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ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 中央社会保険医療協議会 総会 第574回議事録(2023年12月20日)

 
 

2023年12月20日 中央社会保険医療協議会 総会 第574回議事録

○日時

令和5年12月20日(水)保険医療材料専門部会終了後~

○場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8F

○出席者

小塩隆士会長 飯塚敏晃委員 笠木映里委員 永瀬伸子委員 本田文子委員 安川文朗委員
鳥潟美夏子委員 松本真人委員 佐保昌一委員 高町晃司委員 眞田亨委員 鈴木順三委員 
長島公之委員 茂松茂人委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 太田圭洋委員 林正純委員 森昌平委員
木澤晃代専門委員 上田克彦専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他


○議題

○令和6年度薬価制度改革の骨子(案)について
○令和6年度保険医療材料制度改革の骨子(案)について
○令和6年度費用対効果評価制度改革の骨子(案)について
○個別事項(その 15)について
○個別事項(その 16)について
○個別事項(その 17)について
○令和6年度診療報酬改定の改定率等について

 

○議事 

○小塩会長
 それでは、ただいまより、第574回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、末松委員、岡本専門委員が御欠席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 最初に「令和6年度薬価制度改革の骨子(案)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。資料総-1を御覧ください。
 先ほどの薬価専門部会において「令和6年度薬価制度改革の骨子(案)」を了承いただきましたので、骨子案の概要を御説明いたします。
 「第1 基本的考え方」では、骨太の方針2023等も踏まえ、令和6年度薬価制度改革は、イノベーションの適切な評価の推進、安定供給の確保に関する薬価上の措置を行うとともに、長期収載品の保険給付の在り方の見直しにより、長期収載品から後発品への置換えを進める中で、高い創薬力を持つ研究開発型のビジネスモデルへの転換を進めていくこととしております。
 次に「第2 具体的内容」の1.の「(1)日本への早期導入に関する評価」では、①に革新的新薬を日本に迅速に導入した場合の評価の新設、
2ページ目の②に、収載後の外国平均価格調整の対応を行うことを記載しております。
 続いて(2)「① 新薬創出等加算の見直し」です。企業要件・企業指標に関しては、最後の○に書いていますように、加算係数の設定に用いた企業指標は廃止しますが、本制度において革新的医薬品の国内開発を進めていく趣旨を継続させるため、新薬創出等加算の対象になる企業について、現行の対象企業の要件に、最後の○のとおり追加することとしております。
 3ページ目の品目要件、加算額、控除時期は、記載されているとおりです。
 また「② その他の運用の見直し」は、品目要件の規定に係る整理に関する内容でございます。
 次に「(3)新薬の薬価収載時における評価」の①、有用性系加算の定量的評価については、別添2のとおりの評価項目を追加するものでございます。
 4ページ目、②は、補正加算の加算率を柔軟に判断して対応するものです。
 「(4)新薬の薬価改定時における評価」は、①、②は記載のとおりの対応を行い、改定時加算を適切に反映できるようにしていますが、引上げによる患者負担増への影響等を配慮するため、1.2倍の上限を設定しております。
 また「(5)小児用の医薬品に関する評価」は、①の小児用医薬品の評価の充実のほか、②で、薬事制度において、成人用途の開発時に小児用途の開発計画も同時に策定する仕組みが設けられますので、この開発計画に基づき承認された場合の評価を充実させること、5ページ目の③で、開発計画に沿って開発されている品目に市場拡大再算定が適用された場合に、補正加算と同様に評価して引下げ率を緩和することとしております。
 「(6)新規モダリティのイノベーション評価」の①、原価計算方式の開示度に関しては、今回は見直しを行いませんが、類似薬効比較方式による算定の積極的な活用も含め、継続検討としております。
 ②の「新規モダリティのイノベーション評価」も、継続検討としております。
 「(7)その他のイノベーション評価に関する事項」は、①から⑤で示した取扱いとするものでございます。
 また、7ページ「(8)市場拡大再算定の見直し」の①の類似品の取扱いについては、あらかじめ領域を特定して適用除外する取扱いを示していますが、これは、令和6年度の四半期再算定から適用することとし、特定すべき領域は、今後、中医協で議論することとしております。
 ②の補正加算、③のその他のルールは、現行制度のとおりとし、必要に応じて検討を行うこととしております。
 「(9)長期収載品における対応」は、長期収載品の保険給付の在り方について、医療保険部会のほか中医協総会でも議論されておりますが、見直しが行われることとされましたので、今回は薬価改定ルールの見直しは行わず、今後、必要な検証等を行い、さらなる長期収載品の薬価上の措置について検討することとしております。
 次に、8ページ目「2.後発品を中心とした医薬品の安定供給確保のための対応」でございますが、「(1)後発品の安定供給が確保できる企業の考え方」の①は、安定供給が確保できる企業を可視化することなどを目的として、別添3に基づき、企業の安定供給体制等を企業ごとに評価し、薬価制度において活用することとしております。令和6年度改定では一部の項目から適用することとし、企業情報の公表については、来年前半のできる限り早いうちに開始することを予定しております。
 ②の「企業指標の評価結果の薬価制度における取扱い」は、今回は、後発品の価格帯について対応を行うこととしております。
 次に「(2)後発品の新規収載時の価格」は、新規収載時に同時に収載される内用薬の数によって先発品の0.4掛けとする算定ルールについて、現行制度は10品目を超える場合に適用しておりますが、今回は7品目を超える場合に適用するよう改正するものでございます。
 「(3)価格の下支え制度の充実」ですけれども、「① 基礎的医薬品」につきましては、現在は収載から25年を経過したものを対象としておりますが、これを15年にして対象範囲を拡大するものです。
 また、9ページ目「② 不採算品再算定」は、最初の○にあるように、急激な原材料費の高騰、安定供給問題に対応するため、通常の要件である類似薬の規定を適用せず、企業から希望のあった品目を対象に、特例的に適用することといたします。この取扱いは、前回の令和5年度改定と同様の措置です。
 さらに、乖離率に関する御議論があったことを踏まえまして、今回の令和5年度薬価調査結果において、前回の薬価調査における全品目の平均乖離率である7.0%を超えた品目は、対象外とすることといたしました。
 また「3.その他の課題」につきましては、「医薬品流通」、「診療報酬改定がない年の薬価改定」、次のページの「高額医薬品に対する対応」のいずれも、記載のとおりでございます。
 最後「第3 その他」として、今回、「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの解消、イノベーションの適切な評価」、「医薬品の安定供給確保」の観点につきまして、今回の薬価制度改革の影響等を検証して、引き続き、議論を行っていく旨を、それぞれ記載しているところでございます。
 骨子案につきましては、以上でございます。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 飯塚委員、お願いします。
○飯塚委員
 ありがとうございます。
 まず、今回の骨子案につきましては、部会で議論いただきまして、事務局におかれましても、取りまとめをいただきまして、ありがとうございました。
 骨子案につきましては、異議ございません。
 一方で、今後検討いただきたい点を3つお願いしたいと思います。
 まず、今回、ドラッグ・ロス/ドラッグ・ラグの解消を目指して、広く薬価制度を改革したという旨を、ぜひ政府一丸となって、あらゆる機会を通じて、国内外にPRをしていただきたいと思います。
 それをもって企業による、より積極的な国内上市が進むように、ぜひ進めていただきたいと思います。
 それから、少し詳細ですけれども、5ページの(6)の①のところの原価計算方式における開示度向上という議論がございまして、これまで、開示度に応じて加算係数を引き下げることが行われてきたのですが、ここで記述がありますように、産業構造上、なかなか開示は難しいという資料も御提示をいただいていたかと思います。
 結果的に、加算を引き下げても、開示は改善しなかったということもありましたので、現在のこの施策は、必ずしも開示度の向上に寄与せず、一方で、イノベーションを重視したいという我々の今の方向性と必ずしもそぐわないと思いますので、今後、また検討をお願いしたいと思います。
 関連しまして、3点目ですが、原価計算方式には様々な問題点も指摘されておりますので、先ほどもコメントがありましたけれども、より比較薬との対比において価格を決めていくような方向を、ぜひ、今後検討いただきたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 事務局よろしいですか、お願いします。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 いただいた御指摘に関しましては、これまで薬価専門部会において、1号側、2号側から、同様の趣旨も含めて幅広く御意見をいただいておりますので、そういった御意見も踏まえて、今後議論を深めていきたいと考えております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。ほかに御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして「令和6年度保険医療材料制度改革の骨子(案)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局、医療技術評価推進室長でございます。総-2を御覧ください。
 本総会の開催に先立ちまして、保険医療材料専門部会が開催され、その場におきまして骨子案の御議論をいただき、原案を前提とした取りまとめがなされましたということを、まず、御報告させていただきます。
 骨子案の内容を簡単に御説明いたしますと、まず、第1に基本的な考え方をまとめております。
 第2から具体的な内容といたしまして、まず、新規の機能区分等に係る事項といたしまして、まず(1)イノベーションの評価ということにつきまして、チャレンジ申請の在り方につきまして、イノベーションを評価する観点から改正を行っているところでございます。
 次に、イのところで、臨床的な有効性は既存品と同等であってというような医療機器につきまして、その評価を、今回、新たな加算を設けるということをまとめております。
 また、ウの希少疾病等の検査に用いる体外診断用医薬品に関する評価につきましても、その特性を踏まえ、新たな評価を行うことをまとめていただいております。
 3ページにお進みください。
 3ページのエからが、プログラム医療機器に対する評価をまとめておりまして、まず1つ目、有用性評価に関する基準につきましても、やはりプログラム医療機器の特性を踏まえた見直しということを提案させて、まとめていただいたところでございます。
 また、そのほか、目的に応じた見直し、治療用医療器具の制御に関する話、また、4ページに行きまして、医学管理等のために患者自身が医療機関外で使用するプログラム医療機器の扱いにつきまして、どうするかということをまとめていただいております。
 また、原価計算の評価の在り方につきましては、今後、引き続き情報を集めていくという方向でまとめていただいております。
 また、4ページの下段の辺りでございますが、薬事承認における二段階承認の考え方に基づいた第1段階をどうするかということに関しましても、今回整理をさせていただいているところでございます。
 また、最後のパラになりますが、保険適用された後の再評価についても整理をいただいたところでございます。
 また、5ページの中段ぐらいになりますが、その他といたしまして、当分の間、保険医療材料専門組織において、こういったプログラム医療機器の扱いが様々出てくることを想定しまして、個別に議論いただくということも提案をさせていただいております。
 5ページの(2)から「外国価格調整について」ということで、アのところで、新規収載品に関しましては、同様の扱いとすること。
 次の6ページに行きまして、2のところで「既存の機能区分等に係る事項」につきましては、いろいろな課題があったということで、算定式の見直しを提案させていただいていまして、それを御了承いただいたところでございます。
 また、7ページの(3)からになりますが、保険償還価格が著しく低いために、供給が著しく困難となる保険材料の対応につきましても、いろいろな課題を整理いただいて、まとめていただいているところでございます。
 また、8ページの(4)市場拡大再算定につきましては、基準のところを明確にしていただいたところでございます。
 また(5)で機能区分の見直し、(6)で激変緩和につきましては、例年の改定と同様の対応とさせていただいているところでございます。
 また、その他の事項につきましても、そちらに記載のところ、保険的な手続でありますとか、9ページの一番下になりますが「(2)医療機器の安定的な供給に関する製造販売業者等の対応について」もまとめていただいているところでございます。
 また、この間、いただいた御意見としまして、チャレンジ申請の扱いにつきましては、評価する機会を拡充するということで、イノベーションの評価につながるという御意見でありますとか、医療上必要な材料が安定的に供給されるよう、価格の見直しに必要な対応を行うべきという御意見をいただいたところでございます。
 様々御議論をいただいた議論の内容を踏まえ、令和6年度の保険医療材料制度改革の骨子案として、まとめているところでございます。
 事務局からの御報告は以上となります。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして「令和6年度費用対効果評価制度改革の骨子(案)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局、医療技術評価推進室長でございます。それでは、中医協総-3を御覧ください。
 こちらにつきましては、先週12月13日に費用対効果評価専門部会が開催されました。
 その際、骨子案の議論をいただきまして、項目といたしましては、お手元の資料の、まず、第1の基本的な考え方、現在の評価品目の数等々をお示ししたところで、第2としまして、具体的な内容に関するところとしておりまして、1つ目としまして、分析方法に関する事項をまとめております。
 まず、中の項目といたしましては、分析の対象集団と、あと比較対象技術をどうするかという点につきましては、分析対象集団の扱いでありますとか比較対象技術につきましては、そこに記載のとおり、一定程度の見直しというよりも整理をさせていただいているところでございます。
 次に、2ページに行っていただきまして、費用対効果の品目指定に関しましても、再算定の時期の運用等について整理をいただいたところでございます。
 次の(3)分析のプロセスに関しましても、専門組織と様式を見直すでありますとか、企業等の御意見を伺うといったことについて、整理をいただいているところでございます。
 また、3ページに行っていただきまして、議論を重ねていただきました価格調整の対象の範囲の在り方等についても、一定程度、今回、引上げの要件の見直しでありますとか、4ページに進んでいただきまして、今回、高額医薬品に関しての特例的な取扱いをすること、また、さらには6年度以降の次の改定に向けて、価格調整の在り方について、引き続き議論を行うということをまとめていただいております。
 また(5)介護費用の取扱いにつきましても記載のとおりということで、一定程度、今回対応することと、引き続き研究を行うということについて、おまとめいただいているところでございます。
 また(6)費用対効果評価の結果の活用ということに関しましても、各学会が作成するガイドライン等の検討について、保険医療科学院から検討を行うということをまとめております。
 最後5ページになりますが、体制の充実ということにつきましても、今後、引き続き、対象品目の増加が予想される中で、どうするかということについて、まとめていただいております。
 また、この取りまとめに当たり、いただいた御意見を幾つか御紹介させていただきたいと思いますが、まず、価格調整範囲が、現状、極めて限定的であるという課題について、今後しっかりと議論を進めるべきという御意見をいただいておりますし、また、介護費用の取扱いについては、まず研究を進め、レケンビに係る特例的な取扱いの結果を踏まえ、腰を据えた検討が必要であるといった御意見をいただいております。
 事務局からの報告は以上となります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして「個別事項(その15)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、個別事項(その15)といたしまして、2つテーマがございます。「医療機関と高齢者施設等との連携について(その2)」「介護保険施設及び障害者支援施設において医療保険から算定できる医療サービスについて」、以上2つの項目につきまして、中医協資料総-4を用いまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 スライド2が目次でございます。
 ページ進みまして、4ページを御覧くださいませ。
 4ページ目以降でございますけれども、主に介護保険に関する内容をお示ししてございます。
 4ページ目が、高齢者施設におけます協力医療機関に関する運営基準を抜粋してございます。
 それぞれ御覧いただきましたら、御理解いただけますとおり、協力病院を定めておくことが義務となっているような規定がございます。
 次に、5ページ目でございます。
 高齢者施設における医師・看護職員等の配置につきましてまとめております。
 次に、6ページ目でございます。
 6ページ目から7ページ目は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院のそれぞれの協力病院の種類をお示ししてございます。
 一定の割合で、特定機能病院が協力病院である介護保険施設が一定数あったということでございます。
 8ページ目から12ページ目でございますけれども、こちらは、介護老人保健施設及び介護医療院につきまして、夜間休日における協力病院の急変時の対応状況などをお示ししているものでございます。
 次に、16ページ目まで進んでいただければと思います。
 16ページ目は、各都道府県における在宅医療を提供する医療機関と、介護保険施設の施設数の状況を示してございます。
 17ページ目は、協力医療機関との連携体制の構築につきまして、介護給付費分科会で議論された際の論点の紹介でございます。
 18ページ目に御紹介しておりますとおり、こちらは、12月18日に審議報告が行われたものでございますけれども、介護保険施設におきましては、この1ポツの(3)の⑲でございますけれども、その中段のⅰ、ⅱ、ⅲにありますように、急変時の相談体制、そして、診療の求めがあった際の診療体制、入院を要すると認められる入所者の入院受入れ体制を有した医療機関を、協力病院として定めることを義務づけるということが、3年の経過措置を置いた上で取りまとめられたところでございます。
 20ページ目からは、医療保険に関する内容になります。
 21ページでございますが、在支診・在支病の内容でございますけれども、概要でございます。
 次に、22ページが、在宅療養支援診療所、そして病院の施設数でございます。
 23ページは、地域包括ケア病棟に入院料に係る施設基準の概要でございます。
 次に、24ページは、地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料の届出病床数の経緯をお示しするものでございます。
 25ページ目、26ページ目は、新型コロナの診療報酬上の特例の見直しでございます。
 27ページ目から28ページ目でございます。
 こちらは、在宅療養支援病院等の高齢者施設等との連携状況をお示しするものでございます。
 29ページ目は、在宅療養支援病院における往診の件数、そして、年間入院受入れ件数の現状を示してございます。
 30、そして31は、医政局の資料でございますけれども、在宅医療連携の事例についてお示しをしてございます。
 32から34は、ICTを用いた平時からの診療情報の連携につきまして、こちらは、先日12月15日の在宅(その6)の中でもお示ししました、医療情報連携ネットワークの概要、そして、現状について、そして、在宅医療を提供する医療機関と、介護保険施設等の連携におきましても、緊急時の連携に活用され得るといったことで、改めてお示しをしてございます。
 35ページ目以降、2つ目のテーマ「介護保険施設及び障害者支援施設において医療保険から給付できる医療サービスについて」の資料でございます。
 36枚目に「介護保険施設における医療保険から算定できる医療サービスの経緯(主なもの)」ということでございます。
 平成12年に介護保険制度が施行されて以降、このような経緯で医療保険から給付できるサービスが規定されてきたことを経緯としてお示ししてございます。
 次に、38ページ目でございます。
 37ページ以降が、それぞれ、がん、重症心不全患者、血友病患者、そして適正な薬学管理の推進についてということで、個別テーマごとに、給付調整に関して御議論をいただく資料となってございますが、まずは、がんからということでございます。
 38ページ目は、介護保険施設におきまして提供可能な医療ということで、麻薬を用いました疼痛管理を行える施設の状況などをお示ししてございます。例えば、介護老人保健施設では、19.5%であったということでございます。
 次に、39ページ目でございます。
 こちらは、介護老人保健施設におきまして、対応可能な状態ということでございまして、悪性腫瘍に伴います疼痛の管理を必要とする患者さんを、自施設で対応できるとした介護老人保健施設が30.2%であったということでございます。
 40ページ目から41ページ目は、第8次医療計画の、がんの医療提供体制に係る概要や、がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針の抜粋でございます。
 42ページ目は、介護保険施設におけるがん治療や、緩和ケアにつきまして、例えば、介護老人保健施設におきましては、外来腫瘍化学療法は、現在、医療保険で算定可能ということでございますけれども、一方で、外来放射線照射診療料、そして、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料が算定できないと、そういう状況を示してございます。
 43ページは、がん疼痛に関するアプローチのイメージ図でございます。
 44から46ページ目が、外来放射線治療、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料の御紹介ということで、それぞれの点数の概要、算定回数などを示してございます。
 47ページ目以降でございます。
 こちらは、障害者支援施設における末期の悪性腫瘍患者さんに対する訪問診療に関する内容でございます。
 49ページ目に、前回御議論いただいた際の主な意見を御紹介してございます。
 配置医師の対応体制に関する御指摘がございましたので、51ページ目に、障害者支援施設におきます配置医師の診療科目や対応の現状について、こちらは新しくお示ししてございます。
 52ページ目以降が、重症心不全患者さんに対する医学的管理についてということでございまして、53ページから54ページでございますけれども、心不全患者さんの現状ですとか、あるいは循環器疾患の患者さんに対する緩和ケア提供体制の在り方に関するワーキンググループ報告書の概要を示してございます。
 55ページ目でございます。
 これは、人生の最終段階において、医療ケアを受けた場所に関する希望ということで、赤囲みをしてございます。ここは、慢性の重い心臓病と診断されたときの結果をお示ししてございます。
 この中でも迎えたい場所といたしまして、介護関係の施設が一定程度選択されていることを示してございます。
 56ページ目でございます。
 こちらは、重症心不全患者さんの終末期における埋め込み型の補助人工心臓による治療の概要を示してございます。
 57ページ目は、植え込み型補助人工心臓による治療に係る診療報酬上の評価の概要を示してございます。
 こちらの診療料でございますけれども、令和3年の5月1日からは、心臓移植不適応の重症心不全患者さんにも適応を拡大されている。いわゆる、デスティネーションセラピーは適用になっているということでございます。
 58ページ目は、埋め込み型補助人工心臓に関する診療報酬の年齢別の算定回数でございまして、65歳以上の患者さんにつきましても増加傾向にあることを示してございます。
 59ページ目以降が血友病患者さんの薬剤についてでございます。
 60ページ目に、血友病の概要。
 61ページ目に、治療方法等についてお示ししてございます。
 62ページ目は、エミシズマブにつきまして、こちらは血友病患者さんの出血傾向を抑制するモノクロナール抗体になりますけれども、当該薬剤の概要と効果を示してございます。
 63ページ目には、左の図に示しておりますように、血友病に罹患している高齢者が一定数存在すること。そして、エミシズマブが成人患者さんに、一定数使用されていることを示してございます。
 64ページ目でございます。
 こちらは、先ほどのエミシズマブとは別に、コンシズマブという血友病患者の出血傾向を抑制するモノクロナール抗体につきまして、こちらは、先月、薬価収載が承認されたことを示してございます。
 65ページ目でございますけれども、この2つの薬剤でございますが、現在、地域包括ケア病棟や療養病棟の薬剤の除外対象や、老健施設や介護医療における給付となる薬剤に含まれていないことをお示ししているところでございます。
 次に、66ページ目以降が、適正な薬学的管理の推進ということでございまして、67ページ目は、老健施設で処方箋を交付することができる場合について、紹介しているものになります。
 68ページ目は、内容が介護保険施設における医療保険の給付の範囲ということでございますけれども、施設の外部の医師が介護老人保健施設の入所者に処方箋を交付した場合に、現状一部の場合を除いて、処方箋料を算定できないことを示してございます。
 69ページ目は、介護老人保健施設、医療院におきまして、医療機関と同様、薬局が処方箋を応需しても、調剤報酬が算定できないとなっていることを示してございます。
 70ページ目は、専門的な診療に特有の薬剤についての紹介。
 71ページ目は、自宅等で療養する患者さんへの緊急訪問の評価について、お示しをするものでございます。
 72ページ目が課題、73ページは論点となってございます。
 73ページ目の論点、括弧が2つございます。「医療機関と高齢者施設等との連携について」ということでございまして、1つ目の○でございますけれども、後段に在支病等において、介護保険施設の求めに応じて協力医療機関を担うことを望ましいとしてはどうかと御提案してございます。
 また、次の○でございますけれども、協力医療機関につきましてということで、次の①、②にあるようなことに関しまして、診療報酬上の評価を行ってはどうかと御提案するものでございます。
 3つ目の○でございます。
 こちらは、ICT等の活用によりまして、協力医療機関の医師が当該入所者の現病歴等の情報を常に確認できる体制を整備することについて、どのように考えるかとしてございます。
 2つ目のテーマ「介護保険施設及び障害者支援施設において医療保険から給付できる医療サービスについて」ということで、ここでは○を2つお示ししてございます。
 1つ目の○に関しましては、先ほど後段で述べましたような、それぞれ疾病であったり、あるいは薬学管理といったものに関しまして、医療保険からの給付を可能にしてはどうかと御提案するものでございます。
 また、最後の○に関しましては、血友病患者に関する医薬品の費用につきましても、包括評価の対象から除外といったことを御提案するものでございます。
 事務局の説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 それでは、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 73ページの論点についてコメントします。
 まず「医療機関と高齢者施設等との連携について」です。
 10月20日の個別事項(その3)の審議の際にコメントしたところですが、協力医療機関であることについては、現在、何の評価もありません。
 しかしながら、日頃から患者さんの病歴などについて、介護保険施設と情報を共有していただくことや、急変時の対応などについて、ICTも活用しながら連携を深めておくことは、質の高い医療提供を可能にするものです。
 したがって、そういった医療機関が行う往診や入院の受入れ等は高く評価されるべきであり、今回の論点に示された内容については、おおむね賛同できるものです。
 ただし、注意が必要な点もあります。まず、1つ目の○については、介護給付費分科会での議論も踏まえ、介護保険施設から在支病等に対して、協力医療機関となるような求めがあった場合でも、どの程度の支援が行えるかは、各医療機関によって様々に異なりますので、あくまでも望ましい要件としておくことが重要です。
 次に、2つ目の○では、協力医療機関が、介護保険施設が開催する会議に参加することが提案されております。
 しかし、会議への参加が求められている診療報酬上の項目は、ほかにもあり、例えば、入退院支援加算1では、年3回以上の連携機関との面会が求められております。
 また、12月6日の総会で感染症(その2)を議論した際には、感染対策向上加算に関して、高齢者施設から感染対策に係る研修等を求められた場合の対応についても、議論したところです。
 そういった研修、会議も今後追加される可能性があることを踏まえると、いたずらに会議の数を増やしても、実効性を損ねてしまう可能性があることへの留意も、現場にとっては重要です。
 3つ目の○とも関連しますが、地域医療情報連携ネットワークなど、ICTも活用しつつ、お互いにとってできるだけ負担の少ない方法で情報を共有しつつ、実効性のある連携の仕組みを検討すべきと考えます。
 次に「介護保険施設及び障害者支援施設において医療保険から算定できる医療サービスについて」です。
 今回示された対応については賛同するところですが、介護保険施設における医療提供については、今回の論点に示された項目に限らず、様々な課題があります。
 したがって、今後も介護保険制度内で評価されるべきこととの区別をしつつ、医療提供が、その役割として位置づけられている施設においては、利用者あるいは施設内の従事者にとって、真に必要な医療行為がきちんと提供され、質が担保されるよう議論することが重要であると考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 ありがとうございます。
 73ページの論点に関して、1つだけ意見をさせていただきます。
 おおむね今回の提案に関しましては、前向きに考えていってよい提案だと思っておりますが、1つ目の論点「医療機関と高齢者施設等の連携について」の2つ目の○の部分に関してです。
 今回、協力医療機関の医師の往診、また、入院の受入れに関して、①、②の下に※印として、いわゆる除外規定として、協力医療機関と介護保険施設が同一法人・関連法人である等の特別の関係にある場合を除くというものが入ってございますが、今回のこの提案に関して、この特別の関係というものを入れるべきかどうかということに関しては、1回検討をする余地があるのではないかと思っております。
 以前から診療報酬上、特別の関係、いわゆる同一法人が開設する施設間の関係に関しては、様々な取扱いが行われてきておりました。
 同一法人の関連施設間の転院における紹介率などを計算から除外するですとか、情報提供に関して、情報提供料の算定を認めないなど、同一法人施設間では意図的にコントロールできる可能性があるということから、いわゆる性悪説に立って制限するという対応だったかと思います。
 しかし、現在は医療、介護、福祉施設での様々な施設間の連携が求められてきておりますし、また、連携の仕方も様々多様化してきております。同一法人ということもあるでしょうし、グループによる法人、また、アライアンスの関係を締結しているような法人間、また、さらに地域医療連携推進法人というものもできてきております。
 地域医療連携推進法人に関しては、この特別の関係を適用しないという形で整理されているかと思っております。
 地域内の医療施設・介護施設などの連携をスムーズにしていくことが様々求められている中、従来の特別な関係にある施設間の連携は、全て性悪説に立って、ペナルティが課されるような悪い関係なのかということは、状況も変わってきておりますので、一度整理すべき時期に来ているのではないかと思います。
 今回の論点の提案内容であります、協力医療機関からの往診ですとか、患者の入院の受け入れに関しては、特別な関係であろうとなかろうと、評価すべき項目であるのではないかと思います。
 一度ここの部分に関しては、御検討いただきたいということでございますし、先ほど述べましたように、今回、医療、介護、福祉の同時改定でもあります。
 地域の医療機関、介護施設、障害施設の連携をより進める観点からも、また、地域の患者にとって何が望ましいのかということも考えて、一度この特別な関係が関係している診療報酬項目に関して、御検討いただければと思っております。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 73ページ目の論点の(2)の1つ目の○に示されている②の介護老人保健施設の高度な薬学管理を必要とする薬剤の処方に係る処方箋発行の費用及び調剤報酬について、発言させていただきます。
 67ページ目に、特定の目的で薬剤を処方する場合、処方箋を交付できることになっており、交付することができる場合が示されていますが、72ページ目の課題の(2)の一番下のポツに示されているように、薬局では処方箋を応需しても、医療保険と介護保険の給付調整の関係で、現状では調剤報酬を算定することができないことになっております。
 ただし、70ページ目にあるように、これらの薬剤は、いずれも、例えば抗悪性腫瘍剤のように副作用といった薬剤の特性だけではなく、透析患者の場合、薬剤の服用方法が非常に複雑になっております。
 また、患者さんの状態によっても、特に安全管理が必要な薬剤であり、専門的な薬学管理を行う必要がありますが、疼痛管理の提供を可能とした老健は19.5%、悪性腫瘍に伴う疼痛の管理に自施設で対応可能とした老健は29.5%となっており、施設と薬局がしっかりと連携して薬学管理を実施していくことが重要で、これらの対応については、調剤報酬の中でも対応していく必要があり、関係する調剤報酬は算定できるように明確化すべきと考えます。
 また、71ページ目の自宅等で療養する新型コロナウイルス感染症の患者さんへの対応については、現状、特例として緊急に訪問した場合の訪問指導については評価されていますが、調剤に関して恒常的な評価はありません。
 高齢者施設においては、患者さんという観点だけではなく、例えば、クラスター対応のように、施設の観点からも対応が必要なことが、今回の新型コロナウイルスへの対応でも分かったことでありますので、将来の感染症対応に備えるためにも、薬局が必要な役割を果たせるよう、高齢者施設との連携をしっかり進めていくためにも、調剤報酬での対応を検討していただくよう、お願いいたします。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。
 私も73ページの論点に沿って、1点だけコメントと質問をさせていただきたいと思います。
 2番目の項目「介護保険施設及び障害者支援施設において医療保険から給付できる医療サービスについて」、ここに挙げられた○の1つ目の項目については、おおむね賛同したいと思います。
 また、2つ目に、さらに包括薬剤の対象に関して、地域包括ケア病棟や療養病床等の包括の範囲から同じように除外していただけることについては、感謝したいと思います。
 その上で、こういう包括薬剤を対象から外す、これまでも少しずつ外れたものもあります。
 ただ一方で、こういう包括払いになっている医療あるいは介護の施設で、もし、それだけでき高になっていれば、その施設に入れるのだけれども、それがあるために、なかなか急性期病棟から受けられないとか、そういうところがあります。
 例えば、神経難病とか、それから、抗がん剤は入っていますけれども、例えば、心不全の急性増悪に非常に有効だけれども、かなり高額の薬剤で、それをもって療養病床等に、あるいは介護施設に入ると、かなり逆ざやに近くなってしまうことがあって、なかなかそれで受けられないというところがあります。
 一方で、これを認めてしまうと、保険医療財政に相当影響があるということも理解できると思うので、その辺は、今後いろいろな高額薬剤が出てきたときに、どこでどうその整合性を図るか、あるいは、こういうルールに基づいて、ここのルールに入ったら、そういうことを包括から外すようにしてはどうかと、少しルールづくりを考える時期に来ているのではないか。
 そうしないと、単発で、これだけ認めよう、これだけ認めようということを、点でやっていっても、なかなかルールができないことがあります。これは、今日結論が出るものではないと思いますけれども、ぜひそういうことを、今後考えていきながら、いかに病病連携を進めていく、あるいは医療施設から介護施設への移行を進めていく、そして、できるだけ効率のいい医療・介護の連携が図れるようにしていくという、そういうことは、大きな流れの中では必要ではないかということで、意見に近いですけれども、もし事務局で、今回、血友病等が外されたことも含めて、一定の事務局の中にルールがあれば、教えていただきたいと思うし、なければ、今後御検討いただければと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 今、池端委員から御質問がございましたが、その件につきまして、事務局いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 御質問ありがとうございました。
 この介護保険施設等に関する入所者に対しまして、医療保険から給付できる医療サービスにつきましては、本日資料を用意しております資料の中で、36ページにありますとおり、これまで医療技術の発展などに伴いまして、徐々にその範囲を拡大してきたところでございます。
 今回の御提案につきましても、例えば、新しく承認されました新薬ですとか、治療法がディスティネーションセラピーに選ばれたりとか、そういった環境を踏まえまして、私どもとしては、これは医療保険からの給付ということで適当ではないかと御提案をしてございます。
 また、これまで御提案する前のプロセスには、当然、老健局と様々な調整、それから実態の把握等を行わせていただいてございまして、私どもとしては、細かく実態を把握し、そして、医療技術の進展も踏まえて、このように御提案する、これは、こういうプロセスを繰り返させていただくものだろうと考えております。
 以上です。
○小塩会長
 池端委員、よろしいでしょうか。
 では、飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
 今ので、少しお伺いしたいのですけれども、今、包括払いであれば、受け入れられないけれども、包括の外であれば、受け入れられるかもしれないという、池端委員の御議論がありましたけれども、今のは、もちろん給付の話なのですが、受入れ側の老健のほうの、例えば技術的な受入れが可能かどうか、そういったところというのは、特に問題はないのでしょうか。
○小塩会長
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 もちろん、例えば包括の医療側であれば、地域包括ケア病床とか療養病床で受けられる、医療の提供できる範囲がありますし、当然、老健なら老健、介護施設なら介護施設のそれぞれ医療提供できる範囲がありますので、もちろん、提供しなくてはいけないような病態、急性期に近い病態では、当然受けられませんけれども、安定してきているけれども、この薬剤が継続しないと、その安定は、例えば神経難病であれば、この高額薬剤を継続していかないと、ADL等々が保てないという方が一定程度いらっしゃるのではないか、そこに対して、こちらに入ると、その薬剤を切らざるを得ないというところがあるというところを、どう落としていくかということになって、もちろん、高額薬剤でも、本当に有効性があるかどうかという、非常にデリケートなところがあって、これは急性期で、その治療をしている先生方の判断になりますので、これを外せると思って外して、特にADL等々が変わりなければ、そこで老健施設等に移れるわけですけれども、それが微妙なところが、やはり幾つかの薬剤であるということ、そういう現実はあるということです。だから医療提供が外れても、この薬剤を外すわけにはいかないところがあるというところだと思います。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 73ページの論点に沿ってコメントいたします。
 まず、1点目の論点でございます「医療機関と高齢者施設等との連携について」でございますが、医療と介護の両方を必要とする高齢者が、ますます今後増加することや、コロナ禍の教訓を踏まえれば、今回の同時改定で強い連携体制を構築することは、非常に意味のあることだと考えております。
 まず、在宅療養支援病院等について、介護保険施設からの求めに応じて、協力医療機関になることが望ましいとする規定の導入については、賛成するものでございます。
 介護保険施設の高齢者に対する基本的な医療は、施設の配置医が対応すべきですが、配置医が対応できない急変時の往診や入院は、当然その対応を考える必要がございます。
 しかしながら、資料の27ページを見てみますと、電話等による相談、これはグラフの青で示されておりますけれども、これは、ほとんどの医療機関が対応可能であるとしている一方で、緊急時の往診、これはグラフの赤で示されておりますけれども、これについては、必ずしも十分とは言えない状況であることが分かります。
 今後、在宅療養支援病院等につきましては、介護保険施設の高齢者が急変したときに対応する役割を積極的に、ぜひ担っていただきたいと思います。
 ただ、協力医療機関だからという理由だけで、診療報酬で評価することには、少し違和感を感じざるを得ません。
 資料の11ページにございます図表18を見てみますと、半数以上の介護保険施設では、緊急時の対応について、協力病院と施設設立時、開設時に確認したのみとなっております。
 診療報酬で評価をするということであれば、論点にも記載がございますけれども、定期的なカンファレンスやICTの活用によって、介護保険施設の高齢者の情報を、協力医療機関の医師が常に各自確認していることを、最低限の条件としていただきたいと思います。
 また、適切な医療が提供されているのか、定期的かつ継続的に状況を把握することも必要だと考えております。
 先ほど、太田委員のほうから、論点にございます、同一法人・関連法人であるものに関してコメントがございましたけれども、改めて議論することの必要性は認めますけれども、現状では除外が妥当だろうと考えております。
 続きまして、2つ目の介護保険施設及び障害者支援施設において、医療保険から給付できる医療サービスにつきましては、論点に示されている内容に異論はございません。
 10月の総会でも発言させていただきましたが、医療保険と介護保険の給付調整は、介護保険施設で対応できない医療行為のみを認めるものであり、先ほど池端委員からもございましたけれども、例えば、高額薬剤であっても、介護保険施設に所属する医師で対応できるものについては、介護保険から給付するという原則は、今後も堅持すべきと考えております。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 私のほうからは1点だけですが、医療機関と高齢者施設等の連携を深めていく方針については賛同いたします。
 先ほど、長島委員からおっしゃってもいただきました、念押しのような形になりますが、ICT化対応については医療に比較し、介護のほうがかなり後れをとっているという認識をしておりますので、現場の混乱を招かぬよう、ICT化に係る支援と並行して進めていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
○小塩会長
 それでは、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 先ほど松本委員から、協力医療機関と介護保険施設の間でも常に確認できる体制が最低の条件とすべきという御意見がございました。これは、将来的には理想的かと思いますが、現状では、そういうことができていないので、これからしっかりと構築していくべきで、ICT等も活用している段階であるので、最低限の条件とするのは、残念ながら現状では、現実離れしていると考えます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 江澤委員、お願いします。
○江澤委員
 今後に向けての課題ですけれども、池端委員も申されましたように、既に老健事業等においても、老健へ高額な薬剤があるがゆえに、入所をやむを得なくお断りされたという事例が徐々に蓄積してきています。
 したがって、特定の薬を服用するから、介護サービスが利用できない、施設サービスが利用できないという事態は、これから85歳以上の高齢者が増える中にあって、医療・介護の複合ニーズを持つ高齢者の方が増える状況下においては、今後に向けて本当に大きな課題だと思います。
 一方で、決して財政影響も小さいわけではないので、いろいろ今後に向けて、ぜひ考えていく課題だということだけ申し上げたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか、よろしいでしょうか。
 それでは、ほかには特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりといたします。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
 ここで一度休憩を挟みたいと思います。先ほど予算の大臣折衝が行われました。令和4年度診療報酬改定の改定率が決定いたしましたので、この総会の最後に議題を追加いたしまして、事務局より改定率の報告を行っていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、本日の最後に「令和6年度診療報酬改定の改定率等について」を議題として追加いたします。
 事務局におかれましては、資料の配付やホームページへの掲載をお願いいたします。
 それでは、一旦休憩といたします。
 
(休  憩)
 
○小塩会長
 それでは、再開いたします。
 続きまして「個別事項(その16)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、個別事項(その16)といたしまして、医療資源の少ない地域、そして有床診療所につきまして、資料総-5を用いまして、御説明をさせていただきます。
 スライド2が目次でございます。
 ページが進みまして、3ページ目から4ページ目が、医療資源の少ない地域に配慮した診療報酬上の評価の概要や経緯を示してございます。
 平成24年度の診療報酬改定で、このような取扱いが導入されて、以後、ここに掲げてありますような措置が行われてきたというものでございます。
 5ページ目から6ページ目は、医療資源の少ない地域に配慮した報酬の算定状況。
 そして、7ページ目から9ページ目が、全国の病院と、医療資源の少ない地域の病院の許可病床数ですとか、あるいは病床機能の分布状況などをお示ししてございます。
 10ページ目が、入院・外来分科会で御議論いただいた際の意見の取りまとめの紹介でございます。
 11ページ目に進ませていただきます。
 医療資源の少ない地域における、こちらは入院に関するヒアリングの結果をお示ししたものでございまして、下に赤囲みをしてございます。自院で回復期リハビリテーション病棟を届出できるほどの患者さんが、周辺地域にいらっしゃらないと、あるいは周辺に医療機関がなく、機能分化ができないということで、急性期も回復期も担う医療機関は、地域包括ケア病棟の自院からの転棟割合の要件を満たすが難しいといった御意見もいただいているところでございます。
 12ページ目は、回復期リハビリテーション病棟入院料の概要でございます。
 13ページ目が、医療資源の少ない地域における回復期リハビリテーションの病床数と、そして、リハビリテーション専門職の人数の関係をお示しするものでございます。
 14ページ目が、地域包括ケア病棟入院料に係る施設基準でございます。
 15ページ目は、全国の地域包括ケア病棟及び医療資源の少ない地域にある地域包括ケア病棟における入院元が、院内の他病棟である患者の割合を示してございます。
 16ページ目は、外来と在宅に関するヒアリングの結果の抜粋を示したものでございます。
 D to P with Nなどの活用に関する御意見をいただいたところでございます。
 17ページ目が、在支診、在支病の施設基準の概要でございます。
 18ページ目は、二次医療圏ごとの在支診、在支病の件数、そして、訪問診療の実施件数の分布等を示してございます。
 19ページ目以降が、D to P with Nに関する資料の紹介でございます。
 それでは、ページを進ませていただきます。
 22ページ以降でございますが、こちらは、対象地域でございます。
 24ページにございますように、二次医療圏につきましては、第8次の医療計画、こういったことが施行されることに伴いまして、必要に応じて見直しの検討を行うこととしてございます。
 25ページのように、一部の都道府県におきましては、見直しが行われる予定でございます。
 26ページにシミュレーションがございます。現時点での見直しの情報を基にということで、直近の統計を用いて、医療資源の少ない地域につきましての結果を示してございます。
 一部の医療機関は、医療資源の少ない地域に該当しなくなるという結果になってございます。
 27ページ目でございます。
 こちらは、医療資源の少ない地域における対応に関する課題と論点でございます。
 論点といたしまして、27ページの下段にございます。
 医療資源の少ない地域における医療提供体制ということでございますけれども、1つ目の○の後段でございますが、集中的な回復期リハビリテーションを要する患者に適切に回復期リハビリテーション医療を提供する方策について、どのように考えるか。
 2つ目の○でございますけれども、これの後段でございますが、自院の一般病棟から転棟した患者さんの割合の実績の評価の在り方について、どのように考えるか。
 3つ目の○でございますけれども、ここはD to P with Nの活用を推進していくことを、どのように考えるかという論点にさせていただいてございます。
 また、対象地域でございますけれども、その下の括弧の1つ目の○でございますが、特に二次医療圏の合併に伴いまして、医療資源の少ない地域に該当しなくなる地域について、どのような対応が考えられるかとしてございます。
 それでは、2つ目のテーマでございます「有床診療所」につきまして、御説明をさせていただきます。28ページ以降となります。
 29ページには、様々な入院料ごとの病床数をお示ししてございまして、有床診療所、左下にございますが、赤囲みをしてございます。
 30ページは、有床診療所の機能のイメージ。
 31ページ目、32ページ目は、令和4年度改定におきまして、有床診の見直しとして掲げられているものにつきまして、イメージでございますが、その中で赤囲みをして、こういう観点での改定が行われたということをお示ししてございます。
 次に、33ページ目が医療施設数、そして病床数の年次推移でございまして、こちらは有床診療所の病床数自体は、減少傾向にあるということを示してございます。
 34ページ目は、有床診療所の病床別の届出病床数。
 35ページ目でございます。有床診療所が地域で果たしている役割といたしまして、専門医療につきましての割合が増えているということをお示しする一方で、在宅介護施設の受け渡しですとか、緊急時対応、在宅医療の拠点、終末期医療、こういった割合が減っていることをお示ししてございます。
 36から38は、有床診療所の入院基本料の概要と算定回数でございます。
 39ページに進んでいただきまして、こちらは診療所における職員配置の状況ということでございます。それぞれ有床診と無床診で分けて、青と赤のグラフでお示ししてございます。
 40ページ目、令和4年度診療報酬改定におきまして、有床診療所一般病床初期加算等につきまして、急性期医療を担う他の医療機関の患者の受入れと、在宅からの患者の受入れを区別して評価をした、こういった改定を行ってございます。
 この際、治療方針に関する患者またはその家族等の意思決定に対する支援を行うことが、算定要件となっていることを示してございます。
 41ページは、当該加算の算定状況でございまして、42ページは、有床診療所におきまして、人生の最終段階における医療ケアの決定プロセスに関するガイドライン等の内容を踏まえました、適切な意思決定に係る指針を策定している割合ということでございまして、42ページの右側の上のグラフにありますとおり、Nは62でありますけれども、約6割の診療所が策定しているということでございました。
 次に、43から44ページは、ガイドラインについてお示してございます。ポイントといたしましては、人生の最終段階というのが、典型的に語られるがんの末期のみではないと、限らないということが示されているところでございます。
 45ページでございます。
 こちらは、平成30年の診療報酬改定におきまして、主に地域医療を担います有床診療所につきまして、地域包括ケアモデル、医療・介護併用モデルが示されたこと、そして、介護サービスを提供している場合の介護連携加算などが申請されていることを示してございます。
 46ページ目が、その加算の算定状況。
 47ページ目に進みまして、介護事業サービスを実施しております有床診療所が、全体の大体4割弱、36.8%でございまして、通所リハビリテーションの実施施設が26.9%であることや、居宅介護支援事業が20.2%あること、訪問リハビリテーションが13.5%であることなどをお示ししてございます。
 次、48ページ目から51ページ目は、有床診療所と介護との連携状況でございます。例えば、地域包括診療料加算については、介護保険制度で主治医の意見書の作成を行っていること等が要件として示されてございます。
 それでは、ページ進みまして、52ページまでお進みください。
 こちらは、在宅医療に係る第8次医療計画見直しにおきまして、在宅医療の提供体制のうち、訪問リハビリテーション、そして訪問栄養食事指導を充実させるために体制整備を行うことが求められていることをお示しするものです。
 52ページで申し上げますと、一番右の下の2つの大矢印と、それから53ページ目は、在宅医療に関する事項の中から、先ほど申し上げました、訪問リハ、訪問栄養食事指導に関するところを抜粋して、お示しをしてございます。
 次、55ページ目以降でございますけれども、こちらは、訪問リハビリテーションの概要。
 57から60ページは、介護保険のサービスも含めておりますが、訪問栄養食事指導の概要となります。
 61ページは、有床診療所におけます、常勤管理栄養士の配置が施設基準となっております、栄養管理実施加算の算定割合と、在宅訪問栄養食事指導料の算定状況でございます。
 62ページ目は、栄養ケア・ステーションと診療所の連携について。
 63から64は、若干また話題が変わりますけれども、医療的ケア児につきましては、レスパイトなどの受入れ体制が求められていること。
 65、66ページに関しては、障害福祉サービスにおける医療型短期入所サービス、こちらの概要を示してございます。
 67ページは、有床診療所におきまして、医療型短期入所の開設を検討している、または開設している割合ということございまして、こちらは6.1%ということでございました。
 次、68ページ目が有床診療所、療養病床入院基本料の概要でございます。
 69ページ、67ページ目は、経過措置についてお示しをするものでございます。
 それでは、論点に移らせていただきます。72ページ目を御覧ください。
 まず「有床診療所について」ということで、3つ○をつけさせていただいてございます。
 1つ目の○でございますが、先ほど資料の説明の中で御説明申し上げました、有床診療所在宅患者支援病床初期加算等につきまして、このガイドラインの内容を適切に踏まえた意思決定支援を推進するために、どのような方策が考えられるか。
 2つ目の○でございます。医療・介護・福祉サービスの中核であります、有床診療所の機能を支援し、有床診療所におきまして、訪問リハ、訪問栄養食事指導、医療型短期入所といったサービスの提供を推進するため、どのような方策が考えられるか。
 最後の○でございます。経過措置につきまして、終了することを踏まえ、どのような方策が考えられるかとさせていただいております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 最初に、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 まず、27ページの医療資源の少ない地域に関する論点についてコメントします。
 最初に、医療資源の少ない地域の医療提供体制についてです。
 1つ目の○の回復期リハビリテーションについて、13ページを見ると、医療資源が少なく、回復期リハ病棟がない地域であっても、リハビリテーション専門職の人数は一定数存在することが分かります。
 しかしながら、11ページのヒアリング結果によれば、集中的なリハビリが必要とされる場合であっても、病棟を届出するほどの患者数がいないという結果が示されておりますので、こういった地域では、きちんとしたリハビリが提供されることを前提に、病棟単位ではなく、病室単位での届出を可能とすることについて、検討してもよいと考えます。
 また、2つ目の○の地域包括ケア病棟についても、11ページのヒアリング結果によれば、周辺に医療機関がなく、機能分化ができないということですので、自院の一般病棟から転棟した患者割合を緩和してもよいのではないでしょうか。
 3つ目の○については、これまでも主張してきたとおり、医療資源等の少ない地域等におけるD to P with Nは、オンライン診療の望ましい活用方法であり、推進していくことに賛同いたします。
 次に「医療資源の少ない地域の対象地域について」です。
 シミュレーションによれば、見直しによって医療資源の少ない地域に該当しなくなる地域もあるとのことですが、次回改定で急に緩和措置から外れても、人材確保が困難である等の事情が変わらなければ、医療機関として成り立たなくなってしまうかと思いますので、経過措置を定めた上で、実態を丁寧にフォローしていくことが必要と考えます。
 続いて、72ページの有床診療所の論点についてです。
 1つ目の○である初期加算と人生の最終段階における意思決定支援については、40ページにあるとおり、前回改定で初期加算の評価を見直した際に、適切な意思決定支援に関する指針を定めていることが、施設基準に追加されたところです。
 ただ、42ページにあるとおり、有床診療所において、人生の最終段階における医療ケアの意思決定支援に係る指針を作成している割合は、6割弱にとどまっています。
 これは、産婦人科や整形外科など、人生の最終段階における意思決定支援が必要とされる場面が比較的多くはなく、専門的な医療を提供する有床診療所があるためだと思われます。
 聞くところによれば、こういった医療機関は、指針の策定とは無関係の医療機関として、初期加算が算定できなくなったという受け止め方がなされたり、あるいは初期加算を請求しても、がん患者ではないという理由で査定されるようになったケースもあるとのことです。
 しかしながら、指針の対象自体は、44ページの注4の記載にあるとおり、がん患者さんに限られるものではありません。したがって、診療科も限定されるものでもありません。
 一方、医療機関側としても、指針を作成する以上は、明らかに支援を必要としない患者さんに対しても、支援を行わなければならないと、重く受け止めている場合があるように思います。
 こういった理解不足が理由となって、有床診療所において、人生の最終段階における医療ケアに係る意思決定の指針が普及していないと考えられますので、まずは、指針の対象は、がん患者さんに限られるものではないこと。また、意思決定支援は支援が必要な患者さんに対して行うものであること。これを明確化することから取り組む必要があると考えます。
 続いて、2つ目の○です。
 有床診療所は、地域における身近な入院施設として、地域包括ケアシステムの中でも様々な役割が期待されており、今回のトリプル改定においても、そのニーズに応じた機能を支援することが重要です。
 そこで、46ページの介護連携加算の仕組みを参考にしながら、第8次医療計画で求められている訪問リハや訪問栄養食事指導の体制整備、あるいは今後もニーズが増加すると見込まれる医療的ケア児への支援に積極的に関わっていく有床診療所の評価を検討すべきと考えます。
 3つ目の○の経過措置については、来年4月以降の対応方針が未定の医療機関は、診療所1施設のみということですので、11月22日の入院(その4)でもコメントしたところですが、最後まで丁寧にフォローをしていただくようお願いします。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。
 私も最後のほうの有床診療所についてですけれども、33ページでも病床数が激減しているということはお分かりかと思いますし、今や有床診療所は絶滅危惧種ではないかというような言い方、あるいは世界遺産に残したほうがいいのではないかと、そういったこともあります。
 ただ、有床診療所は、今、長島委員もおっしゃったように、非常に地域密着型で、非常に頑張っている有床診療所もあります。
 ただ、今、病床を持っているだけで、ほぼ病院と同じような基準をかなり厳しく、どんどん管理栄養士のことも含めてやっていって、持ちこたえようにも持ちこたえられない、しかも1人あるいは2人、少ない医師で支えている場合には、医師も高齢化していて、もう諦めざるを得ないというところが、どんどん増えてきているのは事実だと思います。
 一方で、地域密着型というように、特に医療的なショートステイ等を担えるのは、本当は地域密着型の在宅の医療的ケア児等は、やはり顔なじみの先生方が、そこに1週間同じスタッフに預けていただけることが非常にありがたいし、安心感があるということがあるので、何とかそれを残したいという地域の思いもあると思いますので、ぜひその辺は、もう少し大胆に緩和をして、施設基準を一定程度の緩和をしていただいて、何とか歯止めをしないと、本当に、今、必要なサービス、特に地域密着型の質のサービスが、なかなか提供できなくなっていくのでないかと感じていますので、ぜひその辺御理解いただいて、今、示された内容も、さらに踏み込んだものを含めて、前向きに御検討いただけるといいかなと思います。
 特に45ページにある地域包括ケアモデルの有床診療所、これからは、逆に、こういうところが非常に地域で活躍していただくことが大事ではないかと思っていますので、ぜひそれを進める方向で御検討いただくことに対して、お願いしたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはよろしいですか。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず、医療資源の少ない地域の対応につきまして、27ページの論点に沿ってコメントいたします。
 まず、資料の10ページ、11ページを拝見いたしますと、回復期の患者に適切な医療を提供する観点から、回復期リハビリテーション入院料の届出については、先ほど長島委員からも言及がございましたけれども、病床単位で認めることは、検討の余地があると考えております。
 また、近隣に医療機関がないことが理由で、自院の一般病棟から地域包括ケア病棟に転棟する患者の割合が高くなってしまう事情についても、十分理解できるところであります。
 ただし、資料の15ページを見てみますと、医療資源の少ない地域においても、自院の他病棟から転棟する患者の割合が6割未満の施設も一定程度あることも分かります。医療資源の少ない地域であることだけで施設基準を緩和することがないようにはしていただきたいと考えます。
 次に、19ページに御紹介のあります、D to P with Nの活用についてでございますが、在宅療養支援診療所が少ない地域において、限られた医療資源を効率的に活用する観点からも、ICTを活用することで、質が担保でき、往診と同等の効果が得られるのであれば、これは推進すべきであると考えております。
 続きまして、有床診療所について、72ページの論点に沿ってコメントいたします。
 まず、人生の最終段階における意思決定支援につきましては、資料の35ページを見てみますと、有床診療所が地域で果たしている役割として、終末期医療の拠点の割合は、やや減っているものの、依然として2割を超えております。
 引き続き、高齢者が増加する中で、意思決定支援を推進する観点から、指針の策定にとどまらず、意思決定支援の実績を初期加算の施設基準として広く求めることも考えられると思います。
 次に、有床診療所のほかの機能について見てみますと、資料の47ページでは、訪問リハビリテーションの実施が13.5%、61ページ目に目を移しますと、訪問栄養食事指導の算定が31.4%、67ページに移りますと、医療型短期入所の開設が6.1%となっております。
 資料の30ページに示されているとおり、有床診療所が医療・介護・障害福祉サービスの中核としての役割を推進するのであれば、有床診療所入院基本料の施設基準として、これらのサービスを位置づけてはどうかと考えるところでございます。
 最後に、69ページにございます、有床診療所の療養病床の人員配置基準の経過措置につきましては、医療法施行規則の経過措置が今年度末で切れることに併せて、廃止すべきでございます。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 私からは、27ページの論点について、2点ほど発言をしたいと思います。
 まず、医療資源の少ない地域における医療の提供の3つの論点については、患者への医療提供の機会や、量、質を担保するため、推進、充実する必要があると考えます。
 また、対象地域については、第二次医療圏の合併に伴い該当しなくなる地域ということで、医療機関のアクセスなど、状況を詳しく分析した上で、医療資源の少ない地域として、地域を示して例外対応をするなど、考えてもいいのではないかと考えております。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 高町委員、お願いいたします。
○高町委員
 ありがとうございます。
 在宅の医療的ケア児の推計値は約2万人で、現在も増加傾向にあるということですから、医療的ケア児とその家族への支援強化に向けて、有床診療所においても障害者福祉サービス等との連携強化に向けての手立てが必要なのではないかと思います。
 資料によりますと、医療的短期入所を希望されている方や、その家族の調査で、医療的ケアは安全に実施してもらえそうだからという理由で、事業所を選んでいる人が多いようですので、やはり安全を確保するということは大切なことだと思います。
 これらの施設は、規模的には小さいのかもしれませんけれども、だからこそ、連携ということが非常に大切になってくるのではないかと思います。安全で切れ目のない医療的ケアを可能にするように留意して、これからも増加していく医療的ケア児や、その家族への支援強化につなげていただきたいと思います。
 ありがとうございます。以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 先ほど、松本委員から有床診療所のことで、意思決定のところの実績の要件化あるいは今後求められる各種サービスの要件化というお話もございました、お気持ちはよく分かるのですけれども、これから底上げの段階でございますので、そういった現実も十分御理解いただければと思います。
 よろしくお願いいたします。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 私も言い足らなかったところを、1点だけ追加したいと思います。
 松本委員からも、有床診療所に管理栄養士の指導とか、訪問リハビリを機能として入れてはどうかと、総論としては、私もそう思うのですけれども、実態として、では、診療所に管理栄養士を配置する、リハ職を配置するということは、なおさら、かなりハードルが高くなってしまうので、これは、もう少し使いやすい方法で、そこで提供できる方法がないか。例えば、今、資料の62ページに「栄養ケア・ステーションと診療所の連携」とありますけれども、ここにありますように、まだまだ契約の締結仕方が非常に難しくて、以前ここでも一度発言をさせていただきましたけれども、もう少し簡便に随時契約をして、そして、診療所からの契約で算定もできるということを考えていかないと、なかなかこれは進まないと思いますし、その辺は、もう少し技術的に簡便にする方法を併せて検討しながら、この有床診療所に生かしていただく方法を、リハスタッフについても、場合によっては、地域のリハビリテーション支援センターとかがありますが、そことの連携ができないかとか、あるいは次のところでありますように、リハスタッフが多い回復期の病院からの派遣をできないかとか、そういうことも含めて、合わせ技でいかないと、なかなか有床診療所は生きてこないと思いますので、少しそういうテクニックも御検討いただきながら、有床診療所を少しでも生かしていただく方法を検討していただきたいと思います。
 もう一点、私も言いました医療的ケア児のショートステイは、非常に重要なのですけれども、普通の病院でも医療的ケア児のショートステイは、物すごく大変なのです。やはり、お母さん方の不安もありますし、受けるほうも、特にいろいろな医療機器がついた状態で受けることになって、病院でも大変なところを、さらに有床診療所の少ないスタッフでそれを診るというのは、実は物すごくハードルが高いと思うので、相当思い切った加算とか、そういうことをしないと、なかなか進んでいかないことも事実だと思いますので、その辺も併せて御検討いただければと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 まず、茂松委員、お願いいたします。
○茂松委員
 ありがとうございます。
 やはり我が国は、皆保険をとりまして、本当に津々浦々、過疎地におきましても入院医療、外来医療ができるといった状態をとっておりました。
 その中で、やはり有床診療所というのは、非常に有効活用されてきたわけですが、やはり医療費の抑制策といったところでは、なかなか有床診療所だけで経営をしていくことは非常に難しいという中で、いろいろあれもこれも活動せよと言っても、なかなかできない状態がございます。
 今後、かかりつけ医機能を評価していく中では、有床診療所は、本当に活用できるいい診療所であると思いますし、先ほど長島委員が言われましたように、やはり今がその体制づくりといったところで、再度強化をしていただければなと思っております。
 我が国の医療を考えたときに、有床診療所は、本当に重要な診療所であったと思いますし、これを再度活用していくことは、非常に重要であることを申し述べます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 続きまして、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
 ありがとうございます。
 45ページの資料に、専門医療提供モデルと地域包括ケアモデルが示されておりまして、それぞれに応じて医療機能を発揮しているところでございます。
 特に、地域包括ケアモデルにおいては、医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者に十分対応しておりますし、したがいまして、長期間診ている患者さんが多くて、かかりつけ医からすれば、よく分かっている患者さんが多いというのが特性でございます。
 その点において、44ページに「人生の最終段階について」とありますけれども、長島委員も、がん末期に限らないということは、強くおっしゃったところですけれども、こういった中で、そこにありますように、やはり医師による医学的妥当性と適切性を基に判断というのがございまして、やはり人生の最終段階かどうかというのは、まずは医師の判断が非常に重要であって、その後に医療ケアチームとの合意形成を進めていくということだと思いますから、その辺りの医師の判断というのは、極めて重要であるということは申し上げたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはよろしいでしょうか。
 飯塚委員、お願いします。
○飯塚委員
 ありがとうございます。
 28ページの医療資源の少ない地域に関する議論で、経済学的によく議論がありますものを少し御紹介したいのですけれども、まず、市場の規模とサービスの専門化、細分化というのは非常に関係していると議論がありまして、市場が広がっていきますと、専門特化、機能特化が起こると。
 我が国の今の医療提供体制を考えますと、まず、地方都市においては、今後急激な人口減少が起こるということで、専門的なサービスというのが非常に成り立ちにくくなると思われます。
 そういった地域では、この論点にありますように、機能分化よりも、より広く機能を持つ医療サービスというのが、今後、恐らく必要になってきて、そういったものを促す診療報酬を考えていくことが必要かなと考えます。
 関連しまして、医療資源の少ない地域の基準ですけれども、26ページにございますけれども、1つは、医師の人口対比で定義されていると理解したのですが、今、申し上げたように、そもそも人口が少ない場合というのは、機能分化、専門化というのは非常に難しくなるということですので、こういった議論に、ぜひ人口規模も定義に含めてお考えいただいたらいいのではないかなと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかに御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、ほかに御質問等、特にないようですので、本件に係る質疑はこのあたりといたします。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
 続きまして、個別事項(その17)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、個別事項(その17)、テーマといたしましては、短期滞在手術等基本料、データ提出加算、これらにつきまして、中医協資料総-6を用いまして、御説明をさせていただきます。
 スライド2が目次でございます。
 それでは、3ページ目からでございますけれども、こちらが短期滞在手術等基本料等についての資料になります。
 4ページ目が、短期滞在手術等基本料1及び3の包括項目も含めた概要でございます。
 5ページ目は、短期滞在手術等基本料も含めた手術の算定方法の全体像。
 6ページ目が、DPCの算定ルールとの関係性をお示ししたものでございます。
 7ページ目、8ページ目が、令和4年度の診療報酬改定の概要でございまして、短期滞在手術等基本料1について、評価及び要件の見直し、対象手術の拡大、短期滞在手術等基本料2につきましては廃止、そして、短期滞在手術等基本料3につきましては、対象手術等の拡大を行ったところでございます。
 9ページ目が、いわゆる短期滞在手術等基本料1の対象手術等の一覧。
 10ページ目が、3の対象手術等の一覧でございます。
 ページは進みます。11ページ目からでございますが、短期滞在手術等基本料について、12ページ目が、短期滞在手術等基本料1の年次推移でございます。
 それから、13ページ目、14ページ目が、対象手術等の各区分ごとの算定回数と入院外での実施割合を示してございまして、対象手術によりまして、入院外での実施割合にばらつきが見られるということでございます。
 15ページ目、16ページ目でございます。
 こちらは、病院における対象施設等の各区分ごとの算定回数と入院外での実施割合をお示ししてございまして、一部の対象手術等で全医療機関と比較しまして、病院における入院外での実施割合が低くなっているということでございます。
 17ページ目でございます。
 こちらは、DPCの特別調査の抜粋でございまして、設備やスペースの問題で、1日入院として実施する場合があるという実態を聴取しているということもお示ししてございます。
 18ページ目、19ページ目でございます。
 病院におきまして、短期滞在手術等基本料1の対象手術が、こちらは1日入院として実施される例が一定程度見られるということをお示ししてございます。
 次に、20ページ以降が、短期滞在手術等基本料3についてでございます。
 21ページ目が、基本料3の算定実績の年次推移でございまして、同様の資料構成になってございます、22ページ目から24ページ目が、対象手術ごとのデータでございます。
 多くの手術につきまして、令和2年度と比較いたしまして、令和4年度に平均在院日数が短縮していたということが、実態としてお示しできているかと思います。
 25ページに課題と論点をまとめてございます。
 論点のみ説明をさせていただきますが、2つ○がございます。
 短期滞在手術等基本料1の対象手術等の入院外での実施状況のばらつきや病院での実施状況を踏まえまして、一定程度治療法が標準化され、入院外での実施が期待される手術等の評価の在り方についてどのように考えるか。
 2つ目の○でございます。こちらは、3の対象手術等の年次推移も踏まえまして、一定程度治療法が標準化され、短期間で退院が可能となる手術等の評価の在り方について、どのように考えるかとさせていただいております。
 それでは、2つ目のテーマでございます。「データ提出加算について」でございます。
 28ページ目を御覧いただけますでしょうか。
 こちらは、データ提出加算の現状等についてということでございますが、まずはデータ提出加算の概要を28ページ目に示してございまして、29ページ目に、施設基準をお示ししております。
 30ページ目、31ページ目は、令和4年度の改定の内容も含めたデータ提出加算の届出を要件といたします、入院料の拡大の経緯でございます。
 次に、32ページ目でございますけれども、こちらは、届出医療機関数の推移。
 そして、33ページ目が、届出医療機関の割合でございます。
 32ページを御覧いただければ分かりますとおり、データ提出加算を届け出ていらっしゃる医療機関数は、どんどん増えてきてございます。
 また、33ページでお示ししますとおり、令和4年7月時点で、全病院の約7割が届出を行っている状況でございます。
 34ページは、いわゆるDPCデータの概要でございます。
 35ページ目が、その中の様式1と言われるものの概要でございますけれども、こちらを御覧いただきますと、もともとDPCの様式から発生しているものでございますので、急性期を中心としていたものでございますが、その後、様式に様々項目が加わってまいりまして、急性期以外の病棟での入力を想定した項目も含まれているということでございます。
 36ページ目でございます。
 こちらは、栄養関連のデータ項目でございますけれども、栄養管理に係る御議論をいただいた回においても、御審議をいただいたところでございますけれども、栄養管理に関してどのように扱うかということも、今改定における議論の項目となってございます。
 37ページ目から39ページ目は、データ提出加算の届出が要件となっていない入院料における届出の状況をお示ししてございます。
 次に、2-2でございます。こちらはデータ提出加算の評価でございますけれども、40ページ目からでございますが、41ページ目にございますとおり、提出データ評価加算は、作成するデータの質を未コード化傷病名の割合の観点で評価する趣旨で、平成30年度の改定で新設されたものでございます。
 そして、42ページ目にございますとおり、令和2年度の改定におきましては、未コード化傷病名の割合の実態を踏まえまして、200床未満の施設で算定可能としたということでございます。
 43ページ目が、提出データ評価加算の算定状況を示してございまして、44ページ目が、平成29、30年度のデータ提出加算2を算定する施設の未コード化傷病名の使用状況。
 45ページ目、46ページ目は、令和5年3月時点での使用状況でございます。
 病床数によらず、ほとんどの医療機関におきましては、基準を満たしているという現状でございます。
 それでは「2-3.新規に入院基本料を届け出る場合等の取扱いについて」ということでございます。
 48ページ目にございますとおり、データ提出加算を実際に算定するまでには一定の期間が必要となります。
 こうしたスケジュールを踏まえまして、49ページ目にございますとおり、令和2年度の改定におきましては、急性期一般入院料7につきまして、新規に入院基本料の届出を行う場合や、データ提出の遅延等の累積によりまして、当該加算が算定できなくなった場合に、1年に限っては、データ提出加算の届出を行っているものとみなすこととしてございますが、同じくデータ提出加算の要件となっている地域一般入院基本料や、療養病棟入院基本料につきましては、規定がないという状況でございます。
 51ページに、課題と論点をまとめてございます。論点のみ御説明させていただきます。
 3つございまして、データに基づくアウトカム評価を推進する観点からということでございますが、データ提出に係る評価及びデータ提出を要件とする入院料の範囲についてどのように考えるか。
 2つ目の○でございます。提出データ評価加算の取扱いについて、未コード化傷病名の割合に係る現状も踏まえ、どのように考えるか。
 3つ目の○でございます。データ提出加算の届出を要件としている地域一般入院基本料及び療養病棟入院基本料を新たに届け出る場合等の取扱いについて、急性期一般入院基本料における取り扱いを踏まえ、どのように考えるかとさせていただいてございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、お願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 最初に、25ページの短期滞在手術等基本料に関する論点についてコメントします。
 1つ目の○の短期滞在1については、今回の資料において、短期滞在1の算定回数等が増加し、入院外での実施割合が多い手術等が顕著になってきたということが示されており、これをどう解釈するのかが1つのポイントになります。
 短期滞在1については、これまでの診療報酬改定において、入院外、すなわち外来または短期滞在1で実施することが期待できる手術等は、医療の質の向上と効率化を目指す中で、できるだけ入院外で実施することを促してきたというのが大きな流れであったと思います。
 したがいまして、今後もそういった観点をしっかり念頭に置いた上で、必要な検討を重ねていく必要があると考えております。
 2つ目の○の短期滞在3については、令和2年度と比較して、令和4年度において、さらに平均在院日数が短縮している傾向が示されております。
 これまでの改定では、こうした短縮の結果を踏まえて、点数の削減がなされてきたところであり、実態を踏まえた改定を行っていくことは必要です。
 しかし、現場では、点数が削減されたことで、経営面から入院日数を減らさざるを得ない状況になり、その結果、改定のたびに平均在院日数が短縮し、さらに点数が引き下げられるという負のスパイラルに陥るのではないかということも危惧されております。
 また、対象患者の中には、困難な全身麻酔が必要とされている重症例などもいらっしゃり、それらが全て同じ包括対象となっていることで、現場に負担がかかる場合もある懸念もあります。
 こうしたことを踏まえれば、過度な適正化を進めることによって、医療の質が下がらないよう、実態を十分に配慮した検討が必要であると考えます。
 続いて、51ページのデータ提出加算についてです。
 1つ目の○であるデータ提出を要件とする入院料の範囲について、今回の資料では、37ページ以降に精神科の入院料が幾つか示されておりますが、データの提出は極めて低調です。
 これは、様式1の内容が精神科の内容に合致していないということ、あるいは電子カルテの導入が困難であり、進んでいないということが、理由としてあるのかもしれませんが、現状を踏まえれば、要件化については、経過措置を十分に確保するなど、丁寧に検討することが必要と考えます。
 3つ目の○については、データ提出加算の届出が要件化されている入院料が拡大している中で、特に最近のサイバー攻撃によって、データの提出が遅延してしまうと一気に特別入院基本料に転落してしまい、病院の運営にとって致命的な損害となります。
 こうした場合、現状では急性期一般入院基本料のみ、救済措置が設けられておりますが、その他の入院料であっても、データ提出が要件化されている入院料であれば、同様に丁寧な救済措置が講じられるべきと考えます。
 また、新規に保険医療機関を開設する場合の特例についても、データ提出を要件化することの裏返しとして、同様の扱いとすることは当然のことだと考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはよろしいでしょうか。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず、短期滞在手術等基本料について、25ページの論点に沿ってコメントいたします。
 まず、資料の13ページ、14ページを見てみますと、短期滞在手術等基本料1の対象になっているものの中でも、入院外での実施が既に進んでいるもの、進んでいないもの等、論点にもありますとおり、ばらつきが見られております。
 患者の立場からいたしますと、可能な限り入院外に実施することが望ましいとは思いますので、入院から入院外への移行が進みますよう、基本料の取扱いを少し変える余地はあるのではないかと思います。
 次に、短期滞在手術等基本料3につきましては、22ページから24ページの資料を見てみますと、多くの技術で平均在院日数が短縮しておりますので、実態を踏まえて評価は見直していくべきだと考えます。
 続きまして、データ提出加算について、51ページの論点に沿ってコメントいたします。
 この加算で収集するデータは、診療報酬の議論において非常に重要ですので、データ提出を要件とする入院料の範囲は、可能な限り拡大すべきと、まず考えております。
 提出データ評価加算については、資料の45ページから46ページを見てみますと、データ提出加算2イ、2ロともに、ほぼ全ての医療機関が基準値を満たしておりますので、加算として評価する必要性が乏しく、役割は終えたものとして廃止すべきと考えます。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかはよろしいでしょうか。
 それでは、ほかには特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりといたします。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
 続きまして、追加議題といたしまして「令和6年度診療報酬改定の改定率等について」を議題といたします。
 事務局より資料が提示されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、追加議題につきまして、中医協資料総-7を用いまして御説明させていただきます。
 本日、午前中に大臣折衝が行われました。その結果、この診療報酬改定につきまして、以下のような内容で改定率が示されたということで、その内容を御報告させていただきます。
 1ページでございますけれども、上の2行は飛ばさせていただきまして、次に、令和6年度診療報酬・薬価等改定は、医療費の伸び、物価・賃金の動向、医療機関等の収支や経営状況、保険料などの国民負担、保険財政や国の財政に係る状況を踏まえ、以下のとおりとする。(1については令和6年6月施行、2については令和6年4月施行(ただし、材料価格は令和6年6月施行))となってございます。
 その下、1ポツでございます。診療報酬は、+0.88%でございます。
 その下に※で1、2、3、4とございます。
 1でございます。うち、この※の2から4除きます改定分といたしまして、+0.46%。
 各科改定率は、医科が+0.52、歯科が+0.57、調剤が+0.16、それぞれ%となってございます。
 40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者の賃上げに資する措置分ということで、+0.28%程度を含むというもので、お示しをいただいてございます。
 次に、※の2でございます。うち、看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種(上記※1を除く)につきまして、令和6年度にベア+2.5%、令和7年度にベア+2.0%を実施していくための特例的な対応ということで、+0.61%。
 ※3でございます。うち、入院時の食費基準額の引上げ(1食当たり30円)の対応(うち、患者負担については、原則、1食当たり30円、低所得者については、所得区分等に応じて10~20円)、これで+0.06%。
 そして、4でございます。うち、生活習慣病を中心とした管理料、処方箋料等の再編等の効率化・適正化で▲0.25%でございます。
 この1から4のそれぞれのパーセンテージを足し合わせていただきますと、冒頭の0.88という数になると承知をしてございます。
 2ページでございます。薬価等です。
 ①、②とございまして、薬価▲0.97%。
 ②材料価格▲0.02%。
 合計、▲1.00%。
 イノベーションのさらなる評価等として、革新的新薬の薬価維持、有用性系評価の充実等への対応を含む。
 急激な原材料費の高騰、後発医薬品等の安定的な供給確保への対応として、不採算品再算定に係る特例的な対応を含む。(対象:約2,000品目程度)。
 イノベーションのさらなる評価等を行うため、後述の長期収載品の保険給付の在り方の見直しを行う。
 3ポツでございます。診療報酬・薬価等に関する制度改革事項でございます。
 上記のほか、良質な医療を効率的に提供する体制の整備等の観点から、次の項目について、中央社会保険医療協議会での議論も踏まえて、改革を着実に進める。
 ポツが2つございます。
 ・医療DXの推進による医療情報の有効活用等。
 ・調剤基本料等の適正化。
 加えて、医療現場で働く方にとって、令和6年度に2.5%、令和7年度に2.0%のベースアップへと確実につながるよう、配分方法の工夫を行う。あわせて、今回の改定による医療従事者の賃上げの状況、食費を含む物価の動向、経営状況等について、実態を把握する。
 4.医療制度改革。
 長期収載品の保険給付の在り方の見直しとして、選定療養の仕組みを導入し、後発医薬品の上市後5年以上経過したもの、または後発医薬品の置換率が50%以上となったものを対象に、後発医薬品の最高価格帯との価格差の4分の3までを保険給付の対象とすることとし、令和6年10月より施行する。
 また、薬剤自己負担の見直し項目である「薬剤定額一部負担」「薬剤の種類に応じた自己負担の設定」「市販品類似の医薬品の保険給付の在り方の見直し」について、引き続き検討を行う。
 このように示されたものでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 まず、事務局におかれましては、いち早い報告をどうもありがとうございました。
 今回の診療報酬改定につきましては、そこの資料にもございますが、医療費の伸び、物価賃金の動向、医療機関等の収支や経営状況、保険料などの国民負担、保険財政や国の財政に関わる状況に加えまして、医療保険部会、医療部会、さらには中医協での議論を反映されたものと受け止めております。
 今後は、ここに示されております個々の項目の方向性、あるいは改定率を踏まえまして、中医協の議論を踏まえて答申につなげていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 今回の診療報酬改定の発表を受けまして、今後もしっかりと中医協の議論を務めさせていただきます。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、ほかに御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
 次回以降、この改定率も踏まえて、診療報酬改定の個別項目の議論を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
 それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

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