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2020年5月15日 第99回先進医療技術審査部会 議事録

 
 


(1)日時:令和2年5月15日(金)16:00~

(2)場所:航空会館 B101会議室(オンライン会議)

(3)出席者
山口座長、一色座長代理、天野構成員、石川構成員、伊藤(澄)構成員、伊藤(陽)構成員、上村構成員、掛江構成員、後藤構成員、佐藤構成員、真田構成員、柴田構成員、飛田構成員、藤原構成員、松山構成員、山中構成員、山本構成員

(事務局)
医政局研究開発振興課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 課長補佐
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 先進・再生医療迅速評価専門官
保険局医療課 先進・再生医療迅速評価専門官

【議題】

1.申請医療機関からの報告について
2.試験実施計画の変更について
3.先進医療の取下げについて
4.その他
 

【議事録】
 

○山口座長 
 定刻となりましたので、第99回先進医療技術審査部会を始めさせていただきます。御多忙の折、お集まりあるいは御参加いただきまして、ありがとうございます。本日はオンラインでの開催となります。不行届きがあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。本日の構成員の出欠状況ですが、現時点で御欠席の連絡は田島先生1名のみで、あと17名全員が参加ということで本会が成立していることを申し添えます。それでは、配布資料と本日の審査案件の確認を事務局からお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐 
 事務局でございます。どうぞよろしくお願いいたします。事前に皆様に配布させていただきました資料について確認させていただきます。議事次第から、座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続いております。続きまして、申請医療機関からの報告について、資料1及びその参考資料。試験実施計画の変更について、資料2~7。先進医療B試験の取下げについて、資料8。先進医療合同会議の審議結果について、資料9。会議資料の最終ページは90ページとなっております。事前にお送りさせていただきました資料に乱丁、落丁等がございませんでしょうか。
 続きまして、利益相反の確認ですけれども、今回は特に報告すべき利益相反はございませんでした。その他、事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がございましたらこの場で御報告いただきたいと思います。
今回、通常のタブレット資料も事前にメールでお送りしております。届出書類等につきましては、こちらのタブレット資料より閲覧をお願いいたします。なお、会議資料とタブレット資料(参考資料)の内容は異なっておりますので、御発言される際は会議資料の何ページ、またはタブレット資料の何ページと、あらかじめ御発言いただけますと議事の進行上助かります。また、今回、オンラインでの開催ということで大変御不便をおかけしております。御発言される際に、画面の左下にミュートボタンというのがあると思いますけれども、こちらをクリックしていただいて、お名前を言っていただくと皆様に声が聞こえるようになりますので、そのような形で御発言いただければと思います。大変、御不便をおかけして申し訳ございません。その他、途中で何かトラブル等がございましたら、適宜、お知らせいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

○山口座長 
 ありがとうございました。何かございましたら御遠慮なく言ってください。では、議事に入りたいと思います。「申請医療機関からの報告」について、事務局から説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐 
 事務局でございます。お手元の資料1、15ページを御覧ください。こちらにつきましては以前より御報告させていただいていますけれども、国立がん研究センター中央病院からの報告で、告示番号旧B63「マルチプレックス遺伝子パネル検査」についての報告となります。申請医療機関からの報告に沿って御説明させていただきます。
 本件の経緯ですが、告示番号旧B63「マルチプレックス遺伝子パネル検査」に関して、協力医療機関である千葉大学医学部附属病院において、マル1・研究倫理審査委員会、IRBですけれども、こちらの審査内容に疑義があるということ。マル2・本人の家族が同意書を代筆している症例が認められたことが、国立がん研究センター中央病院の調査で明らかとなりました。
 その後、第83回及び第84回先進医療技術審査部会におきまして、主に記載してある3点について報告されました。1点目として、倫理審査については新規の試験にもかかわらず、他試験の変更申請で問題ないと研究担当者が誤認していたこと。2点目で、同意書の代筆については、千葉大学IRBで「同意書の記載に不備があった代筆事案であり、同意が取得できていないまま研究を開始した事案ではないため、重大性はないと認められる。」と判断されたこと。3点目で、再発防止策としてメーリングリストや研修等で周知を行うこと、ということでした。
 部会での審議後、千葉大学医学部附属病院に対して、本件は、研究者個人の問題ではなく、医療機関として適切に処理できなかったことも問題であり、同様の事例がないか確認し報告を行うこと。また、他の先進医療試験における不適切事案の再発防止を契機として、管理機能強化のための部署が設置されているにもかかわらず今回の事案が発生したということで、当該部署の役割の強化・見直しを行うこと。これらを受けまして、第89回先進医療技術審査部会において、研修の機会等を活用し、同意取得に関する教育及び院内の先進医療に係る手続の周知を行ったこと。さらに、先進医療の実施に対し病院長のガバナンスが効くよう関係規程の改正等を実施したことが報告されました。
 これらに対して、先進医療以前の問題として臨床試験の申請に関する考え方がおかしく、医学系指針に反するのではないか。他事案の対応中に再度不適切事案が起こったことに対する原因分析がなされていない。さらに、臨床研究中核病院である以上、しっかり同意取得の体制を整備すべき、との御意見を頂いております。このため、十分な原因分析を行った上で、再発防止策・同意書の取得体制について報告するよう求めておりました。
 このたび、外部委員を含む調査委員会を設置し、書類の閲覧のほか、関係者へのヒアリングを行い、原因分析と再発防止策の検討をした結果、令和2年3月になりますが、タブレット資料にございます報告書の提出がありましたので、こちらで御報告させていただきます。
 お手元の資料の16ページ下段の所にあります報告の概要ですが、(1)のIRBへの申請・審査方法について、遺伝子パネル検査を用いたクリニカルシーケンスに関する研究は、ここにお示ししている648、764、862の3種類あったところですが、いずれも研究の内容が異なっていました。これらにつきまして648と764は研究内容が異なるものの、648が764の研究に参加することを念頭に千葉大学単独の研究としてIRBの審査を受けたため、研究代表である京都大学のIRB審査で承認後に、京都大学を主たる研究機関とする多施設共同研究として764への変更申請が行われていました。
 一方、今回の先進医療に当たる862の研究ですが、当初、764の変更申請としてIRBで審査され、迅速審査・承認されていました。しかし、添付されていたのは京都大学の説明同意文書及び研究計画書のみであり、先進医療の説明同意文書及び研究計画書は添付されていなかったということでした。本件につきまして、研究者は科学的に変更前の764のほうが幅広く、また、862の研究内容が包含されているという認識であったと述べています。本先進医療に当たる862は、その後、国立がん研究センター中央病院の指摘により患者組入れ前に新規申請として再度審査され、承認されています。本事案につきまして、研究目的がクリニカルシーケンスの「データベース構築(764)」と「臨床的有用性の検証(862、907)」と相違があり、本来は別の研究であったとされています。
 また、17ページ、2番目の○にお進みいただくと、ゲノム解析臨床研究に関するIRBは、千葉大学附属病院ではなく千葉大学医学研究院のみに設置されていたところですが、当該IRB事務局に対しまして、研究者及び附属病院の事務部門からは先進医療Bとして新規に審査が必要であるとの指示はなく、審査書類も764の研究に共同研究先として国立がん研究センター中央病院が追加されるとしか読み取れないものであったことから、新規に実施される研究であることに気づくことは困難であったとのことです。IRB委員につきましても、先進医療の管理は病院で行っていると認識しており、「研究の意義やパネルの種類については注意して申請書を確認していなかった」とヒアリングで述べています。
 さらに、先進医療に係る提出書類の確認を行う「先進医療専門委員会」におきましては、先進医療届出書のみを確認しており、研究計画書等のIRB審査資料との突合が行われていなかったということです。本委員会につきましては廃止され、「臨床研究基盤整備推進・管理委員会」に業務を移管しています。
 17ページの下段から18ページですが、(2)の他事案対応中に更に不適切事案を発生させたことの原因分析及び再発防止策について、他の不適切事案の再発防止等の報告書については、臨床研究関連部門を統括する目的で設置されていた「臨床研究推進本部」に関係する事務部門(研究推進課及び医療サービス課)で作成していたものの、その後、「臨床研究推進本部」にて具体的な再発防止策の検討が行われておらず、臨床研究推進本部のもとで開催される「臨床研究推進本部全体会議」においても、本事案を議題として取り上げていなかったということです。
 また、再発防止策として、臨床試験の不正及び不適正事案について取り扱う委員会として「臨床研究基盤整備推進・管理委員会」を設置していましたが、新規研究の届出については把握しておらず、また、先進医療の新規届出については「先進医療専門委員会」及び「臨床研究推進本部」で管理することになっていましたが、こちらも事務部関係課は「臨床研究推進本部全体会議」に諮っておらず、再発防止策を遵守していなかったとのことです。
 18ページの中ほどにありますけれども、(3)の(1)及び(2)の原因分析を踏まえた再発防止策については、「臨床研究推進本部」での管理が機能を発揮できていなかったため、令和元年7月より先進医療の管理を「臨床研究基盤整備推進・管理委員会」で行うこととし、先進医療の届出等を行う事務部関係課に対する指揮命令系統を明確化した。また、従前、医学研究院のみに設置されていたゲノム解析臨床研究に関するIRBを附属病院に新設し、院内での管理を徹底することとしたということです。さらに、「医学研究院・附属病院合同倫理審査委員会事務局(窓口は臨床試験部)」を設置し、ゲノム解析研究臨床研究に限らず新規研究の申請窓口を一本化するとともに、今まで職員1名で対応していた従前の体制から組織としての対応を行うこととした。また、先進医療を研究者が申請した際には、受付から終了までの窓口を研究推進課が行うこととしたとのことです。
 (4)の説明同意文書の体制についてですが、同意文書については、本事案以外の不適切事案は認められませんでしたが、引き続き院内研修・周知を行い再発防止に努めることとしているとのことです。
 20ページにお進みいただき、3.今後の対応方針(案)ですが、研究者からの申請窓口を一元化し、従前、医学研究院にのみ設置されていたゲノム解析の臨床研究を担当する倫理審査委員会を附属病院にも設置し、また、先進医療であることが判別できるよう審査様式にチェック項目を加えるほか、研究計画書等を添付書類とすることとした。さらに、先進医療を受付から終了まで対応する担当課を定めたとのことです。また、臨床研究に関わる組織については、病院監査委員からも「様々な組織が存在し業務範囲や責任の所在が分かりにくい印象がある」との懸念を示されており、今後は組織体制の抜本的な見直しを検討することも必要と考えているということです。説明同意文書については、他の不適切事案は報告がなかったということですが、引き続き院内研修・周知をすることとしているということです。その他、追加で対応することがないかという点について、御審議いただければと思います。

○山口座長 
 ありがとうございました。本件につきまして何か御意見はございませんか。本件は論点が2つあって、1つは、同意の取得の不適切、それをきっかけに倫理審査がきちっと適切に行われていなかったことが発覚して、その2つの問題点がありました。今、御説明があったように、最初の同意の取得の問題につきましては個人の責任ではもちろんなくて、周知等が徹底していなかったということで、報告書を見ますとその対策を一生懸命やっているということです。過去の先進医療の事案を見ていただきましたが、幸いこのような事例はなかったと報告されていますので、一応、ある程度検討されたと思います。
 それから、後段のほうの医学研究倫理審査委員会というのが、これは病院でなくて医学研究院という大学院のほうにあり、そのために、そこではあまりきちっとした審査が行われていなかった。そういう認識が、そもそも倫理審査委員会のほうにあまりなかったということがあったので、病院長のもとできちっとガバナンスが効くように組織替えを行いたいということで、資料の19ページを御覧いただけますか。下のほうが変更前ですが、上のように一括してやるような形にしたという報告です。どなたか何か御意見はございませんか。千葉大学は臨床研究中核病院でもありますし、そもそもこういうことが起きてはいけないということです。臨床研究中核病院になるときに、きちっとした体制が取れるのだということを言っているわけですから、それができなかったというところに大きな問題があると思います。追加でこういうことはどうだとか何かございましたら、どうぞ。話しにくいですか。

○山本構成員 
 山本です。いいですか。

○山口座長 
 山本先生、どうぞ。

○山本構成員 
 倫理審査体制については分かるのですが、結局、これ、いくら委員会に整理してもマネジメントする所を一元化するというか、あるいは、恐らく大学ですので幾つか臨床研究の種類ごとに、マネジメントする部署は複数できている可能性もあると思いますが、そういう所がきちんとコーディネートされて動くことが一番重要だと思います。今、千葉大病院の臨床研究に関する体制を見ていると、どうも複数の臨床試験に関わる部署があるみたいなので、そちらについてもきちんとコーディネートするというか、特に今回のゲノムの試験というか、これは体外診断のバネル検査なのでちょっと介入は薄いですし、遺伝子解析ということで、いわゆる通常のお薬とか機器の介入試験と別扱いで動いてしまって、そういう意味で管理が甘くなった可能性もあると思います。どうしても大学病院なんかではシーズの種類ごとに管理する部署が変わってしまうことがあるので、ちょっとそこについても、恐らくこの19ページの変更後の体制で臨床試験部をちゃんと通すということで、一元的に管理するということをおっしゃっているのだと思いますが、今後も、これだけではなくて特定臨床研究あるいは先進医療Bとか、一段厳しい規制が掛かるものについてどこが見るのか。あるいはどういうふうに情報共有するのかというのを、院内で情報共有する体制をしっかり取っていただきたいと思いました。今回のこのことで、それが取れたということなのだろうと思いますけれども、一応、発言させていただきます。

○山口座長 
 ありがとうございました。ほかにございませんか。藤原先生、何か御発言はありますか。

○藤原構成員 
 私、関与なので。

○山口座長 
 そうですか。

○藤原構成員 
 この中央病院だったので、この件は黙っておきます。

○山口座長 
 失礼しました。

○上村構成員 
 上村ですけれども。

○山口座長 
 どうぞ。

○上村構成員 
 ちょっと確認なのですが、医学研究院のほうにあった医学研究院倫理審査委員会というのがもともとあって、そちらのほうでゲノム解析の臨床研究については審査をしていたけれども、今後は、新設して病院側に作った附属病院生命倫理審査委員会という所が、ゲノム解析の臨床研究を審査していくということでよろしいのですね。そうすると、今まであった医学研究院ですか、もともとあった医学研究院倫理審査委員会はなくなったということで、よろしいのですか。それとも継続しているのでしょうか。

○山口座長 
 これはどうでしょうか。

○上村構成員 
 病院側で作って、そっちでやりましょうという話になっていて、事務局等も統一したという話はよく分かるのですが、では、今までの委員会は廃止ということなのですか。それとも継続して、また別のものをそちらでは審査していくという枠なのですか。

○山口座長 
 19ページの医学研究倫理審査委員会が、なくなるのかどうかという御質問ですね。多分、残っているのではないでしょうか。

○医政局研究開発振興課長補佐 
 事務局でございます。そちらにつきましては、附属病院のほうに新設されたということで、大学院のほうにももともとの委員会は残るのですが、病院のほうにも新しく作ったという認識です。

○山口座長 
 先生、よろしいでしょうか。

○上村構成員 
 ゲノムに関しては病院側でやるということで、よろしいのですか。2つ似たような委員会がまだ継続していて、附属病院の委員会と医学研究院の委員会があり、今後、ゲノムは病院側に来るという扱いですか。

○山口座長 
 振り分けをどうするのかという問題ですよね、残るとしたら。

○上村構成員 
 研究者の視点で見たとき、では、どこに行けばいいのかというのが、ゲノム委員会という名前が付いていれば、ゲノムだからゲノム課に行けばいいのかなと、すぐ分かると思いますけれども、名前がゲノムという所ではなく、しかも病院側と医学研究院側と2つあって、この図を見てさっと分かるのかなと疑問に思いました。もともと附属病院は、当然、ゲノムを扱うような研究はよく行われているので理には適っているのでしょうけど、結局、医学研究院側にもともと委員会があった背景としては、必ずしも病院が関与する研究だけでなく、いろいろな基礎研究者であるとか、あるいは病院とあまり関係ないような、例えば看護系の先生方とかいろいろな人たちがいて、そちらはそちらで多分、一括してやられていた。そういう背景があったのだろうというのは想像していますし、今後、そういった医師以外の人たちも関わるようなゲノム研究はあると思いますが、それは今後は病院側で全部一括してやると、そういう住み分けをしたということでよろしいのですか。

○山口座長 
 そうですね、どうでしょう。

○医政局研究開発振興課長補佐 
 事務局でございます。詳細につきましては千葉大学に伺うこととさせていただきますが、恐らく両方にIRBがあって、先進医療のような臨床試験に関わるものについては附属病院のIRBで審査を行うものと認識しております。振り分けにつきましては、研究者が臨床試験部を通すことで適切に振り分けられるようになった、という形で認識しております。

○山口座長 
 よろしいですか。この19ページの下の図というのは必ずしも悪い図ではなくて、本来は病院が暴走しないように、大学院のほうで基礎の先生がチェックするという意味も含めて、別な所でやるというのは案外いい仕組みだと思いますけれども、今回、それが全く機能していなかったのだと思います。大学院の先生たちの認識がちょっと違っていたというところが問題だったので分けたのです。しかし、今先生がおっしゃったように振り分けがきちっと明確にされていなくて、提出するときにどっちに出したらいいのだという話にもなりますし、病院も医師だけでなく看護師とかいろいろな方が臨床試験に関わるわけですから、そういう人たちが検討に加わるとしたらどうなるのだということは、ちょっと疑問が残りますので、これは一度問い合わせていただいて明確にしたいと思います。よろしいでしょうか。ほかにございませんか。掛江先生、どうぞ。

○掛江構成員 
 見せていただいた資料だと、結局、研究者がどこに振り分けをするかを考えるのではなく、臨床試験部に全て出せば、臨床試験部のほうで病院の臨床試験部と研究推進課と医学研究院の研究推進課と協議をして、どこに振り分けるかを決めて指導してくださるというような資料に作業手順が読めたので、だとすると、最初に山本先生が御質問された点も、一応、この形で改善されたことを今回の資料で確認させていただいたという理解かなと私は思ったのですが、いかがでしょうか。私がもし誤解していたら訂正をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐 
 事務局でございます。先生に御指摘いただいたとおりで、臨床試験に関する窓口を一元化し、そこで臨床試験部が適切に振り分けられるようになったということでございます。ありがとうございます。

○山口座長 
 ほかにございませんか。

○佐藤構成員 
 佐藤です。よろしいでしょうか。

○山口座長 
 どうぞ。

○佐藤構成員 
 資料1で千葉大学から来ている報告書に、今のことが書いてあると思います。22ページの所で合同倫理審査委員会事務局を設置すると。研究者はそこに出せば、この合同倫理審査委員会事務局が振り分けてくれると書いてありましたので、研究者としてはあまり悩まずに、事務局のほうで振り分けてくれるのだと思いました。

○山口座長 
 ありがとうございました。ほかにございませんか。でも結局、この19ページの下の変更前の医学研究倫理審査委員会というのは残るわけですよね。そこは別の役割があるということでよろしいですね。ただ、臨床研究に関してはそちらで振り分けてやるというスタイルのようです。ほかにございませんか。それでは特にないようですので、続きまして、「試験実施計画の変更」について、事務局から説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐 
 事務局でございます。御説明いたします。今回、試験計画書の変更申請が6件提出されております。1件目ですが、資料2、43ページを御覧ください。こちらは慶應義塾大学病院からの申請で、告示番号9、腹腔鏡下センチネルリンパ節生検です。適応症は早期胃がんとなっています。
 御審議いただく主な変更内容につきましては、45ページを御覧ください。主な変更内容としましては、(1)研究計画書における「7.2臨床的仮説と登録数設定根拠」について登録期間および登録症例数に関する追記を行った。(2)本試験に係る統計解析計画に関する事項を実施計画書内に「13.統計学的事項」として追記を行ったとのことです。
 今回、変更申請を行う理由を記載していますけれども、本修正案では、症例登録期間の延長は行わず、登録終了予定日である2020年5月25日までに登録された症例数にて、統計解析による非劣性の評価を実施するとのことです。本試験の計画では、縮小手術群(A群)の無再発生存率を指標とし、閾値・期待値、統計学的設定値より、約100例の必要症例数を見積り、A群を100例登録するためには、組入れ基準を満たす症例を約200例登録する必要がある(過去の実績により、登録例の45%がA群になるため)という判断をしていました。それを踏まえまして、2019年12月時点における登録例170例の内訳を見てみますと、A群が126例、B群(定型手術群)20例となっており、A群の比率が大幅に多い状態となっています。仮に症例登録期間の延長を検討するためには、B群100例を目的とすることが考慮されますが、現在の比率を考慮しますと、予定の225例に達したとしても、B群100例には到底及ばないという結論となっています。さらに、想定よりA群の登録例が多いことにより、既にA群においてセンチネルリンパ節生検に基づく縮小手術群(A群)の安全性と有効性を示す検出力は十分な状態ということです。上記を踏まえまして、試験事務局といたしましては2020年6月以降、研究期間の延長は行わず、観察期間に入ることを提案させていただきたいと考えています、とのことでした。
 本変更内容につきまして、事前に先進医療申請時に御評価いただきました山口座長及び山中構成員に内容を御確認いただいております。事務局からは以上です。

○山口座長 
 ありがとうございました。本変更内容につきまして何か御意見はありませんか。当初の予定と違って縮小手術が普及し始めて、そちらのほうが割合としてすごく多くなってしまったということだと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、告示番号9の変更につきましては認めることといたします。続きまして、次の試験実施計画の変更につきまして、事務局から説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐 
 事務局でございます。資料3、47ページを御覧ください。こちらは東京大学医学部附属病院からの申請で、告示番号23、FOLFIRINOX療法となっています。適応症は胆道がん(切除が不能と判断されたもの又は術後に再発したものに限る。)となっています。
 御審議いただく主な変更内容につきまして、48ページを御覧ください。主な変更内容としましては、1)治療・検査スケジュールの見直しとして、追跡期間中のCTの施行間隔を、8週間から6か月ごとに延長。また、投与予定日の変更が許容される範囲(期間)を広げる。2)後発医薬品への切替えによる先進医療の費用変更、3)その他記載整備となっています。1)の主な変更理由ですが、治療が著効し、切除可能となるケースが複数生じることを想定していなかったためで、切除例では8週ごとのCT施行が過剰となるためとなっています。事務局から以上です。

○山口座長 
 ありがとうございました。本変更内容につきまして何か御意見はありませんか。48ページの所にありますように3つあります。2番目と3番目は特に問題ありませんが、1番目は予想よりも切除可能となるケースが効いたために出てきて、8週間ごとのCTはちょっとやり過ぎではないかということかと思います。いかがでしょうか。特にございませんか。それでは、告示番号23の変更につきましては認めることといたします。続きまして、次の試験実施計画の変更につきまして、事務局から説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐 
 事務局でございます。御説明いたします。資料4、49ページを御覧ください。こちらは群馬大学医学部附属病院からの申請で、告示番号27、重粒子線治療。適応症は肝細胞がん(初発のものであって、肝切除術、肝移植術、エタノールの局所注入、マイクロ波凝固法又はラジオ波焼灼療法による治療が困難であり、かつChild-Pugh分類による点数が七点未満のものに限る。)となっています。
 御審議いただく主な変更内容につきましては、50ページを御覧ください。主な変更内容ですが、1.臨床研究法(努力義務)に沿った追記や記載の整備。2.登録期間の延長、こちらは登録期間を4年間追加するとともに、解析期間を1年間追加するということです。3.使用機器の製造販売業者の変更となっています。
 今回、変更申請を行う主な理由ですが、本臨床研究は予定症例数130例のところ、研究期間4年で登録数が24例と当初の予定よりも遅延しているため、登録期間の延長を行うものです。その理由としては、50ページの一番下から51ページに記載がありますけれども、肝細胞がんにおいては臨床的に明確な切除不能の基準を設定することが困難で、このため手術に伴うリスクが高く積極的に切除を勧めないような症例であっても、厳密には切除不能とは言い切れないため適格外となってしまうことが多いということです。この点につきまして、今後、肝臓外科の協力のもと、一定のコンセンサスを得て本試験内における切除不能の判定基準をより明確に設定することで、科学性を十分に担保しつつ、登録促進と施設間の方針の統一を図る予定と記載があります。その他、参加施設が2施設追加される見込みであったり、また広報活動を強化するなどして、月平均2.5例のペースで登録を目指し、期間内の症例登録を目指すということです。事務局から以上です。

○山口座長 
 ありがとうございました。本変更内容につきまして何か御意見はありませんか。期間の延長ですけれども、51ページを御覧いただくと、この状況から見てこの4年間の延長でできるかどうかも、ちょっと今の状態では疑わしいという感じがします。4年間いいですよというよりは1年後とか、進捗状況はどうか、その後の見通しはどうかということを検証したうえで対策をもっと強化しないと、恐らく今のままでは到底不可能な状況かと思います。いかがでしょうか。何か御意見はございませんか。1年後ぐらいにもう一度報告いただいて、進捗がちゃんといくかどうかも確認したほうがいいと思います。ほかに何か追加の御意見はございませんか。よろしいでしょうか。幾つか対策も立てるようですので、それが実効性があるかどうか確認するということで、告示番号27につきましては認めることといたします。続きまして、次の試験実施計画の変更につきまして、事務局から説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐 
 事務局でございます。ただいま山口座長から頂きました御指摘点については医療機関のほうに伝えさせていただき、また1年を目処に御報告いただくようにいたします。
 続きまして、資料5、53ページを御覧ください。こちらは国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構QST病院からの申請で、告示番号29、ゲムシタビン静脈内投与及び重粒子線治療の併用療法です。適応症は膵臓がん(遠隔転移しておらず、かつ、TNM分類がT4のものに限る。)となっています。
 今回、御審議いただく主な変更内容につきましては54ページを御覧ください。主な変更内容ですが、1.のスクリーニング検査について、被験者負担軽減のため、同意取得前に自施設で実施した臨床検査も、これは28日以内ですが、許容範囲内であれば可とする。2.の新病変の定義について、PTV、これは計画標的体積ですが、PTV内以外に新たな病変が出現したもの(領域以外のリンパ節転移、他臓器への転移)を遠隔転移として定義するとしていたものを、今回、PTV外でも膵内あるいは領域リンパ節内の新たな病変は新病変と定義すると、定義を明記したということです。3.の局所増悪後のデータ収集について、局所増悪後は、画像検査の結果は収集せずとしていたものを、規定された検査スケジュールに従って継続して実施し、安全性確認、生存確認を治療24か月まで継続して収集するよう見直した。その他記載整備及び監査担当機関の変更となっています。事務局からは以上です。

○山口座長 
 ありがとうございました。本変更内容につきまして何か御意見はありませんか。よろしいですか。54ページの所にたくさん書いていますが、何か御意見、質問はございませんか。これも特にないようですので、告示番号29の変更についてはお認めすることといたします。続きまして、次の試験実施計画の変更につきまして、事務局から説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐 
事務局でございます。御説明いたします。資料6、55ページを御覧ください。こちらは横浜市立市民病院からの申請で、告示番号42、ニボルマブ静脈内投与及びドセタキセル静脈内投与の併用療法です。適応症は進行再発非小細胞肺がん(ステージがⅢB期、ⅢC期若しくはⅣ期又は術後に再発したものであって、化学療法が行われたものに限る。)となっています。
 御審議いただく主な変更内容につきましては、57ページを御覧ください。主な変更内容としては、被験者登録ペースが計画時より著しく不良の場合に、研究代表医師の判断で登録の早期終了を可能とするよう、試験計画書を変更するということです。本試験につきましては57ページにお示ししたとおりですが、症例集積が予定より遅れておりまして、その理由等は58ページに記載がありますけれども、特に近年の治療法の変更により、肺がんの1次治療として免疫チェックポイント阻害剤が使用されるようになったことで、代わりに本試験の対象ですけれども、2次治療以降が対象となる適格症例が減少したためとのことです。なお、早期に登録を終了した場合であっても、追跡期間は予定どおり2年、先進医療として実施予定とお聞きしています。

○山口座長 
 本変更内容につきまして何か御意見はございませんか。研究のスタート時点より状況がだいぶ変わってしまったということが大きいので、今後もなかなか難しそうな研究内容ですけれども、何か御意見はございませんか。よろしいでしょうか。それでは、特に御意見はないようですので、告示番号42の変更につきましてはお認めすることといたします。続きまして、次の試験実施計画の変更につきまして説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐 
事務局でございます。御説明いたします。資料7、59ページにお進みください。こちらも国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構QST病院からの申請で、告示番号45、重粒子線治療、適応症は直腸がん(術後に再発したものであって、骨盤内に限局するものに限る。)となっています。
 御審議いただく主な変更内容につきましては、60ページを御覧ください。今回の主な変更内容ですが、1.が登録期間の1年延長で、2020年2月現在の登録症例数が21例ということですけれども、5月31日までに目標症例数32例の登録が困難なためです。2.がスクリーニング検査で、被験者負担軽減のため、同意取得前に自施設で実施した臨床検査も可に変更とする。3.がスクリーニング検査の許容範囲を選択基準の記載(登録前28日以内)に合わせて修正する。4.が新病変の定義を明記する。5.が局所増悪後のデータ収集の見直しで、局所増悪後、規定された検査をスケジュールに従って継続して実施し、安全性確認、生存確認を治療24か月まで継続して収集する。その他記載整備、監査担当機関の変更となっています。事務局からは以上です。

○山口座長 
 ありがとうございました。本変更内容につきまして何か御意見はありませんか。予定症例数32例のところ、今まで21例まできていますが、もう1年延長したいということです。頑張ればいけそうだと思いますが、何か御意見はございませんか。特にないようですので、告示番号45の変更についてはお認めすることといたします。続きまして、「先進医療Bの取下げ」について、事務局から説明をお願いいたします。

○医政局研究開発振興課長補佐 
 事務局でございます。御説明いたします。資料8、63ページを御覧ください。今回、先進医療告示の取下げ申請が告示番号10、26、39及び46の4件ございました。
 取下げ理由につきまして、告示番号10については、2018年10月に登録が終了していて、2019年12月に実施した中間解析の結果、無効中止で試験の早期中止を決定したため、先進医療を取り下げるとのことです。先進医療の総括報告書は、引き続き追跡調査を行って、最終解析実施後に提出するということです。
 次の告示番号26につきましては、今後、試験を継続しても、研究期間内での症例集積は困難であることが予想されることから、研究実施計画書の中止基準にのっとり早期中止し、本先進医療技術取下げを申請するもので、総括報告書については、取下げ半年後を目途に提出いただく予定となっています。
 64ページにお進みいただき、告示番号39及び46の技術につきましては、いずれも目標症例数の登録完遂と試験治療・観察の終了による取下げとなっています。
 以上につきまして、特に御意見がなければ手続を進めさせていただきたいと思います。事務局からは以上です。

○山口座長 
 ありがとうございました。特に御意見はありませんか。それでは、手続を進めてください。続きまして、「先進医療合同会議の審議結果」につきまして、事務局から御説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐 
 事務局でございます。資料9、65ページを御覧ください。こちらは令和2年4月2日に行われた先進医療合同会議において、1件の先進医療B技術について審議が行われ、「適」の御評価を頂いております。65ページに記載している技術は治療抵抗性肺高血圧症患者に対する肺動脈自律神経叢除神経治療で、適応症は治療抵抗性肺高血圧症、申請医療機関は国立循環器病研究センターとなっています。審査の主担当は真田構成員、副担当は飛田構成員、佐藤構成員に御担当いただいて「適」の御評価を頂いております。ご評価を頂き、また先進医療合同会議に御出席いただいた構成員の先生方におかれましては、御協力いただきましてありがとうございました。事務局からは以上です。

○山口座長 
 ありがとうございました。よろしいでしょうか。特に何かございませんか。ないようですので、本日の議題は以上です。構成員の皆様、何か御意見、御質問はございませんか。これはやりにくいとかございませんでしょうか。

○掛江構成員 
 掛江です。よろしいですか。

○山口座長 
 掛江先生、どうぞ。

○掛江構成員 
 群馬大学の案件で今回の修正箇所ではない所ですが、告示番号27です。今回の変更箇所については承認で、もちろん全く異議はないですけれども、このプロトコルは20歳以上のブロトコルで、同意書に代諾者の署名欄があります。ちょっと違和感を覚えてプロトコルを確認させていただきましたら、これはタブレット資料になるのですかね、327ページ、17の3、同意の取得という記載箇所の中に患者本人(未成年者では親権者も含む)が試験参加に同意した場合はみたいなことが書いてあって、成人しか対象にしていないし、代諾が基本含まれていないプロトコルが、エントリークライテリアは本人の同意があるものと書いてあるので、代諾の可能性がないにもかかわらず、プロトコル上にそういった未成年者が含まれるような記載があったり、同意書に代諾の署名欄が大きく独立してあったりするところが非常に気になりました。最初の審査のときに恐らく指摘漏れがあったのではないかなと思っているのですが、そこは可能であれば併せて修正していただくことができないかと思っています。

○山口座長 
 貴重な御意見、ありがとうございます。早速、確認して併せて訂正するようにいたします。ありがとうございました。ほかにございませんか。それでは、次回の日程を事務局からお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐 
 事務局でございます。次回は令和2年6月11日(木)の開催とさせていただきます。時間は16時から18時までの予定で、場所につきましては別途御連絡させていただきます。また、本日の議事録につきましては作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後、公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。事務局から以上です。

○山口座長 
次回もこういうオンラインの会議になるのでしょうか。

○医政局研究開発振興課長補佐 
 状況を見ながらということになりますけれども、現段階では対面での開催を予定しています。

○山口座長 
 対面のほうがやりやすいですね。お忙しい方にはいいかもしれません。それでは、第99回先進医療技術審査部会を終了いたします。次回は100回になります。ありがとうございました。
 

 

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