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2023年8月30日 中央社会保険医療協議会 総会 第553回議事録

○日時

令和5年8月30日(水)薬価専門部会終了後~

○場所

日比谷国際ビル コンファレンススクエア 8F

○出席者

小塩隆士会長 飯塚敏晃委員 笠木映里委員 永瀬伸子委員 本田文子委員 安川文朗委員
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 高町晃司委員 眞田亨委員 鈴木順三委員 
長島公之委員 茂松茂人委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 森昌平委員
木澤晃代専門委員 上田克彦専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他


○議題

○DPC対象病院の退出に係る報告について
○令和6年度診療報酬改定に向けたこれまでの議論について
 

 

○議事 

○小塩会長
 それでは、ただいまより、第553回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 薬価専門部会と同様、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催といたします。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、末松委員、羽田専門委員が御欠席です。
 最初に「DPC対象病院の退出に係る報告について」を議題といたします。本件は報告事項です。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは「DPC対象病院の退出に係る報告について」、総-1を用いまして御説明させていただきます。
 1つ目の○にございますとおり、DPC制度におきましては、改定時以外の緊急にDPC制度から退出する場合には、中医協総会の委任を受けました「DPC合併・退出等審査会」で退出の可否を審査・決定することとしているところでございます。
 今般、次の○にございますとおり、西美濃厚生病院から退出に係る申請書が提出されたところでございます。退出理由は、表の右側にあるとおりでございます。
 前回の総会後に行われました、この審査会で、退出の可否について審査を行ったところでございまして、審査の結果、DPC制度からの退出について、可とする旨を決定いたしましたので、この病院に関しましては、今年の12月1日付でDPC制度から退出するという扱いにさせていただくことになります。
 このほか、次の○にございますけれども、審査会における検討において、今後のDPC制度からの退出に係る取扱いにつきましては、特別の理由により緊急に退出する必要がある場合のうち、病床機能の転換を理由に退出する事例につきましては、これまでの審査内容・結果を踏まえまして、効率的な審査を行う観点から、医療課におきまして審査及び決定することと整理されてございます。
 最後の○でございますが、なお、緊急に対する事例のうち、予期せぬ事由により、DPC制度への継続参加が困難になった場合、その他、事務局において審査及び決定することが困難と考えられる場合につきましては、引き続き、当審査会において審査・決定を行うこととされたところでございます。
 御報告は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
 続きまして「令和6年度診療報酬改定に向けたこれまでの議論について」を議題といたします。本件は報告事項です。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 令和6年度診療報酬改定に向けたこれまでの議論につきまして、資料総-2を用いまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 総-2を御覧いただきまして、この形で資料を取りまとめさせていただいておりますけれども、例年の改定でもこのタイミングでさせていただいているものでございますが、このような形でまとめて、今後基本方針について御議論いただく医療保険部会や医療部会にも御報告をさせていただきたいと、こういう取扱いを考えているところでございます。
 本資料の構成でございますが、1ページに、これまでの議論の経過をお示ししておるところでございます。
 この表にございますとおり、4月から8月まで御議論いただいた議題について、日付と議題をお示ししているところでございます。
 2ページ目以降は、各議題における現状と課題、論点、そして御議論におきまして、いただきました主な意見を示してございます。
 本日の説明では、この現状と課題、そして論点、これらは、それぞれの議題をお示ししたもののとおりでございますので、ここの紹介は割愛をさせていただき、意見の主なものを御紹介させていただくことにしたいと思います。
 それでは、ページを進めさせていただきます。2ページ以降が医療DXについてでございます。
 3ページ目に進みまして、「主な意見」「医療情報プラットフォームについて」の2つ目の○でございます。
 プラットフォームの整備によりまして、質の高い医療の推進策につながるので、推進していくべきという御意見。
 その下段でございますけれども、改定施行時期の後ろ倒しにつきましては、1つ目の〇でございますけれども、医療現場にどのような影響があるのか、ベンダーや医療機関の作業の短期集中をどの程度の期間延長すれば必要な効果が得られるのか、財政にどのような影響があるのか、あるいは改定の結果検証にマイナスの影響をできるだけ生じさせない長さにするなどを考慮して、総合的に検討する必要があるという御意見を、これは1回目のDXの御議論でいただいたところでございます。
 後ほど御紹介申し上げますけれども、この後、第2回目の議論もさせていただいておりまして、そこで了解された事項を最後に御紹介させていただきたいと思います。
 それでは、進みます。5ページからが医療計画についてでございます。
 主な御意見でございますけれども、7ページ目までお進みいただきまして、救急医療に関して1つ目の○でございます。
 三次救急医療機関が増加したこともあり、本来、二次救急医療機関でも対応すべき患者も三次医療機関で対応されていることが課題ではないかという意見があったところでございます。
 続いて「外来について」ということでございます。
 9ページ以降でございますけれども、主な御意見につきまして、かかりつけ医機能、医療機関連携について御紹介をさせていただきます。
 10ページ目の1つ目の〇でございます。安心・安全で質の高い医療提供は、医療DXの最大の目的であり、期待される効果と考える。医療DXは始まったところであり、普及には一定程度の時間がかかる。かかりつけ医機能の在り方の一つとして、複数の医療機関との緊密な連携を示されている。将来的には、全国医療情報プラットフォームが構築されることが実現するが、実現するまでの間は、現在利用可能なネットワークや紙の文書を含めた現状の医療提供体制を生かしながら、評価の在り方を検討していくべき。
 次に11ページでございますけれども、上から3つ目の○になりますけれども、医療法の改正により、患者が希望する場合、かかりつけ医機能として提供する医療内容の書面交付が令和7年の4月から施行となります。
 生活習慣病管理料の療養計画と内容、そして役割が重なってくることも考えられ、医療DXを推進する中で、より効率的な情報共有の方法について整理することが必要。
 特定疾患療養管理についても計画書の作成について議論すべきではないかといった御意見をいただきました。
 次に「入院について」でございます。13ページ以降となります。
 主な御意見でございますけれども、15ページ目にお進みいただければと思います。
 15ページ目の「総論・急性期/高度急性期入院」の1つ目の○でございます。
 高齢者の救急搬送件数の増加への対応としては、二次救急に対する評価とともに、三次救急からの下り搬送を評価すべきといった御意見でございます。
 また、その次の次、3つ目の○でございます。誤嚥性肺炎や尿路感染症の入院治療については、対応可能な地域包括ケア病棟における、より一層の対応が必要ではないか。
 「ただし」ということでございますけれども、地域包括ケア病棟は、看護師配置が13対1であること等から、対応できる救急医療には限界があることも認識すべきといった御意見をいただいております。
 次に「在宅について」でございます。17ページ以降でございます。
 18ページに総論的な御意見、まず1つ目でございますけれども、在宅医療を取り巻く状況として、在宅医療の需要は2040年に向け、さらに増大することが予想されており、患者が状態や疾患に応じて希望される場所で看取りがなされるよう、診療報酬上も適切な対応を検討していく必要がある。
 その次、地域包括ケアシステムにおける在宅医療についてでございますけれども、2つ目の○、地域でICTを有効に活用して情報連携を充実させることは、今後の需要増加に対応するにあたり不可欠であるといった御意見もいただいてございます。
 次に「訪問診療・往診等について」でございます。
 19ページにお進みいただきまして、一番下の○でございます。在宅医療の提供の地域差につきましては、都市部での規模の大きいクリニックと地方でも点在するクリニックでは事情が異なることに留意しなければならない。
 地方においては、医療機関同士で補完し合う形でかかりつけ医機能を推進していく必要があるといった意見をいただいております。
 次に「訪問看護について」でございます。
 こちらは、21ページの真ん中ほど1つ目の〇にありますように、24時間対応を確保する必要があると。事業所の体制整備や事業所間の連携等の推進を検討していく必要があるといった御意見をいただいてございます。
 次に「在宅歯科医療について」でございます。
 23ページ目にお進みいただければと思いますけれども、一番上の○にありますように、訪問歯科衛生指導について、施設等で実施される日常の口腔衛生管理と、医療として実施される訪問歯科衛生指導では役割が異なるため、要介護者等の口腔健康管理がさらに推進されるよう検討すべきといった御意見をいただいてございます。
 次に「在宅患者訪問薬剤管理指導について」でございます。
 24ページの上の〇でございますが、多職種連携の推進のため、どのような役割が果たされているか実態を丁寧に見ていくことが必要。連携を進めるためには、医師の訪問に同行した場合などについて、評価を含めて検討すべきといった御意見をいただいてございます。
 「訪問栄養食事指導について」でございます。
 同じく24ページ目の一番下の〇でございます。リハビリテーション・栄養・口腔が連携した取組は重要だが、次のページに参りまして、在宅では特に不足している口腔や栄養のスクリーニングをしてニーズを把握し、近隣の医療機関や老健等とも連携して貴重な人材が地域で活躍できる仕組みの検討が必要であるといった意見をいただいてございます。
 次に「感染症について」でございます。
 26ページ以降となりますけれども、主な意見としましては、27ページ目でございますが、新興感染症発生蔓延時における医療についての1つ目の○でございます。
 協定締結医療機関のみならず、多くの医療機関による適切な感染対策を下支えしつつ、出現した新興感染症の状況によって、さらなる緊急的な措置を講じるようにすべきといった御意見をいただきました。
 また、次の28ページ、薬剤耐性対策につきまして、一番下の〇でございます。
 サーベイランス強化加算につきまして、参加自体を評価するものではなく、院内や地域での感染発生状況をモニタリングした結果、耐性菌がどれだけ減ったのかという評価をすべきといった御意見をいただいております。
 次に「歯科について」でございます。29ページ以降でございますけれども、主な御意見としましては、31ページにお進みください。
 歯科でございますけれども「主な意見」「かかりつけ歯科医や病院における歯科医療等、歯科医療機関の機能・役割について」のところの1つ目の○でございます。
 ライフコースに応じた歯科疾患の重症化予防や地域包括ケアシステムにおける連携などが重要であり、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所には、これらの役割が求められている。一方で患者にとっては、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所とそれ以外の歯科診療所の違いが分かりにくいという指摘もあり、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所がどのような役割を担うべきか考える必要があるといった御指摘もございました。
 その2つ下の○でございますけれども、回復期病棟や慢性期病院におきまして、口腔と栄養の管理を一体的に行うことは、誤嚥性肺炎や低栄養の予防の観点から重要であり、地域の歯科診療所との連携も含め、リハ・口腔・栄養の一体的な取組を進めるべき、こういった意見もいただいているところでございます。
 続きまして「調剤について」でございます。33ページ以降となります。
 御意見は35ページ目に記載してございますけれども、全体の1つ目の○でございますが、次回改定は介護報酬との同時改定でもあり、薬局の体制の充実や、かかりつけ機能の強化、それらを通じた質の高い薬学的管理の提供、医療・介護の関係者や関係施設等との連携などが今以上に進むような方策が必要といった御意見をいただいております。
 次に「個別事項について」でございます。
 37ページ以降でございますけれども、まず1つ目「働き方改革の推進について」でございます。
 いただいた意見は38ページ目にございますけれども、38ページ目の1つ目の○でございます。
 地域医療の継続性や医療の安全性と質の向上が損なわれないようにする必要がある。医師の働き方改革を通じて、勤務医の健康を確保することは、医師個人だけでなく、安心・安全な医療提供体制を確保するためにも重要。
 2つ目の○でございます。これまで診療報酬や地域医療介護総合確保基金による支援を行っているが、この改革は一朝一夕にできるものではなく、さらなる強力な支援が必要といった意見がございます。
 また、その下、取組への評価でございますが、その2つ目の〇でございます。地域医療体制確保加算を算定している医療機関で、時間外労働時間が長い医師の割合が高くなっているが、医師の労働時間短縮の取組が進む施設基準であるべきではないか。こういった御指摘をいただいたところでございます。
 次に、40ページ以降が「小児周産期について」でございます。
 主な御意見といたしまして、42ページ、上の1つ目の〇でございます。小児外来医療等についてでございますけれども、小児外来医療につきましては、24時間対応は、かかりつけ医機能の極めて重要な要素であり、これ以上の要件緩和をすべきではないといった御意見。
 また、救急医療体制については、その下、1つ目の〇、これも読み上げさせていただきますが、医療的ケア児やNICUからステップダウンしてくる児等の昨今の増加を踏まえれば、様々な需要を受け止めきれているかについて検討が必要ではないか。
 進ませていただきまして、43ページ「周産期医療について」でございますけれども、3つ目の丸でございます。
 ハイリスク妊産婦が増加している。そしてメンタルヘルスケアなどの重要性など、妊娠中から産後まで切れ目なく支え続けることが重要といった御意見をいただいたところでございます。
 最後に44ページ「了解された事項」と書かせていただいてございます。「令和6年度診療報酬改定施行時期の後ろ倒しについて」ということでございます。
 2つ目の○にございますけれども、中医協総会においては、令和5年4月及び8月に議論を行い、令和6年度診療報酬改定より、薬価改定については令和6年4月1日に施行し、薬価改定以外の改定事項については、令和6年6月1日に施行することを事務局が提案し、了解されております。
 この際には、ページが戻って恐縮でございますけれども、3ページに、この際、様々な御意見をいただいておりまして、3ページの下から3つ目の〇でございますが、従来から改定年の4月から新しいルールに変わるといったイメージが強いため、今回の後ろ倒しが医療機関、薬局に具体的にどのようなメリットがあるのか、ひいては患者さんにどのように還元されるのかを明確化し、丁寧かつ早期に周知していただきたいといった御意見もあったところでございます。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 よろしいでしょうか。松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 御説明ありがとうございました。
 令和6年度の診療報酬改定に向けて、これまでの議論について、非常に分かりやすく整理いただきまして、どうもありがとうございます。
 今後、検証調査の結果がこれから出てくるもの、あるいは分科会等で議論が進められているテーマもありますので、これまで議論していない事項も含めて、次回以降、議論を深めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 令和6年度診療報酬改定に向けて、2点、意見を申し上げます。
 1点目、今回の資料に記載はありませんが、前回の令和4年度診療報酬改定時の答申書附帯意見では、明細書の無料発行について、「患者への情報提供の促進、医療の透明化の観点から、さらなる促進の取組について、引き続き検討すること」とされました。
 この附帯意見を踏まえ、令和6年度診療報酬改定の議論においても、安心・信頼で患者本位の医療の確立に向けて、明細書の無料発行の取組がさらに促進されるよう検討を進めていただくよう、くれぐれもお願いいたします。
 2点目、医療DXに関して議論の概要では、患者へのメリットにも触れられています。この点について、この間、支払側委員から発言したとおり、患者が自身の医療情報にアクセスできるようになることや、電子カルテの保管期限の延長といった点などについても、引き続き検討をお願いいたします。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
 ありがとうございます。
 私からも令和6年度診療報酬改定に向けたこれまでの議論について、意見を述べさせていただきます。
 人口構造等の変化などによりまして、今後ますます厳しくなる状況の中で、質の高い医療提供体制を維持しつつ、医療保険制度の安定性、持続性を維持していくことは極めて重要であると考えております。
 秋以降のさらなる議論において、本概要にまとめられた論点や意見を踏まえつつ、令和6年度の診療報酬改定に向けて、国民が質の高い医療を受けられる機会を確保しつつ、保険制度の維持に向け、効率化、適正化を通じた各種取組を進めていくことができるよう、事務局におかれましては、引き続き議論の土台となりますデータの提供や、スケジュール調整等をよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、ほかに御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。
 それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3797

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