このページではJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にしてください。

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 中央社会保険医療協議会 総会 第543回議事録(2023年4月26日)

 
 

2023年4月26日 中央社会保険医療協議会 総会 第543回議事録

○日時

令和5年4月26日(水)10:00~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 笠木映里委員 永瀬伸子委員 安川文朗委員
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 高町晃司委員 眞田亨委員 鈴木順三委員
長島公之委員 茂松茂人委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 森昌平委員
吉川久美子専門委員 上田克彦専門委員 田村文誉専門委員
<参考人>
保険医療材料等専門組織小澤委員長
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 中田医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他


○議題

○部会・小委員会に属する委員の指名等について
○医療機器及び臨床検査の保険適用について
○在宅自己注射について
○医療DXについて(その1)
○その他

 

○議事 

○小塩会長
おはようございます。ただいまより第543回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、末松委員と羽田専門委員が御欠席です。
それでは、最初に委員の交代について御報告いたします。今回は5名の交代がございます。
まず、1号側委員代表ですが、間宮清委員におかれましては、このたび退任され、後任として高町晃司委員が本日付で発令されております。
続きまして、公益委員代表ですが、中村洋委員におかれましては、3月31日付で退任され、後任として安川文朗委員が4月1日付で発令されております。
続きまして、専門委員ですが、中村春基専門委員におかれましては、このたび退任され、後任として上田克彦専門委員が本日付で発令されております。
また、堀之内晴美委員におかれましては、3月31日付で退任され、後任として守田恭彦専門委員が4月1日付で発令されており、林利史専門委員におかれましては、3月31日付けで退任され、後任として前田桂専門委員が4月1日付で発令されております。
なお、各委員からは「自らが公務員であり、高い倫理観を保って行動する」旨の宣誓をいただいております。
それでは、新しく委員となれられました高町委員、安川委員、上田専門委員より、一言御挨拶をお願いいたします。
最初に、高町委員、お願いいたします。
○高町委員
おはようございます。
高町晃司と申します。間宮委員に代わりまして、本日付でこのような大役を仰せつかることになりました。
私は、薬害スモンの被害者であり、患者です。スモンの原因となりましたのは、3歳のときに、キノホルム製剤1,000錠入りの缶をそのまま2缶渡されて、それを服用したことにより、スモンを発症しまして、発症当時は足の麻痺と視力障害でしたが、現在残っているのは、重度の視力障害が残っております。
私がスモンを発生しましたような1,000錠入りの缶をそのまま渡すといったようなことは、現在はないのかもしれませんけれども、このようなことが起きたのは、やはり患者のことを考えずに、医療側の利益重視の姿勢といったものが生んだものかと、私は考えておりますので、そのような薬害の被害者としての立場、また、患者の立場といたしまして発言させていただければなと思っております。
ただ、私は素人ですので、最初のうちは的外れな発言をしたり、場違いの発言をしたりして皆様に御迷惑をかけることもあろうかと思います。そのようなことがなるべくないように努力してまいりたいと思いますので、これから御指導のほど、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、安川委員、お願いいたします。
○安川委員
皆様、おはようございます。中村洋委員の後任で4月1日より公益委員に任命されました、安川文朗と申します。
私は、医療経済学とか医療政策といった分野、それから、主に医療に関連する危機管理について長いこと勉強して研究をしてきました。
どうやったら地域の医療資源をうまく活用して、地域の人たちの健康や幸福がより高まるかということに、ずっと関心を持って勉強したり、研究をしたりしてきました。
このたび、このような形で直接医療政策に関わるお仕事をさせていただくことになりました。大変微力ですが、精一杯努めますので、どうぞ皆様、よろしくお願いいたします。
○小塩会長
どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
続きまして、上田専門委員、御挨拶をお願いいたします。
○上田専門委員
上田克彦と申します。私は、チーム医療推進協議会の代表として、中村春基委員からの引き継ぎでおります。
チーム医療推進協議会は、患者さんの団体も含めて20の多職種、医療技術の専門職で成り立っております。
そのような中で、我々は、医療、福祉、介護等に幅広い方向で、この委員会にも貢献できたらと思っております。
私自身は、日本診療放射線技師会のほうの会長も行っておりまして、実務としても37年間病院で勤務しておりました。このような経験も生かして貢献できたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日をもって中医協の委員を御退任となります間宮委員より、一言御挨拶をお願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。退任挨拶の時間を取っていただきまして、ありがとうございます。
まず、2017年から6年間、中医協の委員として参加できたことは、各号委員の皆さん、公益委員の皆さんや、事務局の皆さん、それからメディアの方々ですとか、患者の立場である皆さんの御協力と支援のおかげであると思っています。心から感謝いたします。ありがとうございました。
振り返りますと、任期の半分は新型コロナウイルス感染症対応の中での参加となったということです。コロナ禍以前にできていたコミュニケーションが十分に取れなくなったことですとか、特例措置ですとか、緊急の対応などに戸惑うこともありました。
そんな中で感じたのは、患者は、やはり自分が受けた医療についてもっと知るべきであるということです。保険制度についても、もっと知るべきだと思いました。
会議中にも何回か発言しましたけれども、患者にとって一番の医療者というのは、患者自身なのですね。自分のことを一番知っているのは患者自身です。その本人が、自分が受けた医療ですとか、保険制度を十分に知らないままでは、幾ら医療が進歩したとしても、患者の安全・安心というのは確立されないと思います。
自分が受けた医療について知る第一歩として、診療明細書の無料発行がありましたけれども、その実現に取り組んできたという思いがあります。
多くの医療機関で対応していただけるようになったということは、喜ばしいことなのですけれども、まだまだ入院時に受けた医療については、明細書に記載されていない状態というのがあります。こういったことというのは、患者リテラシー向上のためにも患者が十分に理解できるように取り組んでほしいと願っています。
今後、医療費の負担というのが、患者の生活に影響しないように十分検討していただきたいと思っています。
特に若い世代の負担軽減は、必要不可欠であると考えています。例えば、出産費用の保険適用が実現して、高度な医療を全国の医療機関どこでも、誰でも受けられる体制が整うことを願っています。
それと、子供の歯科矯正についても適用拡大が必要だと考えています。今、ほとんどが自由診療ですから、親の世代の負担が非常に重くかかる場合がありますし、子供のときに矯正しないで大人になってから矯正するということになると、費用負担が非常に多く発生したりとか、健康被害も受けることが、今、起きていますので、そういうことがないように願っています。
最後に、催奇形性等のリスクのある薬に対する承認制度ですとか、安全対策について、少し私としてはハードルが下がっているように思っています。国や医療関係者の皆さんは、過去に起きた悲惨な健康被害を二度と起こさないという思いを強く持って対応していただきたいと思います。
中医協には、やはり保険適用の場面の最後の砦として機能していただきたいと願っています。
以上です。本当にありがとうございました。
○小塩会長
間宮委員、どうもありがとうございました。6年間お世話になりました。ありがとうございました。
それでは、本日の議事に入らせていただきます。
最初に、委員の交代に伴いまして、部会及び小委員会に属する委員につきましても異動が生じます。
部会、小委員会に属する委員につきましては、社会保険医療協議会令第1条第2項等の規定により、中医協の承認を経て、会長が指名するということになっております。委員のお手元に、資料総-1といたしまして、新しい中医協の委員名簿とともに、委員のある部会及び小委員会の名簿の案をお配りしております。
まず、高町委員でいらっしゃいますが、間宮委員からの交代となりますので、8ページ目にございます、費用対効果評価専門部会に所属していただければと思います。
それから、安川委員ですけれども、中村委員からの交代になりますので、4ページの診療報酬基本問題小委員会、5ページの診療報酬改定結果検証部会、6ページの薬価専門部会、7ページの保健医療材料専門部会、そして、8ページの費用対効果評価専門部会に所属していただければと思います。
そして、守田専門委員と前田専門委員ですが、堀之内専門委員と林専門委員からの交代となりますので、8ページの費用対効果評価専門部会に所属していただければと思います。
以上のように所属先を決めたいと思うのですけれども、そのように指名することとしてよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、そのようにさせていただきます。
続きまして「医療機器及び臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。小澤委員長より御説明をお願いいたします。
○小澤委員長
小澤でございます。それでは、説明いたします。
中医協総-2-1の資料を御覧ください。
今回の医療機器の保険適用は、C1が1製品1区分です。
2ページ目を御覧ください。
販売名は「メドトロニックPerceptRC」です。
5ページ目の製品概要を御覧ください。
本品は、脳深部に電気刺激を与えることによって、振戦、パーキンソン病またはジストニアの症状を軽減することを目的とした充電式の植え込み型電気刺激装置です。
2ページにお戻りください。
価格につきましては、類似機能比較計算方式で評価しました。
2ページ目の○の部分に、補正加算についての説明を記載しております。構造等における工夫により、類似機能区分に属する既収載品に比して、患者にとって低侵襲な治療が可能となることや合併症の発生が減少するなど、より安全かつ有効な治療をできることが、客観的に示されていること。
また、形状の保持が可能になるといった耐久性の向上や長期使用が可能となることが、客観的に示されていることから、プラス10%の改良加算とすることが妥当と保材専として判断いたしました。
この結果、最終的な価格を232万円といたしました。
既収載品の償還価格に改良加算を乗じた価格のため、参照した外国平均価格はございません。
続きまして、中医協総-2-2の資料を御覧ください。
今回の臨床検査の保険適用は、E3の2件です。
2ページ目を御覧ください。
販売名は「イムファストチェックHIT-IgG」です。
測定項目は、血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体定性です。
測定方法は、イムノクロマト法です。
4ページ目の製品概要を御覧ください。
本品は、血漿または血清を検体として、抗血小板第4因子(抗PF4)-ヘパリン複合体IgG抗体の検出し、ヘパリン起因性血小板減少症の診断補助に用いる臨床検査です。
2ページにお戻りください。
保険点数につきましては、D012感染症免疫学的検査44単純ヘルペスウイルス抗原定性(角膜)2回分420点を参考点数としています。
続いて、5ページ目を御覧ください。
販売名は「AmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネル」です。
測定項目は、肺がん関連遺伝子多項目同時検査(7項目)です。
測定方法は、リアルタイムPCR法(定性)です。
8ページ目の製品概要を御覧ください。
本検査は、がん組織から抽出したDNA中の遺伝子変異及びRNA中の融合遺伝子及びRNA中のスキッピング変異をリアルタイムPCR法によって検出し、非扁平上皮、非小細胞肺がん患者における医薬品の適用判定の補助に用いる臨床検査です。
5ページにお戻りください。
保険点数につきましては「D006-24肺癌関連遺伝子多項目同時検査10,000点」「D004-2悪性腫瘍組織検査1.悪性腫瘍遺伝子検査イ.処理が容易なもの(1)医薬品の適応判定の補助等に用いるもの2,500点」を合算した1万2500点を参考点数としています。
御説明いたします内容は、以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、事務局から補足がございましたら、お願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
特にございません。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。小澤委員長、どうもありがとうございました。
○小澤委員長
ありがとうございました。
○小塩会長
続きまして「在宅自己注射について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。
それでは、総-3を用いまして御説明をさせていただきたいと思います。在宅自己注射指導管理料の対象薬剤の追加についてでございます。
総-3を御覧ください。
今回御提案をさせていただく薬剤は1剤、ビメキズマブであります。
この薬剤は、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬など、皮膚の病変でございますけれども、こちらに対して使用する薬剤ということでございます。
参考資料にございますとおり、学会からも要望書が提出されてございます。
投与間隔が初回から16週までは4週間、以降は患者さんの状態に応じまして、4週間から8週間でされている薬剤でございまして、今回、14日を超える投薬が可能になるというものでございます。
承認時期は、資料の下にありますとおり、令和4年1月に薬事承認されたもの、そして、参考資料にございますとおりですが、承認以降1年間をもって、これを承認するというルールがございますので、こちらを今回、在宅自己注射指導管理料の対象薬剤に追加してはどうかと御提案するものでございます。
御説明は、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「医療DXについて(その1)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。
それでは、資料総-4を用いまして「医療DXについて(その1)」について御説明をさせていただきたいと思います。
2ページ目、1から7までございますけれども、本日御説明し、そして御議論いただきたい項目でございます。
「1.医療DX推進の取組」「2.全国医療情報プラットフォーム」「3.電子カルテ情報の標準化」「4.診療報酬改定DX」「5.電子処方箋」「6.サイバーセキュリティ」「7.これまでの診療報酬上のDXにかかる評価」でございます。
3ページ「1.医療DX推進の取組」です。
4ページでございますけれども「医療DXとは」でございます。
こちらにまとめておりますように、保健・医療・介護の各段階におきまして発生する情報などを、全体最適化された基盤を通じまして、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データの保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えることと定義できると示してございます。
5ページ「医療DXの方向性」についてであります。
お示ししております「背景」「方向性」に対する医療DXの骨格として、下に箱がございますけれども「1.全国医療情報プラットフォーム」「2.電子カルテ情報の標準化、標準型電子カルテの検討」「3.診療報酬改定DX」、こういったものが骨格ということで、お示しをしてございます。
6ページであります。
「医療DXにより実現される社会」についてであります。
下の模式図の説明にございますけれども、personalhealthrecord、PHRの推進ということを真ん中に置いてございまして、デジタル化による医療現場における業務の効率化等ができるとされてございます。
7ページでございますけれども「医療DXの実現により目指す社会」ということでございます。
これを推進することで、さらなる健康増進、切れ目なく、より質の高い医療などの提供、医療機関等の業務効率化、人材の有効活用などが期待されるところでございます。
8ページは、医療DXの推進本部と、当面の進め方で体制図となってございます。
推進本部に関しましては、本部長を総理と位置づけられているところでございまして、その下に幹事会などが設けられているということでございます。
9ページ目でございます。
これは、昨年の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針と言われるものでございまして、この中にも記載がございます。先ほどの全国医療情報プラットフォーム、電子カルテ情報の標準化及び診療報酬改定DXの取組をということで、進めることが記載されているところでございます。
10ページ目でございます。
「情報化の『基盤』としてのオンライン資格確認」ということでございますけれども、この下に①、②、③とありまして、その下に矢印がございます。①、②、③を可能とするために、データヘルスの基盤としてオンライン資格確認があるということをお示しするものでございます。
11ページ以降「2.全国医療情報プラットフォーム」についてであります。
12ページ「医療DXに関する施策の現状と課題①」でありますけれども、現状における課題といたしまして、真ん中に課題のポツが3つございます。
「本人の同意の下で情報を共有する主体が限定的」。
「共有される情報の種類が限定的」。
「全国医療情報プラットフォームの運用主体等の考え方の整理が必要」という点が課題として挙げられているところでございます。
次に13ページ、14ページでありますけれども、13ページは全国医療情報プラットフォームの将来像でございます。
オン資のネットワークを拡充し、医療情報について、クラウド間連携を実現し、自治体や介護事業者間を含め、必要なときに必要な情報を共有、交換できる全国的なプラットフォームとしております。
14ページは、それぞれの連携ネットワークにおける現在の進捗状況、そして課題を整理したものでございます。
15ページに進ませていただきまして、ここからが「電子カルテ情報の標準化」についてでございます。
16ページ「電子カルテ情報の標準化」につきましては、現状といたしまして、電子カルテにつきましては、ベンダーごとに異なる情報の出入力方式が採用されていたり、あるいは異なるベンダーの電子カルテを導入している医療機関の間では、情報の共有が困難といった課題がございます。
17ページでございますけれども「医療DXも踏まえた電子カルテ情報を共有できる仕組みの実装方法」といたしまして「電子カルテ情報交換サービス」、この絵の中では真ん中に赤い破線で囲ってございますけれども、これを通じて医療機関や患者本人がカルテ情報を閲覧するという方向で検討されているものでございます。
18ページ、基盤を構築する上での情報の発生タイミング、そして、登録の仕組みに関しましてまとめてございます。
19ページに進ませていただきまして、医療機関等の間で電子カルテ情報を電子的に交換することによるメリットをまとめてございまして、患者さん、医療機関、そして保険者という立場ごとに、どのようなメリットがあるかということをお示しするものでございます。
20ページ以降が「診療報酬改定DX」についてであります。
21ページ「診療報酬改定DXに関する議論の状況」であります。
「医療DX令和ビジョン2030」の提言におきましては、抜粋でございますけれども「(3)診療報酬改定DX」の部分に関しまして、その下の①、②にあるようなメリットがあるということでございます。
22ページ、こちらは診療報酬改定への対応ということでございますけれども、現状、改定時期というのは、ベンダーや医療機関等における業務負荷が非常に過剰になるということでございます。
それに対応いたしまして、①算定モジュールの開発、②診療報酬改定施行時期の検討を行っていくことにしているところでございます。
23ページでありますけれども、共通算定モジュールの構成要素と標準化・共通化についてお示ししたものです。
24ページが「診療報酬改定DX対応方針(案)」でございます。
最終ゴールといたしましては、進化するデジタル技術を最大限に活用し、医療機関等における負担の極小化を目指すこととし、この中で4つのテーマをお示してございます。
24ページの下の真ん中の箱でございますけれども「共通算定モジュールの開発・運用」。
右に行きまして「共通算定マスタ・コードの整備と電子点数表の改善」。
左下に行きまして「標準様式のアプリ化とデータ連携」。
最後、右下でございますけれども「診療報酬改定施行時期の後ろ倒し等」ということでございます。
25ページに進ませていただきまして、診療報酬改定DXの取組状況について、お示しをしてございます。
26ページは、取組スケジュールについてお示してございます。
下の箱にございますとおり、令和6年度から横軸に従って、右側に時が流れていく形でありますけれども、縦軸は医療機関ですとか、薬局等というところまで対象となるような機関をお示ししてございますけれども、その中で、例えば令和6年度から、先ほど申し上げたような共通算定マスターの提供ですとか、電子点数表の改善ですとか、施行時期の後ろ倒しなどをお示ししてございまして、それを右側に流れていくような形で、スケジュールとして開発する取組を進めていってはどうかというものでございます。
27ページからが「電子処方箋」についてであります。
28ページ「電子処方箋の導入状況」でございますけれども、ここにございますとおり、令和5年1月26日から電子処方箋管理サービスの運用を開始しており、上の青い網掛けの部分にありますような形で導入されているものでございます。
29ページに進ませていただきまして、こちらは「電子処方箋の導入意義」ということでございます。病院・診療所、薬局、そして患者さん、それぞれのお立場でこのような意義があるとまとめているものでございます。
30ページ「処方・調剤された情報や重複投薬チェック結果の参照」についてでございます。
医師・歯科医師及び薬局は、電子処方箋管理サービスでチェックを実施することができるということでございます。
31ページでありますけれども、こちらは「発行形態・受付方法毎の電子処方箋の機能・利用方法」についてであります。
重複投薬のチェックなどの各機能が利用可能になるということでございます。
32ページでございますけれども「電子処方箋の導入による効果」であります。
実際に電子処方箋を導入した施設から、様々なメリットの声を御紹介するものでございます。
33ページ、こちらは「電子処方箋・マイナポータルと電子版お薬手帳等のアプリの連携について」でございます。
34ページが、その具体的な内容ということでございます。御参照いただければと思います。
35ページに進みまして「お薬手帳の議論の方向性」ということでございます。
お薬手帳として利活用の推進のほかに、医療者とのコミュニケーションツールとしての活用なども期待されるということが真ん中の○にございます。
36ページ以降が「サイバーセキュリティ」についてであります。
37ページ「『重要インフラのサイバーセキュリティに係る行動計画』の概要」についてお示しをするものでございます。
38ページでございますが「厚生労働省所管の重要インフラ分野における主な取組」をお示ししてございます。
医療、水道と分けまして、上段に医療に関することを記載しております。
39ページでありますけれども、こちらは「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン改定の経緯」でございます。
下に矢羽根で第1版からございますけれども、平成17年3月に、まず、医療情報システムのセキュリティ管理を目的として策定されたもの。
そして第2版から、現在、第5.2版ということでございまして、その内容というのは、充実してきていることをお示しするものでございます。
直近の5.2版でございますけれども、40ページのほうに、その概要をお示ししているものでございます。
41ページに進ませていただきます。
現在、第5.2版から6.0版への改定方針ということでお示しをしているものでございまして、2023年4月からの保険医療機関、薬局で、オンライン資格確認導入の原則義務化ということが行われてございます。
おおむね全ての医療機関などにおきまして、本ガイドラインに記載されているネットワーク関連のセキュリティ対策が必要となるということでございます。
これを踏まえまして、こちらにお示ししておりますような点について検討することとしてございます。
42ページです。
「令和3年度までの医療機関におけるサイバー攻撃の対応策」についてであります。
厚労省におきましては、先ほどのガイドラインを定めております。医療機関等に対し、技術的・運用面での観点から必要な対策を求めておりまして、令和3年度からは、注意喚起や実態調査なども行ってございます。
令和4年度の診療報酬改定、一番下の箱の一番下の○でございますけれども、こちらの報酬改定におきましても、診療録体制加算におきまして、非常時に備えたサイバーセキュリティ対策が講じられるよう、要件を追加したということでございます。
43ページでありますけれども、こちらは「医療機関のサイバーセキュリティ対策の現状・課題」について整理したものをお示ししてございます。
44ページは短期的なもの、そして、45ページが中長期的なサイバーセキュリティ対策ということでお示しをするものでございます。
46ページでありますけれども、先ほど申し上げましたところでございます。令和4年度の診療報酬改定における診療録管理体制加算の見直しとして、先ほどのガイドラインを踏まえまして、400床以上の病院に対しまして、医療情報システム、安全管理責任者の配置等を要件としたものをお示ししてございます。
47ページ、48ページでありますけれども、これは標準規格の導入状況や今後の対応予定、そして、バックアップ保管に係る体制についてお示しをするものであります。
49ページでございます。
こちらは、近年のランサムウェア感染事案に関しまして、その概要をまとめているものでございます。
50ページでございますけれども、令和4年11月10日の事務連絡による注意喚起をお示ししてございます。
51ページでございますけれども、厚労省におけるセキュリティ研修の強化と提供について、支援ポータルサイトを御案内してございまして、その概要でございます。
最後のアイテムでございますが「これまでの診療報酬上のDXにかかる評価」ということでございます。
次のページを飛ばしまして、53ページであります。
平成28年度の診療報酬改定ということでございますけれども、汎用画像診断装置用プログラムの保険収載に伴いまして、脳卒中ケアユニットの入院管理料の医師配置要件の緩和を行ってございます。
また、画像診断管理加算の夜間等における負担軽減に係る対応も行ってございます。
54ページでありますけれども、さらにICT技術を活用した医療連携、医療に関するデータの収集、利活用の推進として、診療情報提供書等の文書の電子的な送受に関する記載の明確化、画像情報・検査結果等の電子的な送受に関する評価を行っております。
55ページから63ページでございますけれども、そのほかにも令和4年度、前回改定までのこれまでの改定におきまして、ICTを活用した業務の簡素化・効率化等を評価してきたところでございます。
最後の64ページ、論点でございます。5つお示しをさせていただいてございます。
全国医療情報プラットフォームの構築や電子カルテ情報の標準化において、情報の共有に当たっての標準規格化された3文書及びそれに含まれる6情報を普及促進し、医療の質向上のために活用していくことについて、どのように考えるか。
2つ目です。診療報酬改定DXにおいて、共通算定モジュール導入と、診療報酬改定の施行時期後ろ倒しは、各医療機関やベンダー等における対応に係る負担軽減を目指して検討されているところ、財政影響や改定結果の検証期間等の総合的な観点からどのように考えるか。
3つ目です。電子処方箋について、医療機関や薬局・患者間での処方/調剤の情報共有やAPI連携によるマイナポータルからの情報連携を含め、薬剤情報の有効活用を通じて質の高い医療を提供するために、どのように対応していくべきか。
4つ目です。サイバーセキュリティ対策について、これまで診療録管理体制加算などで、セキュリティ安全管理体制に係る要件を設定するなどの対応を行ってきましたが、サイバー攻撃などに対してどのように対応すべきか。
最後でございます。今後の人口減少社会の中で医療従事者の勤務環境改善を進めるに当たり、医療DXによる取組を診療報酬の中で評価することについて、どのように考えるかとしているところでございます。
事務局の説明は、以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、コメント等ございましたら、よろしくお願いいたします。
最初に、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
ありがとうございます。
64ページにある5つの論点について申し上げます。
まず1つ目ですが、電子カルテ由来の3文書6情報は、現在既に共有可能なレセプト由来の情報と比べて、臨床上の有用性がより高い内容でありますので、医療DXの目的である国民、患者の皆様への安心・安全で、より質の高い医療提供が今以上に可能になることが期待できます。また、医療機関にとりましても、情報取得が効率化されれば、負担軽減につながります。したがって、普及推進すべきと考えます。
ただし、医療DX全般に言えることですが、仕組みの導入や維持のために、医療現場の業務や費用の負担が増大し、肝心の医療提供に支障を来すようでは本末転倒と言えます。
したがって、医療DXの新しい機能が追加される場合には、医療機関側の導入時及び毎日の業務負担ができるだけ小さくなるようなシステムを構築すべきであります。
また、費用に関しては、必要かつ十分な支援がされるべきと考えます。負担軽減が最も有効な普及推進策にもなります。
続いて、2つ目の論点です。
診療報酬改定が行われると、医療機関では短期間で対応するために、大きな業務負担が生じています。
また、レセコンや電子カルテの改修のための費用も、最終的に医療機関が保守経費やリース料などの形で負担しています。
したがって、資料24ページにありますように、診療報酬改定DXでは、医療機関における負担の極小化を目指すべきであり、ベンダーに生じる負担軽減効果については、運用保守経費等の軽減を通じて、医療機関に確実に目に見える形で還元されるべきと考えます。
また、共通算定モジュールに関しては、26ページにありますように、医療機関の規模など実情に応じて、標準型レセコンの提供も含む実際に役立つ対応が望まれます。
診療報酬改定の施行時期後ろ倒しの期間に関しては、医療現場にどのような影響があるのか、ベンダーや医療機関の作業の短期集中を、どの程度の期間延長すれば必要な効果が得られるのか、財政にどのような影響があるのか、あるいは、改定の結果検証にマイナス面の影響をできるだけ生じさせない長さにするなどを考慮して、総合的に検討する必要があると考えます。
3つ目の論点です。
電子処方箋で最も期待される効果である重複投薬や併用禁忌のチェックが有効に働くためには、その地域のできるだけ多くの医療機関と薬局が参加している必要があります。
しかし、現在はまだ普及率がかなり低いのが最大の課題であり、各地域における普及促進が大変重要であります。
普及の最大の阻害要因は、本年2月に日本医師会が医療7団体と連名で、厚労大臣に提出した電子処方箋導入に伴う補助金の拡充に関する要望でお示ししたとおり、補助率と事業額上限の低さにあります。
1つ目の論点で指摘したように、普及のためには医療機関の導入時の負担をできるだけ小さくする必要があります。
4つ目です。
医療DXを推進するためには、医療機関のサイバーセキュリティ対策の強化が必要不可欠であり、対策には、自助、共助、公助があります。
最も重要なのは、自助ではありますが、医療機関には対策を行うための人材、教育、費用が乏しく、自助に限界があります。自助が可能になるための支援が必要です。
そこで、日本医師会では、会員への共助として、サイバーセキュリティ支援制度を運用しております。
国に対しては、公助としての補助金を強く求めたいと思います。さらに、国による人材育成、教育の充実も重要です。
また、必要と考えられる対策を行っている医療機関が、避けようがないサイバー攻撃にあった場合もあるのではないかと考えます。まずはそういった状態が、どのような具体的な状態であるのか、対応を検討する前に、技術的な詰めについて事務局に示していただきたいと思います。
最後5つ目の論点ですが、資料にありますように、既にこれまでも医療DXに関連した診療報酬上の評価は存在しております。
医療DXの普及や進歩により、さらに業務が効率化して、医療従事者の業務負担を軽減する効果や情報共有を基に、地域医療連携が円滑化することで、個々の医療機関の負担が軽減する効果が期待できます。
したがって、今後もその状況を注視しながら、医療DXを適切に評価していくべきと考えます。
私からは、以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
続きまして、林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
64ページの論点に沿って質問と要望をさせていただきます。
論点1つ目の全国医療情報プラットフォームや、電子カルテ情報の標準化についてですが、歯科における電子カルテの普及は、ほとんど進んでいない状況と認識しておりますが、今後小規模な医療機関向けの標準型電子カルテの議論の進め方や、歯科のベンダーも小規模なところが多いのが実情ですが、このベンダー等への対応など、どのように進めていくのかなど、分かる範囲で結構ですので、お考えをお聞かせいただきたく思います。
次に、論点2つ目の診療報酬改定DXにつきましては、21ページから記載があり、今後の議論になるとは思いますが、従来からの改定年の4月から新しいルールに変わるといったイメージが強いため、患者、医療機関が十分に理解して納得できるような制度設計について、丁寧かつ早期に周知していただきたく要望いたします。
論点3つ目の電子処方箋に関しては、論点の1つ目と同様で、手挙げ歯科診療所数は一定数あると資料にはございますが、まだまだ実装しているとは言い難いと思います。
この部分も含めて、厚労省としてどのように推進していくかなど、分かる範囲で併せて教えていただきたく思います。
論点4つ目のサイバーセキュリティ対策は、大病院のみならず、小規模な医療機関にとっても同様であり、患者さんの大切な個人情報を守るという視点で、非常に重要な課題であると思っております。
高齢等の理由により、ITに不慣れな先生方も一定数存在しておりますので、できるだけ安心して安全に取り組むことができるような対応をお願いしたいと思っております。
最後に、これまでも何度も発言してはおりますが、医療DXにつきましては、日本歯科医師会も推進する方向で考えております。
本日示された資料も、様々な所管や縦割り部分のところもあり、運用面において、細かい部分では、まだまだ医療機関にも伝わりにくい部分も多いところです。
分かりやすい周知と、小規模な医療機関でも取組をしやすく、かつ、国民にとってもメリットを感じられる仕組みの構築をお願いしたいと思っております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
林委員から論点1と3について御質問がありましたけれども、どういたしましょうか、後でまとめて御回答をいただくということで、よろしいでしょうか。
それでは、林委員の御質問につきましては、後で回答をしていただくということでお願いいたします。
続きまして、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。日本薬剤師会の森でございます。
論点に沿って幾つか発言させていただきます。
まず、1つ目のポツについてですが、プラットフォームの整備により、様々な情報共有ができるようになるため、その情報を活用して、医療・介護の質向上に取り組んでいくべきものと考えます。
電子カルテ情報の標準化に向けた3文書6情報の標準規格の策定と、情報交換や共有については、その仕組みに薬局も加わっており、薬局が積極的に情報を提供していくことは、質の高い医療の提供につながります。
医療機関のカルテと同様に、薬局でも患者さんへの調剤や服薬管理、指導等の情報を調剤録として記録しておりますが、調剤録も標準化し、関係者と共有できるようにして医療の質向上に貢献していくことも重要です。
次に、2つ目の診療報酬DXについて、改定の施行時期の後ろ倒しは、財政影響や改定結果の検証期間はもちろん、薬価改定や、それらに関する調査の時期や期間等にも影響します。改定の在り方などを含め、慎重に検討していくべきと考えます。
また、共通算定モジュールの導入、基本マスターの充足化、各種様式の電子化等は、負担軽減につながりますが、4月改定を前提としていたサイクルが変わることなどで、現場が混乱しないよう丁寧な説明や配慮が必要と考えます。
次に、3つ目の電子処方箋について、質の高い医療を提供していくため、この仕組みの活用は大変意義のあるものです。
これは質問になりますが、資料で電子処方箋導入のメリットが示されていますが、一方で、実際の運用が開始され、運用上の課題も見つかっていると思います。課題の共有は推進に当たって重要です。現状、特に課題となっている問題は具体的にどのようなことがあるのか、教えていただければと思います。
次に、4つ目のサイバーセキュリティ対策について、薬局でも機微な情報を扱っているため、セキュリティ対策に取り組んでいます。
今後、ガイドラインに準拠して対策をしていくことになりますが、中小の薬局は、現行のガイドラインのままでは対応が難しい部分もありますので、中小の薬局にも適したガイドラインの策定が必要ではないかと考えます。
また、セキュリティに関する研修を実施することも重要です。薬局向けの研修が実施される際には、薬剤師会としても多くの薬局に受講いただくよう働きかけを行っていきたいと思います。
最後に、医療DXによる取組を診療報酬の中で評価することについては、これからの次回改定に向けた具体的な議論において、患者さんのため、医療の質向上のために医療DXを進めていくということ。利便性ではなく安全性を重視することを念頭に置いて、検討を進めていくべきと考えます。
私からは、以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
森委員からも電子処方箋の運用上の課題についての御質問がありましたが、これにつきましても、後で事務局より回答をしていただきたいと思います。
続きまして、島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
各論点に関しましては、長島委員、林委員、森委員の意見を支持いたします。
それで、幾つか質問をさせていただきたいと思っていますが、まず、12ページのところに「医療DXに関する施策の現状と課題」というのがございます。
それで、現状があって、課題のところでございますが、最初の本人の同意の下で情報を共有する主体が限定的であると、現状はそういうことだろうと思います。共有される情報の種類が限定的であると。
後から出てきます3文書6情報にも関わることでございますが、そのことに関しては、また後で質問をしたいと思っておりますが、3つ目の全国医療情報プラットフォームの運用主体の考え方といったところが、流れとしては、国が主体的に運用していくのかと理解しますが、それとも都道府県あるいは市町村といったことなのかを、現状で考えられることをお答えいただきたいと思います。
16ページのところでございます。
ここに3文書6情報と、極めて医療を行っていく上では必要な文書とか内容でございますが、これに関して、現在、あくまでも患者さんの同意に基づいて、いろいろな情報を医療機関、薬局等は得ることができる形になっておりますけれども、基本骨格的なところは、どうしても必要だと理解しているのですが、その辺の情報取得に関しての考え方が何かあれば、お答えいただきたいと思います。
24ページのところでございますけれども、中段に4つのテーマということで掲げられております。
これに関しては、最終ゴールを目指して医療DX工程表に基づき、令和6年度から段階的に実現ということで、令和6年度から手をつけていくということだろうと理解しますけれども、26ページのスケジュールを見てみますと、令和6年度に、今、言ったようなことが始まる。
今回説明いただいたような内容は、令和10年度にはある程度形をなすという理解でよろしいのかどうか。一番下の令和10年度からさらに続くような形でありますが、もちろん内容をきちんと実装したところで、いろいろな問題をまた解決しながらという話だろうと思いますが、大まかなスケジュールとしては、こういう形として理解していいのかどうかということも、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
島委員からは、プラットフォームの運用主体、電子カルテの情報収集、それから医療DXのスケジュールについて御質問がありましたが、これも後で事務局より御回答をお願いいたします。
それでは、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私も論点に沿って、幾つかお話をさせていただきたいと思います。
まず、1番目の全国医療情報プラットフォームの構築と電子カルテの情報標準化についてですけれども、1点質問をさせていただきたいのですけれども、電子カルテの標準化は、もちろんぜひ進めていただきたいところですが、残念ながら、まだ、病院、診療所、特に200床以下の中小病院とか、有床診療所も含めて、まだまだ電子カルテ化がされていない機関も相当数あるのではないかと思っています。そこに対するある程度の支援がないと、なかなか全国津々浦々全ての病院のプラットフォームの共有というのはできないのではないかと思います。
電子カルテの普及に対する支援等については、保険局のマターではないと思いますけれども、何か考えていらっしゃるのかどうかということを、1点お聞きしたい。
それから、現在の最新情報として、病院、診療所の電子カルテの普及の率等の数字とかがもしお分かりになれば、お教えいただければと思います。
特に200床未満の病院あるいは有床診療所等には、地域医療を担うべく、一番現場で大変な思いをしておられる一方で、電カルを入れようとすると、数千万の資金がかかるということで、なかなか二の足を踏んでいる現状もあるかと思いますので、それについての対応についてお伺いしたいと思います。
2点目については、スケジュールを見ると、共通算定モジュールは、次の次の改定になるかと思いますけれども、少しでも早く進めていただければと思います。よろしくお願いします。
3点目ですけれども、電子処方箋の有効性は非常に理解しているところでありますが、一方で、現在、モデル事業等で参画している病院の先生にお聞きしても、なかなか大きな幾つかの課題があるということです。
例えば、まず端末に関しても、オン資と違って全額補助ではなくて、最大で半額補助になっていること。それから、自身の電カルとつなげる場合は、病院が負担しているとのこと。
さらにそういう費用負担のほかにも、例えば、重複投与等を避けるための情報を共有できるために、非常に有効だと言いながら、院内の処方等のリンクができていないというところ、これをリンクするためにはもう一つ仕掛けが必要だということ。
それからHPKIカード、いわゆる電子認証の方法ですけれども、現在、個人の医師との認証しかありませんので、タイムリーな変更等が非常に大変だということをお聞きしています。それについて、カードレスとか、あるいは施設、病院ごとの認証をするとか、そういう方法を考えられないのか、その辺についても、もし、現状で分かっている、あるいは検討されていることがあれば、お教えいただければと思います。
以上、3点です。よろしくお願いします。
○小塩会長
池端委員からも、電子カルテの支援、普及率等々について御質問をいただいております。
既にたくさん質問を委員からいただいておりますので、一旦ここで事務局より回答をしていただきたいと思います。
松本委員、佐保委員、眞田委員、しばらくお待ちください。
では、事務局、お願いします。
○総務課長
全国医療情報プラットフォーム、標準型電子カルテ等の担当をしております、医政局参事官室でございます。
いただいた御質問を順番に、回答できる部分を回答させていただきたいと思います。
まず、林委員から御指摘のございました、歯科の小規模な医療機関向けの標準型電子カルテの議論や、ベンダー等への対応ということでございますが、基本は8ページにございますけれども、医療DX推進本部において、この春に工程表をお示しする予定でございます。今後、その工程表の公表の後は、その工程表にのっとって対応を進めていることとしておりますが、標準型電子カルテにつきましては、令和5年度、当室のほうで、どのような機能を持つべきなのか、それから、どのような形で皆様にサービスを提供するのかといったようなことを、調査を行う予定とさせていただいております。
当然、この中で、どのような形で開発に当たるのか、それから、ベンダーの関与等も調査を通じて、一定の議論をさせていただきたいと思っております。
森委員のほうからは、ガイドラインの点について、中小の薬局のガイドラインの準拠がやや難しいという御指摘がございましたが、今、私どものほうは、第6版へのガイドラインの改定を行っておりまして、小規模な医療機関向けにより分かりやすい形で、ガイドラインの解説みたいなものをしておりますので、そういったものの御活用をいただければと考えております。また、具体につきましては、ぜひ御意見を直接お伺いさせていただければと思います。
島委員からは、今までの情報の3文書6情報に絞り込んだ理由ですかね、どのような考え方でということだったと思いますが、今までこちらの情報をどのように共有するか、何の情報を共有するかというのは、健康・医療・介護情報利活用ワーキンググループの中で、医療機関、それから医療従事者に対する、どのような情報を電子的に共有すると、現場の負荷軽減や有用かということを、調査を行った結果を基に、先ほど申し上げたワーキンググループで議論をし、その議論を踏まえて、3文書6情報を、まずはそこからスタートするということにさせていただいた経緯がございます。
それから、主体については、医療DXの工程表、先ほどこの春と申し上げましたが、工程表の骨子案というものは、既に公表をさせていただいておりまして、その骨子案の中には、国の医療DXの取組を進めるために、具体的により強力に推進していくために、医療情報プラットフォームの構築及び診療報酬改定DXと、この春に出る工程表に記載された施策に係る業務を担う主体を定めるということは、既に書いております。それがどの主体かということにつきましては、今後、春の工程表の中で明示をされるのではないかと思っております。
それから、中小の医療機関の電子カルテの普及率、池端委員から御指摘ございましたが、私どものほうで把握している令和2年の電子カルテシステムの普及状況でございますが、一般診療所では49.9%、200床未満の小さなところでは48.8%となっております。
一方で、400床以上は91.2%と、おおむね9割を超える医療機関の導入が済んでおります。
中小や診療所への普及策ということでございますが、オンライン資格確認のシステムの導入や、電子処方箋の導入に活用をしております情報化支援基金というものを使って、標準的な仕様に準拠した電子カルテへの改修、それから新規の導入等につきましては、この基金を活用し、一定の補助を行うことを、現在、検討しているところでございます。
ただ、先ほど少し御意見がございましたが、様々な仕組みが、今、医療機関や薬局に急速に広がる中で、ベンダーの対応なども少しスタックしているというようなお話も聞いておりますので、そのような現場の状況を踏まえながら、この基金の活用というのを、開始時期などを検討させていただきたいと思っております。
医政局参事官室からは、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
追加で事務局より、御回答をお願いいたします。
○伊藤総務課企画官
電子処方箋サービス推進室でございます。
電子処方箋について複数の委員から御質問をいただきましたので、回答をいたします。
まず、林委員から歯科診療所についての導入普及拡大策についてということで、御質問をいただきました。
足元で申し上げますと、現状、歯科は9施設の運用開始にとどまっているという状況でございます。
原因といたしましては、歯科のところで対応できるベンダーが、まだ少ないという状況もございます。
それから、そもそも処方箋の発行枚数が少ないということもございますので、なかなかメリットが十分伝わっていない状況もあろうかと思っております。
このような状況がございますので、現在、推進協議会というものを立ち上げておりまして、この中で、普及拡大策について議論を進めているということでございますが、具体的には、各ベンダーに対して導入計画の策定依頼ということを行っておりますので、歯科を含めて対応可能なベンダー数をしっかりと増やしていくこと。
それから、現行の電子処方箋には搭載されておりませんが、院内処方も含めた機能拡充ですとか、それから、歯科の先生方で運用を開始しておられるところへのインタビューも含めた周知広報、こういったところをしっかりと取り組んでいきたいと考えているところでございます。
長島先生、池端先生からも御指摘ございました、予算の拡充を含めた、さらなる支援策ということも含めまして、現在、推進協議会で議論を進めていくということでございます。
森委員から御指摘ございました、電子処方箋の運用上の課題、具体的な問題については、どうなっているのかという御質問でございますけれども、現時点におきましては、運用開始施設は3,000施設を超えてきたという状況でございます。
昨年10月からモデル地域でも取組を先行的にやっておりますけれども、やはり現場から聞いている話でございますと、まだ対応する施設と非対応施設というのが混在しているような状況でございますので、具体的に、患者にどこが電子処方箋に対応しているのかという説明をすることが、医療機関側で必要になってくるとか、それからオンライン資格確認、マイナ保険証の使い方、電子処方箋の使い方についての質問、こういったところが受付で発生していて、現場の負担になっているというお話もございます。
それから、薬局側でございますけれども、例えば、調剤室の中で電子処方箋の情報連携が十分に進まないといったようなケースもございますので、こういったものは関係団体で、今、標準仕様の策定ということで、情報連携がしっかりできるような形で進めさせていただいているということでございます。
それから、池端先生から御指摘いただきました院内処方とのリンクが張られていないということでございますが、これは、先ほど申し上げましたとおり、今、機能拡充に向けた検討というものを進めているということでございます。これは、すぐに対応というのはなかなか難しいわけでございますが、こういった院内も含めた形での電子処方箋の活用ということで、しっかりと検討を進めていきたいということでございます。
最後に、電子署名に必要なHPKIにつきまして、個人でしかひもづいていないので、組織でも使えるような柔軟な扱い方についてできないのかといったような御質問でございますが、こちらについては、医療安全管理ガイドラインに基づきまして、現状、医師、薬剤師、電子署名が必要な方にひもづいた形で、利用をお願いしているということでございます。
ただ、これですと移動等も含めて、なかなか十分にカードが行き渡らないとか、そういったことも御不便をおかけしているというような状況もございますので、優先発行の仕組み、こういったものもつくりながら、一人一人の先生方にしっかり届くような形で、円滑に進むように取り組んでいる状況でございます。
○小塩会長
それでは、医療課長からお願いします。
○眞鍋医療課長
続きまして、医療課長でございます。
島委員から26ページの図、診療報酬改定DX対応方針の取組スケジュールにつきまして、こういう形で進むものと理解してよいかというお尋ねがございました。
また、池端委員からは、これに関しましては、なるべく早く取組が進むと望ましいのではないかというコメントもいただいたところでございます。
私どもといたしましては、DXのメリットを享受するため、こういったことが普及すると望ましいと思っており、一方で、例えば共通算定モジュールに関しましては、日々窓口で患者さんにも自己負担を計算する際に活用いただくようなことも想定しておりまして、一方で、難しいというか、複雑な診療報酬体系を反映して、間違いのない形での運用も重要と思ってございます。
そういったことをきちんと検証しながら進めていく中で、うまくいけばこういう形でできるのではないかとお示しをしているものと御理解いただければと思います。
一通り事務局からは、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
追加の御質問はあるかもしれませんが、1号側の委員の方々からお手が挙がっていますので、もし追加の御質問があれば、その後でお願いいたします。
それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、全国医療情報プラットフォームや診療報酬改定DX、電子カルテ情報の標準化等を含む医療DXは、ぜひ積極的に推進すべきものと考えております。
ただし、資料にもありましたとおり、医療DXと言っても内容は多岐にわたり、受益者も様々ですので、ある程度類型化を行っていただいて、課題や論点を整理の上議論を進めていただきたいと考えております。
特に、今、2号側の方々から負担あるいは手間という御発言も多々あったかと思いますけれども、やはり将来的には、それが業務の効率北、さらには生産性の向上につながるといった視点も、ぜひ認識いただきたいと考えております。
その上で、資料の総-4の64ページの論点に沿ってコメントをいたします。いささか長くなりますが、御容赦賜りたいと思います。
まず、1つ目の論点の全国医療情報プラットフォームの構築や電子カルテ情報の標準化における3文書6情報を医療の質の向上のために活用していくことですけれども、これについては、多くの医師や医療機関が関わらなければメリットが最大化されませんので、最終的には全国の医師、医療機関が対象になると思います。
その際に、健保連といたしましては、かかりつけ医が、そうした連携の主要な役割を果たすハブになるものと考えております。
したがいまして、特にかかりつけ医におかれましては、日頃の診療から把握されている患者の状態や情報を整理して、3文書6情報として、このプラットフォームに入力、登録をぜひしていただきたいと考えております。
また、全世代型社会保障構築会議の報告書の中にも、オンライン資格確認も活用して、患者の情報を一元的に把握し、日常的な医学管理や健康管理の相談を総合的、継続的に行うことが考えられるとまとめられております。
こうした観点を踏まえまして、次期診療改定に向けた、かかりつけ医の議論の中で、医療DX等を取り上げていくことが重要ではないかと考えております。
次に、2つ目の論点でございますが、共通算定モジュール導入、診療報酬改定の施行時期後ろ倒しについては、その趣旨は理解いたします。
一方で、医療機関やベンダーだけでなく、保険者も診療報酬改定に合わせて基幹業務システムの改修対応や予算編成対応等の通常業務に影響してまいりますので、丁寧な議論をお願いいたします。
先ほど森委員からも言及がございましたが、薬価改定について少し意見を述べたいと思います。
医療現場において、改定後半年程度の価格交渉期間が必要であり、毎年9月に薬価調査を実施し、翌年度に薬価改定を行うサイクルを前提とすれば、4月に施行しなければ、薬価制度の根幹を揺るがすことになりかねません。
また、薬価収載のタイミングは数か月に1回あり、4月改定を動かせば、全体のバランスも崩れる懸念がございます。
さらに、今回問題になっております、ベンダーの業務の負荷の山崩しというか、ならしという観点から見ましても、そうしたものを薬価は4月、診療報酬改定は後ろ倒し、診療報酬改定の中にも、即実施のものもございますし、経過措置を設けながら実施するものもございますので、十分に薬価のシステム改修というのは、4月施行でも対応が可能であると考えております。
次に、論点の3つ目でございますが、電子処方箋を含め、医療DXの基盤となるオンライン資格確認の推進が大前提であることは言うまでもございません。
今年4月からオンライン資格確認の導入が原則義務化になったものの、やむを得ない事情に限定して経過措置が設けられておりますが、期限を待たずして、引き続き国の責任において、導入の加速化を、まず、お願いしたいと考えております。
その上で、電子処方箋のさらなる普及、活用促進が必須でありますので、国の積極的な広報活動を含め、先ほど御説明がありました協議会で検討された対策についての推進をぜひお願いしたいと思います。
次に、論点の4つ目でございますが、対策を強化するに当たっては、診療報酬だけで対応するには限界があるのではないかと考えております。
まずは、資料の44ページから45ページに明記されている対策のうち、医療機関それぞれが取り組むことをまずは徹底した上で、それでもなお残る課題への対応について、診療報酬以外の対応も含め、政府全体で議論を深めていく必要があると考えております。
最後に、論点の5つ目になりますが、より質の高い医療を国民に提供するために必要な施策について具体化していく中で、必要となる財源については、医療資源や保険財政に限界があることを踏まえ、診療報酬だけでなく補助金等のほかの財源の在り方も含め、慎重に議論を進めていただきたいと思います。
次回に向けて、1つお願いがございます。
今回、医療DXで進めようとしております全容をお示しいただきましたが、正直スケジュールがよく見えておりません。医療DXの改革工程表が提示され、4月にパブリックコメントの締め切りがあったことは承知しておりますけれども、そうしたものも踏まえまして、そういうものをお示しいただくことで、6年度の診療報酬改定で、どれに評価を考えなくてはいけないのかという道しるべになりますので、それについては、次回以降よろしくお願いしたいと思います。
私からは、以上になります。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
佐保です。ありがとうございます。
医療DXの推進につきましては期待しておりますが、多岐にわたる取組について、もう少し患者や国民の視点があってもよいのではないかと考えております。
64ページの論点の1つ目や3つ目の中で、「医療の質向上」、「質の高い医療」とありますが、患者・国民は医療の質の向上を感じられているのか、これから実感できるかどうかが課題となると考えます。
医療DXを進めるに当たっては、前のめりにならないよう、患者、国民への周知と理解を得ながら進めていくことが重要ではないかと考えます。
論点の4つ目のサイバーセキュリティ対策です。基本的なことかもしれませんが、使用する端末を一般のネットにつながない、メールのやり取りに使わない、さらに言えばクローズされたネットワークでの運用といった対策が必要ではないかと考えます。
論点の5つ目ですが、医療DXの取組を診療報酬だけで評価するということだけでなく、必要な財源を確保した上で取り組むことが重要と考えます。
診療の対価としての診療報酬と医療DXの費用、コストは分けて整理して考えるべきではないかと考えます。
私からは、以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
ありがとうございます。
私も論点に関して幾つか申し上げさせていただきたいと思います。
まず、高齢化が進む中で質の高い医療を提供していく観点からは、5ページに示していただいております、医療DXの方向性自体について、異論はございません。
全国医療情報プラットフォームの構築、あるいは電子カルテ情報の標準化、電子処方箋等については、いずれも重要な課題であるので、進めていただきたいと思います。
また、サイバーセキュリティ対策については、医療分野だけにかかわらず、企業においても、当然、社会全体として対応すべき大きな課題でありますので、これもしっかりと取り組む必要があると考えます。
こうした公的保険の下で、医療DX推進は、いずれも国民全体が裨益をするものでありますので、国のインフラとして位置づけて投資をすべき課題であると考えます。ぜひとも厚労省から財務省に対して予算要求を行っていただき、一般財源を確保して整備を進める必要があるのではないかと考えております。
また、イニシャルコストやランニングコストを含め、保険者に費用負担を求め続けるというのもいかがなものかと思いますので、これもぜひ見直し、検討が必要かと思っております。
最後の5つ目の論点であります。医療従事者の勤務環境改善に向けた医療DXの診療報酬上の評価についてでありますが、資料にありますとおり、これまでもICTの利活用により業務の簡素化、効率化、合理化が進められてきたところであります。
今後も引き続き、患者の安心・安全、医療の質を担保した上で、インセンティブづけに偏ることなく、患者負担にも配慮しながら、医療従事者の勤務環境の改善、あるいは効率的な医療提供体制を整備していく必要があるのではないかと考えます。
私からは、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
私のほうからも何点か御意見をさせていただきます。
基本的には、先ほど松本委員、佐保委員、そして、眞田委員のほうから御発言がありました点につきましては、全て私のほうも同意しておるところでございます。
その中で、資料の24ページにございます、今後の診療報酬改定DX対応方針(案)の中に、4つのテーマというものがございます。
その4つのテーマの1つに、標準様式のアプリ化とデータ連携という項目がございます。
その1つ目の○に各種帳票の標準様式をアプリ等で提供ということが書かれております。これは、医療現場での帳票だと思いますが、例として、医療機関で作成する診療計画書や同意書などと書かれてございます。
今回、せっかくの医療DXですので、我々保険者が今後DXを推進していく上で、我々が現在行っている傷病手当金等に活用する医療機関からの証明書、いわゆる診断書であるとか、そのような証明書等も、この機会に、ぜひ統一をさせていただければと思いますので、これも構想の中にぜひ入れていただければと思います。
あと、先ほど眞田委員のほうからもお話がありましたけれども、今回の医療DXは、非常に大事な取組であると思っております。ですから、あくまでも国のインフラとしての医療DXをつくるためには、やはり、それぞれのシステムがつくられて、そして運用を開始して、その運用が安定化するまでの間は、国で費用負担をしていただくという形にしていただければと思います。
そして、その後のランニングコストの費用負担につきましても、今まで保険者がほぼ全て負担をしている形でございますが、これにつきましても、この仕組みによってメリットを享受する、それぞれの受益者が負担できるような形の仕組みも考えていただければと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか、高町委員、御発言をお願いいたします。
○高町委員
ありがとうございます。
私のほうからは、医療DXが推進されるに当たりまして、患者との情報共有をより推進していただきたいと考えております。例えば、検査結果の患者との共有、また、診療報酬の点数に関する情報の患者との共有といったものを推進していただきたいと考えています。
また、電子カルテに関しましては、電子カルテが患者間でも見られるような状態にしていただければと思いますし、電子化を機会に、今まで5年間となっております保管期間を無期限にしていただければと思っております。
最後に、電子カルテなのですけれども、パソコン、スマホなどが使えない高齢者並びに視力障害者などが、どのようにして情報を得られるようにできるのかといったことも御検討いただければと考えております。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに、1号側委員の方、よろしいですか。
1号側委員の方々からも意見をたくさん頂戴いたしました。特に御質問はなかったかと思うのですけれども、事務局で、よろしいですか。
それでは、追加で御発言の御要望があるようですので伺っていきたいと思います。
最初に、長島委員、お手が挙がっていますのでお願いいたします。
○長島委員
ありがとうございます。
3文書6情報というのは有用ではありますが、医療機関側にとって、特に小規模であるほど非常にハードルが高いということを御理解いただければと思います。
これに対応するためには、そもそもそれが可能な電子カルテやシステムを導入しなければいけないということで、非常に負担が大きくなります。
最初に申しましたけれども、医療機関側の負担が大きくなって肝心の医療提供に支障が生じるということは、本末転倒であります。
したがって、例えば、3文書6情報あるいは電子処方箋というのも、最終的には、できるだけ多くの医療機関で導入されることが望ましいことは間違いありませんが、そこを拙速に、急ぐというようなこと、あるいは医療機関側に大きな負担をかけるということはあってはならないと思います。それがだんだん広がるのには、やはりかなりの時間がかかるということを前提に、様々なことを考えていくべきと考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
まず、ガイドラインについてですが、セキュリティ対策は非常に重要だと思っています。ただ、小さい薬局の場合、専門の担当者などがいるわけではなく、配置できるわけでもありません。また、現場の話を聞いてみると、ITにあまり詳しくない人も多く、5.2版では、本体と説明を分冊化して読みやすい対応はしていただいていますが、今後も中小の薬局がしっかりと対策できるように、支援をお願いしたいと思っています。
電子処方箋についてですが、今後多くの医療機関、薬局のシステムとつないで運用することになります。そうしますと、医療現場のマスターとのひもづけであるとか、これまで想定していなかった未知の課題等が出てくると思います。この仕組みは、安全・安心に使用することが前提です。そのため、関係者と課題を共有して解決していくことが重要だと思っております。
電子処方箋の推進協議会などでしっかりと協議ができるように、担当部局におかれましては、必要な情報提供や資料の準備などをお願いできればと思います。
私からは、以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
先ほど幾つかの質問について、事務局の方、大変丁寧に御回答いただきましてありがとうございました。
その中で、電カルの普及率は、中小病院、診療所ともに50%未満というところで、ここをいかに早く100%に近づけるかということは、医療DXの基盤になるオン資と電カルではないかと思いますので、ここは非常に重要な点ではないかと思います。
その中で、今、基金の運用についての言及をいただきました。ぜひ、これもできれば早く、この時期までにこういう提案をしていただければということがあれば、そこにのっとって各中小病院、診療所等も電カル化に向けて動き出すと思いますけれども、それが示されない限り、先に動いてしまって、かえって補助金がもらえなくなると困ると、そういう意見もよく聞きますので、その辺は、ぜひ、できるだけ早い時期にお示しいただければと思います。
一方で、16ページにありますように「標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ)の開発」ということが載っています。
もし、これが早期にできるのであれば、ここまで待とうかという意見も出てくるかと思いますので、これについては、もう一回だけ質問をさせいただきたいのですけれども、これは、数年の単位なのか、あるいは5年、10年先を想定しているのか、その辺、もし、今の時点でお考えがあったらお聞かせいただきたいと思います。
なぜかというと、電カルというのは、導入を決めて、ベンダーを決めて、実際に運用するまで、最低でも半年ぐらいかかってしまうので、これだけ各医療DXの仕組みが、前のめりでスタートダッシュしているので、できるだけ電カル化されていないところも早く進めていただきたい。そのためには、基金の使い方等も含めて、早く時期を示していかないと、なかなか動かないという気がしますので、ぜひよろしくお願いいたします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
今、池端委員から御質問ありましたが、御回答をお願いします。
○総務課長
ありがとうございます。医政局でございます。
中小規模向けの、あと診療所向けの電子カルテの普及というのは、大変重要なことだということは承知しておりまして、26ページに診療報酬改定DXの中の対応方針の中にもございますが、標準型の電子カルテと一体型のモジュールを組み入れた標準型レセコンをクラウド上に構築して、利用可能な環境を提供と記載をしておりまして、まさに診療報酬改定DXと、クラウド型の標準電子カルテの提供は、一体的に行われるべきと考えております。
時期につきましては、先ほど来申し上げておりますが、春の工程表の中で、一定程度お示しできるかなと思っていますが、やはりシステムの開発を伴うものということで、長年日本で一つの電子カルテみたいな議論があったものを実現するには、それなりのしっかりした検討と、必要なシステムの開発ということがございますので、あくまで目安ということだとは思いますけれども、工程表のほうでお示しをできたらと思っております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
先ほどは、事務局におかれましては、丁寧に御回答をありがとうございました。
医療DXを推進するために、歯科医療従事者もITリテラシーをしっかりと高めていくことが重要だと考えて推進しているところでございます。
ただ、先ほど申しましたけれども、歯科医院は小規模なところが多いというところ、それに伴うベンダーが、かなり小規模なところが多いということで、導入に伴う費用等が非常に足かせになってきているところでございます。
しっかりとベンダーへの働き方も含めて、丁寧に進めていっていただきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
長島委員、お手が挙がっています。お願いします。
○長島委員
医療DXの目的がよりよい医療の提供、それから現場の負担軽減ということを考えますと、やはり、医療現場をしっかり支援する機能というのが大変重要かと思います。
例えば、電子カルテの標準化等においても、単に規格を標準化するだけではなくて、様々な毎日の診療あるいは看護などを支援する機能というのが重要かと思います。
例えば、問診等においても、あるいは、そのようなことをAIを使って、できるだけキーボードに向かうのではなくて、患者さんとしっかり顔を向けてお話ができると、つまり医療の本質にできるだけ時間と、エネルギーが注力できるようなものが重要ですので、そのようなものをしっかり取り入れていただくことと、そのようなことに関して適切な評価もしていただくということが重要かと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見ございますでしょうか。
飯塚委員、お願いします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
最後の論点のところで、一言だけお話をします。
電子カルテ情報の標準化、共有というのは、当然医療の質の向上、それから、効率化に資すると考えますので、積極的に進めるべきと思います。
これまでも多々いろいろな形で試みられてきたわけですけれども、今回は必ず成功させるという感じでやっていただきたいと思います。
ただ、データを集めるだけでは意味がないと思いますので、それを実際に活用する方策についても同時に考えていくということが非常に重要だと思います。
この点に関して、まずは医療機関にどうやったら使っていただけるのかということが一つ重要になってくるということ。
それから、先ほど島委員からもありましたけれども、本人の同意をもらうということを考えていますが、その方策についても、今後考えていく必要があるかと思っています。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
事務局からは、よろしいですか。
今日、各委員から非常にたくさんの重要な御指摘をいただきました。それから、御質問もいただきました。
本日は、本件に関わる質疑は、この辺りといたしますが、今後事務局におかれましては、本日いただいた御意見、御要望も踏まえて対応していただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上でございますが、事務局からその他として資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。
それでは、総-5を用いまして、医療情報・システム基盤整備体制充実加算に係るインターネット調査について、現在、案として考えておりますものを御説明させていただきたいと思います。
資料総-5でございます。
概要がございまして、2つ目がございます。昨年12月23日の中医協附帯意見におきまして、医療情報・システム基盤整備体制充実加算につきましては、早急に患者・国民の声を丁寧かつ幅広に聞き、医療の質の向上の状況等について十分に調査検証を行うとされているところでございます。
これを踏まえまして、本年度も検証調査を行うわけでございまして、今年の夏を想定してございますけれども、それに先行いたしまして、4月から当該加算に係るインターネット調査を実施してはどうかと御提案したいと考えてございます。
調査方法は左下にございますが、客体数は2,000人、これを2群に分けまして、マイナンバーカードを健康保険証として利用した直近3か月の受診歴の有無で1,000人ずつと分けて、客体の抽出方法は、年代を人口分布に応じて割りつけるような形。そして、インターネット調査でやらせていただけたらと思います。
スケジュールですが、本日、おおむね方向を御了解いただけますれば、4月下旬には調査を開始し、5月下旬には調査結果を取りまとめ、そして5月、6月は調査検討委員会で、令和5年度調査の調査設計、調査票の検討に入るわけでございますけれども、ここにも生かしていくということでございます。当然、このインターネット調査の結果自体も中医協に御報告することを想定してございます。
調査内容でございますけれども、マイナンバーカード保険証を利用した場合とそうでない場合で、例えば、こちらのメリットを感じているかどうかといったことをきちんと調査させていただきたいと思っているところでございます。
事務局からの説明は、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
これは、附帯意見に対する対応ということで、インターネット調査を行うという中身でございますが、この件につきまして、御質問等ございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
今回の医療情報・システム基盤整備体制充実加算について、早急に患者、国民の声を聞いてほしいということは、我々支払側から強く求めたこともありますし、迅速に対応いただきました事務局に、まず感謝いたします。
調査項目について、今回提示はございませんでしたけれども、本インターネット調査では、医療情報の活用により、医療の質が向上しているのか、マイナンバーカードを利用した場合とそうでない場合で、医療費負担が変わることなどを含む当該加算の認知度や、マイナンバーカードを利用した際のメリットを感じているか、また、それが具体的にどのようなメリットなのかが把握できるような項目に、ぜひしていただきたいと思います。
私からは、以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
佐保です。ありがとうございます。
早急に調査検証を行うということで、私からも、対応に感謝を申し上げます。
その上で、どのような調査項目になるかは、資料からは読み取れませんが、附帯意見の「医療の質の向上等について十分な調査検証を行う」ということに合致するような質問項目としていただきたいと考えます。
私からは、以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私もインターネット調査については、できるだけ早く調査することについては、全くやぶさかではないということで賛成したいと思います。
ただ、一点、インターネット調査ということについては、やはりインターネットは扱えない高齢者あるいは障害をお持ちの方々等の声が抜ける可能性が高いのではないかと思われるので、その辺のバイアスがあることを理解した上で、調査結果等を評価しなくてはいけないのではないか、その点だけ、ぜひ注意しながら見ていければと思っていますので、その辺について事務局も慎重にデータを扱っていただければと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
資料総-5のインターネット調査案につきましては、昨年12月の附帯決議を踏まえまして、令和5年度調査に先行して調査を実施していただけることは、評価したいと思います。
診療報酬上の評価の大前提となります、オンライン資格確認等システムを活用して診療を受けた患者が、対価を支払うにふさわしいメリットを感じているのかどうかという点につきまして、早急に調査検証し、その結果を踏まえて必要な見直しを行っていただきたいと思っております。
一方で、2023年4月16日の時点では、いまだに3割の医療機関、薬局でオンライン資格確認等システムの運用に至っていないという状況がございます。
こうした状況を踏まえますと、同じ「マイナンバーカードを直近3か月に健康保険証として利用していない」方でも、オンライン資格確認等システムを運用済みの医療機関、薬局であえてマイナンバーカードの健康保険証を利用していない方と、また、オンライン資格確認等システムの運用に至っていない医療機関、薬局でマイナンバーカードの健康保険証が利用することができなかった方では、当該加算に対する捉え方であるとか、経験が大きく異なると推察されます。
調査客体を選定する際には、そうした点にも留意していただき、患者、国民の声をより丁寧かつ幅広に酌み取れるような調査にしていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。このインターネット調査につきましても、多くの御要望をいただきましたので、それを踏まえて、事務局で対応をお願いしたいと思います。
ほかに御意見等ないようでしたら、本件に係る質疑は、この辺りといたします。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

 

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3797

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 中央社会保険医療協議会 総会 第543回議事録(2023年4月26日)

ページの先頭へ戻る