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2023年12月22日 中央社会保険医療協議会 総会 第575回議事録

○日時

令和5年12月22日(金)9:00~

○場所

TKP新橋カンファレンスセンター 12F

○出席者

小塩隆士会長 飯塚敏晃委員 笠木映里委員 永瀬伸子委員 本田文子委員 安川文朗委員
鳥潟美夏子委員 松本真人委員 佐保昌一委員 高町晃司委員 眞田亨委員 鈴木順三委員 
長島公之委員 茂松茂人委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 太田圭洋委員 林正純委員 森昌平委員
木澤晃代専門委員 上田克彦専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他


○議題

○臨床検査の保険適用について
○個別事項(その 18)について
○個別事項(その 19)について
○個別事項(その 20)について
○入院(その9)について
○その他

 

○議事 

○小塩会長
 おはようございます。ただいまより、第575回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、末松委員、岡本専門委員が御欠席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 初めに「臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
 本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。小澤委員長より御説明をお願いいたします。
○小澤委員長
 おはようございます。小澤でございます。
 それでは、説明いたします。中医協総-1の資料を御覧ください。
 今回の臨床検査の保険適用はE3の2件です。
 2ページ目を御覧ください。
 販売名は、イムニス サイトケラチン 18F EIA。
 測定項目は、血清中のヒトサイトケラチン 18 フラグメント(CK-18F)濃度の測定です。
 測定方法は、酵素免疫測定法(定量)です。
 4ページ目の製品概要を御覧ください。
 本品は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)診断の補助を目的として、肝細胞のアポトーシスによって血中へ放出されるCK-18Fを測定する臨床検査です。
 2ページにお戻りください。
 保険点数につきましては、D007-48 Mac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体、マロンジアルデヒド修飾LDL(MDA-LDL)、オートタキシン、194点を参考点数としています。
 続いて、5ページ目を御覧ください。
 販売名は、ルミパルスプレスト PGE-MUM。
 測定項目は、プロスタグランジンE主要対象物です。
 測定方法は、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)(定量)です。
 7ページ目の製品概要を御覧ください。
 本品は、尿中のプロスタグランジンE主要代謝物の測定(潰瘍性大腸炎の病態把握の補助)を行う臨床検査です。
 5ページにお戻りください。
 保険点数につきましては、D001 尿中特殊物質定性定量検査 8 アルブミン定量(尿)99点とD013 肝炎ウイルス関連検査 3 HBs抗原、HBs抗体88点を合算した187点を参考点数としています。
 私から御説明いたします内容は、以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 小澤委員長、どうもありがとうございました。
○小澤委員長
 ありがとうございました。
○小塩会長
 続きまして「個別事項(その18)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 おはようございます。医療課長でございます。
 それでは「個別事項(その18)精神医療について(その2)」といたしまして、中医協資料総-2を用いまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 スライド番号2でございますけれども、今日御審議いただくものの目次でございます。
 1の中に入院、在宅、そして外来という大きな3つのテーマを掲げさせていただいてございます。
 その後、2、3、4といたしまして、心的外傷等に対する心理支援、3、不適切な養育への対応に係る体制、4、精神障害者に対する就労支援、こういった個別の項目について御説明をさせていただきたいと思います。
 それでは、スライド3でございます。
 こちらは、精神障害にも対応いたしました、地域包括ケアシステムにおける医療機関の役割を、いわゆるかかりつけ精神科医機能を中心にまとめたものでございます。このスライドは、この後、何回か出てまいります。
 5枚目に行かせていただきます。
 こちらは、障害福祉サービス等報酬改定検討チームにおきまして、同時改定におきまして、回復期入院患者に対する医療提供体制を評価することを検討することとされたものを御紹介するものです。
 ページは進みます。7ページ目でございます。
 こちらは、精神科入院に係る診療報酬について、急性期と慢性期に大別されていることをお示しし、慢性期の届出病床数が多いということをお示しするものでございます。
 8ページ目、9ページ目、長期入院となるほど、退院先が課題となるということをお示ししてございまして、特に8ページ目、赤い破線で上下に分けてございますけれども、入院期間が1年というところを境に、傾向が大きく異なることがお示しできるかと思ってございます。
 9ページは、入院期間が長くなる主な理由といたしまして、青と赤の帯グラフのところを見ていただきますと、精神疾患の治療に時間を要するため、転院先、入所先または居住先が見つからないため、こういった理由が挙げられているところでございます。
 それでは、11ページ目に進みます。
 こちらは、回復期を含めた3か月以上の入院患者さんの多くが、人員配置の低い病棟に入院している実態を示してございます。
 12ページ、13ページは、精神病床におきまして、救急や急性期を担う入院料についてでございますけれども、算定上、上限が3か月とされてございます。また、退院後再入院いたしましても、一定期間は算定できないという取扱いのため、3か月以上入院する場合には、慢性期病棟に移ることが多いと、こういう実態がございます。
 15ページ目、16ページ目は、3か月を超える回復期の患者さんに対する支援内容について、まとめてございます。
 回復期の患者さんにおきましては、多職種による心理・社会的治療と包括的支援マネジメントが重要とされてございます。
 16ページにお示ししておりますとおり、入院期間が3か月以上の患者さんには、実態として、そのような支援が提供されていることが、調査の結果明らかになっているところでございます。
 18ページでございます。多職種配置の効果について、お示ししてございます。
 基本料を算定する病棟で、多くの職種を配置している場合には、平均在院日数が短縮し、在宅復帰率が高くなるという傾向があり、職種は複数配置されているほど、その傾向が高いことが示されております。
 次、20ページから23ページでございますけれども、こちらは、実際に多職種による包括的支援を行っている医療機関に共通する取組や、その効果について取りまとめてございます。
 それまで長期入院が課題であった病棟であっても、入院中から退院後を見据えた支援を充実することによりまして、平均在院日数の短縮や、地域で過ごせる日数が伸びるといった、地域移行、地域定着の効果が得られたことをお示しするものでございます。
 24ページ目、25ページ目は、精神病棟におけるデータ提出の状況をお示ししてございます。
 それでは、次に、在宅医療に移らせていただきます。
 28ページに、精神科医療機関におきまして実施されます、在宅医療のイメージ図を提示してございます。
 精神症状が不安定なことなどを理由に、通院が難しい場合であっても、在宅医療の活用や、障害福祉サービス等との連携によりまして、入院医療に至らずに、地域で可能な限り過ごせるよう支援することが重要とされているところでございます。
 30ページでございますけれども、精神科在宅医療の対象患者像に対する調査結果が示されてございます。
 精神在宅医療の提供理由といたしまして、身体機能の低下よりも、精神症状の不安定さや社会機能の低下というところで多いことがお示しできるかと思います。
 ページは進みまして、33ページでございます。
 精神科外来医療におきまして充実されてまいりました、包括的マネジメントに関する評価を示してございます。
 こういった評価があるところでございますけれども、在宅医療については、対象患者の要件を満たしても評価の対象とされていない、こういったことをお示ししてございます。
 次に、34ページは令和4年の診療報酬改定で、精神科在宅患者支援管理料につきまして見直しを行ったことを示してございます。
 35ページには、算定や届出の状況を示してございますけれども、なかなか算定が進まない理由といたしましては、対象患者さんの要件が限定的であるといった指摘があるところでございます。
 36ページにお示しします調査によりますと、包括的な在宅医療の提供によりまして、再入院の回数や期間が減少するといった結果が出ていることを踏まえまして、回復期の入院医療に対する議論と併せて御議論いただければと思ってございます。
 次に、外来医療に進ませていただきます。
 38ページ以降でございますが、39ページに精神科の外来患者数の伸びを、そして、40ページには、精神科を標榜する診療所数の伸びを示してございます。
 42ページ目、43ページ目に関しましては、特に大都市圏での診療所の伸びが大きいということを示してございます。
 44ページには、診療所にも求められます、かかりつけ精神科医機能について、再掲するものでございます。
 ケースマネジメントや時間外の診察、在宅医療、政策医療、精神科救急への参画などが求められているところを示しております。
 45ページにお示ししますように、通院・精神療法につきましては、診療時間ごとの区分になってございます。
 算定が最も多いのは、30分未満という区分でございますけれども、5分以上30分未満の診療時間で算定可能とされてございます。
 46ページであります。
 診療所における算定の内訳を示してございまして、初診や30分以上の算定は少なく、30分未満の通院・精神療法の算定がほとんどという医療機関も多数見られているところでございます。
 ざっと47ページから57ページまでということで、こちらは、かかりつけ精神科医機能として求められる項目につきまして、診療所の実態をお示しするものでございます。
 時間外診療や精神科救急や政策医療である指定医の審査会業務への参画、地域医療、地域定着に係る連携等について、いずれも進んでいないという実態がお示しできているかと思います。
 ページを進めまして、58ページ目、59ページ目に進ませていただきます。
 こちらは、精神科診療所における最近の初診待機の状況を示してございます。
 診療所数は増加しているにもかかわらず、行政からの依頼であっても待機が生じたり、急ぐ場合には越境して受診をすることもあるということをお示ししてございまして、特に児童思春期は、長年、初診を待機する長さが問題であるということが指摘されているところでございます。
 60ページ、61ページ目では、精神科診療所の初診料と再診料の算定割合、そして、初診料の算定が月に5回未満の場合の医療機関におきましては、在宅や包括的支援マネジメント、個別支援の提供が少ないということが分析の結果、明らかになってございます。
 63ページに、精神疾患に対する早期発見・早期介入の必要性をまとめてございます。
 我が国は、若年層で精神疾患の疾病負荷が高いことが知られてございまして、比較的若年の有症状者や受診者に対する重点的な介入が必要とされております。
 64ページ目でございますけれども、精神疾患の未治療期間を短縮いたしまして、転帰を改善することが重要と、そういったことが示されるメタ解析の結果でございます。
 66ページ目、67ページ目でありますけれども、精神疾患への早期介入では、アセスメントや心理・社会的治療を主とした低侵襲的治療が優先され、多職種による個別的な心理的な社会的治療が重要であるということが示されているところでございます。
 69ページに進みます。
 こちらは、早期介入も含めた精神科の外来、在宅医療の在り方をまとめてございまして、70ページに、これはAMEDの研究で取りまとめられました、早期介入を実施する医療機関に求められる機能の指標を提示してございます。
 71から73ページは、早期介入で必要とされます、認知行動療法の御紹介をしてございます。
 それでは、以降、個別事項でございます。
 2といたしまして、心的外傷等に対する心理支援でございます。
 75ページに、令和5年6月に犯罪被害者等対策推進会議におきまして、犯罪被害者等に対する質の担保された治療といたしまして、カウンセリングの保険適用、こういった改善をするような提言がなされているところでございます。
 76ページ目は、犯罪被害者等へのカウンセリングに対しまして、警察庁が実施している公費負担制度を示してございます。
 77、78ページに、公費負担によるカウンセリングの実施状況調査の結果を示してございまして、78ページありますように、被害を受けた方が自ら医療機関を選択して受診している、こういったケースもございます。
 79ページ、80ページ、81ページは、公認心理師制度の概要と配置状況。
 82ページ目は、犯罪被害者のトラウマの原因となります体験と、その後の経過でございます。
 トラウマ体験後の経過で、良好なものから機能低下が慢性化するものまで様々といったところでございます。
 83ページは、PTSDの診断基準でございまして、トラウマ体験後、複数の症状が一定期間継続することをもちまして、PTSDと診断される一方で、部分的な症状や別の症状が出る場合も介入が必要であるとされてございます。
 84ページに、トラウマ体験後に生じるストレス関連症に対する介入のガイドラインをお示ししてございます。
 心理に関する専門的技法を用いた心理支援が有効とされてございます。
 86ページ目、87ページに、実際に公認心理師が医療現場で行っております支援と、精神科医による精神療法に加えて、心理支援を実施する場合の効果を示してございます。
 それでは「3.不適切な養育への対応に係る体制について」でございます。
 89ページ目でございますけれども、こちらに児童相談所での児童虐待相談対応件数をお示ししてございまして、年々増加傾向にあるということでございます。
 90ページは、令和4年度の診療報酬改定において新設されました、小児入院医療管理料におけます不適切な養育が疑われる小児患者に対する支援の体制の評価であります。養育支援体制加算と、その算定医療機関数をお示ししてございます。
 92ページ目、93ページ目は、20歳未満の精神疾患を有する患者を対象といたします、児童・思春期精神科入院医療管理料の概要と算定状況を示してございます。
 94ページは、こうした病棟におきまして、精神疾患により入院し、退院後に不適切な養育を受けていることが判明し、虐待対策チームによる介入が必要となったという事例を示してございます。
 次に4でございます。「精神障害者に対する就労支援について」ということでございます。
 96ページに、就労支援施策の対象となる障害者数を示してございます。
 このチャートを御覧いただきますと、右の真ん中の辺りでございますけれども、赤囲みで、令和3年度には2万1000人余りが一般就労に移行したと、こういった結果も出ているところでございます。
 97ページは、就労系の障害福祉サービスから一般就労への移行者数が増加傾向にあることを示しており、98ページ目は、障害者総合支援法における就労系障害福祉サービスの概要を一覧でおまとめしてございます。
 99ページ目は、令和4年12月に成立いたしました、改正障害者総合支援法の概要でございまして、赤字でお示してございますけれども、就労アセスメントの手法を活用いたしました、就労選択支援といったことを創設することとされているところでございます。
 100ページは、この創設についてお示しをするものでございます。
 101ページには、就労選択支援の基本プロセスになりますけれども、就労継続支援や、就労移行支援あるいは一般就労に向けた支援の利用の前に、多職種によるアセスメントとケース会議を行うものということが位置づけられてございます。
 102ページは、就労選択支援における各機関の役割でございます。就労選択支援事業所との間で、医療機関はケース会議への参加、情報連携を担うものとされてございます。
 103ページ、104ページ目は、診療情報提供料(Ⅰ)の概要でございます。
 104ページでございますけれども、診療情報提供(Ⅰ)の注4の規定におきましては、精神障害者につきまして、就労移行支援事業所等に情報提供した場合に算定できるものとされてございます。
 105ページは、社会保障審議会障害者部会の報告書でございます。
 精神障害の特性といたしまして、疾病と障害等が併存しており、その時々の病状が障害の程度に大きく影響することから、医療機関と福祉サービスとの連携を十分に確保することが求められているところでございます。
 106ページ目は、精神障害者に対する医療機関と就労支援機関の連携の重要性や役割が示されていることを示しているものでございます。
 こういった課題を踏まえまして、論点を御説明させていただきます。111ページ、112ページ目でございます。
 まず、入院でございますけれども、111ページ目の上の○でございます。
 こちらに文章がございますが、多職種の活用による治療や支援の拡充に加えて、退院後の地域生活を見据えた在宅医療や障害福祉サービスとの連携等を包括的に行うことにより、地域移行を積極的に進める取組が進んでいる実態等を踏まえ、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に資する入院医療の在り方についてどのように考えるかという論点としてございます。
 次に、在宅医療についてでございます。
 1つ目の○でございます。これは、精神科の通院患者さんに対しまして、包括的支援マネジメントを実施した場合につきましては支援がある一方で、在宅医療の患者さんが対象とされていないこと、こういったことを示しておりまして、在宅医療の患者さんに対しまして、包括的支援マネジメントを実施した場合についても評価の対象とすることとしてはどうか。
 次の○でございますけれども、こちらは、精神科在宅患者支援管理料につきまして、対象患者の要件の見直しについてどのように考えるかとしてございます。
 112ページに移りまして、外来でございます。
 こちらは、診療所数は増加しているということでございますけれども、時間外診療や在宅医療の提供、政策医療への協力といったことを行っている医療機関が少ないことを示しておりまして、また、短時間の通院精神療法の提供割合が大きい医療機関が大多数を占めるという現状を踏まえまして、通院精神療法の在り方についてどのように考えるか。
 次の○は、精神疾患につきまして、初診待機が生じていることを踏まえまして、診療早期に手厚い支援を行う外来医療の体制について、評価することとしてはどうかとしてございます。
 個別事項が3つございます。「心的外傷等に対する心理支援について」「不適切な養育に係る体制について」「精神障害者に対する就労支援について」、以下、記載のような論点とさせていただいているところでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 長島委員、お願いします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 111ページ、112ページの論点についてコメントします。
 1つ目の精神病棟における入院医療、2つ目の精神科在宅医療及び3つ目の精神科外来医療について、論点に示されているようなニーズがあることは分かります。しかし、現在の15対1の精神病棟入院基本料をどうするのかといったこと、あるいは退院後の在宅医療や障害福祉サービス、そして、地域における精神科診療所の在り方などを含めて、地域における精神医療提供体制に非常に大きな変化が生じる内容となっており、このような大きな話を年末が押し迫った時期に、中医協でテーマから議論するように提示されたことに違和感を覚えております。
 事務局におかれましては、今後の議論の中で、全体の絵姿も示しつつ、十分に納得できるような資料を提供していただくようお願いいたします。
 私からは以上ですが、小塩会長におかれましては、看護協会の専門委員からも意見を聞く機会を御検討いただければ幸いです。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 今後、慎重に検討していくことが非常に重要であるわけですけれども、入院医療の部分、論点の1つ目に関して意見をさせていただきたいと思います。
 今、資料で示されておりますように、既存の精神科の入院料では、論点にあるような患者需要に対応ができるものがないということも事実でありまして、新たな入院料について検討することは価値のあることであると思っております。
 精神科入院医療については、これまで急性期については議論が重ねられ、対応されてきましたが、地域包括ケアを見据えた回復期については、対応が進んでこなかったことも事実です。地域包括ケアに視点を向けた入院医療を検討する必要はあるかと思います。
 特に、回復期患者が長期入院に至らないためには、入院早期からの包括的支援マネジメントや退院後の在宅支援を一体的に切れ目なく実施する必要があり、多職種の手厚い配置や、入退院を繰り返す中で地域移行していく患者に配慮するような、既存の在宅移行率にとらわれない新たな入退院の指標も必要となるかと思います。今後、慎重に検討していくことが必要だと思っております。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 それでは、資料の111ページから112ページの論点に沿ってコメントいたします。
 まず、入院医療につきましてでございますが、資料の6ページを見てみますと、将来的には精神病床が全体として減少する中で、青で示されております急性期並びに黄色で示されております回復期は増加するということで、一般の入院とは若干定義が異なりますけれども、なるべく初期に医療資源を重点的に投入して、地域に早く戻していくという考え方については共通だと考えております。
 先ほど太田委員からも言及がございました、精神の回復期については、正直申し上げて、これまであまり対応を考えてこなかった部分だろうと思っております。
 資料の15ページを見てみますと、多職種による包括的支援マネジメントの必要性が示されており、また、16ページの調査結果を見てみますと、実際に1年未満で退院した患者について、入院3か月から1年未満の間に、ケースマネジメント、退院後の生活に関する支援、心理・社会的介入、個別の専門治療が多く実施されていることが分かります。
 また、18ページに目を移しますと、病棟に精神保健福祉士、作業療法士、公認心理師がそれぞれ1名以上配置されている場合、平均在院日数が短くなり、在宅復帰率も高くなっております。
 したがいまして、多職種を配置して退院後の生活を見据えて、包括的支援マネジメントを実施する精神医療の回復期病棟に対する新たな評価体系を設定することが考えられます。
 ただ、その際には長期入院が発生しないように、算定期間を制限し、退院先の割合、在宅医療の提供や、障害サービス等との連携などの要件を設け、それらを包括的に評価するといった実効的な仕組みにすべきであると考えます。
 また、前回申し上げましたとおり、エビデンスに基づく議論のためには、データ提出加算が非常に重要となります。
 新しい入院料をつくる場合にはデータ提出加算を義務化し、ほかの入院料とアウトカムと比較するなど、適正に運用されているのか、中医協でしっかり検証すべきだと考えております。
 次に、在宅医療についてでございますが、資料の30ページを見てみますと、訪問を開始した理由として、病状悪化等による通院困難なため、ひきこもりで外出が難しいためが最も多くなっております。
 31ページ、32ページにも、在宅患者でも包括的支援マネジメントの導入基準に該当する場合があるのであれば、在宅患者についても、37ページにあるようなエビデンスに基づき、真に有効性が認められる患者に限定して、多職種連携による充実した支援を加算で評価することは理解ができることでございます。
 また、精神科在宅患者支援管理料の対象患者の範囲につきましては、資料の35ページを見てみますと、管理料の算定実績が極めて乏しく、届出を行わない理由として、対象となる患者がいないが、病院で4分の1、診療所で3分の1を占めております。
 入院から地域への流れを推進する観点では、もう少し算定されてもいいのではないかという印象を抱いております。
 しかし、あくまでも基本は外来での治療です。精神疾患の場合は、通院が困難な状態を客観的に判断することが難しいと思いますので、対象範囲を拡大する場合には、回復期の退院患者であること、あるいは在宅支援のニーズが高いこと等について、明確な基準を設けるべきと考えます。
 続きまして、外来医療についてでございますが、資料の39ページ以降を見てみますと、気分・感情障害や神経症性障害、ストレス関連障害、身体表現性障害を中心に、外来患者が増加しており、精神科の診療所が大都市圏を中心に増加していることが分かります。
 一方で、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築のために必要とされている時間外診療、在宅医療、政策医療への協力、精神科救急への参画が不十分ということですので、少なくとも精神保健指定医には、しっかりと役割を果たしていただきたいと思います。
 資料の45、46ページにありますとおり、短時間の診療が多く、6割を超える診療所では初診時に60分以上の算定がございません。
 一方で、58ページを見てみますと、診療所が多い都市部でも、初診の待機が発生しております。この背景には、1回の診療に時間をかけるよりも、短時間の患者をより多く診療するほうが高い収益が得られるという構造的な要因があると考えられます。
 45ページを見ますと、現行の通院精神療法は診療時間の区分が少なく、点数の格差が小さいと思いますので、もう少し階段をつくって、財政中立の上で、診療時間に応じた点数のめり張りをもっと利かせるべきだと思います。
 その際は、精神療法で最低5分が妥当なのかということや、指定医とそれ以外の点数格差についても、もう少ししっかり考える必要があると思います。
 また、早期介入については、63、64ページに示されておりますように、効果があるということですので、ぜひ進めるべきと考えます。
 ただし、体制を評価するということであれば、70ページに示されておりますパフォーマンス指標を参考にしつつ、時間外や休日対応を含めた、かかりつけ医機能や、多職種チームによる早期診療、個別支援が行われることなど、十分な体制をしっかり担保すべきと考えます。
 その他の論点で示されております、心的外傷等に対する心理支援、不適切な養育に関する体制、精神障害者に対する就労支援については、事務局の御提案に異論はございません。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 私どもの協会けんぽの傷病手当金に占める精神及び行動の障害の支給金額及び構成割合は、年々増加の一途をたどっております。
 63ページにあるような精神疾患に関する早期介入の必要性は理解いたしますが、その対処方針を決める上では、報酬での対応を議論する前に、59ページに示されたような、初診待機の工夫のうち、より効果的・普遍的なものはいずれかということを検討していただきたいと考えております。
 以上になります。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 佐保です。ありがとうございます。
 論点の精神障害者に対する就労支援について、おおむね異論はありませんが、若干申し上げたいと思います。
 課題として挙げられているように、精神障害の特性から、その時々の症状が障害の程度に大きく影響することからすれば、職場に合理的な配慮を求めやすくするためにも、医療機関が就労系サービス事業所と連携することは重要と考えます。
 実績を伴う連携支援によって、障害者の方が就労時だけでなく、安心して働き続けられる環境となることも地域移行につながると考えます。
 また、心的外傷等に対する心理支援、不適切な養育に係る適切な支援についても、おおむね異論はございません。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
 ありがとうございます。
 まず、論点の精神病棟における入院医療につきまして、地域包括ケアシステムの構築に資する機能、すなわち多職種協働による早期の地域移行、あるいは在宅精神療法による地域定着、こういったものが期待されているところでございます。
 長島委員も申しましたように、こういった新たな仕組みにつきましては、しっかりとデータに基づいた政策が必要となりますし、仮に、今後こういった機能を付加するのであれば、しっかりとデータ提出に基づいて、今後、効果をより検証していくことが必要だと思いますので、意見を申し上げたいと思います。
 2つ目は、包括的支援マネジメントを在宅あるいは入院等に拡大することについては、賛成でございます。
 そういった中で、PSWあるいは看護師さん等の役割も記載されておりますが、その他作業療法士とか、多職種協働で取り組むことが、より一層効果を生み出すことになるかと思いますので、多職種協働でより一層取り組めるようお願いしたいと思います。
 もう一点は、こういったことが、本当に地域定着等に効果をしているのかどうか、引き続き検証が必要ではないかと思っております。
 最後に、101ページからあります、新たな就労選択支援アセスメントにつきまして、このアセスメントにおいては、診療情報、要は患者さんの医療に関わる情報というのは欠かせませんので、こういったところへの診療情報がしっかり活用できるように、よろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 高町委員、お願いいたします。
○高町委員
 ありがとうございます。
 事務局に質問がございます。精神科の外来患者数が増加する中で、精神科を主たる診療科とする診療所の数も、特に都市圏で大幅に増えている状況があるということですが、その一方で、診療所において、初診の待機が発生しているという状況があるということですが、このような状況は、どのような背景によって起きているものなのでしょうか、お教えください。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 今、高町委員から御質問がございましたが、事務局、御回答をお願いできますでしょうか。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 高町委員からの御質問、ありがとうございました。
 まさに御指摘いただいた内容は、私どもも課題だと思っているところでございます。それを解決する、あるいはその対応方法として、どのような評価が考えられるかという論点とさせていただいているところでございますけれども、私どもとしては、多くの診療所が開設する中でも、時間外の対応が少ない、あるいは政策医療の協力、あるいはそういったことを行う診療所が少ない、こういったことも要因ではないかと、私どもとしては、それを読み解いていただけるような形でお示しをさせていただいたところでございます。
○小塩会長
 高町委員、よろしいでしょうか。
○高町委員
 ありがとうございます。
 このような待機が、特に長期の待機が多くあるという状況は、ぜひ改善すべきだと思いますので、これから先の取組をぜひお願いいたします。ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 先ほど質問をし忘れたのでございますが、75ページに犯罪被害者等施策の推進というところで、カウンセリングの保険適用の改善というのが、赤枠で囲まれております。
 一方で、76ページには、今、経産省で実施されております、カウンセリング費用の公費負担制度の御紹介がございます。
 75ページにあるような形で出てきたというのは、こうしたカウンセリングに関する質とか量、どういったところに問題が出てきたのか、事務局におかれましては、教えていただければと思います。
○小塩会長
 ただいまの松本委員の御質問に対して、いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 75ページ、76ページに係るお尋ねでございました。
 76ページにお示ししておりますように、警察庁によるカウンセリング費用ということは、従来から行われている事業でございます。
 76ページの右下にありますように、カウンセリングで公費負担制度がありまして、保険診療、保険診療外ともに、制度的に対応することは可ということでございますけれども、こういった犯罪被害者の方々からの声を聞く中で、こういったカウンセリングの質の向上であったり、その中で公認心理師さんとの連携、役割分担など、そして協働などといった要望が寄せられていたと承知してございます。そのようなことから、このような記載になったと承知しているところでございます。
 以上です。
○小塩会長
 松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
 ありがとうございました。
○小塩会長
 ほかはよろしいでしょうか。
 先ほど、長島委員からの御要望がございましたので、ここで木澤専門委員からの御発言をお願いいたします。
○木澤専門委員
 ありがとうございます。
 不適切な養育に係る体制についてです。
 児童・思春期精神科入院医療におきまして、不適切な養育の早期発見や、各種関係機関の適切な連携のもとでの支援は非常に重要であり、小児入院医療同様、支援体制の整備を推進することが重要です。
 多職種専任チームの連携先として、資料にも福祉・保健・警察・司法・教育等と記載されておりますが、連携の内容としても、児童相談所への虐待通告にとどまらず、諸機関との密な連携や、退院後に向けた支援体制の構築につなげていくための情報交換等が重要になってきます。
 今後、学校や保健所、行政等、地域の関係者との連携をより推進できる体制を整備すべきであると考えております。
 私からは以上となります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはよろしいでしょうか。
 ほかには、特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりといたします。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて対応していただくようにお願いいたします。
 続きまして「個別事項(その19)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、個別事項(その19)ということで、技術的事項について御説明をさせていただきます。資料は総-3となります。
 ページ2に、目次を示してございまして、1、遺伝学的検査、2、人工腎臓、3、医療機関間連携病理診断、4、がんゲノムプロファイリング検査、5、プログラム医療機器の使用に関する指導管理、こういったテーマについて、個別に御説明をさせていただきます。
 スライド3にお進みください。
 こちらは、遺伝学的検査のこれまでの経緯でお示しするものでございます。現行201の疾患が対象となってございます。
 4ページ目には、遺伝学的検査の実施に当たって、確認が必要な事項といたしまして、分析的妥当性、臨床的妥当性、臨床的有用性の3点があるということを、上の枠囲みでお示ししてございます。
 5ページ目から7ページ目に関しましては、こうした観点に基づきまして、過去の改定において、遺伝学的検査の実施が必須となっております指定難病、対象疾患として追加してきたということをお示ししてございます。
 8ページ目でございますけれども、こちらは、遺伝学的検査が対象となる遺伝疾患が疑われる場合であって、関連学会のガイドライン等を遵守して実施した場合、原則として、患者1人につき1回に限り算定できることとしていることをお示ししてございます。
 9ページ目でございます。
 遺伝学的検査の対象疾患と評価についてでございまして、先ほど申し上げたように、各種ガイドラインの遵守を要件としていること。また、解析領域の長さ等を踏まえました疾患ごとの3段階評価としていることなどをお示ししてございます。
 次に、10ページ目でございます。
 遺伝学的検査の対象となっていない指定難病のうち、新たに指定難病として追加された疾患等でありまして、診断に遺伝学的検査の実施が必須の疾患等が存在するということでございます。
 11ページ目、指定難病には、臨床症状が類似するため、症状や他の検査結果等では検査を行うべき疾患を絞り込めないといった場合があるということでございまして、下段には、そうしたケースで最終的に診断に至ったケースを御紹介しておりますが、現行の評価体系が、こうした複数の疾患の遺伝子を検査する場合に見合った評価となっていないということをお示ししてございます。
 12ページ目でございます。
 こうした中で、臨床的に類似する疾患群について、関係学会において一定の取りまとめが進んでいるということでございます。
 13ページ目が課題と論点でございます。
 論点をお示しさせていただいておりますが、診療報酬上の遺伝学的検査の対象となっていない指定難病のうち、新たに指定難病として追加された疾患や診断基準等が見直された疾患等であって、診断に遺伝学的検査の実施が必須のものについて、この対象疾患としての取扱いをどのように考えるか。
 2つ目の○で、指定難病の遺伝学的検査について適切な評価を行う観点から、同一検体を用いて複数の遺伝子疾患に対する検査を実施する場合の評価についてどのように考えるかとさせていただいております。
 次に、人工腎臓についてでございます。
 15ページは、日本透析学会からの報告をまとめてございます。現在、透析患者さんが増えておりまして、現在、約34万人ということでございます。
 10年以上の透析歴を持つ患者さんも増加傾向でございます。年間約4万人が新規導入されているということと、新規導入患者さんが高齢化しておりまして、透析患者さん全体の高齢化も進んでいるということを示してございます。
 16ページ目、腹膜透析の患者さんの数でございますが、ここに示すとおり9,920人ということでございまして、2017年から増加傾向にございます。
 2019年の生体腎移植の症例数は1,827例、献腎移植、これは、脳死と心停止下を含みますけれども、この症例数が230例でありまして、初めて合わせて2,000例を超えたというところでございます。
 17ページ、移植件数でございますけれども、令和2年度の臓器移植件数は減少したところでございますが、令和3年度以降は医療提供体制の確保等により、持ち直してきているということでございます。
 18ページ目、移植実施施設におきまして、移植に関する説明、患者の意思確認、必要な検査、移植登録手続を実施し、年に一度以上の適切な評価を行うこととなってございます。
 19ページ目、腎代替療法の選択を推進し、透析移植患者のADLやQOL向上を目指すことを目的に、医師、看護師・保健師、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技士、レシピエント移植コーディネーターを対象に、腎臓移植の医療の推進及び保存的腎臓療法の導入が可能となるような腎代替療法専門指導士の養成の仕組みが開始されているところを示してございます。
 20ページ目、腎移植は透析と比較いたしまして、生命予後を改善すること、腎不全患者さんの治療の第一選択となるということでございまして、移植も含めた腎代替療法に関する説明、情報提供がさらに適切に実施されるよう取組を進める必要があることをお示しするものでございます。
 21ページ目、令和元年9月に新たな腎性貧血治療薬であります、HIF-PHと略しますが、この阻害薬が薬事承認されたところでございます。
 22ページ目、これを受けまして、令和2年度の診療報酬改定におきましては、人工腎臓に係る評価と算定要件について、見直しを行ってございます。
 23ページ目でございます。
 また、令和2年度の診療報酬改定におきましては、導入期加算の見直しも行ってございます。
 24ページ目、人工腎臓につきまして、令和4年度の診療報酬改定におきましては、包括される医薬品の実勢価格等を踏まえた評価の見直しを行ったところです。
 25ページ目ですけれども、また、そのときの改定におきまして、慢性腎臓病患者さんに対する移植を含む腎代替療法に関する情報提供をさらに推進するという観点から、導入期加算に3という類型が設けられてございます。新設されたということでございます。
 26ページ目は、人工腎臓に係る診療報酬上の評価で、各種加算を示してございます。
 27ページ目、人工腎臓の類型ごとの3年間における算定回数の推移でございます。
 28ページ目には、透析の使用される医薬品の薬価については、この2年間におきまして、低下傾向にあることを示しております。
 29ページ目、バイオ後発品の置換え状況についてですが、ダルベポエチンやエポエチンにつきましては、後発品への置換えが進んでいるところでございます。
 30ページ目、人工腎臓に係る導入期の加算につきまして、令和4年度に新設されました導入期加算3、先ほど御説明したものでございますが、こちらは、1、2と比較いたしまして、非常に少ないことをお示ししてございます。
 31ページ目「透析患者さんに対する弁膜症治療の選択について」ということで、近年のエビデンスをお示ししてございます。
 透析患者さんの弁膜症治療法への共同意思決定(Shared Decision Making:SDM)については、透析を含めた連携が重要であるという意見があるところでございます。
 32ページ目に、課題と論点をまとめさせていただいております。
 論点でございます。3つございます。
 引き続き適切な透析医療の推進に係る診療報酬上の評価の在り方について、どのように考えるべきか。
 2つ目の○でございます。導入期加算3ですが、この算定医療機関数が少ない状況にあることについて、臓器移植を勧めるという観点も含めて、診療報酬でどのような対応をするべきか。
 3つ目の○でございます。透析を含めた連携が重要であるという意見がある中で、導入期加算の診療報酬上の評価の在り方についてどのように考えるかとさせていただいております。
 それでは、3つ目の項目でございます。医療機関間の連携病理診断でございます。
 34ページ目でございます。
 こちらは、平成24年度の診療報酬改定におきまして、病理診断につきまして、保険医療機関間で連携して行った場合の評価を行うとされたところでございます。標本を送り、専門的な医師がいらっしゃるところで標本を受け取って、そこで診断をし、そして、診断結果を返すと、こういったことが基本的な構造でございまして、こういった連携をして行った場合の評価を行うこととしているところでございます。
 35ページでございます。
 28年度の診療報酬改定においてでございますけれども、この連携による病理診断につきまして、標本の作製については、衛生検査所と連携することに対する評価を行うところでございます。
 36ページ目、標本作製後の受取り側への送付につきましては、保険医療機関間の連携により行われているところでございますけれども、一方で、衛生検査所から直接送付することを希望する声もありますが、そのデメリットといたしまして、36ページ目の下の右の表にまとめてございますけれども、送付側が作製した標本を確認できないと、こういったデメリットもあるとされているところでございます。
 37ページ目は、衛生検査所における景品類の提供の制限に関する公正競争規約において、景品類を提供してはならないとされているところの御紹介でございます。
 38ページ目に、課題と論点としてございまして、論点でございます。保険医療機関間連携による病理診断における標本送付につきましては、保険医療機関間により行われることが示されているところ、質の担保された保険診療という観点から、今後どのように診療報酬上の評価を行っていくべきかとしております。
 それでは、4つ目の項目でございます。がんゲノムプロファイリング検査でございます。
 40ページ目に「がん遺伝子パネルを用いたがん診療の流れ」を示してございます。
 上の四角囲みにございますけれども、現行の保険診療におきましては、標準治療がない固形がんの患者さんにおいては、がん遺伝子パネル検査が保険診療として実施可能となってございます。
 また、標準治療が存在する固形がんの患者さんにおきましては、標準治療が終了となって固形がん患者さん、終了が見込まれる者も含むということでございますけれども、それに対して行われる検査が保険診療として実施可能となっているところでございます。
 41ページ目は、がんゲノム医療中核拠点病院等の全体像を示してございます。
 42ページ目には、がん遺伝子パネル検査後の治療に関するエビデンスを示してございます。遺伝子変異にマッチした治療を受けることで、生存予後が延長する可能性が示唆されているということでございます。
 43ページ目は、令和4年度の診療報酬改定における当該検査の見直しについて、お示しをしてございます。
 43ページの右下にありますとおり、がんゲノムプロファイリング検査、検体提出時と、結果説明時ということで、それぞれ検査と評価提供料というところで、御覧のような点数の組替えを行ったところでございます。
 44ページ目は、保険診療となっております、がんゲノムプロファイリング検査の概要をお示ししており、45ページ目は、検査数をお示ししてございます。上の四角囲みにありますとおり、令和5年、現在、おおむね月1,800件程度の規模で実施されているということでございます。
 46ページ目は、現在、保険適用されております、がん遺伝子パネル検査の一覧を示しております。5つの製品が、現在、使用可能ということでございます。
 47ページ目、がん遺伝子パネル検査後の治療到達状況を示してございます。エキスパートパネルで提示された治療法を、治療薬を投与した症例の割合は、全体の1割弱ということでございました。
 そのうち保険診療が64.3%、企業治験が16.5%という結果でございました。
 48ページ以降でございます。先進医療についてお示ししてございます。
 現在、先進医療Bの枠組みで、告示番号40番の技術について、有効性・安全性について評価が行われているところでございます。
 49ページですが、こちらは既に終了いたしました、旧告示番号51番の技術と、告示番号、先ほど申し上げた40番の技術について、試験期間、主要評価項目等を比較して提示させていただいてございます。
 50ページ目には、令和5年3月に開催されました、第146回の精神医療技術審査部会における、旧告示番号51番の技術の評価を示してございます。
 51ページ目に論点を示させていただいてございます。2つ○がございます。
 がんゲノムプロファイリング検査につきましては、令和元年6月に保険適用になって以来、「標準治療がない固形がん患者又は局所進行若しくは転移が認められ標準治療が終了となった固形がん患者(終了が見込まれる者を含む。)」を対象に保険診療として実施されている。現在の実施状況等を踏まえ、その評価の在り方についてどのように考えるか。
 2つ目の○でございます。標準治療前に実施するがんゲノムプロファイリング検査の有効性等について、既存のコンパニオン診断薬での遺伝子検査が陰性またはコンパニオン診断薬が存在しないがん種を対象として、当該検査によってアウトカムが改善したかを検証するための先進医療が現在実施中である。こうした状況も踏まえ、がんゲノムプロファイリング検査の評価の在り方についてどのように考えるかとさせていただいてございます。
 それでは、5つ目、最後のテーマでございます。「プログラム医療機器の使用に関する指導管理について」でございます。
 53ページ目から55ページ目は、これまでに薬事承認などがなされましたプログラム医療機器について、どのようなものがあるか、概要を示してございます。
 56ページ目、57ページ目は、材料専門部会における議論の御紹介でございます。医学管理等のために、患者自身が医療機関外で使用するプログラム医療機器につきましては、原則として特定保険医療材料として評価すべきではないかということ。
 また、こうしたプログラム医療機器が特定保険医療材料として評価される場合については、当該プログラム医療機器の使用に係る指導管理に対する評価を別途設けることについて、中医協総会に検討を求めることとしてはどうかとの議論がされております。
 58ページ目は、医学管理等のために患者自身が、医療機関外で使用するプログラム医療機器のうち、現在、診療報酬で評価されているものの事例でございます。
 下の図にあります、高血圧治療補助プログラム加算につきましては、現在、プログラム医療機器自体にかかる費用と、その使用に係る指導管理について、併せて評価する体系となってございます。
 59ページ目は、こうした医学管理等のために、患者自身が医療機関外で使用するプログラム医療機器が特定保険医療材料として評価される場合におきまして、特定保険医療材料の償還価格と当該プログラム医療機器の使用に係る指導管理に対する評価に分けて、評価する体系に見直しを行った場合のイメージを示してございます。
 60ページ目に、課題と論点を示させていただきます。
 論点でございますが、医学管理等のために患者自身が医療機関外で使用するプログラム医療機器が特定保険医療材料として評価される場合において、当該プログラム医療機器自体の使用に係るコストとは別に、こうしたプログラム医療機器の使用に係る指導管理に対する評価を設けることについて、どのように考えるかとさせていただいております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、お願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。論点に沿ってコメントします。
 まず、13ページの遺伝学的検査です。
 1つ目の○については、前回改定以降に新たに得られた知見を踏まえて、対象疾患を追加する等の整理を行うべきと考えます。
 2つ目の○について、現在の遺伝学的検査の評価方法は、単一の疾患を疑う場合に患者1人につき1回に限り算定できることになっておりますが、資料に示されている実態も踏まえれば、複数の対象疾患を検査する場合の評価を考えてはどうかと思います。
 ただし、その場合において、スクリーニングとして行うのではなく、専門家であっても対象疾患を絞り込めない例として、どのようなものがあるのか。12ページで紹介されている関連学会の取りまとめも含めて検討すべきと考えます。
 次に、32ページ、慢性維持透析の論点です。
 2つ目の○について、前回改定で導入期加算3が新設されたところですが、施設基準のハードルが高い加算となっています。求められている機能が高いことは理解しつつも、実際にそういう機能が提供できる医療機関が広がらなければ意味がありませんので、加算2も含めて、点数に見合う施設基準等に改めることを検討してはどうかと考えます。
 次に、38ページの保険医療機関間連携病理診断についてです。
 論点にあるとおり、質の担保された保険医療を提供するという観点からは、標本を送付する側の医療機関が標本を確認し、受取り側の医療機関に診療情報を提供することで、保険医療機関間同士が連携することが必須です。
 したがって、今回の資料で提案されているような衛生保健所から直接、医療機関を飛ばして送付するようなことは、安全性の観点でのデメリットもあることから避けなければいけないと考えます。
 次に、51ページ、がんゲノムプロファイリング検査についてです。
 既に検証が終了した京都大学での先進医療では、標準的治療の前に、がんゲノムプロファイリング検査を実施することで、生存期間等のアウトカムが改善するかどうかが検証されておらず、今後の研究を待つ必要があるとされたことを踏まえれば、現時点で保険導入するのは時期尚早であると考えます。
 現在、もう一つの技術が進行中ということですので、その結果も踏まえて、改めて検討すべきであると考えます。
 最後に、60ページ、プログラム医療機器の使用に関する指導管理です。
 具体的な点数を見てみないと判断できない部分もありますが、物と技術を分離して、それぞれの価値をしっかりと評価するという方向性については賛同いたします。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 続きまして、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 ありがとうございます。
 技術的事項は5つございますが、私は、32ページの慢性維持透析に関して、意見をさせていただきたいと思います。
 まず、最初の論点ですが、過去、人工腎臓点数に包括されている腎性貧血治療薬、ESAの薬価の引下げ分に関して適正化されてきておりますので、本改定でもESA薬価の引下げに関連する人工腎臓点数の引下げに関しては、やむを得ないと思います。
 しかし、前回の薬価中間年改定、そして、今回の薬価改定においても、多数の薬剤が不採算品再算定を受けることになり、薬価の上がっている薬剤も多数に上ります。
 慢性維持透析関連では、包括されている透析液、生理食塩水、ヘパリンなどの抗凝固剤が過去数回の薬価改定において、不採算品再算定を受け、薬価が引き上げられており、それに伴って納入価も引き上げられてございます。
 本改定におきましては、論点に書かれているとおり、包括される医薬品の実勢価格等を踏まえた評価の見直しというものを引き下げられている薬だけでなく、引き上げられている薬もしっかり計算をしていただき、適切に人工腎臓点数を設定いただきますようお願いいたします。
 2つ目の論点に関してです。
 導入期加算の3の算定医療機関数が少ない状況に関してですが、25ページの施設基準(3)のイにありますとおり、この加算は、腎臓移植実施施設でないと算定できない加算でございます。
 我が国における腎臓移植実施が可能な医療機関数から考えますと、現在の39施設というのは、まだ確かに少ないのですが、それほど、この加算設立後2年間で少ないという状況ではないとも思います。
 そういう意味で、今後、施設数の推移を見ていくという対応もあり得るのではないかと思います。
 また、長島委員が発言されましたように、導入期加算というのは、今、1と2と3があるわけですが、腎代替療法の情報提供を進める上では、移植実施施設の導入期加算3の施設ではなく、主に導入期加算2や、導入期加算1を算定する医療機関での患者への移植や在宅透析に関しての情報提供というものが重要だと思います。
 30ページの届出医療機関数を見ますと、重要な導入期加算2の算定が前回の改定後減少しております。
 導入期加算1、2の算定要件をこれ以上難しくしていくことではなく、よりそういう加算が取りやすくなるよう施設基準に関して工夫していくことが重要であると思います。
 例えば、施設基準のエ、導入期加算の2に関しては、腹膜透析患者の管理が、オにおいては腎移植登録の推進実績が要件となっておりますが、幅広い腎代替療法の治療選択に資する情報提供を進める上で、腹膜透析に加えて在宅血液透析の管理料の算定回数を含めるなど、算定要件を緩和することも検討する価値があるかと思います。
 3つ目の論点です。
 これに関しては、私、読ませていただいて少し疑問を感じています。透析患者の弁膜症治療に関して、循環器専門医と透析医の連携が重要であることは、まさにそのとおりでありますが、これは、透析医学会の専門医などの透析医と、循環器医の連携が重要だということであり、腎代替療法専門指導士が関与するという類いのものではないのではないかと思います。
 腎代替療法専門指導士には医師だけでなく、看護師や臨床工学技士、移植コーディネーター、栄養士など、多職種が存在し、お互い連携しながら腎代替療法の選択を推進していくという職能であり、弁膜症を議論するというものではございません。
 関係学会でも正式にまだ議論されていない状況だということも伺ってございます。現段階で、弁膜症治療に関して腎代替療法専門指導士の関与を検討することに関しては反対いたします。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 それでは、まず、遺伝学的検査につきまして、13ページにあります論点のうち、1点目の対象疾患の追加については、異論はございません。
 2点目の複数の遺伝子疾患に関する検査についてでございますが、現実的には十分あり得ることだということは理解ができますので、関係学会が整理しております診断プロセスの留意点等に基づき、対象となる患者を適切に判断することを前提に評価を検討する余地はあると考えます。
 続きまして、人工腎臓につきましてでございますが、32ページの論点に沿ってコメントいたします。
 1点目の包括される医薬品の実勢価を踏まえた評価につきましては、実態を踏まえた適正化を進めていただきたいと思います。
 2点目の導入期加算3につきまして、届出が少ないということで、先ほど太田委員からも言及がございましたけれども、前回の改定で移植を含む腎代替療法に関する情報提供をより推進するために新設されたことを踏まえれば、現状、算定が少ないということだけで要件を見直すのではなく、もう少し推移を見るべきではないかと思います。
 続きまして、3点目の弁膜症治療法への共同意思決定についてでございますが、透析医との連携が重要ということですので、導入期加算1についても、透析医の配置を義務化し、全身合併症を含めた丁寧な説明や意思決定支援をしっかりすべきと考えます。
 続きまして、38ページからの病理診断についてでございますが、資料の36ページを見てみますと、衛生検査所から標本を直接送付した場合に、取り違えリスク等のデメリットが多いと感じますので、これについては、送付側が責任を持って確認すべき事項だと考えます。
 続きまして、51ページ以降のがんゲノムプロファイリング検査についてでございますが、標準治療の前に実施することにより、アウトカムが改善したかを検証する先進医療が実施されている状況は理解いたしました。
 ただ、保険適用にはしっかりとしたエビデンスの提示が必要となります。先進医療が終了し、先進医療会議において、有効性、安全性の評価が行われた後に、それを踏まえ、保険導入にするかどうかの議論が行われるべきであり、現段階では、その結果を待つべきであると考えます。
 最後に、60ページのプログラム医療機器の使用に関する指導管理についてでございますが、これまでも技術の評価と製品の評価は別々に考えるべきだと主張してまいりましたので、論点に示された方向で、ぜひ進めていただきたいと考えます。
 その前提で、事務局に1点質問がございます。58ページの事例で示されております、禁煙治療補助システムと、高血圧症治療補助プログラムのいずれも提案されたような見直しを行うということでよいのか、その場合、どういった形になっていくのか、御教示いただければと思います。
 私からは以上になります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいま松本委員から御質問をいただきましたが、58ページですね、事務局、御回答をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 御指摘ありがとうございます。御質問ありがとうございました。
 最後のプログラム医療機器等の評価についてでございますけれども、高血圧の治療補助プログラム加算は、プログラム医療機器自体のコストと使用に係る指導管理を併せた評価である一方で、禁煙治療補助システムにつきましては、プログラム医療機器のコストと指導管理は、現在も別々の項目で評価されてございます。
 ただし、今回の提案では、プログラム医療機器の使用に係る指導管理に対する評価を設けるに当たっては、個別のプログラム医療機器ごとに管理料を設定するのではなく、原則的に1つの共通する管理料により評価することを想定してございます。
 こういったことからは、禁煙治療補助システム係る評価につきましても、見直しを検討するものと考えてございます。
 以上でございます。
○小塩会長
 松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
 どうもありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 私からは、51ページのがんゲノムプロファイリング検査について、意見を述べます。
 評価の在り方については、さらに先進医療の結果を検証するとともに、これから開催予定のゲノム医療推進法に基づく基本計画の検討に係るワーキンググループの議論なども見ながら、今後検討いただければと思っております。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはよろしいでしょうか。特に、ほかには御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりといたします。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
 ここで、しばらく休憩を差し挟みたいと思います。
 
(休  憩)
 
○小塩会長
 それでは、続きまして「個別事項(その20)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、個別事項(その20)ということで、これまでの御指摘に対する回答について、中医協資料総-4を用いまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 これまで様々な議題につきまして、総会等におきまして御議論をいただいてございました。御議論の中におきましては、私ども用意した資料に関しまして、あるいは不十分である、あるいはこういった分析はできないかといった御指摘をいただいたところでございます。
 そういった御指摘に対しまして、資料を用いまして、今回、一定のものを御回答させていただこうと思いまして、また、今後の議論の参考あるいは資するものとしてお考えいただければと思ってございます。
 それでは、1つ目でございます。「(1)総合入院体制加算に係る指摘事項」でございます。スライド2を御覧ください。こちらに「入院(その2)」とございまして、11月8日の総会で、急性期充実体制加算が新設されたこのタイミングで、総合入院体制加算1については、きちんとその役割に合った評価に引き上げることを検討する必要があるのではないか、こういった御指摘でございました。
 3ページには、総合入院体制加算の概要がございます。1、2、3と分かれていること。
 そして、4ページでございますが、総合入院体制加算を算定している医療機関の診療実績をお示ししてございます。
 それぞれ、全身麻酔の手術件数ですとか分娩件数、こういった基準がございますけれども、多くの施設で基準を満たしているところでございます。
 5ページには、総合入院体制加算を算定している医療機関の全身麻酔の手術件数でございます。
 総合入院体制加算は、先ほど1、2、3があると申し上げましたが、1、2に関しましては、基準と比較いたしまして、高い実績を示してございます。
 こうした事態を踏まえまして、総合入院体制加算の実績要件及び評価の在り方について、御議論いただきたいと考えてお示ししたものでございます。
 それでは、2つ目、働き方改革に係る指摘事項でございます。
 こちらは、主な御意見といたしまして、手術・処置の時間外加算について、現場への影響をよく検討すべきではないかという御意見をいただいてございます。
 7ページにお進みください。手術・処置の時間外加算1の概要でございます。
 こちらは、御覧いただければ分かりますとおり、当直等の負担軽減を図る観点から、勤務環境に特に配慮を要する領域への対応といたしまして、手術・処置の休日・時間外・深夜加算の要件等の見直しを実施したところでございます。ということで、四角の中にございます休日加算1ですとか、こういったことを設けまして、その下に、様々な負担軽減や処遇の改善に関する体制としての次の体制を整備していることなどを示しているところでございます。
 8ページ目でございます。
 これは、所属する診療科の主治医制の導入状況についてでございます。これは、医師への調査を基にデータをお示ししているものでございますけれども、こちらは入院・外来分科会における調査でございますけれども、所属する診療科の主治医制でありますが、単独主治医制であるというところが、全体では44.3%というのが左側の円グラフにあるところでございます。
 一方で、右側の小さい円グラフでございますが、手術・処置の時間外加算1を算定する医療機関における所属する診療科の主治医制ということでございますけれども、こちらは、単独主治医制であるというところが36.8%ということで、先ほどの44.3と比べると低くなっているということでございます。
 こういったチーム制を取っているところが、21.7%から24.5%でやや多いということがお示しできているかと思います。
 次に、3番目、一般不妊治療の施設基準に係る指摘事項ということでございます。
 こちらは、指摘事項を9ページ目に書かせていただいているところでございますけれども、今の基準でございます、一般不妊治療管理料につきましては、その施設基準である不妊症の患者に係る診療を年間20年例以上実施していることという規定を、地域によっては満たすことができる医療機関が少ないということでございます。一般不妊治療を保険診療で実施できない状況もあることが、学会意見でも示されてございまして、その届出がなければ、人工授精も保険診療で実施できないということでございます。
 この要件は、患者さんの安全性などにも配慮した上で、見直すことを検討してはどうかという御意見がございました。
 その後、10ページでございます。関連学会の日本産婦人科学会から意見を聴取したところでございます。
 その中では、上にございますとおりでございまして、評価の趣旨から不妊治療に精通した医師が常勤していることが重要であるということでございまして、不妊症の患者に係る診療(人工授精を含む)を主として実施する医師として、20例以上の症例を実施していることという要件に変更してはどうかという御提案がございました。
 そこで、11ページ目でございます。ここは、具体的な論点とお示しをしてございます。
 当該保険医療機関におきまして、不妊症の患者に係る診療を年間20例以上実施していることという施設基準については、不妊症に係る治療を主として実施する医師として、20例以上の症例を実施している医師が配置されていることという要件に変更してはどうかということで、この場で御提案をさせていただきたいと思っております。
 次に、4番目でございます。「病院における歯科の機能にかかる評価への指摘事項」でございます。
 12ページ目に、指摘事項の具体でございますが、回復期医療、慢性期医療を担う病院の歯科機能を強化するに当たり、慢性期療養病床入院患者に対する歯科治療の必要性などについてエビデンスを示すべき、こういった御指摘でございました。
 13ページには、慢性期病棟を主とする病院におきまして、摂食嚥下障害への対応や、多職種連携による経口維持計画等に、歯科医師や歯科衛生士が関わることで、経口摂取患者の割合が増加したということ、また、看護師が病棟に勤務してほしいと考える職種については、療養病棟では歯科衛生士が約8割と、介護福祉士に次いで多いということを示してございます。
 14ページは、医療療養病棟に入院する患者さんで、摂食嚥下機能が改善した患者さんに対して実施した内容、そして、慢性期療養病棟に入院する患者さんの歯科治療のニーズとして、口腔ケアが最も多いということを示してございます。
 15ページは、療養病棟における入院患者の口腔に関する情報についてでございますけれども「必要に応じて把握している」が最も多いということでございまして、また、近隣の歯科医療機関に求める内容といたしまして、口腔衛生管理や口腔機能管理が多いということをお示ししてございます。
 それは、5つ目でございます。「緩和ケアに係る指摘事項」ということでございます。
 16ページにその具体ですけれども、入院中の患者につきまして、緩和的放射線治療や神経ブロックを目的とした他医療機関の受診をすると、特に地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟に入院している患者については入院料の減算が大きい。まずは現状の診療報酬上の評価の整理を示すべきということでございまして、17ページ、18ページ目に、その全体像をお示ししているところでございます。
 17ページでございますけれども、算定している入院料の包括範囲に含まれる診療行為が、他医療機関で行われた場合については、減算割合が高いということでございます。
 18ページは、その具体でございます。
 次に、6つ目でございます。「DPC/PDPSに係る指摘事項」でございます。
 19ページにございますとおり、11月24日の中医協総会におきまして、新たな点数設定方式について、導入の必要性について、より具体的・客観的なデータを示すべきとの御指摘をいただきました。
 20ページには、分科会における指摘事項の再掲をしてございます。標準的な経過が想定されるような分類において、早期に退院させた場合の評価について検討が必要ではないかといった指摘があったところ。
 21ページでは、どういった分類において検討され得るのかということで、横軸に平均在院日数、縦軸に在院日数の変動係数を取った分類ごとのサンプル図を示してございます。
 このうち、左下の水色のボックスでございますけれども、ここは主にD方式の適用が想定される一方、今回の検討におきましては、右下のオレンジ色のボックスで示されるような在院日数が一定以上で、やはりばらつきが少ないような分類が念頭に置かれるということでございます。
 22ページ、23ページは、資料の再掲でございまして、新たな点数設定方式のイメージと、対象選定において想定される具体的な条件をお示ししてございます。
 24ページは、具体的な点数設定のイメージということで、既存のA方式やD方式との比較で、新たな点数設定の在り方について、オレンジ色の折れ線グラフで示してございます。
 25ページは、お示ししている分類を具体例に取ってございますけれども、症例数の多い施設におきましては、平均在院日数が入院期間に、いわゆる平均在院日数以内である割合が高いというところで、相対的にこうした施設への評価につながり得るのではないかと想定しております。
 7つ目でございます。「認知症に係る指摘事項」ということでございます。
 26ページに「かかりつけ医による認知症対応について」ということで、日本医師会による研修についても認知症についての内容がカバーされているとの説明もあったが、かかりつけ医認知症対応力向上研修と日本医師会による研修について、カリキュラム等の内容を比較するための資料を提示すべきということでございました。
 27ページ目から29ページ目が、資料の再掲でございますけれども、30ページ目に認知症に係る医師に対する研修といたしまして、かかりつけ医認知症対応力向上研修、認知症サポート医養成研修、日本医師会生涯教育制度、日医かかりつけ医機能研修制度について、比較を試みた資料でございます。
 それでは、8番目「在宅薬剤管理指導に係る指摘事項」でございます。
 31ページに指摘事項をまとめてございます。ターミナルケアに係る薬剤管理に関しまして、訪問回数が多くなるケースもあるが、その必要性は多職種の対応との関連性も含めて説明が必要、指導料にも時間外の加算を評価する必要性の整理が必要との御指摘。
 在宅移行期の薬剤管理については、移行期の業務について別途評価する根拠について明確にすべきとの御指摘、特別養護老人ホーム及び短期入所利用者における薬剤管理について、短期入所中における薬剤師の薬剤管理の何が課題なのか整理すべき、特別養護老人ホームに高頻度に訪問する理由を明確にすべきとの御指摘がございました。
 32ページでございます。こちらは、ターミナル期の訪問回数を示した資料の再掲をしてございます。
 33ページ目でございます。こちらは、34ページ目にかけてでございますけれども、ターミナル期における上限を超えた薬剤師の訪問についてでございます。
 そこは、33ページの上の四角囲みでございますけれども、その全てにおいて医師の指示に基づくものであり、また、訪問看護師等の多職種と連携を取りながら業務が実施されていることを示してございます。
 35ページは、夜間・休日における調剤に係る行為につきまして、時間外等の加算において評価されておるところでございますけれども、一方で、夜間・休日に医師の指示による訪問薬剤管理指導でありましても、それに対する評価がないということを示してございます。
 35ページで申し上げますと、ちょうど真ん中から右側上のところでございまして、破線の四角で囲っているところでございます。ここに関する評価がないということをイメージでお示ししてございます。
 36ページ、在宅移行期につきましては、医師、訪問看護師では、移行期の評価がありますけれども、薬剤師には評価がないこと、また、37ページにおきましては、在宅移行期の薬剤師の業務の内容を示してございます。
 ここも36ページ目の左側の上に、退院時、退院から初回訪問まで、初回訪問以降継続訪問となりますが、そこに関しまして、評価なしというところで、破線で示させていただいているところでございます。
 38から40ページ、短期入所中の利用者における薬剤管理についてでございます。薬学管理の内容としましては、特養と同様の業務内容であり、短期入所中の利用者への訪問に伴う評価が明確になっていないため、関連する資料を示してございます。
 41ページ、42ページは、特別養護老人ホームについての訪問頻度について、その状況を分析し、お示ししてございます。
 それでは、9番目でございます。「情報通信機器を用いた診療に係る指摘事項」でございます。
 43ページ、これは12月15日の総会でございます。
 精神療法のオンライン診療の全般的な評価を検討するに際しては、精神疾患の種類によらず適切な診療の質が担保できるのかどうか、提示された資料以外のエビデンスを示すべきと御指摘をいただきました。
 44ページでございますが、精神疾患に対するオンライン診療の有効性についてのメタ解析やランダム化比較試験についてのエビデンスを、新たにお示しするものでございます。
 また、45ページ目は、前回の総会後に新たに公表されたエビデンスということでございます。鬱病、不安症、強迫症の日本人199人に対しまして、治療時に対面診療とオンライン診療を併用した群と対面診療のみを実施した群との間で、有効性等を比較した非劣性試験において、併用群は対面診療群に劣らないと、こういった結果であったことが報告されているということでございます。
 最後の項目「栄養管理体制に係る指摘事項」でございます。
 46ページには、GLIM基準の活用を進めるのであれば、現在の普及状況についてもデータを示すべきということでございました。
 47ページが、GLIM基準の概要の再掲でございます。
 48ページ目に活用状況を示してございます。栄養アセスメントツールについて、GLIM基準を使用している割合は8.6%であったということでございます。
 左下に、GLIM基準におけるアセスメント項目がございます。体重減少、低BMI、筋肉量減少、それに加えまして病院といたしまして、食事摂取量減少、疾病負荷/炎症などがございます。
 右側に、現在、現場でどのようなアセスメントがされているかということをお示ししてございまして、GLIM基準で左下にあるような項目のうち、例えば、食事摂取量ですとか、BMI、体重減少、炎症、筋肉量におきまして、その上4つに関しましては、これぐらいの割合がアセスメントされているということでございますが、筋肉量に関しましては、アセスメントされている割合が低いということをお示ししたものでございます。
 事務局の説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 これは、今まで委員の方々からいただいた御指摘に対して、事務局が回答してくださったものですけれども、これについて御質問等ございますでしょうか。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 幾つか質問とコメントをいたします。
 まず「(2)働き方改革に係る指摘事項」で、8ページの「所属する診療科の主治医制」のスライドの右下の円グラフを見ますと、手術・処置の時間外等加算1を算定する医療機関において、36.8%が単独主治医制となっていますが、この割合には、加算を算定する診療科が含まれているのでしょうか。質問です。
 次に「(6)DPC/PDPSに係る指摘事項」に関してです。
 入院初期を重点的に評価する点数設定方式としては、既にB方式とD方式がありますが、それ以外に、なぜ、新たな点数設定方式をつくる必要性があるのか、やはり回答されていないと感じているのが正直なところです。
 早期退院させることが可能となった場合などを評価したいという意図があることは分かりますが、それも現行のD方式で対応が可能であると思います。支払い方式を細分化することで、技術班の作業量も増えると思いますし、うまく当てはまる診療群分類がどの程度あり、技術的に十分な視点で選定できるのか、今後のニーズも分からない状況では、やはり新たな点数設定方式をつくるメリットが感じられていないと考えております。
 最後に「(9)情報通信機器を用いた診療に係る指摘事項」の45ページ、精神疾患に対する日本における有効性の検証結果の研究結果として、対面診療群に劣らない結果であったということですが、留意すべき点が3つあります。
 1つは、対象疾患が鬱病、不安症、強迫症の3つであったこと。
 2つ目が、オンライン単独ではなく、オンライン診療と対面診療の併用群であったこと。
 3つ目が、除外された患者がいたことです。
 45ページの下から4行目、※印、次の患者は除外として「(1)緊急の希死念慮、不安、焦燥などのために、通常の治療に加えて、病院での予定外又は緊急の治療が必要となる患者」「(2)精神状態が悪化した場合に緊急の受診を自分で管理することが困難であった患者(病院が遠方にあった等)」。この辺りは十分留意する必要があると考えております。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいま、長島委員から幾つか質問をいただきましたけれども、事務局、対応していただけますでしょうか。お願いします。
○眞鍋医療課長
 御質問ありがとうございました。
 1つ目の御質問、8ページの右下の円グラフに係る御質問でございました。こちらは、時間外加算を算定している、そういうところにおきまして、この診療科が当該算定しているところが含まれているかどうかということでございますけれども、これは、診療科によらない、この施設全体のものでございまして、内科系や外科系なども入っているところ、全体と御理解いただければと思います。
 2つ目の御指摘で、点数設定方式を新たなものに、DPCに関する御指摘でございました。
 先ほど、21ページのチャートを用いまして、こちらは、点数設定方式Dが設定されるものと、それから、今回新たに御提案しているもので、どういったものが該当し得るのかと想定していることを示しました。
 22ページには、点数設定方式Dの模式図と、それから、新たな点数設定方式のイメージをお示ししてございます。
 それで、点数設定方式Dに関しましては、これは1日を大体固定して、I日目を設定してございます。これよりは長い在院日数の診断群分類があろうかというところで、今回新しく設定してございますけれども、今いただいた御指摘を踏まえまして、より適切な診断群分類になるのかどうかも、引き続き、私どもとしては検討させていただきたいと承知いたしました。
 最後の精神科のエビデンスでございますけれども、疾患によりましては、44ページでございますけれども、最下段にありますように、疾患に限らないといった結果もあるところでございますが、これは、エビデンスをどのように読むかというところもございます。いずれにせよ、御指摘いただいた点も踏まえまして、私どもとしては、安全かつ有効に行われるような何か手が打てないかということも含めて、検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○小塩会長
 よろしいでしょうか。
○長島委員
 ありがとうございました。
○小塩会長
 ほかはいかがでしょうか。
 それでは、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 資料に関して、幾つかコメントをさせていただきます。
 まず、31ページ目以降に示されているターミナルケアに関してですが、終末期には、現疾患の進行、二次的な身体状態の変化などにより不可逆的な身体機能の低下が見られ、この時期には、患者の身体状態は刻一刻と変化していくため、変化する状態に応じ、医師もその対応が必要であり、そのための薬物治療を追加し、適切に実施するためには、薬剤師による訪問は必要であり、その結果として、訪問回数が増えることはあります。
 32ページ目にあるように、看取り直前には痛みが増すことが多く、痛みのコントロールのため、薬剤の使用料の増加、レスキューの追加、増量などにより、患者の手元の医療用麻薬が枯渇するため、その緊急対応により、訪問の頻度が増加いたします。
 そうしたことは、33ページ、34ページにあるように、医師の指示や処方により、看護師とも連携して対応しており、看護師からも薬剤師に対して麻薬や緊急時対応について期待されています。
 このように終末期には、緊急対応、頻回対応をするケースが多くあり、休日・夜間にかかわらず、医師を中心とした在宅でのチーム医療により対応していますが、現在の調剤報酬体系では、時間外の薬局での調剤に関しての評価はありますが、患家を訪問しての薬学管理に関する評価はありません。
 終末期、特に末期の悪性腫瘍における患者さんの苦痛は想像を絶するもので、この苦痛を少しでも緩和できるよう、薬剤師は医師や看護師と連携して対応しておりますが、コントロールの難しい薬が投与されていることもあり、実際に訪問して、患者さんの状況に合わせた対応をすることは非常に重要な業務であると、現場の対応の中でも大変重く感じているところです。
 医師の処方箋や指示がある以上、迅速に対応することは必須です。時間外でもこのような訪問対応を行っている薬局の負担は大きく、これに関する評価は必要と考えます。
 次に、36ページ目以降の在宅移行期の薬剤管理についてですが、入院中は基本的に医療関係者がいる中で医療が行われていますが、退院後は医療関係者がいない在宅などでの医療が行われることになりますが、療養環境や看護状況、生活リズムなどから、薬剤管理がうまくいかず、新たな支援や薬剤の調整、変更が必要になるケースはよくあります。
 また、変更までは至らなくても、自宅での服薬や生活状況、残薬の情報を医師の初回訪問までに報告することで、スムーズな在宅移行に資する調整なども行われています。
 また、既に在宅医療を受けている患者さんが訪問指導を開始する際には、服薬状況等に問題がある方も多くあり、訪問指導を始める前に患家を訪問し、服薬状況、療養の環境、介護・看護状況、残薬や他の医療機関の服用薬、常備薬等を確認し、医師やケアマネ等に服用薬剤や投与方法、処方内容等についての相談を行っています。
 これらの取組は、在宅医療対応における重要な取組ですが、36ページや37ページにあるように、現在、薬剤師に関しては、ほかの職種と違って、そうした業務を行っても評価がありません。この取組が進むよう、評価をお願いできればと思います。
 次に、ショートステイと特別養護老人ホームについてです。
 ショートステイを利用する患者さんは年々増加しておりますが、施設入所と異なり、ショートステイの受入れは、様々な状態の患者さんが短期で入れ替わりながらされています。
 そのため、ショートステイを受け入れる施設、職員にとっては、普段からよく知っている患者さんではない上、様々な医療機関から処方され、様々な薬局で調剤された薬剤を持って入所するケースが多々あります。
 施設職員は扱ったことがない薬や、また、薬局ごとに調剤方法、薬袋への記載方法が異なるため、様々な調剤方法の薬を扱うことになります。
 39ページ目にあるように、ショートステイにおいても、安全・安心に医薬品を使用するためには、高齢者施設における薬剤管理と同様な対応が必要となります。
 ショートステイ利用時にもシームレスで安全な薬物療法が継続できるよう、薬局とショートステイの連携に関する評価をお願いできればと思います。
 これは、新たな評価というより、現在もできることを明確化することで、積極的な対応が可能となるものです。
 最後に特養への訪問ですが、一般的には2週間に1回程度の訪問で、体調の変化があった際に追加的に訪問するのが一般的です。
 しかし、中には41ページ目で、一部の薬局では、処方箋に基づいてはいるものの、頻回な算定が実施されていることが示されています。
 特養という施設の患者に対する薬学管理の在り方として、そのような頻回な訪問を評価すべきものなのか、一度検討してみる必要があると考えますし、さらにその中でも不適切と思われるものについては、指導などで対応していくべきものと考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。
 私は1点だけ、12ページの「病院における歯科の機能にかかる評価への指摘事項」というところの内容ですけれども、特に慢性期病棟における歯科の連携ということを強調されていて、そこに歯科衛生士が非常に有効で、要望も多いということは、お示しいただいた資料のとおりだと思います。
 ただ、一方で、歯科衛生士がなかなか採用できない、今、非常に人材が不足している状況で、特に常勤で慢性期病棟に入っていただける歯科衛生士が少ない中で、比較的に少し余裕があるというか、入りやすいのが言語聴覚士の方々が入って、口腔ケアについては、言語聴覚士が代わりでしっかりやっていて、歯科医の指導のもとにやっている慢性期病棟も多いということで、13ページを見ていただいても、確かに一番多いのが歯科衛生士で、その次に、下のほうに言語聴覚士に対する要望も76.1%、71.6%と、医療も介護も多い状況になっています。
 言語聴覚士の口腔ケアに対する働きというのも、非常に現状は有効であるということを、一応、追加でコメントをさせていただきます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 それでは、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
 ありがとうございます。
 私からは1点、総合入院体制加算について、意見を申し述べさせていただきたいと思います。
 スライドの5ページに、総合入院体制加算1、2については、全身麻酔の手術件数は、基準と比較して高い実績であったということが示されております。
 これを踏まえれば、現在、加算1から3で共通となっております、加算の実績要件である全身麻酔による手術件数が、年800件以上と、これについては加算1と2の基準を引き上げてもよいのではないかと考えます。
 ただし、既に基準を十分に満たしているという現状を踏まえれば、患者負担の観点から、点数を引き上げる必要はないと考えております。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず、最初に総合入院体制加算につきましてございますが、今、眞田委員から御意見がございましたけれども、基本的に賛成するものでございます。
 資料の4ページを見てみますと、全身麻酔手術、腹腔鏡下手術、分娩件数は、ほとんどの施設が実績要件を満たしておりますので、実態に合わせた基準の引上げが可能だと考えております。
 ただ、2ページで御指摘の評価の引上げにつきましては、そもそも手術等が増加したということは、各技術の出来高評価で収益が増えていると考えられます。体制の評価を引き上げるのであれば、少なくとも人員配置、設備を含めまして、体制がどのように充実されているのかを示していただきたいと思います。
 続きまして、12ページ以降の慢性期病棟における歯科との連携についてでございますが、これは、私からの指摘への回答でございましたので、どうも準備をありがとうございました。
 歯科と連携するニーズがあることは、十分に理解いたしました。ただ、お願いした趣旨が、回復期のような効果のエビデンスがあるのかということについてですが、13ページの左側に一部御紹介もありますけれども、栄養管理のチーム医療につきましては、医科の点数にも評価がございます。歯科単独で評価ということですと、エビデンスが、やや弱いという印象を持ちましたので、さらなるデータの準備をお願いしたいと思います。
 続きまして、19ページからのDPC/PDPSについてでございますが、在院日数の延伸につながらないような評価の検討は極めて重要だと考えております。
 21ページに示されている在院日数のばらつきや、診断群分類の特性を考慮した上で、さらなる包括評価を進めていく方向性には、改めて賛同するものでございます。
 続きまして、26ページからの認知症に係る医師の研修について、これについても分かりやすく整理いただきまして、ありがとうございました。
 各研修で実施されている内容に、一定の差があることが分かりました。かかりつけ医が身につけるべき項目を明確にした上で、地域包括診療料の要件に位置づけるなど、今後さらに増加する認知症患者への対応力の向上につなげていくことが重要だと、改めて主張いたします。
 それで、事務局に1点質問でございますが、30ページに示されているとおり、研修の内容等を整理いただいたわけですけれども、今後、どれか1つに絞っていくことになるのか、どれか1つ受けていればいいという方向で進めていかれるのか、もし現段階で方向性が決まっておりましたら、御教示いただければと思います。
 続きまして、31ページからの在宅薬剤管理指導でございますが、先ほど森委員からも御説明がありましたが、実態についてはよく分かりました。どのような対応があり得るかは、今後、議論させていただきたいと思います。
 続きまして、43ページからのオンライン診療による精神療法についてでございますが、これについても追加のエビデンスを整理いただきまして、ありがとうございました。
 多くのエビデンスがあることは承知いたしましたので、適切に活用されれば、効果が期待できることについても理解した次第でございます。
 ただ、以前も主張しておりますが、向精神薬などについては、適切な処方を徹底するための対策が必要であるということでございます。
 事務局におかれましては、安全を担保するための具体案もぜひ示していただきたいと思います。
 また、オンラインによる精神療法は、計画に基づいて実施している対面療法の一部をオンライン診療に切り替えることを前提として、精神保健指定医に限定する等、極めて慎重に対応することで、安全性と有効性を前提として、効率化にもつなげていくことが重要だと考えております。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいま、松本委員から認知症に係る医師に対する研修の在り方について、御質問がございました。事務局、いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。御質問ありがとうございました。
 まずは、30ページにお示しております、認証に係る医師に対する研修でございます。
 私ども事務局としましては、どれか1つに、あるいは複数にというよりは、私どもは、研修内容の項目が重要だと思ってございます。どのような項目を必要とするかということを、このように比較しまして整理させていただきましたので、それを示すことで、今後整理して、お示しをさせていただきたいと思ってございます。
 それから、最後のオンライン診療による精神療法に関する御指摘に関してでございますけれども、これについては、事務局からコメントをさせていただきますが、現行の対面診療におきましても、向精神薬の多剤投与につきましては制限があるところでございます。
 こういった一定の制限がありますことも踏まえまして、オンラインで実施する場合についても一定の要件を設ける、これは当然のことと思ってございまして、そのような方向で、どのようなことが適切かというのは、今後、また検討してまいりたいと思っております。
 以上です。
○小塩会長
 松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
 ありがとうございました。
○小塩会長
 それでは、林委員、お願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。
 今、松本委員からもございましたけれども、回復期に加えまして、慢性期病棟における口腔健康管理等のエビデンスというのは、さらに示していただきたいと思っておりますが、慢性期におきましても、先ほど池端委員からもございましたけれども、一定のニーズというものがございます。
 これに関しまして、病棟に関わる歯科衛生士の人材不足というのもございますが、我々もこのニーズに関して、近隣の歯科医療機関に求められる役割というものが非常に重要だと感じております。
 我々のほうからも提出させていただいております、15ページの資料にもございますけれども、肺炎等の予防のための口腔衛生管理とか、それから摂食機能療法などの口腔機能管理、入院患者への緊急歯科治療というものは、近隣の歯科医療機関にしっかりと求められている役割でございますので、今後とも御活用いただきたいと思っております。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 (1)の総合入院体制加算に関しまして、先ほど支払い側委員から、実績を踏まえて要件を引き上げるべきとの御意見がございました。
 しかし、総合入院体制加算という名称が示すとおり、これは総合性を評価する趣旨であるという視点に立てば、要件間のバランスなども、まさに全体として見ながら設定していくべきものでありまして、安易に要件を引き上げればよいというのは、先ほど申した、本加算の趣旨に合わないと考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 ありがとうございます。
 私も総合入院体制加算の、先ほどの支払い側の委員の先生方からの実績要件の引上げに関する意見です。
 総合入院体制加算を取っている病院というのは、様々、1、2、3ございますが、これらの要件は、見ていただくと分かりますけれども、全て絶対数で規定されてございます。病床数が非常に大きな病院というのは、対応がしやすいわけですけれども、例えば、地方部で地域の中核になっている病院などは、やはり病床数もそんなに多くない中で、先ほど長島委員がおっしゃられたように、総合的に急性期の医療を提供している病院も、この加算を算定してございます。
 次の総-5の論点でも、私、お話をさせていただきますが、現在の地域の医療を担っている急性期の病院の状況というのは、今、非常に厳しい状況がございます。
 そういう意味で、安易に算定要件を変更するということは、あまり今の時期には適切ではないと思いますので、この引き上げに関しては、私も反対いたします。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかはよろしいですか。
 江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
 ありがとうございます。
 2点だけ、簡単に申し上げます。30ページの認知症に関わる医師に対する研修ですけれども、それぞれ平成17年、18年あるいは生涯教育制度は、かなり古くから我々日本医師会として取り組んでいるものでございますし、かかりつけ医機能研修制度も、平成28年から着実に取り組んでいるところでございます。
 この研修というのは、先ほど事務局から説明がありましたが、内容はそれぞれの研修の目的に照らし合わせて行っているものでございます。
 そういった中で、これまでに相当多くの医師が延べ参加していただいておりますけれども、前回のときに申しましたように、これから認知症の方がますます増えてくる中で、もう認知症は一般的なコモンディジーズという形になっておりますから、かかりつけ医のみならず、幅広く日本の医師が、こういったものを研修して、研鑽をしていただきたいという期待を込めて、いつもプログラムを企画立案しています。
 そういった中で、かかりつけ医というのは、やはり患者さんが選ぶものであって、より患者さんに選んでいただくための、自己研鑽するための研修と位置づけているので、そういった意味で御理解をいただければと思います。
 最後、もう一点は、栄養管理体制に係る指摘事項で、GLIM基準を示していただき、その活用状況を示していただきまして、ありがとうございます。
 ここによりますと、GLIM基準の使用状況が8.6%ということで、まだまだ現場には広く普及していないのが実態でございますし、ツール以外のアセスメント項目でも、血清アルブミンが、まだまだ多く、当然活用されており、これは、現場の実態にそぐわないものでございます。
 したがいまして、今後、こういったGLIM基準の普及に関しましては、より懇切丁寧な説明に伴う研修というのをしっかりと構築していただきたいと思います。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 総合入院体制加算につきまして、御意見をいただきましたけれども、まず、4ページを見てみますと、これは、出典がNDBデータということで、地方、都会を問わず、全国的なデータであるということ。
 それと、全身麻酔手術件数あるいは腹腔鏡下手術を見ますと、一番右側のバーが突出して大きいということは、実態からすると、もうかなり厳しくしてもいけるのではないかと理解するのが通常ではないかと思います。
 長島委員からもありましたけれども、総合性をということであれば、当然、これは共通の施設基準のところに複数の診療科を持つということが明確に書かれておりますので、もともとそれは評価するという大前提でありますので、そういうことを踏まえた上で、この診療実績を見る限りでは、分娩件数については、若干ばらつきが見えておりますけれども、麻酔手術と腹腔鏡下手術については、十分基準の引上げが可能ではないかと考える次第でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 まず、平均というのは、様々なトリックとか、留意すべき点があるというのは、皆様よく御存じのところなので、そういうことで、安易に単純に考えてはいけないということと、やはり先ほど申しましたけれども、全体の要件化のバランスというのもしっかり見ていく必要がある、あるいは様々な地域の状況、事情というのも考えるべきということで、単にここだけを見て安易に引上げをするというのは、地域医療提供に大きな影響があるということで反対いたします。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか。
 太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 ありがとうございます。
 今、松本委員のほうから、この分布の4ページを見ての話だと思います。
 今、総合入院体制加算に関しては、1、2、3がございます。特に1と2に関しては、かなり高度な医療を提供しているという病院が含まれておりまして、なおかつ、病床数が非常に多いという病院が多くある中で、多分、この一番右に偏っているというところは、そのような病院群が多いのだと思いますけれども、総合入院体制加算の3に関しましては、先ほどお話をさせていただきましたように、様々な地域で、中核として医療を担っている病院がたくさん含まれてございます。
 私自身、安易な引上げに関しては反対いたしますが、もし仮に引上げを検討しなければいけないとしても、それに関しては3だけですとか、3または2だけという形で限定すべきであると思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか。
 よろしいですか。
○太田委員
 すみません、逆でした、1だけとか、1、2ですね、すみません、反対で発言しました。失礼いたしました、訂正いたします。
○小塩会長
 承りました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 よろしいですか。今、永瀬委員からお手が挙がっているのですけれども、1号側、2号側、追加のコメント、御意見、御質問はございますでしょうか。
 それでは、永瀬委員、お願いします。
○永瀬委員
 別の議論でよろしいですか。
○小塩会長
 いや、ちょっと。
○永瀬委員
 では、後ほどにします。
○小塩会長
 承知しました。
 ほかは、よろしいですね。
 それでは、特にほかには御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりといたします。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
○永瀬委員
 すみません、個別事項(その20)の中で、質問をしてもよろしいでしょうか。
○小塩会長
 個別事項、この案件でしたら結構ですけれども。
○永瀬委員
 質問があるのですけれども、不妊治療のところでございます。何ページだったでしょうか。
 地域によっては、年間20件以上ということにすると、一般不妊治療管理料も取れないということで、日本婦人科学会の意見に基づき、それでは、年間を取って20例以上の症例を実施している医師が配置されていることと変えるという提案ですけれども、質問なのですが、もちろん、とても若い方が減っていって、不妊治療をなかなか近くで受けられないというマイナスと、だから近くに受けられるようになるというプラスと、それから、あまり不妊治療を最近はしていないような医院かどうか、その辺が患者にとって、どの程度そういう情報が分かるのかということなのですけれども、不妊治療に関しては、情報の不足というのを患者団体がかなり言っていまして、それから出てきたいろいろな資料からも、患者へのアンケートを見ると、情報が分からないというのが大変多かったというのがございます。
 もちろん、あまり不妊治療をしていないけれども、近くにあるから行きやすいのでいいというプラス面は、もちろんあると思うのですけれども、そうこうしているうちに、今、日本で行われている不妊治療の最多数は40歳です。多いのが37歳から43歳までです。
 そういう方たちが近くにあるから行ってみようと言っていて、あまり習熟していない方のお医者様のところで不妊治療を続けているうちに、年齢がたっていくということも十分あると考えられるのです。
 不妊治療の当事者は、情報を見たいと思って探しているというのは、患者団体からは随分聞いています。ですけれども、私も探してもそう簡単には見つからない、あるいは商業的な情報と、そうではないことの差があまりよく分からないということで、患者に対してどういう医者なのかという情報は、一般的に不妊治療にかかわらず、患者には分かりにくいものですけれども、特にこの不妊治療というかなり微妙な問題について、保険適用をされたところですし、20例以上、特に制限なく過去からずっと通算してくると20例かもしれないという、そういうことをここで認めるということは、患者にとってどういうことなのか、患者に対してどういう情報提供がされるのかについて教えてください。
○小塩会長
 ただいまの御質問について、事務局から御回答はありますでしょうか。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局でございます。
 今、御指摘いただきました不妊治療に関する患者への情報提供という課題につきましては、R4年の診療報酬の改定の際にも非常に御指摘をいただいて、引き続きの課題と認識しているところでございます。
 それにつきましては、一義的には、こども家庭庁におきまして、情報提供の在り方の検討をいただいているところでございます。
 その項目でありますとか、提供する範囲等々につきましても、今、研究班を中心に検討をいただいているという状況でございますし、また、こども家庭庁におきまして、そういった要件が固まり次第、診療報酬のほうでの情報提供の在り方の連携につきましては、引き続き取り組んでいきたいと思っております。
 また、今、御指摘いただきました、いわゆるどういう実績があるのか、また、その実績と治療結果、成果等々につきましては、患者さんの選択になる一方で、医療機関側からの患者の選択にもなるという御指摘もいただいているところでございますので、十分慎重な検討が必要だと認識しているところでございます。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 よろしいですか。
○永瀬委員
 つまり、あまりはっきり決まっていないけれども、こういう形で過去の通算からの20例で、患者のためになるという、つまり情報提供については、はっきりまだ決まってはいないけれども、過去からの通算の20例で、これが患者の不妊治療に資するという、そういう御意見と思ってよろしいでしょうか。
○小塩会長
 いかがでしょうか。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局でございます。
 今回御提案させていただいている内容につきまして、10ページにございますように、過去の通算という観点で言いますと、おっしゃるとおりで、実施する医師が、これまで20例経験しているという要件で、専門学会のほうで十分であるという御提案をいただいたものを受けまして、事務局として整理させていただいているものでございます。
○永瀬委員
 専門学会のほうで十分だというのは、専門的知見に基づくものかもしれませんが、患者のほうは、情報が不足しているということは強く言われておりまして、これは既に中医協の前回のときにも何度も取り上げられたものですけれども、その点については、どうなのでしょうか。
○小塩会長
 いかがでしょうか。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局でございます。
 繰り返しのお答えになり、大変恐縮でございますが、こども家庭庁と連携しながら、どういう情報を提供していくのかということにつきましては、引き続き研究班、関係学会との調整をさせていただいているところでございます。
 その中で、いろいろな課題があるということも指摘いただいておりますので、そこは整理した上で、整理が整い次第、診療報酬における情報提供の在り方ということも連動させていきたいと考えております。
○永瀬委員
 ということは、今回、もともとは年間20例が必要だと学会のほうで言っていたのが、その後、実施上、累積20例でもいいのではないかということになったことを踏まえた上で、情報提供について検討すると、そう考えてよろしいわけですね。
 つまり、年間何例実施しているのかとか、その成功率なども含めて提供することは、いろいろ複雑な問題もあるけれども、患者にとって分かりやすい形で提供すると考えておられるということでよろしいのでしょうか。
○小塩会長
 お願いします。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局でございます。
 実施に当たっての要件というものと、患者さんへの情報提供というのをセットで御説明しているものではございませんで、あくまで今回は、患者さんのアクセスという観点から見た場合に、現行の要件で、アクセスに支障が生じているという学会の御意見、さらには加えまして、学会として医師の技術として20例の経験があればよいということをもちまして、アクセスの観点から要件の緩和というものを併せて行いたいという御提案になっております。
 情報提供ということに関しましては、今、こちらでお示ししている内容には含まれておりませんが、先般御議論いただいた際には、その観点につきましても、今後、検討が必要だということで、引き続き、こども家庭庁と連携しながら取り組んでいきたいと考えております。
○小塩会長
 よろしいですか。
 すみません、御発言の途中なのですけれども、今のやり取りは、診療報酬の在り方そのものに関わる問題ですので、公益委員とのやり取りというのは、この場にふさわしくないのではないかと思いますので、取りあえず、ここで引き取っていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ということで、次の議題に移りたいと思うのですけれども、よろしいでしょうか。
 次のテーマは「入院(その9)について」でございます。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、入院(その9)につきまして、中医協資料総-5を用いまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 2ページ目に、本日の目次がございます。1から5までございまして、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度、それから、2が特定集中治療室、いわゆるICU及びハイケアユニット用、HCU用の重症度、医療・看護必要度、3がDPC/PDPSにおける医療機関別係数について、4が療養病棟入院基本料の医療区分について、5が参考資料という項目立てとさせていただいているところでございます。
 それぞれ、これまでの御議論の中で、私ども、このような入院料の改定を行う内容をお示ししてきたところでございますけれども、それを用いまして、どのようなシミュレーションなりができるかということをお示しするものでございます。また、お諮りするものでございます。
 それでは、1つ目、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度について御説明をさせていただきたいと思います。
 3ページ目が、現行の重症度、医療・看護必要度の概要でございます。
 4ページ目が、令和4年度改定における見直しでございます。
 5ページでございますけれども、こちらは、該当患者さんの割合をお示ししてございます。
 6ページ目は、11月8日にお示ししました論点でございます。
 7ページ目でございますけれども、こうした論点につきまして、当日にいただいた主な御意見をまとめたものでございます。
 一番上の○でございますけれども、抗悪性腫瘍剤の使用や昇圧剤の使用、抗不整脈薬の使用などの項目については、評価を2点から3点に変更すべきではないかなど。
 中段にございますけれども、7対1病棟における基準からB項目を削除した場合には、A2点の患者に対する評価がなくなってしまうが、A2点の患者割合も確認すべきではないか。
 また、1つ目の括弧の一番下の○でございます。評価項目の見直しも含め、シミュレーションを実施すべき、こういった御意見をいただきました。
 10ページ目でございます。
 これまでの様々な御議論を踏まえまして、一般病棟用の必要度の見直しにつきまして、内容を整理したものでございます。
 字が細かいものでございますけれども、それぞれの見直しの内容を行いますと、全体として、該当患者さんの割合にどの程度影響があるかということについて、右端の列に記載しているところでございます。
 次に、11ページ目から16ページ目でございます。
 これは、こうした個別の見直しの内容につきまして、関連する分析結果を参考として掲載しているところでございます。
 次に、17ページ目でございます。
 シミュレーションを行う際に、個別の見直しについて、組み合わせて実施するということになりますけれども、その組み合わせの案につきまして、右側の青いタイトルのところを御覧いただきますと、見直し案が1から4までございますけれども、それを示してございまして、救急搬送後の入院、緊急入院を必要とする状態の項目について、評価日数を1日とするか、2日とするか。また、抗悪性腫瘍剤の使用、注射剤のみの項目について、評価点2点から3点にするか。これらの違いを組み合わせた4つのパターンでシミュレーションをして、お示しすることとしてはどうかと考えておるところでございます。
 18ページ目は、急性期一般入院料1に関するシミュレーションについてでございます。
 急性期一般入院料1につきましては、平均在院日数の御議論があり、また、B得点を用いないようにするということを受けまして、A2点の患者を評価したらどうかという御指摘も踏まえ、シミュレーションの際には、平均在院日数の基準の変更の影響も掛け合わせた上で、必要度の該当患者さんの割合に加えて、必要度基準に該当またはA2点である患者の割合も併せて確認してはどうかと考えてございます。
 19ページ目でございます。
 こちらは、必要度基準該当割合とA2点の患者を含めて、割合の両者を活用する対応案のイメージになります。
 必要度該当割合が一定以上であることに加えまして、A2点の患者も含めた割合も一定以上であること。こういったことが要件なのではないかと考えてございます。
 1つ目の項目についてでございます。こうした方向で、恐らく年明けになると思いますけれども、シミュレーションをお示しするという方向で作業をしてよろしいかと、お諮りするものでございます。
 次に、2つ目、ICU、HCUの必要度でございます。
 21ページ目に、現在の評価票をお示ししてございまして、22ページ目に、前回の御議論における主な意見を御紹介しております。
 ICUについてでございますが、1つ目の○、重症患者への対応への評価の観点で、SOFAスコアを活用すべきではないかなどの御意見をいただきました。
 HCUにつきましては、心電図モニターの管理や、輸液ポンプの管理の項目を削除する場合には、該当基準の水準も見直しを検討すべきではないか、B項目による評価を開始すべきではないかなどの御意見があったところでございます。
 23ページ目、24ページ目は、ICUの現在の必要度該当患者割合の平均について、参考としてお示しするものでございます。
 25ページは、SOFAスコアの概要でございまして、26ページ目には、各ICUにおける入室日のSOFAスコアが5点以上の患者さんの割合の分布と、3点以上の患者割合の分布をお示ししてございます。
 27ページが、こうしたこれまでの御議論を踏まえましたシミュレーションの案になります。
 各項目と該当基準の見直しについては、上の右の表になりますけれども、表の右側にございますが、見直し案の1、2ということで、2とおりで行ってはどうかと考えております。
 また、入室日のSOFAスコアが5点または3点以上である患者さんの割合が一定以上であるという基準を組み合わせることとして、シミュレーションをしてはどうかと考えてございます。
 次に、ハイケアユニットでございますが、28ページが現在の必要度該当患者割合の平均でございまして、29ページが、これまでの議論を踏まえました、HCUのシミュレーションの案になります。
 左側の表におきまして、個別項目の見直しの内容と、それぞれ実施した場合の該当患者割合の影響について、お示ししてございます。
 こうした個別項目の見直しに加えまして、重症化率との相関性の高い項目に重みづけをして評価してはどうかとの議論を踏まえまして、29ページの右側でございますけれども、該当患者割合を2種類にしてございます。
 割合は、①と②がございますけれども、①は、蘇生術の施行や人工呼吸器の装着など、重症患者に実施されることが多い項目のいずれかを実施している割合とし、割合②は、全ての項目のうち、いずれかを実施している割合としてございます。
 割合①が一定以上であることを満たした上で、割合②が一定以上であることを基準とすることを想定して、シミュレーションを行ってはどうかという御提案でございます。
 それでは、3つ目の項目「DPC/PDPSにおける医療機関別係数について」でございます。
 31ページから35ページが、医療機関別係数の概要に関する資料でございます。再掲となります。
 36ページ目、37ページ目が、11月24日の中医協総会で御提案させていただきました、令和6年度改定における医療機関別係数の見直しの方向性でございます。
 今回、さらなる検討に当たりまして、これらの見直しに係る影響について、追加的な資料を御用意させていただきました。
 38ページ目にございますように、診療報酬改定時には、推計の診療報酬変動率が2%を超えないように、DPC制度におきましては、激変緩和係数というものを設定してございます。
 39ページにございますように、今回は推計診療報酬変動率として、激変緩和対象施設数の観点から、基礎係数、機能評価係数Ⅱの見直し、それぞれの影響を、令和4年度改定データを用いてシミュレーションしたものでございます。
 例えば、40ページは基礎係数の見直し、41ページが機能評価係数Ⅱの見直しでございますけれども、令和4年度データを用いますと、それぞれ今回の見直しによりまして、どの程度の施設が激変緩和の対象になるかということをお示ししてございます。
 次に進ませていただきます。
 43ページ以降が、療養病棟入院料の医療区分でございます。
 44ページでございます。11月22日の中医協総会におきまして、医療区分を変更することは、療養病棟入院基本料に大きく影響するため、精緻なシミュレーションを実施した上で、見直しを検討すべきとの御指摘をいただいたところです。44ページの一番下の○でございます。
 46ページ目から52ページは、再掲の資料というところでございますけれども、53ページから58ページが、入院料ごとのシミュレーション結果となります。
 53ページですが、一番上を御覧ください。こちらは、医療区分の中で、疾患状態の該当状況は医療区分3であり、かつ、例えば処置の医療区分でも3に該当する、最も重いと思われる患者さんの病日の割合が、医療機関ごとにどうかということでございまして、そういう方々を多く受け入れている、病日として非常に高い割合を受けていらっしゃる医療機関があるということが、お示しできているかと思います。
 それでは、次に進ませていただきます。
 5つ目の項目は、参考資料ということでございますけれども、59ページ以降でございます。
 こちらは、急性期一般入院料1における平均在院日数の基準の変更についても組み合わせた上で、シミュレーションを行うと申し上げた関係で、平均在院日数に関する資料を参考資料として掲載しているものでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 幾つかの件につきまして、シミュレーションを行っていただきました。それから、シミュレーション案も御提示いただきました。
 ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 幾つかコメントいたします。
 まず「1.一般病棟用の重症度、医療・看護必要度について」です。17ページのシミュレーション案についてコメントします。
 1-1及び1-2において、救急搬送後の入院、緊急に入院を必要とする状態については、評価日数を現行の5日間から1日あるいは2日に短縮してシミュレーションを行うことが提案されておりますが、これについては反対です。
 この点については、11月7日に入院(その2)を議論した際に、75歳以上の高齢者の救急搬送における傾向、つまり入院初期は該当割合が高いが、その後は入院資源投入量も少なくという傾向を、全年齢に当てはめるのは不適当ではないかという指摘をしたところです。
 今回の資料では11ページにおいて、救急医療管理加算を算定する患者さんにおける医療資源投入量が示されており、この結果を見れば、年齢にかかわらず、高齢者の救急搬送と同様の傾向にあるということを示したいということは受け止めました。
 しかし、患者さんの重症度、処置の状況については示されておらず、全体の推移しか示されていません。例えば、救急搬送当日に必要とされる手術、処置等を行い、その後は、そのような医療資源を大きく投入するようなことはなくても、管理を継続することが求められるという状態も重症であります。
 そもそもこれまで、いみじくも議論されてきたように、救急医療管理加算は、重症患者に対して算定することが要件となっており、現場では、医療資源投入量で一律に判断するのではなく、医学的に重症患者として判断されています。
 したがって、医療資源投入量だけで安易にグラフ化して提示するのではなく、医学的な実態をより反映し、現場の評価と合致するような分析の提示を事務局に求めます。
 また、今後、急性期病棟の機能をさらに強化するという観点でも、救急医療の評価を縮小するようなことは行うべきではないと主張します。
 次に、18ページの「急性期一般入院料1の該当患者割合への影響でのシミュレーション案について」です。
 平均在院日数として14、15、16または17とありますが、現在の18日も当然行うべきであります。
 次に「2.特定集中治療室用及びハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度等について」です。
 特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度におけるSOFAスコアの活用については、12月6日の入院(その6)でも指摘があったところですが、入院当日のSOFAスコアのみをもって評価することは、日本におけるICU運用、人員配置の実態に合わない可能性があります。もし、そういった実態等も十分に整合的であるというデータがあれば、いただければと思います。
 また、治療室ですので、病床数が少なければ、ごく少数の患者さんの影響によって、該当患者割合が大きく変化してしまうことも考えられます。
 こうしたことも考えると、シミュレーション結果については、慎重に検討する必要があると考えます。
 「3.DPC/PDPSにおける医療機関別係数について」です。
 40ページの基礎係数の見直しに係るシミュレーション結果を拝見しますと、1か月当たりのデータ数が90を下回る病院を区別することで、DPC標準病院群1,379施設のうち、1割弱の施設が激変緩和の対象施設となり、影響が極めて大きいことが見て取れます。
 また、今回のシミュレーションでは、コロナ特例の廃止による影響も勘案されておらず、激変緩和係数が設定されたとしても、1年後にはマイナス4%に及ぶ係数の変化が医療機関の努力によらず適用されることは、非常に大きな影響があると考えています。
 そもそも11月24日の入院(その5)でも指摘したとおり、データ数を90で区切ることは、明確な根拠が示されておりませんので、90で区切ることが適当と言えるのか、そのデータ数前後で、医療機関の属性にどのような違いがあるのか、継続的に検討する必要があると思います。
 私からは以上ですが、小塩会長におかれましては、看護協会の専門委員からも意見を聞く機会を御検討いただければ幸いです。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 ありがとうございます。
 今回提案にあった、17ページに示されている変更内容及び見直し案に関して意見を述べる前に、現在の全国の病院の状況、医療現場の状況に関しても少しお話をさせていただきたいと思っております。
 私は、以前から高齢者入院患者の入院治療には、病棟において多数の人的資源が必要だということを、この中医協の場でお話をさせていただいてきております。
 適切な人的資源配置の分析が今回も行われていない状況の中で、それらを賄ってきた病棟の入院料が、必要度の変更により下がる病院が出てくるということが、今回の変更では懸念されます。
 機能分化は重要ではありますし、本改定では、高齢者救急の受皿となる新たな入院料の設定も検討されておりますが、その入院料が、高齢者の入院治療に十分な人的配置を可能とする水準で設定されるのかは、まだ不明な状況です。
 今の重症度、医療・看護必要度は、C項目設定後は、特に外科系の評価に偏り過ぎているという指摘は以前からございました。外科系の患者は侵襲的な手術を受けるため、術前術後にしっかりとした看護ケアが必要であることは間違いありません。
 ただ、もともとADLは自立していた患者は多く、食事介助や排泄介助、移動介助など、看護が行う療養上の世話に関しては、そんなに人手がかからない患者層も比較的多い患者層を診る診療科でございます。
 しかし、内科系の入院は、もともとADLも低下しており、食事に関しても、誤嚥に注意しながら食事介助をしなければならない患者が、病棟には相対的に多数いますし、排泄も移動も全て人手がかかる、そのような患者の治療が入院対象です。
 C項目で評価される外科手術は、急性期病院において一般的な外科系診療科が対応する一般的疾患、すなわちコモンディジーズが評価されています。急性期病院の内科系診療科においては、内科系のコモンディジーズである感染症などに対して、心電図モニターが削除された2022年改定以降、かなりの重症入院症例以外は、重症度、医療・看護必要度を満たさない状態となってきております。
 その上で、今回の17ページの見直しの変更案ですが、救急搬送後の入院の評価日数を変更することは、現時点では行うべきではないと私は思います。
 特に内科系病棟における人的資源の必要量の分析が十分行われていない現状では、また、受皿となる高齢者の包括の入院料の設定が十分な人的資源配置が確保できる保障のない中では賛成しかねます。
 現在、手のかかる内科系入院に対する人的資源配置の最後のとりでとなってきた救急入院によるA得点の5日間の日数の短縮は、前述しましたとおり、急性期病院における内科系評価が十分検討されていない中、余りにバランスを欠いた評価体系となると考えます。
 百歩譲って救急搬送後の評価日数をシミュレーションに入れなければならないのであるならば、現段階では、評価日数は1日、2日ではなく、3日、4日、5日とも全て出していただく必要があると思います。
 さらに、シミュレーションの結果として19ページにあるように、施設基準をA項目の3点と2点の割合、A分のC、A分のDのアンドにするなどという、あまりにも複雑な評価基準とすることに関しても、制度を複雑化させ、また、現場対応を困難とすることになり、現段階では同意しかねます。
 また、特定集中治療室及びハイケアの重症度、医療・看護必要度に関してですが、これらに関してもシミュレーションの結果、どこまで入室基準を厳格化していくのか、最終的なカットオフ値を幾つにするか、現時点で不明な中、変更そのものに現段階では賛成しかねます。
 今回、変更をしたとしても、現在の多くの治療室がその基準を満たすことが必要だと考えます。病院の運営上、集中治療室やハイケアユニットは、重症患者への対応としてなくてはならないものです。
 配置すべき看護師数は多く、現在の看護師の確保が困難な状況の中、無駄に治療室を設定し、人的資源を配置している病院はありません。運営方法には病院により差があることは事実ですが、不適切な患者が入っており問題となっているという事例も聞いてございません。
 現場の病院運営、病棟運営が影響を受けるような変更は避けるべきであると主張いたします。
 さらに、DPCです。今回、データ数90を下回る病院に関して、基礎係数が大幅に下がり、激変緩和が必要な病院数が多数出ることが、40ページにより判明いたしました。
 長島委員からもありましたように、今回のデータ数90というものでカットオフをするのが適切かどうかというものに関しては、一度検討が必要であろうと思います。
 複雑性指数の検討に際して、10パーセンタイル値で設定されたものだと認識しておりますが、影響を受ける病院数が多過ぎるのではないかと感じます。5パーセンタイル値を採用するなど、より影響を受ける病院数が減り、しかし、複雑性係数の抱える問題が解決できる、病院への影響をより軽減できる制度変更を検討すべきであると思います。
 また、これだけの劇的な係数の変更は、先に述べましたように、病院の運営に大きな影響を及ぼします。激変緩和を二段階で時間をかけて行うなど、激変緩和に関しても、さらなる配慮が制度変更に際しては必要であると考えます。御検討くださいますようお願いいたします。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはよろしいでしょうか。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 私からも、特に43ページ以降の療養病棟入院基本料の医療区分について、少しコメントと質問をさせていただきたいと思います。
 医療区分の大きな見直しについて、多分、最後の機会になる可能性もあると思いますので、少しお時間をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
 まず、質問を3点先にさせていただいて、その回答の後にコメントをさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、1点目、48ページの何度も出てきた医療資源投入量の図ですけれども、少し話が前後しますけれども、今、太田委員もおっしゃったように、今回入院に対しては、医療資源投入量を基に評価を見直ししようという大きな流れがあるかと思います。
 そこに対して、確かに医療資源投入量というのは、入院に関する評価項目の1つではあると思いますが、それのみではなく、唯一無二のものでもなくて、それ以外の要素があるということを、特に療養病床の資料を基に少しコメントをさせていただければと思います。
 その前に3点質問ですが、まず1つは、48ページの図の見方ですけれども、項目の中に書いていないので、私なりに換算しますと、左は、各病院の総合の病日だと思います。
 それで、右の下の図のように、0-25から1,475以上というところがあります。これは、恐らくDPCから引き出した出来高の点数、医療資源投入量の点数だろうと思いますけれども、ここの点数であるかどうかということが1点。
 それから、ここに出来高で、既に療養病床と算定できる手術とか、リハビリとか、あるいは包括外の薬剤とか、こういう医療資源投入量が入っているのか、いないのかということを、まず1つ、このデータの読み方として御質問をさせていただきたい。
 2点目は、もともと医療区分というのは、私が記憶している限り、最初は、医療の中の医師・看護師等の1分間タイムスタディーを取って、それを精緻化して、それで、医療資源投入量と置き換えて、医療区分9区分が決まった、これは、慶應義塾大学の池上病院管理学の教授が、入院分科会の座長だったときに行ったものではなかったかと記憶しておりますが、その1分間タイムスタディーを取ったデータのもとに、この9区分が出たということで、決して医療資源投入量をそこには入れていなかったということを記憶しているのですが、それで正しいかどうかが2点目の質問。
 3点目は、それ以降、もう20年来、この医療区分については、幾つかの改定のときに見直しを検討しましたが、これも私が関わっている限り、知り得た限りでは、それについて、DPCデータを基に重症度等を照らし合わせても、比較的医療区分に大きなそごがないということで、これまで同じ9区分で来たと認識しています。
 しかも、この20年間、最初に立てつけしたデータを、その後に再度、一度も1分間タイムスタディーで、それを見直していることはなかったと記憶していますが、それで正しいのかどうか、まず、その3点を先にお伺いしたいと思います。
 以上です。その後、コメントをさせていただきたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 今、池端委員から3点御質問をいただきましたが、事務局いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
 事務局、医療課長でございます。御質問にお答えしたいと思います。
 48ページに係るお尋ねと、過去の経緯に関するお尋ねと承知をいたしました。
 まず、48ページ目が、包括範囲の出来高点数かどうかと言われると、そのとおりでございます。48ページ目に、医療区分1、2、3で、縦に棒グラフを並べてございますけれども、それぞれ包括範囲の出来高点数の積み上げとなります。
 その中には、これは、包括範囲の出来高点数でございますので、一方、この包括範囲外のものは、ここには含まれてございません。そういう理解で結構でございます。
 それから、平成18年のときの経緯でございますが、すみません、そちらは今日資料として用意してございませんので、私の記憶に限りということで、若干不正確な部分があるかもしれませんけれども、そのときに、タイムスタディーを行った調査で、それを基にこの医療区分をつくっていたのは事実だと承知してございます。また、そのときにタイムスタディーにおける直接処遇時間ですとか、これの分布がそれぞれの疾病名や、それから処置などに応じて、どのように分布するかということを統計的に解析して、今、その手間のかかり具合ですとか、あるいは医療資源投入量、医療資源投入量というのは、診療報酬点数表なのか、あるいは人のコストなのかというところで申し上げると、人のコストに着目した分類になったということだと思っております。
 それから、その後、この医療区分を変えるためにタイムスタディーは行われていないということでございます。
 以上でございます。
○小塩会長
 池端委員、いかがでしょうか。
○池端委員
 ありがとうございます。
 では、今の御回答のもとに、少しコメントをさせていただきたいと思います。
 まず、48ページ以降を見ていると、今回、疾患・状態と処置の組み合わせということで分けて、それぞれ医療資源投入量の目線で、この棒グラフができているかと思います。
 総じて、当然処置のほうが、医療資源投入量が多く出ていて、これで見ると、医療区分の疾患・状態では、医療資源投入量が低くて、処置が多くてということで、処置が多ければ多いほど、高く点数を設定すべきではないかというグラフに読み取れるかと思いますが、ただ、先ほどお話ししましたように、そもそも医療区分というのは、これを合わせたもので、ここに出ていない医療資源投入量以外の医師の指示の見直しとか、医師の診察頻度とか、看護師の手間あるいは看護師の患者さんに携わる頻度等が込みされた中での重症度ということで、この医療区分ができ上がっている。
 一方、医療資源投入量以外の汗のかき方ということが、ちゃんとこの医療区分に入っていたのです。
 ところが、今回、この医療資源投入量だけのグラフで見て、これを27区分にしようとすると、当然ながら処置区分の医療資源投入量が多いですが、そこの点数が高くなると、処置をすれば高い、処置をしなければ低いとなると、逆に、この究極は出来高払いになってしまうと思うのです。
 だから、本来、包括的にちゃんと患者さんを診ることが重要な療養病床、慢性期の患者さんの見方としては、かなり逆に偏った見方になってしまうのではないか。例えば、具体的に言えば、疾患の医療区分、パーキンソン病関連疾患等々が、もし、急性期から送られてきたときに慢性期で診る場合に、肺炎を起こして酸素を投入したり、抗生剤を使ったりすれば、処置区分が上がるでしょう。そういうことがなくて、薬の調整でオン・オフがあって、日々、非常にADLが変わっていくことに対して、毎日診察をして、そして状況を見て、薬の調合を変えたり、あるいは生活支援をしたり、看護の必要量を提供したりということをやっているだけでは、恐らくこの見方だと、非常に疾患の医療資源投入量が低いまま抑えられてしまう可能性があるので、これだけをもって、この27区分することに対して、私は少し違うのではないかという印象を持ちました。
 今さらと思われるかもしれませんけれども、昨日ずっとこの図を見て、何かすごく現在の病院の中の患者像と、ここに出てきた状態が合わない、イメージが合わないなと、何か違和感をすごく感じたので、何か違和感があるかと思ったら、そういうことに気づいたので、今日ここでお話をさせていただきました。
 もちろん、今さらということで、これをガラガラポンということは、なかなか難しいかもしれませんけれども、一方で、疾患でここに医療区分2なり3になっているところの重要性もしっかり加味していただいた上で、重みづけについては、慎重に検討していただきたいということを、私の意見として言わせていただきたいと思います。
 それから、次のポイントですけれども、この27区分になることによって、恐らく、特に処置区分が非常にデリケートになってきます。これは、3日間医療区分3で、その次は、2あるいは1ということが常に出てくるとなると、それを27区分毎日毎日チェックする。これは電カルが入っている医療機関ならいいですけれども、基本的に療養病床200床以下の電カル導入率は50%未満なので、その方々の事務手数料は、物すごく膨大になってくることが想定できます。
 ここでも、事務局にもう一点、後でお聞きしたいのですけれども、この事務量ということについて、何か想定しているお考えがあるかどうかということを、後であれば、御質問させていただきたいと思います。
 これに対しては、相当かかることを想定していて、私どもの協会でもいろいろシミュレーションをしようということだけれども、総じて、大変だという声が聞こえてくるのが事実なので、お話ししておきたいと思います。
 それから、いずれにしても、この入院基本料に関しては、先ほど言ったように、このまま療養病床にとって入院基本料の大幅な上げ下げ、上がることは少なくても、下がることが大きいのだろうと思いますが、関わってくることなので、相当な激減緩和も一方で考えていただかないと、本当に療養病床が成り立たなくなるどころか、急性期病院から受け入れる患者さんが、今まで、この疾患で受け入れられた患者さんが受け入れられなってしまう。処置が一切ない疾患で受け入れた患者さんは非常に点数が下がって、とても経営が成り立たないから受け入れられないということになってしまうと、その患者さんがどこにたまるかというと、むしろ出来高で、それ以上高い急性期病院にたまってしまうという逆の現象が起きてしまう。それは、医療費全体としても決していいことではないと思うので、その辺のシミュレーションもしていただきながら、ぜひ再度御検討をいただきたいと思っています。
 それから、今回シミュレーションとして示していただいた63ページ、私が求めているシミュレーションは、こういう全体のシミュレーションも大事ですけれども、各療養病床の管理者の方々が一番気にしているのは、自分の今の医療区分の状態、例えば8割あって、収入がこれだけあるのが、新しいシミュレーションの新しい27区分になって、本当に激変で下がるのか、下がらないのか、少し上がることもあるのかということが、非常に不安定な状況になっている。そこのシミュレーション、今の医療区分の、各医療機関ごとで、新しいものになると、どれだけの経営資源が増えるか、減るかということは、非常に一番困るところ、心配なところで、そういうシミュレーションを、ぜひ、もちろん病院名は出せませんけれども、出していただいて、これくらいの中に収まりますというところをお示しいただかないと、なかなかこれを賛成しますとは言い切れないということがあるので、その辺についても、非常に難しいシミュレーションかもしれませんけれども、ぜひ御検討いただきたいと思っています。
 少し長くなりましたけれども、以上、よろしくお願いします。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ただいまの御発言の中で、1点、事務手続、その負担については、どうお考えかという御質問がありましたので、その点については、いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
 事務局、医療課長でございます。
 まず、事務手続ですが、現場でチェックをする項目が増えるのではないか、それを毎日観察することで負担が増えるのではないか、そこに対する配慮はというお尋ねだったと承知しました。
 私ども今回御提案しているものは、現行の医療区分の中に、既に疾患状態としてあるもの、また、処置として掲げられているもの、この項目自体をそれぞれ変更するということは想定していないということを御説明申し上げておりまして、それを組み合わせで評価をしましょうと御提案していると承知しております。
 ですので、現在、療養病床でチェックいただいているそれぞれの患者さんが、どの疾患状態に該当するか、それからどの処置をしている、していないということに関しては、手間は正直なところ、私どもとしては、これまでやっていただいている手間の中で吸収できる範囲のものだろうと思っております。
 つまり、新しく何か追加して項目を増やしたりということは、今のところ想定してなくて、それを組み合わせましょうということでございます。
 一方で、これは平成18年のときにも、たしか患者さんへ提供する、日々どの状態に該当しているかというマークシートのような書式があって、そこには医療機関は、必ずチェックをしていただいて、患者さんに交付していただいているものだと思います。
 あれからも、この27区分というのは、すぐにつくれるものだったと承知しておりますので、私どもとしては、そのようなことで、今回は考え方をより精緻にするということで、現場の御負担、そのチェックの負担というのは、あまり増えない方向でいけるのではないかと思っているところでございました。
 事務局からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 池端委員、いかがでしょうか。
○池端委員
 ありがとうございました。
 ということは、今やっている票を超えて、さらに精緻化するものを求めるものではないということで、理解をさせてもらってよろしいでしょうか。
○眞鍋医療課長
 はい。
○池端委員
 分かりました。それであれば、一定程度対応ができる可能性は高いと思います。ありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに御質問はございますでしょうか。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず、2号側の方から、いろいろな方面について御意見があったと思うのですけれども、シミュレーションをやるということについては、皆さん方、いろいろな肌感的あるいは経営面あるいは日頃感じていることを検証する意味では、やはりシミュレーションが必要だということに関しては、多分意見の一致を見ると思いますので、まず、シミュレーションについては必ずやっていただきたいということかと思います。
 その上で、少しコメントをしていきたいと思います。
 まず、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度についてでございますけれども、急性期一般入院料1の重症度、医療・看護必要度につきましては、9ページにも示されておりますけれども、B項目を用いない方向で分科会の意見が示されており、それには、従来から賛同しているところでございます。
 今回、18ページ目のシミュレーションの条件を見てみますと、A得点2点以上の患者に対する何らかの評価が提案されておりますけれども、A得点2点以上は、これまで評価の対象になっていないことから、A3点以上またはC1点以上の患者割合が重要であり、この2つのいずれかを満たす割合が高いことを、施設基準としては堅持すべきだと考えます。
 急性期一般入院料1の平均在院日数の基準についてでございますが、これは11月の議論におきましても、実態を踏まえて短縮化すべきと主張してまいりました。
 参考資料を見てみますと、平均在院日数が15日以上の区分では、患者像や手術等の実績、必要度などが、急性期一般入院料2や4と大きく変わらないことが示されております。
 したがいまして、平均在院日数については、14日以下とすることを主張いたします。
 続きまして、ICUやHCUにおいての重症度、医療・看護必要度ですけれども、重症度の高い患者の状態を適切に反映すべきであり、そうした観点から、27ページに示されております事務局案のとおり、ICUでSOFAスコアが一定以上であることを求める方向でシミュレーションを行うことには賛成いたします。
 また、DPCにおける基礎係数について、40ページから42ページを見てみますと、データ数が90を下回る施設では、明らかに低い値となっております。激変緩和を行うとしても、データ数に係る要件の設定と運用は、確実に実施すべきと考えます。
 最後に、療養病棟については、53ページ以降のシミュレーション結果を見てみますと、ADL区分が同じ患者であっても、疾患状態と処置の医療区分の組み合わせによって、分布が大きく異なってまいります。
 全体的には疾患状態よりも、処置の医療区分に該当する日数割合が高い医療機関が多いことから、現行の入院基本料体系では、疾患状態が変化しても、退院するまで処置の影響で高い入院料にされている印象がございます。疾患状態と処置を切り分けて、さらに疾患状態が該当する場合と、処置が該当する場合で入院料の差をつけることで、めり張りのある評価にすべきではないかと考えております。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 急性期一般入院料1に関して1点だけ、平均在院日数の基準の短縮化につきましては、機能分化を推進する観点からも、データに基づく施設基準の見直しを行うという観点からも実施すべきと考えております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 全体を通しまして、最初に申しましたが、やはり医療資源投入量だけを安易に乱暴に使うと、単純なグラフを化して、それを根拠にするということはやめていただきたいと思います。
 このところは、やはり医学的な実態、現場の状況、現場の評価というのをしっかり踏まえた検討が可能なもの、そのようなものを基に検討しなければ、これは患者さんの視点から見ても、入院医療提供が継続的、安定的にされることが何よりも重要ですので、その観点からも事務局には強くお願いいたします。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
 今、長島委員も申しました件ですけれども、平均在院日数につきまして、急性期、いわゆる急1の平均在院日数の18日につきましては、一定程度、いろいろこれまでの経過の中で収れんしてきておりまして、今回、あまり平均値で物を言う世界ではないかなと思っています。
 特に、急性期においても、一定期間以上の入院期間を要する方も当然いらっしゃいますから、個々の患者さんにおいて支障のないという観点でいうと、平均在院日数は、むやみに、こういった医療資源投入量に基づいて、その都度変更するというのは、いかがなものかと思っております。
 また、重症度、医療・看護必要度においても、数回の診療報酬改定で毎回適正化、適正化と言っているのですけれども、それは、いろいろな観点から見直しが必要かと思いますが、毎回2年ごとに現場においては、その点に振り回されるという状況もあって、ある程度、一定程度落ち着いて、しっかりと質の高い急性期医療を提供するという視点も重要だと思いますので、いろいろ現場に支障のないようにお願いしたいと思います。
 もう一点は、療養病床について申し上げたいと思います。
 まず、資料の48ページ、49ページにございますように、医療区分と疾患状態と処置の組み合わせがありますけれども、これは、いずれも疾患状態とか処置に細分化しても、どう考えてもばらつきが大きいということは明らかでございます。要は、個々の患者さんによって、かなり医療資源投入量は異なるという状況であります。
 また、疾患状態をひとくくりにしておりますけれども、疾患は病名でひもづけられておりますし、状態は患者さんの必要なケア、治療によって規定されているわけでございまして、疾患状態がひとくくりで評価するのが、果たしてどうなのかということを申し上げたいと思います。
 それから、46ページに診療報酬の点数が出ておりますけれども、かなりADL区分で傾斜を当初からつけてきています。ということは、かなり介護に要するいろいろな人の投入を含めて、チームケアで行う評価というものが、ここに加味されておりますから、あまり医療資源投入量に偏っていくと、慢性期医療におけるチームケアの提供に、少し負の影響も出るのではないかと危惧をしておりますから、慎重な取扱いが必要だと思います。
 また、53ページ以降にシミュレーションに出ておりますけれども、ここは、療養病棟入院料1のみでございますから、こういった形は療養病棟入院料2の、こういったシミュレーションも必要でございます。
 そして、何よりも必要なのは、池端委員も申されましたように、個々の医療機関によって、かなり療養病床も特性がございます。得意技もありますし、いろいろ入院患者さんの状態像も特徴がある場合もありますから、個々の医療機関に与える影響をしっかりとシミュレーションしていただいて、本当にこういったことが、激変を生じないのかどうか、しっかり見ていくことが必要だと思います。
 この目的は、評価の精緻化ということが出発点だと思いますので、本当にこれが精緻化に資する見直しかどうかは十分な検証を踏まえないと、なかなか議論に入れないと思いますので、事務局におかれましては、いろいろ分析をよろしくお願いしたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 以前も発言いたしましたが、入院医療の評価は、個々の患者の状態に応じて適切に医療資源が投入され、より効果的・効率的に質の高い入院医療が提供されるようでなければならないと考えております。
 今後、高齢者がさらに増加することを踏まえ、今のうちから地域包括ケア病棟などへの移行を推進するといったことや、介護の要素が強いB項目の取扱い変更など、機能分化をさらに推進していく必要があると思います。
 変更によって、患者が必要な医療を受けられないという事態にならないよう、留意が必要だと思っておりますので、資料の10ページで、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の変更による該当患者割合への影響が示されておりますが、これから出てくるシミュレーションの結果も踏まえた検討が必要と考えております。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
 ありがとうございます。
 多くの委員の方からコメントをいただいております、急性期一般入院料1における平均在院日数に関して私もコメントをさせていただきたいと思いますが、60ページに示されているとおり、90%以上の施設で、施設基準よりも2日以上短かったという事実が、ここに示されているということですので、この事実を十分に踏まえた上でシミュレーションをすべきだということは、改めて申し上げたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 先ほど、長島委員から木澤委員の御意見も伺ってはどうかという御提案がございましたので、木澤専門委員、お願いいたします。
○木澤専門委員
 ありがとうございます。
 機能分化の推進や医療資源の配分の観点からも、適切な評価の在り方を検討することは重要と考えております。
 今回の資料で様々にシミュレーションの案をお示しいただいたところでございますが、現場への影響は相当に大きいと考えられるため、十分なシミュレーションを行った上で、丁寧な検討をお願いしたいと思います。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはよろしいでしょうか。
 事務局、お手が挙がっています。お願いいたします。
○眞鍋医療課長
 ありがとうございます。医療課長でございます。
 様々御指摘、ありがとうございました。いただいた指摘は、いずれも重いものとして、私どもは受け止めさせていただきたいと思います。
 具体に申し上げますと、先ほど、私どもこういう方向でシミュレーションをしてはどうかと御提案申し上げたものに加えまして、こういうオプションもという御提案がございました。これに関しましても、真摯に対応させていただきたいと思います。
 一方で、シミュレーションの結果をお示しすることで、また、御安心いただける部分もあるかなというところも感じたところでございます。それが総論でございまして、ですので私どもとしては、シミュレーション作業に入らせていただきたいということで御了承をいただきたいと申し上げるのが1つ。
 あと、何点か御指摘をいただいておりまして、私ども、今、御回答できるものについてというか、見解をお示しできるものについて、3点ほど御説明させていただきたいと思います。
 11ページのグラフですけれども、緊急に入院された後、何日目までの医療資源投入量、これだけをもってということで御指摘がありました。そのとおりと思ってございます。
 一方で、今回の資料に関しましては、解説を付け加えさせていただくとすれば、緊急搬送後ということだけで、一律に評価すべきなのが何日目なのかということだけを、これで語りたいと思っておりました。長島委員から御指摘のありました、ほかの状態でちゃんと該当するでしょうということに関しましては、もちろんほかの状態でもシミュレーションで、これが該当するから、例えば、この2日目、3日目であっても該当する割合が高いのですとか、そういうことが御説明できるのではないかと考えているところであります。
 それから、病室数が少ないICU等での配置に関しても御意見がございました。こちらも私どもは一定の配慮必要だと思ってございまして、シミュレーションでは、例えば、長い期間を取りまして、お一人の患者さんの影響が少し少なくなるようなシミュレーションの仕方なども検討してみたいと思っております。
 それから、SOFAスコアと人員配置に関するコメントもございました。これは、過去に資料を示したものもございますので、それを用いまして、再度きちんと御説明をさせていただきたいと思っております。
 あとは、療養病床ですけれども、江澤委員からは、2のシミュレーションも必要といった御意見をいただいたところで、そういったオプションについても検討させていただきたいと思っているところでございます。
 ということで、様々な御意見を受け止めまして、シミュレーションに進ませていただきたいというのが、事務局からの今の見解となります。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。非常に多くの作業が必要になるかと思いますけれども、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
 以上で本日の議題はおしまいなのですけれども、事務局から「その他」として資料が提出されております。説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 それでは、お昼を過ぎているところ大変恐縮でございます。総-6を用いまして、その他の議題、中医協公聴会の開催についてお諮りしたいと思います。
 これは、これまでの改定で通例として行っているものでございますけれども、1の目的にありますとおり、医療現場や患者等国民の声を反映させるため、中医協委員が国民の声を聞く機会を設定することを目的として開催しているものでございます。
 開催日時といたしましては、事務局で、今、考えておりますのは1月19日の金曜日でございます。金曜日の午前中を想定してございます。
 開催方法といたしまして、オンラインで開催をと思ってございまして、昨年もオンラインで開催いたしましたので、その経験を生かしてということと、昨年は、地域を限定せずに全国的に御参加いただく方を募り、開催させていただきましたが、地方公聴会という趣旨に立ち返り、1つの地域で御意見をいただくということで、今回は、事務局としては広島を御提案させていただきたいと思ってございます。
 ここに書いてありますとおりで、中医協委員、事務局は東京で、公聴会の様子はユーチューブでライブ配信でと考えてございます。広島にも会場を設けて、公聴会参加者には広島の場所に集まっていただくことも考えているところでございます。
 出席者は、ここにあるとおり、これは例年でございます。議事も例年どおりでございます。
 このようなことで公聴会の準備を進めさせていただきたいと考えてございます。
 説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、特に御質問等ないようですので、事務局より説明のありました方向で準備を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。
 それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

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代表: 03-5253-1111(内線)3288

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