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2023年12月13日 中央社会保険医療協議会 総会 第572回議事録

○日時

令和5年12月13日(水)薬価専門部会・費用対効果評価専門部会 合同部会終了後~

○場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8F

○出席者

小塩隆士会長 飯塚敏晃委員 笠木映里委員 永瀬伸子委員 本田文子委員 安川文朗委員
鳥潟美夏子委員 松本真人委員 佐保昌一委員 高町晃司委員 眞田亨委員 鈴木順三委員 
長島公之委員 茂松茂人委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 太田圭洋委員 林正純委員 森昌平委員
木澤晃代専門委員 上田克彦専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他


○議題

○レケンビに対する費用対効果評価について(案)
○新医薬品の薬価収載について
○最適使用推進ガイドラインについて
○医療機器及び臨床検査の保険適用について
○DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について
○最適使用推進ガイドラインについて(報告)
○先進医療会議及び患者申出療養評価会議からの報告について
○DPC/PDPS における新型コロナウイルス感染症等を踏まえた対応について
○「令和6年度診療報酬改定の基本方針」について
○令和6年度診療報酬改定への意見について(公益委員案の提示)

 

○議事 

【前半】
○小塩会長
 おはようございます。ただいまより、第572回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は末松委員、岡本専門委員が御欠席です。
 本日の総会につきましては、先ほど開催されました合同部会でも議論のございましたレケンビ等に関する議題をまず審議いたします。それで一度総会を中断いたします。その後、薬価専門部会、費用対効果評価専門部会を開催した後に、改めて総会を再開して、そのほかの議題の審議を行いたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、最初に「レケンビに対する費用対効果評価について(案)」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局、医療技術評価推進室長でございます。
 「レケンビに対する費用対効果評価について(案)」について、総-1を用いまして、御説明させていただきます。
 先ほどの薬価専門部会、費用対効果評価専門部会の合同部会で御議論いただいた内容と重複する内容でございます。
 まず、最初にございますが、まとめになります。読み上げさせていただきます。
 レケンビ点滴静注200mg及び同500mg(レカネマブ(遺伝子組換え)製剤)の薬価収載に当たっては、本剤が令和4年度薬価制度改革の骨子(令和3年12月22日中医協了解)の「4.高額医薬品に対する対応」における高額医薬品に該当する品目であることから、薬価算定の手続に先立ち、中医協において薬価算定方法等の検討を行った。
 本剤の費用対効果評価については、認知症に対する治療薬であり、介護費用の軽減に資する可能性があること、市場規模が大きくなる可能性があることから、既存のルールを基本としつつ、費用対効果評価をより活用するため、特例的な対応を行うことが適切である。そのような観点で、本剤に対する費用対効果評価については、以下のとおり取り扱うこととする。
 「1.価格調整範囲に係る対応」でございますが、費用対効果を、より活用していく観点から、有用性系加算等を価格調整範囲とする現行の方法ではなく、以下の方法で価格調整を行う。
 「(1)価格調整の方法について」でございますが、費用対効果評価の結果、ICERが500万円/QALYとなる価格と見直し前の価格の差額を算出し、差額の25%を調整額とする。
 ICERが500万円/QALYとなる価格が見直し前の価格より高い場合は、見直し前の価格に調整額を加えたものを調整後の価格とする。
 ICERが500万円/QALYとなる価格が見直し前の価格より低い場合は、見直し前の価格から調整額を減じたものを調整後の価格とする。
 引上げ条件については、現行の規定を適用する。
 「(2)調整後の価格の上限、下限について」。
 価格が引上げとなる場合には、価格調整後の価格の上限は、価格全体の110%(調整額が価格全体の10%以下)とする。
 価格が引下げとなる場合には、調整後の価格の下限は、価格全体の85%(調整額が価格全体の15%以下)とする。
 次に「2.介護費用の取扱いに係る対応」でございます。
 介護費用については、製造販売業者が介護費用を分析に含めることを希望した場合には、「中央社会保険医療協議会における費用対効果評価の分析ガイドライン」に則って、分析を行うこととする。
 介護費用を分析に含めた場合と含めない場合について、製造販売業者が提出する分析を元に公的分析が検証、再分析を行った上で、専門組織で検討し、介護費用を含めた場合と含めない場合の総合評価案を策定する。その後、中央社会保険医療協議会総会で議論し、費用対効果評価の結果を決定するとまとめさせていただいております。
 事務局の説明は以上となります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして「医薬品の新規薬価収載等について」、それから「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。
 この2件につきましては、関連する内容ですので、まとめて審議をお願いいたします。
 本日は、薬価算定組織の前田委員長にお越しいただいております。
 前田委員長より御説明をお願いいたします。
○前田委員長
 薬価算定組織の委員長の前田です。
 私から、今回検討いたしました新医薬品の算定結果について、御報告いたします。
 資料中医協総-2-1を御覧ください。
 今回報告する新医薬品は、1ページの一覧表にありますとおり、2成分3品目です。
 それでは、算定内容について御説明いたします。
 1品目目のフェトロージャ点滴静注用です。
 資料総-2-1の2から3ページを御覧ください。
 本剤は、カルバペネム耐性グラム陰性菌による感染症に対する治療薬であり、緊急収載品目となっております。
 本剤は、レカルブリオ配合点滴静注用を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
 本剤は、初のシデロフォアセファロスポリン系抗菌薬であること、非臨床試験において既存治療薬に非感受性の菌株に対する抗菌効果が示されていることなどから、有用性加算(Ⅰ)の35%加算を適用することが適当と判断いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は、1g1瓶、2万203円となりました。
 次に、2品目目のレケンビ点滴静注について、説明をいたします。
 資料総-2-1の4から6ページを御覧ください。
 本剤は、アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制を効能・効果とし、令和5年11月15日に中医協にて了解されました「高額医薬品(認知症薬)に対する対応について」に基づき、通常どおりの算定方法で検討し、原価計算方式により算定いたしました。
 本来は、本剤はミクログリアによる食作用を介した可溶性アミロイドβプロトフィブリル除去作用を有する新規作用機序医薬品であること、臨床試験では臨床的に意義のある有効性が示され、既存の治療方法で効果が不十分な患者群においても効果が認められたこと、初めて認知症の進行抑制が認められた薬剤であることなどから、有用性加算(Ⅰ)の45%加算を適用することが適当と判断いたしました。
 なお、製造販売業者より、本剤は加算の要件①-c及びd、②-1aを満たすことから、画期性加算に該当する旨の不服意見がございました。
 それを受けまして、算定組織で検討した結果、本剤以外に、アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制の適応を有する薬剤が収載されていること、本剤の効能・効果は、アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制であり、重度の進行度の範囲を対象としていないこと、本剤の臨床試験において、認知症の進行抑制効果が認められたことについては、加算要件③-eで既に評価していること、本剤休薬後の効果の維持については、臨床試験での示唆にとどまること、また、現時点では、これまで検討の対象としていなかった介護費用などの軽減から臨床上の有用性を評価し、薬価に反映させることが困難であり、現時点では、企業の主張する内容の妥当性が判断できないことなどを踏まえ、加算要件①-c及びd、②-1aには該当せず、画期性加算の要件は満たさないと判断いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は、汎用規格で、200mg2mL1瓶、4万5,777円となりました。
 以上で、私からの説明を終わります。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 引き続き、事務局から補足と説明をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 まず、資料総-2-1につきまして、補足説明をさせていただきます。
 1品目目のフェトロージャ点滴静注用は、薬剤耐性菌、AMRに対する抗菌薬です。
 本剤は、11月27日の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において承認が了承され、11月30日に承認されており、先ほど前田委員長の説明にありましたように、今般、緊急収載するものでございます。
 2品目のレケンビ点滴静注は、薬価算定と関連する内容の資料が複数ございますので、順に御説明いたします。
 まず、同じ資料の7ページを御覧ください。「レケンビ薬価算定 概要」でございます。
 本剤の算定方法につきまして、先ほど原価計算方式でという説明もありましたけれども、まず、申請者からは、類似薬効比較方式として、ビンダケルカプセルとタイサブリ点滴静注の2つを最類似薬として算定する主張がありました。
 したがって、算定方式の検討では、申請者の主張する薬剤と、アルツハイマー病に関する効能・効果を有する既収載品目における類似性が検討されました。
 資料に記載しているとおり、①、本剤は新規作用機序を有する抗体医薬品であること。
 ②、アルツハイマー病に関する薬剤としては、高額医薬品の議論を行う際にお示ししましたけれども、アリセプトなど、複数の既収載品目がありますが、いずれも化学合成品であること。また、効能・効果は、「認知症症状の進行抑制」であり、本剤の認知症そのものの進行抑制とは、臨床上の位置づけが異なると考えられること。
 ③、申請者の主張した薬剤は、両方とも中枢神経系に作用することは同様ですが、資料の参考の表に示しているとおり、通常、こちらに記載している、イ、ロ、ハ、ニ、4つの観点から類似性を判断していますが、あまり類似性がある観点がなく、本剤との類似性があるとは言い難いものでした。
 したがいまして、本剤の最類似薬は「なし」、原価計算方式での算定が適切と判断されたものでございます。
 次に、同じページの下の○の「原価計算方式による算定」を御覧ください。
 算定に当たっては、申請者からの提出資料に基づき、製造経費、臨床試験に係る経費等の費用を基に原価が算定しされました。
 本剤には、2つの規格がありますが、汎用規格としては200mg製剤としております。
開示率が高かったため加算係数は1.0となります。
 次に、8ページ目の最初の「補正加算」を御覧ください。
 先ほど委員長から御説明のあったとおりであり、概要は、こちらの資料にも書いておりますが、有用性加算(Ⅰ)となり、加算割合は45%の加算となりました。企業主張が評価されなかった点も参考として記載をしております。
 次に、9ページ目の「市場規模予測」を御覧ください。
 本剤の対象疾患となる「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症」の推定有病者数は多いものの、本剤の投与に当たっては、最適使用推進ガイドラインにより、投与対象患者、使用できる医師・医療機関を定めるため、申請者の推計では、実際に投与される患者数は限定的になるものと推計されております。
 市場規模は、最適使用推進ガイドラインの要件も関係しますので、まず、先に最適使用推進ガイドラインの資料につきまして説明をさせていただきます。
○中井医薬品審査管理課長
 医薬品審査管理課長でございます。
 資料総-3-1、レカネマブ最適使用推進ガイドラインを御説明申し上げます。
 レカネマブは、8月21日の薬食審の医薬品第一部会などを経て、9月25日に「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽症の認知症の進行抑制」を効能・効果として、承認されてございます。
 資料の4ページから10ページに、臨床試験成績がありますけれども、有効性については、主要評価項目である治験薬投与後18か月におけるCDR-SBのベースラインからの変化量において、プラセボと比較して有意に抑制するということであります。
 安全性につきまして、特徴的な有害事象としてARIA、アミロイド関連画像異常が認められているということであります。
 11ページを御覧ください。
 投与対象となる患者でありますけれども、記載のとおり主な内容につきまして申し上げますと、MRI検査が実施可能であること、認知機能の低下及び臨床症状の重症度範囲が一定の基準を満たすこと、アミロイドPETまたは脳脊髄液検査で、病理を示唆する所見があるということ等です。
 12ページから17ページ、施設についての基準でございますが、十分な知識と経験を持つ医師を責任者として配置するよう記載してございます。
 ARIA及び疾患に関する研修の受講が必要であることや、MRI、認知機能の評価等が可能であり、ARIAが認めた場合に画像所見や症状の有無から、投与継続中断または中止が判断できる体制等を求めております。
 初回投与施設において、定期的に有効性と安全性の評価を行うということも書いてございます。
 それから、18ページに投与に関して留意すべき事項ということで、添付文書などに記載された主な注意事項を記載してございます。
 説明は以上になります。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 続きまして、最適使用推進ガイドラインに基づく保険適用上の留意事項について説明いたします。資料総-3-2を御覧ください。
 1の「保険適用上の留意事項案(案)」の(1)の「共通」に関しては、基本的考え方として、最適使用推進ガイドラインに従って使用する旨を明記するというものでございます。
 次に「(2)診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項」として、先ほどの最適使用推進ガイドラインの内容を基にまとめております。
 まず、投与開始時については、患者要件として①、そして②は関連スコアの記載、③は診断に用いた検査、また、医師要件としては④と次のページの⑤、施設要件は⑥で明記することとしております。
 3ページ目、「投与開始後6か月以降」については、連携施設での投与もあり得ますので、その区別が分かるようにしております。
 その下の「継続投与」としては、有効性、安全性を確認したことを確認する記載。
 そして、4ページ目、「初回投与から起算して18か月を超える投与」につきましては、継続が必要と判断した理由等の記載を求めるものでございます。
 最後の「2 留意事項通知の発出日及び適用日」は、12月19日発出、12月20日適用を予定しております。
 それでは、また、資料総-2-1の9ページ目に戻ってください。最適使用推進ガイドラインを踏まえた市場規模予想について、説明いたします。
 本剤が投与可能な医療機関を受診する患者割合あるいは診断やアミロイドβをはじめとする検査の実施割合などによって、本剤の投与患者数は、収載当初は限定的ですが、次第に増加し、ピーク時は収載から9年度の2031年度に約3.2万人、市場規模としては986億円と予測されております。
 10年間の予測もここで示しておりますが、7年度以降の一定期間は、同程度の患者数で推移されると推計しているものでございます。
 なお、本剤は体重による投与量の違いがありますが、薬価における計算としては、1回当たり500mg製剤を1バイアル使用するとして、このお薬は2週間に1回の投与であり、年間26回になりますので、1人当たりの薬剤費は、年間およそ298万円と推計されるものでございます。
 続きまして、資料総-2-2を御覧ください。
 こちらは、11月15日に御了解いただいた「高額医薬品(認知症薬)に対する対応について」の「2.薬価収載後の対応」のうち「(1)市場拡大再算定」に関しては、通常どおりの対応としつつ、「使用実態の変化等が生じた場合等には、速やかに中医協総会に報告の上、改めて、本剤の薬価・価格調整に関する対応の必要性等について検討する」とされており、「3.本剤の薬価の議論」の際に、薬価算定案の議論の際に改めて判断することとしております。
 今回、今回先ほどの資料でお示しした算定案、患者数予測あるいは初年度から10年間の市場規模予測を踏まえると、最適使用推進ガイドラインのもとでの使用であれば、このような方針で進めることが適当と考えておりますので、資料総-2-2の資料では、「当初とりまとめられた方針のとおり取り扱うこととする」ということで、案としてまとめているものでございます。
 また、本剤の費用対効果評価制度の該当性につきましては、先ほどの前の議題の総-1で、本剤に係る対応の取りまとめもありましたが、本剤は、原価計算方式による算定で、有用性系加算の対象とされた品目であり、ピーク時の市場規模予測からH1品目に該当するものでございます。
 薬価の関係の説明は以上ですが、関連いたしまして、本剤の薬価収載に当たり、患者アクセスの観点から、医療・介護等の提供体制について、参考資料を準備していますので、簡単に説明いたします。
 資料総-2-1参考2を御覧ください。
 2ページ目、3ページ目は、本年6月に成立した「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」における保険医療サービス等の整備に関する内容。
 4ページ目は、認知症に係る医療・介護等の提供体制の仕組みです。
 5ページ目は、医療・介護等の提供体制では、認知症疾患医療センターを中心として、医療機関等からの相談等に対応しており、今回、本剤が使用可能になることに伴い、地域で認知症に関わる関係者、関係機関が、このお薬の適応や使い方等を知ってもらうことが重要になりますので、関係する専門職への研修や、認知症疾患医療センター等の体制を整備することにしております。
 6ページ目は、医療従事者向けの研修が、既にこういった形で行われておりますが、今後、治療薬等の最新情報も研修に追加する予定となっております。
 次に7ページ目、こちらは、本剤が使用可能になることに当たりまして、新たなアルツハイマー病治療薬に係る医療・介護等の提供体制に関する情報、こちらを厚労省のホームページでも提供していく予定であり、治療薬に関する情報も含めて、情報を一元化して周知していきたいと考えております。
 以降の資料は、参考として添付しているものでございます。
 様々な資料になりましたが、レケンビ点滴静注に関する補足説明は以上となります。
 御審議いただきたいのは、総-2-1の薬価算定案、総-2-2の市場拡大再算定の取扱いに関する内容、総-3-1の最適使用推進ガイドライン案、そして総-3-2の留意事項案になりますので、まとめて議論をお願いいたします。
 私からの説明は以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 幾つか資料がございますが、よろしくお願いいたします。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、お願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 資料総-3-1、最適使用推進ガイドライン、レカネマブについて、事務局に1点質問いたします。
 資料の16ページの下半分に記載されている、18か月以上継続する場合の評価についてです。
 本剤の治療成績から考えて、アミロイドβが低下していると想定される中で、別の要因により生活機能が悪化する場合もあると考えられますので、きちんとPET検査または脳脊髄液検査によるアミロイドβの量の確認もしたほうがいいのではないかとも考えられますけれども、この検査が必要ないと判断された理由を教えてください。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ただいま、長島委員から御質問ございましたが、事務局いかがでしょうか。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 御指摘の点につきまして、16ページの記載に関する御質問でございますけれども、本剤を投与した後につきましては、アミロイドβの蓄積と、この症状の相関がなかったということが、薬事承認における審査上も判断されておりますので、投与期間中に改めてアミロイドβの蓄積状況を確認するのではなく、スコア評価や臨床症状など、ほかの判断材料を基に、投与継続の可否を判断することが適当と整理したものでございます。
 また、実臨床の中でも一般的に、このアミロイドβに基づく病理判断に関するし基準や知見は確立していないことを踏まえますと、現時点において、本剤投与後のアミロイドβの検査結果を、継続の可否を判断する情報として活用することは、まだ、現時点では難しいと考えております。
 アミロイドβと疾患の関係は、今後、相関性が明らかになって、投与期間中の確認が有益であると分かった場合には、そのような判断もあり得るものと考えておりますが、現時点では薬事審査における判断に基づき、このような整理にしているものでございます。
 事務局からは以上でございます。
○小塩会長
 長島委員、いかがでしょうか。
○長島委員
 現時点での知見での判断であり、もしも今後、新たな知見が加われば、そのときにまた再検討すると受け止めました。
 ありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、オンラインで森委員、お手が挙がっています、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 今回のレカネマブなのですけれども、先ほどの薬価専門部会において鳥潟委員からもありましたけれども、国民の期待が大きい、待ち望んだ薬剤だと理解しています。それで、これまでの議論を踏まえて、薬価等を算定されたと理解しております。
 その上で、今後の市場規模が、かなり限定的に推計されていますが、使用可能な医療機関の数や市販後のARIAや、未知の副作用の発現、患者当たりの投与期間などの影響により、予測が難しく、市場規模が予測を大きく超えることはないか、最適使用推進ガイドラインに従い、適切に使用されているのか、有効性、安全性、患者アクセスについて問題がないかなど、きちんとフォローして対応していただきたいと考えております。
 また、取りまとめに記載されておりますとおり、使用実態の変化等が発生した場合には、中医協で迅速な議論ができるように、お願いできればと思います。
 私のからは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、いかがでしょうか。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 御提案いただきました薬価収載に関する内容、最適使用推進ガイドラインの内容、医療機器及び臨床検査の保険適用について、いずれも異論はございません。
 それを踏まえまして、何点かコメントしたいと思います。
 まず、レカネマブにつきましては、11月15日の中医協了解内容に基づきまして、薬価算定組織における専門的な議論を経て、御提案いただいたものと受け止めております。
 アルツハイマーの原因物質を取り除く薬剤が、日本で初めて使用できるようになるということで、社会的に注目されていることは承知しております。
 企業の立場からしますと、100%希望どおりにはならなかったかもしれませんけれども、介護費用の取扱いにつきましては、今後、費用対効果評価の中で適切な対応を検討することと思いますし、今回は45%有用性加算がつき、原価の約1.5倍近い薬価となり、年間の薬剤費が1人298万という、先ほど御報告もありましたけれども、イノベーションの評価は一定程度されたものと思っております。
 一方で、18か月を超える長期投与の有効性は、いまだ確立されておらず、脳微小出血といった副作用の懸念もあり、専門医による管理のもとで、高度な検査を定期的に受けながら、2週間ごとに通院して点滴投与を受けることは、安全性と有効性の観点から必要なことだと考えております。
 結果的に、当面の患者数は、先ほど御報告がありましたけれども、最大3.2万人、市場規模は約1,000億ということで、1,500億という高額薬剤の基準値は下回る結果となっております。
 今後、感染症治療薬のように、急激な上振れは想定されにくいですけれども、徐々に検査体制が整備されていくことや、長期投与のエビデンスが蓄積されていくことにより、徐々に市場規模が拡大していく可能性は十分にございます。
 したがいまして、市場拡大再算定につきましては、同じく11月15日の中医協了解のとおり、通常どおりの対応を基本としつつ、使用実態の変化等が生じた場合には、速やかに中医協総会に報告の上、改めて対応の必要について検討するということで、これは、ほかの委員からも出ておりますけれども、そのとおりで進めていただきたいと思います。
 最後に、この薬に関する国民の期待が極めて大きいだけに、使用できない患者や家族への適切な対応が必要です。
 また、認知症施策全体の中で、レケンビのような新しい治療法をどのよう位置づけるかということも、今後の重要な課題だと考えております。
 参考資料を拝見しますと、政府として積極的に取り組む方針は十分理解できましたので、着実な実施を、ぜひお願いしたいと思います。
 1点、私から質問が事務局にございます。
 市場規模拡大のキーになるものとして、企業の製造能力もあると思いますし、検査設備等の拡大、あるいはそれを運用していく人員の研修とか資格とかがあると思いますけれども、その点について、何か御意見があれば伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 松本委員から御質問がございましたが、事務局いかがでしょうか。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 これからの市場規模が拡大する要因というところにつきまして、何がこれからあるかというのは、使われ始めてから徐々に把握していくものと認識をしています。何が一番ネックになっているかというところも、ケース・バイ・ケースだと思いますし、いずれしても、今回、最適使用推進ガイドラインの中で、医師の要件なり、あるいは研修要件とか施設の要件とかがあって、体制が整備されていく中で広がっていくものと認識しておりますし、使用状況は、薬事のほうでも全例調査で把握できることになっており、実際どのような患者数、投与期間となっているかということも把握は可能でございますので、全体の市場規模も含めて、十分慎重に見ていきたいと思っております。
 以上です。
○小塩会長
 松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
 はい、ありがとうございました。
○小塩会長
 ほかに、御意見、御質問ございますでしょうか。
 飯塚委員、お願いします。
○飯塚委員
 ありがとうございます。
 資料総-3-2のほうに、留意事項がありまして、そこに医師の要件、それから施設の要件という議論がございます。
 まず、1点質問ですけれども、初回投与時の施設というのは限定的という理解ですけれども、これはどの程度あるのかということ。
 それから、地理的な分布、特に地域によって、アクセスが十分ある地域と、ない地域が大きく分かれないように配慮いただきたいと思っておりますが、まず、どの程度の施設が初回時にあるのかというのが1点の質問。
 2点目ですけれども、同じく資料に投与開始時等で、いろいろな認知症に関するMMSEのスコア等を把握するということがありまして、ぜひこういったデータを収集、分析をできるように体制を整えていただきたく、また、将来的にこういったものが、NDBですとか、介護DBの情報と結合して分析できるような、そういう方向性に持っていっていただきたいなと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ただいま飯塚委員から御質問ございましたが、事務局いかがでしょうか。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 このガイドラインに基づいて、使用可能になる施設につきまして、どのくらいの数というところは、現時点では、まだ十分把握できているものではございません。この施設要件に従って、今でも認知症関係の治療に携わっている医療機関がございますので、こういった体制が整っているところから、順次広がっていくものと思っております。
 いずれにしても、そういったような状況につきましても、今後把握していきたいと思っております。
 また、スコアとか、そういったデータに伴う様々な分析につきましては、御意見として承りました。ありがとうございました。
○小塩会長
 飯塚委員、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか。
 永瀬委員、お願いします。
○永瀬委員
 事務局に質問なのですけれども、3.2万人というのは、初期の認知症の方の中の何割ぐらいなのでございますでしょうか。
○小塩会長
 事務局いかがでしょうか。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 薬事上の効能・効果の範囲の推定有病者数は、以前も高額医薬品の議論する際にお示ししましたけれども、推計では500万人を超える有病者数がいるのではなかろうかということで、企業のほうでも推計しているものでございます。
 ただ、実際には、全員が治療を受けているわけでも当然ありませんし、そういった中で、実際に使える環境にあるのは、そのくらいの数ということで推計されたというものでございます。
○小塩会長
 よろしいでしょうか。
○永瀬委員
 ありがとうございます。
 多くの国民が、この薬剤に大変期待しているというのは、私もそのとおりだろうと思います。
 ただ一方で、私は若い世代も含めた社会保障の研究をしているものですから、例えば、学費で言いますと、大学の学費の第一種奨学金ですと、大体250万ぐらい、第二種奨学金ですと350万ぐらいの借金を背負って大学生は卒業していって、自分で返済していくことになるわけです。
 今回の1年当たり300万近いお金は、多分、高額療養費制度などで自己負担は大変低くて、それは国民のためには、大変ありがたいことだろうと思いますけれども、若い世代と高齢世代の自己負担というものについては、考える必要があるのではないかと、感想として、今後の検討課題として申し上げさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかに御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、ほかに御質問等ないようですので、資料総-2-1の新医薬品の薬価収載、それから、2のレケンビ点滴静注に関しましては、資料総-2-2の市場拡大再算定について、当初取りまとめられた方針のとおり取り扱うこと、資料総-3-1の最適使用推進ガイドライン、資料総-3-2の留意事項案の内容で通知することについて、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 前田委員長、どうもありがとうございました。
 続きまして「医療機器及び臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局、医療技術評価推進室長でございます。
 資料総-4を御覧ください。
 「医療機器及び臨床検査の保険適用について」でございます。
 こちらに関しましては、令和5年11月22日の中医協総会におきまして、医療機器「放射性医薬品自動合成装置 Synthera+」並びに体外診断用医薬品「ルミパルスβ-アミロイド1-42」及び「ルミパルスβ-アミロイド1-40」の保険適用について、算定留意事項も含め、承認をいただいたところでございます。
 ただいま御議論いただきました、レカネマブブ(遺伝子組換え)製剤に係る最適使用推進ガイドライン」の内容を踏まえまして、当該医療機器及び体外診断用医薬品の算定留意事項を併せて変更してはどうかということの御提案でございます。
 主な変更点といたしましては、医師要件及び施設要件を明確化した点、レカネマブ(遺伝子組換え)製剤を中止した後、18か月を超えて再開する場合に、2回目の検査を行った場合に算定できるということを明記した点でございます。
 説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応につきまして、中医協資料総-5を用いまして、御説明をさせていただきます。
 1ページの1にございますとおり、新規に薬価収載された医薬品等につきましては、DPC/PDPSにおける診療報酬点数表に反映されないことから、一定の基準に該当する医薬品等を使用した患者さんにつきましては、包括評価の対象外とし、次期診療報酬改定までの間、出来高算定することとしているところでございます。
 今回、新規に薬価収載されます医薬品に関しまして判定を行いまして、2の一覧にお示ししております医薬品、今回御審議いただきます2つのものでございますけれども、対応する診断群分類において、基準に該当しておりましたので、出来高算定してはどうかという御提案でございます。
 御審議をお願いいたします。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 以上、レケンビ等に関する議題が終わりましたので、冒頭申し上げたとおり、一旦総会を中断いたします。その後、薬価専門部会、費用対効果評価専門部会を開催した後に、改めて総会を開きたいと思います。
 それでは、本日の総会は、一時、中断いたします。
 
 
【後半】
○小塩会長
 それでは、総会を再開いたします。
 6つ目の議題です。「最適使用推進ガイドラインについて(報告)」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。資料総-6を御覧ください。
 今般、表でお示しした品目の最適使用推進ガイドラインにつきまして、薬事承認におきまして、効能追加等の一部変更承認がございましたので、ガイドラインを作成して、保険適用上の留意事項を通知したので御報告いたします。
 1ページ目の表でございます。オプジーボ、今回の追加となる効能・効果は、下線でお示ししておりますものでございます。
 承認事項、一部変更承認日と同日付の11月24日に最適使用推進ガイドラインと保険適用上の留意事項の通知を発出しており、同日付で適用としております。
 次に、2ページ目の表の上段、2品目のイミフィンジでございます。
 今回の変更につきましては、※で書かれている効能の用法・用量の変更でございます。
 これも一部変更承認日と同日付の11月24日にガイドラインの通知を発出して、同日付で適用しております。
 保険適用上の留意事項につきましては、発出済みの通知の内容と同様でございますので、変更ございません。
 また、3品目目、アベクマでございます。こちらにつきましては、多発性骨髄腫の投与対象について、3レジメン以上の治療歴がある患者が対象であったところ、2レジメン以上の治療歴がある患者が対象になったものでございます。
 こちらは、承認事項一部変更承認日と同日付の12月6日にガイドラインの通知を発出しており、同日付で適用としております。
 保険適用上の留意事項につきましては、今回の効能追加に係る変更はございません。
 総-6、参考1から3で各品目の最適使用推進ガイドライン、参考4にオプジーボの保険適用上の留意事項の内容をお示ししております。
 説明は以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
 続きまして「先進医療会議及び患者申出療養評価会議からの報告について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局、医療技術評価推進室長でございます。中医協総-7に基づきまして、御報告いたします。
 まず、総-7-1でございますが、今回、患者申出療養評価会議で承認されました、患者申出療養の技術が1件ございましたので御報告させていただきます。
 第44回患者申出療養評価会議、本年の10月15日に開催されたものでございますが、それにおきまして、患者申出療養の科学的評価結果になります。
 整理番号17、技術名は線維芽細胞増殖因子受容体阻害薬投与歴のある進行固形がん患者に対するペミガチニブ経口投与療法。
 適応症等は、FGF-R1またはFGF-R2遺伝子の増幅、FGF-R3遺伝子の変異、もしくは他のFGF-Rの変化が認められる進行固形がん。
 医薬品等、臨床研究中核病院、費用等については、表にお示ししているとおりでございます。
 総評は適と判断されており、令和5年11月16日に告示適用されております。
 続きまして、総-7-2でございます。先進医療の実績報告となります。
 まず、1ページ目の表につきまして、まず、①の令和5年6月30日現在の先進医療技術の数でございますが、Aとして認められているものが28種類、Bが53種類の計81種類でございます。
 実施医療機関数、全患者数については、表のとおりでございます。
 ④の総金額につきましては、先進医療Aが約752億円、先進医療Bが約13.1億円、計約765.1億円という額になっておりまして、このうち、保険外併用療養費の総額と先進医療に係る費用は表のとおりでございます。
 3ページにお進みください。
 過去5年間の実績をお示ししております。令和5年6月30日時点の実績が、全患者数が14万4000人、総金額が765億円と昨年度と比較して増加しております。
 こちらにつきましては、令和4年4月から保険適用となった不妊治療に関する技術におきまして、一定のエビデンスがあるものの保険収載に至らなかった技術については、先進医療として実施していることにより、不妊治療に関する技術数が増えたためとなっております。
 4ページに、その具体的な技術における費用等を示しております。左側の整理番号の17番、子宮内膜刺激術以降が、基本的に不妊治療を対象に実施する技術となっております。
 また、5ページ以降には、先進医療Bの各技術についての費用等の一覧や、登録症例数等の進捗状況の一覧をお示ししてございます。
 続きまして、総-7-3でございます。こちらは、患者申出療養の実績報告となっております。
 1ページ目の表を御覧ください。
 ①の令和5年6月30日現在の患者申出療養技術数は10種類、実施医療機関数、全患者数については表のとおりでございます。
 ④の総金額は、約2.4億円となっており、このうち保険外併用療養費の総額と患者申出療養に係る費用は表のとおりでございます。
 3ページに、過去5年間の実績を示してございます。
 全患者数が312人、総金額が2.4億円と、昨年度とほぼ同様の状況になっております。
 4ページ以降につきましては、参考資料といたしまして、患者申出療養の各技術についての費用等の一覧等をお示ししてございます。
 最後、総-7-4になります。
 こちらは、先日12月7日の先進医療会議におきまして、保険導入に係る科学的根拠等の評価が行われた際に、先進医療からの削除が適切である、または現時点で保険導入が適切ではないと判断された技術の報告になります。
 有効性や効率性等が十分に示されていないことから、先進医療からの削除が適切である、または現時点で保険導入が適切ではないと判断された技術は、告示番号Aの4、抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査。
 告示番号Bの①、NKT細胞を用いた免疫療法。
 告示番号Bの③、自家嗅粘膜移植による脊髄再生治療の3技術でございました。
 なお、これら以外の技術については、先進医療会議において取りまとめた評価結果を医療技術評価分科会に報告し、当分科会において、保険導入に係る検討がなされる予定でございます。
 説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 先進医療会議におかれましては、御専門の立場からしっかりと御議論いただいているところと承知しており、今回の報告に異論ありません。
 今後も将来的な保険導入のための評価を行うという先進医療の制度目的に沿って、保険適用すべきものは速やかに保険適用し、保険導入が適切でない技術については、速やかに削除するという観点から、鋭意御検討をお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、ほかには御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
 続きまして「DPC/PDPSにおける新型コロナウイルス感染症等を踏まえた対応について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、DPC/PDPSにおける新型コロナウイルス感染症等を踏まえた対応につきまして、中医協資料総-8を用いまして、御説明をさせていただきます。
 まず、1でございますけれども「診断群分類点数表の改定について」ということでございます。
 (1)の背景にございますとおり、DPC/PDPSにおきましては、新型コロナの流行開始以降、医療資源の最も投入した病名といたしまして、新型コロナが選択された患者さんにつきましては、出来高算定をするということで、そういう運用としてございました。
 次に(2)でございますけれども、現状・課題ということで、令和6年度の診断群分類点数表の改定に当たりましては、通常は令和4年の10月から、令和5年9月までの1年間の実績データを用いることとなっているところでございますけれども、同期間におきましては、この新型コロナウイルスの対策に係る政策変更ですとか、医療提供体制の見直しが行われているということでございまして、この新型コロナの患者さん、入院患者さんの診療の実態も大きく変化していることが想定されると、事務局としては認識してございます。
 こうしたことを踏まえまして、(3)の「対応方針(案)」でございます。
 次回改定におきましては、新型コロナに関しまして、実績データを用いました適切な包括点数及び入院期間の設定が困難と考えられますことから、引き続き出来高算定することとしてはどうかと、継続してはどうかという御提案でございます。
 次に、2つ目でございます。「医療機関別係数の改定について」でございます。
 (1)の背景にございますとおり、令和6年度におけます、医療機関別係数の改定につきましては、令和6年6月に予定してございます。通常、令和4年10月から令和5年9月までの実績データを使用することになりますけれども、令和4年度、5年度に関しましては、新型コロナに係る臨時的な取扱いといたしまして、実績期間の設定に関しまして配慮を行ってきたということでございます。
 続きまして、2ページ目に移りますけれども(2)でございます。現状・課題でございますが、こちらは参考資料も併せて御覧いただければと思いますが、令和4年10月から令和5年9月にかけまして、流行状況に伴う変動はあるものの、ほとんどのDPC対象病院が、新型コロナに係る入院診療を実施している一方で、同期間においては複数の災害が発生しており、過去には一定の配慮を行ってきた経緯があるということでございます。
 こうした点を踏まえまして、(3)の対応方針でございますが、1つ目の○にございますとおり、実態に見合った評価を行うという観点から、令和6年度の改定におきましては、通常の実績期間を用いることとしてはどうか。
 その上で、2つ目の○にありますとおり、下段に示します災害に被災した地域に所在する病院につきましては、実績の期間について一定の配慮を行ってはどうかということでございます。
 事務局の説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 1ページ後半からの2、医療機関別係数の改定については、ほとんどのDPC対象病院が新型コロナウイルス感染症に係る入院診療を実施しているということから、機能評価係数Ⅱについて、通常の実績期間を用いて算出することが提案されております。
 この取扱いについては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが変更されたこと等も併せて考えれば、理解するところではあります。
 ただ、地域によっては、医療機能の逼迫等により、特例を使用しなければ、施設基準を満たせなかった期間がある医療機関については、相対的に影響が大きく出てしまうことも予想されます。
 したがって、今後、実績を踏まえた係数の設定がなされていきますが、余りに変動が大きくなった場合に、医療機関への内示のプロセスなどにおいて、丁寧に対応していただき、併せてその原因についても調べていただいて、必要に応じて中医協にて議論を行うことがよいと考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 ありがとうございます。
 今回の、いわゆる対応方針に関しましては、総論として賛成いたします。
 ただ、先ほど長島委員がおっしゃられたのと同じなのですが、今回、大きく各病院の機能評価係数が動く可能性がございます。実際に令和4年度、令和5年度の数字を見ておりますと、かなり上がっていた病院がありましたし、また、今回、これとは別ですけれども、先日の中医協におきまして、DPCの様々な係数の見直し等が、今、検討の俎上に載っているところでございます。
 そういう意味で、各医療機関がどれぐらいの影響を受けるのかに関しては、ぜひしっかりと確認させていただきたいのと同時に、激変緩和措置が、DPCの係数にはあったと思いますけれども、そういうような形での配慮をしっかりと行っていただきますように、よろしくお願いします。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、ほかには特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして「『令和6年度診療報酬改定の基本方針』について」を議題といたします。本件は報告事項です。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○竹内医療介護連携政策課長
 医療介護連携政策課長でございます。
 令和6年度診療報酬改定の基本方針につきましては、社会保障審議会医療保険部会、医療部会におきまして、これまで御議論いただいてまいりました。
 先週金曜日に医療部会のほうで、取りまとめに向けた審議が行われ、今月11日付で基本方針が取りまとめられておりますので御報告いたします。
 資料のほうは、総-9-1と総-9-2になりますけれども、総-9-2の文章編に沿って御説明をいたします。
 診療報酬改定の基本方針は、改定に当たっての基本認識と改定の基本的視点と具体的方向性という、大きく2部構成となっております。
 基本認識は、今回の診療報酬改定の前提となる現在の医療を取り巻く環境や、直面する大きな課題などについて記載してございます。
 基本的視点と具体的方向性は、基本認識を前提とした上で、具体的な施策の方向性をお示ししたものになります。
 最初に「改定に当たっての基本認識」でございます。
 1つ目の基本認識は、物価高騰・賃金上昇、経営の状況、人材確保の必要性、患者負担・保険料負担の影響を踏まえた対応でございます。
 1つ目の○のところで、現下の物価高騰の状況、30年ぶりの高水準となる賃上げの状況が、サービス提供や人材確保にも大きな影響を与えており、機動的な対応が必要であること。
 その上で、2つ目の○でございますが、本年11月の経済対策に加え、物価高騰・賃金上昇、経営の状況、支え手が減少する中での人材確保の必要性、患者負担・保険料負担への影響を踏まえ、患者が必要なサービスが受けられるよう、対応が必要である旨が記載されております。
 1ページの後半からの2つ目の基本認識でございますが、全世代型社会保障の実現や医療・介護・障害福祉サービスの連携強化、新興感染症等への対応など、医療を取り巻く課題への対応でございます。
 1つ目の○は、75歳以上人口の増加と、生産年齢人口の減少という人口構造の変化の中、全世代型社会保障を構築することが急務の課題であること。
 2つ目の○では、今回は診療報酬、介護報酬及び障害福祉サービス等報酬の同時改定であり、ポスト2025年のあるべき姿を見据えた各サービスの連携が重要であること。
 2ページになりますけれども、一番上の○では、新興感染症等に対応できる医療提供体制を構築することなどを着実に進める必要があること。
 こうした直近の医療を取り巻く課題について記載されております。
 3つ目の基本認識は、医療DXやイノベーションの推進等による質の高い医療の実現でございます。
 1つ目の○で、医療情報の利活用が個人の健康増進、医療現場の業務効率化、質の高い医療の提供を行っていく上で非常に重要であり、医療DXを推進する必要性について記載してございます。
 2つ目の○ですが、イノベーションの推進により、創薬力等を維持・強化するとともに、医薬品等を国民に安定的に供給し続けることの重要性を記載しております。
 4つ目の基本認識は、社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和でございます。
 国民皆保険を堅持するため、経済・財政との調和を図りつつ、より効率的・効果的な医療政策を実現する。
 続いて、3ページになりますが、具体的には、骨太方針や成長戦略などを踏まえつつ対応していくといったことを記載してございます。
 3ページの上部からは、改定の基本的視点と具体的方向性でございます。
 3つ目の○にございますように、令和6年度診療報酬改定では、物価高騰・賃金上昇、経営の状況、人材確保の必要性、患者負担・保険料負担の影響を踏まえ、これまでの改定の流れを継承しながらポスト2025年のあるべき医療・介護の提供体制を見据えつつ、DX等の新た流れも取り込んだ上で、効果的・効率的で質の高い医療サービスの実現に向けた取組を進める必要があると、簡潔に今回の改定に向けた考え方が記載されております。
 3ページの下の(1)の1つ目の基本的視点は、現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進で、重点課題とされています。
 3ページから4ページにかけまして、医療分野では、賃上げが他の産業に追いついておらず、人材確保が困難な状況であることや、必要な処遇改善等を通じて、医療現場を支えている医療従事者の人材確保のための取組を進めることが急務であることなどを記載しております。
 4ページの下から5ページにかけまして、具体的方向性の例として項目が掲げられております。
 最初に、医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組を掲げるとともに、その後は、タスク・シェアリング/タスク・シフティングの推進、ICTの利活用の推進、5ページになりますけれども、必要な救急医療体制等の確保、多様な働き方を踏まえた評価の拡充、医療人材等の偏在への対応といった項目が記載されております。
 (2)、2つ目の基本的視点は、ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や、医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進でございます。
 具体的方向性の例ということで、医療DXの推進、地域包括ケアシステムの深化・推進のための取組。
 6ページになりますけれども、リハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の連携・推進。
 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価、外来医療の機能分化・強化等、新興感染症等への対応、かかりつけ医等の機能の評価。
 7ページになりますが、質の高い在宅医療、訪問看護の確保といったことが記載されております。
 (3)、3つ目の基本的視点は、安心・安全で質の高い医療の推進でございます。
 7ページ下からの具体的方向性の例では、最初に食材料費、光熱費をはじめとする物価高騰を踏まえた対応を記載するとともに、続いて、患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価。
 8ページになりますが、アウトカムにも着目した評価の推進。小児医療等、重点的な対応が求められる分野への適切な評価。
 生活習慣病の増加等に対応するための疾病管理や重症化予防の取組推進。
 口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応の充実、生活の質に配慮した歯科医療の推進。
 薬局のかかりつけ機能に応じた評価や病院薬剤師業務の評価。
 9ページになりますが、薬局の医薬品供給拠点としての役割の評価。
 医薬品産業構造の転換を見据えたイノベーションの適切な評価や、医薬品の安定供給の確保等といったことが記載されております。
 9ページの(4)、4つ目の基本的視点が、効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上でございます。
 具体的方向性の例といたしまして、後発医薬品等の使用促進、長期収載品の保険給付の在り方。
 10ページになりますが、費用対効果評価制度の活用。
 市場実勢価格を踏まえた適正な評価。
 再掲といたしまして、医療DXの推進、入院医療の評価、外来医療の機能分化等、生活習慣病の増加等に対応するための疾病管理や重症化予防の取組推進と続きまして、11ページになりますけれども、医師・病院薬剤師と薬局薬剤師の共同の取組による医薬品の適正使用等の推進。
 そして、再掲として薬局の役割の評価を掲げてございます。
 最後に「将来を見据えた課題」でございます。
 1つ目の○で診療報酬のみならず、総合的な政策の構築が求められること。
 2つ目の○で国民に対して、医療制度に関する丁寧な説明を行い、理解を得ていくことが必要であること。
 3つ目の○で、国民一人一人の予防・健康づくりなどを支援することが重要であること。
 最後に、4つ目の○で医療DXの推進の重要性といったことについて記載されております。
 私からの資料の説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりといたします。
 今後、令和6年度の診療報酬改定に向けて、ただいま説明のありました、改定の基本方針に基づきながら議論を進めてまいりたいと思います。
 続きまして「令和6年度診療報酬改定への意見について(公益委員案の提示)」を議題といたします。
 これまでの1号側委員、2号側委員の意見書、それから中医協での議論等を踏まえまして、公益委員のほうで厚生労働大臣に対する意見書の案を作成いたしましたので、これについて議論をしたいと思います。
 まず、この公益委員案につきまして、便宜上、事務局より説明をしていただきます。よろしくお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、中医協資料総-10を御覧いただければと思います。
 会長の御指示をいただきましたので、私、医療課長のほうから、案につきまして御説明をさせていただきます。
 「令和6年度診療報酬改定について(案)」。日付は本日としているところでございます。
 本協議会は、医療経済実態調査の結果、薬価調査及び材料価格調査の結果等を踏まえつつ、令和6年度診療報酬改定について審議を行ってきたところであるが、その結果を下記のとおり整理したので、厚生労働大臣に意見を申し述べるとしております。
 その下に「記」がございまして、1、こちらが医療経済実態調査の結果についてございます。
 「本協議会は」ということで、「医療経営の実態等を明らかにし」ということで、第24回医療経済実態調査を実施し、その結果等について検討した。
 2でございまして「薬価調査及び材料価格調査の結果について」でございます。
 薬価の平均回収率が約6.0%であったこと、材料価格調査の速報値では、平均乖離率が約2.5%であったことを書いてございます。
 3でございますけれども「令和6年度の診療報酬改定について」ということでございます。
 「我が国の医療については」ということで、時代背景などを記載させていただき、そして2つ目の○で、先ほど、医療介護連携政策課長から御説明させていただきました基本方針に関しまして、2行目からですけれども「現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進などの記載をさせていただいているところでございます。
 「本協議会は」ということで、この基本方針に基づき、全ての国民が質の高い医療を受け続けるために必要な取組についての協議を真摯に進めていく。こうした基本認識については、支払側委員と診療側委員の意見の一致を見たとさせていただいてございます。
 「しかし」と、ここから2ページでございますけれども、このような基本認識の下で、どのように令和6年度診療報酬改定に臨むべきかについては、次のような意見の相違が見られたとさせていただいております。
 次の○で、まず、支払側の意見は次のとおり。令和4年度改定で見込んでいた適正化効果を達成できない中、過去最高の46兆円にまで拡大した医療費は、足元でコロナ禍前をしのぐ大幅な伸びを示すとともに、今後の人口構造の変化により、さらなる増加が見込まれる。医療経済実態調査によれば、損益差額の観点からは、一般病院は新型コロナウイルス関連の補助金を含めれば1.4%の黒字、一般診療所も黒字が拡大している。また、資産・負債の観点からも、長期借入金をはじめとする固定負債が減少して資本が増加しており、一般診療所を中心に医療機関・薬局の経営は堅調といえる。賃金、物価の動向を考慮しつつも、限界に近い状況にある医療保険制度の持続可能性を確保するため、医療の質を担保しつつ、効率化や適正化の取組が極めて重要である。令和6年度診療報酬改定においては、患者の負担増や保険料の上昇に直結する安易な診療報酬の引上げを行う環境にはなく、医療人材の連携促進や看護職員等の医療従事者の処遇改善といった重要事項については、診療報酬と補助金・交付金との役割分担の整理・効果検証を踏まえた大胆な配分の見直しにより実現を図るなど、真に有効でめり張りの効いた診療報酬改定が不可欠である。また、薬価・材料価格改定については、革新的新薬等のイノベーションへの十分な配慮、後発医薬品等の安定供給の確保を着実に進めるとともに、市場実勢価格の低下に伴う引下げ分を国民に還元すべきである。
 次の○でございます。
 これに対し、診療側の意見は次のとおり。令和6年度の診療報酬改定は、政府の重要政策とされる医療従事者の賃上げ、及び現下の食材料費、光熱費をはじめとする物価高騰という極めて異例の状況に対応できる改定でなければならず、従来以上の大幅なプラス改定が求められているところであり、議論に当たっては、コロナ禍における診療報酬上の特例やコロナ補助金の影響を除いた上で行うべきである。個別の論点については、医療従事者の賃金引上げによる人材確保の原資の確実な担保、良質な食事の提供を継続するため、約30年間据え置かれている入院中の食事療養費についての対応、医療従事者の負担軽減・医師等の働き方改革の推進に関して現場に有効に活用されるような見直しと評価の継続、医療の質向上・効率化につながるICT活用や医療の高度化への対応が必要である。令和6年度診療報酬改定については、国民の安心・安全を守るために医療の質を向上させる取組を進める中で、過去数年の改定とは明らかに異なる状況である物価高騰、賃金上昇への対応や、医療DX対応に向けた環境整備の、3ページ目でございますけれども、必要性も踏まえ、薬価改定により生じる財源を診療報酬に充当するなど十分な財源を確保することで、乗り切るべきである。
 次の○でございます。
 本協議会は、社会保険医療協議会法でその組織構成や、審議・答申事項等を法定されており、医療保険制度を構成する当事者である支払側委員と診療側委員、そして公益委員が、医療の実態や医療保険財政等の状況を十分考慮しつつ、診療報酬改定の責任を果たしてきた。診療報酬改定は、基本方針に沿って、診療報酬本体、薬価及び特定保険医療材料価格の改定を一体的に実施することにより、国民・患者が望む安心・安全で質の高い医療を受けられるよう、医療費の適切な配分を行うものである。そのために、本協議会においては、これまでも医療制度全体を見渡す幅広い観点から、膨大な時間を費やしデータに基づいた真摯な議論を積み重ね、診療報酬改定に取り組んできており、これからもそのように取り組み続けていく。
 次の○です。
 厚生労働大臣におかれては、これまでの本協議会の議論を踏まえ、令和6年度予算編成に当たって、診療報酬改定に係る改定率の設定に関し適切な対応を求めるものである。
 あと2つ○がございます。
 また、新興感染症への対応をはじめ、医療機能の分化・強化・連携、保健・医療・福祉のさらなる連携、医療従事者の働き方改革や処遇改善、地域・職域等における予防・健康づくりの取組、費用対効果、新しい医療技術など、我が国の医療に関する様々なテーマに対応するため、診療報酬のみならず、補助金、税制、制度改革など、幅広い施策を組み合わせて講じていくことが重要である。その際、施策の成果や健康への影響等をデータやエビデンスに基づいて正確・迅速に把握・検証し、さらなる施策の見直しに役立てるという姿勢を強める必要があり、そのための人材・体制の充実が望まれる。
 さらに、国民一人一人が医療提供施設の機能に応じ、適切に医療を選択し受けるよう努めることも重要である。医療が高度化し、制度が複雑化する中でも、できるだけ仕組みを分かりやすくし、患者の主体的な選択を可能とする医療の質を含めた情報提供を行うなど、国民の理解を一層深める工夫についても配慮が行われるよう望むものである。
 以上でございます。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、本日は、この公益委員案につきまして議論を行い、1号側委員、2号側委員、そして公益委員の間で合意を得まして、意見書を提出したいと考えております。
 それでは、この公益委員案につきまして、何か御意見等ございましたら、お願いいたします。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 どうもありがとうございます。
 公益委員の皆様方におかれましては、日頃の審議に加え、この短期間に取りまとめをいただきまして、支払い側を代表いたしまして、感謝申し上げます。
 御提示いただいた内容には、異論はございません。どうもありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 2号側委員としましても、公益委員案に関して異論ございません。
 公益委員の皆様の御尽力に感謝申し上げます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか、よろしいでしょうか。
 それでは、ほかに御意見等もないようですので、この意見書案をもちまして、中医協から厚生労働大臣に対する意見書としたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、中医協から厚生労働大臣に対する意見書として提出したいと思います。
 本日は、大臣の代理ということで、大臣官房審議官にお越しいただいておりますので、審議官にお渡ししたいと思います。
(会長から審議官へ意見書を手交)
○小塩会長
 それでは、事務局におかれましては、中医協の総意としての意見ですので、厚生労働大臣にお渡しいただきますようにお願いいたします。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
 それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。長時間、どうもありがとうございました。

 

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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