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2018年4月20日 第8回放課後児童対策に関する専門委員会 議事録

子ども家庭局子育て支援課健全育成推進室

○日時

平成30年4月20日(金) 15:00~17:00

 

○場所

経済産業省別館1111会議室
 

○出席者

委員

柏女委員長
安部委員
池本委員
植木委員
小野委員
金藤委員
清水(利)委員
田中委員
中川委員
野中委員
山田委員
 

オブザーバー

西川文部科学省地域学校協働推進室長
赤堀 正美氏
 

事務局

成田大臣官房審議官
田村子育て支援課長
里平健全育成推進室長


○議題

1.中間とりまとめ(素案)
2.その他
 

○議事

 

○里平健全育成推進室長 定刻となりましたので、ただいまから第8回「放課後児童対策に関する専門委員会」を開催させていただきます。
委員の皆様にはお忙しい中、お集まりいただきまことにありがとうございます。
初めに事務局の異動につきまして御報告させていただきます。
まず最初に、子育て支援課長川鍋の後任の田村でございます。
続きまして、健全育成推進室長の鈴木の後任の私、里平といいます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、清水将之委員が欠席でございます。また、静岡県健康福祉部こども未来局こども未来課の黒柳いずみ課長が人事異動になりましたので、欠席となります。後任としまして赤堀正美課長に今回はオブザーバーとして出席いただいております。手続が済み次第、本専門委員会の委員に就任していただくことになります。
では最初に静岡県の赤堀課長から一言、御挨拶をお願いします。
○赤堀正美(オブザーバー) 皆さん、こんにちは。静岡県こども未来局こども未来課長の赤堀でございます。
異動早々、このような大きな任務を背負って東京に参りました。慣れないですけれども、保育も私の業務として重要になりますが、その先にある放課後の対策について議論に参加させていただきますことを光栄に存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。
○里平健全育成推進室長 カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
それでは、議事に移りたいと思います。柏女委員長、どうぞよろしくお願いいたします。
○柏女委員長 改めまして、皆さんこんにちは。新しく赤堀委員もお迎えをして、年度変わりの第1回目、通算では第8回となりますけれども、放課後児童対策に関する専門委員会を開催させていただきたいと思います。
年度初めのお忙しい時期にお集まりをいただきまして、ありがとうございました。
それでは、事務局から資料の確認についてお願いをしたいと思います。前回お話をさせていただきましたように、今日初めて中間とりまとめという形で報告書のいわば骨子というか素案ができ上っておりますので、ぜひそれについて御意見を頂戴できればと思います。
では、事務局から資料確認をお願いいたします。
○里平健全育成推進室長 それでは、お手元に配付しております資料の確認をさせていただきます。
資料1がこれまでの議論、第1回から7回までにおける主な発言の要旨となっております。21ページです。
続きまして、資料2が中間とりまとめの素案となっております。
資料3が今回のスケジュール、これは1枚紙です。案として出しております。
資料4が野中委員から提出されています資料で、児童館等における遊びのプログラムマニュアルというものが添付されております。
資料に欠落等がございましたら事務局までお申し付けください。よろしいでしょうか。
○柏女委員長 皆様よろしいでしょうか。もしも何か欠落、落丁があるのを見つけられましたら、そのときで結構ですのでお手をお挙げいただければ、事務局から新しい資料を用意させていただきます。
最初に進行方法について確認をさせていただきたいと思います。先ほど申し上げましたように、今回は中間とりまとめ素案についての議論を中心に行っていきたいと思います。
事務局から最初に資料の説明をしていただいて、項目ごとに時間を区切って議論をするという形で進めたいと思います。最後にまた全体を通してという時間は取りたいと思いますが、そんな形で進めさせていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田村子育て支援課長 それでは、資料の御説明をさせていただきたいと思います。
まず中間とりまとめの素案ということで、資料2でお配りさせていただいています。縦長のA4のペーパーでございます。これをもとに御説明をさせていただきたいと思います。
まず全体像というか骨格のところですけれども、表紙を開いていただいて事項のところでございますけれども、「はじめに」がございまして、大きく3つの柱に分けております。1つ目が「子どもたちの放課後生活の重要性とその理念」、2つ目が「放課後児童対策の歴史的推移と現状並びにその課題」、3つ目が「放課後児童クラブの今後のあり方」ということで整理をさせていただいております。それぞれに小事項があるという形でつくらせていただいております。
では早速、2ページを開いていただきたいと思います。「1.子どもたちの放課後生活の重要性とその理念」でございます。冒頭、今後の子どもたちの育ちの放課後生活の保障を考えた場合に、以下の3つの視点が必要になるだろうということでございます。1つ目が児童の権利条約、改正児童福祉法の理念を踏まえた主体性を保障する育成支援。2つ目が「生きる力」の育成支援。3つ目が共生社会の創出を実現するための育成支援でございます。今のこの3つの柱をそれぞれ柱ごとに御説明していきたいと思います。
1つ目は、児童の権利条約と改正児童福祉法の理念を踏まえた子どもの主体性を保障する育成支援という項目でございます。28年の児童福祉法改正によって、「全ての児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切に養育されること」ということが定められました。これがいわゆる子どもの権利であるということが明確に示されたところでございます。そして、これを保障する社会資源として例えば児童厚生施設、放課後児童クラブというものがございますが、そういったものも含めて基本的な視点、方向性のところでございますけれども、こういった対策の中で子どもの最善の利益というものをいかに実現していくか、そういったものを考えていくことが必要であるということを記載させていただいております。
4ページ、2つ目の項目でございますが、子どもの「生きる力」の育成支援でございます。我が国の学校教育のキーワードということで、次期学習指導要領においても確かな学力、豊かな心、健やかな体等々、バランスよく育てることが必要である。「生きる力の育成」が基本理念に置かれてございます。これはいわゆる放課後における子どもの育成にも相通じるものであるということで、関連の国における指針等の記載の箇所をここに書いてございます。
基本的な視点・方向性というところでございますけれども、ここは読み上げる形になりますが、放課後は本来、子どもが学校で休んだことや家庭で身につけたことを生かしながら、自主的、主体的な遊びや生活の体験を通じて、人として生きていくための知恵、社会性を育むことが大切な時間、空間であるということ。そして、その時間、空間において生きる力を育成してきたのではないかということでございます。現在、そうしたことが自然にできにくくなっているのではないか。自主性や社会性、自立性を育む観点が求められており、一層の遊びや生活、その他さまざまな体験を保障することが必要ではないかという形で記載させていただいております。
6ページ、3つ目の項目でございます。地域共生社会を創出することのできる子どもの育成支援でございます。障害の有無、男女、年齢、国籍にかかわらず、全ての人がお互いの人権、尊厳を大切にし、支え合い、誰もが分け隔てなく生き生きとした人生を送っていく。これが福祉における重要な共生社会の考え方でございますけれども、子どもを社会の一員ということでございますから、共生社会という観点からは放課後の生活も見直していく必要があるのではないかということでございます。
基本的な視点・方向性でございますけれども、3つ目の○、子ども、高齢者、障害者のみならず、全ての人々が共生できる地域社会をつくっていくためには、子どもたちが地域にかかわりを持って育つことが保障されなければいけない。子どもたちを地域で育む。そういった仕組みづくりのためにも、放課後児童対策として考えられる各種事業との関係、連携をどのように構築していくかということについても検討していく必要があると記載させていただいてございます。
以上が3つの視点というところでの記載になってございます。
7ページ、これが大きな柱の2番目になります。放課後児童対策の歴史的推移と現状並びにその課題ということでございます。ここに書いてございますのは放課後児童対策、そして放課後児童クラブについてのこれまでの推移を簡単に書かせていただいております。2つ目の○に予算の関係です。さまざま児童健全育成対策が行われていますが、物によっては一般財源化されたりとか、それぞれの施策によってはいろいろ財源コストがかかっていたりということもありまして、国としての総合的な放課後児童対策というのがうまく描けなくなっているのではないかという課題的なものを書かせていただいてございます。
3つ目の○、国の放課後児童クラブの充実というものが推し進められてきたということってございますけれども、それによって放課後児童クラブに子どもが集中するような状況になってきているのではないか。一方では地域の子どもたち遊び場というのが減少してきている。それから、放課後子ども教室も含め、子どもたちの生活というのは学校のほうに偏っているというか、局限化と記載してございますけれども、子どもたちの生活、居場所が学校に局限化されるような傾向になっているのではないかということを記載させていただいております。
基本的な視点・方向性でございますけれども、放課後児童対策については教育的な側面も含めてさまざまな事業が実施されております。民間事業者も多く参画しているという状況がございます。こういった中で公的に行うことが適切な施策にしては、よく吟味しながら検討をしていくことが必要ではないかということでございます。
それから、放課後という時間・空間は、子どもの成長発達の面から捉え直すと、保護者や教師とも異なる大人と過ごすことができ、遊びを通して子どもが自主性、社会性、自立を育むことができる重要な場であるということでございます。どのように子どもの成長という観点から重要な経験、体験を子どもに提供することが必要なのか。既存の社会資源の活用も含めて検討することが必要であるということでございます。
その際、注意すべきこととして、子ども、家庭に広がるさまざまな格差ということでございます。ここに4つほど書いてありますけれども、こういった格差をなくしながら進めていくことが必要ではないかということでございます。
一番最後のところ、これは平成26年、厚労省、文科省で共同策定した総合プランの関係でございます。これは31年度までということを昨年の閣議決定で1年前倒しして、今年度までに目標を達成するんだという形になっておりますけれども、多様な体験の活動等を行うために一体型として放課後児童クラブ、放課後子ども教室で計画的な整備を進めているという事実を書かせていただいてございます。
児童館についてでございます。全ての子どもに対して開かれた施設である児童館でございます。ガイドラインによってもその全ての児童が家庭の状況や児童本人の状況にかかわらず、自由に利用することができるという特性を生かして、複合的な機能を組み合わせて取り組むことができるという児童館の役割というものを放課後児童対策の中で改めて見直す、重視すべきではないかということを記載してございます。
今後の放課後児童対策の方向性として、今の総合プランを推進していく中で放課後児童クラブ、放課後子ども教室、それから、先ほど申し上げましたように児童館を初めとした地域のさまざまな施設を有機的に連携させながら、どの地域においても放課後に多様な体験が行えるようなあり方が望ましいのではないかというところでございます。そういったものに進めるためには、市町村に設置されております運営委員会で検討することが重要ではないかということでございます。
一番最後のところでございますけれども、放課後児童対策のあり方については、現行法令では児童の遊びを指導する者、または遊びを与えるというような規定ぶりがあります。その辺を現在の育成支援という観点からはどうなのか、今後検証すべき課題ではないかと記載させていただいてございます。
最後に大きな柱の3つ目でございます。放課後児童クラブの今後のあり方でございます。1つ目、待機児童の解消でございます。いわゆる量の拡充についてという項目で立てさせていただいております。この現状と課題ということでございますけれども、皆様既に御案内のとおり、29年度は待機児童数が1万7,000人と若干減少しているものの、横ばい状況で来ているところでございます。この待機児童の状況を見てみますと、学年別で見ますと4年生以上の割合が約4割。これは対象児童の拡大というのが大きい影響を受けているだろうということでございます。それから、先ほども申し上げましたけれども、放課後子ども総合プランの関係は、昨年12月の閣議決定において31年度までだったものを30年度までと1年前倒しして、目標を達成するんだということになっております。そして、さらにその後のあり方についても検討するということで閣議決定されてございます。
検討事項といたしましては、量的整備に係る方針、それから、4年生以上の待機児童をどのような形で解消していくのかということが考えられると思います。ここに今までの表現と違いますけれども、これまでにいただいた御意見という形で、全てのことは書いてございませんが、主な意見という形で書かせていただいてございます。例えば3つ目でありますと、放課後対策全般について子どもを守れるような情報の公開とか、倫理的セキュリティーを検討すべきだという御指摘だってあるとか、放課後児童支援員を支援するスーパーバイザー的職員の配置を検討すべきだというような具体的な御意見もいただいてございます。
2つ目の学校とのかかわりでございますが、放課後子ども総合プランにおいては、学校施設の活用を中心に、放課後児童グラブと放課後子供教室との連携、一体型の実施を推進していますよというところでございます。これが現状ということで書いてございます。
10ページ、検討事項でございます。放課後児童クラブと放課後子供教室との連携及び一体型の推進に当たりましては、子どものさまざまな活動を行う上で多様な施設を活用し、受け皿を整備していくにはどのような方法が考えられるかということについてでございますけれども、これもこれまでにいただいた意見を2つほど記載させていただいています。学校の中で完結しないようにするというもの、それから、児童館、社会教育施設、その他の地域の社会的資源を積極的に活用するということを記載させていただいています。
質の確保でございます。放課後児童クラブに求められるものということで、児童クラブを運営するに当たって子どもの最善の利益を第一に考え、内容を検証する必要があるのではないかということ。2つ目として、自主的、主体的な活動が展開できるようにすること。他の社会福祉、学校教育等の分野に比べて、情報公開とか運営内容の評価などがあまり進んでいないというところが課題ではないかと記載させていただいております。
検討事項といたしまして、子どもの自主性、主体性を育成する観点から、どのような育成支援を行っていくことが必要になるかということでございます。これもこれまでにいただいた意見ということで、例えば放課後児童クラブの運営指針における育成支援の内容を子どもの放課後対策全般に生かすことができるのではないかと言われております。また、2つ目としては、支援員さんがプレイパークの知識を身につける必要があるのではないかといったところでございます。それから、先ほども出ましたけれども、情報公開、運営内容の評価をどのようにするかということで、ここに御意見ですけれども、民間事業も含め、その地域の放課後の事業を利用者に情報提供すべきではないかということ。それから、評価の指標と見える化の検討をしてはどうかということでございます。
11ページ、放課後児童支援員のあり方・研修についてということでございます。ここの現状と課題ということでございますけれども、現在、研修制度ということで大きく認定資格研修、資質向上研修という2種類がございます。認定資格研修については経過措置がございまして、来年度末までに児童支援員さんとして勤務を予定する方については、受講を義務づけているところでございますが、措置期間がだんだん迫ってきている中で受講者の数がうまく進んでいないというところで、そういったものに対する不安感があるというところでございます。
検討事項としては、今、申し上げましたような経過措置が終了する2020年度以降の放課後児童支援員の確保、研修をどのような形で実施していくのかというところでございます。これに対して出た意見としましては、少し視点が違いますけれども、教員免許の更新制度を導入すべきではないかという御意見、それから、新卒者の養成について検討すべきではないか。いわゆる大学の養成課程で資格取得を可能にするということも考えられるのではないかという御意見をいただいております。そして、スキルアップのための資質向上研修のあり方を今後どう考えていくのかということに対しましての意見としては、各地域で行われている研修との重複というのもあるので、そこら辺の整理もしなければいけないのではないか。もしくは内容についてはソーシャルワーク、プレイワークの知識なり、安全などに関する内容を入れていくのではないかということを記載させてございます。
ほとんど資料を読み上げるような形になりましたけれども、本日示させていただいた事務局でつくらせていただきました中間とりまとめの素案でございます。
恐らく1番、2番につきましては理念的なもの、それから、これまでの推移であるとか現状を書かせていただいて、そこをある程度ボリューム感があるというか、柏女委員長からも御指摘があった柱立ても踏まえ、皆様の御意見をいろいろお伺いする中でそれほど御異論なく、皆さん同じ方向であったのではないかということで、1番、2番は割と素案という形で書き込んでいるつもりでございます。ただ、3番目の放課後児童クラブの今後のあり方というところでございます。お気づきになっているかもしれませんが、若干ボリューム感も少ないですし、書き方のところも検討事項の後にこれまでにいただいた御意見という形で抜粋して書かせていただいたような形で若干構成が違う。素案をつくる中でまだ完成形に近い素案にはなっていないというところでございます。
今日の進め方は委員長にもお願いしたいと思うのですが、それぞれもちろん1番、2番の素案に対しての御意見をいただきたいと思いますけれども、特に3番について少しお時間をとっていただきながら、これまでいただいた御意見の補足、補充でも構わないですし、それから、今まで言っていなかった、言い忘れたことであるとか、同じ話でも重要だからぜひこれは加えてほしいであるとか、そういったものをこれまでの意見と重複しても構わないので、この柱立ても含めて御議論、意見を頂戴できればなと事務局としては思っています。そして、それをまとめた上で次回につなげていきたいと思っているところでございます。
以上でございます。
〇柏女委員長 ありがとうございました。
全体の構成を簡単に復習すると、放課後児童対策の専門委員会では、子どもたちの育ちや環境が、放課後対策が最初に考えられたころよりは変わってきていますね。そして、健全育成の概念もその時代に合わせて、子どもたちの生活の変化に合わせて考えていかなければならないねという問題意識がまずあって、そして、1番のところで子どもたちの健全育成という問題をどう考えたらいいのかというのを3つの視点から整理し、さらにそれを受けて、現在、行われている放課後対策はどうなっているのだろうか。2番のところに移っていきます。2番のところで放課後対策を洗ってみると、財源等もばらばらだし、省庁もばらばらになっていて、総合的な環境づくり、子どもたちの放課後対策をしっかり環境をつくっていくことが難しくなってきている。総合的な観点が必要になっていますねということで、それが十分生かされないままに国の政策である放課後子供教室と放課後児童クラブが特に今、集中的に強化されているということが、子どもたちの地域で育つ場をもしかしたら奪っているのかもしれない。総合的に放課後対策を考えていかなければならないのではないかというのがあって、さはさりながら3番のところで放課後児童クラブそのもののニーズがこれからもっともっと高まってきますし、質の問題もそれに伴って出てくるので、放課後児童クラブはどうあったらいいのだろうか。そして、最後の「おわりに」では再び放課後児童クラブだけを考えるのではなく、全体を総合的に放課後対策としてつくり直していかなければいけないという流れになっているかなと思います。
そのことを踏まえていただいた上で、今、3時半で終わりが5時ですので90分ありますので、90分でつまり1番、2番、3番と3つをやる。今、事務局から3番のところがまだ中間とりまとめを書くには生煮えなので、そこの意見も結構欲しいということがありましたので、90分なので私のほうで組み立てをしまして、1番が大体15~20分、2番も15~20分、そして3番が40分ぐらい。4番が最後10~20分。別にこれにこだわる必要はありませんけれども、時間割合としてはそのぐらいでいけないかなと思いますが、それでよろしいでしょうか。
もう一つ、事務局から説明が省略されたのですけれども、後ろのほうに最後の3枚ですが、放課後対策の全体像を文章の中にあったさまざまな放課後対策のものがある。公、民あるいは自主的な活動等がある。それ全体を俯瞰する図を別紙1で事務局に作成していただきました。上が普遍的ニーズ、下が特定のニーズ、右側がいわば公の役割が高い部分。左側が私の役割が高い部分という枠でつくってみたのがこの図になります。
その次のところ、別紙2に当たりますが、ここは長いのですけれども、現在の先ほど見たような施策が、どのような施策があるのか。これまでの議論の中でもさまざまな施策というか、施策になっていない民間独自の取り組みもありましたけれども、それらについても報告がありましたので、それを一覧表にしていて、特に財源等がついているところもあれば、ついていないところもあったりしていて、第二種社会福祉事業として一定の規制がかかっているところもあれば、そうでない規制が全くないところもある。あるいは規制を本当にかけていいのかという議論も当然あると思いますけれども、そうしたさまざまなタイプの活動があるということを、これも2の中で挙げていますので、これも参考にしていただければと思います。
最初に「はじめに」と1併せてになると思います。子どもたちの放課後生活の重要性とその理念のところで何か御意見がございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
池本委員、どうぞ。
〇池本委員 まず児童の権利条約をベースに、前面に出していただいているのは非常に個人的にうれしく思ったところで、特にその中で意見表明なども強調していただいたところも大変うれしく思っているのですが、あわせて子どもの権利との関係で気になっているのは、子どもの休息の権利だとか、あとは衛生です。保育のほうで保育所の環境を測定したところ、CO2濃度が基準を超えていたみたいなことも出てきているのですが、諸外国の施設などと比べると空気が悪いとか、音の環境が悪いとか、そういったところも非常に気になっていて、そのあたりも子どもの権利というか子どもから見てどうなのかといったことも配慮すべきだといったあたりも書き加えられないかなと思いました。
もう一つ、4ページの生きる力のところも非常に重要なことなのですが、学校教育と放課後で一緒に生きる力を育成していくといったときに、どういう差があるのかといったときに、学校では子どもたちは間違えてはいけないと萎縮しているところがあるのですけれども、放課後はもっとチャレンジしたり失敗してもいいところなんだという、それが両方あって生きる力の育成になるんだといったことが書き加えられればなと思いました。
以上です。
〇柏女委員長 とても大切な御指摘ではないかと思います。子どもの権利条約には子どもの遊ぶ権利なども書かれておりますので、そうしたことも記載していっていいのかなと思いました。生きる力のところでは、放課後児童クラブそのものは失敗ができる、そういう体験、自分たちが学校で学んだことを体に落とし込んでいくことが必要で、それが生きる力につながっていくんだという御指摘はもっともだと思います。ありがとうございました。
そのほかいかがでしょうか。安部委員、お願いします。
〇安部委員 2点あります。
1点目は、今、池本委員がおっしゃったことなのですけれども、子どもの権利条約に言及していただいている点は非常に大事だと思っていまして、特に条約31条の休息、余暇、遊び、文化的・芸術的参加への権利に関しても組み込めていくといいかなと思います。中でも今この時期というのは1年生が入学してきて、午前中、学校が何とか終わって、クラブに行くとどっと疲れて休んでいるという子たちが非常に多いかなと思いますので、休むことも子どもにとって非常に大事で、放課後は回復の場でもあるというところをどこかに書き込めると1ついいかなと思います。特に自主的、主体的な遊びや生活の体験という言葉がよく出てきますので、自主性を育む上でも休んで回復していくという点を重視したいというのが1つ目です。
2点目が6ページの「(3)地域共生社会を創出することができる子どもの育成支援」の基本的な視点・方向性、2つ目の○なのですが、「主体的に遊び、主体的に生活する子どもは、支援者に支えられながらそこに起こる葛藤やその克服を通じて他者にもその権利があることを認識できるようになり」というのが非常に大事な視点だなと感じました。他者の権利を理解する前には、まず自分自身に権利があることを身をもって感じることが重要だと思いますので、このあたりはしっかり書き込むことがポイントになると思います。
以上です。
〇柏女委員長 ありがとうございました。貴重な御意見を頂戴いたしました。
ほかにございますでしょうか。金藤委員、お願いします。
〇金藤委員 1の基本的な視点に関しまして、教育基本法の改正によって第13条に学校、家庭、地域の連携による教育の推進ということが新設されております。今回の放課後支援対策ということにつきましても、そのような学校、家庭、地域の連携による推進という観点をぜひ入れていただきたいと思います。
〇柏女委員長 法改正を踏まえた表現も入れていくということですね。
では中川委員、お願いします。
〇中川委員 6ページの「(3)地域共生社会を創出することのできる子どもの育成支援」は大変重要な観点だと思います。今回ここにしっかりと書かれたことはよかったなと思っています。
ただ、現状を見ますと、放課後、子どもたちが地域の中でどれだけ過ごしているだろうかということを考えますと、首をかしげざるを得ない。放課後子供教室であったり、放課後児童クラブであったり、それぞれの取り組みがしっかり行われれば行われるほど、逆に地域に子どもが出ていくことが少なくなってしまう。こういう問題も一方であることを我々は放課後児童対策を考える上で、地域との関係を考える上で認識をしておく必要があるのではないかと思います。いかに子どもたちと地域の皆さんとの交流をしっかり放課後子供教室においても、あるいは放課後児童クラブにおいても、これを担保していくかということが大きな課題ではないかと思いますので、3点目の地域社会との関係で子どもの育成支援をうたったこの項目については、非常にいいものだと思っています。
〇柏女委員長 この理念をしっかりと生かして、放課後児童クラブや放課後子供教室を行うに当たっても、これも根底に据えてプログラムの工夫を図っていくということですね。放課後子供教室にも地域の方々がたくさん参加していらっしゃいますので、子どもを学校の中で育てていくのであれば、そこに地域の方々が入ってこられるようにしていかなければならない。やがてはそこから地域に出ていけるように持っていかなければいけない。そういう視点が大事だということで、とても貴重な御意見ではないかと思います。ありがとうございました。
ほかはどうでしょうか。よろしければ次に行って、そしてまた当然ここに戻ってきたりすることもあると思いますので、2番のほうに移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
7ページ、放課後児童対策の歴史的推移と現状並びにその課題というところになります。ここについて図表も含めて御意見を頂戴できればと思います。いかがでしょうか。金藤委員、お願いします。
〇金藤委員 特に8ページの部分にかかわります。少し長くなりますが、御容赦ください。一体型ということについて記載されている部分ですが、放課後子ども総合プランが進める一体型というのは、そこでは実施場所を小学校の敷地内に限定しているような記載が見られますけれども、第5回のヒアリングで愛媛県の社会福祉法人の育和会がNICO NICO館というものを紹介してくださいました。児童館の中で児童クラブと放課後子供教室を一体的に実施しているというケースがございましたし、全国を見ますと公民館の中で放課後子供教室と放課後児童クラブを実施しているということも多々あります。
2つ目の○では、そのようなことを踏まえて児童館ということが書かれております。児童館との連携ということが記述されているのは、そういう意図があると理解しておりますが、ぜひそれに加えまして公民館、図書館などの社会教育施設との連携が極めて重要であると考えております。それは後ろのほうで若干触れられているのですけれども、ここで児童館を初めとした地域のさまざまな施設をという記述にとどまらず、特に公民館、図書館、博物館等の社会教育施設との連携が重要であるということを記述していただきたいと思っております。
〇柏女委員長 ありがとうございます。
最初の〇というか、〇のない8ページの4行目、活動場所としてはというのは学校関係で、ここはなどでくくられていますけれども、児童館や公民館とか入れていくことも大事ですし、今まさに金藤委員がおっしゃったことに触れて、この政策というのは、放課後児童対策というのは省庁またがっているわけですけれども、ここは厚労省でそれをやっているものですから、厚労省関係の施設しか出てこない。これも私たち大人が省庁の縦割りに無意識に縛られてしまっているということのあらわれではないかと思います。金藤委員が公民館、図書館等の社会教育施設を挙げていただいたことはとても大切なことだと思いますので、ぜひそれは入れて総合性を持たせていくことが大事だと思います。ありがとうございました。
ほかいかがでしょうか。では清水委員、お願いします。
○清水(利)委員 7ページの2つ目の○なのですが、児童健全育成の対策の多くが一般財源化されたというような表現がされていまして、全体的にはこれまで申し述べさせていただいた意見等も吸収していただきながら、すばらしくまとめていただいていると思うのですが、何かこの部分が受けとめ方によりましては自治体が児童の健全育成対策をややおろそかにしているといいましょうか、力を入れていないというような誤解を招く感じもあるのかなという印象を受けました。これまで地方の放課後児童対策が多様化して、量的にも拡大しておりますし、そこに充てている財源も急激に拡大してきております。放課後児童対策に要する費用は国庫補助関係だけでも倍増しておりますし、それに伴って県ですとか市町村の地方自治体の負担も国庫補助以上に増加しているということも触れていただければなと感じたところです。
それから、社会的な背景としまして女性の活躍ですとか小1の壁の問題の発生、あるいはこれまでの待機児童対策が拡大してきているということで、それ以前はどちらかというと一部の家庭の福祉的要素が強かったのかなという施策であったものが、共働きの家庭がどんどん増えてくることによりまして、一般家庭の社会的サービスとなってきているという大きな変化があったということも強調していただければなと思ったところです。
以上です。
〇柏女委員長 ありがとうございました。大切な御意見を頂戴いたしました。
ほかいかがでしょうか。池本委員、どうぞ。
〇池本委員 今、金藤委員がおっしゃったことは全くそのとおりで、私も後で言おうと思っていたのですが、最後の放課後児童対策にかかわる主な施策というところに、ここに公民館とか図書館の要するに制度上どうなっているかという情報もあわせて載せていただけると、全体が見えるかなと。そこにはもっと広く例えば公園だとか、道路のことだとか、緑地のこととか、関連しそうな施策についての情報が整理されると、多くの省庁がかかわっていることが見えるのかなと。後のほうになりますけれども、思いました。
8ページの下から2つ目の○の「市町村に設置されている運営委員会の活用等により」というのがどういうものがあるのかよくわからないので、ここのところがどこの市町村にも設置されていると見えるのですが、ここがどういうことなのかわからなかったことと、もう一つは7ページの下から3つ目の○の民間事業者の話が出てきて、公的に行うことが適切な施策となっているのですが、ここの文章を読むと民間がやっている部分は民間にやらせて、ここはそれ以外のところと何か分けるようなイメージにもとれるのですが、民間のものが健全に行えるような公的なかかわりというのもあり得ると思うので、そういったことも含めた書き方にしていただけるとありがたいと思いました。
以上です。
〇柏女委員長 ありがとうございました。
先ほど前者でおっしゃった8ページのところですが、下から3つ目のところまでは割と大風呂敷というか、全体のことを書いているのですが、下から2つ目は結局、小さくなってしまうという感じもありますね。ここをどういうふうにしていったらいいかお考えですか。
〇池本委員 具体的なアイデアはないのですが、市町村に設置されている運営委員会というのは何を指しているのかが。
〇柏女委員長 それをちょっとお話して、どのぐらいの可能性を持ったものなのか把握できにくいので、運営委員会を活用したら本当に総合性が図られるのかどうかとかいう話だと思うのですが。
〇池本委員 今あるのではなくて、これからつくるということですか。
〇柏女委員長 お願いします。
〇田村子育て支援課長 運営委員会についてでございますけれども、放課後子ども総合プランが作成されたとき、平成26年のとき、このときに放課後子ども総合プランを推進する中で市町村に運営委員会というものを設けていただいて、その中で例えば評価委員会、それから、福祉部局等々が連携をしていただいて、ここでいろいろ検討等を含めて放課後児童クラブと放課後子供教室というものの連携を推進していく。いわゆる企画等も含めてこの運営委員会が核になって放課後子ども総合プラン、放課後児童クラブと放課後子供教室の一体化という形を進めるのに、この運営委員会を活用してください、それを設けてくださいという形でお願いをしてきているところでございます。
これが今、どの程度の市町村でできているか、ちょっと今データがなくてお示しすることはできません。すみません、つたない説明で。
〇柏女委員長 金藤委員が前におっしゃっていた、地域の中で放課後子供教室を進めていくための推進体制みたいな図がありましたね。あれとは違うのですか。
〇金藤委員 それとは別だと思います。地域学校協働本部というものを全国的に展開することは進められておりますけれども、今、課長さんから御説明があった運営委員会というのは、またそれとは別の組織だと思います。
西川さんから補足があればお願いします。
〇柏女委員長 では少し補足してもらってもよろしいですか。
〇西川文部科学省地域学校協働推進室長 オブザーバーとして失礼いたします。文科省でございますけれども、金藤先生に今おっしゃっていただいたとおり、地域学校協働本部といいますのは、まさに学校と地域が連携をさまざまな形でするために、各学校区を基本の単位として置いてくださいということを今、文科省として推奨させていただいている体制のことでございまして、その本部が主導して行うさまざまな活動の例えば登下校の見守りでありましたり、さまざま地域のボランティアの方が学校のためにいろいろな活動をする。その活動の1つが放課後子供教室という位置づけになっておりますけれども、ただ、今、案に書かれている運営委員会につきましては、放課後子ども総合プランの推進のために、まさに総合プランの中で市町村は地域の実情に応じた効果的な放課後児童クラブ及び放課後子供教室の実施に関する検討の場として、運営委員会を設置するというふうになっておりますので、放課後子ども総合プランに基づいて両事業の連携のために設置するものと理解しております。
〇柏女委員長 そうすると、なかなか下の2つ目の○のところは、今あるようなさまざまな、例えば池本委員がおっしゃった民間の学童とか、そういうものをどう健全に伸ばしていくのかとか、そのようなところまで議論をするような場ではない感じですね。ということは、ここの下から2つ目のところは書き直したほうが、もう少し大きく大局的に書いたほうがいいような感じかもしれませんね。例えばプランも含めてプレイパークとか、民間学童など公的施策の中にどのように位置づけかの検討も含めて、放課後の生活のあり方を体系的に進めていく必要があるとかいうように、少し大きくしておいて、その中に幾つかの現在、動いているものはあるけれども、全体としては図1にあるような、別紙1にあるようなさまざまな活動があるので、その活動を項の中に入っているものもあれば、全く入っていないものもあるし、そういうのを全部含めてどうあったらいいのかを総合的に検討する場が必要だというようなスタンスでいいのですかね。そうさせていただきましょうね。
では野中委員、お願いします。
○野中委員 用意していた発言とは別に、今のことと関連して一言。私はここの表現はこの内容でいいと思っています。というのは今お話にありましたように、前文のところは放課後子ども総合プランを推進していく上でのこととして重要ですので、もし池本委員のおっしゃった内容をもう少し取り入れるとすれば、それはそれで切り離した形で、もっと放課後子ども総合プランとは少し違う意味で、民間のさまざまな取り組み等について一言、触れることのほうがいいのではないかと思います。
理由は、先ほど金藤委員がおっしゃった御意見は、地域の実態の把握に基づいたとても大切な視点だと思いますし、児童館等を含めて総合プランの中の視野に入れるということについては、この運営委員会の中でちゃんと理解をしていただくことが必要だと思います。この委員会では今までは主に学校の中にある放課後子供教室と放課後児童クラブとの連携あるいは一体の問題を扱ってきましたので、今後はこの専門委員会の視点を入れて取り組んでいくという意味で、この2行はとても大事な提起だと考えます。そこをごちゃまぜにしないほうがいいのかなと思いました。
私の意見を続けて言ってもいいですか。区切りますか。
○柏女委員長 つまり2つを、放課後子ども総合プランの中の運営委員会の役割ということと、放課後児童対策でさまざまなものがあるけれども、それを総合させるものと分けて書いたほうがいいということですね。わかりました。
○野中委員 では用意した意見を発言させていただきます。
私は8ページの7行目からと12行目からと18行目からの3項目と、15ページの裏の別紙1の放課後児童対策の全体像について、まとめて児童館に関連しますので発言をさせていただきます。
1つは、児童館をこれからの施策の中でどう考えるかということです。それは8ページの一番下の項目で書いてあることと関連するのですが、現行の児童福祉法40条の表記の「児童に健全な遊びを与えて」という表現がさまざまな評価をされているということについて一言申し上げたいと思います。昭和22年、23年という時代は、子どもに遊びを保障するということ自体が、子どもにとってとても切実な福祉的課題だったということを読み取っておく必要があるのではないかと思います。それを今日の状況からみて、「ただ遊びを与えるだけだ」とか、そのような法文の評価があるわけですけれども、この当時に作成された児童福祉法は決してそういうものではなくて、荒廃した社会状況の中で子どもに遊びを保障するというか、与えるということの福祉的な課題を切実に体現したものです。児童館自身はその時々の子どもの社会的あるいは福祉的な課題に即応するという可変性を持った施設としてあるわけですから、このところをちゃんと読み取った上で、改定された児童福祉法によってさらにそれを引き継ぐ形でどうするかということを考えるべきではないかと思います。
そういう点では、前回、事務局から提示されました「改定児童館ガイドライン(案)」は、現行のものもそうなのですけれども、制定当時の児童福祉法の理念を引き継ぎながら今日の時代に合わせたものとして児童館の理念や目的をどう表現するかということも改めて示して、検討が進められていると理解しています。
そのこととあわせて、一般には「児童館というのは単に遊び場になっている」という捉え方が割と多いわけですけれども、実際に児童館の施設としての役割をしっかり考えているところは、必ずしもそこだけに限定していないんだということを示す意味で、資料4で『児童館等における遊びのプログラムマニュアル』の中での児童館、子ども食堂の実践例を紹介させていただきました。この遊びのプログラムマニュアルは、提供元のホームページに全文掲載されていますので、閲覧できます。
8ページに児童館について「複合的な機能を組み合わせて取り組むことができるという児童館の役割」という記述があります。これとあわせて15ページの裏の図面を見ていただきたいのですが、そこで示もされているように「普遍的ニーズ」(即時的な意味での遊び)に特化したという意味ではなくて、「特定のニーズ」(今日的な福祉課題)にも即応できるように、地域の中に施設として存在することを、もう一度発見するというか、再認識することが必要だと思いますので、ここで提起されている別紙1と8ページの記述については、まさにそのとおりと思い提案に賛同しているところです。
その点で8ページの一番下の「今後検証すべき課題」として示されている表現のところについても、ぜひこれは進めていただきたいと考えています。
以上です。
○柏女委員長 ありがとうございました。
1つ提案なのですけれども、今の野中委員の意見などを伺いますと、文章表現と図というのが溶け込んでいたような気がしていて、あまり政府の審議会の報告書にはそういう例はないですけれども、都道府県だと私も何度もつくったことがあるのです。図をこの中に入れて、つまり図1のようにさまざまな放課後の活動があるとかいうふうにしても、この文章の中に図を入れてしまうということも中間とりまとめですし、あってもいいのかなと思ったのです。
それから、表も一般財源化されたとか清水委員がおっしゃいましたけれども、そういうところで別紙2を本文の中に入れてしまったらどうか。体裁上の問題ですが、可能だったら御検討いただけると読みやすいのではないか、理解しやすいのではないかと思いました。御検討ください。
ほかにはどうでしょうか。
私から1点よろしいでしょうか。8ページの一番最後のところなのですけれども、放課後児童対策のあり方についてということで現行法令を見た場合ということで、限局された中身に全く不満があるわけではないし、これは入れるべきだと思いますけれども、例えばあわせて放課後対策を総合的に推進すべき旨を児童福祉法等に検討すべきだ、規定すべきだというようなことを前回少し申し上げたのですが、削除されているのにそれは無理よということで事務局で御判断されたのかどうか。もしもそうではなくて割と言えるのであれば、あわせて総合的に推進すべき旨を児童福祉法等に規定すべきであるといった意見も追加していただけるといいかなと思いました。御検討ください。
ほかどうでしょうか。小野委員、お願いします。
○小野委員 これはすごく小さな質問なのですけれども、7ページの2の4つ目の○の文章の中に、2行目ですが、塾やスポーツクラブ等が運営する「学童保育」という形で、鍵括弧で学童保育というのがくくられているのです。一般的に放課後児童クラブというのが私の市町村でも学童保育所、学童保育クラブのような形の呼ばれ方をしていますので、国の名称としてはイコールではないと思いますが、こういう学童保育というのを国としてはどのような言葉として扱っていく思いがあるのかなと思って、この鍵括弧でくくられていることも含めて質問なのですけれども、お願いできますか。
○柏女委員長 どうでしょうか。
○田村子育て支援課長 塾やスポーツクラブ等が運営する「学童保育」、国の補助を受けている受けていないという大きな話としてくくりだけの表現でございます。学童保育という言い方も、国として放課後児童健全育成事業の放課後児童クラブというのを正式な名称として使っておりまして、ただ、学童保育というのはいろいろな意味でその名前として言われておりますので、特に国としてこれがいい悪いということではなくて、一般的にこういう補助を受けているところももちろんいわゆる学童保育という言い方になるのかもしれませんけれども、受けていないところも学童保育という位置づけをしている。すみません、ここはそれほど深い意味を持って書いたわけではないのですが。
○小野委員 何となく鍵括弧でくくられていたので気になっただけです。
○柏女委員長 小野委員、よろしいですか。
では、植木委員、お願いします。
○植木委員 今の小野委員の「学童保育」の表記ですけれども、これだと放課後児童健全育成事業も含まれると解釈される可能性もあるのかなと思います。研究論文等では例えば民間学童保育とか、あるいは制度外学童保育とか、そういうふうに少し表現をつけ加えて明確に区別するようなやり方のほうが安全かなという感じがいたします。
以上です。
○柏女委員長 御検討ください。専門委員会の報告書でも注書きが結構出ていますので、注でやっていただいてもいいですし、今、植木委員の提案の形でもいいかと思います。誤解を招かないようにということだと思います。
よろしければ3番に移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。それでは、3番に移っていきたいと思います。幾つかの課題が挙がっておりますけれども、どこからでも結構ですのでお願いしたいと思います。
植木委員、お願いします。
○植木委員 9ページ以降のこれまでにいただいた御意見という項目、これは説明がありましたけれども、1点確認なのですが、これはイコール検討事項と解釈してよろしいのでしょうか。
○田村子育て支援課長 これも含めて検討事項ということで捉えていただいて、これについても何か御意見があればという形でお願いできればと思います。
○植木委員 わかりました。そういった意味では項目3に関してはかなり検討しなければいけない事柄が山積みだと思われます。
そこで1点提案なのですけれども、厚生労働省の子ども・子育て支援推進調査研究事業というものが毎年あります。その29年度までの研究報告書等で放課後児童クラブに関係する提案等が恐らく出ているのではないかと思うのです。そういったものの御紹介をこの専門委員会でできるのか、あるいは調査研究を行った団体等のヒアリング等が可能なのかどうか。もしそういうことで可能ならば、3の項目を我々で議論をする上でも十分に参考になるのではないかという感じがするのですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
○柏女委員長 進行をつかさどっている委員長としては、今この段階ですし、資料がこれまで委員からも提供されてきましたので、その中に一部入っていたと記憶しているので、この時期からのヒアリングは難しいかなという感じはするのですが、よろしいでしょうか。もちろんそれらを事務局のほうに御提示いただいて、例えばこの部分が私としては大事と思うということで、植木委員の意見として、後からここでしゃべったことだけが意見として採用されるわけではないので、メール等で御意見があれば出していただく形にもなっていますので、例えば植木委員でこの研究報告書のこの部分が一番大事だということでお出しいただくような方向でお願いできると、まとめの段階に入っていますので思いますが、よろしいでしょうか。
○植木委員 わかりました。
○柏女委員長 ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
では、金藤委員、お願いします。
○金藤委員 これまでの議論が量的な面と質的面というふうに分けて話し合いをしてきたことを踏まえて、このように分けられていると思います。それはそうなのですが、改めて見てみますと、例えば放課後児童クラブのあり方の人的面、物的面、ソフト面それぞれに量的な面と質的な面があると思うのです。そういう観点で見ると、今、量的面というところに活動内容についての記載がなされておりますが、それを活動内容と言ったらいいのか、プログラムと言ったらいいのか、私が判断すべきではないと思いますけれども、そういった活動内容ないしプログラムの問題は、量の問題であるとともに質の問題でもあると思うわけです。
その質の問題というところにおいてぜひ今、学年に応じて内容は別であるという表記がなされておりますけれども、発達段階に応じた内容の検討実施をしなくてはならないということや、体験的な活動を通じたものにするべきであるということ。それから、子どもの企画段階からの参加を保障するものであるということ。また、児童生徒の選択可能性を高めるということや、児童生徒の満足感、達成感、成就感などを重視するというようなことを記載することをぜひ御検討いただきたいと思います。
○柏女委員長 具体的にはどうしますか。量と質を分けていますけれども、便宜的に分けているわけで、本来はおっしゃるように一緒のところは当然、量的側面と質的側面があるわけですが、今おっしゃられていただいたことは質の問題のところで触れていただくという形で、分け方としてはこれで今まで聞きましたし、よろしいでしょうか。では、そのようにさせていただいて、今、御指摘があった点は大事な点だと思いますので、文章化していく際に入れていただければと思います。ありがとうございました。
では野中委員、お願いします。
○野中委員 33章の扱いのことなのですが、例えば10ページの情報公開や運営内容の評価をどのように行うかという項目を、質の確保のところで見ていただきたいと思います。これまでいただいた御意見の中で、例えば第三者評価基準など評価指標の開発と成果や効果の見える化の検討という表現があるのですが、実は現行の設備運営基準、運営指針を作成する際に、この問題については相当詳しい検討をされていたと思います。結果、自己評価とその公表というところが今の事業を国の基準として示すということで、おさまっているものなのです。確かにその中で第三者評価までそういう基準にするかどうかということも、詳細に検討されたことを聞いております。
結果的に今後の方向性としてこういうものを取り組んでいくということは大事なことなので、それは先ほど植木委員がおっしゃいましたように、研究テーマとして取り組んでいくことは可能だと思うのですけれども、先ほど申し上げた経過を詳細に整理しないと、例えばここで第三者評価をどうするかという話になったときに、設備運営基準や運営指針の改定に踏み込むのかどうかという問題を含むことになってしまうのではないかと思うのです。そういう点で、ここまで出た意見の中に、そこに関連するようなことも幾つか含まれていることがありますので、私は第3章はもっと簡潔に、マクロな視点で検証と合意が可能なものに絞るべきではないかという感想を持っています。
1回目から座長がおっしゃっておりますように、前の専門委員会を経て国として設備運営基準、省令と運営指針と詳細な解説書をつくって、一定程度、制度を整備したわけです。そして、それが政治的なかかわりとの中で、どこまで基準にできるのか、あるいは方向性の示唆にとめるのかということが行政的に進められているということは伺っておりますけれども、作成されたものそれ自体をまだ周知徹底する経過期間の中で、そのことの全部を見直しをするかどうかということになってくると、これは事情が違うのではないかと考えています。
自治体や国全体の施策の中で、今作られている制度のどの部分に力点を置くのかとか、どういうところまで義務づけをし、あるいはどこのところまで努力目標にしてやるかという問題というのは次元の違う問題ですから、それはここで扱う問題ではないということを承知していますけれども、その上で考えますと、こういう細かいものまでここで議論をして方向を決めるというと、この委員会として施策を拘束します。それは避けるべきではないかと考えます。一例で第三者評価基準のことを申し上げました。現にこのテーマは研究会としてそういうものの研究を進めているという話も聞いていますので、それはそちらでやっていただいて、その結果を今後の施策にどう反映するかということを考えていただくことでよろしいのではないかと考えます。水を差すようで申しわけないのですが、可能であればこの項目についてはここで自由に意見を出し合うことは、それはそれでいいと思うのですけれども、まとめとして最終的に決めるのは、本当に検証可能で合意ができるもっとマクロなものを簡潔にまとめることがあっていいのではないかと、そのように感じております。
○柏女委員長 ありがとうございます。
今日こういう出し方がされているので、誤解を生むところがあるとかと思うのですが、文章というか正式な報告書は今後の検討課題とか、検討事項とかは全部削除されて、これまで委員が述べてきたことで最小限合意できるところ、最大限合意できるところ、それを書いていくという形になるかと思います。
それで前回、例えば放課後児童クラブの類型の問題、これまで議論をしてきましたけれども、家庭的学童とかいうのも意見として出ましたが、野中委員のほうで今、新しい制度ができて動いている段階の中で新たな類型をつくるのはいかがかと。今のものを定着させていくことが大事ではないかという御意見もあったので、今回の中にはそれは入っていないわけです。
そのようにこれまでの御意見の中で、異論のあったものについては削除していっていますので、これも次回になると、さらに今日はたくさんの意見をいただいた上で事務局として1章、2章と同じように文章化をして次回には出すという形になるかと思います。そのときに今おっしゃったような第三者評価基準の評価指標の開発等については、まだ時期尚早ではないかという御意見が例えばあったということであれば、また事務局のほうでそれをそしゃくしながら、次回の意見として文章化して出してくださるのではないかと思います。
○野中委員 わかりました。そういう意味で発言を修正したいと思うのですが、ここで出されているこれまでいただいた御意見、検討事項という項目に関しては、現行の施策と照合した上で、そこと齟齬のないものについて、尚且つそれを充実させるとか、将来その部分は改めて検討したほうがいいとか、そういう整理をしてまとめていただくことを提案します。
○柏女委員長 わかりました。とても大切な、いたずらに混乱を招くようなことは避けたいと思いますので、今の御意見はぜひ根底に置きながら3章部分についての文章立てをお願いできればと思います。ありがとうございました。
では赤堀委員、お願いします。
○赤堀正美(オブザーバー) 恐れ入ります。せっかく参加させていただいたので、わからないながらも御意見させていただければと思います。
11ページの現状と課題のところですけれども、本当にそのとおりだと思うのですが、3つ目の○のところに給与のことが出ています。これは課題として恐らく報酬が低いよということを言いたくて、低いから人材確保は難しいんだよという議論の流れだと思うのですけれども、そういった意味でも放課後児童クラブ自体は、市町村の積極的な取り組みによって徐々に量的には増えてきているとは思います。また、それに伴い支援員さんも増えているかと思いますが、逆に、だからこそ人材確保が厳しい課題になっているのではないかと思います。なのでここで給与のみでなく、数的なと言うと表現が難しいのかもしれないですけれども、実態調査もされているのでどのような形であらわせるかわからないですが、そこのところのデータがわかるともっといいかなと思いました。
もう一つ、現状と課題の2つ目の○にあります放課後児童支援員認定資格研修のところと関連して、検討事項にも出ていますけれども、いかに研修に参加していただけるかというのが、人材確保が不足ぎみという部分とリンクするかと思うのですが、また、保育の現場でもそうで、保育士のキャリア制度というものをいろいろ準備しているのですが、現実問題としてなかなか受講するのが難しい実態にあるのではないかという課題もありますので、資格研修についても具体的な施策の話になるかもしれませんけれども、補助金の金額とかになるかもしれませんが、研修実施頻度の充実ですとか、地域によっては支援員さんとしては地域のお年寄りまではいかないかもしれないですが、元気のいい高齢の方が支援員をなさっている例があって、そういう例も救えるような形、端的に言うと働き始めてから研修をするということで、正式な支援に向かっていくことも考えてほしいというのは地方団体のヒアリングで意見が出ていたと伺っておりますので、これまで出たそういった意見も意識した形があらわせられればいいのかなと思いました。
以上です。
○柏女委員長 ありがとうございました。
では、中川委員、田中委員、安部委員。
○中川委員 今もお話が出ておりました11ページの上から3つ目の○なのですけれども、放課後児童クラブに従事する職員の給与がここで示されておりますが、この給与は年額で270万、そして常勤で月給制の職員ということです。
放課後児童クラブに従事する職員さんの多くは、どちらかというと非常勤や時間給制の方がたくさんいらっしゃるのではないかと思うのです。常勤で月給制というのはある意味で恵まれているほうになるのかなと。保育士さんも年額で確か310万か320万だったと思いますが、月給制で考える限りでは勤務時間等を考えますと、そんなに270万円という数字は低くないとも言えますし、ただ、放課後児童クラブの場合、問題なのは多くの職員さんが常勤で月給制ではなくて非常勤や時給制等でお勤めをされている。ここの問題が放課後児童クラブの処遇を考える上での大きなポイントなのかなと思いますし、その下の検討事項のところで、これまで出た意見というところで、新卒者の養成について検討すべきという、大学の養成課程で資格取得を可能にする。これは確かにいいことだろうと思うのですけれども、現実問題、大学を出た学生さんが放課後児童クラブの職員に今の処遇の現状の中でお勤めができるのかなと。だからここの問題というのは、大学の養成課程で資格取得を可能にすることの背景には、放課後児童クラブで従事する職員さんの処遇のあり方に対する議論が必要なのではないかと思います。
以上でございます。
○柏女委員長 ありがとうございます。
これまでに出ていたものの中の代表例をここに入れてしまったので、今のような処遇改善の問題などは今までの議論の中に出ていたわけですけれども、それがないので、このやり方というのはあまりいいやり方ではなかったなということは今、思っています。全部を取り上げていくわけにはいかないので、すみません。
田中委員、お願いします。
○田中委員 私のほうから2点ございます。
1点目でありますが、9ページになります。いわゆる量の拡充について書かれているわけですが、その中で検討事項について1点、書いてございます。そのところでは特に4年生以上の待機児童をということで書かれておりますが、こういったように特に4年生以上の待機児童とするのは適切ではないのかなと考えております。
私ども自治体の現場としては、まずは放課後子ども総合プランを実施しても引き続き解消されないだろう小1の壁の問題の方策を特に考えるべきだとして、それに触れておくべきではないかと考えます。小1の壁への対策をまず考えるというところが、国民とか児童の福祉を考える上で最優先であることを明示すべきではないかと考えております。それについてはこれまで主張してきたと考えておりますけれども、このいただいた意見に反映されていないというのは残念に思っています。
4年生以上というのは、どのような教育、居場所づくりなどを行うべきかという内容であって、質の問題であり、量の拡充の問題から少しずれているのかなと考えています。これが1点目です。
2点目として10ページなので質の問題になろうかと思いますが、検討事項の中で現に放課後児童クラブというのが学区内に設置されておらないということで、サービスを受けられていない児童もいるというのがあります。そうした児童には放課後子供教室とか児童館も含めて対応しつつ、早期に放課後児童クラブ設置をしないといけないと思っております。そのような空白区のことをこれまで意見として申し上げてきたわけなのですが、これについても取り入れていただければと考えております。
以上です。
○柏女委員長 この出し方がかなり誤解を生んでいるのではないかと思うのです。つまり、今、田中委員がおっしゃったのは、これは当然入るわけです。つまり、次回出てくるものには。つまり、ここに書いてあるのは、例えば4年生以上と書いてあるのは、4年生以上の人たちの放課後対策をどうしたらいいかという意見が事務局として少ないと思う。だからそこについての意見が欲しいということであって、1、2年生が大事だというのは一番それは完全に入ることになっているから、ここには書かないということになっているのです。事務局としてそういうやりかたをしたいというのは私も追認してしまったものですから、それが誤解を生んでしまっているのではないか。だから田中委員がおっしゃった2つのことは、既に意見として次回、出てきますよということになっていて、事実について書いていこうとすると4年生以上のことがあまり意見で出ていないので、それについて意見をいただければという事務局の意向だったということです。やはり誤解を生む形になってしまったこと、すみません、承認した者として申しわけなく思います。
そういう観点で、ここに書いてある検討事項のところはまだ生煮えですよというところなので、ほかのところはちゃんと書ける、中間とりまとめは書ける。でも、この部分は書きにくい。だから御意見をくださいという意味だということで御意見を頂戴できればと思います。
では、安部委員、お願いします。
○安部委員 量の拡充に関して質問が1点と意見が幾つかあるのですけれども、まず事務局に質問をしてもよろしいですか。
9ページのところに平成29年度、待機児童数1万7,000人とあるのですが、今年度はどの程度になりそうなのでしょうか。
○田村子育て支援課長 まだ調査が進んでいないので、すみません、この段階ではわかりかねます。
○安部委員 前回たしか委員長が、放課後児童クラブのニーズの推計を国としてもできないかというのを御提案されたと思うのですけれども、そういうことは可能ではあるのですか。
○田村子育て支援課長 第1次子ども・子育て計画を内閣府でとりまとめておりますけれども、1回目の5年計画の中ではその計画が始まる前にニーズ調査を行っている。今の1次の計画が31年度で終わりということで、次は32年度からなのですけれども、そこのところはまた内閣府でやるのか。やるとしたらどのようにやるのかというのもまだ私どものほうには情報が入ってきていない状況でございます。
○安部委員 わかりました。ありがとうございます。
そうしますと、量の拡充に関して3点ほど意見を述べてもよろしいでしょうか。
まず1点目なのですけれども、特に4年生以上の子どもたちに関しては、もちろん全員ではありませんが、できるだけ地域に返していくことが重要だと思っています。その際に放課後児童クラブはおしまいだよではなくて、子どもに向けた情報発信が必要です。というのは遊び場として例えばプレイパークがあったりとか、公民館とか図書館も使えるよということも含めて、子どもが選べるような形での情報提供がなかなかなされていないと思いますので、そういう方向性も1つ考えたいというのが1点目です。
2点目は、それをコーディネートする役割の人が必要です。先ほどの運営委員会の方が担うのかもしれませんけれども、特に所管を横断していろいろな施設があり、あるいは民間にもあるわけですから、それをどこかで情報を一元化するようなことができたらいいと思います。それが2点目です。
3点目、10ページの最初の○に「地域の多様な施設を活用し」とあります。これは先ほどの共生社会のところでも、子どもを社会の一員としてという文言があったように、子どもだけでも施設を使えるようになるといいかなと思っています。というのは児童館はもちろん子どもだけで使えますし、図書館も歓迎してくれるのですけれども、公民館によっては子どもだけで行くと追い返されたりするのです。なので、いろいろな既存の施設が子どもだけで来ても受け入れるよ、まち全体が子どもの遊びを支えるよ、という状況になって環境整備ができれば、特に4年生以上であれば自分たちで選んでいくことができるのではないかと思います。もしかするとコーディネート的な役割も、運営委員会よりも地域の児童館の児童厚生員のほうが詳しかったりするのかなとも考えます。
以上です。
○柏女委員長 子ども・子育ての分野では利用者支援専門員という制度ができて、高齢者や障害者にもあって子どもの分野にもありますけれども、子どもの放課後生活を支援していくような人が必要になってくる。それが児童館の児童厚生員の役割として、子どもたちの放課後生活を導いていくというか、情報提供していくような人材が必要かもしれませんね。ありがとうございました。
では、中川委員、お願いします。
○中川委員 9ページの量の拡充のところなのですけれども、今、安部委員のお話にもございました4年生以上の状況なのですが、大体4年生、5年生、6年生になってくると、そろそろ学童から離れて、子どもたちだけで放課後を過ごせないかなという思いを子どもも保護者の方も持つようになります。ところが、日によって雨が降る日もあれば雷が鳴る日もある。風が吹く日もある。保護者の方の帰りが遅くなる日もある。そんなときに4年生になったから、5年生になったからといって頼る大人がいない。ここの不安というのが保護者の方は大変大きいんだなと、いつも私は現場でお話をしていて思うのです。
そのことに対して安心して就労していただいて、例えば子どもさんは地域の中でこのように過ごしてもらえますよという環境をいかにつくっていくかということが大切だろうと思うのです。
1つは児童館の存在だろうと思うのです。児童館というのは先ほど来、説明がありましたように、全ての地域の子どもが自由に、1人でも自分の意思で利用できる。そういう施設なのですから、何かあったときにはそこには児童厚生員がおりますから、さまざまな支援ができるわけなのです。ところが、児童館も先ほど箇所数を見てもらうと5,000に満たないわけです。放課後児童クラブの箇所数に比べると大変少ない。ここの拡充が1つ求められるということと、もう一つは放課後子供教室が大きな支えになるのではないかと思うのです。ただ、放課後子供教室も地域、自治体によっては毎日、開設されていなかったり土曜日は行っていないとか、長期休業中は閉めておりますとか、非常にばらつきがある。このあたりの実態をしっかりと把握した上で、高学年の子どもたちが学童でなくても地域の中で安心して過ごせるような環境をつくっていく。これがいわば高学年以上の待機児童対策の大きなポイントになるのではないかと思っていますし、5年生、6年生になって放課後児童クラブというある意味、制限された施設の中で生活するよりも、地域の中でさまざまな人と交流を深めながら、広めながら育っていくことが、子どもの健全育成という観点で言えば望ましいことなのかなとも思います。ただ、安全、安心ということをどう担保していくか。ここをしっかりこれから考えていく必要があるのではないかと思っております。
○柏女委員長 ありがとうございます。
では植木委員。
○植木委員 今ほど議論になっています4年生以上の待機児童の問題ですけれども、今、中川委員が言われたように、原則的には地域で子どもを育てていくことが念頭にあるかと思いますが、同じ4年生と言えども発達には差があるわけであって、放課後児童クラブを必要とする4年生以上の子どもも現実的にはいるのだということなのだと思うのです。
一方で、4年生以上の待機児童の割合が4割になっている。これは1年生から優先的に入れていくわけですから、当然、4年生以上がはじかれることになろうかと思います。あと、私が以前に勤めていた放課後児童クラブでは6年生まで受け入れておりました。下級生が6年生、上級生をロールモデルとして見ていくようなよい効果も一方ではあったような気がいたします。そういった意味では4年生以上の放課後児童クラブをどう考えていくかということを多面的に考察していく必要があるだろうし、中間報告でも取り上げる必要があるのではないかという気がいたします。
以上です。
○柏女委員長 ありがとうございました。
金藤委員、お願いします。
○金藤委員 ただいまの4年生以上ということに関しまして、私も植木委員がおっしゃられたように、放課後児童クラブにおいても4年生以上のニーズはあるということとともに、また、高学年になればさらに放課後子供教室との連携が非常に重要になってくるということだろうと思います。そういう意味では中川委員がおっしゃられたように、全国的にもっと放課後子供教室を拡充する。週1回とかの開催ではなく250日以上、児童クラブと同じように開催することを目指すべきであろうと思います。遊びということだけでなく、高学年になればなるほど学びという機会を保障する必要がある。そこには強制ではなく学びたいことを学べる、かつ、それをサポートできる人材がいるという、そういうことを含めた条件整備をぜひ御検討いただきたいと思います。
また、学校との連携ということに関しまして、学校施設の管理責任が今のところ校長に置かれているところが非常に多いです。それによって校長が土日に開くのはもちろん嫌がるということや、夜遅くになるまで開いているのを嫌がるということがある。また、過重負担を感じているということも聞いております。これをぜひ校長から放課後支援の学校利用については切り離して、教育委員会が責任を担うというようなことも検討すべきことなのではないかと思っております。
以上です。
○柏女委員長 ありがとうございます。厚労省から文科省に言えるのかどうかわかりませんが、省庁またがりの議論をここでしておりますので、ぜひ今の意見なども御検討いただきたいと思います。ありがとうございました。かなり大事なことをおっしゃっていただいてよかったなと思います。
では山田委員、お願いします。
○山田委員 ただいまの放課後子供教室の実態ということで御紹介させていただきます。地域の人材を活用しようということになるのですが、フルタイムで働いている親御さんが多いということで、地域には高齢者しか残らない。放課後子供教室の代表となる方は元PTAの会長さんがやる。でもそのPTA会長さんも働いていらっしゃるということで、なかなか放課後子供教室の現状としてはスタッフや支援をしてくださる方の人材不足というのが現実としてあるのかなということが1つあります。それが今、放課後子供教室についての現状ということです。
もう一つ、11ページですが、最後の○の研修の放課後児童支援員のスキルアップを図るための資質向上の研修のあり方を今後どのように考えるかというところで、研修体系を見ると初任者研修は5年未満となっておりまして、中堅者研修は5年以上となっております。この中堅者研修は、実際に福島県においては研修体系に沿って実施しているところなのですけれども、中堅者以上5年と、大ベテランだと30年、40年という方がいらっしゃるわけです。そうすると内容によってはすごく勉強になるという、5年くらいの職員や昨年までは初任者だったのだけれど、今年度になって中堅者研修を受けてきたという職員もいれば、30年も40年もキャリアを積んでこられている方がいるというと、年数のギャップがあって、どこに基準を持っていくか、どのような研修の内容を盛り込んだらいいかということで、講師の我々としてはどういう内容をしていくのかというのがすごく頭を痛くするところです。ですから中堅研修を5年以上と上限がないというところでは、この辺のところは年数を切ることも1つあるのかなと思いました。
以上です。
○柏女委員長 ありがとうございました。
今のはあれですね。福島県の例ですよね。国として経験5年以上とか未満はないですね。
○山田委員 でも研修体系には中堅研修は5年以上という枠があったように思うのですが。
○柏女委員長 検討会の案としてそれを出したことはありますけれども、キャリアアップの話ですか。
○山田委員 キャリアアップです。
○田村子育て支援課長 今おっしゃっていただいたのは、国の補助事業であるキャリアアップ事業、処遇改善というか、それも含めたということですよね。ここに記載されたものとは違う、キャリアアップ事業という国庫事業の中で指導員の研修という中で5年、10年という形で区切った形の補助事業がございまして、今、先生がおっしゃったのはその話だと思います。
○柏女委員長 わかりました。キャリアアップの研修と同時に現任研修がありますので、現任研修体系というのは考えていく必要はあるかなと思いますし、キャリアアップの補助の対象のための研修については、それは効果測定をした上で変えていくべきことですし、それも政府もやる予定にしているみたいですね。新聞に、保育所の研修とキャリアアップのものが本当に役に立っているのかどうか、効果測定するというのが出ていましたけれども、それと同じような感じで。
○田村子育て支援課長 すみません、よく理解していないであれなのですが、うちの今のキャリアアップ事業に関しては、まだそこまでは検討していないです。
○柏女委員長 そうですか、わかりました。保育が先行するということですかね。新聞報道だけなので、すみません、私も確たるものはありませんけれども、でもそれと同時に現任研修の体系も案として初任者はこういうことを学ぶ、中堅者はこういうことを学ぶというものも、研修の体系化を国としても示していくことも大事なのではないかというのは、そのとおりだと思います。ありがとうございました。
ほかどうでしょうか。野中委員、お願いします。
○野中委員 2点、発言します。
1点目は、前のテーマのときに池本委員がおっしゃいました、子どもの放課後を対象に実施した事業全般について触れるということとの関連なのですが、9ページの上から21行のところ、検討事項ということで、「放課後対策全般について子どもを守れるような情報の公開や倫理的セキュリティーを検討すべき」というところは、今、紹介がありました池本委員の御発言とあわせて、3のほうではなくて2に持っていっていただければと思いました。これが1点です。
それから、4年生以上というか、高学年と放課後児童クラブとの関係については、前々回、発言しましたので繰り返しませんが、結論から言いますと、6年生まで必要だし、有用だというところもありますし、そうでないような状況で過ごせる環境もあるのです。子ども自身の発達の問題とか、仲間の関係とか、家庭の環境や養育の考え方だとか、地域環境とか、学校の放課後の考え方とか、今、放課後のクラブ活動等についても施策が変わっていく流れがあると思うのですけれども、そういうものを含めて判断しなければいけないことがあると思いますので、そういう検討課題を示すことがここの役割ではないかと思います。
その点で、1点だけ補足させていただきますと、現場にいた経験と、あわせて当時の調査から考えますと、子どもの発達面での依存と独立という面で考えれば、確かに4年生は移行期なのだと私は思っています。特に4年生の夏休みが終わるころまではなかなか難しい問題があって、私が勤務していた当時は3年生までのクラブだったのですが、保護者と子どもたちで3学期の1学期間をかけて準備をして、卒室後をどのように子どもを過ごさせたいのかということとか、子ども自身がどのように、するかという丁寧な話し合いをしながら対応した経験があります。ほかに居場所を見つけたとしても、そこで困ったときに頼れないと新しい居場所に定着しないという問題もあったり、心理的にいろいろな難しい問題も起こしたりすることも見てきておりますので、この面については、ニーズと環境だけで考えるのではなくて、もう少し多角的な視点からの検討が必要だということをこの検討会で示して、自治体やそれぞれのところが判断していくうえでの検討の視点を提起することをお勧めしたいというか、そのように思います。
○柏女委員長 ありがとうございました。現場で都道府県、市町村で計画等を整備していく上で、そうした検討視点も改めて例示していくことが大事なのではないかということです。ありがとうございます。
ほかどうでしょうか。そろそろ時間的にも来ているのですが、もう少しまだ5分ぐらいは大丈夫かなと思いますけれども、言い残したこととかありましたらお願いしたいと思います。
では池本委員、お願いします。
○池本委員 どこまで言っていいのかだんだんわからなくなってきているのですけれども、個人的に検討してはどうかと思っていることを幾つか申し上げたいと思うのですが、まず1つはそもそも今、放課後児童クラブは就労要件によって利用できるかできないか決まっていますが、そのこと自体は不変のままでいいのかというのが思っているところで、かなり働き方も多様化していたり、親が働いたり働かなかったり、出入りが激しくなっている中で、そういう要件なく利用できるという形にすることはできないのかというのを感じているところで、海外は基本的に子どもたちに行く権利があるという場所になりつつあるので、日本もその辺はどうなのだろうということが1つ。
もう一つは、質の確保のところで今、幼児教育については質を確保する上でセンターを設けて、そこからいろいろなところに出向いていったり、そこで研修を行ったりするようなものをつくろうということが行われているわけなのですが、放課後児童クラブも第三者評価をやらないと質の確保が不安だということで、自治体で独自に取り組んでいる地域もあったりしますし、先ほどの家庭的学童みたいなことも大規模なものというよりは、地域で小さなものをやったほうが、この地域ではうまくいくということで実践をされている例もあったりしますので、そういったいろいろなトライアルみたいなものの情報を国として集約して、先ほど研究事業という話もありましたけれども、研究というのではなくて、もう少し具体的にその情報を現場に還元するということを意識したような放課後研究センターみたいなものをつくって、質を確保していくことも考える必要があるのではないかということも思っています。
質確保の関係でもう一つ言い残したことと思っているのですけれども、放課後で先ほどの地域共生社会みたいな話が出てきたときに、もう少し子どもたちが地域に混ざり合うようなことがイメージできないかということで、海外ですと子どもに優しい町、チャイルド・フレンドリー・シティーズということで、子どもたちが自由に町を歩けるような交通の安全だとか、緑地の確保とか、前も申し上げましたけれども、プレイストリートみたいにその時間だけそこの道路を遊び場にして、地域の高齢者なんかも出ていって子どもたちが遊んでいるのを身近で見られたりするというような形もできたりしますので、町全体を放課後仕様にしていくことも検討できないかなと思って、言い残したというか、気になっていることだけ、以上です。
○柏女委員長 ありがとうございます。
今、お聞きしていて思ったのですけれども、この専門委員会でそこは十分議論できないかもしれないが、でもそうした課題を最後のところで網羅的に挙げておくことはとても大事なことかなと思いましたので、少し書きぶりを事務局で検討していただいて、今すぐこの専門委員会で提言できることと、そうでないけれども、宿題として私たちが意識しておかなければいけないこと、そうしたことで保護者の親の就労要件の有無によって子どもたちが今、分かれてしまうことについてどう考えるかとか、私の意見で言えば保護者の負担率が、放課後児童クラブだけどうして半分が保護者の学童利用料になって、残りの半分を公費で負担するという、何で5割でなければいけないのか。それが健康保険だと3割自己負担で7割が公費負担なのに、介護は1割、2割が私費負担なのに、どうして学童だけ5割でなければいけないのかというようなことも率直に疑問に思っているものですから、そのようなこととか、サービス管理責任者の費用がほかのところだと出ているのに、どうして放課後児童クラブの責任者、経営者のお金は出ないのかとか、そのような率直な疑問とか検討課題とかあるので、そういうものは今回はできないけれども、残しておいたらいいのかなと思ってお話を伺わせていただきました。そういう意味では今、家庭的学童などの類型の話なんかも、ここで詰めることはなかなか難しいかもしれないけれども、そうした議論もあっていいのではないかということも最後に網羅的に挙げておくというのは大事かなと思いました。もし御承認いただけるならば、そのような形で事務局とも調整してみたいと思います。よろしいでしょうか。
そうすると、今の池本委員の御意見なども生かされる形になると思いますので、そのように考えていきたいと思います。ありがとうございました。
ほかよろしいでしょうか。では金藤委員、お願いします。
○金藤委員 小さいことですけれども、最後につけていただいた図、子どもの児童対策の全体像を俯瞰するという意味で非常に興味深いもので有意義だと感じているところなのですが、先ほど中川委員からもお話がありましたように、児童館は5,000館に満たないというお話でしたが、他方、公民館は全国に1万4,000館ございまして、そういった実態を少し反映するようなツールになってほしいなということと、もしあきがあるところに書けるのでしたら、その実数を補足資料として書いていただけると、補足の注として入れていただけるとより有効になるかと思います。
○柏女委員長 表のほうにはたしか入れたと思うのですけれども、図のほうに入ればいい。
○金藤委員 公民館と図書館をもう少し大きくしてほしいなというのが率直な意見です。
○柏女委員長 図自体は数の多さをあらわしているわけではないと思ったのですけれども、そういう見方もされてしまうかなと思うので、そこは注意を払って作成していきましょう。ありがとうございました。
ほかよろしいでしょうか。よろしければ、今日の議論はこれで終了とさせていただきたいと思います。特に3のところで誤解を招きやすいような表現ぶりをしてしまったこと、おわびを申し上げたいと思います。次回にはその部分も含めて一定程度、文章化されたものが出てくることになります。今後の予定を説明していただいた上で段取りを考えていきたいと思います。
事務局から次回、今後の予定について連絡をお願いいたします。
○里平健全育成推進室長 次回の専門委員会でも、引き続き中間とりまとめの素案について予定しております。日付としましては5月15日火曜日10時から、場所は事務局から後日、連絡いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
○柏女委員長 ありがとうございました。
資料3によりますと、次回が第9回、そして最後が第10回となりますので、あと2回の開催が予定されているという形になります。そういう意味では次回の議論はとても大事な会になるかと思いますので、積極的な御意見を頂戴できればと思います。
それでは、今日はこれで終了いたします。各委員におかれましては、大変お忙しい中、御出席をくださいましてありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

(了)

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