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2023年11月22日 中央社会保険医療協議会 総会 第566回議事録

○日時

令和5年11月22日(水)薬価専門部会終了後~

○場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8F

○出席者

小塩隆士会長 飯塚敏晃委員 笠木映里委員 永瀬伸子委員 本田文子委員 安川文朗委員
鳥潟美夏子委員 松本真人委員 佐保昌一委員 高町晃司委員 眞田亨委員 鈴木順三委員 
長島公之委員 茂松茂人委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 太田圭洋委員 林正純委員 森昌平委員
木澤晃代専門委員 上田克彦専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他


○議題

○個別事項(その5)について
○入院(その4)について
○個別事項(その6)について
○医療機器及び臨床検査の保険適用について
○PET検査の診療報酬上の取扱いについて
○在宅自己注射について

 

○議事 

○小塩会長
 それでは、ただいまより、第566回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 薬価専門部会と同様、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、末松委員、岡本専門委員が御欠席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 初めに「個別事項(その5)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 おはようございます。医療課長でございます。
 それでは、個別事項(その5)、項目といたしましては、後発医薬品、バイオ後続品、リフィル処方箋等につきまして、総-1を用いまして御説明をさせていただきたいと思います。
 2ページに目次を掲げさせていただいてございます。
 それでは、進ませていただきます。
 3ページ目、これは今年の骨太方針でございます。バイオシミラーの使用促進、後発医薬品をはじめとする医薬品の安定供給確保等について、触れられているところでございます。
 4ページ目から8ページ目にかけましては、薬剤費比率の推移や、薬剤費の構成割合などについてお示しするものでございます。
 それでは、9ページ以降、2つ目の項目「後発医薬品の安定供給・使用促進等に係る取組状況について」でございます。
 10ページ目、11ページ目でありますけれども、これらは、後発医薬品の使用促進に係る診療報酬上の取組についての経緯をまとめてございます。
 次に、12ページ目から13ページ目でございます。こちらは、令和4年度診療報酬改定の改定概要資料でございますけれども、後発医薬品の使用体制加算等につきまして、後発医薬品の使用数量割合の基準を引き上げたことをお示しするものでございます。
 次、14ページ目から18ページ目でございますけれども、こちらは一般名処方加算や後発品医薬品使用体制加算等につきまして、医薬品の安定供給問題を踏まえまして、今年の4月から医薬品の適切な提供に資する取組を実施した場合の特例措置を講じたものの御紹介でございます。
 19ページ目でございますけれども、これは、同特例措置に対する中医協の答申書の附帯意見を抜粋してお示ししてございます。
 20ページ目からが医薬品の供給不安等に関する現状をお示ししてございます。
 こちらは、医療用医薬品の供給状況につきまして、出荷制限や供給量が減少している品目が2023年9月におきましても、医薬品全体2割を超えているという状況をお示しするものでございます。
 21ページ目からは、一般名処方加算、後発医薬品使用体制加算等の算定回数や届出施設を示してございます。
 21ページ、一般名処方加算は算定回数、医療機関数ともに微増傾向ということでございますけれども、22ページ目から25ページ目を御覧いただきますと、後発医薬品使用体制加算等につきましては、使用割合の要件を引き上げた以降、届出施設全体としては下がっているといった状況でございました。
 27ページ目でございます。医療機関におきます後発医薬品の供給体制の変化につきまして、今年の検証調査の結果でございまして、1年前の令和4年6月時点と比較いたしまして、医薬品の供給体制が変わらない、あるいは悪化したとする医療機関や薬局が多かったということをお示しするものでございます。
 28ページ目、29ページ目は、一般名処方についてでありまして、診療所病院におきまして、1年前と比較して、一般名処方が増加しているということ、また、薬局におきましては、後発医薬品の使用を進める上で望むことといたしまして、後発医薬品の銘柄指定を行わないことや、一般名処方を行うことが多く選ばれている状況だったことをお示ししてございます。
 また、一般名処方が行われた医薬品につきまして、後発薬品を調剤しなかったこと、これは約9割の薬局が経験しておりまして、その理由といたしましては、こちらは47.4%になっておりますが、備蓄を理由に、後発医薬品が調剤できなかったことが、1年前と比較して増加していると、こういった状況もお示ししてございます。
 30ページは、後発医薬品使用体制加算及び外来後発医薬品使用体制加算についての特例措置の適用割合と、適用できない理由をお示ししてございます。
 31ページは、薬局におきます特例措置の適用割合とともに、供給問題の薬局での影響についてお示しするものでございます。採用品目の見直しですとか、代替品の調達などが行われています。
 33ページ目は、医薬品安定供給に資する薬局の取組の御紹介。
 34ページ目、処方内容の問い合わせに関する課題でございますけれども、54.9%の薬局におきまして、医薬品の出荷調整に関する医師への紹介の負担が大きいということが挙げられてございます。
 次、35ページ目でございます。そのような出荷調整に関する医師の問い合わせが24.2%を示しておりまして、そのうち7割強が、同一の有効成分の場合というものでございました。
 36ページ、薬局におけます銘柄処方や一般名処方への対応について、お示ししてございます。
 例えば、医薬品の供給停止の影響などで、後発医薬品の入手が困難な状況でありましても、後発医薬品が銘柄名処方されている場合には、先発医薬品に変更するために、処方医への確認が必要となるといったことがあります。
 37ページ目から41ページ目は、医薬品の安定供給に向けた検討や取組の状況を御紹介してございます。
 42ページ目から46ページ目、こちらはフォーミュラリーにつきまして、医薬品の適正使用に資するフォーミュラリーガイドラインを作成することとしていたところでございますけれども、こちらは取りまとめられましたので、令和5年7月7日付で通知を発出して周知していることを御紹介するものでございます。
 それでは、3つ目の項目でございます。「バイオ後続品の使用促進に係る取組について」でございます。
 48ページ目、49ページ目では、バイオ後続品に係る政府の方針等を御紹介しております。
 50ページ目から53ページ目でございますが、こちらは、バイオ後続品の定義や、先行バイオ医薬品との適応症の違い等をお示ししてございまして、54ページ目は、令和2年度診療報酬改定以降、一部薬剤におきまして設定されてございます、バイオ後続品導入初期加算についての概要をお示ししてございます。
 55ページ目でございますが、こちらはバイオ後続品の置き換え状況ということでございまして、個別の成分名は、マスクをさせていただいておりますけれども、成分によって置き換え率が大きく異なることをお示ししてございます。
 56ページ目は、同様に、バイオ後続品の置き換え状況について、入院における置き換え率等が進んでいない成分があることや、こちらはアスタリスクをつけてございますけれども、下のところにありますが、こういったバイオ後続品の置き換え率が低い成分で、現在、バイオ後続品導入初期加算対象となっていない成分もあるということをお示ししてございます。
 57ページ目は、医政局医薬産業振興医療情報企画課で実施しております、バイオ後続品に係る普及状況に係る検討委員会の紹介でございます。
 58ページ目、59ページ目は、今年の検証調査の結果になります。
 バイオ後続品につきまして、患者さんにおける知名度は低いものの、医療費が安くなるのであれば使用したいという意向が多かったこと。
 医療機関におきまして、患者の経済負担の軽減、こういったことを理由といたしまして、バイオ後続品を積極的に処方する意向を示している医療機関が多かったことをお示ししてございます。
 それでは、4つ目、最後の項目でございますが「リフィル処方箋・長期処方について」でございます。
 61ページ目、62ページ目は、令和4年度の診療報酬改定の紹介でございまして、63ページ目から67ページ目が、リフィル処方箋の活用に向けた政府内の取組状況を御紹介するものでございます。
 68ページ目、70ページ目でございます。前回の検証部会等でもお示ししました、リフィル処方箋の算定回数や処方が行われている疾患名及び年代に関する現状についてでございます。
 それぞれどのような疾患で多く処方されているか、どのような年代で多く処方されているかということをお示ししてございます。
 次、71ページ目以降でございますけれども、こちらは長期処方に関する簡単な現状の紹介でございます。
 71ページ目、72ページ目は、11月10日の外来(その3)ですけれども、中医協総会、11月10日の外来(その3)の中医協でもお示ししました、処方日数ごとの医薬品件数、内服薬の投与日数について再掲してございます。
 73ページ目は、31日以上の処方箋の疾患、年齢別の発行回数で診療所におきましては、高血圧疾患や脂質異常症、糖尿病、病院におきましては、高血圧疾患、糖尿病、消化器系疾患が疾患として多かったことを示してございます。
 74ページ目以降は、検証調査の結果を示してございます。
 患者さんにおきましては、74ページにお示ししたとおり、リフィル処方箋の経験がある場合には、症状が安定している場合は、リフィル処方箋を今後も利用したいと思う患者さんが多いこと。
 75ページのとおり、利用に当たりましては、信頼するかかりつけ医が必要と感じていること。
 医師におきましては、76ページのとおり、リフィル処方箋を発行した理由として、症状が安定していたからが多く選択されていたこと。
 77ページのとおり、課題としては、患者さんへの制度の周知が多く選択されていたことなどをお示ししてございます。
 78から82ページは、かかりつけ医機能等に係る外来医療の評価の概要などを列挙させていただいてございます。
 そして、論点に進ませていただきます。85ページ目に論点を取りまとめさせていただいております。
 3つの項目「医薬品の供給状況を踏まえた取組状況について」、ここでは様々な加算について、その評価の在り方をどのように考えるか。
 「バイオ後続品の使用促進に係る取組について」ということでございますが、こちらは、政府目標を踏まえて、①、②についてどのように考えるか。
 そして、リフィル処方箋、長期処方についてということでございますけれども、その活用実態が一定程度明らかになり、なかなか算定状況が低調であることを踏まえまして、①から③のようなことについて、どう考えるかと論点をまとめさせていただいております。
 事務局からの御説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 それでは、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 85ページの論点についてコメントします。
 まず「医薬品の供給状況を踏まえた取組状況について」です。
 後発医薬品の供給不安定が解消されておらず、むしろ悪化しているともいえる現状では、後発医薬品使用体制加算等の基準を変更する議論ができる状況にはなく、現場にこれ以上の混乱を与えるべきではありません。
 その上、患者さんに安定的に医薬品を供給する取組を促していく観点からは、まずは、本年12月に終了予定である一般名処方加算等の特例措置を継続していただく必要があると考えます。
 また、供給が滞っている品目を加算の対象から除外するリストについても、内容をアップデートしながら、当面は継続していただくことが必要です。
 次に「バイオ後続品の使用促進に係る取組について」です。
 患者さん側からすれば、現在もバイオシミラー製剤に対する認知度が低いことを踏まえれば、政府目標に向けた取組を推進するためには、現場において、バイオ後続品の有効性や安全性等について説明することが求められると思われます。
 そうした意味でも、今回の論点に示された外来や入院における対応案に賛同いたします。
 ただし、現場感覚としては、既に外来でバイオ医薬品を使用していた患者さんについて、入院時に切り替える場合など、途中から後続日に切り替えることは、51ページから53ページに示されたように、適応症の違いもあることも加わり、実際的には難しく、一般的な後発医薬品の切り換えとは同等に論じられないことに留意していただくことが必要であると考えます。
 最後に「リフィル処方箋・長期処方について」です。
 まず、議論の大前提として、処方権は医師のみにありますので、当然ながら、どのような処方をするのかは、医師の判断によります。
 医師は患者さんのその時々の症状や、経過観察の必要性、服用管理等を踏まえながら、長期処方が可能かどうかも含めて検討いたします。
 したがいまして、論点にあるような、さらなるリフィル処方箋の導入、活用を推進する観点のもとであっても、医師の判断が阻害されるようなことはないはずです。この点に十分留意していただく必要があります。
 なお、事務局に1点質問いたします。リフィル処方箋が交付された場合と、通常の処方の場合とで、医療機関や薬局での患者さんの支払額についての違いを、もし分かれば教えてください。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 今、長島委員から1点御質問がございましたが、事務局いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 この場でお答えしてよろしいでしょうか、1号側の後でもよろしいかと思ったのですが、今でよろしければ、させていただきます。
○小塩会長
 では、今、御回答をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 ありがとうございました。
 それでは、今、長島委員からいただきました御質問につきまして、回答をさせていただきます。
 事前にシミュレーションが必要ということで、準備をさせていただいてございます。
 私どもとして、今、リフィル処方箋が交付された場合と通常の処方の場合とで、医療機関や薬局での患者さんの負担額に違いがある、その違いを示すべしということでございました。
 事務局におきましては、1つの例をシミュレーションいたしましたので、これは全国、全ての平均であるというわけではないですけれども、診療所におきまして、高血圧で通院していて、状態が安定していらっしゃる患者さんと仮定した場合で、3か月間どのぐらいの診療報酬点数になるか。そして、3割負担の場合の薬剤費を除く自己負担について、こちらのシミュレーション、そして点数を割り出してございます。
 まず、3つの場合に分けまして、30日ごとに1か月に1回受診された場合の3か月間の医療費、そして、また、リフィル処方箋を使用した場合の3か月間の医療費と自己負担、そして90日ごと、これは長期処方の場合ということでございますが、そのこちらの医療費と自己負担でございます。
 まず、30日ごと、つまり毎月一度受診する場合ということでございます。こちらは、再診料や処方箋料、また、調剤報酬が毎月算定されることになってございまして、3か月間で2,200点あまりというシミュレーションができてございます。
 その中で、診療所では、大体1,400点ぐらいで、そして調剤では760点ぐらいかと思いますけれども、そうしますと、自己負担3割ということでございますので、この場合は、診療所では4,300円あまり、調剤薬局では2,200円あまりの自己負担が発生するとシミュレーションできます。
 次、リフィル処方箋を使用した場合ですが、この場合は、初月に再診料等が算定され、2か月目、3か月目は調剤基本料、リフィル処方箋を使用して調剤が行われた場合の診療報酬が算定されます。
 この場合には、診療所でのこちらの点数が大体500点弱、それから、調剤薬局での診療報酬点数が800点弱というぐらいで推計されまして、自己負担を計算いたしますと、こちらの診療所では1,500円弱、そして調剤薬局では2,300円程度と推計がされるところでございます。
 最後、90日ごとに処方、いわゆる長期処方の場合ということでございますけれども、これは、受診をされた月のみに再診料や処方箋料など、そして、調剤報酬がかかるということでございまして、この場合が、もちろん最も安いということでございますけれども、診療所では500点弱、そして調剤薬局で250点あまり、そして自己負担について申し上げますと、診療所では1,400円あまり、そして調剤薬局は700円あまりといったシミュレーションができるところでございます。
 こういう一定の前提を置いたシミュレーションでございますので、こちらが全国一律に平均値であるということではないということは、コメントをさせていただきます。
 事務局からの回答は以上でございます。
○小塩会長
 長島委員、よろしいでしょうか。
○長島委員
 具体的なイメージをつかむことができました。ありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 論点に沿って幾つかコメントをさせていただきます。
 まず、医薬品の供給状況を踏まえた取組状況についてです。32ページ目にある日本薬剤師会での薬局における医薬品供給問題の影響調査でも、供給停止、限定出荷が継続し、前年に比べて約86%の薬局で悪化していると回答しており、供給問題が発生してから3年たちますが、改善の兆しが見えないばかりか、悪化が止まりません。
 また、同じ調査で、追加の業務負担も調査しておりますが、1日平均で107分程度となっており、昨年末よりも10分程度業務時間が増えております。
 先発、後発を問わず、呼吸器感染症の流行が続いていることもあり、医薬品の入手がますます困難になっており、その対応による追加業務が発生し、現場の負担は大きくなっている状況です。
 このような状況の中、医薬品の供給問題への対応は、全ての薬局に影響を及ぼすものであり、薬局の使命である地域の医薬品提供体制の維持と、その前提となる医薬品の安定確保のためには、現在適用されている特例措置の内容も踏まえて、医薬品供給問題の対応に多大な苦労をしている薬局を広く評価していくことが、この長く続く未曾有の危機を乗り越えていくために必要と考えます。
 また、先ほど申し上げたように、先発、後発問わず入手が困難なことに加えて、小児用のタミフルドライシロップのように、剤形によって入手が困難なものも増加しており、処方変更のための医師への問い合わせが増加し、医師の負担とともに、患者待ち時間の増加などにつながっています。
 このような現下の医薬品の供給問題によって、薬局の現場では、在庫の種類や量に大きな制約がある中で、手元にある医薬品で調剤せざるを得ず、通常の状況なら、さほど発生しない同じ有効成分の中での先発、後発の変更や、剤形や規格の変更などが頻繁に発生しており、医療現場や患者の負担を軽減させることを目的に、この状況に対応するため、医師と薬剤師が連携した上で、一定の範囲内での変更調剤等に関して、柔軟な運用を認めるなどの見直しをお願いしたいと考えます。
 次に、バイオ後続品の使用促進に係る取組についてですが、後発品と同様に、患者負担の軽減、薬剤費の軽減のため、使用促進に取り組んでいく必要があると考えます。
 バイオ後続品は、まだあまり医療従事者や患者に認知されていないこと、適応症などが先行品とそろっていない場合が多いこと、注射剤となること、高額なものが多いこと、何よりも化学合成品の後発品とは異なり、品質、有効性、安全性が先行品と同等同質であるシミラーであるという特徴があります。
 そのため、患者により丁寧な説明とともに、化学合成品とは異なり、切り換えにも注意が必要であるため、安定供給が不可欠と考えます。
 薬局においても、患者さんへの説明や対応丁寧に進めていきたいと思います。
 ただし、バイオ医薬品は高額で在庫負担の課題などもあります。推進策とともに、評価の在り方についても検討すべきものと考えます。
 次に、リフィル処方箋、長期処方についてですが、①の周知については、薬局においても重要なもので、患者さんへの周知や説明は、医師や医療機関、保険者と連携しながら、かかりつけ医機能を生かして、しっかりと進めていきたいと考えます。
 また、リフィル処方箋への対応については、処方する側の医師も調剤を受け持つ側の薬剤師も、かかりつけ医機能の強化と連携がより重要になってきますし、フォローアップの重要性も増してきます。
 また、このような連携の推進とともに、薬局でのリフィル処方箋の対応の状況が分かるよう、リフィル処方箋を取り扱った際に、医師への情報提供をした場合には、その実態が把握できるようにするなど、所要の整備をすることも1つと考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 それでは、85ページの論点に沿ってコメントをいたします。
 まず、1点目の医薬品の供給状況を踏まえた取組状況についてでございますが、限定出荷等の対象になっている成分を後発品の数量割合を計算から除外する等の対応をきめ細かく行った上で、引き続き、後発品の使用を促進することは重要だと考えております。
 後発医薬品の数量割合を指標とする各種加算の下限値を引き上げることは検討する余地があると考えております。
 また、現行は補足的な指標となっているカットオフ値、すなわち全医薬品に占める後発品と長期収載品の割合にも着目して、患者負担を考慮した医薬品の処方を推進することも検討すべきだと考えます。
 続きまして、15ページから18ページ示されております、診療報酬上の特例措置については、時限的に設けられたものであり、そもそもこれについて議論をした際に、支払い側からは、供給不安の真の被害者は患者であるということを主張したにもかかわらず、当面の対応ということで、やむを得ず了解した経緯がございます。
 先ほど来、延長等の御意見が出ておりますけれども、それに関しては、納得できる合理的な理由が示されない限り、単純に賛同できるものはございません。
 続きまして、2点目のバイオ後続品の使用促進に関する取組でございますが、資料の58ページ、59ページを見ますと、認知度は低いものの、少しでも安くなるのであれば使用したいと考える患者が一定数いること。医療機関においても積極的にバイオ後続品を処方する理由として、患者の費用負担が軽減できるからが最も多いことが示されております。
 新たに政府目標が設定され、来年度からの医療費適正化計画の記載事項ともなり、保険者としても取組を進めることになりますが、患者が安心してバイオ後続品を使用するためには、医師、医療機関からの働きかけが最も効果的だと考えておりますので、バイオ後続品導入初期加算の対象成分を拡大することには賛同いたします。
 また、入院医療については、DPC等の包括払いと評価が重複しないようにしつつ、事務局案のとおり、診療報酬で評価することも十分に検討できると考えております。
 3点目、リフィル処方箋と長期処方についてでございますが、これについては、以前申し上げましたとおり、リフィル処方箋による財政効果は68ページを見ましても、前回改定で見込まれたマイナス0.1%に遠く及ばないことは明らかでございます。
 周知が不足する点については、保険者にも課題があることは十分理解しておりますが、医師や薬剤師には、患者の希望を踏まえた対応をぜひお願いしたいと考えております。
 一方、資料の75ページでは、患者がリフィル処方箋の利用に必要だと感じることで、信頼するかかりつけ医が最も多いことや、資料の69ページから70ページにかけて、リフィル処方箋が発行されている疾患も踏まえ、かかりつけ医に関する診療報酬において、患者の希望に応じてリフィル処方箋を発行することを評価することも考えられると思っております。
 また、長期処方とリフィル処方を一体的に推進する観点から、かかりつけ医機能の評価とも関連する82ページに示されております、特定疾患処方管理加算について、より長期の手法を評価することも検討すべきと考えます。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 85ページの論点に沿って意見を申し上げたいと思います。
 協会としましても、平成21年度から加入者に軽減額通知を送付するなど、ジェネリック医薬品の使用促進に取り組んでまいりました。
 後発医薬品の供給不安をめぐる構造的課題の解決は、単に薬価を見直すのではなく、品質が確保された後発品を安定的に供給できる能力及び体制を有している企業が、見える化などにより、市場で評価され、結果的に優位となることで、業界規模の拡大に向けた再編などを促す仕組みの構築が必要と考えております。
 また、バイオ後続品についてですけれども、2029年度末までにバイオシミラーに80%以上置き換わった成分数が、全体の成分数の60%以上にするとの政府目標が示されたことを受け、協会といたしましても、今後、医療機関の皆様への効果的な働きかけに向けた手法を検討していくこととしておりますが、56ページにあるとおり、置き換えが進んでいるものと、置き換えが進んでいないものの差が歴然としている状況でもあります。
 報酬上の不均衡については、是正を図ることで置き換えを促進する必要があるのではないかと考えております。
 最後に、リフィル処方箋ですけれども、引き続き制度周知に課題がある状況が続いておりまして、保険者としても広報に取り組んでいる最中でありますけれども、医療機関の皆様方や薬局の皆様方においても、広報物の掲示等、患者の皆様の制度認知が進むよう、薬剤師、医師の皆様の御協力をいただければ、大変ありがたいと思っております。
 以上になります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 長島委員、お願いします。
○長島委員
 先ほど1号側の委員から、最初のところ、今年12月に終了予定である特例措置は、もうそこで終わりにすべきだという御意見がございました。
 しかし、状況をよく見てください。後発医薬品の供給不安定は解消されておらず、むしろ悪化しております。そして、患者さんの視点に立ってください。患者さんにとって最大の不利益、不幸は何でしょうか。必要な医薬品が安定して供給されないことです。
 したがって、この現状及び患者さんの視点に立てば、患者さんにとって利益となる、安定供給に資する特例措置は当然継続すべきと考えます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 次は、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 安定供給のところなのですけれども、32ページを御覧いただければと思います。昨年も供給問題は本当に苦労しました。再度、日薬で調査をしたのですけれども、昨年よりもかなり悪化しているが28%、悪化している57%ということで、現場は本当に疲弊しています。
 何とか薬局の現場で、ほかのメーカーの後発品や先発品、また、ほかの剤形を入手する、それから近隣の薬局から手配をする、そして医師に相談をして、処方変更をお願いして、今の状態を保っているところになります。
 今、長島委員から患者さんのためという話がありました。まさに患者さんのためにしっかりと業務をしているところですので、ぜひ、ここに関しては継続をしていただきたいと思っています。また、後発品の使用促進を、この問題で止めてはいけないとも思っています。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかに追加のコメント等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。ほかに特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑は、このあたりといたします。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
 続きまして「入院(その4)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、次の議題でございます。入院(その4)につきまして、中医協資料総-2を用いまして御説明をさせていただきます。
 それでは、2ページでございますけれども、こちらは資料の目次となってございます。
 お進みいただきまして、3ページは、これまでの中医協総会等における主な御意見をいただいて掲げてございます。
 4ページ目から9ページ目でございますけれども、療養病棟入院基本料の概要、そして、これまでの診療報酬上の評価の経緯ということをお示ししてございますとともに、9ページ目には、病床数の推移をお示ししてございます。
 10ページ目、こちらは療養病床についての医療法施行規則における看護師等の員数等についての経過措置の有効期限でございます。
 下記に、通知の記載がありますとおり、こちらは令和6年3月31日までとされているところであります。
 11ページ、12ページでございます。療養病棟入院基本料の状況でございますけれども、12ページ目では、利用区分2・3の該当する患者さんの施設ごとの割合などをお示ししてございます。
 13ページでございますけれども、こちらは医政局の調査結果ということでございますけれども、医療療養病床を有する医療機関のうち、医療法施行規則における経過措置の対象となっていて、令和6年4月以降の対応方針未定の医療機関が1施設(診療所)となっていたところでございます。
 14ページであります。こちらは40床当たりの看護補助者の数をお示ししてございまして、入院料別にその人数や比率が異なっているものの、いずれの入院料におきましても、看護補助者を一定程度配置していることをお示ししてございます。
 15ページは、療養病棟のうち特定行為研修修了看護師を配置していた病棟でございますけれども、約4%ということでございました。
 次でございます。「② 医療区分について」でございます。
 17ページは、入院・外来分科会などの調査・評価分科会における主な御意見でございます。
 18ページ目は、平成30年度診療報酬改定におきまして、療養病棟入院基本料につきましては、データ提出が要件となったことによりまして、包括範囲内の医療資源投入量の分析が可能となっております。
 こういったことから、このたび様々な分析を実施してきたということでございます。
 ページは進みまして、20ページからでございます。
 医療区分1から3におきます、包括内の医療資源投入量の分布の内訳となります。
 20ページが医療区分1、21ページが医療区分2、医療区分3が22ページとなってございます。
 こちらは、包括範囲内の医療資源投入量を分析したものでございます。これによりまして、医療区分に応じて医療資源投入が増えること、また、同一の医療区分内におきましても、医療資源投入量にはばらつきがあること、そして、また、医療区分によりましては、医療資源投入量の内訳が変わることなどが明らかとなってきてございます。
 24ページ目から30ページ目、医療区分につきましては、疾患・状態と処置等に分類いたしまして、さらに分析を実施した結果となります。
 疾患・状態としての医療区分と処置等としての医療区分でございますが、こちらは医療資源投入の分布と内訳が異なるということが、明らかとなっているところでございました。
 ページは進みます。31ページ目から35ページ目でございます。
 疾患・状態としての医療区分、そして処置等として医療区分を組み合わせた上で、医療資源投入量を分析いたしましたところ、例えば、医療区分3として評価されている疾患・状態や処置等につきまして、これを分解いたしまして、疾患・状態が医療区分3、かつ、処置等の医療区分3に該当する、そういう患者さんの医療資源投入量は、それ以外の組み合わせより高いこと。
 また、疾患・状態の医療区分が3、かつ処置等の医療区分1・2の医療資源投入量は、それ以外の組み合わせよりも低いこと。こういったことが分かったところでございます。
 また、医療区分2として評価されている状態・疾患や処置等につきまして、疾患・状態の医療区分1・2、かつ処置の医療区分2における医療資源投入量は、疾患・状態医療区分2かつ処置の医療区分1より高いこと及び組み合わせの内容によっては、こういった医療資源投入量の内訳が異なるということが明らかとなったところでございます。
 ページを進ませていただきます。37ページでございます。
 こちらは、療養病棟におけるリハビリテーションの1日当たり医療資源投入量と算定件数につきまして、特に入院料Iでございます。これは、医療区分が1、ADL区分1ということ、こういう医療区分でございますけれども、そういう区分の診療報酬の払出しの項目のところでございますが、ここにおきまして、医療資源投入量が高いということ、算定件数が多かったということがお示しできるかと思います。
 38ページ目は、地域包括ケア病棟の施設基準となってございますが、こちらでは2単位分のリハビリテーションが入院料に包括されているということを示しており、39ページは、地域包括ケア病棟入院料の、こちらの病棟におけるリハビリの提供量でございますけれども、1単位以上3単位未満というのが多いという状況でございました。
 40ページ、介護保険制度の介護医療院の算定要件となりますけれども、喀痰吸引や経管栄養等を実施している入院者の割合が要件となっているところでございまして、41ページ、介護保険の特養、老健、介護医療院、また、医療療養病棟の医療区分の割合、これは、どういう方がいらっしゃるか調査した割合ということでございます。
 42ページ目は、介護保険施設で提供可能な医療につきまして、経鼻経管栄養、酸素療法及びインスリン注射に関しましては、約9割、24時間持続点滴及び喀痰吸引1日8回以上は、約8割の介護医療院で実施可能であったということをお示しするものでございます。
 それでは、ページが進みます。次は3つ目の項目、中心静脈栄養についてでございます。
 44ページは、中心静脈栄養に関する分科会の取りまとめとなりまして、45ページ目、療養病棟におきまして、中心静脈栄養が14.3%の方々に実施されていたこと、胃ろう等による経腸栄養は14.3%です。
 そして、経鼻経管栄養が26.3%の患者さんに実施されていたことをお示しするものでございます。
 46ページ目、令和2年度の診療報酬改定におきましては、この療養病棟入院基本料につきまして、中心静脈カテーテルにかかる院内感染対策の指針を作成すること及び中心静脈カテーテルに係る感染症の発生状況を把握することを要件に追加してございます。
 47ページ、令和4年度改定におきましては、この中心静脈栄養を実施している状態にある患者さんにつきまして、患者さんの接触状況、生殖機能または嚥下機能の回復に必要な体制を有していない場合の評価を見直しているというものをお示ししてございます。
 ページは進みまして、51ページ目でございます。
 内視鏡嚥下機能検査あるいは嚥下造影検査の実績が1件でもあるという施設のほうが、全く実績のない施設よりも、こういった中心静脈栄養を実施した患者さんが、経口摂取等へ移行する割合が高いという傾向があったことをお示しするものでございます。
 52ページ目、経腸栄養ガイドラインにおきまして、消化管が機能している方の場合には、中心静脈栄養ではなく、経腸栄養を選択することが基本とされているところでございます。
 53ページ目は、静脈栄養アクセスの管理。
 54ページは、経鼻経管栄養について紹介するもの。
 55ページは、療養病棟におきます経腸栄養は、中心静脈栄養と比較しまして、生命予後が良好で、そして抗菌薬の使用が少ないという結果もあるというところでございます。
 56ページ目は、経腸栄養が適用とならないで、中心静脈影響が適用となる疾患といたしましては、ここに掲げるような汎発性の腹膜炎などが挙げられているということをお示しし、57ページ目は、入院後から中心静脈栄養を実施した患者さんが、40床当たり10名以上という病棟でございますけれども、中心静脈を中止、終了した患者さん4名未満の施設が2.4%というところでございました。
 次、59ページ目に進ませていただきます。
 こちらは、中心静脈栄養の開始からの日数が長期になるほどということでございますが、カテーテル関連の血流感染症発症をしたことのある患者さんの割合が高くなっているということで、150日以上となりますと、約3割以上の方が発症したことがあるということでございました。
 60ページ目、療養病棟におきまして、中心静脈栄養を実施されている患者さんの割合の、これは平成30年と令和4年の分布を比較したものでございます。
 中心静脈栄養を実施されている患者さんの割合が、10%未満といった施設割合は減少しており、また、50%以上とする施設が増えていたことをお示ししてございます。
 61ページ、連続して中心静脈栄養を実施した日数が30日未満であります施設の割合が、平成30年と比較しまして、令和4年度は減っていたこと。
 療養病棟における入院期間に占める高カロリー輸液を投与した日数の平均を見ますと、平成30年度は60%以上80%未満の医療機関が最多でありましたが、令和4年度には80%以上が最多となっていたことをお示ししてございます。
 65ページ目は、身体拘束の実施状況と理由でございます。
 療養病棟では、ライン・チューブ類の自己抜去防止というものが最多となっているもの。
 そして、66ページ目、療養病棟では、身体拘束が実施された患者さんのうち、約8割が常時ということでございました。
 67ページ目、療養病棟における患者さんが受ける医療行為、処置ごとの身体拘束の実施割合でございます。
 中心静脈をしている方であれば31.4%、経鼻経管栄養で36.6%、胃ろう・腸ろうによる栄養管理では20.1%ということでございました。
 それでは、次の診療報酬項目、障害者施設等入院基本料等について御説明申し上げます。
 69ページ目は、分科会の取りまとめでございます。
 70ページ目から73ページ目は、障害者施設等入院基本料、特殊疾患病棟入院料、特殊疾患入院医療管理料の概要と、これまでの改定の経過ということをお示ししてございます。
 74ページ目は、前回改定の経過で、概要でございます。
 75ページ目から78ページ目は、障害者施設等入院基本料や、特殊疾患病棟入院料の算定する入院料のイメージとなっているものでございます。それぞれ、例えば、重度の意識障害の方の取扱いなどをお示ししてございます。
 79ページ目に進ませていただきまして、こちらは障害者施設等入院基本料7対1の入院基本料におきます、脳卒中患者以外に係る算定回数でございますが、こちらが99.8%ということでございます。10対1になりますと、98.3%の方が脳卒中患者以外でありました。
 80ページ目は、特殊疾患入院管理料の算定回数のうち9割が、そして特殊疾患病棟入院料1の算定回数のうち86.1%が、脳卒中の患者さん以外であったということを示してございます。
 81ページ目でございます。こちらは、障害者施設等入院基本料や特殊疾患病棟入院料の患者さんの対象疾患等への該当状況でございます。
 障害者施設等入院基本料、特殊疾患病棟入院料におきましては、重度の肢体不自由児・者が最も多かったということでございます。
 82ページ目、障害者施設等入院基本料2から4を算定する病棟における、全入院患者さんに占める重度の肢体不自由児・者、脊損等の重度障害者、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者及び難病患者の合計人数の構成比率の分布となります。
 その該当患者割合が、7割未満の病棟が12.6%ということでございました。
 次に83ページでございます。障害者施設等入院基本料2から4を算定する病棟におきます、患者さんの主たる傷病名につきまして、施設基準になっております、該当患者さんが7割以上ということでございますけれども、病棟における傷病名は、脳性麻痺が23.9%と最多でございまして、7割未満の病棟における傷病名は慢性腎不全が16.3%と最多であったところでございます。
 84ページ目は、この障害者施設等入院基本料2から4の施設基準にある該当患者さん7割未満の病棟における慢性腎臓病の患者さんの割合でございますけれども、全例の主傷病名が慢性腎臓であるとともに、症例の全てが施設基準にある該当患者以外であるという施設も見受けられるところでございます。
 85ページは、透析患者さんに対する障害者施設と入院基本料等の入院料ごとの診療費の内訳でございます。
 こちらは、療養病棟入院料よりも、この障害者施設等入院基本料のほうが、診療費が高かったということでございます。
 86ページは、参考でございます。療養病棟入院基本料の包括範囲などでございます。
 透析にかかる費用は、療養病棟でも出来高算定が可能となってございます。
 こうしたことを踏まえまして論点でございます。
 90ページでございますけれども、療養病棟入院基本料につきまして、経過措置に係る論点、それから、医療区分に関しまして、疾患・状態と処置等を組み合わせた9分類することなどの論点をお示ししてございます。
 また、中心静脈栄養に係る論点もお示ししており、また、栄養区分Iにおけるリハビリテーション実施についても論点をお示ししてございます。
 また、障害者施設等入院基本料に関しましては、患者さんの割合を満たさない医療機関の取扱いについての論点、そして、また、透析患者さんに対する評価について、どう考えるかといった論点をお示しさせていただいているところでございます。
 事務局の説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたらお願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 90ページの論点についてコメントします。療養病棟入院基本料についてです。
 1つ目の論点、注11の経過措置については、最後まで丁寧にフォローしていただくようお願いいたします。
 2つ目の論点、医療区分の精緻化についてです。
 今回、医療資源の投入量として、検査、処置、画像診断、投薬、注射等の出来高点数に着目した分析がなされておりますが、最大の医療資源は人でありますので、単に精緻化されることで、実際に必要な人員配置から大きく乖離することがないように、移行がスムーズに行えるために十分な配慮が必要です。
 また、分科会でも指摘があったところですが、200床未満の病院における電子カルテの普及率が低く、いまだに50%ほどしかないことなどを踏まえると、記入にかかる負担に対する配慮も必要であると考えます。
 3つ目、療養病棟におけるリハビリテーションについては、地域の事情によっては、回復期リハビリテーション病棟に代替する機能を果たしていることや、介護のリハでは十分な効果が得られない患者さんに対して、必要があってリハビリテーションを実施している実態があることも踏まえて、適切なリハビリテーションが提供できるような要件にしていくことが必要だと考えます。
 4つ目の中心静脈影響についてです。医療区分3による評価をガイドラインに準じたものに、適用を限定する方向性が示されております。
 しかし、これも分科会で議論されたとおり、腸管浮腫や長期絶食後の患者さん、あるいは、摂食嚥下リハの間隔が空いたときや、高齢のコロナ禍患者さん等で、呼吸困難等により、経鼻経管栄養が困難な場合など、経腸栄養が禁忌ではないが、胃ろうをつくるのも現実的ではなく、一定期間の中心静脈栄養を実施することが必要あるいは有効である場合があります。
 現場としては、このような様々な状態にある患者さんの状況を踏まえ、中心静脈栄養と経管栄養のどちらがよいのか判断しています。
 現場における実態をよく見ながら、意思決定のプロセスも踏まえ、どのような評価があり得るか、もう少し精査する必要があると考えます。
 私からは以上ですが、小塩会長におかれましては、看護協会の専門委員からも意見を求めることについて、御検討いただければ幸いです。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとございます。池端です。
 私も90ページ論点に沿って、特に療養病床入院基本料を中心に、これは私にとっても本丸の1つでありますので、少しお時間をいただくことを御容赦いただければと思います。
 まず、○の1つ目に関して経過措置をどう考えるか。これは、方向が決まっていない施設は診療所1施設まで来たということで、この方向性については、やむを得ないところかと思います。
 ただ、これは、方向性を報告できた医療機関がそこまできたという事であって、実際に移ったわけではなくて、これから数か月かけて、実際に転換できるかどうかという段階で、また困難な事例も出てくると思います。この辺は、ぜひ丁寧に、例えばもし途中で人員がさらに減ってしまったりとか、いろいろなことで、その方向性に沿った対応ができなくなったときにも、丁寧な聞き取りと支援をお願いしたいと思います。
 そうしないと、入院している患者さんに影響を与えてしまう事になってしまうので、そこは丁寧にお願いしたいと思います。
 ○の2つ目です。DPCデータをもとに精緻化してみると、医療区分の医療資源投入量に濃淡があるということで、少し区分を細かくしてはどうかという事務局からの案だと思います。これについては、一定程度理解できるところもあるかと思います。
 ただし、これまでの入院の議論の中で、様々な加算の議論というのはありますが、ここは入院医療区分の1、2、3を大きく見直すということであり、療養病床入院基本料に大きく影響していることなので、ここをどう細かく分解して、9区分さらにはADL区分を入れて27区分等々を想定されるかもしれませんけれども、現在、患者さんがいらっしゃる病院が、新たな基本料で病院経営が成り立たなくなってしまう事になってしまうわけにはいかないと思うので、ここに関しては、ぜひしっかりしたシミュレーション、一定程度の数のシミュレーションを、そして、これならばある程度、全員無傷というのは難しいかもしれませんけれども、一定程度ちゃんとやっているところなら十分対応できるということを担保した上で、この医療区分の見直しを検討していただきたいと思います。
 もう一つ、医療区分の見直しということは、施設基準、医療区分2・3を8割以上という療養入院基本料の1を守れるかどうかというところにも関わってくる。この医療区分2・3ということを見直すのであれば、この辺をどうするかということを慎重に対応していただかないと、これは本当に療養病床を抱えている経営者は非常に心配しております。
 2・3を8割以上維持するというのは、実はものすごく大変な事なので、ここがさらに少しでもぶれが出てくると、それこそ、施設基準なので、病院そのものの運営が成り立たなくなってしまうのです。これについて、私の想定では、疾患、病態の医療区分と、そして、医療資源投入量という処置の医療区分と、どちらかが選択できれば、2・3の8割以上を満たすということが、やはり我々としても望むところです。それも含めて、これもぜひシミュレーションをしながら、ドロップアウトをするところが多くならないように、ぜひ患者さんのためにも、それは御検討をいただきながら、精緻化をしていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それから、3番目のリハビリテーション2単位ということですが、これは先ほどデータで、地域包括ケア病棟との比較で地域包括病棟とは1から3ということになっているので云々とありましたけれども、療養病床は基本的には今は出来高でリハビリを提供して、地ケアは、入院基本料の中に2単位を含めた基本料がついているということになります。これが、もし2単位ということになると、この話が出てきたのは、もともと医療区分1で、なおかつADLが1の元気な人に、リハビリを無理やり提供して、加算で稼いでいるのではないかと、多分そういうデータの取り方をしていらっしゃると思うので、そこに対しては一定程度の適正化という意味を含めたものだと思います。ただそれを全て療養病床に当てはめとなると、例えば、今、この後のIVHにありますように、STのリハビリをやると、これだけで2単位取ってしまったら、もうあと運動器等々ができなくなってしまうということがあって、これを療養病床全てに2単位以内ということを当てはめるようなことは、絶対私は賛成できません。その辺は、また、しっかりしたデータを基に御検討をいただければと思います。
 最後の4つ目の中心静脈栄養についてですが、ここは大きく4点、少しお話をしたいと思います。
 あと、5、6分よろしいですか。
○小塩会長
 お願いします。
○池端委員
 すみません、まず、ここのベースになっている静脈経腸栄養ガイドライン、ここに私も一応コピーしたものを持っていますが、これは、実は四百数十ページにわたるもので、基本的には、ここの内容は、急性期の病態を疾患、中心に立てられたガイドラインです。ですから、これは四百数十ページありますけれども、ここの内容を見ますと、パートⅠが、栄養等の選択管理の基準、パートⅡが栄養療法の進め方の評価、パートⅢは小児栄養管理、パートⅣが成人の栄養管理、パートⅤは小児の病態別を管理というパートしかありません。高齢者に対するパートは一切ないのです。
 よくよく見ると、成人のところに数ページ、「高齢者」にはとありますけれども、取ってつけたような内容しかありません。そこで主として急性期の中心静脈栄養のガイドラインにのっとったものと、療養病床を中心に行っている慢性期の中心静脈栄養は、かなりいろいろな点が違うことがあることを、これから御説明したいと思います。
 まず、高齢者特有の倫理的問題とかACPを含む尊厳に関する問題とか、こういったことも含めたガイドラインがこれから求められると思うので、慢性期医療協会を中心に、しっかりとした慢性期の病態でのガイドラインができるように働きかけをしていきたいと思いますが、そういう相違があるのだということを、まず知っていただきたいと思います。
 その上で、次の論点ですが、条件とされた汎発性腹膜炎等々の病態があります。最後の論点のところで、(絶対的適応として)汎発性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、麻痺性イレウス、活動性の消化管出血に限定されることとありますが、ここに本文では「など」という言葉が入っています。これだけで限定されるものではなく、「など」ということがちゃんとあるのだということ。このような特有の限定される病態以外にも、そういう疾患等がありうるのだということも、ぜひ御承知おきいただきたいと思います。
 特に療養病床等で多いのは、反復性胆嚢炎・胆管炎等が発症したときに、食事を始めると出て症状が再燃して、中心静脈栄養をやると下がって、また、食事を始めると出てくると、そういう繰り返す疾患もあります。
 それから、臓器不全によって、なかなか食事ができない場合とか、あるいは、先ほど資料にもありましたように、消化不良症候群等々ありますし、決してこれだけで限定で、これ以外は全て経腸栄養に移れるものではないということを、まず御理解いただきたいと思います。
 そこで事務局にお聞きしたいのですが、経管栄養が禁忌で静脈栄養の適用される疾患のみに中心静脈栄養を限定するということを、もしこれからも目指されるのであれば、そうしたらその方々は、当然嚥下はできない状況です。例えば、腹膜炎を超した状況で嚥下ができません。となると嚥下訓練等の評価を要らないということになるのか、これは少しお聞きしておきたいと思います。
 いずれしても、私の立場ではそう考えていないので、条件とされそうなものについては、他の疾患、病態がしっかりあるので、その辺は医師の判断のもとに、もちろんきちんと書き込んだり、なあなあではいけないと思いますけれども、そういうこともあるのだということで、ぜひこれだけではないということを御理解いただきたいと思います。
 3点目です。実は急性期病院からの持ち込みの中心静脈栄養も、非常に多いのが現状です。
この患者さん(の中心静脈栄養)を抜くのが一番大変なのです。それはなぜかというと、急性期病院で(中心静脈栄養法を)入れるときに、本当に厳しい条件下で入れているわけではなくて、比較的安易に入れてしまっている事が多く、そしてそれが療養病床に持ち込まれる。
 これを抜いて経鼻経管栄養法にしようということを、御家族、御本人にお話しすると、最初の急性期の先生方にいろいろなお話を受けてから入れてきているので、それは話が違う、私は胃に穴を開けられたくないとはっきりおっしゃる方も、結構いらっしゃいます。
 一方で、私は、多分、皆さんもそうだと思いますけれども、本当に高度の意識障害や認知症で、倫理的にも尊厳的にも延命と思われるような中心静脈栄養、あるいは経管栄養もそうだったと思いますけれども、それが必要かどうか、これは、また別の議論が必要だと思います。ただいろいろな条件のもとで、療養病床に持ち込まれた中心静脈栄養を、この新しいルールに従って全て経鼻経管にしなさいというのは、御家族からも御本人からも相当反発が来ることがあることをぜひ御理解いただきたいと思っています。
 実は日本では、一時、安易に誰でも胃瘻栄養をやっていた時期があって、ある特養の先生が、「誰でも安易に胃瘻」は駄目だねということをおっしゃって、それが一気に広がって、もう胃ろうは駄目、特に胃に穴を開けて胃ろうなど駄目だということで、今でもそう信じていらっしゃる方が非常に多いのです。
 確かに、このガイドラインにありますように、栄養というのは、胃、腸を通して入れることが、非常に生理的であるということは、私もそのとおりだと思いますけれども、国民的議論に持っていかないと、なかなかそこが難しいことが、現状はあるので、そういうことも含めて御検討いただきたいなと思っています。
そういうことで、持ち込みの中心静脈栄養をどうするかということが課題です。また実際に私も何度となく経験するのですけれども、患者さんに、御本人も結構意識がしっかりした状態のときに、まず経鼻経管栄養を入れても、経鼻はすぐ嫌で抜いてしまいます。「2週間以上経鼻経管栄養が必要な方には、胃ろうとか、腸ろうにすべき」とガイドラインに書いてありますが、ほとんどが、穴を開けましようかと言えばそれは絶対嫌だと。やっている人のをお見せしても、へそに穴を開けられたくない管を入れるのは嫌だとおっしゃる。とは言え、口から食べるとすぐ誤嚥してしまう。しかし水と、栄養はどこかで補給しなくてはいけないのでそうしたら点滴ということになりますが、末梢点滴は2週間もてば、後は栄養学的にはどんどん落ちるだけ。やはり意識がしっかりしていれば、中心静脈栄養法になるといった、こういう相対的適用というのもあるのではないかということを、現場としては感じていますので、ぜひそれもさらに御検討をいただければいいかなと思います。
 最後に言い忘れましたが、事務局のよりどころにされているガイドライン、私が持っているガイドラインで、栄養療法の選択基準というところがあって、そこのところに、確かに腸が機能している場合は、腸を使うのが大原則だということは書いてありますが、その頁の最後の方を見ると、「近年、経管栄養の有用性が高く評価され、多くの疾患で適用されている。しかしながら、対象疾患によっては必ずしも静脈栄養に対する経腸栄養の有用性が実証されず、経腸栄養と静脈栄養の有用性は同等との評価もある」という文献を紹介するとともに、したがって、「静脈栄養、経腸栄養、両栄養の特徴をよく理解し、病態に応じて選択することが重要である」と最後に書き込んであります。
 無駄な中心静脈栄養を絶対にしないということを前提ですが、まさにこれがプロフェッショナルフリーダムであり、医師がしっかり判断をして、そこに必要なものを、こういう点も参考にしながら、本当に現場は苦労して対応しているのだということを御理解いただければと思います。
 本当に長くなって申し訳ありませんでした。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 ありがとうございます。幾つか論点に関して意見をいたします。
 まず、療養の1つ目の経過措置に関してですが、長島委員、池端先生からもありましたけれども、今後、厚労省がきめ細かく状況把握を継続していただくことをお願いして、経過措置の廃止に関しては賛成いたします。
 2つ目の医療区分の評価の精緻化に関してですが、現時点で私自身反対ではありません。しかし、この見直しにより増収となる病院、減収となる病院が当然のことながら発生することになりますが、医療療養病院にどの程度の影響が出得るのか、入院収益にどの程度影響が出るのか、増収、減収となる病院の割合が、また、その程度がどれぐらいなのかという精密なシミュレーションを実施していただかないと、正直、見直しの影響の大きさを見させていただき、判断させていただければと思います。
 また、見直しに関しましては、現場の医事算定業務の複雑化を招くことになります。ですので、より区分の集約化ができないかということも御検討いただければと思います。
 療養3つ目のリハビリテーションですけれども、一部の病棟で非常に多くの退院数のリハビリテーションが行われているという実態が資料として示されております。
 入院料Iの部分ですけれども、しかし、多くの療養病棟でも平均で2単位となっております。平均ということは、2点以上リハビリテーションを行っている患者が多数存在しているということです。
 療養病棟を回復期機能として使用している病院というのもたくさんございます。在宅復帰のため、2単位を超えてリハビリを行う必要がある患者さんがいるということになります。
 ですので、医療療養病棟におけるリハビリの条件を一律2単位に制限するということに関しては反対いたします。
 患者の在宅復帰に支障を来さないよう、最大限の配慮が必要であると思います。
 中心静脈栄養に関しましては、池端先生の御意見に全て賛同になりますが、今回の論点は2つありまして、1つは上限日数を設けることというもの。二つ目は医療区分2として評価をすることということが書かれているわけですが、特に上限日数を設けることということになりますと、ある一定医療療養病棟に入っておられる患者さんが、ある一定の期間が来た段階で、医療区分2から3というところが外れて、医療区分1になることが発生することになるかと思います。
 当然、一部の医療療養病棟は入院料の算定要件を満たすことができなくなりますので、患者の追い出しなどが発生する可能性があります。患者の受皿の確保も確認できていない状況での大幅な制度変更というものは、避けるべきだと考えます。
 あと、障害者施設等入院基本料に関しての論点に関して、発言させていただきます。
 論点の1つ目である該当患者割合の取扱いの明確化に関しては、特に異論はありません。
 2つ目の論点、障害者施設等入院基本料における透析患者に対する評価を、療養病棟入院基本料に準じた評価とすることに関してですが、透析患者で長期入院が必要な患者の受け入れ先の確保に関しては、2014年改定において、いわゆる特定除外の廃止時に大きな問題となりました。
 その際、医療療養病棟での受入れを促進するため、医療療養病棟入院料において慢性維持透析管理加算が新設された経緯がございます。
 これは、透析患者は包括される範囲において、実施が必要な検査、また、投薬が他の療養病棟の患者層と比較して多いことから、受入れが進んでいなかったから、こういう加算が検討され新設されたというものでございます。
 この加算の新設により、ある一定程度、医療療養病棟においての透析患者の受入れは進みましたが、障害者病棟において、多くの透析患者の療養している状況を考えますと、本加算が不十分なことも原因の1つであると思います。
 障害者施設等入院基本料における透析患者に対する評価を、療養病棟入院基本料に準じた評価とすることに関しては、医療療養病棟における慢性維持透析管理加算をより適切な水準に見直すことを条件に賛成いたします。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 すみません、先ほど池端委員から御質問がありました。中心静脈栄養に関連して、嚥下困難になった場合の患者さんの対応をどうしたらいいかということについて、事務局で何か、現時点でお考えがありましたら、それについて御回答をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。御質問ありがとうございました。
 我々として、一律に何か、これをやるべき、あるいはやるべきではないと決めるべきものではないと思っております。
 当然、現場にはプロフェッショナルフリーダムであり、医師がその患者さん及び御家族と相談をされて、最後にどのような医療を選ぶかということを御決めになっている、そのところを、過剰に私どもとして何か制限することは適切でないと考えてございます。
 一方で、このようなデータがあるということをお示しすることも、私どもの役割だと思っております。
 そういったことで議論が惹起され、そして、また今いただいた御意見を踏まえて、我々としては制度のつくり込みに生かせていただきたいと思っております。
 以上です。
○小塩会長
 池端委員、よろしいでしょうか。
 江澤委員、お待たせいたしました。お願いします。
○江澤委員
 ありがとうございます。論点について簡単に申し上げたいと思います。
 2つ目の論点につきまして、今、意見がたびたび出ておりますように、現在は、疾患・状態よりは、処置で医療区分を選択するケースが多いかと思います。
 そういった中で、医療機関において、激変がないのかどうか、先ほども意見がございますが、しっかりとその辺を分析していただいて、検討していただきたいと思います。
 続きまして、3つ目のリハビリテーションつきまして、どういった疾患の方が、あるいはFIMの推移がどのような状況になっているかというのも、少し見ていく必要があるのではないかと思います。
 特に疾患別リハビリテーションの算定期間内における方について、いろいろ配慮が必要なのかどうかは、また御検討をいただきたいと思います。
 4つ目の中心静脈栄養につきまして、腸管機能が正常に働く場合は、消化管から栄養を吸収するのが当然だと思います。
 その上で、資料には中心静脈栄養の絶対的適応が示されておりますけれども、先ほど池端委員も様々おっしゃったように、感染症の治療とか、化学療法とか、様々な疾患治療中に虚弱な高齢者が、栄養摂取が困難になる場合、あるいは回復見込みのある嚥下障害、そういった状態が、胃ろうを選択するほどの長期期間でないと、一定期間であると想定されるときには、中心静脈栄養の相対適用になると、これは臨床現場でよくあることであります。
 続いて、経鼻経管栄養の継続は、ガイドライン上は14日以内、長くても4週間未満とか、いろいろ推奨されているわけですけれども、やはり患者さんによっては誤嚥リスクとか、自己抜去リスクが予測されるときには、中心静脈栄養を選択するケースもあります。
 もう一点は、胃ろうが造設できない事例があります。例えば、胃の前壁が腹壁に近接できないとか、どうしても何らかの理由で内視鏡ができないとか、肝臓が極度に大きいとか、あるいは出血傾向がある、こういったことについては、胃ろうの造設が禁忌になっておりますので、そういったケースもあるので、また、いろいろ御検討をいただければと思います。
 最後に、池端委員もおっしゃいましたけれども、最近の傾向としては、どうしても胃に穴を開けるということに抵抗を持つ患者さんとか、家族の方が少し増えてきています。
 したがって、そういったときには、やむなくIVHになるケースもあり得るので、その辺りを含めて、また御検討をいただければと思います。ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、いかがでしょうか。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 それでは、90ページにあります論点に沿って、コメントをいたします。
 まずは、療養病棟入院基本料についてでございますが、4ページに示されております、経過措置への対応でございますが、療養病棟入院基本料の人員配置基準のみならず、医療区分2や3の患者区分に応じた割合の5割未満についても併せて廃止すべきです。
 その上で、患者の状態に応じて療養病棟入院基本料1と2で対応すべきであり、こうした特例をさらに延長することは容認しかねます。
 また、論点には示されておりませんけれども、その関連で、入院基本料2について、医療区分2と3の患者が5割以上という基準について、厳格化すべきであるということを強く主張いたします。
 医療法における経過措置が切れるタイミングで、医療と介護の同時改定が行われるこの時期も踏まえまして、医療と介護の役割分担を明確にする観点からも、医療の必要性が低い患者は介護施設で対応すべきであり、この点については、しっかりとした対応を事務局に求めたいと思います。
 次に医療区分でございますが、25ページ以降の資源投入量を見ますと、グラフが2つありまして、上に疾患と状態、下に処置等が示されておりますけれども、明らかに分布が異なっておりますので、適正化の観点からも、17ページに示されております、入院分科会の取りまとめのとおり、確実に精緻化を進めるべきだとコメントいたします。
 続きまして、療養病棟におけるリハビリについてでございますが、医療ニーズのある患者に適切なリハビリが提供されることは重要だと考えておりますけれども、資料の37ページを見ますと、療養病棟入院料1の入院料Ⅰにおいて、明らかにリハビリの資源投入量が高く、算定件数が多いことが見て取れます。
 また、資料の39ページに目を移しますと、回復期機能を備えた地域包括ケア病棟でも、3単位以上のリハビリが少ないことも踏まえますと、療養病棟入院基本料Iにおいて、37ページのように、平均3単位以上、中央値でも3単位のリハビリが行われていることには疑問を感じるものでございます。
 リハビリを集中的に実施するのであれば、回復期リハビリ病棟や地域包括ケア病棟で対応することが本来の姿であり、病床機能の適切な役割分担の観点からも、入院基本料Ⅰにおけるリハビリは適正化すべきだと考えております。
 先ほど来、2号側の委員の方から、リハビリが必要な患者を療養病棟で受け入れる地域もあるという御意見をいただいておりますけれども、地域によってリハビリを提供できる病棟が少ないということであれば、療養病棟から回リハ病棟へ移ることではどうかと考えます。
 また、医療資源が乏しい地域における回復期リハビリテーション病棟の在り方については、入院分科会でも議論されたと承知しております。
 地域におけるリハビリの提供体制については、地域包括ケア病棟や回復期リハビリ病棟の在り方として議論すべきだと考えます。
 次に中心静脈栄養についてでございますが、可能な限り速やかに止めることが患者のためであり、医療資源の観点からも当然だと考えております。
 これまでの改定でも、様々な対応が取られてまいりましたが、資料の60ページ、61ページを拝見いたしますと、残念ながら、患者の割合や実施期間は増加していることが分かります。
 資料の59ページにあるとおり、中心静脈栄養の実施期間が長期になるほど、感染症の発生が多い実態を踏まえますと、医療区分3における中心静脈栄養は真に必要とする患者に限定し、医療区分での評価に一定の上限日数を設けるべきだと考えます。
 先ほど来、2号側の委員のほうから中心静脈栄養が必要な患者がいるという御意見を多数承っております。
 ただ、資料の56ページを見ますと、ここにガイドラインの紹介がありますけれども、先ほど池端委員からは、若干、これに関して疑問が呈されておりましたけれども、我々としては、ここに適応対象が明確になっているということでございますので、もし、そういった疾患があるのであれば、それが個別なケースであるとしても、何らかのエビデンスを示していただかないと、我々は医療現場にいる者ではございませんので、それをなかなか受け止めることが難しいということは言わざるを得ないということでございます。
 最後に、障害者施設等入院基本料についてでございますが、資料の82ページを見ますと、施設基準の目安を大きく下回る実態がありますので、基準を明確化すべきと考えております。
 また、資料の83ページの障害者施設等入院基本料2から4の患者構成を見ますと、該当患者割合が7割未満の病棟で慢性腎不全が16.3%と最も多いことや、資料の84ページを見ますと、全症例が慢性腎臓病という施設がある実態については、障害者施設の役割としてやや違和感があるものでございます。
 資料85ページを見ますと、透析患者の診療費が、療養病棟よりも障害者施設で高いことが分かります。
 この原因が資料の86ページに示されております、包括範囲の違いによるものであれば、役割分担の観点から好ましくない状況だと思いますので、患者の状態に応じた評価という観点からも、障害者施設における透析患者については、療養病棟入院基本料に準じた評価とすべきと考えます。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 それでは、高町委員、お願いいたします。
○高町委員
 ありがとうございます。
 私からは透析に関して、意見を述べさせていただきたいと思います。
 透析患者に対する評価について、障害者施設等の入院基本料と、療養病棟入院基本料との関係でどうするかという点で、受けている医療の違いがどのようなものなのか、そのことによる診療費の差が生じるのかといったことが明確でないのであれば、患者の立場といたしましては、医療費に差が生じないほうが分かりやすいのではないかと考えております。
 ただ、それと同時に、どの地域においても、透析患者が診てもらえる医療機関を確保することも大変重要なことですので、このことへの留意も大切なことだと考えています。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 まず、90ページの論点に書かれていることに沿って、検討を進めていくことに異論はありませんが、その上で意見を申し上げます。
 まず、療養病棟入院基本料の経過措置は、前回2022年度改定時にも2年間延長しておりますし、今回の改定では廃止に向けて進めていくべきと考えます。
 次に、療養病棟における中心静脈栄養は、感染リスクが高くなることに加えて、身体拘束の要因にもなるということから、最小限にすべきと考えます。
 資料の50から51ページを見ますと、生殖機能、嚥下機能の回復に向けての対応ができる体制がない医療機関が約3割ございますが、体制のない医療機関では、入院後、入院中に、中心静脈栄養を中止、終了した患者数の割合が低い状況となっています。
 入院・外来医療等の調査評価分科会の意見を踏まえ、中心静脈栄養をできるだけ早期に終了できるよう、摂食機能、嚥下機能の回復に向けて、対応できる体制整備が重要と考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員
 御指名ありがとうございます。
 私のほうも一点、療養病棟の入院の基本料について、お話をさせていただきます。
 本日の資料及び論点からさせていただきまして、今回、同一医療区分でも疾患とか措置について、医療資源の投入が大分異なるということを考えますと、今回、ここの論点でありますように、医療区分の評価を精緻化するということに賛成です。
 これは、逆に言うと、複雑になるという考え方もあるかもしれませんが、より精度を高くするということ、また、分かりやすくするという形で、最初、導入のときは少し大変かもしれませんが、その辺のところがより分かりやすい医療の資源投入、もしくは点数の内容が分かるかと思いますので、ぜひそういった形で進めていただければと思います。
 私のほうからは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
 鈴木委員と全く同じ項目のコメントでございますけれども、療養病棟入院基本料の2つ目の○についてでありますが、今回御提示いただいた医療資源投入量の差というものを踏まえれば、患者特性であるとか、医療提供内容に応じた評価を進めるという観点からも、さらに精緻化する方向で見直すことに異論がないことを、私も申し伝えたいと思います。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、よろしいでしょうか。
 それでは、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 2つ目の9分類の精緻化ですけれども、先ほど2号側からいろいろ御説明して、これは極めて医療提供体制に大きな影響を及ぼし得るということなので、やはり丁寧にしっかりと検討する必要あるということでございます。
 3つ目のリハビリですけれども、これは、地域のリハビリ提供の実態に応じて、療養病棟でもリハビリテーションを提供する必要性がある地域もあるということなので、全国一律にというものではなくて、やはりそれぞれの地域の状況、あるいは地域あるいは病棟機能などに応じて考えるべきものだと思っております。
 4つ目の中心静脈栄養ですけれども、絶対的適用は具体的な病名として提示が可能ですが、相対的な適用は基本的には複合的な状況を踏まえるということになると、こういう状況でこういう場合と、幾つかのものになるので、幾つかのものを例示すると、先ほどたくさん説明があったような形になるかと思います。
 絶対的な適用と相対的な適用があるが、両方とも医療的には必要であるということ、これをぜひ御理解いただければと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 よろしいですか。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 何度もありがとうございます。
 1号側からの御意見に、特に入院基本料、今、松本委員からは、2の50%もさらに適正化してはという御意見だと思いますけれども、今、2号側の皆さんがおっしゃったように、今、医療区分ができ上がってから初めて大きく見直すところに、さらに基準まで適正化すると、本当にどうしていいか分からない状況になってしまうのではと思いますので、しっかりしたシミュレーションのもとに、まずは50%、80%を維持して、そしてその経緯を見定めた上で、必要な対応を今後取っていただきたいと思います。実は入院基本料1、2とも、看護配置基準は20対1の施設基準で同じなのです。同じで、かつ1を取れば点数は高くなるわけですからは、8割の適応患者を集められる病棟があれば、そこに持っていくでしょう。このように実は既に入院基本料の1と2では診療報酬上の差ができているが、何とか地域のためにもこの病床を維持しようということで頑張っているのです。そこへ、医療区分を大きく見直した上に、更に医療区分2・3患者の割合まで適正化するとなると、これは、本当にどうシミュレーションをしていいか分からないことになるかと思います。
 今回に関しては、2の50%を適正化することに対しては、明確に反対をさせていただきたいと思います。
 一方で、確かにエビデンスは重要かと思いますが、今、長島委員もおっしゃったように、今、ガイドラインでの絶対的適用がエビデンスということになっていますけれども、これは、ガイドラインとして示されていることではありますが、これも同じ病態の患者を胃ろうでエビデンスをやった群とそうでない群とにきちんとした2層に分けて比較検討したものではなく、あくまでも学術的に正しいと大枠皆さん認められる内容について、ガイドラインとしてまとめられたものであって、今後も追加の疾患や病態像を必要に応じて挙げることについてはやぶさかではありませんが、データに基づいたエビデンスというのは、なかなか難しいということも御理解いただきたいと思います。
 「中心静脈栄養をしている患者の入院期間が徐々に長くなってきている」とありますが、結局中心静脈栄養法の絶対的適応の患者さんが徐々に残ってくるというが、その方にとっては、中心静脈栄養というのは唯一の栄養ルートなのです。これを止めれば、もう死ねということなので、そこが徐々に長期になることは、この超高齢社会の中には、ある程度やむを得ない部分もあるかということも御理解いただきたい。
 それから、感染が起こるから云々とありますけれども、感染に関しては、今、PICC(ピックカテーテル)というのができて、これは中心静脈栄養でも腕から入れていることによって、感染がずっと低いというデータも、このガイドラインに出ています。
 それから、ルート感染であれば、私も何度も経験するのですが、いきなりぽんと熱が39度ぐらい上がります。ルート感染症が分かるとすぐ抜いて、1日、2日様子を見て、落ち着いたら入れ替えることで、また半年、1年もちます。
 昔は、3か月、4か月でルート感染を起こすことが頻繁にありましたけれども、今は非常に材料がよくなって、清潔、不潔の対応もよくなっているせいか、非常にルートに関する感染に関しては、非常によくなっている。
 一方で、では胃瘻は何もないかというと、PEGの周囲に不良肉ができたりして、外科的処置をしなくてはいけなくなったり、あるいはそこに感染を起こし、結局PEGを抜かなくてはいけなくなったり、こういう感染の機会も長期になればなるほど出てきますので、一概に中心静脈栄養は駄目で、PEGは丸ということではないということも、少し御紹介しておきたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
 療養病棟入院基本料の話がありました。医療区分についてだと思いますけれども、医療区分2・3に該当しない方が何も治療をしていないわけではなくて、全て介護施設で受け止められる方でというのは、よく誤解を受けることだと思います。
 医療区分2・3は、発熱を伴うとか、嘔吐を伴うとか、あるいは医療区分に該当する期間も限定されていて、その間についての医療区分ということになっておりまして、発熱や嘔吐を伴わない、こういった医療区分2・3の病態が介護施設で対応できるかというと、到底そうではないということは、御理解をいただきたいと思います。
 もう一点、リハビリテーションつきまして、療養病棟のリハビリテーションをされている患者さんは、もう回復期リハの算定期間を、恐らくとっくに超えた方が多くて、いわゆる慢性期で、例えば感染症でADLがどんと落ちて、廃用症候群を防止するとか、あるいは長きにわたる摂食嚥下のリハを行うとか、そういった方が多いので、恐らく回復期リハの患者さんとは、かなり状態像が違うというのは想像できるかと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 先ほど、長島委員から、看護の立場から専門的な御意見を伺いたいという御要望がございましたので、木澤専門委員、よろしくお願いします。
○木澤専門委員
 ありがとうございます。
 療養病棟入院基本料についての1つ目の論点にあります、医療法施行規則における経過措置については、予定どおり進めていただければと思います。
 一方で、療養病棟においても医療の必要性が高まっており、人工呼吸器管理や気管切開等を受けている中で、夜間も頻回な看護ケアが必要とされている状況にあります。
 療養病棟の配置基準としては、看護職員20対1以上、看護補助者20対1以上となっておりますが、基準よりも手厚い配置が必要な状況であり、資料の14ページを見ましても、実際に看護職員を多く必要としている状況が分かります。
 日本看護協会の調査結果でも、患者特性や医療提供状況等に応じて、13対1や15対1程度に配置している療養病棟が多い状況でした。
 療養病棟においては、在宅移行支援や、ターミナル期の意思決定支援等、多くの役割が求められております。
 今後さらなる特定行為研修修了看護師の活躍も求められている場であります。療養病棟において、看護職と看護補助者が協働しながら、必要な看護ケアを安全・安心に提供できる環境の整備が必要と考えております。
 私からは以上となります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに、御質問、御意見ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、ほかに御質問等ないようですので、本件に係る質疑は、このあたりといたします。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた議論、御意見も踏まえて対応していただくようにお願いいたします。
 本日も非常に重要な案件が並んでおりますので、ここで休憩を挟みたいと思います。
 
(休  憩)
 
○小塩会長
 それでは、次に「個別事項(その6)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、個別事項(その6)、テーマといたしましては、精神医療について(その1)となります。
 それにつきまして、中医協総-3を用いまして御説明をさせていただきます。
 2枚目が、本日御説明する内容の目次でございます。
 まず「1.精神医療の現状等について」。ベーシックな資料を御説明させていただこうと思います。
 3ページ以降でございます。
 3ページは、総患者数ということでございます。患者調査を用いました総患者数ということでございます。
 令和2年の精神疾患を有する総患者数が約615万人、うち入院患者さんが28.8万人、外来患者さんが586万人ということでございまして、入院患者数は減少、そして外来患者数は増加傾向にあるということでございます。
 6ページが、精神病床数ということでございますけれども、減少傾向にあることを見ていただけるかと思います。
 7ページ以降が入院患者数についてでございますけれども、入院患者数は減少傾向でありまして、こちらは8ページを御覧いただきますと、高齢の入院患者さんの割合が増えているということがお示しできるかと思います。
 また、10ページ目でございますけれども、減少しているのは5年以上の長期入院患者さんということでございました。
 11ページ目に進みます。こちらは、入院患者さんの将来推計の結果でございますけれども、精神病床におけます入院患者数は、将来的には減少することが推計されております。
 12ページでありますが、こちらは精神病床における平均在院日数と再入院率でございます。精神病床における平均在院日数は減少傾向であります。死亡退院を除きまして、精神病床から1年以内に退院した患者さんにつきまして、退院後1年以内に約3割の患者さんが再入院するということもお示ししております。
 次、14ページに進みます。こちらは入院期間が長くなる主な理由ということでございます。3か月を超える理由につきましては、精神疾患の治療に続きまして、転院先や退院先が見つからないことが挙げられております。
 それでは、ページを進ませていただきます。
 19ページ目以降でございますけれども、こちらは入院に係る診療報酬、そして、それらの主な要件というものをお示しするものでございます。
 23ページ目でありますけれども、こちらは精神病床における入院料届出状況等の外観でございます。
 救急や急性期系の病床数は増加傾向でございますけれども、現在も約3分の2を慢性期の病床が占めている状況にございます。
 次に、25ページ以降でございますけれども、こちらは外来患者さんについてでございます。
 疾病別の内訳で見ますと、多様な疾患の患者さんが通院している状況でございますが、年齢別に見ますと、多様な年齢層の患者さんが通院してございまして、若年層が増加していることを示してございます。
 27ページ以降は、外来診療に係る診療報酬についてでございます。ここに点数、そして要件などをお示しさせていただいております。
 30ページ以降が、障害福祉サービス等についてお示しするもの。
 33ページは、精神障害者が精神科病院から地域移行する場合に使えるサービス体系について御紹介をしてございます。
 それでは、ページをさらに進ませていただきます。
 38ページ以降でございますけれども、こちらは、現在、御議論をいただいている最中でとあると聞いておりますが、障害福祉サービス等報酬改定検討チームの資料の引用でございます。
 精神障害者の地域移行等につきまして、長期入院対策のみならず、入院を長期化させない取組が重要ということが示されております。
 そして、39ページ目、40ページ目でございます。こちらは、精神疾患の経過と入院による治療の内容でございますけれども、39ページ目におきましては、検討チームの議論におきまして、医療提供体制につきまして、入退院支援の充実が必要という御指摘もいただいたところでございます。
 それでは、次の項目に移らせていただきます。41ページ目以降でございます。
 こちらは「精神病床における入退院支援に係る取組について」ということでございます。
 42ページ目以降でございますが、精神保健医療福祉のこれまでの経緯をまとめたものでございます。
 新たな長期入院を防ぐために、多職種の活用を中心といたしました精神病床の機能分化及び地域移行の推進によりまして、精神病床の適正化、不必要な病床の削減といった構造改革を目指すということとされてございます。
 ページ進みまして、44ページ目以降は、令和3年に取りまとめられました、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会報告書でございます。
 報告書におきましても、精神科医療機関においてケースマネジメントの必要性等が指摘されているところでございます。
 次、47ページ以降でございますけれども、こちらは令和4年の精神保健福祉法等の改正でございます。昨年の法改正におきまして、非自発的入院であります医療保護入院につきまして、期間を定めることによりまして、入院期間の短縮が図られることとなりました。また、退院促進のためのケースマネジメントもさらに推進されることとなってございます。
 52ページ以降に進みます。こちらが包括的支援マネジメントについてでございます。
 近年、我が国におきましては、このケースマネジメントの手法といたしまして、包括的支援マネジメント、52ページにございますけれども、この有効性が確認されてございます。
 通院患者さんに対する支援を中心に、診療報酬上の評価も充実されてきたところでございまして、包括的支援マネジメントにおきましては、①、②、③とPSW等マネジメント担当者の選定や、多職種チームによるアセスメントとケア会議の開催、障害福祉サービスや行政機関等の多機関との連携、こういったことが重要な要素とされているところでございます。
 それでは、ページを進ませていただきます。56ページ以降でございます。
 こちらは、これまで通院患者さんに対する支援を中心に充実されてきました、包括的支援マネジメントに係る診療報酬上の評価についてでございます。
 具体的に、57、58ページに診療報酬項目をお示ししているところでございますけれども、60ページ目、61ページ目は、入院患者さんに対する包括的支援マネジメントの効果についてであります。
 今般、調査研究におきまして、この効果が示されたということでございまして、介入群の平均入院日数が短いこと、長期入院も少ないという結果が示されてございます。また、再入院の減少ということにも寄与していたことが示されたところでございます。
 62ページは、退院支援部署の設置状況についてであります。
 精神病床におきましても、退院支援部署の設置が8割を超えているということ。
 そして、63ページ目から65ページ目は、包括的支援マネジメントを用いました支援の好事例について御紹介をしております。
 66ページ目は、入退院でございますけれども、精神科における入退院に係る加算等の評価と主な要件についてでございます。
 これまで精神科における地域移行や、退院調整に係る様々な評価が設けられてきたところでございます。
 また、入退院支援を行う包括的支援マネジメントにつきましては、早期退院や長期入院の防止に資する効果が確認されたと、先ほど御紹介したところでございますが、一方で、一般病床につきましては、入退院支援に関する評価が設けられているところでありますが、精神病床につきましては、入退院支援に係る評価がクリアには設けられていないということでございまして、後ほどの論点にございますけれども、ここを御議論いただきたいと思ってございます。
 それでは、次の項目に進ませていただきます。69ページ目以降でございます。
 「地域移行を重点的に進める精神病棟の評価について」ということでございます。
 70ページ目以降が、第8次医療計画、そして、第7期障害福祉計画についてお示しをするものです。
 精神病床における入院患者数の将来推計でございますけれども、現状の取組等を維持しても減少傾向となるというところでありますが、さらに今後新たな取組、政策効果による減少も加味した将来推計を用いて、医療計画上の病床数、基準病床数、そして障害福祉計画上の長期入院患者の減少に係る成果目標を求めるとされているところでございます。
 第7期の障害福祉計画、73ページにございますけれども、ここにおきましては、1年以上の長期入院患者数につきまして、新たな取組や政策効果による減少も含めてということでございますけれども、令和8年度末までに3.3万人減少することということが目標とされているところでございます。73ページの赤で囲っているところでございます。
 次、75ページ目、76ページ目でございます。こちらは、地域移行機能強化病棟入院料の概要についてでございます。
 これは、平成28年度の診療報酬改定において設けられた入院料でございます。
 集中的な退院支援と精神病床数の適正化に取り組む精神病棟の評価でございます。
 当初、当該入院料につきましては、平成31年度までに新規の届出を行うということとされていたところでございます。
 76ページ目は、令和2年度の診療報酬改定における当該病棟の継続と要件の見直しについてでございます。
 地域移行を推進する観点から、新規届出の期限を令和6年3月31日まで延長するとともに、届出時の病床稼働率に係る係数、あるいは、地域移行に係る実績係数が見直されてございます。
 77ページ目は、当該病棟入院料の当該届出医療機関数等についてでございます。
 こちらは、入院料の届け出に伴いまして、今まで約3,200床が削減されているということを示してございます。
 78ページ目は「地域移行機能強化病棟入院料の届出前後における入院料毎の病床数」についてでございます。
 届出に当たって、主に精神病棟15対1入院基本料及び精神療養病棟入院料を届け出ている病棟の病床が削減されているということでございます。
 79ページ目は「地域移行機能強化病棟入院料の届出期間」についてでございます。
 一部は平成28年の新設時から直近まで届出を継続されている医療機関も存在しているということでございます。
 80ページ目は、当該入院料の届出を行っていない理由でございますが、要件を満たせないからということが最多でございました。
 具体的には、精神保健福祉士等の有資格者の確保が難しいといった意見がございました。
 81ページ目は、令和4年の精神保健福祉法等の改正について再掲するものでございまして、精神保健福祉法におきまして、退院支援を行う退院後生活環境相談員につきまして、ここで①、②に示される職種が資格を有するとされています。
 改正法の施行に伴いまして、公認心理師も選任対象に追加される予定ということでございます。
 それでは、3つ目の議題でございます。「児童思春期精神医療について」でございます。
 83ページが、20歳未満の精神疾患の総患者数でございます。20歳未満の精神疾患を有する総患者数、ここでは59.9万人というところでございますが、疾患別では、発達障害を含みます、その他の精神及び行動の障害が最も多く増加傾向にあるということでございます。
 85ページに進みまして、こちらは発達障害者支援につきまして、平成29年に総務省から改善の勧告がなされたことをお示しする資料でございます。
 87ページは「児童思春期精神医療に係る診療報酬上の主な評価」についてでございます。
 専門性の高い医療提供を評価するという観点から、10年目以上の専門的治療に従事した経験を持つ医師を含め、医師を複数名配置することや、若年の患者さんに対する診療実績が要件となった加算、こういったものが設けられているところでございます。
 89ページ目でございます。「児童・思春期精神医療を実施している医療機関」についてでございます。精神科を標榜する医療機関のうち、おおむね6から7%の医療機関が、児童思春期の専門的な精神医療を提供しているということでございます。
 90ページ目でございます。こちらは、20歳未満加算の算定状況等について。
 91ページ目は、児童思春期精神科専門管理加算の算定状況等についてでございます。
 専門外来を有する診療所数に比べまして、この加算を届け出ている診療所は少ない状況でございます。実態として、専門的治療を実施している医療機関であっても、この従事した経験を持つ医師をさらに確保することは難しいという現場の声がございます。
 それを下に、16歳未満初診を増やせない理由の欄でお示しをしてございます。
 92ページは「児童精神科における診療時間」についてでございまして、患者さんの年齢が低くなるほど診療時間は長く、16歳未満の初診を増やせない理由として時間がかかるといったこと、手間がかかるといった御意見があったということでございます。
 93ページは「児童精神科における医師の業務負担」でございまして、診療以外にも保健・福祉・教育機関との連携業務が行われております。
 病院に比べてスタッフが少ない診療所におきまして、医師に係る業務負担が偏るという傾向が指摘されているところでございます。
 94ページは「医療機関における発達障害の初診待機の状況」についてでございます。
 一般に長いと言われるのですが、短縮のための手段といたしまして、①から⑦にございますけれども、こういった取組が掲げられているところでございます。
 95ページ目が、医療機関におきまして、初診待機解消が進まない理由についてでございます。
 短縮化を阻止している要因としましては、医療機関不足、医師不足のほか、心理職等の専門職の少なさが挙げられております。
 96ページは「児童精神科における診療時間と職員配置」についてでございます。
 1人当たりの診療には児及び養育者との面接、2時間以上の検査、医師の診察、他機関との調整など、多くの手間と時間を要していること。
 その中で、医師1人当たりの初診人数が多い機関では、多職種がそれぞれの専門性を発揮しつつ、協力して、可能な限り多くの診療につなげているといった実態があるところでございます。
 また、常勤医師が1人であっても、16歳未満の患者さんを多く診療して医療機関もあるわけでございますが、こういう医療機関におきましては、外来に看護師や精神保健福祉士、公認心理師等の多職種が多く配置されていたということでございます。
 97ページ目、98ページ目は、児童思春期精神医療に携わる多職種を育成し、診療の質を向上させるための取組を紹介させていただいております。
 それでは、論点でございます。
 101ページ目でございますけれども、3つの議題がございます。地域移行・地域定着の推進のための入院患者への入退院支援につきましては、例えば、評価体系を整理することとしてはどうか。入退院支援の取組を評価することについて、どのように考えるか。
 2つ目の議題、地域移行機能強化病棟入院料につきましては、新規届出の期限に関しましては延長することとしてはどうかなど。
 それから、児童思春期精神医療につきましては、外来診療への評価の在り方などについて、論点をお示しさせていただいているものでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたらお願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 101ページの論点についてコメントします。
 まず、入院患者への入退院支援についてです。
 早期からの入退院支援の必要性については、一般的には理解するところですが、現行の精神科における入退院に係る診療報酬上の評価が、どのような点でうまく機能していないのかを示すデータが不足しているように思います。
 点数の新設や既存の評価を整理し、見直すというのであれば、そもそもなぜそれが必要で、それを指示する具体的なデータがどのようなものか、検討をする必要があると考えます。
 2つ目の入院料についてです。第8次医療計画との整合性を図る必要性があるということは理解します。しかし、病床削減のペースが遅いとされている医療機関の特性や事情等が明らかではありませんので、もう少しデータを見た上で判断すべきであると思います。
 3つ目の児童思春期精神医療についてです。初診待機等の課題を解消する手段として、専門性を有する多職種を配置することも考えられます。
 ただ、現在の課題は、特定の医療機関に患者さんが集中し過ぎていることでもあると思います。
 したがって、今回の提案のように、特定の医療機関を強化するのがよいのか、あるいは今後の外来医療の増加を踏まえて、より裾野を広げていくような施策がよいのか、検討する必要があるのではないでしょうか。
 私からは以上ですが、小塩会長におかれましては、看護協会の専門委員からも意見を求めることについて、御検討いただければ幸いです。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 ありがとうございます。精神に関して少し発言をさせていただきます。
 まず、本改定における精神科入院診療報酬に関しての、総論としての意見になりますが、まず、令和4年に成立しました精神保健福祉法の改正に伴う新たな業務に対する評価というものに関して、検討する必要があるのではないかと考えます。
 今回の法改正では、ページ47、ページ50ページにありますが、また、51ページにもありますが、医療保護入院の手続が変更され、これまで1年に一度であった更新手続が廃止となり、3か月に一度、新たに入院の手続を実施することが求められることになりました。
 そのため現場では、入院の半数を占める医療保護入院の患者本人ばかりでなく、家族への通知など、インフォームド・コンセント及び事務手続が増大することになります。
 また、入院者訪問支援事業も新たに開始となり、その対応も必要となります。これら法改正に伴う現場の負担増加に対する評価というものに関して、検討をいただきたく思います。
 ここから各論点に関して意見をいたします。
 最初の論点である入院患者への入退院支援についてですが、60ページで示されているように、早期から行う退院調整の有効性のエビデンスを踏まえますと、入院早期から包括的支援マネジメントによる介入が実施されることで、入院期間の短縮や地域生活支援を円滑に進めることにつながると思います。
 精神病床における入退院支援の取組をさらに評価することについては、同意いたします。
 また、40ページに記載があるとおり、包括的支援マネジメントが、薬物療法主体の急性期以上に回復期において治療上の重要性が増す点を考えますと、急性期だけでなく、回復期の時期にも評価が可能な制度を検討すべきだと考えます。
 さらに、退院後1年以内の再入院率が30%を超えるという厳しい数字を見ますと、急性期の精神科特定入院料の要件を、現行の入院後3か月以内の在宅復帰率で評価するのではなく、精神障害者の地域生活の充実をより反映できる、地域での生活日数など、より現実的な指標を導入することも検討すべきではないかと思います。
 2つ目の論点の地域移行機能強化病棟入院料に関してですが、まず、初めの当該病棟の新規届出の期間を延長することに関しては同意いたします。
 当該入院料の要件の見直しに関してですが、当該病棟が精神病床の削減に効果をもたらしたことは確かだと思います。
 しかし、これまで取り組んできた医療機関が一部にとどまり、また、取り組む医療機関が減少傾向にあるのは、要件が厳しいことが大きな要因と考えます。
 病床削減や退院の実績等については、より多くの医療機関が対応できるような柔軟な要件に見直すべきと考えます。
 また、退院後生活環境相談員として、退院支援業務を担う資格を有する職種の配置によっても要件を満たせることに、要件を変更することにも賛成いたします。
 3つ目の論点である「児童思春期精神医療について」ですが、児童思春期における外来診療については、現行の点数は、専門性が高い医療機関でないと算定が行いにくいという現状があります。
 しかし、資料で示されているとおり、専門医療機関に所属していなくても、専門的な医療を提供できる医療スタッフは存在しており、診療体制の裾野を広げるために、それら医療スタッフの診療を評価できるよう、外来診療の評価の在り方を見直すことには賛成いたします。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず、総括的なものとして拝見した場合に、精神の入院医療につきましては、12ページの資料にありますとおり、平均在院日数が短縮し、7ページにありますように患者数も減少しておりますけれども、6ページを拝見しますと、病床数は約32万床ということで、7ページの入院患者数28.8万人とはかなり乖離が大きいという印象でございます。
 さらに、11ページの将来推計を見ましても、精神病床における入院患者は、将来的には減少し続ける見通しでございますので、病床数の適正化はさらに進めるべきだと考えております。
 また、障害福祉サービスとの同時改定であることを踏まえますと、入院・外来のいずれも、医療と障害福祉の役割分担や連携を促進することも重要な要素でございます。
 それでは、101ページの論点に沿ってコメントをいたします。
 まず、入退院支援でございますけれども、47ページの精神保健福祉法等の改正において、医療保護入院を原則3か月以内とすることが法定化されたことや、地域での支援体制が整備されつつあることを踏まえますと、より早期の退院調整が進むようにめり張りを利かせる方向で評価体系を整理することが考えられます。
 また、資料の61ページを見ますと、退院後の再入院予防の観点から、精神保健福祉士など担当者の選任が重要だと考えられます。
 退院支援の質を担保するためにも、適切な施設基準を設定すべきと考えております。
 次の地域移行機能強化病棟入院料についてでございますが、医療計画や障害福祉計画の整合の取れた形で延長することに異論はございませんが、79ページを見ますと、かなり長期間にわたり、この入院料の届出を続けている医療機関があることが分かります。
 集中的な退院支援と病床数の適正化に取り組むことを評価するという趣旨を踏まえますと、届出には一定の期限を設けて、効果的な取組を促すべきではないかと考えます。
 最後に、児童思春期精神医療についてでございますが、速やかに診療につなげる重要性は十分理解できます。
 資料の86ページで紹介されているような事業等も推進し、まずは体制を整備する必要があると考えられます。
 一方、資料の91ページでは、専門的治療の経験のある医師が確保できず、加算を算定できないことも紹介されております。
 タスクシフトやチーム医療を推進することは十分理解できますが、一方で研修の受講を要件とするなど、一定の専門性を担保する必要もあると考えます。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 101ページの論点に書かれていることに沿って検討することに、特に異論はございません。
 その上で、質問を含め、意見を述べさせていただきます。
 まず、精神病床において退院後の入院患者への入退院支援は重要と考えます。
 精神疾患を有する方については、カウンセリングやケアマネジメントなどの相談援助機能によって、患者の心理的な安定をもたらし、診療や入院患者の地域移行推進にも効果がありますから、実情に合わせた評価とすべきと考えます。
 また、精神病床における入院期間が短縮化しております。資料の13ページ、入院期間が短いほど、退院後の受け入れ先として、家庭の割合が高い状況を踏まえますと、家族に対しての支援も重要と考えます。
 資料の12ページ、30%以上が1年以内に再入院となっておりますが、病名など再入院の要因が分かれば、事務局、教えてください。
 退院後の受皿がないことで、再入院になることもあると思いますので、地域移行ができる、地域で受け取る体制強化は重要です。
 そのためにも、病院と障害福祉サービスなど、地域で連携した対応が求められますので、ICTの活用など、お互いの負担が重くならないような方策も検討し、連携をさらに進めていただきたいと考えます。
 最後に、児童思春期精神医療についてです。診療の質向上に加え、初診待機期間の改善という観点からも、人材育成や、多職種が連携して対応できる環境整備が重要と考えます。
 資料の97ページ、こころの健康づくり対策事業が紹介されておりますが、この令和5年度予算額は前年と比べて少なくなっております。その理由とか背景が分かれば教えてください。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 今、佐保委員から2点御質問がございましたが、事務局いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
 2つお尋ねをいただいたと承知してございます。まず、前者のほうは、私のほうから御回答をさせていただきたいと思います。
 まず、再入院する患者さんにつきまして、その患者さんの疾病などの特性ということでございました。
 申し訳ございません、ここは疾患別あるいは年齢別の内容というのは、今、手元にデータがないところでございますけれども、指摘されている事項について御紹介をさせていただくと、精神障害に関しましては、いわゆる疾病と障害が併存するという特性があるということ、そして、また、病状の不安定さ、そして、生活機能の低下等、これが相互に関連するということでございまして、こういったことから地域において生活することが困難となり得る、こういった指摘がされているところでございます。
 ですので、我々今回の提案といたしましては、退院後の生活を想定した様々なサービスの連絡調整など、御提案をさせていただいているところでございます。
 2点目の質問につきましては、政策担当課長から、御説明をさせていただこうと思いますけれども。
○小林精神障害保健課長
 精神障害保険課長でございます。
 2点目の予算額が減少していることについての質問について、お答えさせていただきます。
 この事業に限らず、ほかの事業も同様でございますけれども、事業の執行状況、予算額に対して、実際どの程度事業を行っているかという観点で、財務省なりとも調整しながら、予算の額が定められているわけでございまして、この事業、たまたま令和4年度は実施状況が、予算額に対して執行の状況が芳しくなかったというところもございまして、全体的な査定の中で調整されていったということでございます。
 ただ、これは決して軽視するというわけではございませんので、実際、また実施状況が伸びていけば、それに合わせて予算の確保もしていきたいと考えてございます。
○小塩会長
 佐保委員、よろしいでしょうか。
○佐保委員
 ありがとうございます。こういったこころの健康づくり対策事業、もしかしたら実際に有資格者が知らないということもあろうかと思いますので、周知のほうもよろしくお願いいたします。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか。
 先ほど長島委員から、木澤専門委員の御意見も伺ってはどうかと、そういう御要望をいただいていますので、よろしくお願いいたします。
○木澤専門委員
 ありがとうございます。
 地域移行、地域定着の推進のための入院患者への入退院支援についてです。
 入退院支援に積極的に取り組まれている医療機関では、看護師が患者の疾患、病態と、患者の人となりや、発症した状況等を踏まえて、インテーク、アセスメントを行い、医師と協働して症状が安定するまでの治療計画のプランニング、また、症状が落ち着いてからは、退院に向けてのプランニングや、訪問看護との連携、退院先の家族や施設職員の関わり方の指導、アドバイスなどを非常に丁寧に行っております。
 地域移行、地域定着の観点から、こうした精神病棟における入退院支援の推進は効果的かつ非常に重要であり、取組の評価を進めていただきたいと思います。
 次に、児童思春期精神医療についてです。
 資料の94ページにあるような看護職や医療心理職などの多職種が、それぞれの専門性を発揮しながら協力して関わることは、患児、家族にとっても安心につながりますし、教育機関や施設、行政機関等の地域資源との円滑な連携の点でも有効であると考えております。
 より効率的かつ質の高い外来診療を評価する観点からも、ぜひ、外来における多職種による支援の充実化に向けた評価を推進すべきと考えております。
 私からは以上となります。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
 1点だけ申し上げます。包括的支援マネジメント、今回、入院患者に対する効果ということで、大変期待しているところでございます。
 一方で、障害福祉サービス等の報酬改定におきましては、回復期においても、こういったものを提供しようということになっておりますので、先ほど太田委員からも御発言がありましたけれども、この辺り、急性期、回復期あるいは将来的に慢性期はどうなのかということも、引き続き御検討いただければと思います。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 その他、いかがでしょうか。
 事務局からコメントをいただきます。お願いします。
○眞鍋医療課長
 ありがとうございました。
 先ほど冒頭に長島委員から、この入退院支援、それから地域移行機能強化病棟につきまして、データがいまいち不十分であると、その背景を示すような分析などが不足しているのではないかという御指摘をいただきました。
 その指摘は、真摯に受け止めさせていただきまして、今後、私どもこういう制度設計を提案する際には、検討を深める中でデータをもう少し補充させていただきたいと思ってございます。
 一方で、背景だけもう一度御説明をさせていただきますと、入退院支援に関しましては、結果的に平均在院日数などが短縮していることなどは、客観的なデータとして出ているかと思っております。
 そのような中で、新たな施策が、今、講じられようとしていることに関連して、体系的な整理が再度必要かと思い、御提案をさせていただいたものでございました。
 また、こちらの地域移行機能強化病棟入院料でございますが、特性はどうかというお尋ねでございましたので、ファクトを御説明させていただきますと、非常に長期間届出をされている病院もございまして、そういった病院に関しましては、やはり大規模な病院が多いという特徴もあったところでございます。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 あとはよろしいでしょうか。それでは、その他には御質問等ないようですので、本件に係る質疑は、このあたりといたします。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて対応していただくようにお願いいたします。
 続きまして「医療機器及び臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
 本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。小澤委員長より御説明をお願いいたします。
○小澤委員長
 小澤でございます。それでは説明をいたします。
 中医協総-4-1の資料を御覧ください。
 今回の医療機器の保険適用はC1が1製品1区分、C2が2製品、4区分です。
 2ページ目を御覧ください。
 販売名は、松風ブロック PEEKです。
 6ページ目の製品概要を御覧ください。
 本品は、インレー・クラウン等の歯科修復物を作成するレジン系材料で、歯科用コンピューター支援設計・製造ユニットで切削加工するレジン製ブロックです。
 2ページにお戻りください。
 価格につきましては、原価計算方式で評価しました。
 この結果、最終的な価格を6,150円といたしました。
 外国における販売実績がないため、外国平均価格との比はありません。
 次に、7ページ目を御覧ください。
 販売名は、放射性医薬品自動合成装置Synthera+でございます。
 12ページの製品概要を御覧ください。
 本品は、陽電子放射断層撮影検査(PET検査)で使用される放射性薬剤フルオロデオキシグルコース注射剤及びフロルベタベン注射剤の製造に使用される装置です。
 7ページにお戻りください。
 価格につきましては、本品は特定保険医療材料としては設定せず、新規技術料にて評価することが適当と保材専として判断いたしました。
 このため、外国平均価格との比はございません。
 次に、13ページ目を御覧ください。
 販売名はBioBlade レーザシステムです。
 18ページ目の製品概要を御覧ください。
 本製品は、切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がんに対して使用することを目的としたレーザ装置です。
 13ページにお戻りください。
 価格につきましては、BioBlade フロンタルディフューザー、BioBlade シリンドリカルディフューザー及びBioBlade ニードルカテーテル、BioBlade ニードルカテーテルS1を類似機能比較計算方式で評価しました。
 この結果、最終的な価格をそれぞれ22万9000円、1,990円といたしました。
 また、BioBladeレーザにつきましては、特定保険医療材料としては設定せず、新規技術料にて評価することが適当と保材専として判断いたしました。
 いずれも外国平均価格との比はございません。
 続きまして、中医協総-4-2の資料を御覧ください。
 今回の臨床検査の保険適用は、E3の1件です。
 2ページ目を御覧ください。
 販売名はルミパルス β-アミロイド1-42 ルミパルス β-アミロイド1-40。
 測定項目は、アミロイドβ42/40比(髄液)。
 測定方法は、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)です。
 4ページ目の製品概要を御覧ください。
 本品は、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)により脳脊髄液中のβ-アミロイド1-42及びβ-アミロイド1-40の測定を行う臨床検査です。
 2ページにお戻りください。
 保険点数につきましては、D004穿刺液・採取液検査14リン酸化タウ蛋白(髄液)2回分、1,282点を参考点数としています。
 私から御説明いたします内容は、以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局、医療技術評価推進室長でございます。
 資料4-3を御覧ください。
 「保険医及び保険薬剤師が使用することができる医薬品の対象薬剤の追加について」でございます。
 現状ですが、保険医及び保険薬剤師が使用することができる医薬品につきましては、薬価基準に収載されている医薬品のほか、薬価基準には収載されず、薬剤の費用が診療報酬上の点数に含まれている医薬品があり、これを使用医薬品告示に規定しております。
 今般、アミロイドPET検査の際に使用されるアミロイドPETイメージング製剤であるアミヴィッド静注及びビザミル静注について、FDGPETの検査で用いるFDG検査のうち、院外で合成され、検査機関に輸送されるものと同様に、院外で合成されるアミロイドPETイメージング製剤の購入の費用については、画像診断の所定点数に含まれるということになりますので、この2剤を使用医薬品告示に追加してはどうかという御提案でございます。
 私からの説明は以上となります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 小澤委員長、どうもありがとうございました。
○小澤委員長
 ありがとうございました。
○小塩会長
 続きまして「PET検査の診療報酬上の取扱いについて」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局、医療技術評価推進室長でございます。資料総-5を用いまして、PET検査の診療報酬上の取扱いについて御説明いたします。
 2ページを御覧ください。
 1つ目の○にございますように、核医学検査のうち、PET検査については、PET薬剤の入手経路により、医療機関内で製造する院内製造の場合と、市販の放射性医薬品を購入するデリバリーの場合の2つのパターンがございます。
 PET検査の診療報酬上の評価につきましては、下の図にもございますとおり、院内製造の場合を想定した評価としており、デリバリーの場合も同一の評価として、PET用放射性医薬品の薬価算定を行ってきていないというのが現状となってございます。
 こうした中、先ほど御審議いただきましたアミロイドPET検査を含めまして、主にデリバリーの場合を想定したPET検査が登場してきており、現行の院内製剤の場合を想定した評価体系が実態に見合っていないとの指摘がございます。
 3ページにお進みください。
 「PET検査の診療報酬上の評価の見直しについて(案)」でございます。
 先ほど申し上げた実情に鑑みまして、実態に見合った評価を行う観点から、主にデリバリーの場合により実施されるPET検査について、院内製造の場合と、デリバリーの場合とで評価を区別することとしてはどうかということでございます。
 具体的には、下の図に示しておりますように、令和6年度改定におきまして、デリバリーの場合におけるPET検査の撮影等に係る技術料を新設した上で、令和6年度改定以降、院内製剤の場合は従前のとおり一連の技術料評価としつつ、デリバリーの場合はPET用放射性医薬品について薬価算定を行い、技術料と薬剤料を組み合わせた評価としてはどうかという御提案でございます。
 説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 3ページの見直し(案)について、コメントいたします。
 院内製造の場合とデリバリーの場合で評価を区別することに、異論はありません。
 ただし、技術料と薬価を分けたものと、院内製造の技術料が同一であれば問題ありませんが、そうならない場合に、デリバリーでの場合の薬価と院内製造の場合で異なる理由を明確にしないと、点数の合理性が損なわれると思います。
 また、院内製造でする場合には、適切に調節が可能な施設の基準も重要になると思われますので、安全で有効な製剤がきちんと患者さんに届くよう、御検討いただきたいと思います。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかに御質問、御意見ございますでしょうか。
 特にほかには御質問等ないようですので、本件に係る質疑は、このあたりとしたいと思います。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
 続きまして「在宅自己注射について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、在宅自己注射の対象薬剤の追加につきまして、中医協資料総-6を用いまして御説明をさせていただきます。
 今回、御審議いただきたい薬剤は2剤でございます。
 1ページ目を御覧ください。1剤目はテゼペルマブでございます。
 この薬剤は、重症または難治性の気管支ぜんそくに対して使用する薬剤でございます。
 総-6参考1-1、2、3のとおり、学会から要望書が提出されてございます。
 2剤目でございますが、2ページ目に進んでいただきまして、オゾラリズマブでございます。
 この薬剤は、関節リウマチに対して使用する薬剤でございます。
 総-6参考2のシリーズ、1、2、3、4のとおり、学会から要望書が提出されてございます。
 いずれの薬剤につきましても、投与間隔4週間とされている薬剤でございまして、今回、薬価収載から1年が経過することによりまして、14日を超える投薬が可能になりますため、在宅自己注射指導管理料の対象薬剤として、追加してはどうかと御提案するものでございます。
 御説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。
 それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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