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2022年12月21日 中央社会保険医療協議会 総会 第534回議事録

○日時

令和4年12月21日(水)薬価専門部会終了後~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田亨委員 鈴木順三委員
長島公之委員 茂松茂人委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 中村春基専門委員、田村文誉専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 中田医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○令和5年度薬価改定の骨子(案)について
○医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務付けに係る経過措置、医療情報・システム基盤整備体制充実加算の取扱い及び医薬
品の安定供給に係る取組の推進に向けた診療報酬上の加算の取扱いについて(諮問)
○医療DX対応について
○医療DXに関する診療報酬上の評価について
○医薬品の安定供給問題を踏まえた診療報酬上の対応について

○議事 

○小塩会長
それでは、ただいまより、第534回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は末松委員と羽田専門委員が御欠席です。
それから、秋山委員は、遅れての御出席と伺っております。
それでは、議事に入らせていただきます。
最初に「令和5年度薬価改定の骨子(案)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。資料総-1を御覧ください。
令和5年度薬価改定の骨子(案)をまとめております。こちらは、薬価専門部会において、令和5年度薬価改定の議論を受け、骨子(案)を了承いただきましたので、その説明をいたします。
1ページ目、まず「第1 基本的考え方」でございます。平成28年の基本方針を踏まえ、今般決定された「令和5年度薬価改定について」という12月16日の内閣官房長官、財務大臣、厚生労働大臣の合意事項及び「大臣折衝事項」ということで、本日になりますけれども、まとまったものがございますので、それに基づきまして、「以下のとおり令和5年度薬価改定を行うこととする」ということでまとめております。
具体的な項目につきましては、2ページ目を御覧ください。「第2 具体的内容」でございます。
「1.対象品目及び改定方式」でございます。「改定の対象範囲については、国民負担軽減の観点から、平均乖離率(7.0%)の0.625倍(乖離率4.375%)を超える品目を対象とする。改定方式は、市場実勢価格加重平均値調整幅方式とし、具体的には、以下の算出式で算定した値を改定後薬価とする。」ということで、算出式は、下のように示しているところでございまして、通常の改定の式と同様でございます。調整幅につきましては、2%ということでございます。
2つ目「2.適用する算定ルール」でございますけれども、こちらは順にいきますと、まず「(1)基礎的医薬品」、「(2)最低薬価」、「(3)不採算品再算定」。(3)は、大臣合意の中で臨時・特例的な措置として行うとされたものでございます。「急激な原材料費の高騰、安定供給問題に対応するため、不採算品再算定について臨時・特例的に調査結果に基づく全品を対象に適用する。」ということで、この調査結果は3ページ目の(3)の最後のところに※印で書いておりますが、「令和4年9月に実施した薬価収載医薬品を供給する業者に対して実施した、物価高騰等の影響による不採算品目の状況に関する調査」に基づきまして、こういった品目が1,100品目あったという結果に基づきまして、今回、適用するということとしております。
「その際、適用に当たっては」ということで、通常の不採算品再算定の取扱いとは異なり、「製造販売に要する原価等が著しく上昇したと認められるもの等」の要件のうち、こちらに書いています文言を今回は適用しないこととして、先ほどの調査結果に基づく品目について再算定を行えるようにする取扱いを行うものでございます。
続きまして(4)でございます。新薬創出加算でございますけれども、こちらも大臣合意に基づき、臨時・特例的に対応するものでございます。「イノベーションに配慮する観点から新薬創出等加算の加算額を臨時・特例的に増額し、従前の薬価と遜色ない水準とする対応を行うと。このため、通常の当該加算の算定方式に基づき加算を行った後、改定前の薬価と当該加算適用後の価格の差に相当する額の95%を、当該加算適用後の価格に上乗せすることとする。」ということで取扱いを示しております。
続きまして、「(5)後発品等の価格帯」と「(6)既収載品の外国平均価格調整」。
そして、(7)でございます。こちらは、「新薬創出等加算の累積額控除及び長期収載品に関する算定ルールについては、令和5年度改定において適用しない。」と。「その上で、令和6年度改定において、「国民皆保険の持続可能性」と「イノベーションの推進」を両立する観点から、新薬創出等加算や長期収載品に関する薬価算定ルールの見直しに向けた検討を行う。」ということとしております。
また(8)、「その他の既収載品の算定ルールについては、評価に一定の時間を要することなどから、令和5年度改定において適用しない。」ということとしております。
次、4ページ目でございます。「3.その他の取扱い」。こちらは、改定に係る運用上の取扱いをまとめているものでございまして、前回の中間年改定、令和3年度の改定の中でも同様のことを盛り込んでいるものでございます。
「(1)規格間の価格逆転防止」、「(2)今年度薬価調査において取引が確認されなかった品目」、「(3)「薬価改定」を区切りとして品目を選定する規定の取扱い」ということで、こちらに示しているような運用を考えているところでございます。
また、最後「第3 その他」でございます。こちらは、令和6年度の改定になりますけれども、「近年の革新的新薬に係る日本への導入の状況や後発薬品を中心とした安定供給上の課題を踏まえ、これまでの薬価制度改革の検証も行いつつ、「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」での議論も踏まえ、第2.2の(7)の点も含め、令和6年度薬価制度改革に向けて検討を行う。」ということとしております。
また、「診療報酬改定がない年の薬価改定の在り方も含め、令和4年度薬価制度改革の骨子における検討事項については、引き続き検討を行う。」ということとしております。
以上が骨子(案)としてまとめたものでございます。
また、参考として、総-1参考という資料をつけております。2ページ目は薬価調査結果の速報値、3ページ目が12月16日の大臣合意の内容、4ページ目が本日の大臣折衝事項の薬価改定関連の抜粋でございます。
また、5ページ目のほうは、今回の薬価改定による改定の影響額と改定対象品目数のイメージを、全体の総額、品目数と、そしてその内訳を示しているものでございます。
また、6ページ目、こちらは薬価改定のイメージということで、全体の品目の中で価格が維持されたもの、引き下がったもの、あるいは今回緊急・特例的措置で対応したものを、円グラフでイメージとして示しているものでございます。
それ以降の資料は、補足資料ということで、算定ルール等関係資料の抜粋でございます。
私のほうからの説明は、以上とさせていただきます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務付けに係る経過措置、医療情報・システム基盤整備体制充実加算の取扱い及び医薬品の安定供給に係る取組の推進に向けた診療報酬上の加算の取扱いについて(諮問)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。それでは、御説明をさせていただきます。資料総-2を御覧ください。
医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務づけに係る経過措置、医療情報・システム基盤整備体制充実加算の取扱い及び医薬品の安定供給に係る取組を推進に向けた診療報酬上の加算の取扱いに関しまして、中央社会保険医療協議会、小塩隆士会長に対しまして、加藤勝信厚生労働大臣より諮問書が出されております。
健康保険法第82条、その他関係法令の規定に基づき、医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務づけに係る経過措置、医療情報・システム基盤整備体制充実加算の取扱い及び医薬品の安定供給に係る取組の推進に向けた診療報酬上の加算の取扱いについて、貴会の意見を求めますとなってございます。
なお、答申に当たっては、別紙1「答申書附帯意見」(令和4年8月10日中央社会保険医療協議会答申書別添)及び別紙2「大臣折衝事項」(令和4年12月21日厚生労働省)に基づき行っていただくよう求めます。
別紙の具体的な該当箇所を御紹介しますと、別紙1を御覧ください。
こちらは、令和4年8月10日、中医協の答申書別添の附帯意見の中で、1、関係者それぞれが令和5年4月からのオンライン資格確認の導入の原則義務化に向けて取組を加速させること。その上で、令和4年末頃の導入の状況について点検を行い、地域医療に支障を生じる等、やむを得ない場合の必要な対応について、その期限も含め、検討を行うこととされています。
また、別紙2、大臣折衝事項、令和4年12月21日、厚生労働省の中で、オンライン資格確認の導入・普及の徹底の観点から、令和5年12月末までの間、初診時・調剤時における追加的な加算、再診時における加算を設定するとともに、加算に係るオンライン請求の要件を緩和する。
医薬品の供給が不安定な中、患者への適切な薬剤処方の実施や薬局の地域における協力促進などの観点から、令和5年12月末までの間、一般名処方、後発品の使用体制に係る加算、薬局における地域支援体制に係る加算について上乗せ措置を講ずるとされているところでございます。
御説明は、以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、こちらの諮問を受けて、本件につきまして、さらに検討を進めてまいりたいと思います。
続きまして「医療DX対応について」及び「医療DXに関する診療報酬上の評価について」を一括して議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○水谷医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。資料総-3「医療DX対応について」に沿って御説明申し上げます。時間の関係もございますので、ポイントを絞って御説明をさせていただくことを、あらかじめ御容赦いただければと存じます。
2ページ以降でございますが、2ページ、オンライン資格確認の概要、そして3ページは、オンライン資格確認のメリット、そして4ページは、災害時における情報の閲覧について、こうしたことを整理した資料でございます。
そして、5ページ目でございます。8月10日の中医協におきまして、答申・公表いただいた内容をここに整理をしてございます。
マル1保険医療機関・薬局にオンライン資格確認の導入を原則義務化するということ。ここで、現在、紙レセプトでの請求が認められている医療機関・薬局、これは全体の約4%でございますが、こうしたものについては、例外とするということをお決めいただいたわけでございます。
マル2医療情報化支援金、ICT基金による医療機関・薬局向けの補助の拡充。
そして、マル3診療報酬上の加算の取扱いの見直し、こうしたことについて、答申・公表をいただきました。
6ページでございます。先ほど申し上げたマル1につきまして、この棒グラフの緑色のところ、約4%紙レセプトでの請求を行っていただいている医療機関・薬局につきましては、例外ということのお決めをいただきました。
7ページは、ICT機器による医療機関・薬局への補助の見直しの概要。
8ページは、診療報酬上の加算についての整理をした資料でございます。
そして、9ページでございます。8月10日の中医協の答申の附帯意見、先ほど医療課長からも御紹介がございましたが、ここの1番のところ、関係者それぞれが令和5年4月からのオンライン資格確認の導入の原則義務化に向けて取組を加速させること。その上で、令和4年末頃の導入の状況について点検を行い、地域医療に支障を生じる等、やむを得ない場合の必要な対応について、その期限も含め、検討を行うこと。こうされていたわけでございます。
10ページでございます。こうした答申をいただいて以降も含めまして、オンライン資格確認の導入の原則義務化に向けた取組の状況を整理してございます。
1つ目のポツでございます。三師会により設立されたオンライン資格確認推進協議会、それと厚生労働省で連携をいたしまして、こうした見直しの内容について、8月24日、オンラインで説明会を開催いたしました。
また、その後、地域ごとで説明会を開催するということで、三師会等にも御協力をいただきました。厚生労働省から直接説明を実施するようお声がけをいただいたものだけでも、8月以降計42回実施をさせていただいてございます。
また、三師会には、都道府県単位での顔認証付きカードリーダーの申込みの取りまとめ、こうしたことをお願いいたしましたし、私どもとしても都道府県単位だけでなく、市郡単位での申込み状況も公表して、こうした地域単位での取組を後押ししてまいりました。
また、システム事業者との関係におきましては、導入促進協議会、これをデジタル庁、経済産業省とも連携して集中的に開催をいたしまして、改修完了に向けた導入計画の策定、システム事業者向けなど、システム事業者向けの働きかけを強化してまいりました。
下の棒グラフを御覧いただきますと、青の実線、これが顔認証付きカードリーダーの申込みの状況でございます。点線のところが8月10日でございますので、それ以降大きく伸びているところが見て取れるかと存じます。
緑色は、運用開始の施設数でございまして、着実に伸びている状況が見て取れるかと存じます。
11ページ、直近の導入状況でございます。12月11日時点でございますが、顔認証付きカードリーダーにつきましては、義務化対象施設の96.1%からお申込みをいただいてございます。
また、運用開始施設でございますが、義務化対象施設の41%となっているところでございます。
12ページは、都道府県別の運用開始状況、そして、13ページ、14ページは、直近のオンライン資格確認の利用状況を整理した資料でございます。
また、関連する状況といたしまして、15ページでございますが、2つ目のポツを御覧いただきまして、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を進めるため、令和6年秋に保険証の廃止を目指す、こうしたことが、総理のもと、関係3大臣が集まったところで確認をされたわけでございます。
3つ目のポツでございますが、こうした保険証の廃止に向けては、細部にわたり、きめ細かく環境を整備する必要があるというところでございます。
4つ目のポツのところに1、2ということで、以下の2つの課題に取り組むとしてございます。
1つ目が、今、原則義務化をしている、そうした場面以外につきましても、保険証が利用される場面がございます。そうした場面でオンライン資格確認を導入するということでございます。
具体的には、訪問診療等の居宅における資格確認の仕組み、居宅同意取得型と呼んでございます。
それから、柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の施術所等に資格情報のみを取得できる簡素な仕組みを導入する。資格確認限定型と呼んでおりますが、こうしたものを導入するということ。
そして、ここの括弧書きのところでございますが、オンライン資格確認の義務化の例外となる医療機関等におきましても、こうした簡素な仕組みを導入していただいて、必要な資格確認が行える方向で検討したいと考えてございます。
こうした仕組みの導入に係る必要な費用につきまして、本年度の第二次補正予算に必要な費用を計上させていただいてございます。また、2と書いてあるところでございますが、国民の皆様にマイナンバーカードを取得していただくということも大変重要なことでございます。
マイナンバーカードの取得の徹底に加えまして、カードの手続、様式の見直し、これは総務省、デジタル庁を中心に検討いただくことになりますが、こうしたことも含めまして、何らかの事情により手元にマイナンバーカードがない方が必要な保険診療等を受ける際の事務手続などにつきまして、3大臣による検討会において検討を進めているところでございます。
16ページ、17ページ、18ページは、今申し上げました居宅同意取得型、資格確認限定型の仕組みのイメージ図でございます。
19ページ以降、論点でございます。20ページをお開きいただけますでしょうか。
「課題」と書いてあるところでは、1のところでオンライン資格確認について、様々なメリットを整理してございます。
そして、2というところでございますが、8月の中医協におきまして、原則義務化ということを決めいただき、それ以降、顔認証付きカードリーダーの申込み数は大きく伸びておりまして、95%以上お申込みをいただいております。
他方、実際に運用を開始した施設は約4割ほどということで、引き続き必要なシステム改修等の準備を進めていく必要がある、そういう状況と認識をしてございます。
その上で論点でございますが、1つ目の○、先ほど御説明申し上げました8月の中医協の附帯意見に沿って、地域医療に支障が生じる等、やむを得ない事情がある場合の必要な対応について、その期限も含め、検討を行う。
その際でございますが、2つ目の○、導入をさらに加速化させて、導入を完了させる、こうした観点も踏まえつつ、電子レセプト請求を原則とした際の経過措置、こうしたものも参考に、オンライン資格確認の原則義務化の経過措置について、どのような対応が考えられるか、こうしたことを論点として掲げさせていただいてございます。
21ページでございますが、今申し上げました電子レセプト請求を義務化した際の経過措置を左に、そして、今回オンライン資格確認の経過措置として設定してはどうかと考えるもの、これを右側に整理した資料でございます。
左のほうを御覧いただきまして、一番上、電気通信回線設備に障害が発生した場合、これにつきましては、8月にお決めいただいた療養担当規則本則の中で、緊急やむを得ない事由というところで読み込めることになってございますので、オンライン資格確認については、対応は不要ではないかと考えております。
それ以外、ベンダーと契約を締結したが導入に必要なシステム整備が未完了である、改築工事中、臨時施設で診療等を行っている、廃止・休止に関する計画を定めている、その他特に困難な事情がある、こうしたものにつきましては、オンライン資格確認におきましても同様の経過措置が必要ではないかと考えてございます。
その上で、真ん中辺りに2つポツがございます。オンライン資格確認固有の事情で設定してはどうかと考えている経過措置でございます。
1つ目が、オンライン資格確認に接続可能な光回線のネットワーク環境が整備されていない保険医療機関・薬局、そして、訪問診療のみを提供する保険医療機関、こうしたものもオンライン資格確認固有の事情として、経過措置が必要ではないかと考えてございます。
その次の22ページをお開きいただけますでしょうか。
今申し上げた6つの類型につきまして、その具体的な中身そして期限につきまして、事務局として、案として整理をさせていただいてございます。
(1)でございます。令和5年2月末までにベンダーと契約を締結したが、導入に必要なシステム整備が未完了の保険医療機関・薬局というのが考えられるのではないかと思ってございます。
この場合の期限でございますが、システム整備が完了する日までとなりますが、遅くとも黒丸まで、この黒丸というところには、確定の日付を入れることを想定してございまして、事務局といたしましては、令和5年4月から6か月間、すなわち令和5年9月末までということを遅くともということで設定してはどうかと考えてございます。
その下の※でございますが、先ほど申し上げましたICT基金による補助の拡充措置、これにつきましても、令和5年9月末事業完了まで継続するという方向で財政当局と調整をいたしているところでございます。
それから(2)オンライン資格確認に接続可能な光回線のネットワーク環境が整備されていない保険医療機関・薬局ということでございます。
ここで考えられるもの、例えば離島、山間地域など、エリアとして未整備であるところもございますでしょうし、エリアとして整備をされていても、例えばビルの中なので、ネットワークを引き込むために建物の改修工事が必要となるもの、こうしたものについては、ネットワーク環境が整備をされていないということだと考えてございます。
一方で、こうしたところ、インターネット回線を用いて、VPN接続による閉域網と同等のセキュリティを確保した、いわゆるIPsec、IKE方式、こうしたことによる導入ということを、私ども望ましいということで働きかけをしているところでありまして、引き続き、そうしたことは、こうした類型の医療機関・薬局に働きかけをしていきたいと考えておりますが、しかし、光回線が整備されている場合よりも費用がかかるという状況がございます。そうした意味において、経過措置の対象として設定する必要があるのではないかと考えてございます。
期限でございますが、右の欄を御覧いただきまして、こうした光回線のネットワークが整備されてから、黒丸まで、この黒丸には期間が入ることを想定してございます。事務局としては、6か月という期間を入れてはどうかと考えてございます。
それから(3)訪問診療のみを提供する保険医療機関でございます。訪問診療につきましては、オンライン資格確認の仕組み、居宅同意取得型というものの構築に向けまして、今、準備を進めているところでございます。令和6年4月からの運用開始を目指して準備を進めているところでございますので、こうした保険医療機関、来年4月の時点では利用可能なオンライン資格確認の仕組みがないことになります。
したがって、期限といたしましては、この居宅同意取得型の運用開始、令和6年4月までとしてはどうかと考えてございます。
また、この訪問診療等におけるオンライン資格確認の導入に係る財政支援、先ほど、私、第二次補正予算において、必要な予算を計上した旨、御説明を申し上げました。令和6年3月末補助交付まで実施をされるということになろうかと存じます。
(4)改築工事中、臨時施設の保険医療機関・薬局、これらにつきましては、改築工事が完了するまで、臨時施設が終了するまでということを期限としてはどうかと考えてございます。
(5)廃止・休止に関する計画を定めている保険医療機関・薬局、これは、廃止・休止までということになりますが、あまりに長期の先の廃止の計画をもって、こうした経過措置の対象とするということは、当然その趣旨に沿わないものになります。遅くとも黒丸までというところで、廃止・休止のその具体的な計画の期日というものを、ある程度定める必要があると思ってございます。
私どもとしては、先ほど保険証の廃止を目指すとした令和6年秋、つまり遅くとも令和6年秋までの廃止・休止の計画を定めている保険医療機関・薬局というのを対象としてはどうかと考えてございます。
それから(6)その他特に困難な事情がある保険医療機関・薬局としてございます。もちろん、その他特に困難な事情というのは、今申し上げました例外の措置、紙レセプトで請求している保険医療機関・薬局、それから今まで申し上げてきました(1)から(5)の類型、これと同視できるかを個別に判断をするということになろうかと考えてございます。
こうした保険医療機関・薬局につきましては、特に困難な事情が解消されるまで、こうした期限で経過措置を設けてはどうかということで考えてございます。
それから一番上のポツのところを御覧いただきまして、※の1つ目でございます。こうした(1)から(6)の類型に当たるということで、経過措置の適用を受けたい保険医療機関・薬局におかれましては、地方厚生局に原則オンラインで事前届出を行っていただく、そうした手続を取っていただきたいと考えてございます。
また、保険医療機関・薬局におけるオンライン資格確認の導入につきましては、社会保険診療報酬支払基金において、必要なサポート等を行ってございます。支払基金とも情報共有しながら進めてまいりたいと考えてございます。
それから※の2つ目でございますが、先ほど令和6年4月を目途として資格確認限定型、居宅同意取得型の運営を開始する、そうしたことを目指しているということを申し上げました。
当然、こうした仕組みが稼働するということになれば、こうした状況を踏まえて、今後、今申し上げた(1)から(6)の類型についても、必要な見直しを行っていく必要があるかと考えてございます。
そして、最後、この表の下の※のところの小さい字で書いてあるところでございます。
私が今(1)から(6)として御説明を申し上げましたのは、保険医療機関・薬局における、いわば体制整備の義務についての経過措置の考え方でございます。
一方、8月にお決めいただいた療養担当規則においては、そのほかに、患者から電子資格確認を求められた場合に応じる義務というのが、保険医療機関・薬局にはかかってございます。
訪問診療、オンライン診療等の場合の居宅同意取得型、この運用開始は令和6年4月でございますので、来年4月の時点では、まだ利用可能な仕組みがございませんから、これについて経過措置を設ける必要があると考えてございます。
そして、最後、23ページでございます。オンライン資格確認の導入につきまして、令和5年3月末時点でどれぐらいの導入見込みとなるのかということにつきまして、一番左の棒グラフでございます。
直近の運用開始施設の伸び、そこの直近の導入ペースで、機械的に試算をしますと、58%程度ということになります。
また、システム事業者の皆様に導入計画の策定を求めております。11月に御報告いただいた時点で、最大として御報告いただいたもの、これを機械的に積み上げたものでも、最大74%ということでございます。
私どもとして、これを導入加速化のために増やしていけるかということで、今、取組を進めているところでございます。
右の文章を御覧いただきまして、令和5年3月末までのさらなる導入加速化ということで、年内にシステム事業者から御提出をいただいた、年度末の導入見込み率、これをシステム事業者ごとに公表したいと考えてございます。
また、医療機関等におかれましては、今回、もしこの経過措置ということを決めいただいた場合、先ほど申し上げたとおり、来年3月末までにお届けをいただくことになりますが、その場合に、(1)の類型に当たるところにつきましては、改修完了の予定月も含めて御報告をいただく、そうしたことにしたいと考えてございます。
その上で、それ以降のさらなる導入加速化ということでございますが、私ども、この経過措置について中医協でお決めいただきますれば、年内にもシステム事業者にお集まりをいただき、また、新しい導入計画の策定、提出を要請したいと考えてございます。
その際には、来年6月末まで、9月末ではなく6月末までの導入見込み率の提出を要請いたしまして、特にこの6月末までに達成できないという事業者におかれましては、そのシステム事業者単独でやるのではなく、導入支援事業者、ここで想定をしておりますのは、NTT東日本、西日本等の導入支援事業者でございます。そうしたところとの連携を強力に促しまして、丸月末、丸には先ほど来申し上げているとおり、事務局としては9月末ということを入れてはどうかと考えてございますが、9月末までの導入完了を目指してはどうかと考えてございます。
そして、最後の※のところでございます。この後、議題となります、診療報酬の加算の特例ということにつきましても、この9月末までの導入完了に向けて御検討いただきたいと考えてございます。
私からの説明は、以上でございます。
○眞鍋医療課長
それでは、続きまして医療課長でございます。資料総-4を用いまして、医療DXに関する診療報酬上の評価について、御説明をさせていただきます。
2ページ目でございますけれども「医療DXの推進について」というものでございます。
3ページ目を御覧ください。こちらは、診療情報取得・活用体制の充実についてでございます。
令和4年度の10月以降、初診時等における診療情報取得・活用体制の充実に係る評価につきましては、オンライン資格確認等による情報の取得を推進してまいりました。制度改正に基づく医療機関における負担などのヒアリング結果は下記のとおりでございます。
オンライン資格確認等の使用前から、2022年8月上旬におきましては、初診時において問診票により、現病歴、受診歴、既往歴、手術歴、アレルギー情報、薬剤情報、妊娠の有無等を確認している。患者さんが内服薬を覚えていない等で、問診で正確な情報把握が難しい場合がある。患者さんがお薬手帳の持参を忘れることもある等の意見があったところでございます。
10月以降、情報の取得・活用の具体的方法といたしまして、初診時の問診票の標準的項目を新たに定めたところでございます。
オンライン資格確認等により、薬剤情報、健診情報、受診情報を効率的に入手可能となったところでございます。
一方、私ども、普段から様々な要望など、様々な医療機関や団体から御意見をいただく中で、あるいは医科及び歯科の合計8つの医療機関に対するオンライン資格確認システム導入後のヒアリングの結果からが右にございまして、マイナンバーカードを用いない場合、特に処方薬の情報などを正確に記載してもらうのには時間がかかる。支援する手間も大きい。マイナンバーカードによる確認は、後発医薬品名も確実に確認できるので利用価値が高い。患者の負担軽減にもつながっている。情報の取得において、オンライン資格確認等システムと問診を使い分ける必要があり、対応に負担を感じる。紙の問診票の保存、管理にコストを要する等の声があったところでございます。
4ページ目でございます。マイナ保険証の活用による、医療DXの推進におきましては、オンライン資格確認等システムを用いた薬剤情報の確認も、その1つとして挙げられているところでございます。
マイナンバーカードの健康保険証利用により、初診に限らず、再診時にも、他院での処方も含めた過去の診療・薬剤情報を取得可能となり、効率的で質の高い医療の提供の推進につながるということでございます。
5ページ目、参考でございますけれども、これは、レセプトの請求状況でございます。
診療報酬の請求につきましては、電子請求が義務づけられているところでありますけれども、マル1手書きでレセプトを作成している医療機関・薬局や、電子請求の義務化時点で、65歳以上の医師等の医療機関・薬局については、当該義務の例外として、紙レセプトでの請求が認められております。
下の図でお示ししておりますように、現在、全医療機関・薬局のうち約66%はオンラインでの請求、約3割が光ディスクでの請求、4%が紙での請求となっているところでございます。
「2.診療報酬上の評価について」であります。
医療DXを推進し、医療機関・薬局におきまして診療情報を取得・活用し、質の高い医療を実施する体制の評価といたしまして、令和4年10月より、医療情報・システム基盤整備体制充実加算といたしまして、1、施設基準を満たす医療機関で初診を行った場合に4点、2、1であって、オンライン資格確認等により情報を取得等した場合、2点として新設させたものでございます。
次のページでございます。令和4年8月10日の答申書附帯意見といたしまして、2、今回新設された医療情報・システム基盤整備体制充実加算に関し、その評価の在り方について、算定状況や導入状況も踏まえつつ、患者・国民の声をよく聞き、取得した医療情報の活用による医療の質の向上について調査・検証を行うとともに、課題が把握された場合には、速やかに対応を検討することとの御意見をいただきました。
次、論点でございます。医療情報・システム基盤整備体制充実加算をめぐる各種課題と論点について、1つ目の○、オンライン資格確認等システムを導入した保険医療機関・薬局等におきまして、マイナンバーカードを用いない場合の診療情報取得に係る手続に一定の負荷・手間が大きいということ。そして、また、再診時におきましても、定期的に薬剤情報等を確認する必要がある。
2つ目の○です。導入義務化の期限が近づいております。また、経過措置が設けられた場合であっても、なるべく早い対応を促していくことが重要であること。
3つ目の○、オンライン請求を行っていない保険医療機関等については、オンライン資格確認等システムの導入義務化にあわせまして、オンライン請求を行う、こちらは体制整備が必要となっているというものでございます。
論点といたしまして、下に3つの○がございます。1つ目の○、当該加算につきまして、初診の評価をどのように考えるか。例えば、初診や調剤について一定期間に限り、評価を見直すことについてどのように考えるか。
再診時についても、一定期間に限り、評価を見直すことについてどのように考えるか。
最後の○です。オンライン請求を行っていない保険医療機関・保険薬局においても、オンライン資格確認等システム導入義務化に合わせ、請求の導入を促すことについてどのように考えるかとさせていただいております。
事務局からは、以上でございます。
○小塩会長
詳細な御説明どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
最初に、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
ありがとうございます。
まず、医療DX対応について、総-3について意見を申し上げますが、それに先立ち、本日、日本医師会から提出いたしました資料「オンライン資格確認に関する対応状況について」に基づき、状況を簡単に説明させていただきます。
資料の2ページを御覧ください。医療DX推進に向けた日本医師会の対応です。
日本医師会は、一番最初から、オンライン資格確認を医療機関が導入することで、医療機関が安心・安全につながる全国的なネットワークが形成されることになる。
オンライン資格確認は、今後の日本の医療で必須となる医療DX、全国医療情報共有の基盤である全国医療情報プラットフォームに発展するものであり、これは、国民・患者の皆様にとって、安心・安全で質の高い医療提供、そして、かかりつけ機能の発揮に寄与する基盤であると各方面に対して発言してまいりました。
例えば、オンライン資格確認システムにおいては、災害時医療情報閲覧機能は既に利用されており、ごく最近では、大雪による被害が出ている新潟県長岡市などの医療機関において、現在、情報閲覧が可能になっているとのことです。
また、救急の場面での閲覧の実現に関しても、具体的な検討が始まっております。
このように、日常診療に加え、救急や災害のような、まさに命に直結する可能性が高い場面においても、オンライン資格確認システムを使うことで、医療情報の閲覧が迅速かつ正確に可能になる。命と健康を守ることに大いに役立つことになります。これは、国民・患者の皆様にとって極めて大きな恩恵になると考えております。
このことを国民の皆様に広く知っていただくことが、マイナンバーカード普及の力にもなると考えております。
したがいまして、日本医師会としては、最終的には、全ての医療機関で導入されることが望ましいと考えております。
また、患者さんがマイナポータルにより、御自分の情報閲覧が可能になるということで、患者さんが医療に主体的に参加し、医療の主役になることが可能になると大きなメリットがあると考えております。
現在、医療機関は、新型コロナ感染症対応で余裕がない状況ではありますが、このような理由によって、日本医師会は、オンライン資格確認の普及に全力で協力してまいりました。また、今後も全力で協力してまいります。
具体的には、三師会による協議会の立ち上げや、会員向けの相談窓口の設置、様々な会議の開催をしてまいりました。
次に3ページを御覧ください。日本医師会では、会員に対し、オンライン資格確認等システム導入に関するアンケート調査を行いました。11月の後半においてです。ウェブまたファクスで回答をいただき、1万8914施設から回答いただきました。病院を含む施設は、このうち1,505件でございました。
これに加えて、都道府県郡市区医師会等でも独自に調査をされておりましたので、その内容を、日医の調査に照らし合わせて整理いたしました。また、今回の調査の結果については、都道府県医師会と共有し、導入の支援等に利用させていただくことがありますということで、この結果もしっかりと導入支援に結びつけてまいりたいと考えております。
4ページからが、その結果です。日本医師会の調査と都道府県郡市区調査の結果を統合したものです。
まず、現在の対応状況ですが、まだ何もしていないというのは、ごく少数であります。そして、既に見積もりを取得した。一番多いのが、カードリーダーを申し込んだです。
ただし、残念ながら、設置工事が完了していたり、運用開始というところ、まだ少ないというところでございます。
また、5ページが、では、いつ頃運用開始ができそうですかという質問で、既に運用を開始しているが34%、2023年4月に間に合う予定が45%、しかし、2023年4月に間に合わないというものが10%以上あるということでございました。
また、6ページでは、4月に間に合わない、あるいは既に、運用開始に間に合う予定というところにおいても、何が最も障害になっているのでしょうかということで、複数回答をいただきました。
まずは、申込み方法が分からないという方もいらっしゃいましたので、ここのところをより簡単にしていただくということが重要かと思っております。
また、カードリーダーの在庫がない、あるいは、特に多いのが、カードリーダーが届かないというのが最も多い回答の1つでございました。
また、光回線が敷設できない、回線事業者の工事が間に合わないというものが多うございました。
そして、特にベンダーの作業が間に合わないというのが最も多い内容でした。
また、ベンダーからレセコン買替えが要求された。見積もりが補助金に収まらなかったという回答も多うございました。
また、高齢者により廃院を予定している、高齢によりITに対応できない、レセプト請求件数が少ないなど、デジタル化、電子化に対応が困難な理由というのも見られました。
7ページですけれども、では、義務化において経過措置の対応が必要と思われる事例ですけれども、これまでの様々な調査あるいは相談窓口への御報告をまとめますと、まずは、ベンダーや回線事業者の事情により、間に合わない場合や、補助上限を大幅に上回る見積もりが提示されている場合、あるいは医師が全員高齢でデジタル化への対応が困難というような場合、あるいは近い将来に廃院や移転、合併などを予定している、レセプト請求枚数が少ないとか、あるいはカードリーダーの在庫がないと、あるいは、近い将来にレセコンや電子カルテのリプレースを予定している。光回線が敷設できない。医療機関の経営状況が悪くて、コスト増が極めて厳しい。あるいは訪問診療、在宅医療に特化しており、来院患者がいない、極めて少ない場合などでございました。
最後に、8ページです。では今後、この導入をさらに加速するため、そのために解決すべき運用上の課題としまして、例えば、コールセンターを強化していただきたい。また、希望するカードリーダーが入手できるようにしていただきたい。ベンダーの対応能力を強化していただきたい。光回線を全国に敷設していただきたい。また、ITが不得意な医師であっても導入できるようにしていただきたい。それから医療補助、あるいは各種公費などへ早期対応していただきたい。また、レセコン電子カルテメーカー、ベンダーなどが、それらを標準機能として実装を義務化していただきたい。また、発熱外来で動線を分けなければいけない。あるいは複数科などで動線を分けなければいけない場合の対応をしていただきたい。システム障害発生時にも、保険資格を労力なく確認できるようにしていただきたい。受付に十分なスペースが確保できない場合の対応をしていただきたい。国民が持つマイナ保険証への常時携帯や紛失リスクへの不安の解消をしていただきたい。最後に、年齢や障害などの事情があっても、より簡単にマイナ保険証を利用できる仕組みを整備をしていただきたい。
以上でございます。
それでは、総-3「医療DX対応について」に戻らせていただきます。
本年8月の中医協において、オンライン資格確認導入の原則義務化を議論した際、医療機関をはじめとする関係者が、義務化に向けて努力したとしても、例えば離島であったり、都心でも建物の構造によっては、光回線が普及していないといったことがあり、あるいは医療機関がベンダーと契約したにもかかわらず、結果的に現場の対応が遅れてしまった場合など、やむを得ない事情により、来年4月に間に合わない事態が生じてしまう懸念というものがどうしても払拭できないことから、今後の導入状況を把握し、その結果によっては、必要な対応を講ずることが必要であると主張しました。
その結果、答申書の附帯意見にも同様の趣旨を記載していただいた経緯がございます。
本日の資料総-3の22ページに示された原則義務化の経過措置案は、現時点で把握できるやむを得ない事情をおおむねカバーできているものと受け止めておりますが、幾つか要望もございます。
まず(1)の令和5年2月末までにベンダーと契約凍結したが、導入に必要なシステムの整備が未完了の保険医療機関・薬局に対する経過措置につきましては、現状では、期限までに業者の対応が確実に完了することが担保されておりませんので、23ページに示されたように、システム事業者に強力に働きかけていただいた上で、なお、期限内の完了が難しいケースが出てきた場合には、ぜひ、特段の御配慮をお願いいたします。
次の(2)の接続可能な光回線のネットワーク環境が整備されていない保険医療機関・薬局に対する経過措置については、そういった地域では、ネットワーク環境が整備されてから導入に向けた準備を始めることになります。
環境が整備された地域の医療機関には、その旨のアナウンスをしっかり行っていただきたいと思いますし、余裕を持った期間設定が必要と考えます。
そして(6)のその他特に困難な事情がある保険医療機関・薬局については、先ほど提出した資料でも御説明申し上げましたが、個々の医療機関によって様々な事情がございますので、地域医療に支障が生じないよう、個別にきめ細かく対応していただくことが可能な制度にすべきと考えております。
次に、資料総-4、医療DXの推進及び診療報酬上の評価等について意見を申し上げます。
まず、最初に、医療情報収集の意義と現場の負担について再確認させていただきます。
現在は、高齢の患者さんなどを中心に、1人の患者さんが様々な病気を抱え、複数の医療機関で医療を受けることが大変多くなっております。
その際は、地域の医療機関が連携し、ネットワークを作り、地域という面で患者さんを支えることが重要です。
この連携の基礎となるのが、他の医療機関で受けている薬剤情報などの医療の内容の把握です。診療に役立てるためには、情報の内容が正確で、全ての医療機関を網羅していることが理想的です。
オンライン資格にシステムを使った情報閲覧では、医療機関が患者さんから聞き取るための負担がなく、迅速、正確、網羅的に情報が取得できます。
一方、オンライン資格確認等システムを使わない場合は、逆に正確かつ網羅的に聞き取るためには、大変手間と時間がかかることになり、医療現場の負担も大きくなっております。これは、事前の想定よりも非常に大きくなっていると感じております。
また、医療の内容は、経過により様々に変化することが少なくないので、初診のときだけでなく、再診の際にもその把握は重要になります。
特に現在は、医薬品の供給が不安定になっているために、医薬品の変更が自分の医療機関でも、あるいは他の医療機関でも生じる場合が増加しておりますので、再診の際にも、薬剤の情報を網羅的に把握する必要が大きく高まり、そのための医療機関負担も増大しております。
また、他の医療機関において変化がないということを把握することが大変重要な情報です。また、自院において処方を変更したりする際にも、総合的な判断に大いに役立つということでございますので、再診においても、この情報把握が極めて重要と考えております。
以上を踏まえまして、資料総-4の10ページの論点に沿って、コメントいたします。
1つ目の初診の評価ですが、3ページでも御説明いただいているとおり、新たに導入された初診時の標準的な問診票については、有意義な取組ではありますが、患者さんの記入の補助や保存、保管のコストなど、医療機関の負担が大きくなっております。また、今後、オンライン資格確認の導入が普及していく過渡期においては、マイナンバーカードで医療機関を受診することが、患者さんに浸透するのに時間がかかることも予想され、今申し上げたような負担が無視できない程度に増えていくことも見込まれます。
次に、2つ目の論点である再診時の評価です。もともと医療機関では、再診時における薬剤情報などの情報把握を重視しておりますが、他の医療機関にも通院している患者さんなどは、確認に時間を要することも多々ございます。
さらに、先ほど述べましたように、現在の医薬品の供給が不安定な状況では、処方内容を確認する頻度や手間が増大しております。
以上のようなことからすれば、1つ目と2つ目の論点で提案されている、初再診時の評価について、一定期間見直すことは当然であり、また、オンライン資格の導入を加速させるためにも必要な措置であると考えます。
また、3つ目の論点についても、光ディスクで請求している医療機関において、オンライン資格確認システム導入を促進させるためにも、診療報酬上の後押しを検討すべきと考えます。
私からは、以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
続きまして、林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
中医協総-3、医療DX対応につきまして発言いたします。
まず、日歯提出資料を御参照ください。オンライン資格確認等システムの推進につきましては、提出資料の2ページにありますように、日本歯科医師会といたしましても、日本医師会や日本薬剤師会とともに、オンライン資格確認推進協議会におきまして取組を進めてまいりました。
8月10日の中医協答申を受けて、会員への説明、周知を積極的に行い、地域の歯科医師会におきましても、個別の説明会や相談窓口を設置して、取組に混乱のないよう努めております。
また、導入推進に当たっては、関係業界や厚生労働省との連携によって、顔認証付きカードリーダーの申込み数は、12月11日時点で歯科は、義務化対象施設の96.8%となりました。
ただ、令和5年4月からのオン資原則義務化に関しましては、義務化まで相当タイトなスケジュールで対応しなければならず、特に歯科は小規模診療所が多く、期限までの導入に不安を感じている医療機関が多いのも事実でございます。
日歯では事情把握すべく、独自のアンケート調査を行いました。提出資料の3ページに記載のように、60歳以上の日歯会員、2万5000名余りを対象に行い、50%に近い回収率で、有効回答数は約1万2000名と、多くの結果が得られております。
オンラインまたは電子請求医療機関のうち、オン資対応が困難な医療機関は19.3%。その理由で最も多いのが、高齢のため、数年後に廃院予定が66.6%で、年齢層の割合が多いのは、70歳から74歳の回答者でございました。
2番目に多いのが、レセプト請求件数が少なく、オン資を活用できないで、44.5%でした。
提出資料の4ページに抜粋しておりますが、自由記載には約2,700件もの多くの記入があり、資格確認や服薬履歴等がリアルタイムで行われる等の導入後の好事例の意見もございましたが、義務化への不安や配慮措置の要望、そして経費やセキュリティに関する意見が多いところでございます。
提出資料の5ページは、日歯からの意見を取りまとめております。
記載のとおりでございますが、総-3の20ページの論点に通じますが、オンライン資格確認導入の義務づけへの対応としては、開設・管理者が高齢で月平均のレセプト請求件数が少ない医療機関への対応が必要と考えております。
オンライン資格確認導入に係る経過措置期間の設定に関しましては、レセコン、ベンダー側の事情による導入遅延、ネットワーク環境が整備されていない地域などの事情も含め、取り組もうと努力しても期限までに間に合わない、また、取り組むことができない事情が浮かび上がってまいりました。
このことは、電子請求からオンライン請求へ切り替えるハードルの1つにもなっており、補助金及び療養担当規則における経過措置を設けることが必要と考えております。
こうした個別の事例を抱える医療機関に対しましては、地域医療に支障が出ないよう、最後まで手を差し伸べながら、オン資を含め、医療DX推進に対応できるよう、必要な方策を取っていただくよう、改めて強く要望したいと思います。
次に、中医協総-4の論点について、まず、1つ目と2つ目の○につきまして、まとめて意見を申し上げます。
歯科の初診時におきまして、抜歯などの手術や処置に備えて、患者の薬剤等医療情報を把握することは大変重要でございます。
しかしながら、患者が高齢であったり、マイナ保険証を持参していない場合は、患者からの聞き取りに手間取り、時間やスタッフ等のサポートが必要な場合もございます。
また、重度の歯周病の治療のように、数か月にわたって継続的な診療が行われる場合も多く、初診時に取得した薬剤情報とは異なる薬剤が処方されている場合などもあります。再診月におきましても、安心・安全な治療を行う観点から、正確な薬剤情報や健診結果等を的確に把握することが、歯科疾患の管理に大変有用であると考えております。
特に医薬品の供給不安がある中、例えば、処方される薬剤も変更頻度が増すと、患者がマイナ保険証を持参していない場合は、薬剤情報を患者から聞き取り等で確認するのは、患者、医療機関の双方に負担を伴います。
こうした状況から、初診や再診におきまして、一定期間、薬剤等の診療情報を取得、活用し、その負担も勘案した評価の見直しを含めて御検討いただくようお願いいたしたく思います。
次に、3つ目の論点ですが、日歯といたしましても、従来より、オンライン請求等についての歯科医療機関への周知、働きかけを行っているところで、少しずつではございますが、件数は伸びてきております。
また、日歯が行ったアンケートの自由記載欄におきましては、オンライン資格確認導入をきっかけとして、オンライン請求への移行を検討しているという意見もございました。
日歯としましても、引き続き医療DXの推進の観点から、歯科医療機関への周知や理解促進の取組を行ってまいりたいと考えておりますが、さらに、オンライン資格確認等システムの導入義務化に合わせて、オンライン請求への移行を促す評価があれば、現在オンライン請求を行っていない医療機関においても、オンライン資格確認システムを通じた薬剤情報等の取得や活用がしやすくなり、医療の質の向上につながるだけでなく、より一層、オンライン請求への移行にも資するものと考えておりますので、こうした評価の見直しをお願いしたく思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
まず、日本薬剤師会の提出資料について簡単に説明をさせていただきます。
2ページ目は、これまで当会で実施してきた会員への広報活動や、説明会などの実施あるいはe-ラーニング教材による提供などを実施してきたところです。
また、3ページ目以降は、各都道府県薬剤師会の協力のもと、現場会員の意見を聞いたアンケート結果であります。
4ページ目は、オンライン資格確認を実際に活用してよかったことや、困ったことに関する意見であります。
よかったこととしては、主に事務処理の負担軽減につながったことや、院内で使用された薬剤が確認できること、健診情報を確認できることなどの意見が挙げられており、一方、困ったことに関しては、主に代理人が来客する場合のマイナンバーカードによる本人同意が確認できないこと、ベンダーの対応が遅く申し込んでから待ち時間が長いことなどが挙げられております。
次に5ページ目は、オンライン資格確認の義務化に関して、主な意見を整理しています。
例えば、既に決まっていることではありますが、紙レセプトで対応している薬局は、義務化の対象にすべきではないという意見のほかに、高齢者が営んでいる薬局、月間の処方箋受付枚数の少ない薬局、休止・廃止を予定している薬局は義務化の対象外としてほしいなどの意見があります。
また、義務化とは少し違いますが、薬局としては、システム導入のために必要な対応を行っているにもかかわらず、ベンダーの対応や、光回線の開通などが期限までに間に合わない場合には、一定の配慮が必要といった意見もありました。
最後の6ページ目ですが、その他としてオンライン資格確認が進んでも、患者のアレルギー歴、副作用歴等の情報がそこには含まれないため、お薬手帳の活用は、引き続き重要だという意見もありました。
どの意見も現場の声であり、対応を検討する際には、この辺りの配慮をお願いしたいと思います。
その上で、総-3の論点について発言させていただきます。
資料総-3のオンライン資格確認や原則義務化の経過措置案についてですが、先ほど説明いたしました現場の声にもおおむね配慮が行き届いているものと考えますので、お示ししていただいた案の内容は妥当なものと考えます。
その中で、原則義務化の経過措置にあります、その他特に困難な事情がある保険医療機関・薬局についてですが、デジタル化などに明るくない、65歳以上の高齢者もおり、そのような方々も一律に義務化の対象にしてしまうことには、必要な薬局を退場させてしまう可能性がございます。地域によっては、日々の処方箋受付枚数は少ないものの、1人の高齢者が営む薬局が地域医療を背負っているケースも実際にはございますので、このような場合は、個別の事情に応じて判断するなどの配慮や御理解はお願いしたいと思います。
次に、総-4の医療DXに関する診療報酬上の評価について発言させていただきます。
課題にもあるとおり、薬局では、マイナンバーカードを用いない場合の診療情報取得に関わる手続には負担がかかることや、医薬品の供給問題の影響によって処方内容が頻繁に変更されることから、薬剤情報等を追加的に確認するなどの業務が通常よりも頻繁に発生している状況です。
また、マイナンバーカードの活用は、医療安全や医療の質の向上に資するもの、結果として患者さんのためになるものであり、薬局・医療機関が一体となって取組を進めていく必要があると思います。
導入の義務化の期限が迫っており、これに向けた対応を加速するための措置を早急に手当する必要があります。
また、オンライン請求を行う体制整備も必要であることを踏まえると、その導入促進の観点からも、医療情報・システム基盤整備体制充実加算の評価の見直しが必要であり、一定期間に限りという視点は、オンライン資格確認の導入義務化に向けた対応を加速させていくという意味でも、必要な対応と考えています。
私からは、以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
御説明内容が盛りだくさんでございましたので、いささか長くなりますけれども、御容赦いただきたいと思います。
まず、令和5年度予算編成に関する大臣折衝事項を受けまして、診療報酬上の対応について検討するよう、厚生労働大臣から諮問をいただきました。
政府が決定した枠組みを前提として、具体的な配分を審議することが中医協の役割ですので、大臣合意の内容については重く受け止めたいとは考えております。
その上であえて申し上げますが、このタイミングで突然総-4にあるような診療報酬上の加算について議論することは、全くの想定外でした。これまでのやり取りがあったことも踏まえて、政府で示されたことだと思いますが、中医協としては時間をかけて丁寧に議論すべきだということは強く指摘させていただきます。
そのため、まず、最初に事務局に質問いたしますが、通常本体の改定は年明けに諮問を受け、公聴会やパブリックコメントを経て、2月に答申するという段取りを経ております。
今回、諮問書の中にも、今年の夏の答申書の附帯意見を踏まえて実施すると付されておりますけれども、どのようなお運びを考えておられるのか、まず、最初にこれを御説明いただきたいと思います。この説明を受けた後、次に資料の3、4のコメントに移りたいと思いますので、この回答を、まず、最初によろしくお願いいたします。
○小塩会長
承知いたしました。それでは、事務局から回答をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
事務局、医療課長でございます。
松本委員御指摘のとおり、今般の諮問でございますけれども、令和5年度の予算編成に関する大臣折衝の合意事項を受けまして、診療報酬上の対応について御議論いただくというものとなってございます。
診療報酬改定、通常の改定のない年における措置となります。その中でありまして、1つ目でありますけれども、この大臣折衝における合意事項そのものが、オンライン資格確認に係る加算の特例、医薬品の安定供給問題に対応する処方、調剤に関する特例と、具体的な対応が定まっていること。また、改定率を基に、具体的な点数を御議論いただくという通常の改定プロセスとは異なる形になるということについて、これは御理解を賜れればと思います。
その上で、今回の改定におきましては、オンライン資格確認の原則義務化に向けまして、本年年末ごろの導入状況について点検を行い、やむを得ない場合の必要な対応につきまして、その期限も含め、検討を行うこととされておりまして、その場合、療担規則の改正が必要となるといったことから、加算の特例に関しても、この議論に密接に関連すること、そしてまた、医薬品の安定供給問題に関しましては、不採算品の臨時・特例的な再算定など、先ほど、承認いただきました薬価上の手当を取ると同時に、医療現場におきまして、安定的な供給に向けた診療報酬の報酬上の対応を取ることで、これが中医協における全体としての議論につながるということから、私ども事務局といたしましては、本年末までに答申をいただきたいと考えているところでございます。
また、速やかに法令改正の手続を経た後に、医療現場に周知をさせていただき、浸透させていただく必要があることから、公聴会やパブコメ等に関しましては行わないものと考えてございます。また、国民の声をよく聞きという部分に関しましては、これは、後に御議論になるかもしれませんが、今後検証していく際に何らか工夫を行わせていただきたいと考えております。
事務から、まずは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。松本委員、いかがでしょうか。
○松本委員
御説明ありがとうございました。療養担当規則の改正につきましては、夏の答申書附帯意見でも、年末頃の導入状況を点検して、期限を検討するということでしたので、これについては、妥当かと思います。
一方、診療報酬については、患者の窓口負担や被保険者、事業主の保険料負担に影響するものですので、療養担当規則と同時に、一体として審議するということだけではなかなか納得しかねます。
しかしながら、議論を進める都合上、議論については、引き続き行わせていただきます。
それでは、総-3についてコメントいたします。
資料の10ページ、11ページを拝見いたしますと、8月以降にカードリーダーの申込みが加速し、直近では96%になっておりますけれども、オンライン資格確認の原則義務化のアナウンスや関係者の取組による成果だと受け止めております。
一方、運用開始は従前どおりの傾向で、直近でも41%にとどまっております。23ページに、来年3月までに最大74%を見込み、さらに導入を加速化するという目標を掲げておりますけれども、率直に言って74%でもかなり厳しい数値であり、原則義務化をうたったという背景からすると、この数値については残念と言わざるを得ません。
オンライン資格確認等システムは、電子処方箋をはじめ、これから医療DXを推進する基盤となるものであり、着実に普及させる必要があります。
それで1つ質問がございます。22ページに6つのカテゴリーが示されておりますけれども、その各々の割合について、事務局は、ある程度把握はされているのでしょうか、これについて、後から回答をいただきたいと思います。
21ページ、22ページに示されている経過措置の具体案については、電子レセプト請求を参考にしつつ、光回線の整備や居宅同意取得型を見越した内容であり、説明がありました期限については、理解ができるものもありますが、一方で、23ページに書かれている取組により、進捗を管理しながら、着実にシステム整備を完了することが不可欠であり、これ以上の延期はない、あり得ないということは、この中医協の場でしっかり約束いただきたいと思います。
その上で、経過措置の(6)の、いわゆるバスケット条項ですけれども、個別の事情に配慮する包括条項ですが、ある程度どのような類型のものが該当するのか、これは明確にしていただきたい。それを踏まえた上で、個別判断は厳格に行うべきです。
さらに、今回の提案の中で期限が設けられていない(4)と(6)についても、具体的に期限を明示すべきであるということは強く主張いたします。
それと次に質問ですけれども、23ページの1つ目に、5年3月までに届出をということが書いてございますが、これを失念した場合の扱いについて、御説明をいただきたいと思います。
続きまして、資料総-4に移ります。
まず、これも質問ですが、3ページに挙げられておりますヒアリング結果ですが、先ほど説明では、医療機関の方が8つと聞いたような気がいたしますが、それで間違いないのかについて確認をさせていただきたいと思います。
資料の8ページに移っていただきたいと思いますが、8ページにあります夏の附帯意見では、評価の在り方について算定状況や導入状況も踏まえつつ、患者・国民の声をよく聞き、取得した医療情報活用による医療の質の向上の状況について調査・検証を行うとともに、課題が把握された場合には、速やかに対応を検討することと記載がありますけれども、今回は、この患者・国民の声をよく聞く、医療の質の向上の状況を調査・検証するということは一切行われていないと判断しております。
したがいまして、今回の見直しに当たっては、夏の附帯意見に基づく対応はなされていないということを最初に指摘させていただきます。
先ほど来申し上げているとおり、オンライン資格確認等システムの導入は加速すべきとは考えますが、それによって国民・患者の負担が増加することに関しては、とても理解ができるとは思えません。夏の附帯意見に書かれた内容を、今後必ず実施するということを改めて質問いたします。
その上で、大臣合意を踏まえて、どのような対応があり得るのかということですが、資料の3ページ目に、医療機関に対するヒアリングの結果として、標準的な問診票により業務や管理の負担が増えている一方で、マイナ保険証の場合は患者の手間も含めてメリットがあるということが紹介されています。まさにそうしたことを考慮して、10月に加算を組み替えたはずです。それが先ほど来御説明を聞いておりますと、手間や負担が予想外に多かった、せっかく標準化したのに負担が多かったと、効果が全く出ていない。
したがいまして、この10ページにあります論点については、もし万が一実施するにしても、必ず来年12月で打ち切ることを前提としてコメントいたします。
1つ目の初診時の評価と2つ目の再診時の評価については、いずれも医療機関の負担と効率化の要素を踏まえた内容とすべきと考えております。
特に再診時については、10月に廃止した評価を、わずか半年で復活する形になりますので、限定的な評価とするとともに、初診時のように患者情報を詳しく取得する医療機関のみを対象にすべきと考えます。
3つ目のオンライン請求を行っていない医療機関については、オンライン資格確認等システムの導入により、オンライン請求の医療機関と全く同じ医療の質が担保されているかどうかが重要と考えております。
しかし、あえて光ディスクで請求をしているということは、審査支払機関や保険者にとっては、デメリットでしかありえませんので、速やかにオンライン請求に移行することが前提となります。
私からは、以上になります。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員から資料3、それから資料4それぞれについて、御質問をいただいておりますので、事務局から御回答をお願いいたします。
まず、資料3からお願いします。
○水谷医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。松本委員から2点御質問頂戴しました。
1つ目は(1)から(6)の類型について、それぞれどの程度が該当するのかという御質問でございました。
(1)の類型につきましては、これからまさにシステム整備がどれぐらい進むかということに依拠するわけでございますが、23ページにお示ししているこのシステム事業者のほうで、最大の年度末での導入見込み、これが74%でございますので、仮に74%であると仮定をした場合、その残りの部分というのがどれぐらいになるかということで申し上げますと、5.6万施設ということでございます。
それから(2)でございます。光回線のネットワーク環境が整備されていないというところ、これは私、先ほど御説明申し上げたとおり、離島、山間地域など、エリアとして未整備のところ以外に、そのエリアとして整備をされていても、例えばビルの中などでネットワークを引き込むために建物の改修工事が必要となるもの、そうしたものもございます。また、こうした対象になり得るところでも、IPsec、IKEなど、そうしたことを御導入いただいているところもあろうかと存じます。
そうした意味において、(2)の類型、どれぐらいのものが当てはまるかということについて、現時点で正確な数字を申し上げることは困難かと考えてございます。
それから(3)訪問診療のみを提供する保険医療機関でございます。これにつきましては、保険診療の世界におきまして、こうした在宅医療のみを実施する医療機関に係る保険医療機関の指定について、私どものほうで通知をお示しして、取扱いを実施しているところでございます。
網羅的な数字を把握しているわけではございませんが、オーダーとして申し上げますと、約数百程度と承知をしてございます。
(4)の改築工事中臨時施設、それから(5)の廃止・休止に関する計画を定めている、それから(6)のその他特に困難な事情、こうしたものにつきましては、こうした事柄の性質上、現時点でどれぐらいが該当するかということを申し上げることは困難であると考えてございます。
それから、2点目でございます。この事前の届出というのを失念していた場合にどうなるのかという御質問を頂戴いたしました。
ここに、原則義務化という義務は、療養担当規則等に基づく義務ということでございます。療養担当規則、これは保険医療機関、保険薬局に遵守していただくべき事項を定めたものでございます。したがって、義務違反を生じないためには、来年3月31日までにお届けを行っていただく必要がございます。こういったことをお決めいただければ、これを来年3月31日までにお願いしたいと思ってございます。
仮に、こうした経過措置の対象となるけれども、届出がなされなかったという場合でございます。それは形式的に義務違反の状態を生じているということでございます。ただ、これにつきましては、従来からこの中医協の場でも、あるいは国会等においても御答弁させていただいているとおり、直ちに指定取消しとなるものではなく、まずは地方厚生局による懇切丁寧な指導などが行われることになりますが、いずれにいたしましても、速やかな届出をお願いしたいと考えてございます。
私のほうからは、以上です。
○小塩会長
では、資料4についてお願いいたします。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。
資料4の3ページ、右側のヒアリング結果の対象医療機関数、それから歯科医療機関数でございますけれども、御指摘いただきましたとおり、8でございます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。私のほうからは、まず、医療DX対応について、意見を述べさせていただきます。
今回提示いただいた経過措置につきましては、対象範囲や期限の設定について、おおむね適当と考えており、総論としては賛成でございます。
その上で、オンライン資格確認等システムは、日本の医療DXの基盤となる仕組みであり、なるべく多くの医療機関が、今回提示いただいた経過措置を必要とせず、迅速な導入を行うことが可能となるよう、また、本経過措置について、期限延長が繰り返されるといったことのないよう、引き続き一層の導入促進に取り組んでいただきたいと考えております。
また、その他特に困難な事情がある場合については、できる限り制限的に解釈すべきであると考えております。
最後になりますが、2024年秋にマイナンバーカードと健康保険証の一体化を行うとの方針が示されている中、保険証の原則廃止に当たっては大前提として、全ての国民がマイナンバーカードを取得し、保険証として利用できる環境が整っていることはもちろんのこと、柔整、あはき、健診機関等を含む全医療機関でオンライン資格確認等システムが導入されていることが必須であると考えております。
その点、遺漏や遅延のないよう、オンライン資格確認の簡素な仕組みの導入に当たっての補助を講じていただく等、引き続き導入促進に向けた積極的な支援をよろしくお願いいたします。
次に、医療DXの推進及び診療報酬上の評価等について意見を述べさせていただきます。
これまでも何度も発言させていただいておりますが、診療報酬上の評価を行うのであれば、オンライン資格確認システムを活用した診療を受けた患者が対価を支払うにふさわしいメリットを感じるということが大前提であると思っております。
8月10日の答申書附帯意見の中の2番目に、患者・国民の声をよく聞き、調査・検証を行い、課題が把握された場合には速やかに対応を検討することとなっております。今回は、その患者・国民の声をよく聞かないまま診療報酬で対応しようとしていることにつきましては、明確に反対いたします。
医療機関へのオンライン資格確認システムの導入が進まず、患者がメリットを感じられているとは言い難い現状において、こうした加算をさらに充実するということについては、患者、ひいては国民の理解が得られないと考えております。
特に再診につきましては、本年10月の見直しで、再診に関する評価を廃止しており、復活させる理屈はないのではないでしょうか。まずは、柔整、あはき、健診機関等を含む全医療機関でオンライン資格確認等システムが導入されるよう、診療報酬ではなく、補助の充実を図ることが先決だと考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
総-3、医療DX対応についてですが、今回示された経過措置案の、やむを得ない事情とその期限について、その提案内容は理解をいたします。ただし、原則義務化を決定した以上、経過措置は真にやむを得ない事情に限定するとともに、その期限を再度延長することはないようにすべきと考えております。
続いて、22ページの(6)のその他特に困難な事情がある保険医療機関・薬局についてですが、(6)は、いわゆるバスケットクローズであり、例外措置または(1)から(5)の類型と同視できる個別判断とあります。この条項が原則義務化の抜け道とならないようにすることが重要と考えます。
地域によって対応に差が生じ、混乱に至らないように、特に困難な事情について具体例を明示することをお願いしたいと考えております。
続きまして、総-4ですが、これは総-5とも関連づくのですが、先ほど総-2の別紙に、大臣折衝事項について説明がありました。大臣折衝における合意事項については、重く受け止めたいと思いますが、大臣折衝事項となる前に、中医協にて議論していただきたかったというのが率直な感想でございます。
その上で、総-4ですが、8月の中医協でも評価の見直しについては、議論の拙速感が否めない、医療機関等の導入状況が芳しくなく、マイナ保険証も普及していない。なぜ10月から診療報酬での対応を行うか、正直疑問が残ると発言いたしました。現時点から申しますと、今でも見通しが甘かったのではないかなと思っております。
率直に申しまして、支払い側委員として、また1人の患者・国民といたしても、今回の提案につきましては、到底承服することはできないと考えております。
8月の答申書附帯意見で、患者や国民の声を聞きつつとあるにもかかわらず、資料からも説明からも、患者・国民の声を聞いたという形跡は見て取れません。10月から診療報酬上の対応をしたばかりで、再度対応することについて費用を負担することになる患者や国民に対して、一体どのように説明するのか、理解を到底得られるものではないと考えております。
私からは、以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
ありがとうございます。
既に支払い側各委員のほうから意見が出されたところでございますけれども、私からは、総-3の医療DX対応、特に22ページにまとめられております経過措置案に関してコメントをさせていただきたいと思います。
既に御説明がありましたとおり、顔認証カードリーダーの申込みが95%を超えているとはいえ、医療機関等での運用開始は、まだ4割程度にとどまっております。
今回、経過措置を延長しても、今のペースが続いてしまうと、来年9月が近づけば、再び経過措置の延長の議論が繰り返されるのではないかと危惧しているところであります。
来年4月からの導入義務化に向けて、国民・患者に医療DXのメリットを早期に感じられるように、ぜひ努力を傾注していただきたいと考えております。
また、対応が遅れている医療機関等に対しては、経過措置の対応は今回限りであるという強いメッセージを打ち出すべきではないかと考えます。
そして、期限までに目標を達成できないとする事業者には、厚生労働省から導入支援事業者との連携を強力に促進していただきたいと考えています。
また、やむを得ない事情の(6)その他特に困難な事情については、既に意見が出されているとおり、制度の抜け穴にならないように、可能な限り具体例をしっかりと明示した上で、できるだけ適用範囲を小さくすべきと考えます。
現時点において(6)について具体的にどのようなケースを想定しているのか、具体案があれば、ぜひお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
御質問がございましたが、事務局から御回答をお願いいたします。
○水谷医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。御質問どうもありがとうございます。
(6)のその他特に困難な事情がある保険医療機関・薬局、これは例外措置、紙レセプトでの請求が認められている医療機関・薬局、または、ここにある(1)から(5)の類型と同視できるかを個別に判断をするということでございますが、私ども事務局として、現時点において考えられると思っておるものを申し上げますと、まず、自然災害等により、継続的に導入が困難となる場合、例えば、ある地域において大きな震災が発生した、そうした場合には、当然、こうしたその他特に困難な事情というのに該当するのだろうと考えてございます。
それから、本日の診療側の現場の声の意見の中でもございましたが、高齢の医師等でレセプトの取扱い件数が少ないような場合、そうした場合には、こうした特に困難な事情ということが考えられるのではないかと考えてございます。
ただ、いずれにいたしましても、ここは、いわゆる今おっしゃっていただいたとおり、バスケットクローズでございますので、最終的にはこの例外措置または(1)から(5)の類型と同視できる、そうした特に困難な事情がある場合ということが、いわゆる、私が今例示を申し上げた中でも、最終的にはそのバスケットというものがどうしても残ってくるという状況だとは思います。
ただ、申し上げましたとおり、例外措置または(1)から(5)の類型と同視できるかどうか、そうした観点から個別に判断をしていく、そういうことになろうかと存じます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
眞田委員、よろしいでしょうか。
○眞田委員
はい、御説明ありがとうございました。可能な限り明示をいただくように、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○小塩会長
はい、分かりました。
続きまして、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。池端です。
私のほうからは、資料3、資料4を基に幾つか意見と、質問を1つだけさせていただきたいと思います。
基本的には、先ほど長島委員がおっしゃったことで、私も全て同意見ということで了解させていただきます。
それを受けて、特に私は病院の立場で少しお話をさせていただきたいと思いますけれども、まず、資料3の11ページにありますように、病院だけ見てみますと、申込みはほぼ100%に近い98%、そして準備完了も6割に達している、そして運用開始も5割を超しているという状況ですので、病院だけ見れば、ある程度少し準備が進んでいる。
ただ、病院団体でこの話をしても、もちろん、これを進めることに対して反対はなくて進めていこうということに対しては、前向きに取っていますが、一方で声が聞こえてくるのは、でも準備したけれども、患者さんが持ってこないねという声が、やはり大きく聞こえてきます。これは、鶏が先か卵が先かという問題になるかもしれませんが、やはり、一方で、患者さん側にもしっかりマイナンバーカード登録していただいて、それを持ってきていただくことが進まないことには、なかなかこれが面として広く進んでいかないのではないかということを感じていますので、ぜひ、一方で患者さん自身に、このマイナンバーカードを持つことの意義、あるいは持っていただくことに対して、より積極的に取り組んでいただくことも非常に重要ではないか、そして、やはり医療機関であっても、診療所、病院にかかわらず、医療機関で患者さんから要求があれば、一番それがインセンティブになる、インパクトが強いことになりますので、ぜひそういうところもお願いしたいと思います。
そこで1つ質問なのですが、たまたま私が住んでいる福井県の越前市のところでは、今、病院にマイナンバーカードの登録をしていないことに対して、市、町の担当者が出張してサービスをして、一気にそこを解決するということをやっていただくようになっています。当院も2割ぐらいの職員が、そこでそれを受けることになりましたけれども、これは非常に有効な取組ではないかと思います。
今日、お集まりの皆さん方の中でも持っていない方も結構いらっしゃるのではないか、そこに対して、もし、出向してそのサービスの手続ができるとなれば、一気に進むのではないかと思いますので、そういうことが、たまたま当県がやっているのか、それとも全国にそういう取組も、厚労省として指導しながらやっているのかどうか、これについてちょっと、私の知識不足もあるかもしれませんけれども、お伺いしたいと思います。
それを受けて、資料4に対してのことですけれども、特に私のほうは、再診ということに対してですけれども、先ほど何人かの先生方もおっしゃったように、不安定供給に対して、再診時に確認ができる、再診というのは、自院では疾患が再診になりますけれども、その再診の、次の再診と再診の間に、他の医療機関にかかっている例は非常に多いわけで、そこで処方が変わったことを、この再診時マイナンバーカードで把握できることは非常に有効なのですね。これをだから確実に再診時に持ってきていただくことに対してのメリットというのは非常に感じられるので、やはりそこに対して、インセンティブ的なものを、報酬上、考えていただけるということは、これを進める意味でも、医療機関にさらにメリットを感じていただける意味でも、有効ではないかということを感じていますので、ぜひ、前向きな方向でお願いできればと思っています。
そして、最後ですけれども、要は、先ほど1号側からも国民に対して届いていないのではないか、国民はメリットを感じていないのではないかという御意見もありましたけれども、これはやはり、オンライン資格確認を進めることに対しては、もう誰も反対していないわけですね、今日お集まりの皆さんが全て賛同しているわけなので、その手法とか、ちょっと温度差があるだけで、これを進めるために、そしてメリットを全国民あるいは医療機関みんなが感じるためには、一定程度、少なくとも6割、7割、これが動き始めないと、このメリットを感じない、そこまで持っていく今は過渡期である、ここを何とかいろいろな方法を使って一気に進めていこうという、多分、水谷課長の思いだと思いますし、私たちも、それにぜひ応えていきたいと思いますし、医療機関も努力します。そして、私、医師会の立場でもさらに努力していこうと思いますので、ぜひここは、そういう意味でお互いに理解をし合って、何とかこの過渡期を乗り切って、そして、医療DXが進むように持っていければと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
池端委員からマイナンバー取得についての取組に関する御質問ございましたので、よろしくお願いいたします。
○水谷医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。御質問どうもありがとうございます。
私が総-3の15ページで御説明をいたしました、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会、これは、関係3大臣の検討会として検討を進めてございます。
そこの検討事項の中に、市町村による申請受付、交付体制強化の対応として、出張申請受付等の拡大など効率的な実施方法等と掲げてございます。
これは、総務省を中心に対応する話ということでございますが、まさにこうしたマイナンバーカードを取得していただくときに、出張して申請を受付する、それが医療機関である場合もあるでしょうし、また医療機関に限らず、様々な場所で、そうした工夫を行っていただいている自治体があるように承知をしてございます。そうしたものをさらに拡大して、効率的に御取得いただけるようにどうするか、そうしたこともこの検討会の中で検討していくこととしてございます。
以上です。
○小塩会長
池端委員、よろしいでしょうか。
○池端委員
ありがとうございます。
ぜひ有効な手段だと思いますので、広めていただければと思います。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員
御指名ありがとうございます。私のほうから2つ意見を述べさせていただきます。
まず1つ目といたしましては、今回の診療報酬の対応についてでございます。こちら支払側の委員から皆さん同じような話が出ていると思うのですが、これは、やはりもう少し早く丁寧に説明をいただいて、いろいろな工数があるのだよというのを事前にお話をいただかないと、唐突に出てくると、やはり支払い側としていきなりという感じを受けますので納得ができないということになりますので、この辺については、今回、こういった形になるかもしれませんが、できるだけ対応のほうをよろしくお願いしたいと思っております。
それと、もう一点、2つ目といたしましては、医療DXについては、先ほどお話があったように皆さん賛成ということになると思うのですが、最終的な目標であるマイナポータルサービス、これをいつできるのか、この制度が、いつが到達点なのかという期限を、もう少しはっきりしていただいて、自分たちの健康状態がどうやって、いつ明確になるのかということもありますので、この辺については、推進は当然推進として賛成でございますので、最終的な到達期限、この辺がどういうふうになるかというのをもう少し明確にしていただいて、今はまだ入り口の段階ですけれども、どんどんその目標に合わせて、しっかりと期限を切って実施をしていただきたいと思っております。
私のほうからは、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
医療DX対応については、経過措置でいろいろ出てきていますけれども、導入が遅れている理由として、その他の困難な理由というところは理解できるのですけれども、ベンダーの作業が間に合わないとか、カードリーダーの在庫がないなどというのは、実際そうなのですか、それは事務局のほうとしては、どういうふうに把握しているのか、それを1つお聞きしたいということ。
それと、診療報酬上の対応なのですけれども、これは、診療側の先生方からも御意見がありましたけれども、マイナ保険証を持ってこないと、いろいろと把握するのが大変とおっしゃっていましたけれども、それは、今までやっていただいてきたことなので、マイナ保険証とは全く関係ない話だと思うのですね。ですので、ここに引っかけて、何か患者からまた負担してもらうというようなことは、ちょっとおかしいのではないかなと思うのですね。
今のところメリットを感じられている患者というのは、ほとんどいないですし、経験すらしていない、オンライン資格確認とか、そういったマイナ保険証とかで、そのマイナ保険証を使う経験すらしていない人がほとんどのわけですね、たくさんいる中で、その患者に負担を強いるような形に持っていくというのは、これは、やはり国民としては納得できないと思いますので、これは、診療報酬上、患者の負担を強いるというのは、明確に反対すると、言いたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
間宮委員から、ベンダーあるいはカードリーダーの在庫状況について御質問ありましたけれども、事務局から回答をお願いいたします。
○水谷医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。御質問どうもありがとうございます。
まず、システム事業者の対応が間に合っていないということにつきましては、私どもとしても、このオンライン資格確認のセットアップに必要なPCとかルーター、これについての調達のスケジュールですとか、あるいは実際にシステム事業者のほうで対応していただく体制、これは、実際、医療機関・薬局で、こうした導入作業をするというのに当たりまして、当然、医療機関・薬局、通常、御診療等をいただいているわけでございますので、そうした日程調整の中で、もちろん、さらにシステム事業者の対応体制もあってということでやっているところでございますので、そうしたことで、来年3月末までの期限ということにつきまして、私ども、これまでもシステム事業者について、対応体制の強化等を働きかけてまいりましたが、現実的に困難な事情があるとは承知をしてございます。
それから、顔認証付きカードリーダーにつきまして、私どもとして、この8月、原則義務化ということを、お決めをいただいたときに、全体として必要な台数を確保しているということを申し上げております。ただ一方で、全部で5社、この顔認証付きカードリーダー生産をいただいてございますが、その特定の社の顔認証付きカードリーダーについては、既に全て用意していた台数が発注を受けた形になっているという状況もございます。
そうした意味において、御希望のカードリーダーを入手できないという状況はあろうかと存じますが、全体としては、必要な台数を確保しているということでございます。私どもとして8月こうしたことを決めいただいた段階から、御希望のメーカーのカードリーダーを入手できるよう、速やかな申込みをお願いしてまいりました。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
間宮委員も、よろしいでしょうか。
○間宮委員
御希望のカードリーダーというのは、私もよく分からないのですけれども、何か違いがあるのですか、その御希望の何かメーカーのというのは、何が違うものなのですか。
○小塩会長
事務局、お願いいたします。
○水谷医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。
顔認証付きカードリーダーとしての基本的な機能、これは、当然私どもとして求めている仕様がございますので、それを全て満たしているということでございます。
ただ、お作りいただいている5社それぞれに特徴がございます。例えば、大きさですとか、あるいはその形状といったことについても特徴がございます。あるいは、各医療機関等でお使いいただいているレセプトコンピューターとの相性といったこともあるかもしれません。そうしたことによって、御希望のものというのが発生してくると承知をしてございます。
○小塩会長
間宮委員、よろしいでしょうか。
○間宮委員
ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、島委員、お手が挙がっています。よろしくお願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
基本的にマイナンバーカードのことで、ちょっとお聞きしたいなと思っておりますが、この普及に関しては、先ほど池端先生の質問に対しての説明、実際、私どもの町でも出張をして、そういう努力をされているというのは確認しておりますが、この顔認証付きのカードになっておりますので、生まれたばかりの、最終的には全国民に持っていただきたいという方向性だろうと思っておりますけれども、生まれたばかりの子供たち、そういった子供たちも、この顔認証という形になると、その辺の対応というのは、どういうふうに考えておられるのかを質問したいと思っております。
以上です。
○小塩会長
島委員から御質問をいただきましたが、いかがでしょうか。
○水谷医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。御質問どうもありがとうございます。
これにつきましても、私が先ほど御説明を申し上げました、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会、こちらにおきまして、特急発行・交付の仕組みの創設等についてという中で、特急発行・交付の対象者として、新生児、紛失、海外から入国など、そして発行・交付に要する期間のさらなる改善、こうしたことを論点として掲げているわけでございます。
また、この検討会におきまして、法律改正が想定される事項として、番号法の検討事項の中に乳幼児の写真ということがございます。まさに、新生児、乳幼児の方にマイナンバーカードを取得いただくために、どうしたカードの様式、手続の見直しが必要かということ、これは、総務省、デジタル庁を中心に検討をいただく事項となりますが、私が今申し上げた検討会において、引き続き検討を進めてまいります。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
島委員、いかがでしょうか。
○島委員
ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御質問、飯塚委員、お手が挙がっています。よろしくお願いします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
総-3のところで、オンライン資格確認の医療機関の導入がまだ進んでいないということで、一部導入義務化を先延ばすという議論があったのですが、資料の13ページを見ますと、マイナンバーカードが、どれぐらい使われているかということで、青い部分が棒グラフの左端のほうにあるのですが、やはり先ほどちょっと議論もありましたけれども、ほとんどマイナンバーカードを持っていく患者さんがいないということだと思います。
全く患者がマイナンバーカードを持ってかないので、それを医療機関が、導入の機運が盛り上がらないというのは、やはり、当然なのかなと思います。
これは、患者がやはり持っていくということを政府一体で強力に促す必要があると思いますけれども、診療報酬なのか、あるいはキャンペーンなのか、いろいろな手段があるのだと思うのですけれども、こういった方策は、今、どのようにお考えになっているのかというのを少し教えていただければと思います。
○小塩会長
飯塚委員からの御質問について、いかがでしょうか。
○水谷医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。御質問どうもありがとうございます。
まず、マイナンバーカードの取得自体につきまして、マイナンバーカードを取得することのメリット、これは、総務省、デジタル庁を中心に、まさにそうした広報をしております。また、マイナポイント第2弾ということで、こうした取得について、一定のポイントということを付与させていただくことも通じまして、マイナンバーカードの普及ということ、これは、テレビCMなども含めて、いろいろ広報を政府全体として取り組ませていただいているところでございます。
また、マイナンバーカードの保険証利用ということにつきましては、保険証として利用していただくということによって、様々なメリットがあるということ、まずは、そうしたことを愚直に、そうしたことを国民の皆様に訴えていくということ。そして、それを実際にお使いいただいて、そのメリットを実感していただく、そうしたことが重要ではないかと考えてございます。
今、運用開始施設数、義務化対象施設数の4割でございます。お近くの医療機関・薬局で、まさにそうした顔認証付きカードリーダーが置いてあるところで、簡単に資格確認ができる、あるいは、そうした特定健診、薬剤情報活用として、よりよい医療を受けることができる、そうしたメリットを実感していただけるように、先ほど池端委員が卵が先か鶏が先かといったような例えでおっしゃられましたが、私どもとして使える医療機関・薬局、こうしたものを増やしていくということ、そして国民の皆様にも、マイナンバーカードをお持ちいただき、さらに健康保険証として利用していただく、そうした両面において働きかけをしながら、この取組を進めてまいりたいと考えてございます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
飯塚委員、よろしいでしょうか。
○飯塚委員
ありがとうございます。
おっしゃることはよく分かるのですが、実際には全然うまく利用者が増えていないというのが、数字としては出てきてしまっているような気がしまして、総-4では、今度、短期的に診療報酬を増やそうという議論があるのですけれども、例えば、短期的に何か診療報酬で患者さん向けにできるようなこととか、そういうことも検討をする可能性もないことはないのかなと思うのですが、そのような観点はございますか。
○小塩会長
いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。私どもとしては、そういう観点での御提案とはなっていないところでございます。
今回の御提案に関しましては、初診、再診、そしてまた、オンライン請求の観点から、手間を評価する、そして、それは結果的にオンライン資格確認システムを導入する医療機関や薬局が増えていくことの後押しにもなるのではないかという観点での御提案となっているところでございます。
○小塩会長
飯塚委員、よろしいでしょうか。
○飯塚委員
ありがとうございます。
先ほど、ほかの委員の方からもありましたけれども、そもそもこの医療のDXを導入して、患者さんに対して、いろいろな情報をベースに、健康の改善とかを進めていくというのが、大目標ということなので、そちらに向かって進めていくということを常に、あるいは進んでいるかということを常に意識して見ていかなくてはいけないと思っています。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に、ほかに御意見、御質問等ないようですので、本件に係る質疑は、この辺りといたします。
今後、事務局におかれましては、本日いただいた非常に多くの貴重な御意見も踏まえて、さらに検討、対応していただくようにお願いいたします。
ちょっと既にもう時間がかなり経っておりますけれども、次の議題に移ります。
「医薬品の安定供給問題を踏まえた診療報酬上の対応について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。資料総-5を御覧ください。時間もございますので、コンパクトな説明に努めたいと思います。
3ページを御覧ください。こちらは、医薬品の欠品・出荷停止、限定出荷の状況でございます。
こちらの表の中にございますとおり、薬価専門部会でも活用した資料でございますけれども、全体の28.2%、後発品でも4割強で出荷停止、限定出荷などが発生しているという状況でございます。
また、4枚目でございますけれども、ここにございますとおり、左側のグラフ、これは時系列で出荷調整、出荷停止、販売中止の公表の数を棒グラフでお示ししてございますが、延べ3万6000件を超えているというものでございます。
これらを受けまして、5ページ、6ページ目でございますけれども「薬局における医薬品の供給問題の影響」というところでございます。
5ページには、供給問題で1年前と比較して、約9割の薬局においては悪化をしているという回答があったこと。
6ページ目でございますけれども、業務負担でございますが、これも薬局における追加業務負担、そこの下にありますような在庫管理ですとか、発注、納品、患者さんへの御説明、医師への対応といった業務で負荷が増えていると、負担が増えているという実態を、こちらとしてお示ししたものでございます。
7枚目でございます。こちらは、そういった状況に対しても、前向きというか、そこを対応する努力をされている取組の例でございましたけれども、こういった供給が不安定な中にありましても、医薬品を必要とする患者さんに安定的に提供できるように、地域の医療機関と薬局の間での情報共有が行われている例があるとお示しをするものでございます。
8ページ目でございますけれども、この不安定供給に関するヒアリングでございます。入院医療機関に対するヒアリング結果、欠品が多いなどの声、そして、院外処方、処方箋に関するヒアリング結果、薬局における医薬品の在庫状況が週ごとで変わると、これまでの処方から一般名処方に極力変更するようにしているなどの対応が取られていること。
院内処方に関するヒアリング結果といたしまして、発注をする際に、多くのものは欠品であると、必要な医薬品が手に入らないといった声があるということでございました。
次に9ページ、10ページ、11ページでございますが、診療報酬上の評価ということで、こういった後発医薬品の使用促進に関する現行の評価、そして11ページ目が、これは薬局の評価でございますけれども、地域医療に貢献する薬局の評価として、この地域支援体制加算というものが設けられているということを例としてお示しするものでございます。
論点でございます。13ページ。
上の箱は、先ほど一連のスライドで申し上げましたことをまとめてございます。論点といたしまして、3つ○がございます。
まずは、一定期間に限りということでございますが、一般名による処方のさらなる推進を評価することについてどのように考えるか。
2つ目の○でありますけれども、これも一定期間に限り、後発医薬品の促進を図りながら、安定供給に資する取組を強化することについてどのように考えるか。その際、一般名処方だけでなく、入院、院内処方である場合にもどのように考えるか。
3つ目の○でございますが、現下の供給状況を踏まえまして、一定期間に限り、保険薬局が地域の様々な医療機関・薬局として連携して行う安定供給に資する取組を評価することについて、どのように考えるかという論点とさせていただいております。
事務局からの説明は、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
長島委員、お願いいたします。
○長島委員
ありがとうございます。
先週開催された薬価専門部会でも申し上げたところでありますが、医薬品の供給不足は大変深刻な状況にあります。
本日の資料でも、医療現場での苦労が数多く紹介されておりますが、私たちのところにも様々な御報告、御意見をいただいております。
例えばですが、薬剤の確保や変更について調剤薬局や卸との頻繁なやり取りが求められるようになったという御意見や、病状がすぐに悪化する可能性が低い薬剤については、患者さんによく説明して、似たような薬剤を処方したり、あるいは、しばらくはその薬剤を休薬するなど、処方に際して難しい判断をしなければならなくなったといった御意見などもあり、全般的に、医師の処方に対する負担が、これまで以上に増大しているのが実情であります。
そもそも、薬剤治療は医療の根幹の1つであり、医師が医薬品を処方する際には、単に個々の医薬品の効能・効果だけではなく、患者さんお一人お一人の状態全体を、他の医療機関で受けている医療も含め、総合的に判断した上で、その患者さんに、その時点で適した医薬品の組み合わせを選択しております。
したがいまして、医薬品の供給不足により、全般的に医師の処方に対する負担が、これまで以上に増大しているのが実情であります。
本来であれば、医薬品の処方は、単に効能・効果だけで判断するのではなく、患者さんに適した製剤上の特徴なども踏まえながら判断しているところでありますが、現在のこの状況下においては、できるだけ銘柄名にこだわらずに処方していただくよう、全ての医師に御協力をお願いしなければならない状況にあります。
さらに、医薬品を変更しなければならない理由や、変更された医薬品の効能・効果などについて、患者さんに改めて丁寧に説明するといった、追加的負担も事実上、現場で御対応いただいているところであります。
しかも、今申し述べたような追加的な負担は、通常診療に用いる一般的な処方内容の多くに供給不足品目が含まれていることから、入院、外来、あるいは院内、院外処方問わず発生している状況であり、院内処方においては、それらに加えて、後発医薬品の確保にひどく苦労されている状況にあります。
こうした状況を踏まえれば、総-5の10ページに掲載されている一般名処方加算や、後発医薬品使用体制加算などについては、既に、これまで以上の取組がなされていることを踏まえて、このタイミングを捉えて評価をみなしていただくよう、強く要望したいと思います。
私からは、以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
医薬品の安定供給問題を踏まえた診療報酬上の対応についてということで、資料総-5の5ページ目、6ページにあるとおり、日本薬剤師会で実施したアンケートの結果では、1年前の供給状況と比べて約89%の薬局で悪化しているとの回答があり、後発医薬品のみならず、先発医薬品も出荷調整等で入手しにくくなっている状況が浮き彫りになりました。
また、約99%の薬局は追加業務負担ありと回答し、日々の業務で1日平均1時間30分以上の供給問題に対する業務が追加的に発生していることが分かっています。
7ページ目には、医薬品の供給問題の対応として、情報共有例として、地域の薬局間での情報共有や病院から近隣の薬局への情報共有、あるいは、薬局から近隣への医療機関への情報提供など様々な工夫が示されております。
医薬品の供給問題については、資料の3ページ目、4ページ目にありますように、先発品や後発品を含めた全体で3割近くの医薬品の供給が長期にわたって不正常化しており、日々供給状況が悪化している中で患者さんの治療を支えるため、現場の薬局・医療機関の工夫や、不断の努力により、何とか持ちこたえている状況であります。現状、先発、後発を問わず影響を受けており、このような状況を乗り切るためには、一般名処方による対応も必要なものです。
さらに医薬品の供給問題への対応として、地域の薬局・医療機関の連携は特に重要なもので、医薬品の入荷在庫等の情報共有、医療機関の医師との処方内容や、場合によっては日数の調整など、必要なものと考えます。
また、同一法人や同一グループの範囲を超えた薬局間の医薬品の融通をはじめ、地域レベルの医薬品の備蓄状況や供給状況等の情報の共有あるいは行政機関との連携など、これから取組を定着させて、この状況を乗り越えていく必要があります。
現場の状況を詳細にお伝えししますと、まず前提として、現在の医薬品の供給は不安定で、これが1年以上にわたって続いています。出荷停止、出荷調整の医薬品が多くあり、この状況は日々目まぐるしく変わっており、入手可能な医薬品を把握すること自体が結構な負担となっています。また、卸に発注した医薬品がいつ薬局に届くのか読めず、その日の朝に急遽キャンセルといった連絡はざらにあり、そうなると、急遽代替となる製品を探し、取り扱っている卸を探し、順次当たっていき、都度交渉しなければなりません。医薬品の購入という当たり前の行為そのものに、現在は相当の手間がかかっているということは御理解いただきたいと思います。
そのような状況にあっても、我々医療に携わる者として、患者さんに適切な医療を提供しなければなりません。急性期疾患や慢性期疾患の処方箋において処方変更がある場合、少しでも早く患者さんに薬を服用していただく必要があります。複数の卸に何とか納品をお願いしています。場合により、メーカーの営業所、担当MRに連絡を取り何とか品物を確保するように努力をしております。同一成分、同一規格で収載される複数メーカー品についても、納品の可否を問いの合わせをします。それでも入手困難な場合は、近隣の薬局や処方箋発行医療機関の近隣薬局に分譲をお願いします。そして、最後の手段としては、処方医に同じ薬効で他の成分の医薬品による処方変更を依頼します。
このように、代替薬への変更があった際には、患者さんに納得いただけるような懇切丁寧な説明の上、調剤をさせていただいています。
しかしながら、継続して治療を受けていらっしゃる慢性疾患の患者さんが、処方変更になった場合は、そう簡単には代替薬の提案というわけにはいきません。診療で多忙な処方医へ連絡をして、様々な日数調整など服用開始日の調整など可能な限りの対応を行っているところであります。
慢性疾患に係る長期処方に関しては、対応状況が若干異なります。例えば1日3錠60日分だと、その人に対して180錠の薬が必要となります。そして、これは1人分であります。これが30日分であれば、2人の人に対応ができます。20日分なら3人に調剤することができます。卸メーカーなどからの薬局に対する入荷予定を掌握して、その上で、調剤日数を分割し、後日、入荷次第お届けをするといった対応しています。これらの対応は、以前、東日本大震災で甲状腺疾患の治療薬が不足した際に、このような分割での調剤を行っています。その当時は1種類の薬でしたが、今回は多品目、多種類にわたるということであります。
そして、これら対応にも、患者さんへの懇切丁寧な説明を行い、理解していただいた上で対応を行っておりますが、担当する薬剤師は、入荷待ちの患者さんの手持ちの薬が切れる前に届けられるか、あるいは供給状況の情報収集に努めつつ、常に不安を抱いている状況にあります。
薬剤師法において、処方箋の応需義務が課せられており、患者さんが安心して安全な薬物治療を継続的に受けられるよう、処方医と連携して薬局薬剤師が取組を行っています。
かかりつけを推進し、一元管理を懸命に行う薬局ほど、これらの事案を多く抱えている状況であることも、ぜひ御理解いただきたいと思います。
現場は、このような業務負担の増加や精神的な負担など、身を削りながらも、何とか必要な患者さんが必要な薬物療法を実施継続できるよう、最大限の努力を続けているところです。
一定期間に限りということで、医薬品の安定供給に資する取組を強化することは必要であると考えます。
少し長くなりましたが、私からは、以上であります。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
医薬品の安定供給の対応の必要性は十分に理解するものの、診療報酬上で対応することについては、患者負担が増すことから、医療DXに関する診療報酬上の対応と同様に反対であることを申し上げます。
安定供給を行うための方法は、診療報酬ではなく、ほかにあるのではと考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、論点に入る前に、医薬品の安定供給問題については、資料の3ページを拝見いたしますと、全体概要の中ほどにございますが、出荷停止1,099品目中、7社683品目は行政処分を受けた会社によるものであるという記載。並びに限定出荷の理由についても、他社品の影響であるという数字からいたしましても、製薬メーカーのGMP違反を発端とするものがほとんどだということを指摘させていただきます。
さらに、理由はどうであれ、医療機関や薬局の業務が増大しているという事実がありますが、最終ユーザーは国民であり、かつ、最大の被害者である国民・患者に負担を転嫁するというのは、あまりに患者・国民不在だと言わざるを得ません。
13ページに3つの論点が示されておりますが、治療に必要な医薬品の確保などの対応をすることは、厳しい言い方になりますけれども、医療機関・薬局の本来業務です。
したがいまして、いずれの論点も一律に点数を引き上げるのではなく、適切に対象となる医療機関を絞り、患者の理解を得るということが条件となって評価をすべきと考えます。
また、先ほどの医療情報・システム基盤整備体制充実加算の上乗せと同様に、令和5年12月で必ず打ち切ることと、実態を調査・検証し、課題があれば、患者が困らないように費用負担にも十分配慮した対応を速やかに検討することが不可欠です。
その上で、論点に戻りますが、1つ目の一般名処方については、患者によって加算の有無は変わりますので、特に患者への丁寧な説明が必要だと考えます。
次に論点の2つ目にあります、入院と院内処方については、医療機関として安定供給の取組を担保することが前提だと考えております。
3点目の薬局に関する論点については、7ページ目にありますような情報共有の取組が想定されますが、そもそも地域内で偏在していること自体にも問題があると思います。近隣の医療機関や薬局による協力や連携を速やかに進めていただきたいと考えます。
最後となりますが、医薬品の使用については、薬物治療の標準化、ポリファーマシーの是正、残薬の解消、抗菌薬の適正化といった様々な課題があります。患者の安全・安心や費用負担にも影響がありますので、フォーミュラリやリフィル処方などを通じて、こういうときだからこそ、限りある医療資源を有効に活用する取組を積極的に推進すべきであると、最後に主張させていただきます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
安定供給についてですけれども、医療機関の医師の先生方ですとか、薬剤師の先生方の御苦労というのは、非常に伝わってくるものがあって、本当に頭の下がる思いであります。
この医薬品の不足に関しては、国がジェネリック医薬品の使用を促進する中で、たくさんの企業が生まれてきて、その企業の不祥事が起こした、その不正が原因であるということですけれども、不正ですとか、そういうものというのを未然に防ぐことができなかった行政にも、やはりこれは問題があったと思っています。
それらの影響で、その医療機関に負担がかかっているということでありますけれども、だからといって、患者が費用を負担するというのは、これは筋が違いますよ。一番迷惑を被っているのは患者なのですね。一番不安の中にいるのは、患者自身だということを御理解いただきたいと思います。
安定供給の正常化に向けて具体的な対策みたいなものというのも示されていないと私は思うのですね。そんな中で、診療報酬ですとか、調剤報酬に、報酬を引き上げて患者の負担を増やすというのは、やはり患者の理解を得られないと思います。ですので、この提案というのは、全くもって受け入れられないと思っています。
1つ聞きたいのですけれども、患者がこれを負担すると、何か解消するのですかね、今の不安定な供給というのが、患者が診療報酬でお金を払えば解消されるのですか、それを聞きたいです。1つ。
以上です。
○小塩会長
間宮委員から御質問がありましたが、いかがでしょうか。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。
御指摘と受け取らせていただいております。まず、今回の不安定供給、まさに今まで委員が御指摘いただいてきたことだと思ってございます。
その上で、患者の負担が増す、診療報酬の点数を上げるということは、そういうことにつながるわけでございますけれども、私どもとしては、この薬価専門部会でも、総会でも何度も御議論いただいたとおり、薬価なり診療報酬だけで、この不安定問題に対応できるというものではないだろうということは共通の認識だと思ってございます。
その一方で、薬価以外あるいは診療報酬以外としては、やはり産業政策ということも当然関係してくるだろうと思ってございます。
その上で、今回の御提案といいますのは、現下、先ほどの資料でお示ししたような直近の情勢を踏まえまして、特例的あるいは緊急的に、我々としては現場で生じている様々な医療機関、そして薬局の御努力、そして、また、それは結果的には患者さんが安心してお薬を飲める、あるいは投与していただけるということにもつながるのではないかと、現下の状況の中で、やむを得ず対応していただいているところの評価につながるものという形で御提案をさせていただいているものでございます。
そういう意味で、患者が負担すれば安定供給につながるのかというお尋ねではありましたけれども、私どもとしては、先ほど時間をいただいて御説明させていただきましたが、今のような理解をしているところでございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
なかなか難しい問題ですが、間宮委員、いかがでしょうか。
○間宮委員
ありがとうございます
もちろん患者が負担するだけで解消されるとは思っていませんけれども、やはり具体的な対策というか、今、メディアなどで言われている、もとどおりになるには、何か月もかかるとか、もしくは年単位でかかるみたいな話が、もう言われているので、それというのは、今後、これは時限的な対応というだけではなくて、今後、令和6年の改定のときに、通常のと言ったら変ですけれども、報酬の引上げというのにつながってしまうのではないかということで心配していますので、そこに行かないようにしていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、治療薬である解熱鎮痛剤等の需要が増加する一方で、製造販売業者からの限定出荷が続くなど、医薬品の安定供給の問題は、引き続き深刻であり、そのような状況の中、医療機関・薬局で対応いただいていることには感謝を申し上げます。
しかし、こうした状況は、医薬品業界の構造的な課題に端を発するものであり、診療報酬上の評価による対応では、この問題の根本的な解決にはつながらないと考えております。不安定供給により最も不利益を受けるのが患者・国民であるという点でも、患者負担が生じる診療報酬での対応は、理解を得難いのではないでしょうか。今回仮に、診療報酬上の評価を行うとしても、患者への丁寧な説明を行うことを前提として、それを評価するとともに、今回の措置は、あくまで暫定的なものとし、令和6年度診療報酬改定において、医薬品の迅速安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会の議論も踏まえ、問題の根本的な解決に向けた議論に、腰を据えて取り組むべきであると考えております。
なお、1点お願いがございまして、本日御提案いただいております一連の改定によって、新たに加算をつけるものなどを一覧表にしていただければと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
最後の点について、事務局で、今、答えていただくことはできますでしょうか。
○眞鍋医療課長
今後の運びの中において、点数を具体的にという御提案をさせていただく予定でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
中医協総-5の論点についてでございます。医薬品の安定供給等の課題等に対応するため、論点にあるような取組の評価は必要であると考えております。
しかしながら、診療報酬上の対応だけではなく、医薬品の提供体制等も含めて対応していくべき課題と考えておりまして、関係部局間の連携をしっかりと図っていただきながら、必要な取組を行っていただくよう要望いたします。
今回の事務局案に異論はございませんが、引き続き、医療現場や国民が混乱しないよう、歯科用薬剤のマイナス乖離も含めて、是正される取組をよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。池端です。
私、今、話の流れの中で、あえてちょっと商品名を言わせていただきます。今日、先ほど当院で確認した発熱外来に使うお薬です。アストミン、フスタゾール、メジコン、リンコデ、アスベリン、カロナール、葛根湯、トローチ、これは全て供給停止になっているという連絡を、今日受けています。ほとんど、診療の方はお分かりだと思いますけれども、ごく一般的に使う風邪薬として、せき止めとか、解熱剤等なのですね。
こういう状況が毎日刻々と変わっている現場の体制というのは、私自身も本当に毎日どきどきしている感じなのです。患者さんは来る、薬を求めることに対して、何とかどこか、あちこち電話をして、何とか集めて、今日は何とかしのげた、明日はしのげるかという、そういうぎりぎりの対応をしているというのが、現場の状況です。これは、私自身の確認したものなのですね。
そういう現状があることを、ぜひ御理解いただきたい。もちろん、診療報酬をつけて、安定供給が改善されるとは、私自身も思っていませんし、ただし、この状況が続くと、これだけ長期、もう1年近くにわたって、この不安定供給が続くというのは、前例がないのです。この状況が続くと、本当に、コロナどころではなくて、これだけで医療崩壊を起こす寸前まで、今、来ていると思います。もうちょっと頑張れという、私は応援だと思って、この診療報酬の対応を受け止めたいと思いますし、ぜひそれでもう少し頑張ってみたいと思いますが、本当にぎりぎりできているということを、ぜひ御理解いただきたい。
そして、一般名でということ、一般名、今言いました、アストミンは、ジメモルファンリン酸塩、フスタゾールというお薬は、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、メジコンもそうですね、アスベリンがチペピジンヒベンズ酸塩、こういったように、とても覚え切れない一般処方にすることの大変さ、でも、これをしないと、薬局にいちいち確認して、変えていいかということをやらなければいけない、このやりとりだけでも時間がかかってしまう、これは、医療機関も薬局も全て同じだと思うのです。こういうことの手間、そして、なおかつ、これが駄目だと、もう先発に変えてしまおう、先発に変えて、高いものでも、それが安定しているのなら、そこでいってしまおうというバイアスもかかってしまう、こういうことを避ける意味でも、何とかもうちょっと頑張って、再診も初診も含めて、こういうところで頑張ってほしいということの取組をするための、ちょっとした点数ではないかと思っていますので、ぜひ、その辺の現場の苦労というのも御理解いただければと思いますので、一応、現場からの報告ということで言わせていただきます。
以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
続きまして、島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
後発医薬品を中心とした安定供給の課題の根源である医薬品業界の構造的問題の改善といったことに関しては、私たち医療機関も、薬局も、ともに不安な状況にあるのは間違いございません。
この論点に関しては、一般処方といったことは、もともと推進するという話ですので、こういった論点に関しては問題ないと思っておりますが、根本的に、こういう安定供給が欠落している状況の改善の見通しが全然分からないということで、いろいろお互い情報を共有しながら、工夫しながら対応しているというのが現状なのですけれども、この根源的な話のところの情報がきちんと医療機関に届かないといったことに関しては、どういう対応を考えておられるのかを、ちょっと伺いたいなと思っております。よろしくお願いします。
○小塩会長
それでは、事務局、御質問に対する御回答をお願いいたします。
○安藤医薬産業振興・医療情報企画課長
医薬産業振興・医療情報企画課長でございます。
御指摘がありましたように、後発医薬品を中心に、様々な医薬品において限定出荷あるいは供給停止が起こっておりまして、それで医療現場の方々に大変御迷惑をかけているということについては、十分承知をさせていただいているところでございます。
何名かの委員からお話がございましたように、これは、本質的な問題としては、やはり産業構造の問題も含めて、薬価だけではない対応というものをちゃんと考えなければいけないということで、私どものほうで、今、有識者会議、検討会を立ち上げまして、そちらで、まさに産業構造も含めて議論を進めさせていただいているところでございます。
その結論を踏まえて、できるだけ早期に供給問題について改善すべく対処をしていきたいと考えておりますけれども、まず足元、医療現場の方々からお伺いする話として、そもそも現場の現状、供給状況について、なかなか情報が届かないということについては把握をしてございまして、私どもとしても、業界団体とも連携して、できる限り、現状の供給状況について、つまびらかにした上で、それを、要するに品目ごとにどういう状況にあるかということについてお伝えする取組というのは、これまでも進めてきているところでございます。
来年度の予算の中でも、業界団体と連携して、毎月、ちょっと月ベースになってしまうのですけれども、毎月、その時点、その時点での医薬品の供給状況について調査、集計をいたしまして、それで現状どうなっているか、また、さらに可能であれば、実際に供給改善の見込みのタイミング、時期についても併せて調べた上で、それを医療現場の方々にお伝えすることによって、今、御苦労いただいている点について、少しでもお助けすることができればと、そういう取組を進めようと考えているところでございます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
島委員、いかがでしょうか。
○島委員
どうぞよろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。
よろしいですか。
ほかに御質問等ないようですので、本件に係る質疑は、この辺りといたします。
今後、事務局におかれましては、本日いただいた多くの御意見を踏まえて対応していただくようにお願いいたします。
本日の議題は、以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会は、これにて閉会といたします。長時間どうもありがとうございました。

 

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代表: 03-5253-1111(内線)3288

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