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2018年4月20日 第70回先進医療技術審査部会

(了)


(1)日時:平成30年4月20日(金)16:00~16:50

(2)場所:TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール14B

(3)出席者
山口座長、一色座長代理、石川構成員、伊藤構成員、松山構成員、柴田構成員、関原構成員、手良向構成員、田島構成員、藤原構成員、山中構成員、上村構成員

(事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 企画官
保険局医療課 先進・再生医療迅速評価専門官
保険局医療課 課長補佐
医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 課長補佐

議題
1.新規申請技術の評価結果について
2.試験実施計画の変更について
3.協力医療機関の追加について
4.先進医療Bに係る継続審議案件の申請の取り下げについて
5.先進医療通知の改正とその運用について(案)
6.その他

議事録
○山口座長 それでは、定刻となりましたので、第70回「先進医療技術審査部会」を始めさせていただきたいと思います。
 御多忙のところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、掛江構成員、真田構成員、大門構成員、田代構成員、山本構成員より御欠席の御連絡をいただいております。石川構成員がおくれているようですが、17名の構成員のうち現時点で既に11名お集まりいただいておりますので、本会議は成立していることを申し添えます。
 それでは、事務局に交代があったということで、御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 事務局でございます。4月1日付で事務局員の異動がありましたので、御紹介いたします。
 まず、保険局医療課長補佐、大島和輝です。
 保険局医療課先進・再生医療開発戦略専門官、横川文彬です。
 続いて、医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長補佐、若園知尊です。
 続いて、本日欠席ですが、医政局研究開発振興課治験推進室長、吉田淳です。
 また、先進医療係長、永井かおりです。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○山口座長 それでは、配付資料と本日の審査案件の確認をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 よろしくお願いいたします。
 傍聴の方の撮影はここまでとさせていただきます。御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 では、配付資料につきまして確認させていただきます。
 議事次第から座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続きます。
 次に【新規申請技術の評価結果について】資料1-1~1-5。
 【試験実施計画の変更について】資料2。
 【協力医療機関の追加について】資料3-1、3-2。
 【継続審議案件の申請の取り下げについて】資料4。
 【先進医療通知の改正とその運用について(案)】資料5。
 会議資料の最終ページは84ページとなります。
 本資料につきましては、会議終了後、厚生労働省ホームページにて閲覧可能となりますことを申し添えさせていただきます。
 本日の資料は以上でございます。乱丁・落丁等ございましたら、事務局までお知らせください。
 続きまして、利益相反の御確認です。申請医療機関との関係や、対象となる医薬品・医療機器及び再生医療等製品の企業等について、資料1-1、15ページに記載しております申請医療機関、医薬品・医療機器・再生医療等製品情報をごらんください。
 申請医療機関との関係、対象となる企業または競合企業につきまして、事務局から事前確認をさせていただいております。今回、整理番号85の技術(東京大学医学部附属病院)につきまして、手良向構成員、山中構成員より御報告がございましたが、50万円以下でしたので、当該技術の議事のとりまとめ及び事前評価に加わることができます。
 事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がございましたら、この場で御報告をお願いいたします。
 該当なしということで承知いたしました。
 また、今回もタブレットを使用いたします。届出書類等につきましては、タブレットより閲覧をお願いいたします。なお、会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は会議資料の何ページ、またはタブレット資料何番の何ページと、あらかじめ御発言をいただけますと議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○山口座長 ありがとうございました。
 議事に入る前に、先ほど11名と申し上げましたけれども、藤原構成員もおくれられているようですので、正確には10名ということで訂正させていただきます。10名でも開催の要件は満たしておりますので、問題ないと思います。
 それでは、議事に入りたいと思います。「新規申請技術の評価結果について」、事務局から御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 御説明させていただきます。では、資料1-1、15ページをごらんください。今回、先進医療Bとして新規に御評価いただく技術は、整理番号85「遺伝子パネル検査(Todai OncoPanel)」です。
 申請医療機関は、東京大学医学部附属病院です。
 審査担当構成員は、主担当が伊藤構成員、副担当は掛江構成員、手良向構成員。以上となっております。
 資料1-5、43ページをごらんください。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より御説明いたします。
 まず「実施責任医師の要件」として、診療科の要件が、悪性腫瘍に対する診療を行う診療科としてございます。
 資格は、腫瘍関連学会(日本がん治療認定医機構、日本消化器外科学会、日本小児血液・がん学会、日本婦人科腫瘍学会、日本内科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本家族性腫瘍学会等)の認定医または専門医としてございます。
 次に、当該診療科の経験年数は、10年以上。
 当該技術の経験年数が、1年以上。
 当該技術の経験症例数は、実施者として10例以上が必要でございます。
 その他の要件として、実施責任医師は、エキスパートパネルの構成メンバーであることを必須とするということです。
 次に「医療機関の要件」です。
 診療科の要件は、悪性腫瘍に対する診療を行う診療科です。
 実施診療科の医師数は、がんゲノム医療にかかわる医師1名以上が必要です。
 他診療科の医師数は、がん診療にかかわる病理医が1名以上必要です。
 その他医療従事者の配置は、薬剤師が必要です。
 病床数は、200床以上必要です。
 看護配置の要件はございません。
 当直体制は、1人以上の医師が必要です。
 緊急手術の実施体制は、必要。
 院内検査は、24時間実施体制が必要。
 他の医療機関との連携体制は、不要としてございますが、連携の具体的内容として、試験そのもので緊急手術を要することはないが、本試験結果をもとにした治療において救急対応を要する事態が生じうるため、しかるべき対応をとることが必須であり、実施施設において緊急対応体制がない場合は、連携をとれる体制が必要ということでございます。
 医療機器の保守管理体制は、必要。
 倫理審査委員会による審査体制は、2カ月に1回以上の開催が条件です。
 医療安全管理委員会の設置が必要。
 医療機関としての当該技術の実施症例数は、要件ございません。
 その他の要件として、遺伝性腫瘍に対する遺伝カウンセリングの実施体制が必要である。患者説明、同意取得、結果開示などについて、適切な手順を定めること。厚生労働大臣が指定するがん診療連携拠点病院等または小児がん拠点病院であること。今後、協力医療機関追加の際には、厚生労働大臣が指定するがんゲノム中核拠点病院またはがんゲノム医療連携病院の指定を受けていることとございます。
 その他の要件はございません。
 以上です。
○山口座長 ありがとうございました。これらの要件について、何か御意見ありますか。
 では、特にございませんようですので、様式9号についてはお認めすることといたします。
 次に、主担当の伊藤構成員より、概要の説明と実施体制の評価について、御説明をお願いいたします。
○伊藤構成員 この技術は、2月に評価されました国立がんセンターの中央病院から提出された、個別化医療に向けたマルチプレックス遺伝子パネル検査にほぼ近い技術だと思って評価させていただきました。悪性腫瘍、がんや肉腫と診断されて治癒切除が不能、または再発の状況で、標準治療後の患者さんを対象にした、Todai OncoPanelと名前のついたがん遺伝子パネル検査ですけれども、その臨床性能を評価することを目的とした単群の試験です。
 Todai OncoPanelというのは、タブレットをごらんいただきますと、19ページにあるのですが、465遺伝子のDNAの変異・増幅及び467遺伝子のRNAを検出するというパネルです。これらの遺伝子のシークエンス検査結果を独自に開発したT-CanBaseというゲノム医療知識データベースに照合し、臨床的意味づけをそのデータベースとぶつける。
 それから、個別の症例をエキスパートパネルという専門家チームの討議を経て担当医に解析結果を報告するという形になっていまして、エキスパートパネルには当該病院の人たちも入ると思っています。この結果、現在保険収載されている薬剤を用いた治療が可能になるものが見つかってくるかもしれないし、進行中の臨床試験に参加できる可能性を追及することに期待を持った試験です。
 主要評価項目は、治療介入の判断根拠または病理組織学的診断の補助となり得る遺伝子変異を持つ患者頻度、両方合わせて900を超える遺伝子変異で治療対象になったり、今までわかっていなかったものが新たにわかってきた人の頻度ということになります。
 副次評価項目は、遺伝子変異に対応する治療薬が投与された頻度とか、治療方針の選択に本検査結果が用いられた頻度と同時に、幾つかの遺伝子変異について既に体外診断薬の承認薬がございますから、それと一致する率という形になっています。
 予定の試験期間が1年6カ月で、予定症例数が200例という状況になっております。こういった試験を東京大学の試験が約200例で、前回提出されております国立がんセンターのものも、ほぼ同じくらいの期間で最低205例、最大350例と、ほぼイクイバレントの試験になっているかと思います。
 中身については、手良向先生と掛江先生が大変細かく見ていただきまして、後ろの資料をごらんいただきますと、同意説明文書とか体制の誤記について、気づかれるところについては大変きれいになってきたと思っています。
 副担当をされた先生方の御意見をいただいた上で、最後にまとめさせていただければと思います。
○山口座長 ありがとうございました。
 続いて、本日御欠席の副担当の掛江構成員の倫理的観点からの御評価について、事務局より御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 18ページをごらんください。掛江先生からの御評価は、いずれも「適」でいただいております。
 そしてコメントでございますが、患者相談等の窓口が適切に設置されていることを確認した。補償等が不要であること、万が一健康被害が生じた場合の対処等についての説明が適切になされていることを確認した。
 説明文書及び同意書について、事前の指摘事項に対しておおむね所要の修正がなされた、ということでございます。
 以上です。
○山口座長 ありがとうございました。
 続いて、副担当の手良向構成員より、試験実施計画書等の御評価についてお願いいたします。
○手良向構成員 私のほうは、配付資料21~23ページにありますようにいくつかの事前照会をいたしましたが、まず1番目は、収集項目等が試験実施計画書に書かれていなかったということです。それは記載していただきました。
 2番目は、研究事務局とデータセンターの関係が曖昧でしたので、そこを明確にするようにという指摘で、それについても明確にしていただきました。
 3番目は統計的な話ですが、これも一応納得いたしました。
 4番目も体制の話ですが、記載いただきました。
 5番目は、連携医療機関というのがいくつかあるのですけれども、それら機関との役割分担とか登録や情報の流れが記載されていなかったので、記載していただいたということです。
 6番目も体制の話です。
 試験実施計画書についてレビューした結果、適切に回答され、改訂がなされたと判断しましたので、試験実施計画書等の評価については全て「適」といたしました。
 以上です。
○山口座長 ありがとうございました。
 それでは、主担当の伊藤構成員より、事前のまとめと総合評価について、御説明をお願いします。
○伊藤構成員 実施体制の評価のところに書きましたけれども、最終的に得られた結果というのはゲノム情報そのもので、体細胞変異だけでなく生殖細胞変異についてもわかってきますので、電子カルテに情報がそのまま載せられると書かれていますので、それを職員であればどなたでも見られるような体制というのは、余り望ましくないのではないか。ただ、それを制限しようとすると、電子カルテの体制そのものですのでどうしたものかと思いましたが、参加機関に適切に対応していただきたいと思ったコメントを書かせていただいたのと、この技術そのものは発展途上で、主要評価項目にしても、1年ごとに見直して変えると書かれていて、検証的な試験という観点から見ると、何を言っているのかという話と思いましたけれども、探索的発展途上の技術であるということで、これで仕方ないのだろうなと思いました。中の資料を見せていただく限り、NGSを使った次世代型のゲノム解析をされていますが、シークエンス深度がどの程度とか、細かいところまでは資料を見せていただいてもわからないので、日ごとに進歩している技術をこういった先進医療技術として取り込むという、ある意味では大局的な方針の中で認めていく代物なのだろうなと理解して、「適」という評価にさせていただきました。
 以上です。
○山口座長 ありがとうございました。
 今、主担当の伊藤構成員のおっしゃったところがポイントだろうと思います。
 それと、これは95万円と結構お金がかかりますので、恐らく参加される方は相当な希望を持って、ピタリと自分に合った特効薬が見つかるという考えの人が多いと思うので、その誤解がないように、最初に参加されるときに十分説明しておかないと何だと言われる可能性があります。そのあたりマスコミの方もかなり大々的に取り上げてますので、夢の検査みたいなことになってしまうとまずいので、実施に当たっては、ぜひ、そのあたりは注意していただきたいなと思いました。
 ほかに何か今の御説明に御意見・御質問ございますか。
○関原構成員 今、山口先生のおっしゃった費用の点なのですけれども、素人が読みますと、本事例のようなゲノム検査はほかの大学、例えば、横浜市大や順天堂では、ニューヨークのスローンケタリングのFDA承認のゲノム検査を400以上のものをやって、値段が六十何万円とHPには書いてあるわけです。この九十何万というのは、山口先生がおっしゃったように、安いと言えば安いし、高いと言えば高いようなあれですけれども、これだけ差があるわけなので、これからこういうものが出てきたときに、値段の妥当性を評価するのは大変難しいのでしょうけれども、これをどう考えていいのかというのは、私はこれを読んでいて非常に気になったところですが、そこはどう考えればよろしいでしょうか。
○山口座長 何か御意見ある方いらっしゃいますか。
 外国のものと同じ評価はできないかと思うのですが、そういう意味では、むしろこれはきっちり国のほうで審査して、ちゃんとしたものであるというバックグラウンドがあるので、少々お高くついても価値はあるのではないかと私自身は思いますが。
○関原構成員 先程紹介したケースは、アメリカのFDAで承認も取られているものですから、ワン・オブ・ゼムでもないように思われしかも、日本の一流大学病院(がんの拠点病院)でちゃんと行われているということでもあるので、一般の民間の遺伝子検査と違うものですから、ちょっと気になりました。
○山口座長 このあたり御意見のある委員の方おられますか。どうぞ。
○山中構成員 この間、国立がんセンターのパネルが先進Bに申請されて、今回大学病院からも出てきました。国立がんセンターで勤務して、その後大学に異動した者としては、両機関の違いがよくわかるのですが、大学というのは診療科間がすごく縦割りなので、エキスパートパネルをやるにしても、どこでどういう治験をやっているとか、そういう情報をインテグレートしたりすることがすごく難しいんですよ。質問というわけではないのですけれども、大学でのエキスパートパネルの運営の仕方に関しては、国立がんセンターのようにがん専門病院でやっているのとはわけが違うと思うので、今後どういうふうにエキスパートパネルをやっているのかというのは、チェックしていったほうがいいかなと思います。
○山口座長 ありがとうございました。
 何か今のことに関して御意見ございますか。
 この試験で私が一番心配するのは、エキスパートパネルと称するもののクオリティーですよね。今回、ゲノムの拠点になった病院の中でも、必ずしも十分ではないのと、誤解があるようなところもあるので、いろいろな施設から来たときになかなか難しいところがあるので、今、山中先生がおっしゃったように、クオリティーはどこかで調べるというか、確認していく作業が必要ではないかと思います。それが整備できるまで待つと、いつまでも始まらないので、ある程度見切り発車的なところがあるのではないかと考えましたけれども、伊藤先生、何か御意見ありますか。
○伊藤構成員 今おっしゃられた点が一番気にはなっています。ただ、実施施設は少なくとも遺伝子のカウンセリングができて、がんゲノム情報について全く知らないわけではない人たちが入って議論してくれるという前提なのと、各施設の人がエキスパートパネルに入ってくるので、その患者さんをよくわかっていて、生のデータも見られるところで出てきた結果を適切に適応するということを考えられているという意味では、例えば、がんセンターなり中央だけで評価して、それをそのまま施設に渡すということのいい面と悪い面と両方あるような気がしたので、このままにさせていただきました。連携施設になる施設の名前を見ると、医療機関の医療内容の適切性を聞くのもどうかなと思ったので、あえて質問しておりません。その懸念があるのは十分承知しておりますが、一方で、患者さんの生のデータにアクセスしながら最適化された結果を患者さんにお返しすることができるためには、詳細なデータが見られるポジションの人が入ることも必要かなと思って評価させていただきました。
○山口座長 ありがとうございました。
 この点について、何か御意見ございますか。よろしいでしょうか。
 そのほか何か御発言ありますか。
○伊藤構成員 コストの話ですけれども、イルミナ社のコストが相当程度高いので、こういう価格になっているのだろうと思ってはいますが、技術の進歩と機械の進歩に伴って急速に低下する可能性はあって、この先進医療が1年半ですので、5年同じといったらコストが下がるかなという気もしますし、逆に期間が短いのですけれども、もし途中で機械を変えるときには承認というか、機械を変えてもう一回同じことやりますよという話が上がってくるのかどうかが、気にはなりました。
○山口座長 ありがとうございました。
 それでは、田島先生、お願いします。
○田島構成員 事務局にお尋ねしたいのですが、これは臨床研究法の適用対象となる臨床研究に該当するのか。もし、該当するとすれば、認定倫理審査委員会の承認も必要とするのかというところを教えてください。
○医政局研究開発振興課長 この場合は、体外診ということになりますので、このプロトコルだけ見た段階ですと、これは臨床研究法の対象外になります。
○田島構成員 ありがとうございます。
○山口座長 ほかにございませんか。
 石川先生どうぞ。
○石川構成員 おくれまして済みません。
 事前レクを聞いた後いろいろ考えたのですけれども、先ほど山中先生もおっしゃっていましたが、この前は国立がんセンターが中心になって、今度は大学と、これはもしかしたら、このパターンで広がる可能性がある研究になると思うんですよね。そのときに私は前から言っていますように、最初の同意のところで、要するに、すごくうまくいったパーセンテージというのは、今までも数字でお聞きすると10%とかそのぐらい、その方にとってはメリットになるというお話ですけれども、今回は同意の中にそういうことが余り書いていないんですよね。パーセンテージでは少なくとも書いていなかったと思うんです。そういうことがありますとか、そういう話の仕方でいいのかどうかというのが1つ。
 それから、これはあなたの資料をこちらで保存して、何らかの悪い方が出てきて、それが漏れることがないようにという感じで、セキュリティーに万全を期しますと書いてあるのですけれども、それはもちろんあってはいけないので、私が一番おそれているのは、一生懸命医療等IDの話を別の厚生労働省の会議でしておりますけれども、そういったものができない前に、いろいろ保存の方法とか検体のストレージの方法で、そこをちゃんとやってもらわないと、200人が目標だったと思うのですけれども、200人の方たちが大変な迷惑をこうむる可能性もあるので、その同意の問題で、数字とかそういったものがはっきりとは出ていないことに対してどうなのかということと、保存といったものをきちんとしていただけるかどうかの確認はしていただきたいなと考えます。
○山口座長 ありがとうございました。
 これについて伊藤先生、何かコメントありますか。
○伊藤構成員 その点に関しては大変懸念を持っておりましたので、評価表にも書いたとおりで、個人情報が安易にほかの人たちが見られないような形にしてくださいというところだと思います。検体そのものの管理もさることながら、情報として特にエキスパートパネルでまとめられたものがそのまま、例えば、SS-MIXみたいなものにスッと流れてしまって、外に流れるようなことだけは避けていただきたいという思いを込めてコメントを書かせていただいております。
○山口座長 ありがとうございました。
 iPadの患者さんへの説明文書の12ページに、研究参加に伴う予期される利益及び不利益というのがあって、ある程度のパーセンテージとしか確かに書いていないのですけれども、これは実際の数字が出せないから、やむを得ず書けなかったということではないでしょうか。
○伊藤構成員 それに類似することは聞いてみたのですけれども、私たちのほうは精度高くやるので、既存のものに比べていいんですという書き方しかされていないので、本当にそれがいいのかどうかわかりませんでした。逆に言うと、この試験で既存の検査との比較がされて、精度がどの程度かがわかっていくという探索的な状況だと思います。ですから、この検査を受けることによって大きなメリットがあるという過度の期待を抱かせるような文章は避けていただくような書き方になったと思っています。
○山口座長 ありがとうございました。
 ほかに今のことについて何かコメントはございますか。前、藤原先生に聞いたら、割と5%とか10%という数字がスパッと出てきましたけれども、裏づけが必要なのでしょうかね。今までは、こういう施設でこういうことをやったら、こういうことがありましたぐらいしか言えないので、こういう説明にはなかなかならないということで、少しファジーな書き方になってしまったのかもしれません。
 あと、個人情報の管理については、石川先生からも何回も何回も言われていますので、ちゃんとしないといけないかと思いますけれども、今回は、がんセンターのものとほぼ一緒ぐらいのレベルで達成できていると理解してよろしいでしょうか。
 何かございますか。新しい技術ですので、やらなければいけないのですけれども、前回国がんのものが出ましたので、ほぼ一緒の形で、あれを認めるのであれば、これもそのレベルには達しているという伊藤先生の御判断だと思うのですが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、整理番号85につきましては「適」ということにいたします。ありがとうございました。
 続きまして、「試験実施計画の変更」について、事務局より説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 先進医療Bの試験実施計画の変更について、1件の申請がございました。資料2、45ページをごらんください。
 大阪大学医学部附属病院からの申請で、告示番号41「自家嗅粘膜移植による脊髄再生治療」です。
 本試験は、受傷後12カ月以上経過した慢性期の胸髄損傷患者を対象として、脊髄損傷部位に自家嗅粘膜を移植し、身体機能の改善度合いを評価することで、本技術の有用性を検証することを目的とした単群試験です。
 予定症例数は10例で、今回の申請時点で登録は4例となっております。
 御審議いただく主な内容につきましては、46ページをごらんください。
 試験実施期間の1年間の延長です。
 理由がございますが、昨年後半から登録がスムーズとなっており、また、患者紹介のお願いや学会発表等でのアナウンスを行うということや、現在も登録待機患者もいるということで、今後は2カ月に1例の登録が予想されて、1年間で目標達成を目指したいということでございます。
 以上でございます。
○山口座長 ありがとうございました。
 今のお話について、何か御意見ありますか。進捗は2年かかって4例しかできていないのに、次の1年追加することで6例いくのかなという心配がちょっとあるのですけれども、無理しないで2年延ばしたほうがいいような気もしたのですが、どうでしょうか。内容によると、基本的には患者の数が少ないので、それが画期的にふえる要素は余りないようにも思うのですけれども、いかがでしょうか。そのあたり御意見ありますか。
 施設のほうでは1年で十分だと、いろいろ学会に呼びかけたりして頑張るということなのでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 一応念のため、もし1年で終わらなかった場合について照会しましたが、もちろん1年で達成を目指していますけれども、達成できなかった際には10例を目指して再度延長させていただければということでございました。
○山口座長 わかりました。よろしいですか。手続上1回で済んだほうが事務局としては楽なので、働き方改革のためにもそちらのほうが本当はいいのではないかと思うのですが、そういう決意のようですので期待したいと思います。何か御意見ございますか。
 特にないようですので、告示番号41の変更について認めることといたします。
 続きまして「協力医療機関の追加」について、事務局から御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料3-1、49ページをごらんください。これまでに大臣告示されている5つの技術につきまして、協力医療機関の追加申請がありました。
 資料3-2、51~59ページをごらんください。事務局において、いずれも先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件を満たしていることを確認いたしました。協力医療機関の追加として御了承いただきたく存じます。
 特に御意見がなければ、手続を進めさせていただきます。
○山口座長 ありがとうございました。
 では、次に「継続審議案件の申請の取り下げ」について、事務局から御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料4、61ページをごらんください。
 整理番号41の技術につきまして、継続審議中でしたが、申請の取り下げがございました。取り下げ理由は、当該技術が保険診療となったためでございます。
 特に御意見がなければ、手続を進めさせていただきます。
○山口座長 ありがとうございました。
 では、次に「先進医療通知の改正とその運用についての案」を事務局から御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料5、63ページをごらんください。
 先進医療通知の改正とその運用についての案でございますが、まず、背景といたしまして、ことし4月に臨床研究法が施行されまして、先進医療として実施される試験についても、臨床研究法の臨床研究に該当するものは、法遵守が必要となります。
 3つ目の○をごらんください。現在、先進医療Bで実施されている試験の多くが、臨床研究法上の臨床研究に該当すると考えられます。そこで、臨床研究法上の臨床研究に該当する試験にも対応できるように、また、臨床研究法と重複する届出事項を簡略化できるように、ことし3月26日に通知の改正を行いまして、4月1日より適用されております。
 変更の概要について、64ページから記載がございます。簡単に御説明させていただきます。
 まず、先進医療Bの研究のうち、臨床研究法に基づく研究を実施する場合についての事項です。
 まず、先進医療実施届出書の実施責任医師は、臨床研究法に規定する研究責任医師と同一とするとしてございます。また、多施設共同研究の場合は、申請医療機関の実施責任医師は、同法に規定する研究代表医師とするとしております。
 次に、新規申請について。臨床研究法に基づく研究を実施する場合は、同法の定める「実施計画」および、利益相反管理基準、利益相反管理計画もあわせて提出いただくこととしております。
 次に、試験計画変更の届出について。臨床研究法に基づく研究を実施する場合は、「実施計画」または様式10号に変更があった場合のみ、事務局に届け出ることとしました。なお、実施計画が変更されるということは、有効性あるいは安全性に係る変更になりますので、これは従来どおり部会審議となります。
 次に、臨床研究法施行前から実施している臨床研究法の対象となる研究について、1年間の経過措置期間がございますが、同法に基づき実施計画を作成した場合には、通知に定める必要書類をことし10月ごろまでに医政局研究開発振興課(研発課)に提出してくださいとしてございます。10月ごろという期限に明確な根拠があるわけではないのですが、先進医療実施中で1年間の経過措置期間中に対応が必要と考えられる試験が数十個ございますので、来年2月、3月に集中するとこの部会審議が対応できないということがありまして、こういったことを記載させていただいております。
 次に、総括報告について。臨床研究法における総括報告書及びその概要がございますが、これも提出いただくこととしております。
 また、安全性報告について。臨床研究法に基づく研究を実施する場合は、同法第13条、及び第14条に規定する報告を行っていれば、別途報告は不要としております。この第13条及び第14条に規定する報告がPMDAを通じて研発課に報告されますので、重大な有害事象報告については、これまで通り座長に報告するなど対応を行わせていただきます。
 次に、全ての先進医療Bで実施する研究についてでございますが、今回、認定臨床研究審査委員会が創設されるに伴いまして、従来のIRB(倫理審査委員会)を必ずしも自施設に備えている必要はないこととさせていただきました。
 また、今回様式10号が追加されました。様式10号は研究資金等について記載する様式です。
 また、定期報告ですが、先進医療では、前年の7月1日から当該年6月30日までの間に行った先進医療の実績について、定期報告を求めております。一方で、臨床研究法では、研究開始時を起点として1年ごとの定期報告を求めております。このずれを解消するために、2年後、これがおおむね臨床研究法に基づく研究の定期報告が提出され始める時期でございますが、そのときを目処に、研究の開始から起算して1年ごとの報告とするということを検討したいということでございます。
 また、今回jRCTの登録データベースができましたけれども、このIDの記載欄を設けるなど、様式が少し変わっておりますので、4月以降は新様式で提出いただきたいということでございます。
 次に、運用についての案でございますが、先進医療Bの研究のうち臨床研究法に基づく研究を実施する場合について。まず、実施計画の御評価について。安全性及び有効性に影響する試験計画の変更については、全て部会審議としております。これについては79ページにございます参考資料2で定められておりますので簡単に御紹介します。平成27年8月21日の第32回先進医療技術審査部会の資料です。背景の3つ目の○をごらんください。現在、提出された試験実施計画の変更については、有効性・安全性等の技術的妥当性に直接影響を及ぼさないと考えられる、提出された様式第9号の要件に抵触しない変更を除いて、全て部会にて当該変更に係る有効性・安全性等の技術的妥当性及び試験実施計画を検討し、部会で当該変更が承認されたことを確認した後に、変更後の試験実施計画による先進医療の実施を認める運用を行っているところです。80ページの今後の対応にございますように、今後もこれの運用を継続していくということが決められております。
 戻っていただきまして、今回の通知改正で、実施計画及び様式10号の変更を伴わない試験計画書の変更は部会審議が不要となります。そこで、臨床研究法に基づき実施する研究で、先進医療Bに申請するものについては、申請医療機関はこれまでの運用を継続する意味で、実施計画に安全性及び有効性に影響する事項を全て含めて御作成いただくこととしてはどうかということを提案させていただきます。
 次に、認定臨床研究審査委員会への乗り換えについて。先ほども少し述べましたが、現在、先進医療Bとして実施している試験の多くが、1年の移行措置期間中に認定臨床研究審査委員会での審査が必要な研究に該当すると考えられます。それらの試験は、認定臨床研究審査委員会での審査の結果、試験計画の変更の必要が生じた際には、計画変更届を提出いただいて部会審議となります。そして部会での指摘に対応した修正を行っていただいた後に、再度認定臨床研究審査委員会の審査を受ける期間もございますので、申請医療機関は可及的速やかに変更手続を進めていただきたいというお願いでございます。
 次に、総括報告の御評価について。臨床研究法における「総括報告書の概要」は、研究終了後データベース(jRCT)上に公開されます。部会構成員の先生にこれまで総括報告書の御評価をいただく際には、先進医療の評価表の内容をいろいろとご確認いただいていたところですが、それと同様、総括報告書の概要についても、必要があれば適宜表現等の御修正などをお願いしたいと存じます。
 以上でございます。御審議よろしくお願いいたします。
○山口座長 何か御質問・御意見ございませんか。
 藤原先生どうぞ。
○藤原構成員 これとは直接的ではないですが、関連するところで、特定臨床研究で適応外の判断をするときには、薬機法上の判断については医薬品審査管理課とか医療機器審査管理課に聞くというたてつけになっていると思うのですけれども、先進医療Bの場合は、研究開発振興課を通して確認するのか、あるいは直接研究者が医薬生活衛生局に聞くのか、その辺がはっきりしないのですが。
○山口座長 いかがでしょうか。
○医政局研究開発振興課長 そこは今と変わりませんので、今まで通り私どものほうにお尋ねいただいてもいいですし、直接、医療機器審査管理課、医薬品審査管理課にお尋ねいただいても結構です。私どものほうは先進医療の窓口をしておりますので、その際にお尋ねされることも結構ありますので、それでいいと思います。
○山口座長 ほかにございませんか。
 平成30年10月ごろまでというのは、混み合うといけないので早目にしたということでしょうか。おおよその見通しというのは立っているのですか。
○医政局研究開発振興課長 そういうことです。ただ、余り早過ぎても継続の審査なので、それぞれの臨床研究審査員がうまく動いていないと困りますので、大体10月ちょっと前ぐらいにかけていただければなということでお願いしております。
○山口座長 余り忙しいと、この委員会がお休みになる可能性があるということですね。ありがとうございました。
 ほかにございませんか。どうぞ。
○柴田構成員 65ページの定期報告の時期が決められた夏ではなくて、一つ一つの案件ごとに変わるという件についてコメントと確認なのですが、例えば、医事課の方が書類を用意したりするときに、研究のアイデンティファイが難しいということが時々起こります。医事課の方も人事異動で人がかわるとか、告示番号が2年に1回変わるなどで。あと、実際に臨床研究のタイトルと、先進医療としての告示名が必ずしも一致しないために、どれがどの研究なのかがマッチせずに書類の準備が混乱するなどということがあります。要は、ユニーク・アイデンティファイアがぶれるために生じる問題でもあるのですが、そこについて今後は例えばjRCTの番号が統一的に活用されるようになると理解してよろしいでしょうか。つまり、医事課の方が出される書類に関してもjRCTの番号を入れることでアイデンティファイできるようになるという理解でよろしいでしょうか。
○医政局研究開発振興課長 基本的にはそのようになります。ただ、先ほどのように臨床研究の対象外になっているものについては、そうでない部分がありますけれども、それ以外は基本的にはjRCTの番号を活用していただきたいと思っております。
○山口座長 ありがとうございました。ほかにございませんか。
 よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。本日の議題は以上です。構成員の皆さん、何か御意見・御質問ございませんでしょうか。
 それではないようですので、次回の日程を事務局からお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 次回の日程ですが、翌5月については休会とさせていただきまして、次回は6月14日(木曜日)、時間は16時から18時までの予定とさせていただきます。場所については、別途御連絡させていただきます。
 また、本日の議事録については、作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後公開させていただきますので、あわせてよろしくお願いいたします。
 以上です。
○山口座長 ありがとうございました。
 本日は最初に人事異動がありましたけれども、大変若くてより一層活性化されると思います。期待していますので、よろしくお願いします。
 それでは、第70回先進医療技術審査部会を終了いたします。ありがとうございました。



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