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2023年10月20日 中央社会保険医療協議会 総会 第560回議事録

○日時

令和5年10月20日(水)9:00~

○場所

TKP新橋カンファレンスセンター 12F

○出席者

小塩隆士会長 飯塚敏晃委員 笠木映里委員 永瀬伸子委員 本田文子委員 安川文朗委員
鳥潟美夏子委員 松本真人委員 佐保昌一委員 高町晃司委員 眞田亨委員 鈴木順三委員 
長島公之委員 茂松茂人委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 森昌平委員
木澤晃代専門委員 上田克彦専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他


○議題

○個別事項(その3)について
○在宅(その3)について
○選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果について

 

○議事 

○小塩会長
 おはようございます。ただいまより、第560回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、末松委員、羽田専門委員が御欠席です。
 それでは、早速、議事に入らせていただきます。
 「個別事項(その3)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 おはようございます。医療課長でございます。
 それでは、個別事項(その3)につきまして、資料総-1を用いまして、御説明をさせていただきます。
 テーマは「医療・介護・障害福祉サービスの連携」についてでございます。
 2ページ目を御覧ください。
 本日は以前に実施されました、令和6年度の同時改定に向けた意見交換会におきまして御議論いただきましたテーマのうち、下に破線の四角で掲げてございますけれども、1つ目の「地域包括ケアシステムのさらなる推進のための医療・介護・障害サービスの連携」、そして、4つ目の「高齢者施設・障害者施設等における医療」を御議論いただきたいと考えてございます。
 また、7の「訪問看護」に関しましては、本日、この後に予定してございます、総-2、その他のテーマにつきましても、後日の中医協総会におきまして、改めて資料をお示しし、御議論をいただく、このように予定をしてございます。
 3ページ目でございますが、これは意見交換会の概要、そして、4ページ目は目次となってございます。
 それでは「1.総論」でございます。5ページ目でございます。
 地域包括ケアシステムにおける医療・介護の全体像というイメージ図をお示ししてございます。
 6ページ目でございますが、地域包括ケアシステム構築に向けた制度及びサービスの在り方についてのイメージを、地域包括ケアシステムの、これは、いわゆる植木鉢の図でございますけれども、これを用いてお示ししてございます。
 進みます。2つ目のポツでございます。「主治医と介護支援専門員との連携について」ということでございます。
 今回の資料では、介護保険制度に係る規定では、かかりつけ医またはかかりつけ医機能という表現ではなく、介護保険法の、こちらは、主治の医師という表現がございます。こういう規定を基に、介護保険制度に係る内容につきましては、主治医という表現を用いております。
 また、先ほど申し上げました外来におけるかかりつけ医機能に関しましては、別途、御議論をいただく機会を設ける予定でございます。
 8ページ目、9ページ目は、同時改定意見交換会、10ページ目は中医協でいただいた御指摘でございます。
 11ページ目に進みます。
 こちらは、日本医師会及び四病協合同提言より抜粋のかかりつけ医機能等の定義でございます。
 12ページ目から14ページ目、今年開催されました医療法におきまして規定されました、かかりつけ医機能報告制度の資料となります。
 この制度におきまして、報告すべき内容ということで、13ページ目の真ん中、概要の(2)にございますけれども、介護サービス等との連携ということも含まれているところを示してございます。
 15ページ目から17ページ目でございますけれども、こちらは意見交換会でもお示しした、主治医と介護支援専門員の連携状況について、現状をお示しするものでございます。
 18ページ目は、ケアマネジメントの流れ。
 19ページ目でございますが、ケアマネジャーは、サービス担当者会議を通じまして、医師に専門的な知見を求めること、そして、医療サービスを提供する際は医師の意見を求めること、医師の医学的観点からの留意事項を尊重して、居宅サービス計画を策定するということが規定されていることを御紹介するものでございます。
 なお、R3年の介護報酬改定におきまして、サービス担当者会議につきましては、ICT、情報通信機器を用いた開催が可能となっているところでございます。
 進みます。20ページ目から22ページ目は、診療報酬におけるかかりつけ医機能の評価であります、機能強化加算そして地域包括診療料・加算の概要となります。
 それぞれ主治医意見書の作成などが要件となってございまして、赤字あるいは赤囲みでハイライトしてございます。
 ページは、26ページ目まで進みます。
 こちらは、地域包括診療料・加算の介護保険制度に関する要件のうち、満たすことができているものでございます。
 主治医意見書に関する研修受講が最多となっていることを示してございます。
 27ページ目でございます。
 医療機関における介護との連携の取組についてでございます。
 要介護認定に関する主治医意見書の作成は、ほぼ全ての施設が取り組んでいただいているということでございます。
 また、サービス担当者会議への参加は、地域包括診療料・加算の届出がある施設では54%、届出がない施設では33.9%となってございました。
 28ページ目でございます。
 こちらは、医療機関における書面を用いた患者への説明につきまして、必要となる介護・福祉サービスについての説明ということでございます。
 地域包括診療料・加算の届出がある施設では33.9%、内施設は25%という結果でございました。
 29ページ目でございますが、こちらは、介護支援専門員の視点から主治医がサービス担当者会議に御参加いただくことによる利点をまとめたものでございます。
 1つ目の○にありますけれども、利用者・家族がチームによる支援を感じる場となる。
 2つ目の○、真ん中にございますけれども、その中段、現実を正しく知ることから、リスク予防への意欲・目標意識が高まる場になる。
 また、最後の⑤でありますけれども「外来の情報は宝の山であり、意思決定支援のはじめの一歩となる」といった利点が挙げられたところでございます。
 それでは、3つ目の項目でございます。
 「医療機関と高齢者施設等との連携について」ということでございます。
 31ページ目でございますけれども、こちらは、地域包括ケアシステムの構築についての概要。
 32ページ目は、介護保険施設の基本的性格等の御紹介。
 33ページ目は、介護保険と医療保険の給付調整のイメージというものでございます。
 34ページ目から36ページ目は、介護医療院、そして老人保健施設、特別養護老人ホーム、それぞれの施設類型の性格等について、お示しているものでございます。
 37ページ目は、人生の最終段階におきまして、医療ケアを受けたい場所に関する希望の調査結果でございます。
 38ページ目は、医療・介護連携に関する介護報酬等のイメージ図。
 39ページ目でございますけれども、高齢者施設におきましては、運営基準上、協力医療機関等を求める、これを設定することを求めていることを、それぞれの施設類型についてお示ししてございます。
 次に、40ページ目でございます。
 こちらは、老健局が実施した調査研究事業の結果を御紹介しているものでございます。
 老人保健施設と介護医療院における主たる協力医療機関の種類等についてお示ししてございます。
 41ページ目にも同様に、特養につきまして、協力病院の特徴についてお示ししてございます。これは、意見交換会でも御紹介申し上げましたが、協力医療機関が特定機能病院である特別養護老人ホームが一定程度、8%ほどあったということでございます。
 42ページ目でございます。
 こちらは、老人保健施設・介護医療院の併設医療機関の状況というところでございます。
 併設病院を有する老健が32.2%、介護医療院では67.3%であったという状況でございます。
 43ページ目は、特養でございますけれども、こちらは併設病院を持つ割合が5.6%ということでございました。
 44ページ目は、老人保健施設・介護医療院の入所者の急変時の対応ということでございます。
 夜間休日においては、協力病院が併設や同一法人関連法人でない場合の老健・医療院が、協力病院が受診を迷った際の電話相談、あるいは往診等の対応を行える病院である場合が低いという結果になってございます。
 45ページ目は、44ページ目同様、急変時の対応についてでございます。
 46ページ目でございますけれども、左上に図表18というのがございます。ここにおきましては、老人保健施設・介護医療院の主たる協力病院と、夜間休日の対応につきまして、直近で確認した時期を示してございますけれども、こちらは老人保健施設・介護医療院ともに約半数の施設は、施設の開設のときには当然協議を行っておるものでございますけれども、以降、協力病院と夜間休日の対応について、確認をしていないという実態が示されたものでございます。
 47ページ目以降は、同時改定意見交換会でも御議論いただいた内容でございます。老人保健施設・介護医療院・特養につきまして、47ページ目から48ページ目で入退所の場所、49ページ目で提供可能な医療内容、50ページ目で医療機関への退院、退所理由などをお示ししたものでございます。
 次に、51ページ目以降でございますけれども、こちらは要介護高齢者についての資料でございます。
 51ページ目が、入院関連機能障害について、52ページ目は、介護施設、福祉施設からの入院患者さんの入棟先について、53ページ目は、入院患者さんの傷病について、それぞれお示しをしているものでございます。
 54ページ目でございます。
 こちらは、在宅要介護高齢者の要介護度悪化の要因について、お示ししてございまして、一般病棟への入院というものも挙げられているところでございます。
 次に、55ページ目でございますが、老人保健施設における在宅療養支援の推進というところでございまして、令和3年の介護報酬改定における医療ニーズのある患者を受け入れた際の総合医学管理加算について紹介しているものでございます。いわゆる老健施設における医療ショートということで設定したものでございます。
 56ページ目から57ページ目は、同時意見交換会でいただきました主な御意見を紹介してございます。
 57ページ目では、赤枠で囲っておりますとおり、協力医療機関との関係性を含めた緊急時の対応についてのルール化、医療・介護の連携の制度化を推進すべきであるといった御意見や、連携する医療機関につきましては、名前だけの協力医療機関ではなく、地域包括ケア病棟や在宅支援病院等の地域の医療機関と、中身のある連携体制の構築を進めていくべきという御意見をいただいたところでございます。
 58ページ目から61ページ目は、在宅療養支援診療所、病院、そして、在宅療養後方支援病院及び地域包括ケア病棟の施設基準の概要と、届出施設数の推移を示してございます。
 次に、62ページ目から63ページ目でございます。
 こちらは、診療報酬におけるコロナ特例の見直しについてでございます。
 64ページ目は、介護保険側のコロナ特例の内容でございます。
 次に進みます。67ページ目以降でございますけれども、67ページ目から68ページ目は、地ケア病棟や在宅療養支援病院等における介護保険施設等との連携の実施体制の状況を示しております。
 電話相談への対応でございますが、こちらは多くの医療機関で御対応いただいているものの、往診を緊急に求められた場合の往診の対応や、必要に応じた入院調整を実施している割合は、それに比べて低いという結果でございました。
 次に、69ページ目でございます。
 こちらは、介護保険施設等と地域包括ケア病棟等の連携体制の構築状況でございます。
 緊急時の往診等の対応につきまして、あらかじめ取り決めを行うなどしている介護保険施設等の数の割合をお示ししてございます。
 70ページ目は、取り決めを行っている介護保険施設の数、当該介護保険施設が同一法人かどうかについての状況をお示ししてございます。
 次に、71ページ目でございます。
 こちらは、在宅療養支援病院における介護保険施設に対する往診の状況、また、入院受入れの状況を示してございまして、老人保健施設、介護医療院に対する往診件数が少ないという結果等を示してございます。
 72ページ目でございます。
 現在の各都道府県における在宅療養支援診療所、そして病院及び在宅療養後方支援病院の施設数、また、介護保険施設数の関係を示したものでございます。
 それでは、4つ目の項目でございます。
 74ページ目でございますけれども障害者への医療・介護サービス提供に当たって求められる対応のイメージ図をお示ししてございます。
 75ページ目は、同時改定の意見交換会においていただいた御意見を紹介しているところでございます。
 76ページ目は、障害者総合支援法についての概要。
 77ページ目でございますが、障害者や難病患者さんなどが、安心して暮らし続けることができる地域共生社会についてのイメージ図を示してございます。
 78ページ目から80ページ目でございますけれども、障害者支援施設の概要と施設基準、それぞれをお示ししてございます。
 障害者支援施設は特養と同様に配置することが求められているところでございます。
 81ページ目から82ページ目でございますけれども、障害者支援施設の入所者におきまして、障害者支援区分の高い利用者が増加していること、また、高齢化も進んでいることを示してございます。
 83ページ目、84ページ目は、障害者支援施設入所者につきましては、医療機関の受診に際して、様々な課題があるということを示しておるものでございます。
 85ページ目は、障害者支援施設運営主体についてお示ししております。
 86ページ目は、障害者支援施設における配置医師の勤務形態、業務内容についてお示ししたものでございます。
 87ページ目は、障害者支援施設における連携先の医療機関に不足している機能や課題についてということでございます。
 88ページ目は、障害者支援施設における高齢化等を踏まえ、高齢化の対応状況につきまして、高齢期に配慮した健康管理や医療ケア体制の充実に対応する障害者支援施設は多いが、高齢者医療、ターミナルケア等に実績を有する医療機関との連携を実施している障害者施設が少ないという状況であることを示したものでございます。
 89ページ目は、障害者支援につきまして、特養との訪問診療、往診の給付調整の取扱いの違いをまとめたものでございます。
 90ページ目、91ページ目でございますけれども、こちらは、悪性腫瘍の現状についてお示したもの。
 92ページ目は、障害福祉サービス等報酬改定検討チームにおけます議論の際の資料でございますけれども、障害者支援施設における悪性腫瘍患者さんへの医療提供体制についての議論が行われたところでございます。
 93ページ目からは、障害者の入退院時における医療と福祉の連携についてでございます。
 本ページは、入退院時における医療機関と福祉事業者の連携に関するそれぞれの報酬上の評価をまとめたものでございます。
 94ページ目は、入退院支援加算の概要についてお示してございます。
 95ページ目は、入退院支援加算1の要件であります、連携機関との面会について実態を示してございます。
 96ページ目からは、障害特性に応じた入院受入れのうち、特に体制整備が求められております、特別なコミュニケーション支援を要する障害者と、強度行動障害を有する者に関する連携について、まとめたものでございます。
 96ページ目、97ページ目は、特別なコミュニケーション支援を求められることが多い、重度訪問介護利用者における入院前の医療と障害福祉の連携について、障害福祉サービス等報酬改定検討チームに示されました検討の方向性、求められる医療と障害福祉サービス事業所の連携の具体例となってございます。
 98ページ目、99ページ目は、強度行動障害を有する患者さんにつきまして、必要な医療と福祉の連携のイメージを示したものでございます。
 100ページ目からは、課題と論点でございます。
 課題は、これまで御説明したとおりでございます。
 論点について御説明をさせていただきます。
 103ページ目でございますけれども、1つ目でございます。「主治医と介護支援専門員との連携について」ということでございまして、かかりつけ医に係る診療報酬上の評価である機能強化加算等では主治医意見書の作成等が要件とされており、令和5年の医療法改正では、各医療機関から都道府県知事に報告するかかりつけ医機能には、介護サービス等との連携が含まれている。医療の視点を踏まえたケアマネジメントを提供するためには、サービス担当者会議等を通じて、認識が共有され、より医療と生活の双方の視点に基づいたケアプランが策定されることが重要となるが、このような主治医と介護支援専門員との連携を推進するためにどのような方策が考えられるか。
 2つ目でございます。「医療機関と高齢者施設等との連携について」でございます。
 現在の介護保険施設等と協力医療機関の在り方、実際の医療機関と介護保険施設等の連携状況、医療機関における介護保険施設等の入所者の病状急変時の対応状況及び在宅療養支援病院、在宅療養後方支援病院並びに地域包括ケア病棟等に求められる役割を踏まえ、介護保険施設等と医療機関が平時から介護保険施設入所者の緊急時の対応等についてあらかじめ取り決めを行う等して連携を行い、介護保険施設等入所者の病状急変時に電話相談、往診、オンライン診療、入院の要否の判断を含めた入院調整等を適時適切に行えるようにするためにどのような対応が考えられるか。
 「障害福祉サービスとの連携について」につきましては、様々な障害特性や個々の状況に応じて、適切に医療・介護・障害福祉サービスを受けられる体制を推進する観点から、障害者支援施設における配置医師の医療提供の実態や、高齢化による入所者の特性の変化や対応状況等を踏まえた、医療保険における給付の範囲の在り方についてどのように考えるか。
 特別なコミュニケーション支援を要する者や強度行動障害の状態の者等、入院前に医療機関と本人・家族や障害福祉サービス事業者等と事前調整を行うことで、本人にとって必要な医療を円滑に提供できる可能性があることを踏まえ、入退院支援における医療機関と障害福祉サービス事業者等との連携を推進するためにどのような方策が考えられるかとさせていただいております。
 御説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 最初に、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 103ページにある各論点についてコメントいたします。
 1つ目の「主治医と介護支援専門員との連携について」です。
 平成12年度に介護保険制度が施行されて以来、特に診療所の医師は主治医として主治医意見書を記載するなど、多くの貢献をしてきました。
 診療報酬においても、本日の資料にもあるとおり、機能強化加算等の要件にも介護との連携は組み込まれており、多くの医師が取り組んでいるところです。
 同時改定に向けた意見交換会において、医療と介護双方向のコミュニケーションが、やはり重要であるということを再確認したことや、10月4日に審議した在宅(その2)のところで申し述べたように、顔が見える関係性が重要であることはそのとおりですが、それを実現することの難しさも調査結果に示されているとおりです。
 24ページ、25ページに示されているとおり、医療機関にとって介護保険に対する対応は、既に広まっている周囲の機能であると言えますので、いかに連携を意味のあるものにしていくかという質的な視点が重要であると言えます。
 また、サービス担当者会議や地域ケア会議に参加することについては、現在、多くの主治医が時間的にも、また、自院を会議場所として提供するなどをして、空間的にも、ほぼボランティアで参加していることは御理解いただきたいと思います。
 そして、その中で、これだけの外来を担当する医師が参加していることは、きちんと評価されるべきであると考えます。
 また、今回は会議を通じての連携が提案されておりますが、それは、様々な方法の中の1つであります。
 ケアマネジャーに対する診療情報提供料の評価の在り方や、ケアマネジャー側において、医療に関して理解が深まり、様々な連携をさらに進めていくための方策など、様々な方法を検討した上で、現場にとって、また状況に応じて、一番無理なく、実効的な方法を検討すべきと考えます。
 2つ目の医療機関と、高齢者施設等との連携についてです。
 コロナ禍において、介護保険施設などにおける感染対策や、クラスター発生時の医療の脆弱性が明らかになりました。
 医療機関は、高齢者施設等に対して様々な支援を行っており、コロナ特例において、高齢者に必要なリハビリテーションや入退院支援を中心に、特例の評価を拡大したことは妥当な対策であったと考えています。
 後期高齢者の増加が見込まれる2040年に向けては、医療機関との連携はさらに強化しなければならず、高齢者が住み慣れた環境で最期を迎えるためにも、高齢者施設等に対する医療的支援は高く評価されるべきであります。
 また、同時改定に向けた意見交換会でも触れられたところですが、協力医療機関の在り方については、特定機能病院と連携するなどの実態に即していない連携ではなく、在支診、在支病、有床診療所や中小病院が運営する地域包括ケア病棟などと連携するなど、求められる病床機能や機能分化に応じた実効性のある連携が進むような評価の在り方を検討すべきであります。
 その際、協力医療機関であることについては、現在、何の評価もありませんが、日頃から患者さんの病歴などについて、介護保険施設と情報共有しておくことや、急変時の対応などについて、ICTも可能なら活用しながら連携を深めていくことは重要なポイントであり、介護保険施設側からも検討が必要であると思います。
 例えば、事前に情報のない介護保険施設から要請があり、実際に往診に行ってみると、多くの利用者が複数の疾患に罹患していて、診療が容易でないことがあります。
 また、人生の最終段階の意思決定などの状況なども把握する必要があり、非常に苦労するケースが多くあります。
 これらの困難さと苦労を考えますと、通常の往診よりも高く評価されるべきですが、現行では、給付調整の中、非常に低く抑えられていると認識しています。
 ただし、本来であれば、介護保険施設は、利用料の中で日常的な医学管理が行われていることに鑑みますと、単に医療保険の給付より、これまで以上の医療提供を行うということではなく、介護保険においても一定負担をしていただく必要もあるかと思われます。
 3つ目の障害福祉サービスとの連携について、本日の資料でも示されておりますが、障害者支援施設では、訪問診療に関わる費用が障害福祉サービスで評価されており、十分な治療やケアを提供することが困難になっているという課題があると承知しております。
 障害サービスと医療の連携は、これまであまり注力されてこなかった領域ですが、事務局の指摘のとおり、障害者も高齢化が進んでいることや、特養では、末期の悪性腫瘍患者については、一定の場合に、介護保険ではなく、医療保険で訪問診療を算定できることになっています。
 このことを踏まえれば、介護保険施設と同様に訪問診療を行えるようにすることは、今の時代の状況とニーズに合っており、今回のトリプル改定において対応してはどうかと考えます。
 ただし、様々な障害特性や個々の状況に応じて、適切に医療、介護、障害福祉サービスを受けられる体制を推進することが必要となりますので、悪性腫瘍患者への対応は、1つのきっかけとして、実施する場合には、しっかり検証を行い、施設入所者の高齢化等に対応できる医療の給付範囲の検討を継続していく必要があると考えます。
 また、特別なコミュニケーション支援を要する者や、強度行動障害の状態の者については、論点にありますように、入院前に、医療機関と本人、家族あるいは障害福祉サービス事務所等と事前調整を行うことで、円滑になる可能性もあると考えております。
 コロナ禍では、特別なコミュニケーション支援が必要な障害児・者の入院について、医療機関に柔軟な対応を求める取扱いも示されましたが、その中で、重度訪問介護事業者は、医療機関に入院する利用者に対して、重度訪問介護を提供するに当たり、医療機関や相談支援事業者等と十分に調整連携を図りながら支援を行っていく必要性も示されております。
 その結果も確認しつつ、そういった事例については、コロナ流行下に限らず、平時においても評価する。例えば、入退院支援加算の対象にすることなども考えられるのではないでしょうか。
 現行の算定要件でも、一定程度、入退院支援加算の算定が可能な場合もあるかもしれませんが、トリプル改定ですので、障害福祉サービスの特性に応じた評価が可能になるよう検討すべきと考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ほかにいかがでしょうか。
 それは、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
 ありがとうございます。
 では、論点に沿って申し上げさせていただきます。
 まず、現状、主治医からケアマネジャー、また、ケアマネジャーから主治医への双方の情報提供による報酬算定は低調であります。
 現在、ケアマネジャーから主治医への情報提供の書式の簡略化の見直しも行われていますけれども、書式が活用される仕組みの導入が重要と考えております。
 今後、85歳以上の高齢者が増加し、医療と介護の複合的なニーズを持つ患者さんが増加するため、医療現場においては、生活の視点に基づいた医療提供、一方、介護現場では、医療の視点に基づいた介護サービスの提供が重要となりますので、双方に情報を求める仕組みを組み入れることが必要と考えております。
 続きまして、高齢者施設の連携におきましては、先ほど長島委員も申しておりますとおり、在支診、在支病あるいは地ケア病棟を有するような中小病院や有床診が日頃から連携することが重要であります。
 そのポイントは、定期的に顔の見える関係でありまして、また、介護側から気軽に声をかける関係性が大切であると思います。
 連携の在り方としては、コロナ禍において高齢者施設と医療機関の連携の観点で、電話による対応方針の相談あるいは緊急の往診あるいは入院の要否の判断及び入院が必要な際の入院調整というものが、既に実績がありますので、そういったものが参考になるのではないかと思います。
 これらの取組につきましては、医療機関には診療報酬で、高齢者施設側には介護報酬で手当する仕組みも考えられるのではないかと思います。
 また、こういった連携体制に、在宅医あるいは特養の配置医師も含めて、在宅医や配置医師が対応困難な際のバックアップサポート体制を構築することも検討すべきと思います。
 また、連携に関しまして、老健や介護医療院は医療費が包括方式でありますが、最近はパーキンソン病や糖尿病あるいは慢性心不全等の治療薬に高額なものも増えてきておりますので、医療連携に支障を来すほどの高額な薬剤については、でき高で算定カットする検討も行うべきでないかと思います。
 また、老健に緊急往診に行った際には、薬剤費が算定できないという給付調整にもなっておりますので、その辺りもいろいろな視点から考慮すべき点だと思います。
 続きまして、障害福祉サービスとの連携についてでございます。
 入院中の重度訪問介護利用におきましては、入院前に重度訪問介護を利用していることが前提の要件となっておりますけれども、在宅では家族がケアをしているケースもありましたり、それから入院中に状況が悪化して、重度の障害支援区分となる場合もありますので、入院前に重度訪問介護を利用していなくても、入院中の重度訪問介護が利用できる仕組みというのも、ニーズに応じて検討すべき課題ではないかと思います。
 また、障害者も年々高齢化が進んでおりまして、高齢者特有の身体合併症を有する方も増えているところでございます。
 したがいまして、介護保険の主治医とケアマネジャーの連携と同様に、かかりつけ医と障害福祉サービスの相談支援専門員の連携も非常に重要ではないかと思っております。
 したがいまして、相談支援専門員がサービス等利用計画を策定する際には、かかりつけ医からの情報提供を求める仕組みというのも、障害者サービスの報酬改定とも連携して、必要ではないかと思っております。
 また、医療的ケア児も年々増加しているところですけれども、成人期へ移行する医ケア児も増えている中で、かかりつけ医が小児科医から成人を診る医師に変更する場合もありますので、そういったところの十分な連携の担保、あるいは学校医とかかりつけ医の連携による医療的ケア児の支援というのも重要であることを申し上げておきたいと思います。
 あわせまして、そのほかの放課後等デイサービスにおいても、質の向上に向けたアセスメントの質を高めていくためにも、かかりつけ医からの情報提供を踏まえたアセスメントの実施、連携強化を障害者部会のほうでは要望させていただいているところでございます。
 最後に、障害者支援施設等における医療機関との連携強化、感染症対応力の向上につきましては、診療報酬の感染対策向上加算の連携の仕組みを参考に取り組むことも考慮すべきと思います。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、林委員、お願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。
 本日は、令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会のテーマのうち「1.地域包括ケアシステムのさらなる推進のための医療・介護・障害サービスの連携」と「4.高齢者施設・障害者施設等における医療」についての議論であり、103ページに示された論点は、主に医科の内容と理解しておりますが、論点に沿って歯科の立場で発言をさせていただきます。
 1つ目の論点について、主治医意見書やケアマネジャーからの情報提供の内容は、主たる医療の部分が中心となっており、口腔に関する情報につきましては、かなり進行してから共有されるケースが多いと感じております。
 今回は、医療と介護及び障害福祉サービスの同時改定でもありますので、口腔・栄養・リハが一体的に早期から介入できるような視点で、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 3つ目の論点「障害福祉サービスとの連携について」ですが、83ページにもございますように、障害者支援施設と連携する診療科で、歯科は約3割弱にとどまっており、2つ目の論点にある高齢者施設等と同様に、外部から歯科訪問診療で入るケースが多いと想定されます。
 いずれも地域の歯科診療所等との連携が必要であるとは思いますが、情報連携がなかなか進んでいないと感じております。
 同時改定の意見交換会で、主に病院や高齢者施設との連携に関連して何度も発言してまいりましたが、障害者福祉サービスにおいても、歯や口腔及び栄養の情報についても、地域において多職種で連携できるような仕組みについて、ぜひ御検討いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 今回、論点として示されておりませんが、どの課題や論点においても医薬品の提供の視点は重要なものとなります。
 薬局においても、医師、歯科医師、訪問看護師、ケアマネジャーや高齢者施設、障害者施設等との連携は不可欠で、患者利用者の服薬状況などについて、薬剤師が自ら薬の使用状況などを把握し、多職種に情報提供するだけではなく、多職種からも情報を収集し、それをよりよい薬物治療に役立てていくことが必須です。
 また、障害者施設では、障害者の特性や個々の状況に応じて、様々な方法でコミュニケーションを取り、調剤方法を検討し、服薬方法を理解してもらうことや、副作用等を伝えることが求められており、薬剤師が施設スタッフと連携し、入居者一人一人について丁寧に検討し、それぞれに合わせた薬剤の調製、説明の仕方、薬剤管理などを行う必要があります。
 連携を推進するための方策について、具体の検討の際には、多職種連携の視点も含めて議論できるよう、今後、準備などをお願いできればと思います。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、オンラインで池端委員がお手を挙げていらっしゃいますので、よろしくお願いいたします。
○池端委員
 ありがとございます。池端です。
 論点に沿って、何点かお話をさせていただきたいと思います。
 長島委員、江澤委員と重なる部分もありますが、よろしくお願いします。
 まず、最初の主治医とケアマネの連携ですが、これは私自身が、長くケアマネ協会の県の会長をさせていただいて、すごく感じたことで、ケアマネのほうも主治医と連携したいけれども、その方法が分からない、あるいはなかなか答えてくれないという意見をたくさん耳にする一方で、県医師会のほうに行くと、主治医として診ているつもりなのだけれども、ケアマネからの情報が全くないという、双方が、相手が相手がということがあるので、何らかお互い取りに行く、主治医もケアマネに声をかけたら、ケアマネがちゃんと答えてくるような、何かそういうシステムが必要ではないかということを常々感じています。
 これは、診療報酬上、何かできるかどうかというのは別として、そういう流れが必要だと思います。
 参考までに、福井県では入退院支援ルールといって、病院に入院した場合には、必ずケアマネが情報を上げることとして、退院するときは、必ず病院から情報を出すことということをルール化してあります。そのルール化したことで、9割以上がそのルールに従って、共通のフェイスシートを使ってやっていることがありますので、そういう工夫も一部必要ではないかということを感じています。
 いずれにしても、主治医も介護保険のことをよく知らなくてはいけないし、一方で、ケアマネさんも、医療のことは全く分からないから、全部お願いしますというケアマネさんが、いまだにいらっしゃいます。特にケアマネさんは、ケアマネの存在そのものが非常に人員不足になっていて、ほぼ福祉系の方々がなっていらっしゃいますので、そういうことに対する医療的なニーズの必要性とか、医療に対する知識の研修とか、そういうことを求めていくことが必要ではないか、これは、もちろん介護保険のほうことかと思いますけれども、そういうことも必要ですし、一方で、主治医のほうに、ケアマネに対するあるいは介護保険に対する知識を深める努力も必要ではないかということを感じています。
 2つ目の高齢者施設の連携ですけれども、協力医療機関として高度急性期と言われている特定機能病院等々が入っていることは、どう考えても少し違和感を覚えます。
しかも協力医療機関になった後、全く連絡が取れていないということは、実際としては動いていないということになりますので、これは何らかの形で少し連携を密にできるような体制、あるいはそういう機関と協力医療機関を結ぶべきではないかということを、何かインセンティブをかけるようなことも必要ではないかと思います。
 先ほど資料にもありましたように、高齢者施設が求めているのは、相談と、そして緊急時の往診、そして入院ということになりますと、それが日頃からできる体制の医療機関となれば、やはり在支病とか、あるいは地域包括ケア病床を持っているところとか、より地域密着型の病院が非常に有効ではないかと思いますので、そことの連携を促進するような方策も考えられるのではないかと思っています。
 そういうことによって、日頃から患者の情報等にやり取りすることがあれば、緊急の対応を求められても、往診へ行ったり、場合によっては電話で済んだりということになれば、不必要な救急搬送もなくなっていく可能性も高いと思いますので、ぜひこの辺の連携がスムーズに進むような方策を、医療保険側からも介護保険側からも考えていただけるといいかなと思っています。これは非常に大事なポイントではないかと思っています。
 3番目の障害者については、先ほど長島委員、江澤委員がおっしゃったことと全く同感ですので、私からは、追加のコメントは控えさせていただきます。
 以上です。よろしくお願いします。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、佐保委員のお手が挙がっていますので、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 地域包括ケアを考える上で、多職種連携は欠かせないと考えております。
 主治医と介護支援専門医の連携については、現場で様々な取組が行われ、相応の成果を上げている場合もありますが、一方で、連携が難しい場合も少なくないと考えております。
 こうした点について、先ほど池端委員がお話しされた状況は、私も以前、介護の現場にいた者として、同感して、うなずきながらお話を聞かせていただいておりました。
 それを踏まえた上で、障害福祉サービス事業者との連携も含めて、ICTの活用など、お互いの負担が重くならないよう方策を検討し、連携をさらに促進していただきたいと考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 オンラインで鳥潟委員が、お手を挙げていらっしゃいますので、お願いいたします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 総-1の102ページの医療・介護障害福祉サービスの連携についての論点に関してですけれども、私のほうでは、介護保険部会や介護給付費分科会の委員を務めさせていただいておりますが、皆様からお伺いした意見を総合すると、医療のICT化に比べて介護のICT化が遅れているということも、連携が難しい一因になっていると考えております。
 ただ、このICT化というような、小さいというのも変ですけれども、そういったレベルでは、こういった連携というのは難しくなってきているのだなと、すごく感じるところです。
 マイナンバーの基盤に乗せて、さらなる情報連携をうまくできるような、しかも医療、介護、障害福祉、薬局であるとか、本当にいろいろな方々が携わってくるような形になってくるので、情報交換の基盤を一元化できるような情報交換ができるようなものをつくる必要性があるのかなと思って伺っておりました。そういったことも含めて進めていくことが大事ではないかと思います。
 コミュニケーションは、非常に難しいと思います。対面のコミュニケーションが重要だということは重々承知しているのですけれども、やはりそこには勇気も時間も必要ですから、そのハードルが少しでも軽くなるようなものを開発する必要があるのではないかなと思っております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 それでは、103ページの論点に示されていることについて、コメントをしたいと思います。
 論点にも示されておりますけれども、改正医療法に基づき、医療と介護の連携において、かかりつけ医機能が発揮されることが極めて重要だと考えております。
 主治医とケアマネの連携に関して、現状について、資料の15ページを拝見しますと、ケアプランを提出しても活用されていない、あるいは活用されているか不明という回答が最も多くなっており、この回答からは、主治医とケアマネの連携にやはり課題があるということが伺えます。
 また、27ページを拝見しますと、主治医意見書の作成は、地域包括診療料の届出の有無にかかわらず、ほぼ全ての施設が実施しておりますが、これは、ある意味では介護認定を受けるためには、主治医意見書が、ある意味必須であるという側面もあると思いますので、真の連携につながります、例えばサービス担当者会議への参加であるとか、ケアマネとの相談時間の確保については、地域包括診療料の届出ありの施設でも5割強、届出なしでは3割程度にとどまっており、その一方で、資料の29ページのケアマネからの意見等を見ますと、主治医がサービス担当者会議に参加することについて、非常に期待が大きいことが分かります。
 先ほど申し上げました、医療と介護の真の連携を推進するためには、主治医意見書の作成にとどまらず、地域包括診療料等の要件として、サービス担当者会議への参加あるいはケアマネとの相談というのを明確化することも考えられると思います。
 続きまして、2つ目の論点であります、医療機関と高齢者施設との連携についてです。
 高齢者施設の配置で対応できない状況に備えて、平時から医療機関が高齢者施設をサポートする必要性は十分に理解できます。
 緊急時の対応は、まさに在宅療養支援病院や地域包括ケア病棟の医療機関の役割だと思いますけれども、これも資料の67ページから71ページを拝見しますと、電話相談への対応は可能であるけれども、往診であるとか、オンライン診療、入院調整といった取組については、不十分と言わざるを得ない状態にあります。
 在宅支援の機能として、あらかじめ高齢者施設と取り決めを行い、電話相談だけではなく、往診、さらには入院調整の役割を果たすことも施設基準とすることが望ましいと考えております。
 その際には、先ほど来、各委員から出ておりますけれども、情報のやり取り、それについても含めることも検討する必要があると考えます。
 最後に、障害福祉サービスとの連携でございますが、86ページの配置の状況を見ますと、嘱託の方が多く、1か月の勤務日数も平均2.6日と短いことや、臨時の往診等が24.7%にとどまっております。
 緊急時に往診できる医療機関と連携が必要であることは十分理解できますけれども、限られた医療資源を有効活用する観点からも、まずは配置医が対応できる体制を整えるべきと考えます。
 続きまして、資料の95ページを見ますと、入退院支援加算の届出医療機関において、障害者福祉サービス事業所との連携が残念ながらほとんど行われていない実態が分かります。
 加算の施設基準において、入退院支援や地域連携を担当する部門を設置することになっていますので、そうした担当部門の業務として障害者施設との連携を明示することも考えられるのではないかと思います。
 私からは以上になります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 高町委員、お願いいたします。
○高町委員
 ありがとうございます。
 障害を抱えていても、病院の入退院から在宅や施設での療養まで、切れ目なく医療・介護・障害者福祉のサービスを受けられるように、入院支援、退院支援、そして地域での支援につながるよう連携を強めていくことが必要と考えております。
 また、資料によりますと、入退院時の加算の施設基準において、連携先として介護保険サービスが多く、障害福祉サービスの連携はほとんどないということがありますので、この点については、連携を深めていく手立てを講じていただく必要があると考えてます。
 
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、茂松委員、お願いいたします。
○茂松委員
 ありがとうございます。
 サービス担当者会議につきましては、患者さんが、本当に最初に介護が必要になるときにやる会議としては、非常に必要かと思われますが、やはり患者さんというのは、刻々と症状が変わるということもございます。やはり診療の中でケアマネジャーとともに議論を交わしながら、その患者さんについてどういうことが必要であるかということの議論が非常に必要ではないかと思っておりますし、直接会って話をするということが一番重要だと考えております。
 特に認知症の患者さんにつきましては、本当に症状が変わったりして、いろいろなことが起こってまいりますので、その都度、ケアマネの方と直接お会いしてお話をするというのが非常に大事かなと思っております。
 それと、サービス担当者会議、名前は非常にいいのですが、なかなか地域によってばらつきがございますし、行政の取組方によっても、かなり差があるということがありますので、もしそれをしっかりさせていくとすれば、行政の力も必要ではないかなと考えております。
 かかりつけ医機能の中で、やはりケアマネの方と直接患者さんと3人で囲んでお話をする、そして、それをケアマネの方が多職種連携の中で、また連携を図っていくということが非常に必要ではないかと考えております。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 長島委員、お手が挙がっていますので、お願いいたします。
○長島委員
 先ほど1号側委員から、サービス担当者会議等への参加を要件化するという御意見がございましたが、先ほど私が申し上げたように、連携を意味のあるものにする質的な視点というのが重要であると。
 それで、このような会議への参加というのは、様々な連携方法の中の1つの手段であると、ほかにも様々な連携方法あるいは質を高めるという方法はたくさんありますので、ここは、その中で現場にとって、また、そのときの状況によって、一番実際の医療提供に支障を来すような無理がない、あるいは実際に役立つ方法を検討すべきということで、当然選択肢、あるいはその状況によって必要なことを行う、あるいは最も役に立ちそうなことをやるということが極めて重要ということで、要件化というものではないと考えます。
 また、先ほどのICTの活用についても、御発言がありましたが、現在、国が進める医療DXの中で、オンライン資格確認を基盤とする全国医療情報プラットフォームの中では、介護情報も含めて、今後、また介護施設側もそのような形で情報を共有するという方向性が示されているかと思います。
 また、単なる情報の共有だけではなくて、コミュニケーションが重要であるということは、誠にそのとおりでございますが、現在、既に全国各地の地域医療連携ネットワークの中の、特に医療・介護の多職種連携ネットワークの中では、コミュニケーションというのもされている部分があります。
 ただし、あくまでも顔の見える関係が全ての基盤であるということ。ただし、そこに上手にICTをうまく乗せていくと、連携するということで、実際にそのようなものは、既に進んでいるということを御説明させていただきました。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 松本委員、お手が挙がっています。お願いいたします。
○松本委員
 茂松委員、長島委員の述べられた意見については、十分理解しているつもりでございます。
 ただ、一方で、ケアマネからの御意見というのも、資料の29ページに出ておりますけれども、やはり期待が大きいということも十分受け止めていただいて、今後、また、かかりつけ医機能に関する議論も深まっていくと思いますけれども、その中で、今、言われた形をどうしていくのが本当に望ましいのか、また議論をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○小塩会長
 江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
 ありがとうございます。
 主治医とケアマネジャーの連携、現実的には、その連携をサポートしているのは、病院であれば地域連携室のソーシャルワーカーであったり、事務方職員であります。診療所では、事務方の職員が窓口となって対応しているのが現実であって、ですから、連携するイメージで言うと、医療機関と居宅介護支援事業所になりますので、そういったサポートをしているスタッフの存在というのも十分踏まえて、連携体制をつくっていくということが重要でありますので、まず、その一点を申し上げたいと思います。
 もう一点、高齢者施設と医療機関の連携において、当然、往診というのは、極めて重要なアイテムである一方で、診療所とか、中小病院で夜間休日等でなかなか出向く医師がいないという現実も当然あるわけですので、まずは、いろいろなコロナ禍における課題も踏まえて、連携体制をしっかりとつくること、それで、まず第一歩を踏み出して、その後に、どういった課題がまだあるのかという形で、まずは連携体制を強固なものとして、そして患者さん、利用者さんに極力不具合がないように、そういった体制をつくっていくということで、現状よりまず改善することが大事だと考えております。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに御意見、御質問はよろしいでしょうか。
 非常に多くの御意見を頂戴いたしました。ほかに御質問、御意見がないようでしたら、本件に係る質疑は、このあたりとさせていただきます。
○飯塚委員
 すみません、質問をよろしいですか。
○小塩会長
 飯塚委員のお手が挙がっています。お願いいたします。
○飯塚委員
 ありがとうございます。
 101ページ目の課題の3点目について質問があります。医療・介護の連携に関して、介護施設での急変時の対応というのが、1つの大きな課題と認識しておりますけれども、資料から電話相談は対応しているが、往診での対応はなかなか進んでいないということが示されています。
 事務局と診療側にお尋ねしたいのですが、まず、事務局には、往診が難しいことの主たる理由というのは、調査等で把握されていれば教えていただきたいというのが1つ。
 それから、診療側には、現場ではこの辺はどのような難しさがあるかというのも、もしお分かりでしたら教えていただければと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 飯塚委員から事務局、それから診療側の委員に御質問がございましたけれども、それぞれお答えできますでしょうか。
 それでは、まず、事務局からお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 ダイレクトに往診が難しい理由ということの調査はしていないところでございますが、例えば、特養であれば、緊急の往診というのは、外部の医師が入ったときにのみ診療報酬が算定できると制度上規定しており、そういった要因もあるものと認識しております。
 また、質的にどんな理由があるかについては、すみません、私ども定量的に御説明できるものは、手元には持ち合わせてございません。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、2号側の江澤委員から、お答えをお願いいたします。
○江澤委員
 御質問ありがとうございます。
 例えば、現状、在支病においては、当直医以外、宿直医以外に、緊急往診等に対応できる医師を配置することが要件になっておりますが、一般的な中小病院とか診療所において、しかも往診料の算定は、定時の、いわゆる診療時間以外の往診料の算定になっておりますし、したがいまして、一人で診療している診療所や、あるいは一人当直の中小病院等において、そこを抜けて出ていくということは現実に厳しいというのが、まず背景にあります。
 そういった中で、往診が難しいというのは、現実的な問題と、先ほど事務局からありましたように、例えば、特養においては、がん末期が診療報酬で訪問できますけれども、それ以外は、なかなか報酬上の手当はないということ、仕組みもないということでありますので、その辺りは現状の課題において、診療報酬の仕組み等については、検討していく必要があろうかと思います。
 取りあえず、このたびにおいては、まずは、連携を始める第一歩として捉えていただいて、往診については、今後どれぐらいのニーズがあるのか、あるいは先般の高齢者救急の、どこで受け入れるかとか、どういった疾患をどう対応するか、これまでさんざんいろいろと議論をしてきておりますので、そういったところも含めて、包括的に議論をしていただければと思っております。
 ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
○飯塚委員
 ありがとうございます。
 恐らく、個々のお医者さんが、やりたい、やりたくないという話を超えて、そもそも規模の問題ですとか、やろうと思っても、今、おっしゃられたように、1人ではできないといった在宅の話のような話もあると思いますので、そういう点からも議論が必要かなと思いました。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかはよろしいでしょうか。
 茂松委員、お願いいたします。
○茂松委員
 ありがとうございます。
 ただいまの夜間の緊急の往診のことにつきましては、今、日本医師会では、都道府県の27ぐらいのところで、若手の緊急往診チームが、ある程度でき上がりつつあるということをお聞きしておりますし、それは全て我々の医師会員であります。
 会員の若手がそういうチームを組んで、その地域地域で往診ができるような体制をつくりつつありますので、できるだけそういう体制をしっかりとつくっていくことが非常に大事だって、先ほど、江澤先生が言われましたように、今、体制づくりというのが非常に大事だというところは、そういうことも1つあるということをお伝えしたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはよろしいでしょうか。
 非常に多くの御意見、御質問等々をいただきましたので、今後、事務局におかれましては、本日の議論を踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
 続きまして「在宅(その3)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 続きまして「在宅(その3)」につきまして、資料総-2を用いまして、御説明をさせていただきたいと思います。内容は、訪問看護についてでございます。
 2ページに、本日御説明する内容をお示ししてございます。1から9までございます。
 それでは、早速、始めさせていただきます。
 まず「1.訪問看護の現状」についてでございます。
 ページはお進みいただきまして、3ページからとなりますけれども、こちらは、7月12日の中医協総会で御議論いただきました、在宅(その1)の資料からデータを更新したものとなってございます。詳細な御説明は割愛させていただきますが、新たにお示しする資料などにつきまして、コメントをさせていただきます。
 まず、3ページ目でございますけれども、医療保険と介護保険の訪問看護利用者数でございますが、最新の値では、医療保険の訪問看護の利用者数が48.4万人となって、こちらを更新してございます。
 それから、5ページ目は、先ほど申し上げました7月12日の中医協でいただきました御意見でございます。
 13ページ目に進ませていただきます。
 こちらは、これまで新型コロナウイルス感染症に関する御議論では、訪問看護の提供状況について、資料をお示ししてこなかったところでございますけれども、令和5年6月審査分の実績を、本日、お示ししてございます。
 13ページは、年齢階級別の利用者への訪問看護の提供状況ということでございますけれども、年齢が高くなるにつれて上がっているということと、それから平均では0.8%であったということでございます。
 それでは、次にいかせていただきます。2つ目の項目でございます。「訪問看護における24時間対応体制の確保について」でございます。
 17ページ目でございますけれども、現行の24時間対応体制加算の取扱いを紹介してございます。
 24時間対応体制に係る連絡相談を受けるのは、原則として、保健師または看護師とさせていただいているところでございます。
 18ページ目から19ページ目でございます。
 24時間対応体制加算の届出状況や利用者数等など示してございます。
 20ページ目です。
 利用者またはその家族等からの電話相談の状況等を示してございまして、相談内容は体調や医療処置に関する内容が多くなってございますが、訪問時間に関する確認や調整など、必ずしも即時的な対応を要さないと考えられるものも一定数あるといった状況でございます。
 21ページ目は、24時間対応体制の確保に係る課題と負担軽減の取組に関するものです。
 24時間対応体制に関する課題といたしましては、看護職員の精神的・身体的負担が大きいことや、夜間休日対応できる看護職員が限られているために負担が偏る、こういったことが多く挙げられております。
 また、24時間体制に係る負担軽減の取組は、ICTの活用、夜間対応した翌日の勤務体制の調整などが取り組まれておりますけれども、勤務間インターバルを取るといった取組は少ないという傾向にあったところでございます。
 それでは、3つ目の項目でございます。「機能強化型訪問看護ステーションについて」でございます。
 24ページに、機能強化型訪問看護ステーションの概要を御紹介してございますけれども、令和4年度の診療報酬改定におきまして、24ページの一番下、⑧でございますけれども、専門の研修を受けた看護師の配置が望ましいことということを追加いたしました。
 ページは進みます。26ページ目から27ページ目は、専門のケアを要するような悪性新生物や褥瘡の利用者の状況を示しておりまして、いずれも利用者数は増加しているということでございます。
 28ページ目につきまして、機能強化型訪問看護ステーションにおけます、専門の研修を受けた看護師の配置状況でございます。
 機能強化型1のうち36.3%において配置されているという状況でございました。
 29ページ目から31ページ目は、専門看護師、認定看護師及び特定行為研修修了者の訪問看護ステーションにおける在籍状況でございます。
 次に、32ページ、33ページは、特定行為研修修了者の活動の効果をお示ししてございます。
 34ページ目から36ページ目は、令和6年からの第8次の医療計画におけます、看護師の特定行為研修の体制の整備等についての資料でございます。
 訪問看護ステーション等の地域の看護師の研修受講を推進するといった内容になっているところでございます。
 それでは、4つ目の項目でございます。「集合住宅等における効率的な訪問看護等について」でございます。
 38ページ目でございますが、訪問看護ステーションの利用に係る費用は、医療も介護ともに増加しているということでございますけれども、令和2年度の数を御覧いただきますと、特に伸びの給付が大きいということをお示しているものでございます。
 39ページ目でございますけれども、前回お示しした訪問看護利用者の1か月の請求額の分布について、時点を更新してございます。
 御覧いただければと思いますけれども、全体の約1%強ということでございますけれども、請求額が60万円超というものもあるところでございます。
 次に、40ページ目から45ページ目でございますけれども、こちらは、緊急訪問看護加算、複数名訪問看護加算及び難病等複数回訪問看護加算の算定状況をお示ししてございます。
 41ページには、緊急訪問看護加算の算定要件を御紹介しているところでございますけれども、緊急訪問看護加算は、利用者またはその家族等の求めに応じまして、その主治医の指示に基づき、緊急に訪問看護を実施した場合に算定できるものとしているところでございますけれども、データとしては、毎日算定されているという利用者も約1%いるということを示してございます。
 複数名訪問看護加算、そして、難病等複数回訪問看護加算も同様に算定状況を紹介しているところでございます。
 46ページ目でございます。
 こちらは、同一建物居住者に対する訪問看護に係る評価についてになりますが、医療保険の訪問看護におきましては、同一日に同一の建物に居住する3人以上に訪問看護を行う際には、2人以下のときよりも効率性に鑑み、低い額ということで算定額を設定しているところでございます。
 48ページ目でございますけれども、介護保険の訪問看護における同一建物居住者等への訪問看護を行う場合の考え方をお示ししているものであります。
 次に、5つ目の項目でございます。「精神科訪問看護について」でございます。
 49ページ以降でございますが、50ページには、精神科訪問看護の主な要件をお示ししてございます。
 精神科訪問看護基本療養費を算定する場合には、一定の経験または研修の修了が必要であること。退院後3か月以内は頻回訪問が可能であることなど、精神科以外の訪問看護とは異なる基準や要件が設けられているということを示してございます。
 51ページでございます。
 こちらは、精神科訪問看護の利用者の状況ということでございます。この精神科訪問看護利用者の主傷病に関しましては、統合失調症などが最も多い、次いで気分障害となってございます。
 52ページから53ページは、精神科訪問看護の実施回数や算定状況をお示ししてございます。
 訪問看護全体の実施回数は、令和3年から令和5年にかけて約1.39倍の増加ということでございますけれども、精神科訪問看護基本療養費のみで見ますと、約1.58倍ということで全体伸びを超える伸びとなっているところでございます。
 また、全利用者に占める精神科訪問看護療養費を算定する者の割合も年々増加しているということでございます。
 54ページ目でございます。
 精神科訪問看護に対する施策上の求められる役割を御紹介しております。精神科訪問看護は、精神障害を有する方らの地域生活を支える観点から、精神科医療機関において継続して治療を受けることへの支援や、日常生活での困りごとの相談、身体合併症の早期発見・管理、精神科医療機関以外の関係機関からの相談に応じること、医療との連携を促進すること等の役割が期待されてございます。
 また、利用者の緊急のニーズへの対応も期待されているところでございます。
 55ページ目、56ページ目は、精神科訪問看護利用者のGAF尺度の判定の状況や受入れ状況をお示ししてございます。
 GAFにつきましては、57ページに、その概要をお示ししてございます。
 訪問看護ステーションの利用者に占める精神科訪問看護利用者の割合が80%以上のステーションにおける精神科訪問看護利用者は、他と比較しましてGAF尺度が40以下の利用者が多い傾向にあるということでございますが、40以下の利用者の受入れ状況にはばらつきがあったところでございます。
 58ページ目は、精神科訪問看護基本療養費に係る届出に関する基準の該当状況を御紹介しております。
 令和2年度の診療報酬改定におきまして、こちらは、精神科訪問看護に関する知識・技術の習得を目的とした研修に、GAF尺度による利用者の状況の評価方法を追加したところでございます。
 令和2年度改定以前の研修受講者につきましては、研修を受講しなくても差し支えないこととしているため、全ての研修受講者がGAF尺度に関する研修を受講しているわけではないということを御説明させていただきます。
 次に、59ページ目から60ページ目でございます。
 訪問看護ステーションの利用者に占める精神科訪問看護利用者割合別に、加算の届出状況、そして医療ニーズの高い利用者である別表第7、別表第8該当者の受入れ状況を示してございます。
 61ページ目から64ページ目でございます。
 こちらは、精神科訪問看護の指示内容及び提供したケアの内容を示してございます。
 提供したケアの内容でございますけれども、精神症状の観察、心理的支援、そして服薬援助、これは、点滴薬等を含むということが多くなっているところでございます。
 また、64ページ目でございますけれども、身体合併症を有する精神科訪問看護の利用者への対応につきましては、全利用者に占める精神科訪問看護の利用者割合が高いほど、対応可能な状態が少ない傾向にあることもお示ししてございます。
 6つ目の項目「医療ニーズの高い利用者の退院支援について」でございます。66ページ目にお示ししてございます。
 退院日当日の訪問看護の評価であります、退院支援指導加算の算定状況は増加傾向であるということ。そして、別表第8に掲げる者が最も増加傾向にあるということでございます。
 67ページ目は、退院日当日の訪問看護の状況を御紹介しております。
 医療機関を退院した利用者がいた事業所のうち、退院日に訪問看護を提供した事業者が66.6%、約3分の2ということでございまして、退院当日に複数回の訪問看護を行った理由は、医療処置、急変・緊急対応、苦痛の緩和が多い状況でございました。複数回の訪問看護を提供した事例も紹介しているところでございます。
 続きまして、7つ目の項目です。「周産期及び乳幼児への訪問看護について」でございます。
 69ページ目ですが、特定妊婦等の社会的ハイリスク妊産婦の数が年々増えているところでございます。また、入院医療関係者と地域医療保健関係者や福祉関係者間で、妊娠中から産後までの切れ目のない支援体制の構築が求められているところでございます。
 ハイリスク妊産婦への出産後の訪問看護におきましては、精神疾患へのケア以外にも、産後の身体的変化に関するケアへの支援、家族への指導やケアなど、多岐にわたる看護を提供している実態が分かります。
 70ページ目でございます。
 精神疾患を合併した妊産婦に対して、産科、精神科及び自治体の多職種が連携して、患者の外来診療を行う場合を評価したハイリスク妊産婦連携指導料でございますけれども、カンファレンスへの参加職種には訪問看護ステーションの看護師等は明記されていないところでございます。
 71ページ目から72ページ目は、小児の訪問看護利用者の状況に関する資料になります。
 小児の訪問看護利用者数は年々増加しているところでございますけれども、別表第7または別表第8の利用者の割合は低下しておりまして、利用者の多様化が一定程度進んでございます。
 小児の訪問看護を受ける者の主傷病でございますけれども、精神及び行動の障害や、周産期に発生した病態が増加している。
 また、先天奇形、変形、染色体異常、神経系の疾患が主たる傷病名である利用者数は増加していますが、一方で多胎児、あるいは愛着障害といった傷病名もあったところでございます。
 73ページ、乳幼児に対する訪問看護の評価を紹介してございます。
 現在、乳幼児加算や機能強化型訪問看護管理療養費の実績要件で評価をしてございます。また、乳幼児の訪問看護を受ける方のうち52.1%、半分強は別表第7、別表第8、超重症児、準超重症児のいずれかに該当していたところございます。
 74から76ページは、市町村が実施主体でございます、産後ケア事業についての御紹介ということでございます。
 8つ目の項目でございます。「オンライン請求開始に伴う訪問看護療養費明細書等の対応について」でございます。
 78から80ページでございます。
 これは、今月11日と、それから、おととい18日に諮問を行いまして答申をいただきました訪問看護のオンライン資格確認や、オンライン請求に関する資料となってございます。
 当日、三浦政務官からも御挨拶をさせていただきましたとおり、この訪問看護におきまして、オンライン請求、オンライン資格確認を導入することによりまして、レセプト請求事務の効率化、そして、より質の高い看護の実現に向けました、レセプト情報の利活用の推進につなげることが期待されるということでございまして、厚生労働省としても、そのときいただきました各側からの意見も踏まえまして、各関係団体と連携し、強く推進してまいりたいと考えてございます。
 81ページ、現在、訪問看護療養費明細書の主たる傷病名でございますが、主治医が交付した訪問看護指示書に基づいて記載することとしてございます。
 オンライン請求開始後も、引き続きレセプト情報を利活用するためには、訪問看護指示書に傷病名コードを記載していただき、訪問看護療養費明細書の傷病名をコード化いたしまして標準化を図っていく必要があると考えております。
 9つ目、最後の項目でございますけれども「介護保険における訪問看護との制度上の差異について」でございます。
 83ページ目は、運営規程に係る取扱いの差異を示してございます。
 医療保険の訪問看護ステーションにおける運営規定では、虐待の防止のための措置に関する事項を定める義務は設けていないところでございまして、また、84ページ目は、管理者に係る取扱いということで、医療保険は介護保険と異なり、同時に他の指定訪問看護ステーション等を管理することは認められておらず、差異が生じているところでございます。
 こうした状況踏まえまして、論点を御説明させていただきます。88ページでございます。
 まず、訪問看護における24時間対応体制の確保についてでございます。
 24時間対応による看護師への負担や、負担軽減に向けた訪問看護ステーションにおける取組を踏まえ、訪問看護における持続可能な24時間対応に係る連絡体制の在り方や負担軽減の取組を評価することについてどのように考えるか。
 機能強化型訪問看護ステーションについて、専門の研修を受けた看護師の配置や実践による効果等を踏まえ、機能強化型訪問看護ステーションにおける当該看護師の配置をさらに推進することについてどのように考えるか。
 集合住宅等における効率的な訪問看護等について、一部の高額となっている訪問看護療養費における加算の算定状況等を踏まえ、緊急訪問看護加算の評価の在り方についてどのように考えるか。
 同一敷地内建物等に居住する利用者に効率的に行われる訪問看護の評価の在り方についてどのように考えるか。
 精神科訪問看護について、精神科訪問看護の利用者の割合が高い訪問看護ステーションの医療ニーズの高い利用者の受入れ状況や加算の届出状況等を踏まえ、精神科訪問看護の評価についてどのように考えるか。
 医療ニーズの高い利用者の退院支援について、退院日当日に複数回の訪問看護を行い合計90分以上の退院支援を行っている実態を踏まえ、退院日当日の退院支援指導の評価について、どのように考えるか。
 周産期及び乳幼児への訪問看護について、社会的ハイリスク妊産婦や乳幼児に対する訪問看護の提供実態、市町村が実施する産後ケア事業との役割分担等を踏まえ、これらの者に対する訪問看護の評価の在り方についてどのように考えるか。
 オンライン請求開始に伴う訪問看護療養費明細書等の対応について、より質の高い医療・看護の実現に向けた、レセプト情報の利活用を推進する観点から、傷病名の記録方法等を標準化していくこととしてはどうか。
 介護保険における訪問看護との制度上の差異について、介護保険における訪問看護との制度上の差異が生じていることに鑑み、訪問看護ステーションにおける運営規程に「虐待の防止のための措置に関する事項」を定めることとしてはどうか。また、管理者に係る取扱いを改めてはどうかとしてございます。
 以上、御説明でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 最初に、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 88ページにある各論点についてコメントいたします。
 1つ目の24時間対応体制の確保については、働き方改革の観点から、電話を受ける職員を看護職員以外でもよいとするのは、現実的な対応である一方で、同事業所以外に外注する等は、迅速なサービス提供や適切な対応を担保する観点からも望ましくないと思います。
 2つ目の機能強化型訪問看護ステーションについては、機能強化型1の訪問看護ステーションでも、専門の研修を受けた看護師の配置が36.3%という状況ですので、もう少し、状況を見守る必要もあるのではないかと考えます。
 また、特定行為研修修了看護師を配置する際には、訪問診療を実施している主治医と適切に連携することを、しっかりと担保することが重要ですし、Doctor to Patient with Nurseなど、ICTを用いて状況が変わった際には、必ず医師と連携する体制を強固にしていくことが重要だと思います。
 3つ目の効率的な訪問看護についてです。
 集合住宅における効率的な訪問看護が問題視されておりますが、問題なのは、明らかに高い、ごくわずかな事業所です。こうした、いわゆる外れ値に対しては、審査において対応するのがセオリーであり、なぜ、現状の対応をされていないのか明らかにするべきです。
 一方、今回の資料では、算定日数が多い利用者は、別表7、8に該当する医療ニーズが高いものであることも示されており、高額となることに一定の理由がある難病患者等がいることも示されておりますので、単に高額ということに着目するのではなく、ほかにどのような対応が可能なのか、もう少し丁寧に検討する必要があると考えます。
 4つ目の精神科訪問看護については、今回の資料で示された様々な視点、つまりGAF尺度による患者割合や、身体合併症への対応、24時間対応体制加算の算定等に基づき整理することも考えられますが、どのような評価軸が適切と言えるのかは、例えば、不自然に特定の患者像だけを取り扱っている場合がないかなど、実際の地域にとっての役割が果たされているのかという視点も踏まえつつ検討すべきです。
 5つ目の論点、医療ニーズの高い利用者の退院支援については、退院できた患者に対し、複数回、長時間に及ぶ訪問看護が本当に必要なのか、慎重に検討すべきかと思います。そのために、十分なデータの準備をお願いいたします。
 社会的ハイリスク妊産婦や乳幼児に対する訪問看護についても、市町村事業との住み分けに関する情報が不足しています。
 本来、医療サービスが必要な患者に対しては入れるようにすべきですが、サービスが重複しているという指摘に対しては、医療の提供が必要なケースと、例えば、産後ケア事業との役割分担等を意識しながら、評価の在り方を検討することも考えられるのではないでしょうか。
 7つ目の明細書への記載方法や、8つ目の介護保険との差異解消については、論点に示された方向性に、おおむね異存はありません。
 オンライン請求開始に伴う訪問看護療養費明細書については、医療DXの観点からも重要ですが、医師や医療機関の負担ができるだけ増えることのないように配慮をお願いします。
 私からは以上ですが、小塩会長におかれましては、看護協会の専門委員にも発言の機会を御検討いただければと思います。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
 ありがとうございます。3点意見を申し上げたいと思います。
 1点目は、機能強化型訪問看護ステーションにおける専門の研修についてでございます。
 資料の28ページに示されている研修は、かなり長時間を要するもので、ヘビーな研修でございます。
 機能強化型訪問看護ステーションは、一般の他のステーションよりは、看護師の配置人数は多いわけですけれども、決して潤沢ではありませんので、現場の状況、そういった研修が受講できるかどうかをしっかり踏まえて、また、検討していただければと思います。
 2点目は、集合住宅等における効率的な訪問看護等についてでございます。
 集合住宅等における効率的な効率は、移動に要する時間あるいはコストが効率的ということであります。
 したがいまして、訪問看護サービスの提供の質が重要でありますので、効率化のもと、質を考慮されない適正化というのは慎むべきだと考えております。
 また、長島委員も申したとおり、41ページに示されている頻回な緊急訪問については、まずは実態を調査し、必要があれば、行政指導等の検討が報酬対応よりは先決ではないかと考えております。
 最後に3点目は、訪問看護は、御存じのとおり医療と介護の両保険からのサービス提供となっております。
 現在、令和6年度の介護報酬改定の施行時期が、まだ4月か、あるいは6月なのか等未定でございます。
 診療報酬改定が6月施行と決まった以上は、こういった事業所もございますので、ぜひ事務局におかれましては連携していただきまして、両方ともども、診療報酬も介護報酬も6月施行とし、現場に支障のないように取り組んでいただきたいことを要望いたします。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 オンラインで池端委員のお手が挙がっておりますので、よろしくお願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。2点、お話ししたいと思います。
 まず、2つ目の○の機能強化型訪問看護ステーションについて、専門の研修を受けた看護師の配置等々とありますが、特に、特定看護師の配置について、私どももそういうことによって、かなり実績が上がっている好事例も確認させていただいています。
 ただ在宅において特定看護師の活躍の場となると、そこに対する手順書等の包括的指示を出す、かかりつけ医との関係が、まだまだ、かかりつけの先生方の御理解がなかなか難しいこともあるということをお聞きしていますので、ここに対しては丁寧な説明の上、先ほど江澤委員もおっしゃったように、しっかりと連携のもとに、手順書等がしっかり発行されるような取組も併せて必要ではないかと思います。
 そして、例えば気管切開の抜管とか、交換とか等々ができるようになるだけではなくて、特定看護師は看護診断等、技術的な問題以外のところもしっかり研修を受けていますので、非常に早期にいろいろな気づきがあって、そこを主治医に連絡を入れて非常に助かったという好事例も見られますので、ぜひこれは前向きに進めていただければと思っています。
 その上で、我々医師会としても、しっかりかかりつけの先生方にも理解をいただけるように取り組みたいと思っています。
 2点目ですけれども、○の5つ目のところ、医療ニーズの高い利用者に対する退院日当日の複数回の訪問看護に関してですけれども、私自身も経験している中では、医療的ケア児とか、医療ニーズが高い方というのは、やはりずっと病院にいて、そして退院した後に、まずベッドの位置をどこに置くか、そして、そこにどう関わっていくか等々、本当に退院日に一番大きなハードルが1つあって、そこをソフトランディングするためには、そこに主治医なり、これからずっと関わっている訪問看護師が待ち受けていて、そして、入院でできていたことで、在宅でもできることできないことを、在宅でどうやって取捨選択していくかということ、非常に重要な診療あるいは看護が必要になってくる場合が多いことを考えると、ぜひこれはしっかりできるような体制を整えていただきたいし、もし不都合があるのであれば、改善していただきたいと思っています。
 もちろん、これは、だからといって全ての退院患者に、当日訪問するという性悪説に基づくことにならないような仕掛けも必要かと思いますが、いずれにしても、現状ではそういうニーズが高いことをお示ししておきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 今後、ターミナルケアや医療ニーズが高い特別な管理を要する方への対応が増加することが予想されることからも、地域包括ケアシステムを実現していくためにも、訪問看護と薬局の連携体制の確保も重要な視点です。
 特に論点の1つ目にある訪問看護における24時間対応体制の確保については、かかりつけの患者さんの夜間休日の急変に対応するための体制の確保について、薬局も似たような課題を抱えています。
 在宅医療を担う以上は、地域医療を支えるという覚悟を持って、夜間休日も担当の患者さんの急変などに対応しなければいけませんが、一方でその内容も様々であり、内容に応じた合理的な対応を行うようにできることで、各サービス提供者をいたずらに疲弊させることなく、24時間対応を含めて持続可能な地域医療の提供体制を構築することが必要です。
 そのためには、訪問看護ステーションと薬局が相互に適切に連携することが重要なポイントであり、それを通じて、地域の在宅患者をしっかり支えるための連携体制が確保されることで、従事者の負担軽減などにつながるものと考えます。
 薬局としては、医薬品の供給拠点として責任を持って対応したいと考えますので、その点の配慮もお願いします。
 今後は、そういった視点での議論ができるようお願いできればと思います。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。私からは3点申し上げます。
 1点目が4ポツの「集合住宅等における効率的な訪問看護等について」です。
 先ほど、長島委員、江澤委員からもお話があったと思いますが、39ページの資料では、請求額について60万円以上が全体の約1%強、最大値が116万2640円となっており、41ページの緊急訪問看護加算の算定状況では、約1%が毎日算定していると書いてあります。1か月間毎日算定して、緊急訪問なのかと、普通に考えると疑問があります。この状況が果たして適正なものかどうか、この資料だけでは判断できませんが、利用が適正かどうか算定状況を詳しく分析していただきたいと考えております。
 2点目は、5ポツの「精神科訪問看護について」です。
 7月12日の中医協において、精神科訪問看護について質問をさせていただきましたが、今回より詳細な資料が出されたことについて、事務局に感謝申し上げます。
 精神科訪問看護が必要であることは、もちろん理解しておりますが、61ページの精神科訪問看護指示書における指示内容と、提供したケアの内容を考えると、精神科訪問看護について、ケアの内容に応じてめり張りをつけることを検討してもよいのではないかと考えてます。
 3点目は、7ポツの「周産期及び乳幼児への訪問看護について」です。
 資料の71ページの小児の訪問看護利用者数のうち、難病等や医療的ケアに該当する者の割合は、平成23年に比べて令和5年は約2.1倍となっておりますが、難病や医療的ケアのニーズに訪問看護は充足できているのでしょうか。
 充足できていないとすれば、訪問看護提供体制の充実が必要ではないかと考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず、総論といたしまして、今後、医療や介護の支え手が不足する中で、高齢化に伴って訪問看護のニーズがさらに増加することを想定いたしますと、適切な職種、適切な人数、適切な頻度で訪問看護が提供されることが非常に重要だと考えております。
 それでは、88ページにあります論点に沿ってコメントいたします。
 まず、24時間体制の確保につきましては、資料の18ページにございますように、規模が大きくなるほど、24時間対応体制加算の届出が多くなっていることからも、訪問看護ステーションの大規模化を推進し、24時間体制ができるようにしていくことが最も重要と考えております。
 一方で、資料の20ページを見ますと、電話相談の内容が訪問に関する確認や調整といった、必ずしも急いで対応する必要のないものも、一定程度含まれているという印象を抱きました。
 患者や家族への事前説明により、緊急性の乏しい電話相談を減らすとともに、限られた医療資源を有効活用する観点から、21ページにある負担軽減の取組を、ICTの活用も図りながら積極的に進めるべきだと思います。
 続きまして、機能強化型訪問看護ステーションについてでございますが、26ページにございますとおり、がん患者の割合が増加していることを踏まえますと、先ほど専門性の高い看護師の研修に関する言及が何名かの委員からございましたけれども、やはり専門性の高い看護師の配置要件が、努力義務ではなく義務化するということも、一方では考えられるのではないかと思います。
 続きまして、集合住宅における訪問看護についてでございますが、これは複数の委員が言及されておりますけれども、例えば大変高額な請求になっているであるとか、あるいは緊急訪問看護加算が算定されているとか、そういった訪問看護が計画的に行われているという中で、本当に求められているものなのかということに関しましては、疑問を抱きますので、これについては、どういった利用者が、どういった病態で、どういったケアが提供されているのかといったサービス主体を含めて分析して、場合によっては適正化する必要があると考えております。
 また、効率的な訪問看護の評価につきましては、介護保険のほうが現実に即していると思いますので、医療保険の取扱いを介護保険にそろえるべきと考えております。
 続きまして、精神科訪問看護については、資料の44ページを拝見しますと、複数回訪問加算の利用者が急増しております。
 これにつきましても、どういう状態の利用者にどのようなサービスが提供されているのか、実態を踏まえて対応の検討をする必要があると考えております。
 資料にもありますGAF尺度による患者状態に応じた評価や、精神科訪問看護が多いステーションの在り方については、重要な課題だと考えております。
 続きまして、医療ニーズの高い利用者の退院支援について、これは、資料の66ページを拝見いたしますと、退院当日の複数回の訪問看護を実施した理由を見ますと、医療処置、緊急対応等もございますが、必ずしも必要性が高くない、病状観察もあるように示されております。
 したがいまして、複数回訪問の条件をもう少し整理することも考えられますが、今回のデータだけでは判断が難しいと思いますので、もう少し課題を分析した資料の提出を、事務局にはお願いしたいと思います。
 続きまして、周産期及び乳幼児への訪問看護についてですが、これは、長島委員からも言及がございましたけれども、診療報酬での対応だけではなく、市町村との連携も必要なテーマと考えておりますので、ハイリスク妊産婦連携指導料の算定に当たって、訪問看護ステーションの看護師の参加を必須とすることなども検討すべきだと思います。
 乳幼児への訪問看護については、機能強化型訪問看護管理療養費の実績要件を見直し、機能強化型ステーションで重点的に対応する方向での検討も考えられると思います。
 最後の2つの点については、異存はございません。
 訪問看護療養費明細書については、レセプト情報の利活用が進むように確実に実施していただきたいと思います。
 最後に、事務局に1つ質問でございますけれども、先ほどの説明にもございましたが、前回の中医協で訪問看護ステーションに関するオンライン資格確認の義務化ということについて質問したところでございますけれども、論点に示されております、上から6つのいろいろなサービスに関して、今回どういったオンライン資格確認が活用できるとか、あるいはこういうことが今後生かしていけるということが、もし検討されているものがございましたら、少し御紹介いただけるとありがたいと思います。
 私からは以上になります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 今、松本委員から1つ御質問がございましたが、事務局いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 いただいた質問は、私どもは事前準備ができてございませんので、今後、少しお時間をいただきまして整理をさせていただきまして、御説明をさせていただきたいと思います。
○小塩会長
 よろしくお願いいたします。
 ほかは、いかがでしょうか。
 高町委員、お願いいたします。
○高町委員
 ありがとうございます。
 10月11日の中医協でも述べましたが、訪問看護における明細書の無料発行については、オンライン請求書の推進とともに、ぜひ推進していただきたいと思います。
 先ほど来、緊急訪問加算の議論がありましたが、こうした項目があるということを患者や、その家族が知ることによって、日頃見ていただいている看護職員の皆さんとの信頼関係が、より強まっていくことにつながると思います。
 附帯意見にも書かれていることでありますので、このことについては、ぜひよろしくお願いします。
 以上です。ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 安川委員、お願いいたします。
○安川委員
 ありがとうございます。手短ですが、2点ございます。
 1点目、資料の9ページと39ページに関連することです。
 39ページで訪問看護療養費の分布について、お示しいただきました。高額の部分があるという御説明をいただきましたが、9ページの資料では、訪問看護ステーションの施設数が増加していることをお示しいただいて、実態として増えている部分が、営利法人の開設による施設が増えているという御説明がございました。
 この2つのことから、開設者別の報酬分布みたいなものが、もし事務局のほうで把握されているのであれば、本日でなくて結構ですが、どこかのタイミングで御教示いただけるとありがたいなと。
 理由としては、先ほど佐保委員からも御指摘があったように、療養費の算定の実態というのが、本当に患者の実態に即して行われているのか、あるいは施設特性みたいなものにある程度引っ張られてあるのかによって、今後、施設の展開と、それから療養費の額というものとの関連が、何か見えてくるのではないかと思ったので、そのように感じましたので、もしどこかのタイミングでお示しいただけたら、事務局にしていただけたらありがたいと思います。これは、お願いです。
 もう一点、資料の28、29で、多くの委員から御指摘がありました、専門性の高い看護師さんが、なかなか訪問看護ステーションに十分に在籍されていないという実態があるように思いますが、様々な理由があると思いますが、看護師さん自身の視点、特に看護協会のような視点から見て、こういう理由があるのだと、もし私たちが知っておく必要があるような事実、実態等がございましたら、看護協会様のほうから御教示をいただけたらと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 今、御質問がございましたけれども、検討していただくといたしまして、その前に、池端委員のお手が挙がっておりますので、御発言をお願いいたします。
○池端委員
 追加で申し訳ありません。
 今ほど松本委員が、退院当日の訪問看護について御指摘をいただいたこと、特に病状観察というのは、いかがなものかという御意見があったかと思いますけれども、これについては、入院をずっとしていて退院して、その移動をする、場合によっては1時間ぐらい車で移動したり、呼吸器をつけたり、そういう状態で移動して、それでやっと患家に着いて、そして、いろいろな配置を決めたり、機械の置き方を決めて、そして、その病状を観察するというのは、私は極めて重要だと思っています。家族も御本人も、医療ニーズの高い方の退院支援については非常に不安感が強くて、特に最初の1週間ぐらいが、慣れてくるまで非常に不安があって、例えば、急に機械のアラームのブザーが鳴ったとか、吸引器の使い方が分からなくなったとか、そういうニーズもありますし、そういうニーズのための複数回訪問なることも十分想定できるのではないかと思います。
 ただ、松本委員がおっしゃったように、ここをもう少し詳しく見てほしいということは、私も全くそれで構わないと思いますので、ぜひ前向きな方向で、また進めていただければと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 先ほど長島委員から御要望がございまして、訪問看護につきまして、専門の立場から御意見をいただきたいという御要望でした。
 もう一つ、先ほど安川委員から、機能強化型訪問看護ステーションに関して、看護師の方々からの観点から何かコメントがないかという御要望がありましたので、もし可能でしたら、その点も踏まえて木澤専門委員から御発言をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○木澤専門委員
 ありがとうございます。
 まず、在宅(その3)のところですが、訪問看護における24時間対応体制の確保についてです。
 訪問看護利用者や、その家族が安心して療養生活を継続する上で、いつでも電話等で訪問看護に相談できる体制があることは、非常に重要でございます。
 一方で、資料の20ページにありますように、相談内容のうち35.6%を訪問に関する確認や調整が占めております。
 必ずしも当初から看護師が対応しなくてもよい場合もあり、いつでも看護師が対応可能な体制を構築した上で、24時間対応体制加算に係る連絡体制の在り方を検討すべきと考えております。
 また、24時間対応体制の課題として、看護職員1人当たりの身体的・精神的負担が大きく、持続可能な訪問看護の提供に向け、夜間対応後の休息の確保、勤務間インターバルの設定等、事業所内の負担軽減の取組が早急に進むように推進していく必要があります。
 次に、機能強化型訪問看護ステーションについてです。
 この機能強化型訪問看護。
○小塩会長
 木澤専門委員、すみません、ちょっと機械の関係で一部発言が途切れましたので、さかのぼって、1分くらい前から、機能強化型訪問看護のところから。
○木澤専門委員
 はい、分かりました。失礼しました。
 まず、機能強化型のところですが、機能強化型訪問看護ステーションにおいては、重症度の高い利用者や看取りに対応するだけでなく、基幹となる訪問看護ステーションとして、地域全体の訪問看護の質を高めていく役割も求められています。
 現在、機能強化型訪問看護ステーションの1では、令和4年度改定で要件が追加されたこともあり、36.3%の事業所において、認定看護師、専門看護師、特定行為研修修了看護師の配置がされています。
 第8次医療計画においても、各都道府県で計画的な確保が進められるよう目標を定めることとされており、医療計画と今回改定でのタイミングを合わせて、機能強化型1への配置をさらに推進することが重要であると思います。
 なお、計画的に人材を育成するためには、経過措置期間が十分に確保されることが必要と考えております。
 次に、集合住宅等における効率的な訪問看護等についてと、精神科訪問看護についてです。
 緊急訪問看護加算や複数名訪問看護加算等の算定数の全体的な増加については、重症度の高い利用者の増加に伴って需要が伸びているものと考えられます。
 月の算定日数が多い利用者は別表7、別表8に該当するものが多いという結果もありますので、利用者の病状等に応じて適宜訪問看護を実施していると考えられますが、加算の算定日数等はばらつきも多いので、内容等を丁寧に精査して、今後の対応を考えるべきだと思います。
 医療ニーズの高い利用者の退院支援についてですけれども、67ページの事例でも示されているとおり、退院日当日に複数回の訪問看護を提供している実態があります。退院日当日の評価については、充実していただきたいと思います。
 最後に、周産期及び乳幼児への訪問看護についてです。
 社会的ハイリスク妊産婦に対しては、特に退院前からの関わりや退院直後からの集中的な支援等を行うため、入院中から入院医療機関と、訪問看護事業所が情報共有や連携をしておくことが必要ですので、70ページにあります、ハイリスク妊産婦連携指導料のカンファレンスの場に、訪問看護ステーションが必要に応じて参加することを明記していただきたいと思います。
 また、乳幼児に対する訪問看護の提供については、71ページにあるとおり、利用者数が増加しており、これは訪問による支援へのニーズが増加していることを示しています。
 医療保険の訪問看護と産後ケア事業との役割分担を明確にすることが重要ですが、いずれにしても、サービスを必要としている方が取り残されないよう、国全体の子育て支援施策の中でよく検討すべきであると考えます。
 もう一点、安川委員から御質問をいただいた件ですけれども、専門性の高い教育を受けた看護師が、なぜ訪問看護の現場に多くないかということについてです。
 前提として、看護職全般に、医療機関に就業している者がほとんどということありますけれども、医療機関の看護職員が訪問看護でどのような看護を行うかを知らないということがあると思います。
 これについては、広報ですとか教育の部分で、まず、訪問看護と医療機関が連携したり、研修や出向制度で看護師が双方に行き来をし、実践をよく見てもらうということを進めております。
 それによりまして、まず、新卒の方が訪問看護ステーションに就職されることが多くなったり、医療機関にいる方が訪問看護ステーションのほうに就職するということも多くなっていると思います。
 まずは、双方、どのような役割、実践を行っているのかというのが分かることで、こういった専門性の高い看護師も、だんだんと在宅の場にも広がっているという状況になります。
 私からは以上になります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか、御質問、御意見ございますでしょうか。
 江澤委員、お手が挙がっております。お願いいたします。
○江澤委員
 1点だけ申し上げます。29ページにいろいろ看護師の専門性を有する研修による資格等が示されておりますけれども、大変中身は充実したものでありますけれども、これらを取得するために、長いものですと数か月から半年間ぐらい、結構時間を要することもあります。
 医療機関の立場からすると、私の病院もそうなのですけれども、やはり病院のように多くの看護師さんが在籍しているところから、こういった資格を取れるように勤務も配慮して、いろいろ支援をしているのが実態であります。
 したがいまして、訪問看護ステーションに在籍中に、これらの資格を取るというのは、現状なかなか厳しいというのは、皆さん御存じのとおりかと思います。
 ですから、実際にこれらの資格を取っている看護師さんの多くは、急性期をはじめとする病院にいらっしゃる、あるいは病院でこういった研修をちゃんと受けて地域へ出て行く、在宅へ出て行くというケースが、先ほど御説明のとおり多いかとも思いますので、この辺りをどのように考えるのか。
 したがいまして、現状の訪問看護の提供の実態に応じたような専門性というのを、別途、検討していくことも必要ではないかなと思います。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。ほかに御質問等は特にないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
 事務局から御発言があるようですので、お願いいたします。
○眞鍋医療課長
 先ほど安川委員から経営状況に関して、営利法人を分けたような法人別のものができないかというお尋ねがございましたので、御回答してもよろしゅうございますでしょうか。
○小塩会長
 お願いします。
○眞鍋医療課長
 ありがとうございます。
 先ほどの安川委員からの御質問に関してでございます。私ども中医協の医療課のほうでやっております様々調査で、訪問看護事業所の収支状況を調査するような調査はやってございませんので、私どもほかの調査を、今、考えてみましたけれども、少し厳しいところがあろうかと思います。
 一方で、今日は老人保健課長もいらしていますが、介護事業所のほうでは、介護事業経営実態調査で訪問看護ステーションの収支等は出しているところでございます。ただ、それが、本当に法人別に出すに足る母数があるかどうかとか、そういったところまでは、まだ、この場ですぐに御回答できませんので、ここは受け止めさせていただいて、可能であれば御提出ということで考えさせていただければと思います。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 今の御回答の点もそうなのですけれども、ほかにも、もう少しデータについて追加的な情報がほしいという御要望がございましたので、できる限り事務局で対応していただければと思います。
 その点も含めまして、本日いただいた御意見を踏まえて、今後対応していただくように、事務局にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
 続きまして「選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果について」を議題といたします。本件は報告事項です。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果について、総-3を用いまして御説明させていただきます。
 1つ目の○にございますけれども、令和4年度の診療報酬改定の際と同様に、関係学会・医療関係団体・国民から、選定療養に追加すべきものに関する提案・現行の選定療養の類型の見直しに関する意見の募集を行ったところでございます。
 意見の募集に関しましては、あらかじめ総会にお諮りしたところでございます。
 意見募集の期間は、記載のとおりでございます。
 こういった期間に合計105件の要望をいただいたところでございまして、これは、ほぼ令和4年度のものと同数でございました。
 いただいた意見につきましては、本資料の別紙にその概要を、そして参考資料1に詳細な内容をそれぞれお示ししているところでございます。
 一番下の〇でございますが、今後は、事務局におきまして整理・検討を進めまして、必要に応じて中医協において御議論いただけるように、また、必要に応じて資料の提供をさせていただきたいと考えております。
 事務局からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。
 それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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