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2023年7月26日 中央社会保険医療協議会 総会 第550回議事録

○日時

令和5年7月26日(水)薬価専門部会終了後~

○場所

日比谷国際ビル コンファレンススクエア 8F

○出席者

小塩隆士会長 飯塚敏晃委員 笠木映里委員 永瀬伸子委員 本田文子委員 安川文朗委員
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 高町晃司委員 眞田亨委員 鈴木順三委員
長島公之委員 茂松茂人委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 森昌平委員
木澤晃代専門委員 上田克彦専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他


○議題

○部会・小委員会に属する委員の指名等について
○感染症について(その1)
○調剤について(その1)
 

 

○議事 

○小塩会長
 それでは、ただいまより、第550回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。
 薬価専門部会と同様に、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。
 また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、末松委員、羽田専門委員が御欠席です。
 それでは、まず最初に委員の交代について御報告いたします。
 吉川久美子専門委員におかれましては、この度、退任され、後任といたしまして、木澤晃代専門委員が本日付で発令されております。
 なお、木澤専門委員からは、「自らが公務員であり、高い倫理観を保って行動する」旨の宣誓をいただいております。
 それでは、新しく委員となられました木澤専門委員より、一言御挨拶をお願いいたします。
○木澤専門委員
 木澤でございます。
 前任の吉川より委員を交代させていただきました。
 まだまだ不勉強でございますけれども、しっかりと務めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○小塩会長
 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 最初に、委員の交代に伴いまして、小委員会に属する委員につきましても異動が生じます。
 部会、小委員会に属する委員につきましては、社会保険医療協議会令第一条第二項等の規定によりまして、中医協の承認を経て、議会長が指名することとされております。委員のお手元に、総-1といたしまして、新しい中医協の委員名簿とともに、異動のある小委員会の名簿の案をお配りしております。
 今回は吉川専門委員から木澤専門委員への交代となりますので、4ページの診療報酬基本問題小委員会につきまして、木澤専門委員に所属していただきたいと思いますが、そのように指名するということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○小塩会長
 ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。
 続きまして、「感染症について(その1)」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 事務局、医療課長でございます。
 それでは、「感染症について(その1)」ということで、総-2を用いまして御説明をさせていただきたいと思います。
 資料は大部でございますので、要領のよい説明に努めさせていただきます。
 2ページに目次がございます。
 3ページ目をおめくりいただきまして、こちらは5月の総会で医療計画について御議論いただいた際の資料の抜粋でございます。5月の際には、医療計画の6事業のうち、新興感染症対応を除く5つの事業について御議論をいただいたところでございます。今回は、医療計画の残りの事項のうち、新興感染症対応について御議論いただくものでございます。
 4ページを御覧ください。
 経緯の御紹介でございますけれども、まず令和2年から医療計画の検討会におきまして、新型コロナの対応を踏まえまして、新興感染症等の感染拡大時に機動的に対策を講じられるよう、医療計画の記載事項に新興感染症への対応を追加する議論がなされてございます。
 次に5ページでございますけれども、それを受けまして、令和3年に医療法の改正がなされ、その後、令和4年、6ページ目でございますけれども、感染症法が改正され、都道府県と医療機関との間で新興感染症まん延時の対応について協定を締結する仕組みなどが法定化されたところでございます。
 6ページの赤囲みのところでございますけれども、1.の(1)に「感染症対応の医療機関による確実な医療の提供」というタイトルがございまして、その中にこういった規定があるところでございます。
 7ページ目でございます。
 これが、こうした法改正の内容も踏まえて示されました医療計画策定のポイントでございます。どのようなものを想定しているかという前提の御紹介でございますけれども、平時から協定を締結することで、地域におきまして役割分担を進めて、新興感染症発生から一連の対応といたしまして、段階的に入院体制を確保していく、こういったことについて盛り込まれているところでございます。
 8ページ目、9ページ目でございますけれども、こうした医療計画の策定に当たりまして、想定する感染症についてどのようなものを想定しているのかという前提の御紹介でございますけれども、ここでは、これまでの対応の教訓を生かすことができる新型コロナと同様の対応を念頭に置いて取り組むとされているところでございます。
 10ページ目でございます。
 感染症法における基本方針の改正でございますが、ここでは、医療提供体制に係る目標に関する事項や宿泊施設の確保に関する事項など、法改正に対応しました項目が新設されておりまして、11ページの基本指針に基づきまして作成される予防計画の記載事項には、協定締結医療機関に関する数値目標などが追加されているところでございます。
 12ページ目では、都道府県が医療機関と締結する医療措置協定の内容につきまして、病床確保や発熱外来など具体的な種類に加えて、新型コロナ対応を念頭に、その最大規模の体制を目指すとされていることから、国想定している目標を御紹介しておるものでございます。
 13ページ目、14ページ目でございますけれども、こちらは、協定の締結につきまして、仕組みとプロセスの説明でございます。
 15ページ目は、協定締結医療機関等に対する財政支援の規定を紹介しているところでございます。
 また、16ページ目は、協定の中でも流行初期医療確保措置と呼ばれます流行初期から一定以上の体制を確保する内容の協定を締結する医療機関への支援の仕組みを紹介しているところでございます。
 そのほか、17ページが外来医療・自宅療養者等への公費負担医療の創設、18ページには医療人材派遣の仕組み、19ページ目には自宅や高齢者施設等における療養者等への対応についての資料をお示ししているものでございます。
 20ページ目でございます。
 こうした協定の数値目標の考え方でございますけれども、先ほど御説明したとおり、新興感染症への対応といたしまして、現時点では新型コロナへの対応を念頭に備えることとされてございます。数値目標についても、新型コロナ対応時の実績に基づき定められているところでございます。20ページの上の青囲みのところでございますけれどもそれぞれ具体的な数字が示されているところでございます。
 次、21ページ目、22ページ目でございますけれども、こちらは実際のコロナ対応における確保病床数、重点医療機関数、発熱外来の数の推移の資料でございます。
 以上、ここまでが「新興感染症発生・まん延時における医療」の資料となってございます。
 次、2つ目の項目「新興感染症以外の感染症に対する医療」ということで、次のチャプターに進ませていただきます。
 まず、24ページ目から26ページ目までは、感染症法に基づく対応の大枠でございまして、感染症の類型に基づいて実施する措置、24ページ目にまとめさせていただいておりますけれども、また、各類型に該当する感染症、25ページ目でございますが、お示ししてございます。
 次に進ませていただきます。
 27ページ目以降が、新型コロナウイルス感染症の現状についての御紹介でございます。
 28ページ目が類型変更に関する方針、29ページ目が類型変更前にあったガイドラインの改正について再掲してございまして、30ページ目は5類感染症のあった後のサーベイランスや医療体制などの概要についてお示しをしているものでございます。
 31ページ目から34ページ目は、直近の感染状況でございます。
 31ページ目に、都道府県別の定点当たりの報告数の推移がございまして、報道等でもございますとおり、沖縄県での感染が非常に広がっておるということが数字としても表れているところでございます。
 次に、35ページ目から39ページ目でございますけれども、高齢者施設における対応についての資料となっております。
 まず、35ページ目では、かつてのコロナ感染拡大時に指摘された高齢者施設における感染防止対策として、こういった点が不十分であったということの指摘があったことと、それに対する対応、そして36ページ目では、高齢者施設のクラスターへの対応として、各都道府県が支援チームの派遣、37ページ目では、施設内療養を行う介護施設等への支援といたしまして、一定の要件を満たす施設に対する補助金の支給、38ページ目では、退院患者さんの介護施設の受入促進の取組、それぞれ紹介をするものでございます。
 こうした取組によりまして、新型コロナに対応していくことも踏まえまして、39ページにありますとおり、同時改定に向けた意見交換会でも、高齢者施設における感染症対策について議論がなされたところでございます。
 4.の(4)の2つ目のポツの後段でございますが、高齢者施設、障害者施設が、専門人材を有する医療機関から支援や助言が受けられる仕組みが必要などの御意見をいただいたところでございます。
 次に、40ページ目からでございますけれども、「その他の感染症」といたしまして、近年対策が重要となっている感染症としていたしまして、結核、肝炎、HIVエイズ、麻しん、梅毒、エムポックス、これは従前サル痘と呼んでいた感染症でございますけれども、それぞれこのような対策がなされているということをスライドでお示しをするものでございます。
 次、49ページ目以降でございます。「薬剤耐性(AMR)対策」でございます。
 50ページ目から52ページ目でございますけれども、これは今年に見直しが行われましたAMR対策アクションプランについて御紹介するものでございまして、耐性菌の割合の低下や抗菌薬の使用量の低下について、成果指標として掲げているものでございます。
 53ページ目でございますけれども、抗菌薬の分類であるAWaRe分類のことでございます。この分類は、WHOが抗菌薬の適正使用の観点から、チャートの中にAccess、Watch、Reserveという英語の単語が並んでございますけれども、このように3つの分類にしてございまして、Accessの割合を60%以上にすることを目標とするものでございます。
 これは我が国のアクションプランにおけるマクロライド系ですとか、フルオロキノン系などのWatchに分類される抗菌薬の使用を減らすという目標とも整合的となっているところでございます。
 54ページ目でございますけれども、我が国の抗菌薬使用の状況でございます。Accessに分類される抗菌薬の使用の割合は上昇傾向であるものの、下にグラフがございますけれども、他国と比べると依然として低いという状況となってございます。
 55ページ目でございますが、抗菌薬の使用量は病院よりも診療所で多いこと、年齢階級別の使用量では15歳未満では減少傾向にあるということが見てとれますけれども、15~64歳の群では減少していないということも見てとれるところでございます。
 56ページ目でございますが、アクションプランの目標にもあるカルバペネム系の抗菌薬の使用につきまして、特定機能病院の状況を見たものでございますけれども、特定機能病院の中におきましても使用状況についてはばらつきが多いということが示されているところでございます。
 57ページ目、58ページ目でございますが、各医療機関の抗菌薬の使用状況のモニタリング体制についてお示しするものでございます。J-SIPHEというプラットフォームで参加病院の使用状況を比較することが可能となってございます。
 58ページにありますとおり、診療所版のJ-SIPHEが昨年から開始されてございまして、今後、AWaRe分類に基づく抗菌薬使用状況の把握も可能になる予定となってございます。
 59ページ目からが診療報酬上の対応でございます。
 60ページ目に、感染症への対応に関する評価について、一覧としてまとめているものでございます。
 61ページ目から63ページ目は、令和4年度改定で設けられました感染対策向上加算、外来感染対策向上加算の概要でございます。
 64ページ目でございますけれども、こちらは、その中で新興感染症対応に係る部分の抜粋でございまして、加算が申請されてから現在までは、新型コロナ対応に係る体制が要件となっているところでございまして、64ページ目には感染対策向上加算の加算1、2、3とございますけれども、それぞれの届出施設数をお示ししてございます。加算1が1,200余り、加算2が1,000余り、加算3が2,000余りといった医療機関数となっているところでございます。
 65ページ目以降は、感染対策向上加算届出状況の資料でございます。
 これまでのコロナ対応の関係で申し上げますと、まず69ページにあるとおり、重点医療機関の6割が加算1を、協力医療機関の7割以上が加算2を届け出ているところでございます。また、発熱外来では半数弱が外来感染対策向上加算の届出をいただいているというところでございます。
 70ページ目は、こちらは感染対策向上加算を届け出ていただいた医療機関がどのような対応をしていたかの資料でございます。加算2の届出を行っていただいた医療機関も、多くは重点医療機関だったことが示されているところでございます。
 次に、71ページ目、72ページ目でございますけれども、感染対策に関する他の施設との連携の状況に関する資料を示してございます。
 72ページ目では、感染対策向上加算1や2を届け出ている医療機関では、高齢者施設への助言を行う医療機関が一定数あったということが示されているところでございます。
 次に、73ページ目、74ページ目は、感染対策向上加算を届け出ていない医療機関の状況でございまして、75ページ目は外来感染対策向上加算の状況でございます。
 77ページ目に進ませていただきます。これも令和4年度改定で新設されたものでございますけれども、重症患者対応体制強化加算は集中治療に関する経験を有する看護師を配置した上で、新興感染症発生等の有事の際に、他の医療機関等の支援を行うことが施設基準となっているものでございます。
 77ページにありますとおり、届出医療機関数は、現状では一部に限られているというものでございます。
 次、78ページから80ページは、歯科診療報酬における感染対策に関する評価でございます。
 78ページ目では、令和4年度改定で行われました新興感染症にも適切に対応できる体制を確保する観点からの基本料見直し、80ページ目は歯科の外来診療の特性を踏まえまして、安全で安心できる環境整備を評価した歯科外来診療環境体制加算の概要を示しております。
 次に、81ページ目から83ページ目は、薬局における新興感染症発生時等における体制の評価に関して、お示ししております。
 81ページ目は、令和4年度改定で新設されました連携強化加算の概要、82ページ目は、連携強化加算の届出状況や、要件であります抗原検査キットや新型コロナウイルス感染症治療薬の取扱いの状況について示しているものでございます。
 84ページ目からは、小児抗菌薬適正使用加算など感染対策向上加算以外のAMR対策に係る評価の概要でございます。
 88ページ目では、小児抗菌薬適正使用加算の導入によりまして、1~2歳の小児につきまして抗菌薬の使用率が減少したとする報告について紹介をしているものでございます。
 89ページ目に、今まで御説明申し上げました課題と論点をまとめさせていただいてございます。ここには書いてございませんが、新型コロナウイルスに関しまして、これまで特例について3月に御議論いただきましたけれども、今日はその特例の取扱いについては議論の対象とはしてございません。それはこの後、また適正な時期に御議論いただこうと思っておりますが、今日はこの資料の範囲の中におきまして御議論いただければと思っております。
 論点としまして3つ掲げてございます。
 新興感染症発生・まん延時における医療を行う体制を機動的に構築する観点から、第8次医療計画等に定められた協定の締結を行う医療機関・薬局・訪問看護事業所における感染対策について、どのように考えるか。
 新型コロナウイルス感染症を含めた、新興感染症以外の感染症に対する医療について、感染対策に必要な人員確保、個人防護、個室管理、他施設と連携等の観点から、恒常的な感染症対応としてどのように考えるか。
 最後の論点、薬剤耐性対策について、我が国における現状等を踏まえ、適正な抗菌薬の使用を推進するための評価についてどのように考えるか。
 以上でございます。
 資料の説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等ございましたらお願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 3つの論点に沿ってコメントいたします。
 1つ目の論点です。今回の感染症法等の改正に伴う医療提供体制は、新型コロナウイルス感染症を基本としておりますが、新興感染症の特性に合わせて協定の内容を見直すなど、実際の状況に応じた機動的な対応を行うことが前提とされています。特に発熱外来体制は、感染拡大を防ぎ、病床逼迫を回避する上で重要な役割を担っております。
 そのため、流行初期医療確保措置の特別な協定を締結した医療機関だけではなく、より多くの医療機関が適切な感染対策を講じて参画できるよう、平時より診療報酬上の措置を行い、活動を下支えしていくことが必要であり、出現した感染症の状況によって、さらなる緊急的な措置を求めたいと思います。
 同時に、日本版CDCも創設されることになりましたが、感染防御策等の迅速な情報提供と、その感染症に適応したPPE等の供給、また補助金など、診療報酬以外の対策と併せて行われるようにすべきと考えます。
 感染症法改正に伴い、医療機関の役割が明確化いたしました。継続的に新興感染症を含む感染症対策を行うにはコストがかかります。これまで新型コロナウイルスの感染流行以降は補助金やコロナ特例で対応してまいりましたが、令和6年度以降は通常の診療報酬の中で評価されるようにすべきであると考えます。
 2つ目の論点です。予防計画、医療計画、感染症法上の協定におきましては、新興感染症対応と併せ、通常医療の確保をすることが基本方針となっています。
 例えば予防計画作成のための手引きでは、感染症医療以外の通常医療を担う診療所も含め、日頃から患者のことをよく知る医師、診療所等々、感染症医療を担う医療機関が連携することが重要であるなどと記載されています。したがって、新興感染症対策を担う医療機関と役割分担をし、通常医療を担う医療機関の外来、入院についても、それに応じた診療報酬上の評価をすべきであります。
 同時に、国民、患者、メディアに対するそうした役割分担の周知を図るとともに、通常医療を担う医療機関に対しても情報提供やPPE等の供給、また補助などを併せて行うようにすべきと考えます。
 感染対策に係る診療報酬上の評価については、これまで述べてきたような感染対策を実効力高く実施するための措置及びそれがどれくらい実効的であるのかという視点と、感染対策に係る連携も活用しつつ、医療提供体制における医療機能の役割分担の強化がなされているのかの視点の両方のポイントが重要であり、これらの視点を踏まえて前回改定がなされたものと考えています。
 その観点から、入院について、感染対策向上加算の算定状況について、総数の変化が大きくないことは66ページの資料で見てとれます。
 一方、令和5年の状況や65ページのように、入院料ごとに改定前後の変化を見ることも、実際の感染対策の広がりの観点からは重要かと考えます。
 また、外来についても、69ページのように、診療検査医療機関である診療所においても届出が半数に及んでいなかったことは、丁寧に検証していく必要があると考えます。
 また、71ページ、72ページで示されているように、連携や機能分化の実態をさらによく見ていくとともに、今後、連携をさらに強化していく方策についても検討していく必要があると思います。
 3つ目の論点、薬剤耐性対策、つまりAMR対策の重要性につきましては、かなり浸透はしておりますが、患者さんの求めに応じた処方、人材育成や、各種サーベイランス参加への労力などが課題であります。患者さんへの丁寧な説明や院外感染対策サーベイランス事業、感染対策連携共通プラットフォームへ参加しやすくすることなどにより、抗菌薬使用状況の可視化をすることで、適正な抗菌薬の使用の推進につながるものと考えます。医療機関の院内感染対策や抗菌薬適正使用の取組に対するより一層の評価が必要であります。
 私からは以上でありますが、小塩会長におかれましては、各委員の発言の後、木澤専門委員からも御発言いただくことを御検討いただければと思います。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、島委員、お手が先に挙がっていましたので、お願いします。
○島委員
 ありがとうございます。
 私も論点について述べさせていただきます。
 最初の論点にありますように、医療機関、薬局、訪問看護事務所、それから今度は介護施設等においても、平時の準備といったものが非常に重要になってくるだろうと思っております。外来感染対策加算や感染対策向上加算の要件にありますように、それぞれの施設の連携といったことが平時から行われていなければ、いざ有事といったところでは対応が非常に厳しかろうと思います。
 実際、今回のコロナのときもそうでございましたけれども、患者の搬送といったところでは、消防署の救急隊といったところが非常に活躍をしていただいております。彼らは常日頃から訓練をしておりますし、医療施設等とも連携しながらいろいろ準備をしているといったところで、こういったところもこの考えの範疇の中には組み込むべきだろうと思います。
 それから、消防署においては、いざ災害といったときは救助隊というのが別におります。大きなパンデミックのような内容であればこういったところも活躍するといったことで、そういったところも概念の中に組み込むべきではなかろうかと思います。
 そして、今回の新型コロナのときも、診療報酬上の対応と、国からの支援によってある程度支えられたという面がございます。ですから、この2つの切り分けがきちんと準備されていないと、医療機関だけ一生懸命頑張ってもなかなか非常に対応が難しいというのが現実だろうと思いますので、そこもきちんと考慮すべきだろうと思います。
 最後の論点のAMRに関しましては、データを見ていますと、随分不要な抗生物質と呼ばれていた抗菌薬の使用が減っているということは、非常によくなっていると思いますが、54ページの下段の実際の日本の使用量を見てみますと、随分前から日本は不要な抗生物質を使うことによって、耐性菌を非常に作っているという批判に対しては、随分対応がよくなっているとは思うものの、使用量の少なさを考えると、もう少し医療機関に対する啓発が必要になってくるのではなかろうかと考えます。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
 ありがとうございます。
 医療機関と高齢者施設の連携について申し上げたいと思います。
 感染症法の見直しでは、都道府県連携協議会等で平時からの対応も含めた取組を議論することとなっております。そういった意味では、感染対策向上加算の仕組みを活用して、この加算を算定する医療機関が、高齢者施設に対して迅速な医療提供等の医療支援や感染対策の助言、実地指導、あるいは退院患者の円滑な受入れの支援を行うことが実効性の担保につながると考えます。
 その際、連携する高齢者施設には、介護報酬で評価を行い、次回は診療報酬、介護報酬の同時改定でもありますので、しっかりと連携して仕組みを構築していただきたいと思います。
 そのほか、入退院支援加算1には、介護施設等を含む連携機関との年3回以上の面会の要件がありまして、こうした面会の場も有効活用できるものと思います。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、林委員、お願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。
 論点1つ目と2つ目に関連してコメントさせていただきます。
 1つ目の新興感染症発生・まん延時における医療についてですが、これまでも発言しておりますとおり、歯科は感染症そのものを治療する立場ではございませんが、新興感染症の発生時、まん延時にも緊急的な歯科治療が必要な場合がございます。
 このような場合、当該感染症に対する感染防止対策が明確になるまでの間は、一般の歯科診療所では対応が困難なこともあることから、対応可能な病院歯科などと連携の上で、歯科医療を提供することが必要となります。
 今後、新興感染症が発生・まん延した際にスムーズに対応できるよう、地域の実情に応じた歯科医療提供体制を構築することが必要であり、そのために必要な評価について検討をお願いしたいと思います。
 2つ目の新興感染症以外の感染症についてでございますが、歯科診療におきまして適切な感染防止対策を行うことは非常に重要だと認識しております。現在行われている感染症対策や研修等を含め、想定される感染症への対応につきましては、日本歯科医師会におきましても重要課題として取り組んでおります。患者にとって安全で安心できる歯科医療を提供するために、必要な感染防止対策につきまして、それに応じた診療報酬上の評価をすべきと考えております。御検討のほど、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 論点に沿って幾つかコメントさせていただきます。
 1つ目の第8次医療計画等に定められた協定の締結を行う医療機関・薬局等における感染対策についてですが、感染症の治療に医薬品の提供は不可欠で、薬局は、感染症の治療に必要な医薬品の備蓄も含め、平時から適切な感染対策の体制を整備しておくことが必要で、発生時には、都道府県知事からの要請を受けて、自宅、高齢者施設等での療養者等に、病院診療所等と連携して、夜間・休日も含めて医薬品の提供を担うことになります。
 また、薬局は第2種協定指定医療機関として協定を締結することになり、オンライン服薬指導の体制整備が求められていますが、薬局の特性、医薬品の提供という点から言えば、特に抗ウイルス薬は服薬のタイミングが重要な場合もあり、適時適切に患者さんに薬を届けることも重要な対応となります。
 また、先ほど島委員からありましたけれども、平時からの感染症の治療薬の備蓄、感染対策の体制整備とともに、実際に感染症が発生した場合における夜間・休日等の時間外の対応や、患者さんへ必要な薬を迅速に届けなければならないということも踏まえて、協定締結の要件を満たすような対応を行っている薬局を支援するための評価が必要だと考えます。
 2つ目の新興感染症以外の感染症に対する医療の対応についてですが、新型コロナウイルスが5類に移行したことも相まって、患者動向が変わり、陽性患者が様々な医療機関から直接来局される機会も増えました。薬局では、感染対策のため、薬局の外に専用のスペースを設けて対応する、車の中に待機してもらい、そこで対応するなどの工夫を行っています。
 また、薬局は、季節性のインフルエンザもそうですが、常に様々な感染症の患者さんが来局される可能性がありますので、他の利用者や職員への感染防止のため、感染対策を徹底し、安心して薬局を利用できるよう、体制の整備に取り組んでおります。これらについても何かしらの評価や配慮が必要と考えます。
 最後に、3つ目の薬剤耐性対策についてですが、薬剤耐性獲得を防止するために、患者さんは抗菌薬を医師の指示どおりに服用する必要があるため、薬局では患者さんが抗菌薬を適正に使用できるよう、必要な指導や使用期間中のフォローなどの支援を行っています。
 また、服薬管理においては、副作用歴なども含めた情報連携ツールともなるお薬手帳の活用も有効なものと考えます。
 このような薬局での取組を進めていくことも、適切な抗菌薬の使用促進において重要な視点と考えます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。日本慢性期医療協会の池端です。
 論点の1つ目の○について、1つコメントと1つだけ御質問させていただきたいと思います。
 まず、この新興感染症に対する対応ということで、6ページにもありますように、その趣旨としては、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえてということが枕言葉にあるわけですけれども、私自身も、今でも思い出すとぞっとしますけれども、第1波のとき、県の医師会長としてその対応に当たった際、本当に大変な思いをしました。それはなぜかというと想定外のことがあった。数も、死亡率も、今まで新型インフルエンザということで対応マニュアルができていますけれども、その想定を超えるようなものがどんと急に来て、対応が何も分からない中でどんどん患者が増える、さあどうしようかということがありました。今回はその経験を踏まえてということで、いわゆるCOVID-19の経験を基にということで、お聞きしたいのですけれども、私自身も含めて日本全国、想定外であったCOVID-19の対応というのは、現在は想定内に入ったと思うのです。ただ、次の新興感染症がCOVID-19を超えるような死亡率であったり、感染者数であったりということがないとは言い切れないと思うのです。つまり「想定外を想定する」ということが必要ではないかと思うので、その辺について12ページでも数値目標等いろいろ出ていますが、これについて、感染者数とか死亡率、例えばCOVID-19で言えば患者数のピーク時とか、死亡率の一番高いピーク時を想定しているのか、あるいは、それを超えて、例えば1.何倍超えたものを想定して対応しているのか、この辺の数字の出し方が、ここで分かるかどうか分かりませんけれども、もしそれをこの辺でということがあれば教えていただきたいと思います。そしてもしそれがあくまでもCOVID-19の対応を踏まえてということで、そこを想定しているということであれば、さらにその上を行くということもどこかで考えておかないと、診療報酬上も含めて、また大変な思いをしなければいけなくなるのではないかということがあったので、それについて御質問させていただきたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 今、池端委員から御質問をいただきましたが、事務局、いかがでしょうか。
○高宮参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当)
 医政局でございます。
 今、池端委員から御質問のあった件ですけれども、今回の感染症法に基づく新興感染症の医療提供体制については、新型コロナ対応で確保した最大規模の体制を目指すということとしております。その上で、新型コロナではない、想定を超えるというか、その想定しているものと大きく状況が異なるような感染症が起こったという場合には、国のほうでその判断を行って、機動的にまた別途の対応をするということとしております。
 以上です。
○小塩会長
 よろしいでしょうか。
 安藤委員、お手が挙がっておりますので、お願いいたします。
○安藤委員
 ありがとうございます。
 新型コロナウイルスという未曽有の感染症に医療関係者が一丸となって対応し、国民が安心して医療を受けられる体制を構築する上で、診療報酬上の様々な特例が果たしてきた役割は大変大きいものであると考えております。
 一方で、論点にもありますとおり、令和6年度診療報酬改定におきましては、今夏までの医療提供体制の状況等を検証しつつ、5類感染症としてのウィズコロナに向けた恒常的な感染症対応への見直しを進める必要があると考えております。
 また、16ページにありますとおり、流行初期医療確保措置は、診療報酬の上乗せや補助金等が充実するまでの一定期間に限って行われるものであることを踏まえれば、緊急時における機動的な対応も想定した報酬体系とする必要があるとも考えております。
 また、都道府県と医療機関との協定の締結につきましては、できるだけ早期に協議を開始していただき、改正法の施行がされる令和6年4月の時点でその体制が確保されるという安心感を国民に与えていただけるようにお願いしたいと思っております。
 また、抗菌薬につきましては、その適正な使用が来年度からの第4期医療費適正化計画基本方針でもうたわれておりまして、都道府県ごとの使用状況等、各種データに基づき、さらなる適正使用の推進を図るべきであると考えております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 私からは、3点意見を述べたいと思います。
 1点目は、今回、コロナ特例の見直しについては議論をしないということで、今後、コロナ特例の見直しの議論をするに当たっては、特例の算定状況や感染症の動向等、議論の素材となる資料、データを準備いただくよう、事務局にお願いいたします。
 2点目は、先ほど安藤委員からもお話がありました昨年の感染症法改正で流行初期医療確保措置が盛り込まれたことについてです。減収相当分を補填するということで、来年4月から施行される同措置の財源には、公費だけではなく保険料も充てられます。施行に先駆け、流行初期医療確保措置の協定を含め、協定締結医療機関数や都道府県での協議の進捗状況を把握し、同措置が実効性あるものとなるようにすべきと考えます。
 3点目ですが、89ページ、課題の3つ目で、「次の新興感染症の発生に備えるための第8次医療計画における協定の枠組みと現行の施設基準とは一致していない」とあります。この点は、今回の改正で整合性を図るべく検討を行うべきと考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
 ありがとうございます。
 私からも1点コメントをさせていただきたいと思います。
 前回改定におきまして、新興感染症等に対応できる医療提供体制の構築に向けて、外来感染対策向上加算が新設されたところであります。また、入院でも従来の感染対策防止加算から感染対策向上加算へと改めたところであります。これらは有事の際にも安心して医療機関を受診することができることを期待し、保険者も国民もその追加的な負担を受け入れたと考えております。
 その一方で、先ほど佐保委員からもありましたけれども、89ページの課題の3つ目の指摘にありますとおり、前回の改定後に法定化された第8次医療計画における協定の枠組みと現行の診療報酬の内容が必ずしも一致しないという点につきましては、今回の改定において整合性を図る等、何らかの対応をする必要があるのだと考えております。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず、総論として、感染症への対応につきましては、一般的な感染予防の取組から公衆衛生で対応するものまで幅広い視点で考える必要がございます。その中で、医療保険の世界の中で対応すべきものについて、より取り組むべきものがあれば、次回改定に向けて議論していくべきだと考えております。
 続きまして、資料の89ページにございます論点に沿って意見を申し上げます。
 まず、新興感染症への対応につきましては、第8次医療計画と整合した取組が必要であることは十分理解をしております。ただ、前回の改定においても、当時のコロナへの対応、並びにその後への変化等も勘案した上で、感染対策向上加算、外来感染対策向上加算、ICUに対する重症患者対応体制強化加算の新設やECMOの評価拡充など、既に評価の枠組みはかなり整備されたものと認識しております。
 都道府県と協定を提携する医療機関等に対する平時の評価につきましても、新興感染症の発生時の対応が要件とされている感染対策向上加算や外来感染対策向上加算で十分対応しているものと考えております。
 その上で確認でございますが、13ページに記載のあります協定締結医療機関が全部で約3,000施設、このうち約500機関が流行初期医療確保協定を締結するという想定が組まれておりますけれども、一方で、66ページに、感染対策向上加算の届出施設数並びに外来感染対策向上加算の届出施設数が出ておりますけれども、例えば66ページの真ん中のグラフを見ますと、感染対策向上加算の届出施設は約4,300に及んでおります。また、右のほうの棒グラフを見ますと、外来感染対策向上加算の届出施設は1万6000にまで及んでおります。
 まず、事務局への確認と質問でございますが、先ほど申し上げた13ページの施設数とこの各種加算の届出医療施設数、直接的には数字は関係がないのかもしれませんけれども、少なくとも届け出をしている施設は、平時有事問わず一定の役割を果たすべきものだと感じておりますけれども、それについての数字の関係並びに考え方を確認させていただきたいと思います。
 特に地域の感染対策で指導的な役割を評価する加算1の医療機関につきましては、69ページの真ん中のグラフを見ますと、現状では協力医療機関のところが僅かながらではありますけれども加算1の算定をしているのであれば、左側の重点医療機関に移っていただいて基幹的な役割を確実に担うことを要件化すべきではないかと考えております。
 一方で、平時においては加算を届け出た医療機関が積極的に院内感染対策や抗菌薬の適正使用に取り組むことで、安全で安心な医療が提供され、加算の納得感が高まることにも期待をしております。
 次に、恒常的な感染症対応策についても、同時改定の意見交換会で話題になりました。特に高齢者施設との連携が重要でございます。
 34ページ以降にありますとおり、有事に備えてふだんからの介護施設と医療機関の連携を十分に強化し、介護施設の入所者が急変した場合に可能な限り施設内で対応できるように、連携する医療機関が往診やオンライン診療によって外部から効率的に必要な医療を提供することも考えられると思います。
 次に、薬剤耐性対策ですけれども、51ページ、52ページを見ますと、アクションプランの成果指標が達成できていない状況が見てとれます。さらに54ページを見ますと、日本におけるAccess抗菌薬の割合は、他国と比較しますと極めて低い状況にあると言わざるを得ません。どういった場合に抗菌薬が処方されているかといった実態をしっかりと分析した上で、抗微生物薬適正使用の手引きを活用するなど、さらなる適正使用に向けた工夫が必要であり、場合によっては保険上の取扱いを規定することも選択肢となり得ると考えております。
 特に55ページを見ますと、診療所で抗菌薬の使用量が多い状況が続いております。
外来感染対策向上加算では、先ほど申し上げました抗微生物薬適正使用の手引きを参考にする取組が施設基準になっておりますので、抗菌薬の使用量などの成果を見ていく必要があるのではないかと考えます。
 最後に、サーベイランス強化加算についてでございますが、サーベイランスに参加していること自体を評価するのではなく、院内や地域での感染発生状況をモニタリングした結果、耐性菌がどれだけ減ったのかという実績を評価して、その状況について各医療機関が確認できるようにすべきであると考えます。
 私からは以上になります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 今、松本委員から感染対策向上加算の届出等に関して御質問がございましたが、それに対して事務局から回答していただけますでしょうか。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 松本委員からの御質問、病床確保につきまして、今回の法改正に基づく協定締結の目標として掲げられております流行初期医療確保協定の医療機関、500医療機関程度、そして協定締結医療機関が3,000という想定されているものと、それから、現在ございます感染対策向上加算の届出施設数との関係、また今後の考え方についてというお尋ねであったと承知をしてございます。
 まず、病床確保につきましては、令和4年度から類型変更までは、加算1については重点医療機関であること、加算2については重点医療機関または協力医療機関であることという要件に相当するものを想定して要件を設定してきたところでございます。御案内のとおり、先ほど御指摘いただきましたが、64ページ、66ページにございますとおり、1,200余りの施設が加算1、1,000余りが加算2を届け出ていただいているところでございます。
 こうしたことを考慮しますと、500機関が目標となっている流行初期医療確保協定の医療機関につきましては、恐らくこの中では現在加算1を届け出ていただいている中の一部が、まずは協定締結をされるということが想定されるのではないかと考えてございます。
 また、新型コロナ対応におきましては、加算1、加算2の届出を行っていない医療機関も、病床確保していただいた結果、合計としては約3,000の医療機関に御対応いただいたものと認識してございますので、コロナのときに設定をいたしました1、2、3というこの加算と、それから協定締結医療機関、これは今後結ばれていくものですけれども、現在のところ、コロナの課題のところにも私どもが示したとおり、必ずしも一致していない。ゆえに、整合性を図っていく必要があるという御指摘をいただいたものと認識をしてございます。
 その上で、病床確保の協定の中で、流行初期医療確保協定を締結する医療機関に求められる役割、あるいは協定の履行に向けて必要な具体的対応を踏まえて検討するものと認識をしてございますけれども、令和6年度改定に向けて、この点も含めて私どもは整理をして御提案をさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。
○小塩会長
 松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
 説明ありがとうございました。
 それを踏まえて1つ質問なのですけれども、例えば感染対策向上加算1を届け出ている施設が今、1,200以上あるわけですけれども、先ほどの協定機関が500としますと、それ以外の届出施設にはどういったことを期待されるかというのが、どういった形で記載なり担保されるのか、もし何か想定があれば教えていただきたいと思います。
○小塩会長
 事務局、いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
 現時点で具体的にそれを整理しているものではございません。本日の議論も踏まえまして、私ども、これは事務局、そして厚労省内で整合性を図るべく、調整、そしてまた御提案をさせていただきたいと思います。
○小塩会長
 よろしいでしょうか。
○松本委員
 ありがとうございました。
○小塩会長
 茂松委員、お手が挙がっておりますので、お願いいたします。
○茂松委員
 ありがとうございます。
 今回、重症医療機関、協力医療機関ということを言われますが、日本というのは本当に200床未満の小さい中小病院でこういう協力体制をできてきたというのは本当に病院の協力のおかげだと思っております。エレベーター一つ、CT一つの中でコロナを見ていけたという状態の中で、こういう医療体制をつくってきたという中で、本当にぎりぎりの中でこういう医療機関の体制をつくってきたということをまず御理解いただきたいと思います。
 その中で、今、重症医療機関、協力医療機関をこれだけ数を増やしてきたということには、我々は自負をしているところであります。本当に病院の関係者にお礼を申し上げたいと思うことが一つ。
 もう一つは、当初、特定の指定医療機関というのは、1,800床ぐらいしか日本はなかったわけです。それが本当に重症のウイルスの体制を対向して、入院から今、何万床というところまでつくってきたということで、そこに我々の医療関係者、本当に協力のおかげだと思っておりますし、今、実際、陰圧室を控えて、本当に第一線で感染症を引き受けられる指定医療機関、特定指定医療機関数がどれぐらいベッド数としてあるのか、今回のコロナの経験を受けてどれぐらい増えたのか、その辺の検証がしっかりされていないのではないかなと思っております。だから、そこをしっかりして、本当に致死率の高いウイルスが入ってきたときに、どこが患者さんを診ていけるのか、そこはしっかりつくらないといけない。
 その中で、今、締結医療機関500というのをつくっておりますが、この500でも、なかなかこういう致死率の高いウイルスを受けていけるかというと、厳しいのではないかなと思うのです。そこの検証をしっかりしていかないと、本当に致死率の高いウイルスが入ってきたときに、これで対応できるのか。
 先ほど池端先生が、異なったウイルスが入ってきたときにどうなるかという不安を感じるわけですけれども、その不安を解消するためには、指定感染症の受けられる陰圧室をつくって、きちんと感染症に耐えられるベッドが本当に日本にどれだけあるのかということをしっかりと検証することが本当は大事で、そこに対してどれだけの手当てをしていくか。これは日頃から感染症に対してどれだけの対応をしていくか、研修もあり、職員の教育もあり、そういうことをしっかりやっていかなければならない。それに対してどう我々は対処していくかということを考えていかなければならないのではないかと考えております。
 よろしくお願いしたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 先ほど長島委員から、木澤専門委員からも御意見を伺えればという御提案がございましたので、木澤専門委員、いかがでしょうか。お願いいたします。
○木澤専門委員
 ありがとうございます。
 2つ目の論点、恒常的な感染症対応についてですが、新型コロナウイルス感染拡大への対応で明らかになりましたとおり、高齢者施設や障害福祉施設等、地域での暮らしを支えている施設における感染管理を確実に実施することが、地域医療全体を守ることにつながります。専門性の高い人材を配置して、院内感染対策等に関する知見を持っている地域の医療機関が高齢者施設、障害福祉施設等に対して助言や支援を行う取組は、非常に重要なものです。
 スライドの70ページにもありますとおり、既に多くの施設での取組の実績があります。平時から連携し、支援を行い、施設側の看護職員との関係性を構築し、施設の内部の様子等を把握していたある施設では、クラスターが発生したときに、電話で相談を受けた早期の段階からゾーニングや職員の配置など感染対策の初動についての助言ができ、体制がすぐ整えられました。それにより、短い時間でクラスターが収束することができたという事例もございます。
 今後は、平時から地域における医療機関間の連携体制のみならず、医療機関と介護福祉施設等との連携、支援体制を構築し、感染防止対策及び感染発生時の対応ができるよう、今回の同時改定の機会に検討していくべきだと考えます。
 また、同時に、感染対策向上加算を届け出ていない病院における感染対策についても、マニュアルや抗菌薬適正使用等の体制が確保されつつあるようですが、より対策が進むよう、支援をしていただきたいと思います。
 私からは以上になります。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 飯塚委員がお手を挙げていらっしゃいますので、お願いいたします。
○飯塚委員
 ありがとうございます。飯塚です。
 論点の1つ目に関連して、少し事務局に質問です。
 資料の18ページと12ページに関連するのですが、18ページには感染症の発生時の医療人材の偏在、逼迫地域と逼迫していない地域の人材の調整をするかの議論がありまして、これは非常に重要な議論だと思います。
 一方で、第1波のときを思い起こしますと、病院と診療所の医療人材の偏在といいますかばらつきもあったのかなと思います。病院はかなり逼迫度が強く、診療所はもちろん忙しかったのですが、受診が減ったという状況だったと思います。
 今後は、この関係はどうなるか分からないのですけれども、病院と診療所間の医療人材の融通をする仕組みも大変重要だと理解しているのですが、この辺りは12ページにあります協定には含まれているのかどうなのか、その場合はどの程度診療所に御協力いただく予定なのか、もし分かりましたら教えていただければと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ただいま飯塚委員から御質問がありましたが、お答えできますでしょうか。事務局からお願いいたします。
○高宮参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当)
 医政局の医療提供体制改革担当参事官でございます。
 今、飯塚委員から御質問がございました医療人材の派遣、調整でございます。資料の18ページに書いていますとおり、今回の感染症法あるいは医療法の改正の中で、医療人材の派遣、調整をする仕組みを新たに設けています。その中には、協定を締結してという中で、その協定の一事項として人材の派遣というものも位置づけてございますので、診療所も含めて人材派遣の応援に協力いただける医療機関については、その協定の中でこの項目を位置づけて、実際の新興感染症が発生したときには、その協定に沿った対応をいただくというようなことを想定しております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 飯塚委員、よろしいですか。
○飯塚委員
 そうしましたら、ここは地域の話だけをしているように見えますが、そうではなくて、診療機関の中と病院の間とのものも含まれているという理解でよろしいわけですね。
○高宮参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当)
 医政局でございます。
 おっしゃるとおりです。医療機関間の人材の応援派遣というものも含めて想定をしております。
○飯塚委員
 分かりました。
 これも派遣される医療機関は特に小さな診療所にやっていただくということも想定にあるのかと思いますが、それは非常に負担になるので、そういったところをどうやっていただくかということも考えていく必要があるかと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに。
 松本委員からお願いします。
○松本委員
 追加で1つ質問がございます。
 6ページにありますように、感染症法の改正については来年の4月1日が施行期日になっております。そこに定められております、先ほど来話題になっております都道府県と医療機関の協定なのですけれども、これの進行状況というか状況、先ほど佐保委員からもあったと思うのですけれども、どういう場でこれが確認とかモニタリングできるのか、あるいはどこかの審議会等で御報告いただくことになるのか、それについて決まっておれば教えていただきたいと思います。
○小塩会長
 事務局、いかがでしょうか。
○高宮参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当)
 医政局でございます。
 都道府県と医療機関の協定の締結の作業の状況でございますが、今現在、国のほうでまず協定締結に関するガイドラインをお示ししています。それに沿いまして、都道府県のほうで今、各医療機関でどのようなことが対応できるかという調査を行っていただいているところです。その調査も踏まえて、都道府県のほうで医療機関との調整を丁寧に行っていただいて、また都道府県の医療審議会というようなものもございますので、そちらのほうでも御議論いただいて、予防計画、医療計画の策定、それから協定の締結を行っていただくこととしています。
○小塩会長
 松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
 ありがとうございました。
 そうすると、協定締結医療機関というのはどういったところで確認できるということになるのでしょうか。
○小塩会長
 事務局、いかがでしょうか。
○高宮参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当)
 医政局の参事官でございます。
 協定締結の内容につきましては、感染症法上、都道府県が公表することとなってございますので、その公表した内容で一般の方も確認ができるということになります。
○小塩会長
 よろしいでしょうか。
○松本委員
 ありがとうございました。
○小塩会長
 ほかに御質問等ございますでしょうか。
 安川委員、お願いいたします。
○安川委員
 ありがとうございます。
 私のほうからは質問ということではなくて、出ております意見を伺っていて、感想に近いコメントを1点だけ述べさせていただきます。
 先ほど木澤専門委員のほうからも、病院、医療機関における例えば看護職の役割というものを御紹介いただきましたけれども、感染症対策というのは特に緊急性を要するものだと思いますから、医療機関の中にいて、感染対策について熟知している人材を施設が極力囲い込まないような仕組みをつくらなければいけないなというのを聞いていて感じました。
 例えば感染症の専門看護師のような人たちがいる医療機関が、その感染の看護師さんを他施設に安心してというか積極的に派遣できるような仕組みといったものを、今までは施設の努力や施設の善意みたいなもので行っているケースがどうしても多かったのだと思いますが、これを何らかの仕組みで診療報酬を使うのか、あるいはこういった協定という形を使うのかは別として、地域、コミュニティーという単位でその人材を活用できるような仕掛けはつくっておかなければいけないなというのを強く感じましたので、その辺り、この制度設計の際に全体的な方向性として考えていく必要があるかなというのを思いましたので、一言述べさせていただきました。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 非常にたくさんの御質問、御意見を頂戴したのですけれども、ほかに。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 今の安川委員のコメントに関してですけれども、私どももそれはすごく大事だと思っています。ただ、感染対策向上加算1、2、3それぞれについて、何らかの携を取ってカンファレンスをやることが義務づけられています。これが各地域でいま活発に動き始めていて、ここで病病、病診のそれぞれ感染対策を担う看護師さんたちを含めた多職種が話合いをして、それぞれの医療機関のレベルを上げているということが結構動いているので、それを広めていくことで安川委員がおっしゃっていることが少しずつ広がっていると感じています。私は診療報酬でこの点を入れていただのは非常に有効ではないかと思っていますし、さらに経過を見ていければと思っています。
 以上です。
○小塩会長
 茂松委員、お願いいたします。
○茂松委員
 今のことに追加しまして、日本医師会、また都道府県の医師会におきましても、医師、看護師さんとのセットで感染症に対する対策の実習、研修を行っております。そういうことをしながら、少しでもこの感染に対応できるように体制を整えているということを追加させていただきたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほか、よろしいでしょうか。
 それでは、ほかに御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りといたします。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見を踏まえて、引き続き対応していただくようにお願いいたします。
 続きまして、次の議題に移ります。「調剤について(その1)」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 資料総-3を御覧ください。調剤についてということで、本日の資料は調剤報酬関連の資料を一通り準備していますので大部になっておりますが、簡潔に説明したいと思います。
 まず、2ページ目「1.薬局、薬剤師を取り巻く状況」でございます。
 3ページ目、薬局の情報で、令和3年の薬局数は6.2万、同一法人の薬局の店舗数については20店舗以上は増加傾向となっております。
 4ページ目は薬剤師数についてで、令和2年末の全体は32.1万人、そのうち薬局薬剤師は18.9万人でございます。
 5ページ目は処方箋受取率の関連で、処方箋枚数はコロナで減少してから回復傾向となって、直近では7.7億枚、処方箋受取率は75.3%でございます。
 6ページ目、薬局当たりの薬剤師人数は平均で2.7人、処方箋枚数は1か月当たり1,600枚を超えており、毎年の調査の中で増加傾向となっております。
 7ページ目は、薬剤師・薬局関連の動きについて、「患者のために薬局ビジョン」策定以降、様々な動きが出ているのでまとめているものでございます。薬局関連のほかに病院、あとは薬剤師の確保といったところを書いております。
 8ページ目、薬機法改正で令和2年に薬局の定義が改正されて、調剤を行う場所から情報提供や薬学的知見に基づく指導を行う場所であることが明記されております。また、薬局開設者の責務として、医療提供施設の医師等への情報提供や医薬品の安定的な供給を行うことが明記されております。
 9ページ目、10ページ目は、「患者のための薬局ビジョン」の関連資料、11ページ目、12ページ目は、かかりつけ薬剤師・薬局の考え方、必要となる患者像の資料でございます。
 13ページ目からは、厚労省の中の薬剤師に関する検討会で、薬局に関して今後のあるべき姿がまとめられております。13ページ目では、対人業務のシフトや多職種との連携、次の14ページ目はICTの活用とか、調剤業務に限ることはあるべき姿ではないこと、あるいは薬局は小規模のところもあるので、地域で連携して取り組むこと、そういったことが示されております。
 15ページ目は、処方箋を持たなくても、住民がアクセスできるような業務を行うべきということが示されております。
 16ページ目は、令和4年7月に公表された薬局薬剤師のワーキンググループのまとめでございますが、同様の記載がございます。
 17ページ目、18ページ目は、薬機法関連の対応として、健康サポート薬局や認定薬局に関する内容でございます。
 19ページ目から、参考として薬剤師確保関連でございます。19ページ目は令和3年に公表した薬剤師需給推計で、将来的には薬剤師は過剰になると推計していますが、現時点で薬剤師の地域偏在があり、特に病院を中心として不足感がある現状ということが示されております。
 20ページ目は、偏在解消も含めて、来年度の第8次医療計画では、薬剤師確保に関することを具体的に盛り込むこととなっております。
 21ページ目から23ページ目は、確保の検討を進めるために、厚労省のほうで薬剤師の偏在指標を作成して、示しておるところでございまして、それを基に、24ページ目、25ページ目のように、都道府県では薬剤師確保計画を本年度策定して、来年度から偏在対策を開始するといったことをしております。
 26ページ目は参考ですが、薬剤師確保の予算事業で、薬剤師の給与に関する調査を行っていますので、その結果をまとめたものでございます。
 次に、28ページ目から、「2.調剤医療費」でございます。
 調剤医療費全体としては約7.7兆円で、そのうち4分の1が技術料となっており、約2.0兆円でございます。
 29ページは令和4年度の改定でございますが、調剤報酬の評価体系を見直して、特に調剤料の考え方を変えたものでございます。
 30ページ目は技術料の内訳になるのですが、評価体系を見直したことにより、直接の比較が直近ではできなくなっておりますが、現在の推移ということでございます。
 31ページ目は、技術料の割合の年次推移でございます。薬学管理料が患者に対する対人業務に関する内容なので、これをいかに増加させるかということがありましたが、今、直接比較はできないですが、現在このような状況になっているというものでございます。
 32ページからは「3.調剤に係る診療報酬上の評価」ということで、33ページ目が1の「調剤料の見直し」でございます。
 34ページが、今の見直しの経緯でございます。あと、その次の35ページ目が年次推移で、評価体系を同じように見直しているので、令和4年は薬剤調製料としてのデータとしてつけております。
 36ページ目は調剤日数別の推移なのですが、令和4年の改定で薬剤調製料は日数によらず1剤当たりの点数なのでこういう推移になっております。
 37ページ目、薬学管理料として新設された調剤管理料、これは日数の区分なのでその割合ですが、調剤日数が多いほど多く算定されているという状況でございます。
 38ページは、調剤管理料の加算で6種類以上の薬剤で算定できる調剤管理加算の割合でございます。全体的に要件も厳しいこともあって算定回数は少ないですか、75歳以上の患者さんで多く算定されている。これは右下にある薬剤数の増加に相関がある関係になっております。
 40ページ目からが、2で「服薬指導に関する評価」でございます。
 41ページ目は全体像、42ページ目は医療機関と薬局のやり取りに関連する評価の概要でございます。
 43、44が経緯でございます。
 45ページ目が服薬管理指導料の算定状況ですが、同一の薬局を3か月以内に利用しているのが約8割を占めております。右側は特別養護老人ホームに訪問した場合の件数ということで示しております。
 46ページ目は、オンライン服薬指導の算定状況でございます。
 47ページ目は、ハイリスク薬に関する服薬指導を評価する加算の算定状況でございます。
 48ページ目は、患者が来局した後、服用期間中に行う継続的服薬指導、いわゆるフォローアップということでございまして、薬局薬剤師のワーキンググループの報告書の中でも、今後より充実させていくべき業務とされているところでございます。
 49ページ目は実施状況ですが、特に新しい薬剤が追加された場合に実施しており、電話で対応する場合が多いという状況でございます。
 50ページは患者の調査ですけれども、こういったフォローアップを受けることで、不安の解消や意識の高まりなどメリットがあったという意見が出ております。
 51ページ目は、継続的服薬指導も含めて評価している点数の算定状況ですが、令和2年度に新設されたもので件数がどれも少ないですが、増加傾向ということになっております。
 52ページ目、継続的服薬指導の考え方は、日本薬剤師会でも実施に関する手引きの作成をしているのですが、これをより効果的に実施するために、昨年度実施された厚生労働科学研究で考え方がまとめられております。必要がある患者像、実施の際の確認事項、確認後に実施すべきこと、そういったことをまとめているものでございます。
 53ページ目には、具体的な疾患別にどういうフォローアップを行うか事例をまとめておりますので、その一部を紹介しております。
 54ページ目は研究班で収集したフォローアップ事例ですが、副作用を発見して処方変更につながった、副作用以外でも処方変更になるような事案の対応を行うことで、薬剤師が早期に加入した効果がある結果が集まっているという状況でございます。
 55ページ目からは令和4年度に新設された医療的ケア児の服薬指導の評価です。56ページに算定実態がありますが、在宅での割合が多くなっているというものでございます。
 57ページも令和4年度に新設された評価でございますが、一包化業務自体ではなく、一包化を伴う服薬管理支援を評価した点数がございます。これはこれまでと同様の傾向で、全体からいくと4分の1で算定されているというものでございます。
 58ページ目は、それを年齢別の推移にしますと、75歳以上の中では半数以上で算定されているという状況でございます。
 59ページ目からが認知症関連の服薬支援、管理指導の必要性に関して、5月まで行った意見交換会での資料を61ページ目まで示しているものでございます。
 62ページ目は、服薬指導で用いる情報提供文書でございまして、63ページ目のような、より詳細な資材もございます。新薬といったものは、医薬品リスク管理計画に基づいて、副作用とかの説明資料を企業が準備しているケースもありますので、こういったことも活用することで、質の高い指導を実現するというところでやっているものでございます。
 64ページ目は、服薬指導を行ったことに関する記録に関してでございます。令和元年の法改正の中で薬剤師法が改正されて、医師の診療録に当たるものが薬剤師では調剤録がありますが、調剤録には調剤に関する事項に加えて服薬指導に関する内容を記載することが義務づけられました。また、こういった運用が65ページのように現在の薬剤服用歴、いわゆる薬歴の中の記載でも可能としているものでございます。
 66ページ目は、調剤報酬の中で薬歴の記載事項ということで、こちらに掲げているものを記載するということが規定されております。
 67ページ目が、個別の指導料や加算においても、こういった薬歴の記載や文書の保存といったものが義務づけられているというものでございます。
 68ページ目、こういった薬歴の記載については、薬剤師の中の業務の多くを占めておりまして、タイムスタディーの中でも平均すると毎日1時間半ぐらいは要するという結果がございます。
 69ページ目の別の調査でも、1件当たり平均すると最短で3分、最長でも13分超かかるという結果もありますので、この調査自体の薬剤師数とか処方箋枚数から計算すると、薬歴の記載を1日最短で処理しても1時間は超えるということになっております。
 70ページ目は残業時間の調査ですが、1週間で薬歴記載のために残業する薬剤師が全体の3割弱いるといったデータでございます。
 関連しますが、71ページ目は供給問題、これは昨年12月に示した中医協の資料でございますが、そういった中で様々な業務負担が安定供給の関係でも増えている状況の中で、こういったようなことになっているというものでございます。
 72ページ目からが、3で「かかりつけ薬剤師に関する評価」でございます。
 73ページ目は経緯、74ページ目はかかりつけ薬剤師・薬局に求められる役割の指摘でございます。
 75ページ目が算定状況でございまして、令和4年度、かかりつけ薬剤師以外の薬剤師でも算定できる特例が設けられましたが、右側に書いております。指導料全体の中でも2%程度の算定状況でございました。
 76ページ目は年齢別のかかりつけ薬剤指導料の算定割合ですが、小児、高齢者であれば、かかりつけの算定割合が多くなっており、年々増えているという状況でございます。
 77ページ目は患者の調査で、34%程度かかりつけ薬剤師がいるということで、受けたサービスの結果やよかった点、そういったところを示しているものでございます。
 78ページ目は届出をしていない理由ということで、一番多かったのが、夜間・休日対応が支障になっているという割合が多かったという結果でございます。
 79ページ目は4で「重複投薬・多剤投与、残薬解消等に関する評価」でございます。
 80ページ目は経緯、81ページ目は、医師に対して疑義照会をして処方変更された、そういったことを評価している重複投薬・相互作用防止加算の算定割合、次の82ページ目は、少し前の調査になりますが、具体的な疑義照会でどういったことを照会して行ったかという調査結果でございます。
 83ページ目、残薬対応した外来服薬支援料1の算定とか、薬を減らすという服用薬剤調整支援料の算定回数で、算定回数自体はまだ少ないものの増加傾向という状況になっております。
 84ページ目からは5で「医療機関等への情報提供、連携等に関する評価」でございます。
 85ページ目は経緯、86ページ目は情報提供を行った評価である服薬情報等提供料の算定状況です。特に提供料の2については、令和3年から急増している状況でございまして、医療機関等への情報提供が増加している結果になっているものでございます。
 87ページ目は、情報提供の項目であるフォーマットを定めて活用している地域もありまして、これは広島県の事例でございます。
 88ページ目は、医療機関の薬剤師に関する調査でございまして、情報提供を薬局から受けたものと希望する情報の割合ということで書いておりますが、一部割合の比率が異なるものもありますので、相手方が希望する情報を提供するということは、連携する上で重要な課題と認識しているところでございます。
 89ページ目は、患者の退院時の薬局の関わり方でございますが、退院時カンファレンスの参加自体は全体としては今、7.8%、1割に満たない状況でございますけれども、医療機関との連携のためには、退院時に関わるということが課題となっております。
 90ページ目のように、令和4年度の改定でビデオ通話での対応も可能になったので、それにより参加しやすくなったという薬局も増えているという状況でございます。
 91ページ目は医療機関側の調査ですが、退院をして在宅に移行するときに、薬局で扱っている医薬品の情報が分からないという結果とか、あと病院側が提供しているのは入院中の使用薬剤を示したいわゆる薬剤管理サマリー、そういったものが多いという結果でございます。
 92ページ目は、連携の一つとして処方箋問合せの簡素化のために、一定の範囲で疑義照会なく薬局側で調剤時に変更していいことを取決めしている事例もあって、これは医師と薬剤師双方の負担軽減につながっているということが、この薬局のワーキングでも指摘されているというものでございます。
 93ページ目が大阪府の豊能・三島地区における事例でございます。
 94ページ目は医療機関内の中の取組ですけれども、薬局からの照会を薬剤部の判断で対応できる取組で、今、医薬品の供給不足に対する問合せが非常に多くなっており、この病院は10倍に増えていますが、こういったプロトコルで問合せに対する時間が減少したというものでございます。
 95ページ目、最後、6で「薬局の体制に関する評価」でございます。
 96ページ目が体制評価の考え方、97ページ目は経緯、98ページ目は前回の見直しの資料でございます。
 その結果、99ページのとおり、基本料の構成比がありますけれども、新設された300店舗以上に対する調剤基本料3の薬局数が15%を占めており、調剤基本料1の薬局は70%程度に減少しているというものでございます。
 次に、100ページ目は地域支援体制加算の見直しの資料でございます。
 101ページ、その結果、算定状況でございますが、今、全体としては4割弱で算定しております。また、基本料別では、調剤基本料1の算定薬局では4割強、それ以外の薬では約3割で加算を算定しているという状況でございます。
 102ページ目、関連して医薬品の備蓄品目の数でございますが、医療用医薬品は地域支援体制加算を算定している薬局のほうが算定していない薬局より品目数が多いという結果でございます。OTC、いわゆる市販薬に関しては、100品目以上備蓄している薬局もあれば、20品目以下というところも4割弱、全く置いていないってところも8%存在するというものでございます。
 103ページは無菌調製の実施状況でございますが、特に麻薬関連の算定回数が増加しているというものでございます。
 104ページ目は在宅(その1)で示した資料ですが、104~106は麻薬の管理に関して、107ページ目は医療材料に関する状況ということで資料をつけております。
 108ページ目、いわゆる敷地内薬局に関してですが、こちらの経緯そのものは、医薬分業が進み出した頃の第二薬局の問題から、医療機関との独立性に係る規定が設けられて、それを経て平成28年には構造設備の緩和ということで、いわゆるフェンス規制が廃止されて、それ以降、敷地内に開設する薬局の基本料の設定等がされているという状況でございます。
 109ページ目と110ページ目は、検討会やワーキングの中で、敷地内薬局の機能に対する指摘や懸念等が示されております。
 111ページ目ですけれども、医療機関の敷地内に薬局を開設する場合は、医療機関が公募することになりますが、その要件の例を示したものでございます。薬局の機能に関するもののほか、それ以外の要求もあったりして、レストラン、カフェなど、医療機関の設備を設けることを要求されている例もあるというものでございます。
 112ページ目は、敷地内の薬局の機能に関して、厚生局の届出データからの解析では、処方箋受付回数が多くて、備蓄品目数やかかりつけ薬剤指導料の届出上は同程度ですが、地域性体制加算の割合は少ないということで、全体と比較したらそういった状況だったというものでございます。
 113ページ目は、医療機関の薬剤部の調査でございますが、敷地内薬局があると回答している医療機関において、その薬局と連携している事項が何かあるかということを質問したところ、右側にグラフありますが、連携項目は少なく、半数以上は連携していないという回答でありました。母数自体が少ないデータではありますが、医療機関側からは、連携していると認識されていない割合も大きくなっているという結果でございます。
 114ページは、敷地内に開設するイメージ図ですけれども、当初の措置は、左のように、いわゆるフェンス規制を廃止して、敷地内の中で医療機関と薬局が行き来できるようにしたというものでございますが、今では例えば右のような薬局もあったり、公道を利用する住民からは識別しにくかったり、あと処方箋以外の内容ではなかなか利用しにくい地理的状況になっているというものでございます。
 115ページ目は、先ほど感染症(その1)でもありましたが、薬局に関しては連携強化加算があり、116ページ目は医療計画の中での感染症関連の記載もあります。
 117ページ目、感染症(その1)で示した資料とは別のデータになりますが、連携強化加算を算定している薬局のほうが、コロナ治療薬や検査キットを取り扱っている割合が多くなっているというものでございます。
 118ページ目からが後発医薬品の関連で、後発医薬品自体は薬局だけに関係するものでもありませんので、別途議論する機会を設けたいと思っていますが、今回は薬局の状況のみデータを示しております。
 119、120ページ目は経緯、121ページは現在の算定状況でございます。
 長くなりましたけれども、122、123で課題と論点をまとめております。課題はこれまでの資料の概要を記載しておりますので、論点だけ説明いたします。
 123ページ目、論点を3つ示しております。
 1つ目、薬局・薬剤師が、対物中心の業務から患者・住民との関わりの度合いの高い対人業務へとシフトすることにより、患者・住民の薬物療法や健康維持・増進の支援に一層取り組む観点から、最近の診療報酬の各種算定状況も踏まえ、調剤報酬における評価の在り方について、どのように考えるか。
 2つ目、かかりつけ薬剤師・薬局の取組の促進、多剤・重複投薬への取組、在宅の対応など、薬剤師が他職種と連携しつつ専門性を発揮して質の高い薬物療法を提供するために必要な対応に係る評価について、どのように考えるか。
 3つ目、薬局は立地に依存するのではなく、患者・住民のニーズに対応する機能を果たしつつ、地域における医薬品の供給拠点としての役割を発揮するため、周囲の薬局との連携も含め、薬局の体制に係る評価についてどのように考えるかということでございます。
 説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。
 森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。少しお時間をいただきます。
 まずは調剤報酬改定に向けた全体的な認識を述べさせていただきたいと思います。
 現状、薬局は地域の医薬品の供給拠点として、必要とする人に必要な医薬品を適時適切、過不足なく提供し、安全・安心な薬物治療を実施、セルフケア、セルフメディケーションの支援などの役割を有しています。
 そのため、地域に必要な医薬品を備蓄・管理するとともに、患者さんの医薬品使用情報、生活情報等の患者情報を収集・蓄積しており、患者さんに対応する際には、最新の医薬品情報とこれまで蓄積した患者情報を薬剤師が評価・分析して、個々の患者さんの状態に適した薬剤師サービスを提供しています。これらのことを地域包括ケアシステムの中で、かかりつけ医をはじめとする多職種や様々な関係施設等々連携して実施しているところです。
 次回改定は、介護報酬との同時改定でもありますので、薬局の体制の充実やかかりつけ機能の強化、それらを通じた質の高い薬学的管理や指導、医療・介護の関係者や関係施設等との連携などが今以上に進むような方策が必要と考えます。
 その上で、論点に沿って幾つかコメントさせていただきます。
 1つ目のポツですが、対物業務については、医薬品の特性、製剤特性等に基づく業務で、薬剤師固有の重要な業務の一つとなります。その対物業務を基盤とした上で、対人業務のさらなる充実を目指していくことになります。
 対人業務においては、患者さんの服薬状況等を一元的・継続的な把握を行い、それらに基づく質の高い薬学的管理や指導実施、多剤・重複投薬、相互作用の防止、残薬解消、服薬状況の改善、副作用や重症化予防等への対応を適切に行いつつ、医療安全の確保や医療の質向上に貢献しています。今後、具体的な検討を行う上で、これらの視点が重要なポイントと考えます。
 各種算定状況については、重要な取組なのでしっかり進めていく必要があると考えますが、算定回数があまり伸びていないものについては、算定に当たりどのようなことが影響しているのかを丁寧に分析しつつ、業務の質を落とさない形でこれらの取組がより進むように見直していくべきと考えます。
 2つ目のポツですが、先ほどの全体的な認識でも述べたように、薬局の体制の充実やかかりつけ機能の強化、それらを通じた質の高い薬学的管理や指導、かかりつけ医をはじめとする多職種や様々な関係施設等との連携などが今以上に進むような推進策が必要と考えます。
 具体的には、本日示された算定状況等を踏まえて、連携等が進む方策が必要ですし、在宅の議論の際に申し上げましたが、在宅や施設等への対応について、各施設類型における課題への対応が必要と考えます。
 このような業務に取り組むに当たっては、資料で示されている薬剤服用歴等の記録やかかりつけ薬剤師の在り方についても合理的な業務が行えるよう、薬剤師の働き方を意識した整理も必要と考えます。また、医療的ケア児を含む小児特定疾患や認知症の方に対する対応についても適切な取組が進むよう、具体的な検討を進めていくべきと考えます。
 また、医師との連携という点では、高齢化が進展する中、多剤・重複投薬に関する取組については重要で、薬学的な疑義照会は疑義照会のうち8割を超えていることや、残薬解消の取組や一包化を伴う服薬支援は全体の4分の1で実施され、75歳以上では半分以上と、今後の具体的な議論においては、現場の取組をさらに進めていくために、かかりつけ医機能の強化の方向で検討できればと思っております。
 3つ目のポツですが、薬局の体制については、「患者のための薬局ビジョン」でも論点のことが示されていますが、立地に依存するのではなく、地域住民に対して必要な機能を有していくことが重要です。
 その中で、調剤基本料については、医療経済実態調査等のデータを踏まえて検討していくものと考えますし、都市部と地方では医療機関の数も異なり、処方箋枚数と集中率とともに、地域の医療資源の状況も踏まえた対応が必要と考えます。地域支援体制加算については、引き続き体制や機能が充実している薬局においては、必要な取組が推進されるような形で評価していくべきと考えます。
 また、麻薬の備蓄体制についてですが、在宅対応を中心として、緩和ケアに対応するために、様々な規格や剤形などの麻薬を管理・備蓄しておく必要があり、取り扱う薬局において大きな負担となっています。麻薬以外でも、医療材料の備蓄等の準備も必要となりますし、医薬品等の供給拠点としての役割を果たせるような評価も重要と考えます。
 1つの薬局で完結することには限界があり、医薬品や医療材料の供給問題への対応も含め、地域の薬局と連携した体制を整備し、それを地域の関係者や行政が把握できるようにする取組も進めていく視点も必要と考えます。
 地域で医薬品提供体制を支えていくということについては、前回の在宅医療に関する議論の際にも申したとおり、夜間・休日の対応も同様であり、地域の薬局で連携をし、地域としてどのように体制を整備しているかを分かりやすく示していくことも必要だと考えます。
 敷地内薬局については、令和4年度の改定でも対応しましたが、業界誌等の報道によるとその後も増加しており、111枚目の丸の3つ目にあるように、医療機関の施設建設などを条件とするなど、不適切な募集が続いています。適切な医薬分業のためには、保険薬局は保険医療機関から経済的・構造的・機能的に独立していることが不可欠と考えますし、地域包括ケアシステムの構築を進めている中で、敷地内薬局はそのような立地で開局する薬局開設者の姿勢としても、国の目指す姿に逆行するものです。敷地内薬局については、さらなる強い対応が不可欠です。
 先ほどの感染症の議題でも触れましたが、連携強化加算は行政等と連携し地域医療に貢献するということや、感染対策に積極的に取り組んでいることを評価するもので、コロナ対応でも、この加算を算定している薬局が行政側からも責任を持って対応できる薬局と認識されたものであり、今後の地域包括ケアシステムの中で非常に重要な役割を担うことになります。この加算は、多くの薬局が取り組めるよう推進していくべきものと考えます。
 最後に、後発医薬品の使用促進についてですが、この長期にわたる医薬品の供給問題の影響により、製薬企業や卸の関係者も含め、医療現場は本当に疲弊をしております。私の薬局でも、この対応のために、医薬品の確保、在庫管理、医師への問合せ、患者への説明、不足した医薬品の届けなどに追われています。地域の医師と連携して、処方内容の調整や処方日数を短くするといった対応も行わないといけない状況です。先日もまた大量の出荷停止が行われました。連日、様々な品目が出荷調整になっており、日々不安になっています。
 本日は、調剤としての議論ですが、薬価専門部会でも、今後、後発医薬品の薬価に関する議論が行われると思いますし、総会でも、後発医薬品や安定供給の課題は別途議論されるものと認識しています。これ以上現場に混乱を与えない形で、厚生労働省の担当部局においては、解決に向けたさらなる対応をお願いしたいところですし、対応の検討に当たっては、医師会、歯科医師会、薬剤師会などの関係者と密な連携をお願いいたします。
 私からは以上です。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、次に長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 まずは総論です。
 薬局につきましては、地域に根差しているのか、しっかり地域において連携が図れているのか、24時間対応しているのかという点を評価していくべきと考えております。資料の20ページ以降に薬剤師の偏在や給与の違いなどの資料が示されておりますが、偏在は、地域偏在もさることながら、病院と薬局における偏在のほうがより大きな問題であると考えます。
 ここでこういった資料を提出いただいていることを踏まえますと、調剤財源において適切に対人業務へのシフトを行っていくと同時に、薬剤師の評価については、調剤全体、薬剤師政策全体の観点から検討を深めていくべきと考えます。
 その上で、課題と論点に沿ってコメントいたします。
 まずは医療機関と薬局の連携等についてです。
 医療機関と薬局の連携が進んでいることは、評価できる点だと思います。連携は点と点ではなく、面での連携に広がるような制度であるべきと考えます。医療機関については、サイバーセキュリティー対策に取り組みつつ、医療提供における適切なICTの活用を引き続き進める必要があります。
 14ページにある薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会で指摘されているとおり、薬局においてもICTの活用をセキュリティーに十分配慮しながら進める必要があります。ビデオ通話で医療機関との会議、研修に参加することなど、小規模薬局でも実施可能なことはあると思いますので、引き続き推進をお願いします。
 また、88ページの資料によると、医療機関が希望する情報と薬局が提供する情報で差が大きなところがある。例えば残薬が発生してしまった理由などがあるということ。
 また、91ページの資料によると、退院、在宅移行時に、医療機関では希少疾病医薬品、無菌製剤処理について対応可能な薬局の把握は困難との回答が5割以上ということで、医療機関のニーズとのギャップがあるということが判明しておりますので、今後、医療機関と薬局の連携を進める上では、医療機関のニーズをきちんと把握していただいて、ギャップをしっかり埋めていただくことが非常に重要だろうと考えております。
 続いて、薬局の体制に関する評価についてです。
 前回改定で調剤報酬の体系を大きく変えたばかりで、新しい体系を踏まえた分析と評価が次期改定に向けて十分に行えるのかが鍵になると理解しております。事務局におかれましては、そのために必要な資料の用意をお願いします。
 様々な医薬品に対応できなければ、薬局の存在意義自体が疑われてしまいます。必要な薬剤を保管・管理できるような設備が必要です。過去に薬剤師会委員より、小規模薬局で地域に密着している薬局は、在庫数は自然に多くなるとの発言もございましたが、ここについては今も変わりないものと認識しております。
 最後に1点、事務局に質問させていただきます。3ページのグラフを見ますと、薬局の業態変化が見られます。右側のグラフの数字から計算しますと、2~5店舗の法人が令和元年では370法人ほどであったのですが、令和3年では一気におよそ200法人まで減少し、一方、20店舗以上の法人が増えているようです。医療機関ではここまで急激な業態変化はありません。薬局を所管する医薬・生活衛生局の方針によるのかもしれませんが、今後もこのような傾向が続くのかどうか教えてください。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 今、長島委員から薬局の業態変化についての御質問がございました。事務局、いかがでしょうか。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 3ページ目の店舗数のそういったところにつきまして、今後の状況がどうなるかというところまでは事務局としても予測は難しい状況でございます。ただ、一方で、こういった形で医療経済実態調査や、あるいは各種調査の中でも、どのくらい1法人、グループの中で店舗を設けているかというところも聞きながら調査しているところもありますので、実際にこういったことを議論する上では、こういう店舗の実態も踏まえながら、データもお示しして対応していくことが必要かと思っているところでございます。
 回答になっているかどうか分かりませんけれども、以上でございます。
 長島委員、よろしいでしょうか。
○長島委員
 このような業態変化というのは、保険医療の在り方にも影響し得るものですので、きちんと検討をお願いしたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに御質問はいかがでしょうか。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 最初に総論といたしまして、次回改定は、9ページにも示されております平成27年に厚生労働省が策定いたしました「患者のための薬局ビジョン」において、全ての薬局をかかりつけ薬局とするとされた2025年を目前に控えていることを十分意識して、かかりつけ薬剤師を中心に、薬局の機能をより一層高めることが重要だろうということを指摘させていただきます。
 続きまして、123ページの論点に沿って意見を申し上げます。
 まず、対物業務から対人業務へのシフトにつきましては、前回改定で評価体系を見直しましたけれども、個人的な印象ではございますが、今回の資料を見る限り、薬局の実態が期待どおり変わったとはなかなか受け取れないものだろうと感じております。次回改定では、薬学的管理指導がより充実するような見直しが重要だということを強調させていただきたいと思います。
 具体的には、資料の38ページを見ますと、複数の医療機関を受診し、6種類以上の内服薬を使用している患者を対象とする調剤管理加算が高齢者で多く算定されておりますけれども、前回改定で支払い側のほうからは、ポリファーマシーの是正に逆行するのではないかという指摘をした経緯もございます。
 次の39ページを見ますと、6種類以上の患者に処方提案が多く実施されているということでございますが、この加算の有無により処方提案に差がないか、しっかり検証する必要があると感じております。
 また、調剤や患者と直接対面する業務ではなく、書類の作成に時間がかかっているというデータが68ページ以降に紹介されておりますけれども、これはある意味、基本的な業務であり、このために対人業務に時間が割けないとはならないと感じますし、これを調剤報酬で考慮するということにもなり得ないと思いますので、これにつきましては業務の効率化等を図っていただいて対応していただきたいと思います。
 一方で、薬剤師による調剤後のフォローアップについて、50ページの資料を見ますと、18%の患者が実施され、患者からも不安の解消や意識の向上といった前向きな回答が出ております。48ページにありますとおり、必要な患者にしっかりとフォローアップが行われるように、引き続き取り組んでいきたいと思います。
 続きまして、論点の2つ目についてコメントいたします。
 かかりつけ薬剤師指導料については、薬局の6割が届出を行っているということですけれども、冒頭に申し上げました薬局ビジョンを踏まえれば、さらなる推進が期待されております。
 ただ、資料の78ページを見ますと、届出をしていない理由として、夜間・休日の相談体制が取れないということが示されております。休日・夜間対応につきましては、かかりつけ医と同様に極めて重要な機能でもありますので、要件の緩和はあり得ないとコメントいたします。
 次に、重複投薬・多剤投与や残薬解消の取組については、電子処方箋の導入による自動チェックで重複投薬の確認が効率化されることを踏まえれば、調剤報酬による評価の在り方を見直す余地があるものと考えます。
 次に、88ページを見ますと、医療機関が薬局に希望する情報と薬局から医療機関に提供される情報に差があることが分かっております。医療機関の期待に応えて、薬局からもっと積極的に処方提案を行うべきであり、特に処方提案の結果、実際に処方の変更が行われる際の評価を充実するなど、評価のめり張りを強化するべきです。
 続いて、最後の論点にあります薬局の体制に関する評価ですけれども、資料の99ページを見ますと、調剤基本料1については、令和4年度改定で新設された基本料3のハに移行している状況が見てとれます。調剤基本料は、薬局経営の効率性を踏まえ設定していることから、調剤基本料1についてどういった薬局が算定しているのか、さらに実態の検証が必要だと思います。
 資料の101ページに移っていただきまして、地域支援体制加算の現状を見ますと、令和4年度の改定で地域医療への貢献に係る体制や実績に応じて評価体系を見直したものの、まだまだ実績評価には弱い印象がございます。地域医療に貢献している薬局を評価する観点からも、102ページのOTC医薬品の販売状況を踏まえ、要件の厳格化が必要だと考えております。
 資料の108ページ以降に記載がございます敷地内薬局ですけれども、112ページを見ますと効率的に大量の処方箋が処理されていることが分かりますが、一方で113ページの連携状況を見ますと、医療機関との連携が必ずしも図られていない状況となっております。連携していたとしても、その内容としては、業務の簡素化が最も多くなっていることも分かります。実態をより詳細に把握し、場合によっては特別調剤基本料以外の部分についてもさらなる見直しを検討すべきです。
 最後に、後発医薬品調剤体制加算については、安定供給が困難な品目に配慮はしつつも、国の目標を踏まえ、保険財政の観点からは、後発品の使用促進が引き続き重要であることは強く指摘させていただきます。
 私からは以上になります。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 安藤委員、お手が挙がっております。よろしくお願いいたします。
○安藤委員
 ありがとうございます。
 私のほうからは質問と意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、46ページのオンライン服薬指導につきまして、算定率が0.017%と非常に低い算定状況でございますが、これにつきまして事務局として何かこの原因等について分析されていたらお教えいただきたいと思います。
 関連しまして、60ページの認知症患者に行った薬学的管理として、ケアマネジャー等との連携、在宅担当医への処方提案が実施されているとありますが、こうしたやり取りにつきまして、メールや電子掲示板等の活用等、ある程度電子化されている状況なのでしょうか。この部分につきましても、把握している範囲で構いませんので教えていただければと思います。
 特に62ページの薬剤情報提供文書については、認知症の方が薬を飲み忘れたり、飲み合わせの悪さで副作用を引き起こしたりすることがないよう、ケアマネジャーや在宅の担当医と電子的に連携できる手段があるというのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 また、82ページにありますとおり、薬局の薬剤師が行う疑義照会は、応需処方箋のうち2.6%にとどまっております。残薬、多剤投与の解消に向けて、薬剤師と医療・介護関係者のより一層の連携に課題があるように見受けられます。こうした課題の解消のためにも、ICT化を通じて、スムーズに互いの保有する情報や問題意識を共有できるような環境を整えていただきたいと思います。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 安藤委員から、オンライン服薬指導、それから認知症の方の服薬管理等についての御質問がございましたか、事務局、回答していただけますでしょうか。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 まず、オンライン服薬指導に関しまして、46ページ目の算定実績でございますけれども、実際、この辺りの件数が少ないということに関して、この時期、コロナの状況下の中で、オンライン服薬指導そのものは画面越しにきちんとやるといったことの規定でございますけれども、今、コロナ対応で電話による対応を臨時特例的にやっていた時期がずっと続いていたところがありますので、そういった臨時特例的対応の件数のほうがまだまだ多かったというのが実態でございます。
 あと、服薬指導のオンライン化そのものが、制度的に位置づけられたのがごく最近でございまして、こういった段階から徐々に進み始めている状況と考えています。薬局側の準備や、患者さんの方でも服薬指導を受けるためのいろいろな準備というところも含めて考えると、まだまだこういったところの算定は高くなる状況になかったと思っています。ただ、こういったところが徐々に増えつつあるところがありますので、さらにオンラインによる服薬指導が普及していくと、どんどん算定状況も変わっていくのかなと思っているところでございます。
 もう一つ、60ページ目、認知症の方の服薬の管理に関してなのですけれども、この調査自体でどういった手段でというところまでは把握できてはおりませんけれども、様々な連携の仕方、もちろんその場に行ってやり取りするとか、あるいは文書で情報提供するとか、いろいろなケースはあろうかと思います。その中で電子化がどこまで進んでいるかというところも、いろいろなツールの活用などは、実際、在宅対おを含めてやっている中で、活用しているケースなどもあろうかと思いますが、まだまだ少ないのかなと思っています。ただ、いずれにしても、こういったような連携体制に関しまして、薬局の関わり方、それが紙、電子というところも含めて、この辺りがどういったことが把握できるか、そういったところも我々として調査して、今後の議論の中で必要なものをお示しできればと思っております。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 安藤委員、よろしいでしょうか。
○安藤委員
 ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 認知症の方の服薬管理の現状で、ここでICTの活用ということで、認知症に限定せず在宅医療において多職種間が情報連携をして、服薬も含めて様々連携をしているということは、日本医師会では毎年、全国の各地方の地域医療連携ネットワークの調査をしておりますが、その中ではいわゆる多職種連携ネットワークも広く行われています。
 特によく使われているのは、専用のSNSなどを用いて、医師、薬剤師、ケアマネジャー、看護師さん等、様々な職種がその中で情報交換をしている。その中で、例えばある方が行ったときに服薬状況あるいは残薬状況はこうでしたよというようなことをみんなで共有したり、様々な相談もされているということで、その中の情報共有というのはかなり広く行われているという実態は把握しております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに御質問等ございますでしょうか。
 まず、池端委員からお願いいたします。
○池端委員
 論点に沿った内容ではないので申し訳ありませんが、事務局から関連資料が提出されていますので、薬剤師の需給について少しコメントさせていただきたいと思います。
 先ほど長島委員から冒頭にありましたように、総論として薬剤師の需給推計ということは19ページに出ていて、将来的には過剰になる可能性が高いという数字、一方で、偏在があるということで、21ページに薬剤師の偏在ということ。私も長島委員と全く同じで、偏在は特に地域偏在を中心に考えられているようですけれども、病院と薬局との偏在が今、特に顕著化しているという事実は間違いないのではないかと思います。
 その中で、22ページに偏在指標の考え方がありますけれども、この偏在指標の考え方の中で、2番目の病院薬剤師偏在指標の中で、真ん中に患者1人当たりの病院薬剤師の業務量があります。もちろん同様でないということは入れてありますが、前回、働き方改革(その1)でもありましたように、医師の働き方改革の中で一番期待しているのが薬剤師との連携ということで、その中でも薬剤師が非常に不足することは、薬剤師の仕事量はどんどん増えていることになります。ただの調剤ではなくて、その他のいわゆる物から人へという調剤の在り方の変化により、病院の中でもかなり業務量が増えて、しかもそれが非常に期待されているという中で足りないということになると、この偏在指標では更に大きくなるのではないか、この点をしっかり織り込んでいただきたいということが一つ。
 それから、もう一点、参考としている16ページの給与の差についてですけれども、これをどう見るかなのですが、26ページの右の表を見ますと、確かに20代、若いところは若干差があるけれども、後半、高くなって、将来生涯年収ではむしろ(病院の方が)高いからいいのではないのかというのは読み込めますけれども、恐らくこれは年収ですから役職手当等々が入ってきています。病院は大きな規模が多いので、当然役職が上がっていけば給与は上がっていきます。一方で、恐らく薬局は小規模が多いとなると、そういう役職手当等々がつかないことで、あるいは途中で若い方を中心に回している可能性が高いので、最初が高くてあとはあまり上がらないということはあるように聞きます。ですから、できたらこれを偏在と見るためには、20代、30代、40代、50代、60代の給与だけではなくて人数の差がどうなっているのかということも併せて見られると、それが少し見えてくるかなと思いますので、次の入院のところ等の調剤の関係で、もし工夫した資料が出せれば、お願いしたいと思います。
 いずれにしても今、「調剤」ということで、病院の調剤は(「医科」の範疇になり)別だという考え方だとは思いますけれども、先ほど長島委員もおっしゃったように、私は、薬剤師は同じ薬剤師なので、ある程度一体的に考えることもこれからは必要ではないかということを申し添えておきたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 私からは1点質問をさせてください。
 4ページに薬剤師数の推移がグラフになっておりますが、薬剤師の資格をお持ちで、いろいろな事情があって現在薬剤師の仕事をされていない、いわゆる潜在薬剤師の数について把握されているのであれば教えていただきたいと思います。また、そういった方の御活用といったことについても、何がしか議論されているのであれば教えてください。
 以上です。
○小塩会長
 今、御質問ございました潜在薬剤師について、何か情報をお持ちでしょうか。お願いします。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 4ページ目の薬剤師数の推移そのものは、2年に1回、いわゆる三師統計と言われているもので調査をやって届出をしているものでございます。この届出の中では、従事先という情報があって、それでこのように集計をしているのですが、中には育児休業中など、就職しているのだけれども休業中である、あるいは無職であるとかいうところも含めて届出対象にしていますので、内訳という意味では、常勤・非常勤とかも含めて、いろいろな形での分析ができるようになっています。そういったことを都道府県でも情報を把握しながら、先ほどの薬剤師確保とか偏在指標を活用しながら取組を進めていくというところになっておりますので、潜在的な働いていない薬剤師もある程度把握ができるようになっているというものでございます。
○小塩会長
 佐保委員、よろしいでしょうか。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 ネットで検索したら、「約9万人」と書いてあるものもあり、お聞きしました。
○小塩会長
 いかがでしょうか。
○安川薬剤管理官
 今、直接の数字は分かりませんし、何をもってという話もあるのでしょうけれども、いずれにしても全体的な把握の中で、例えば免許、特に女性であれば育児で退職して、そのまま免許は持っているのだけれども、勤務先としては活用されていないとかがありますので、復職支援とかそういうところも含めて、まさに確保の観点で重要なテーマだと思っていますので、そういったところも全体的な薬剤師確保の観点からは進めているような状況でございます。
○小塩会長
 よろしいですか。
 ありがとうございます。
 それでは、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
 ありがとうございます。
 私からは、薬剤服用歴の記録業務に関して意見を申し上げたいと思います。
 この薬剤服用歴の記録に要する時間や残業の状況が68ページから70ページに記載をされているところでありますが、この業務そのものは非常に重要な業務であって、既に様々な加算の評価に含まれているものだと考えておりますので、新たな追加的な評価、そして国民負担を求める事項ではないのではないかと思います。
 そもそも現在の勤務実態、あるいは作業内容を、手段を前提として考えるべきではなく、16ページの薬局薬剤師ワーキンググループの取りまとめでも言及されているとおり、DXあるいは業務の効率化をより改善すべきものであると考えております。
 例えば電子処方箋の活用をより一層進めることで、作業の大幅な効率化や医療機関との円滑な情報連携等が期待できるところであります。このほか、薬剤師の業務の中でも、DXとともにBPR、ビジネスプロセスエンジニアリングの視点からも、紙やファクスによる対応の削減であるとか、あるいは事務作業の標準化を進めるということが重要であると考えております。
 医療機関との服薬情報の連携についても、薬局側から提供される内容と医療機関が希望する内容にミスマッチが見られているところでありますが、この情報の利活用が進むよう双方ですり合わせをし、項目を精査してはどうかとも思います。これら報酬上の対応以外の策を十分に検討すべきだということを申し述べたいと思います。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、高町委員、お待たせいたしました。お願いします。
○高町委員
 かかりつけ薬剤師のいる患者は、34%ということですけれども、これが診療報酬で評価されているということについての周知はまだまだであると考えています。資料によりますと、患者がかかりつけ薬剤師がいることによるメリットが、薬を継続的に管理してもらえることや、薬の飲み合わせをチェックしてもらえることとありますが、このようなことはどの薬剤師にも期待したいことです。
 かかりつけ薬剤師には、それに加えまして薬の副作用・副反応の把握や在宅時の服薬指導なども期待したいと思います。これらを通じまして患者との信頼関係を構築して、薬のことに関してはどんなことでも相談ができるようになります。患者がこのメリットが分かれば、より多くの患者がかかりつけ薬剤師についてもらおうと考えると思います。そうすることによって、この制度がより強化されていくのではないかと考えております。
 ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに御質問等ございますか。
 森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 様々な意見、ありがとうございました。高齢化が進んで、高齢者に薬剤の粉砕であったり加工であったりなどの対応が伴う調剤が増加しております。そうしたことに関して薬剤師は製剤学的な視点から様々なことを考えて調剤をしています。このような対物業務を基本とした上で、今回の改定でも対人業務をいかに充実していくかということで、しっかりと議論をしていきたいと思っています。
 対人事業の充実にとって重要なことの一つとして、長島委員からありましたが、1つは地域に密着ということは確かにあると思っています。もう一つはかかりつけ機能の強化となります。先ほど松本委員からも、24時間対応は当たり前であるという事は、おっしゃるとおりで、何かあったときにしっかりと対応できるというのはかかりつけ薬剤師の基本だと思っています。
 また、高町委員からありましたけれども、かかりつけ薬剤師だからこそ、その人の生活や習慣などをきちんと理解した上で、より細かな対応ができるというのもメリットだと思っています。
 先ほどの24時間対応について、担当の患者さんからかかりつけ薬剤師が24時間直接連絡がつく体制、24時間開局しなければいけないなど、勘違いされているところが現場ではあって、かかりつけに進まないところがあるのではないかと思います。何かあったときにしっかりと責任を持って対応する、対応できることが重要で、このことに関しては進めていきたいと思っておりますので、ぜひこの改定の議論で検討できればと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、ほかに御質問等がないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
 今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、引き続き対応していただくようにお願いいたします。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。
 それでは、本日の「総会」はこれにて閉会といたします。
 長時間、どうもありがとうございました。
 

 

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