近接する部位に、いわゆるエロクエントエリアといって重要な機能をつかさどる部位があった場合には、腫瘍が存在しても、そこは摘出できないということになるのです。そこをクリティカルに判断して、機能温存をしつつ腫瘍をなるべく摘出すると、そこが脳神経外科医の努力になるわけなのですが、その時にこのPETの所見は極めて有用だと思われます。腫瘍の局在を解剖学的に正確に診断するために、MRIをスキップすることはできません。PET画像の画像解析度は極めて貧弱であり、病変の局在をより正確にするには、やはりMRIは必要です。したがって、MRIをベースにPET所見をプラスして、自分たちが安全に触れる部位はどこなのかということを、脳神経外科医は放射線科医の力を借りて判断して、それに従って手術をするというのが実際の臨床です。そこに、先ほど申し上げたようにナビゲーションを使ったり、場合によっては術中にMRIを使ったり、更にエロクエントエりアが近接している場合には、覚醒下手術といって患者さんを覚醒下で手術して機能温存を図るということになります。
 そういった様々な工夫を結集して手術が遂行されるという状態ですので、やはりPETの上乗せ効果というのは、脳外科医にとっては非常に武器になると思うところです。以上です。
 
○長島構成員
 では、シンプルに言うと、どういう場合に上乗せ検査として使うべきなのかということです。この点はいかがなのでしょうか。
 
○新井委員
 例えば、先ほど申し上げたようにT1で低信号で造影される部分がある、そのT1の低信号が運動野に接している、ただその部分がPETで陽性になっているとすれば、そこは無理してでも取ろうということになります。機能温存とのバランスですが、そのような判断はできると思います。ですから、先生がおっしゃるように全ての症例にすべからくPETが必要かと言われますと、必ずしもそんな必要はない。例えば、前頭葉の先端部にあるような神経膠腫であれば、そこまでしなくても安全域を設けて取ってしまえばいいわけです。ですから、ケースバイケースで使い分ける必要はあろうかと思いますが、一定の症例の中ではこのPETは非常に有効だと思います。ただ、もう一言付言すれば、最終的にそれが患者さんの予後をどのように改善するのかということについての検証は、実はまだ十分されていないので、そこはやはり今後PETを用いた神経膠腫の治療が続き、その中で一定の結論を出していく必要があるのではないかなと思うところです。以上です。
 
○山口座長
 ほかにございませんか。ちょっと私も同じような疑問を感じたのですが、この対象というのは、もともと臨床症状とかMRIで手術が予定されている患者さんです。例えば、これにMet-PETをやって陰性の症例が幾つかあって、やはりやらなくてよかったのだということが分かればいいのだけれども、そのような症例が全くなくて、ポジティブであった症例だけの検討です。ですから、上乗せというのは何かなという、私も同じような疑問を抱いたのです。本当にこのPETがなかったら摘出をやめるのかといったら、やはりやめないわけです。患者さんにとってのメリットとして、先生がおっしゃったように、切除の範囲をより精密にできるということは分かるのですが、そういうことは一切この研究では検討されていないわけで、そういう点を今後やはり調べたほうがいいということなのでしょうか。
 
○新井委員
 そうだと思います。ですから、限られた症例というと語弊があるかもしれませんが、ある一定の症例で確実に手術を考えた場合にPETの有用性が予測される訳ですが、ただ、実際手術でどうだったのか、そこについてこの研究は、検討が全くなされていません。すなわち、本研究はPETがMRI診断に上乗せ効果があるかないかということだけにフォーカスを絞ったものと言えます。全ての症例でこの検査が必要かというと必ずしもそうではないので、しっかり症例を選別し、かつ選別した症例の中でPET陽性に基づいて手術をした結果、最終的にその予後がどうなるのか、そこまでの検証が今後求められるのだろうと思います。
 
○山口座長
 ほかにございませんか。私も最初見たとき素晴らしいと思ったのですが、山中先生がいろいろ書いておられるのでよく見たら、やはり長島先生と同じような疑問が出てきたので、ちょっと伺いました。今後やはり検討することが必要だということまで、報告書の中に付記したいと思います。ほかにありませんか。
 
○伊藤(澄)構成員
 気になったのは、74例のうち22例が削除されているのですが、74例全部が脳腫瘍を疑われていた人で、試験中止2例を除いた72例のうち42例しか解析していなくて、その結果のいいとこ取りしているように見えてしまったのですが、そういうことはありませんか。診断する立場からは72例の感度とか特異度を見ていってほしかったと思うのですが、そこら辺は御覧になりましたか。
 
○上村構成員
 そこについては、報告書の33ページにどういった方が除外されたかというのが実は出ていて、実際にはほかの病気だったので除いたということを述べているわけです。グリオーマではない人たちは最初から除いているので、山中先生がおっしゃるとおりで、ほぼ確実にグリオーマである人たちだけを解析しているというようにも見えるのだと思います。ただ、それにしても72例のうちの40例ぐらいの方は、先ほども申し上げたように、MRIは陰性であってPETでは陽性だったということは間違いないので、その数字であっても、かなりの人たちに対してベネフィットはあったのではないかなと想像しています。
 
○伊藤(澄)構成員
 すみません、逆の言い方をすると、22例の人は造影MRIで陽性だったということなのでしょうか。造影MRIの感度、特異度とMet-PETの感度、特異度が比較できる形の資料になっていなかったので、単純に疑問に思っています。
 
○上村構成員
 そこは、ちょっと私も読み切れていないのかもしれないのですが、中にはMRIをやっていないがために外しているとかという方もいらっしゃるので、要するにプロトコールどおりに2つができなかった人が含まれているということだと思います。
 
○山口座長
 よろしいですか。ほかにございませんか。貴重な御意見をどうもありがとうございました。それでは、告示番号旧40については、ただいま御審議いただいた結果を取りまとめて、先進医療会議に報告いたします。
 続いて、継続の可否に係る審議結果の報告について、事務局より説明をお願いいたします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料2の23ページを御覧ください。こちらは国立循環器病研究センターからの申請で、告知番号57の偽腔拡大に対する血管内治療です。本技術については、申請医療機関が臨床使用実績の効率化要件に該当するため、使用実績がない状態で申請されておりまして、承認、告示されたものになります。適応症は大動脈解離(術後に偽腔が拡大したものに限る)となっております。
 報告の概要については25ページを御覧ください。本年2月に試験が開始されまして、これまでに3例の症例が登録されております。こちらの試験については、試験継続の可否の評価に必要な評価項目として、試験機器の安全性確認のため、3例の試験治療後30日経過時点のできるだけ早い時期に、独立安全性評価委員会を開催し、安全性評価と本試験の継続可否判断を行う。また、3例中2例でグラフトの閉塞が発生した場合、又は未知かつ直接因果関係のある重篤な有害事象が発生した場合には、試験継続不可とするとなっております。
 こちらに従いまして、独立安全性評価委員会で審議された結果、「2例以上のグラフト閉塞はなく、未知かつ直接因果関係のある重篤な有害事象の発生、その他試験の継続に影響があると思われる事項もない」との判断結果であり、試験継続可と判断されました。
 その結果を受けまして、先進医療技術審査部会の構成員で、申請時の主担当であった一色先生、副担当であった山中先生に御審議いただいた結果、先進医療継続可との御評価を頂いたため、新規の症例登録が再開されております。以上、御報告になります。
 
○山口座長
 失礼しました。新井先生、どうもありがとうございました。
 
(新井委員退出)
 
○山口座長
 それでは、今の御報告に対して、何かコメントはございますか。3例、安全にできたということで、継続するということでよろしいでしょうか。それでは、告示番号57については、ただいま御報告いただいたとおりに試験を継続いただきたいと思います。
 続きまして、試験実施計画の変更について、事務局より御説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 今回、試験計画等の変更申請は5件提出されております。
 まず、資料3の27ページを御覧ください。国立がん研究センター中央病院からの申請で、告示番号7の経皮的乳がんラジオ波焼灼療法となっております。適応症は早期乳がん(長径が1.5cm以下のものに限る)となっております。
 今回、御審議いただく主な変更内容については、28ページを御覧ください。また、利益相反についての書類・様式10号については、お手元のA3版の別冊資料も併せてご参照ください。
 今回の主な変更内容ですが、28ページの中ほどに記載がありますが、1番目は、2020年時点でのデータに基づき、主として登録時の背景情報と安全性に関するデータを要約する解析を行い、「総括報告書(短期成績)」としてまとめる。2番目は、コヴィディエンジャパン株式会社より、薬事申請用資料作成のための研究費の提供を受けるとのことで、本試験のデータの一部が薬事承認申請に活用されることとなり、PMDAより、本試験の主たる解析等のタイミングの如何にかかわらず、薬事承認申請のためのデータを取りまとめた総括報告書を提出するよう要求があったため、とのことです。以上です。
 
○山口座長
 この変更内容につきまして、何か御意見はございませんか。
 
○真田構成員
 内容如何のものではなく、事務局にお伺いしたいのですが、恐らく、このような先進医療の結果が開発の一部に使われるということは今後も出てくると思うのですが、このような理由で作成された総括報告書というのは、公開ですか、非公開ですか。それと、非公開であれば、いつ公開になるのでしょうか。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 今回のものにつきましては、計画書の変更内容を御覧いただければと思うのですが、基本的には非公開となっております。
 こちらは「総括報告書」という名前にはなっておりますが、例えば主要評価項目等のエンドポイントを評価するものではなくて、現段階でのデータをまとめて、それを企業に渡すというものになっておりまして、我々の所に提出される、いわゆる総括報告書ではないというようにお聞きしております。
 
○真田構成員
 ということは、我々はその時点では、その結果はここでは知ることはできないという理解でよろしいでしょうか。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 おっしゃるとおりです。
 
○真田構成員
 分かりました。
 
○山口座長
 それは、こちらから言っても教えてもらえないのですか。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 計画書の変更内容を見ますと、「基本的に公開しないこと」というように書いてございますので、部会の場で御審議いただくのは難しいと思うのですが、データを共有いただくことは、一部可能なような記載ぶりにもなっています。
 
○山口座長
 今回、メーカーがこれから研究のほうに入ってくるので、そのためにこういうことをやるのかなと思いましたので確認してもらったのですが、そうではなくて、PMDAのほうでデータを早期に活用するという基本的な方針が出たので、それに沿って要望されたということで、決して意図的にやっているようではないようです。
 ほかにございませんか。よろしいでしょうか。それでは、告事番号7の変更については認めることといたします。
 続きまして、次の実施計画の変更について、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料4の29ページを御覧ください。神戸大学医学部附属病院からの申請で、告示番号16のリツキシマブ点滴注射後におけるミコフェノール酸モフェチル経口投与による寛解維持療法となっております。適応症は特発性ネフローゼ症候群(当該疾病の症状が発症した時点における年齢が18歳未満の患者に係るものであって、難治性頻回再発型又はステロイド依存性のものに限る)となっております。
 今回、御審議いただく主な変更内容については、30ページの中ほどを御覧ください。末梢血中のB細胞の解析を追加するための研究実施計画等の変更となっております。こちらの解析については、既存試料を用いて行われるものとお聞きしております。以上です。
 
○山口座長
 本変更内容につきまして、何か御意見はございませんか。特にないようですので、告示番号16の変更については、お認めすることといたします。
 続きまして、次の試験実施計画の変更につきまして、事務局から御説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料5の31ページを御覧ください。杏林大学医学部付属病院からの申請で、告示番号21のテモゾロミド用量強化療法です。適応症は膠芽腫(初発時の初期治療後に再発又は増悪したもの)となっております。
 御審議いただく主な変更内容につきましては、32ページの中ほどを御覧ください。変更内容ですが、(マル1)前治療でのテモゾロミドの最終投与日からプロトコール治療開始日までの日数の設定、(マル2)1コース目の安全性評価の日数の許容範囲の変更、(マル3)エンドポイントの定義の記載整備、(マル4)有効性の解析の記載整備、(マル5)研究者情報などの記載整備、となってございます。
 今回、変更申請を行う理由としては、マル1については、前治療でのテモゾロミドの最終投与からプロトコール治療としてのテモゾロミドの投与開始日までの日数について、従前のプロトコールに記載がなかったということで、今回、添付文書に合わせた休薬期間が適切に設けられるように記載を追加したとのことです。
 33ページにお進みください。マル2については、治療1コース目の安全性評価のタイミングについて、従来の治療薬投与日から、治療薬投与3日前まで許容するというように変更することで、1コース目の朝食前からの薬剤投与が可能になるということです。
 その他については記載の整備となっております。以上です。
 
○山口座長
 この変更内容について、何か御質問、御意見はございませんか。大きな問題もなさそうです。それでは、告示番号21の変更については、お認めすることといたします。
 続きまして、次の試験実施計画の変更につきまして、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料6の35ページを御覧ください。東京都立小児総合医療センターからの申請で、告示番号55の小児の神経因性排尿筋過活動による膀胱機能障害に対するボツリヌス毒素の膀胱内局所注入療法です。適応症は神経因性排尿筋過活動(NDO)による膀胱機能障害となっております。
 今回、御審議いただく主な変更内容につきましては、36ページを御覧ください。(マル1)ボツリヌス毒素(ボトックス)が成人の過活動膀胱患者に対して国内承認を取得したことによる変更、(マル2)試料やデータの二次利用についての変更、(マル3)関連企業への安全性情報の報告の変更、(マル4)併用する医療機器が承認を得たことによる医療機器の変更と患者負担の変更、(マル5)観察項目の変更、(マル6)研究分担医師の変更、(マル7)モニタリング担当者の変更、となっております。
 今回、変更申請を行う理由ですが、マル1については記載のとおり、ボトックスの成人での適応取得に伴いまして、添付文書の記載修正が行われたことにより、試験実施計画書や同意説明文書の関連する記載の修正を行ったとのことです。
 マル2及びマル3については、本先進医療で得られたデータを活用し、国内や海外で当該試験薬又は対象疾患領域における医薬品開発をする可能性があることから、実施計画書並びに同意説明文書の該当箇所の記載を変更した。また、医薬品製造販売業者との契約により、同社へ報告する内容として、実施医療機関の管理者及び認定臨床研究審査委員会へ報告すべき安全性情報に加えて、試験薬との因果関係が否定できない有害事象の情報が求められたため変更したとのことです。
 また、マル4についても、膀胱用注射針として、新たに薬事承認を得られたものを採用するように変更を行ったということで、注射針の購入価格の変更が発生したため、患者負担額を変更したということです。
 その他、マル5からマル7については、お示ししたとおり、分担医師の変更等を行ったとのことです。以上です。
 
○山口座長
 本変更内容について、何か御意見、御質問はございませんでしょうか。成人では認められたということです。これは登録が1月からですがまだゼロで、この先、頑張らないと難しいですね。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 成人に対して承認が取得されたということも影響しているようでして、これから試験の体制を整備して症例登録を始めていただくところとお聞きしております。
 
○山口座長
 分かりました。ほかに何かございませんか。それでは特にないようですので、告示番号55の変更につきましても、お認めすることといたします。
 続きまして、次の試験実施計画の変更につきまして、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料7の39ページを御覧ください。九州大学病院からの申請で、整理番号B105の結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫に対する凍結療法となっております。適応症は結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫です。
 御審議いただく主な変更内容については、40ページの中ほどを御覧ください。1)負担軽減費支払いに関する変更、2)先進医療申請過程における構成員からの指摘に対応した変更、3)その他、記載整備となっております。
 1)については、本研究に参加することにより生じる精神的、肉体的な負担などを軽減する費用として、研究に関連した来院及び入院に対して、負担軽減費を支払うこととした。2)については、先進医療申請の過程での評価担当構成員からの御指摘に対する対応です。3)については、統計解析方法に関する記載等の記載整備となっております。以上です。
 
○山口座長
 本変更内容につきまして、何か御意見、御質問はございませんでしょうか。特にないようですので、整理番号B105の変更につきまして、認めることといたします。
 続きまして、先進医療Bの協力医療機関の追加について、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料8-1の41ページを御覧ください。整理番号105の技術について、1件の協力医療機関の追加申請がございました。資料8-2にございますが、事務局において、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件、様式9号を満たしていることを確認いたしております。協力医療機関の追加として、御承認いただきたく存じます。以上です。
 
○山口座長
 よろしいでしょうか。
 続きまして、先進医療合同会議の審議結果について、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料9の45ページを御覧ください。令和2年7月2日及び8月6日に行われた先進医療合同会議におきまして、それぞれ1件の先進医療B技術について審議が行われ、いずれも「適」の御評価を頂いておりますので、御報告申し上げます。
 45ページを御覧ください。1件目の技術ですが、結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫に対する凍結療法で、申請医療機関は九州大学病院となっております。本件の審査の主担当は山本構成員、副担当は飛田構成員、佐藤構成員、技術専門委員として斎藤委員に御担当いただきまして、最終的に「適」の評価を頂いております。
 2件目ですが、70ページに記載している技術です。膵神経内分泌腫瘍に対する超音波内視鏡ガイド下エタノール注入療法で、適応症は膵神経内分泌腫瘍(WHO2017分類病理組織学的Grade 1、かつ腫瘍径≦15mm)です。申請医療機関は岡山大学病院となっております。本件の審査の主担当は真田構成員、副担当は柴田構成員、佐藤構成員、技術専門委員として高橋委員に御担当いただきまして、「適」の評価を頂いております。本件について御評価いただき、また先進医療合同会議に御出席いただきました構成員の先生方におかれましては、御協力いただき大変ありがとうございました。御報告は以上です。
 
○山口座長
 よろしいでしょうか。追加などございますか。続きまして、資料10について事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料10、125ページを御覧ください。腹腔内パクリタキセルあるいはドセタキセル投与を用いた先進医療B及び患者申出療養の一覧表(適応症が胃がんのもの)について、御報告いたします。
 こちらについては、令和2年6月11日開催の第100回先進医療技術審査部会において、告示番号37の技術「S-1内服投与、シスプラチン静脈内投与及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法」の期間延長申請について御議論いただきました際に、当該先進医療の総括報告書の提出時期について照会を行うとともに、これまでに先進医療及び患者申出療養として行った胃がんに対する抗がん剤の腹腔内投与について整理して報告するようにという御指示を頂いておりましたので、そちらに対応したものになっております。
 こちらの表にお示ししたとおりですが、これまで胃がんに対する腹腔内化学療法として、7件の先進医療が行われておりまして、1件の患者申出療養も行われております。それぞれの登録症例数、申請医療機関、告示日、告示削除日、また、こちらは公表データが基にはなりますが、主要評価項目に関する試験結果の概要等を記載させていただいております。先進医療としては、告示番号37の1件のみが継続中というところですが、患者申出療養も合わせて、新規の症例登録は既に終了しているという状態です。
 また、告示番号37の試験について、今回、主たる解析結果が既に学会発表されていたということですので、今回はその概要を部会に御提出いただいております。こちらは152ページから156ページに記載しておりますので、併せて御覧いただければと思います。156ページに試験の概要としてまとめていただいておりますが、1年の全生存割合は73.6%、95%信頼区間が59.5~83.4%であり、主要評価項目の設定期待値の72%よりやや上回り、信頼区間の下限は設定閾値の54%より上回りました。また、頻度の高いGrade 3/4の有害事象は好中球数減少23%、貧血28%、下痢13%、食欲不振が17%だったとのことです。こちらの詳細につきましては、主たる解析結果についての総括報告書として、近日中にまとめて御報告いただける予定とお聞きしております。本件に関する御報告は以上となります。
 
○山口座長
 何か御質問とか、コメントはございませんか。藤原先生はよろしいでしょうか。
 
○藤原構成員
 整理をしていただき、ありがとうございます。昔の試験では総括報告書が未提出のものがありますが、これは提出要件がないということで、それに対応していないという理解でよろしいのでしょうか。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 表の下部に小さな文字で記載してあるのですが、先進医療の通知におきましては、試験を終了する場合、申請医療機関は総括報告書を提出することとなっておりますが、一方で、平成24年9月30日時点で先進医療として実施しているものについてはその限りではないということでして、それ以前に行われた試験については、当時は総括報告書を提出する義務がありませんでしたので、未提出となっております。
 
○山口座長
 ほかに何かございませんか。よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 続きまして、申請医療機関からの報告について、事務局から説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 資料11-1の157ページを御覧ください。今回、申請医療機関からの報告として、大阪大学医学部附属病院から、告示番号B17の周術期カルペリチド静脈内投与による再発抑制療法(JANP study)に関する御報告がございました。
 なお、本件につきましては、上村構成員、真田構成員においては非常勤として御所属の医療機関ということで、前回の審議時にも御退席いただいておりますので、今回も本議題の審議に際し、一時御退席いただきたく存じます。御協力のほどよろしくお願いいたします。
 
(上村構成員、真田構成員一時退席)
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 それでは、資料に沿って御説明させていただきます。資料としては、報告の概要等をまとめた資料11-1、また申請医療機関からの報告書及び研究参加者に既に送付されたPatient letterとして資料11-2、先月行われた第102回先進医療技術審査部会の会議資料として資料11-3、また机上配布資料(参考資料)として、大阪大学及び国立循環器病研究センターの調査委員会による調査報告書をお配りしております。
 資料11-1の157ページを御覧ください。1番目として、これまでの経緯を述べておりますが、告示番号B17「周術期カルペリチド静脈内投与による再発抑制療法」(JANP study)において、研究計画立案の元となる参考論文1編で、特定不正行為のねつ造・改ざんが認定されました。
 令和2年5月から6月にかけて、研究代表医師より、大阪大学認定臨床研究審査委員会(CRB)に対して上記が報告されまして、臨床研究継続の可否を含めた審議が行われました。その結果、安全性に関する評価項目を追加する等、研究実施計画を変更して、臨床研究参加者に必要な説明を行った上で特定臨床研究として継続すること、との意見がなされました。
 第102回先進医療技術審査部会(令和2年7月9日)において、研究不正の概要が報告され、先進医療継続及び研究実施計画の変更申請と、臨床研究参加者への説明文書(Patient letter)の案が提出されました。
 審議においては、先進医療継続の可否であったり研究計画の変更については、判断材料が不足しているとして、調査委員会による研究不正に関する報告書の提出を求めた上で、以下について検討し、再度審議を行うこととなりました。
 1番目から6番目まで記載しております。1番目は、特定不正行為の詳細と調査状況について、2番目は、特定不正行為を認めた論文及び関係論文と臨床研究との関連について、3番目は、臨床研究参加者に与える健康被害等の可能性について、4番目は、研究不正を行った研究者の臨床研究への関わりについて、5番目は、特定臨床研究及び先進医療として継続する場合あるいは研究を中止した場合の、臨床研究参加者に与える利益と不利益等について、6番目は、臨床研究参加者への説明及び公表について。このようになっています。
 部会後、大阪大学医学部附属病院及び研究責任医師より、部会への報告書の提出があり、これが資料11-2です。研究不正に関する調査報告書は机上配布の参考資料です。また、タブレット内にも同様の資料、個人の氏名等を記した資料を入れております。それから、修正後のPatient letterの提出がありました。
 Patient letterは資料11-2の一番最後に付けておりますが、こちらについては先進医療技術審査部会の構成員の先生方に御意見を頂きまして、各協力医療機関より、令和2年8月17日着で臨床研究参加者に既に送付されているところです。また、事案の公表については、8月18日に大阪大学及び国立循環器病センターが会見及びホームページ上での公表を行っているところです。
 2番目に、今回提出された大阪大学の報告書の概要です。(1)特定不正行為の概要とその調査状況です。平成29年12月に大阪大学研究公正委員会委員長及び国立循環器病研究センター(以下、国循という)に対して、同一の元職員(以下、被告発者という)が発表した21編の論文に、捏造等の特定不正行為が疑われるとの申立てがありました。これを受けて、それぞれの機関において調査委員会が組織されまして、元データの確認や関係者及び被告発者への聞き取りを含む調査が行われました。
 その結果、合計5編(臨床系論文2編、基礎系論文3編)で特定不正行為が認定されまして、そのうちの1編がJANP studyの研究計画立案時の参考論文の1つでございました。研究不正に関する報告書については、文部科学省宛てに提出されたものが、8月17日に先進医療技術審査部会にも共有されております。
 (2)特定不正行為を認めた論文及び関係論文と臨床研究との関連です。JANP studyの研究実施計画書に記載された参考論文が16編ありますが、このうち5編に被告発者が執筆者として関与しておりました。そのうち4編が、既に上記の調査委員会において調査済みで、今回不正を認めた1編以外の3編には、特定不正行為は認めなかったということです。
 今回、特定不正行為が認定された論文においては、「慢性閉塞性肺疾患(COPD)を有する肺がん患者の手術時にハンプを投与することにより、術後合併症が減った」ことが論じられていることから、ハンプを肺がん周術期に投与することの安全性に疑義が生じることとなりました。
 また、残り2調査の1編、こちらはPNAS論文ですが、こちらについては今後大阪大学及び国循において調査が予定されております。当該論文においては、本臨床研究の仮説の根拠である「肺がんの周術期にハンプを使用することが、肺がんの再発を抑制する」ことであったり、「肺がん再発予防の機序についての基礎的知見」が論じられております。
 したがいまして、今後の調査によりまして、当該論文に特定不正行為が認められた場合には、肺がん周術期にハンプを投与することの妥当性が、安全性及び有効性の双方の観点から失われることが考えられるとのことでした。
 (3)臨床研究参加者に与える健康被害等の可能性についてです。JANP studyに参加された335人の研究対象者、肺がん又は肺がんの疑いの診断で切除術を受けられた患者になります。そのうち160例について、周術期にハンプが投与されております。ハンプ自体は、急性心不全に対して保険診療で使用されている治療薬ですが、半減期の短い短時間作用型の薬剤で、JANP studyにおける投与量も、心不全に対する治療時の4分の1以下であることから、薬物動態上、ハンプ投与による健康被害が術後の遠隔期に生じることは考えにくい。ただし、本臨床研究ではハンプが適応外で使用されておりまして、術後急性期を含む有害事象の発生とハンプ投与との関連については、再度検証を行う。また、ハンプ投与が肺がんの再発に与える影響についても、注意深い検証が必要と考えられるとのことです。
 なお、JANP studyに参加した後も、肺がん治療については「肺がん診療ガイドライン」に沿って行われておりまして、術後補助化学療法を含む後医療については、特に制限は設けられていなかったということです。
 (4)被告発者の臨床研究への関わりについてです。被告発者は、大阪大学医学部附属病院等で治療を受けた肺がん患者の臨床データを用いた観察研究の結果を基に、「肺がんの周術期にハンプを使用することで肺がんの再発や転移が抑えられる」という仮説を立て、国循において関連する基礎研究を行いました。その結果に基づいて、国循の元所長と大阪大学呼吸器外科の元教授とともに、JANP studyを立案しております。
 JANP study研究計画書の作成については、被告発者を含む大阪大学の呼吸器外科所属の分担研究者により行われておりまして、大阪大学呼吸器外科元教授を研究責任者として先進医療が申請され、平成27年6月より先進医療として臨床研究が開始されております。
 被告発者は平成29年7月まで、国循に設置された研究統括事務局の一員として協力医療機関との調整業務を行っていましたが、その後はJANP studyに関連する業務は行っていないとのことで、また、臨床研究参加者への診療には一切関与しておらず、JANP studyのデータ管理も行っていないとのことでした。
 (5)特定臨床研究及び先進医療として継続する場合あるいは研究を中止した場合の、臨床研究参加者に与える利益、不利益についてです。まず前提として、特定臨床研究及び先進医療として試験を継続した場合あるいは研究を中止した場合のいずれにおいても、臨床研究に参加された方への健康観察を継続して行うとともに、過去に発生した有害事象を再度徹底的に検証する等の安全性に関する評価を適切に行うべきと考えている。また、その結果については先進医療技術審査部会に継続的に報告を行うとのことです。
 その上で、特定臨床研究及び先進医療として継続あるいは中止した場合に考えられる利益と不利益について、以下が考えられるということです。
 まず、特定臨床研究及び先進医療として継続することの意義です。現在、全ての研究対象者については、肺がん術後の経過観察中であり、研究計画に沿った治療介入要素はない。研究対象者の安全性評価を適切に行うことに関しては、過去まで遡って有害事象の評価を行うことであったり、研究計画に沿って健康観察を行うことで担保できると考えている。特定臨床研究及び先進医療という制度の下で研究を継続することによって、定期的あるいはそれぞれの求めに応じて、CRB及び先進医療技術審査部会に状況の報告がなされることが担保されるという意義は、臨床研究参加者保護の観点から、十分にあるものと考えられる。また、研究計画変更において、有害事象に関するハンプとの関連性に関して評価を行う第三者委員会を新たに設置することを予定しており、当該委員会での審査、勧告内容をCRB等へ報告することで、安全性評価が適切になされるものと考えている。
 また一方で、これらの臨床研究以外、例えば別途同意を得て観察研究を行うことによって試験結果を得ようとする場合であっても、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づき、倫理審査委員会の監視の下に安全性の評価を行うことなどは可能である。ただ、これらの体制を新たに構築するまでに一定の時間が必要となることが考えられるとのことです。
 また、特定臨床研究として継続することで研究対象者に与える不利益です。特定臨床研究の枠組みの中で研究を継続することで、検査介入、研究のための検査であったり、観察介入、研究計画書に沿った外来受診が想定されております。研究介入については、1年ごとの全身PETあるいは骨シンチグラフィー撮影が該当するため、これらを任意とする研究計画の変更が申請されております。その他の検査については、肺がん診療ガイドラインに沿った日常診療と同様であり、検査介入という影響はないものと考えている。また、観察介入ですが、こちらは半年ごとの外来受診です。こちらについても、肺がん診療ガイドラインに沿った通常診療での外来通院と大差なく、かつ観察日の設定についても、前後それぞれ90日の許容期間はもともと設けられていることから、臨床研究として継続することによる研究対象者に対する観察研究という影響はないものと考えているとのことです。
 (6)臨床研究参加者への説明及び公表についてです。本事案については、臨床研究参加者に対して、以下のとおり複数回にわたって、研究責任医師及び各施設の研究責任医師より説明を行うことが予定されております。まず、事案の公表のタイミングに合わせて、これまでの経緯及び今後の対応方針を記載したPatient letterが、全ての臨床研究参加者に既に送付されております。また、各施設の研究責任医師、研究分担医師より口頭でも説明を行う。研究観察継続の必要性と、仮に臨床研究が継続される場合のJANP studyへの参加継続のお願いについて、文書を用いて再度説明を行い、再同意を取得することに努める。今後追加調査を予定している論文(PNAS論文)については、可及的速やかに調査を行った上で、調査結果について再度お知らせするとのことです。
 3番目の今後の対応方針(案)です。1つ目、追加で調査を予定している根拠論文については、可及的速やかに調査を行って、その結果を先進医療技術審査部会に報告することを求める。2つ目、上記の調査結果を含む新たな知見が得られた場合等には、引き続き臨床研究に参加された方に対して適切に説明を行うことを求める。3つ目、なお、研究不正の再発防止策として「研究データの保存ルールの周知徹底」であったり「研究者倫理の向上を目的とした研究倫理教育」等が挙げられており、こちらは机上配布の資料の7ページに記載があります。一方で、臨床研究としての再発防止であったり追加調査の進捗状況については、今後の先進医療技術審査部会に報告予定となっています。
 4つ目、申請医療機関である大阪大学医学部附属病院及び研究責任医師に対して、これらを求めた上で、今回追加で提出された報告内容等のほかに対応することがないか、再度御議論いただきたく存じます。5つ目、また、先進医療継続の可否、研究実施計画の変更、こちらについては資料11-3として先月の部会の資料を付けさせていただいておりますが、こちらについても併せて御審議いただきたく存じます。事務局からは以上です。
 
○山口座長
 それでは、本件について何か御意見はありますか。
 
○長島構成員
 研究に参加された方の保護は、当然最優先されるべきです。そういう意味では159ページの下から3行目ですが、研究及び先進医療として継続する場合、あるいはそれを中止した場合、いずれにおいても全力でこれの保護を行うと。これは当然のことだと思います。
 例えば160ページの真ん中辺で、要するに臨床研究以外によってやる場合には、「体制を新たに構築するまでには一定の時間が必要となる」と書いてあるので、これは中止になる場合も十分想定されるのであるから、直ちにこの体制の構築を始めるべきと思います。結果、これが必要になったとしても、スピードは重要なので、体制づくりは直ちに進めるべきと思います。
 最も重要な根拠論文は、この研究の根幹に関わるものなので、これの結果がいつ出るのか、できるだけ迅速に出すように求めるべきだと。まず、いつ出せるのかということと、できるだけ早くするということを求めるべきと思います。
 求めるべきこととしては、再発防止策が最も重要であるので、再発防止策について、きちんと委員会なりをつくって全施設を挙げてしっかり検討して、できるだけ具体的なものを提出していただくことと、それをきちんと確認して、不足があればきちんと追加していただくということです。さらに、それが実際に実行されているかどうかという確認が必要ですから、一定期間後、例えば半年後なり1年後にもう一度報告を求めると。ちゃんとその防止策が実行できているか、それの確認ができるまでは、この関係した研究機関は、先進医療に関して関与することはできない。少なくとも新規申請等は受け付けない等のこと。つまり、再発防止ができていない所が先進医療の申請をするというのは、当然認められるべきではないので、そういうことでしっかり再発防止を行うと。それから、ある意味でのペナルティは当然科すべきであると思います。さらに、それは1度確認するだけではなくて、その後も継続的に、例えば年に1回きちんと再発防止ができていることの報告を求めて、さらにそれを確認し、そこで不十分であれば、もう一度受け付けないというような厳しい処置を行うと。これはずっと続けることが重要だと。それぐらい厳しいことを行うべきと思います。
 それから、研究責任医師に対しても、同じようにきちんと再発防止を行っているということのチェックを行うと。それができるまでは、先進医療に関わることを許可しないというような厳しいことを行うべきと思います。
 根本的なこの根拠論文が最も重要なので、それが出ないと、先進医療そのものを否定するかどうかというところは、少し難しいところがあるかと思います。ただ、この医師がこの研究の根本的なことを考えた方ということですので、その方の信頼性が失われているということにおいては、この根拠論文のことがまだはっきりしない現時点においても、極めて重大な事象であると受け止めるべきと思います。以上です。
 
○山口座長
 ありがとうございました。いずれも、ごもっともな御意見です。特に、PNAS論文について、いつ頃評価が終わるのかなど見通しとかわかりますか。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。貴重な御意見を頂きましてありがとうございます。当該論文については、臨床データを使った部分と基礎データを使った部分からなっている論文でして、それぞれについて大阪大学と国循で調査を行うとお聞きしております。早速その予備調査を行う調査委員会が立ち上がって、今、調査に着手したとはお聞きしております。ただ、その結果がいつ頃出るかについては、まだ具体的な日程についてはお聞きしておりませんので、そこも含めて次回以降で御報告できるように問合せを行っていきたいと考えております。
 
○山口座長
 この件は根幹に関わることですし、この部会でも、もう少し早くやれないかということでした。なかなか報告が出てこないのは少しもたついているのではないかという印象はありますので、この後の対応を迅速に進めるためにも是非早くやっていただければと思います。今、御指摘があったように、随分時間が掛かって、そこからまた新しい体制づくりということにならないようにしていただきたいと思います。また、場合によっては先進医療は中止ということも前提に考えて体制を整えてくれということも、併せてお伝えいただければ有り難いと思います。
 あと、私が気になったのは、共著者がたくさんいるのですが、その中にはこの試験の責任者もいて、報告書の中には共同の責任はないというような書き方をしているのですが、やはり共著者になったからには、私は知らなかったということでは済まされません。一番大事な結論に関して、それを確認する義務があるので、決して責任がないわけではないと思うのです。これはこの書いた人が自分で勝手にやったので、私は名前を載せただけだと、そういうことでは困るのです。しかも些末なことだったらいいのだけれども、肝心なポイントのデータが確認できていないのです。一番の対策の中にはそういうデータもきちっと確認するようなことを書いていますので、是非何かこの人に責任を全部かぶせて、他の研究者は知らなかったということにならないようにしていただきたいと思います。ほかに何かありますか。
 
○藤原構成員
 先進医療とは少し関係ないですが、情報として欲しいのは、私が確かAMEDの研究費、私がプログラムオフィサーをやっている頃に、これを評価した記憶があるのですが、AMEDはこの研究不正についてはもう御存じなのですよね。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 当該臨床研究がAMEDの研究費の補助を受けていることは認識しておりますが、それを医療機関等が既にAMEDに伝えたかどうかについては、まだ承知しておりません。
 
○藤原構成員
 先ほど山口先生とか長島先生とも関連しますが、私はこの医師1人に責任を負わせるのはおかしいと思っています。というのは、昔の審査をしたときも、旧循環器病センターの所長さんとかは、この治療法が素晴らしいと、いろいろな所でおっしゃっておられました。なのに、今回不正があったら、共同研究者から外れますなどということはあり得ない。そういうみんなの雰囲気が、この人がそういうデータ解析の不正をしたくなったようなことを誘導したかもしれないと思うのです。それに関しては、今日机上配布されている調査結果を見ても、全然書いてないのです、さらっと書いてあって。我々がそこまで追及する必要があるかどうかは別としても、今回の告発対象者だけに責任を負わせるのは何か変だという気がしています。そこは今後のPNASのものも。PNASというのは、本来はそのデータをPNASに推薦する人がないと掲載しない雑誌ですから、推薦した人の責任もかなり大きいと思うのです。それも循環器病センターの中できちんと検証できるのかとか。今回、阪大で研究調査委員会をやっていますが、このメンバーを見ると、第三者といっても阪大を卒業した人たちが多くて、もっとほかの地域の人たちをなぜ調査委員会に入れていないのかというのも不思議だったのです。突けばいろいろな問題点がありそうなので、それを本当に可及的速やかに、とにかくPNASのデータがどうなっているかも検証した上で、やっていただきたいと思います。
 現時点では、今回、調査報告とかを見て、CRPとか白血球をいじっていますが、プライマリーエンドポイントである術後の合併症の低下に関しては不正がなかったということなので、背景になるメカニズムに関してのデータはおかしくなっているけれども、出た結果については、機序は分からないけれども、合併症は減っていますというところ、これは取りあえずは分かっている。ですので、患者さんに対してすごい悪いことがされたというところまでは無いと、今回の報告書を読んだときには理解したのですが、PNASがどういう結果になるかによって、全然判断を変えないといけないので、皆様方がおっしゃっているように本当に早くお願いしますというところです。
 
○後藤構成員
 国立循環器病研究センターとの関係がよく分からなくて、先進Bの今回のこちらに出されていたものについては、循環器病センターは関係ないと、研究の関連病院としても入っていないという理解でよろしいのでしょうか。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 1つには、今回、対象患者さんが肺がんの患者さんになりますので、国立循環器病研究センターに肺がんの患者さんが肺がんの治療目的で通院されていないということで、そういう意味で治療を行う協力医療機関に入っていません。一方で、臨床試験を行う実施体制として、当初は研究事務局が国立循環器病センターにあったりということで、国立循環器病センターが試験実施体制の一部だったという形になっておりますので、関与は十分あると考えています。
 
○後藤構成員
 そこの職員の関係と、調査結果についても、これは別々に調査の委員会を立ち上げていて、それぞれ違う結果が出たらどうなさるのだろうと思ったのです。こういうふうに研究所の不正が幾つかにまたがるときに、どのような形で調査を行うべきか、合同調査委員会でもつくってやったほうが、より適切なのではないかと思ったのですが、これが一応推奨されているやり方だと理解してよろしいのでしょうか。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 今後調査を予定しているものに関してということですか。先ほど申し上げましたように、論文自体が大阪大学の患者さんのデータを使った部分と、国立循環器病研究センターで基礎研究を行った部分がそれぞれあって、それぞれをそれぞれが調査をするということになっていますが、最終的な報告書としては、今回もそうでしたが、連名というか1つの報告書としてまとめて上がってくるものとは認識しております。
 
○後藤構成員
 調査として別々にやるけれども、結果としては両方の名義で出てくるという理解でよろしいということ。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 はい。今後、調査されるものについて、その辺りがどうなっているかについては、確認をさせていただくようにします。
 
○後藤構成員
 分かりました。
 
○山口座長
 告発のあった20幾つかの論文のうち、どの部分をどちらで分担しようかということを2つの施設で話し合って、検討したようです。ですから、お互いに知らないでやっているわけではありません。
 
○後藤構成員
 そうですよね、だと思うのですが。
 
○山口座長
 そのほかに、それ以外の分も全部それで調べていくともっと出てきたので、これも調べましょうということでお互いに分けてやっているのです。
 
○後藤構成員
 そうですよね。分かりました。例えば、先ほどから皆様が御指摘のように、この論文が根本的にこの研究を行う基になっているのであれば、それについて何らかの結論が出ないとなかなか先へ進めないのではないかと、私も今回こういうふうにいろいろ出していただいた上で改めて思いました。
 
○長島構成員
 調査を行う場合に、不正の有無とかその内容に加えて、先ほどの再発予防の視点でしっかり調査をしていただくと。不正があったとして、どうしてこういうことが起こったのだ、あるいはチェックができなかったのだ、そこまでしっかり調査しないと、これは再発防止につながらない。したがって、そういう意味でのそういうことに詳しい専門家に当然加わっていただくし、完全な第三者が中心になって調査を行うように是非要望していただければと思います。
 
○山口座長
 先ほど藤原先生からも御指摘がありましたが、卒業生とか関連者でも同じ施設ではないからいいというわけではなくて、もう少し広い視点で委員を選んだほうがいいのではないかという意見が出たということは、是非伝えてください。そのとおりだと思います。論文不正のあった研究者だけに押し付けてしまうような感じになってしまったら、大変まずいと思います。ほかにありませんか。
 
○掛江構成員
 単純な質問ですが、机上配布の資料を拝見すると、調査委員会の開催の日にちとかも書いてあるので、インターバルがどのぐらいなのかというのが見えてきたのですが、一般的にこんなに時間を掛けてしまうものなのですか。必死で短期間に明らかにしなければという感じには、素人には見えなかったので、一般的にこういう感じのスケジュール感で検証はされるものなのですか。
 
○山口座長
 この調査を見てみると、本人が不正を否定しているのです。本人が責任を認めたうえで調査が行われているのではなく、本人は無実であることをかなり主張しているので、それをやはり論破するために結構大変なのだと思います。本人がどのように感じているか分かりませんが、自分にだけ押し付けるのかという気持ちがあるのかもしれません。本人が不正を認めていないのでそれを1つ1つ検証する必要があり、これは結構時間が掛かる作業になるのではないかと思いました。
 
○掛江構成員
 承知しました。ありがとうございました。あと、これはもう藤原先生が既に御指摘のとおりなのですが、共著者とか関係者に関して関与が認められなかったと、この根拠が報告書にはないので、この報告書自体に何か違和感というのを非常に感じるのです。共著者とか共同研究者で責任がないということは、当然のことながらあり得ないと思うのです、一緒にやるわけですから。もちろん分担はあるとは思うのですが。そこの部分が、素人から見ると非常に違和感のある報告書だと思いました。
 合理的な説明を付けて関与がないという形の結果を出されるのか、若しくはもう一度検討していただいて、それぞれの方の役割に応じての応分の責任があったとされるのか、そこはもう一度御検討いただいたほうがいいかと思います。
 
○山口座長
 おっしゃるとおりだと思います。責任者は私は知らなかったということだけで、責任を回避できるわけではありません。知ることができなかった体制上の不備はなかったか、どのようにしていたらこういうことを把握できましたかということを、対策として真剣に考える義務があると思います。責任者がその不正データに関して全く関与してなかったというお墨付きをもらってということで、責任感がどこかに行ってしまっているような感じがします。ですから、皆さんも読んでいて、先ほどご指摘がありましたが、すべて不正論文を書いた研究者に責任をすべて押し付けてというふうな印象を受ける。そういうことが、結局ちゃんとした対策を立てられないようになることを、長島先生はものすごく懸念しておられるのではないかと思うのです。そういうここの議論を阪大の人たちには是非伝えていただきたいと思います。ですから、検証の公正さの問題、スピード感の問題、それから責任の問題も少し甘いのではないかという意見が出たことを、是非強調していただきたいと思います。ほかにありませんか。
 
○一色座長代理
 確認しておきたいことがあります。結局2回にわたって先進医療の継続の可否が議題になっているわけですが、PNASの結果が出ないとこれが決定できないということになると、この先も先進医療として継続するかどうかが決められないということになってしまいます。そういうことでいいのか、この結果を待たずに先進医療の継続について見直す判断をするのか。この判断を今回するのか、取りあえず1回延期するのか、その辺も含めて皆さんのコンセンサスが必要かと思いました。
 
○山口座長
 このままだらだらと続けられると困るということは、1つ問題点としてあります。ですから、方法としては、1か月以内に出しなさいと期限を切って伝えて、そこで出なかったら、その時点で一応中止にしますということを宣告するかですよね。それはどれだけ待てるかという問題になると思いますが、その辺りはどうですか。向こうの技術的な問題も確かにあるかもしれませんが、本気で早くやってもらいたいということであれば。あるいは今の時点でどれぐらいのスケジュールでできますかということを問い合わせて、それを示してもらって、それでは遅いとか早いとか、具体的なことを言う必要があると思います。
 
○長島構成員
 1か月で期限を切ったほうがいいと思います、そうしないと先に進まないと思うので。
 
○山口座長
 いかがですか。少なくともこの論文の調査に関しては、それぐらいあればできるような気もしますが、本人が認めるかどうかは別にして。
 
○一色座長代理
 今まで全く調査をしていなかったというのは考えにくいように思うので、どこかで期限を切って白黒つけることは、どうしても必要になるのではないかと思います。この会議としてもそれがすっきりしないまま続くというのは、望ましい形ではないように思います。
 
○山口座長
 では、論文の根幹に関わる部分の評価については次の会議までに出してくださいと要望し、でない場合は、中止の方向で検討しますという伝え方でいかがでしょうか。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。御確認ですが、次の会議までに調査の結果を出していただくか、それともいつまでに調査が終わるかということを出していただくか、どちらでしょうか。
 
○山口座長
 要するに根幹に関わる論文について、どういう結論が出るのかということです。それに不正があるのかどうか、いや、それは全くないということなのか、これは間違いだったというのか、ということを示してほしいと思います。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 PNAS論文の調査結果を次の部会までに提出するということでよろしいですか。1つ懸念点ですが、恐らくそれぞれ施設の中の不正調査のガイドライン等があって、それに沿って調査を行っているところだと思います。今、まず予備調査をして、それから本調査に進んで、恐らく本人に対する聞き取りであったりということに進むので、実際1か月というのはなかなか現実的には難しいように思いますが、それぐらいのスピード感でお願いをしたほうがよろしいという部会としての御判断ということでよろしいですか。
 
○山口座長
 この論文は、最初に告発された論文以外の論文ですよね。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 はい、そうです。
 
○山口座長
 告発されたもの以外にこれもおかしいと言い始めたのはいつなのでしょう。この論文が対象になった時点で、相当時間はあったように思うのです。決して先月言われたわけではありません。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 はい。
 
○山口座長
 ですから、それほど。もう少し緊張感を持ってやってもらいたいという意味では、少なくともその論文についての報告だけでも頂きたいということを言ってもいいのではないかと思うのです。最終の報告書ではなくて、そのことに関してだけでも我々の疑問に答えてほしいということを言わないと、この研究を続けられるか続けられないか、判断できないということです。
 
○医政局研究開発振興課長
 まずは、いろいろと御議論いただいてありがとうございます。
こういった研究不正があったということは誠に、まず研究として、科学として非常に問題なわけですし、また国立研究開発法人も関わっているということで、厚生労働省としても大変遺憾に考えております。
 この研究について、今、御議論を様々頂きました。今後、根本論文に関する不正がまずあったのかどうかということの検証、そしてもう1つは、それのみにとどまらず、先ほどいろいろ御議論いただいておりました再発防止につながるため、あるいは組織としてどういう課題があり、そしてそれをどう解決していくのかと。言わば、根本論文に問題があったか否かという部分と、この根本論文あるいは今回御議論いただいた参考論文、そういうものが出てきたこと自体に対する体制・管理責任等を問う検証と、2種類必要ではないかということが御議論にあったかと思います。
 当然、ここでの御議論を踏まえて、施設にはそういったことを求めてまいりたいと存じますが、その際、先ほど期限を切ってというところがありました。当然、両方の調査が速やかに出て、次回の会議で、先生方から御覧になって、両方とも全く納得できる報告書が出るということが望まれるわけですが、両方の観点があるのでどうか。両方が満たされるということが、最終的には重要だろうと思います。それまでの間、次回にそれが出るか。当然なるべく急いでもらうということは、我々としてもしてまいりたいと思いますが。
 次回でその両方の報告が出て、先生方から御覧になって、なるほど、こういうことなら判断を下せるなと。どういう判断があるかはこの会議ですが、継続が望ましいとか、あるいはこれではまだ不十分だとか、あるいはこれではもう逆の意味での最終結論を判断すると、3つ判断があろうかと思います。理想を言えばその2つのものがきちんと出てくることが当然望まれるわけですが、期限を切ると言った場合、十分なものが両方出てきた場合、全く駄目な場合、不十分な場合と、それぞれあろうかと思いますが、先方に求めるにしても、どういった形で求めていくのがいいのかと。
 理想的に言えば、2つのものをきちんと今日御議論いただいた観点からクリアできるような形で次回までに完璧に出してきてくださいということ、これは当然求めるわけですが、これについて、次回の審議で状況によってはこういうことがありますということをきちんとお伝えするべきではないかと、今、座長からも御指摘がありました。その辺はどういう形で、施設のほうに、大学研究所のほうに伝えるのがいいのか、その辺を少し御議論いただければと思います。
 2つの報告書が共に必要だということは私どもも十分理解しておりますが、今後の部会としての判断をするに当たって、遅れた場合にはどういう問題が起こり得るのかを、どこまで具体的に伝えるかは大変重要なことだろうと思いますので、その辺を御指示いただければと思います。
 
○山口座長
 最終的な報告書を求めているわけではなくて、我々が議論するにしても、全く分からない状態がずっと続いています。一番重要な論文については。それが本当かうそかも分からない。そういう状態がずっと続いているので、これはどうなっているのだというのが一番の問題なのです。決してファイナルの詳細なものを求めているわけでも何でもなくて、根幹に関わるところを分かって、事実だけでもちゃんと提示してもらって、それを見た上で我々が議論して、どういう対応を取るかを決めたいという希望だと思うのです。ですから、それで決め付けたりするわけでも、最終報告書を急いで出さないと駄目だと申し上げているわけでもありません。速やかに進捗状況も含め、それから今後の見通しも含めて淡々と出してもらわないと、やはり研究がストップになる可能性があるということは、お伝えしたほうがいいと思うのです。
 
○医政局研究開発振興課長
 ありがとうございます。
 
○後藤構成員
 先生がおっしゃったように、根拠論文について、今回も出てきてないわけですよね。私たちとしては、根拠論文があって、根拠論文についての精査ができて、それが基になれば判断ができるので。根拠論文について、「可及的速やかに」と書いてあるのですが、先ほども御指摘があったように、ほかの調査が余り可及的速やかに行われていない状況がある中で、可及的速やかにということを信じるのは、なかなか難しいと思うのです。
 ただ、私もよく分からないのですが、この根拠論文が根拠としてふさわしいかという観点の調査は、それほど時間が必要なものなのでしょうか、そこがよく分からない。私の感覚としては、この研究の根拠とした論文について、ここがこう問題だということが既に指摘されているところがあれば、それだけをもって、根拠論文について適切ではないという判断ができそうに思うのですが、そんなに難しいものなのでしょうか。
 
○山口座長
 先ほども申し上げましたが、本人が全面的に認めていないというところが大きいのではないかと、私は想像します。
 
○後藤構成員
 ただ、でも本人が認めているか認めていないかというよりは、データがあるわけで、このデータの出し方、プロセスが問題なので、本人が必要な書類、ノートとかそういうものを提出してくれていないので、分からないということなのでしょうか。
 
○山口座長
 例えば、これは転記ミスですと言うわけです、転記ミスがあったと。それが故意なのかどうか、なかなか分からないわけです。その辺りはなかなか難しくて、追及しても、言い逃れだったりは可能なのです。客観的に明らかな証拠を押さえるために、結構苦労している可能性もあります。
 
○後藤構成員
 1つだけ。とにかく大阪大学としては、こうするとかしないとかは、やはりどこかの段階で決めていただかないといけないと思っていて、完璧な調査ができないにしても、今上がっているデータ、資料を根拠に判断するとこうなるので、この判断でいいかどうかというのを、こちらに上げていただくような形にするべきではないかと思います。
 
○山口座長
 おっしゃるとおりだと思います。
 
○藤原構成員
 この先進医療を最初に評価したときに、いろいろ聞いたことをちょっと思い出してみて考えると、このPNASの論文は基礎部分と臨床部分から構成されていたと記憶しております。臨床の部分も、当初癌治療学会に出たデータとPNASの論文データに齟齬があって、なんでこんなに齟齬があるのかと聞いたら、データの信頼性が弱いので、その当時もう一度調べ直して、きれいなデータにしたものをPNASのほうに出したと確か言っていたと思うのです。実は再発抑制効果がなかったということになると、患者さんに一番不利益が大きいので、その当時から多分いろいろなことがあったはずなので、術後の再発予防効果があったかどうかの臨床のエンドポイントがどうだったかだけ、まずは教えていただければと思うのです。それで差がなかったら、ちゃんと基礎論文のほうもしっかり見てくださいとか、今回の報告書にあったようなCRPと白血球のデータをいじったとか、そういうのが後から分かってくれば、それはそれでいいのですけれども。記憶では、やっている患者さんの治療は、ほかの病院とかボリュームセンターでやっていて、多分このファーストオーサーの人は余りタッチしようがないようなエンドポイントだったように記憶しているので、循環器病センターと阪大の先生に、そこを次回に教えてもらいませんかというのでいかがですか。
 
○山口座長
 そうですね。これは、どうやらこの薬を投与された人が、臨床的に予後が良さそうだという感触から始まっているのですね。それを裏付けるための動物実験をやっているのですけれども、動物実験というのは比較的ごまかすことも可能ですし、証拠もなかなか残りにくいのです。ですから、藤原先生がおっしゃるとおり、動物実験の検証に関わっているよりも、臨床のデータがちゃんとしているかどうかだけでも早く出してくださいという要求は、筋が通っていると思います。
 
○掛江構成員
 私も全く先生方がおっしゃるとおりだと思うのですけれども、結局この不正があったかなかったかの認定、判断をする、評価をするというところは、それはもうそれでもちろん粛々とガイドラインに沿ってやっていただけばいいのですけれども、ここの部会で何が必要かと言うと、この根拠になったデータを根拠としていていいのかどうかというところの問題だけなのです。それは、もう本当にカルテから改めてきちんとデータを引っ張り出して、再解析していただければ、藤原先生が今おっしゃったように、元の仮説どおりだったかどうかが分かると思うので、そこだけ。別にこの不正の評価の話ではなくて、そこだけ、まずこの部会のために集計していただいて、再解析していただいて、結果を出していただく、それに基づいてサイエンテフィックに判断をどうするかという議論は、部会としてさせていただくということを、まずお願いしていただきたいと思います。
 あと、全体として、若しくは再発防止策がきちんと出てくるまで、先ほど2本柱というか、2つあると、そちらの問題に関しては、最初に長島先生がおっしゃったように、例えば先進の申請は受け付けないとか、そうした形の対応がありますよというような形で、そちらもできるだけ急いでいただくみたいなのはどうなのかなと、お話、議論を聞いて思いました。
 
○長島構成員
 データの信頼性を確認したいのであって、もしデータの違いがあって、それが意図的なものなのか、ミスなのかはその先の話なので、まずデータの信頼性についてきちんと分かることを報告してくれということだと思います。それにはそんなに時間が掛からないのではないかと思います。あるいは全力で急いでやってくれということかと思います。
 
○山口座長
 一生懸命やっていただいて、その範囲でどういう結論が出るかは別の問題で、その場しか聞かないというわけではありません。最終的な結論はもちろん伺うわけですから、次回、検討できるだけのデータを出してくださいと、その場でいろいろな可能性がありますということもお伝えしていただければいいと思います。
 
○医政局研究開発振興課長
 ありがとうございます。今、座長並びに先生方に御議論いただいた方向性で、施設と大学研究室のほうとは、やってまいりたいと思います。
 
○山口座長
 もう1つの問題として、この変更申請について検討してくれと言われていますけれども、この辺りはいかがでしょうか。
 
○一色座長代理
 変更申請にのっとって審議をしようと思っているのに、調査結果が出てこないのでできないというのが実態ではないかと私は理解しています。先進医療が継続できないのであれば、どういう形でやるのかという議論はその先の話ではないかと思うのです。申請されるのであれば、そちらをはっきりしていただきたい。そうしないときちんとした審議ができないということではないのでしょうか。
 
○後藤構成員
 私も少なくても、とても不思議な感じはしたのです。その根拠となる論文についてきちんと精査してないのに、変更してくれと言われても、さすがにそれは無理としか言いようがないですし、影響がない、ある程度影響があったとしてもこの程度、その影響はとても少なくて、この研究として続ける、続けたいということを明らかにした上で、このように変更したいという申請書でないと。さっきも大阪大学の決断みたいなところがない中で、ちょっといろいろ取りあえず今までやったのは全部出したけれども、それでやってくださいというのは、ちょっと無理かなと私は思います。
 
○山口座長
 例えば特定不正行為が認定された参考論文、これは今のところ1つなのですね。だから、例えばこれに関する記述はもうはっきりしたので削除したいという希望なのですよ。でも、それもやっぱり全部まとめてやったほうがいいのではないかという御意見ですね。
 
○掛江構成員
 もし中止になるとすれば、削除する必要もないですよね。
 
○山口座長
 それまではどうするかいうことなのです。つまり、研究者にしてみたら、明らかにこれは根拠にならない論文になってしまっているから、そこのところの記述をきちんと正確に書きたいという意向だと思うのです。そのままずっと残ってしまっているので。それができないからどうっていうことはないかもしれません。けれども、正式に特定不正行為が認定されてしまったわけなのです。
 
○掛江構成員
 それは例えば削除しても、プロトコールに影響がない、いや、影響がないものがそもそも参考論文として書かれることはないと思うので、背景なり何なりの解釈に影響があるのだと思うのですけれども。それはただ削除すればなかったことになるものでは。
 
○山口座長
 それが間違いであったということを認めるべきであるということですね。
 
○後藤構成員
 ただ影響が。何かこの書き方ですけれども、179ページの書き方が参照した論文の一部に特定不正行為があったと、これはあったということでいいのですけれども、その次のマル3の所で科学的妥当性に疑義が生じたと言っている。疑義が生じたのであれば、その疑義がこの論文不正によってどう生じたかということを明らかにしていただいて、だけど、その疑義というのは、例えば100%の疑義ではなくて、20%の疑義であれば、この研究を続けるということで、その論文を除いてほかの根拠でやりたいというような形で御提案いただかないと。その疑義の程度がよくこちらには伝わってないというのが今の状況なのかなと思ってはいるのですけれども。
 
○山口座長
 恐らく向こうの気持ちとしては、2つの論文のうち1つはもう認定されて黒と決まっているわけで、例えば患者さんに説明するときに、研究計画書はまだ元のままになっているけれども、どうして削らないのと言われることを恐れているのかもしれません。これは載っていても別に何も差し支えはないけれども、患者さんに説明するときに、もうちゃんと認定されているのに、それを相変わらず載せておくのかということを恐れたのではないかなと、これは想像ですけれども思います。それは余りここで長いこと議論してもしょうがないので、これは皆さんの御意見が、これはきちんと出てからのほうがいいということであれば、それで何ら差し支えないと思います。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 貴重な御意見を頂き、ありがとうございます。1つの御提案としてですが、先進医療としてデータを取ることをこの段階で中断する。その間に、恐らく臨床で患者さんは通院されると思うのですけれども、そのデータについてはひとまず研究に使わないことにして、最終的なデータが出た段階で、研究を継続するとなればデータを使えるようにするとか、そういう形の方法も1つあるように考えたのですが、それについてはいかがですか。
 
○山口座長
 一番肝心な論文の白黒がついてから変更はしてくださいという言い方でもよろしいかと思います。いかがですか。ここのところは認めてもいいのではないかという御意見があれば検討しますがいかがでしょうか。
 
○柴田構成員
 179ページの主な変更内容のマル3の所で、観察期間独立安全性モニタリング委員会の設置と、これまで報告対象となっていなかった術後30日~観察期間終了までに生じた重篤な有害事象を報告対象とし、新たに設置した委員会に報告するというのが、できるものなのか否か。つまり、改訂を認めずにできるのか否かを、ちょっと確認しておきたいのですけれど。
 これまでの議論の中で、そんなに大きなものは出ていない可能性があるとは思われるけれども、きちんと安全を担保するためにこれをやろうという提案をされているので。事務局がおっしゃったように、研究目的でのデータ収集を一度止めるというのは、それは1つの選択肢としてあると思うのですけれども、この患者さんの安全性を担保するために出されている提案に対して、これを認めないことでこの作業が遅れてしまうのか否かというのを、ちょっと事務局に確認したいのですけれど。表現を変えると、長島先生がおっしゃったように、研究を継続しようがしまいが全力で対応するべきだという前提は堅持しないといけないと思うのですが、こういう作業をするために、認めなかったがために、こういう手続きが開始されるのが遅れ得るのか否か。
 一般的に考えると、通常よその病院の患者さんの情報もあるので、研究の体裁を取らずに、安全性情報とかをもう一度出し直してくださいということを言うのは難しいのではないかなとは思うのですけれども、これを認めなかったことで問題が生じるのか、ちょっと気になるのですけれど。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。柴田先生が御指摘のとおり、そういう臨床データを取るということ、それを何か解析に使おうということには、やはり患者さんの同意が必要になると考えております。ただ一方で、我々から、そこは日常診療の範囲ではありますが、しっかり患者さんの健康管理をこれまでどおりしていただくというように強くお願いをしておくという形、もし研究でないとすれば、今はそういう形になるのかなと考えておりますけれども。
 
○医政局研究開発振興課治験推進室長
 失礼いたします。元のプロトコールによると思うのですけれども、柴田先生が御指摘のとおり、患者さんそのものの観察なり必要な治療は行うとして、この独立安全性モニタリング委員会に御報告を出すという辺りについては、プロトコールがないと、やはり個人情報なり医療機関のデータとなりますので、ちょっとそこはプロトコールの改訂が必要ではないかと考えます。
 
○柴田構成員
 気になっているのは、これが参加施設が阪大病院や国立循環器病研究センターの病院だけの試験であれば、その病院の中の診療行為の一環として注意して観察するようにとか、病院の中の診療チームの中で主治医の先生以外の方の目を入れていただくというのは可能かもしれないのですが、ちょっと多施設共同試験になっているので、その分対応が遅れることはあり得るのかなと。もちろん主治医の先生は丁寧に今まで以上に確認して対応されるというのは、全ての参加されているお医者さんが対応されると思うのですが、それをちょっと第三者的に見ようという手続が遅れることはあり得るのかなというのが気になったのですけれども。
 
○一色座長代理
 いや、手続上の考え方として、先進医療の継続というのが決まってない中で、こういう項目だけ変更するということの妥当性だけだと思うのです。ですから、一旦それの白黒が出るまでは継続するというコンセンサスの下で、これを変更しておいて、最終的判断をするのかどうかということにしないと、この枠組みの変更ということ自体が成立しなくなるのではないでしょうか。
 
○柴田構成員
 ちょっと先生方とニュアンスが違うかもしれないですけれども、前回の議論のときに私が考えたのは、あのときのコメントは、この改訂というのは、研究者が研究者のためにやろうとしている改訂という側面よりも、患者さんに対するフォローをするため、その観点での改訂という趣旨で出されているのではないかなということです。そのように私は当時解釈しましたので、そこの部分を認めるという手はあるのかなというように前回の審議時に申し上げたところです。
 一方で、とは言っても、先生がおっしゃるように、先進医療として継続するのが妥当かどうかという観点が定まらないうちに、そういう判断だけ小出しにしてはまずいのではないかという御指摘も、確かにそのとおりだと思いますので、私個人としては、どっちにしたらいいのかというのはちょっと迷うところです。
 
○一色座長代理
 患者さんの保護を最優先するという立場は、天野委員も強くおっしゃっていたと思いますし、そういう観点を優先すれば、ここだけ取りあえずお認めしておいた上で、そのPNASの結果を待つというのはありなのではないかと思います。
 
○山口座長
 いかがでしょうか。そういうことだと思うのですが。
 
○掛江構成員
 個人的には、確かに柴田先生が御指摘されたように、マル3に関してはデータが出てこようがこまいが、被験者をより手厚く保護するという観点で判断はできる、結論は出せるものなので、もちろん手続上の問題は非常に大きいとは思うのですけれども、マル3番についてのみ、今日の部会でも判断できるというところで、お認めするのはありかなと思います。もし仮に中止になったとしても、この独立委員会のシステム等については、引き続き何らかの形で維持するようにということも恐らくできるかと思いますし、この部分は確かに御指摘のとおりかなと思いました。
 
○山口座長
 マル3についてはお認めしてもいいのではないかという御意見が幾つか出ましたけれども、いかがでしょうか。これは、患者さんの安全の確保という意味では正しいことだと思います。よろしいですか。
 
○後藤構成員
 ちょっとすみません、説明同意文書にこのモニタリング委員会を設置して、そこに情報を提供するというようなことも書かれているわけで、今の主な変更点のマル3を認めるということは、説明同意文書へ記載していることも認めて、一応、説明同意を改めて取ってもらうということになるという理解でしょうか。ということは、患者さんとしては、新たな説明同意がされるということについてはよほど限定しておかないと、この研究が進んでいくものと思われないような形の説明同意文書にしないと、今御提示いただいている説明同意文書は、一応継続をするということを前提とした同意文書のように私には読めたので。マル3だけを認めても、その説明同意文書との関係をどのように考えたらいいのかというのは、少し議論が必要かなと思います。
 
○山口座長
 説明同意文書をどういう具合に訂正したらよろしいですか。どの説明文書が訂正が必要になりますか。
 
○後藤構成員
 ただモニタリング委員会に。
 
○山口座長
 要するに、今まで全然調査をしていなかった術後30日~観察終了までの期間を観察するという、このマル3をやりたいということに関しては御意見はいかがですか。それは賛成するけれども、何かそういうことを言及する必要があるという御意見ですか。
 
○後藤構成員
 いや、今の議論だと、このマル3について設置だけを認めるということで、患者さんへの説明は不要だという理解ですか。
 
○山口座長
 説明してほしいということでよろしいですか。
 
○後藤構成員
 利益なので、不利益ではないので、説明同意というのは要らないという、同意はあれとしても説明することは不要であるという合意だというように理解してよろしいでしょうか。
 
○山口座長
 それは合意も何もしてないと思いますけれど。
 
○後藤構成員
 もし、そうするとなれば。
 
○山口座長
 ですから、御希望があれば、そこはきちんと説明してくださいとか、あるいは同意書を取り直したがいいという御提案があれば、検討したらいいと思いますけれど。
 
○医政局研究開発振興課治験推進室長
 すみません、事務局ですがよろしいでしょうか。正に計画というか、そこが変わることになりますので、先生が御指摘のように、このような形で安全性に関する観察そのものを継続して、何かあれば独立安全性モニタリング委員会に御報告をすること、ただし、この期間はデータの利用については中断をするということについて、改めてきちんとした説明文書を作って、それで患者さんに御説明をさせていただくということにさせていただければと思います。
 
○山口座長
 そういうことでよろしいですか。
 
○後藤構成員
 はい、それで大丈夫です。
 
○山口座長
 では、マル3については一応認めてもよろしいですか。
 
○後藤構成員
 はい、マル3自体はそうなのですけれども、この書き方自体が説明同意文書で継続するということとリンクしているように見えたので、新たな説明文書を出されるということであれば問題ないと思います。
 
○山口座長
 ほかにございませんか。
 
○長島構成員
 最初の頃に申しましたけれども、この先進医療は中止されることも十分想定して、新しい体制を一刻も早く構築すべきだと思います。その中に、こういう仕組みが本来含まれていないといけないということなので、そのどっちがいいのかと。もし、1か月後にこの先進医療はやはり中止にしますとなった場合に、1か月の間に説明がどんどん変わっていってしまうということになってしまいますよね、患者さんにとっては。それでいいのだろうかと。であれば、これに相当するような仕組みをできるだけ早く作ってあげて、やるべきことを別で、先進医療の枠外でどんどん進めていくほうが。要するに、どちらが実現性が高いのかというのと、先を見据えた上でどちらがより効果的かというところは、1回比較はちゃんとしなければいけないのではないかと思います。
 
○山口座長
 ただ、先月からやっているわけですけれども、これで30日、60日と、術後30日~観察終了まで、観察が行われていない可能性も出てくるわけですよね。空白の期間ができる可能性もあります。今の規定では。30日であろうと60日であろうと、そこはやはりちゃんと調べておきたいと、きちんと追いたいという気持ちではないかと思うのです。そこで、ちょっとまた作り直すのは面倒くさいという議論はあるかもしれませんけれども。
 先生の御意見は、このマル3もやはり駄目で、何か新しく作り直すまで駄目だろうという御意見でよろしいですか。
 
○長島構成員
 1か月後にそもそも先進医療として中止しますとなる可能性もあるので、そうするとこの話は全部なくなってしまうという話になりますよね。そうすると、これを作ってもあれだし、あるいは説明そのものも、やったのが1か月ですぐ全部変わってしまう、ということをやることになる。
 
○山口座長
 ただ、継続する可能性もゼロではないですよね。
 
○長島構成員
 1つは、もう最初から言っているように、中止になることを想定しても新たな体制を、いずれにしても、根拠論文がどうであっても、もう既に新たな体制を構築すべき時期に入っていると思うのです。
 
○藤原構成員
 タブレットで、患者説明文書の変更点、1.2版を2.1版にするという所を見ていたのですけれども、研究の継続に関する記載は削除してもらって、それ以外はそのままにしておけば別にマル3だけ変えても、後はちゃんと調査しますと書いてありますので。いろいろやり取りしていると、また認定臨床研究審査委員会にかけて、厚生局に提出してとかとやると、大体全部ずれていく、すごく時間が掛かる。余りそういうのをやると、1か月後までに手続だけで間に合わなくなったりとかしますので、いろいろ継続に関する部分だけ削除して、それでいいですよとしてあげて、マル3の安全性委員会はつくりますよというのでプロトコールを改訂すればいいように思いますけれど。独立モニタリング委員会の委員には阪大ではない人を入れたほうがいいのではないですかというのは言ったほうがいいかと思います。
 
○掛江構成員
 今出ているものはもともとある説明文書の改訂ですよね。ではなくて、この前のPatient letterと同じような形で、今回このマル3について迅速に変更して、とにかく被験者保護の観点から対応させていただきたいと、それについてだけの御説明プラスアルファこういうことをします、継続なのか中止なのかとか、そういったことは分からない、とにかく被験者保護の体制だけは先に整えましたので、こういう形でやらせてくださいというようなお願いレターをまた作っていただいて、それに同意していただけるかどうかだけ確認していただければいいのかなと。根本のこの説明文書を変えていただくということになると、やはりほかにもプロトコール上、説明文書上変えなければいけない所がたくさん残っているにもかかわらず、ここだけちょっと変えるということになると、本当に混乱をすると思いますので、そういった意味ではピンポイントでの対応をしていただいたほうがいいのではないかと思っています。
 
○山口座長
 議論がまとまらないので、今回まとめて認めないということにしたほうがいいのではないかと思います。やはり意見が一致しないと、なかなかこれは難しいと思います。次回の報告を待ってもう一度また議論したいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 
○医政局研究開発振興課治験推進室長
 よろしいでしょうか。今御指摘いただきましたように、来月また御議論いただいてそこで一定の結論が出ると思うのですが、その間にもこの観察が続いて、何かが起ってくるという可能性もございますので、この間を埋めるものとしての同意文書というか、説明文書を作成させていただいて、早急に患者さんに御連絡をさせていただく。当然継続するかしないかは、次回出てきたものでの御議論となりますので、当面この観察の部分について継続がなされるという辺りについて、報告をさせていただくようなものでよろしいでしょうか。
 
○山口座長
 いかがですか。
 
○藤原構成員
 臨床研究法に抵触しないように研発課が事務連絡を出すとか何かしないと、後から手続がおかしくなったとかと言われたら大変だと思うので、特例なのですよというような何か文書を出してあげておいたほうがいいような気がします。
 
○医政局研究開発振興課治験推進室長
 はい、ありがとうございます。
 
○山口座長
 それでは、まとめて認めないということで、よろしいですか。時間がまた過ぎてしまって大変申し訳ございませんでした。告示番号17の変更につきましては、お認めしないということにいたします。それから、先ほど申し上げましたように、迅速に分かる範囲のところで、とにかく材料を出してくださいと、そこで判断しますということを是非お伝えいただきたいと思います。申請医療機関からの報告については以上とします。
 上村構成員、真田構成員にはお戻りいただくことにいたします。
 
(上村構成員着席)
 
○山口座長
 本日の議題は以上です。構成員の皆さん、何か御意見、御質問はございませんか。ないようでしたら、次回の日程を事務局からお願いします。
 
○医政局研究開発振興課長補佐
 貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございました。次回は、令和2年9月10日木曜日の開催とさせていただきます。時間は16時から18時までの予定です。場所等につきましては、また別途御連絡させていただきます。また、本日の議事録につきましては、作成次第、先生方に御確認をお願いして、その後公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。以上になります。
 
○山口座長
 本日、また私の不手際で長くなって申し訳ございません。本件は社会的な影響も大きくて、我々もきちんとやらないといけないと思いますので、お許しいただきたいと思います。くれぐれも次、きちっとしたある程度の報告が出ることを期待しております。それでは、第104回先進医療技術審査部会を終了いたします。どうもありがとうございました。
 

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