このページではJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にしてください。

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 中央社会保険医療協議会 総会 第567回議事録(2023年11月24日)

 
 

2023年11月24日 中央社会保険医療協議会 総会 第567回議事録

○日時

令和5年11月24日(金)調査実施小委員会終了後~

○場所

TKP新橋カンファレンスセンター 15F

○出席者

小塩隆士会長 飯塚敏晃委員 笠木映里委員 永瀬伸子委員 本田文子委員 安川文朗委員
松本真人委員 佐保昌一委員 高町晃司委員 眞田亨委員 鈴木順三委員 
長島公之委員 茂松茂人委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 太田圭洋委員 林正純委員 森昌平委員
木澤晃代専門委員 上田克彦専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他


○議題

○調査実施小委員会からの報告
○入院(その5)について
○長期収載品(その1)について
○個別事項(その7)について
○DPC対象病院の合併等に係る手続きについて

 

○議事 

○小塩会長
 それでは、ただいまより、第567回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 調査実施小委員会と同様、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、鳥潟委員、末松委員、岡本専門委員が御欠席です。
 最初に「第24回医療経済実態調査の報告について」を議題といたします。
 まず、調査実施小委員会の本田小委員長より御報告をお願いいたします。
○本田小委員長
 調査実施小委員長の本田です。
 第24回医療経済実態調査につきまして、先ほど開催されました調査実施小委員会で議論をいたしましたので、その結果を報告いたします。
 この調査は、病院や診療所などにおける医業経営などの実態を明らかにし、社会保険診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的として、実施したものです。
 医療機関など調査については、令和3年度、令和4年度の2事業年度の状況を、保険者調査については、令和3年度、令和4年度の事業報告などの状況をそれぞれ調査しています。
 日々の診療等で多忙を極めておられる状況の中、調査に御協力いただいた医療機関、保険薬局、保険者の皆様、関係者各位の皆様に、この場をお借りしてお礼申し上げます。
 それでは、具体的な内容につきまして、事務局からお願いいたします。
○荻原保険医療企画調査室長
 保険医療企画調査室長でございます。
 第24回医療経済実態調査、医療機関等調査について、御報告いたします。
 先ほど、調査実施小委員会のほうで、詳細を御説明させていただいておりますので、ポイントのみ御紹介したいと思います。
 資料を御覧いただきますと、総-1-2「第24回医療経済実態調査の概要」について御覧いただきたいと思います。
 1ページ目、一般病院全体を見ますと、令和3年度から令和4年度にかけて、医業・介護収益による損益率を御覧いただきますと、マイナスの5.5%からマイナスの6.7%と下がってございます。
 続きまして、2ページ、一般診療所全体について御覧いただきますと、医療法人立で見ますと、令和3年度が7.1%から令和4年度は8.3%となってございます。
 個人立については、29.8%と32.0%となってございます。
 3ページ目を御覧いただきますと、歯科診療所、保険薬局、それぞれでございますが、歯科診療所、医療法人立を御覧いただきますと、令和3年度から令和4年度、それぞれが9.0%と8.4%となってございます。
 個人立では26.7%と25.9%となっています。
 保険薬局法人立は、令和3年度が5.7%、令和4年度は5.4%。
 個人の場合は10.4%と11.2%となってございます。
 続きまして、総-1-3、補足資料について簡単に御紹介したいと思います。
 令和3年度、4年度につきましては、医業利益率について見ますと、コロナ感染症に関する報酬の特例など、収入面、もしくは、かかり増し費用といった費用面で、それぞれコロナの影響というのを受けてございまして、そういったものを除いたものでございます。
 2ページ目を御覧いただきますと、一般病院全体についてでございまして、医業利益率で見ますと、それぞれ0.1%程度マイナスになるというのが推計でございまして、令和5年度、今回の実態調査における令和3年度から4年度の収入、費用の伸びを前提に、コロナの類型変更ですとか、物価高騰、賃金上昇といった影響を踏まえながら推計したものを載せてございます。医業利益率、コロナ報酬特例等を除いた医業利益率、それぞれの推計値がマイナス10.2%とマイナス10.3%となってございます。
 3ページ目を御覧いただきますと、同様に一般診療所、医療法人立でございまして、令和3年度、4年度それぞれが、コロナ報酬特例などを除いた利益率の推計値が6.0%と6.9%となってございます。
 令和5年度にかけての推計値が、医業利益率7.6%、コロナ報酬特例などを除いた医業利益推計値が7.0%となってございます。
 医療機関等調査については以上でございます。
○江郷数理企画官
 続きまして、数理企画官でございます。
 保険者調査につきましても、ポイントのみ御説明させていただければと思います。
 資料の2ページを御覧いただければと思います。
 こちらは、令和4年度の決算の状況の速報でございますが、こちらの表の真ん中辺り「経常収支差A」と書いておりまして、そちらを御覧いただければと思います。
 こちらの協会けんぽにつきましては4,289億円の黒字、組合健保につきましては1,365億円の黒字となっており、前年度に比べて収支は改善しております。
 少し右のほうに飛びまして、市町村国保は961億円の黒字ということで、各制度を見ていただきますと、一部共済組合を除いて、全体的に黒字の状況となっております。
 続きまして、資料の4ページを御覧いただければと思います。
 こちらは、令和4年度の適用保険給付の状況の速報でございます。
 協会けんぽの被保険者数は2,481万人で、前年度比1.1%減少しております。
 組合健保の被保険者数は1,655万人で、前年度比0.8%増加しております。
 市町村国保につきましては、被保険者数2,413万人で、こちらは前年度比4.9%の減少となっております。
 5ページ目以降につきましては、調査計画の際、決算状況等に関する分析に重点を置くこととしておりましたところ、今回より新たに追加した参考表となっております。
 まず、5ページでございますが、各保険者の保険料率と収支比率の関係を見たものでございます。
 6ページにつきましては、各保険者の保険料率と財産比率の関係を見たものでございます。
 右の図3を見ていただきますと、保険料率が高い保険者ほど財産比率が低い、すなわち支出に対する財産の割合が低くなる傾向があることが分かります。
 説明は以上になります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、報告のあった件につきましては、中医協として承認し、今後、医療経済実態調査を踏まえながら議論を進めていくこととしたいと思います。
 なお、診療報酬の改定率につきましては、予算編成過程を通じて内閣が決定するということになっておりますけれども、中医協においても、今日御紹介のありました医療経済実態調査等を踏まえて、改定率について議論を進めていき、その結果を厚生労働大臣に意見として進言することができます。
 これまでの改定の例を見ますと、今後、医療経済実態調査の結果を踏まえて、1号側委員全体としての御意見、それから2号側委員全体としての御意見をそれぞれ提出していただき、さらにその後、両者から次期改定に対する意見を提出していただいて議論を行っておりますので、スケジュール等につきましては、事務局とも相談しながら対応をしていただくようによろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして「入院(その5)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、入院(その5)、テーマにつきましてはDPC/PDPSについてでございますけれども、これにつきまして、資料総-2を用いまして、御説明をさせていただきます。
 まず、2ページ目に、今日の目次がございます。
 そして、次、スライド3でございますけれども、こちらからDPC/PDPSの基本的事項をおまとめして、お示ししてございます。
 5ページには、これまでの制度創設以来の改定の経緯。
 6ページには、病床機能の分類をお示ししてございます。
 7ページ目、8ページ目でございます。
 こちらは、DPC対象病院数及びDPC準備病院数の経年的な変化を示してございます。
 DPC対象病院数は全体として増加傾向であること、特にDPC算定病床数が200床を下回る病院が増加傾向にあるということをお示ししてございます。
 次に9ページ目でございます。
 これ以降が、現行の医療機関別係数の概要につきまして、基礎係数、それから機能評価係数Ⅰ、機能評価係数Ⅱ、それぞれの概要と詳細な評価内容、そして激変緩和係数、それぞれ分けてお示しをするものでございます。
 それでは、ページを進ませていただきます。
 2つ目の項目の「DPC対象病院のあり方について」でございます。
 ページを進めていただきまして、18ページ以降からとなりますけれども、19ページに「保険診療指数の評価方法」というタイトルのスライドがございます。
 こちらは、適切なデータの作成に係る基準につきまして、基準を満たさない病院がわずかであることをお示しするものでございます。
 次にページを進めていただきまして、23ページにございますとおり、分科会におきましては、適切なデータの作成に係る基準に関しましては、DPC対象病院の要件とすることも考えられるのではないかとの御指摘があったことを御紹介させていただきます。
 次、24ページ目以降が、効率性係数、複雑性係数についてでございます。
 24ページ目から27ページ目でございますが、こちらは効率性係数の評価手法についてでございますけれども、こちらは分科会で御議論のあった変更案も含めてお示しをするものでございます。
 28ページ目を御覧ください。こちらは、複雑性係数の現行の評価手法を示しておりまして、29ページ目には、診断群分類ごとの1入院点数と1日当たり点数に着目をしてプロットした散布図をお示ししてございます。
 30ページ目に、分科会の取りまとめを抜粋してございます。
 効率性係数、そして複雑性係数ともに分類が少なく、症例構成が偏った医療機関における評価の妥当性に関する御指摘があったところでございました。
 効率性係数につきましては、評価手法の見直しと、群別の評価の導入、複雑性係数につきましては、評価対象とする医療機関の検討の必要性が、それぞれ指摘をされているということを御紹介させていただきます。
 それでは、次、31ページ目以降が、救急医療指数についてでございます。
 31ページ目、32ページ目には、当該計数の評価方法をお示ししてございますが、こちらも分科会での御指摘がございます、33ページ目でございますけれども、評価の趣旨が明確になりますように、これは名称の変更も含めて検討する必要があるという御指摘があったところでございます。
 次に、34ページ目からでございますけれども、こちらは地域医療指数における体制評価指数についてでございます。
 34ページ目から35ページ、36ページが、現状の評価内容となってございます。
 37ページが、令和5年度の指数値の分布でございます。3つに分かれている群の中で、大学病院本院群、そして、DPC特定病院群におきましては、上限値の5割以上を取得する病院がほとんどであること、こういった状況でございます。
 また、38ページ目、39ページ目でございます。
 こちらは、実績評価の手法と、その例をお示ししてございますけれども、現在は、どの病院群におきましても、上限値を25%tile値として設定しているということでございます。
 40ページ目から42ページ目は、新興感染症発生・蔓延時の医療体制に係る医療計画の内容でして、協定締結を通じ、平時から医療提供体制の確保を図ることとされているところでございます。
 43ページ目に抜粋してございますけれども、分科会におきましては、医療機関群に応じた評価の在り方に関する検討や、感染症の評価におきまして、入院医療に係る協定締結の評価に関する検討の必要性について、御指摘があったところでございます。
 次、44ページ目からは、体制評価係数の新たな評価として、検討し得る項目といたしまして、分科会において議論があった内容をまとめてございます。
 ここから駆け足でございますが、45ページ目から48ページ目は、脳死下臓器提供について。
 そして、49ページ目から51ページ目は、多職種協働による医療提供につきまして。
 52ページ目から55ページ目は、医師少数地域への医師派遣機能について。
 そして、56ページ目から59ページ目は、外国人患者の受入れ体制につきまして。
 60ページ目から64ページ目は、医療の質向上に向けた取組について、評価が考慮される背景となるデータ等を含めてお示しし、そして分科会でも御議論をいただいたところでございます。
 それでは、次に「機能評価係数Ⅱの見直しについて」に進ませていただきます。
 ページ数で申し上げますと、65ページでございますけれども、こちらは、今、申し上げました内容を踏まえまして、機能評価係数Ⅱの見直しの全体像として、見直しのイメージにお示しする方向性が考えられるのではないかということでございます。
 具体を申し上げますと、65ページ目の左に現行の6つの係数がございますけれども、保険診療係数に関しては、評価を廃止、一部を体制評価指数において評価。
 効率性係数は、評価手法の見直し、医療機関群別の評価を導入。
 複雑性係数、カバー率係数は、現行の評価の継続。
 救急医療件数は、名称や係数の位置づけの変更。
 そして、地域医療係数に関しましては、特に体制評価指数は、医療計画や実績分布等を踏まえた見直し、新たな評価項目の追加、こういったイメージでございます。
 それでは2-2、対象病院の要件について御説明をさせていただきます。
 66ページ目からになります。
 67ページ目は、現行のDPC対象病院の要件についてでございます。
 要件の1つでありますデータ病床比につきましては、68ページ目にありますとおり、急性期一般入院基本料を届け出る施設の大半が満たしているという現状でございます。
 一方、69ページ目にありますとおり、分子に当たるデータ数の少ないDPC対象病院が存在するということでございまして、71ページ目、72ページ目は、こうしたデータ数の少ない施設におきまして、複雑性係数が高い傾向にあること、72ページ目、73ページ目は、1月当たりデータ数が90以下の施設で、診療密度の相対値が低い傾向にあることをお示ししてございます。
 ページを進ませていただきます。
 75ページ目にございますとおり、こちらは分科会の指摘でございますが、急性期医療の標準化という制度の趣旨や、他のDPC対象病院の評価への影響も踏まえまして、データ数に係る基準を設定することが考えられるのではないかといった御指摘や、保険診療係数の検討を踏まえ、適切なDPCデータの作成に係る基準を要件として位置づけることが望ましいのではないかといった指摘がございました。
 以上のような結果も踏まえまして、76ページ目には、実績データに基づく要件を令和6年度改定において新設する場合には、令和6年6月以降の実績データを用いて判定を行う、令和8年度より適用することが考えられるのではないかということを示してございます。
 また、77ページ目に、令和6年度改定におきましては、診療密度に係る検討結果も踏まえ、データ数に係る基準を満たさない施設への対応といたしまして、診断群分類ごとの包括点数につきまして、該当する病院のデータを除外して算出する、 基礎係数、包括点数に対する包括範囲出来高点数の比率を反映する係数でございますけれども、この係数の設定に当たっては、該当する病院の評価を区別する、機能評価係数Ⅱの設定に当たりましては、従前のとおり3つの医療機関群ごとの評価とするといった対応が考えられるのではないかということで、お示しをさせていただいております。
 それでは、3つ目「算定ルールについて」でございます。
 79ページ目、80ページ目にありますように、1日当たり包括点数の設定に当たっては、A、B、C、Dと、現行は4つの点数設定方式がございます。
 これは、DPCデータに基づきまして、それぞれ入院初日から退院日までの医療資源投入量をなるべく精緻に反映するという観点から、これまでの累次の改定におきまして、このA、B、C、Dの4つの階段のつけ方、この点数設定方式が導入されてきたところでございます。
 令和4年度の改定におきましては、Aが標準的な形でございますけれども、この見直しを行ったところでございます。
 次に、81ページ目に進んでいただきまして、点数設定方式別の在院日数の変化の推移でございます。
 82ページ目は、現在の点数設定方式AからCの適用条件でございます。
 83ページ目につきましては、診断群分類ごとの入院期間Ⅰでの医療資源投入量の比率をヒストグラムでお示ししてございまして、84ページ目のように、入院期間Ⅰを平均プラス17%で設定しておりますA方式におきまして、入院初期の医療資源投入量が設定点数を上回る分類が存在するということでございます。
 85、86ページ目は、在院日数ごとの点数設定と、実績点数の関係を示してございます。
 87ページ目にございますとおり、分科会におきましては、実際の医療資源投入量に見合った評価を行う観点から、点数設定方式Bの適用を拡大していくことが考えられると、そういった御指摘があったところでございます。
 次、88ページ目でございますけれども、標準化が進んでいると考えられる分類の例につきまして、89ページ目は、在院日数ごとの点数設定と実績点数の関係を示してございます。
 90ページ目にございますとおり、分科会におきましては、標準化が進んでいると考えられる診断群分類につきましては、現行の点数設定方式では、入院期間Ⅱというのは平均在院日数でございますけれども、より早期に退院させた場合の評価として、十分ではないのではないかといった指摘に加え、入院期間Ⅰで入院基本料を除く包括評価を行うことや、対象となる分類の条件設定の必要性について指摘がございました。
 以上のような御指摘も踏まえまして、91ページには、新たに考え得る点数設定方式を、高額薬剤や短期滞在手術等に相当する分類に導入されているD方式と比較する形でお示しをしてございます。
 具体的には、入院初日でなく、入院期間Ⅰにポイントを置く形で、包括点数を設定してはどうかということでございます。
 92ページ目は、こうした点数設定方式を導入する対象の診断群分類対象の選定に当たって、考えられ得る条件を示してございまして、臨床的な観点も踏まえつつ、分類としての導出性が担保されているものなどを対象としてはどうかということでございます。
 4つ目のテーマでございます。
 93ページ目からになりますけれども、94ページ目がDPC導入の影響評価に係る調査の概要でございます。
 95ページ目、96ページ目にありますとおり、データ提出を行います医療機関が、急性期医療機関以外にも拡大してきているということございまして、97ページ目は調査の結果報告につきまして、98ページ目は、公開データについてでございます。
 99から101ページは、これは、様式1の項目につきまして、一部不明を入力する割合の高い施設が存在するということで、それをお示ししてございます。
 102ページにございますとおり、現状を踏まえまして、調査の名称、そして結果報告の在り方について再整理すべきといった御指摘、そして、データの入力状況に関する公開データの拡充について、指摘があったところでございます。
 以上のような御指摘も踏まえまして、103ページ目にお示ししているような形で再整理することが考えられるではないかとお示ししてございます。
 それでは、論点でございます。
 109ページ目、最後のページでございますけれども「医療機関別係数について」ということでございます。
 これは、先ほどのチャートでお示しした論点を、お示しさせていただいております。
 次、DPC対象病院の要件についてということでございますけれども、データ数、それから適切なDPCデータの作成に係る基準、こういったものを新設することについて、どのように考えるかなどの論点を示させていただいてございます。
 算定ルールにつきましては、点数設定方式Bを適用すること、新たな点数設定方式の導入についての論点をお示しさせていただきます。
 次、退院患者調査(DPCデータ)につきましては、今、申し上げたような、調査の名称や目的、結果報告の在り方を再整理することについてなどの論点をお示しさせていただいてございます。
 事務局の説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、お願いいたします。
 長島委員、お願いします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 109ページの論点についてコメントします。
 まず、医療機関別係数についてです。
 4つ目の○の地域医療係数における体制評価指数のうち、医師少数地域への医師派遣機能については、医師少数区域にどの程度医師を派遣しているのか、あるいは地域において真に必要とされているところに派遣しているのか等について、きちんと評価できるようにするべきと考えます。
 また、今回は、大学病院だけが対象となっていますが、僻地拠点病院とその他の病院では、なぜ評価されないのかといった整合性についても、配慮する必要があるように思います。
 その他の項目についても、入院患者全体へのメリットをどのように説明するのか。
 既存の評価との整合性については、理解できる資料を提示ししていただいて、検討を進めるべきだと考えます。
 DPC対象病院の要件についてです。
 DPC/PDPSの安定的な運営を図ることの必要性は理解するところですが、データ数等の基準を新設することによって、どの程度の医療機関が、どの程度の影響を受けることになるのか、地域の医療資源の多寡なども踏まえて精査することが必要であると考えます。
 また、今回の基準は出口だけでなく、入り口にも設けるということでしょうか。現在の要件は、DPCの運用を適正に行える急性期一般入院料、特定機能病院入院料を届けている医療機関というコンセプトだったと思いますが、今回の要件は、それとは少し異なるように感じています。
 また、73ページのデータを見ると、確かに診療密度の中央値は、データ数が90を下回る医療機関では低くはありますが、データのばらつきを、その近くのデータ数と比較すると、そもそも分布が連続的であって、特定の医療機関群といった形で対象を特定できるような感じにはなっておらず、退出ありきで議論することは、少々乱暴ではないでしょうか。
 いずれにしましても、この論点の具体的検討を進めていくとすれば、令和6年度改定後も継続して行うことになり、実際に何を検討し、どういった道筋を医療機関がたどるのか、
医療機関自身で是正できる種類の診療内容があるのか、平均値ではなく、具体的な内容の検討が示されていない中で、現在の論点を了承することは困難です。
 算定ルールについてです。
 今回は、不要な在院日数の延伸につながらないよう、より早期に退院させた場合の評価が検討されています。
 しかし、平均在院日数については、DPCごとに標準的な入院日数として入院期間Ⅱが定められていることを踏まえれば、過度に早期退院を促すことは、患者さんのためにも慎重であるべきだと思います。
 そもそもDPCの考え方として、必要とされる医療資源を適切に投入した場合に、標準的入院日数で回収できるように、診断群分類ごとに、1日当たりの点数として設定し、さらに医療機関の属性に応じて、それを医療機関別係数で設定されています。
 もちろん、病院における早期退院の取組は評価されるべきではありますが、一方で、過度に促すことで、粗診粗療につながらないような留意が必要であると考えます。
 そういったコンセプトについては、既にD方式を新設する際に議論し、一定の結論が得られていると思います。
 したがって、なぜ、D方式ではなく、本方式を取る必要があるのか、どういう診断群で必要とされているのかについて、より具体的、客観的なデータを求めたいと思います。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 ありがとうございます。
 今回、個別の論点ではなくて、全体の見直しの論点そのものに関して、お話をさせていただきたいと思います。
 今回、医療機関別係数に関しても、また、対象病院の要件に関しても、また、算定のルールの新たな設定方法の導入など、かなり大幅なDPCの制度の変更の提案をいただいていると思います。
 先ほど、長島委員からもありましたが、より詳細な分析、検討を行っていく必要があるということと同時に、もし、この変更を行っていった場合に、各医療機関にどれぐらいの影響が出得るのかというものは、やはりしっかりと把握させていただいて、判断させていただく必要があるだろうと思います。
 先ほど実調の資料ですが、来週以降に2号側として意見を出させていただきますが、かなり病院の状況は、大変な状況に追い込まれているということだと思います。
 そこに制度の変更によって、かなり大きな影響が出る場合、特にDPCというのは入院料の根幹でありますので、非常に大きな影響を地域医療に与える可能性が高いと思いますので、そういう意味で、慎重な検討を今後も続けていく必要があると思っております。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず、総論といたしまして、DPC制度は急性期入院医療の標準化を目的としたものであり、真に急性期医療を担う医療機関を適切に評価できる体系であることが重要だということを、まず、申し上げたいと思います。
 また、分科会で専門家による技術的な検討が行われた結果についても、最大限尊重すべきであると考えております。
 こうした認識のもとで、各論についてコメントいたします。
 まず、医療機関別の係数についてでございますが、保険診療係数については、資料の19ページを見ますと、減算に該当する病院は1%程度ということで、非常に少数となっておりますので、適切なDPCデータの作成は、DPC制度に参加する前提条件として位置づけ、指数による評価は、論点に示されているとおり、廃止で進めるべきものと考えます。
 続きまして、効率性係数と複雑性係数でございますが、30ページにございます分科会の指摘にもありますとおり、患者構成の違いによって、公平な評価とならない場合があるということでございますので、適切な評価方法に是正すべきと考えております。
 複雑性指数につきましては、専門病院をどうするのかという、DPC対象病院の要件とも併せて考える側面もあると考えられます。
 続きまして、地域医療係数については、感染症の評価を第8次医療計画も踏まえ、41ページ、42ページにあります、都道府県との協定締結とリンクした内容にすべきと考えます。
 また、新たな項目の追加については、分科会でも必ずしも意見が一致していないということでございますので、慎重に検討すべきであろうとは考えますが、地域医療という観点で見ますと、52ページ以降の医師派遣機能、60ページ以降の医療の質向上に関しては、導入の余地があると考えます。
 特に医療の質の向上については、保険者の立場として、医療の質の可視化につながる期待もございます。
 多職種協働や外国人患者の受入れについては、重要な課題であることは理解いたしますが、DPC制度で評価する必要性については、いささか疑問を感じております。
 また、資料の48ページにございます、臓器移植に関してでございますが、これは社会的な問題でもあり、今回議論しておりますDPC制度の中で、どんな対応ができるのかについて、事務局からお示しいただきたいと考えます。
 続きまして、DPC対象病院の要件についてでございます。
 DPC制度は、参加する病院全体のデータに基づいて支払額が決まりますので、公平性が非常に重要です。
 健保連は、以前から退出基準を設定すべきであると申し上げており、今回分科会でもしっかり議論していただいたものと、その意義は大きいと思います。
 資料の70ページから73ページを拝見いたしますと、データ数90、すなわち対象患者が、月90人以下がDPCであることに疑問を感じる内容となっております。
 先ほど、保険診療係数の論点で発言した適切なデータの作成とともに、データ数90をDPCへの参加要件とすべきではないかと感じます。
 また、具体的な運用方法につきましては、76ページ、77ページに示された内容で進めていただきたいと思います。
 言わば、経過措置のようなものを設けることはやむを得ないと思いますが、確実に退出につなげていくということで、複雑性指数の不公平や診療密度が低いことによる、ほかの病院全体の評価が低くなることは是正できると考えます。
 また、算定ルールと退院患者調査に関する論点につきましては、いずれも実態に合わせた見直しということでございますので、異論はございませんが、91ページ、92ページに示されております、新たな点数設定方式につきましては、現場の影響にも十分注意しながら対応すべきと考えます。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに、佐保委員、お手が挙がっております。お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 109ページの各論点については、入院・外来医療等分科会の指摘を踏まえて、見直しを検討すべきと考えます。
 医療の質の向上に向けて、データの活用は重要ですので、適切なデータ入力に向けた対応は必要と考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 まず、最初に総論として、先日、分科会と総会のそれぞれの役割について、事務局にも確認させていただきましたので、その辺、もう一度共通認識としていただければ幸いです。
 また、退出に関しては、先ほど申しましたが、最初から退出ありきという形で議論するのは、やはり乱暴であり、丁寧に検討すべきと考えます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
 先ほど多職種協働に対する御意見もあったかと思いますけれども、50ページにあるような、これらの加算につきましては、チームケアの根幹をなす多職種協働によって、効果が発揮されておりまして、いずれも患者さんの回復にとって不可欠な加算でございますので、多職種協働というのは、大変重要であることを申し上げたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
 ありがとうございます。
 医療の質の話を1点だけ議論したいのですけれども、60ページにありますように、医療の質の向上のための体制整備等を図って検討されてきたということがあります。
 我々、通常、医療の質を上げて、なおかつ費用を下げる、あるいは上げないといったことをどうすればできるのかというのを一生懸命考えているわけですけれども、医療の質に関しては、一般の市民は、ほとんど分からないというのが、我が国の実情ではないかと思います。
 60ページの資料にありますように、平成22年から医療の質の向上に意欲のある病院に参加を呼びかけて、整備事業を進めてきているわけですけれども、参加は伸び悩んでいると記述がございます。
 この根幹である医療の質に関して、特にDPC病院というのは、最も情報が取れる、あるいは質の情報を精緻化できる病院だと思いますので、ぜひ、DPCの制度の中に、こういった情報をどう含められるかということを、ボランティアな病院だけではなく、我が国の全ての病院に考えていただくという方向で、ぜひ進めていただきたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、ほかに御質問、御意見等ないようですので、本件に係る質疑は、このあたりといたします。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見を踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
 そこで、しばらく休憩を入れたいと思いますので、よろしくお願いします。
(休  憩)
○小塩会長
 それでは、次に「長期収載品(その1)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○荻原保険医療企画調査室長
 保険医療企画調査室長でございます。資料総-3を御覧いただきたいと思います。「長期収載品(その1)」でございます。
 ページをおめくりいただきまして、3ページ目を御覧いただきますと、経済財政運営と改革の基本方針2023、いわゆる骨太の方針でございますが、こちらの赤字部分を中心に御覧いただきますと、創薬力強化に向けて革新的な医薬品、医療機器、再生医療等製品の開発強化、研究開発型のビジネスモデルへの転換促進等を行うため、イノベーションの適切な評価、さらなる薬価上の措置を推進するとされてございます。
 また、中ほど、医療保険財政の中で、こうしたイノベーションを推進するため、長期収載品等の自己負担の在り方を見直し、検討を進めるとされてございます。
 続きまして、4ページ目でございますが「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会の報告書」でございます。
 本年6月9日に取りまとめられました、この報告書の中ほど赤枠で囲った部分でございますが、長期収載品などに関わるパーツでございまして、新薬の研究開発に注力する環境を整備する観点や、長期収載品の様々な使用実態(抗てんかん薬等での薬剤変更リスクを踏まえた処方、薬剤工夫による付加価値等への選好等)に応じた評価を行う観点から、選定療養の活用や現行の後発品の置換え率に応じた薬価上の措置の見直しを含め、適切な対応について検討すべきであるとされてございます。
 続きまして、資料が少し飛びまして、11ページ目、12ページ目を御覧いただきたいと思います。
 現状のデータは国際比較によるものでございますが、11ページ目、後発品のシェアについてでございます。
 数量、金額、いずれも並んでいますが、日本は比較的低い傾向にあると。
 続きまして、12ページ目を御覧いただきますと、一方で、長期収載品の数量、金額に関するシェアでございまして、いずれも日本としては、比較的高い傾向にあるところがデータとして出てございます。
 続きまして、13ページ目ですが、医療用医薬品世界売上上位100品目の国別起源比較でございまして、日本は赤枠で囲っております。従来は、二桁台が多かったのですけれども、近年は一桁程度ということでございます。
 資料を先に飛ばしまして、21ページ目から御覧いただきたいと思います。
 診療報酬改定の結果検証に関する特別調査から抜粋してございまして、21ページ目は、先発医薬品を指定する場合の理由についてでございます。
 診療所・病院・医師調査の関係ですが、その理由としては、患者が先発医薬品を希望するからが、以下のとおりでございまして、最も多いという状況でございます。
 22ページ目でございますが、後発医薬品に関する使用意向でございまして、患者調査になります。
 こちらを御覧いただきますと、郵送調査、インターネット調査、いずれも少しでも安くなるのであれば使用したいという割合が最も多く、その次としては、幾ら安くなるかにかかにかかわらず使用したいという割合が高いという状況でございます。
 また、本日支払った金額よりも一定額安くなるであれば使用したいという声も、一定割合いるという状況でございます。
 23ページ目でございますが、やはり結果検証調査に関しまして、後発品を使用したくない意向についてでございまして、患者調査ですが、ジェネリックの効き目、効果や副作用に少し不安があるというのが最も多いく70.7%、使い慣れたものがよいとされる割合が51.2%となってございました。
 続きまして、25ページ目から御紹介したいと思います。
 制度に関する議論でございまして、社会保障審議会医療保険部会のほうで、薬剤自己負担の見直しに関しての議論を先行して進めてございます。
 25ページ目を御覧いただきますと、薬剤自己負担、保険給付の在り方の見直しということで、4つの項目を並べて議論いただきました。
 1つが薬剤定額一部負担、2つ目が薬剤の種類に応じた自己負担の設定、3つ目が市販品類似の医薬品の保険給付の在り方の見直し、4つ目として長期収載品の保険給付の在り方の見直しということで、それぞれの考え方と課題について、並べた上で御議論をいただいたという状況でございます。
 26ページ目を御覧いただきますと、そうした議論の中で各委員の意見ですとか、政策的な要素といったものを考慮した上で、④番である長期収載品の保険給付の在り方の見直しを中心として検討を進めてはどうかということで、議論が進んでいるという状況でございます。
 27ページ目を御覧いただきますと、イノベーション推進と安定供給確保に向けたビジネスモデルの転換ということで、全体像のイメージをお示ししてございます。
 創薬力強化に向けたイノベーション推進と、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの解消実現、そのための薬価上の措置、もしくは革新的な医薬品等の開発強化ですとか、ビジネスモデルの転換、促進が必要であると。
 また、後発医薬品を中心とした安定供給の課題を解消するためにも、産業構造の転換を促すとともに、医療上必要性の高い品目の安定供給の確保も不可欠である。
 そういった点を加味しまして、主な検討課題として3つ枠で囲っていますが、こうした点、薬価上の措置で検討が必要なもの、それ以外の要素として検討が必要なものというのを主な項目で並べた上で、一番下として、長期収載品等の保険給付の在り方を見直すというのが、こちらに挙がってございます。
 そうした点を踏まえまして、28ページ目ですが、これも11月9日医療保険部会のほうで、具体的な論点が幾つかあるということで御議論をいただいております。
 現行の薬価のイメージと主な検討課題ということで並んでいますが、左側が現行の薬価イメージでございまして、後発品と長期収載品、それぞれ薬価、うち保険給付と患者負担というものがございまして、この価格差についてというところでございますが、特に長期収載品の選定としての位置づけについてどう考えるか、もしくは医療上の必要性などについてどう考えるかといったところを、中心に御議論が今進んでいるところでございます。
 30ページ目を御覧いただきますと、課題は、今、御説明申し上げたとおりでございまして、論点としまして、5つほどあろうかと思っています。
 まず1点目ですが、医療上の必要性についてどう考えるか。薬剤変更リスク等を踏まえた医師による処方についてどう考えるか、といったところがあろうかと思います。
 2点目、保険給付と選定療養の負担に係る範囲について、どう考えるかというところがございます。
 特に、これまでも、かつて議論がございました、いわゆる参照価格制、当時の議論としては、後発品と、例えば先発品の価格差については、自己負担とするといった考え方があったかと。
 それが、いわゆる参照価格制としての議論ということであったかと思いますが、医療上の必要性も含めて、この関係をどう考えるかといったところが論点かと思っています。
 また、4つ目ですが、長期収載品は、現行も薬価上の措置が様々講じられてございます。
 今回、保険給付の在り方を見直すということと、薬価上の措置との関係について、どう考えるかといったところも1つ論点かと考えています。
 最後でございますが、後発医薬品の安定供給との関係についても、どう考えるかといったところがあろうかと思います。
 事務局の説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問等お願いいたします。
 長島委員、お願いします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 30ページの論点についてコメントをします。
 この議論を進めるに当たっても、処方権は医師にあることを原則にすべきであります。
 この原則を踏まえれば、医師が医学的な判断により、長期収載品を選択した場合は、患者さんの選択によるものではありませんので、選定療養の対象にすべきではないと考えます。
 この点を考慮せず、後発医薬品の薬価を超える部分は、一律に自己負担を求める参照価格制度については、医療上の必要性を考慮しておらず、導入すべきではありません。
 また、長期収載品の薬価については、安定供給上の懸念や、長期収載品の保険給付の在り方について、方向性が定まった時点で議論すべきだと考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 30ページ目に示されている論点に沿って、発言をさせていただきます。
 1つ目の医療上の必要性についてですが、医療上の観点から、先発品を使用している場合や、患者さんの状態によって薬剤変更することで、治療に影響する場合、後発品と適用が異なる場合等もあります。
 その医薬品を使用することに、医療上の必要性が合理的に存在する場合には、これまでどおり保険給付の対象とするなど、十分に配慮した制度設計も必要と考えます。
 あわせて、この必要性を判断する要素や、その判断方法についても医療現場、特に処方箋に基づき調剤を行う薬局において、困ったり、負担となったりしないよう、簡素かつ明確な仕組みとする必要があると考えます。
 次に、2つ目と3つ目の保険給付と選定療養の負担にかかる範囲と、いわゆる参照価格制度についてですが、患者の自己負担額を選定療養として位置づけるにしても、いわゆる参照価格制度の考え方のような差分丸ごとではなく、患者負担が過度にならないことが必要であり、個別の医薬品の薬価や処方日数等により、実際の自己負担額には大きな差が生じるため、その辺りの配慮も必要と考えます。
 そのためには、負担に関して一定の水準を設けること等も含め、一定の率を定めることを検討すべきと考えます。
 次に、4つ目の薬価上の措置との関係についてですが、今回の保険給付の在り方の見直しは、これまでにない新たな対応であり、患者、現場への影響が非常に大きく、実際にどのような影響が現れるのか想定しづらい部分もあることを考えると、後発品の置換えを進める方策として、今回提案された方法を行うのであれば、長期収載品に係る薬価上の措置の見直しを行うことは、すべきものではないと考えます。
 次に、5つ目の後発品の安定供給との関係についてですが、現状、医薬品の供給状況は極めて不安定であり、患者さんへ交付可能な薬剤が限定されているため、患者さんにお待たせしたり、処方変更などをやむを得ず行ったりしており、今回さらに調剤時に後発品がないからといって、金銭的な負担を患者に求めることは到底できません。
 出荷調整となっていない医薬品でも入手が困難な状況であり、少なくとも出荷調整となっている成分を対象にすべきではないと思いますが、日々その品目も変化している現状で、どのように制度が適切に運用できるのか、急に現場が混乱しないよう、施行の時期なども含め、慎重な検討が必要と考えます。
 最後に、これらの対応については、システム上の対応が必要となります。また、平成9年の薬剤一部負担金導入のときには、患者への説明を含めて、現場が大きく混乱しました。現場に事務負担がかからないよう、システム上の対応も含め、なるべく簡素な形で実施するものと考えますし、関係者による国民への十分な周知や、そのための準備期間等も必要と考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず、総論といたしまして、後発品の使用割合が10ページに示されているとおり、79%まで上昇しているとはいえ、12ページを見ますと、世界的に比較すると、日本では長期収載品のシェアが、まだ高い状態にあります。
 また、21ページを見ますと、医師が先発医薬品を指定する理由として、患者の希望が最も多い状況ですので、いわゆるブランド選択と言えるようなものについては、選定療養と位置づけることで、後発品の使用を促進することは十分に考えられると思います。
 それでは、30ページに示されております論点に沿って、コメントいたします。
 まず、医療上の必要性については、当然一定の配慮が必要であり、20ページにありますように、後発品が存在しないもの、精神系の薬剤など、後発品からの切替えが困難な場合は、選定療養から除外することが想定されます。
 また、最終的に医師の判断に委ねる部分があると思いますが、21ページを見ますと、先発品を指定した理由の約3割が、後発品の品質や効果や副作用に疑問があるとなっていますが、これらを全て選定療養から除外することについては、少し疑問がございます。
 適正な運用という観点から、医師による妥当な判断が行われることを担保する必要があると考えております。
 続きまして、保険給付と自己負担の範囲については、患者が後発品へ切替えようと考える程度の負担はあってしかるべきですが、先ほど森委員からもありましたけれども、過度な負担増も難しいだろうと考えております。
 したがいまして、28ページに示されております、参照価格制を導入する必要性は乏しいと考えます。
 一方で、長期収載品の薬価上の措置については、薬価専門部会でも申し上げたとおり、不可欠でございます。
 限定出荷や欠品が生じている成分を選定療養から除外しつつ、安定供給が可能な後発品の使用がさらに増加することにより、後発品企業にとっては経営上のメリットもあると言えます。
 患者の負担増によって生じた財源は、イノベーションと持続可能性の両立につながるよう還元すべきだと考えます。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 佐保委員、お手挙がっています、オンラインからお願いします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 長期収載品の保険給付の在り方の見直しについては、経済力による医薬品へのアクセスの課題があることや、本来、必要な医薬品の一部を保険外の自己負担とすることについて、2002年改正の健康保険法改正法附則との関係もあると考えます。
 患者の要望だけでなく、医師が先発品を指定する場合や、後発品の普及率が低い地域もある実態を踏まえた検討が必要と考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか
 高町委員、お願いいたします。
○高町委員
 ありがとうございます。
 後発品の使用は、今後も促進していくべきだと思います。ただ、選定療養は保険適用外の治療と、保険適用の治療を併せて受けられるようにするとのこと。長期収載品に何か安全性の問題が生じていない中で、保険適用外にすることによって、これからの医療保険制度に、国民が不安を持つようなことがあるのではないかという懸念を持ちますので、丁寧に議論をしていただくことを要望したいと思います。ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
 ありがとうございます。
 長期収載品の保険給付の在り方について、選定療養を活用していくという方針については、異論はございません。
 また、医療上の必要性への配慮が必要であるということについても理解するところでありますけれども、後発品への置換えを進めて、長期収載品の依存からの脱却を促すという大目的については、常に踏まえておく必要があるのではないかと思います。
 私から以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。池端です。
 重なる点もありますけれども、まず、医療保険部会での議論の中で、今、25ページにありますように、1から4を議論したことになっていますが、実際は、どれかを選択するという形で、最終的に4が俎上に上がって、今、そこの議論が進んでいるのだろうと思いますが、これに関して、当初、医療保険部会での議論の中でも、医師がジェネリックに対して不安があるからしているのではないかという意見も出ました。
 ただ、現状、ここの資料にありますように、やはり患者さんの希望が非常に多いのです。処方箋には変更不可というレ点をつけて、それで医師の判断ができることになっていますが、それで薬局へ行くと、薬局のほうから、逆に患者さんが、不安だから変えたくないということを言ってきて、どうしましょうかという問い合わせがあるということがよくあります。
 ここは、それは医師として絶対に大丈夫だからと、100%言えるかというと、薬というのは、すごくセンシティブなもので、効いているか、効いていないか、特に向精神薬等は、なお、そうなのですけれども、ずっと1年、2年飲んでいた薬を変えることによって、すごく不安があって、1回、先生が言われたとおり変えてみたけれども、やはり調子が悪いから元へ戻してくれという、こういう患者さんの要望、それは科学的には、根拠がありませんと言い切るのは、非常に現場で難しいところもあり、こういうこともあるのだということを、少し御理解をいただけるといいかなと思います。
 だから、一旦変更したものを、やはり患者の希望があって戻したときに、それは選定療養ですというのは、結構、医師にそこを任せるのはハードルが高いかなということもあるので、仮に、もし、これを強引に選定療養に持っていくということであれば、先ほど皆さんがおっしゃったように、参照価格みたいに全額ということは、もう到底不可能だと思いますし、選定療養になれば、それが全額自費扱いになるわけですから、せめて、それの保険給付額3割とか4割に、少し足したぐらいという形で、やはり激減緩和しないと、患者さんは非常に困ってしまうことがあるのではないか、そんな気がしています。
 いずれにしても、慎重に検討していただくことと同時に、やはり、これの前提は、後発医薬品の安定供給が、まず前提になりますので、先ほど森委員もおっしゃったように、そこに移しても、結局、先発に戻さなくてはいけないということも、日常よく経験していますので、そこが大前提であるということも踏まえた上で、慎重に御検討をいただければと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 飯塚委員、お願いします。
○飯塚委員
 ありがとうございます。
 まず、選定療養の導入に関しては賛成いたします。
 その中で医療上への配慮ですけれども、まず、後発品は先発品と同等であるというのが基本的な考え方だと思いますので、もし、特定の医薬品について、同等性が確保されていないということであるとすると、それ自身が問題ですので、そういった同等性が確保されるように、制度等の見直しが必要ではないかと思います。
 それから、1点、事務局に質問なのですけれども、欧州の各国では、長く参照価格制度が採用されていますけれども、本日議論にありました、医療上の配慮といったものはなされているのかどうか、もし、されている場合は、どのようなルールで対処をしているのか、お調べいただきたいと思います。
 それから、後発品の供給不安がある現状をどう考えるかという論点ですけれども、私もその点は非常に重要だと思います。
 1つの考え方としては、新たな制度の導入ということであるとすれば、全ての医薬品に対して一律に導入するということは、規模的にも難しい可能性もありますので、部分的に、試行的に導入するということも考えてはどうかと考えます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 今、飯塚委員から諸外国の例について、事務局で情報をお持ちかという御質問がありましたけれども、いかがでしょうか。
○荻原保険医療企画調査室長
 飯塚委員から御指摘いただきました、他国の制度ということで、主に参照価格制度を取っている国といえば、ドイツとかフランスといった国が代表的なケースかと思います。
 基本的にそれぞれの国の中で、制度は様々かと思います。一般的には、参照価格制を、例えばドイツで言いますと、先発品の場合であっても、参照価格の中にグルーピングをされ、その結果としては、それ以上の部分については患者負担にするという仕組みになっていますので、基本的には、そういった範囲での処方権というのも、事実上、ある程度コントロールされているという仕組みではないかと考えてございます。
 ただ、各国制度が、縷々見直しをされておると思いますので、そういった点も含めて、何かもう少し新しい情報も含めて、提出できないか少し考えさせていただきたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 飯塚委員、いかがでしょうか。
○飯塚委員
 今、少し重要な論点というのは、どのように医療上の配慮をするのかというのが、恐らく重要な論点だと思いますので、私が見聞きするところでは、そういった配慮というのは、必ずしも諸外国で明示的なものはないのかなと思いますけれども、そういったものを諸外国で、どうルール化しているのか等、参考に教えていただけると、今後の議論が進むのではないかと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 1点だけ、今、飯塚委員からの置換えが難しい医薬品、選別してやったらという御意見だったかと思いますけれども、1つの医薬品でもAさんには、特に問題ないけれども、Bさんに投与すると、いろいろ問題等を訴えてくるということはあり得るので、これは、やはり、現場の医師の判断に任せるしかないのではないかと、現場としては、そういう感じがいたします。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、ほかには御質問等ないようですので、本件に係る質疑は、このあたりといたします。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
 続きまして「個別事項(その7)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、個別事項(その7)、テーマといたしましては、緩和ケアにつきまして、中医協総-4を用いまして、御説明をさせていただきます。
 2ページに、本日の議題の目次がございます。
 それでは、3ページでございます。こちらは緩和ケアの定義ということで、WHO、また、我が国におけます、がん対策基本法の中での定義を引かせていただいてございます。
 次、4ページ以降でございますけれども、こちらは第8次医療計画の見直しのポイントの中で、左側に赤枠で囲ってございます、緩和ケアに関する規定がございます。
 また、5ページでございますが、こちらは第4期のがん対策推進基本計画でございます。これも赤枠で真ん中に囲ませていただいておりますけれども、がんと診断されたときからの緩和ケアの推進についてといった記載があるところでございます。
 それでは、ページを進ませていただきます。
 9ページになりますけれども、こちらが治療早期からの緩和ケアによる効果でございます。一定のデータをお示ししてございまして、治療早期から専門的な緩和ケアチームが関わることで、うつ症状が減少し、生活の質、QOLが改善するのみならず、生命予後が改善するといったデータをお示ししているところでございます。
 次に、10ページでありますけれども、これは緩和ケアによる対応が求める苦痛や不安等、そして、疼痛に関するWHOのガイドラインが11ページにございます。
 12ページ目は、がん患者さんの抱える不安、こういったものがあるということをお示ししているところでございます。
 続きまして、13ページ目、14ページ目、15ページ目でございますけれども、こちらには、緩和ケアの提供体制の概略及び、そして、同時改定の意見交換会において、御意見をいただいた内容を示してございます。
 そして、14ページでございますけれども、こちらは、最期を迎えるに当たり重視する点といたしまして、これも赤枠で囲ってございます。家族等の負担にならないこと、体や心の苦痛なく過ごせること、ここを重視されているというアンケート結果をお示ししているものでございます。
 それでは、2つ目の項目に移らせていただきます。
 「多様な苦痛に対応する緩和ケアの提供について」ということでございます。
 17ページは、先ほどの資料の再掲でございまして、次に進ませていただきます。
 19ページから21ページには、がん診療連携拠点病院等の概要、そして、指定要件におきまして、精神症状担当医師を含めた、緩和ケアチームの配置が求められているということをお示ししてございます。
 22ページ目から24ページ目に関しましては、がん拠点病院加算の概要、また、緩和ケア診療加算、外来緩和ケア管理料の概要、こういったものをお示ししてございます。
 26ページには、緩和ケアチームの人員配置におきまして、診療報酬上の要件と、がん拠点病院等との指定要件における違いをお示ししてございます。
 27ページ目、28ページ目でありますけれども、がん拠点病院等における緩和ケア診療加算等の届出状況と、算定できない理由としては、十分な人員体制を整えることは困難である。また、特に精神担当医を配置するのは困難であるということが、アンケート結果であったことを示したものでございます。
 29ページ目、30ページ目でございます。
 こちらは入院患者さんに対する緩和ケアチームへの依頼内容、特に専従または専任の精神担当医の配置がある医療機関におきましては、そういった症状に関する依頼が多いということをお示ししてございます。
 次に「2-2 疼痛に対する専門的な緩和ケアの提供について」でございます。
 32ページには、令和4年8月に改定されました、がん拠点病院の整備指針におきまして、新たに緩和的放射線治療や神経ブロックの体制につきまして、定められたということをお示ししてございます。
 33ページ目、34ページ目には、緩和的放射線治療や神経ブロックの有効性について、そして、35ページ目、36ページ目には、疼痛緩和に関する診療報酬上の評価の概要について、お示ししてございます。
 37、38ページには、この緩和的放射線治療や神経ブロックの実施について、がん診療連携拠点病院、がん診療連携拠点病院以外の病院及び在支診における状況をお示ししてございます。
 3つ目の項目でございます。「切れ目のない緩和ケアの提供体制について」ということでございますけれども、3-1といたしまして、治療期における外来緩和ケアの提供体制についてでございます。
 40ページ目、41ページ目には、外来化学療法に通院している、がん患者さんが抱える苦痛や、がんの初回治療が、がん拠点病院以外でも約半数程度実施されているということをお示ししてございます。
 42ページ目から44ページ目には、がん患者さんの薬物療法におけるイメージや、診療報酬上の評価、続いて45ページ目から48ページ目には、外来化学療法における、その他の評価といたしまして、がん性疼痛緩和指導管理料、がん患者指導管理料、外来緩和ケア管理料の概要をお示ししてございます。
 49ページ目には、これらの管理料につきまして、外来腫瘍化学療法診療料とそれぞれどのぐらい一緒に届け出ているかということをお示ししているものでございます。
 次に進ませていただきます。
 緩和ケアの研修に関する、修了した医師につきましてでございますが、52ページに修了した医師数の推移がございまして、53ページには、都道府県ごとに研修修了者には、人口10万単位でばらつきがあるということをお示ししてございます。
 続きまして「3-2 緩和ケアにおける医療機関の連携体制について」でございます。
 55ページ目、56ページ目でございますけれども、こちらは、がん拠点病院の整備指針や、がん緩和ケアガイドブックにおけます、医療機関間の連携体制に関する記述を示してございます。
 57ページ目には、緩和ケアチームにおける医師の配置状況をお示ししております。がん拠点病院等の指定のない病院におきましては、精神担当医が在籍していない施設が一定程度あるということでございます。
 以降、精神科医の在籍がないような、がん診療連携拠点病院以外の病院に入院している患者さんにつきまして、精神症状のために対応が困難なっている状況につきまして、2つ例をお示ししてございます。58ページ目、59ページ目でございます。
 60ページ目以降は、先日の在宅(その2)におきまして御議論いただきました資料の再掲でございます。
 在宅医療の継続が困難になった患者の転機として、入院が多いことや、在宅患者につきまして、人生の最終段階における意思決定支援に関する情報をICTにて共有している場合には、急性不安対応目的の入院等が減ったということなどをお示ししてございます。
 それでは、4つ目の項目「非がん等の緩和ケアについて」に移らせていただきます。
 67ページ以降、死因別の死亡率や死亡の場所等の推移をお示ししてございます。
 71ページ目、72ページ目でございますが、累次の改定における非がん患者さんに対する緩和ケアに係る評価をお示ししてございます。
 73ページ以降、在宅におけるがん患者さんに対する鎮痛に係る評価をお示ししてございます。
 特に、73ページの在宅悪性腫瘍等指導管理料等は、注射による鎮痛剤の注入に係る評価をしております。
 77ページ目まで進んでいただきます。
 こちらには、訪問診療を行っている患者さんにつきまして、病名ごとの麻薬の処方状況をお示ししてございます。
 注射薬の麻薬でございますけれども、非がんの患者さんに関しましても、一定程度使用されているという実態がお示しできているかと思います。
 78ページ目から80ページ目でございます。呼吸困難や重症心不全に対するオピオイドの使用につきまして、エビデンスやガイドラインの記載をまとめております。
 それでは、4-2、小児の緩和ケアということでございます。
 82ページ目から84ページ目には、小児に対する終末期ケアの特徴、小児の緩和ケアに係る診療報酬上の評価、緩和ケア病棟に小児患者がほとんどいないことなどをお示ししてございます。
 85ページ目、86ページ目には、小児入院医療管理料の算定患者さんにつきまして、91日以上在院している患者さんが一定数いること、その中には、新生物以外の疾患の方々も一定数いることをお示ししてございます。
 87ページ目から89ページ目には、緩和ケア診療加算、小児加算の算定状況、そして、その傷病名に悪性新生物を含む患者さんの割合が高いこと、また、地域差があること、小児における死因順位の特徴などをお示ししてございます。
 90ページには、小児がん患者さんに対する緩和ケアチームへの依頼事項、この中には、家族ケアが多いということもお示ししてございます。
 91ページ目には、がんに限らない小児の緩和ケアの介入事例をお示ししてございます。
 それでは、課題と論点に移らせていただきます。
 課題は、今まで御説明したとおりでございますけれども、論点を御覧いただければと思います。
 3つ、大きくまとめてございます。
 「多様な苦痛に対応する緩和ケアの提供について」ということでございまして、がん診療連携拠点病院等における評価の在り方をどのように考えるかなどの論点。
 そして、切れ目のない緩和ケアの提供体制につきましては、がん疼痛や心理的不安を軽減するための介入の評価の在り方、ICT等を用いた、がん診療連携拠点病院との連携等につきましての論点。
 そして、最後に、非がん等の緩和ケアにつきましては、非がん患者さんに対する麻薬による症状緩和のあり方、小児の緩和ケアに対する評価のあり方についてどのように考えるか、こういった論点としてまとめさせていただいてございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたらお願いいたします。
 長島委員、お願いします。
○長島委員
 ありがとうございます。94ページの論点についてコメントします。
 まず、総論として、多様な苦痛に対応する緩和ケアの提供及び切れ目のない緩和ケアの提供体制について、質の高い緩和ケアを推進していくことの意味は十分理解した上で、これら2つの課題について、がん政策全体の観点から、どういった取組は効果があるのか、示していただきたいと思います。
 がんの医療提供体制全体において、特に人材育成、配置の推進については検討していただくことを前提とし、診療報酬の議論を行うに当たっては、その効果のエビデンスも踏まえて議論していくといったことが考えられます。
 次に、個別の論点にコメントいたします。
 まず、多様な苦痛に対応する緩和ケアの提供についてです。身体症状だけでなく、精神症状にも対応した質の高い緩和医療を提供するためには、精神担当医の配置は重要かと思いますが、28ページによれば、がん拠点病院であっても、約半数で専従または専任の精神担当医が配置されていないという調査結果や、精神科の医師数なども踏まえた上で、すぐに診療報酬で評価することは、やや拙速ではないかと思います。
 また、緩和的放射線治療や神経ブロックについては、非拠点病院や在支診においては、体制や専門性の観点から、なかなか実施できない現状を踏まえると、まずは、がん診療連携拠点病院の体制を強化する方法を検討することも考えられます。
 2つ目の切れ目のない緩和ケアの提供という意味では、外来腫瘍化学療法診療料を届けている医療機関において、多くの化学療法が実施されていることを踏まえれば、がん性疼痛緩和指導管理料が提供された場合の評価や、拠点病院の緩和ケアチームとICTを活用して連携することの評価もあってよいと思います。
 なお、64ページのICTを用いた情報共有の事例を見ますと、医師とケアマネジャーが、その他の多職種も含めて、十分な情報連携が取れているということが見て取れますので、サービス担当者会議だけがというような連携の方法ではなく、最近は、このようなICTの活用も非常に有用になっているということを御理解いただければと思います。
 3つ目、非がん等の緩和ケアについては、いずれの論点についても、現場の取組が評価される方法で御検討いただきたいと思います。
 私からは以上ですが、小塩会長におかれましては、看護協会の専門委員から意見を求めることについて、御検討いただければ幸いです。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 続きまして、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 緩和ケアについてですが、切れ目のない緩和医療という観点から考えると、がんの薬物治療の進展に伴って、治療選択肢も広がっており、入院だけではなく、外来や在宅で治療を受けている患者さんも増えている中で、地域での医薬品、特に医療用麻薬の提供やフォローアップも含めた患者さんへの薬学管理が不可欠となります。
 その上で、質の高い緩和ケアを提供するためには、医療機関と薬局の連携は重要で、医療用麻薬等の薬物治療に関する詳細な情報、持続注射療法はもちろん、例えば内服麻薬であっても、レスキューや併用する吐き気止めの使い方などは、患者さん個人個人で違いますので、そのようなことを含む適切な連携によって、継続した緩和ケアを提供するという観点から、病院薬剤師と薬局薬剤師の連携なども重要な視点です。
 また、近年では在宅の重症心不全の患者さんは増えてきており、薬局においても在宅における非がん患者の緩和ケアの対応も増加してきておりますので、薬局の在宅対応に関する議論を行う際には、このポイントも含めて議論できるよう、事務局におかれましては、資料の準備などをお願いできればと思います。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 先ほど、長島委員からもお話がございましたけれども、まず、緩和ケアを推進するためには、診療報酬上の対応だけではなく、拠点病院や連携体制の整備、研修事業など、総合的な取組が重要だと考えております。
 それでは、94ページにあります論点に沿ってコメントいたします。
 まず、最初の多様な苦痛に対応する緩和ケアの提供についてでございますが、資料の21ページの緩和ケア拠点病院の指定要件では、精神担当医の配置が努力規定になっていますが、一方、30ページを見ますと、緩和ケアチームに専従、専任の精神担当医が配置されている場合に、精神症状についての対応依頼が多いことから、そういった期待からも拠点病院で精神担当医の配置を進めることは重要だと考えます。
 続いて、がん拠点病院加算については、麻薬等による薬物療法を提供するだけでなく、20ページや32ページの指定要件等も踏まえ、精神、心理的苦痛への対応、緩和的放射線治療、神経ブロックの実施を要件に位置づけ、高い点数にふさわしい機能の発揮を促すべきだと考えます。
 続いて、切れ目のない緩和ケアの提供体制についてでございますが、資料の49ページを見ますと、外来腫瘍化学療法診療料の届出医療機関については、がん性疼痛緩和指導管理料を届けていない医療機関が一定程度あることや、心理的不安の軽減や外来緩和ケアに関する管理料の届出が少ない状況となっております。
 一方、資料の50ページから53ページを見てみますと、緩和ケアに関する研修を修了した医師は増加し、全都道府県にある程度の修了医師が存在していることも分かります。
 外来腫瘍化学療法診療料において、疼痛緩和や不安軽減のための取組を求めることについて検討する余地はあると考えております。
 また、入院中のがん患者への緩和ケアについては、資料の59ページの事例を参考に、ICTを用いた拠点病院と連携を推進すべきです。
 患者にとっては、専門的な医療を受けるために転院する必要がなく、また、限られた医療資源を有効に活用する観点からも非常に期待の大きい取組だと感じております。
 最後の非がん等の緩和ケアについてでございますが、在宅の非がん患者に対する麻薬の処方については重要な課題であり、資料の77ページを見てみますと、一定の実績があり、また、79ページから80ページには効果が示されていますが、診療報酬としてどのように対応すべきかについては、もう少し詳細な実態を把握した上で、丁寧に検討してはどうかと思います。
 最後に、小児の緩和ケアについて、これも資料の84ページを見てみますと、緩和ケア病棟に20歳未満の患者がほとんどいない状況ですが、一方で、資料の87ページを見てみますと、小児加算の算定も少しずつですが増えていることから、ニーズが一定程度あることが見て取れます。
 資料の90ページから91ページを見てみますと、成人とは異なる対応が必要なことも理解ができますので、小児の特性を踏まえた評価を検討する余地があると考えます。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 茂松委員、お願いいたします。
○茂松委員
 ありがとうございます。
 やはり、最近、がん患者さんの在宅医療というのは、非常に増えてきているという中で、がん患者さんからしますと、やはりがんの専門に対しては拠点病院とか、そこの先生方のお話を聞くと。
 その中で、ちょっとしたことで風邪を引いたり、ちょっと体調が悪くなると、どこへ相談するかというと、かなりかかりつけ医機能ということになるわけで、その中で、かかりつけ医がしっかりと、この機能を果たしているということを御理解いただければと思います。
 本当に患者さんから取ると、不安がかなり多いという中で、緩和ケアにおける苦痛や不安等の図が示されておりますけれども、身体的苦痛、社会的苦痛、精神的苦痛、スピリチュアルペインという中で、ほとんどかかりつけ医機能として、これが対応できるということで、患者さんは、ふだんからよく話ができる先生方とお話しすることが、非常に不安を取るということにつながっているということは、ふだんの診療の中で感じておりますので、その辺の御理解は、しっかりしていただければなと思います。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 では、最初に池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。
 94ページの論点で、1点だけ質問と要望ですけれども、○の2つ目のところの、がん患者の難治性がん疼痛に対して、放射線療法が有効なことがあるということ、私自身も見聞きしていますし、経験もあるのですが、在宅で診ていて、疼痛がなかなか厳しくて、入院になって、地域の療養とか、地域包括ケア病棟に入院しているときに、一定の疾患は、こういう放射線療法が、がん疼痛緩和に非常に有効だということで、拠点病院にお願いするのですけれども、この包括的医療を提供している病院から他科依頼をすると、そこの部分というのは、診療報酬上算定できないことになっているか、あるいは減算をしてということになると思うので、放射線治療を定期的に通う場合には、私は見聞きして、私自身も経験があるのは、拠点病院に入院して放射線治療をやって、ある程度収まったら、また戻ってきていただく、それで地域で診る、あるいは地域の病院で入院するということが多いのですけれども、その拠点病院と地域の包括的な入院医療との、今、他科依頼でできるか、できないか、そこら辺については、できないと私自身は把握しているので、その辺について、事務局にお伺いしたいのですけれども。
○小塩会長
 今、御質問がございましたが、事務局いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
 御質問ありがとうございます。お尋ねの趣旨は、そういうがん医療を専門とする病院から、例えば地域包括ケア病棟入院料や、療養病棟の入院料、薬剤が一定程度包括されている病院に転院された場合に、どのような診療報酬項目が算定可能か、あるいはその関係はどうかというお尋ねだったと思います。
 一定程度、例えば抗がん剤などが、そういった包括報酬の中から出来高算定できるような仕組みになっていること自体は、今、定性的に御説明を申し上げられますが、すみません、この疼痛管理や精神的なところのケアにつきましては、もう少しお時間をいただいて、事務局で整理をさせていただければと思います。
○池端委員
 ありがとうございます。
 できれば、そこが何らかのあれでできるようになると、あえて基幹病院に入院せずに、いろいろな治療を受けて、外来で受けて、また元の病院で入院が継続できるということができれば、それが効率的かなという気もしますので、可能であれば、御検討いただければと思います。ありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 佐保委員、お待たせいたしました、オンラインからお願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 94ページの論点について、質の高い緩和ケア提供推進に資する方向に異論はありません。
 患者に寄り添った対応として、身体だけでなく、精神的なケア、緩和ケアの充実は重要と考えます。
 小児患者においては、成人と違った配慮や、兄弟児を含め、家族への支援も必要と考えます。
 また、資料の53ページ、緩和ケア研修会の修了医師数を見ますと、全ての都道府県において、一定程度存在するとはいえ、ばらつきがありますし、資料の88ページ、緩和ケア診療加算の小児加算の算定回数では、地域の患者数等、状況があると思いますが、10回未満の都道府県があるなど、都道府県ごとのばらつきがある状況です。
 全国いずれの地域であっても、安全で質の高いがん医療を受けることができるよう、がん医療の均てん化や専門医療機関との連携も推進いただきたいと考えております。
 なお、論点には分かれておりませんが、患者の尊厳と自己決定権の尊重の促進に向けて、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の取組推進も重要と考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、安川委員、お願いいたします。
○安川委員
 ありがとうございます。
 先ほど来、松本委員、長島委員からも、緩和ケアの問題を政策的、総合的な取組の観点から捉えるべきだと。また、専門的な人員配置の在り方であったり、また、その効果のエビデンスについて、もう少しデータを蓄積していくべきだという御指摘があったかと思います。基本的に、それについては同意、合意をいたします。
 それで、先ほど事務局からお示しいただいた資料の中で、57ページに緩和ケアの研修を受けた、あるいは緩和ケアに関して専門知識を持つ医師の配置というところで、がん拠点病院に指定されているところでも、若干配置のないところがあるという実態をお示しいただいたのですが、政策的な観点ということで言うと、施設での緩和ケアだけではなくて、やはり在宅での緩和ケアというものが、これから1つの大きな中心点になっていくのだろうなと思っています。
 そうなると、在宅での緩和ケアを誰がやるのかということに関して、この報告でも幾つかお話があったように思いますが、例えば、欧米、特にヨーロッパのように、看護の方たちが積極的に在宅の緩和ケアに関与するという姿が、日本でも今後見えてくるのかどうかという辺りが、私はとても気になっています。
 この後、多分、看護の専門委員からも御発言があると思いますので、その辺り、看護のほうからのビジョンみたいなものも、お話を伺えればなと思っておりますので、よろしくお願いします。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、太田委員からお願いいたします。
○太田委員
 ありがとうございます。
 先ほどの池端委員からの質問なのですが、多分、療養だとか、地域包括ケアだとか様々な包括入院料に入院している患者さんが、先ほど緩和的な放射線治療ですとか、神経ブロックに行く場合の同日の入院料の減算の関係だと思っています。
 37ページ、38ページの資料に出ておりますけれども、なかなか他院に入院していて、専門的な緩和ケアが必要な場合に、紹介がスムーズに進んでいないというものの1つだと思います。
 非常に専門的な治療を受診する場合に、それの減算項目が緩くなっているとか、実際に減算しなくてもいいという規定があったと思いますけれども、この辺がスムーズに進むような形で、御検討をいただければと思います。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、林委員、お願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。
 在宅歯科のときにも申しましたが、切れ目のない緩和ケアの提供につきましては、連携体制の整備というのが非常に重要であるということは、各委員からも御発言ありましたが、その中で歯科の視点からもよろしくお願いしたいと思っております。
 がん患者さんの終末期等におきましては、繰り返しになりますけれども、薬剤の副作用とか、全身状態の悪化などから、口腔内の口内炎とか重度の口腔乾燥症が生じてまいります。疼痛や不快感、摂食嚥下機能の障害などを来すことが多くありますので、人生の最終段階まで、しっかりと歯科が関わるということは重要ととらまえておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 先ほど小児の緩和ケアを在宅でという話がありました。私、薬局を自分で開業してから33年ですけれども、1人だけ小児の末期の患者さんを3年前に受けた経験があります。
 非常に難しい患者さんで、特定機能病院から紹介されて、調剤上の注意が大変多くあり、綿密な打ち合わせをして対応いたしました。医療ケア児と同様に、非常に大変な調剤でした。
 もう一つは、家族と医療チームの関わりの中で、最期をどう対応するかというのが大きな課題で、1か月半ほどしか訪問はできなかったのですけれども、そういう点を踏まえて終末ケアの小児が現場に来ますので、今後どうやって受け入れていくかというのは、今後、しっかりと対応しなくてはいけないと思っております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、よろしいでしょうか。
 それでは、先ほど長島委員から、看護サイドからの専門的な御知見をいただきたいという御要望がございました。
 それから、安川委員からも緩和ケアにおける看護師の役割について、もし、できれば御意見を伺いたいという御要望がございましたので、木澤専門委員、よろしくお願いいたします。
○木澤専門委員
 ありがとうございます。
 まず、非がん等の緩和ケアに関する1つ目の論点ですけれども、緩和ケアを必要とする患者は、がん患者に限らず、資料の77ページで訪問診療による麻薬処方の傷病名として挙げられている、慢性呼吸不全や慢性心不全、慢性閉塞性肺疾患等は、特にターミナル期におきまして、死を連想させる耐え難い苦痛、呼吸困難などの苦痛が生じます。
 訪問看護事業所を対象とした調査結果におきましても、頻回かつ時間をかけた訪問看護を必要としている利用者のうち、非がん患者が4割を占めており、そのケア内容は呼吸苦等の緩和である実態が明らかになっております。
 症状による苦痛を和らげることは、在宅療養を望む患者の意向に寄り添うものでありまして、在宅においても充実した緩和ケアを受けられる環境を整えていくことが重要と考えております。
 次に、2つ目の論点であります、小児の緩和ケアについてです。
 小児患者における緩和ケアは、悪性腫瘍等に限らず、先天奇形など幅広い疾患に関して必要であり、生まれてからずっと病院で過ごしている児もおります。臨床経過が成人の緩和ケアとは異なること、また、小児がん看護ケアガイドラインに示されておりますとおり、家族や児の兄弟も含めて、苦痛の緩和、意思決定支援等を非常に丁寧に行っていく必要があります。
 児や家族が望む環境下で穏やかな最期のときを迎えられるよう、対象疾患の拡大や、長きにわたり支えていくことに対する評価が必要と考えます。
 それから、先ほど安川委員からありましたビジョンという、大きなものではございませんけれども、やはり在宅におきまして、うちに帰りたいというのは、患者さん、それから御家族の強い希望でもあります。それには、ご自宅でも安心して症状の苦痛を和らげられるサポートが必要です。
 身体的なこともそうですけれども、予後への不安ですとか、このままの治療でいいのかどうか、それから生活はどうしたらいいのかというような悩み、不安が様々発生します。
 そういった患者さんの苦痛というのは、やはり二次的には家族の苦痛でもあります。そういったことも含めて、病院、それから診療所、それから訪問看護事業所等が非常に連携し、対応することが重要であると考えております。
 私からは以上となります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、よろしいでしょうか。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 何度も申し訳ありません、今の安川委員と木澤専門委員のおっしゃったことに付加して、欧米ではこうで、今後どうかということ、日本でも決して、そういうことがないわけではなくて、今、木澤専門委員もおっしゃったように、がん患者の在宅というのは、どんどん増えていますし、小児の緩和ケア、私も実は、小児のがん患者と、あとAYA世代を2人在宅で看取っていますが、そのときに、本当に訪問看護ステーションの方々と、あと、麻薬に非常にたけた薬剤師の方がそこに入っていただくことで、医師も安心して、そこのチームに加わって、ただ、処方は医師でないと出せないので、医師がしっかり関わることが重要ですけれども、その医師の緩和ケアに対する研修等々は、実は、がん拠点病院でも義務として、それぞれの県内で拠点病院から研修することは義務づけられていて、そこで、かなり毎年増えてはいると思いますので、そこの活躍は、これからどんどん増えてくるのではないかと、そういう下地はあるのだということを御理解いただければと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 あとは、よろしいでしょうか。
 それでは、ほかに御質問等ないようですので、本件に係る質疑は、このあたりといたします。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて対応していただくようにお願いいたします。
 続きまして「DPC対象病院の合併等に係る手続きについて(案)」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、DPC対象病院の合併等に係る手続の取扱いについて、総-5を用いまして御説明をさせていただきます。
 「1.概要」にございますように、DPC対象病院の合併等の予定があり、変更後も当該制度への継続参加を希望している場合には、継続参加の可否について、医療課におきまして確認を行い、分割または病床数変更の場合には、中医協において審査及び決定するとなっているところでございます。
 この手続に当たりましては、DPC対象病院の要件の確認、そして機能評価係数の再設定等のため、一定の審査期間を要しますことから、変更予定の6か月前までに、医療課へ申請書を提出していただくこととなってございます。
 一方で、本年5月の本総会におきまして、当該この申請手続につきまして、遺漏が発生したことを踏まえまして、その取扱いにつきまして、分科会で検討を求めることとしておりました。
 分科会での検討の結果につきましては、2ポツに記載してございます。大きく3つの意見がございまして、1つ目の御意見といたしましては、手続に係るルールの周知が不足しているのではないか。
 2つ目としては、事務局として個別に指導する等の対応や、DPC制度の他のルールも含め、DPC対象病院を対象とした制度周知の場を設ける等の対応を行うべきではないか。
 3つ目といたしまして、この遅延につきましては、地域医療構想の議論の中で、病床再編の詳細が直前まではっきりしないケースもあり得ることから、DPC制度への継続参加を認めない、あるいは、医療機関別係数を下げるといった対応は現実的ではないのではないか、こういった御意見をいただいたところでございます。
 これらの意見を踏まえまして「3.対応案」でございます。
 DPC対象病院を対象といたしました合併等に係る手続も含む、DPC制度の周知の場を設けるとともに、手続に遺漏が認められた医療機関につきましては、個別に指導を実施してはどうか。
 また、未然に手続の遺漏を防ぐために、申請手続のシステム化について検討してはどうかという案でございます。
 事務局の説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
 それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 中央社会保険医療協議会 総会 第567回議事録(2023年11月24日)

ページの先頭へ戻る