このページではJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にしてください。

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 中央社会保険医療協議会 総会 第577回議事録(2024年1月10日)

 
 

2024年1月10日 中央社会保険医療協議会 総会 第577回議事録

○日時

令和6年1月10日(水)診療報酬基本問題小委員会終了後~

○場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8F

○出席者

小塩隆士会長 笠木映里委員 永瀬伸子委員 本田文子委員 安川文朗委員
鳥潟美夏子委員 松本真人委員 佐保昌一委員 高町晃司委員 眞田亨委員 
長島公之委員 茂松茂人委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 太田圭洋委員 林正純委員 森昌平委員
木澤晃代専門委員 上田克彦専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他


○議題

○診療報酬基本問題小委員会からの報告について
○医療機関等における職員の賃上げ(その1)について
○個別事項(その 23)について
○入院(その 10)について
○これまでの議論の整理(案)について
○その他

 

○議事 

○小塩会長
 それでは、ただいまより、第577回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、飯塚委員、鈴木委員、末松委員、岡本専門委員が御欠席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 初めに「診療報酬基本問題小委員会からの報告について」及び「医療機関等における職員の賃上げ(その1)について」を議題といたします。
 これらの議題は関連しますので、併せて審議することとしたいと思います。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、資料を用いまして御説明をさせていただきます。
 まず、入院・外来医療等の調査・評価分科会におきまして、賃上げに係る技術的な課題を検討していただいたところでございます。
 先ほど開催されました基本問題小委員会でも、その内容について御紹介をさせていただき、そして御議論を賜ったところでございます。
 総会の資料といたしましては、総-1-1、総-1-2といたしまして、分科会の資料をお示ししてございます。
 基本問題小委員会の中では、主に1号側からでございますけれども、おおむね現在の検討の方向性について賛同の声があったとともに、極端な過不足の場合に何らかの対応が必要であり、より詳細な課題について、引き続き検討していただきたい旨の御発言があったところでございます。
 2号側の委員からもおおむね賛同のコメントとともに、歯科のお立場の委員からは、事務局の追加分析に関するコメントがあり、意見に関しましては、本総会で述べられるという表明があったところでございます。
 こちらをもちまして、基本問題小委員会における議論の御報告とさせていただきます。
 それでは、改めまして、総-2を用いまして、医療機関等における職員の賃上げについて、事務局から御説明をさせていただきたいと思います。
 総-2の2ページを御覧ください。これは目次でございます。
 ページは進みまして、3ページ目、4ページ目が、昨年12月8日の中医協総会にも提示したものでございますけれども、昨年10月の中医協総会及び入院・外来医療等の調査・評価分科会においていただいた、主な御指摘を再掲しているところでございます。
 5ページ目でございます。これが、昨年12月8日の中医協総会においていただいた御指摘でございまして、上に2つの○がございますけれども、賃上げが確実に実施されるための技術的な分析、検討をお願いしたい。
 診療報酬として、どのような評価方法が考えられるのかについて検討が必要といった御意見をいただいたところでございました。
 6ページ以降、医療を取り巻く状況等、主に賃金の状況ということでございます。
 多くは昨年12月8日の総会に御提示したものとなってございますが、再掲が幾つかございます。
 7ページ目が医療関係職種の給与の推移でございます。
 個別の職種につきましては、8ページにおいて令和4年の賃金の状況を示してございます。
 9ページ目でございます。これは賃金の動向ということでございますが、10ページにまとめているところでございまして、政府全体で賃上げを進める中、令和5年度の春闘では、平均3.58%の賃上げがなされた一方、医療・介護分野の賃上げが公定価格のもとで、お示ししているような割合となっているところでございます。
 次に、11ページ目、12ページ目は、医療経済実態調査の概要から職種別給与の状況を抜粋したものでございます。
 13ページは、医療・介護分野における人材の確保の状況ということで、左側が入職超過率というところ、特に介護におきましては、-1.6となっているところを示しており、また、右側が有効求人倍率の推移、直近5年の動きを示したものでございます。
 14ページ目、15ページ目は、令和6年度診療報酬改定の基本方針の概要、そして、基本方針において、具体的方向性の例として、医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組が挙げられているということを、抜粋でお示ししているものでございます。
 それでは、ページを進ませていただきます。3つ目の項目でございます。「賃上げに向けた対応について」ということでございます。
 17ページは、前回、令和4年度の診療報酬改定における処遇改善と、今回、令和6年度の処遇改善について、大臣折衝事項の抜粋を掲載してございます。
 17ページの下段のほうでございますけれども、大臣折衝の抄ということでございまして、1.診療報酬+0.88のうちということでございますが、※印の1が赤字でハイライトをしていますけれども、40歳未満の勤務医師、勤務歯科医師等ということで、こちらは0.28%程度を含むとなってございまして、次の※印2、うち、看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種について、令和6年度にベア2.5%、令和7年度にベア2.0%を実施していくための特例的な対応として0.61%ということでございまして、この0.61につきまして、分科会に具体的な点数設計の在り方について、技術的な検討をしていただいたということでございます。
 それでは、18ページの説明に移らせていただきます。
 こちらは「令和6年度診療報酬改定と賃上げについて」ということでございます。先ほど小委員会のほうで、1号側委員から御質問があったことについて、お答えできる資料となっているかと思いますけれども、○がございまして、令和6年度にベア2.5%、令和7年度にベア2.0%の実現に向けて、①医療機関等の過去の実績をベースにしつつ、さらに②今般の報酬改定による上乗せ点数(加算措置)の活用、③賃上げ税制の活用を組み合わせることにより、達成を目指していくとさせていただいてございまして、この今般の報酬改定による上乗せ点数で、こちらが私どもの計算では、2.3%と御説明申し上げたところでございます。
 先ほど、小委員会で御質問もございましたので、もう少し詳細に申し上げますと、令和6年度にベア2.5、令和7年度にベア2.0、これを改定の周期であります2年間にならしますと、+3.5と事務的には計算できるところでございます。+3.5の実現に向けまして、①で0.6、そして②で2.3、③で0.6%の賃金上昇、ベアの改善ができると、上昇ができるという計算によりまして、②を2.3と見積もったところでございます。
 これらを組み合わせることにより、達成を目指していくということでございまして、この後は分科会でもございましたとおり、この0.61という改定率を用いまして、2.3%分の賃上げを実現していくということで、様々シミュレーションを行ったところでございます。
 19ページに、具体的な診療報酬の賃上げに係る評価の上乗せ措置のイメージとなります。
 上の箱にございますとおり、この診療報酬の賃上げによる評価、改定率+0.61%の上乗せ措置は、対象職種賃金2.3%相当を想定して設定しております。2年間が同じ点数ということでございます。医療機関は、この点数を算定した場合の賃上げの配分方法について、次のような2つのパターンがあるということでございます。
 下の矢印が赤で2つ、左と右に分かれてございますけれども、左のように2年間で段階をもって引上げを行うような配分方法であるとか、あるいは令和6年度にまとめて引上げを行う配分方法などがあります。
 これらは、まさに医療機関の経営判断によるところでございますが、このような方法があるかと承知をしているところでございます。
 20ページは、先ほど申し上げました、賃上げ促進税制の概要をお示ししてございます。
 それでは、21ページに進ませていただきます。
 こちらは、入院・外来医療等の分科会におきまして検討されてまいりました、看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種に係る対応について、いわゆる0.61%分の対応についてのシミュレーションとなります。
 22ページの論点にあります、技術的検討を進めていくために、23ページのスケジュールに沿いまして、昨年12月21日、今年1月4日の2回にわたりまして、データの分析、検討を行ってきたところでございます。
 ここにございますとおり、1月中旬以降に最終的な取りまとめを行うということで予定をしているところでございます。
 詳細な資料は、先ほど申し上げたとおり、別途総-1-1、総-1-2としてお示ししておりますけれども、まず、昨年12月21日に総-1-1の資料によるデータ分析について、本資料で申し上げますと、24、25のとおり、課題と論点を整理し、意見をいただいたところでございます。
 その上で、本年1月4日に改めて総-1-2の資料によるデータ分析を実施してございます。
 次に、26ページでございますが、こちらは、具体的なシミュレーションの実施方法を記載してございます。
 大臣折衝事項を踏まえまして、対象職種賃上げ率を設定した上で、令和5年度の医療経済実態調査及びNDBデータを使用してシミュレーションを行っております。
 なお、訪問看護ステーションにつきましては、令和5年度の介護事業経営実態調査を使用してございます。
 27ページに進みます。
 こちらは、賃上げ点数の設定の流れについての全体のイメージでございまして、賃上げ必要点数につきましては、①初再診料等、②訪問診療料、③入院料の順に設定を行うこととしており、対象保険医療機関におきまして、個々に賃上げに必要な金額を対象となる診療報酬の算定回数で割ることで算出し、こうして算出した点数の中央値を賃上げ必要点数として設定してございます。
 28ページ目からは、具体的なシミュレーション結果でございまして、まずは、医科診療所及び歯科診療所に係るシミュレーションの結果となります。
 29ページ目が、医科診療所に係るシミュレーションの詳細でございまして、30ページ目に、初診料等が包括されている、または併算定できない診療報酬の例をお示ししてございます。
 31ページ目は、医科診療所に係るシミュレーションにより分析されました、初再診料等、訪問診療料等における必要な賃上げ点数となります。
 ここでは中央値を御紹介させていただきます。上にございますけれども、初診で6点、再診で2点、そして訪問診療ということでございますけれども、中央値で28点、在宅訪問診療料、右の同一建物の患者の場合は、中央値7点ということでございます。
 次に、32ページ目でございますけれども、先ほどの31ページのシミュレーション結果によります、賃上げ必要点数を初再診料等に上乗せした場合の医科診療所、これは無床の場合でございますが、こちらの賃金増率の分布と、その分析となります。
 33ページ目、34ページ目が、32ページ目の賃金増率の結果によりまして、それぞれ賃金増率が低くなる医療機関、高くなる医療機関の分析となりまして、特に低くなる医療機関に関しましては、一定の傾向があるということをお示しできているかと思います。
 続いて、35ページ目です。こちらは、歯科診療所に係るシミュレーションの詳細でございます。
 36ページ目が、歯科診療所の職員数についてお示ししているものでございます。
 37ページ目が、歯科診療所に係るシミュレーションにより分析されました初再診料と訪問診療等における必要な賃上げ必要点数となります。ここも中央値を御参考いただければと思います。
 38ページ目は、先ほどの37ページ目のシミュレーション結果による賃上げ必要点数を初再診料に上乗せした場合に、歯科診療所における賃金増率の分布と分析ということでございます。
 39ページ目、40ページ目が、医科診療所と同様に、それぞれ賃金増率が低くなる医療機関、高くなる機関の分析となります。
 41ページ目からは、病院に係るシミュレーション結果となりまして、42ページ目が病院に係るシミュレーションの詳細、方法でございます。
 43ページ目は、初再診料等、在宅における賃上げ必要点数を踏まえ、入院基本料等における賃上げ必要点数と、一律の点数の中央値を設定する場合の賃金増率の将来推計の分布となります。
 44ページ目、45ページ目が、43ページ目のシミュレーションの結果、入院基本料等の賃上げ必要点数が高くなる医療機関と、賃金増率が高くなる医療機関の分析となっているところでございます。
 46ページ目、47ページ目は、43ページ目のシミュレーション結果について、病院類型ごとの賃金増率の分布を示したものでございまして、病院類型の中でも大きなばらつきがあることが示されております。
 48ページ目は、仮に入院基本料等における賃上げ必要点数を5区分に分け、病院ごとに点数を設定する場合の賃金増率の分布となります。
 49ページ目は、これも仮にでございますけれども、入院基本料等における賃上げ必要点数を1から150点に分け、病院ごとに点数を設定する場合の賃金増率の将来推計の分布となります。点数を細かく分けることによりまして、賃金増率が収束する傾向が見て取れると考えております。
 50ページ目は、病院及び有床診療所における評価の設計についての論点整理を行ったものでございまして、それぞれの設計方法の案による論点を示してございます。
 続いて、51ページ目からは、訪問看護ステーションに係るシミュレーション結果でございます。
 52ページ目は、訪問看護ステーションに係るシミュレーションの詳細、方法でございまして、53ページ目は、訪問看護ステーションにおける1事業所当たりの医療保険と介護保険の利用者の割合を示してございます。
 54ページ目は、訪問看護における1利用者当たりの訪問日数の分布を示しており、55ページ目は、訪問看護ステーションの賃上げに必要な金額、賃金増率等につきまして、1日当たりの評価であります、訪問看護基本療養費等に対するシミュレーション、56ページ目は、同じく賃上げに必要な金額、賃金増率につきまして、1か月当たりの評価であります、訪問看護管理療養費に対するシミュレーションの結果となってございます。
 57ページ目では、これまでのシミュレーション結果を踏まえた課題と論点について、整理をしているところでございます。
 58ページ目は、入院・外来医療等の分科会における主な御意見ということで、御紹介を申し上げます。
 ここまでが、いわゆる先ほどの0.61%分のところでございます。
 次に、0.28程度とされたところに関しての考え方につきまして、事務局の資料を御説明させていただきたいと思います。59ページ以降になります。
 59ページ目からが、40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者に対する対応についてとなります。
 60ページ目は、医療機関の職員の勤務形態、勤務状況について、イメージでお示ししてございますが、先ほど申し上げました、40歳未満の勤務医師や事務職員におきましては、勤務形態、勤務状況は多様となっているということを書いてございます。
 61ページ目は、診療報酬点数の基本診療料の構造についてお示ししており、62ページ目に関しては、算定している入院基本料によります従事する医師に占める40歳未満の方々の割合となります。
 従事している医師に占める40歳未満の医師の割合について、算定して入院料で比較いたしますと、左側、特定機能病院入院基本料、そして、急性期一般病棟入院料、これは7対1でございますが、算定している医療機関は、他の医療機関よりも高いデータとなってございます。
 63ページは、算定している入院基本料によります、従事する医師に占める40歳未満の割合の分布を医療機関単位で見てございます。
 もちろん、医療機関ごとのばらつきがあるところはありますけれども、先ほど申し上げましたように、特定機能病院入院基本料、急性期一般病棟入院料を算定している医療機関は、他の医療機関よりも、こういった40歳未満の医師の占める割合が高いという傾向にあったところでございます。
 64ページ目は、大学病院及び救急病院における医師の働き方についてお示ししており、こうした病院における医師の労働時間が、他の病院に比べて長い傾向にあることを示してございます。
 65ページ目は、歯科医療に係る職員についてのイメージでございまして、歯科医療機関には、歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士、事務職員等が勤務しておりますが、歯科技工士については、歯科医療機関内ではなく、歯科医療機関からの委託により、歯科技工物の作成を行っている歯科技工所に勤務する者が多くいらっしゃるということでございまして、66ページ目は、40歳未満の歯科医師の従事先を示したものでございます。
 こちらは、歯科医師のうち約23%が40歳未満、40歳未満の歯科医師の約26%が医育機関附属の医療機関に、約66%が歯科医療診療所に勤務されているということを示してございます。
 67ページ目、歯科技工士の従事先と歯科診療所の委託費等の状況でございます。
 68ページ目が、歯科診療所の職員について、お示ししております。
 69ページ目以降が、調剤報酬に係る資料となりますけれども、調剤報酬点数の構造についてお示しをしており、70ページ目は、薬局の職員の勤務形態、勤務状況のイメージとなります。
 薬局では、薬剤師と事務職員が勤務しており、非常勤や派遣など様々な勤務形態、勤務状況となっております。
 71ページ目は、薬局の薬剤師の年齢階級別人数と就業形態ということを示してございます。
 4つ目の項目「賃上げに係る届け出及び報告について」ということでございます。
 73ページ目から76ページ目でございますけれども、これは看護職員処遇改善評価料の届出及び報告について、御参考として、そのときの改定の際の資料と、また、賃金改善計画書、そして実績報告書がどのようなものであったかということを、参考にお示ししてございます。
 77ページ目は、賃上げに係る評価を行った場合の届出及び報告項目についてのイメージとなります。
 今般検討しております賃上げに係る評価の効果を把握するため、届出時点での賃上げ計画を求めるとともに、届出翌年度以降に実績報告を求めることを提案しているものでございます。
 それでは、78ページ目からが論点でありますけれども、79ページ目、80ページ目に課題と論点をまとめております。
 論点といたしまして、5つ書いてございます。それぞれ詳細に読み上げませんけれども、まずは、どのような対応が考えられるかということと、一番上の○が、こちら側の0.61分の配分について、どのような対応が考えられるかということでございます。
 2つ目の○、それから3つ目の○でございますけれども、これは0.28分の対応について、どのように考えるかということ。
 4つ目の○は、実績の報告について、どのように考えるかという論点とさせていただいているところでございます。
 その他、賃上げの状況の把握について、どのように考えるかといった論点も付け加えさせていただいてございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、お願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 論点にコメントする前に一言申し上げます。
 このたびの令和6年能登半島地震により被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。被災された皆様の安全と、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
 また、既に様々な医療団体が一丸となり、被災地及び全国にて救援、支援活動を実施しておられますが、被災者の救済のために尽力されている全ての方々に深く感謝と敬意を表します。
 それでは、資料総-2、80ページに示された論点についてコメントをいたします。
 まず、1つ目の○です。医科診療所に係るシミュレーションの結果については、入院・外来等分科会でも議論があったとおり、ばらつきがあることは否めません。
 ただ、だからといって診療所に対して、看護職員処遇改善評価料のような精緻な対応を求めることは、現実的ではありません。
 また、外来や在宅については、患者さんの自己負担額にも大きな影響を与えることを考えれば、できるだけシンプルな制度設計にすることを基本軸とすべきであると考えます。
 したがって、診療所については、一律の評価とすることが、医療機関にとっても、また、患者さんにとっても一番分かりやすいと考えます。
 しかし、その場合であっても、患者さんが少ない地域や、診療特性から相対的に初再診料等の算定回数が少ない等の事情により、賃金増率が目標とされる+2.3%に届かない診療所については、各診療所が人員の状況も踏まえて、不足額の補填を申請できるような追加的な仕組みをつくることが不可欠であると考えます。
 一方、入院の場合、病院ごとに評価を分けることで、ばらつきが小さくなる傾向が見て取れることや、事務負担についても入院医療機関であれば、ある程度は受け止められることを踏まえれば、一律の点数ではなく、複数の点数に分けることが妥当ではないかと考えます。
 その上で、今回のシミュレーションでは、病院ごとの点数を5区分に分ける場合と、150区分に分ける場合が提案されております。
 入院・外来分科会で議論があったとおり、5区分でも150区分でも医療機関としては、自院に必要な点数を算出する手間に変わりはないということであれば、過不足のばらつきがより小さくなる150区分にするということも検討に値すると考えます。
 続いて、2つ目の○についてです。
 資料にも示されているとおり、40歳未満の勤務医師については、常勤で勤務する病院と非常勤で勤務する病院を組み合わせた勤務形態や、専門性を追求するために、医療機関を移動することも多い点などもあり、1つの医療機関で継続して勤務することを想定した賃上げモデルが、当てはまらない場合も多々あることが想定されます。
 また、事務職員についても派遣や委託等の雇用形態により、医療機関ではベースアップを担保できないことも考えられます。
 さらに、医療経済実態調査においては、一部経営状況が芳しくない医療機関があることが、明らかになったところです。
 こうした実態を踏まえれば、賃上げに当たっては、初再診料や入院基本料を引き上げることが唯一の方法です。大臣折衝における決定事項の趣旨に鑑みても、この方法しかないと申し上げたいと思います。
 その上で、配分の方法については、雇用している医療従事者の属性や構成に応じて、ある程度各医療機関の裁量によって決定できるようにするのが現実的であると考えます。
 4つ目と5つ目の○については、最終的には賃上げに係る評価の効果が把握できればよいのであり、それ以上の細かな報告を医療機関に求めるのは大きな負担となり、働き方改革にも反することになりますので、できるだけ簡素な仕組みとすることが重要です。
 特に40歳未満の勤務医師や事務職員等については、先ほども述べましたとおり、2年間にわたって継続して勤務することを想定した賃上げモデルが、当てはまらない場合も多くあることが想定され、前年度と比べてどの程度賃上げがなされているのか、比較することが不可能な場合もあります。
 賃上げに係る評価による収入と、賃上げに係る支出の総額を把握できれば、それで十分であると考えます。
 私からは以上ですが、小塩会長におかれましては、看護協会の専門委員の発言の機会を御検討いただければ幸いです。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、林委員、お願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。
 私からも、能登地震で被災されました方々に、まずもってお見舞いを申し上げます。
 その上で、医療機関等における職員の賃上げにつきまして、歯科の立場から80ページの論点に沿って意見を述べさせていただきます。
 まず、論点の1つ目の○、改定率において賃上げのための特例的な対応、+0.61%で対応されるとされました職種につきまして、歯科診療所につきましては、総-2の35ページから示されているシミュレーションによる賃上げの必要点数に係る設計につきまして、おおむね賛同いたします。
 38ページを見ますと、中央値が2.3%ということで、おおむね診療報酬で行う賃上げ2.3%相当分が、補填されるということは理解いたしました。
 一方、あくまでも中央値でございますので、この上乗せ分の点数では十分に補填されず、極端に低い賃金増率の医療機関も一定数出てくることも示されておりますので、先ほど長島委員も発言されておりますが、このような補填不足となる医療機関への対応も必要と考えております。
 全ての医療機関において適切な賃上げが実施できますよう、検討をお願いしたいと思います。
 77ページに示された届出と報告のイメージにつきましては、小規模で事務職員数が少ない歯科医療診療所におきましても、無理なく必要な書類作成ができるような様式にしていただけるよう要望いたします。
 また、小規模な診療所では、給与体系も様々でございまして、ベースアップという考え方を十分に理解できないところも多いと思いますので、今回の賃上げに係る職種の区分や、賃上げに関する基本的な考え方をお示しいただき、現場に混乱が生じないよう、分かりやすい具体的な説明と周知をお願いしたいと思います。
 次に、論点の2つ目の○ですが、40歳未満の勤務歯科医師や、事務職員及び歯科技工所等で従事する者に係る対応についてですが、若手の歯科医師は、大学で主に働きながら非常勤で歯科診療所に行っていたり、歯科診療所のみであっても、複数の歯科診療所に勤務したりすることもあり、勤務形態は多様でございます。
 また、歯科技工所につきましては、事務局資料の67ページの一番下のグラフにありますように、歯科診療所の多くが複数の歯科技工所に委託しており、つまり歯科技工所は複数の歯科診療所の歯科技工物を製作しております。
 したがいまして、論点に示されておりますように、広く算定されている診療報酬の項目で評価することが妥当と考えております。
 論点の3つ目と4つ目の○の報告についてですが、若手の歯科医師や、歯科技工所で従事する者の賃上げ状況の把握につきましては、各歯科診療所が詳細を把握するのは難しいところもございますので、柔軟な対応を検討いただきたく存じます。
 最後になりますが、より働きやすい環境の確保や整備は当然と考えておりますが、届出や報告の内容など、この賃上げの全体の仕組みとして、複雑にならないような設計にしていただくよう、よろしく御検討をお願いしたく思っております。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 まずは、能登半島地震で被災された皆様にお見舞い申し上げます。
 続いて、論点についてコメントをさせていただきます。
 薬局の薬剤師や事務職員の賃上げに向けた対応については、調剤基本料で対応することが自然と考えます。
 調剤基本料は、薬局の基本的な機能に関する維持運営コストとして評価されているもので、処方箋受付時に算定されている項目であり、各薬局の体制に応じた公平な取扱いとなります。
 政府が示す賃上げを実施できるよう、趣旨も併せて分かりやすく周知していくことが重要で、薬剤師会としても会員や関係団体の皆さんにしっかりと周知していきます。
 70ページ目にあるように、薬局では薬剤師、事務職員が勤務しており、また、非常勤の割合が多いことや、派遣など様々な勤務状況となっており、賃上げの詳細な状況の確認は難しい面がありますが、現場での対応状況については、今後の議論に資するように、日本薬剤師会として、関係団体とも協力の上で今後調査を実施し、把握していきたいと考えています。
 また、薬剤師は薬局だけではなく、病院や診療所で勤務している方も6万人以上おり、チーム医療などを通じて医療機関での医療提供に貢献しております。
 医療機関で勤務する薬剤師につきましても、医療機関の中でしっかりと賃上げの対応をしていただきたく思います。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 ありがとうございます。
 私から2点、まず1つ、病院及び有床診療所の評価に関してですけれども、入院・外来等の分科会のほうで検討いただきましたように、やはり、私も点数を複数に分け、特に細かく分けて、より各病院に適切に補填が行くような形が望ましいと思っております。
 もう一つ、診療所ですけれども、基本診療料でやるということが、やはり基本だろうと思いますが、ばらつきがある一定程度生じるということが資料として示されております。
 特に、シミュレーションの段階で既にはっきりとしているような、非常に不足する医療機関、今回、32ページ、33ページにその資料が載ってございますけれども、そういうところには、やはり特別な配慮を行うことが必要不可欠だろうと考えます。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。
 私も論点に沿ってお話ししたいと思いますが、基本的には長島委員、太田委員がおっしゃったように、入院分科会での資料を基にして、入院に関しては複数、しかも細かい150以上の複数の入院基本料で対応することがよいのではないかという印象を持っていますので、よろしくお願いします。
 その上で、1点だけお話ししておきたいのは、報告をどうするかという論点の4つ目と5つ目の○の点に関してですけれども、私もこの件に関して、病院の先生あるいは診療所の先生方も含めて、多くの声を聞くのは、改定率のときに出たように、2.3なり2.5なりを担保しなくてはいけないということに対して、非常に危惧をされている方が多くて、基本は、この加算で入った収入がきちんと職員にいっているかどうか、ここを担保する、そのための報告制度が必要ではないか、必ずしも2.5とか2.0とかを上げるということが、それぞれの医療機関では、なかなか厳しいところもあるので、そういうところが分かるような報告制度、しかも、できるだけ簡便な報告制度にしてほしいという声を多く聞きますので、それについては、それぞれ医療機関の事情で、必ずしも2.5とか2.0のベースアップができることではないということを、ぜひ御理解いただいた上で、一方で、きちんといただいた加算分に関しては、ちゃんと職員に配付していますよということが分かる、そういった制度設計での簡便な報告制度にしていただきたいと思いますので、要望としてお話しさせていただきます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 あとは、よろしいですか。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 診療報酬を通じた賃上げにつきましては、今回の改定の基本方針で重点課題とされており、改定率としても財源の枠が設定されておりますので、具体的な制度設計を行うことが、この中医協の役割だと認識しております。
 ただし、前回の看護職員処遇改善評価料に比べて、対象となる職員が格段に多く、また、議論の時間が限られており、今回だけで完全な仕組みを設計することは、なかなか難しいことだと思います。
 どのような形になるにしても、丁寧な結果の検証が不可欠だということを最初に総論として申し上げたいと思います。
 それでは、80ページの論点に沿ってコメントいたします。
 まず、1つ目の論点につきましては、基本問題小委員会でも発言したとおり、分科会から示された方向で進めるべきだと考えております。
 続きまして、2つ目の40歳未満の勤務医や薬局の薬剤師、事務職員等の賃上げについては、改定率0.28%分という枠は設定されておりますけれども、どの程度の賃上げをするのかは、政府から明確に示されているものではございません。
 まさに勤務形態が多様であり、賃金の支払い方法も様々、看護職員等の処遇改善より、さらに対応が難しいということは十分に理解しております。
 そこで、論点の事務局提案にあります、広く算定している診療報酬の項目で評価というのは、基本診療料への上乗せだと受け止めておりますけれども、診療側から発言がありましたように、初再診料や入院基本料に溶け込ませることは、一律的な基本料の底上げという極めて重大な案件であり、医療経済実態調査で明らかとなった病院と診療所の経営状況の格差、あるいは職員配置の違いを反映することが困難になります。
 さらに、そもそも患者が受けたサービスの対価として最も基礎的な部分の在り方について、データに基づいて十分に時間をかけて議論を尽くす必要がございます。
 したがいまして、基本診療料で対応するとしても、何らかの条件をつけた加算、別途の評価を検討するべきだということを、まず、強く主張させていただきます。
 次に、3点目と4点目の論点につきましては、どのような形で上乗せするとしても、計画と実績の報告は不可欠だと考えております。
 看護職員等の場合は、資料の77ページにありますように、事務局案のイメージで進めていただきたいと考えます。
 また、その他の賃上げについては、77ページのうち算定する評価の区分を除いた部分を報告することが考えられます。
 その上で、長島委員等からも言及がございましたが、期中に職員数や患者数が一定程度変化した場合の対応についても、あらかじめ検討をしておく必要があるのではないかと思います。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 まず、今回の能登半島地震でお亡くなりになった方にお悔やみを申し上げますとともに、被災された方にお見舞い申し上げたいと思います。そして、今、この瞬間も被災地で支援に当たられております皆様方に、改めて感謝を申し上げたいと思っております。
 それでは、発言をさせていただきます。
 総-2の80ページ、論点ですが、医療機関等における職員の賃上げに向けては、医療従事者の手元に確実に行き届く仕組みとして、処遇改善分として別立て、加算とすることが妥当と考えます。
 現在行われている看護職員処遇改善評価料では、補助金のレベルを低下させないような評価の立てつけとなっておりますが、今回の処遇改善につきましては、入院・外来医療等の調査・評価分科会でのシミュレーションを基に、実態に即しつつも、可能な限りシンプルな方法を検討してはいかがかと思っております。
 また、40歳未満の医師や事務職員等の賃上げにつきましても、別立て、加算とし、実績報告を求め、きちんと検証できるようにしたほうがよいと考えております。
 医療機関等における実際の処遇改善に当たっては、それぞれの労使でしっかり協議して決めていただきたいと考えております。
 なお、総-1-2の57ページ、論点の2つ目にもありましたが、極端に低い賃金増率の施設が想定されることについては、受診者数に左右されますので、レセプトによる診療報酬の処遇改善分ではカバーできない場合もあると考えます。
 そうした施設について、地域の医療体制確保ということであれば、基金や補助金での対応も検討すべきと考えております。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
 ありがとうございます。
 私からは、論点の4つ目の実績の報告について、コメントをさせていただきたいと思います。
 以前の議論でも申し上げましたけれども、処遇改善に当たっては、費用の使途の見える化を通じた透明性の向上ということが、大前提になろうかと考えております。
 令和4年度改定で導入されました、看護職員処遇改善評価料においては、処遇改善に係る実績報告を求めているところでございますが、今回、看護職員、病院薬剤師、その他の医療関係職種の賃上げ並びに40歳未満の医師や事務職員の賃上げのいずれにおいても、国民及び保険料を負担する立場からも、新たな負担が実際の処遇改善につながっているのかどうかという確認があって当然であり、該当する医療機関に対しては、何らかの報告をしっかりと求めていくことが不可欠であると考えております。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、よろしいでしょうか。
 高町委員、お願いいたします。
○高町委員
 ありがとうございます。
 まず、私からも能登半島地震で被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 それでは、発言させていただきます。
 患者が安心して医療を受けられるようにするために、それぞれの医療現場で働く方々の賃上げを行い、その仕事に見合った賃金にしていくことが必要だと考えています。ぜひ広く賃上げが行き届くようにしていただき、また、働き方の改善も同時に行って、人材確保につなげていくことが必要だと思います。
 そのために診療報酬を引き上げて対応するのであれば、それが、きちんと賃上げに使われることが担保される必要があると思います。それとともに、そのことを後で検証できるようにすることが必要だと考えております。
 以上です。ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 報告に関しましては、先ほど申しましたけれども、重要なことは、賃上げに係る評価の効果の把握でございます。特に40歳未満の勤務医師等に関しては、先ほど申した勤務形態などもあって、極めて困難というところもございますので、賃上げに係る評価による収入と、賃上げに係る支出の総額が把握できれば、これで十分であるということを再度申し上げたいと思います。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 あとは、よろしいでしょうか。
 太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 先ほど支払い側の委員の先生方から、いわゆる0.61%分だけではなく、0.28%分に関しても分けて、また報告をという話がございました。また、さらに0.28分に関しましても、基本診療料に上乗せではなく、加算という形でという御意見がございましたが、私どもは、基本的に0.61%分に関しましては、当然のことながら、何らかの新たな制度をつくるのと同時に、しっかりとした報告制度を行っていくということだと思いますが、ただでさえ、現在、複雑な診療報酬体系に、より新たな加算というものを階段の上に階段を積んでいくという形は非常に好ましくなく、現場の対応がどんどん複雑になっていくと思っております。
 ですので、0.28%分の、いわゆる40歳未満の勤務医師、薬局勤務薬剤師、事務職員の部分に関しましては、基本的には、入院基本料に上乗せという形での対応をお願いしたいと思ってございます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 今、太田委員から御発言がございましたけれども、61ページに診療報酬点数、基本診療料の構造というのが示されております。
 今、言及がございましたのは、一番左のほうにございます、初診料、再診料、入院基本料という枠でございますけれども、別に、これが全て基本診療料ではなくて、右側にも各種の加算あるいは特定入院料あるいは短期滞在手術基本料、それと前回導入された看護職員処遇改善評価料というものがございますので、やはりこのように分けておかないと、幾ら検証ということを言っても、それはできないのではないかということでございます。
 単純に、例えば、初再診に上乗せして何かを案分するとか、そういうことであれば、今回、政策として行われているわけですから、そういった検証が非常に難しくなるということもあろうかと思いますので、それについては、我々が先ほど主張していることについて、ぜひお考えいただきたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、よろしいでしょうか。
 先ほど、長島委員から木澤専門委員の御意見もと御要望がございましたので、木澤専門委員、よろしくお願いいたします。
○木澤専門委員
 ありがとうございます。
 訪問看護においては、利用者によって訪問回数等も様々であり、訪問看護管理療養費を基にするほうが、より実態に即した設計になるのではないかと考えておりますが、2.3%の賃上げを目指していく中で、グラフを見ますと、1%に届かない事業所もあることから、賃金増率が低い事業所については、何らかの対応が必要だと考えます。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、よろしいでしょうか。
 事務局、よろしいでしょうか。
 それでは、ほかには特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりといたします。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
 続きまして「個別事項(その23)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、個別事項(その23)といたしまして、その他の事項、主には2つでございますけれども、それにつきまして総-3を用いまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 スライド2に目次がございまして、1つ目「再製造単回使用医療機器について」、2つ目が「孤独孤立等に伴う精神的な疾病や早期の自殺対策について」でございます。
 それでは、ページをお進みいただきまして、3ページでございます。
 こちらは、保険医療材料等専門組織の意見を御紹介してございます。再製造単回使用医療機器の使用につきまして、評価の在り方を検討してはどうかという意見が、専門部会のほうに提出されているところでございます。
 4ページ目から6ページ目は、再製造単回使用医療機器の概要でございます。
 それまで、単回使用が想定されておりました医療機器につきまして、使用後に製造販売業者が回収して、洗浄、滅菌などの必要な処理を行いまして、再び出荷するものでございます。
 薬事制度上も、こうした工程を含め、再製造品として承認を受けることとなっているところでございます。
 7ページ目に、診療報酬制度における再製造品の位置づけを示してございます。特定保険医療材料の償還価格につきまして、原型医療機器の0.7倍とすることを原則としてございまして、原型医療機器よりも償還価格が低いということでございまして、医療費の適正化に資すると考えられているところでございます。
 一方で、8ページ目に、現在、特定保険医療材料として保険適用されている再製造品の品目について、御紹介をさせていただいてございますが、現状、算定回数が原型の医療機器と比較いたしまして低いということでございます。
 なお、この3品目については、9ページ目にありますとおり、いずれも経皮的カテーテル心筋焼灼術に主に用いられる医療材料でございます。この手術においてほとんどが、原型医療機器が用いられているということになります。
 10ページ目以降、医薬局におきまして実施されました、再製造品の普及に向けた検討事業の検討結果の紹介でございます。
 まず、再製造品の使用につきましては、適切な分別が必要になること、医療従事者が研修を受けなければならないことと、トレーサビリティの確保の観点から管理が煩雑になるということが指摘されているところでございます。
 これに加えまして、13ページ目にありますとおり、再製造品の使用に当たって、通常の手術の説明のほかに、再製造品の使用に関する説明を患者さんに対して別途行う必要があり、これも煩雑であるということが指摘されているところでございます。
 15ページ目、16ページ目は御参考といたしまして、後発医薬品につきましては、使用促進のための診療報酬上の評価が設けられていることを御紹介するものです。
 17ページ目に論点を示してございます。
 再製造品につきまして、医療機関で必要となる対応を評価する観点から、再製造品を用いて対象となる手術を実施した場合の評価を設けることについて、どのように考えるかとしているところでございます。
 以上が1つ目の項目でございます。
 2つ目のテーマ「孤独孤立等に伴う精神的な疾病や早期の自殺対策について」ということでございます。
 19ページ目でございます。
 令和4年度の診療報酬改定におきまして、孤独・孤立による影響等によりまして、精神障害またはその増悪に至る可能性が認められる患者さんを支援する体制の整備を評価する観点から、こころの連携指導料が新設されてございます。
 その(Ⅰ)におきましては、精神科医師等による療養所の指導が必要であると判断された患者さんに対して、指導等を行い、精神科医師等に情報提供を行うことを評価しており、こころ連携指導料(Ⅱ)におきましては、専門的な対応を評価しているところでございます。
 (Ⅰ)につきましては、19ページの下に赤囲みをしてございますが、適切な研修を受講していることということが要件となってございます。
 20ページ目、こころの連携指導料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の届出状況でございます。
 (Ⅰ)の届出状況が低いというところで推移しているところでございます。
 21ページ目、令和4年度の検証調査でございますけれども、精神科等におきまして、(Ⅱ)の指導料を届け出ていない理由としましては、連携先となる医療機関がないためということが、最も多い理由であったところがお示しできていると思います。
 22ページ目は、自殺死亡を減らすための3つの観点に沿った取組の重要性を報告するものでございまして、これは令和3年の中医協総会にも御報告したものとなります。
 23ページ目、こころ連携指導料(Ⅰ)の要件の研修として認められておりますのは、以下の4つでございます。
 2から4につきましては、令和4年度改定前から存在しておりましたが、1のJSCPによる自殺未遂者ケア研修「かかりつけ医版」につきましては、令和4年度改定後に新設されたものになります。
 24ページ目、JSCPによる自殺未遂者ケア研修「かかりつけ医版」におきましては、例えば、かかりつけ医等においても、患者の自殺体験に直面している医師は一定の割合で認められ、自殺に至った患者の40%が自殺する前に、精神科以外の医療機関を受診していたなど、かかりつけ医の役割に係る研修内容が含まれていることをお示ししております。
 25ページ目、さらに当該研修におきましては、自治体との連携や精神科医への紹介を判断する上でのスクリーニングツールや、講師と受講者による双方向の事例検討が研修内容に含まれているところでございます。
 26ページ目、令和4年度の診療報酬改定前より、JSCPによる自殺未遂者ケア研修、かかりつけ医以外のPEEC研修などが行われていたところでございます。PEEC研修につきましては、お示ししているような要素が含まれているところでございます。
 27ページ目に進みまして、この要件となる研修のうち、厚生労働大臣指定法人・一般社団法人いのち支える自殺対策推進センター、先ほどからJSCPと略称しておりますが、それによる自殺未遂者研修「かかりつけ医版」につきましては、令和5年度には、受講者数が246人という結果でございました。
 また、口頭で恐縮でございますけれども、先ほどのPEEC研修の工数ですけれども、令和4年度では200人余りの方が受けていらっしゃるという実績でございます。
 28ページ目に論点をお示しさせていただいてございます。
 かかりつけ医等においても、自殺対策において一定の役割を担うところ、かかりつけ医等への自殺対策に係る役割の周知や「こころの連携指導料(Ⅰ)」の対象研修の在り方について、どのように考えるかとさせていただいて、論点とさせていただいてございます。
 以上2点につきまして、御説明申し上げました。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 2つのテーマがございますが、それぞれただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、お願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 まずは、17ページの再製造単回使用医療機器に関する論点については、課題にも示されているとおり、医療機関における説明や研修の受講、回収の手間などを考えれば、診療報酬上の評価を検討することに賛同します。
 評価の方法としては、再製造品の価格を現在の0.7倍から引き上げるというよりも、論点にも示されているように、対象となるデバイスを使用して手術を実施した医療機関の手間を評価するほうが、材料、制度とも整合的であると思います。
 ただ、現在の再製造単回使用医療機器の使用実態を踏まえれば、論点にあるように、使用実績が一定程度あることを医療機関に求めるのは難しい部分もあると思いますので、例えば、1回の使用ごとに評価することも含めて検討してはどうかと思います。
 続いて、28ページの孤独・孤立に伴う疾病対策や自殺対策についてです。
 地域の医師会においても、自殺対策研修や、鬱病対応研修などを実施しているところですが、こころの連携指導料で求められている研修の具体的な内容が明らかになっていないため、どのような研修であれば、この指導料を算定できるのか明確になっておりません。
 もし、患者さんが自殺を企図された場合、訴訟になる可能性等も考えますと、一定程度の内容が必要だと思いますが、どのような内容の研修であれば、この要件を満たすのか明確化することが必要であると考えます。
 ただし、こころの連携指導料(Ⅰ)を創設した目的は、かかりつけ医が孤独・孤立の状況にあり、精神障害またはその増悪に至る可能性のある患者を、適切に精神科医療に結びつける点にありますので、精神科に求められるような研修を課すのは適切ではありません。
 かかりつけ医が適切に対応できるような底上げを図るという意味で、過不足のない研修内容とし、地域の医師会とも連携しながら実施できる内容にすることが重要であると考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、よろしいでしょうか。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 それでは、資料の17ページにございます、再製造単回使用医療機器についてでございますが、医療保険財政の持続可能性の観点からは、ぜひ推進すべきとは考えております。
 現状については、10ページ以降を拝見しますと、まだまだ使用が進んでおりません。また、患者への説明、回収や在庫管理等の手間がかかることも十分理解ができます。
 したがいまして、安全性の確保を前提として、患者への説明を徹底していただき、使用だけではなく、回収の実績が一定程度あることも条件として、オリジナル品の0.7掛けによる財政効果の一部を医療機関に還元する形で評価するということには賛同いたします。
 次に、自殺対策として、こころの連携指導料の活用を推進する必要性は十分に理解ができることでございます。
 28ページの課題にありますとおり、精神科医による指導料(Ⅱ)の届出を拡大する観点からも、連携先となり得るかかりつけ医を増やすことが重要だと考えます。
 論点にございます指導料(Ⅰ)の研修につきましては、質の担保が必要であり、対象となる研修の種類を追加する前に、まずは、23ページにある既存の指定研修の内容等を周知することが先決だろうと考えます。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか。
 高町委員、お願いいたします。
○高町委員
 ありがとうございます。
 再製造単回使用医療機器の使用を推進するということですが、そのためには患者への説明を疎かにするべきではないと考えています。
 また、安全の確保が大前提ですし、何らかの評価を加えるのであれば、その患者への説明というものを確実に担保することが必要だと考えております。
 以上です。ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、よろしいでしょうか。
 それでは、ほかには特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりといたします。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
 ここで少し休憩を差し挟みますので、よろしくお願いいたします。
(休  憩)
○小塩会長
 それでは、続きまして「入院(その10)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、入院(その10)につきまして、資料総-4を用いまして御説明をさせていただきたいと思います。
 これは、昨年末に御議論いただきました入院の中で、シミュレーションにつきまして御報告し、その方向についてシミュレーションすべしということでございましたので、そのデータを整えたものでございます。
 2ページに目次がございます。
 ページをお進めいただきまして、3ページ以降でございます。
 3ページ目から5ページ目が、現在の状況といたしまして、急性期一般入院料1の病床数など、令和2年度以降、どのような傾向になっているかということをお示ししてございます。
 ちなみに、急性期一般入院料1に関しましては、令和2年以降、増加傾向となっているところを示してございます。
 6ページ目、7ページ目は、現行の重症度、医療・看護必要度の概要でございます。
 8ページ目は、該当患者割合の平均というところでございます。
 9ページ目は、必要度I、Ⅱの届出状況でございます。現在、必要度Ⅱの届出が要件になっていない急性期一般入院料1の200床未満、それから急性期一般入院料2、3の200床から400床におきましても、必要度Ⅱの届出が進んでいると、こういう状況になってございます。
 10ページ目からがシミュレーションについて、12月に御議論いただいた際の資料でございます。
 まず、10ページ目は、これまでの御意見を踏まえた個別項目の見直しで、どのぐらい該当患者の割合に影響があるかを示してございます。
 11ページ目に記載しております、見直し案1から見直し案4というものをお示ししてございまして、今回シミュレーションを行ったところでございます。
 もう少し細かく御説明申し上げますと、案1と案2でございますが、これは救急搬送後の入院の評価日数を1日にするか、2日にするかで異なってございます。
 また、案3と案4でございますけれども、これに加えまして、抗悪性腫瘍剤の使用につきまして、A得点でございますけれども、2点から3点にする案としてございまして、それぞれ場合分けをして4通り、案1から案4ということでお示ししたいと考えてございます。
 また、急性期一般入院料1におきましては、B得点が基準から除くということで御提案しておりまして、こういうことを踏まえまして、13ページの下段のとおり、該当患者割合については、割合①は、必要度該当患者割合でございまして、この13ページの図で申し上げますと、【A】分の【C】というところと、割合②というところは、必要度または2点以上の患者割合ということで【A】分の【D】ということでございまして、この2種類を用いまして、組み合わせてシミュレーションを行ったものでございます。
 15ページ目からが、まず、急性期一般入院料1のシミュレーション結果でございます。
 16ページでは、各見直し案による該当患者割合の変化をお示ししてございます。
 18ページでございますけれども、現在、先ほど申し上げた必要度Ⅰの届出を行っている施設につきまして、必要度Ⅱで測定を行った場合との差を見た結果でございます。
 現在は、必要度Ⅱに変更すると、該当患者割合が1.7%低下するのに対しまして、見直しを行うということでシミュレーションをいたしますと、割合①に関しましては0.1%、割合②は0.6から0.7%の差となってございまして、この①と②の差というものが小さくなっていることを示しているものでございます。
 19ページでございます。
 各見直し案による医療機関ごとの該当患者割合の分布でございます。
 割合①と割合②につきまして、一定の基準以下となる医療機関の割合を併せてお示ししているものでございます。
 こうした分布などを踏まえまして、20ページから23ページ目に、各見直し案における基準の設定の案を示してございます。
 資料の読み方を具体で御説明申し上げます。20ページ目で御覧いただければと思いますが、見直し案1の場合でございます。
 ここで、右上にございますとおり、判定基準の組み合わせで、A、B、C、Dとございます。それぞれ基準該当患者割合①が15%、15%、18%、18%、該当患者割合②の基準を24%、28%、24%、28%と2掛ける2で4通りということでございますけれども、4通りの基準の設定を案として示してございます。
 例えば、Aを御覧いただきますと、Aというのは、該当患者割合①が15%、該当患者割合②が24%と設定した場合ということでございますけれども、これですと、基準を満たす医療機関が現行よりも4.7%減少する。そして、病床数ベースですと1.9%減少すると、このように見ていただければと思います。
 また、表の下のほうでございますけれども、平均在院日数が一定の日数以下の群における影響を示してございます。
 こうしたAからDは、それぞれパーセントを変えたときでございますけれども、4通りの判定基準の組み合わせについて、見直し案1、2、3、4について、それぞれお示しをしてございます。
 ここで、すみません、私ども事務局から一点、数値の訂正をさせていただきます。22ページ、見直し案3の場合の見直し後の数値で誤っているところが8か所ございました。ページで申し上げますと22ページでございます。
 現行から見直し後と左から右になってございまして、見直し後の一番上の四角でございますけれども、その中でA、B、C、Dとありまして、その3つ目の青い囲みで基準を満たす医療機関の増減、※印で括弧内は病床数ベースの増減。その下に200床以上n=963、200床未満n=409とございます。その右側の8つの数字が、これは、事務局の計算ミスでございまして、おわびとともに訂正をさせていただきます。
 暫定で計算したものを、今、申し上げますけれども、きちんと精査をしましたものを、後日、きちんと御報告申し上げ、また、ホームページにも掲載したいと思いますが、上から-0.7から始まっております。-0.7、-10.0、-1.7、-10.0となっておりますが、これで計算いたしましたところ、左から-1.3、-15.2、-3.0、-15.3、その下の段でございますが、ここの記載では-10.2からなっております、右側4つの数字でございますが、まず、ここが-11.7、-29.1、-14.2、-29.8となると、現在、計算してございます。ここは、おわびをもちまして訂正をさせていただきたいと思います。
 それでは、説明を続けさせていただきます。24ページ目から27ページ目でございます。
 こちらは、判定の基準について、他の組み合わせを行った場合の影響につきまして、御参考として掲載しているものでございます。
 続きまして、28ページ目以降は、急性期一般入院料2から5についてでございます。
 29ページ目は、必要度Ⅰの医療機関におきまして、必要度Ⅱを用いて評価した場合の影響でございます。
 現行は必要度Ⅱに変更しますと、約2%該当割合が低下するのに対しまして、見直しした後には、0.3から0.4の低下にとどまるということになります。
 30ページ目は、急性期一般入院料2における該当患者割合の平均と分布について、示したものでございます。
 31ページ目から34ページ目は、この急性期一般入院料2における見直し案1から4について、一定の基準を置いた場合に、基準を満たす医療機関の増減について示してございます。
 ここでは、必要度Ⅰでは22%、必要度Ⅱでは21%という基準を置いてございます。
 ページは進みまして、35ページ目から39ページ目でございます。
 こちらは、急性期一般入院料4におけるシミュレーション結果と、判定基準の見直し案でございます。
 この4におきましては、必要度Ⅰのほうは16%、必要度Ⅱでは15%という案でシミュレーションをしてございます。
 最後に、40ページから44ページが、急性期一般入院料5でありますけれども、ここでは必要度Ⅰでは12%、必要度Ⅱでは11%という基準の案でお示しをしてございます。
 次に、45ページからでございます。
 こちらは、関連する参考資料ということでございます。46ページから51ページで、令和4年度の改定の際のシミュレーションで、基準を満たす医療機関の割合がどの程度増減するということで議論されていたかについて掲載してございます。これは、御参考というところでございます。
 52ページ以降でございます。
 こちらは、これまで急性期一般入院料1における平均在院日数の基準についても御議論いただいておりますので、関連する資料を再掲しているものでございます。
 続きまして、2つ目のテーマでございます。68ページ目以降となります。
 こちらは、治療室の必要度についてでございます。
 69ページ目に届出の状況でございます。こちらの下の段を御覧いただきますと、ハイケアユニット、HCUの入院医療管理料が増加していることが、お分かりいただけるかと思います。
 70ページが、治療室用の必要度の概要でございまして、71ページ目、72ページ目がICUにおける該当患者割合の平均でございます。
 73ページは、ICU等の必要度Ⅰ、Ⅱの届出状況でございます。多くのICUと救命救急入院料を算定する治療室で、必要度Ⅱの届出がなされているという状況でございます。
 75ページが、前回に御議論いただいた資料でございます。SOFAスコアの概要については、74ページにございますけれども、SOFAスコアが一定以上である患者割合が、一定以上あることを要件とするということで、シミュレーションを行ってございます。
 77ページ目以降がシミュレーションの結果でございます。
 まず、必要度ⅠとⅡの差について、現行では必要度Ⅰで18.3%、20%近く該当患者割合が高くなるのに対しまして、見直し案1では-3.7%、見直し案2では-13.1%を示しておりますが、それぞれ4%あるいは13%程度、いずれも一定程度差が少なくなるということがお分かりいただけるかと思います。
 それでは、ページを進ませていただきまして、79ページでございます。
 見直しによる該当患者割合の変化について、お示しをしてございます。
 見直し案の1では、現行よりも該当患者割合が高くなる。見直し案2では、該当患者割合が低くなるということでございました。
 80ページ以降、こうした結果を踏まえた判定基準の案について、お示ししてございます。
 80ページの上の表でございます。こちらは、現時点で全てのICUが必要度Ⅱを用いたと仮定した場合からの基準を満たすICUの増減でありますが、ここでは入室時のSOFAスコアが5点以上の患者割合が10%以上あることを要件とした上で、必要な判定基準案1であれば80%、案2であれば60%としてはどうかという案にしてございます。
 81ページは、ICU、3、4における判定基準の案でございます。ここでは、入室時のSOFAスコアが3点以上である患者の割合が10%以上であることを要件とした上で、必要度の該当患者割合が案1であれば7割、70%、案2であれば50%程度としてはどうかとしてございます。
 82ページは、救命救急入院料2、4におきまして、ICUにおける判定基準の案を用いた場合の影響を示しているところでございます。
 次に、83ページでございます。
 こちらは、ハイケアユニット用の必要度についてでございます。
 84ページにありますとおり、前回の御議論では、項目の見直しに加えまして、重症度の高い患者と相関性の高い項目の実施割合である割合①と、その他を含めた全ての項目の実施割合であります割合②を組み合わせてシミュレーションを行うことを提案させていただきました。
 85ページが、ハイケアユニット入院医療管理料1における該当患者割合の変化でございます。
 割合①は、現行よりも大幅に低下しますけれども、割合②に関しましては、現行と大きくは変わらなかった結果ということでございました。
 また、レセプト電算処理システム用コードを用いた場合も、現行の評価方法と大きな変化はございませんでした。
 こうした結果を踏まえまして、86ページに見直し後の基準の案を示してございます。割合①を15%、割合②を80%としてございます。
 87ページ、88ページに、ハイケアユニット入院医療管理料2における結果と見直し案を同様に示しておりますが、ここでは割合①を15%、割合②を65%としているところでございます。
 それでは、3つ目のテーマで「療養病棟入院基本料の医療区分について」でございます。
 90ページは、12月22日の中医協総会におきまして、医療区分の見直しの影響について、療養病棟入院料2のシミュレーションも提示すべきといった御指摘をいただいたところでございます。
 91から104は再掲の資料でございますので、説明は割愛させていただきまして、105ページ、106ページでございますけれども、まず、105ページは、療養病棟入院基本料1の各入院料につきまして、疾患状態の医療区分と処置等の医療区分に細分化した場合、どの分類に該当するのかをお示しするシミュレーション結果となります。
 医療区分3につきましては5つ、医療区分2につきましては3つに分類されることとなるわけでございますけれども、例えば、入院につきましては、一番割合が高いのは緑でお示ししている疾患状態の医療区分1、かつ処置等の医療区分が3の場合でして、約6割となってございます。
 また、他の分類と比べまして、医療資源投入量が高かった状態の医療区分が3、かつ処置等の医療区分が3である割合が、大体2割となってございます。
 これを療養病棟入院基本料2について、同様の分析をしたものを106ページにお示ししてございまして、傾向は同じということでございます。
 それでは、論点に進ませていただきます。108ページにございます。
 大きく3つございまして「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度等について」ということでございますけれども、2つ○がございますが、まず、1つ目の○が、重症度、医療・看護必要度の項目の見直しや判定基準の設定についてどのように考えるか。
 2つ目の○で、平均在日数の基準についてどのように考えるかとさせていただいております。
 2つ目の括弧が、ICU及びハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要についてでございます。
 1つ目の○でございますけれども、SOFAスコアと組み合わせた評価を行う上での判定基準についてどのように考えるか。
 2つ目は、ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度の項目及び該当患者割合の在り方の見直し並びにレセプト電算処理システムコードを用いた評価の導入についてどのように考えるか。
 3つ目の括弧でございますけれども「レセプト電算処理システムコードを用いた測定の推進について」ということでございます。
 測定の業務負担の軽減と測定の適正化という観点から、許可病床数200床未満の急性期一般入院料1及び許可病床200床以上400床未満の急性期一般医療2、3並びに特定集中治療室管理料及び救命救急入院料2、4において、重症度、医療・看護必要度Ⅱを用いることを要件とすることについてどのように考えるかとさせていただいております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 108ページの論点についてコメントします。
 まず「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度等について」です。
 今回の重症度、医療・看護必要度の見直しは、より機械的に判定される仕組みになっている印象であり、現場では重症者として捉えている患者さんを適切に拾い上げることができない可能性が危惧されます。
 例えば、救急搬送後の入院については、医療資源の投入量のみを尺度として、評価日数を現行の5日から1日あるいは2日に短縮することが提案されていますが、12月22日の入院(その9)でも指摘したとおり、医療資源投入量のみでは、医学的な実態や現場の評価と合致するような重症度を把握できないことも想定されます。
 また、7対1病棟におけるB項目の削除や、評価の対象となる診療行為を必要度Ⅱの項目に限定することなども、現場における判断の裁量を狭め、実際の重症度の評価と乖離してしまうことも懸念されます。
 また、今回の資料では、現行の施設基準を満たさない医療機関が一定割合あることが示されておりますが、この中にはコロナ特例等で救済されている医療機関が一定程度あると想定されます。
 こうしたことを踏まえれば、項目の見直しについては、今回のシミュレーションで示されている見直し案の中で、最も影響が少ない案4よりもさらに影響が少ない見直し案も含めて検討すべきであり、平均在院日数については、現行の18日から変更すべきではありません。
 また、該当患者割合に係る判断基準についても、相当慎重に検討しなければ、これまでの改定とは次元が異なる深刻な打撃を急性期病棟に与えることが憂慮されます。
 特に許可病床数200床未満の急性期一般入院料については、基準の見直しがより大きく影響しますので、十分な配慮が必要であると考えます。
 次に「特定集中治療室用及びハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度について」です。
 まず、特定集中治療室については、これまでも繰り返し主張してきたことですが、入院日当日のSOFAスコアの活用は、ICUの実態に合わない可能性もありますので、初めての導入となる今回改定では、できるだけSOFAスコアの影響が大きくならないようにするのが賢明な判断であると思います。
 また、重症度、医療・看護必要度の判定基準についても、コロナ禍において、集中治療室が足りないという議論があったことを思い起こせば、今回改定で絞り込みを図るようなことはすべきではないと考えます。
 次に、ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度の項目や、該当患者割合の在り方の見直しについては、86ページで示されているように、現行の基準でも一定数の医療機関が基準を満たせていない状況になっていることを踏まえれば、大きな変更は不要であると思います。
 最後に「レセプト電算処理システムコードを用いた測定の推進について」です。
 重症度、医療・看護必要度Ⅱの普及状況については、資料の9ページに示されておりますが、その結果も踏まえれば、許可病床数200床未満の急性期一般入院料については、必要度Ⅱを要件とするのは無理があると思います。
 また、急性期4から6については、200床以上400床未満の医療機関であっても、半数が必要度Ⅰを採用しておりますので、こちらも要件化は慎重であるべきだと考えます。
 特定集中治療室管理料や救命救急入院料2、4は、76ページを見ますと、一定数の医療機関が必要度Ⅰを利用しておりますので、要件化するとしても、適切な経過措置が必要であると考えます。
 私からは以上ですが、小塩会長におかれましては、看護協会の専門委員の発言の機会を検討していただければ幸いです。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 ありがとうございます。
 108ページの論点に関して意見を述べる前に、12月22日の中医協総会において指摘いたしましたが、入院医療において医療資源のうち非常に大きな部分を占める人的医療資源の投入量に関する分析が今回も全く行われることなく、ただ機械的にシミュレーションの結果が示され、議論が求められているということに関して、非常に残念に思います。
 入院基本料は、病院医療における基幹的な点数です。それが全く病棟における患者ケアに必要な人的資源を含む必要な資源の投入量の分析なく、その基幹的な点数を決定する重症度、医療・看護必要度を見直し、また、その判定基準を見直すことは、地域の入院医療提供体制に非常に大きな影響を与え、地域における病院医療提供体制に取り返しのつかない影響を及ぼす可能性があることから、見直しそのものに、また、特にB項目を入院基本料1の判定基準から削除することに関しても、改めて反対いたします。
 先日の医療経済実態調査の結果でもございましたが、多くの日本の病院は、医業損益が赤字の中で厳しい運営をしております。
 今回の実調では、民間の医療法人病院ですら、2期連続の医業損益の赤字でした。実調の結果を一時的なコロナ補助金を加えて評価すべきか、加えないべきかに関して、1号側、2号側で意見が分かれましたが、補助金のなくなった10月以降、急性期医療を提供している多くの病院が非常に厳しい経営状況に陥っていることは事実であります。
 その状況の中で、今回の改定の重症度、医療・看護必要度の見直しにより、さらに大きな影響を受けることとなります。
 今回のシミュレーション結果は、それら急性期病院の根幹である入院料の算定要件を厳しくし、一部の病院のさらなる減収につながる制度変更となります。
 医療保険財政の持続可能性に配慮しながらも、医療提供体制の持続可能性の重要性に関して意見させていただくと、中医協に加わらせていただいた冒頭に挨拶させていただきましたが、現在、ぎりぎりで維持されている地域の病院医療が、今回の見直しにより維持できなくなり、医療提供を断念せざるを得ない病院が続出する可能性を強く危惧いたします。
 我々医師は患者の治療を考える場合、どこまでの侵襲的な治療なら患者が耐えられるか、治療薬の副作用に耐えられるかを考え、治療法を決定いたします。中医協において検討している診療報酬算定要件の変更も同じ面があると思います。医療体制を求められる方向に改善していくために制度を変更していくわけですが、人的資源必要量、人的コストの必要量を評価することなく、ただ、医療密度の濃淡だけで入院医療の根幹である入院基本料を決定した場合に、本当に地域の医療機関は、各病院の機能に必要な適切な医療を提供し続けることができるという分析は、どこにも出されておりません。
 今回、シミュレーションで示されている案1から案4、また、その判断基準のAからD案、影響の重軽はございますが、どれも病院医療にとって非常に厳しい内容です。先ほど長島先生からもありましたが、より影響の少ない案を検討していくべきであると思います。
 10月以降、新型コロナ感染症対応に際して与えられていた重症度、医療・看護必要度の算定に関する特例が撤廃されました。その後、現段階でも多くの病院が、重症度、医療・看護必要度の維持が困難になっていると伺っています。
 2022年改定での心電図モニターの廃止は、それほど大きな影響を病院医療に与えています。今回の資料19ページにおきましても、青が現行の該当患者割合ですが、既に現在の割合を下回っている病院がかなり多くあることが確認できます。
 本改定で項目を見直し、判定基準をさらに厳しくする必要があるのか、慎重に考えるべきだと思います。
 また、仮にどうしても見直しを行わなければならない場合でも、地域の医療提供体制の持続可能性を確保する観点から、病院の運営に最大限影響が生じないような配慮をすることを強く求めたいと思います。
 平均在院日数に関しても同様の理由により、短縮化には極めて慎重に対応すべきであると考えます。
 特定集中治療室、ハイケアユニットに関してですが、これらユニット入院料に関しても、12月22日の総会において、たとえ変更したとしても、現在の多くの治療室が基準を満たすことが必要だと発言いたしました。これらユニットは配置すべき看護師数も多く、看護師の確保が困難な中、無駄に治療室を設定し、人的資源を配置している病院はありません。
 先のコロナ禍において、これらユニット病床数が諸外国と比較し、相対的に少ないことが日本医療の問題だという指摘もなされました。
 そのような中、今回のシミュレーション結果では、さらに要件を厳しくし、ユニット病床数を減少させる変更案となっています。現場の病院運営、病棟運営が影響を受けるような変更は行うべきではないと思います。
 また、変更を行うとしても、現行の大多数のユニットが要件を満たす水準に基準を設定すべきであると考えます。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。
 私も論点に沿って少しコメントをさせていただきたいと思います。
 まず、この論点に入る前に、先ほど総-2で医療従事者の処遇改善、賃金上昇ということで、いろいろな手立てで努力をしていただいて、ある程度方向性が見えたかと思います。
 これを見て、特に病院等の医療機関の方々は、何とかしてしっかりこれを賃金上昇に結びつけようという意欲がわくような内容であったかと思いますが、一方で、その後、総-4を見ると、そもそも病院の根幹に関わる病床の施設基準等々を大きく変えなくてはいけなくなってしまうような施設基準の提案がなされていることを考えると、今、長島委員、太田委員もおっしゃったように、このままでいくと、例えば、7対1病床は廃止しなければいけない、10対1に落とさなくてはいけないことを考えた上で、それでもなおかつ、医療従事者には2.5、2.0%の賃金上昇をするということが、果たして病院として考えられるだろうか。アクセルとブレーキを同時に踏むことになるのです。アクセルとブレーキを同時に踏んだら両方の効果がなくなります。アクセルの効果も抑えるし、ブレーキの効果もなくなるということになるので、そういう意味では、より慎重にというか、まず、今一番しなくてはいけないことは、恐らく医療従事者に対する処遇改善で、一般従事者に近い賃金上昇をして、働く意欲を増してもらうことが一番だと思います。まずそれをやってから、それから徐々に機能分化等々も進めていく。もちろん同時並行しなくてはいけないこともありますけれども、それを同時に踏んでいいことは決してないと思うので、そういう意味では、皆さん、2号側がおっしゃっているように、急性期で言えば、案4以下の、さらに緩めた、ある程度ほとんどの方が、一応それで乗っていけるような、そういうところの案に持っていくしかないのではないかと思います。あるいは十分な経過措置、極論を言えば、この1期、2年は飛ばすような、2年の経過措置を置くぐらいのつもりで徐々に様子を見ながらやっていかないと、総-2でやっていこうとする医療従事者に対する賃金上昇すらできなくなってしまう医療機関が続出する、それに対して不公平感が非常に出てくる、それをすごく危惧するところでございます。
 実調でもありましたように、令和5年度の推計値ではありますが、病院全体で10%の赤字という、今のままでも赤字というところで、さらに厳しくなって、さらに赤字が増えるようなところが続出するようでは、本当に日本の医療提供体制、特に入院医療提供体制については、かなり厳しい状況が考えるのではないかと思うので、その辺を含めて十分に慎重に御検討いただきたいと思っています。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、よろしいですか。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず、入院基本料等の在り方につきましては、最適な入院医療体制を構築するために、極めて重要なテーマであると考えております。
 2号側の御意見も同様の認識に立ったものと受け止めますけれども、患者の状態や医療資源投入量に応じた評価について、エビデンスに基づいて判断することが求められており、それが不可欠でございます。
 分科会における技術的な検討の結果を尊重しつつ、事務局から提示されたシミュレーションを踏まえ、病床機能の分化や強化を着実に推進すべきだということは、まず、総論として強く主張いたします。
 それでは、論点に沿ってコメントいたします。
 まず、1点目の「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度等について」でございますが、急性期医療のニーズをより精緻に反映する観点から、10ページに示されております項目の見直しを確実に行い、それを前提として、病床再編につなげる判定基準を設定すべきだと考えております。
 特に、急性期一般入院料1につきましては、資料の3ページ、4ページを拝見いたしますと、病床数自体が近年増加しており、限られた医療資源を集中的に投入するためにも、7対1病床は重点化すべきです。
 その際、13ページにありますとおり、2種類の患者割合を組み合わせた施設基準を設定することを踏まえれば、どちらかを最初にある程度絞った上で、もう片方を調整することが考えられます。
 このうち、患者割合の②については、A2点以上またはC1点以上ということですので、従来の基準であるA2点かつB3点以上に該当しない患者、例えば、A2点かつBが0点から2点等も含まれておりますので、基準自身は緩和されることになります。
 そもそも令和4年度改定においては、急性期一般1の必要度Ⅱの該当患者割合が、29%から28%に変更された背景につきましては、コロナ禍を踏まえた地域医療への配慮があったものと理解しておりますが、今回は平時を前提とした改定ですので、入院料1における必要度Ⅱの患者割合②は、29%とすることを提案いたします。
 また、見直し案の1から4の選択につきましては、資料の14ページを見てみますと、入院1日目から2日目にかけて、医療資源投入量が非常に大きく落ち込んでおります。
 したがいまして、11ページの表の一番上にございます、緊急入院についても、評価日数を1日とする案、1もしくは3を支持するものでございます。
 その上で該当患者割合①のA3点以上またはC1点以上の患者割合については、24ページの見直し案1や、26ページの見直し案3のシミュレーション結果を見ますと、14%から16%辺りが境界ではないかという印象を持っております。
 続きまして、急性期一般入院料1に関する2つ目の論点であります、平均在院日数については、54ページ以降を見てみますと、平均12日から14日の区分2と15日以上の区分3で、病床機能や手術の実績等が異なっております。
 また、64ページ以降にありますとおり、15日を超えますと、実質的な医療資源投入量が入院料2や入院料4と大きく変わっておりません。
 したがいまして、入院料1の平均在院日数の基準は14日とすべきと考えております。
 次に、ICUとHCUの必要度につきましては、いずれも事務局案を支持するものでございます。
 まず、ICUは重症な患者を集中的に治療することが本来の役割であり、SOFAスコアを指標として組み合わせるべきと考えます。
 その上で資料を見てみますと、見直し案1の場合には、現行の必要度より1割程度高い値となりますが、管理料1、2の必要度Ⅱの基準を現行の7割から8割に引き上げることは妥当と思います。
 また、見直し案2の場合にも、79ページ等を見てみますと、逆に1割程度低い値となりますので、こちらも事務局案のとおり、60%ということで支持したいと考えます。
 また、HCUにつきましては、69ページにありますとおり、届出数が増加傾向にあり、重点化が必要だと考えております。
 シミュレーション結果から事務局案のとおり進めることで、一定の集約化が期待できます。
 また、レセプト電算処理システムコードを用いた場合でも同程度の値になるということですので、必要度Ⅱの導入も進めていただきたいと思います。
 最後の論点でございます、レセプト電算処理システムコードを用いた測定の要件化につきましては、測定業務の負担軽減と客観性を確保するという2つの観点から、将来的に必要度Ⅱに統一するべきです。
 今回の事務局案は実態を踏まえても、当然の対応だと考えております。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
 ありがとうございます。
 私も松本委員の御意見に賛同するものであります。
 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度については、論点にありますとおり、急性期医療のニーズが高い患者に対応する医療機関を適切に評価し、機能分化・連携を進めていくことが重要であると考えております。
 その観点からは、参考資料にありますように、前回改定のように、医療機関の行動変容が一定程度起こると想定をされること、また、高齢者救急向けの新類型が創設されるなど、今回の改定においても機能分化を一層促進すべきことを踏まえれば、少なくとも現行水準以上の基準を設定することが必要ではないかと考えております。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 今回のシミュレーションの結果を受けまして、令和4年度にも同じようにシミュレーションをされて改定をされたということなのですが、思ったとおりの結果が出なかったという形で、また、今回の議論になったと理解しております。
 そういった意味では、やはり、松本委員のおっしゃるように見直し案1で進めるのが妥当かなと思っておりますし、また、平時と有事の区分けというところもきちんと考えるべきではないかなと思います。
 何かとコロナの話が出てきますが、やはり平時の対応と有事の対応というのは、別なところで議論すべきとは思っております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 108ページの論点ですが、論点の1つ目について、シミュレーションを踏まえた上で、機能分化に向けて適切な評価をする観点から、重症度、医療・看護必要度の項目や、判定基準については、見直す必要があると考えます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 長島委員、お願いします。
○長島委員
 エビデンスという観点からしますと、先ほど申し上げたとおり、医療資源投入量のみでは、医学的な実態とか、現場の評価と乖離してしまう危険性が十分あること。
 また、項目を変更することで、実際の重症度の評価と乖離してしまうということで、エビデンスの観点からも、これは適切ではないと考えているところです。
 また、平時ということも、既に平時が変わっていると思っております。医療機関、病院の経営状況がさらに悪化し、コロナのダメージも深く残っていると、既に平時が変わっていると。
 したがって、これ以上、入院医療の提供を安定的、継続的に、もしも提供できなくなれば、これは何よりも地域住民にとって不利益になるという観点で、ぜひ、お考えいただければと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか。
 茂松委員、お願いいたします。
○茂松委員
 今、議論が進んでおりますけれども、今、進んでいるのは、治療についての点数をよくしていくようなことばかりで、患者さんの立場に立ったことが全然考えられていないと。平均在院日数を短くすればするほどいいのだという海外のようなことになっておりますが、海外と日本の医療は全く違うことは、今まで言ってきていることでありまして、患者さんにとって、本当にどっちがいいのかということを考えながら議論していただきたいと思います。点数をよくすることばかりが本当に患者さんにとってよいのか。今の医療を見ていますと、患者さんは、治っていないのにもう退院ですかとか、そういうことがどんどん現場で出てきているのですよ。そのことを考えて、もう少し議論をしていただければなと思っております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。本日、非常に多くの御意見も頂戴いたしましたが、ほかに特になければ、先ほど、長島委員から木澤専門委員の御発言もという御要望がございましたので、お願いいたします。
○木澤専門委員
 ありがとうございます。
 重症度、医療・看護必要度、それから平均在院日数の基準の変更は、看護業務への影響も大きいため、影響を十分に考慮していただきたいと思います。
 ハイケアユニットにつきましては、特定集中治療室とそろえる観点から、レセプト電算処理システムを用いた評価の導入もあろうかと思いますが、その際も影響の大きさを考えた上で進めていただきたいと思います。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、よろしいでしょうか。
 多くの御意見も頂戴いたしましたが、本件に係る質疑は、取りあえず、このあたりといたします。
 事務局、よろしいですか。
 では、本日いただいた御意見を踏まえて、事務局におかれましては、引き続き対応していただくようにお願いいたします。
 それでは、次の議題に移ります。
 令和6年度診療報酬改定に向けて、前回の改定後から議論を進めてまいりましたが、これまでの議論を事務局に整理してもらいました。
 これまでの議論の整理(案)について、本日と12日で議論したいと思っております。それぞれの改定項目の詳細な内容につきましては、後日、いわゆる短冊を用いて議論いたしますので、本日は、これまでの議論の整理として、このような整理でいいかどうか、御確認をお願いしたいと思います。
 それから、これまでの議論の整理につきましては、本日と12日の総会でまとめていただいてから、12日からパブリックコメントにかけたいと思います。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは「令和6年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)」につきまして、中医協資料総-5を用いまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、資料の説明の具体に入ります前に、先ほどの重症度、医療・看護必要度、入院料に関する細かな今後の検討がまだ残っているところ、また、賃上げに関するところも、今日(その1)で御議論をいただいたところでございますが、ここまで、まだ、そういった積み残しはございまして、そこは12日にきちんとお示しをすることにさせていただきたいと思いますけれども、現段階で、この議論の整理という段階まで御議論を積み上げていただきましたことに、まず、事務局としては感謝を申し上げたいと思ってございます。
 実は本来であれば、これまでの多岐にわたります論点につきまして、これまで長きにわたり総会において真摯な御議論を反映させていただいたことを、本当は御確認いただきながら、議事録に残す観点からも、一つ一つについて読み上げをするというのが、これまでの通例でございまして、過去3回の改定を振り返りましても、全て一つ一つ読み上げをさせていただいているところでございました。
 一方、昨日リハーサルしたのですけれども、読み上げで1時間弱かかることが判明いたしまして、この時間からの読み上げを開始することは避けたほうがいいのではないかという認識でおります。
 ですので、もしお許しいただければ、そういう重いものであるということは前提と申し上げた上で、事務局としても大変残念なことではあるのですけれども、この議論の整理の構成と、それから整理の考え方をきちんと御説明することと、それから幾つか注釈がございますので、まず、それをさせていただくことで、全文の読み上げとまでは言いませんけれども、御説明に代えさせていただければと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
○小塩会長
 よろしいでしょうか、皆さん。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 それでは、お願いします。
○眞鍋医療課長
 それでは、具体の御説明に入らせていただきたいと思います。
 総-5の1ページを御覧ください。議論の整理(案)ということでございます。
 上の四角にございますとおり「留意事項」とございます。これは、例年令和6年度診療報酬改定に向けて、これまでの議論の整理を行ったものであり、今後の中央社会保険医療協議会における議論により、必要な変更が加えられることとなる。
 なお、項目立てについては、令和5年12月11日に社会保障審議会医療保険部会・医療部会において取りまとめられた「令和6年度診療報酬改定の基本方針」に即して行っている。
 次に、目次でございます。
 ⅠからⅣまでの柱が立ってございまして、これは基本方針に即して記載をさせていただいてございます。
 「Ⅰ 現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進」。
 Ⅰ-1といたしまして「医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組」。
 以下、Ⅰ-2以降Ⅰ-6まで記載がございます。
 Ⅱが2つ目の柱でございます。「ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進」でございまして、Ⅱ-1には「医療DXの推進による医療情報の有効活用、遠隔医療の推進」とございまして、Ⅱ-1からⅡ-8まで項目がございます。
 2ページに進みまして、Ⅲでございます。「安心・安全で質の高い医療の推進」が3つ目の柱でございまして、Ⅲ-1には「食材料費、光熱費をはじめとする物価高騰を踏まえた対応」ということでございまして、Ⅲ-4は幾つか枝が分かれておりますが、Ⅲ-1からⅢ-9まで項目がございます。
 4つ目の柱が「Ⅳ 効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上」ということでございまして、Ⅳ-1には「後発医薬品やバイオ後続品の使用促進、長期収載品の保険給付の在り方の見直し等」となってございまして、Ⅳ-1からⅣ-9までございます。
 これは、基本方針の柱立てでございます。この柱立てに沿いまして、4ページ以降を御覧いただければと思いますけれども「Ⅰ 現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進」としてございます。
 その中で、先ほどの柱立て、そして、その中の細目を御説明申し上げましたが、Ⅰ-1から、次のページでございますけれども、6ページの真ん中に至るまで、Ⅰ-6まで項目がございまして、これまで中医協で御議論いただきました項目の中で、それぞれの柱立てと、それぞれの項目に適合すると思うものを、私ども事務的に整理をいたしまして、それぞれのところに掲げさせていただいているところでございます。
 中には、それぞれの項目で2つの分野にまたがると、あるいは2つの分野に適合するということもございますので、例えばということでございますけれども、5ページ目を御覧いただきますと、上から5行目でございます。Ⅰ-5で「多様な働き方を踏まえた評価の拡充」の中では、(1)といたしまして「適切な集中治療を推進する観点から、特定集中治療室管理料について、重症患者の受入れ及び多様な医師の人員配置を考慮した評価体系に見直す」ということで、これは(Ⅰ-2(2)再掲)という形で、それぞれ1つの項目でありましても、この改定の基本方針の中で、それぞれの柱あるいは細目に該当するというものであれば、このような形で再掲という形でお示しをさせていただいているところでございます。
 これが全体の構成でございます。
 次に、2点補足がございます。4ページの冒頭Ⅰ-1のところでございますけれども「医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組」のところでございます。
 (1)といたしまして「看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種について、賃上げを実施していくため、新たな評価を行う」。ここに※印で「その他措置については調整中」と書かせていただいてございます。
 ここに関しましては、本日の総会における賃上げ(その1)の御議論を踏まえまして、次回までに、ここの記載を補充させていただきたいと考えているところでございます。
 あとは、事務的な訂正でございます。25ページの真ん中でございますが、Ⅲ-5に(3)があるのですけれども、こちらは、再掲の番号が若干間違ってございまして、Ⅲ-5の「(3)かかりつけ医機能の評価である」という文面から始まるものですが「要件を見直す」の後の「(Ⅱ-5(2)再掲)」になってございますが、これは(3)でございます。ここは事務的に御訂正をお願いしたいと考えてございます。
 以上で、構成の説明、また、見方につきまして、再掲の趣旨の説明などをさせていただき、そして1月12日の総会におきましては、賃上げ相当の部分につきましても補充させていただくということを追加で御説明させていただきまして、総-5の御説明とさせていただきます。
 以上でございます。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 何か御質問等ございますでしょうか。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 事務局におかれましては、議論の整理をありがとうございました。
 4ページの「Ⅰ-1 医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組」については、先ほどの賃上げの議論でも申し上げたところですが、医療経済実態調査においても、一部経営状況が芳しくない医療機関があることが明らかになったところです。
 こうした状況にあっても、質の高い医療を提供するためには、医療従事者を他産業に流出させることなく、確保することが必要であり、そのためにも賃上げを行う必要があります。
 本来、基本診療料には、そういった基本的な医療の提供に必要な基本的な人的・物的コストが含まれているはずですが、光熱費や物価あるいは賃金相場が高騰している状況においても、一般企業のように価格に転嫁できず、基本診療料が長らく据え置かれた状況においては、安定的に賃上げを行うことは困難です。
 こうした実態も踏まえれば、初再診料や入院基本料を引き上げることは不可欠であり、今回の改定で実施すべきであると主張いたします。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 これまで中医協で議論してきた内容につきまして、基本方針の項目に沿って網羅的にまとめていただいたというもので、1ページ目の留意事項にありますとおり、今後の議論によって、必要な変更が加えられるということを前提として、議論の整理そのものに異論はございません。長期かつ膨大な議論を分かりやすく整理いただきました事務局に感謝申し上げます。
 その上で、私から生活習慣病の増加等に対応する効果的・効率的な疾病管理及び重症化予防の取組推進につきまして、コメントをさせていただきます。
 この項目につきましては「Ⅲ 安心・安全で質の高い医療の推進」、具体的には25ページになります。
 また「Ⅳ 効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上」、具体的には31ページになりますが、この2か所に挙げられております。
 先ほど議論いたしました賃上げと同様に、政府が決定した改定率の枠に関連するものと理解をしております。
 これを実現するためには、疾患や療養の計画的な管理を診療報酬でどのように評価するかということが、非常に重要だと考えておりますので、患者の視点、財政の視点も十分念頭に置いて、短冊協議の中で、ぜひしっかり議論をさせていただきたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 高町委員、お願いいたします。
○高町委員
 ありがとうございます。
 資料には、私がこれまで発言してまいりました、電子カルテの保存義務期間についてのことが書かれておりませんので、再度この場で意見を述べさせていただきたいと思います。
 患者が重篤な副作用を発症し、国からの救済を受けるときにはカルテが必要です。副作用の発症が服薬から10年以上という長期間経過した後であった場合、現在の5年間の保存では、既にカルテが破棄されていて、救済が受けられないことがよくあります。このようなことをなくして、患者が安心して医療を受けられるようにするために、電子カルテの保存義務期間を無期限にしていただくことを、薬害被害者の立場からお願いしたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。ほかに御質問、御意見等をないようでしたら、本日いただいた御意見を踏まえて、事務局におかれましては、資料の修正、それから加筆を検討していただいて、次回の総会で修正点、それから補充したところを確認するということにしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日御用意した議題は以上ですが、事務局からその他として資料が提示されております。
 事務局より説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、今般、発災いたしました令和6年の能登半島地震に係る様々な診療報酬の特例に関しまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 中医協資料総-6-1から総-6-4でございます。
 総-6-1を御覧いただければと思います。
 1ページ目のタイトルにございますとおり、こちらの災害の被災者に係る被保険者証等の提示等についてでございます。
 この事務連絡の趣旨でございますけれども、こちらは、被災者が被保険者証を保険医療機関提示できない場合においても、医療保険により受診が可能である旨について、お示しをさせていただいたものでございます。
 続いて、6-2を御覧ください。
 こちらは、被災地の医療機関や薬局への配慮といたしまして、診療報酬の算定につきまして、特例的な対応を示したところでございます。
 後ろのほうのページでございますが、12ページ以降、Q&Aの形でお示ししてございますが、こちらは被災地以外の医療機関への配慮ということでございまして、被災地からの患者を受け入れた医療機関の状況に鑑みまして、柔軟な取扱いを可能とするものをお示しさせていただいております。
 続いて、総-6-3でございます。
 こちらは、被災地の医療機関、薬局等の令和5年12月診療等分のレセプト請求について、提出期限を延長するとともに、レセプトコンピューター等を滅失、汚損または棄損等をした場合には、通常の請求方法に加えまして、概算請求を行うことができる旨についてお示しをさせていただいております。
 最後に、総-6-4でございます。
 先ほどの総-6-2でお示しいたしました、診療報酬の取扱いにつきまして、(その2)といたしまして、保険診療による入院につきまして、被災地での患者受入れや被災地からの転院受入れの際の、やむを得ない場合の平均在院日数等の施設基準等の柔軟な対応について、取扱いをお示ししたものでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、お願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 被災地の医師会や、現地で活動中のJMATからの情報によりますと、被災地の医療は極めて厳しい状況であり、その復興には、かなり長い期間がかかるものと予想されます。
 したがいまして、医療関係者は、これからも全力で支援に取り組んでまいりますが、支援活動は長期にわたることが見込まれます。
 そこで、国としても被災地の被災者や医療機関等の状況に応じた柔軟な対応や支援を、これからも迅速に検討していただくよう、よろしくお願い申し上げます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 被災地にお入りになっている医療従事者の皆様には、本当に、私が言うことではないですが、御礼申し上げたいと思います。どうもありがとうございます。
 保険者の代表といたしまして、協会けんぽのほうでも厚労省から出されましたお知らせに関しまして、1月3日付で、保険証がなくても医療機関を受診できるようなアナウンスをさせていただいております。
 同じようなことになりますが、引き続き、状況の把握などをして保険者として連携に努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。
 私は、隣の福井県でありまして、私も1日は震度5強でかなり揺れまして、当院も少し壁が傷んだりはしていますけれども、幸い福井県は、災害被災県としては、15、16病院が、一部水道管が破裂したり、あるいは電気が通らなかったことがありましたけれども、大きな被害はなかったので、今はむしろ災害支援県として、石川県能登のほうに動いております。
 本当に非常に厳しい状況で、現時点でも七尾までは行けるが、その先の輪島、珠洲、能登地方は、まだ道路が寸断されて、なかなか自衛隊以外の普通車等は通れない状況になっていて、JMATも、今、七尾までの待機の状況になっていることが多い。ただDMATは結構入っています。
 その中で、今回、診療報酬上の改定、特別な措置をいただいて非常にありがたい。というのは、結局入れないので出すしかないということで、今、自衛隊ヘリを使って、小松空港あるいは福井空港に経由で患者の搬送が始まっています。
 当県でも71歳から97歳の45名を受け入れていますが、いずれも要介護者の方々で、それが災害拠点病院に入っているので、そこがもう満杯になってきているので、その後、地ケアとか、療養とか、そういう要介護状態を受け入れられる病院で、さらに1.5次、2次搬送をしなくてはいけない状況になっています。そのときに災害地以外でこういう特例措置をやっていただけるのかが非常に不安だったのですけれども、それはすぐ対応していただいたので、医療区分とか、施設基準等あるいは派遣する看護師のために、人員配置が一時的に少なくなることに対しても、特別な措置ということがありましたので、非常に迅速な対応をしていただいたこと、心から感謝申し上げたいと思います。
 そこで、1点、事務局に御質問させていただきたいのですが、災害は、最近頻繁に起こりますね、こういう診療報酬上の対策というのは、当然、その都度、多少大小があってやらなければいけないと思いますけれども、そろそろ被災によって、プランA、プランB、プランCという形で、すぐプランAを発信する、プランBを発信する、Cを発信というように、特別な措置についても、ある程度ひな形があるのではないかと思いますけれども、そういうひな形は、事務局では準備されているのかどうかをお伺いしたい。もしあれば、逆に診療報酬上の対応のBCPみたいな感じで、既に事前にお示しして、今回の試算は、取りあえずこれで行って、あとの微調整は、総会で議論するという形でやっていただいたほうが、私もすぐ動くときに、こういう対応ができるからといって、各医療機関にお話ができるので、そういうこともあるかなと思いますけれども、そういうひな形みたいなものが、既に準備されているかどうか、お伺いしたかったのでよろしくお願いします。
○小塩会長
 池端委員からの御質問ですけれども、いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 災害対応の際に、報酬上どのような特例を取り扱うかということに関しましては、昨今ございます地震や、台風による災害の多様な経験が生かされてきておりまして、事実上、私どもといたしましては、発災あるいは被災したときに、どのような事務連絡を、まず、どの段階でお出しするか、そして、被害の状況を見極めながら、この程度であれば、ここまでというのは、そういった我々の中で蓄積された経験則に基づく対応というのは、事実上できていると考えているところでございます。
 以上でございます。
○小塩会長
 池端委員、お願いします。
○池端委員
 そうであれば、それは逆に、事前に平時からある程度お知らせをしておいて、こういう場合は、こういう方法で行きますので、ぜひすぐ対応してくださいということが分かっているほうが、現場としてはすごく動きやすいので、それも今後御検討いただければと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。特にほかに御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。
 それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 中央社会保険医療協議会 総会 第577回議事録(2024年1月10日)

ページの先頭へ戻る