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2023年7月12日 中央社会保険医療協議会 総会 第549回議事録

○日時

令和5年7月12日(水)薬価専門部会終了後~

○場所

日比谷国際ビル コンファレンススクエア 8F

○出席者

小塩隆士会長 飯塚敏晃委員 笠木映里委員 本田文子委員 安川文朗委員
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 高町晃司委員 眞田亨委員 鈴木順三委員
長島公之委員 茂松茂人委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 森昌平委員
吉川久美子専門委員 上田克彦専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他


○議題

○費用対効果評価の結果を踏まえた材料価格の見直しについて
○在宅について(その1)
○歯科医療について(その1)
 

 

○議事 

○小塩会長
 ただいまより、第549回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 薬価専門部会と同様に対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信を行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、末松委員、永瀬委員、羽田専門委員が御欠席です。
 次に厚生労働省におきまして、異動がございましたので、事務局より御紹介をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、夏の異動におきまして事務局に異動がありましたので、御報告申し上げます。
 保険局では、池上総務課長でございます。
 続きまして、木下医療技術評価推進室長でございます。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 最初に「費用対効果評価の結果を踏まえた材料価格の見直しについて」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局の医療技術評価推進室長でございます。
 費用対効果評価専門組織において総合評価を終え、6月の中医協において承認いただきました2品目に関しまして、費用対効果評価結果に基づく価格調整について御説明いたします。
 資料は、総-1-1と1-2がございます。順に御説明いたします。
 まず、資料総-1-1を御覧ください。Expedium Verse Fenestrated Screw システムについてでございます。
 6月14日の中医協で承認された費用対効果評価の結果に基づき、上の表のとおり、価格調整係数をお示ししております。
 下の表に価格調整の結果について、記載をしております。
 現行価格10万1000円のところ、改定価格といたしまして、9万7900円となります。
 次に資料総-1-2を御覧ください。
 Micra AVカテーテルペーシングシステムについてです。
 こちらも6月14日の中医協で承認された費用対効果評価の結果に基づきまして、上の表のとおり、価格調整係数をお示ししております。
 下の表に価格調整の結果について記載をしております。
 現行価格117万円のところ、改定価格といたしまして107万円となります。
 説明は以上となります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして「在宅について(その1)」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、在宅(その1)につきまして、中医協総-2の資料を用いまして、御説明をさせていただきたいと思います。また、総-2には、参考資料も添付させていただいてございます。
 それでは、総-2を用いさせていただきます。
 2ページを御覧ください。こちらが、本資料の目次でございます。
 進んでいただきまして、まず3ページ目からでございますけれども、人口動態及び医療需要の見込みでございます。
 3ページ目から6ページ目にありますとおり、高齢化率の上昇によりまして、今後、総人口が減少する中で、高齢者人口、要介護度別の認定者数は、当面増加し続けるものと推計されているところでございます。
 7ページ目でございますけれども、これは、今年度公表されました、人生の最終段階において、医療・ケアを受けたい場所に関する希望というところでございます。アンケート結果でございまして、状態に応じまして、最期に看取りを受けたいという場所は、異なっているものを示すものでございます。
 円グラフがございますけれども、左から2番目、3番目の末期がん、慢性心臓病の患者さんになった場合のことでございますが、最期をどこで迎えたいか、それまでの医療・ケアをどこで受けたいかに関しまして、医療機関と回答した方が多く、一番右側は認知症でございますけれども、その場合は、介護施設と回答される方が多いという結果でございました。
 この資料は、同時改定の意見交換会でも公表したものでございます。
 次、8ページ目から9ページ目でございます。
 死亡数の将来推計と傷病分類別に見ました死因の推移でございます。
 死亡数については、2040年まで増加傾向となること、死因としては、悪性新生物、心疾患ともに老衰が増加傾向にあるということが推定されてございます。
 10ページ、11ページ目でございますけれども、これは疾患ごとの死亡の場所の推移ということでございます。
 10ページの左側のとおり、在宅における死亡が増加しているところでございますけれども、10ページ右側のグラフのように、悪性腫瘍だけを見ると、特に増加していることをお示しさせていただいているものでございます。
 12ページは、自宅における死亡者の死因の割合ということでございます。まず、数自体が増えているということ。また、平成28年と令和3年を比較すると、悪性腫瘍の割合が増加していることをお示ししてございます。
 13ページ、14ページは、訪問診療、訪問看護の必要量についての推計でございます。
 多くの地域で、2040年以降にピークを迎えることが見込まれております。
 ページを進めます。15ページ目以降でございますけれども「地域包括ケアシステムにおける在宅医療について」ということでございます。
 16ページ目は、地域包括ケアシステムにおける在宅医療のイメージとして図でお示ししたものでございます。必要不可欠なサービスであるということでございます。
 17ページ目は、第8次医療計画の見直しのポイントを御紹介するもの。
 18ページ目は、在宅の体制につきまして、在宅医療の提供体制に、真ん中に緑の四角がございますけれども、その中で「①退院支援」「②日常の療養支援」「③急変時の対応」「④看取り」、こういった要素が不可欠であるということをお示しするものでございます。
 19ページ目は、在宅医療・介護連携についてのチャートでございます。
 20ページ、21ページ目、在宅医療における介護連携も含めた情報通信機器の活用についてまとめたものでございます。
 22ページ目でございますが、これは老健局のほうで実施しております、在宅医療・介護連携推進事業についてでございます。
 その中で、23ページ目、24ページ目は、この事業の展開の現状ということでございまして、取組といたしましては、急変時の対応が43.8%と、この中では、最も進んでないということでございます。
 看取りの場面については、人生の最終段階における意思決定支援の施策が最も多く取り込まれていることを示してございます。
 25ページ目でございますけれども、令和4年度の障害者総合支援法の一部を改正する法律に関する資料でございまして、26ページ目は地域共生社会について、27ページ目は精神障害にも対応した地域包括ケアについて、それぞれまとめたチャートを示してございます。
 28ページ目でございますけれども、これは、先日開催されました意見交換会における主な御意見を御紹介するものでございます。
 29ページ目は、在宅医療を取り巻く状況と地域包括ケアシステムにおける在宅医療についての小括ということでございます。
 次、30ページ目以降でございます。
 こちらは「訪問診療・往診等について」でございます。
 31ページ目は、在宅医療の提供体制ということでございまして、在宅医療を提供する診療所の数でございますが、近年横ばい、病院の数は、近年増加傾向ということを示してございます。
 32ページ目、在宅における診療報酬上の評価構造のイメージでございまして、3段の構造になっているということ。
 33ページ目は、往診料、在宅患者訪問診療料の評価の概要についてでございます。
 次に、34ページ目に進みまして、在宅医療に関する医療費につきまして、平成24年と令和4年を比較しております。
 全体としては、2倍ほど増加していることをお示しするものでございます。
 これは、6月審査分ということでございますので、1か月分ということでございます。
 次、35ページ目でございますけれども、これは訪問診療1回当たりの医療費につきまして、平成24年と令和4年を比較しており、全体として大きな変化はございませんけれども、小児科や泌尿器科の材料加算については、増加していることがお示しできているかと思います。
 36ページ目は、在宅患者訪問診療料、往診料の算定回数の推移になっているものでございます。
 在宅患者訪問診療料は、一貫して増加傾向であると。また、往診料は令和2年まで、近年横ばいでございましたけれども、令和4年度に増加しているところでございます。
 37ページに進ませていただきます。
 こちらは、都道府県ごとの在宅患者訪問診療料の算定回数をまとめてございます。
 平成27年と令和2年を比較いたしますと、おおむねどの都道府県においても増加をしております。
 38ページ目は、同様に都道府県ごとの往診料の算定回数をまとめてございます。
 平成27年と令和2年を比較いたしまして、このときは特に増加している都道府県が多いということでございます。
 39ページ目に進ませていただきます。
 こちらは、往診料における加算である緊急往診加算、夜間、休日往診加算、深夜往診加算の概要になります。
 40ページ目は、往診加算の算定回数の推移について、まとめているところでございます。
 全体的に増加傾向ということが見て取れるかと思います。
 41ページ目でございますけれども、これは往診に係る新型コロナウイルス感染症の流行に伴う特例的な取扱いについて、まとめたものでございます。
 先ほどの36ページと40ページで御紹介しました、近年の往診料、緊急往診加算の算定回数の増加の一因なのではないかと考えておりますが、なお一部の特例につきましては、新型コロナウイルス感染症の類型変更に伴いまして、廃止となっているところでございます。
 42ページ目、都道府県ごとの夜間、深夜、休日往診加算の算定回数を示すものでございまして、先ほどの38ページの往診料の算定回数と比較いたしまして、算定回数が大きく増加していることをお示ししたものでございます。
 43ページ目でございます。
 こちらは、在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料の評価の概要についてまとめてございます。
 44ページ目に、算定状況をお示ししてございます。情報通信機器を用いた診療は、令和4年で設定したものでございますけれども、これに関しましては、算定回数自体は全体の0.05%と少ない状況ということでございます。
 45ページ目、在宅療養支援診療所及び病院の施設基準について取りまとめたものでございます。
 46ページは、令和4年度診療報酬改定にて、在宅療養支援診療所、病院の施設基準に追加された、先ほどのガイドラインについてまとめているものでございます。
 47ページ目で、在宅療養支援診療所、病院の届出医療機関数をお示ししております。
 城診療所のほうは横ばい傾向、在宅療養支援病院は、引き続き増加をしているということでございます。
 48ページ目は、在宅ターミナルケア加算や、看取り加算等、看取りに関する評価をまとめたもの。
 49ページ目は、その算定回数の推移を示してございます。
 在宅ターミナルケア加算、看取り加算の算定回数は増加傾向でございます。
 50ページでございますが、こちらは、都道府県ごとのターミナルケア加算、看取り加算の算定回数をまとめており、地域差はありますものの、平成27年と令和2年を比較すると、どちらも増加をしているということでございます。
 51ページに進みます。
 こちらは、在宅がん医療総合診療料の概要でございます。
 52ページに算定状況等をお示ししてございまして、算定回数は増加傾向となってございます。
 53ページでは、都道府県ごとの算定回数をまとめておるものでございまして、ばらつきがあることをお示しできているかと思います。
 54ページ目でございますけれども、令和4年度の検証調査のうち、末期悪性腫瘍患者の受入れ状況に関する調査結果をまとめたものでございます。
 全体医療機関のうち、末期悪性腫瘍患者を積極的に受け入れる回答した医療機関は全体の22.3%。そして、受け入れない理由としては、受入れ先の確保が不十分であると回答した医療機関が一定程度あったところでございます。
 55ページ目ですが、主治医のいる医療機関以外の医療機関からの訪問診療を行った際の評価である在宅患者訪問診療料、これは(Ⅰ)の2についての現状をまとめてございます。
 56ページ目、令和4年度診療報酬改定で新設されました在宅療養移行加算の概要。
 57ページ目に、検証調査における当該点数を算定していない理由をまとめてございます。
 算定していない理由に関しましては、24時間の往診体制の確保ができていないということが最も多くなっているということでございます。
 次、58ページ目、59ページ目でございますけれども、医療保険の在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料、また、介護保険の訪問リハビリテーションについての概要をまとめてございます。
 60ページ目と61ページ目は、令和4年度の診療報酬改定で新設されました、外来在宅共同指導料の現状と検証調査における算定しない理由をまとめているものでございます。
 62ページ目と63ページ目は、令和4年度診療報酬改定で新設されましたデータ提出加算、そして、その主な入力項目でございます。
 64ページ目は、小括でございます。
 続きまして、66ページ目からでございますけれども、こちらは訪問看護でございます。
 66ページ目から70ページ目は、その仕組みと報酬の体系をお示ししてございます。
 71ページ目に進ませていただきます。
 訪問看護でございますけれども、医療保険と介護保険のどちらかから提供されるものでありますが、小児など、40歳未満の患者さんや、要介護者等以外の方々が、医療保険の訪問看護の対象となるものでございます。
 71ページ目は、訪問看護の利用者数の推移を示しております。医療保険の訪問看護の利用者の数が非常に伸びているということでございます。また、介護保険につきましても伸びていることが、お示しできているかと思います。
 72ページ目、73ページ目でありますが、これは、先ほど申し上げた中では医療保険の訪問看護の利用者の状態を示してございます。
 精神及び行動の障害、こういったことが増加傾向にあることが、73ページのほうで示されてございます。
 74ページ目は、小児の利用者の状況を示しております。利用者数は増加傾向にあること。
 75ページ目は、ターミナルケアの利用者数をお示してございまして、令和3年度は特に増加しているということをお示しさせていただいております。
 76ページ目は、事業所数の推移でございます。近年増加してございますけれども、特に法人別に見ますと、営利法人の事業所の増加が著しくなっていること。
 77ページ目は、規模別に見たものでございますけれども、常勤換算5人以上のステーション、大きな規模のステーションの数が増加傾向にあるということ。
 78ページ目、79ページ目でございますけれども、機能強化型の訪問看護ステーションの概要と届出状況を示してございます。
 機能強化型1のステーション数が増加傾向にある、先ほどの5人以上というところの大規模なステーションが増えていることと整合するかと考えております。
 80ページ目でございますけれども、これは、病院診療所に併設する訪問看護ステーションを示しており、数は微増傾向にあるということでございます。
 81ページ目、82ページ目でございますけれども、訪問看護に係る医療費の推移を示してございます。
 81ページ目で、医療・介護ともに増加していることがお示しできているかと思います。
 また、82ページ目でございますけれども、1件当たりの請求額でございますが、近年20万円を超えるようなものも一定程度存在していることをお示しするものでございます。
 次、83ページ目、84ページ目でございますが、こちらは精神科訪問看護の主な要件、そして利用者の状況を示してございます。
 85ページ目が、精神科訪問看護の実施回数の推移を示したものでございます。
 令和元年から3年にかけて1.46倍ということでございます。また、病院・診療所から行われる訪問看護の実施回数は少ないということでございますけれども、病院からの訪問看護の実施回数のうち、6割強が精神科病院からの精神科訪問看護指導となっているところでございます。
 86ページ目は、全利用者に占める精神科訪問看護基本療養費の算定状況を示してございます。
 算定者数は増加している。そして、全利用者のうち4割を占めているということでございました。
 また、訪問看護ステーションごとに全利用者に占める精神科訪問看護利用者の割合を見ますと、機能強化型訪問看護ステーションの多くは2割未満であるのに対しまして、それ以外のステーションでは、9.7%ということでございますが、80%以上となっているところでございます。
 87ページ、88ページでございますけれども、訪問看護における24時間対応体制に係る資料となってございます。
 24時間対応体制加算は、9割弱のところで届けられている一方、訪問看護ステーションの規模が小さくなるにつれて、届出の割合は小さくなる傾向にある。
 そして、88ページにございますが、これも意見交換会に出した資料でございますけれども。
 その課題といたしまして、看護職員の精神的、身体的負担が大きいといったことが挙げられています。
 89ページ目、90ページ目は、同一建物居住者に対する訪問看護の概要と算定状況でございまして、算定回数などが増加していることをお示しするもの。
 91ページ目から94ページ目でございますが、こちらはタイトルございますように、複数名による訪問看護、複数回の訪問看護、夜間、早朝、深夜の訪問看護、緊急の訪問看護に係る加算の概要と算定状況を示しておりまして、いずれの加算も利用者数は増加しているということでございます。
 95ページ目、令和4年度診療報酬改定で新設いたしました、専門管理加算の届出状況、専門性の高い看護師の研修別の届出状況を示したものでございます。
 96ページ目は、退院当日の訪問看護の評価の概要、算定状況でございます。
 97ページ目は、これまで御説明したものの小括でございます。
 続きまして、歯科訪問診療について御説明いたします。
 99ページ目でございますけれども、訪問診療を提供している歯科診療の状況、100ページには、歯科訪問診療を実施する病院の状況をお示ししているものでございます。
 102ページ目に、歯科訪問診療を実施しない理由をお示ししてございまして、実施するために必要な機材がないですとか、あるいは歯科訪問診療に充てる時間が確保できないなどが多くなっているところでございます。ほかにも、依頼がないですとか人員がいないといった理由も挙げられておりました。
 進みまして104ページ目「在宅歯科医療に係る診療報酬上の取扱い」を示してございます。
 右側の表にありますように、時間と同一の建物に関する患者数、これで表がありますけれども、6つの区分において評価がなされているということでございます。
 続きまして、105ページ目でございます。
 歯科訪問診療の診療先を示しているところでございまして、自宅が多いということでございます。
 106ページ目には、そのきっかけでございますけれども、自院に通院歴のある患者・家族等からの依頼が多いということでございます。
 107ページ目、患者さんの状態像といたしましては、脳血管障害や認知症を有する方の割合が多いと。
 109ページ目、110ページ目でございますが、歯科訪問診療の算定状況を示しています。
 まず、109ページ目、経年推移を見ますと、令和2年に減少したものの、全体的には増加傾向にあると。歯科訪問診療の区分では、近年は歯科訪問診療2が最も多くなっているということ。
 112ページ目、113ページ目では、在宅療養歯科診療所の施設基準と診療報酬上の評価の概要をお示ししてございます。
 114ページ目では、在宅療養支援歯科診療所の届出医療機関数を示してございます。元年度までは増加しておりましたけれども、30年度の診療報酬改定の施設基準見直しの経過措置が終了した令和2年にも一旦検証しておりまして、その後、ほぼ横ばいということでございます。
 115ページ目は、介護施設との連携状況。
 116ページ目では、在宅療養歯科診療所の届出を行っていない理由を示しているものでございます。
 117から119ページ目でございますけれども、歯科衛生士の訪問指導に関する内容でございます。
 117、118ページに訪問歯科衛生指導料の算定状況を示してございまして、この訪問歯科衛生指導料は、119ページにございますとおり、患者さんの場所等によって給付調整により、介護保険による居宅療養管理指導によっても算定され得るということでございます。
 120から123ページは、歯科訪問診療における管理に関する内容、算定状況を示しております。
 124ページに進みます。
 こちらは、栄養サポートチーム等と連携した場合の評価の概要と算定状況を示しております。
 125ページから127ページは、小児の歯科訪問診療の実施状況を示してございまして、全体としてはまだ少ないですが、増加傾向にあるものを示しており、126ページにございますとおり、口腔の清掃指導や口腔ケア、摂食機能療法などが行われているということがお示しできているかと思います。
 128ページから130ページには、連携に係る主な診療報酬上の評価を示しているものでございます。
 129ページありますように、連携に係る評価の算定回数は、いずれも少ないという状況でございます。
 131ページ目は、これまでをお示ししたものを小括したものでございます。
 次に、6つ目「訪問薬剤師管理について」でございます。
 133ページ目は、在宅において薬局に期待される役割、そして、134ページ目は、第8次の医療計画におきまして、在宅医療の質の向上のための薬剤師の関与が期待されていることをお示しするものでございます。そのための体制整備が必要であること、また、医薬品等の提供体制を構築することが求められているとされております。
 135ページ目から136ページ目が報酬体系でございます。
 特に、136ページの下段におきましては、医療保険と介護保険での評価の違いを整理してお示ししているものでございます。
 137ページから140ページ目でございますが、薬局におきます在宅業務の実施状況、在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定状況を示しております。
 在宅業務を実施する薬局数、それから、在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定回数は増加傾向にあるということでございます。
 また、139ページを御覧いただきますと、こちらは居宅管理指導と、それから在宅患者訪問薬剤管理指導の実施状況でございますが、居宅療養管理指導、介護保険による給付によるサービスの方が非常に多いということをお示ししたものでございます。
 141ページ目からは、薬剤師と他職種との連携の状況でございます。
 142ページ目は、薬剤師と医師との連携。
 143ページ目は、薬剤師と歯科医師との連携。
 144ページ目は、訪問看護師との連携状況というものをお示ししたものでございます。
 145ページ目でございますが、高齢者施設等における薬剤管理につきまして、施設の種類によりまして、医師、薬剤師の配置や、そういった専門職の配置や入所者の状況などが異なりますと、それを踏まえて薬剤管理についても様々な課題をお示ししたものでございます。
 146ページ目は、高齢者施設の薬剤管理の実施状況でございまして、患者さんの服薬状況の改善だけではなくて、施設職員の業務改善にもつながっているということをお示しするものでございます。
 147ページ、148ページ目でございますけれども、薬局における麻薬の調剤に関してでございます。
 在宅訪問を行っている薬局の9割以上は、麻薬小売業の免許を有していることをお示ししてございますが、これらの薬局の65.1%で6か月間に麻薬調剤の実績があったということでございます。
 149ページ目、薬局の夜間休日対応の体制を示してございまして、在宅患者さんの夜間休日対応が可能な体制を整えているという薬局が73.9%であったということでございます。
 150ページ目から152ページ目は、ターミナル期の患者さんにおける薬学管理の状況を示しております。
 訪問頻度は、週に1回以上の実施が半数を超えているということでございます。
 医療用麻薬の管理等の薬学的管理が多く実施されてございました。
 また、人生最終段階の利用者・患者への訪問薬剤管理指導を実施している場合では、9割以上の薬局で24時間対応が可能な体制を整えているところでございました。
 153ページ、154ページは、在宅中心静脈栄養法加算、在宅患者医療用麻薬持続注射加算の届出状況を示しておりまして、医療保険を利用する患者さんだけではなくて、介護保険を利用する患者さんにおきましても、中心静脈栄養法及び麻薬の持続注射療法に係る薬学管理が実施されているところを示しております。
 155ページ目でございますが、医療材料の供給状況を示しており、償還価格が仕入れ価格を下回ること、いわゆる逆ざやでございますが、それがある薬局が4割あったということを示してございます。
 156ページ目は、小括でございます。
 「7.訪問栄養食事指導について」でございます。
 158ページ目でございますけれども、こちらも第8次医療計画における訪問栄養食事指導に関する事項といたしまして、管理栄養士さんが配置されている在宅療養支援病院や在宅療養支援診療所、栄養ケア・ステーション等の活用も含めた体制整備を行うことが求められているとされているところでございます。
 159ページ目でございますけれども、こちらは、在宅で療養される高齢者におきましては、要介護度が高いほど、栄養障害や摂食・嚥下障害の方が多いと、また、低栄養のリスクの方も多いということでございます。
 160ページには、在宅におけるリハ・口腔・栄養の事例を紹介してございます。
 161ページ目、162ページ目は、診療報酬項目である在宅患者訪問栄養食事指導料の概要と、介護保険も含めた実施状況で、算定回数が増加傾向にあるということをお示ししてございます。
 一方で、163ページにお示ししたとおり、こちらは他の職種が行う在宅医療等に係る報酬の算定件数の回数と比較いたしますと、訪問栄養食事指導の件数は極めて少ないという状況をお示ししてございます。
 164ページ目は、在宅患者訪問栄養指導料を算定していない理由でございまして、病院では、自院の管理栄養士が訪問栄養食事指導を行うための体制が整っていないといった理由が多いということでございます。
 最後のページに進みまして、論点でございます。
 総論のみ読み上げをさせていただきます。
 今後、在宅医療の需要が大幅に増加することが見込まれる中、疾患や障害の有無にかかわらず、住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられるように地域包括ケアシステムを推進する観点から、在宅医療の提供体制について、どのように考えるか。
 その中で、在宅療養患者の急変時に適切に対応するための情報共有や連携を充実させるためには、どのような方策が考えられるか。
 本人・家族の希望に沿った医療・ケアの促進について、どのように考えるか。
 以下は、それぞれ訪問診療や往診、訪問看護、歯科訪問診療、訪問薬剤管理、訪問栄養食事指導について、その診療報酬上の評価について、どのように考えるかとまとめさせていただいております。
 事務局の説明は、以上でございます。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 最初に、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 まずは提出資料について、1つの質問と2つのコメントをいたします。
 36ページで、往診料が増加傾向とありますが、コロナの影響はどれぐらいあるのでしょうか。
 37ページでの都道府県ごとのばらつきは、需要面である患者さんの年齢などの要素と、供給面である外来、入院の体制、訪問看護の提供状況の要素もあり、一元的に解釈するべきではないと考えます。
 47ページで、機能強化型が増加しているのは、現場で改定内容を踏まえた取組が進められているものと理解しております。
 その上で、論点について総論的なコメントをいたします。
 在宅医療は、第8次医療計画で、在宅医療圏を設定し、在宅医療において積極的役割を担う医療機関、在支診や在支病等と、在宅医療において必要な連携を担う拠点を、少なくとも1つ以上設定することになっています。
 在宅医療の需要増加に向け、地域の実情に応じた体制整備を進めることで、在宅医療のネットワークと地域包括ケアシステムの構築が、さらに進むと考えます。
 前回改定においても、地域での取組を機能強化型在支診・在支病の要件に組み込んだところであり、その方向に沿っているものと考えています。
 在宅医療の需要は、2040年に向け、さらに増大することが予想されており、患者さんが、その状態や疾患に応じて、希望される場所で看取りがなされるよう、診療報酬上も適切な対応を検討していく必要があります。
 また、地域でICTを有効に活用して情報連携を充実させることは、今後の需要増加に対応するに当たって不可欠であると考えます。
 また、ICTを用いて病診連携を高めることも、その解決策の一つになると考えられます。
 さらに、在宅診療の急変時の対応などが充実されることは必要でありますが、在宅医療は、地域で計画的な訪問診療が行われることを基本としつつ、地域連携をベースとして、往診、緊急往診も引き続き提供されるよう、今後の検討においても、しっかりと念頭に置いていくべきです。
 また、その際には、在宅患者を24時間地域で支えていくため、在宅医療と訪問看護はセットで考え、どのように24時間体制を維持していくかを考える必要があります。
 また、これまでの診療報酬上の評価においても、工夫を重ねてきていますが、かかりつけ医が外来に加えて在宅に尽力している医療機関と、在宅専門とも言える医療機関では、効率性が全く異なることに留意しつつ、検討していく必要があることを付け加えておきます。
 訪問薬剤管理についてです。
 多職種連携や薬学的管理については、在宅だからということではなく、調剤業務全体を通じてなされるべきであると理解しております。
 ターミナル期の訪問についても、医師の求めに応じて、看護師や薬剤師が同行するという流れになりますので、薬剤管理については、薬剤の特性に応じた適切な管理がなされるべきと考えます。
 私からは以上ですが、今回は訪問看護もありますので、小塩会長におかれましては、各委員の発言の後、専門委員からも発言をいただくことを御検討いただければと、お願いいたします。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ただいま、長島委員から御質問を1ついただいておりますが、事務局いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 資料の36ページの往診の訪問回数について、コロナウイルス感染症の影響は、どの程度あったかというお尋ねだったと承知をしております。
 こちらは、令和2年度以降、新型コロナウイルス感染症に係る特例を設けたところ、これは、41ページに示してございますけれども、往診の算定要件の緩和など、様々な取組を行ったため、往診の算定回数の増加に一定程度寄与しているものと思ってございます。
 一方で、どれだけ増えたかという定量的な把握は難しいかなと思ってございます。いずれにしても、今は5類となったということ、特例も廃止されてございまして、今後の往診の算定回数等の動向には注目していきたいと考えております。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 先ほど、最初にお手が挙がっていましたので、島委員、お願いいたします。
○島委員
 ありがとうございます。
 論点の総論について、意見と質問を述べさせていただきます。
 高齢、多死社会を迎え、医学の進歩とともに、在宅療養や在宅での看取りが増えており、地域包括ケアシステムの重要性は言うまでもありません。
 16ページのイメージ図にありますように、医療と介護、障害の連携のもとに、地域包括ケアが形成されると理解しておりますが、地域によっては構成される範囲に違いがあり、今までのスライドでは中学校区を単位という概念が示されておりましたが、現在もこれは継続していると理解してよろしいものでしょうか。これは質問でございます。
 18ページの在宅医療の体制については、よくまとめられており、20ページに示されている平時の水平連携と、有事の垂直連携の構築が必要と考えます。
 21ページの在宅医療のニーズとマンパワーのアンバランスを考えると、ここに示された情報通信機器等の活用が極めて大切になると思います。
 26ページに示されている障害者や難病患者への対応、27ページの精神障害への対応も重要で、これらの取組に対し、22ページにありますように、PDCAサイクルを回し、問題点を塗り潰していく作業は大変ですが、やり続けなければならないと考えます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 今、島委員から、17ページですしたか、御質問をいただきましたが、事務局、御回答をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 地域包括ケアシステムの地域の基本的な単位に関するお尋ねだったと思ってございます。
 16ページ目で、地域包括ケアシステムにおける在宅医療のイメージを示してございます。
 この地域包括ケアシステム自体は、ちょうど平成20年頃からだったと思いますけれども、厚労省が提唱しているということでございまして、地域包括ケア研究会のレポートなども、その頃から出てきていると承知しております。
 その頃、確かに中学校区単位を1つの基本とすることでお示しをしたかと思っております。そこから、一回り以上と年が経ってございますし、あと、そのときよりも、例えば高齢化が進んだり、あるいは過疎化が進んだりと、地域によって、また、事情は様々であろうかと思います。
 ですので、中学校区単位などを基本とするという発想自体は、維持されていると理解しておりますが、そこは、その場所、その場所、御当地、御当地によって、その単位というものは、その地域をどう捉えるかに関しましては、様々であっていいと思っております。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
 ありがとうございます。
 幾つか意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、在宅医療は、患者さんが住み慣れた地域で人生の最期まで尊厳が保持され、自分らしく生き生きと暮らすことを支える役割を担っています。
 そのために、在宅医は退院支援、日常の療養支援、急変時の対応、看取りといった一人人の患者さんのあらゆる場面において、かかりつけ医として、日常的に全人的に支援することが求められます。
 患者さんに寄り添いながら、意思決定を支援のもと、医療を提供することが重要であって、このことが機能強化に資するものとなります。
 在宅医もかかりつけ医として、地域包括ケアの本質である地域づくりに、地域の一員として参画していくことが大切であります。
 在宅医療提供体制を地域包括ケアシステムにおけるシステム化をするに当たっては、医師が1人で24時間365日の対応するのではなく、近隣の診療所や、在支病等の中小病院の連携のもと、24時間対応の体制を平時から構築することが必要であります。
 例えば、在宅療養移行加算の算定は低調でありますが、在宅療養移行加算2では、往診について連携体制を評価しており、今後、連絡体制の連携も含めて、こうした仕組みを普及拡大して、地域で急変時の対応や看取りをしっかりと受け止める体制を構築していくことが喫緊の課題と考えております。
 また、訪問介護等のヘルパーさんによる在宅介護が、日頃の生活を支えることによって、在宅医療が継続されることから、訪問看護のみならず、在宅介護との連携も不可欠と思います。
 在宅患者さんにおいては、リハビリテーション・栄養・口腔の一体的な取組が重要である一方で、低アルブミン血症を伴う低栄養状態も多く、訪問リハビリテーションや口腔ケアの提供も不足しております。
 まずは、栄養管理や口腔ケア等のニーズのスクリーニングや採血等によって、患者さんのニーズを把握して、担い手不足に対しては、近隣の医療機関や、老健、歯科医療機関等から、在宅医療の場へ派遣し、貴重な財源が地域で活躍していただく仕組みを検討する余地があると思います。
 最後に、看取りは死の瞬間までを支えるターミナルケアの充実が重要でありまして、がんであっても、非がんであっても、緩和医療が前提となります。
 すなわち、身体的苦痛、精神的苦痛を緩和することによって、本人の意思決定が可能となりますので、その上で、本人の望む医療が実現することになります。
 したがいまして、緩和ケア、そしてターミナルケアというのは、大変中身が重要であることを申し上げたいと思います。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとございます。池端です。
 私も意見と、1つだけ質問をさせていただきたいと思います。
 まず、在宅医療に関して、37ページ、38ページ等を見させていただきますと、都道府県ごとの在宅医療訪問診療の算定件数が出ています。
 もちろん、地域差はありますけれども、それほど大きな差はないとうかがえますが、一方で、42ページ、50ページの24時間連携、あるいは、がんターミナルケアということに関する表を見ますと、かなり地域差が出て、50ページなどを見ていただいくと、より明確に出ています。特に都会が非常に進んでいるような印象があるかと思います。
 この原因として、ターミナル加算、24時間連携、先ほど江澤委員もおっしゃったように、訪問診療ができる機関として、かかりつけ医が午後から往診する本来のやり方の往診、それから、訪問診療、往診専門のクリニック、もう一つはメガ在宅と言われている、かなり大規模に組織化したグループ、こういう3つの大きなグループがあるかと思います。
 基本的には、かかりつけ医が自分の患者さんを診て、通えなくなったニーズに対して、自分のなじみのかかりつけ医が訪問診療に行って、最期を看取るというのが、一番流れとしてはいいところではないかと思っています。
 一方で、そうは言っても、24時間365日、一人診療所の先生が診るというのは非常に苦しいから、在宅専門の先生に任せると、そこで(これまでの馴染みの関係が)ぶつっと切れてしまうのです。そこは、任せるなら全て任せてくださいとなるので、それが進んでいくことが、私は悪とは言いませんけれども、やはり大事にしなくてはいけないのは、本来あった、ずっと外来から通った患者さんと、かかりつけ医の関係が、そのまま維持しているのが一番いい。そこに補完的に夜間だけとか、週末だけ少し診るよというところと、そういう連携をして、かかりつけ医も診ていける、そういう在宅が、今後、必要ではないか。
 特に都会は、メガ在宅とか訪問診療クリニックがどんどん出てきています。これは、アクセスがすごくいいから、私は福井なのですが、地方を見ると、在宅専門クリニックがあり成り立たない、それは、一日に何十件も回れることではなくて、距離が遠くて、せいぜい数件しか行けないところ、そには点在しているクリニックが行くしかないということがあって、これを全て都会型に置き換えてしまって、在宅がうまくいきましたねというのは、これは本末転倒だと思うので、在宅医療というのは、その辺の地域差が非常にあるのだということを、ぜひここで強調しておきたいと思います。
 ですから、どういう体制をこれから構築するかは別として、そういう地域差をしっかり見て、本当にどの地域でも在宅が進むような体系に持っていかないと、ひょっとしたら、ボタンのかけ違いになってしまって、地方ではぎくしゃくしてしまう可能性があるということです。また強調しておきたいのは、もちろんメガ在宅とか訪問診療クリニックを否定するつもりはありませんが、それも含めて補完し合っている関係で、そういうかかりつけ医機能を進めていくということを、ぜひ検討しながら体系を考えていただければと思います。
 そこに、ひょっとしたら、200床未満の在宅療養支援病院とか、在支診とか在支病とか、地域支援病院等々が関わっていく、地域包括ケア病棟を持っている在宅療養支援病院等が一番合っているかもしれませんけれども、そういうところとの連携が進むような施策も必要ではないかということを強調しておきたいと思います。それが1点です。
 もう一つは、栄養に関してなのですけれども、今回、同時改定でも栄養・口腔ケア・リハビリテーションというのは、非常に重要なところだということですが、最近、在宅栄養指導管理料が非常に少ないといいます。一方で、在宅栄養ケア・ステーションというのは、各県で最低1つはあるかと思います。
 そこで少し質問させていただきたいのは、私も知識不足で、当県にも在宅栄養ケア・ステーションがあるのですけれども、病院は、自分で管理栄養士を持っているから、そこから自分の職員を派遣できるのですけれども、診療所がかかりつけの患者さんを診て、栄養管理が必要だと思って派遣する場合に、栄養ケア・ステーションを利用するときに、個別に一時診療所と契約を結んだりして、そこから派遣しないと診療報酬が算定できないということを、お聞きしたのですけれども、そういうことなのかどうか。
 実際に診療所が、栄養ケア・ステーションの訪問管理栄養士を使ってする場合に、その指示箋等が出せるのか、それは診療報酬上認められるのかどうか、その辺の仕組みが、私も明確ではないので、その辺のことがありましたら教えていただいて、それが、もし、そこで何かハードルがあるのであれば、それを少し緩めるような方向等もぜひ考えていただくと、せっかく各都道府県にある栄養ケア・ステーションが、実際なかなか動いていないというのが現実ではないかと思うので、それについてお伺いしたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ただいま、池端委員から栄養管理に関する御質問をいただきましたけれども、事務局、いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 栄養ケア・ステーションに関するお尋ねでございます。栄養ケア・ステーション自体は、今、全国で110か所、そして、登録されている管理栄養士さんの数は4,000名を超えているという状況でございます。実際に医療機関が、この栄養ケア・ステーションと連携し、そして、訪問栄養食事指導を行うには、契約が必要であるということは、そのとおりでございまして、また、必要に応じてどのような形態であれば、確実に報酬を算定できるかということをお示ししていきたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 続きまして、林委員、お願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。
 在宅(その1)ということで、総論的に歯科の立場から意見と要望を申し上げます。
 今回は、医療・介護障害福祉サービスの同時改定ということで、地域包括ケアシステムを推進する観点からの在宅歯科医療の充実、特に、同時改定意見交換会でも申しましたが、160ページに示していただいております、リハ・口腔・栄養の一体的な提供は非常に重要であり、地域医療の根幹になっていくものと考えております。
 99ページのスライドにありますように、訪問診療を行う歯科診療所は、徐々に増えてはおりますが、現在、歯科訪問診療を実施しているのは、歯科診療所の約2割程度にとどまっております。まだまだ少ないため、各地域における在宅歯科医療の提供体制の構築をさらに進める必要があると感じております。
 その上で、資料に沿って発言させていただきます。
 109ページの歯科訪問診療の算定状況を見ると、令和2年が大きく減少しております。令和2年の新型コロナウイルスの感染拡大時におきましては、感染拡大の不安等から、施設等や在宅で療養している患者さんに対する訪問を断られるケースがあり、必要な歯科医療提供が制限されるケースがあったと考えております。また、訪問が可能になった後も、なるべく短い時間での治療を求められるということもございました。歯科訪問診療は、診療時間が20分以上かどうかによって診療報酬が異なりますが、この時間要件についても検討をいただきたく思っております。
 100ページの病院歯科の訪問の状況は、地域差が大きく、歯学部等がある都道府県で多い傾向があります。歯科診療所で対応が困難な場合は、訪問診療においても病院歯科との連携は非常に重要だと考えますので、病院と歯科診療所のそれぞれの機能に応じた評価について、検討をお願いしたいと思います。また、歯科医療(その1)でも病院歯科の役割に関する資料がございますので、歯科医療(その1)の際に、田村専門委員から病院歯科での訪問診療の現状や、役割等について、あわせて意見を伺う機会をいただきたく要望いたします。
 112ページからの在宅療養支援歯科診療所につきましては、施設基準の見直しが行われてきておりますが、今後さらに機能分化・連携が進むよう、機能に応じて適切な評価の検討を引き続きお願いしたいと思います。
 117ページからの訪問歯科衛生指導は、要介護高齢者の誤嚥性肺炎等の予防の観点からも、特に重要と考えております。今回は介護との同時改定ですので、施設等で実施される日常の口腔衛生管理と、歯科訪問診療で医療として実施する訪問歯科衛生指導では、その役割が異なることを考慮いただき、要介護者の口腔健康管理がさらに推進されるよう、診療報酬と介護報酬の双方で調整、検討をお願いしたいと思います。また、人生の最終段階におきましては、口腔乾燥などから生じる疼痛、不快感などで頻回の介入が必要になるケースもあると聞いておりますので、適切な介入が可能となるよう御検討をいただきたいと思います。また、給付調整についても併せて検討をお願いいたします。
 124ページの栄養サポートチーム等連携加算の実施状況は、介護保険施設等と比較して、入院患者では、まだまだ少ないことから、意見交換会でも指摘しておりますが、連携して実施できる体制が進むよう、御検討をいただきたく思います。
 125ページからの小児在宅ですが、資料のとおり増加傾向にあり、医療的ケア児の増加などに伴い、今後さらにニーズが増すと予想されますので、適切な評価をお願いしたいと考えております。
 129ページからの連携に係る評価について、これまで何度も発言しているとおり、本同時改定では、関係者間の情報連携が非常に重要だと考えております。歯科訪問診療が主に歯科診療所で提供されている現状を踏まえ、連携する上での課題を洗い出し、より連携が推進するよう、御検討をいただきたく思います。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 続きまして、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 訪問薬剤管理について、156ページの小括に沿って、幾つかコメントをさせていただきます。
 1つ目ですが、薬剤師による在宅患者への訪問薬剤管理指導は進んでいるところですが、在宅患者の数は2040年以降にピークを迎えると言われています。薬局薬剤師は、今後、さらに増加が見込まれる在宅医療のニーズを的確に捉え、先ほど長島委員からもありましたけれども、かかりつけ医をはじめとする多職種との連携を通じて、在宅においても、より質の高い薬物治療を提供していかなければなりません。
 そのためには、地域の薬局において、在宅医療の受入れ体制だけでなく、医療用麻薬の適時適切な提供、ターミナルケアへの参画、夜間、休日の緊急時の対応など、質、量の両面から地域において必要な薬剤サービスが提供できるよう、体制の整備を進めていくことが必要です。
 在宅医療における多職種との連携をさらに推進できるよう、例えば、医師の訪問に同行した場合などについて、評価を含めて検討していく必要があると考えます。
 次に、薬剤師による高齢者施設等への訪問対応についてですが、145ページで示されている各施設類型における課題について、さらなる薬剤管理の推進の観点から、今回の同時改定で、それぞれの施設の特性を踏まえた形で検討して、評価を見直していくべきと考えます。
 次に、緩和ケアにおける医療用麻薬の取扱いについてですが、参考資料の76ページのとおり、様々な成分、規格、剤形の医療用麻薬が流通しており、患者さんの状態等に応じた使い分けが必要とされます。
 医療用麻薬を取り扱うには、法令による規制にしっかりと従う必要がありますし、地域の様々な医師の処方に対応するために、多くの成分、種類を取りそろえ、備蓄管理を行うことは、薬局にとって管理コストのみではなく、廃棄ロスも含めて大きな負担となっています。この辺りについては、報酬上で何かしらの配慮が必要かと考えます。
 また、終末期の患者さんの状態は刻々と変化するため、緊急時対応や頻回な訪問が必要な場合があり、特に緊急時の対応については、時間外対応の視点も重要です。
 このような対応は、薬局にとって大きな負担となりますので、現状の緊急訪問の評価だけでなく、頻回な訪問や時間外対応に関しても、何らか報酬上での配慮が必要と考えます。
 また、参考資料の77ページで示されているとおり、夜間、休日の対応は、地域で支えるという観点も必要で、このような対応ができる薬局は、周辺の薬局と連携して対応することを含め、地域でそのことが分かるようにしていくことも必要と考えます。
 これから、各都道府県において、第8次医療計画の中でも整備が検討、予定されていると思いますが、これからは地域において、行政と薬剤師会、医師会や関係団体が連携して対応するという取組を進めていくことも、一つの考え方ではないかと思います。
 最後に、在宅中心静脈栄養法加算と、在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算については、居宅で介護保険を利用する患者さんにおいても、これらの薬学管理はされておりますが、現状では医療保険側でしか評価がございません。
 この同時改定の機会に、評価の在り方について検討し、このようなサービスを提供している薬局が、きちんと評価されるよう見直しが必要と考えます。
 また、医療材料の、いわゆる逆ざやについてですが、146ページにあるように、償還価格が仕入れ価格を下回る、いわゆる逆ざやが約40%もあり、この件に関しては、日本薬剤師会にも多くの意見が寄せられております。
 同時に、医療材料については、各種企画の取りそろえや、包装単位の問題もありますので、在宅対応を行う中で、医療材料を扱う場合の評価についても対応が必要と考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 大体、これで2号側の委員の方々から御発言があったのですけれども、続きまして、1号側に移りたいと思うのですが、その前に、長島委員、それから林委員から、専門委員の方からも御意見を伺ってはどうかという御提案がございましたので、御意見を伺ってよろしいでしょうか。
 吉川専門委員から、お願いできますでしょうか。
○吉川専門委員
 ありがとうございます。
 私からは、質の高い訪問看護の推進と、精神科の訪問看護について意見を述べさせていただきます。
 今後、在宅医療の需要が大幅に増大していく中、住み慣れた地域で生活できるように地域包括ケアシステムを推進していく上では、訪問看護の役割は、さらに大きくなると考えております。
 今後のニーズの拡大に対応していくためには、それを支える訪問看護提供体制の整備、構築は、引き続き、重要な課題です。
 特にここ数年は、75ページなどにも示されておりますように、ターミナルケアや、医療保険の利用者など、重症度が高く、状態変化が激しい利用者が非常に増加しております。
 機能強化型訪問看護ステーションの増加、また、夜間、早朝、そして深夜における訪問看護の利用者数の増加というものは、こうした重症度の高い利用者が、安心して療養できるように対応しているためとなっております。
 一方で、87ページ、88ページに示されておりますとおり、利用者の医療ニーズや、看取りなどの支援を行うためには、オンコールや、緊急訪問など、24時間対応体制を確保する必要があり、看護職員の精神的・身体的負担が非常に大きくなっています。
 安全で安心な質の高い訪問看護を提供していくためには、看護職員が働く環境の整備、また、事業所の体制整備、事業所間の連携等の推進を検討していく必要があると考えます。
 また、95ページにあるような専門性の高い看護師による専門的な管理や、専門性の高い看護師と訪問看護との同行訪問の取組も広がってきておりますが、特養や、ショートステイなど、現行制度では訪問看護が受けられない場所で療養している患者さんにつきましても、近年、医療的ケアや看取りのニーズが増加しておりますので、同時改定の機会に、対象領域や、訪問先の拡大についても検討が必要と考えます。
 次に、精神の訪問看護についてです。
 精神科領域の訪問患者数は非常に増加していること、精神障害にも対応した地域包括ケアシステム実現のためには、地域での療養を支える訪問看護の役割が大きくなっております。
 精神科の訪問看護の現状としましては、精神疾患と身体疾患を合併した方への対応以外にも、例えば、貧困問題、家庭内に複数の疾患や、障害を持つ方がおられ、家族丸ごと支援が必要な場合などでは、非常に複雑で困難な対応が求められております。
 そのようなケースには、医療または介護、障害福祉の枠を超えて、関係者と連携するとともに、昼夜を問わない患者さんからの相談に対応していると聞いております。
 このような複雑な状況で対応している精神の訪問看護については、機能に応じた評価の在り方を検討していくべきと考えております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。田村専門委員、先ほど林委員から御指名がありましたけれども、よろしくお願いいたします。
○田村専門委員 すみません、私のほうは、歯科医療(その1)のときに、まとめてお話しさせていただければと思います。よろしくお願いいたしました。
○小塩会長
 承知いたしました。
 よろしいでしょうか。それでは、安藤委員、お待たせいたしました、お手が挙がっていましたので、よろしくお願いいたします。
○安藤委員
 ありがとうございます。
 私のほうからは、2点質問と1点意見を述べさせていただければと思います。
 まず、訪問診療、往診等に関する資料の52ページ、53ページにあります、在宅患者訪問診療料や在宅がん医療総合診療料の算定回数につきまして、かなり都道府県によってかなり大きなばらつきがあるとのデータが示されております。
 在宅医療に関わる診療報酬上の取扱いを考える上で、こうした地域差がどのような理由で生じるのかを把握しておく必要があると考えております。
 先ほど池端委員からの御意見にも、その点触れられておりますが、事務局としまして、現時点で分析しているものがありましたら、お示しいただければ幸いであります。
 次に、歯科訪問診療について、意見を述べさせていただきます。
 資料の102ページに、訪問診療を実施していない理由が記載されております。その一番上の理由としまして「歯科訪問診療の依頼がないから(ニーズがあれば対応は可能)」というものが41.3%ございました。
 介護施設におきましては、歯科の訪問診療を行ってほしいとの要望をする施設がほとんどであるため、これにつきましては、何らかの形でニーズのマッチングを進めていただければと考えております。
 また、129ページにありますとおり、歯科訪問診療の実施に当たり、医療機関や保険薬局、介護保険施設等との連携に関する診療報酬項目の算定が大変少ないことが見て取れます。これにつきましても、現時点での要因等を分析されておりましたら、御教示いただければと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 安藤委員からも御質問をいただいておりますが、事務局、対応していただけますでしょうか、お願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 総-2の52ページ、53ページでございますが、在宅がん医療総合診療料でございますけれども、この算定回数につきまして、都道府県によってばらつきがある、その要因の分析如何というお尋ねでございました。
 こちらに関しましては、そもそもがん診療に関しましては、都道府県で計画をつくり、その中で、その県、その県で適切ながん医療を適切に提供されるようにという前提の中で、実際にどのような資源で、それを提供していくかということだと考えてございます。
 その中では、例えば、一つの診療報酬であります在宅がん医療総合診療料のみならず、例えば、訪問看護によるサービス提供ですとか、そういったものも行われておりまして、そういったものを総合的に見ていく必要があろうかと思っております。
 私どもとして、52ページ、53ページ、特に53ページ、県によってばらつきがあるということの定量的な分析というのは、なかなか困難かなと思っておりますが、様々な視点で見ていく必要があろうかと思っているところであります。
 以上です。
○小塩会長
 よろしいでしょうか。
 それでは、佐保委員のお手が挙がっていますので、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。私からは2点ございます。
 1点目です。在宅医療は病気になっても、安心して住み慣れた生活の場で療養するものであり、地域包括ケアシステムにとって不可欠なものと言えます。
 こうした観点で資料を見ますと、37ページの都道府県ごとの在宅患者訪問診療料や、38ページの往診料の算定回数の増加率では、地域ごとに差が生じております。
 また、往診料では、2015年と2020年を比較して、和歌山県や長崎県などで算定回数が大きく減少しております。
 良質で切れ目のない医療提供体制構築のためには、地域差の要因分析も必要だと考えます。この点、事務局には要因の把握等をお願いしたいと考えます。
 2点目です。73ページの訪問看護ステーションの利用者の主傷病の推移を見ると、「精神および行動の障害」の増加率が最も大きいとされております。
 この内訳として、どの年代が多いのかということを教えていただければと思います。
 また、72ページの利用者の状態を見ると、70から80代が多いとあります。高齢者の割合が多いのかどうかについて、教えていただきたいと思います。
 また、こうした主傷病の場合に実施されているケアについて、もちろん患者の状態にもよると思いますが、実際の主なケアの内容について、状態に応じて整理していただいて、資料を示していただきたいと考えております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 今、佐保委員からデータの御要望がありましたけれども、対応していただけますでしょうか。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 まず1点目、精神科訪問看護の利用者の状況、年齢階級別ということでございますが、一応84ページの資料のほうで、まず、それをお示ししているというところでございます。
 その他、御要望、また、今後の議論に資する資料に関しましては、準備をさせていただきたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず、総論として在宅医療につきましては、皆様方おっしゃっておられますけれども、高齢化のさらなる進展による需要の拡大と、一方で、限られた医療資源を有効に活用する観点から、地域医療構想による病床機能の分化、強化、連携と一体的に対応していくことが必要と考えております。
 そのためには、地域の医療関係者がそれぞれの機能を十分に発揮し、ニーズに対して過不足なく、質も伴う形で提供することが非常に重要だということを改めて主張いたします。
 こうした医療を考える上で、質、量、そして偏在地域差という問題があることは十分承知しておりますけれども、13ページと14ページのところに、必要量の算定というのが出ているのですけれども、一方で、提供量に対する数値化というのが、どこかこの資料の中にあるのであれば、御紹介いただきたいというお願いが一つございます。
 続きまして、資料の166ページにございます、各分野の論点に沿って、意見を申し上げたいと思います。
 訪問診療については、今回は法律に盛り込まれました、かかりつけ医機能の発揮の観点からも、踏み込んだ議論が必要だと考えます。
 資料の31ページを拝見しますと、診療所の取組が頭打ちになっている印象がございますが、診療所において、かかりつけ医機能は重要な要素でございます。
 その在宅医療について、さらなる役割を果たしていただくことが、大変重要だと考えます。
 在宅医療を幅広い医療機関が行うためにも、緊急時の入院を含め、在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院、地域包括ケア病院の機能も併せて議論すべきだと考えております。
 続きまして、往診について40ページの資料を見ますと、往診の加算が増加傾向にあり、特に令和4年度に緊急往診加算が大きく増加しております。
 41ページに、コロナ特例が紹介されておりますが、特例措置の廃止後の動向について、注意深く見ていくべきだと考えますので、可能であれば、データの提供をお願いしたいと思います。
 こうした限られた医療資源を効率的に活用するためにも、往診は通院が困難な場合の手段ということを、患者を含めて改めて共通認識として持つべきだと考えます。
 先ほど来、地域間のばらつきに関して、各委員からいろいろ御質問が出ておりますけれども、私も1点ございまして、42ページ、都道府県ごとの夜間往診加算等の算定状況を見ますと、福島県が、ほかと比べて特に突出していることが分かります。
 どういった理由で、このような状況になったというのが、現段階でお分かりのことがあれば、御教示いただきたいと思います。
 続きまして、資料は49ページに移りますけれども、在宅での看取り加算や、ターミナルケア加算の算定回数が増加しており、今後さらに在宅での看取りのニーズが高まることが想定されますので、指針の策定のみにとどまらず、意思決定支援が進んだのかどうかといった実効性も含めて、詳しく見ていく必要があると考えます。
 続きまして、訪問看護ステーション規模について、77ページに記載がございますけれども、大規模化が進んでいる様子がうかがえます。
 サービスの継続的な提供、効率性な観点からも大規模化は大事なことだと考えますので、引き続き推進をする方向で検討を進めるべきではないかと考えております。
 続きまして、資料の92ページ、精神科訪問看護についてですけれども、グラフにありますとおり、複数回訪問加算の利用者数が急増しております。それに伴い1件当たりの利用料も増加していると思いますが、適切なケアが提供されているのかも踏まえて、どういう状態の患者に対して、どのようなサービスが提供されているのか、実態を丁寧に見ていく必要があると考えております。
 続きまして、訪問歯科診療ですけれども、資料の99ページから100ページなどを見ますと、ニーズはあるものの、全体として、やはりサービスが足りていないという印象を持ちました。
 通院して医療を受けることが難しい患者に対して、効率性にも着目しながら、適切に訪問歯科診療が提供されるよう、議論を進めていく必要があるかと思います。
 その際には、報酬のみならず、問題点にも挙がっております、機材の提供をどうしていくかという観点も含めて、議論を進めるべきと思います。
 続きまして、137ページ、訪問薬剤管理指導についてでございますが、薬局全体の約7割が在宅対応ありと回答していらっしゃいます。
 実態として、在宅でどのような対応を行っているのかは、中身の精査が必要だと思います。資料の141ページから143ページに記載がございます、医師等との連携において期待される役割について、処方提案や服薬状況の確認、残薬整理、薬物療法に関する助言などが挙げられております。
 こうした役割が実際に果たされているのかについても、確認しながら議論を進める必要があると考えております。
 続きまして、164ページ、池端委員からもコメントがあったかと思いますが、訪問栄養食事指導について、算定していない理由が示されておりますが、効率的に指導を実施すると考えれば、限られた資源を有効活用する観点からも、訪問看護の中で栄養指導が提供されるように、先ほど言われたステーションの活用あるいはICTの活用なども考えながら、より効率的な体制を検討すべきだと考えております。
 私からは以上になります。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 松本委員からも御質問が幾つかございました。訪問診療の提供料についてのデータがあるかどうか。
 それから、夜間、深夜、往診でしたか、福島県の数字について、ほかと少し違うので、何か原因があるかと、その点について現時点でお分かりでしたら、御回答をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 医療課長でございます。
 後段の夜間、深夜、休日、往診加算、特に42ページでございますが、福島県の算定回数が多いということに関して、どのような分析があるかというお尋ねだったと承知をしてございます。
 私どもとして定量的に、今、こうですと申し上げられるほど、分析が進んでございませんが、今、一部の医療機関で、深夜、夜間に積極的に時間外の往診を受けつける医療機関が増加してきているということも把握しているところでございます。
 そういった医療機関の動向も含めて、私ども、ここはより詳細に見ていくことが必要だろうと考えているところでございまして、また、必要に応じ、データを提出させていただきたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 よろしいですか。
○松本委員
 ありがとうございました。
 前段の質問は、どうですかね。
○小塩会長
 訪問診療の提供料についてのデータがありますかという御質問もありました。
○眞鍋医療課長
 大変失礼いたしました。
 私どもニーズに関しては、確かに12ページ、13ページでしたか、冒頭のグラフのほうでお示しをしたものでございます。
 また、提供料に関しましては、私ども訪問関係の診療報酬項目の算定回数をそれぞれお示しすることで、このぐらいのサービス提供料があるということは、お示ししているところでございます。
 あとは、やはり地域のニーズに応じて、例えば、地域医療計画の中でも在宅医療の計画は立てられるということでございますので、その地域地域に応じて必要量を定められ、また、それに応じて提供されるべきものと考えております。定性的な回答にとどまり、申し訳ございませんが、そのように考えております。
○小塩会長
 よろしいでしょうか。
○松本委員
 ありがとうございました。
 地域医療計画の検討の中でも、多分、こういったものの議論はあったかと思いますので、もし、そういった資料等がございましたら、次回でも結構ですので、御提供いただければと思います。ありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかに御意見、御質問は、高町委員、お願いいたします。
○高町委員
 ありがとうございます。
 高齢化が進む中で、在宅医療というのは、需要も増えておりますし、重要度も増していると思います。
 その中で、障害の有無や、疾患の有無にかかわらず、切れ目のない医療を受けられる体制の構築が必要だと思います。
 また、資料によりますと、在宅の医療と介護の連携におきまして、急変時の対応が進んでいないという調査結果が出ております。こちらの改善といたしまして、連携の強化、それから情報共有の必要性が指摘されていますけれども、患者の立場からは、それらに加えて、安心して在宅医療を受けられるために、医療の質の確保が必要だと考えています。
 ですので、その方策も併せて御検討いただくことが必要だと考えております。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 それでは、飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
 ありがとうございます。
 今日の資料で、在宅の医療が非常に増えてきているということで、中身というのですか、少し御質問もあったのですが、誰が、どのような在宅医療を担って増えてきているのかというのを、本日もしくは今後御説明いただければと思いました。
 池端委員の御説明では、3つのタイプがあるということで、かかりつけ医、専門クリニック、それからメガ在宅ということなのですが、それらがボリューム的に、あるいは曜日時間帯的に、あるいは治療を行っている疾患ですとか、看取りですとか、そういったものをどういう機関が、どういうことをやっているのかというのを少し詳しく教えていただいて、今後どのような体制を整備していくかということについて、そういった情報が非常に貴重なるかと思いましたので、よろしくお願いいたします。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 それでは、この在宅(その1)につきましても、委員の方々から多くの御質問、御意見を頂戴いたしました。
 本件に関わる質疑は、このあたりといたしますが、本日もさらに情報を提供してほしいという御要望を複数の委員の方からいただいておりますので、本日いただいた御意見、御要望も踏まえて、事務局におかれましては、引き続き対応していただくようにお願いいたします。
 それでは、次の議題に移ります。
 「歯科医療について(その1)」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○小嶺歯科医療管理官
 事務局、歯科医療管理官でございます。
 総-3を用いて、歯科医療(その1)について御説明いたします。
 2ページ目が目次になっております。
 まず、歯科医療を取り巻く状況について御説明いたします。
 3ページ目は歯科診療所の数など、医療施設の状況、
 4ページ目が歯科医師数、
 5ページ目が歯科診療所の平均従事者数の推移の状況となっております。
 6ページ目、年齢階級別の推計患者数をお示ししており、近年、患者数は緩やかに減少するとともに、65歳以上の高齢者の割合が増加しております。
 7ページからは、口腔の健康状態に関する資料をお示ししております。
 1人平均現在歯数は、いずれの年齢階級でも増加しており、特に65歳以上の高齢者で大きく増加をしております。
 8ページ目、いわゆる8020達成者の割合ですけれども、令和4年で51.6%となっております。
 9ページ目は、う蝕の有病率、
 10ページ目は、4ミリ以上の歯周ポケットがある方の割合をお示ししております。
 続いて、11ページ目ですが、こちらは、歯科の傷病分類別の推計患者数をお示ししており、特に高齢者のう蝕や、慢性歯周炎が増加している状況になっております。
 13ページ目が、歯科診療所の外来受療率を、医科の一般診療所と比較してお示しをしているものでございます。
 14ページ目は、平成30年度診療報酬改定時にお示しした、歯科治療の今後の需要の将来予想のイメージ図になっております。従来の歯科治療だけで終えるということだけではなく、今後、治療・管理・連携がより重要になるということをお示ししております。
 15ページ目から17ページ目は、医政局における歯科医療提供体制等に関する検討会で示された資料などをお示ししております。
 18ページ目については、先日開催された意見交換会での歯科に関する主な御意見をまとめております。
 続きまして、19ページ目からが、診療内容と医療費に関するデータになっております。
 20ページ、歯科医療費ですけれども、現在、約3兆円ということで、近年、やや増加傾向にあり、国民医療費に占める割合は、約7%となっております。
 21ページには、それを年齢階級別の歯科医療費としてお示ししております。
 22ページは、レセプト1件当たりの診療実日数をお示ししており、近年減少傾向となっております。
 23ページ目には、レセプト1件当たりの平均点数をお示ししており、24ページ目は、それをさらに診療行為別に見たものとなっております。
 25ページ、26ページは、小児の年齢階級を、さらに細分化してお示ししたものになっております。
 続きまして、27ページからが歯科医療に係る診療報酬上の評価についてお示ししておりまして、28ページにございますように、10のテーマに分けて、順次資料を用意しております。
 まず、かかりつけ歯科医機能についてですけれども、29ページについては、日本歯科医師会が示されているかかりつけ歯科医についての考え方になっております。
 続きまして、30ページですけれども、こちらは診療報酬で評価をしている、かかりつけ歯科医機能の評価を4つの観点でまとめたものになっております。
 32ページに、現在のかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準をお示ししており、33ページが届出状況になっております。
 令和4年で、1万1795施設となっております。
 35ページには、かかりつけ歯科医の機能と、在宅歯科医療に関する施設基準の関係をお示ししております。
 37ページには、医療安全、院内感染防止対策との関係について、イメージをお示ししているところです。
 続きまして、38ページにつきましては、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準において、研修受講ですとか算定実績を必須としている内容をライフコースに沿って位置づけたイメージ図になっております。現状において、乳幼児期から小児期にかけては、必須としている要件がないという状況でございます。
 続きまして、41ページからが、病院における歯科の機能に関する評価についてです。
 42ページには、歯科を標榜する病院数の年次推移をお示ししており、令和2年時点で、歯科関係のいずれかの標榜科があるという病院が、1,819施設となっております。
 続きまして、43から44ページが地域歯科診療支援病院歯科初診料の施設基準の状況、45ページ目に届出状況をお示ししており、令和4年で595施設が届けられているという状況でございます。
 続きまして、46ページですけれども、病院で求められる歯科医療のイメージをお示ししております。入院患者様に対しては、急性期、回復期及び慢性期のそれぞれに応じた歯科医療を提供することが求められると考えております。
 続きまして、49ページから医科歯科連携について、お示しをします。
 50ページから54ページは、周術期等口腔機能管理に係る評価の概要などをお示ししております。
 55ページから57ページにつきましては、周術期等口腔機能管理に関連する評価の算定状況をお示ししておりまして、いずれも平成24年に、周術期等口腔機能管理が新設されましたけれども、それ以降、年々増加をしているという状況でございます。
 58ページは、歯科診療を行う上で、必要な診療情報などの共有を医科と歯科、それぞれで評価をした診療情報連携共有料という項目の算定状況をお示ししております。平成30年に新設されておりますけれども、年々増加をしているものの、算定状況は低調となっております。
 続きまして、59ページでは、糖尿病患者に対する医科歯科連携の有効性に関する資料、
 60ページには、医、歯、薬の連携が重要であると考えられる薬剤による口腔内の環境への影響などに関する資料をお示ししております。
 続きまして、61ページからが介護との連携に関する資料になっております。
 62ページには、介護保険施設における歯科医療管理について、お示しをしておりますけれども、赤枠で囲っているところ、受診経験がない方が約30%いるという状況になっております。
 63ページから64ページでは、介護保険施設等との連携、65ページでは、歯科医師と介護支援専門員の連携に関するデータをお示ししております。
 続きまして、68ページからは、院内感染防止対策についてお示ししております。
 70ページにございますように、令和4年度の診療報酬改定においては、新興感染症にも適切に対応できる体制を確保するという観点から、基本診療料の見直しを行ったところです。
 71ページに、歯科初診料、再診料の院内感染防止対策に係る施設基準の届出の状況をお示ししており、令和4年時点で、6万5295施設ということで、歯科医療機関の95%ぐらいが届出をしている状況でございます。
 72ページからは、歯科外来診療環境体制加算に係る資料、届出状況となっております。
 続きまして、75ページからは、歯科疾患の重症化予防に関する資料をお示ししております。
 77ページに、診療報酬における歯科疾患の管理ですとか、重症化予防に関する評価をまとめております。
 78ページは、歯科疾患管理料の概要、79ページに、その算定状況をお示ししております。
 算定回数としては、年々増加をしている状況でございます。
 80ページからが、う蝕の重症化予防に関する資料、84ページからは、歯周病の重症化予防に関する項目の算定状況等をお示ししております。
 歯周病の重症化予防につきましては、85ページにありますように、左側にある歯周病重症化予防治療というものと、右側にある歯周病安定期治療というものによって、評価をされております。
 88ページ、それから90ページに算定状況をお示ししておりますけれども、こちらは、いずれも算定回数としては、伸びてきているという状況でございます。
 続きまして、91ページ以降ですけれども、こちらは歯科衛生士による歯科衛生実地指導料に関する資料をお示ししております。
 92ページにありますように、算定回数は年々増加をしているということです。
 その実地指導で行われる内容については、92ページの中段にあるように、プラークの除去方法などの指導等を求めているところでありますが、93ページを御覧いただきますと、現在の歯科衛生士の教育では、生活習慣なども踏まえた歯科保健指導なども教育をされているという状況でございます。
 続きまして、94ページからがライフステージに応じた口腔機能管理に関する資料になっております。
 95ページから98ページが、小児に対する口腔機能管理について、99ページから101ページが、高齢者に対する口腔機能管理について、お示ししております。いずれも算定回数としては、年々増加しておりますけれども、歯科疾患管理料の算定状況と比較をすると、全体としてはかなり少ないという状況になってございます。
 続きまして、102ページからが、障害者、有病者、認知症の方への歯科医療について、お示ししております。
 103ページから108ページは、障害者の歯科診療に関する評価の状況などをお示ししております。
 106ページにありますように、歯科診療特別対応加算については、算定状況は増加している状況でございます。
 111ページには、歯科医療機関から学校などに診療情報の提供を行うことがあるかということに関する調査の結果をお示ししております。一定数の学校に対する診療情報の提供というのがあるという現状にございます。
 続きまして、114ページからは、認知症に関する資料をお示ししております。
 116ページに、認知症の方に対する口腔管理の状況ですとか、治療が困難な場合の対応についての資料をお示ししておりますけれども、認知症が重度になってくると、口腔清掃が自立できないですとか、口腔ケアの介助も拒否をされるような方が多くなってくるという状況であり、それから、治療が難しくなってくると、なかなか診療所では対応が難しく、近くの大学病院などに紹介をしているケースが、比較的多いということが分かります。
 続きまして、117ページからですけれども、電話や情報通信機器を用いた歯科診療について、お示ししております。
 118ページ、119ページは、医政局で行われたICTを活用した歯科診療等に関する検討会で示された資料、120ページ、121ページは、コロナ特例に関する資料になっております。
 122ページに、コロナ特例での電話や情報通信機器を用いた診療の算定状況をお示ししており、令和4年では、1か月当たりも100回前後算定をされていたという状況でございます。
 124ページ、125ページには、令和4年度診療報酬改定で新設をした、訪問歯科衛生指導の際の情報通信機器の活用に関する評価の資料をお示ししており、125ページにあるように、算定状況は、現状ではまだ低調という状況になっております。
 続きまして、126ページから歯科固有の技術についてお示ししております。
 127ページには、近年の診療報酬改定において導入された主な技術、128ページには、歯の部位と、それらに対応する歯冠修復の種類、材料についてまとめております。
 129ページ、130ページには歯冠修復のうち、CAD/CAM冠と、金銀パラジウム合金により製作をされた全部金属冠の算定の状況をお示ししており、129ページにございますように、小臼歯については、令和4年にCAD/CAM冠の算定回数が金銀パラジウム合金を上回ったという状況になっております。
 132ページ、133ページの上段に、これまで申し上げた現状の課題をまとめております。
 133ページ目の下段のところに、論点を6つ掲げさせていただいております。
 まず1つ目ですけれども、かかりつけ歯科医に求められる機能や病院における歯科医療など、歯科医療機関の機能・役割に応じた評価について、どのように考えるか。
 2つ目、医科歯科連携やリハビリテーション・栄養・口腔の連携、介護との連携など、関係者との連携をさらに推進する観点から、診療報酬の在り方についてどのように考えるか。
 3つ目、歯科外来診療における院内感染防止対策や外来診療の環境の整備の評価について、どのように考えるか。
 4つ目、口腔疾患の重症化予防や口腔機能管理をさらに推進するため、歯科衛生士による実地指導の評価も含め、診療報酬のあり方について、どのように考えるか。また、障害者等の歯科診療を行う上で配慮を要する患者に対する評価について、どのように考えるか。
 5つ目、新型コロナウイルス感染症の拡大時の臨時的な取扱いにおける実施状況等を踏まえ、電話や情報通信機器を用いた歯科診療の評価について、どのように考えるか。
 6つ目、歯科固有の技術の評価について、どのように考えるか。
 これらにつきまして、御意見を頂戴できればと考えております。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見ございましたら、よろしくお願いいたします。
 それでは、林委員、お願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。
 133ページの論点に沿って発言いたします。
 まず、1つ目の論点でございます。日本歯科医師会のかかりつけ歯科医に対する考え方は、29ページに示すとおりで、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準は、その機能を評価するものと捉えており、本来は全ての歯科医がかかりつけという認識で患者さんに対応しております。コロナ禍での経験として、これまで定期的に受診していた患者さんでも、環境の変化や受診控えの影響で、口腔の状態が悪化しているケースや、う蝕や歯周病などが悪化するケースが多く見られました。かかりつけ歯科医は、定期的に患者さんの口腔の健康を管理することにより、歯科疾患の重症化を予防するとともに、食べる、話す、笑うといった日常生活の基本的な機能の維持向上に寄与することが、重要な役割と考えております。
 35ページ、37ページに、か強診と他の施設基準との関係をイメージとして示していただいておりますが、本来は重なる部分も多くあり、もう少し複雑な構造であると感じております。
 か強診の担う役割としては、ライフコースに応じた歯科疾患の重症化予防や地域包括ケアシステムにおける連携など、多岐にわたると考えております。歯科医療機関の機能分化や連携を適切に進め、地域の状況に応じた歯科医療提供体制を構築するためにも、重複する部分を整理して、分かりやすい施設基準になるよう御検討いただきたいと思います。
 また、病院歯科で求められている歯科医療のイメージを46ページに示していただいておりますが、慢性期や回復期では、歯科がない病院も多いことから、地域の歯科診療所との連携も含め、入院患者へ適切な歯科医療、口腔管理の提供を推進し、リハ・口腔・栄養の一体的な取組を進めることが重要と考えております。
 また、病院歯科の役割や連携などについては、先ほど在宅でもお願いしましたとおり、田村専門委員から意見を伺う機会をいただきたく要望いたします。
 次に、論点2つ目についてです。がん患者等への周術期等口腔機能管理の実施状況は、年々増加してきておりますが、周術期のみならず、脳血管疾患等により、長期療養される患者さんの口腔と栄養の管理が一体的に行われることで、誤嚥性肺炎や低栄養の予防に資することは、既にデータでも示されており、地域の歯科診療所がさらに参加し、貢献できるよう連携を深めることが必要と考えております。
 また、周術期以外にも、糖尿病における医科歯科連携や各種薬剤の副作用等に関する医・歯・薬の連携につきましても、さらに推進すべきと考えております。
 次に、論点3つ目についてです。歯科医療現場におけるスタンダードプリコーションは、新型コロナウイルス感染症を経験し、患者さんにとっても、さらに安心できる体制になっていると感じており、この感染対策を今後も継続していくことは重要でございます。
 72ページから74ページに示されております、外来環境体制加算は、AEDや酸素といった体制を整備する機材要件を含む施設基準であり、一定の評価はされてきたところではありますが、今般の新興感染症等での感染対策における考え方、それとの整理も必要ではないかと考えております。新興感染症の流行時であっても、継続した歯科医療提供体制を維持する観点から、この辺りも本改定で整理いただきたいと考えております。
 次に、論点4つ目についてです。歯を喪失する一番の原因である歯周病や、う蝕は、適切な管理を行うことで、重症化予防が可能な疾患です。歯周病重症化予防治療、いわゆるP重防や、歯周病安定期治療、いわゆるSPTにつきましては、これまでの診療報酬改定で、新設や見直しをしていただきましたが、結果として複雑になっている部分もあり、より効果的な管理を行うためには、もう少し分かりやすくなるよう整理が必要ではないかと考えております。また、歯科衛生士の行う歯科衛生実地指導は、重症化予防の観点から非常に重要です。具体的には、現場では口腔衛生状態の評価とともに、歯垢の染め出し、正しいブラッシング方法の指導等を行っておりますが、最近はそれだけではなく、口腔機能や生活習慣などの観点からの歯科保健指導が行われておりまして、多くのケースでかなりの時間を要していると思われます。より推進していくためにも、現場で行われている指導の実態に応じた、正当な評価を御検討いただきたいと思います。
 小児を含めた障害児者や認知症の方への歯科治療も非常に重要であり、治療時には、患者さんの状態に応じた配慮や時間を要することも多いのが実態でございます。患者さんの状態や診療時に要するマンパワーなどの実態を踏まえた、適切な評価について検討をお願いしたく思います。
また、以前、田村専門委員から実態をお話しいたしました学校等との情報連携も、ぜひ御検討ください。
 次に、論点5つ目についてです。
 新型コロナウイルスの感染拡大下で、歯科においても電話や情報通信機器を活用したオンラインでの対応については、ある一定のニーズが存在したと考えております。歯科医療は、直接患者さんに処置などを行うことが大半ですので、対面診療が基本であるとは考えておりますが、今般の新型コロナウイルスの感染拡大のように、外出が制限されるような状況などにおいて、歯周病などの急性症状などに対しまして、まず、オンライン診療で症状、状態を確認し、必要に応じて投薬を行うことが、有効なケースがあるのではないか、そういったことに対する評価は必要と考えております。また、そのほかにも口腔機能や、摂食機能の評価、顎顔面領域の慢性疼痛の管理などで情報通信機器が活用できるのではないかという現場の声もございますので、歯科におきましても、情報通信機器を用いた診療の評価について、検討をお願いしたいと思います。
 最後、6つ目の論点についてです。
 冒頭申し上げたとおり、歯科医療は、食べる、話す、笑うなど、日常生活の基本的な機能、いわゆる生活の質を支える医療として非常に重要と考えております。
 平成30年には、口腔機能低下症や、口腔機能発達不全症に対する管理料が新設され、新しい検査等も導入されましたが、取組が十分に進んでいるとは言えない状況です。原因の1つとして、口腔機能管理の中で行われる口腔機能獲得や口腔機能向上のための訓練に対する評価がないということもあるかと思いますので、検討をいただきたいと思います。
 また、糖尿病や喫煙などの生活習慣は、歯周病など、口腔疾患へ大きな影響を与えることが知られておりますので、これらに関する管理の評価についても検討をいただきたく、要望いたします。
 131ページにありますように、令和4年では、CAD/CAMインレーが保険収載されるなど、金属以外の材料の保険適用は進んできてはおりますが、まだ、適用部位に制限があったり、金属以外の材料が使用できない補てつ物がございます。市場価格に左右されない歯科用材料の導入推進を、引き続き、お願いしたく思っております。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 引き続き、田村専門委員から御説明をお願いいたします。
○田村専門委員
 ありがとうございます。
 病院歯科の機能についてですが、医療的ケア児や認知症患者さん、摂食機能が低下した患者さん等に歯科訪問診療を行う中で、侵襲性の高い治療や高度な歯科治療、専門性の高い歯科治療が必要となった場合、在宅で行うには難しいケースもあります。
 その場合には、地域の病院歯科との連携が必要になるのではないかと思います。
 連携の方法として、1つは、病院歯科が歯科診療所との連携のもとに、歯科訪問診療を行うということがあると考えます。
 また、もう一つが、資料の46ページにあるように、病院歯科に依頼し、外来診療だけではなく、入院下にて全身管理のもと、歯科処置を行っていただき、その後は、また訪問診療で口腔管理を行うという連携の形があると考えます。
 このような連携は、在宅患者さんの口腔の健康を維持するためには、非常に有効なシステムであると感じています。
 資料の116ページにありますように、認知症の人に対する歯科治療が困難な場合、在宅療養支援診療所から、病院歯科や大学病院へ紹介すると回答している割合が多いというデータも出ています。
 病院歯科が地域の歯科診療所の後方支援としての歯科訪問診療や、入院での歯科治療の受入れ等、地域の状況に応じた役割を担うことにより、連携がより推進されることを希望します。
 以上です。ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず、総論として歯科医療につきましては、今回、論点には入っておりませんけれども、機能や実績と関連のない基本診療料の引上げが続いていること。並びに、予防的な部分が保険診療の領域で拡大していることにつきまして、保険者として強い問題意識を持っていることを、まず、お伝えしたいと思います。
 続きまして、資料の133ページにございます論点に沿って、意見を申し上げます。
 かかりつけ歯科医につきましては、論点の2つ目にもありますように、医科、歯科、介護との連携も含め、かかりつけ歯科医機能強化型診療所、俗に言う、か強診がどのような役割を担うべきか考える必要がございます。
 患者にとっては、か強診とそれ以外の違いが分かりにくいと思います。
 38ページには、ライフコースの各ステージごとで行うことが書かれておりますけれども、小児科に関する要件が設定されないということは紹介されておりますけれども、例えば、か強診で治療を受けたことによって、患者にどのようなメリットが発生するのか、その点を、ぜひお示しいただきたいと思います。
 続きまして、資料の37ページを見ますと、医療安全や感染防止の観点については、初診料と外来診療環境体制加算と、か強診のイメージが示されておりますけれども、医療安全と感染対策は、歯科診療所であれば、ある意味でマストな事項であり、より充実した体制をどのように評価するのか、これも患者に分かりやすいように整理が必要だと考えております。
 次に、2つ目の論点であります連携についてですが、医科との連携が進んでいない要因は、丁寧に分析する必要があると考えております。
 また、資料の65ページを拝見しますと、介護支援専門員との連携も不十分であり、今後、介護支援専門員を通じて、歯科医療のニーズを把握し、通院できない患者に対して、在宅で歯科医療を行うことが必要だと考えられます。
 3つ目の論点については、先ほど、か強診について述べたとおりでございます。
 4つ目の論点である口腔疾患の重症化予防については、冒頭でも述べましたように、保険診療領域に予防歯科が拡大している点に懸念がございますので、この辺りの整理、区分の明確化について図っていく必要があると考えます。
 また、歯科衛生士による実地指導については、提供されているサービスの実態を踏まえ、実績に応じて、めり張りを強化することも考えられると思います。
 最後に、5つ目の歯科固有の技術については、貴金属価格の乱高下にも左右されない観点からも、新しい材料の活用を積極的に検討すべきであると考えております。
 私からは以上になります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
 ありがとうございます。
 私からは、1点質問と1点意見を述べさせていただきます。
 まず、58ページの診療情報連携共有料につきまして、医科と歯科で算定状況に大きな差が生じておりますが、これは、どのような要因によるものなのかということを、事務局のほうで分析しているものがありましたら、教えていただきたいと思います。
 また、本加算に限らず、高齢化の進展の中で歯科医療機関と、医療機関や介護支援専門員等との連携や口腔機能管理の重要性は、今後、ますます高まってくると考えられているところでございます。
 そうした加算の算定状況が、芳しくないことにつきましては、今後データに基づいて、その要因を分析した上で、必要な見直しを検討していくべきであると考えております。
 また、歯科に関するオンライン診療について、口腔内の状態をどのように適切に撮影するのかなど、課題は大変多いとは思いますが、ウィズコロナの中で、また、一層の医療DX化の進展の中で、クリニック等に赴いての受診が難しい高齢者等のニーズに応える方策を、今後、探っていただきたいと思っております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ただいま、安藤委員から御質問を1ついただきましたが、事務局、いかがでしょうか。
○小嶺歯科医療管理官
 事務局でございます。
 安藤委員からの御質問、診療情報連携共有料について、医科からの算定が少ないのではないかということで、その要因についてということで御質問いただきましたけれども、事務局のほうで、明確にその原因について分析ができているわけではございませんが、この診療情報連携共有料というのが、歯科からの必要性に応じて、医科に問い合わせたときの情報共有を、まず最初に評価しているところがあり、それに対する情報の提供として、お返事として医科のほうから算定ができるということになっているのですけれども、もしかすると、医科のほうで、まだまだ診療情報連携共有料が算定できるということの認識が少ないところもあり、もしかすると、算定をせずにお返事だけをいただいているという状況もあるのではないかと思っております。
 詳細については、まだ分析ができておりませんので、先ほど、ほかの医療・介護の連携ですとか、口腔機能管理の重要性などについても、進んでいない状況などの分析の必要性等をいただきましたので、次回に向けて、また、必要な資料等は検討してまいりたいと思います。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 安藤委員、よろしいでしょうか。
○安藤委員
 はい。
○小塩会長
 ほかに、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 私からは1点だけです。
 125ページの通信画像情報活用加算の算定の算定していない理由で「実施予定はないため」が44.7%となっております。
 これについて、地域のニーズがないのか、それとも、歯科医療機関が実施されないのか、今後、深掘りが必要ではないかと考えております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 歯科医師と薬剤師、病院歯科、歯科診療所と薬局の連携の推進も重要な視点と考えます。
 歯科の院外処方における薬の飲み合わせの確認はもちろん、他の医療機関から処方されている薬による口腔内乾燥や歯肉肥厚など、口腔内への影響や、抗凝血薬のように、歯科治療を行う際に注意を要する医薬品などの情報連携は、非常に重要なものと考えます。
 具体的には、資料の60ページにあるように、口腔内の環境と機能に影響を与える医薬品は多くあり、特にビスフォスフォネートに代表される骨代謝改善に影響を与えるような医薬品については、投与前に必要な歯科治療をしっかりと行うことや、投与期間中も顎骨壊死などの重篤な副作用を含めて、歯科医師による定期的な口腔管理が必要となります。
 特に最新の顎骨壊死検討委員会のポジションペーパーでは、原則として、このような薬剤を休薬しないことが推奨されていますが、それは、口腔管理の重要性が低くなったわけではなく、今回のポジションペーパーでは、医・歯・薬連携のもとでの口腔管理の必要性について章立てされ、明記されておりますので、むしろ、医師、歯科医師、薬剤師の連携により、しっかりと定期的に管理していくことの重要性が高まったものだと考えます。
 また、近年、歯科医師会と連携して取組が進んでいることとして、薬剤師がチェックシートやチェックリストなどを活用し、口腔チェックやオーラルフレイルの状況確認などを行い、必要に応じた歯科への受診勧奨を行っています。今後、歯薬連携の取組がますます重要になってくると考えます。
 これらの観点を踏まえ、歯薬連携の在り方について、現場での連携が進むよう、方策を検討していくべきだと考えます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。ほかに御質問等ないようですので、本件に係る質疑は、このあたりといたします。
 本件の「歯科医療(その1)」につきましても、貴重な御意見を頂戴いたしました。今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、引き続き対応していただくようにお願いいたします。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
 それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。
 長時間、どうもありがとうございました。
 

 

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3797

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