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2019年11月13日 第91回先進医療技術審査部会

 
(了)


(1)日時:令和元年11月13日(水)16:00~16:50

(2)場所:厚生労働省 講堂

(3)出席者
山口座長、一色座長代理、天野構成員、石川構成員、伊藤(澄)構成員、伊藤(陽)構成員、佐藤構成員、真田構成員、柴田構成員、田島構成員、飛田構成員、松山構成員、山中構成員、川村技術専門委員

(事務局)
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 課長補佐
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 医療技術評価推進室長
保険局医療課 室長補佐
保険局医療課 先進・再生医療迅速評価専門官
保険局医療課 先進・再生医療迅速評価専門官
医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 課長補佐

議題

1.新規申請技術の評価結果について
2.試験実施計画の変更について
3.協力医療機関の追加について
4.先進医療の取下げについて
5.その他

議事録

○山口座長
 定刻となりましたので、第91回先進医療技術審査部会を始めさせていただきます。天候の不順な折、皆様、お集まりいただきましてありがとうございます。本日の構成員の出欠状況ですが、本日は、上村尚人構成員、掛江直子構成員、藤原康弘構成員、山本晴子構成員より御欠席の連絡を頂いております。また、後藤弘子構成員からも遅刻あるいは欠席のお返事を頂いております。ただいま、18名の構成員のうち、13名に出席していただいておりますので、本会議が成立していることを申し添えます。また、川村雅文技術専門委員に御出席いただいております。どうもありがとうございます。それでは、配布資料と本日の審査案件の確認を事務局からお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。よろしくお願いいたします。傍聴者の方の撮影はここまでとさせていただきます。御協力のほどよろしくお願い申し上げます。配布資料につきまして、確認させていただきます。議事次第から、座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術門委員名簿と続きます。続きまして、新規申請技術の評価結果について(資料1-1~1-5)、試験実施計画の変更について(資料2~7)、協力医療機関の追加について(資料8-1~8-2)、先進医療B試験の取下げについて(資料9)、臨床研究の円滑な推進に向けた取組について(資料10)、会議資料の最終ページは87ページとなっております。
 なお、先生方のお手元には、先進医療実施届等様式第10号別冊資料というA3版の資料をお配りしております。こちらは構成員及び事務局限りとさせて頂いております。本日の資料は以上でございます。乱丁、落丁等がございましたら事務局までお知らせください。
 続きまして、利益相反の御確認です。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業につきまして、事務局から事前に確認させて頂いております。今回、整理番号96の技術(国立がん研究センター東病院からの申請)について、一色座長代理、山中構成員より御報告がありましたが、いずれも50万円以下でしたので当該技技術の議事取りまとめ及び事前評価に加わることができます。事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がございましたら、この場で御報告をお願いいたします。

○柴田構成員
 整理番号96の技術については、私が所属している組織の支援部門が支援している研究です。

○医政局研究開発振興課長補佐
 ありがとうございます。では整理番号96の審議の際には、柴田先生には一時御退席頂くようになります。また、今回、タブレット資料を使用いたします。届出書類等につきましてはタブレットより閲覧をお願いいたします。なお、会議資料とタブレットの内容が異なっておりますので、発言者は会議資料の何ページ、またはタブレット資料何番の何ページと、あらかじめ御発言いただきますと議事の進行上助かります。以上でございます。

○山口座長
 ありがとうございました。では、議事に入りたいと思います。新規申請技術の評価結果につきまして、事務局より説明をお願いします。

(柴田構成員退席)

○医政局研究開発振興課長補佐
 御説明させていただきます。資1-1の15ページを御覧ください。先進医療Bとして新規に御評価いただく技術は、整理番号96、化学放射線療法後の術前後デュルバルマブ療法となります。申請医療機関は国立研究開発法人国立がん研究センター東病院です。審査担当の構成員は、主担当が山本構成員、副担当が佐藤構成員、飛田構成員、技術専門委員が川村委員となっております。
 資料1-5、35ページを御覧ください。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について御説明いたします。まず様式第9号です。実施責任医師の要件は、診療科の要件が呼吸器外科若しくは呼吸器内科です。資格は呼吸器外科専門医(指導医を含む)若しくはがん薬物療法専門医(指導医を含む)となっております。当該診療科の経験年数は10年以上が必要です。当該技術の経験年数の要件はありません。また、当該技術の経験症例数の要件もありません。その他(上記以外の要件)はございません。
 続いて、医療機関の要件です。診療科は呼吸器外科、呼吸器内科、放射線治療科若しくはそれらに相当する科です。実施診療科の医師数は、実施責任医師を含む実施者に呼吸器外科医師1名以上、呼吸器内科医師1名以上、放射線科医師1名以上となっております。その他医療従事者の配置は、薬剤師が必要となっております。病床数は300床以上、看護配置は10対1看護以上、当直体制は外科又は内科の医師1名以上、緊急手術の実施体制及び院内検査(24時間実施体制)が必要です。他の医療機関との連携体制、医療機器の保守管理体制は不要です。医療安全管理委員会の設置は必要となっております。医療機関としての当該技術の実施症例数の要件はありません。その他の要件として、頻回な実施報告なども不要で、ほかに要件はございません。なお、利益相反についての書類(様式第10号)につきましては、A3版の別冊資料も併せて御参照ください。以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。これらの要件につきまして何か御意見はございますか。特にないようですので、様式第9号、様式第10号についてお認めすることといたします。次に、技術の概要と実施体制の評価につきまして、主担当の山本構成員が本日は御欠席ですので、事務局より御説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。資料1-2の17ページに評価表がございますので、こちらに基づいて御説明いたします。本技術の概要ですが、肺尖部胸壁浸潤癌(SST)に対する術前化学放射線療法後の術前後デュルバルマブ療法及び手術不能例のデュルバルマブ維持療法の集学的治療の安全性と有効性を検証することを目的としております。現在の標準治療では、SSTの半数以上の患者において増悪が認められるということですが、SSTが稀少な疾患であるため、積極的な治療開発が行われてこなかったということです。本試験では、切除不能な局所進行非小細胞肺がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法として既に承認されているデュルバルマブを、SSTの術前後に追加することにより、治療成績の向上が期待されるものです。主要評価項目は3年生存割合、副次評価項目は3年無増悪生存割合等、お示ししたとおりとなっております。予定試験期間は登録期間4年、観察期間5年、解析期間1年の総研究期間10年、予定症例数は84例となっております。
 資料1-4の31ページになりますが、医療技術の概要図及び薬事承認申請までのロードマップがございます。SSTに対しまして、シスプラチン+S-1及び同時胸部放射線照射66Gyを行った後、デュルバルマブ2コース投与、この段階で切除可能症例については外科切除を行い、術後、さらに追加デュルバルマブを22コース投与いたします。また、切除不能例については外科切除を行わずに、追加デュルバルマブを22コース投与するデザインとなっております。
 ロードマップについては32ページにお示ししておりますが、本試験の後、関連学会からの要望等を踏まえて公知申請を検討する。また、公知に至らなければ新しいデザインの先進医療あるいは治験の追加を検討するということです。
 資料1-2の17ページにお戻りいただきまして、今回、山本先生よりいただいた実施体制の評価に移ります。1.実施責任医師等の体制、2.実施医療機関の体制、3.医療技術の有用性等について、いずれも適の御評価を頂いております。事務局からは以上となります。

○山口座長
 ありがとうございました。続きまして、技術専門委員の川村委員より、実施体制の評価につきまして御評価をお願いします。

○川村技術専門委員
 川村でございます。実施体制の評価でございますが、この施設、国立がんセンター東病院、中央病院、あるいは名古屋大学、九州大学、いずれも悪性腫瘍、肺がんの治療に関して人員もそろっている。そして、いろいろ検査をする等々の施設もそろっておりますし経験も十分ありますので、実施体制として特に問題はないと思います。

○山口座長
 ありがとうございました。続いて、副担当の佐藤構成員より、倫理的観点からの評価について御評価をお願いします。

○佐藤構成員
 資料1-2の18ページと資料1-3を併せて御覧いただきたいと思います。当初、説明文書は医師の説明の補助という位置付けだとの文言がございました。資料1-3の通し番号22ページの2番の所です。そうだといたしますと、文書だけ渡して、あとは読んでおいてくださいということがあり得ると思いましたので、その後の回答3という所で、きちんと説明すべきことは口頭で説明してくださいとお願いし、その旨ご対応いただけました。もう1つ、相談窓口については、当初、医師名が坪井先生等研究者の名前しか入っていなかったので、研究者以外の相談窓口体制をとってくださいとお願いし、それが回答2と回答3にございますが、最終的にその体制をとっていただけることが確認されましたので、倫理的な評価は適といたしました。以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。続いて、副担当の飛田構成員より、試験実施計画書等の評価について御評価をお願いします。

○飛田構成員
 よろしくお願いします。私のコメントは通し番号18ページ、19ページに記載しています。あと、資料1-3にあります。そこを御確認いただきたいのですが、この試験のデザイン自体はオーソドックスな閾値を設定した単群試験ですけれども、有効性の評価とか将来的に薬事承認のために懸念される点が幾つかありましたので、その点について研究者の先生方に照会させていただきました。
 その懸念される点というのが、1つは資料1-4の医療技術の概要図を見ていただければ分かりやすいと思います。今回の対象集団としては、登録されて化学放射線療法を行い、その後、術前デュルバルマブ療法を2コ-ス実施し、切除可能な患者さんに術後デュルバルマブ療法を行うことに加えて、現在の保険診療範囲内である手術切除不能例も含めてデュルバルマブ維持療法を行い、有効性・安全性を評価するということが、まず1つ懸念点です。
 それから、通常であれば術前と術後のデュルバルマブ療法を、それぞれ評価するのがシンプルな開発の方針ですが、本試験では術前・術後を同時に評価する計画である点と、さらに、化学放射線療法の放射線量が今の標準的45Gyではなく、現在実施中のCRESSST試験で評価中である66Gyと設定しており、本試験の中で現時点ではまだ十分に評価されていない複数の内容を同時に評価する計画となっています。また、目標症例数の設定で使用されている閾値については、もともと標準的な治療方法である化学放射線療法の線量が45Gyの過去の試験成績に基づいて設定されていますが、現在実施中のCRESSST試験の成績が本試験実施途中で得られた段階で閾値及びサンプルサイズを必要に応じて再設定する計画となっています。これらの点が本試験で有効性を評価、解釈する上で複雑になる恐れがあると思われましたので、その点について照会させていただいた回答が、資料1-3の照会事項1番から4番辺りで回答されています。
 回答の趣旨に関しては、今回の対象としているSSTという疾患自体が稀少であり、これまで手術可能例とか不可能例を分けた臨床試験は実施されていない旨が説明されています。また、あくまで現時点ではCRESSST試験の成績がまだ出ていませんが、効果の期待されるCRESSST試験の試験が得られた段階で閾値を設定し直し、サンプルサイズも適切に設定し直して実施する計画であることが、プロトコールの中に明記されましたので、評価表に関しては全て適と判断させていただきました。以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。では、1~16の総評につきまして、本日、御欠席の山本構成員に代わって事務局よりお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。川村先生より先ほどの追加のコメントを頂きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○川村技術専門委員
 全体の組織等々ですけれども、途中で終わってしまいました。今の飛田先生のお話でもありましたけれども、この試験の有用性の所で私も申し損ねましたので追加させていただきます。SSTというのは先生方にはあまり馴染みのない治療かと思いますが、肺がんの中でも肺の一番てっぺんですね。肺尖部にできた腫瘍がそのまま、いわゆる通常の気管支内に沿った肺門に向かうリンパの流れではなくて、外側に向けた肺の外側ですね、ですから第1肋骨あるいは上に走っている鎖骨下動静脈、あるいはその上にいる腕神経叢に向かって浸潤していくタイプの肺がんです。
ですから、外科的にはなかなか簡単に取るわけにいかないということがありますが、さらに通常のリンパの流れと違いますので、意外と、ここで対象にしようとしている縦隔とか肺門部のリンパ節に転移をせずに、直接胸壁にいってしまうためにリンパ節転移があまりないというのがあります。そうしますと、局所の治療を徹底的にやりますと治るケースが多々見られる。半分弱ですけれども治るケースがあるというのが、このSSTの特徴ですから、普通の肺がんを論じるのと別に扱わなければいけないということで、こういう疾患を特定し、今、こういう治療法をやろうとしているということです。
 一般の切除不能な非小細胞肺がんに対する最近の治療として、遠隔転移がんは別として、放射線化学療法を十分にやった後にICIですね、Immune Checkpoint Inhibitorを使うというのは、既に保険上も認められている確立した治療であるということなので、それをこの腫瘍に使えないかというのが着眼点だと思います。そうしますと、CRT(Chemo Radiation Therapy)に、ICI(Immune Checkpoint Inhibitor)を足すという治療の中で、どこにサージェリーを組み込むか。要するに局所の制御が非常に重要な腫瘍ですので、サージェリーをどこに組み込むかというところで、この治療としては2コース、ICIを入れたところでサージェリーを入れたいと、そういう立て付けになっていると理解していただければ分かりやすいかと思います。
 そこで今、御指摘にあった問題というのは、これまでのリサーチとしてはラジオセラピーの45Gyです。ただ、それをやった時代は、2000年ぐらいまでに行われた古い研究で45Gyですが、それが確立した数字として今はある。ただ、それでは不足であろうということで、あと66Gyというのは、もし肺門に掛かりますと肺にかなりダメージが掛かりますけれども、肺のてっぺんの腫瘍ですので66Gy掛かる所に、肺の重要な肺門部という所が、要するに肺門部がやられてしまいますと結構ひどい線維化が起こりますけれども、そこが外せるというところで手術も可能であろうというので、66GyというのはCRESSST試験として現在進行中です。
 ただ、進行中という言葉はややこしいですが、手術実施までは全部終わっていて、その後の3年の経過を観察中で、あと2年で結果が出るということですから、66Gyを化学放射線療法としてやった後の手術までの安全性というところは既に見終わっている。だから、この治療を66Gyでやっても大丈夫で安全性に関しては担保されていると。あとは、その3年生存率というところがこれから出てきますので、それを見ないと、最終的な統計学的処理ができないのですが、待っていられないのでしょうか。それでスタートするということなので、途中で数字に関しては見直しをしたいという話です。
 確かに外科の場合には手術症例数がSSTは非常に少ないので、症例集積に4、5年かかってしまう。一応、今は4年と書いてありますけれども、もう少しかかるかもしれない。その後、3年経過を見なければいけないので、8年先を見越した立て付けということから考えると、CRESSSTの結果を待てないというところもございまして、このような形になったのではないか。私は当事者ではありませんけれども、おもんばかるわけでございます。以上です。

○山口座長
 川村先生、非常に分かりやすい御説明をありがとうございました。それでは、山本構成員の評価をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。資料1-2の19ページの中段を御覧ください。山本先生から頂いております総合評価は適の御評価を頂いております。コメントといたしましては、SSTを含む非小細胞肺がんの手術切除不能例に対する化学放射線療法+デュルバルマブ療法は保険診療の範囲であるために、評価委員の中でこの症例群を試験中止として扱わず、全体で有効性を評価する試験デザインが適切かどうかという議論があり、申請者には説明を求めました。最終的に、対象となる患者群が非常に稀少であり、そのため治療ごとに分けて臨床試験を実施するのが困難なこと、また、現在実施中の臨床試験の結果によって閾値の変更の可能性もあることが計画書に明記されたことなどを勘案し、総合評価を適としたとのことです。以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。それでは、御討議をお願いします。

○天野構成員
 御説明ありがとうございました。細かい所になりますが、タブレット資料の中の資料についてお尋ねしたいと思います。ページ数で言うと患者説明文書の部分に該当しますが、341ページの記載について確認させていただきたいと思います。この部分でプライバシーの保護についてということで、この臨床試験に参加すると個人情報と診療情報に関する記録の一部は、当院のほうからJCOGデータセンターに保管されます。
 JCOGデータセンターでは、これら記録を基にこの臨床試験に参加された患者さんの治験や検査が適切に実施されているかどうかのチェック、モニタリングを行います。診療期間中の情報のやり取りの際には、あなたの以下の情報を使用しますということで、項目がそれぞれの施設ごとに選択できるように書かれているかと思います。例えば、イニシャル若しくはイニシャルの代わりに一律にXXという符号を振るとか、生年月日若しくは生年月日の代わりとして生年月まで使用するとか、あと診療録の番号若しくは診療録番号の代わりとして登録ID番号を振るとか、幾つかの組合せが施設ごとに選べるという立て付けになっているものと理解しますが、組合せによっては個人情報保護の観点から、ある程度参加されている患者さんが特定できる可能性が上がるような気もします。これは専門の先生の御意見を伺いたいのですが、こういった取扱いというのは一般的に許容されるものなのかについて教えていただければと思います。

○山口座長
 どなたか、御意見はありますか。1つは、研究の遂行上、そういう情報がどうしても必要なのでしょうね、念のために。

○医政局研究開発振興課長補佐
 御指摘いただいた点については、必要なのかという点も含めて研究者に確認するようにいたします。

○山口座長
 必要性がない情報はできるだけ限定したほうがいいということかと思います。天野先生から御指摘がありましたので、一度、問い合わせて、なぜこういう情報が必要か、もう少し減らせないかということについて、その辺りは問い合わせたいと思います。よろしいでしょうか。ほかにございませんか。川村先生、せっかくお出でいただいていますので、非常に稀な腫瘍ということですけれども、肺がんで何パーセントぐらい、おおよそあるものでしょうか。

○川村技術専門委員
 内科のデータはないのですが、手術例で申しますと年間で0.3%とか0.2%ぐらい、肺がんの切除が我が国で年間4万件ぐらい行われていますので、全国で100例あるかなというぐらいだと思います。

○山口座長
 ありがとうございました。

○山中構成員
 山中です。出口に関して確認させていただきたいのですが、資料の33ページに免疫チェックポイント阻害薬を使った今後の適用拡大の方向性が書かれています。真ん中のAEGEAN試験と、今回のDEEP OCEAN試験では、両方共に術前及び術後で補助療法をやっていますけれども、AEGEANとDEEP OCEANは用量も違いますし投与回数も違います。そもそもAEGEANは前にケモ・ラジが入っているので全く違うのではないかと思いますので、DEEP OCEANはAEGEAN の用法・用量とは別に、DEEP OCEANの結果単独で公知申請を考えることになると思います。海外で同様の試験は走っていないですし、海外で全くデータがないと思うので公知にはなりにくいのではないかと思います。その場合、公知になれなかったら別の試験デザインを考えるとポンチ絵というか、シェーマに書いてありますけれども、ただ、稀少疾患ですので再度の試験も行えないでしょうから、出口としてどのように考えておられるのか御質問させていただければと思います。その辺は何か話し合っていますでしょうか。

○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。我々としましては、こちらにいただいたロードマップに書いてあるとおりの出口ということで、本試験が終わる頃、実際、このデュルバルマブは2026年5月に再審査が終わりますので、それを待ってということにはなりますが、その後に学会等からの要望を踏まえて公知申請を主に考えているとお聞きしているところです。

○飛田構成員
 ちょっとこれ、どこに記載していたかすぐに見当たらないので、川村先生にも少しお伺いしたほうがいいのかなと思っていますけれども、このSSTのエビデンスというのは非小細胞肺がんのエビデンスを、結構、そのまま流用して診療に使っているという話とか、そういうことが確かプロトコールのどこかに記載されていたことを考えると、このSSTだけでエビデンスを構築して公知申請というか、次の試験ということを考えるよりは、非小細胞肺がんのエビデンスにくっついた形でということを少し想定しているのかなと考えたのですけれども。

○山中構成員
 ただ、用法・用量が全然違うので、ややこしい話になるのではないかと思うのです。以前ですと、海外でデータが全然なく、今後もデータが出る見込みはないけれども、取りあえず先進医療Bをやる上で将来の公知申請を目指すという立て付けで、もし公知が認められなかった場合は別の試験デザインで試験を実施すると、シェーマに書いていました。最初から完全に公知申請は見込みがないとは思わないですが、結構厳しいのではないか。少なくとも厳しい可能性はあって、その場合に出口としてどういうことを考えているのかは、この技術部会でも聞いておいたほうがいいのではないかと思います。この研究はメーカーから資金援助されている試験だと思いますが、試験をやるのが目的ではないと思うので、出口に関してはもう少し追加でコメントを頂いたほうがいいのではないかと思います。公知申請はちょっと難しいのではないかという質問に対して、公知申請はする予定ですみたいな禅問答ではなく、回答を頂ければと思います。

○山口座長
 ありがとうございました。一応、コメントを求めることとして、公知申請は必ずしもできないのではないかという意見が出たので、それに対する説明をしてほしいということは問い合わせてみたいと思います。ほかにございませんか。
 稀少疾患はなかなかデザインが難しかったのではないかと思いますが、それでは、一応、これはお認めすることとして、今、御質問がありました点につきましてはコメントを頂くという形で、よろしいですか。では、整理番号96につきましては適ということにいたします。ただし、コメントを頂くということにしたいと思います。それから、天野先生から頂きましたことについてもお答えいただくということで、この次、回答したときに御報告していただくことにしたいと思います。続きまして、試験実施計画の変更につきまして事務局から説明をお願いします。

(柴田構成員着席)

○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。資料2の37ページを御覧ください。静岡県立静岡がんセンターからの申請で、告示番号26、術前のS-1内服投与、シスプラチン静脈内投与及びトラスツヅマブ静脈内投与の併用療法です。適応証は、切除が可能な高度リンパ節転移を伴う胃がん(HER2が陽性のものに限る)となっております。御審議いただく主な内容について、40ページを御覧ください。
 こちらの変更申請については、先月の第89回の先進医療技術審査部会で一度御審議いただきまして追加の説明を求められていたものです。症例集積が不調ということで、適格規準の変更を含む変更申請を頂いておりましたが、今回の変更の妥当性に関する臨床的な側面からの説明の補足、また登録症例数が現状の年5例程度から50例程度に増えると試算した根拠の説明を求めておりました。こちらについては資料2の37ページ以降に御回答を頂いております。
 研究グループで行った検討の結果、今回の短径9mm以上、あるいは長径12mm以上の陽性的中率が82.5%であり、診断精度としては十分であると判断されている点については、前回も御報告しているところです。
 リンパ節転移陽性胃がんに対する現在の標準治療については、手術+術後補助化学療法でありまして、本試験の対象症例のリンパ節転移については、当初、短径15mmと厳しくする必要があったところ、近年の治療開発が術前化学療法にシフトしており、海外試験の現状を踏まえても3期胃がんに対する標準治療が術前治療となる可能性は高く、本試験の対象となる短径9mm以上、あるいは長径12mm以上の症例に対して、術前化学療法を行うことのデメリットは少ないと考える、とのことでした。
 また、登録症例数の見込みについては、現在行われている局所進行胃がんに対するほか試験への登録状況が月10例程度ということで、胃がんのHER2陽性率が15~20%と見込まれていることや、ほか試験に比べて本試験のIC取得率が高いことが期待されるということから、HER2陽性例を対象とした本試験を登録するとして月3例程度の登録は可能と考えているということでした。
 今後の登録状況については、研究グループ内でも進捗管理を行っていただくとともに、今回の変更にかかわらず、登録ペースが月2例を下回るようであれば、倫理的な側面も考慮し、試験の中止を検討する、また、本変更申請承認後半年をめどに、登録状況を本部会に御報告いただくようにお願いしております。以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。この内容について何か御意見はありますか。ポイントは2つあって、適格規準の変更が妥当かどうかをもう少し詳しく説明しなさいということと、この計画ではなかなか年50件が登録できるかどうか、非常に疑問であるということに対してお答えいただいているのが、37、38ページの所かと思います。
 適格基準については縷々書いてありますが、一応はデメリットは少ないという結論です。登録の症例の見込みについては、最後のほうに、本試験では開始時点で十分な検討を行ったにもかかわらずできていないので、予想以上に悪い場合もあり得るので、中間で解析して、余りに登録が下回るようであれば中止も検討したいと回答されています。前回の議論のときにも、中止を一定期間後に検討したほうがいいではないかという御指摘がありましたので、本人たちも危機感を十分持っているように今読み取ったと思いますが、何か御意見ありませんか。よろしいですか。それでは告示番号26の変更については認めることとします。
 続きまして、次の試験実施計画の変更について、事務局から説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。資料3の43ページを御覧ください。慶應義塾大学病院からの申請で、告示番号51、水素ガス吸入療法です。適応症は心停止後症候群(院外における心停止後に院外又は救急外来において自己心拍が再開し、かつ、心原性心停止が推定されるものに限る)となっております。
 御審議いただく変更内容については、44ページの中ほどを御覧ください。今回の主な変更内容については、1研究期間4年、登録期間は3年、それぞれ延長。2中間解析における有効性の検討を追加する。3実施体制の変更となっております。
 今回の変更申請の理由は、1期間の延長について、当初計画では月10例程度の登録を見込んでいたところ、実際には月0~4例程度となっており、理由としては、手続き遅延やマンパワーの不足等が挙げられておりました。今後参加施設を増やすなどして、症例集積を促進するとのことでした。
 また、2の中間解析における有効性の検討追加について、今回の延長によって研究が長期に渡ることになり、中間解析において、独立データモニタリング委員会による安全性の評価に加え、有効性の評価を追加することにしたとのことです。有効性の評価を行うことにより、n数の再検討を含めた研究の中止・継続の勧告を受けることが可能となり、研究の倫理的な質を考慮することができると考えたとのことでした。以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。この変更内容について何かありますか。

○柴田構成員
 変更の方針自体は異存ないのですが、中間解析の方法と、最終的な解析の方法との間に整合性が取れていない部分がありまして、通常、このようなやり方をしますと、最終解析の結果が検証的な結果だとみなしてもらえなくなる可能性があります。具体的に細かく詰めていくことで、その不整合を解消できる余地はあると思いますし、今すぐ中間解析が行われるわけではないので、今回のところはこのままお認めしていいのではないかと思っていますが、中間解析のやり方が本当にこれで良いのか、一応確認していただいたほうがよいのではないかと考えます。

○山口座長
 貴重な御指摘ありがとうございました。ほかにありませんか。それでは、一応お認めすることとして、今、柴田先生から出していただいたコメントを向こうに伝えておくということでよろしいですか。それでは告示番号51の変更について認めることとします。続きまして、次の試験実施計画の変更について、事務局からお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。資料4の47ページを御覧ください。関西医科大学附属病院からの申請で、告示番号54、S-1内服投与並びにパクリタキセル静脈内及び腹腔内投与の併用療法です。適応症は、初回治療予定の他臓器に遠隔転移のない腹膜転移を伴う膵がんとなっております。今回御審議いただく主な変更内容については、48ページ以降を御覧ください。
 主な変更内容としては、1、試験期間の1年の延長、2、記載整備となっております。変更申請の理由としては、58ページに記載があります。今回の試験は、資金不足により被験者登録が遅れたことに伴う試験期間の延長及び臨床研究法の完全移行に伴う記載整備のためとなっております。
 記載整備について、詳細な変更内容について48ページ以降に記載しておりますが、多くが研究協力機関を追加するに当たり、研究者の間で意図が正しく伝わることを目的として変更されたもので、今回の変更によって対象とする患者や試験治療のプロトコール等が先進医療承認時と異なる可能性はなく、最終的な統計解析にも影響を及ぼさないことは確認していただいております。以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。本変更内容について何か御意見はありますか。これはまだスタートしていないのですよね。それでいろいろ見直して、細かいところが48ページからあるように、丁寧に直していただいている状況です。特に試験の内容が変わるという変更ではないということでよろしいですか。何か御意見、御質問はありませんか。それでは、告示番号54の変更については認めることとします。続きまして、次の試験実施計画の変更について、事務局からお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐
 資料5の59ページを御覧ください。九州大学病院からの申請で、告示番号58、シクロホスファミド静脈内投与及び自家末梢血幹細胞移植術の併用療法です。適応症は、全身性強皮症(ステロイド又は少なくとも1種類のステロイド以外の免疫抑制剤に抵抗性を有するものに限る)となっております。御審議いただく主な変更内容については、60ページを御覧ください。
また様式10号については、A3の別冊を御参照ください。今回の主な変更内容としては、1)再生医療等安全確保法の改正対応による関係書類への記載整備等、2)研究グループの多施設化への対応に伴う記載整備、となっております。以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。この変更内容について何か御意見はありませんか。60ページにあるように、法改正に伴った場合の変更ということですが、よろしいですか。それでは、告示番号58の変更については認めることとします。次の試験実施計画の変更について、事務局から説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐
 資料6の61ページを御覧ください。東京大学医学附属病院からの申請で、告示番号68、切除支援のためのマイクロコイル併用気管支鏡下肺マッピング法です。適応症は、微小肺病変(肺悪性腫瘍が疑われ、または診断のついた定型的な肺葉間以外の切離性の設定が必要なものであり、かつ術中に同定することが困難と予測され、切除マージンの確保に注意を要するものに限る。)、となっております。御審議いただく主な変更内容については62ページを御覧ください。
 今回の主な変更内容としては、1)実施期間の半年間の延長、及び2)記載整備となっております。先進医療開始が当初予定より2か月遅れたことにより対応するもので、今回の延長により予定症例数の登録は期間内に可能になる見込みとのことでした。以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。何か御意見はありますか。4月中にはできると見込んでいますが、念のため6か月延長ということかと思います。グラフを見ると達成は十分可能かと思いますが、いかがですか。よろしいですか。特になければ、告示番号68の変更について認めるとします。次の試験実施計画の変更について、事務局から説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐
 資料7の65ページを御覧ください。医療法人沖縄徳洲会湘南鎌倉総合病院からの申請で、告示番号71、自家末消血CD34陽性細胞移植による下肢血管再生療法(下肢閉塞性動脈硬化症(疼痛又は潰瘍を伴う重症虚血を呈するものであって、維持透析治療を行っているものに限る))です。適応症は、維持透析治療中の疼痛・潰瘍を伴う重症虚血を呈する下肢閉塞性動脈硬化症となっております。今回御審議いただく主な変更内容については、66ページを御覧ください。また様式10号については、A3の別冊資料を御参照ください。
 今回の主な変更内容については、再生法改正省令への対応、グラン添付文書情報更新及びコラテジェン薬価基準収載対応による除外規準への追記、症例報告書作成期間の延長となっております。以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。本変更内容について何か御意見はありますか。これも再生法改正への対応ということかと思いますが、いかがですか。特にこれも御意見がないようですので、告示番号71の変更については認めることとします。続きまして、協力医療機関の追加について、事務局から御説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局です。資料8-1の67ページを御覧ください。今回、告示番号34及び告示番号54の技術について、協力医療機関の追加申請がありました。資料8-2、69ページ及び70ページを御覧ください。事務局において、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件、様式第9号が満たしていることを確認しております。協力医療機関の追加として御承認いただきたく存じます。特に御意見がなければ手続を進めさせていただきます。以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。続きまして、先進医療B及び協力医療機関の取下げについて、事務局から御説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐
 資料9の71ページを御覧ください。今回協力医療機関の取下げ申請が、告示番号1の1件ありました。取下げ理由としては、本試験における症例組入期間が終了したためとのことです。特に御意見がなければ手続を進めさせていただきます。以上です。

○山口座長
 次に臨床研究の円滑な推進に向けた取組について、事務局から御説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐
 御説明いたします。資料10の73ページを御覧ください。こちらについては、先日11月7日の先進医療会議にて報告され承認されたもので、本部会への御報告となっております。
 1、認定臨床研究審査委員会で承認された臨床研究に係る先進医療Bの審査迅速化に向けた取組についてということで、第75回先進医療会議(令和元年7月4日開催)において御承認いただいた認定臨床研究審査委員会(CRB)で認められた臨床研究に係る先進医療Bの審査迅速化につきまして、関係通知を改正し、令和元年11月1日より適用することといたしました。
本取組は、以下の1に定める医療機関が、2に定めるCRBで承認された臨床研究を先進医療Bとして申請した場合に、先進医療会議と先進医療技術審査部会の合同開催を行うこととするものです。
令和元年11月1日の時点で、本審査迅速化の対象となるCRBは下記にお示ししたとおりです。今後、厚生労働省の先進医療のホームページ内にて公開する予定です。
 なお、74ページ上段に記載しておりますが、今回の審査迅速化の対象となる場合であっても、事前評価担当者が「先進医療技術審査部会で継続審議」となる可能性が高いと判断し、合同会議座長の了承を得られた場合には、審査の効率化の観点から通常の審査を行うこと。また、本取組については、令和3年度をめどに、審査短縮期間や審査件数等の実績を踏まえて、審査方法の見直しについて検討することとしております。なお、臨床研究中核病院に設置されたCRBであっても、「適」となった先進医療Bの審査実績がない又は医療法の規定に基づき行う立入検査での指摘事項に適切に対応できていない状況等の場合には、本対象から除外することについて検討するとしており、本部会及び先進医療会議でも以前お認めいただいたところです。
 2については、保険適用済みの医薬品を用いた臨床研究について、先進医療会議で議論された内容ですので、本部会での報告は割愛させていただきます。以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。本件について、何か御意見はありますか。私から1つだけ、立入検査で適切に対応できていない場合は、今後対象から除外することについて検討するというのは除外するわけではなくて、除外するかどうかを検討するという段階なのですか。

○保険局医療課専門官
 事務局です。先生の御指摘のとおり、そういった観点も踏まえて、除外するかどうかを検討していただくというふうに考えております。

○山口座長
 先進医療ばかりではなく、ときどき中核病院でも同意書が取れていなかったりいろいろなことがあったりして、まだ出来上がったばかりの仕組みなので、その辺りは厳しくやらないと駄目ではないかと思ってお聞きしました。ほかにありませんか。よろしいですか。
 それでは、本日の議題は以上です。構成員の皆様も何か御意見、御質問はありませんか。ないようでしたら、次回の日程を事務局からお願いします。

○医政局研究開発振興課長補佐
 事務局より構成員の先生方に1点だけお願いがあります。先月も御案内させていただいたのですが、次年度の日程調整について先生方にメールをさせていただいておりますので、御多忙のところ大変恐縮ですが御回答いただきますようお願い申し上げます。既に御回答を頂いている先生につきましては、行き違いの連絡となり大変申し訳ありません。再度の連絡は不要となっております。次回の日程は12月12日(木)16時~18時までの予定で、場所については別途連絡させていただきます。本日の議事録については作成次第先生方に御確認をお願いし、その後、公開させていただきますので、よろしくお願いします。以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。それでは第91回先進医療技術審査部会を終了します。どうも御協力ありがとうございました。

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