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2023年3月8日 中央社会保険医療協議会 総会 第540回議事録

○日時

令和5年3月8日(水)9:00~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 笠木映里委員 永瀬伸子委員 中村洋委員
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田亨委員 鈴木順三委員
長島公之委員 茂松茂人委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 森昌平委員
吉川久美子専門委員 中村春基専門委員、田村文誉専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 中田医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他

○議題

○臨床検査の保険適用について
○医薬品の新規薬価収載について
○最適使用推進ガイドラインについて
○費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて
○公知申請とされた適応外薬の保険適用について
○DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について
○在宅自己注射について
○先進医療会議からの報告について
○患者申出療養評価会議からの報告について
○報告事項の取り扱いについて
○新型コロナウイルス感染症の診療報酬上の取扱いについて

 

○議事 

○小塩会長
おはようございます。ただいまより、第540回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、末松委員と羽田専門委員が御欠席です。
それでは、早速議事に入らせていただきます。
初めに「臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。小澤委員長より御説明をお願いいたします。
○小澤委員長
小澤でございます。
それでは、説明いたします。
中医協総-1の資料を御覧ください。
今回の臨床検査の保険適用は、E3の1件です。
2ページ目を御覧ください。
販売名は、クイックナビ-カンピロです。
測定項目は、糞便中カンピロバクター抗原(定性)です。
測定方法は、イムノクロマト法です。
4ページ目の製品概要を御覧ください。
本検査は、糞便を検体としてカンピロバクター抗原を検出し、カンピロバクター感染の診断の補助に用いる臨床検査です。
2ページにお戻りください。
保険点数につきましては、D012感染症免疫学的検査、38肺炎球菌細胞壁抗原定性184点を参考点数としております。
御説明いたします内容は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
事務局から補足はございますでしょうか。
○中田医療技術評価推進室長
特にございません。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等ないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
小澤委員長、どうもありがとうございました。
続きまして、「医薬品の新規薬価収載について」を議題といたします。
今回の資料には、薬価算定に先立ち、薬価算定方法等について個別に議論を行った「ゾコーバ錠」も含まれておりますが、本剤につきましては、前回の総会において委員から指摘を受けていることもございますので、まずゾコーバ錠以外の医薬品の薬価収載等について御審議いただき、その後にゾコーバ錠に関して議論をすることといたします。ゾコーバ錠に関しましては、薬価収載の議論を行う前に、前回の指摘事項について報告を受けて、確認をしていただいた上で、議論することといたします。
それでは、まず、資料総-2-1の新医薬品のうち、ゾコーバ錠を除く1から13までの品目の薬価収載と、資料総-2-5の市場拡大再算定について、議論を行います。
本日は、薬価算定組織の前田委員長にお越しいただいておりますので、前田委員長より御説明をお願いいたします。
○前田委員長
薬価算定組織の委員長の前田でございます。
私から、今回検討いたしました新医薬品の算定結果について報告いたします。
資料総-2-1を御覧ください。今回報告する新医薬品は1~2ページの一覧表にありますとおり14成分24品目となります。まず、ゾコーバ錠以外について説明し、ゾコーバ錠についてはまた後に説明いたします。
それでは、算定内容について御説明いたします。
1品目めのラジカット内用懸濁液です。
資料3~4ページを御覧ください。
本剤は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制を効能効果とし、リルテック錠50を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)、により算定いたしました。その結果、本剤の算定薬価は2.1%1mL、2,751.90円となりました。
次に、2品目めのタバリス錠です。
資料5~6ページを御覧ください。
本剤は、慢性特発性血小板減少性紫斑病を効能効果とし、レボレード錠12.5mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、臨床上有用な新規作用機序の医薬品であることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用すること、また希少疾病用医薬品の指定を受けていることから、市場性加算(Ⅰ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。算定した薬価は、外国平均価格の0.75倍を下回っていることから、外国平均価格調整によって引上げを行いました。
その結果、本剤の算定薬価は、汎用規格で150mg1錠、6,226.80円となりました。
次に、3品目めのクレセンバカプセルです。
資料7~8ページを御覧ください。
本剤は、アスペルギルス症等の真菌症の治療を効能効果とし、ノクサフィル錠100mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は100mg1カプセル、4,505.70円となりました。
次に、4品目めのパキロビッドパックです。
資料9~10ページを御覧ください。
本剤は、SARS-CoV-2による感染症を効能効果とし、ラゲブリオカプセル200mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、臨床上有用な新規作用機序の医薬品であり、海外ガイドライン等において比較薬より優先して使用することとされていることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本来の算定薬価は、汎用規格でパキロビッドパック600 1シート、1万9805.50円となりました。
次に、5品目めのマンジャロ皮下注です。
資料11~12ページを御覧ください。
本剤は、2型糖尿病を効能効果とし、オゼンピック皮下注2mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、ランダム化比較臨床試験により、類似薬に比べて高い有効性が示されたことから、有用性加算(Ⅱ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。算定した薬価は外国平均価格の0.75倍を下回っていることから、外国平均価格調整によって引上げを行いました。
その結果、本剤の算定薬価は、汎用規格で5mg0.5mL1キット、3,848円となりました。
次に、6品目めのモノヴァー静注となります。
資料13~14ページを御覧ください。
本剤は、鉄欠乏性貧血を効能効果とし、フェインジェクト静注500mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、汎用規格で1,000mg10mL1瓶、1万2,377円となりました。
次に、7品目めのアーウィナーゼ筋注用です。
資料15~16ページを御覧ください。
本剤は、慢性白血病の急性転化例を含む急性白血病、悪性リンパ腫、ただし、L-アスパラギナーゼ製剤に過敏症を示した場合に限るを効能効果とし、原価計算方式により算定いたしました。
本剤は、既存の治療方法であるL-アスパラギナーゼに過敏症を有し、投与ができなくなった患者において効果が認められたことから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用すること、また、小児を対象とした臨床試験を実施していることから、小児加算の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。補正加算について、合計の加算率10%に対して、加算係数0を適用して、0%の補正加算を適用いたしました。算定した薬価は外国平均価格の1.25倍を上回っていることから、外国平均価格調整によって引下げを行いました。
その結果、本剤の算定薬価は10,000単位1瓶、17万2,931円となりました。
次に、8品目めのイジュド点滴静注です。
資料17~18ページを御覧ください。
本剤は、切除不能な幹細胞癌、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌を効能効果とし、アバスチン点滴静注用400mg/16mLを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、汎用規格で300mg15mL1瓶、231万1,819円となりました。
次に、9品目めのリブタヨ点滴静注です。
資料19~20ページを御覧ください。
本剤は、がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頸癌を効能効果とし、キイトルーダ点滴静注100mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、PD-L1の発現状態によらず進行又は再発の子宮頚癌に使用できることを踏まえ、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は350mg7mL1瓶、45万437円となりました。
次に、10品目め、アドトラーザ皮下注です。
資料21~22ページを御覧ください。
本剤は、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎を効能効果とし、デュピクセント皮下注300mgシリンジを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、150mg1mL1筒、2万9,295円となりました。
11品目めのクレセンバ点滴静注用です。
資料23~24ページを御覧ください。
本剤は、3品目めで御説明したクレセンバカプセルと同様に、アスペルギルス症等の真菌症の治療を効能効果とし、ノクサフィル点滴静注300mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は200mg1瓶、2万7,924円となりました。
次に、12品目めのアリドネパッチです。
資料25~26ページを御覧ください。
本剤は、アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制を効能効果とし、リバスタッチパッチ18mg及びイクセロンパッチ18mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
なお、薬価収載希望者より、本剤の算定に用いる規格間比は、最類似薬のリバスタッチパッチ9mg及び同パッチ18mgの規格間比ではなく、アルツハイマー型認知症と同様に神経性疾患であるパーキンソン病の治療薬のうち、製剤が複数規格あり、本剤と用法が類似しているニュープロパッチ18mg及び同パッチ9mgの規格間比0.6069が適当であるとの不服意見がございました。
それを受けまして、薬価算定組織で検討した結果、リバスタッチパッチ9mg及び同パッチ18mgの規格間比は、原価計算方式により規格間の価格差がほぼない価格で収載されたニコチネルTTS由来であり、他の貼付剤と比較して相対的に低い値であったことから、ニュープロパッチ18mg及び同パッチ9mgの規格間比が適当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、汎用規格で27.5mg1枚、289.80円となりました。
次に、13品目めのトレプロスト吸入液です。
資料27~28ページを御覧ください。
本剤は、肺動脈性肺高血圧症を効能効果とし、ベンテイビス吸入液10μgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、比較薬のイロプロストよりも1日の吸入回数が少なく、吸入にかかる時間も短いため、患者負担の軽減につながることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は1.74mg2.9mL1管、1万8,914.20円となりました。
14品目めのゾコーバ錠については、後ほど説明をさせていただきます。
それでは、資料総-2-5の説明に移ります。こちらは市場拡大再算定になります。
効能追加等があった医薬品などについて、一定規模以上の市場拡大があった場合は、年4回の新薬収載の機会を活用して市場拡大再算定の規定を適用し、薬価を見直すこととされております。今般、9月診療分のNDBデータを確認したところ、タグリッソ錠40mg及び同錠80mgが市場拡大再算定の要件に該当すると判断いたしました。提出された臨床試験結果において、真の臨床的有用性が示されたことから、補正加算5%を適用しております。
その結果、改定薬価は資料の表の中ほど、改定薬価の欄に示した額となっております。
以上で私からの説明は終わります。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、引き続き、事務局から補足がございましたらよろしくお願いいたします。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
ただいま説明がありました収載予定の新薬のうち、費用対効果評価の対象が2品目あります。4番目のパキロビッドパック及び5番目のマンジャロ皮下注でございます。いずれも類似薬効比較方式(Ⅰ)による算定で、有用性加算の対象とされた品目です。ピーク時の市場規模予測はそれぞれ281億円、367億円であるため、H1品目に該当いたします。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
先ほど申し上げたとおり、まずはただいま御説明のありましたゾコーバ錠以外の医薬品の薬価収載等について議論いたします。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等がないようですので、資料総-2-1の新医薬品のうち1~13までの品目の薬価収載と資料総-2-5の市場拡大再算定につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、本件につきましては中医協として承認したいと思います。
続きまして、ゾコーバ錠の審議に入りますが、その前に、前回の総会における指摘事項につきまして事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○中井医薬安全対策課長
医薬安全対策課長でございます。
それでは、資料総-2-4を御覧いただけますでしょうか。ゾコーバ錠の妊娠に関する注意喚起の実施ということで、承認時点が上2つの○に書いてありますけれども、添付文書において、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」を禁忌とされており、それから、同意説明文書、医薬品リスク管理計画に基づく、患者及びその家族向けの患者ハンドブックや医療従事者向けの資材にて注意喚起していることを書いてございます。
それから、市販後の対応ということでありますけれども、御案内のとおり、担当医師から説明を受けて、同意取得の上で投与された後、妊娠が判明したという事例を踏まえまして、先ほど説明しました承認時の資料に、「前回の月経後に性交渉を行った場合は妊娠している可能性があること。現在、妊娠又は妊娠している可能性がある場合には、申し出ること。」ということを追加してございます。
具体的に説明申し上げたいと思いますが、2ページ目は同意説明文書になります。その同意説明文書の中の4ページの下の段、「女性の患者さんへの注意事項」ということで説明が入っております。ここの中の矢羽根の1つ目に、前回の月経後に性交渉を行った云々と書いてあることがありますが、その部分が、今回事例が分かった後に追加した内容になってございます。
それから、6ページ目が同意書になってございまして、本剤についてということで、ほかの人に譲らないことということが書いてありまして、女性の場合は以下についても確認してくださいということで、先ほどと同じような文章が真ん中のところに書いてございます。
それから、8ページ目が患者さんの御家族の方への文書でありますけれども、次のページをめくっていただいて、9ページ目に女性の患者さんへの注意事項ということで、先ほどと同様の文章を書いてございます。
それから、医療関係者向け資材が10ページの資料でございますけれども、医薬品リスク管理計画に基づく資材ということでありますが、真ん中にありますが、以下の点に御留意くださいということで、先ほど同様のものが書いてございます。
それから、12ページ目に事前チェックリストということで、この5つの項目についてチェックした上で、確認を必ずしてくださいということにしてございます。この中にも同じように、前回の月経後云々ということが書いてあるということでございます。
それから、1ページに戻っていただきまして、市販後の対応の2つ目の○でありますけれども、今回の事例を踏まえまして、患者が「妊娠していない」または「妊娠している可能性がない」ことを入念に確認するような注意喚起を実施してございます。
それから、2月21日の薬食審においてもしっかり確認すべきという御指摘をいただきましたので、再度事務連絡を出しております。資料の13ページ目が1月の事務連絡でありまして、入念に注意喚起をしてくださいということを書いてございます。先ほどの前回の月経後云々ということも入ってございます。
15ページ目が2月の事務連絡でありまして、同様にしっかり確認してくださいという内容を発出してございます。
それから、また資料の1ページに戻っていただいて、一般向けの広報ということでありまして、具体的には18ページ目に、今回の件だけに限らないのですけれども、「妊娠と薬」ということで、厚生労働省のホームページを設けまして、周知をしている。どういう場合に問題があるということもちゃんと伝えたいということでございます。
それから、19ページ目には、厚生労働省のツイッターとフェイスブックにおいて、そういう妊娠と薬についての注意喚起を実施しているというところでございます。
説明は以上になります。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいま説明のあった資料総-2-4について、御質問等はございますでしょうか。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
前回の発言に対応していただきまして、ありがとうございます。
ただ、今、説明をしていただいたのですけれども、どうもサリドマイドやサリドマイドの類似薬の安全管理と比較すると、もちろん病気の種類や対象患者の年齢層も違うので何とも言えないのですけれども、ただ、サリドマイドや類似薬の安全管理を今やっている段階で、一例も妊娠が発覚したとかそういうことはないわけです。そういうふうに考えると、それと同様な安全管理を最初に何でそういうふうにしましょうとしなかったのかというのは非常に残念でならないところではあります。
ただ、これから安全管理システムをきちんと構築しなさいということもなかなか難しい、もちろんそれが理想ですけれども、難しいのかなと思います。その後、いろいろ問題が起きてきたときに対応しているということで、今、説明がありましたけれども、情報発信という意味で言うと、ホームページに書いたと言いますけれども、これも誰が見ているのかちょっとよく分からないなというのもありますし、ツイッターも発信していますよということですけれども、これは画期的なのかもしれませんけれども、これは具体的ではないので、本当に対象となる人がぴんとくるのかどうなのかということかなと思っていますので、今はそれほど多くの人が使っていないという状況ですけれども、これからまた感染が再拡大していくようなときに、きちんと具体的なその情報発信の方向を考えていただきたいと思っております。
何回か言いましたけれども、患者に情報発信するということだけではなくて、やはり家族やパートナーの方にもお知らせする必要がありますし、患者になる前から、もしコロナにかかったらこの薬を使うかどうかというのを事前に選択の判断ができるような情報発信の仕方をしておいてほしいと思います。
それから、残薬に対しての対応ですけれども、もちろん飲み切ることというのはどんな薬でも当然のことだと思うのですけれども、ただ、皆さんの家にお医者さんから受け取った薬が全然ないかというとそんなことはないわけです。必ずどこの家にも薬というのは恐らく残っているのではないかなと思うのです。それを考えると、残薬、薬が残っていないことの確認をするべきだと思いますので、私は、残っていたら回収するとか、残っていないことを確認するために、再診でもう一回病院に来てもらって確認するということも必要なのではないかなと思います。後遺症のこともそうですし、症状が治まったらそれで終わりでいいのかというところも心配なところがあります。
あと、これはあってはならないことでありますけれども、服用後に妊娠しているということが今後分かった場合に、お医者さんだけに相談するのはハードルが高いというか、ちゅうちょするという人もいると思うのです。なので、相談先について、複数の窓口が必要なのではないかと思うのです。もちろん薬局で薬剤師に相談するというのもありますし、ほかのもっと妊婦さんに対応できる情報を持っている窓口、そのほかにも幾つか気軽にというわけではないですけれども、速やかに相談できるような先を提示というか、もしあったらという前提で情報発信するのはよくないかもしれませんけれども、そういう相談先についてもきちんと事前にお知らせしておく必要があるのではないかと思います。
もう一つは、厚生労働省へのお願いということではないのですけれども、先日のニュースで、このゾコーバ錠が後遺症を軽減させるとかいうことをニュースでちらっと聞きました。何で保険適用を目前にしたこのタイミングにこんなニュースを流すのかなと私は思いました。これは宣伝なのですかと思いました。これによって、後遺症に皆さんなりたくないでしょうから、この薬を使いたいというような方向に向かわせているのではないのかと思いましたので、こういうことはモラルとしてどうなのかなと思いますので、メーカーさんに対してもきちんとそういうことはしないようにということで指導していただきたいと思います。
もちろん後遺症が本当に軽減されるというのがきちんと確認されているのであれば、それはそれでまた薬事承認というか、そういうもので認められるようにすればいい話であって、ちょっと先走っているのではないのかと思いました。
以上のことも踏まえて、厚生労働省、国としては、悲惨な薬害というか被害を一例も出さないのだという思いを前面に出した上で、対策を取っていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいま間宮委員から、ゾコーバ錠につきまして、安全管理、情報発信、残薬の扱い方、それから相談先等々について御意見をいただきましたけれども、事務局からいかがでしょうか。
○中井医薬安全対策課長
医薬安全対策課長でございます。
御指摘、どうもありがとうございます。幾つか御指摘いただきました。できる限り対応させていただきたいと思いますし、具体的に今も幾つかやっておりますが、追加して何らかの対策も考えたいと思っています。
それから、特に広報などについては、御指摘いただきましたけれども、できましたら個別にも御相談させていただいて、的確な広報、対策を考えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○小塩会長
間宮委員、よろしいでしょうか。
○間宮委員
私でお役に立てることがあれば幾らでも協力はさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問等はございますでしょうか。
飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
今の注意喚起等の資料を拝見していまして、結局のところ今回一番重要だと考えているのは、妊娠または妊娠している可能性のある女性には投与できませんというメッセージかと思いますけれども、そういうメッセージがクリアに伝わるように、この注意喚起の文章を考えたほうがいいのかなと思って見ておりました。
例えば2ページ目、参考資料に「ゾコーバ錠125mgによる治療に係る同意説明文書」と書いてありますけれども、結局女性には投与できないというのは2ページ目に行かないと出てこないと思うのです。まず、最初のタイトルの下に、女性の妊娠している方、可能性のある方には投与できませんということを赤の箱で囲ったようなもので最初に見えるように書くというのが一番メッセージとしては恐らく伝わるのではないかなと見ておりました。
同様に、最初の添付文書の次に同意書とかがありますけれども、こういうところの署名欄、最終的に本人が署名するわけですが、7ページにも、署名する前に、本人が妊娠しているあるいは妊娠の可能性がある方が飲めませんということをしっかり見た上で署名するような署名にする必要があるのかなと。
それから、8ページも同様ですけれども、家族の方へと書いてあるのですが、ここも一番最初に、妊娠している方は飲めませんということをばんと分かるように書いてあげるというのが自然かなと思いました。
そのような形で対応されてはいかがかなと思っておりますが、もし理解不足等ありましたらお願いいたします。
○小塩会長
事務局、いかがですか。
○中井医薬安全対策課長
御指摘ありがとうございました。
できる限り対応させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○小塩会長
対応、よろしくお願いいたします。
飯塚委員、よろしいですね。
ありがとうございます。
続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
私も間宮委員と同じように懸念を持っているところです。厚労省においても様々な対策を講じられていることは説明を聞いて理解いたしましたが、薬価収載後、感染拡時にゾコーバ錠の使用が増加すれば、この間の痛ましい事例と同様の事例が生じる可能性も否定できないと考えます。
これまで発言してきたとおり、患者の安全性が最優先であり、何かあってからでは遅いと考えます。医療機関等への周知徹底、適切なタイミングでの国民への周知など、さらなる取組の徹底をお願いいたします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
佐保委員からも御要望がありました。よろしいですか。よろしく対応をお願いいたします。
ほかに御質問はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御質問がないようですので、ゾコーバ錠の審議に入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、ゾコーバ錠の審議に入ります。本剤の薬価算定等について、薬価算定組織の前田委員長に御説明をお願いいたします。
○前田委員長
ありがとうございます。ゾコーバ錠について御説明いたします。
先ほどの資料総-2-1の29~32ページを御覧ください。
本剤は、SARS-CoV-2による感染症を効能効果とし、令和5年2月15日に中医協にて了解されました「高額医薬品(感染症治療薬)に対する対応について」に基づく薬価算定の特例を適用し、類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
具体的な考え方は31ページに示しております。
比較薬の選定に当たっては、対象疾患の類似性と投与対象患者の類似性の双方から検討し、対象疾患の類似性からの比較薬について、SARS-CoV-2による感染症に用いる医薬品からラゲブリオカプセル200mgを、投与対象患者の類似性からの比較薬については、本剤と同様に呼吸器感染症に対し重症化リスクを問わず幅広く投与する医薬品であることから、抗インフルエンザ薬の中からゾフルーザ錠20mgを選定いたしました。
2剤の比較薬について、本剤との類似性の程度を同等であるとみなし、2剤の1治療薬価の平均値を本剤の1治療薬価といたしました。
本剤は、ラゲブリオカプセル及びゾフルーザ錠のいずれとの比較においても新規の作用機序を有していることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は125mg1錠、7,407.40円となりました。
また、予測市場規模について、新型コロナ陽性者数については、第7波までの実績を基に、1つの波当たりの期間を5か月と設定し、新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの西浦教授資料における第8波の陽性者数推計が約1200万人であることを踏まえ、第9波以降も同数の陽性者数が発生すると推計しております。
また、本剤の投与割合については、現在の投与割合も考慮し、全陽性者のうち1.2%に本剤が投与されるものと推計して市場規模を予測し、ピーク時で37万人、192億円とされています。
以上で私からの説明を終わります。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、引き続き、事務局から補足と説明がございましたらお願いいたします。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
まず、先ほどの総-2-1に関して、薬価算定でございます。先ほど委員長から御説明したとおりでございますけれども、少し補足をさせていただきます。
同じく31ページを御覧ください。今回は複数の比較薬として2つの薬剤を選定して、薬価を算定することといたしました。2つの薬剤の類似性に関しては、31ページの中央の表にありますように、類似性の判断は通常こちらに記載しているイ、ロ、ハ、ニの4つの観点から判断しておりますので、本剤とどの程度類似しているかということで整理をしたものでございます。類似性があると考える観点は○を書いております。
類似性の程度そのものを定量的に比較するのは困難でございますけれども、この資料に基づき比較すると、本剤と2つの比較薬の類似性は同程度とみなすことができると考えております。
したがいまして、先ほど委員長から説明がありましたように、本剤との類似性の程度を同等であるとみなし、2剤の1治療薬価の平均値に基づき算定しているものでございます。
薬価については以上でございますけれども、費用対効果評価に関して、本剤は類似薬効比較方式(Ⅰ)による算定で、有用性加算の対象とされた品目であり、ピーク時の市場規模予測が192億円であるため、H1品目に該当するものでございます。
次に、幾つか資料がございますので説明させていただきます。
資料総-2-2を御覧ください。保険適用上の留意事項についてでございますが、2月15日に中医協で了承されたとりまとめに基づき、薬価収載時に発出する留意事項をまとめているものでございます。
具体的には1の1において最新のガイドラインである「COVID-19に対する薬物治療の考え方 第15.1版」に基づく内容を記載することとしており、本製剤の投与時の注意点などを引用しながら、使用に当たっては十分留意し、本剤の投与が必要な患者に限り投与することとしております。
1の2では、先ほど安全面の話もございましたが、添付文書に基づき併用薬剤の投与の有無、妊娠の可能性の有無などの禁忌事項について確認を行い、本製剤の投与が適切な患者に限り投与することとしております。
1の3では、本剤は医薬品医療機器等法に基づき緊急承認を受けたものであり、承認条件に基づき、添付文書において同意取得に関することが記載されておりますので、使用に当たっては文書による説明、同意取得をすることとしております。
また、1の4では、現在、本剤は製造販売業者から厚生労働省が提供を受けて各医療機関、薬局に配分しておりますけれども、この厚生労働省から配分された製剤の費用は請求できないものであること、今後、一般流通が開始されて、製造販売業者から医療機関等へ供給することになる場合の開始時期やその取扱い等につきましては別途通知する予定としておるものでございます。
以上の内容を、薬価収載が告示される3月14日付で通知を発出し、翌15日から適用することを予定しているものでございます。
続きまして、総-2-3を御覧ください。2月15日のとりまとめでは、市場拡大再算定について、推計データに基づき再算定を行う場合の引下げ率の上限の取扱いについては、薬価収載時に中医協総会で検討することにしておりました。したがいまして、今回の薬価と市場規模予測に基づき、とりまとめの追補として、本剤に限った措置として以下に掲げている記載のとおりとしてはどうかということでまとめているものでございます。
資料の○に記載しておりますが、推計データに基づき再算定を行う場合の引下げ率の上限については、予測販売額と比較して、短期間で市場規模が急激に拡大した場合に限った措置を新たに設けることとする。具体的には、年間販売額が予測販売額から10倍以上に急拡大し、かつ、極めて大きい額として3000億円超となった場合に限り、現行ルールの上限値である引下げ率50%から、引下げ率の上限値を3分の2、すなわち66.7%とするとしております。
これまでの中医協の議論において、市場拡大再算定の取扱いについては、引下げ率の上限値の扱いをより厳しくすべきとの指摘がある一方で、業界からの意見聴取の中では、推計データに基づき市場規模を把握し、通常よりも迅速にルールを適用するのであれば、現行ルールよりも厳しくすべきではないとの意見がございました。
とりまとめでも、既存のルールを基本としつつ、本剤の特性から特に対応が必要な事項に限って特例的な対応を行うことが適切としておりますが、本剤のピーク時の市場規模予測が192億円であり、200億円に満たない額で設定されることで幾つか課題があります。
まず、年間の市場規模が短期間に急速に拡大した場合、仮に年間の額が1500億円超になった時点の引下げ率を計算いたしますと、既に今のルールの中の引下げ率の上限値である50%を超えてしまいますので、下げ止めになってしまう。ですから、それ以上の規模まで急速に拡大しても、この引下げ率はずっと変わらず、価格調整後の薬価は同額になるというものでございます。
また、今回の対応案として3000億円超と示しておりますけれども、これまで市場規模が極めて大きく拡大した場合でも、3000億円を超える再算定の事例はありませんでしたが、仮にこのような額に達した場合でも、先ほどのように引下げ率が変わらない状況であれば、医療保険財政への影響が許容できなくなる。したがいまして、短期間で一気に3000億円を超えるようなことが万が一生じた場合の措置ということで、この引下げ率の上限値を引き上げることを考慮することが適当と考えました。
本剤については、安全対策をしっかり取るというのはもちろん大前提でありますけれども、その上でも市場規模が大きく拡大する可能性を想定した上での対応となります。
以上から、年間市場規模が3000億円を超える場合には、引下げ率の上限を3分の2とする案を提示いたしました。
予測販売額の比率につきましては、本剤の市場規模予測を踏まえると、現行の再算定で設定されているルールのうち最大の値となっている10倍以上とすることが妥当と考えまして、本剤に限った措置としてこのような取扱いを示したというものでございます。
ただし、この資料の最後、なお書きで書いておりますけれども、このような措置は特例的な対応で、極めて特別なケースを想定したものですので、一旦はこの考えの下で設定いたしますが、このルールを適用することになった場合には、再算定後の状況も考慮しつつ、価格調整について検証を行うということにしております。
以上が再算定の取扱いを2月のとりまとめの追補という形式でまとめたものであり、この資料の2ページ目以降には参考資料を幾つか添付しております。
3ページ目は、再算定のうち引下げ率に関連するこれまでの主な意見をまとめております。
4ページ目は、市場拡大再算定の現行制度と、今回の本剤に限った特例の提案について、最後の吹き出しに記載しているのでございます。
5ページ目は、以前の中医協でもお示しした市場拡大再算定の特例で用いる計算式でございます。
長くなりましたが、以上、ゾコーバ錠に関しましては、薬価と留意事項案、そして市場拡大再算定の引下げ率の上限に関して、まとめて御審議をお願いしたいと考えております。
私からの説明は以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
長島委員、お願いいたします。
○長島委員
ありがとうございます。
ゾコーバ錠の薬価算定につきましては、この中医協で4回にわたり鋭意審議した上で、今回、薬価算定組織による検討結果が示されたことと思いますので、基本的に異論ございません。その上で、1点質問いたします。
既に国が買い上げた200万人分のものと今回保険適用される製品の使い分けなどについて解説をお願いいたします。
続いて、ゾコーバの再算定についてコメントいたします。
今回、本剤に限った市場拡大再算定の特例として、販売額が3000億超かつ予想販売額が10倍超となった場合は薬価を3分の1まで引き下げる特例が提案されましたが、過去に年間販売額が3000億円を超えた品目はないと理解しております。それだけ大きなインパクトを保険財政に与えた前例はないわけですが、今回、3000億円という高いハードルを越えた場合に限り、薬価を3分の1に引き下げる前例をつくることになります。
今後も高額医薬品が薬価基準に収載される可能性もある中で、今回のような対応でさえ皆保険制度は維持できるのかといった懸念は残りますので、今回の提案はあくまでも本剤に限った扱いとしていただくこととし、高額薬剤の薬価の在り方については、今後もタイミングを逃すことなく、該当する医薬品の特徴なども踏まえて、中医協において議論がなされるよう、要望いたします。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
長島委員から1点御質問がございましたが、後でまとめて御回答をお願いいたします。
それでは、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。日本薬剤師会の森でございます。
ゾコーバ錠については、これまでの議論を踏まえて整理したものと受け止めておりますので、おおむね異論はありません。
また、市場が急拡大し、10倍以上、3000億円超となった場合に、市場拡大再算定の引下げ率の上限値を3分の2とするとの提案ですが、イノベーションへの一定の配慮や感染症患者の急増の可能性などに鑑みると、現時点での対応としては、このような対応でよろしいのではないかと思います。
引き続き動向については注視していくとともに、何か予想外の事態が発生した場合には、中医協で迅速な議論ができるようお願いできればと思います。
私のほうからは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
それでは、ゾコーバにつきまして、薬価、留意事項、そして再算定の3つに分けてコメントさせていただきます。
まず、1点目の新規収載時の薬価につきまして、これは私の個人的意見でありますが、かなり高いという印象を持っております。ただし、2月15日の中医協で、可能な限り合理的な説明ができるように、薬価算定組織で丁寧に議論していただきたいと申し上げたことを踏まえて、総-2-1の別紙を拝見しますと、対象とする疾患が類似する新型コロナ治療薬のラゲブリオと、対象とする患者像が類似するインフルエンザ治療薬のゾフルーザの2剤を比較薬として選定したこと。また、この2剤について、4つの観点からゾコーバとの共通性を検討し、いずれも同じ3項目がゾコーバと同一ということで、類似性の程度が同等であるため2剤の平均値に合わせるということで、結論に至るまでの考え方は明確に示されたと考えております。有用性加算(Ⅱ)の5%を含めまして、薬価算定組織による専門的な議論を尊重したいと思います。
市場規模予測につきましては、薬価算定組織が妥当と判断したということであれば、口を挟むものではありませんけれども、ここに記載の第7波までの期間で5か月並びに1200万人という数字が出ておりますけれども、ここからどのように37万人という数字が導かれたのか、あるいは投与割合の1.2%というのも同様に、どういう形で導かれたのか、あるいは、また薬価算定組織でどういった点で議論になったのかについて説明をいただきたいと思います。
次に、2点目の留意事項につきましては、総-2-2で示されているとおりで結構でございます。事務局提案の1により、重症化リスクのない軽症患者に広く投与されるものではなく、学会のガイドラインに基づいて投与患者が限定されることが明確になったと考えております。
2の併用禁忌と妊娠の可能性のある患者への投与については、特に催奇形性に関する間宮委員の御指摘を重く受け止めていただきたいと思います。
また、3の文書による説明と同意は、今申し上げた1と2を担保するものであり、医療現場での運用を徹底していただきたいと思います。
4の一般流通を開始する際に別途通知するということで、これはこれでお願いしたいと思いますが、政府による買上品を医療機関が誤って保険請求しないようにするためには、医療現場で買上品と一般流通品が混在しないように、買上品を使い切ってから一般流通に移行することがベストです。
先ほどの市場規模予測37万人と、公表されている買上数量200万人を勘案いたしますと、一般流通が数年先になることもあり得るのではないかと考えます。
そうしたものを踏まえまして、現状、政府としてこの切替えをどのようにお考えなのか、もし現段階で決まっておれば、見通し、方向性を教えていただきたいと思います。政府には、買上品の有効活用と保険財政への影響を考慮して御判断をお願いしたいと思います。
最後に、3点目の再算定につきましては、中医協の委員からは、前回までの議論で、支払い側も診療側も、1000億円を超えたという数字しか出ていなかったように記憶しております。そもそも1500億円超になる可能性が否定できず、保険財政への影響を考慮して特別な対応するというのが今回の趣旨であり、下げ止めを厳しくするとしても、3000億円超という基準はやはり甘いと言わざるを得ないと思います。
先ほどから質問への回答を踏まえまして幾つか課題がございますけれども、今後しかるべきタイミングで対応していただけるということを条件に、事務局案を了承したいと思います。
私からは以上になります。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員からも御質問いただきました。後で御回答をお願いいたします。
続きまして、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
私のほうからは、ただいまの松本委員と同じような意見なのですが、特に政府買上品についての意見につきまして、やはりまず先に政府買上品を使ってから、新たな製造品については市場に出していただくというやり方がよろしいのかなと思います。
あと、価格に関しましては、我々の中医協での前回までの議論について、その方向性に基づいた形で出された金額でございますけれども、感覚的にはやはりちょっと高いかなという感じは個人的にはいたしました。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
総-2-1のゾコーバ錠については、薬価算定組織の議論を経たものであり、本剤に限った対応としては理解いたします。本承認の際に再度丁寧な議論を求めたいと思います。
それから、総-2-3の市場拡大再算定についても、本剤に限った対応として理解をいたします。これはあくまでも特例的な取扱いであり、案にもあるとおり、仮に当該措置を講じるような事態になった場合には、検証をしっかりと行っていただきたいと考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、今、何人かの委員から御意見、御質問を頂戴いたしました。中でも政府の買上品をどういうふうに処理するかという御質問もありましたが、それ以外にも幾つか御質問があったと承知しております。御回答をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
まず、買上げの関係の御指摘に関して、一通りまとめて御説明をいたします。
この対応につきましては、コロナ本部のほうで対応しているものもございますけれども、私のほうでまとめてお話しさせていただきます。
国の買い上げた分と実際にこれから流通するものに関してですけれども、一般論でまず申し上げますと、一般流通が開始された段階で、国の配分が終了ということになって、すでに一般流通しているラゲブリオもそのように扱っているということでございます。
そういった取扱いは、企業との調整が今後必要になりますけれども、本剤は5類への移行も見据えて、対象施設を拡大することで一般流通への円滑な移行を図りたいと考えているところでございます。
そういった対応に関しては、具体的には今、国が在庫として保有している薬剤を市場に流通できるように、現在投与経験のない医療機関も含めまして、在庫が持てる施設、医療機関、薬局を拡大するというような考えになっております。この考えに関しましては、先週3月3日、事務連絡で自治体に周知して、対象施設の拡大という運用を示しているところでございます。
そういった中で、最終的にどのくらい先に一般流通が開始されるかという御質問がございましたけれども、こちらにつきましては企業における準備が整い次第開始されるものと聞いておりますが、ただ、今の市場規模予測の数値からいって、何年も先というものではなくて、薬価収載後、早いうちに開始されると考えておるところでございます。
ただ、その際に、現場の混乱を防ぐためにきちんとお知らせするというところが主な重要な視点と考えておりまして、そういった意味で、これまでもコロナ治療薬、ベクルリーやラゲブリオが一般流通に移行した際には、あらかじめ製薬企業から周知を行うこととほかに、国においても事務連絡で周知を図ることで対応しているというものでございますので、今回もこういったタイミングになれば、事前に医療現場で混乱が起こらないように、必要な情報提供をしっかりと行っていきたいと考えているものでございます。
また、実際にこういった切替えに当たっての現場の混乱というか、適正に保険請求できるかということに関しては、具体的な対応策を製薬企業のほうとも調整している最中でございますけれども、混乱を避けることができるように十分配慮したいと考えているものでございます。
買上げの関係の回答につきましては以上となります。
ほかに御質問いただいている中で、薬価算定組織における議論について御指摘がありましたが、まず委員長のほうから何かあればと思います。
○前田委員長
ありがとうございます。
薬価算定組織の中では、市場規模予測については、本日資料で示した考え方に基づく内容が企業側から示されましたけれども、それに対して算定組織の委員からは具体的な指摘がなく、受入れ可能と組織内では判断しております。
算定方法に関しましては、中医協で了解いただきましたので特例的な対応を行うこととなりましたが、比較薬2剤、どの程度の割合にするかというものは悩ましい課題でありまして、算定組織における事務局案では今回の中医協でお示しした考え方が提示されましたけれども、委員からは比較薬2剤の類似性を同等とみなすことがどこに根拠があるのかという意見や、別の考え方として、比較薬2剤の患者数の比率を考慮するなどの意見がありましたけれども、一方で、類似性に関しては、同等とみなせない場合に別案としてどのように設定するかが非常に難しいという意見や、患者数を考慮しようとしてみても、患者数の予測も確定的なものではないという御意見がございました。
また、そのような算定の考え方について、今回、緊急承認であることから、本承認されてある程度数字で議論ができるような状態になったときに見直すという形でもよいのではないかという意見もございました。
このように非常に難しい議論だったのですけれども、結論としては、現時点では比較薬2剤の類似性を同等とみなす考え方を否定できるものではなく、一定の合理性があるという結論になりまして、今回の薬価をお示しすることになったものでございます。
以上です。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
幾つか御指摘があった点に関して、市場規模予測については、基本的には企業側からの試算に基づき、我々として妥当かどうかを判断して対応しているというものでございます。その中で、今回の推計の仕方については、今後の波、ピークが5か月単位でやってくる。1つのピークが1,200万人の規模感で感染者数が出るというような予測をしていますので、そういう意味で、そこから5か月単位ということでの年間のトータルの陽性患者数を出した。さらにそこから掛け算で実際に本剤の使用割合はどうするかということだったのですけれども、現在の使用割合につきましては、以前、中医協でもお示ししましたけれども、0.2%程度ということで、かなり低い状況でありまして、そこからどの程度増えるかというところの推計はかなり難しいのですけれども、今回、一般流通するというところも踏まえて、1%程度は上乗せができるだろうということで仮定して、陽性者の使用割合を1.2%として市場規模予測を出したものが、企業側から提案があり、我々としても一定の合理性があるということで受け入れたものでございます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
今、前田委員長、それから事務局から御説明がございましたが、長島委員、お手が挙がっています。お願いいたします。
○長島委員
国の買上げから一般流通への切替えをする際には、先ほどしっかり対応していただくということでしたけれども、請求方法等も含め、決して医療現場に混乱が起こらないよう、しっかりとした対策をぜひお願い申し上げます。
また、国の買上分が、もし在庫が残るというようなことがあるようでしたら、例えばタミフルが新型インフルエンザ対策として備蓄されているように、そのような形で国が適切に管理して、備蓄等として活用するというようなことも検討すべきかと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
今、長島委員からもありましたけれども、切り替わる際の現場の混乱を避けるという観点については万全を期していただきたいのですけれども、ざっくり言うと、例えば3か月ぐらい考えていらっしゃるのか、半年ぐらいなのか、これは準備をする側からすると結構重要な話だと思うのですけれども、そういった目安は今、お考えなのでしょうか。
○小塩会長
今、御質問がございましたが、いかがでしょうか。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
今、明確にいつということを申し上げられるところではないのですけれども、もともと速やかに一般流通が開始できる前提の下に薬価収載の希望を企業側が出すものですので、そんなに遅くないタイミングで実際には始まるものかと思います。そうなってくる際には、どういうふうに現場の混乱を抑えながらきちんと周知をしていくかというところが重要なテーマになりますので、その辺りはしっかりと対応していきたいと考えております。
○小塩会長
松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
3月15日付で薬価収載するということであれば、一般流通はそこからということになりますと、周知広報だけの期間が実際の流通期間開始ということのキー要素になりますので、そこについては十分に御検討いただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問はございますか。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
素朴な疑問なのですけれども、国が買い上げたもので余った分というか、一般流通に切り替わって残った分について、備蓄というような対応だと思うのですけれども、備蓄された医薬品というのは一体どのタイミングで放出するものなのですか。過去にそういうことがあったのかとか、今後どういうふうに対応していくのかということが素朴な疑問なのです。
一般流通していれば、ある程度数量は確保をメーカーのほうでされるわけですし、その辺り、どのようなことなのか教えていただければと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
感染症対策の担当部署が不在ではあるのですけれども、一般的にそういったものを備蓄したときに、どういった形で用いるかというのは、それぞれの状況によっても変わってくるかと思っております。いずれにしても、備蓄する場合とそうではない場合、どういうふうに通常の流通の中で使っていただくか、というところの整理なのかなと思っております。
○小塩会長
間宮委員、よろしいでしょうか。
○間宮委員
くれぐれも無駄遣いという言い方は変ですけれども、無駄にならないように取り計らっていただければと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、ほかに特に御質問等がないようですので、本件につきましては中医協といたしまして、まず第1に、資料総-2-1のゾコーバ錠の薬価収載につきましては、その次にございます資料総-2-2の留意事項案の内容で通知することも含め承認するとともに、第2に、資料総-2-3の市場拡大再算定の引下げ率の上限の取扱いについてはこの提案のとおり承認するという2点につきまして、御承認いただけますでしょうか。
(委員首肯)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、本件につきましては中医協として承認したいと思います。
前田委員長、どうもありがとうございました。
それでは、次の議題に移ります。「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。本件は報告事項です。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○吉田医薬品審査管理課長
医薬品審査管理課長でございます。
それでは、まず私のほうから、資料総-3-1及び総-3-2に基づきまして、最適使用推進ガイドラインについて御説明いたします。
まず、資料総-3-1でございますが、セミプリマブ(遺伝子組換え)についてのガイドラインです。販売名リブタヨでございますが、本剤については昨年11月28日の薬食審医薬品第二部会などを経まして、12月23日に、がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頚癌を効能・効果として製造販売承認されております。その際、最適使用推進ガイドラインについても薬食審で確認を受けておりますので、御報告をするものでございます。
本最適使用推進ガイドラインの構成については、本剤同様の抗PD-1抗体かつ子宮頚癌の効能・効果を有するキイトルーダの最適使用推進ガイドラインと基本的に同じでございます。
2ページの「はじめに」でございますが、枠囲みの中に効能・効果等があり、効果・効果は、がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頚癌、用法・用量は、1回350mgを3週間間隔で30分かけて点滴静注となってございます。
4ページから臨床成績を記載しておりますが、化学療法歴のある進行又は再発の子宮頚癌患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験におきまして、主要評価項目であります全生存期間、OSについて対象とされた化学療法群と比較して、本剤群は統計学的に有意な延長が示されております。
安全性については6ページからでございますが、安全性プロファイルについては、類似薬と比較して特段の懸念は認められておらず、適切な注意喚起を実施することで管理可能と考えられております。
8ページから施設基準でございます。特に1-2でございますけれども、子宮頚癌に対する化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師を責任者として配置するとして、表に条件を満たす者を記載しています。
なお、子宮頚癌の効能・効果を持つキイトルーダも先ほど承認されていると申し上げましたが、ここで御紹介する施設要件については、その最適使用推進ガイドラインと基本的に同じ内容となっております。
10ページですけれども、投与対象をお示ししております。1にございますとおり、有効性に関する事項としまして、本剤の臨床試験における対象患者を記載しているという形になっております。
安全性に関する事項は、類似薬キイトルーダのガイドラインと同じ内容です。
最後に11ページに、投与に際しての留意事項がありますが、これも類似薬キイトルーダのガイドラインと基本的に同じ内容としてございます。
続きまして、資料総-3-2、トラロキヌマブについてでございます。販売名アドトラーザでございます。本剤についても同様に11月28日の薬食審を経て、12月23日に既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎を効能・効果として承認されており、最適使用推進ガイドラインも同様に確認を受けているものでございます。
本最適使用推進ガイドラインの構成については、アトピー性皮膚炎に関する効能・効果を有する類似薬、例えばデュピクセントといったような薬剤の最適使用推進ガイドラインと同じ内容となっております。
2ページの「はじめに」でございますが、効能・効果は、既存治療で効果不十分のアトピー性皮膚炎、用法・用量は初回600mg、その後1回300mgを2週間間隔で皮下投与でございます。
4ページからは臨床成績が記載されています。複数記載してございますが、まずは4ページにございますけれども、ステロイド外用薬で効果不十分な中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者を対象とした臨床試験が実施されており、5ページの表1のとおりプラセボに対する統計学的な有意性が検証されています。
6ページには安全性プロファイルを記載しておりますけれども、安全性上重大な懸念は示されていないということで、アトピー性皮膚炎の治療に精通した医師の下で使用するなど、適切な安全対策を実施することで、安全管理は可能と判断されております。
13ページから施設基準でございます。内容についてはここに記載のとおりでございますが、まず1にございますけれども、本剤について十分な知識を有し、アトピー性皮膚炎の診断あるいは治療に精通する医師が当該診療科の本剤に関する治療の責任者として配置されているといった内容、それから2として医薬品の情報管理、活用の体制が整っていること、さらには3として、副作用対策として当該施設あるいは近隣の医療機関の専門性を有する医師と連携し、直ちに適切な処理ができる体制が整っている、こういったような施設要件としてございます。
14ページは投与対象でございますが、臨床試験に基づいて有効性を検証された患者としておりますが、アトピー性皮膚炎の確定診断がされていること、抗炎症外用薬による治療では効果不十分で一定以上の疾患活動性を有する等、患者さんの条件を示しております。
投与の継続の条件としましては、投与開始から16週までに治療反応が見られない場合には投与を中止するということで、投与中も定期的に効果を確認し、投与継続、中止を検討するという内容にしてございます。
最後、15ページには留意事項を記載していますが、添付文書に記載された内容を記載しているという形になってございます。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
引き続きまして、事務局から補足の説明はございますでしょうか。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-3-3を御覧ください。先ほど説明のありました最適使用推進ガイドラインに基づく保険適用上の留意事項について説明いたします。
「2 対象品目の概要」につきましては、リブタヨとアドトラーザでございます。
「3 留意事項の内容」といたしまして、基本的考え方として、対象品目について最適使用推進ガイドラインに従って使用する旨を明記しております。
(2)で診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項でございます。
まず1)リブタヨ点滴静注350mgにつきまして、マル1で医療施設の要件、マル2で治療の責任者の要件を記載していただくとしております。
2ページ目の2)アドトラーザ皮下注150mgシリンジにつきまして、マル1で治療の責任者の要件、マル2で投与対象となる患者の要件を記載していただくこととしております。
最後に「4 留意事項通知の発出日及び適用日」ですが、こちらにつきましては3月14日付で発出、翌日15日付で適用ということで検討しているものでございます。
以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等がないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして、「費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-4を御覧ください。
昨年11月から今年2月の中医協において承認いただきました医薬品の費用対効果評価結果に基づく価格調整について説明いたします。資料は総-4-1から4-7までございます。順に説明いたします。
資料総-4-1のポライビーでございます。11月9日の中医協で承認された費用対効果評価結果に基づき、上の表のとおり対象集団別に価格調整係数を示しております。
下の表で、患者割合に基づき見直した価格調整結果について記載をしております。価格調整係数は1ですので、この費用対効果評価結果に基づく価格調整はございません。
続きまして、資料総-4-2を御覧ください。アリケイスについてです。12月14日の中医協で承認された費用対効果評価の結果に基づき、上の表のとおり価格調整係数をお示ししております。
下の表に、患者割合に基づき見直しをした価格調査の結果について記載をしております。現行薬価4万2,408.40円のところ、改定薬価といたしまして3万8,437.90円となります。
続きまして、資料総-4-3を御覧ください。エムガルティ及びその類似品目についてです。エムガルティにつきましては、1月18日の中医協で承認された費用対効果評価の結果に基づき、1ページ目の表のとおり対象集団別に価格調整係数を示しております。これに基づき価格薬価を調整した結果が2ページ目の価格調整後の薬価の表でございます。
1番のエムガルティにつきましては、シリンジが現行薬価4万4,811円のところ、改定薬価といたしまして4万2,550円、オートインジェクターが現行薬価4万4,943円のところ、改定薬価としまして4万2,675円となります。
また、類似品目のアジョビ、アイモビーグについて、エムガルティの評価に準じることとされており、表の2番、3番でそれぞれお示しした改定薬価となっております。
続きまして、資料総-4-4を御覧ください。レベスティブについてです。1月18日の中医協で承認された費用対効果評価の結果に基づき、上の表のとおり対象集団別に価格調整係数をお示ししております。
下の表に患者割合に基づき見直しをした価格調整の結果について記載しております。現行薬価7万9,302円のところ、改定薬価といたしまして7万3,683円となります。
続きまして、資料総-4-5を御覧ください。ベクルリーについてです。1月18日の中医協で承認された費用対効果評価の結果に基づき、上の表のとおり対象集団別に価格調整係数をお示ししております。
下の表に患者割合に基づき見直しをした価格調整の結果について記載しております。現行薬価6万3,342円のところ、改定薬価といたしまして6万1,997円となります。
続きまして、資料総-4-6を御覧ください。ダラキューロでございます。1月18日の中医協で承認された費用対効果評価結果に基づき、上の表のとおり対象集団別に価格調整係数をお示ししております。
下の表で患者割合に基づき見直しをした価格調整結果を記載しておりますが、価格調整係数が1でございますので、この費用対効果評価結果に基づく価格調整はございません。
最後に、資料総-4-7を御覧ください。パドセブについてです。2月15日の中医協で承認された費用対効果評価の結果に基づき、上の表のとおり価格調整係数をお示ししております。
下の表に患者割合に基づき見直しをした価格調整の結果について記載をしております。現行薬価9万9,593円のところ、改定薬価といたしまして9万1,444円となります。
以上でございますが、価格調整を行う品目につきましては、いずれも6月1日付で適用することとしております。
説明は以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
全部で7件ございますが、ただいまの説明につきまして御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等がないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては中医協として承認したいと思います。
続きまして、「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」を議題といたします。本件は報告事項です。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-5を御覧ください。「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」でございます。
有効性・安全性が公知であると確認された適応外薬につきましては、保険適用を迅速に行う観点から、薬事・食品衛生審議会の事前評価が終了した段階で、薬事承認を待たずに保険適用することとしております。
2に記載しておりますけれども、3月3日の医薬品第一部会におきまして、表にあります3品目の事前評価が終了しております。内容は、リツキシマブにつきましては、既存治療で効果不十分なループス腎炎への適応追加。
インドシアニングリーンにつきましては、肝外胆管の造影の適応追加。
メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムにつきましては、川崎病の急性期(重症であり、冠動脈障害の発生の危険がある場合)の適応追加でございます。
公知申請をして差し支えないということとされておりますので、同日付で保険適用しております。
説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして、「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」、それから「在宅自己注射について」を一括して議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。
それでは、2つの議題につきまして、総-6、総-7を用いまして、一括して御説明をさせていただきます。
まず、総-6「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」でございます。
定例の議題とはなってございますけれども、今回、効能効果が追加されました医薬品、新規に薬価収載される薬剤などにつきまして判定を行い、2の一覧にお示しております薬品については、対応する診断群分類におきまして基準に該当しておるということから、出来高算定としてはどうかという御提案をするものでございます。
また、資料5ページの3でございますけれども、こちらは類似薬効比較方式で薬価が設定された医薬品で、その類似薬に特化した診断群分類が既に設定されているものが掲げられてございまして、この診断群分類に新規の医薬品についても反映してはどうかという御提案をするものでございます。
続きまして、資料総-7を御覧いただければと思います。こちらは在宅自己注射指導管理料の対象薬剤の追加についてでございます。
御提案させていただく薬剤でございますが、チルゼパチドでございます。
この薬剤は、2型の糖尿病に対して使用する薬剤でございます。
今回、総-7参考1のとおり、学会から要望書が提出されてございます。投与間隔が1週間に1回とされております薬剤でございまして、在宅自己注射指導管理料の対象疾患に追加してはどうかと御提案するものでございます。
事務局からの御説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等がないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○小塩会長
ありがとうございます。それでは、説明のあった件につきましては中医協として承認したいと思います。
続きまして、「先進医療会議からの報告について」を議題といたします。本件は報告事項です。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
医療技術評価推進室長でございます。
総-8-1でございますが、今回、先進医療会議で承認されました先進医療Aの技術が1件ございましたので、御報告させていただきます。
今回承認されました先進医療の技術でございますが、整理番号350「マイクロ流体技術を用いた精子選別」で、本日にかかる費用はそれぞれ表に記載のとおりでございます。
先進医療会議で適と御評価をいただいております。
7ページ目を御覧ください。本技術は、遠心分離をせずに精子を回収するために、精子DNAが物理的に損傷するのを防ぐことができること。また、活性酸素の原因となる不純物等と遠心しないため、活性酸素による酸化ストレスのダメージにより精子DNA断片化や運動率低下を低減できるとのことでございます。
8ページ目を御覧ください。本先進医療でデータを収集し、その後、場合によっては多施設共同研究を計画し、薬事承認、また保険収載を目指すとのことでございます。
続きまして、総-8-2でございます。
今般、先進医療Aの技術の取下げがございましたので、御報告申し上げます。告示番号1番「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」ございまして、平成17年10月1日に先進医療Aとして告示適用となっているものでございます。
経緯にございますように、先進医療会議におきまして、診療報酬改定の際に先進医療に関する検証を行っているところでございますが、令和4年3月31日時点で先進医療から削除された技術が3件、また、将来的な保険適用に向けて指摘事項に対する回答を求めた技術が3件となっておりました。
本技術につきましては、その後、複数回にわたりまして状況の確認等を行ったところでございますが、有効性・安全性に係る分析を実施することが困難と判断いたしまして、先進医療会議におきまして、令和5年3月31日に取下げを行うことが妥当と判断をいただいたものでございます。
なお、事務局から各医療機関に対しましては、3月31日付で終了することにつきましては確認しているものでございます。
説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等がないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして、「患者申出療養評価会議からの報告について」を議題といたします。本件は報告事項です。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
医療技術評価推進室長でございます。
総-9に基づきまして御報告申し上げます。
今回御報告する内容につきましては、令和5年1月20日の第37回患者申出療養評価会議で承認されました新たな患者申出療養でございます。
1ページ目を御覧ください。今回承認されました患者申出療養の技術につきましては、整理番号14番「EZH2阻害薬の有効性が期待される標準治療がないまたは治療抵抗性の小児・AYA悪性固形腫瘍に対するタゼメトスタット療法に関する患者申出療養」でありまして、国立がん研究センター中央病院から申請となっております。
本技術にかかる費用は表に記載のとおりでございます。
5ページを御覧ください。
本技術は、6か月以上29歳以下で標準治療がないまたは治療抵抗性の小児・AYA悪性固形腫瘍の患者を対象にいたしまして、タゼメトスタットの投与を行うというものでございます。
ロードマップにつきましては6ページを御覧ください。保険収載までのロードマップといたしましては、海外で企業治験等が実施されており、国内では患者申出療養として実施されるものでございますが、海外知見等、結果解析におきまして有効性が認められた場合、適用追加を目指すとのことでございます。
説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等がないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして、「報告事項の取り扱いについて」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
医療技術評価推進室長でございます。
総-10につきまして、中医協総会への報告事項の取扱いについてでございます。
論点に記載がございますとおり、中医協総会での審議事項が多くなる中、効率的かつ充実した審議に資する観点から、中医協以外の会議からの報告事案に係る取扱いにつきましては、以下の事項につきまして報告内容を一定の様式に取りまとめて、時期を定めて定期的に報告することとしてはどうかという提案でございます。
対象となる報告事項につきましては、記載のとおりでございます。
また、報告する時期につきましては、3、6、9、12月を予定しておりますが、年間実績につきましては12月に報告させていただくことを予定しております。
なお、個別に報告が必要と判断される場合には、この限りではないとしております。
簡単ではございますが、説明は以上となります。
○小塩会長
ありがとうございます。
非常に多くの報告事項がございますので、このような形で今後対応させていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。御質問はありますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、本件につきましては、今、御説明のあったような形で中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○小塩会長
ありがとうございます。それでは、説明のあった件につきましては中医協として承認したいと思います。
ここで5分間休憩をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。10時37分ぐらいに再開したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

(休 憩)

○小塩会長
お待たせいたしました。それでは再開いたします。
「新型コロナウイルス感染症の診療報酬上の取扱いについて」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。
それでは、総-11を用いまして、「新型コロナウイルス感染症の診療報酬上の取扱いについて」、御説明を申し上げたいと思います。
前回に引き続き御議論いただくものでございます。
資料といたしましては、前回の主な御意見のまとめ、特例の算定状況等、そして特例の見直しの方向性、参考資料の順に構成をしてございます。
まず、3ページにお進みいただきまして、こちらでは前回の中医協でいただきました主な意見を取りまとめてございます。ポツが幾つか並んでございますけれども、業務や人員体制が一定程度効率化した現状を踏まえれば、特例措置の縮小は可能ではないか。あるいは、感染対策は引き続き必要であり、評価を維持すべきではないか。患者さんへの療養指導、入院調整等は医療機関が担うことになり、これから新たな業務について評価が必要ではないか。回復患者さんの受入れに対する評価を見直すべきではないか。介護施設の入所者に対する医療提供は重要であり、評価をすべきではないか。高齢患者を急性期病院以外の医療機関が受け入れるための対策が必要ではないか。類型変更に伴いコロナ患者さんが薬局を訪れる機会が増加し、さらにコロナ治療薬が一般流通になることから薬局の負担も増加するのではないか。ウイルスの性質や感染状況について、これまで想定していない状況となった場合は診療報酬も柔軟に対応すべきではないかといった御意見をいただいたところでございます。
それでは、4ページ以降が特例の算定状況となりますけれども、まず5ページ目、それから6ページ、7ページ、8ページまでは前回の資料の再掲でございます。主な特例の措置の経緯を御説明したものでございます。
9ページ目以降が主な特例の算定状況等をお示しするものでございます。ここで事務局からコメントでございますけれども、前回の中医協で御指摘のありました、なるべく直近までのデータを用いてお示しをということで、私ども事務局でどのようなデータを出せるかということを検証しておりましたけれども、これも既に公表されているところでございますけれども、NDBの過去のデータの解析につきましては不具合がございまして、現在、解析できない状況が続いてございました。一定程度回復していると聞いているところでありますけれども、今日、私どもがきちんとこちらで御説明できるほどのものとはなっていない、もう少しさらにデータの精査が必要だと判断をいたしまして、私どもとしては、6月まで、前回と同じ時点までのデータとさせていただいているところ、何とぞ御了承いただければと思ってございます。
それでは、9ページ以降のデータの説明をさせていただきます。9ページ目からは主な特例の算定状況を御紹介しておりますが、9ページ目は前回と同じものでございまして、外来における疑い患者さんに対する対応状況でございますけれども、10ページ目は、新型コロナ検査の算定回数ということで、新たに追加したものでございます。
御覧いただければ分かりますとおり、令和4年1月以降、算定回数は非常に多くなっているということが見てとれると思います。
それでは、11ページに進ませていただきまして、こちらはコロナ患者さんの入院に関する特例の算定状況でございまして、前回と同様のものをお示ししてございます。
12ページでございます。これは新たに追加したものでございます。回復患者さんを後方支援病院が受け入れた場合に算定できる特例の算定回数でございます。これも令和4年、年明けのピークのところで非常に算定回数が多くなっているということが見てとれるかと思います。
13ページでございますけれども、こちらも新しいデータになります。左側のグラフが自宅・宿泊療養者に対する緊急往診、緊急服薬指導のそれぞれの算定回数になります。
右側が、延期が困難な歯科治療をコロナ患者に対して実施した場合の特例の算定回数になります。
14ページから16ページは、前回の議論の中でハイケアユニットの簡易な報告の状況や診療の状況についての御意見があったところでございましたので、追加で解析をお示しするものでございます。
まず、14ページを御覧いただければと思いますけれども、救命救急入院料、それから2といたしまして特定集中治療室管理料、そして右側がハイケアユニットの入院医療管理料を算定する病棟の病床数になってございます。左の2つ、救命救急入院料と特定集中治療室管理料に関しましては、本来の届出に基づく病床に比べて、オレンジの部分が簡易な報告に基づく病床数となるわけでございますけれども、これが比較的少ないということでありますが、ハイケアユニット入院医療管理料につきましては、簡易な報告に基づく病床数、オレンジのところでございますが、本来の届出に基づく病床数、青いところでございますけれども、これを上回っている状況となってございます。
次に、15ページに進みまして、こちらが診療行為の内容でございます。患者さんがそれぞれの特定入院料を算定している日におきまして、酸素吸入やハイフローセラピー、人工呼吸やECMOの使用をどの程度行っているかということを示したものになります。
全体的には、コロナ患者さんはコロナ患者以外と比べ呼吸不全に対する治療を行っている場合が高いということであります。それが自然な理解だと思いますが、ハイケアユニットにおきましては、コロナ患者のほうがこれらの治療を実施している割合は低くなっているという実態も出ているところでございます。
16ページ目でございます。同様に、それぞれの特定入院料を算定している日における重症度、医療・看護必要度のA項目の該当割合をお示ししているところでございます。こちらも特定集中治療室管理料、救命救急入院料を算定している場合では、コロナ患者さんと非コロナ患者さんで同程度、人工呼吸器管理につきましてはコロナ患者さんのほうが該当は高くなっていますが、ハイケアユニットにおきましてはコロナ患者のほうが該当割合は低くなっていることが示されているかと思います。
それでは、こうした現下の状況と、冒頭で御紹介した前回の主な御意見を踏まえまして、18ページから20ページに今後の見直しの方向性に関する事務局の案を記載してございます。
18ページを御覧ください。○が幾つか並んでございますけれども、1つ目の○で、診療報酬上の特例については、以下の考えの下、継続するまたは見直しを行うこととしてはどうかと御提案しております。
まず、外来・在宅医療の部分でございます。
1つ目のポツですが、疑い患者への対応を公表し、空間的・時間的分離や適切なPPEの活用等、必要な感染対策を講じた上で行う発熱疑い患者さんへの診療につきましては、引き続き評価を行ってはどうかということでございます。
また、その際に、かかりつけ患者等に限らず、疑い患者を広く受け入れる医療機関においては、空間的・時間的分離の準備をより周到に行う必要があることを考慮する必要があるのではないかと考えてございます。
次のポツでありますけれども、確定患者さんに対する診療については、一定程度業務が効率化している一方で、類型変更に伴い、療養指導やフォローアップ、入院調整において医療機関の果たす役割が大きくなるということでございますので、これらの業務を評価するよう見直しを行うことでどうかと考えております。
往診につきましても、感染対策は引き続き評価することとしてはどうか。また、緊急の往診については、現在の特例はデルタ株が主体であった時期に設けられたものですが、重症化率の低下や外出制限の緩和により必要性は低下しているため、評価の見直しを行ってはどうかといった案にしてございます。
次に、入院医療について御説明をさせていただきます。ポツが3つ並んでございます。
1つ目でございます。入院医療におきましても、個室・陰圧室での管理や感染対策を行って実施するリハビリテーションを含めまして、必要な感染対策は引き続き評価することとしてはどうか。
2つ目のポツでございます。また、重症化率の低下等により業務内容・人員体制が一定程度効率化されており、重症・中等症患者等の特例は一定程度見直しを行ってはどうか。前回お示ししたヒアリングの結果も踏まえまして、後ほど御説明申し上げますけれども、例えば救急医療管理加算につきまして、現状4~6倍となっているところでございますが、これを例えば2~3倍程度とするといったことについてどのように考えるかと考えてございます。
3つ目のポツですが、回復患者への対応の評価につきましても、最近の業務の効率化等、現場の実態を踏まえまして見直しを行ってはどうかという案を記載しているところでございます。
次に、歯科に関する特例でございますけれども、コロナ確定患者に対して延期が困難な歯科治療を実施する場合の感染対策は今後も必要であり、引き続き評価してはどうかと考えております。
また、調剤に関する特例でございますけれども、薬剤師によるコロナ確定患者への緊急の医薬品の提供・服薬指導については、来局患者さんへの対応も考慮しつつ、引き続き評価することとしてはどうかとしているところでございます。
続きまして、19ページに進ませていただきます。
前回の議論でも、介護施設、高齢者施設に入所されている方々に対する医療の評価、それから、こうした患者さんを急性期病院以外で受け入れることの重要性が指摘されておりましたので、こういった御意見を踏まえた見直しについてまとめているところでございます。3つポツがございます。
まず、緊急往診でございますけれども、先ほど全体としては評価を見直しはどうかと申し上げたところでございますが、介護施設等に対する緊急往診につきましては、適切な医療資源の活用のため、入院の必要性が低い場合に施設内での療養を支援するという観点から、引き続き評価をしてはどうかとしております。
また、薬剤師による緊急の医薬品の提供・服薬指導について現在評価されていますが、これを介護施設入所者に実施した場合も評価してはどうか。
最後に、介護施設入所者等患者の入院につきまして、医療資源の効率的な活用及びケアの質の向上の観点から、リハビリテーションや介護保険サービスとの連携が充実している医療機関における入院医療に対する評価を行うこととしてはどうかとしているところでございます。
最後、20ページでございますけれども、ここで新たに特例的に設けているこうした点数のほかに、査定要件や施設基準といった届出の方法につきましても緩和している様々な特例につきましても一定の考え方を整理して、継続や見直しを行ってはどうかということを提案してございます。
特例の性質に基づいた継続または見直しの考え方と方向性について、該当するものとともに、こちらのページに記載しているものでございます。
続きまして、「4.参考資料」でございます。
まず、22ページ、23ページ目に、前回の中医協でもお示ししました昨今のコロナ診療の実態に関する医療機関へのヒアリング結果をお示ししてございます。若干重複しますが、22ページのスライドの概要のところに、私どもは20の医療機関、12の病院、そして8つの診療所に関しましてヒアリングを行いました。人員体制や行っている感染対策等でございます。その中で、22ページで申し上げますと、外来医療では、受入体制等で1つ目のチェックがございますけれども、病院及び敷地面積の大きい診療所においては、疑い患者と一般患者の空間分離のため、プレハブや建物内別室を待合室や診察室で活用するケースが多いということでございます。
次のチェックでございますけれども、敷地面積が小さいところ、ビル診などでは、主に時間分離によって対応しているということでございます。
感染対策はその下にございまして、PPE交換の手間、こういったことになれてはきているけれども、やはり常時装着していることによるストレスや体力の消耗は依然としてあるということ。
在宅医療についても、ここに記載のようなヒアリング内容が示されてございます。
23ページでございますが、入院医療に関するヒアリングの結果でございまして、一般病棟における医療提供体制でございますけれども、1つ目のチェックで、高齢化は進む一方で、入院後に中等症・重症になる方の割合は低下しているということでございます。
2つ目のチェックで、現在どのぐらいの程度の職員さんを配置しているかということが記載をされてございます。
3つ目チェックでは、多くの施設は専用病棟を設けているということでございますけれども、コロナ担当の看護師さんは、当該勤務帯においてはコロナ患者以外は担当しないこととしている場合もあるということであります。
次のチェックでは、陽性者の転院調整については、自治体の調整が入らなければ受入先の確保調整に通常よりも多くの時間を要する場合があるなどがございます。
ICU等における医療・体制でございますけれども、チェックが3つございます。
重症患者のうちECMO等を使う方の割合は減っている。
あるいは、ECMOを用いない場合の患者さんにおきましては、通常のICUの人員配置と変わらないか、外回り要員として全体で1増加する程度ということでございます。
ただ、一方で、感染対策に関しましては、先ほどの外来と同じでPPE交換の手間なりにより軽減されてきているが、業務効率の低下や常時装着によるストレスなどは依然としてあるといった内容のヒアリング結果をお示ししたところでございます。
24ページも前回お示ししたものでございますけれども、現在、感染症法に基づき行われている措置や予算を確保して実施されている事業を紹介しております。
25ページも前回御紹介したものでございますけれども、こちらはコロナ患者の感染管理に関する記載、ガイドラインでございますけれども、下に赤囲いをしてございます。小さい字で恐縮でございますが、※7、日本環境感染学会の医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第5版)、今年の1月に更新されたものでございまして、そこではこの赤字のところが主な変更箇所となってございます。
例えば個人防護具のところで申し上げれば、手袋、ガウンは患者さん及び患者周囲の汚染箇所に直接接触する場合に装着、逆に直接接触しない場合は不要であることとか、あるいは病室のゾーニングといったところでは、専用病棟化は基本的に不要という取扱いも示されてきているところでございます。
26ページから29ページ目は、介護施設入所者等への対応に関連しまして、入院患者さんの年齢層、年齢や入院経路ごとの入院先の病棟、在院日数等のデータになります。
30ページ目から32ページ目でございますけれども、こちらは高齢者施設における施設内療養への支援、感染制御、医業務継続の支援、退院患者さんの施設への退院支援に関する取組など、現在行っておるものをお示ししてございます。
33ページ目から35ページ目は、前回の議論でも御指摘いただいておりましたけれども、令和4年の診療報酬改定におきまして、今回感染対策として対応した感染対策向上加算の内容についてお示ししているものでございます。
駆け足になりましたけれども、資料の説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問等がございましたらよろしくお願いいたします。
長島委員、お願いいたします。
○長島委員
ありがとうございます。
前回、診療側として強調いたしましたが、コロナの類型が変更されてもウイルスの感染性は変わるものではなく、現場では引き続き感染対策の手引にのっとって感染対策を講じる必要があります。類型変更の後、新規感染者数の数が過去の感染拡大を大幅に超える事態も想定されています。さらに、新規感染者数の把握方法が定点報告に基づくことになるため、これまでとの比較も困難となります。したがいまして、外来医療や入院医療の逼迫具合が最も重要な指標になるものと考えております。
これらを踏まえ、日本医師会としましては、外来の医療提供体制、とりわけ現在の約4万2000医療機関による発熱外来診療体制をしっかりと維持し、地域の患者の皆様が安心して5類への移行を迎えていただくことが大変重要と考えております。
その上で、これまで季節性インフルエンザの検査診療を行ってきた医療機関の参画を得ること、また、かかりつけ患者等のみ受け入れるとされている医療機関に幅広く対応していただくことが何よりも大切であり、日本医師会としましても、再三にわたり全国の会員医療機関に協力要請を行ってまいりました。
ただし、診療検査医療機関に登録されておらず、発熱外来診療体制に参画していないとされる医療機関であっても、実際には相談や来院された発熱患者さんへの対応をしっかりとされてきたと認識しております。
さらには、地域に根差した医師、医療機関として、医師会によるコロナへの取組にも多く御参加いただいております。例えば地域外来検査センターや宿泊療養施設での健康観察などにCOVID-19JMATという日本医師会の仕組みを通して協力された医師、看護職員、薬剤師、事務職員等の方々は、令和2年4月以降、延べ17万人にもなります。これに各地域独自の取組を合わせると、延べ数で数十万人に及ぶのではと見込んでおります。こうした各地のコロナ対応、また、コロナと通常医療との両立という現場の努力は、適切に評価されてしかるべきと考えております。
繰り返しになりますが、類型変更後も医療機関は引き続き診療の手引にのっとって感染防止対策が必要であるため、コロナ診療には相変わらず手間がかかり、医療機関の対応可能能力はコロナ以前の水準にはすぐには戻れないことが予想されます。
以上の状況も踏まえた上で、日本医師会では先週、全国の都道府県医師会、郡市区医師会に対し、類型変更後の発熱外来診療体制の維持・充実に向けて協力申請を行い、同時に、季節性インフルエンザを診てこられた医療機関のコロナ対応の一層の参画、また、ふだんは自院に通院していない患者も広く受け入れていただくことなどを要請したところであります。
日本医師会では、高齢者人口の多い我が国においては、エンデミックによる感染リスクのレベルは、可能な限り感染リスクのレベルが低い状態でとどまる状況を目指すべきということを主張してまいりました。そのためには、やはり類型変更後の医療提供体制への支援が引き続き重要となります。コロナ対応を担ってきた医療機関の対応力を損なうことがないよう、発熱外来に尽力してきた医療機関が撤退することのないよう支援すること、加えて、これから新たに対応を拡充する医療機関に対してもしっかりと感染防止対策等が講じられるよう支援すること、これが重要です。
日本医師会として、都道府県医師会、郡市区医師会と共に、また、病院団体や全国知事会などと連携しながら、医療提供体制の確保に全力を尽くしていく所存でおりますし、そのためには安心して医療が提供されるための体制づくりが必要と考えております。
なお、資料18ページには、一定の経過措置を置いた後に見直しを行う項目が幾つかの類型で提案されておりますが、これらについては期限を決めて診療報酬を強引に変更するのではなく、地域ごとの医療提供体制の実態も踏まえた上で、十分に余裕を持たせながら丁寧に対応していくことが、今後予想される第9波、第10波への備えとして不可欠です。
また、今回はコロナ特例の在り方についての議論ですが、そもそも特例的に現行点数を準用するという形で医療機関のコストに見合った評価が十分にできているのかという問題もあります。こうした医療機関のコストに見合った準用ではない本来のあるべき点数の在り方については、令和6年度改定に向けた議論の中で検討すべきであると考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、続きまして、林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
総-11の18ページ、診療報酬上の特例の見直しの方向性(案)につきまして、前回の議論に引き続き発言させていただきます。
歯科における診療報酬上の評価は、記載の298点があり、これはコロナ確定患者に対する延期が困難な緊急性を要する歯科治療を実施する場合の評価となっており、外傷や疼痛を伴うなど、ある一定のニーズはあるとは思っております。しかしながら、13ページに算定実績も出ておりますが、数はそれほど多くないように見えます。
これは、歯科に依頼が来る場合に、確定診断等の医科との連携が必須であり、対応が後手になってしまっている感じもしております。つまり、コロナ感染者が非常に多かった時期は、発熱を伴っていなくても感染している可能性は否定できず、疑いがあっても確定診断が間に合わず、後から判明するケースも多かったように思っております。
また、歯科医療機関は多くは小規模で、スタッフ数も限られておりまして、安心して歯科医療を提供できるような環境整備は、今後の新興感染症対応も含めてしっかりと継続できるよう、気を緩めることなく引き続き検討していくことも必要だと感じております。
今回の取扱いを継続していただくことは妥当と考えておりますが、さらに様々な状況にも対応できるような体制整備も御検討いただきたく、要望いたしたく思っております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
診療報酬上の特例の見直しの方向性(案)に示されている調剤、介護施設入所者等の患者への対応については、事務局案に賛成します。
コロナの類型が2類から5類に変更されることにより、これまでは自宅・宿泊療養で対応していたコロナ確定患者が、外来患者として薬局に来局するようになることや、通常、処方箋が発行されない介護施設などから処方箋が交付されるなど、様々な状況の変化が出てきます。これらの変化を念頭に置いた対応が必要となります。また、類型変更によってコロナの感染力や病原性が弱まるわけではありませんし、コロナ治療薬が一般流通することもあり、今後、より多くの薬局での受入れが進むよう、必要なコロナ治療薬等の供給が行うなど、しっかりと対応していく所存です。
大きな方針として、コロナ前の日常に戻していくというものですが、コロナ前の日常は注意をしなくても普通の生活が送れる状態でしたが、これからのウィズコロナの日常では、注意をして普通の生活を送るという視点が重要であり、そのような日常に移っていくためにも、特例対応を継続していただくことは必要です。
また、感染症は想定しにくい分野ではありますので、予想外の状況が発生した際の対応や、コロナ患者が来局することに関する感染防止対策の考え方についても引き続き検討していくことが必要であると思います。
これは、今のコロナ対策だけの観点ではなく、将来あるかもしれない新型インフルエンザ等の新興・再興感染症への備えとして重要であり、次期改定に向けた検討の中で議論していただきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
御説明ありがとうございました。
まず、総論として述べさせていただきますけれども、1月27日の政府のコロナ対策本部の内容を見ますと、段階的な見直しの考え方が示されておりますので、全ての特例を一気に廃止するものではないということは理解しておりますが、一部の特例を残すとしても、医療の質を担保するための措置に限定すべきであると考えます。
また、今回の見直しは5月から速やかに施行し、次の見直しについては、感染状況や医療現場の状況にもよりますが、令和6年度改定に向けた議論が本格化する前に中医協で議論し、遅くとも秋口、9月頃には原則全ての特例を廃止することも視野に入れるべきであると強く主張いたします。
続いて、18ページ以降にございます診療報酬上の特例の見直しの方向性(案)に沿って、各論についてコメントいたします。
まず、外来と在宅についてでございますが、コロナ疑い患者への対応として、単純に院内トリアージ実施料(300点)の特例算定を継続するということであれば、反対いたします。対応案には要件を設定とありますが、コロナが5類になっても発熱患者が安心して受診できることが必要であり、疑い患者への対応を公表するだけでなく、しっかりとした感染対策を講じ、かつ、対象患者を限定せずに診療することを要件とすべきです。
そうした場合に限り、必要な経費に限って臨時に措置するということが約束されなければ、患者の納得、保険料を負担する被保険者や事業者の理解は得られません。さらに、次の見直しで発熱外来の特例は確実に廃止していただきたいと考えております。
また、下にございます上乗せの147点につきましても、記載のとおり、予定どおり3月末で終了すべきです。コロナ確定患者への対応については、業務の効率化を踏まえて、救急医療管理加算を縮小するべきであると考えます。保健所は、5類になったから入院調整から手を引くということではなく、引き続き一定の役割を担っていただくことで、医療機関の新たな業務負担を極力抑えていただきたいと考えます。
また、往診については、重症患者の減少や外出制限の緩和を踏まえると、今までと同様の評価をする必要性は乏しいと考えております。
次に、入院に行きますけれども、医療の実態を踏まえますと、評価は縮小するべきです。15ページに示されたデータを拝見しますと、集中治療室や救命救急センターでは、コロナ患者に酸素吸入以上の診療行為が多いですが、ハイケアユニットでは先ほど医療課長から説明がありましたとおり、コロナ患者の場合、酸素吸入以上の医療行為がコロナ以外の患者に比べて半分程度ということが読み取れます。
また、16ページにございます、ICU、救命救急センター、ハイケアユニットのいずれも、コロナ患者だからといって、重症度、医療・看護必要度のA項目の該当項目が必ずしも高いとはいえず、特にハイケアユニットでは、むしろコロナ患者は該当割合がかなり少ないことも分かりました。
さらに、23ページにございます現場へのヒアリング結果からも、当初に比べて人手がかからなくなっている実態も示されており、コロナ回復患者の定員受入れに関しての特定入院料3倍は高過ぎると言わざるを得ません。回復患者の二類感染症患者入院診療加算については、受入医療機関も増加し、ノウハウの蓄積もあると思いますので、5類への移行に伴い、点数も算定期間も縮小し、通常医療に近づけるべきです。
次に、歯科についてですが、先ほど林委員からもありましたけれども、特例の算定回数が非常に少ないことはデータが示すとおりでございます。引き続き評価するとしても、コロナに罹患中に歯科診療を行う必要性をしっかり見極めていただきたいと考えます。私、個人的には、コロナにかかっているときに本当に歯科に行くのだろうかということは疑問に思っております。
調剤についても、重症患者の減少や5類移行に伴い、緊急の薬剤配送や服薬指導の必要性をしっかり判断して、薬局で普通に薬剤を受け取れるようにすべきだと考えます。
次に、19ページにございます介護施設に入所する患者への対応については新たな視点かと思いますが、まず、往診やオンライン診療を活用して、可能な限り施設の中で対応し、クラスターを抑えつつ入院に至らないようにすることで、医療資源の有効活用につなげるべきです。それでも入院が必要になり、ADLの低下を防ぐために追加のリハビリやケアが必要ということであっても、ベースとなる救急医療管理加算の特例を縮小する範囲内での評価にとどめ、段階的な縮小を目指すべきです。
次に、20ページにありますその他施設基準等ですけれども、医療の質の観点から、簡易な報告は早期にやめるべきです。ICUや救命救急については、実績がかなり少なく、ハイケアユニットはまた簡易な報告が増えていますが、先ほど申し上げたとおり、コロナ患者への医療資源の投入量が多くないことを踏まえれば、経過措置を設けるにしても、特例の廃止は可能だと考えられます。
また、20ページの4つ目にあります令和4年度改定で必要な措置を行っているものについて見直しを行うということで、情報通信機器を用いた診療の特掲診療料が例示されていますが、前回も申し上げたとおり健全なオンライン診療の普及に向けて、初・再診療や服薬指導を含めて令和2年4月10日から始まった特例は速やかに廃止すべきです。
このページで1つ確認したいことがございます。この中で、2つ目、一定の経過措置を置いた後に、3つ目についても一定の経過措置という形で、経過措置という言葉が多数使われております。この経過措置というのはどれぐらいの時間、あるいはどのような条件でというのを確認したいと思います。これについては御説明をお願いします。
さらに、事務局案には示されておりませんが、PCR検査や抗原検査について、前回の見直し後からの市場規模や実勢価格を踏まえ、さらなる検査料の引下げを検討することも強く要望いたします。
私からは以上になります。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員から1点御質問がございましたが、後でまとめて事務局から回答をお願いいたします。
それでは、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
ただいまの松本委員の御意見とも重なるところもありますが、意見を述べさせていただきます。
まず、資料総-11の14ページ、簡易な報告による届出状況につきまして、1、2、3、いずれも一定の報告があり、特にハイケアユニットの増床につきましては群を抜いて大きいですが、オミクロン株が主流となったことで重い肺炎になるリスクは低減しており、致死率も低下する中で、届出数が突出して多過ぎるという印象を受けました。
15ページから16ページのデータでも、ハイケアユニットに入院されたコロナ患者より、コロナ患者以外の方のほうが手厚い診療行為を必要とする傾向が見られ、点数だけではなく、制度の在り方を考え直す必要があるのではないかと考えております。
また、18ページから20ページにかけて、診療報酬上の特例の方向性をお示しいただきました。新型コロナにつきましては、インフルエンザと異なり、年に何回も流行を繰り返し、病原性の高い変異株が現れるリスクも残ることから、現場の状況をにらみつつ、今回のような形で、当面の間、継続する特例と見直しを行う特例を設けることについては、賛成でございます。
ただし、今回の方向性はあくまでもこの春までの現状分析や予測に基づくものであり、今夏の感染状況であるとか見直し後の特例の算定状況を、迅速かつ的確なデータを基に、再度の感染拡大が予想される冬に向けて、秋頃にも再度検証を行うべきであると考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
私からは、意見が2点と質問が1点ございます。
最終的に特例の廃止を目指しながらソフトランディングさせていくという方向性そのものは理解をいたしますが、いつまで特例的な取扱いをするのか、こうした特例的な対応につきましては、あくまでも区間を区切って行うものと考えております。この際はっきりとスケジュールを示すべきと考えます。
また、算定回数といったものだけではなく、医療現場等へどのような影響や効果があったのか、この間の特例的な取扱いの内容が妥当だったのかどうかの検証が必要ではないかと考えます。
3点目ですが、高齢者以外の方も含め、地域の一般の医療機関で受け入れていく急性期病院以外での受入方策について、事務局で何か考えがあれば教えてください。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
佐保委員からも御質問がありましたので、よろしくお願いいたします。
続きまして、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
ありがとうございます。
基本的な考え方としましては、今後の流行に備えた医療提供体制等を構築すべく、外来での対応、あるいは入院における機能分化を進める方向で、既存の多くの特例措置を見直していく必要があると考えております。
一方で、全体としてデータがNDBに基づく昨年6月のものであり、先ほど御説明の中でデータ不備の事情があったという事情は説明をいただきましたけれども、結果として5類以降の判断に関係性のある最新の状況を必ずしも反映しているものとは言えないと思います。
また、ヒアリング結果も示していただいているところでありますが、全国一律の診療報酬の在り方を議論するこの場において、一部の医療機関の状況を定性的に説明するだけでは、必要な見直しの是非を吟味するために十分なエビデンス、データとは言えないのではないかと考えます。
定量的なエビデンスに基づいた議論のためには、データを扱う人あるいは予算も必要になってくるのだろうと思いますので、厚労省におかれては、今後、中医協で定量的なエビデンスに基づくしっかりとした議論ができるよう、医療データに関わる人材あるいは予算確保について充実化を図っていただくよう要望させていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私も意見と、最後に1点だけ質問させていただきます。
まず、全体を通じては、先ほど長島委員がおっしゃったとおり賛成させていただきます。
その上で、まず5月8日以降ということになっていますが、5類になった以降どうなるかということですけれども、直ちにこの加算あるいはいろいろな特別対応をすぐにやめればという御意見もありましたが、5月8日以降になったからといって、コロナ感染症がいきなり性質が変わるわけでもなく、今後の見込みは専門家の意見をお聞きしてもまだまだ予想がつかない状況にあると思います。まずは5類になった後、国民がどういう行動を起こし、なおかつどういうウイルスがまた起きるのか、あるいは第8波、第9波がどのようなウイルスが再燃するのかどうかということをしっかり見定めて、その上で対策を少しずつ段階的に減らしていかないと、またパンデミックが起きたときに、また同じような緊急避難的なことをしないといけなくなってしまうということを考えれば、せっかくここまでいい体制ができたものを急になくすということはあり得ないと思っています。
その上で、医療機関がどういう対応していくか、そしてさらに国民がどういう行動をして、どういう受診行動を起こすかということもしっかり見定めながら、それに合った対応ができるように、段階的に少し時間をかけてゆっくり見直していくべきではないかと思っています。
また、先ほど委員からもありましたように、これは特に地域差も非常に大きな感染症でしたので、その辺を見定めることも非常に重要だと思いますので、少しじっくりと見定めながら対応すべきではないかと思っています。
そして、なおかつ保険に対する財政逼迫等々のことも、保険者の方々もお考えかもしれませんけれども、これがどんどん終息の方向へ向かっていけば、患者を診ても診なくても算定できる加算ではなくて、ほぼ出来高加算なので、患者が減ってくれば当然ながら、先ほどグラフでお示しがありましたように減っていくものですので、いざというときに体制を残しておかないと、また緊急対応ができないということをぜひ御理解いただければと思います。
例えば東日本の震災のときに、緊急避難的にいろいろな特別対応をしていたこと、それがだんだん減ってくれば、最終的にはこの特別対応は必要ないですねということでやめればいいことで、そういうことでぜひ御理解いただきたいなと思っています。
その上で1点御質問させていただきたい内容は、19ページの案2のところで、介護施設入所患者の対応ということ、これは非常に重要な観点だと思います。特に今、第7波、第8波、オミクロン株になってから、確かに重症化は減りましたけれども、高齢者に非常に多くの感染を起こして、施設で診ることになる。そこに対して私たちが聞いているのは、施設に対する医療提供体制が十分でないとなかなか診られないということ、ここの担保をしないと、非常に高齢者施設も困ってしまう。
そして、そこでやむを得ず死亡者が増えているというのは、実はコロナの感染症で亡くなるよりも、基礎疾患で亡くなっている。例えば(脱水予防のための)点滴だけ少し続けてあげれば、生命をまた戻せたのではないかという患者さんも多く見られています。このときにタイミングよくしっかり入院できる体制、ただ、その入院は恐らく高度急性期、急性期というところでなくても、回復期機能のところ、あるいは療養病床のところでも診られる入院だと思いますので、ここの診られる体制を新たにつくっていただくことは非常に重要だと思いますので、ぜひこれはこの方向で見直していただきたいと思います。
そして、松本委員からもありましたように、無闇ということではありませんが、オンライン診療とかで十分できるではないか、往診でできるのではないかという御意見もありましたが、高齢者の医療というのは、ちょっとオンラインで顔を見ただけで判断できるのではありません。特に介護施設の場合は、看護師が一定程度いらっしゃるところもありますけれども、その(最終)診断はやはり診て、聞いて、触って、そして入院が必要かどうか判断して、医療提供及び入院が必要な場合は、タイムリーに入院しなくてはいけない、そういうことがありますので、ぜひこの辺の対応は実際にしっかりできる対応を取っていただきたいと思っています。
最後に、例えばコロナ期間中に歯科治療薬をすることはあるのかとおっしゃいましたけれども、コロナの対策中でも腰痛で動けなくなってしまって診てほしいとか、あるいはそのほかの感染症などを起こしてしまって診てほしいとか、歯が痛くなって診てほしいということはあり得ますので、その辺はぜひ御理解いただいて、コロナ期間中ぐらい我慢しろというのは、それはない。緊急、やむを得ない他の疾患が出ることも十分可能性があるので、その上で、そこができる体制を残しておくということは、私はソフトランディングのためにもぜひ必要ではないかと。しかも、それは国民も望んでいることではないかということを、現場の感覚としてぜひ訴えさせていただきたいと思います。
最後に質問なのですけれども、19ページの介護施設等入所者に対するリハビリテーション、介護保険サービスとの連携が充実した医療機関となっていますが、具体的イメージとしては地域包括ケア病棟ということではないかと思います。一方で、要介護状態が非常に強い方々の入院施設としては、他の回復期リハビリテーション病棟あるいは療養病床でも十分診られる、逆にそのほうがいいのではないかというイメージを持っています。そういう考え方でいいのかどうかということと、その場合に、現状、2類相当のときには、いわゆる特定入院料ではなくその他の一般病床入院基本料に一旦下げて、県に届けをして、それから出来高算定や加算をして診ることになりますけれども、今、案2で示されていることは、基本的には特定入院料を取りながら、一定程度の加算を頂いてコロナを診るという考え方になるのかどうか、その辺がちょっと定かでないので、もし今お考えがあれば、お聞かせいただきたいと思っています。
長くなりましたけれども、以上です。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
池端委員からも御質問を1点いただいておりますので、後で事務局より回答をお願いいたします。
続きまして、鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員
御指名ありがとうございます。
私のほうも、今回の特例の診療報酬の見直し、ソフトランディングということについては当然だと思っておりますし、現在、医療関係の従事者の方々は大変御苦労されていると思いますので、本当に感謝申し上げたいと思います。
その中で、私のほうも事務局のお考えをお伺いしたかったのは、丁寧な分析で本当に皆さんが納得できるような形でということを事務局のほうは意識されているとは思うのですが、直近の数字がなかなか出てこない中で、どこまでするのかなという気はするのですが、まず、そうは言っても一般の支払い側のほうとして、3つの観点から事務局のお考えをお伺いしたいと思っているのです。
まずは、今回の特例の報酬が例えば全くなくなる基準は何を考えてらっしゃるのかということ。これは将来、先の話です。
あと2つあるのですが、もう一つは、例えば5類になるタイミングと言っているわけです。ところが、5類になるタイミングというのは、そういう判断をされたというある程度数字的な基準とか考え方があると思うのですが、5類になるタイミングで実際に診療報酬の見直しをするお考えがあるのか、事務局としてどの程度お考えになっているのか、それも2つ目として聞きたい。
もう一つ、現状、一般の人からすると、今の感染者数で見直しが必要であると思っていらっしゃるのか、見直す必要がないと思っていらっしゃるのか、事務局としての考え方、あくまで数字は、細かい数字があったほうがいいのかもしれないのですが、今ない中で、一般の支払い側としての判断、何か基準については事務局としての考え方があるのかどうか、私はそういう形でお伺いしたいと思っております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
鈴木委員からも特例の見直しについて御質問を幾つかいただいておりますので、後で事務局より回答をお願いいたします。
続きまして、林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
先ほど松本委員がコロナ患者が歯科に行くのか疑問ということでございましたが、熱発を伴う歯痛、それから炎症並びに外傷、そういった延期ができない一定のニーズはあったと理解しております。そのことは先ほど池端委員からの発言のとおりでもございます。
その際、熱発を伴うケースは、医科との連携の上、病院歯科でそういったものを対応していることが多うございました。5類になっても医学的終息ではなく、今後、新興感染症対応を含めて、国民にとって安心・安全な歯科治療がしっかりと継続できるよう、こういった歯科治療の疼痛というものは本当に延期ができない苦痛を伴うものでございますので、さらに様々な状況にも対応できるような体制整備を含めて御検討いただきたいということで要望したく思っております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、島委員、お待たせいたしました。よろしくお願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
前回も意見を言わせていただきましたけれども、2類から5類に移っても、対応がすぐに変えられるわけではございませんし、PPEの着脱等のところが慣れてきたといったこともございますが、現状としては実際に外来、入院の患者さんたちも今は大分減ってきている状況ではありますけれども、それなりにきちんとした体制で対応しないといけないというのが我々の認識でございます。
それから、14ページのハイケアユニット入院医療管理料のところでございますが、一番新しく令和5年まで数字が出されておりますけれども、今回、オミクロンになって非常に感染力が強いために、どうしても看護師さんたちが特に人数がいないと病棟の運営ができないといったことで、こういうふうに届出をしているところが増えてきているのだろうと思っております。
実際、院内にクラスターが発生したりしますと、非常に医療を縮小せざるを得ないといったこともありまして、そういったことをなるべく避けたいということで、それぞれの医療施設が努力しているというのが現状だろうと思います。
それから、急性期の施設である程度治療をした後、今度はコロナが回復したといったところで、その方たちがまだリハビリ等とかいろいろな医療的な内容が必要だとされるときに、どのようにそこを転院していただくかとか、それから介護施設等である程度診られるということであれば、そういったことを往診してでもきちんとやっていきたいという思いはあるのですけれども、実際にはどうしても症状がある程度強ければ、やはり病院に入院してもらわざるを得ないとかいったことがございますので、その辺のバランスというか、非常にそこの辺が難しいなと。
ですから、病院での治療が必要でなくなったという方たちは、表現はおかしいですけれども、どうやってトリアージしていくのかといったようなところもきちんと構築されていないと、非常に体制的には難しかろうと。
現状、まだそのような状態で、患者さんはどんどん減ってきてはいますけれども、対応の仕方は変わるわけではありませんので、当面はこの特例のところは継続していただきたいというのが私の意見でございます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
今、類型変更の方向にもちろん行っているわけですけれども、ただ、昨日の段階でも全国で新規感染者数は1万2000人以上いるということで、まだまだパンデミックの中にいると理解していますので、特例措置はある程度残るというか、継続というものもあるのだろうなと思いますけれども、非常に緊急というか、とんでもない状況になっているという状態からすれば大分落ち着いていると思いますので、取り外せるものについては外していっていただきたいと思います。
ただ、この感染症が蔓延している中で、医療も受けられずに亡くなっていた方がたくさんいるのです。そういう人たちが一人でも少なくなるような医療の体制とか、速やかに医療を受けられるような仕組みを維持していっていただきたいと思いますので、そういう意味での診療報酬は維持していっていただきたいと思います。フォローアップとか、個室対応とか、そういうものもやはり必要なのかなと思います。
これは質問でもあるのですけれども、陽性になって、歯科で治療を受けるのかという質問というかやり取りも聞きましたけれども、逆に私は、陽性になった状態で受け入れてくれる歯科というのがきちんと十分な数あるのかなというのが疑問に思いましたので、算定数が少ないというのが、逆に受け入れてくれるところが少ないのではないのかというのもちょっと思ってしまったので、その辺りの対応はどうなっているのかというのを聞きたいです。
それから、調剤ですけれども、緊急に薬を提供した場合に、特例の点数がつくということで書いてありますけれども、緊急とは一体どういう定義なのかなと思うのです。調剤薬局へ行って、薬がすぐに受け取れるなんていうのは普通のことです。何をもって緊急とするのかということと、インフルエンザの患者と比べてどういう対応が必要なのかというのも聞きたいなと思います。
コロナ感染症が実際に収まったとしても、この特例的な点数は残ってしまうような気もするので、その辺りは感染症への対応、対策という意味で、必要な体制づくりはあるでしょうけれども、それは特例ということではなくて、一旦、特例を全部外した状態から、またゼロからこういうことが必要だよねということを、今までのコロナ感染症への対応の教訓を踏まえて、こういう対応が必要だよねということを議論していって、また新たな制度をつくっていくことが必要だと思いますので、特例の見直しということよりも、一旦特例を撤廃するという形をしてから、また新たに議論していっていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
間宮委員からも、歯科、それから調剤についての御質問がありました。後でまた事務局より御回答をお願いします。
飯塚委員、お手が挙がっています。お願いいたします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
診療報酬上の特例を今回見直すという議題になっておりますけれども、これまで大変様々な特例を打ってきていて、資料にもお示ししていただいていますけれども、結局どこでどのように費用が使われたかという全体像が分からないということがありますので、コロナの感染状況との対比において、まずは全体像を整理してお見せいただけないかなと思います。
重要な論点をこの場で議論しているのかどうかということに関しても、そういったボリューム感がないとなかなか分かりませんし、そういった重要な論点を見落とすということがないように、そういう全体像を少し把握をお願いできればと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。
それでは、いろいろな御質問、御意見をいただきましたが、事務局から御回答をお願いできますでしょうか。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。
様々御質問いただきました。私のほうで現在回答できる範囲のことでございますけれども、その中で御回答させていただきたいと思います。
まず、全体の流れから御説明をしたほうがよろしいかと思います。1月27日に、今後、コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけについて、2類相当から5類相当に見直すと。その予定は5月8日であるということを政府全体の方針として発表し、その中で現在、医療現場に対して、医療機関あるいは調剤薬局または歯科医療機関に対して行っている様々な措置に関しても段階的に見直しを行っていくということが決められたところでございます。そして、その具体的な在り方について、3月の上旬にお示しをすると。全体は今、3月上旬のお示しに向けまして、政府全体内で調整が続いているところでございます。
長期的に見れば、もちろん途中で何かあれば別だと思いますけれども、そういった見直しを経て、これからの5類相当のコロナと共に、どうやって共存していく社会にしていくかということが模索されていく時代に入っていくのであろうと思っているところでございます。
そういう意味では、将来的には、次の全体の見直しということになれば、この方針の世界で申し上げれば、令和6年度の改定のようなところで、今後の長期にわたるウィズコロナの経済に向けた感染対策、医療機関でも薬局でもそういった感染対策が一定程度必要と、先ほども委員のほうから注意をして生活をしていく時代に入っていくといったお言葉もございましたけれども、そういった評価に改めていく。その中では、私どもが令和4年度に設定しました診療報酬体系も含めて見直しをして、全体として対応できていくような方向性の見直しになっていくのだろうと思っております。これは長期的な視点でございます。
それを踏まえまして、先ほどいただいた質問に順次答えてまいりたいと思います。漏れがございましたら、後ほど御指摘いただければと思います。
まず、松本委員、それから佐保委員から、いつまででやるのか、そして明確なスケジュールを示したほうがよいのではないかという御指摘、御質問がございました。これに関しましては、政府においても各種措置を段階的に見直すということをされているところでございます。診療報酬におきましても、それと連動してパッケージで見直していくべきものと考えてございます。今後、何月と言うことはなかなか厳しいところがあるのですけれども、例えば冬には毎年何らかインフルであったりコロナであったりの感染拡大が通常想定されるわけでございますけれども、冬の感染拡大に先立ちまして、この夏までの医療提供体制の状況等を検証するということをしながら、必要に応じて判断をしていく、このようなことが考えられるのではないかと思います。
次に、急性期病院以外での受入れの方策、これは佐保委員、そして池端委員から御指摘、御質問いただいたところでございます。
今日の資料でも、受け入れていらっしゃる医療機関に関しましては、例えば参考資料になりますけれども、資料ページで申し上げますと27ページや28ページなどに多く急性期一般病棟に入院しているという実態が示されているところでございます。
こういった急性期一般病棟以外の例えば資料にお示したようなリハビリテーション機能や介護サービスとの連携の経験がある、あるいは長けているような医療機関での入院ということも今後拡げていかなければならないだろうと考えてございます。
こういった方針に関しましては、報酬のみというわけではなく、今後、3月上旬の具体的な方針が示されてから、具体的には都道府県を中心とする自治体と現場の医療機関のほうで様々5月8日に向けた移行のための計画、あるいはその調整が進んでいくことになります。
そういった意味では、地域地域で面として、例えば池端委員からは地域包括ケア病棟という例示もございましたけれども、急性期一般以外でどのように患者さんを受け入れていくかということを、まず総体としての計画のようなものを示されて、私どももそれに寄り添う、あるいはそれを裏打ちする形での診療報酬体系の設定を考えているところでございます。そういった計画と、それから方針の設定は両輪で進めていくべきものだろうと考えているところでございます。
それから、検証に関しても様々御指摘をいただいたところでございます。眞田委員からも、そして最後の飯塚委員からも、データをきちんと全体感を持ってお示しするべきだという御指摘でございました。これに関しましても、私どもとしては今後、定量的な分析といったことは、様々な入院調査、今後行うものもございますので、活用を検討していきたいですし、また、NDBは今回、前回の御指摘に応えられず大変申し訳ございませんでしたが、様々ある調査などを用いて、可能な限りそれにお答えしてまいりたいと思ってございます。
続きまして、これはテクニカルな御質問でございまして、池端委員から、今、特定入院料を算定しているような病棟で、コロナの患者さんを受け入れた場合に、都道府県に届出をして、一旦一般入院料のほうに切り替えて、出来高算定の措置が継続するのかというお尋ねでございましたけれども、今日私どもがお示ししている中では、一定程度継続するということをお示ししてございます。
また、鈴木委員から、まず、特例が全てなくなる基準はというお尋ねでございました。これに関しましては非常に難しい質問だと思っております。冒頭御説明しましたように、今後、長期的にコロナと共存していく社会を模索していく中で、一定程度御回答申し上げたつもりでございますけれども、この特例を次の全体を見直すタイミングの中でどのように診療報酬体系に溶け込ませていくかということなのだろうと考えていたところでございます。
それから、次の5類になるタイミングでの診療報酬の見直し、まさにそれを今、御提案申し上げておりまして、なくすものはなくす、また一定程度残すもの残すという御提案をしたいと考えていたところであります。
また、その基準でございますけれども、私どもとしては必要な限定のものに限って残すべきという御指摘と、やはり現場にとっては時間的余裕を持ってというところで、私どもはその間でちょうどいいバランスのところを探らせていただきたいと思っているところでございます。
それから、間宮委員から、歯科でコロナ陽性の患者さんを受け入れていただける医療機関、歯科に限らずということでございましたけれども、これは可能であれば2号側の委員にコメントいただければと事務局としては考えております。
あと、緊急ということでございます。この緊急という要件は、当初、例えば宿泊療養施設に皆さん診断されてすぐに入らなければならなかったりとか、そういうところになかなか患者さんが動きづらいというところで、薬をお届けしなければならないということで緊急という表現になってございます。それは確かに5類になってからはそういったことはなく、例えば薬局に来院されるということもあろうかと思いますけれども、確かにそういう意味では、その当時の緊急性という要件自体は性格は薄まっておるかと思いますけれども、ここは例えば来院できない方とか、在宅にいらっしゃらざるを得ないという方もいらっしゃいますので、そういう方々へ対応したときの評価は継続したいという趣旨の御提案になっているところでございます。
一通り以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
長島委員、お手が挙がっておりますので、追加のコメントをお願いいたします。
○長島委員
まず、医療の質の担保という御指摘がございましたが、必要な感染対策を講ずることは、医療の質そのものであります。
次に、経過期間という論点がございましたが、類型の変更と同時に急激な変更が行われますと、医療提供体制に影響を及ぼし、これまでの医療提供体制が維持できない可能性が高くなります。これは医療の質の低下をもたらします。したがいまして、見直しを行う場合には、十分な措置期間等の経過措置が必要です。
また、今後の医療提供体制の在り方や変更による影響、感染状況など、各地域の影響も含めて慎重に丁寧に見ていきながら、その内容に応じて考えるべきと考えております。
また、先ほど支払い側委員から、見直しの点について、例えば院内トリアージのところで対象患者を限定しないということを直ちに要件化すべきというような御指摘もございました。日本医師会としましても、かかりつけ患者以外に幅広く診ていただくように強く要望して、働きかけを続けてまいります。ただし、この対応にはやはり時間がかかります。また、電話、情報機器を用いた診療の特例も直ちに廃止すべきというような御指摘もございました。これも現在、地域のコロナ医療にしっかりと貢献しているものであり、この対応にはやはり時間がかかります。これを直ちにやめてしまうということになると、まさに先ほど申し上げたように医療提供体制の維持が困難になり、医療の質の低下につながりますので、ここは十分な措置期間が必要であります。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
先ほどの間宮委員からの御質問はもっともなことでございまして、コロナ患者の歯科治療は現在行政と歯科医師会並びに病院歯科と連携することになっております。歯科医院単独での治療というものは、評価の在り方も含めて体制整備を検討していくことになろうかと思います。行政におかれましては、厚労省におかれましては、引き続き御検討のほど、よろしくお願いしたいと思っております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
スケジュール感につきまして御説明があったのですけれども、もともとの政府の1月27日の決定の中にも、3月上旬までに具体的な方針を示しますというスケジュールが示されております。一方で、その日付を考えますと、多分こうやって議論できる中医協は今回が最後ではないかと推測いたします。
そうした中で、例えば段階的見直しをいつまでにという情報もなく、先ほど聞いた経過措置についても具体的な回答がなく、なおかつ点数については通常最後にしか出てきませんので、そうすると診療報酬に関して託されております中医協の委員として、どういう形で判断をすればいいのかというのは正直非常に悩みます。そういうこともあって、先ほど経過措置についてお伺いしたのですけれども、その一端でも御説明いただけないかということが再度のお願いです。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員から御要望がありましたので、また後で事務局より回答をお願いいたします。
間宮委員、お手が挙がっています。お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
歯科の診療については、地域格差とかそういうものがないように、歯が痛くなってしまったら本当につらい状態だと思いますので、それを対応できる医療機関を増やしていただきたいと思います。
あと、調剤の緊急の説明が私はどうも全く理解ができない、ぼやっとしている感じがします。これから軽症の患者さんが薬局に来る機会が増えるということで、対応が大変というのもあるのかもしれませんけれども、緊急という意味では、定義というのは変ですけれども、どういう状態が緊急なのか、本当に今の説明では全く分からないので、きちんとこうこういうときが緊急だと分かるようにしてもらいたい。実際に患者が分からなかったら、お金を払うほうは患者ですから、その辺りはしっかり決めていただきたいと思います。
オンライン診療とかそういうものもありますから、調剤薬局に来られますかというような連絡をしたときに、ちょっと面倒くさかったら行けませんと言うかもしれません。ただ、それは発症から薬を早く飲まなくてはいけないということもありますから、全部が緊急の対象になってしまうのではないかとちょっと心配しているので、その辺りははっきりさせていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。調剤における緊急性について御質問がありましたので、これもまた後で事務局から御回答をお願いいたします。
池端委員、お手が挙がっています。お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。先ほど御回答ありがとうございました。
その上でもう一点だけ追加で質問させていただきます。18ページの案1の外来・在宅医療の3ポツ目のところで後半から、類型変更に伴い療養指導やフォローアップ、入院調整において医療機関の果たす役割が大きくなることからとあります。私はこのことを非常に重要視していて、今後、病病、病診で入院調整が必要になってくるということに対して、大きな手間がかかる。そこに対して一定程度御理解いただいた内容かと思いますけれども、先ほど松本委員から、一定程度、保健所機能としての入院調整も残しておくべきではないかという御意見があったかと思いますけれども、私の理解では、2類相当から5類になった段階では、保健所機能として入院調整をするという根拠はなくなってしまう、措置的な入院調整をするという根拠がなくなってしまうので、基本的には病病、病診でやらざるを得ないのではないかと考えます。そこに対して当県も順次何とか落とし込んでいこうということで鋭意努力して、今、保健所で調整しているのは10%以下まで落ちてきていますけれども、そういう理解をしているのですが、5類になった後でも保健所機能を入院調整の中で使うことが可能なのかどうか、中医協での医療・介護マターではないかと思いますけれども、もしお分かりになりましたら御説明いただければと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
池端委員からも御質問がありました。事務局から後で御回答をお願いいたします。
森委員、お手が挙がっています。お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。日本薬剤師会の森です。
間宮委員からの質問について、薬局の現状について説明をさせていただきます。通常、薬局に来局する人に関しては、基本的に緊急扱いにしているわけではありません。具合が悪く、通院ができなくて、医師等が往診した患者、また、通院ができても具合が悪くてそのまま自宅に帰って、薬局に来られない人にすぐ薬を届けて飲んでいただけないときに、薬剤師が訪問しているという現状になります。こういった今後も来局できない患者や通院できないという患者はいると思いますので、そうした患者にはきちんと薬が届けられるよう取り組んでいきたいと思っております。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
それでは、事務局から御回答、それから追加のコメントがございましたらお願いいたします。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。
御質問ありがとうございました。
松本委員から、経過措置の期間、何らかもう少し申し上げられないかということでございました。私どもとして、時期に関していつまでということは、この段階でなかなか申し上げられないのですけれども、ずるずると延ばすということは想定してございません。先ほど申し上げたことと若干かぶりますが、この夏までの医療提供体制、感染状況などを見極めさせていただきたいというのが基本的なスタンスでありまして、その後、必要に応じて判断をしたいと思っているところでございます。
また、先ほど間宮委員からも緊急性の説明、私の説明がやや的を外していて申し訳ございませんでした。今、2号側の委員から御説明があったところでございますけれども、さらにそういった御指摘も踏まえて、私ども、次の見直しに当たっては、少し整理が必要なところは整理をしたいと思ってございます。
また、入院調整等につきましては、別の担当の者から御説明をさせていただきたいと思います。
○南コロナ本部戦略班総括調整官
それでは、入院調整についての御質問がございましたので、お答えいたします。コロナ本部戦略班の南と申します。
入院調整につきまして、委員御指摘のとおり、新型インフルエンザ等感染症という今の位置づけでありますので、入院措置勧告が行政で可能になっておりまして、それと病床の確保とを併せて入院調整という仕組みを今、動かしているというのが現状と認識をしております。
先ほど来、説明の中でも出ております1月27日の政府対策本部決定において、5類移行後の医療提供体制について、具体的な方針については3月上旬をめどにお示しするということにしておりますが、その中で入院調整については、行政が関与するものから個々の医療機関間で調整する体制へと段階的に移行していくと記載した上で、特に重症者等に対する入院調整の在り方については、改めて3月上旬の方針の中で示すとしております。
法律上の根拠は、御指摘のとおり新型インフルエンザ等感染症から5類感染症にする方向で今、進めておりますので、入院措置・勧告という仕組みはなくなりますけれども、これに代わる新たな仕組みというか方法について現在、法的な根拠、法令上の根拠とか、あるいは個人情報の扱いも含めて整理をしております。何らかの形で具体的な方針をお示ししたいと考えておりますので、3月上旬にお示しする方針の中で、具体的な扱いについてお示ししたいと考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいま事務局から御回答していただいたのですけれども、ほかに追加で御意見、御質問等はございますでしょうか。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
今、課長からお話しいただいて、委員からも説明いただきましたけれども、そうするとここに書いてある来局患者への対応も考慮しつつというのは、緊急にかからないということでいいのですね。自宅とかどこかの施設にいる方への対応なのだと理解していいということですか。そうだとすれば、来局患者への対応も考慮しつつというのはちょっと引っかかるなというところなので、こういうのは外したらいいのではないのかと思いました。
以上です。
○小塩会長
ただいまの御指摘の件、いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。
全体の見直しの中で、例えばここに限らずなのですけれども、例えば外来で陽性確定患者さんがいらしたときの950点でございますが、そういったことを新たな業務であります例えば入院調整などへの評価として残していくような組替えも行いたいと考えてございます。ここに関しても同様の考え方でございまして、緊急性という観点の評価は、これは確かにこれまでにあった評価ということでございますので、ただ、今後も在宅の患者さんで、御説明があったように薬局に来局できない方への緊急対応が残る。それから、併せまして今回の薬の説明の例えば併用禁忌の多さとか説明の困難性は一定程度残るだろうと私どもは考えてございまして、そういったものに関しましても一定程度残す余地があるのではないかと御提案をしたいと思っているところでございます。
○小塩会長
間宮委員、よろしいでしょうか。
○間宮委員
ありがとうございます。
併用禁忌とか催奇形についての説明は本当に十分に行ってもらいたいので、その辺りは手厚くやっていただけるということをお願いしたい立場でありますから、そういう意味では、その分の報酬をつけるというのは異論はないところです。
ただ、本当にその医療機関によって出っこみ引っ込みがあってはいけないと思うので、一律にきちんとお知らせしていただけるように、例えば説明がきちんとでできるように研修するとか、そういうことも含めて対応していただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員、お手が挙がっています。お願いします。
○松本委員
先ほどの件、会長、回答ありがとうございました。
夏の状況を見て見直すという御回答もございましたし、この経過として、段階的な見直しの時期が整合を取れた形で設定されることをお願いいたします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
本件につきましては、多くの委員の方々から非常に重要な御指摘、それから御質問を頂戴いたしました。本件に関わる質疑は取りあえずこの辺りといたします。今後、事務局におかれましては、本日皆様からいただいた御意見を踏まえて、取りまとめに向けて対応していただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。
それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。長時間、どうもありがとうございました。

 

 

 

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